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  今日のこの1曲 “Archives”

<2024月9月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2024年9月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2024年9月1日(日) スターダスト☆レビュー 「Simple Song」

「まだ世の中には紛争が起こっています。でも僕らの音楽でみんなの心の中に楽しみや人を大切にする想いが少しでも生まれれば、いがみ合ったりすることもないんだと思うんだ。歌の力はほんのちっぽけなものなのかもしれないけれど、みんなの中にそれが膨らんでいけば、きっと世界中が平和になると僕らは願っています。」(根本要さんのMCより)

これは、スターダスト☆レビューの根本要さんがライヴで「Simple Song」を歌う前に語ったMCです。
要さんらしい、誠実で温かい言葉ですね。

そのMCと「Simple Song」も収録された、2023年9月24日日比谷公園大音楽堂でのライヴ音源・映像が出ました。

スターダスト☆レビュー『ブギウギワンダー☆レビュー野外編 with んなアホなホーンズ @日比谷公園大音楽堂』
(国内CD 全13曲収録 COCP-42269 1,100円税込/約24曲収録のブルーレイ、DVDも発売中)

スタレビの魅力は、歌と演奏はもちろん、バンドとスタッフ、ファン皆の愛の強さだと、改めて実感できる1枚です。

今日のこの1曲は、1993年発表名作『SOLA』収録曲で、本ライヴの本編ラストナンバー「Simple Song」を。
「歌にたくした願い いつかは 暗闇を照らし出す 光になれる」(「Simple Song」歌詞より) 森陽馬



2024年9月2日(月) 黒木真由美 「北極回り」

黒木真由美は1970年代中頃に活躍した女性アイドル歌手。
1975年3月にキング・レコードから「好奇心」c/w「十五の素顔」でデビューし、セカンド・シングル「感情線」がテレビやラジオでよく流れていた記憶があります。

その彼女が1975年11月に発表した唯一のオリジナル・アルバムが、なんとアナログLPで再発になりました。

黒木真由美『12のらくがき』
(国内アナログ・レコード NAS-2137 5,280円税込)

このアルバムがなぜ復刻されたのかというと、山下達郎の作曲した楽曲が入っているから、ということが一番の要因だろうと思います。それも2曲!

B面2曲目「恋人と呼ばれて」、B面5曲目「北極回り」。
共に、作詞は喜多修忠(「神田川」を書いた方です)。

とにかく、この2曲がいい曲!
演奏&コーラスはシュガー・ベイブ。
アルバム『ソングス』が発売後なので、シュガー・ベイブとしては最後のスタジオ録音かも・・・?
村松邦男によるギターのフレーズが、これぞ!シュガー・ベイブ・サウンドを伝えてくれます。

それにしても、1975年というこの時期に山下達郎に曲依頼をしたキング・レコードのディレクターさん、あなたいい仕事しましたね。森 勉


2024年9月3日(火) 井上園子 「きれいなおじさん」

昭和フォークの精神を、令和の時代へ引き継ぐ女性シンガーが出てきました。

その名は、井上園子。
1998年10月17日生まれ、湘南在住。
父が使っていたギター1本で一発録音した1stアルバム『ほころび』は、新時代フォークの風を感じさせます。

井上園子『ほころび』
(国内CD 当店にてお買い上げの方先着で「惹句」バンドver収録特典CD付 PCD-18913 2,000円税込)

高田渡のような語り口で歌われる1曲目「三、四分のうた」、日々の暮らしに感じた寂しさを描いている3曲目「あの街この街」他、日常を切り取りながら、正直な心の内を歌としてさりげなく差し出した全9曲が収録。

今日のこの1曲は、毒を吐いているようで「私は私をうたうのさ」という決意表明の歌⑤「きれいなおじさん」。
ハンバートハンバートお好きな方にも是非聴いてもらいたい1枚です。

なお、完全限定7インチ・シングル盤『三、四分のうた/おいしい暮らし』も同時発売。
こちらお買い上げの方にも、「惹句」バンドver収録の特典CDを先着で差し上げています。森陽馬


2024年9月4日(水) イックバル 「Kareba Cinta」

<RECORD STORE DAY 2024>対象アイテムとして2024年4月20日にアナログ・レコードでリリースし大好評だったイックバルの2024年作『DECADE』が、国内盤CDで発売されました。

イックバル『ディケイド』
(国内CD ボーナス・トラック2曲追加 栗本斉による解説・歌詞・対訳付 HYCA-8076 2,750円税込)

ikkubaru(イックバル)は、作詞・作曲・編曲を手掛けているMuhammad Iqbalを中心として、2011年に結成したインドネシア出身の4人組バンド。オリジナル・アルバムとしては2020年発表作『Chords And Melodies』(
当店が選ぶ2020年ベストに選出)以来となる待望のフル・アルバムです。

シティ・ポップの華やかさ+ブリティッシュな雰囲気をブレンドした前作から、ブルー・アイド・ソウルな魅力も加わりました。
晴れの日も雨の日も、楽しい時も落ち込んでいる時も、身体と心を爽やかに浄化してくれる1枚に仕上がっています。

今日のこの1曲は、英語詞が中心の本作中、唯一のインドネシア語で歌われている4曲目「Karena Cinta」を。
"愛しているから”という想いが募ってくるエモーショナルなナンバー♪

なお、お買い上げの方に先着で、毛塚了一郎氏書き下ろしイラストのマグネットを差し上げています。森陽馬


2024年9月5日(木) アート・ガーファンクル 「Skywriter」

9月6日から角川シネマ有楽町にて、『Peter Barakan's Music Festival 2024』が開催されます。

ピーター・バラカンさんが監修・作品選定した音楽映画を上映する映画祭で、今回が4年目。
『ボビー・チャールズ 極楽の歌』、『七転八起の歌手 バーバラ・デイン』、『ガーランド・ジェフリーズ ジャンル知らずの帝王』等、日本初公開作品もあって、興味深いラインナップですね。

その映画祭でプレミア上映されると同時に、他の映画館でも9/6から順次劇場公開となる
『セッションマン:ニッキー・ホプキンス ローリング・ストーンズに愛された男』は、鑑賞をとても楽しみにしている作品です。

ニッキー・ホプキンスは多くのセッションに参加している名ピアニスト。
ローリング・ストーンズ「Angie」、「Sympathy For The Devil」、ジョン・レノン「Jealous Guy」等々、ニッキーの名前を知らない方でも洋楽好きの方ならば、彼が奏でるピアノをどこかで耳にしたことがあるはずです。

1994年に若くして亡くなりましたが、生前のインタビューや貴重映像も含む本ドキュメンタリーを通して、ニッキー・ホプキンスの素晴らしい演奏がより多くの人に聴かれるといいな、と願っています。

今日のこの1曲は、ニッキー・ホプキンスがピアノを弾いている楽曲の中で、僕が特に大好きなナンバー、アート・ガーファンクル「スカイライター」を。

「Skywriter」はジミー・ウェッブが1980年代にアート・ガーファンクルへ書き下ろした隠れた名曲。
アート・ガーファンクルの当時のパートナーであったローリー・バードは1979年に自殺してしまいました。
厳しい現実から逃避したい心情を、ひこうき雲で空に字を書くパイロット(Skywriter)で表現した歌詞は、アートのその失意と苦悩を描いたと言われています。

ジミー・ウェッブの美しくも切ないメロディと、ニッキー・ホプキンスの流麗なピアノの響きが胸を打ちます。森陽馬

★掲載ジャケットは「Skywriter」収録のアート・ガーファンクル2枚組ベストCD『The Singer』
(国内2枚組CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-20426 4,180円税込)


2024年9月6日(金) 優河 「Love Deluxe」

舞台やミュージカルなど活躍の場をひろげている、東京生まれのシンガーソングライター優河。
フォーキーで美しい静謐な歌...というこれまでのイメージから一転、新たな一面をみせてくれるダンサブル&メロウな新作がリリースされました。

優河『Love Deluxe』
(国内CD PCCA-06315 3,300円税込)

ドラマ主題歌として反響を呼んだ「灯火」収録の前作『言葉のない夜に』から約2年半ぶりとなる4作目。

プロデュース&編曲を手掛ける岡田拓郎をはじめ、千葉広樹(b)、谷口雄(key)、神谷洵平(drs)、荒内佑(cero/syn)、増村和彦(per)、おなじみ魔法バンドのメンバーらが参加しています。

今作を聴いてまず驚くのは、アフロビートを取り入れた「Don't Remember Me」、ビートが強調されたグルーヴィーな「Love Deluxe」ら新境地ともいえる曲。クールな歌声も相まってこれがクセにあるカッコよさ!

都会的なムード漂う「遠い朝 (2024mix)」、妖艶な「香り」,,,心地良いビートに淡く溶けていくような歌声が自然と体を揺らしてくれます。

2024年10月30日には、今作の限定アナログLPも発売予定です。東尾沙紀


2024年9月7日(土) Neil Young & Crazy Horse 「Southern Man」(Live at Budokan Hall 1976)

ニール・ヤングの名曲から未発表レア音源が詰め込まれたアーカイヴBOXセット。
第1弾(2009年発売 10BD/DVDor8CD)、第2弾(2021年発売 10CD)に続く、第3弾が出ました!
今回はなんと!17枚組CDです。

Neil Young『Neil Young Archives Vol.3 (1976-1987)』
(輸入17CD Reprise/Warner 9362487856/ブルーレイ付デラックス盤はニールの公式サイト限定)

ディスク1の最初から、ニール1976年初来日時の音源で感涙必至!
大阪公演や前日には演っていない「Let It Shine」を披露した1976年3月11日日本武道館でのライヴ音源です。
BOX第2弾のディスク10にも武道館の音源が5曲入っていましたが、今回はタップリ入っていますね。

今日のこの1曲はこのディスク1から、8分に及ぶ「Southern Man」!
クレイジー・ホースの荒々しい演奏に、ニールのギター・ソロが炸裂! かっこいい!! 森陽馬


2024年9月8日(日) Neil Young & Nicolette Larson with The Gone With The Wind Orchestra 「Alabama」(Live)

昨日も紹介したニール・ヤングのアーカイヴBOX第3弾、17枚組CD!
未発表音源は珍しさだけでなく、繰り返し聴きたくなるトラックが多くて、聴きどころ満載ですね。

今日は、『UNION HALL』(NOVEMBER 1977)と題されたDISC5から1曲取り上げましょう。

1977年11月のライヴを中心に収録されたこのディスクの中でも、「Alabama」のライヴ音源は特に聴きものでした。

ニール・ヤングとニコレッタ・ラーソンが、The Gone With The Wind Orchestraと命名されたバンド(ベン・キース、スプーナー・オールダム、ティム・ドラムンド、カール・ヒメル、Rufus Thibodeaux)を従え、Nashville Musicians Union Hallで1977年11月10日に行ったライヴ音源です。

「Alabama」(1972年発表名盤『Harvest』に収録)は、当時の保守的な南部の体制を批判した歌でした。
そのアンサー・ソングとして、レーナード・スキナードが「Sweet Home Alabama」を作ったことで有名ですが、ニール・ヤングはこの「Alabama」後半部分に、「Sweet Home Alabama」を織り込んで歌っているのです。
歌詞だけでなく、それらしいメロディー/フレーズが入っていて面白いですね。森陽馬

★Neil Young『Neil Young Archives Vol.3 (1976-1987)』
(輸入17CD Reprise/Warner 9362487856/ブルーレイ付デラックス盤はニールの公式サイト限定)


2024年9月9日(月) J.D.サウザー 「ユア・オンリー・ロンリー」

1970年代前半はシンガー・ソングライター系の音楽ばかり聴いている時がありました。

その時出会ったのが、ジョン・デヴィッド・サウザーのファースト・アルバムでした。

輸入レコード店で見た、物憂げな表情で正面を見ているジャケットに惹かれて買った『John David Souther』というシンプルなタイトルのアルバムは、大正解で愛聴盤になりました。特にB面ラストの「ララバイ」という曲が大好きでした。1973年頃のことです。(このアルバムは1972年発表作)

それから数年経った1979年に出た彼のソロとしては3枚目のアルバムが今日のテーマです。

J.D.サウザー『ユア・オンリー・ロンリー』
(国内CD 日本語解説付 SICP-4869 1,100円税込)

ソロ名義としては唯一のヒット曲「ユア・オンリー・ロンリー」を収録したこのアルバムは、それまでのソングライターとしてだけではなく、シンガーとしても多くの人々に注目されることになりました。

それ以前の彼に比べると、ポップになりすぎたという一部のシンガー・ソングライター・ファンの意見もありましたが、僕個人はこの曲がロイ・オービソンの「オンリー・ザ・ロンリー」からインスピレーションを得たということもあり、大好きなアルバムです。

竹内まりやの新曲「歌を贈ろう」のシングルCDカップリングに入っている「ラスト・イン・ラヴ」も収録。
今ならまだ1,100円税込で手に入ります。森勉


2024年9月10日(火) あいみょん 「駅前喫茶ポプラ」

行きつけの飲食店・喫茶店はありますか?
自分の部屋・職場だけでなく、自身にとって居心地のよい空間があることは、大事なことですよね。

僕の行きつけは、J-COOK(神宮前)、名曲喫茶ライオン(渋谷)、武蔵野珈琲店(吉祥寺)等々。
最近は、Cafe Ikanika Prive(緑が丘)へよく行きます。

Cafe Ikanika Priveは、寺尾紗穂さんを見出した平井康二氏が経営している小さな喫茶店。
平井さんは絵を近年描いていて、店内にも掲示しています。興味ある方は是非立ち寄ってみてくださいね。

さて、あいみょんの新作アルバム『猫にジェラシー』が本日入荷しました。
その4曲目に「駅前喫茶ポプラ」という曲が収録されています。

あいみょん『猫にジェラシー』
(初回限定ブルーレイ付CD 先着特典付 WPZL-32144 7,920円/通常盤CD WPCL-13599 3,300円)

「駅前喫茶ポプラ」は、あいみょんがメジャーデビューした2016年頃に書いた曲で、Sundayカミデが編曲を担当。
青春真っ只中なカップルが行きつけの喫茶店を描いた歌になっています。

♪ほら僕らを見て笑っているぜヘップバーン♪
♪ハンバーグ食べきれないならもらうよ♪ (「駅前喫茶ポプラ」歌詞より)

この喫茶店のモチーフは、ヘンゼルカフェ(西宮市)でしょうか?
ヘンゼルカフェは西宮市出身のあいみょんが通っていたお店で、オードリー・ヘップバーンのポスターが店内に貼ってあり、ハンバーグもメニューにあります。(駅前ではありませんが、、、)
関西へ行く機会があったら立ち寄ってみたいですね。森陽馬


2024年9月11日(水) Jimmy Webb 「Scissors Cut」

レコード・コレクターズ誌2024年10月号『AORの名曲ベスト100特集』が入荷しました。

(ミュージック・マガジン社 930円税込)

1969~1989年に発表された楽曲の中から、ライターの方々が選んだAORの名曲ランキングが掲載されています。

納得の定番曲から、これはAORなの?という意外な選曲もありました。
AORの定義が世代の移り変わりと共に変わってきているのかな、と感じましたね。

個人的に大好きなジミー・ウェッブ作品はランキング内に入っていなかったのが残念!
なので、今日のこの1曲は、彼が1982年に発表した名盤『Angel Heart』から「Scissors Cut」を選びました。

ジミー・ウェッブ『Angel Heart』
(国内CD SICP-4903 1,100円税込)

「Scissors Cut」は、ジミー・ウェッブが1981年にアート・ガーファンクルへ提供した楽曲のセルフ・カヴァー。
当時のパートナー(ローリー・バード)を亡くしたアートの切ない歌唱が胸に迫るナンバーですが、作者であるジミー本人のヴァージョンも味わい深いものがあります。

バックは、ジェフ・ポーカロ、リー・スクラー、デヴィッド・ペイチ、バド・シャンク、フレッド・モーリン。
ジェイムス・テイラー2024来日公演メンバーでもあったディーン・パークスが弾くギター・ソロもいいですね。
ジェリー・ベックリーとグラハム・ナッシュもコーラスで参加しています。森陽馬


2024年9月12日(木) Stuff 「Foots」(Live)

ゴードン・エドワーズ(ベース)、リチャード・ティー(キーボード)、コーネル・デュプリー(ギター)、エリック・ゲイル(ギター)、スティーヴ・ガッド(ドラムス)、クリス・パーカー(ドラムス)のスタジオ・ミュージシャン6人で結成されたスタッフのファースト・アルバムは、ロック・ファンにも衝撃的なサウンドでした。1976年の事でした。

現在では、ジャズ/フュージョンの名盤と言われていますが、当時は一部のジャズ・ファンからは、「こんなのジャズじゃない」と反応もあり、ロックやソウル・ファンからの支持の方が強くあったような気がします。

そんな彼らは何度も日本に来てくれましたが、1978年に来日した際にライヴ盤を残してくれました。

スタッフ『ライヴ・スタッフ』
(国内CD 解説付 WPCR-28102 1,100円税込)

1978年11月20日東京・芝の郵便貯金ホールで収録されたもので、残念ながらクリス・パーカーは不参加ですが、スタッフならではのアンサンブルを堪能出来ます。
今日の1曲は、ファースト・アルバムの1曲目を飾った「フーツ」のライヴを。森勉


2024年9月13日(金) Ginger Root 「No Problems」

「アクション・魅力・グルーヴ・そして恋っ!たくさんのチャームポイントが入っています♪」
(アルバム中盤の80年代風日本語CMより)

日本の音楽やカルチャーにも精通し、日本語も堪能な南カリフォルニア出身のシンガーソングライター、キャメロン・ルーのソロ・プロジェクト、ジンジャー・ルート。
フル・アルバムとしては4年ぶりとなる新作、その名も『新番組』が本日リリースされました。

ジンジャー・ルート『SHINBANGUMI』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 GI443JCD 2,750円税込)

ジンジャー・ルート流シティ・ポップ「Only You」、細野晴臣の影響を滲ませるトロピカルな日本語曲「Kaze」、ファンキーな「All Night」等々...3rdアルバムもちょっとレトロなポップ・ワールドが全開です。

中でもオープニング・ナンバー「No Problems」は、彼の新たな代表曲のひとつになりそうな予感?!
多幸感あるアレンジと心弾むリズム、ポップなメロディーは何度聴いてもワクワクさせてくれます。

2025年1月には福岡・広島・大阪・名古屋・東京を回るジャパン・ツアーも決定しています。東尾沙紀


2024年9月14日(土) Galliano 「Circles Going Round The Sun」

ガリアーノというユニット名を聞いて、懐かしい!と感じる方は、1990年代のアシッド・ジャズ・ブームをリアルタイムで体験している世代だと思いますが、そのガリアーノが懐かしさだけではない、新しい作品を発表しました。

オリジナル・アルバムとしては1996年作『:4』以来、約28年ぶりの新作です。

GALLIANO『Halfway Somewhere』
(輸入CD BROWNSWOOD Recordings BWOOD363CD)

ジャイルズ・ピーターソン主宰のレーベルBROWNSWOOD Recordingsからのリリース。
アシッド・ジャズのグルーヴ感と、先鋭的な息吹がブレンドされたクールな1枚に仕上がっています。

今日のこの1曲は、ロニー・リストン・スミス「Expansions」を現代ロンドン風にアップデートさせたような「Circles Going Round The Sun」を。
本作は2022年に亡くなったSEAN ROLLING "DJ BROWNSWOOD"へ捧げられています。

なお、アルバム・タイトル『Halfway Somewhere』は(どこかの中間地点、の意)。
中心人物のロブ・ギャラガー曰く、まだ旅の途中とのことで、前を向いたこれからの活動に期待したいですね。森陽馬


2024年9月15日(日) キングトーンズ 「グッド・ナイト・ベイビー」(英語ヴァージョン)

キングトーンズが1981年にSMSレコードから発表した『Doo Wop! STATION』がボーナス曲もたっぷり追加され、低価格で再発になっています。

キングトーンズ『Doo Wop! STATION/ザ・ファビュラス・キングトーンズ』
(国内CD 期間限定価格盤 全26曲収録 UVPR-60115 1,210円税込)

大滝詠一が仕掛けたラジオ仕立てのD.J.入りノンストップ企画レコード(あのキャロル久末さんの声も聞けます)に、CDになってからは「ドゥワップ・トゥナイト」や「ラスト・ダンスはヘイ・ジュード」など大瀧詠一プロデュースによるシングル曲やカラオケを10曲追加してあります。

キングトーンズが歌う「16キャンドルズ」「シルエッツ」「カム・ゴー・ウィズ・ミー」「バーバラ・アン」などのドゥワップ・ナンバー、そして、ゲストで1曲だけ登場するスクーターズの「アイ・ワンダー」もいいのですが、今日はナレーションなしで聴けるボーナス曲の方から「グッド・ナイト・ベイビー」英語ヴァージョンを。森 勉


2024年9月16日(月) ネーネーズ 「真夜中のドライバー」

この連休中、皆さんはどちらかへ出掛けましたか?

僕は、9月15日に中野で開催された
<アシバ祭>へ行ってきました。

アシバ祭は、東京沖縄県人会青年部の主催するお祭りで、2024年で33回目を迎えました。
東京沖縄県人会青年部は、沖縄文化を広め、その良さを多くの方へ知ってもらおうと活動している東京の非営利団体で、エイサー隊と三線会による活動他、毎年6月には『沖縄戦・慰霊の日を考える集い』も開催しています。

コロナ禍もあり久々となった今回のアシバ祭でしたが、ソーキそばなど沖縄料理/オリオンビール・泡盛の出店や、沖縄民謡・琉球舞踊のパフォーマンスも数多くあり、ゆる~い雰囲気ながら盛り上がっていましたね。

中でも、昼過ぎに出演した、タツマキ娘が良かったです。
三茶で活動している、三線会から選抜された4人ユニットで、女性3人のコーラスが心地良く響きました。

そのタツマキ娘が、ネーネーズ「真夜中のドライバー」をカヴァーして歌っていました。

ネーネーズは1990年結成の沖縄女性ユニット。
♪真夜中のタクシーに乗った時、三線の島唄流れていたら沖縄生まれかと尋ねてほしい 私の彼かもしれないから♪という歌い出しの「真夜中のドライバー」は、作曲:知名定男・作詞:岡本おさみによる1994年発表楽曲で、島を離れ東京でタクシードライバーとして暮らしている彼を心配し愛しく想う歌です。
都会の厳しい陽射しに当たりながら聴く「真夜中のドライバー」、心に沁みました。森陽馬

★掲載ジャケットは、ネーネーズ「真夜中のドライバー」収録の2CDベスト・アルバム。
ネーネーズ『ホールデン・ベスト』
(国内2枚組CD 全33曲収録 MHCL-377 3,122円税込)


2024年9月17日(火) 寺尾紗穂 「こんばんは お月さん」

中秋の名月、そしてお彼岸の入り日を目前に控えた本日、寺尾紗穂さんの新作『しゅー・しゃいん』が入荷しました。

寺尾紗穂『しゅー・しゃいん』
(国内CD KHGCD-004 3,300円税込/国内LP KHGLP-004 4,400円税込)

靴磨きで生計を立てていた戦争孤児の掛け声「しゅー・しゃいん」をタイトルに冠した本作。
現在進行形でもある戦争と子供たちの問題を描いた「悲しみが悲しみであるうちに」含め、切実な想いが込められた1枚です。

今日のこの1曲は、泣くように歌う紗穂さんの声が心を揺さぶるラスト10曲目「こんばんは お月さん」を。

この歌はカヴァーで、オリジナルは加川良さんの1974年発表アルバム『アウト・オブ・マインド』に収録。
<「教訓」も大名曲ではありますが、私にとっては、加川さんが亡くなったころから”ガード下”のこの男が、山谷や戦争孤児につながってくるのではないかと感じさせてくれた、不思議な縁を感じる曲>と、紗穂さんはインタビューで語っています。

なお、当店でお買い上げの方には、寺尾紗穂さん書き下ろしエッセイ冊子、ジャケット・イラストのマグネット、紗穂さんへの最新インタビューを掲載した発売記念リーフレットを先着で差し上げています。森陽馬


2024年9月18日(水) Venice 「Sun Will Go Down」

J.D.サウザーが亡くなった、というニュースが入ってきました。(享年78歳)

今秋はカーラ・ボノフと一緒にツアーを行う予定で、先週もライヴを行っていたのですが...。
グレン・フライ(イーグルス)の訃報時と同じく、ウエスト・コースト・ロックの灯が消えたような想いです。

さて、ウエスト・コースト・ロックを現代に引き継ぐバンド、ヴェニスの新作が本日発売されました。

ヴェニス『Stained Glass』
(国内CD 金澤寿和氏による解説・歌詞付 PCD-26123 2,860円税込)

Veniceは、Michael Lennonを中心にレノン兄弟+従兄弟4人で1977年結成のアメリカン・ロックバンド。
(50~60年代に活躍したガール・グループ、レノン・シスターズは彼らの母親・親戚)
本作は2020年発表作『Jacaranda Street』以来、約4年ぶりのアルバムです。

今日のこの1曲は、若くして妻に先立たれた友人のために書いたという「Sun Will Go Down」を。
ウエスト・コースト・ロックの良心ともいえる、切なくも美しいメロディーとコーラスが沁みるナンバーです。森陽馬


2024年9月19日(木) スピッツ 「サンシャイン」

1994年9月21日のリリースから30年。
スピッツのアルバム『空の飛び方』30周年記念盤が発売になりました。

スピッツ『空の飛び方 30th Anniversary Edition』
(国内CD 期間限定生産盤 SHM-CD+ブルーレイ UPCH-7679 5,808円税込 / カセットテープもあり)

現在もライヴやテレビなどで耳にする機会が多い「空も飛べるはず」「青い車」「スパイダー」など人気曲を収録した5作目。
次作『ハチミツ』に比べると語られることの少ない作品かと思いますが、名曲揃いで大好きなアルバムです。

NYのエンジニアEmily Lazarによる最新リマスター。ジャケットのロゴも発表当時とは変わっているので是非見比べてみてください。

ボーナス・トラックには、2021年/2023~2024年のツアーで披露された「青い車」「サンシャイン」「不死身のビーナス」のライヴ音源3曲を追加♪ 瑞々しくも音は厚い...最近のスピッツの演奏を続けて聴けるのも嬉しいですね。

さらに付属のブルーレイには、HDリマスターされたMV3曲、1994年11月28日渋谷公会堂での貴重なライヴ映像2曲「恋は夕暮れ」&「迷子の兵隊」(高画質!もっと観たい!)が収録されています。

11月27日には限定アナログ(2LPカラー盤 UPJH-9096 4.400円税込)も発売予定です。

さらに11月8日からは『SPITZ NOW!~ロック大陸の物語展~』が東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)で開催されます。スピッツ初の大規模展覧会、こちらも是非チェックしてみてください。東尾沙紀


2024年9月20日(金) Fairground Attraction 「A Hundred Years Of Heartache」

2024年ベスト・アルバム大本命!の素晴らしい作品が本日発売になりました。

フェアーグラウンド・アトラクション『Beautiful Happening』
(国内CDのみボーナス・トラック2曲追加 解説・歌詞・対訳付 SICX-30208 2,970円税込/国内LP クリア・ブルー・カラー限定盤 SIJP-1099 4,950円税込)

エディ・リーダーとマーク・ネヴィンを中心に、ロイ・ドッズ、サイモン・エドワーズを加え結成したバンド、フェアーグラウンド・アトラクション。本作は1988年に発表した名盤1stアルバム『The First Of Million Kisses』から約36年を経て、再結成し作り上げた奇跡の2ndオリジナル・アルバムです。

全12曲(+ボーナス2曲)がマーク・ネヴィンによる作詞・作曲で、包容力のある楽曲揃い。
その美しいメロディに、エディ・リーダーの優しい歌声が温もりを添えています。

今日のこの1曲は、2024年6月に行われた感動の来日公演で1曲目に歌われた「A Hundred Years Of Heartache」。

♪心を痛めてきた年月はもうおしまい。心を痛めてきた年月をどうにか乗り切ったのよ♪

1990年解散後の傷心と悔恨を乗り越え、時を経て再び出会った仲間と音楽。
お互いに生き続けてこれたことへの感謝が込められた1曲です。森陽馬


2024年9月21日(土) ドノヴァン・フランケンレイター 「Never Too Late」 feat ベン・ハーパー

サーフ・ミュージックというと、昔はビーチ・ボーイズやエレキギター・インストでした。
しかし、ジャック・ジョンソンがデビューした2001年あたりから、そのイメージがガラッと変わりましたね。

ハワイの青空や砂浜を想起させる、リラクシンなアコースティック・サウンド。
フォーキーだけれどリズミカルなグッド・タイム・ミュージック♪

ドノヴァン・フランケンレイターがジャック・ジョンソン設立のBrushfireレーベルから2004年に発表したメジャー・デビュー・アルバムは、そんな魅力溢れる1枚でした。

今日紹介する本作は、デビュー20周年を迎えたドノヴァンの、約9年ぶりとなるオリジナル・アルバムです。

ドノヴァン・フランケンレイター『Get Outta Your Mind』
(国内CDのみボーナス・トラック5曲追加 全14曲収録 解説・歌詞・対訳付 SICX-202 2,860円税込)

ハワイ州カウアイ島のドノヴァン自宅付近にあるマウカ・ビュー・スタジオと、カリフォルニアのスーパー・ブルーム・スタジオで録音されたセルフ・プロデュース作。やや枯れ気味になった彼の味わい深い歌声が、レイドバックした雰囲気で沁みますね。
夕陽を眺め、物思いに浸りながら聴きたい1枚です。

今日のこの1曲は、国内盤ボーナス・トラックとして追加収録されている「Never Too Late」 feat ベン・ハーパー。
ベンはギターで参加と思いきや、歌もたくさん歌っています。森陽馬


2024年9月22日(日) Power Plant 「I Can't Happen Without You」

様々なミュージシャンの曲を1枚のCDに収録しているコンピレーションものは、選曲している人と気が合うと気持ちよく1枚を聴き通すことができます。

ということで、ティーンズヴィル・レコードから新しいコンピCDが出ました。
今回も選曲しているのは、アッシュ・ウェルズさん。
ヒットはしていないけれど、「イイ曲ってまだいっぱい存在していたんだな!」思わせてくれる曲が詰まっています。

V.A『A Pretty Song~Sunshine, Soft & Studio Sunshine Pop 1966-1972』
(輸入CD Teensville TV1064/9月25日発売 国内仕様盤 日本語解説付 TV1064CDJ)

全31曲、エリー・グリニッチ「The Door Will Be Open」とボビー・ヴィー「You」の未発表音源以外は、ほとんど無名ミュージシャンの曲が並んでいます。

しかし、ウェルズさんの確かな耳によって選ばれた曲は、ソフト・ロック好きの方は「教えてくれて、ありがとう」と声をかけたくなってしまうのではないでしょうか。いくつかグループ名を挙げておきましょう。

・アメリカン・ブルーズ・・・デイル・ホーキンス制作ですが、意外にも良質ポップ。
・バート&ビル・・・トレイド・マーティンプロデュース。
・アンクル・サウンド・・・シールズ&クロフツのジミー・シールズ作品。
・ファンタジア・・・リチャード・ペリーのプロダクション
等々、無名ながら何度も聴きたくなる曲多数。

今日は13曲目に入っているベイカー・ナイト作品のパワー・プラントというグループの曲を。
2024年に1967年の全く知らなかったイイ曲に出会えて幸せ! 森勉


2024年9月23日(月) Jackson Browne「Take It Easy」

ジャクソン・ブラウン、グレン・フライ、J.D.サウザー。
この3人はL.A.でルームメイトとして共同生活を送っていました。
1972年にジャクソンがデビューする前、グレン・フライがイーグルスとしてデビューする前のことです。

イーグルスはジャクソンとグレン・フライの共作「Take It Easy」で1972年にデビューし、ビルボード・シングル・チャート12位のヒットを記録。スターバンドへと一気に羽ばたいていきました。
ジャクソン・ブラウンは「Take It Easy」を1973年発表の2ndアルバム『For Everyman』で歌っています。

この度、その『For Everyman』がジャクソン本人の監修による最新リマスタリングを施し、彼自身のレーベルInside RecordsからCDとアナログ・レコードで再リリースされました。

Jackson Browne『For Everyman』
(輸入CD Inside Recordings INR1242/輸入LP INR1235)

2023年9月に再発された1stアルバム(
2023年9月22日今日のこの1曲で紹介)と同様、アナログ的な質感はそのままに、クリアな素晴らしい音質です。

ジャケットもオリジナルと同じく中央がくり抜かれており、CD/LPが入っているスリーヴを取ると、その下にジャクソンがいない風景のイラストが出てくる仕様になっていて、ファンとしては手に取るだけで懐かしい気持ちになりますね。

♪心配するな 気楽に行こうぜ。運命に翻弄されるな。Take It Easy♪

なお、ジャクソンの「Take It Easy」は、2曲目「Our Lady Of The Well」へ途切れずに繋がっていきます。森陽馬


2024年9月24日(火) トリプルファイヤー 「相席屋に行きたい」

<トリプルファイヤー EXTRA 7年ぶり5枚目のすごい盤>
ジャケットに貼付してあるステッカーに記載された上記文面通り、”すごい盤”が出ました!

トリプルファイヤー『EXTRA』
(国内2CD 当店のみの特典マグネット付 インストを収録したボーナスCD付 PECF-1197 3,300円税込)

吉田靖直(vo)、鳥居真道(g)、山本慶幸(b)、大垣翔(dr)の4人組バンド、トリプルファイヤー。
2017年発表『FIRE』(
2017年11月1日今日のこの1曲で紹介)以来、約7年ぶりのオリジナル・アルバムです。

<高田馬場のJOY DIVISION>、<ヨレヨレなミーターズ>、<サイケじゃないsuicide>。
彼らの音楽性を表現する比喩として今まで使ってきましたが、それらが陳腐に感じるほど突き抜けた1枚!
グルーヴ感溢れる演奏は更に深化し、吉田靖直の言葉は呪文のように響いてきます。

今日のこの1曲は、キラーチューン9曲目「相席屋に行きたい」。
曲名だけ見ると「相席屋に行きたい」歌だと勘違いするかも(実際そうかも?)しれませんが、"14歳の俺”が持っていた”ワクワクできる心”、忘れかけていた志をいつまでも持ち続けていたい、という意思が伝わってくるナンバーですね。

唯一無二のファンク・バンドだと実感できる、付属のインストCDも必聴! 森陽馬


2024年9月25日(水) Dave Guy 「7th Heaven」

ソウルフルなジャズ・トランペットお好きな方にオススメの1枚。

Dave Guy『Ruby』
(輸入CD Big Crown BCR177CD/輸入LP 限定カラー BCR177LPC)

Dave Guyは1978年生まれニューヨーク出身の黒人トランペッター。
20年以上のキャリアがあり、エイミー・ワインハウス、ファレル・ウィリアムスのセッション等を経験。マーク・ロンソン&ブルーノ・マーズのヒット曲「Uptown Funk」にも参加しています。
現在はTHE ROOTS、DAP KINGSのメンバーとしても活動している彼の初ソロ作品が出ました。

ヴィンテージな新世代ソウルを多く輩出しているBIG CROWNからのリリースですが、そこまでファンキーな感じではなく、静かに身体が揺れるようなグルーヴで聴かせる、インスト・トラック中心の仕上がりです。

今日のこの1曲は、ジャジーかつソウルフルな1曲目「7th Heaven」。
最初聴いた時は地味に感じましたが、末永く聴けそうなアルバムですね。森陽馬


2024年9月26日(木) マーヴィン・ゲイ 「How Sweet It Is」

マーヴィン・ゲイの名曲というと、まず「What's Going On」になると思いますが、他にもまだたくさんいい曲はあります。

1960年代&1970年代全米POPチャートになんと55曲もチャートインさせているんですね。
ということで、今日は現在日本で出ている彼の全22曲入りベスト盤CDから選んでみました。

マーヴィン・ゲイ『ベスト・オブ・マーヴィン・ゲイ』
(国内CD 解説・歌詞付  UICY-15065 1,885円税込)

「ホワッツ・ゴーイン・オン」、「レッツ・ゲット・イット・オン」、「悲しいうわさ」、タミー・テレルとのデュエット「恋はまぼろし」、ダイアナ・ロスとのデュエット「ユー・アー・エヴリシング」、モータウン・レーベルから移籍後のヒット「セクシャル・ヒーリング」などを収録。

今日の1曲は、僕がマーヴィン・ゲイの事を初めて知った1965年初頭のヒット「ハウ・スウィート・イット・イズ」を。

この曲が全米ベスト・テンに入った頃、ラジオで毎週国際電話をかけて最新の全米チャートを発表する番組がありました。
「アイ・フィール・ファイン」、「ふられた気持」、「ダウンタウン」、「恋の特効薬」、「カム・シー・アバウト・ミー」、「恋のダイアモンド・リング」、「キープ・サーチン(太陽を探せ)」・・・。
まさに"How Sweet It Is"な曲ばかり。森 勉


2024年9月27日(金) My Darling Clementine 「Indoor Fireworks」

麻田浩氏が主宰するトムズ・キャビンの招聘で10月下旬から来日ツアーを行う英国のカントリー・デュオ、マイ・ダーリン・クレメンタイン。

マイケル・ウェストン・キングとルー・ダルグレイッシュ、夫妻でもある2人が2020年に発表したエルヴィス・コステロのカヴァー集『カントリー・ダークネス』を披露するライヴとのこと。

スティーヴ・ナイーヴ・プロデュース&全面参加した『カントリー~』は、所謂誰もが耳にしたことのあるコステロ・ナンバーは殆どなくツウ好みの選曲ながら、歌心溢れる2人のハーモニーと深みのあるバンド・アレンジで、原曲を知らずとも楽しめる作品となっています。

来日記念盤として、ボーナス・トラックを追加し国内初CD化されました。

マイ・ダーリン・クレメンタイン&スティーヴ・ナイーヴ『カントリー・ダークネス-エルヴィス・コステロを歌う-』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 HYCA-8080 2,750円税込)

ポール・マッカートニーとの共作曲「ふりむかないで(That Day Is Done)」、エミル-・ハリス参加曲「Heart Shaped Bruiee」(『ザ・デリヴァリー・マン』収録)、ナイーヴらしいキーボードが楽しい軽快な「The Crooked Line』(『シークレット・プロフェイン&シュガーケイン』収録)など、80~2010年代から幅広く取り上げています。

本日は、ナイーヴのピアノだけでしっとりと歌い上げた「Indoor Fireworks」(『キング・オブ・アメリカ』収録曲)を今日の1曲に。

来日公演は10月28日~11月2日(大阪、金沢、名古屋、横浜、北海道)5カ所が予定されています。東尾沙紀


2024年9月28日(土) Van Morrison 「So Quiet In Here」

「暑さ寒さも彼岸まで」の通り、だいぶ涼しくなってきましたね。
これからの秋~冬へ向け、繰り返し聴きたいと思わせてくれるヴァン・モリソンの新CDが発売されました。

ヴァン・モリソン『New Arrangerments And Duets』
(国内CD 天辰保文氏による解説・歌詞・対訳付 UICB-1029 3,300円税込)

本作は、ヴァン・モリソンがすでに発表した曲を、ゲストを招きデュエットするなど新たなアレンジで近年に再録音した15曲入りのアルバムです。

ビッグバンド・アレンジの楽曲は2014年、デュエット曲は2018~2019年、と録音時期が各々違うため、端的な作品説明では未発表音源集となりますが、全体の統一感があり新作といってもおかしくない完成度の1枚に仕上がっています。

カート・ヘリングとのデュエット「Ain't Gonna Moan No More」、「Broken Record」。
ジョス・ストーンをfeatした人気曲「Someone Like You」。
ウィリー・ネルソンとの「What's Wrong With The Picture」、「Steal My Heart Away」等々。
聴きどころが多い中から、今日のこの1曲は7曲目「So Quiet In Here」を。

1990年発表作『Enlightenment』に収録されていたオリジナルよりテンポダウンし、哀愁を深めたアレンジで聴かせるヴァージョン。これぞヴァン節♪の歌声が堪能できて、しみじみとした気持ちになります。森陽馬


2024年9月29日(日) Ben Sadock & ウワノソラ 「Fender Rose」

PET SOUNDS RECORDが応援し続けているウワノソラ(角谷博栄・いえもとめぐみ)が、ニューヨーク在住のシンガー・ソングライターBen Sadock(ベン・セイダック)と共作して、アルバムを作り上げました。

Ben Sadock & ウワノソラ『Rare Birds』
(国内CD セルフライナーノーツのリーフレット付 UWAN-008 2,750円税込)

作詞はBen Sadock、作曲はBenと角谷さんの共作、アレンジと録音はウワノソラが担当。
全6曲英語詞ですが、ウワノソラ印のグッド・ミュージックが広がる1枚に仕上がっています。
(いえもとめぐみさんは、ネイティヴの方に英語の発音のレッスンを受け、何度も録り直したそうです。)

今日のこの1曲は、3曲目「Fender Rose」を。

セルフライナーノーツによると、制作に関してメールでやりとりをし始めてから、Ben Sadockから最初に送られてきた楽曲で、曲名「Fender Rose」は、エレクトリック・ピアノの名器Fender Rhodeの綴りを角谷さんがスペルミスしたことをきっかけに、Benが書き下ろしたとのこと。

ウワノソラ'67の大好きなナンバー「雨降る部屋で」のような叙情的かつセンチメンタルな雰囲気があって、副田整歩(Naomu Soeda)によるアルト・サックスの音色が、どこかへ置き忘れた郷愁を想い出させ優しく包んでくれます。森陽馬


2024年9月30日(月) ルルルルズ 「アーケード」

下北沢ライヴカフェmona recordsの店長だった行達也さんが、「僕の新バンドはペット・サウンズ向きだと思うんで、是非プッシュしてください!」と、2013年初頭に連絡をくれました。

それが、ルルルルズでした。

2013年春の自主盤『点と線ep』(2013年4月16日今日のこの1曲で紹介)、2014年4月発表1stアルバム『色即是空』(
2014年4月3日今日のこの1曲で紹介)はどちらも大好評! ロングセラーとなったのが懐かしいですね。
行達也さんは2015年に脱退しましたが、ルルルルズはメンバーチェンジを経て現在も活動中です。

そのルルルルズが『僕らの生まれた町』(2019)以来約5年ぶりとなる4thアルバム『ひとびと』を完成させました。

ルルルルズ『ひとびと』
(国内CD SOYL-3001 3,300円税込)

モミさんの儚い歌声、コバヤシアツシによるありきたりではない詩世界、ポップなサウンドが耳に残る傑作です。

今日のこの1曲は、「噛み合わないパズルずっと探しているより 欠けたピース埋まる日々を喜んでいたい」と歌われるフレーズが印象的な疾走感ある3曲目「アーケード」を。

なお、ドラマーの渡邊シンは2024年7月に急逝したため、本作が彼の遺作となるようです。森陽馬




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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