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  今日のこの1曲 “Archives”

<2025月7月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2025年7月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。
<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2025年7月1日(火) EGO-WRAPPIN' 「Sunny Side Steady」

2025年も半分が終了し今日から折り返し。
新たな気持ちで残り半年を過ごしていきたいですね。

今日のこの1曲は、そんな晴れやかな想いをプッシュしてくれるこの歌を。

EGO-WRAPPIN'『Sunny Side Steady』
(国内7inchアナログ・レコード TFKC-38138 2,200円税込)

エゴ・ラッピンが現在のライヴでもよく歌っている人気曲で、2014年テレ東ドラマ『リバースエッジ大川端探偵社』(オダギリジョー主演)のエンディングテーマであった「サニーサイドメロディー」。
「Sunny Side Steady」は、その「サニーサイドメロディー」をロックステディアレンジで新録音した楽曲です。

伊藤大地(Dr)、真船勝博(B)による強靭なリズム隊&TUCKER(key)、icchie(tp)、武嶋聡(sax)が紡ぐゴキゲンかつメロウなサウンドに、中納良恵の抱擁力ある歌声からは、心地良いヴァイヴが伝わってきますね。

なお、7inchB面には「Sunny Side Steady」のPrince Fatty DUB MIXが収録。
新曲2曲「AQUA ROBE」「Treasures High」を収めた12インチ・レコードも同時発売されています。森陽馬


2025年7月2日(水) Cho Co Pa Co Cho Co Quin Quin 「アダンの海辺」

田中一村の代表作で、『アダンの海辺』という名画があります。

<日本のゴーギャン>とも評される田中一村(たなかいっそん)は、50歳から奄美へ移住し、69歳で亡くなるまで奄美大島の自然を描いた日本画家で、独特な色合いと情熱的な自然の描写は見る者の心を惹きつけます。

Cho Co Pa Co Cho Co Quin Quinの「アダンの海辺」は、この絵にインスパイアされ制作されたそう。
その楽曲「アダンの海辺」含む3トラックを収録した7インチ・レコードが本日発売されました。

Cho Co Pa Co Cho Co Quin Quin『Correspondances』
(国内7インチ・レコード 完全限定盤 CCPQ-4 2,500円税込)

タイトル「Correspondances」(コレスポンダンス)は、人の五感や身体が宇宙・大地と調和し繋がる意味が込められており、楽曲「アダンの海辺」も田中一村の絵画に繋がるような、奄美の伝統や地域のルーツに根ざした深みのあるサウンドを聴かせます。

なお、印象的なジャケットは、メンバーのSoが奄美大島の龍郷火力発電所と龍郷柄の山肌をモチーフに描いたイラストです。森陽馬


2025年7月3日(木) 細野晴臣 「熱帯夜」

<「熱帯夜」はザ・バンドの影響があるんだよ。>
(2025年6月29日25時~ インターFMラジオ『Daisy Holiday!』 細野晴臣さんの話より)

今から約50年前、1975年6月25日に発売された細野晴臣『トロピカル・ダンディー』が、50周年記念盤としてアナログ・レコードで復刻されました。

細野晴臣『トロピカル・ダンディー』
(国内LP 完全限定盤 HHMK-001 4,400円税込)

ラジオ番組『Daisy Holiday!』の特集回では、<「北京ダック」は藤子不二雄Aの短編漫画『北京填鴨式』からのアイデア>など、細野晴臣さん自身による興味深い発言が色々とありましたね。

<「熱帯夜」がザ・バンドからの影響だった>というのも、なるほど、と思いました。
たしかに、The Band「I Shall be Released」、「In A Station」、「Tears Of Rage」を彷彿とさせる雰囲気がありますね。佐藤博さんの演奏は、ガース・ハドソンを意識したものだったのかもしれません。

なお、「熱帯夜」で一緒に歌っているのは、ザ・バンドのメンバーとも交流があり、本作制作中に「細野晴臣さんはトロピカル・ダンディーだ」と話してコンセプトを確定させた張本人である、久保田麻琴さんです。森陽馬


2025年7月4日(金) Paul Weller 「Pinball」

ポール・ウェラーの最新作カヴァー・アルバム『ファインド・エル・ドラド』は、国内盤が輸入盤と同じく7月25日発売予定になっています。

全編カヴァーは2004年発表作『スタジオ150』以来約21年ぶり。
プロデュースやアレンジは、ウェラー・バンドに欠かせない存在スティーヴ・クラドック(オーシャン・カラー・シーン)が手掛けています。
選曲はあまり馴染みのないものが多いのですが、どんな良い曲に出会えるかとても楽しみにしています。

その新作に先駆けて、2曲のリード・トラックを収録した限定7インチ・シングルが入荷しました。
Paul Weller『Lawdy Rolla/Pinball』
(輸入7inch 2173273991)

「Lawdy Rolla」のオリジナルは、フランスのThe Guerrillasというグループの1969年楽曲。
”アフリカのチャーリー・パーカー”とも称されるロンドン拠点のサックス奏者kevin Haynesをフィーチャーしています。

B面「Pinball」は、現在も現役で活動している英国の俳優/ミュージシャンBrian Protheroeによる1974年唯一のヒット。
メロディも展開も滋味ながら韻を踏むことば遊び的な歌詞が耳に残る1曲。
ポール・ウェラーが16歳頃のヒット・ナンバー、思い出の中にある曲なのかもしれませんね。

どちらの曲もクラドックがギター、ドラム、パーカッション、ベース、オルガンなど演奏面でも大活躍しています。東尾沙紀


2025年7月5日(土) コシミハル 「Falling」

2025年7月4日四谷区民ホールで行われたコシミハルさんのコンサートへ行ってきました。

年に1度のコシミハルさんによる"マダム・クルーナー"公演も今年で12回目。
『Madame Crooner 12 "Germination"』と題され、シャルル・トレネやイヴ・モンタンのシャンソンカヴァーや自身の楽曲に加えて、デヴィッド・リンチへのオマージュ・コーナーもありました。

『ツインピークス』から「Laura Palmer's Theme」、「Into The Night」、「Falling」、そして「Blue Velvet」のカヴァー等も披露。“ブラック・ロッジ”(赤いカーテン&床の模様)を想起させる照明・演出は幻想的かつ魅惑的なステージでしたね。
フェビアン・レザ・パネ、渡辺等、今堀恒雄、則武諒によるバック演奏も素晴らしかったです。

そしてなにより、コシミハルさんの音楽への愛とひたむきさがひしひしと伝わってきました。
近年習い始めたタップダンスや、亡き母への想いを語ったMCと歌に感動しました。

「(コンサートの日を迎えると)、今日という日は今日しかない、ということに気付かされる」
公演終盤に彼女が話したこの言葉が、とても印象に残った一夜でした。森陽馬


2025年7月6日(日) 大滝詠一 「カナリア諸島にて (B-EACH TIME L-ONG Version)」[原口沙輔Rework]

7月7日は<短冊CDの日2025>!
好評だった2023年、2024年に続き、2025年で3回目。
8cmシングルCDの新譜が七夕の7月7日に色々発売されます。

<短冊CDの日>は「シングルCD文化の継承と発展」を目的に、1990年代に流行した短冊CDの縦長パッケージを通じて、令和の世の中で活動するアーティストの音楽とCDショップを盛り上げていこう、というイベントです。
CDショップへ足を運び、こんなCDが出ているんだな、と商品を手に取っていただけるとうれしいですね。

今年の目玉は、この1枚でしょう!

・『EIICHI OHTAKI's NIAGARA 50th Odyssey Remix EP』
(国内8cmCD 完全限定盤 SRDL-4770 2,200円税込)

本作は、大滝詠一/ナイアガラ・レコード50周年を記念したリミックス企画の1枚。
コーネリアス、千葉大樹(from Kroi)、Night Tempo、原口沙輔、Mega Shinnosuke、スチャダラパーが、大滝詠一作の名曲に自らの個性を散りばめ、新たな風を感じさせる楽曲に仕上げています。

今日のこの1曲は、4曲目「カナリア諸島にて (B-EACH TIME L-ONG Version)」[原口沙輔Rework]を。

本作のジャケットをコーラジュアーティストのデザイナー河村康輔が手掛けているのと同様に、大滝詠一本人の様々な声や歌をコラージュした原口沙輔によるリミックスはとても斬新! めくるめく予期せぬ展開で、まさに令和のナイアガラを楽しめるリミックスです。森陽馬


2025年7月7日(月) 石川ひとみ 「まちぶせ」

ユーミンが他の歌手へ提供した楽曲はいろいろありますが、一番好きな曲は・・・なんだろう?

と考えて、最初に頭に浮かんでくるのは「まちぶせ」でした。

1976年にデビュー・シングルとして三木聖子が発売したヴァージョンがオリジナルという事になります。
作詞・作曲:荒井由実、編曲は松任谷正隆。

今日紹介するのは、それを1981年にカヴァーした石川ひとみのヴァージョン。
こちらも編曲は松任谷正隆です。
三木聖子ヴァージョンを踏襲していますが見事なアレンジで、ラストの美しいストリングスは、ひとみちゃんの歌と共に聴きものです。

石川ひとみ『Myこれ!石川ひとみ』
(国内CD PCCS-50006 1,731円税込)

最後に一口メモを。
三木聖子と石川ひとみのヴァージョンの聴きわけ方ですが、イントロ1秒で違いがわかるようになっています。
三木聖子の方は最初ヴィブラステップの音から始まりますが、石川ひとみの方はドラムスのタムの音で始まります。
イントロ・クイズの時、お気を付けください。森勉


2025年7月8日(火) 大貫妙子 「CARNAVAL」

Fuji Rock Festival '24(2024年7月26日)での大貫妙子さんのエピソード。
ライヴが始まると、大貫妙子さんの周辺に一匹のトンボが現れ、マイクスタンドに留まりました。
その後も、彼女の指へ移ったりしながらステージ上に居続け、最後の曲が終わると、青い空へ飛び立ったそうです。

その日に披露したセットリストは、坂本龍一が編曲で関わった楽曲中心でした。
あのトンボは坂本龍一が来てくれたんだ、と大貫さん自身も話していましたね。

さて、そのフジロック'24の約2週間前に、EXシアター六本木で行われた大貫妙子さんのライヴ音源がCDと2枚組アナログLPで発売されました。

大貫妙子『ピーターと仲間たち』
(CD COCB-54382 3,500円/2LP 完全限定盤 COJA-9548 6,600円)
(CDとLPで違うジャケットで、掲載したのは2LPの方)

1980年代坂本龍一がプロデュースしていた楽曲のオリジナルマルチトラックからのサウンドや、シークェンサー、シンセサイザーを使用した楽曲を中心に披露するコンセプトのコンサート『ピーターと仲間たち』。
フェビアン・レザ・パネ、鈴木正人、坂田学、toshi808、伏見蛍、網守将平によるバック演奏が素晴らしい!

今日のこの1曲は、曲中後半にメンバー紹介でソロを廻していく展開がかっこいい「CARNAVAL」。
坂本龍一の魂が乗り移ったような網守将平によるキーボード・プレイは聴きものです。森陽馬


2025年7月9日(水) 野宮真貴 「東京は夜の七時 -盆踊りVersion-」

今週末2025年7月12日、13日に、<ナイアガラ盆踊り>が代々木公園イベント広場で行われます。

<ナイアガラ盆踊り>は、J-WAVEのイベントINSPIRE TOKYO2025に合わせて行われる盆踊り祭。
特設やぐらの周辺で大滝詠一が作った数々の音頭が流れ、花柳糸之社中と共に盆踊りが楽しめます。

ナイアガラ・レーベル50周年ということもあり、今年のナイアガラ盆踊りは盛り上がりそうですね。
第1部が18時15分から、第2部は19時半から開催。無料で参加できます。
12日&13日は野宮真貴さん、13日のみ横山剣さんも出演決定!
Tシャツや手ぬぐい等の新グッズ販売もあり。お時間ある方は立ち寄ってみてください。

さて、今年で3回目となるナイアガラ盆踊りですが、過去2回でも披露された野宮真貴さんによる「東京は夜の七時 盆踊りVersion」が、7インチ・アナログ盤で限定発売されました。

野宮真貴『東京は夜の七時 盆踊りVersion/スウィート・ソウル・レビュー 盆踊りVersion』
(国内7インチ・レコード 完全限定盤 JS7S470 2,750円)

Pizzicato Fiveでお馴染みのナンバー「東京は夜の七時」と「スウィート・ソウル・レビュー」を盆踊りアレンジにした、まさに<渋谷系音頭>ヴァージョン♪ 日本の夏/納涼としてかけたい和物DJ必須の1枚です。森陽馬


2025年7月10日(木) Niagara Fall of Sound Orchestral 「幸せな結末」

今夏は7/12、13<ナイアガラ盆踊り>の他にも、大滝詠一関連の企画・イベントが色々予定されています。

まず、7/11から8/3まで神保町New Galleryにて、ナイアガラ・レコードの50周年を記念した
大滝詠一特別企画展『Eiichi Ohtaki's NIAGARA 50th Odyssey』が開催!
「もしも今、東京・神保町にナイアガラ・レコードの事務所があったら」というコンセプトで、貴重な資料やアイテムが展示され、会場限定のグッズ(Tシャツ、長袖シャツ、トートバック、ハンカチ、ステッカー、ポストカード、アクスタ等々)も販売されます。入場無料で月曜休廊。8/3までに一度は立ち寄りたいですね。

7/12(土)は、LINE CUBE Shibuya(元:渋谷公会堂)にて、ナイアガラ・レコード50周年記念ライヴ。
7/13(日)は、渋谷区さくらホールにて鈴木茂コンサート『鈴木茂、大滝詠一を唄うVol.9』があります。
更に、大滝詠一が1976年に『Niagara Triangle Vol.1』のプロモーションの一環として福生45スタジオで行った幻のスタジオ・ライヴ映像
『Fussa 45 Studio Live 1976』が、御茶ノ水RITTOO BASEにて5.1ch上映会として7~8月に公開されます。(早々に予約で埋まってしまったので、また追加上映が行われるといいですね。)

リリース関連は、2025年7月6日今日のこの1曲で紹介した8cmCDシングル『NIAGARA 50th Odyssey RemixEP』の他に、『NIAGARA SONG BOOK3』アナログLPと、画業50周年を迎えたわたせせいぞう氏によるイラスト・ブック『NIAGARA SONG BOOK3』が発売されました。

・Niagara Fall of Sound Orchestral『NIAGARA SONG BOOK3』
(国内LP 完全限定盤 クリアヴァイナル仕様 SRJL-1180 5,500円税込)

井上鑑によるストリングス/オーケストラ・アレンジが流麗で美しいナイアガラ・インスト集第3弾『NIAGARA SONG BOOK3』は、アナログ・レコードで聴くと、ノスタルジックな気分になってより深みが感じられますね。
心落ち着かせたい時に、ターンテーブルに乗せて聴きたい1枚です。森陽馬


2025年7月11日(金) Durand Jones & The Indications 「Flower Moon」

東京は久々に最高気温30度を下回り、気持ち良い風が吹くすごしやすい1日でした。
今日(7月)の満月は「バック・ムーン」。
あいにくの曇り空でお月さまは拝めませんでしたが、本日はロマンティックで甘い<月>の歌を。

ドラン・ジョーンズ&ジ・インディケーションズ『フラワーズ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック2曲追加 2,750円税込)

2010年代から活動しているアメリカのソウル・グループ、ドラン・ジョーンズ&ジ・インディケーションズ。
ドラン・ジョーンズ(vo)、アーロン・フレイザー(vo/drs)それぞれのソロ・アルバムをはさみ、約4年ぶりの新作がリリースされました。

70年代ヴォーカル・グループのような心地良いハーモニー、甘くとろけそうな大人の愛の歌を、これまでで最も洗練、成熟したサウンドで聴かせる現代版スウィート・ソウル・アルバム。

本日は、多くの花が咲き誇る情景にちなんで名付けられた5月の満月「フラワー・ムーン」を、これからの関係がさらに花開いていく恋人達になぞらえた⑤「フラワー・ムーン」を今日の1曲に。

アーロン・フレイザーの滑らかなファルセット、ブレイク・ライン(g)の柔らかなタッチのギター...羽根のように軽やかで美しい1曲です。東尾沙紀


2025年7月12日(土) The Chuckles 「All That I Can Say」

マニアックな選曲でオールディーズ・ファンに評判のティーンズヴィル・レーベルから、新たに2種類のコンピCDが発売されました。

ディスク・ユニオンが日本語解説&帯付で出してくれたので、今日はそれを紹介したいと思います。
まずは、60'sブリティッシュ・ビートものから。

『プリーズ・セイ・サムシング・ナイス ~お行儀のよい60'sブリティッシュ・ビート&ポップス 1963-1968』
(国内仕様CD 日本語解説付 全34曲収録 TV1069CDJ 2,750円税込)

相変わらず日本では全く無名のグループや個人名が並んでいますが、曲は聴きやすいものばかりです。
今回の選曲は、タイトルでもわかるように、明朗でポップな楽曲を集めたもの。
サーチャーズ、ホリーズ、ハニーカムズ、ジェリー&ベイスメーカーズ、ピーター&ゴードン、アイヴィー・リーグ、ロッキンベリーズなど、きれいなメロディーがお好きな方には、確実に気に入ってもらえる曲が並んでします。

グレアム・グールドマン在籍のモッキンバーズ、作曲家コンビのカーター&ルイスが関わっていたと言われるドーチェスターズ、ミッキーモストがプロデュースを担当したチェロキーズ、キング&ゴフィン楽曲をうまくカヴァーしたケニー・リンチなどなど、知らなかったけれどイイ曲満載。
今日の1曲は、12曲目に入っているチャックルズを。すてきなバラードです。森勉


2025年7月13日(日) The Young Ideas 「Melody」

昨日はティーンズヴィル・レーベルから新しく発売になったブリティッシュ・ビートのコンピを紹介しましたが、今日はアメリカものです。

1960年代アメリカ東海岸北部のロング・アイランドにあったレコーディング・スタジオ<AUDIO RECORDING>で録音された楽曲を集めたもの。多くはアセテート盤からの復刻です。

『ハウ・イズ・イット・ポッシブル? ~「オーディオ・レコーディング社」に眠っていた60's秘蔵音源集』
(国内仕様CD 日本語解説付 TV1068CDJ 2,750円税込)

1960年代音楽のコレクター、ジャスティン・シポリーニさんのコレクションと超マニアックなレーベル、ティーンズヴィルの関係者がひょんなことから出逢い、このCDが企画されました。凄いことです。

多くの人たちに自分の作った音楽を聴いてもらいたいという願いから、「オーディオ・レコーディング社」に音を残した歌手やグループの息吹が伝わってきます。
別テイクも含めて全28曲、約73分収録。これもミドル60'sの貴重な記録ですね。

今日の1曲は、9曲目に入っているカルズ・キッズと名乗っていた時のヤング・アイディアス「メロディー」を。森勉


2025年7月14日(月) KOKOROKO 「Sweetie」

東京は、豪雨が降ったかと思いきやあっという間に晴れ渡りました。
カンカン照りの暑さだけでなく、今日のような1日こそ、「夏が来た」と実感しますね。

そんな陽気の昼間~夕方に、ゆったりまったりと聴いていたい1枚。

KOKOROKO『Tuff Times Never Last』
(輸入CD Brownswood BWOD1803272/輸入LPもあり)

KOKOROKO(ココロコ)は、アフリカ系のルーツを持つロンドン在住トランペット奏者Sheila Maurice-Greyを中心としたジャズ・ユニット。本作は2022年発表1stフルアルバム『Could We Be More』(
2022年8月14日今日のこの1曲で紹介)以来となる2ndアルバムです。

前作に続き、ジャイルズ・ピーターソン主宰レーベルBrownswoodからのリリース。
ミディアム~スロウなテンポながら、身体も心もじわりと揺らして、心地良いグルーヴを感じさせてくれます。

今日のこの1曲は、メロウなアフロビートにネオソウルが融合した極上ナンバー「Sweetie」♪ 森陽馬


2025年7月15日(火) The Wandering Hearts 「Woodstock」

CSN&Yの名盤『デジャ・ヴ』を全曲カヴァーしているアルバムが出ました。

The Wandering Hearts『Deja vu (We have all been here before)』
(輸入CD Chrysalis BRC351CD)

The Wandering Heartsは、ロンドン発の女性2人&男性1人による3人組(Tara Wilcox、Chess Whitffin、A.J.Dean)、アメリカン・ロック/フォーク・ポップスをルーツにしているユニット。

デヴィッド・クロスビー、スティーヴン・スティルス、グラハム・ナッシュ、そしてニール・ヤングのスーパー・グループが、1970年(今から55年前!)に発表したアメリカン・ロックの大名盤『デジャ・ヴ』を曲順通りにカヴァーしています。

サウンド・アレンジはオリジナルの良さを忠実に再現し、ジャケットのデザイン&文字もオマージュですね。
ヴォーカルは女性シンガーがリードをとって歌っているものが多いのですが、今日のこの1曲は、スティルス似の男性ヴォーカルがグッとくる「Woodstock」を。

ちなみに、本作のCDは音圧が低い状態で入っています。
他CDよりも音量を上げてお楽しみください。森陽馬


2025年7月16日(水) Tony O'Malley 「Heartache」

ブリティッシュ・ソウル・バンド、ココモの創設メンバー、それ以前に活動していたアライヴァルなど知られる、英国のヴォーカリスト/鍵盤奏者、トニー・オマリー。
ブルー・アイド・ソウル、パブ・ロック好きな方にもオススメしたいソロ最新作が発表されました。

トニー・オマリー『ナゲンナ』
(国内CD 解説・歌詞付 ボーナス・トラック1曲追加 PCD-26145 2,860円税込)

ココモとしての活動も不定期に続けながら、ソロとしてもキャリアを重ね、ライヴ作品やベストなども含めて10枚以上のリリースがあるそうですが、日本盤が発売されたのは本作が初めてとのこと。
今まで知らなかったのが勿体無かったなと思えるくらい、御年77歳の色気を感じさせる、ざらついた歌声にノックアウトされてしまいました。(7月15日がお誕生日)

ビル・ウィザース「Use Me」、親交のあるグレアム・グールドマン&アンドリュー・ゴールドのユニットWAXの「Same Boat Now」、ボブ・ディラン「Everything Is Broken」、彼が敬愛するビリー・プレストン作/ジョー・コッカーのヴァージョンで有名な「You Are So Beautiful」(ライヴ)のカヴァーを挟み、、味わい深い歌と演奏を聴かせてくれます。

ココモのギタリスト、ニール・ハバードが印象的なソロを披露する「Heartache」を今日の1曲に。
ホーン・セクションを交え、孤独な男の胸の内を歌った苦みのあるソウル・バラードです。東尾沙紀


2025年7月17日(木) Patti Smith 「Rock N Roll Nigger」

フジロックフェスティバル'25の開催が1週間後に迫ってきました。
僕は7月26日(土)に行く予定です。
山下達郎→VULFPECK(初来日!)がとても楽しみですね。

僕が今までに見に行ったフジロックで印象に残っているベスト5を挙げてみましょう。
・1位ニール・ヤング(2001)
21時半から始まり23時終了の予定が、24時過ぎまで続けられた伝説のライヴ!

・2位パティ・スミス(2001)
ニール・ヤングと同じ日の昼、これも凄かった!

・3位ザ・クロマニヨンズ(2006)
1st出す前、20分強のステージながら大熱狂。最後に笑顔のヒロトがお尻をペロリと出したのも良い思い出。

・4位フィル・レッシュ(2014)
グレイトフル・デッドの精神が宿ったフィールド・オブ・ヘヴンで。

・5位ビーチ・ボーイズ(2005)
苗場で聴いたビーチ・ボーイズ・ソング♪ 楽しかったなぁ。

今年78歳を迎え、5月には来日して元気な姿を見せてくれたパティ・スミス。
2001年フジロック、ラストに披露された「ロックンロール・ニガー」での興奮・感動は今でも憶えています。森陽馬


★掲載ジャケットは、パティ・スミス「Rock N Roll Nigger」収録の1978年発表3rdアルバム『EASTER』。
(国内CD SICP-30093 1,980円税込)


2025年7月18日(金) Sly & The Family Stone 「Family Affair」(QUESTLOVE RHYTHM KING EDIT)

書籍『レコード・コレクターズ増刊 ザ・ビーチ・ボーイズ・アンソロジー』(2,860円税込)と、『ミュージック・マガジン2025年8月号スライ・ストーン追悼特集』(930円税込)が本日入荷しました。
 

『ビーチ・ボーイズ・アンソロジー』は、レココレのビーチ・ボーイズ関連過去記事がほぼ掲載されています。
『ミュージック・マガジン スライ追悼特集』は、田島貴男インタビューや佐野元春、スガシカオ他著名人が選ぶスライの3曲等々、読み応えがある内容。スライの影響力を改めて感じました。

さて、スライ関連では、映画『サマー・オブ・ソウル』を手掛けたクエストラヴ監督による新しい映像作品『SLY LIVES!』のサウンドトラック盤が、CDとアナログLPで発売中です。
・『SLY LIVES!』(輸入CD EPIC/Legacy 19802886182/輸入LPもあり)

スライの有名曲・人気曲、1分弱の短いインタールード含め全21トラック収録。
未発表テイク&ミックス、MONOシングル音源や珍しいヴァージョンなども色々入っています。
どんな映像に合わせて使われている楽曲なのか、想像しながらでも楽しめるスライ編集盤の1枚。

今日のこの1曲は、クエストラヴ自らが手を加えた「Family Affair」(QUESTLOVE RHYTHM KING EDIT)。
リズムマシンの"RHYTHM KING"の音を前面に押し出したミックスの「Family Affair」になっていて、オリジナルよりも長い約4分半によるCLUB REMIXのようなヴァージョンが新鮮に響きました。

ちなみに、この映画『SLY LIVES』、海外ではディズニーチャンネル等で公開されていますが日本では未公開。
『サマー・オブ・ソウル』のように、劇場公開されるといいですね。森陽馬


2025年7月19日(土) Jimmy Webb 「Saturday Suit」

さびしい時、かなしい時、疲れている時、やさしさに触れたい時、物思いに耽りたい時、etc...。
アート・ガーファンクル『WATERMARK』は、僕の心をやさしく包んでくれる大事な1枚です。

『WATERMARK』収録楽曲のほとんどは、ジミー・ウェッブが作詞・作曲を手掛けていました。
僕にとってはかけがえのないソングライターであるジミー・ウェッブ。
その彼が1970年代Repriseレーベルに残したソロ作品を纏めた7CD BOXが発売されました。

JIMMY WEBB『A Life In Words And Music』
(輸入7CD QCRCD7BOX198 9,900円+税)

『WORDS AND MUSIC』(1970)、『AND SO : ON』(1971)、『LETTERS』(1972)、『LAND'S END』(1974)、『EL MIRAGE』(1977)のオリジナル・アルバム5枚に、『OUT TAKES AND DEMOS』と『LIVE AT THE ROYAL ALBERT HALL』のディスクを加えた7枚組CD BOX。アウト・テイク集とライヴは、2004年にライノ・ハンドメイドで出たBOXセットに入っていましたが、長い間入手困難な状況でしたので、うれしい再発ですね。

今日のこの1曲は、『OUT TAKES AND DEMOS』に収録されている「Saturday Suit」。
アート・ガーファンクルが歌っていることで馴染みがある「Saturday Suit」(『WATERMARK』(1977)A面5曲目に収録)を、ジミー・ウェッブ本人がピアノの弾き語りで歌っているヴァージョンです。

元々は、ジョニー・クロフォード主演1973年公開映画『The Naked Ape』用にジミー・ウェッブが書き下ろした楽曲で、そのサントラ盤へ収録される前に、ママス&パパスのキャス・エリオットが3rdアルバム『The Road Is No Place For A Lady』(1972)で取り上げたのが初出。

なお、アート「Shine It On Me」の元曲「You Might As Well Smile」(グレン・キャンベル1974年作『Reunion』)もこの『OUT TAKES AND DEMOS』で聴くことができます。森陽馬


2025年7月20日(日) ヴェルヴェッツ 「愛しのラナ」

東京・神保町で開催されている<大滝詠一特別企画展~Eiichi Ohtaki's NIAGARA 50th Odyssey>の会場へ先日行ってきました。

今回のコンセプトは、“もしも今、東京・神保町に「ナイアガラ・レコード」の事務所があったら・・・”。
コンサートで使用したギター、大好きだった映画のDVD/テープのコレクション、自宅のレコード/CD棚の写真、2016年発表『DEBUT AGAIN』のジャケットを再現したオフィスの机などが、入場無料の会場で見ることができます。写真撮影もOKとのことです。

オールディーズ・ファンや大滝さんのラジオD.J.番組『GO! GO! NIAGARA』を聴いていた方々は、大滝さん愛用のジュークボックスに目がいくのではないでしょうか。その重量感のある勇姿はかなりの存在感でした。

ということで、今日は2014年に発売されたこのCDから。
『大瀧詠一のジュークボックス~ユニヴァーサル・ミュージック編』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICZ-1585 2,200円税込)

全30曲収録。この中からヴェルヴェッツ「愛しのラナ」を。
考えてみると、1963年僕が初めて耳にしたドゥーワップ・テイストの曲でした。森勉


2025年7月21日(月) The Pranks 「What's The Point」

フック、ハーモニー、ハイ・エナジー&グッド・メロディー♪
有名どころからレアものまで、80年代アメリカン・パワー・ポップをCD3枚にたっぷり詰め込んだコンピレーションが発売になりました。

V.A.『I Wanna Be A Teen Again - North American Power Pop Of The 80's』
(輸入CD Cherry Red Records CRCD3BOX196)

ジャケットに登場しているルビナーズ、ブームの一端を担ったザ・ナックをはじめ、チープ・トリック、ゴーゴーズ、NRBQ、スミザリーンズ、ラモーンズ、バングルス、dB's、ユートピア、ニッキー&ザ・コルヴェッツ、シューズ、20/20、ポール・コリンズ・ビート、マーシャル・クレンショウ、レッド・クロス、スポンジトーンズ、ヴェルヴェット・クラッシュ、ドワイト・トゥイリー、フィル・セイモア他、
1980~89年に発表/録音された全78曲を収録!

初期
コステロっぽいScreen Test「Nothing Really Matters When You're Young」、録音物たった4曲...その内の1曲が今回初リリースとなるThe Everythingers「Saccharine」(音質は悪いですがキャッチーで良い曲です)、トッド・ラングレン・プロデュースThe Pursuit Of Happinessのポップな良曲「She's So Young」など、さらに深堀りしてみたいアーティストにも出会えました。

本日は、ビーチ・ボーイズのバンドで長年活躍したジェフリー・フォスケット&ランデル・カーシが組んでいたバンド、The Pranksの貴重な音源「What's The Point」を今日の1曲に。
ジェフリー作による親しみやすいメロディの曲です。初出は2007年ブートレグ盤だそうで、今回初の公式リリースというかたちで収録されています。

本コンピを監修したDave Longさんによるライナーノーツ、各曲のジャケットや解説を掲載したオール・カラーの32Pブックレットも付いています。東尾沙紀


2025年7月22日(火) Neil Young & The Chrome Hearts 「Bottle Of Love」

本日2025年7月22日は、一年で最も暑さが厳しい節気<大暑>です。
暦通りの猛暑でしたね。

その大暑の日に、ニール・ヤングの2025年新作国内盤CDが入荷しました。

ニール・ヤング&ザ・クローム・ハーツ『Talkin To The Trees』
(国内SHM-CD仕様 大鷹俊一氏による解説・歌詞・対訳付 WPCR-18760 2,970円税込)

プロミス・オブ・ザ・リアルの面々+老雄スプーナー・オールダムによるバンドTHE CHROME HEARTSを従え、ルー・アドラーとの共同プロデュース、リック・ルービン所有シャングリラ・スタジオ録音で制作されたオリジナル・アルバムです。

1曲目「Family Life」が不安定な歌声(昔からだけれど)で、コレ大丈夫?という始まりではありますが、エレクトリックな②「Dark Mirage」、⑤「Lets Roll Again」、⑥「Big Change」、⑧「Movin Ahead」と、それ以外のアコースティックな曲がほど良く融合していて、ニールらしさが堪能できる1枚♪

特筆すべきは、9曲目「Bottle Of Love」!

♪君の涙はまとめて 愛のボトルに詰めておいたよ♪
「Will To Love」と「Distant Camera」を合わせたような、美しくて切ない名曲です。森陽馬


2025年7月23日(水) 空中カメラ 「少年ブルー」(RHION Remix)

世界一のドーナツ盤愛に溢れたレーベル、雷音レコードの10周年記念イベント<RHION FEST>(雷音フェス)が、2025年9月13日新代田FEVERで開催決定いたしました。


出演は、前野健太withおとぎ話、℃-want you!&ミートザホープス、空中カメラ、マイティマウンテンズ、モーニングコールズ。更にFEVER隣のギャラリーPOOTLEにて、『RHION POP UP STORE』と『雷音レコード・ジャケット原画展』が9/11~23に同時開催! 10周年記念グッズも販売するそうです。楽しみですね。

その雷音フェスにも出演する空中カメラと、マイティマウンテンズの7インチ・レコードが本日発売されました。
・空中カメラ『嘘つきなBaby/少年ブルー(RHION Remix)』 (国内7inch RHION-40 1,760円)
・マイティマウンテンズ『ギャラクシー・ハートブレイカー・ブルース/エンプティ・ガン』(7inch RHION-39 1,760円)

今日のこの1曲は、空中カメラ6年ぶり新曲のB面「少年ブルー」(RHION Remix)を。
横浜・逗子在住の4人組バンド、空中カメラの代表曲「少年ブルー」を武藤星児がRemixしたナンバーです。
本秀康さんフェイヴァリットなELO的アレンジが超絶ポップで最高♪

なお、本作には「少年ブルー」をイメージした本秀康さんの漫画が掲載されている小冊子付!
ほっこりすると同時に何とも切ない漫画の物語が、楽曲に彩りを与えています。森陽馬


2025年7月24日(木) 井山大今 「Speech Balloon」(大滝詠一カヴァー)

井山大今(いのやまだいこん)と聞いて、新人ミュージシャンかな?と思った方は大間違い!

・井上鑑(キーボード)
・山木秀夫(ドラムス)
・高水"大仏"健司(ベース)
・今剛(ギター)
日本音楽界のレジェンド4名が組んだバンドなのです。
(2025年9月19&20日
松本隆作詞活動55周年コンサートのバック・バンドもこのメンバーですね。)

その井山大今が2011年と2014年に発表した作品から、7曲を厳選し纏めたアナログLPが本日入荷しました。

井山大今『井山大今』
(国内LP 完全限定盤 FWRFKK-002 4,400円税込)

今日のこの1曲は、本作のB面ラストに入っている大滝詠一「スピーチ・バルーン」のカヴァーを。
2014年発表CD『井山大今Ⅱ』に収録されていましたが、現在は入手困難になっていました。
今回が初アナログ化。熟練の技とリスペクトが合わさったインスト・カヴァーです。森陽馬

★神保町New Galleryでの
大滝詠一特別企画展は、好評につき8月17日まで会期延長となりました。


2025年7月25日(金) PIPER 「Summer Breeze」

村田和人バンドのメンバー/ギタリストとしてもお馴染みの山本圭右さんを中心としたユニット、PIPER。

過去のバンドでしょ?と思っている方は大間違い!
現在のPIPER(パイパー)は、中国/海外で大人気なのです。

2024年11月に中国5都市を廻るツアーが実現。
2025年7月中旬にも、北京と上海のブルーノート公演含め、中国ツアーが大成功とのこと。
中国公演の観客はほとんどが若年層だそうで、アジアでのシティ・ポップ・ブームを実感しますね。

そのブームに便乗してか、PIPERの楽曲8曲を収めた新編集のアナログLPが本日発売になりました。

PIPER『THROUGH THE PAST AWAY』
(国内LP FWRF-024 4,400円税込)

収録曲は、「Summer Breeze」、「Angel Smile」、「Trade Wind」、「Starlight Ballet」、「Breezing」、「Shine On」、「Sunshine kiz」、「Gentle Shower」の8曲。
中でも、「Summer Breeze」はSpotifyでの再生回数も約50万回とダントツの人気曲!
イントロの清涼感あるカッティング・ギターが、厳しい暑さを爽やかな想い出に転換してくれそうです。森陽馬


2025年7月26日(土) 山下達郎 「POCKET MUSIC」

月イチのお楽しみ♪
山下達郎ムーン・レコード時代のアナログ再発、7月は『ポケット・ミュージック』です。

1986年発表。レコーディング・システムの変化によって生じた多くの問題を乗り越えての傑作アルバム。
全10曲、どの曲も楽曲の完成度が高く、アレンジも山下達郎ならではのテイストが随所に見え隠れしています。

シングル・ヒット「土曜日の恋人」、「風の回廊(コリドー)」、メッセージ・ソング「THE WAR SONG」、バラードの隠れた名曲「LADY BLUE」、軽快かつタイトなリズムに心踊る「MERMAID」、「メロディー、君の為に」などなどを2025年最新リマスター&カッティング、さらに180g重量盤で聴ける幸せを味わいたいと思います。

今日の1曲は、何度聴いてもイントロのアコースティック・ギターの音に、いい意味で耳がピクピクしてしまう「ポケット・ミュージック」を。
コーラス参加の村田和人さんの声もお聴き逃しなく。森勉

★山下達郎『POCKET MUSIC』
(国内アナログLP WPJL-10260 4,400円税込/カセットテープ WPTL-10009 3,410円税込)


2025年7月27日(日) Paul Weller 「El Dorado」

ポール・ウェラー新作カヴァー・アルバム『ファインド・エル・ドラド』が発売になりました。

ポール・ウェラー『ファインド・エル・ドラド』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-18761 2.970円税込 / 輸入LPもあり)

前作『66』から約1年ぶり、近年変わらずのハイペースで新作を届けてくれています。
今回は全編カヴァー。
ボビー・チャールズ、ビー・ジーズ、キンクスほか全体的に少しマニアックな選曲ですが、ほぼほぼ歌に専念しているウェラーの味わい深い声、スティーヴ・クラドック(オーシャン・カラー・シーン)の誠実なアレンジ、ロバート・プラント、デクラン・オルークら素敵な客演も相まって、とっても良い作品に仕上がっています。

2025年7月4日の今日の1曲でご紹介した先行シングル「Lawdy Rolla」、「Pinball」をはじめ、70年代の楽曲が中心です。
フェリックス・パパラルディと妻ゲイル・コリンズ作、つがいの白鳥に起きた哀しい物語をトラッドなアレンジで歌った「One Last Cold Kiss」、フライング・ブリトー・ブラザーズver.が元となった「White Line Fever」には、なんとクリス・ヒルマンがスティール・ギターで参加!ソロも披露し、ウェラー作品には新鮮な音色を響かせています。

本作のタイトルともなった「El Dorado」は、2019年に逝去したロンドンデリーのSSWイーモン・フリールの楽曲。
1980年代初頭の『THE BEST MAN』というTVドラマのために書かれた曲だそうですが、素朴なメロディと詩が素晴らしいです。

ノエル・ギャラガーとクラドックのアコースティック・ギターによる美しいアンサンブル、そよ風のようなホイッスル、穏やかな歌声が沁み入ります。年を重ねた現在のポール・ウェラーだからこそ、歌える、表現出来る歌なのだなと感じました。東尾沙紀


2025年7月28日(月) THE PANTURAS 「Lasut Nyanggut」

フジ・ロック・フェス2025、2日目の7月26日(土)へ行ってきました。

1日券&3日通し券が売り切れた2日目は、フジロックらしい楽しい1日でしたね。
灼熱の陽射し&暑さが続いた昼から一転、15時頃突然の強雨が約2時間降って足元はドロドロ。
でも、ジェイムス・ブレイクが終わる頃には止んで、山下達郎が始まる前には美しい夕焼けも見えました。
夜は涼しくて気持ちよかったです。
(でも、フードエリアがあるオアシス&入口手前は夜中も大混雑)

ちなみに、僕が見たアーティストは以下でした。
・mei ehara…(ギタリストはトリプルファイヤー鳥居真道。ヘブン暑い)
・THE PANTURAS…(インドネシアのロック・バンド、かっこいい!ヘブン暑すぎ)
・南部式…(九州南部発、新民謡ユニット。ヘブン奥の新しいステージORANGE ECHOにて)
<南部式が「おっぱい」を連呼する変な歌を披露した後、どしゃぶりに>
・すずめのティアーズ…(ステージ前はドロドロ水たまり状態。2声ハーモニーで心洗われる)
・JAMES BLAKE…(雨やっと止んできた。達郎さん待ち含めグリーン周辺人多い)
・山下達郎…(「Sparkle」が始まった時&竹内まりやが出てきた時の歓声が凄かった)
・vulfpeck…(ヴルフペック初来日!多幸感溢れるライヴ。終演後はHAPPYな気分に)
・賽…(たき火でまったりな雰囲気のピラミッド・ガーデンにて。夜中1時頃YONCE参加)

今日のこの1曲は、暑いヘブンで見たザ・パントゥラスの新作から熱いナンバー「Lasut Nyanggut」。
サーフ・ロックとアフロが合体したような楽曲に、タランペットという吹奏楽器の独特な音色が魔術的♪
インドネシア人観衆たちが、とても楽しそうに歌い踊っていましたね。
まさに、フィールド・オブ・ヘブンな瞬間でした。森陽馬

★THE PANTURAS『GALURA TROPIKALIA』
(国内仕様CD 日本語解説付 UNCD-90 2,860円税込)


2025年7月29日(火) 山下達郎 「プラスティック・ラブ」(LIVE)

フジ・ロック・フェス2025、7月26日(土)19時~20時10分、GREEN STAGEに山下達郎が出演しました。

この日の入場者数は39,000人(主催者発表)。
最も大きなGREEN STAGEには3万人以上が集まっていたと思います。
山下達郎のコンサートとしては、過去最大規模の観客だったと言って良いでしょう。

フジロックを主催しているSMASH取締役社長:佐潟敏博氏のインタビューによると、山下達郎へは10年前からオファーし続けて、今まではスケジュールが合わなかったが、2024年末に調整できそうとの連絡があり、やっと実現できたとのこと。
達郎さん自身もMCで話していたように、デビュー50周年というメモリアルイヤーに出演できたのはよかったですね。
セットリスト含め、当日会場で感じたことなどを以下に記します。

1.「Move On」…新曲からスタート!ダイハツ軽自動車『MOVE』CMソング。歌詞はMove Onのみ。
2.「Sparkle」…イントロのカッティングが鳴った瞬間、地鳴りのような歓声!
3.「甘く危険な香り」
MC…(「デビュー50周年を迎えました」で大歓声)
4.「ドーナツ・ソング」…手拍子レスポンス&「IKO IKO」カヴァーも中間にあり。
MC…(「雨が降り足元が悪くなりましたが、私のせいではありません」)
5.「僕らの夏の夢」…曲途中ブレイクでの、一瞬の静寂がよかった。
MC…(「50年もやっているとこういうところで何をやるか迷って...。オールドスクールなファンク・ミュージックを。)
6.「Silent Screamer」…伊藤広規ベース見せ場。そのまま「Bomber」へ繋がる。
7.「Bomber」…鳥山雄司が前に出てきてのギターソロ&山下達郎カッティング・ギターコーナーあり。
ラストは「Silent Screamer」へ戻る。
8.「プラスティック・ラブ」…竹内まりやがマイクを持って曲途中から登場。歌い始めてからも歓声止まず。
9.「Ride On Time」…竹内まりやはそのままコーラスへ加わる。マイク無し生歌披露はなし。
10.「アトムの子」…「鉄腕アトム」主題歌(作詞:谷川俊太郎)カヴァー&ラストにメンバー紹介あり。
11.「恋のブギ・ウギ・トレイン」…達郎カッティング・ギターコーナーあり。気志團万博時より短め。
MC…(「また呼んでくれれば出たいと思います」で大歓声。「まだ7月でこれから本格的な夏ですが、一足早い夏の終わりの歌で」から、「さよなら夏の日」が始まる)
12.「さよなら夏の日」…ラストMC「みなさんどうもありがとう。よい夏を、よい週末を。」で終了。

<雑記>
・山下達郎ホールツアーの恒例、客入れ音楽Doo Wopはなし。
・出演前のPAチェックの時、伊藤広規さん出てきて観客席をスマホでパチリ。
・当日15~17時に強烈な雨が降ったが、山下達郎開始時にはきれいな夕焼けも見えた。
・ステージ脇の大ビジョンには、達郎のギターカッティングシーンなどが大きく映り、とてもよかった。
・その大ビジョンに、山下達郎を横から映したショットの時、奥にいる竹内まりやさんを発見!
・「また呼んでくれれば出たいと思います」のMCで、周辺の観客から「ホントかー!?」の声多数上がる。
・19時から20時10分、きっちり70分間のステージ。
・終演後の「That's My Desire」はなし。クラッカー鳴らしている人が数名いた。
難波弘之Facebookによると、モニターの音がでかくそれを掻き消すぐらいの歓声でステージ上はカオス状態だったそう。
・しかしながら、野外の大会場を感じさせない素晴らしい音響。各楽器・歌もバランスよくクリアに聴こえました。

通常のホールツアーより時間は短いながら、普段にはない大ビジョンもあり、とても満足度が高いライヴ。
会場に詰めかけた観客は外国人も多く、山下達郎を初めて見た人が多かったと思います。
またいつか、野外フェスでの山下達郎パフォーマンスを観たいですね。

最後に、達郎さんの後に行われた、vulfpeckによる多幸感溢れるライヴも素晴らしかったです。
(コリー・ウォンのカッティング・ギターかっこよかった!) 森陽馬

★掲載ジャケットは、山下達郎が歌う「プラスティック・ラブ」収録の1989年発表ライヴ・アルバム『JOY』。
(2枚組CD WPCV-10024 5,016円税込)


2025年7月30日(水) アン・サリー 「ディズニー・ガールズ」

暑い日が続きますが、そんな時は清涼感のあるサウンドやヴォ-カルを聴きたくなるものですね。
今日はそんな1枚を。

アン・サリー『デイ・ドリーム』
(国内CD BVCR-14008 2,970円税込)

このアルバムが発売されたのは2003年。
店がもっと駅近にあった頃でした。
それ以来ずっと、わがペット・サウンズ・レコードのベスト・セラーです。

プロデュースはゴンザレス鈴木とアン・サリー自身。
アン・サリーのヴォーカルをサポートするミュージシャンは、高田漣、中村善郎、笹子重治、saigenjiなど。
声の個性をうまく活かして、シンプルでありながら、心に沁みる演奏になっています。

今日の1曲は、ビーチ・ボーイズのブルース・ジョンストンが書いて、1971年発表のアルバム『サーフズ・アップ』の中で発表した名曲「ディズニー・ガールズ」のカヴァーです。森勉


2025年7月31日(木) CINDY 「Fall In Love」

2025年8月2日(土)は、アナログ・レコードのイベント<CITY POP ON VINYL>!
シティ・ポップ系の色々な作品が、アナログ・レコードで発売されます。

大貫妙子『4;00A.M.』初7inch、大貫妙子『SUNSHOWER』(クリアパープルヴァイナル)、CINDY『Angel Touch』、一十三十一『Telepa Telepa』、DE DE MOUSE & 一十三十一『摩天楼Starlight』7inch、一十三十一『YOUR TIME Route #1』、早見優7inch(恋のブギ・ウギ・トレイン英語ヴァージョン収録)、ジャンクフジヤマ、浪速エキスプレス、村松健、鳥山雄司、大村憲司、菊池ひみこ、間宮貴子、池田典代、松下誠、濱田金吾、安川宙志『核分裂』、Ska Jazz Messengers 7inch、DJ NOTOYA(永井博イラストジャケ)。

上記商品が当店に入荷し、8月2日から販売開始となります。
ご予約も可能です。ご希望商品ございましたらお早めにお問合せください。

今日のこの1曲は、CITY POP ON VINYL2025アイテムから、CINDY「Fall In Love」を。

CINDY『Angel Touch』
(国内LP MHJL-436 4,950円税込/国内CDもあり)

1980年代後半に山下達郎のバック・コーラスを務めていた(『JOY』収録楽曲に参加)ことでも知られる女性シンガーのCINDYが、1990年に発表したソロ2ndアルバム『Angel Touch』。

そのB面4曲目に収録されている「Fall In Love」(作詞・作曲:Cindy)は、鳴海寛と山下達郎が編曲を担当。
メロディアスなミディアム・バラードで、山下達郎によるコーラス・アレンジが素晴らしいナンバーです。
なお、山下達郎はギターでも参加しており、らしいギターの音色を随所で聴くことができます。森陽馬




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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