PET SOUNDS RECORD
今日のこの1曲 アーカイヴス


  今日のこの1曲 “Achives”

<2006月1月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて、
その日に店内演奏していた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2006年1月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。

廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。


<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2006年1月1日(日) 大滝詠一 「Rock'n' Roll お年玉」

 昨年2005年1月1日の“今日のこの1曲”も、これでしたが、やっぱり今年も店を開ける時にかけたのは、これでしたよ。

 1977年12月に発表された大滝詠一さんの隠れた(?)大名盤で、各月ごとに様々なテーマをきめ、それに大滝さんのルーツとなる音楽要素をたっぷり盛り込んだ楽しくも素晴らしい全12曲。(『ナイアガラ・カレンダー』 SRCL-3501 \1,529)

 来年2007年に出るであろう?30周年記念エディションが今から楽しみです。(その前に今年の3月21日がありますね。)

 ちなみに現在出ているCDのジャケットではなくて、当時のアナログ盤の方のジャケットを敢えて載せたのは、このカレンダーが今年のカレンダーと一緒だからです。

 オリジナル・アルバムのLPをお持ちの方は、今年は是非壁に飾っておきましょう。森 陽馬


あけましておめでとうございます。
仮店舗がオープンした状態で新年を迎えることができて、本当に嬉しい思いでいっぱいです。これもお客様皆様方のおかげです。
これからも末永くよろしくお願い申し上げます。

2006年1月2日(月) Rolling Stones 「Happy」

 ローリング・ストーンズの来日が決定したのはうれしいのですが、東京ドームなのにチケット代金が18,000円っていうのはなぁ・・・。

 だからといって一番安い9,000円のC席だと、本当にスタンドの一番後ろになってしまうのだろうし、中途半端なA席15,000円を買うなら、もう3,000円出してS席がいいかもしれないけれど、それでもアリーナの後ろだと見にくいだろうし・・・。
 結局観に行くことになるかもしれないのですが、ちょっと微妙。

 まあ文句をブツブツいくら言っても、とにかくミックとキースの元気な姿が見られればそれで満足なので、とりあえずは無事に来日してもらいたいところ。

 ちなみにこの曲「Happy」は、72年発表ストーンズの名作『メインストリートのならず者』に収録されているキース・リチャーズの代表ナンバー。

 2005年に発表された新作オリジナル・アルバム『ビガー・バン』は、
“21世紀の『メインストリート〜』”なんて表現されてましたが、じっくり聴くとやっぱりちょっと違うかな。森 陽馬

2006年1月3日(火) Varelie Carter 「What's Become Of Us」

 今日から武蔵小山商店街のお店もちょっとずつ開き始めて、人通りはそれなりにすごいのですが、うちの店は正直言って結構暇でしたね。

 以前は、お年玉をもらった子供がレコードを買いに来る、といった風景もここ数年はとんと見られなってしまいましたが、現代の子供はもらったお年玉をどのように使っているのでしょうか?
 やっぱり携帯電話代金?ゲーム? それとも株?

 まあ暇な時に張りきってもしょうがないので、こういうCDをまったり(?)聴きながら年末できなかったバックルームや書類の整理をして1日が過ぎてしまいました。

 ヴァレリー・カーターは70年代の女性シンガー。
 フィフスアヴェニュー・バンドのジョン・リンドなどと結成したハウディームーンというグループでデビュー。ローウェル・ジョージが参加した77年発表1stソロ作『愛はすぐそばに』が素晴らしいアルバムで、僕の長年のフェイヴァリット・アルバムでもあるのですが、この78年発表2ndアルバム『ワイルド・チャイルド』(MHCP-769 \1,890)もなかなかいい作品。
 最近、紙ジャケ&リマスターで再発されたので、もう1枚買おうかどうしようか思案中・・・。

 ちなみに3曲目に収録されているこの曲が、ミスター・チルドレンの大ヒット曲(たしか「Tomorrow Never Knows」だったかな?)にそっくりなんですよね。
 出だしのイントロ〜歌い出しのメロディとかほとんど同じ。
 まあどちらにしてもいい曲です。森 陽馬

2006年1月4日(水) The Turtles 「Happy Together」

 彼らの1965年デビュー・ヒットが、ボブ・ディランのカヴァー「イット・エイント・ミーベイブ」だったため、最初は“フォーク・ロックの旗手”なんていうキャッチ・フレーズを付けられていました。

 「ハッピー・トゥゲザー」は1967年に大ヒット。
 この曲でそんな枠を飛び越えた感がありました。

 後半のコーラスがなんともいい雰囲気で、同時期にヒットを連発していたアソシエイションともダブるところがあります。

 ダブるといえば、昔から気になっていることを・・・。
 歌い出しの♪想像して・・・♪というのは、ジョン・レノンが「イマジン」で参考にした−−−ということはないでしょうね・・・。

 さて、タートルズ。
 ホワイト・ホエール・レーベル音源のため、ほとんど日本盤が出ないのが残念。イイ曲がいっぱいあるのに・・・。
 「シード・ラザー・ビー・ウィズ・ミー」、「エレノア」、「ユー・ショード・ミー」等、どの曲も60'sの名曲集に入れたい曲です。森 勉

2006年1月5日(木) Otis Rush 「You're Breaking My Heart」

 当店、ブルース・コーナーはそれほど充実しているわけではないのですが、ブルースのCDはよく店頭でかけています。
 今日は、オーティス・ラッシュの未発表ライヴのCD(『オール・ユア・ラヴ 激情ライヴ1976』(PCD-23722 \2,415)を夜かけていました。

 ライナー・ノーツで近藤房之助も書いていますが、なんでこれがオクラ入りになっていたのか不思議なくらい素晴らしいライヴ音源。(正確には、プロモーション用に一部メディアにしか配られなかった音源らしい)

 音もいいですね。
 数年前、マジック・サムの未発表ライヴが発売され、ライヴの内容は良かったものの、音が本当にカセット音源みたいな感じでちょっとしっくりこなかったことがありましたが、それと比べても全然良くて、臨場感溢れる素晴らしい音質。

 ちなみにこの曲は、B・Bキングがオリジナルですが、オーティスのギターも負けず劣らずかっこいいです。森 陽馬

2006年1月6日(金) Earl King 「The Real McCoy」

 昨日に続いての“ブルース発掘音源”となりますが、こちらも凄い内容。

 ニューオリンズ関連お好きな方ならご存知の名曲「ビッグ・チーフ」の生みの親、アール・キングが72年に録音していながらオクラ入りとなっていた作品『Street Parade』(VSCD-5291 \2,415)がめでたく陽の目を見ました。

 なんとこの作品、全編通してバックがミーターズ!
 明記されてはいませんが、プロデュースはおそらくアラン・トゥーサン(?)という感じで、ニューオリンズ・ファンの僕にとっては嬉しい1枚でした。

 何年か前に死んでしまいましたが、10年前ほどに見た後期のヨレヨレ&ヘロヘロ・アール・キングしかしらない僕には信じられないような迫力あるヴォーカル&サウンドで、特にこの「The Real McCoy」という曲のレオ・ノセンテリのギター・リフ、ジョージ・ポーターのベース・ライン、ジガブー・モデリステのドラミングは正にミーターズ・グルーヴ!

 ミーターズがバックを担当した作品でまだCD化されていないものって、まだまだたくさんあるだろうからどんどん再発していって欲しいですね。森 陽馬

2006年1月7日(土) スタン・ゲッツ 「スウィングしなけりゃ意味がない」

現在、店内特設コーナーにて展開している“村上春樹『意味がなければスイングはない』発売記念特集”より。

 ビーチ・ボーイズ・ファンの僕らにとって、ブライアン・ウィルソンの項はとても感慨深く読むことができましたが、他の項もとても興味深い考察が多かったですね。

 特に“スタン・ゲッツの闇の時代 1953〜54”の項。
恥ずかしながら『ゲッツ・ジルベルト』くらいしか知らなかった僕にとって、スタン・ゲッツがこんな狂人(?)だったとはビックリしてしまいました。

 この盤は、本でも紹介されている『アット・ザ・シュライン』(UCCU-5214 \1,995)という54年のライヴ録音盤。
 
 本のタイトルの元となったデューク・エリントン「スウィングしなけりゃ意味がない」のカヴァーも収録されています。森 陽馬

2006年1月8日(日) Lonnie Liston Smith 「Expansions」

 昨年末にリリースされた“Legends of Cosmic Jazz Funk”シリーズ。
 いいですねー。個人的にはかなりヘビーローテーション。

 70年代スピリチュアル・ジャズをベースにしたファンク/ニューソウルなサウンドなのですが、どれも古さを全く感じさせず、なおかつ音は人間的、というか今のCLUB MUSICとはまた違った革新性&暖かさみたいなものも感じられて面白いのです。

 このロニー・リストン・スミスの作品も以前からCD化はされていましたが、今回の紙ジャケ化(BVCJ-37496 \2,100)を機に購入。
1曲目のタイトル曲「Expansions」は、30年前の録音(75年発表作)とはいえ、最近のヘタなCLUB MUSICなんかよりもよっぽどかっこいいですね。
 独特な?フェンダーローズの音色が宇宙へと誘っているよう。

 ロニー・リストン・スミスは他に5タイトル再発されたので、それらも聴きこんでいこうと思ってます。森 陽馬

2006年1月9日(月) Sounds Incorporated 「William Tell」

 『ポップ・ギア』はイギリスで1964年に制作された劇場用映画のタイトル。
(日本公開は1965年)
 当時人気のあったブリティッシュ・ビート・グループやソロ・アーティストがスタジオでレコードに合わせて口パクしている場面をフィルムに収めたもの。

 ただそれだけと言ってしまえばそれだけの映画なのです。
しかし、レコード・ジャケットの写真しか知らなかったアーティストが、「動いている!」という新鮮な驚きがそこにあったことを思い出します。

 アニマルズ、ハニーカムズ、ビリー・J・クレイマー&ダコタス、ピーター&ゴードン、ハーマンズ・ハーミッツ、ナッシュヴィル・ティーンズ、スペンサー・デイヴィス・グループ、マット・モンローなどの有名どころに加えて、日本ではあまり知られていなかったロッキン・ベリーズ、フォー・ペニーズ、フォアモスト、スーザン・モーン、ビリー・デイヴィスを知ることができたのもこの映画のおかげでした。

 中でも印象に残っていたのは、このサウンズ・インコーポレイテッド。
 コミカルなその演奏スタイルとタイトなサウンドの微妙なバランスが何ともいえない魅力だった。
 ロッシーニ作の序曲「ウィリアム・テル」が、ホーンを含めて見事なビート・サウンドで再現されている。

 このCD(VSCD-2671 \2,835)には、映画の中で演奏したもう1曲「リンキー・ディンク」も収録。森 勉

2006年1月10日(火) Neil Young 「Prairie Wind」

 昨年9月(国内盤は10月)に発売されたニール・ヤングの新譜『プレーリー・ウインド』(WPZR-30114 \3,480)が、グラミー賞(BEST ROCK ALBUM&BEST SOLO ROCK PEFORMANCE)にノミネートされているらしい。

 ファンでありながら消極的な発言ではあるが、受賞できるかは半信半疑・・・。まあ、壇上に上がって、スピーチするシーンを見たいことは見たいのですが、U2やストーンズ、コールドプレイが相手ではちょっと分が悪いか。

 それ以外にもニールの話題は意外と尽きることがなく、なんとジョナサン・デミ監督で、ニール・ヤングの映画、その名も『HEART OF GOLD』が全米で公開決定!
 (こちらのサイトで予告編を見ることができます。)

 バーナード・シェイキー(ニールが映画監督をやる際の変名)名義ではなくて、ジョナサン・デミが監督だから、『過去への旅路』などとは違って内容もわかりやすそうでいいかもしれないぞ〜。(ファンらしからぬ発言ですね・・・。スミマセン)

 日本公開があるかどうかは微妙だが、『グリーンデイル』の時みたいに、吉祥寺バウスシアターなどでレイトショーでもやってくれたらウレシイな。森 陽馬

2006年1月11日(水) Black Bottom Brass Band 「ワッショイ★ブギ」

 年が明けてこうして平和な東京で生活しているわけですが、昨年カトリーナに襲われたニューオリンズは今頃どうなっているんだろうなあ、どのくらい復興しているのかな、という思いが時々頭を過ぎります。
 災害直後の映像はよくテレビでも流れていましたが、もう水も引いた(と思われる)バーボン・ストリートなどのお店はどの程度オープンしているのかな、と。

 日本が誇れるニューオリンズ・ブラス・バンド、ブラック・ボトム・ブラス・バンドがカトリーナに襲われる直前の6月に現地ニューオリンズに赴いて行ったライヴ音源がCD化(VICL-61854 \2,000)。

 「IKO IKO」や「Mardi Gras In New Orleans」などのニューオリンズならではのナンバーももちろん良かったですが、やはり彼らのオリジナル「ワッショイ★ブギ」にて、“ワッショイ”の音頭を現地の人達にコール&レスポンスさせるのが、なんとも痛快!

 日本ではまだまだ一般的なネーム・ヴァリューがなく、ニューオリンズのルーツ・サウンドにどっぷり浸かっているマニアな人達からは軽く見られがちな彼らではありますが、本場に乗り込み、自国の音楽的ルーツと自らの好きな音楽のルーツとをミックスさせ実演している彼らには本当に頭が下がる思いですね。演奏面などを越えて、もっともっと評価されていいのに、と思いました。

 ちなみにその6月にニューオリンズにて行ったパレードなどの映像がCD-EXTRAにて収録。更にはこのCDの売り上げの一部はニューオリンズ復興のために寄付されるそうです。森 陽馬

2006年1月12日(木) バートン・クレーン 「酒がのみたい」

 当店HPのトップ・ページにもジャケ写を載せているバートン・クレーン。
 あと約10日後に遂に発売になります。(バートン・クレーンに関してはちらをご覧ください)

 すでに石川茂樹さまからSPで聴かせてもらったことなどあるのですが、“SPの暖かい雰囲気を生かした形でのいい音質を気軽にCDで楽しめる”というのもいいものですね。曲もたっぷり全25曲、70分以上収録されているし。

 まだ本盤が手元に届いていないのですが、当店試聴機コーナーにてお聴きできるようになっておりますので、興味ある方は是非!(当店のみの特典バッチも出来上がりました。通販ピックアップに画像載せておりますので、ご覧ください)

 音&唄もそうですが、僕としてはブックレットもとても楽しみで、著名人の方々の詳細な解説、そして歌詞カード(謎の日本語?で聞き取りできない箇所もあったそう)も充実しているようですので、乞うご期待!ですね。

 ♪酒飲みは 酒飲めよ 酒があれば オイ!!怠け者
〜中略〜
 養老の瀧が 飲みたい もしなければ スットコドッコイ ♪
(“もしなければスットコドッコイ”ってなんのこっちゃ?笑) 
ちなみに僕はお酒飲めません・・・。あしからず・・・。森 陽馬

2006年1月13日(金) Elvis Presley 「Heartbreak Hotel」

 ビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』が発売されたのは1966年なので今年で40周年だ!
と一人ワクワクしていたのだが、一般的にはそんなことよりも、“ロック生誕50周年!”ということで盛り上がっているらしい。

 もうご存知の方が多いとは思うが、エルヴィス・プレスリーが「ハートブレイク・ホテル」で鮮烈なデビューを飾ったのが1956年。なので、“ロック生誕50周年”なんだそう。

 何気なく何度も耳にしてきたエルヴィスのこの曲も、そう考えて聴くとより深みを増してくるから不思議。

♪みんな一人ぼっち、みんな淋しくて死にそうだ♪

不良がって強がっているイメージがある“ROCK”も、実はこの歌詞のように、“淋しくて死にそうな”人のためにある音楽なのかな、なんて思っちゃったりして。

 そういう意味では、やはり最近の“ROCK”はちょっと意味合いが変わってきちゃったのかな、と。森 陽馬

(ジャケは『30ナンバー・ワン・ヒッツ』 BVCP-21278 \2,548)

2006年1月14日(土) Stephen Bishop 「Save It For A Rainy Day」

 1976年に発表されたスティーヴン・ビショップの記念すべき1stアルバム『ケアレス』(MVCM-18509 \1,835)より。

 スティーヴン・ビショップは現在でも活動しているカリフォルニア出身のシンガー・ソングライター。サイモン&ガーファンクルのアート・ガーファンクルが自らのソロ作で、まだデビュー前だったスティーヴン・ビショップの曲を取り上げたことにより一躍脚光を浴び、多くの豪華ゲストを迎え発表されたのがこの名作。

 この曲はエリック・クラプトンが流麗なギター・ソロを弾いていることで有名ですが、チャカ・カーンの客演、ラス・カンケルのドラミングなどもお聴き逃しなく。

 ちなみに、「雨の日の恋」なんていう甘い邦題が付いていますが、本来「Save It For A Rainy Day」は、“いざの時のために備えておけ”みたいなニュアンスの意。

 今日は一日中ずっと雨が降っていたので、あえてこの曲にしましたが、この曲より僕は「Rock And Roll Slave」や「Little Italy」、「Never Letting Go」などの歌の方が実は好きなんです。このアルバムも今年で30周年なのでリマスター盤か何かでないかな? 森 陽馬

2006年1月15日(日) Jay Farrar 「Like A Hurricane」

 昨年末、久々の新作(7年ぶり)を発表したジェイ・ファーラー率いるサンヴォルト。
 武骨なロックがお好きな方にはかなりオススメな感じの出来でしたが、そのアルバムは今度ご紹介するとして、本日は店内でガツンとかけたこの1曲を。

 “オルタナ・カントリーの雄”として人気の高いウィルコの前身バンドであるアンクル・テュペロ、そしてそのウィルコと枝分かれしたサン・ヴォルトというバンドの中心人物であるジェイ・ファーラーが、2004年に発表したソロ作は全編ライヴ録音。

 オリジナル曲も悪くないのですが、やはりラストに収録されているこのニール・ヤングの名曲カヴァーが白眉。

 最近ニール・ヤングのカヴァーも増えてきましたが、このカヴァーはその中でも群を抜く出来で、完コピながらギターの泣き具合も最高! 声もパール・ジャムのエディ・ヴェダー似の野太い声で、僕はかなり気に入っています。

 ちなみに国内盤は発売されておらず、輸入盤のみ(ATM CD-51523 \2,500)ですが、初回盤にはライヴ映像が収められたDVDも付いています。森 陽馬

2006年1月16日(月) バートン・クレーン 「よういわんわ」

 石川茂樹さまからご連絡があり、「バートン・クレーンのCDが納入された!」とのことでしたので、いの一番に車で“バートン・クレーン秘密結社・発行委員会会議室”まで取りに伺いました。

 その帰りの車で、早速封をあけて、聴きながら帰ったのですが、運転しながらついニヤニヤしてしまったのがこの曲。

 大阪出張帰りのクレーンとカフェーの女給役の淡谷のり子との会話が随所に挟まれる掛け合い仕立てのナンバーで、バートン・クレーンもさることながら、淡谷のり子さんのほのぼのぶりもかなりイイ感じ。
 解説にも書いてありますが、最後の方で、バートン・クレーンにより「酒は涙か溜息か」のさわりが替え歌で歌われるなど、こういうコミック・ソングの原型が1930年代に作られていた、ということに改めて驚きと感動をおぼえます。

 こうやって実際に出来上がったCDを手にして感じましたが、やはりCD制作者の熱い想いというのは、単なるCD1枚ではありますが伝わってくるものなんですね。ブックレットの1ページ1ページから、私欲や利益とは違った石川さまのこの企画に対する熱意が伝わってきて、そういう意味でも感動してしまいました。森 陽馬

(ちなみに店頭出しは20日(金)です。しばしお待ちくださいませ)

2006年1月17日(火) オリジナル・ラヴ 「Be My Baby」

 オリジナル・ラヴ(田島貴男)の新作『キングスロード』が本日発売。
 今作はなんと全曲カヴァー・アルバムなのですが、そこは田島貴男がやるカヴァー・アルバム。もちろん一筋縄ではいきません。

 いきなりフォー・トップスの「It's The Same Old Song」を日本語詞でカヴァーしたか、と思えば、ニール・セダカ「恋の片道切符」、ペトゥラ・クラーク「ダウンタウン」、スモーキー・ロビンソン&ミラクルズなどをいかにも!という田島貴男的アレンジでカヴァー。

 ストーンズの名曲「ルビー・チューズデイ」、ピンク・フロイド「See Emily Play」なども日本語詞でやっちゃうなど、カヴァー・アルバムでありながら、“オリジナル・ラヴの新作”に仕上がっている1枚ですが、その中にあって、そのままの英語詞、そしてアレンジをあまり崩さず完コピでやっているのが、このロネッツで有名なフィル・スペクター作「ビー・マイ・ベイビー」。

 全10曲中、意外(?)にもオールディーズが多いのですが、何故にこの「Be My Baby」をやりたくなったのか、興味ありますね。
 これからの田島貴男の活動にももちろん期待! 森 陽馬

2006年1月18日(水) Marcos Valle 「Esperando O Messias」

 寒い日が続いてますが、ブラジルの暖かい風を運ぶようにマルコス・ヴァリの新作(UCCM-1087 \2,548)が届けられたので、取り上げることにしましょう。

 マルコス・ヴァリは1943年生まれというから、もう62〜3歳。でもそんな年を全く感じさせない若々しい感性で現在も幅広く活躍しているブラジルの名ミュージシャン。

 そんな彼の新作タイトルは、『ジェット・サンバ』。
 ここ最近の彼のアルバムは、半分インスト半分ヴォーカル入り、という感じでしたが、今回はオール・インストで、彼の美しいメロディー&フェンダー・ローズ/ピアノの魅力を存分に楽しめる仕上がりになっています。

 ブックレットにマルコス・ヴァリ本人によるライナー・ノーツがポルトガル語(時折英語が混じっている)で書かれているのですが、ポストガル語がわからないので、どのようなことを書いているかははっきりわからないのですが、11曲目に収録されているこの「Esperando O Messias」に関して、アメリカのソングライターであるジミー・ウェッブを引き合いに出して書いてある箇所がありました。

 でもまさにこの曲はそんな感じのインストで、ジミー・ウェッブ的なメロディー展開に、バカラック的なホーンの入り方。しかしながら、あくまでアレンジ&曲は、“マルコス・ヴァリ的ジャズ・サンバ”といった感じで昇華されていて、何気ないインストながら、実は懐の深いところを見せつけられるような1曲なのでした。森 陽馬

2006年1月19日(木) スーク・トリオ 「ピアノ三重奏曲 第7番<大公>」

 正直申し上げると、クラシックはあまり詳しくないのですが、“村上春樹特集”をやっていることだし、このCDは安かったので購入。店開けてすぐの午前中に、店内でかけて聴いていました。

 スーク・トリオは、チェコスロヴァキアの名ピアノ・トリオ。
 この<大公>は彼らが75年に録音したものなのですが、そもそもなんでこのベートーヴェンピアノ三重奏第7番を<大公>と呼ぶのか疑問に思っていたところ、ライナー・ノーツに以下のように書かれていました。

 “この曲の副題となった<大公>は作曲者自身の命名ではなく、曲が当時のルドルフ大公に捧げられたために付いた俗称で、この公爵は時のオーストリア皇帝レオポルドU世の末子 −中略ー ベートーヴェンよりも18才も年下で彼(ベートーヴェン)の音楽の弟子でもあったが、経済的には彼の庇護者として生涯にわたって親密な関係を続けた −中略ー この曲以外にも、『ピアノ協奏曲第5番<皇帝>』、「ピアノ・ソナタ第29番<ハンマー・クラヴィーア>』、『ミサ・ソレムニス』など重要な名作を数多く献呈してその恩に報いている。”

 引用が長くなってしまいましたね。スミマセン。
 ということで、ベートーヴェンが弟子であり恩人である人に捧げた曲だった、ということですね。クラシック界では常識なのかもしれませんが、とても勉強になりました。森 陽馬

2006年1月20日(金)バートン・クレーン「モダーン百万パーセント」

 本日よりバートン・クレーン、店頭発売開始!

 年配の方から、下は16歳の高校生(!)の方にも御買い上げいただき、本当にありがとうございます。(僕も3枚買いましたよ〜)

 今回のこのCDを自腹で制作された石川茂樹さまのお話によると、初回2,000枚プレスしたそうですから、みなさん、うちの店でなくてもいいですから、気になった方いらっしゃったら買って聴いてみてくださいね。

 12曲目に収録されている「モダーン百万パーセント」。
 この曲が録音されたのが昭和6年(1931年)。
 ブックレットの最後に石川さまがまとめた年表(バートン・クレーンの曲が流行った時代に起こった出来事など。これが、また親切な作りで・・・)、これを読むと1931年は満州事変があった年だ、ということで、いやはや、まさに歴史の教科書を紐解いている感じですね。

 一見、単なるおバカ・ソングのようなこの「モダーン百万パーセント」も、山田晴通さんの詳しい曲解説を読むと、色々とその時代の深い意味も込められているんだな、と実感できるので、御買い上げいただいた方は是非、音だけでなく解説もじっくり読んでみてください。森 陽馬

2006年1月21日(土) Phoebe Snow 「Never Letting Go」

 フィービー・スノウは70年代から活動している黒人とユダヤ人の血筋を持つ女性シンガー・ソングライター。
 ブルージー、ソウルフル、ジャジー、と黒人的な面だけでなく、フォーキー&ポップな側面も併せ持ち、ジャンルを超越した味わい深いその歌声とメロディーが魅力のアーティストです。

 74年に発表し大ヒットしたデビュー・アルバム(「サンフランシスコ・ベイ・ブルース」、「ポエトリー・マン」収録の名盤)が何故か現在国内盤では発売されていないのですが、彼女の代表曲が収録されたベスト盤が1,785円とお買い得な値段で発売されていますので、とりあえずはそちらをオススメ。(全17曲収録 SICP-8005 \1,785)

 ビートルズの名曲カヴァー「Don't Let Me Down」の方が一般的には人気かもしれませんが、あえて僕の好きなスティーヴン・ビショップのカヴァーであるこの曲を“今日のこの1曲”にしましょう。
 S・ビショップのオリジナルは76年発表。このフィービー・スノウのカヴァーは、77年発表の同名アルバム『Never Letting Go』より。スローな切ないバラード・ナンバーですが、静かな立ち上がりから、最後の方のサビはだんだんと熱唱になっていく展開は、意外と歌のうまい人でないと難しい歌なのかもしれません。

 最近、ソニーの紙ジャケで色々と出ていますので、このフィービー・スノウの1stなんかは、紙質などもちょっと特殊なものでしたので、“リマスター&オリジナルに忠実なかたちで復刻”、してくれるとよいですね。森 陽

2006年1月22日(日) 梅木マリ 「マイ・ボーイ・ロリポップ」

 梅木マリは、1950年3月生まれ。東芝から1962年に「可愛いグッド・ラック・チャーム」(エルヴィス・プレスリーのカヴァー)でレコード・デビューした時はなんとまだ中学1年生だったということです。

 それから約2年間で梅木マリ(という名前として)は引退してしまいます。その間に発表したキュートなポップスはなんとも言えぬ魅力あるものばかりです。

 しゃくりあげる独特の歌い方で、ひっくりかえる声はバディ・ホリーの影響・・・? 「お嫁に行きたい」という曲ではそれが存分に発揮されています。

 今日の1曲は大好きな「マイ・ボーイ・ロリポップ」(ミリー・スモールのカヴァー)にしましょう。
 これは、1964年9月発売の彼女のラスト・シングル曲。彼女の歌い方としては少しおとなしめで、「もっと、しゃくって!」と思ってしまいますが、マリちゃんも少し大人になったということなのでしょうね。

 テレビの“懐かしのメロディー”なんかでは紹介されないけど、こんなガール・ポップスが日本にもあったことが、もっと多くの人々に知ってもらえると嬉しいですね。
 そういえば、『トリロー・ソングス』、『サザナミ・ケンジ・コレクション』に1曲ずつ彼女の歌が入ってました。森 勉

ジャケットは、現在発売されている梅木マリのCD(PCD-1539 \2,940)。

2006年1月23日(月) JUKKA ESCOLA 「1974」  

 僕の2005年ベスト・CLUB MUSIC ALBUMは、以前(2005年12月14日の今日のこの1曲)にも取り上げたRIOVOLTでしたが、“この1曲”ということでしたら、ユッカ・エスコラの「1974」になります。

 ユッカ・エスコラは、北欧はフィンランド出身のサックス奏者。その彼を中心とした5人ほどのグループでの作品で、先程、CLUB MUSICと書いてしまいましたが、この作品は厳密にはジャンルとしては“現代北欧ジャズ”ですね。

 しかしながら、この曲は全編バンドの生演奏ながら、CLUB MUSICお好きな方にも気に入ってもらえそうなブラジリアン・フュージョン的な疾走感あるナンバーで、エレピとサックスが織り成す音色のメロディーが一度聴くと耳について離れなくなるような魅力的な1曲。実際、クラブ・ジャズ・コンピなどにリミックスされたヴァージョンなどが使われたりしています。

 アルバム(『ユッカ・エスコラ』 SRIP-9019 \2,500)の他の曲はもっと“JAZZJAZZ”していて、いかにもアメリカのジャズとは対照的な北欧のジャズといった上品な雰囲気。

 それにしても何故にこの曲のタイトルが「1974」なのか?
 1974年生まれの僕はとても気になっています。森 陽馬

2006年1月24日(火) 鈴木祥子 「ラジオのように」

 本日、1月25日新譜が色々と入荷。
 椎名林檎率いる東京事変、ジェイミー・カラム、今度来日も決定しているTOTOの新作など、どれも力作揃いで内容も良かったのですが、その中でもダントツに素晴らしかったのが、この鈴木祥子さんの5年ぶりとなる新作(WRCD-33 \3,000)でした。

 いや〜。これはホント名盤ですよ。鈴木祥子を知らない方でも、シンガー・ソングライターお好きな方なら是非聴いてもらいたい作品です。
 直枝政広率いるカーネーションがバックを担当し、音もシンプルながら彼女の“生きている”声を際立たせています。
 全11曲どの曲も捨てがたいのですが、あえて93年発表『ラジオ・ジェニック』に収録されていた名曲の再演を今日は選びました。

 この曲もさすが!というカーネーション的なバンド・アレンジになっていて、特に、
♪ ラジオのように時は流れ、いつのまにか私は身をまかせていた、
 絶望も (希望も) 受け止めて (捨て去って) 自分さえ失くしてた。♪
と歌われる部分は、かっこの部分は直枝さんが鈴木祥子さんを追いかけるように歌っていて、なんか聴いていて泣けてきてしまいましたね。

 この曲の次にはパティ・スミス「フレデリック」のカヴァーが続き、歌詞がネガティヴな曲もありますが、最後の最後に収録されている「道」という曲で、
 ♪ここからはもうだいじょうぶ、ひとりで行くよ、♪
と歌われ、あくまで前向きな意気込みも感じられる全体の流れも見事です。

 ここ最近は、シンガー・ソングライターものでもジャック・ジョンソンなどを筆頭に肌触りのよい感じのものばかり聴いていましたが、これは久々に真の意味で、グサッと刺されて心をえぐり取られるような錯覚を覚えた1枚。何気ない言葉の一端でも、そのソングライターの心の“光と闇”が伝わってくるものなのだ、ということが実感できた作品でした。森 陽馬

2006年1月25日(水) 東京事変 「修羅場 adult ver.」

 椎名林檎を中心とした東京事変、2ndとなる新作『大人 (アダルト)』。
 (初回盤DVD付 特殊パッケージ TOCT-25884 \3,800)

 2004年末に発売された1stアルバム『教育』は、正直いって個人的にはちょっと音が密になりすぎている感があり、曲自体は悪くはなかったのですが、アレンジが聴いていてちょっと辛かったかな・・・、という印象でした。
 それに比べると、今回の2ndはタイトル通り、“教育”されてまさに“大人”になった音作りで、どの曲も聴きやすく好感が持てました。というより、今までの椎名林檎作品の中で一番好きなアルバムかも。

 特にネットドラマ『大奥』の主題歌にも使われた「修羅場」のアルバム・ヴァージョン(adult version)は絶妙のアレンジ。
 程よく音の隙間が曲の中にあって、その隙間を縫うように、浮雲のギター、亀田誠治のベース、伊澤一葉のキーボード、そして、刄田綴色のハイハットを存分に生かした技ありのドラミングが個性的に動き回っていて、聴いていてとても気持ちよい音感。

 ちなみに初回限定盤のブックレットには、オリジナル香り付き。
 3月23日には、このアルバムから6曲を厳選したアナログ盤(\2,500)も発売予定になっています。森 陽馬

2006年1月26日(木) アン・サリー 「ハレルヤ」

 何度聴いても飽きない、というか聴いていて心地良い安らかな気持ちになれる1枚、というのが、誰しも何枚かあると思いますが、このアルバムは僕にとってのそういう1枚。

 心臓科の女医、という異色の経歴を持つ女性シンガー、アン・サリーが2003年に発表した2枚のアルバム『Day Dream』(BVCR-14008 \2,835)、『Moon Dance』(VACM-1223 \2,835)。
 どちらも素晴らしい選曲、素晴らしいアレンジ、素晴らしい歌唱、なのですが、今日はなんとなく『Moon Dance』という気分なのでこちらを。

 このアルバムに収録されている中では、「蘇州夜曲」や「星影の小径」、そしてニール・ヤングのカヴァー「Only Love Can Break Your Heart」がお気に入りなのですが、アン・サリーの美しい歌声にピッタリはまっているなあ、と聴くたびに感じるのがこの曲で、原曲はフェアーグラウンド・アトラクション88年発表のアルバムに収録されているナンバー。

 バックの演奏も原曲の良さを生かしたいいアレンジで、高田渡の息子、高田漣のワイゼンボーンによる独特な響きのギターの音色が曲の奥行きを更に深めています。

 余談ですが、昨年のフジ・ロックに、そのフェアーグラウンド・アトラクションのヴォーカリストだったエディ・リーダーが来日したので、彼女の歌う“ハレルヤ”も生で聴くことができました。あれからもう半年が経ってしまったのか・・・。森 陽馬

2006年1月27日(金) Gregg Karukas 「CrossRhodes」

 最近、個人的にかなり気に入って聴いているのがこの1枚。
 一部の硬派なロック/ジャズ・ファンから、「こんな軽いの聴いてるの?」とバカにされそうですが、これがイイんですよ。

 グレッグ・カルカスは、1990年代から活動しているキーボード奏者で、Rippingtonsというグループに属したこともあるようですが、よくは知りません。とりあえず、ほとんど自主レーベルから作品をコンスタントに出しているアーティストで、ジャンルでいえば、“現代フュージョン”でしょうか。(一般的には“スムース・ジャズ”と呼ばれているようですが、この響きってよくわからないですよね。)

 全曲インストで、音的にはもう70年代のジョー・サンプルの系統をそのまま受け継いでいるような雰囲気。そこに若干、現代的な音も入ったりしますが、心地良いこの空気感はまさに“21世紀のRainbow Seeker”といった感じですね。

 今日のこの1曲「CrossRhodes」は、あのブルース名曲「クロスロード」とはもちろん別曲ですが、フェンダーローズ(エレクトリック・ピアノ)を使用したゴキゲンなフュージョン・ナンバーで、それをもじったタイトルがしゃれていて、もうタイトルだけで座布団1枚! 内容も良くて、ドライヴしながら聴きたいですね。

 ジョー・サンプルなどの70年代フュージョンお好きな方はもちろん、CLUB MUSICお好きな方にもオススメできる1枚かも。ヘタなCLUB JAZZ聴くより、全然オススメです。森 陽馬

2006年1月28日(土) 村中 靖愛 「マシンガン・スネイク」

 この曲はペダル・スティールのインスト・ナンバーなのですが、店頭でかけていたら、「これなんですか?」と若いお客様が反応してくれて御買い上げしていただきました。

 まあ当然、ペダル・スティール/カントリー・ピッキングお好きな方は日本にもそれなりにいると思いますが、特にそういうジャンルに触れたこともなく、先入観もない若い方が気に入ってくれて、そして御買い上げしていただいたことがうれしいですね。またそれが、カントリー専門店とかではなくて、ここ武蔵小山の街のCD店で、というのが何よりもうれしいです。

 この村中靖愛さんは、狭山ハイドパーク・フェスに参加された方ならご覧になられたと思いますが、麻田浩さんのバックでペダル・スティールを弾いていたのがこの人で、ここ最近はスウィンギン・ドアーズというバンドを中心にセッションなどでも活躍している日本屈指のペダル・スティール奏者。

 まだ30代と若手(?)の彼ですが、初のソロ作がCDで発売。
 全曲インストですが、まさに超絶カントリー・ピッキング!で、各曲もその超絶テクニックで弾き倒すナンバーから、ゴキゲンなゆったりした曲まで、まさに“聴かせるペダル・スティール”です。
 
 特にこの「マシンガン・スネイク」は、曲名通り、マシンガンの如く打ち放たれるペダル・スティールの超絶ピッキングに誰しもが舌を巻くこと必至。
 ライヴ会場での手売り用に作られたそうなので、まだほとんど流通されていませんが、気になる方は是非チェックしてみてください。森 陽馬

2006年1月29日(日) 鈴木祥子 「Frederick」

 ここ最近、これを聴かないと1日が始まらない、っていうくらいヘヴィー・ローテーションです。先日もここで取り上げた鈴木祥子さんの5年ぶりとなる新作アルバム(WRCD-33 \3,000)。

 彼女のインタビューなどはチェックしていないのですが、おそらくこのアルバムは、アナログ・レコードのA面&B面を意識して作られたのでは、と思える構成で、前半@〜Dは弾き語り及びシンプルな編成(そのシンプルな中にも情熱が篭っているのですが)での曲、そして後半E〜Jは、バックにカーネーションが加わったE「ラジオのように」〜F「Frederick」の流れも含め、ロック的なアレンジに変化しているのが如実に感じられます。

 特に僕が気に入っているのが、パティ・スミスのカヴァー「Frederick」。

 あのトッド・ラングレンがプロデュースしたパティ・スミスの79年発表アルバム『WAVE』に収録されていた隠れた名曲で、パティの後の夫となる元MC5のギタリスト、フレッド・スミスへ捧げたナンバー。(そのフレッド・スミスは94年に心臓の病気で死亡)

 ブルース・スプリングスティーンが曲を書き、パティがヒットさせた人気曲「Because The Night」ではなく、あえてこの「Frederick」をカヴァーしたのがイイですね。ほぼ完コピながら、カーネーション的なバンド・アレンジもNice! ライヴでも聴いてみたいですね。森 陽馬

2006年1月30日(月) 9コンパス 「風の子」

 本日、遅ればせながら2006年初ライヴへ行ってまいりました。
 大好きな女性シンガー・ソングライター、イトウサチさん率いる“9コンパ” at 吉祥寺MANDA-LA2。

 今回の“9コンパス”号に“乗船”(バック・バンド)したのは、セロファンというグループのベーシスト河野薫さんに、本日は都合によりドラムではなくパーカッションの中原由貴嬢。そして、東京ローカル・ホンクの田中邦雄さんがドラムを叩いて、更に、後期フリクションのメンバーであった斉藤GOさんがギターという、ファンにとってはまさに夢のような共演。

 期待も大きかったのですが、いや〜〜〜、ホント、「9コンパス スゲー!」って感じで、もう感動を通り越して圧倒されてしまったぐらい、素晴らしいライヴでした。

 ひとつひとつ挙げていったらキリがないので書きませんが、とにかくも、素晴らしいバック・バンドを従え、遠くを見つめるような眼差しで無垢に歌うイトウサチさん、カッコよかったなあー。
 早く“9コンパス”名義のアルバムを作ってほしいものです。森 陽馬

(ジャケットは2000年に発表したイトウサチさんのソロ名義の作品。)

2006年1月31日(火) ジャッキー・グリースン 「あなたと夜と音楽と」

 事後報告、というか現在進行形なのですが、本日は棚卸の日。

 といっても、うちの場合はそんなにめちゃくちゃ在庫があるわけでもないので、営業しながらの棚卸。
 今年は仮店舗だし閉店前までに余裕で終わるかな、なんて甘く見ていたが、結局、閉店後も棚卸作業中・・・。

 棚卸作業中には歌ものよりインストが最適、ということで本日はこれ。

 1950年代の古き良きイージー・リスニング・ミュージック。
 ジャッキー・グリースンのCDが紙ジャケ&リマスターで発売されましたので、夜はこればかりリピートして聴いておりました。(『Music To Change Her Mind』 TOCJ-9650 \2,500)

 ジャッキー・グリースンは海外ではCollector's Choiceというレーベルから他の作品もCD化されているのですが、今のところ国内盤ではこの1枚のみ。ジャケットもいいものが多いので、是非国内発売もして欲しいところ。

 ちなみに、当然のことですが、ジャケットに映っている美女はジャッキー・グリースンではありません。あしからず。森 陽馬


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