PET SOUNDS RECORD
今日のこの1曲 アーカイヴス


  今日のこの1曲 “Achives”

<2010月12月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて、
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2010年12月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。
廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。


<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2010年12月1日(水) ミスター・チルドレン 「365日」

 ミスチル、約2年ぶりの新作『SENSE』が発売。(TFCC-86341 \3,059)

 今作は発売前の告知・情報解禁がほとんどされておらず、CD店員の僕らでも宣伝用ポスターが到着した入荷日前日にタイトルを知った、というくらいの徹底ぶり。
 シングル曲が1曲も収録されていない、ということで売る側としても不安でしたが、逆にファンの期待を膨らませたようで順調な売行きです。

 シングルの寄せ集め的なアルバムを出すミュージシャンが多い現状、純粋な新曲がほとんど入っていないアルバムよりも、初めて聴くような新曲がたくさん入っている作品の方がファンとしては絶対にうれしいですからね。
 今後ベテラン・アーティストは、支持してくれているファンが喜ぶようなアルバム作りをすべきだと改めて思いました。

 さて、その新作『SENSE』。
 秘密主義にしていたので『深海』のようなクセのあるコンセプト作?と想像していましたが、全然そんなことはなくミスチルらしいメロディーが溢れた傑作。
 今まで通り小林武史プロデュースながら、前作よりもストリングスの仰々しさは抑え目になり、聴きやすい仕上がりです。

 ただ歌詞は全体的に説教的だな、と感じました。
 歌で理想や自らの想いを説くことは良いのですが、言葉数が多すぎるというかやや堅苦しいですね。(まあそれがミスチル節だといえばその通りなのですが・・・)
 
 その中にあって、NTTのCMソングとして使われた5曲目「365日」。
 万人が共感できるわかりやすいラヴ・ソングで、他にもかっこいい曲ありますが、この曲が一番優しさに溢れていて僕は好きかな。森 陽馬

2010年12月2日(木)レイ・デイヴィス&アレックス・チルトン feat.The 88 「エンド・オブ・ザ・デイ」

 近年精力的に活動しているキンクスのレイ・デイヴィス。
 昨年リリース『キンクス・コーラル・コレクション』に続き、新作『シー・マイ・フレンズ』もキンクスのセルフ・カバー作品でした。(UICO-1199 \2,500)

 今作は曲毎にゲストが参加。
 ブルース・スプリングスティーンに始まり、ジャクソン・ブラウン、ルシンダ・ウィリアムス、意外な所ではボンジョヴィ、メタリカ、ビリー・コーガン、若手はマムフォード&サンズなど幅広い世代/ジャンルのミュージシャン達とデュエットを披露しています。

 「ユー・リアリー・ガット・ミー」、「ローラ」、「ウォータールー・サンセット」、「デヴィッド・ワッツ」他、キンクス・ファンには馴染みのある曲がずらり。

 演奏&アレンジも小細工無し!といった感じ。ストレートでかっこいい作品だと思います。

 今日のこの1曲は、今年3月に急逝したアレックス・チルトンとの「エンド・オブ・ザ・デイ」。

 ライナーによるとこのプロジェクトに最初に抜擢した人物がチルトンだったとの事。昨年夏頃の録音で、The 88(L.A.の4人組)のキレの良いバック演奏と、二人の歌がとてもかっこいい1曲です。

 日本語解説は大鷹俊一氏。レイ自身による楽曲解説も付いています。
 あと、ザ・ジャムがカバーした「デヴィッド・ワッツ」に関して、レイがライナーノーツで取り上げていたのが個人的に嬉しかったです。東尾沙紀

2010年12月3日(金) 鈴木 祥子 「青空のように」

 来年3月21日発売ナイアガラ(大滝詠一)関連アイテム、2タイトルの詳細が昨日やっと発表になりました。

・『NIAGARA CD BOOK』 12枚組CD BOX 26,250円
・『A LONG VACATION 30th Anniversary Edition』 2枚組CD 2,625円

 『NIAGARA CD BOOK』には予約先着特典で、“LPサイズジャケット絵柄カレンダー”が付くそうです。更に2タイトル同時購入応募特典も予定されているとのこと。

 肝心の内容も、『デビュー』初CD化、シリア・ポールやレッツオンドアゲンの最新リマスター、『ロンバケ30周年盤』には純カラオケ&未発表テイクが収録、と気になる音源が色々と入りそうです。

 CD BOOKの方は完全受注生産限定で、店頭予約締切が1月18日。
 なおかつ予約先着特典もございますので、購入考えていらっしゃる方はお早めにご予約された方がいいかもしれませんね。追加情報などありましたらまたアップしていこうと思っております。

 ちなみに、ナイアガラ・ファン要チェックのアイテムがもう1枚。
 鈴木祥子さんの最新シングル『青空のように』。

 大滝さんご本人も“イイ曲!”とおっしゃっているこの名曲を、鈴木祥子さんが一人多重録音でカヴァー。CDは1月26日ですが、12月22日に限定500枚アナログEP盤でもリリースされます。

 当店地下アゲインで1月23日にその発売記念イベントも開催される予定。
 森 勉もトーク・ゲストで参加しますのでよろしくお願い致します。森 陽

★掲載ジャケットは12月22日発売予定の鈴木祥子さん限定アナログEP『青空のように』。(BEEP-004 \1,300)
 細野晴臣さんなどの仕事で知られる名デザイナー、岡田崇さんがジャケット・デザインを手掛けています。

2010年12月4日(土) Shelby Lynne 「Xmas」

 クリスマスまであと3週間。
 暖かい日が続いているのでまだピンときませんが、クリスマス・アルバムのオススメ新譜を紹介しましょう。

 アメリカのカントリー系女性シンガー・ソングライター、シェルビィ・リンの新録クリスマス・アルバムです。(輸入CD Everso Records EVER180)

 彼女の2008年発表作『Just A Little Lovin'』は、個人的にその年のベスト5に選出したくらい気にいっていたアルバムでしたが、今作もほど良い力の抜け加減とレイドバックした空気感がNice!

 2008年作にも関わっていた名エンジニア、アル・シュミットの仕事ぶりも素晴らしく、彼女の歌声とアメリカン・ルーツに根ざした渋いバック演奏を絶妙なバランスでMIXしています。

 「White Christmas」、「Silent Night」、「O Holy Night」など比較的スタンダードな選曲ですが、8曲目「Xmas」はシェルビィ・リンによるオリジナル曲。

 「Just A Little Lovin'」のカヴァー・アレンジに似たカントリー/ブルージーな雰囲気で僕は気にいっています。森 陽馬

2010年12月5日(日) The Puppini Sisters 「All I Want For Christmas」

 昨日に続いて、クリスマス・アルバム新録でオススメのこの1枚。

 The Puppini Sistersは英国出身のKate、Marcella、Stephanieからなる美人女性3人組グループ。

 ジャケットだけ見ると軽そうに見えますが、これが思いのほか素晴らしい音作り&コーラスで、Living SistersやSecret Sistersが気にいった方には是非聴いてもらいたい推薦盤です。

 彼女たちのルーツは、1930〜40年代アメリカで活躍したアンドリュー・シスターズで、オールド・スタイルなコーラス・ワークと、上品なスイング感がとってもシャレていて最高!

 自分達でホーン・アレンジを手掛けていたり、ウクレレ、アコーディオン、ヴァイオリン、ハープなど様々な楽器を操っており、単なる和み系クリスマス・カヴァーとは一味も二味も違う仕上がり! ライヴも見てみたいですね。

 アンドリュー・シスターズの歌っていたヴァージョンを下敷きにしたB「Here Comes Santa Claus」、G「Mele Kalikimaka」なども超ゴキゲンですが、変わったところではマライア・キャリーの大ヒットX'mas曲F「All I Want For Christmas」カヴァーが聴きもの。

 スウィンギーなホーンだけでなく、スライド・ギターまで入って、レイドバックしたアレンジが面白いです。森 陽馬

2010年12月6日(月) リタ・クーリッジ 「クレイジー・ラヴ」

 名曲はいつ聴いてもいいものですね。

 1971年に発表されたリタ・クーリッジのファースト・アルバム(UICY-94191 SHM-CD限定紙ジャケット仕様 \2,800)。3曲目に収録されているこの「クレイジー・ラヴ」は、まさに名曲と呼んで相応しい曲だと思います。

 作者はヴァン・モリソン。
 1970年発表『ムーンダンス』に入っていた曲で、そちらもオリジナルとして素晴らしい出来なのですが、個人的にはリタ・クーリッジのヴァージョンを最初に聴いたので、こちらの方が強烈な印象となって残っているのです。

 ジム・ケルトナー(ドラムス)、ドナルド・ダック・ダン(ベース)、スティーヴン・スティルス(ギター)、ボブー・ウーマック(ギター)、ブッカー・T・ジョーンズ(キーボード)というメンバーが醸し出す極上の演奏に、初々しいながらもソウルフルで楽曲をよく理解したリタの歌が絶妙に溶け合っています。

 バック・コーラス隊にはグラハム・ナッシュも参加。森 勉

2010年12月7日(火) 坂本 冬美 「さらばシベリア鉄道」

 12月8日新譜が色々と入荷。
 AKB48のシングル、木村カエラ最新シングル、デヴィッド・T・ウォーカー新作、ジミヘンBOX、ブルース・スプリングスティーンBOX、エリック・クラプトン他参加『クロスロード・ギター・フェス』DVD、エルヴィス・プレスリー新作(?!)など、年末らしいリリースラッシュ。

 極上の仕上がりデヴィッド・T・ウォーカー新作、大きいパッケージながら素晴らしい装丁で手に取ると欲しくなるブルースBOXなど、後日このコーナーでも紹介したいと思ってますが今日はこの1曲。

 坂本冬美のカヴァー・アルバム第2弾『Love Song U〜ずっとあなたが好きでした』(TOCT-27020 \3,000)から、大滝詠一の名曲「さらばシベリア鉄道」。

 リリース前は、二番煎じな企画だよな〜、なんて思いましたが、実際に聴いてみたらとても気に入りました。

 耳馴染みのあるメロディーを上品なアレンジで料理しており、この「さらばシベリア鉄道」のカヴァーも、太田裕美版を編曲した荻田光雄さんという方が再びアレンジを手掛けています。

 ちなみに、アルバムの最後には山下達郎「クリスマス・イヴ」のカヴァーも収録。森 陽馬

2010年12月8日(水) cro-magnon feat さかいゆう 「Windy Lady」 & 「Crystal Girl」 feat 土岐麻子

 ここ最近“山下達郎フォロワー”としてジャンク・フジヤマが人気急上昇中ですが、この人も忘れてはいけません。

 センスの良さと個性ある歌声でインディーズ時代から<山下達郎を彷彿とさせる〜>と評されることが多かった“さかいゆう”は、1979年生まれの男性キーボディスト/シンガー・ソングライター。

 オーガスタと契約しリリースした待望のメジャー1stアルバム(6月24日にこのコーナーで取り上げました)はオーガスタ・レーベル的なメジャー感ある音になっていましたが、今日発売されたcro-magnonのアルバム『joints』(LACD-207 \2,500)では、彼のポップ&ソウルフルなセンスを改めて感じさせてくれます。

 そのcro-manon(クロマニヨン)は、90年代ボストンで出会った大竹重寿(Dr)、コスガツヨシ(G/B)、金子巧(Key)の3人で構成されたHIP HOP/JAZZ/CLUB系インスト・バンド。

 今作『joints』は様々なシンガーをfeatしたヴォーカル入り楽曲を集めた1枚で、この中にさかいゆうがヴォーカルをとる山下達郎カヴァー「Windy Lady」が収録されています。(元々は2008年発表作『V』収録)

 更に土岐麻子さんのキュートな美声が印象的な1曲目「Crystal Girl」のメロディー制作もさかいゆうが担当しているそうで、シティ・ポップなアレンジが素晴らしいナンバー。

 流線形など新世代シティ・ポップ好きの方は必聴の2曲です。森 陽馬

2010年12月9日(木) David T. Walker 「For All Time」 (Overture)

 名ギタリスト、デヴィッド・T・ウォーカーの新作『For All Time』が発売。(XQJS-1002 \2,500)

 2008年11月発表作『Thoughts』、2009年11月発表作『Wear My Love』も素晴らしいアルバムでしたが、今作もいい意味で変わらずゴキゲンな1枚。
 聴いてすぐそれとわかるデヴィッド・Tらしい温もりあるギターの音色には、何時聴いても癒されます。

 配給はユニバーサル社からバウンディに変わったものの、ドリカムのDCTレーベルによる制作はそのまま。バック・ミュージシャン(ドラムス:Leon Ndudu Chancler、ピアノ:Clarence McDonald、ベース:Byron Miller)も前作と同じ布陣で、デヴィッド・Tを鉄壁サポートしています。

 ビートルズ「Eleanor Rigby」、スライ&ザ・ファミリーストーン「If You Want Me To Stay」、マリーナ・ショウがヴォーカルを取るアル・グリーン「Let's Stay Together」などのカヴァーも魅力ですが、オリジナルも秀曲揃いで特に1曲目「For All Time」(Overture)。

 わずか1分30秒のシンプルなトラックですが、この1曲にデヴィッド・Tの魅力が全て凝縮されていると言っても過言ではないでしょう。

 ブックレットにデヴィッド・T本人による曲解説(対訳付)が掲載されており、それを読みながら聴くと今作の奥深さがより感じられます。森 陽馬

2010年12月10日(金) ジェス・ローデン 「The Hardest Blow」

 今年個人的に凄く嬉しかった再発は、UKのシンガー、ジェス・ローデンのソロ2nd『愛の狩人』(78年)、3rd『ストーンチェイサー』(80年)の2作です。

 最近はこればっかりというほどお気に入りです。

 隠れた名作として人気の2作がAOR再発ラッシュに紛れて世界初CD化。アラン・トゥーサン等が参加のファンキーな1stも格好良いですが、都会的なアレンジで聴かせる甘いバラードもとっても魅力的です。

 両作のプロデューサーにジョエル・ドーン。
 『愛の狩人』(UICY-94705 \2,800)にはジョン・トロペイ、アンソニー・ジャクソンなどのセッション・ミュージシャンが参加しています。
 フェンダーローズ、ヴィブラフォン、ストリングスなどアレンジも豪華です。

 今日の一曲は、恋人との別れを歌った「The Hardest Blow」。

 彼のバンド・メンバー、ジョン・カートライトが書いた名バラード!
 他にもティム・ハーディン「Misty Roses」やレイ・チャールズ「Lonley Avenue」などを取り上げています。甘く、ときに力強く、表現力豊かな歌声が楽しめます。

 『ストーンチェイサー』もまた名作! 限定紙ジャケなのでいずれ無くなってしまうのが非常に残念です。ご興味のある方は是非聴いてみて下さい。東尾沙紀

2010年12月11日(土) ビーチ・ボーイズ 「ディズニー・ガールズ」 

 御茶ノ水のウッド・ストック・カフェにて、またまたDJイベント(3度目です。限定12人 要予約)をやらせていただくことになりました。
 12月13日(月)、19時30分ぐらいから始める予定です。

 テーマは“1970年代のビーチ・ボーイズ”。
 アルバムとしては『サンフラワー』から『L.A.』まで9枚もあるので駆け足になるかもしれませんが、隠れた名曲が多い時期ですので気合を入れて選曲するつもりです。

 ブライアン・ウィルソンは半分リタイア状態ながら、デニス&カール・ウィルソン、ブルース・ジョンストンが頑張って質の高い楽曲を残してくれたので、そんなところをほじくっていきたいと思います。

 1971年発表『サーフズアップ』は好きな曲が多いので、この中から何をかけようか迷いますが、ブルース作品の名バラード「ディズニー・ガールズ」は外せませんね。

 ウッド・ストック・カフェ自慢のオーディオ装置で聴くのが楽しみです。森 勉

2010年12月12日(日) Electric Jungle 「Funky Funky Christmas」

 FUNK好きの方にオススメのクリスマス・アルバムがこれっ!

 “クリスマス・ソング”というと厳かな雰囲気のものが多いのですが、このコンピ『In The Christmas Groove』は黒くて濃ゆ〜いファンキーなソウル・アレンジによるレアなクリスマス・ソングを集めた1枚。(輸入CD STRUT 52CD)

 それも1960〜70年代に7インチEPのみでひっそりと出ていた珍しい楽曲ばかりで、ミュージシャンや曲名に馴染みがなくても、黒人音楽好きの方ならば一聴して気に入ることうけあいのキラーチューンが連発!

 シカゴを拠点として活動していたというElectric Jungleによる今日のこの1曲「Funky Funky Christmas」も、タイトル通り重厚なグルーヴとクリスマスらしい楽しい遊び心が融合された最高のクリスマス・ファンク・チューン!

 ジェームス・ブラウンの編集盤として有名な『In The Jungle Groove』を真似たタイトルとジャケットもNICEです。

 ちなみにこのCDの限定アナログ盤(2枚組LP)も入荷。
 JBファンク好きの方へのプレゼントとしてもオススメです。森 陽馬

2010年12月13日(月) Bruce Springsteen 「Gotta Get That Feeling」

 ブルース・スプリングスティーンのBOX『闇に吠える街〜The Promise:The Darkness On The Edge Of Town Story』(SICP-2971 3CD+3DVD 完全限定盤 14,700円)。

 このBOXは、音も映像もそして装丁も本当に凄い!

 75年発表『明日なき暴走 (Born To Run)』から78年発表『闇に吠える街』の間に録音されていた未発表音源と、その時期前後のライヴ映像を中心に編集されたBOXセットで、ブルースの音楽に少しでも触れたことがある方なら是非聴いてそして見てもらいたい3CD+3DVD。

 そのCDとDVDが収められているパッケージがまた素晴らしい!
細かいディテールまでこだわって制作したのが伝わってくる仕様です。

 貴重なライヴ映像はもちろん、未発表音源集2枚組CD『プロミス』も聴き所満載で、パティ・スミスへ提供したことで有名な「Because The Night」のブルースによるスタジオ・ヴァージョン(!)、エルヴィス・プレスリーに歌ってもらおうと書き下ろされた「Fire」、タイトルにも冠した隠れた名曲「The Promise」など、当時アルバムに入らなかったのが不思議に感じられる好トラックが満載!

 特に聴きものはディスク1の2曲目に収録の「Gotta Get That Feeling」。

 フィル・スペクター・サウンドな1曲で、出だしのイントロのリズム&カスタネットからして、“ロネッツ”している1曲。

 カントリーなルーツを語られることが多いブルースですが、ソングライティングの面ではフィル・スペクター的ポップなオールディーズからの影響が大きいことを実感できるナンバーです。森 陽馬

2010年12月14日(火) おとぎ話 「12月の雨の日」

 “はっぴいえんど 結成40周年”ということで、はっぴいえんど関連のアイテムが色々と発売されました。

・『はっぴいえんど CITY COVER BOOK』(DDCB-12341 \2,500)
・『はっぴいえんどに捧ぐプラス』(2枚組CD MHCL-20117 \3,600)
という2種のカヴァー・アルバムと、
・記録映画『だからここに来た! 全日本フォーク・ジャンボリーの記録』の初DVD化作品(岡林信康のバックとしてはっぴいえんど参加 PCBP-11993 \4,935)。

 先月アメリカではバッファロー・スプリングフィールドが42年ぶりに再結成してライヴをやりましたが、はっぴいえんど再結成に関しては99%ないでしょうから、これらを聴いて楽しみ、来春ナイアガラ関連の再発を楽しみに待つことにしましょう。

 ということで、『CITY - HAPPY END BEST ALBUM』オリジナル・イラストレーター矢吹申彦の書下ろしイラストが印象的な『はっぴいえんど CITY COVER BOOK』から今日のこの1曲。

 おとぎ話は2000年結成4人組ロック・バンド。
 今年曽我部恵一主宰のROSE RECORDSに移籍し11月に『HOKORI』を発表。その新作はUKロックや日本ロックなど様々なエッセンスを咀嚼し自らのバンド・サウンドに仕上げた快作でしたが、この「12月の雨の日」カヴァーも彼らのギター・ポップな持ち味がよく出ており、3分弱と短いながらイイ感じのカヴァーです。

他の新録では、11曲目ジャンクフジヤマによる「さよなら通り3番地」のシティ・ポップなアレンジも聴きもの。(本当に山下達郎に声が似てますね)

ちなみに先着で当店のみの特典も用意してますのでお楽しみに。森 陽

2010年12月15日(水) スクイーズ 「Loving You Tonight」

 近年再結成しライヴ活動などを行っているイギリスのバンド、スクイーズが今年リリースした新作はセルフカバー作品でした。(『Spot The Difference』 Love Records LVRCD-3)

 音を聴くと、タイトルの『Spot The Difference』(“間違いを見つけて”)の意味がよくわかるのですが、当時のアレンジやサウンドをかなり忠実に再現したものになっています。

 これはよっぽどのマニア向け?と思いましたが、シングル・ベスト的な選曲なので、入門編として聴いてみても良い一枚かもしれません。

 特に冬の歌という訳ではなかったと思いますが「Loving You Tonight」という曲、寒くなってくるとこの曲が聴きたくなります。

 1993年発表アルバム『Some Fantastic Place』収録のホーンや女性コーラスが入ったゆったりとしたソウル・テイストのナンバー。
 ポール・キャラックがリード・ヴォーカルだったこの曲を今作ではグレン・ティルブルック(2011年1月に来日決定!)が歌い、キャラックはキーボードで参加しています。(代表曲「Tempted」ではヴォーカル&キーボードで参加。)

 限定エディションにはフィルモアでのライブを収録したボーナスCDが付いています。東尾沙紀

2010年12月16日(木) Dreams Come True 「その先へ」

 今年の年末は例年よりも大型新譜が多かったと思います。

 宇多田ヒカルベスト、福山雅治ベスト、いきものがかりベスト、ミスター・チルドレン、バンプ・オブ・チキン、ドリカム、スピッツ、マイケル・ジャクソンの新作など、人気あるアーティストの作品が毎週発売になっていました。

 ただ、期待通り売れたのはいきものがかりベストとミスチル、スピッツくらいで、他は前作より明らかにセールスが減少。今までが売れ過ぎだったこともありますが、音楽業界の厳しい状況を痛感しています。

 ドリカムの新作『LOVE CENTRAL』(初回仕様 UPCH-29061 \3,480)も内容は悪くないのですが、売行きは前作の半分くらいでしょうか。
 コンサートは素晴らしい(チケットも取り難い)のにそれが作品のセールスに繋がらないという現在の音楽事情。ミスチルのようにCDを買わないと次のツアーのチケットが手に入らない(それでも抽選だけれど)、というふうにするしかないんでしょうかね。

 さて、ドリカムの新作。“愛”をテーマにしたアルバムですが失恋の曲が多めな感じ。でもサウンドは前に出ていて吉田美和の歌声も相変わらず伸びがあって良いです。

 この曲「その先へ」は、ドリカムのコンサートにもよく参加しているFUZZY CONTROLがバックを担当。若々しいイキイキとした演奏で、前へ進んでいこうという気力が伝わってきます。森 陽馬

2010年12月17日(金) John Phillips, Many Mamas, Many Papas 「Kokomo」

 ビーチ・ボーイズ、1988年の大ヒット「ココモ」は、マイク・ラヴ、テリー・メルチャー、スコット・マッケンジー、そしてママス&パパスのジョン・フィリップスの4人が作ったとクレジットされています。

 しかし、曲の原型というかほとんどの部分はジョン・フィリップスが作ったのでは・・・、と推測されます。

 なんといっても「夢のカリフォルニア」、「マンデー・マンデー」、「アイ・ソー・ハー・アゲイン」、「花のサンフランシスコ」などのヒットを生み出した人ですから、他のクレジットの人達とは作曲のセンスが違うんですね。

 2001年3月にジョン・フィリップスが亡くなってから未発表作品が色々と出ましたが、今回は1981〜89年あたりの珍しい音源と、1982〜3年のママス&パパスが再結成されていた時期のライヴ(ジョン、オリジナル・メンバーのデニー・ドハーティ、ジョンの娘マッケンジー・フィリップス、そして60'sにスパンキー&アワギャングで活躍したスパンキー・マックファーレンが参加)がセットになった2枚組CDとして発売されました。(『John Phillips, Many Mamas, Many Papas』 Varese Sarabande 302067016-2)

 ということで、今日のこの1曲は「ココモ」。

 リード・ヴォーカルはデニー・ドハーティ&スコット・マッケンジー。
 カヴァーというよりこちらがオリジナル・デモのような感じです。

 それともう1曲、ビーチ・ボーイズが1989年のアルバム『スティル・クルージン』で取り上げた「サムホエア・ニア・ジャパン」(ジョン、そしてマイク・ラヴ、ブルース・ジョンストン、テリー・メルチャーの共作)の原曲「フェアリー・テイル・ガール」(ジョン・フィリップス作)も収録されています。森 勉

2010年12月18日(土)相川理沙 「センコウハナビ」(アコースティック・ヴァージョン)

 東京も冬らしい寒さになってきました。
 今夏の猛暑が遠い記憶になりつつありますが、この曲を聴くと晩夏の景色が甦ってきます。

 相川理沙さんは福岡在住の女性シンガー・ソングライター。
 店で彼女のCDをかけていると店内のお客様に、「この歌は誰が歌っているのですか?」とほぼ100%の確率で聞かれるくらい求心力を持った歌声の持ち主です。

 この曲「センコウハナビ」は、2007年発表1stアルバム『my life』(BDCU-1008 \1,800 今年の1月2日にもこのコーナーで取り上げました)に収録されている名曲ですが、2008年発表マキシ・シングル『甲子園』(BDCU-1016 \1,300)に収録されているアコースティック・ヴァージョンもオススメ。

 ギターとマンドリンのみのシンプルな伴奏と、神々しい彼女の歌声には何時聴いても癒されます。

 ちなみに、明後日20日(月)に当店地下アゲインで相川理沙さんが福岡から駆けつけライヴをやってくれることになりました。是非彼女の生の歌を聴きにきてください。森 陽馬

2010年12月19日(日) 村田 和人 「エイト・デイズ・ア・ウィーク」

 村田さんが歌うこの曲は『午後のボッサ〜カフェ・ビートルズ』というタイトルのオムニバスCDでしか聴けないものです。(DLDH-1850 \1,890)

 いろいろなミュージシャンがビートルズの曲をボサノヴァ風にカヴァーした企画のCDです。

 スティール・ドラムが使われていたり、純粋にボサノヴァという感じではない曲もありますが、なかなかの出来映えの楽曲が多く、とても楽しめるCDだと思います。

 特に村田和人による「エイト・デイズ・ア・ウィーク」がさりげないアレンジながら素晴らしい仕上がりになっています。

 ギター爪弾き&ヴォーカルに、リード・ギター&ハーモニー・ヴォーカルを一人多重録音。「エイト・デイズ・ア・ウィーク」を選曲したことも含めて、さすが村田和人!
 やっぱりいいセンスしているなぁ〜と、1週間に8日間は繰り返し聴きたくなってしまいます。

 その他の注目曲は、久保田麻琴「ヒア・カムズ・ザ・サン」、南佳孝「ノー・リプライ」、玉城ちはる&菅大祐「ストロベリー・フィールズ・フォエヴァー」、インストでは、鈴木大&石成正人「オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ」、竹田元「アイル・フォロー・ザ・サン」など。森 勉

2010年12月20日(月) リトル・バーリー 「Twisted Little Blades」

 UKの3ピース・ロック・バンド、リトル・バーリーが3枚目となる新作『キング・オヴ・ザ・ウェーヴス』をリリースしました。(HSE-60047 \2,490 国内盤ボーナス・トラック2曲収録)

 ギター/ヴォーカルのバーリー・カドガンは、プライマル・スクリームのサポートや、ポール・ウェラー作品への参加など課外活動も多く、前作から4年ぶりのリリースとなりました。

 アルバムを出す度にドラマーが替わっていますが、新たにスティーヴ・ハウの息子、ヴァージル・ハウが加入した事も密かな話題です。

2005年発表1stアルバム(名作!)のプロデュースを手掛けたエドウィン・コリンズと久々にタッグを組んだ今作。

 1stはエフェクター等を一切使用しない生音にこだわったサウンドでしたが、新作ではずっしりと太く、シンプルでかっこいいロックンロール・アルバムになっています。

 エドウィンはコーラスでも参加。
 バーリーはエドウィンの新作『ルージング・スリープ』にも参加していたので、来年のエドウィンの来日公演について来てくれたりすると嬉しいのですが...。東尾沙紀

2010年12月21日(火) Googie And Tom Coppola 「Shine The Light Of Love」

 今年はAOR系の再発が本当に多かった1年でした。
 このCDもAOR/メロウ・グルーヴ好きの方要チェックの1枚です。

 アメリカ人夫婦デュオ、グーギー&トム・コッポラが1980年にリリースした唯一のアルバム『Shine The Light Of Love』。限定紙ジャケット仕様で世界初CD化されました。(SICP-2990 \1,995)

 奥さんグーギーの澄んだ歌声と、エレピの音色、そしてクロスオーヴァーしたグルーヴィー&ポップなサウンドが魅力。
 シーウインドをよりソウルフル&ポップにした雰囲気ですね。

 プロデュースは、名キーボード奏者ジェリー・ピータース。
 マイケル・ブレッカー(Sax)、ポール・ジャクソンJr(G)、ドロシー・アシュビー(Harp)、パウリーニョ・ダ・コスタ(Per)なども参加。

 ちなみに橋本徹さん選曲・監修『フリー・ソウル・グラフィティ』でも取り上げられたことがあったそうで、フリー・ソウル/レア・グルーヴ系お好きの方にもオススメのアルバムです。森 陽馬

2010年12月22日(水) Tony Joe White 「Season Man」

 <当店ペット・サウンズ・レコード店のスタッフが推薦する2010年この1枚>コーナーを店内中央に設置しました。

 今年はリリースされた作品も、見に行ったライヴも、どちらも充実していい音楽にたくさん出会えた1年でした。近日中にHP上にアップしたいと思っておりますのでよろしくお願い致します。

 さて、その<2010年この1枚>には入れませんでしたが、この年末気にいってよく聴いているのが、スワンプ・ロックの重鎮、トニー・ジョー・ホワイトの新作『SHINE』です。(SWAMP Records 8572202)

 2006年発表前作『Uncovered』に引き続きその名も“スワンプ・レコード”というレーベルからリリース。

 エリック・クラプトンやマーク・ノップラー等豪華ゲストが多数参加していたその前作に比べ、有名ミュージシャンが特に参加していない今作は音数を絞りとてもシンプルな&地味な仕上がり。
 でもこれぞ真に“スワンプ”! 五臓六腑に沁みわたる1枚なのです。

 地味といっても弾き語りではなくバンド・サウンド。
 ニール・ヤング『ハーヴェスト』の1曲目「Out On The Weekend」のような感じ、といえばわかりやすいでしょうか。

 全体的にもニール・ヤングのアコースティック作のような雰囲気がありますね。無性にニール・ヤングを聴きたくなる夜が時々あるのと同じように、このアルバムも深夜一人で繰り返し聴いていたくなる燻し銀の1枚です。森 陽馬

2010年12月23日(木) GONTITI  「The Christmas Song」

 あっという間に年の瀬となってしまいました。

 当店は年末31日まで営業、年始1月1〜3日も通常より短時間ながら営業しております。(詳細な時間はトップページ参照
お時間ある方、是非ふらりとお立ち寄りください。(何かイイことあるかも?)

 ということで、気付いたらもうクリスマス、という感じですが、聖夜くらいリラックスして過ごしたい、という方にオススメのX'masアルバムがこれ。

 名ギター・デュオ、ゴンチチによる新作『Merry Christmas with GONTITI』。(ESCL-3574 \3,059)

 新録10曲に既発曲5曲を加えた全15曲。
 ホーンが入っている数曲と既発曲以外は、ほぼ全曲ゴンザレス三上さんとチチ松村さん二人によるアコースティック・ギター・インスト。

 ヴォーカルが入っている唯一の曲Iが不要に感じるくらい、落ち着いた雰囲気で静かに聴ける作品です。

 今日のこの1曲「The Christmas Song」。
 スティール・ストリングス・ギターの響きが絶妙! サント&ジョニー「Sleepwalk」を彷彿とさせる郷愁を誘う音色が沁みます。森 陽馬

2010年12月24日(金) Rumer 「Am I Forgiven」

 <静かな夜にゆっくり聴きたい、ジャジーなイノセント・ヴォイス>
というのが、この新人女性シンガー“ルーマー”のプロモーション・コピーですが、昼間の喧騒の中でも聴きたくなる、気持ちを和らげてくれる声の持ち主だと思います。

 アジアの血も入ったイギリス人(パキスタン系)31歳。
 「スロウ」、「アリーサ」という曲がシングル・カットされ、イギリスでは早くも評判になっているとのこと。

 プロデューサー兼サウンド作りを担っているのはスティーヴ・ブラウンという人で、詳しいことは不明ですが、シンプルながらかなりイイ雰囲気の音を作り出しています。

 とにかく、ちょっとハスキーでいい声をしています。
 ダスティ・スプリングフィールドをもう少し明るくした感じとでもいいましょうか?

 そして、アルバム1曲目から僕の名曲感知器メーターが振り切れ状態!になるくらいの素敵なメロディ。

 ハマリマシタ! 森 勉

★掲載ジャケットは、デビュー・アルバム『Seasons Of My Soul』。(輸入CD Warner/Atlantic 524982575 国内盤は2011年3月発売予定)

2010年12月25日(土) ラターボ 「green」

 当店ペット・サウンズ・レコードのスタッフが選出した“2010年お気に入りの1枚”。こちらのページに掲載いたしました。

 取り上げたい作品が他にもたくさんあって、どれにしようか迷いましたね。
 皆さんの“2010年ベスト”は何ですか?

 さて、そのラインナップには入れられませんでしたが、秋以降気にいって店内でよくかけているのがこのCD。

 当店地下カフェ・アゲイン店主、石川茂樹さんも大のお気に入りバンド、La Turbo(ラターボ)のアルバム『Who Knows It In A Circle?』です。(HOY-HOY P10-0001 \1,800)

 2002年大阪で結成された女性ヴォーカル、ギター、ベース、パーカッション、サックスの5人組バンド。
 元々はブラジリアンなアレンジ中心だったそうですが、最近はアコースティック・ポップな楽曲が多くなり、この作品も心地良く聴けるオーガニックなサウンド作り。ちょっとUA似のやさしい歌声も魅力です。

 現在は東京に拠点を移し、3人編成のdemi-turbo(デミ・ダーボ)としても活動中で、毎月第一金曜日にアゲインでライヴをやってもらっています。
 ちなみに来年2011年アゲインで行われる初ライヴは1月7日(金)のこのdemi-turbo。お時間ある方は是非チェックしてみてください。森 陽馬

2010年12月26日(日) デヴィッド・T・ウォーカー 「フォー・オール・タイム〜エリナー・リグビー」

 クリスマスが終わらないうちに少しは街のクリスマス気分を味わいたいなー、と思い、25日に銀座〜丸の内あたりを散歩してきました。

 さすがに場所が場所だけにタップリ都会のクリスマスを満喫できました。

 特に丸の内では、ビル内にピアノとヴァイオリンをバックに二人の女性が美しいハーモニーを聴かせてくれる一角があったりするなど、耳と目の両方を楽しませてくれる演出があちこちで行われていて、企画された方々のセンスと努力に拍手を送りたいと思いました。

 そして丸ビルのイヴェント広場ではなんと!デヴィッド・T・ウォーカーのライヴに遭遇!

 音響的には恵まれた環境とは言えませんでしたが、クリスマス・ナンバーを交えて30分間ほど、あの伝説のギタリストの生演奏を近くで、それもタダで見ることができ、とても素敵なプレゼントをもらった感じでした。

 今日のこの1曲は、その時1曲目に演奏されたビートルズ・カヴァーを含むこのメドレーです。森 勉

★掲載ジャケットはこの曲収録の最新アルバム『フォー・オール・タイム』(国内盤CD XQJS-1002 \2,500)

2010年12月27日(月) Allo Darlin' 「Woody Allen」

 オーストラリア出身のElizabeth Morrisを中心に、ロンドンを拠点に活動している4人組、Allo Darlin'(アロー・ダーリン)。
 
 ディラン・モンドグリーンなどの国内盤をリリースしているFastcut Recordsから1stアルバム『Allo Darlin'』(FCRD-28 \2,415)が発売になりました。

 ベル&セバスチャンやカメラ・オブスキュラなどが引き合いに出されるネオアコ/ギター・ポップ作品で、ストリングス、ウクレレ、スティール・ギターを取り入れたアレンジもGOOD♪

 曲目をサーッと見てまず目に留まるのがF「Woody Allen」!
 ウディ以外にも映画監督や俳優の名前が歌詞に登場します。

 そして個人的に気に入ったのがH「My Heart Is A Drummer」。
 サビのメロディラインがシンディ・ローパーの「Girls Just Wanna Have Fun」風のリズミカルでかわいらしい一曲です。

 国内盤には09年発表シングル「Henry Rollins Don't Dance」(UK盤アルバム未収録)が追加収録。更に5曲入りクリスマスep「Merry Christmas from Allo Darlin'」が付いたCD2枚組!(こちらはエリザベスが一人で08年に録音したもの)
 ボーナス曲などオマケがうれしいですね。東尾沙紀

2010年12月28日(火) Willie Nelson 「Man With The Blues」

・エルヴィス・コステロ『ナショナル・ランソム』
・ジョン・メレンキャンプ『ノー・ベター・ザン・ディス』
・映画サントラ『クレイジー・ハート』
・ロバート・ランドルフ&ザ・ファミリー・バンド『ウィ・ウォーク・ディス・ロード』等、今年もT・ボーン・バーネット・プロデュース作が多くリリースされました。

 ロバート・プラント&アリソン・クラウス2007年発表アルバム『レイジング・サンド』がグラミー受賞してから、T・ボーンのプロデュース作はとにかく増えましたが、その中でも特に素晴らしい出来なのがこの1枚でしょう。

 ウィリー・ネルソンの新作『Country Music』。
(輸入CD Rounder 11661-3280-2)

 今年で77歳。カントリー・ミュージック界の大御所である彼が、“カントリー・ミュージック”の名曲をカヴァーした、という当たり前のような作品。

 でもこれが聴いてみると、本当に気持ちよい音作りで、夢見心地になれる極上の仕上がりなのです。

 能地祐子さんが自身のブログで激賞していたのがきっかけで聴いてみたのですが、店でかけていると、これは誰ですか?とよく聞かれるくらい万人に耳馴染みやすい歌と演奏。

 フィドルとペダル・スティール、そしてマンドリン&バンジョーのアンサンブルがどの曲も素晴らしい!

 カントリー詳しくない方にこそオススメしたい1枚です。森 陽馬

2010年12月29日(水) ハーパーズ・ビザール 「59番街橋の歌」(フィーリン・グルーヴィー)

 渋谷・道玄坂途中のヤマハ渋谷店が12月26日に44年間の歴史を閉じました。

 音楽ビジネスを取り巻く環境の変化とか時代の流れと言えばそれまでなのでしょうけれど、とても残念なことです。

 ヤマハ渋谷店がオープンしたのは1966年。
 僕が中学生の時でした。

 学校が渋谷だったこともあり、その後、高校〜大学時代もヒマさえあれば坂を上って“ヤマハ詣”をしていました。

 1階は全ジャンルの国内盤と、当時としてはまだ扱っている店が少なかった輸入盤が置いてありました。2階は楽器売り場で、日本製のフォーク・ギターなどは試し弾きできるように陳列されていました。

 ガラス・ケースの中に入っていたフェンダーやギブソンやマーチンのギターはいつも眺めているだけでしたが、写真でしか見たことがなかったものが実際に目の前で見れたわけですから、まるで博物館とか美術館で貴重な絵画とか美術品を見ている感覚でした。

 1階のレコード売り場の中央には、当時としては画期的な試聴コーナーがありました。

 円型にデザインされたその試聴コーナーは8人ほどが座れるようになっていて、テーブルには電話の受話器のような(シャワーヘッドのような)ヘッドフォンが装備されていました。
それを両手に持って左右の耳に当てる方法で店内のレコードが聴けました。

 レコードは清楚な制服を着たヤマハのお姉さんたちがかけてくれて、
「試聴は3枚ぐらいまで」
「試聴だけで買わないのはダメヨ」
と、無作法な学生たちをうまく諭させてくれる接客だったような記憶があります。

 ということで、1968年頃にヤマハ渋谷店の輸入盤セールで買ったハーパース・ビザールのファースト・アルバムからこの曲を。

 当時は「59番街橋の歌 (フィーリン・グルーヴィー)」が入っている、ということだけで買ったものですが、今でも大切にレコード棚に収めてある、ワーナー・ゴールド・ラベルの1枚です。(現在出ている日本盤CD<WPCR-75385 \1,800>ではうれしいことにこのゴールド・ラベルがCDにデザインされています。)

 ソー・ロング、ヤマハ渋谷店。
 素敵な音楽と素晴らしい想い出をありがとう。森 勉

2010年12月30日(木) ザ・ジャム 「ウォータールー・サンセット」 

“ペットサウンズ・レコードが選ぶ 2010年ベスト・アルバム”
今年も選らばせていただきました。
来年はもっと最近のバンドやシンガーを発掘出来たらいいなと思います!

 とても良いライブにも沢山出会えました。
ビーチ・ボーイズ、キャロル・キング&ジェイムス・テイラー、AC/DC、マシュー・スウィート&スザンナ・ホフス、10cc、予備知識も無く行ったライブにも色んな発見・出会いがありました。

 今年は大好きなポール・ウェラーのライブは観れず。
という事で?本日はザ・ジャムの5th『サウンド・アフェクツ』2枚組DXエディション(UICY-1499 \3,800)をご紹介します。

 リリースから今年で30年!
当時よく聴いていたというビートルズ『リボルバー』等に影響を受けたという作品。ビートルズ「Taxman」を引用した「Start!」、「That's Entertainment」等、ウェラー自身もお気に入りだというアルバムです。

 ディスク2にはデモやカバーなど全22曲を収録。
以前出た5枚組BOXやデモ音源集『EXTRAS』とのかぶりがあるので完全未発表は8曲だけですが、最新リマスターで音も良くなっているので、ファン以外の方にも是非聴いてもらいたい作品です。

 今日の一曲はディスク2最後に収録されている今回初出しのキンクス「ウォータールー・サンセット」カバー。ちょっと頼りなげな演奏&歌で微笑ましいです。
 国内解説は大鷹俊一さんが書かれています。東尾沙紀

2010年12月31日(金) Carole King & James Taylor 「You've Got A Friend」

 “2010年この1枚”、やはりこれだと思います。

 キャロル・キング&ジェイムス・テイラー。
(CD+DVD 『トルバドール・リュニオン』 UCCO-3018 \3,800)
 あの感動のコンサートを見れた年、ということで、2010年は忘れられない1年になりました。

 日本盤解説の天辰保文さんが書かれているように、このコンサート及びCDを聴いて湧き上がってきたのは“感謝”の気持ち。

 単なる好きな音楽・アーティストへの感謝、というだけでなく、今まで支えてくれた家族や友人、暑さ寒さを感じることができる喜び、そして健康で生きていけることへの感謝など、様々な想いが込められた“感謝”。

(このライヴ盤の「You've Got A Friend」後半でも、キャロル・キングが♪サンキュー サンキュー サンキュー、ジェイムス♪と歌の途中で語りかける瞬間がありますね。ここの部分、好きです。)

 音楽を聴いて心が動く、というのは本当に幸せなことですね。

 2011年も皆が健康で、たくさんの“良い音楽”を聴き、たくさんの“感謝”を抱くことができることを祈って。森 陽馬


★当店は1981年オープンでしたので、来年2011年は祝30周年!

 新年プレゼント、といたしまして、
お買い上げの方先着で当店ロゴ入りハンカチを差し上げます。

新年は営業時間が短いのですがお時間ございましたら是非!
1日 14時〜18時
2日 14時〜18時
3日 11時〜18時
4日 11時〜20時
5日以降は通常通り11時〜22時までの営業になります。






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