PET SOUNDS RECORD
今日のこの1曲 アーカイヴス


  今日のこの1曲 “Achives”

<2011月9月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて、
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2011年9月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。
廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2011年9月1日(木) 前野健太 「東京の空」

 今年2011年もあっという間に3分の2が過ぎ、今日から9月。
蒸し暑い日が続いてますが、この台風が過ぎると秋になるのでしょうね。

 ビーチ・ボーイズ『SMiLE』やフィル・スペクターBOXなど気になるリリース情報も入ってきていますが、楽しみなライヴやイベントも色々と控えています。

 ちょうど1ヶ月後10月1日(土)、外苑前にある梅窓院・祖師堂にて、『Sing With Your Neighbors〜THE BIG ISSUE Support Live Vol.2』というイベントが開催。

 当店でデビュー時から大推薦している女性シンガー、寺尾紗穂さんが中心となって催すライヴで、ホームレスの人が販売している雑誌“THE BIG ISSUE”を支援するイベントです。

 寺尾紗穂さん含め、ムッシュかまやつ、タテタカコ、cero、太陽バンド、ビューティフルハミングバード、ジンタらムータ、前野健太など様々なクセ者ミュージシャンが多数参加。

 料金は2,000円で入退場自由。当日はライヴだけでなく、炊き出しや座談会、もちろんBIG ISSUEの販売も行うそうです。興味ある方は是非チラリとだけでも覗いていってみてください。

 注目はタテタカコや前野健太。
特に、2010年元旦に吉祥寺の街中でライヴ撮影されたドキュメンタリー・ライヴ映画『ライブテープ』が話題となった前野健太のパフォーマンスは必見です。森 陽馬

★掲載ジャケは前野健太『ライブテープ』サントラ盤。(MAENO-2 2,310円)

2011年9月2日(金) シャングリラス 「I Can Never Go Home Anymore」

 シャングリラスは1960年代中期に活躍したニューヨーク出身白人ガール・グループ。

 この2枚組CDは彼女達の全盛期、レッドバード・レーベルの音源が全て聴けるものです。ボーナス・トラックとして当時のラジオ・スポットも入っています。(国内仕様2CD ATOZ-60 2,500円)

 今日のこの1曲は、曲の大半が語り調になっているにもかかわらず、1965年全米で大ヒットを記録した「I Can Never Go Home Anymore」。

 「家には帰れない」という日本語タイトルも付けられ、当時日本のラジオでも人気でよく流れていました。

 ガール・グループの場合はそのアーティストとプロデューサー、アレンジャー、ソングライターが、“ロネッツ-フィル・スペクター”のように対で語られることが多いですが、シャングリラスはジョージ・“シャドウ”・モートンが重要人物になります。

 彼の特徴を3つ挙げるとすると、ドラマティックな楽曲、効果音の使用、そして語りをうまく取り入れる、ということになるでしょうか。

 このCDでは、「リーダー・オブ・ザ・パック」、「リメンバー」、「ギヴ・ヒム・ア・グレイト・ビッグ・キッス」、「ロング・リヴ・アワ・ラヴ」などのヒット曲と共に、「パラダイス」(60年代はロネッツの未発表曲)にも耳がそばだてられます。森 勉

2011年9月3日(土) Beach Boys 「Good Vibrations」

 ビーチ・ボーイズ幻のアルバム『SMiLE』の国内仕様盤、11月2日発売で決定いたしました。(山下達郎『Ray Of Hope』アナログ盤と同じ発売日!)

 当店名の由来となっているビーチ・ボーイズ1966年発表アルバム『PET SOUNDS』リリース後、中心人物であったブライアン・ウィルソンが作詞にヴァン・ダイク・パークスを迎え制作していた作品『SMiLE』。

 諸々の事情で未完成・未発表に終わり、ロック界で最も有名な幻のアルバム!と言われてきたこの『SMiLE』は、2004年にブライアン・ウィルソン自らの手で再録音・再構築し発売されましたが、ビーチ・ボーイズ名義、そして当時の録音でオフィシャル・リリースされるのは今回が初です!

 通常CD、2枚組CDデラックス盤、2枚組アナログLP、の仕様も発売されますが、注目はやはり“The Complete SMiLE Sessions”というタイトルが付けられたBOX仕様ですね。

5枚組CD+2枚組LP+2枚のアナログ・シングルEP+超充実ブックレット。
 貴重なアウトテイクやデモ音源、オマケのスリーヴやポスターなども一緒に入り、まさに『PET SOUNDS Sessions』BOXと対を成す仕様となりそうです。

 ただ、このBOXの国内仕様盤はたった1,500セット限定の予定。
(TOCP-71185 20,000円)

 6月に出たポール・マッカートニー『マッカートニーII』スーパー・デラックス・エディション国内仕様盤が3,500セット限定で即完売してしまったことを考えると、この『SMiLE』のBOXも売切必至!

 当店に入ってくる枚数もかなり限られてしまいそうなので、ご希望の方はお早めにご連絡・ご予約ください。森 陽馬

2011年9月4日(日) JAZZ FOR JAPAN 「この素晴らしき世界」

 9月2日(金)、東京国際フォーラムにて行われた“東京JAZZ”初日を見に行ってきました。

 この日出演したのは、菊地成孔率いるDCPRG、盲目黒人シンガー/ギタリストのラウル・ミドン、熟練セッション・ミュージシャンが集ったJAZZ FOR JAPAN。

 ラウル・ミドンは初めて生で観ましたが、独特なギター・テクニック、ソウルフルな歌、そしてブラスの音を声マネで表現したパフォーマンスは本当に素晴らしかったです。

 JAZZ FOR JAPANは、クラレンス・マクドナルド(P)、デヴィッド・T・ウォーカー(G)、デル・アトキンス(B)、ヒューバート・ロウズ(Fluto)、ンドゥグ・チャンクラー(Ds)、トム・スコット(Sax)という豪華メンツに、アル・ジャロウがヴォーカリストで参加。

 アル・ジャロウの存在感ある個性的な歌声はさすが!でしたね。

 デヴィッド・Tのギターも久々に生で聴くことができましたが、長年使っていたギターを替えたようで、音色が変わっていてビックリ。

 もちろん彼らしいフレーズは健在ながら、聴いてすぐそれとわかるあの音色ではなくなってしまったのが、ちょっとショッキングでした。森 陽馬

★掲載ジャケットはラリーロビンソンの呼びかけでロス在住のトップ・ジャズ・ミュージシャンが集結し録音された震災支援アルバム『JAZZ FOR JAPAN』(国内CD VACM-7002 2,500円)。

2011年9月5日(月) 宮内優里 feat 星野源 「読書」

 アルバム『ばかのうた』から約1年ぶり。サケロックのリーダー、星野源のソロ第2作目『エピソード』が9月28日にリリースされます。

 その後行われるワンマンライブも完売だそうで、ソロシンガーとしての人気の高さも窺えますね。

 7月にリリースされたものになりますが、宮内優里の最新作4th『ワーキングホリデー』(RYECD-105 2,800円)に、星野源が作詞&ヴォーカルで参加した曲「読書」が収録されています。

 宮内優里はアコースティック・ギターを中心とした生楽器とサンプリングなど多重録音を駆使したサウンドで海外からも高く評価されている83年生まれの男性ソロミュージシャン。(高橋幸宏・高野寛・権藤知彦らとのユニット、TYTYTでも活躍)

 「読書」は日本語詞と電子音、星野源の歌声がマッチしたメロディアスな1曲。(ちなみ新作『エピソード』には未収録です。)

 作品の中でギターが心地良いメロディを奏でているものも多く、ギターだけのインスト作品というのも聴いてみたいところです。

 原田知世、高橋幸宏もヴォーカルで参加しています。
pupa好きな方、エレクトロニカは苦手という方でもポップミュージックとして親しみやすい一枚です。東尾沙紀

2011年9月6日(火) ハナレグミ 「きみはぼくのともだち」

 今夏はフジロックに行けませんでしたが、見に行った方に「誰が良かった?」と聞くと、「ハナレグミが素晴らしかった!」とほとんど皆が回答。

 天候は相変わらずだったようですが、話聞くとやっぱり行きたかったなー、って思っちゃいますね。(でも実際行ってたら、ハナレグミと星野源の出番が重なっていたり、斉藤和義とYMOがかぶっていたりして、歯痒い思いをしただろうけど・・・)

 そのフジロックで新曲も披露していたハナレグミ。
約2年ぶりとなる5thアルバム『オアシス』が本日入荷。(初回DVD付 VIZL-436 3,300円)

 2010年夏に立ち上げた自身のプライベート・スタジオで、気の合う仲間達(おおはた雄一、原田郁子、真船勝博、みどりん<SOILのドラマー>他)と共に作り上げた温もり伝わる1枚。

 フジロックで披露されていたラテン・チューンから、穏やかな楽曲までハナレグミ・ワールド満載な全11曲。

 5曲目「きみはぼくのともだち」は、原田郁子作詞の歌心溢れるナンバー。

 クラムボン99年発表メジャー・デビュー曲「はなればなれ」から12年。
“はなればなれ”で描かれた二人の続編のような1曲ですね。森 陽馬

2011年9月7日(水) 在日ファンク 「マルマルファンク」

 SAKEROCKのハマケンこと、浜野謙太が中心となったファンク・バンド、“在日ファンク”。

 昨年のデビュー作に続く新作『爆弾こわい』をこの度リリース。(初回DVD付 PCD-18657 3,150円)

 SAKEROCKでのハマケンの立ち位置同様、ギャグ・ユニットというか単なるおちゃらけバンドかと最初は思っていましたが、当時デビュー・アルバムの完成度の高さにビックリしたものでした。

 そしてこの新作2nd。
ハマケンのファンク節がよりパワーアップしていて更にビックリ!

 JBマナーなオリジナル日本語ファンキー・チューンとハマケン流メロウ日本語歌謡が見事に絡んだ傑作に仕上がっています。

 人気バラエティ番組『モヤモヤさまぁ〜ず2』エンディング・テーマに使われているB「爆弾こわい」筆頭に、意味があるのかないのか意味不明な日本語歌詞にも注目。

 個人的に好きなのはC「マルマルファンク」。
左とん平「とん平のヘイ・ユウ・ブルース」に語り口が似ています。森 陽

2011年9月8日(木) ラヴ・スカルプチャー 「サーベル・ダンス」

 ラジオから流れてきた曲に衝撃を受けることは現在でもありますし、まだ音楽のことをほんの少ししか知らなかった十代の頃は、本当にしょっちゅうありました。

 今日は1969年にラジオで初めて聴いて以来、好きになった曲です。

 ラヴ・スカルプチャー、といっても一般的には全く知られていませんが、イギリスのパーロフォン・レーベルから2枚のアルバムを発表し、この曲はインストにもかかわらず、イギリスではかなりのヒットを記録しました。

 グループの中心人物であり、この曲でギターを弾きまくっているのはデイヴ・エドモンズ。

 彼はこの後1970年代に入りソロで大成功を収めますが、その前にもちゃんと売れっ子になっていたんですね。

 この「サーベル・ダンス」(Sabre Dance)は、ハチャトゥリアン作曲によるバレエ組曲<ガイーヌ>の中からの曲で、邦題「剣の舞」としてそれなりに耳にする機会も多いクラシック畑の曲。

 20代前半のライヴが、ギターテクニックを駆使して迫力満点のヴァージョンを披露してくれています。

 テープ速度を少し早めて、スピード感を出しているということもあるようですが、そういうアイディアも含めて面白い曲だと思います。

 当時聴いた懐かしいシングル・ヴァージョン、そしてアルバムに収録されたロング・ヴァージョン共に収録。森 勉


★掲載ジャケットは1969年発表2ndアルバム『フォームス・アンド・フィーリングス』。(国内仕様CD SG-24 2,625円)

2011年9月9日(金) Dum Dum Girls 「Heartbeat (Take It Away)」

 ヴァセリンズ(スコットランド出身のギターポップ・バンド)の曲目「Dum Dum」、そしてイギー・ポップの曲名「Dum Dum Boys」からバンド名が付けられた、というカリフォルニア出身の女性4人組バンド、“Dum Dum Girls”。

 2009年発表デビュー作『I Will Be』は、“ラモーンズ×ロネッツ×ローファイ”と評され、オルタナ&ガレージ好きから、ガールズ・ロック好きの方まで幅広く支持されましたが、この度新作2nd『Only In Dream』がリリースされました。(国内CD PCDT-47 2,200円)

 帯裏には<60年代ガールズ・バンド的サウンドをベースに〜>と書かれていますが、60'sというよりは、80's的な雰囲気の方が強く感じますね。

 それというのも、中心人物であるDee Deeという女性シンガー&ギターの彼女の歌声が、ベリンダ・カーライルにとても似ているからです。

 ゴーゴーズを退廃的にした感じ?
ベリンダ・カーライルがローファイになった雰囲気?

 でもD「Heartbeat (Take It Away)」なんかを聴くと、シャングリラスっぽい部分も感じますね。森 陽馬

2011年9月10日(土) マイクロスター 「夕暮れガール」

 あの名作『マイクロスター・アルバム』から早3年3ヶ月と3週間余り。
マイクロスター待望の新曲が発売されました。(HCR-9653 1,260円)

今回はなんとこだわりの17cmアナログ・シングル盤でのリリースです。

 タイトルは「夕暮れガール」(Sunset Girl)。
このタイトルの語感の響きだけで胸がキューンとしてきます。

 そしてジャケット! 眺めているだけでこれも胸がキューン。

 この曲の歌詞に出てくる♪光る高速道路と街灯と赤いのっぽの電波塔、揺れるライトが右に左に・・・♪という言葉がうまく表現されている感じ。
 ジャケットのアート・ディレクションとデザインは前回のアルバムと同様、高瀬康一が担当。いい仕事してます。

 さて、ターンテーブルにドーナツ盤を乗せ、ダイヤモンドの針を落とすと聴こえてくる「夕暮れガール」のサウンドは、音楽の魔法のドアを開けてくれます。

 今回は新しいマイクロスターを感じられるノスタルジック・ビッグバンド・スウィングの世界。繊細なアレンジが施されてウチコミの音はあたたかくフレンドリー。

その音に乗ってくるのは60'sガール・ポップスの良さをタップリ含ませたキュートなヴォーカル。

 アメリカのガール・ポップス・テイストだけでなく、イギリスやイタリアやフランスなどヨーロッパの香りも漂わせてくれる所がマイクロスターの凄さなのです。

 この「夕暮れガール」は一応レコードのみの発売ですが、CD-R付(オフィシャルCD-Rです)なので、アナログ・プレーヤーをお持ちでない方でも楽しめるようになっています。

 なお9月18日(日)、当店地下アゲインのDJイヴェントのゲストとして、マイクロスターの佐藤清喜さんが出演します。詳しくはアゲインまでお問い合わせください。森 勉

2011年9月11日(日) Beady Eye 「The Roller」

 9月8日(木)、元Oasisリアム・ギャラガー率いるBeady Eyeの大阪公演を観に行って来ました。

 5月に予定されていた公演が震災の影響で延期となり、8月のサマソニが日本のファンの前での初ライブとなりました。

 4月にイギリスで行われた彼等主催の日本支援コンサートで、スクリーンに映し出された大きな日の丸をバックに歌われたビートルズの「Across The Universe」。先日のライブでは、1曲目からこのカバーが披露され、お客さんを沸かせました。

 ベースとキーボードを入れた6人編成。最初の3曲ほどマイクがハウリングしたりと少しヒヤっとする場面もありましたが、その後は安定感のある演奏と、存在感のある歌を聴かせてくれました。
 まだアルバム一枚と曲数も少ないのでアンコールを含め、1時間ちょっとの短いセットでしたが、とてもかっこよかったです。

 兄ノエル・ギャラガーもいよいよ本格始動。“ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ”という名義で、10月12日日本先行でアルバムがリリースされます。東尾沙紀

★掲載ジャケットは今年2月にリリースされたBeady Eye唯一のアルバム『Different Gear,Still Speeding』(SICP-3048 3,150円 初回DVD付)です。

2011年9月12日(月) The Rivingtons 「Papa-Oom-Mow-Mow」

 ビーチ・ボーイズの初期ライヴでは定番曲だった「パパ・ウー・モウ・モウ」はなんとも楽しい曲です。

 音源としては1964年発表ライヴ盤『ビーチ・ボーイズ・コンサート』や、1965年発表スタジオ・ライヴ仕立ての『ビーチ・ボーイズ・パーティ』で聴くことができます。
 1966年1月初来日時にも演奏された重要な1曲ですが、この曲はブライアン・ウィルソンのオリジナルではなくカヴァーです。

 オリジナルはLA出身のリヴィングトンズという黒人4人組ヴォーカル・グループ。

 「パパ・ウー・モウ・モウ」は1962年夏に全米48位というスマッシュ・ヒットを記録しましたが、地元LA地区ではもっとヒットした感覚があったようです。

 曲はメンバー4人の共作で、セカンド・ヒット「ザ・バーズ・ザ・ワード」も彼等の作品。ノヴェルティ・タイプの曲を作る才能に溢れていたんですね。

 トラッシュメンのあのインパクト抜群「サーフィン・バード」は、リヴィングトンズの上記2曲を元に作られました。森 勉

★掲載ジャケットは「Papa-Oom-Mow-Mow」、「The Bird's The Word」収録全23曲ベスト盤。(輸入CD Shout 35)

2011年9月13日(火) サノトモミ 「都会」 (大貫妙子カヴァー)

 9月に入ってもう2週間。例年だと売行き不振の8月を乗り越え、各社新譜を色々とリリースすることが多いのですが、今年は9月新譜が少ないですね。

 今週も一般的な新譜リリースがあまりなく、目立つのはEXILEのシングル、谷山浩子新作、堺正章とクレイジーケンバンド等。

 当店は、マニアックなCDやちょっと変わったアイテムも置いてますが、基本的には“街のCD店”なので、やっぱり売れる新譜をどんどん出してもらいたいものです。(ミスチルの新しいベスト盤とか出たら売れそうだけれど、年末あたり出ないかな?)

 さて、今週の新譜で一番の注目はこの1枚。

 サノトモミは、現代シティ・ポップのNo.1ユニット、流線形の2003年発表1stアルバムでヴォーカルを務めていた女性シンガー。

 久々となる2ndアルバム『ミッドナイトエクスプローラー』は、その流線形に以前在籍していた林有三が全面プロデュース。まさにシティ・ポップなサウンドを楽しめる作品です。(ALCP-2023 2,400円)

 今日のこの1曲「都会」は大貫妙子77年作『SUNSHOWER』に収録されている名曲のカヴァー。

 流線形の今のところ最新アルバムである2009年作『ナチュラル・ウーマン』で、大貫妙子「何もいらない」をカヴァーしていましたが、それに対抗するかのようなアレンジです。

 荒井由実「きっと言える」、山本達彦「夢は波に乗って」のカヴァー、オリジナル曲も含め、現代シティ・ポップお好きの方にオススメです。森 陽馬

2011年9月14日(水) Blanju 「Luminous Drive」

心穏やかになるインスト、耳障りにならないBGMをお探しの方にオススメ。

 “Blanju”は新潟県出身サウンドクリエイター、中村祐太によるソロ・プロジェクト。

 “ポップなリラクゼーション・ミュージック”をキーワードに製作された作品で、「森」、「水」、「海」、「光」の自然の要素を散りばめ、デジタル音とオーガニックな生音を融合。

 単なるヒーリング/癒しのアルバムとしてだけでなく、チルアウト、エレクトロニカ、アンビエント・サウンドもクロスオーバーされているので、CLUB MUSIC好きの方にも聴いてもらいたい全13曲です。

 特にラスト13曲目「Luminous Drive」。
レイ・ハラカミとロータスを合わせたようなクールなトラック。

 ちょっとセンスのいい待合室/医療機関にピッタリ合いそうなサウンドの1枚です。森 陽馬

★なお、このCDは一般流通していない作品。当店の店頭及び通販のみで販売しています。(Blanju 『prelude』 LF-001 1,500円)

2011年9月15日(木) Happy Island (難波弘之、佐橋佳幸、他) 「GOOD DAYS」

 福島復興のため立ち上げられたレーベル、“フクシマ・レコーズ”。

 山下達郎のバックなどで知られる名キーボーディスト、難波弘之がプロデュースした第一弾作品が発表されました。(『GOOD DAYS』 FKSR-1001 3,045円)。

“ゆったり、のんびり、明るく、楽しく”をテーマに制作・編集された1枚で、聴いていてほがらかな気分になれる好コンピです。

 難波弘之作曲による新曲「GOOD DAYS」他、インスト8曲、ヴォーカル入り4曲の全12曲。

 難波弘之、佐橋佳幸、江口信夫が中心となったHappy Island、難波弘之のSense Of Wonder、注目の新人女性シンガー玲里、白井良明&武川雅寛を中心としたsclap(キング・クリムゾン「21世紀のスキッツォイド・マン」カヴァー!聴きもの!)、野呂一生や難波弘之を中心としたVibes、大江千里など豪華メンバーが参加。

 どの曲も心和む“いい気”が流れている“音楽”なので、難波さんファンはもちろん、是非多くの人に聴いてもらいたい1枚です。森 陽馬


★一般流通しておらず、通常のCD店では扱ってませんが、当店では店頭及び通販コーナーでも購入可能。なおフクシマレコーズの収益の一部は、子供達へ向けた安心・安全のための基金に組み入れられるそうです。

2011年9月16日(金) THE KOOKS 「Petulia」

 2006年にデビューしたイギリスの4人組、The Kooks(ザ・クークス)。

 全英初登場1位となった前作『KONK』から約3年半ぶり、3作目となる新作『JUNK OF THE HEART』をリリースしました。 (国内CD ボーナス・トラック追加収録 TOCP-71110 2,300円)

 1stから組んでいるトニー・ホッファー(BECK、ベル&セバスチャン等)が今作でもプロデュースを手掛けています。

 キンクスなど60年代ロック〜ブリットポップなどの流れを汲むキャッチーで口ずさみやすいメロディーはそのままに、ストリングスのみで歌われるものや、打ち込みを使用しひねくれたメロディがXTCを連想させる曲など、今までと違ったアプローチの楽曲も収録されています。

 一部実験的なアレンジに挑戦しながらも、明快なメロディのリード曲「Junk Of The Heart (Happy)」、爽やかなポップ「Eskimo Kiss」などシンプルなものが耳に残ります。

 中でもフォーキーなラヴソング「Petulia」は、アコースティック・ギターと美しいハーモニーが穏やかな気持ちにさせてくれる一曲。

DVD付きスペシャル・エディションも9月28日リリース予定です。東尾沙紀

2011年9月17日(土) ピーター・ポール&マリー 「Early Mornin' Rain」

 フォーク・ソング・ブームが日本に訪れたのは、アメリカから6〜7年遅れた1960年代後半になってからでした。

 個人的にはジョーン・バエズやピーター・ポール&マリーの来日がきっかけだったと思います。

 ライヴをやっている会場に足を運んだわけではないのですが、テレビで生演奏を放送してくれて、それを見て興味を持ちました。
 どんな番組だったか忘れましたが、いくつかの番組でスタジオ・ライヴ的なものが放送されたと記憶しています。

 来日及び放送時期は別ですが、ジョーン・バエズの清らかな、それでいて強い意志を感じさせてくれる歌、そしてPPMのギター・アンサンブル&アルペジオ奏法の妙技と、美しくも力強いハーモニーが目と耳に飛び込んできた衝撃は、激しいロックと同様の音楽パワーを感じたのです。

 ということで、今日はPPMを。

 「風に吹かれて」、「悲惨な戦争」、「パフ」、「レモン・トゥリー」、「くよくよするなよ」、「虹と共に消えた恋」など、いろいろとイイ曲がこのベスト盤に入っています。(国内CD WPCP-3877 2,447円)

今日はゴードン・ライトフット作「Early Mornin' Rain」を。森 勉

2011年9月18日(日) Jeff Bridges 「Blue Car」

昨年2010年7月3日のこのコーナーで取り上げた映画『クレイジー・ハート』。

 架空の元大物カントリー・シンガー“バッド・ブレイク”を演じた名優ジェフ・ブリッジスが、同映画サントラも手掛けたT・ボーン・バーネットをプロデュースに迎え、新作アルバム『Jeff bridges』をリリースしました。(輸入CD EMI 5099907149122)

 全体的に、役柄バッド・ブレイクそのまま、というよりは、もっとブルージー&レイドバックした雰囲気の作品に仕上がっています。

 特に6曲目「Blue Car」。
歌声がエリック・クラプトンそっくり?!

 T・ボーン・バーネット関連の定番メンバー(ジェイ・ベルローズ、マーク・リボー)ももちろん参加。
 味わい深い渋〜い熟練した演奏を聴かせます。森 陽馬

2011年9月19日(月) Glen Campbell 「A Thousand Lifetimes」

 「ウィチタ・ラインマン」など数多くのヒット曲を放ったカントリー大御所歌手としてはもちろん、1964年頃の一時期、ビーチ・ボーイズのツアー&レコーディングに参加していたことでも知られるグレン・キャンベル。

 今年75歳となった彼が新作『Ghost On The Canvas』をリリースしました。(輸入CD SURFDOG Records 528496)

 ジャケットには“GLEN'S FINAL STUDIO ALBUM”と書かれたステッカーが貼付。それというのも、彼はアルツハイマー病(認知症の一種)と診断され、今作を最後のスタジオ・アルバムと位置づけ制作したそうです。

 しかしながら作品内容はこれが最後になるとは思えないほど、活気に満ち溢れた素晴らしい仕上がり!

 ブライアン・セッツァー、ジェイコブ・ディラン、ビリー・コーガンなど新旧ミュージシャンに加え、意外なところでは、ロジャー・ジョセフ・マニングJr、ジェイソン・フォークナー(ジェリーフィッシュ)も参加。

 決して懐メロ的カントリー作ではなく、今の時代に呼応した音作りで、グレンの歌声も75歳&病気とは思えないほど若々しく響いてます。

 ポール・ウェスターバーグ作のタイトル曲A、ジェイコブ・ディラン作H「Nothing But Whole Wide World」は聴きものですが、グッときたのはグレン本人&ジュリアン・レイモンド作(今作の共同プロデューサー)によるC「A Thousand Lifetimes」。

 詞も曲も感動的なロック・ナンバーです。森 陽馬

2011年9月20日(火) 東京ローカル・ホンク 「昼休み」

 当店ペット・サウンズがずっと応援し続けている4人組ロック・バンド、東京ローカル・ホンク。

 待望の新作アルバムが11月16日発売に決定いたしました。
(『さよならカーゴカルト』 MR-11 2,500円)

配信先行シングル「はじまりのうた」、「目と手」、「昼休み」含む全11曲。
 一ファンとして本当に楽しみ!
全音楽ファンに聴いてもらいたいですね。

 なお、当店にてこの新作をお買い上げの方には、11月27日(日)に当店地下アゲインで行われる発売記念ライヴにもれなくご招待いたします!

 更にオリジナル特典も制作予定!
詳細はまた通販コーナーなどで告知いたします。乞う期待!

 掲載ジャケットは、iTunes Storeで9月28日配信発売されるシングル「昼休み」。

 当店がある武蔵小山からも程近い、木下弦二の地元・戸越銀座の商店街や路地の街並を現実的に描いた不思議な魅力を持つ1曲です。森 陽

2011年9月21日(水) Bonnie Pink 「Heaven's Kitchen」

本日発売ボニー・ピンク新作は、キャリア初となるセルフカバー作品。
(『Back Room -BONNIE PINK Remakes-』 WPCL-10992 初回限定パッケージ&DVD付 3,000円)

 初期代表曲「Heaven's Kitchen」、「Do You Crash?」や、資生堂CMで注目を浴びた「A Perfect Sky」、「Last Kiss」等を取り上げ、ストリングスを交えた小編成で録音された一枚。

 LITTLE CREATURESの鈴木正人(b,synth etc...)がサウンド・プロデュースを手掛け、坂田学(dr)、石井マサユキ(g)、ハタヤテツヤ(p,key)が参加。歌声とメロディがひきたつ絶妙な演奏を聴かせます。

 彼女の多重コーラスとベースのみで歌われる「Paradiddle-free」、フラメンコギタリスト沖仁が参加した「Present」、新曲「Look Me In Your Eyes」など、「彼女の曲をあまり知らない方でも楽しめる作品になっています。

 「Heaven's Kitchen」のギターソロも聴きもの。

初回盤はバンドメンバーとのスタジオライブ4曲を収録したDVD付きです。東尾沙紀

2011年9月22日(木) Summer 「Bring You Back To Me」

 昨日21日、台風直撃は凄かったですね。

 今日は台風一過で暑くなるかな、と思いましたが、東京はどんよりとした黒い雲に覆われ夕方過ぎからまた雨が降り出しました。でもひんやりとした秋風が気持ちいいですね。

 台風と共に過ぎ去った夏を惜しみながら聴くのにピッタリのアルバムが再発されました。

 その名もサマー。
ハワイ出身のロック・グループ、待望のCD化です。

 ハワイのロック・グループ、というと70年代活躍したセシリオ&カポノ、カラパナが有名ですが、そのカラパナの弟分としてデビューしたのがオアフ島出身ロン・ユーエンを中心としたこのサマー。

 76年発表1stアルバム『In Maribu』(邦題:マリブの覇者 CDSOL-1449 2,310円)は、ウエストコースト・ロック的サウンドとヴォーカル・ハーモニーが素晴らしい作品で、名盤と誉れ高いですが、今日紹介する78年録音2ndアルバム『Weekends On Maribu』(邦題:マリブの週末 CDSOL-1450 2,310円)もオススメ!

 1曲目「Bring You Back To Me」は、フィフス・アヴェニュー・バンドを彷彿とさせる超ゴキゲンなキラー・チューン!

 国内盤は金澤寿和さんによる詳細な解説と歌詞・対訳付。

 カラパナのメンバーも参加しているので、カラパナ・ファンはもちろん、AOR、メロウ・ポップ好きの方にも是非聴いてもらいたい1枚です。森 陽

2011年9月23日(金) アディティア・ソフィアン 「After The Rain」

 自由ヶ丘Bakeshopで行われた、アディティア・ソフィアン来日公演を見てきました。

 アディティア・ソフィアンはインドネシア/ジャカルタ在住の男性シンガー・ソングライター。(2011年3月14日6月13日の今日のこの1曲でも紹介)

ライヴでは全曲一人で立ったままの弾語りスタイルでしたが、やさしい歌声&繊細なギターがじんわり沁みて、飽きずに心地良く楽しめました。

 英語でのMCも気さくかつ堂々としたもので、聴いているこちらもリラックスして和めましたね。

 以前にも取り上げた「After The Rain」という曲。CDではハーモニカだった部分での口笛が絶妙でした。曲終了後の拍手も一番大きかったかな。

 24日(土)には渋谷サラヴァ東京、25日(日)は学芸大学ロマン・レコーズ・カフェにてライヴがあるので、気になった方は是非。

 ちなみに今日の公演アディティアの前に出演したサノトモミさんのライヴも、バック・バンド(林有三、竹中俊二、大久保敦夫、林有希)が素晴らしく良かったです。森 陽馬

★掲載ジャケットは「After The Rain」収録、最新2ndアルバム『Forget Your Plans』(VSCD-9389 2,100円)

2011年9月24日(土)Steve Cropper 「Dedicated To The One I Love」

リリース情報が色々入ってきましたが、晩秋は魅力的な新譜が目白押し!

 特にキャロル・キングのクリスマス・アルバム『ホリデイ・キャロル』、大橋トリオの新作が個人的に楽しみです。(どちらも豪華ゲストにも期待!)

 さて、豪華ゲストと言えば、先月リリースされたスティーヴ・クロッパーの新作『Dedicated』が凄いですね。(輸入CD FTN17832)

 スティーヴ・ウィンウッド、B.Bキング、ルシンダ・ウィリアムス、ダン・ペン他、バンド・メンバーも、マッスルショールズの伝説的ベーシスト、デヴィッド・フッドやスプーナー・オールダム、そしてスティーヴ・ジョーダンなど豪華メンツによる全15曲!

 ジャケット&タイトル『Dedicated』を最初見て、スティーヴ・クロッパーへのトリビュート作なのかな、と思ったらそうではなくて、スティーヴ・クロッパーが敬愛するファイヴ・ロイヤルズの名ギタリスト&ソングライター、Lowman Paulingへ捧げられた作品でした。

 山下達郎が『オンスト3』でカヴァーしたC「Dedicated To The One I Love」(ママス&パパスのヴァージョンも有名)もそのLowman PaulingがRalph Bassという人と組んで手掛けた楽曲。

 今作では、ルシンダ・ウィリアムスとダン・ペンが渋い掛け合いで聴かせます。森 陽馬

2011年9月25日(日) リトル・アンソニー&インペリアルズ 「ザ・ダイアリー」

 久し振りにACEレーベルの人気シリーズであるソングライターものが発売になりました。

 今回は待望のアルドン系、ニール・セダカ&ハワード・グリーンフィールドの作品集です。(国内仕様CD 『ボーイ・ハント〜ソングス・オブ・ニール・セダカ&ハワード・グリーンフィールド』 MSIG-750 3,150円)

 このコンビは、二人が十代半ばの1952年に知り合い、セダカが曲、グリーンフィールドが詞という役割で曲を書き始めます。
 1958年にアル・ネヴィンスとドン・カーシュナーに認められ、アルドン・ミュージックの契約第一号ソングライターとなります。そしてその年に早速大ヒット曲が生まれます。

 それがコニー・フランシス「ステューピッド・キューピッド」でした。

 コニーには1961年にこのアルバムのサブタイトルにもなっている「ボーイ・ハント」(Where The Boys Are)も提供。ともにこのCDに収録されています。

 このコンビの特徴としては、曲を作っている本人であるニール・セダカ自身が多くの自作ヒットを出したことが挙げられます。
 キャロル・キング&ジェリー・ゴフィン、バリーマン&シンシア・ワイル、エリー・グリニッジ&ジェフ・バリーなど、1950年代後半から1960年代中期に活躍したソングライターに比べると、自身で放ったヒット曲の数々が圧倒的に多いのです。

 ということで、このコンビの代表作品はニール・セダカ本人が歌ったものが一番多くなりますが、このCDにはボビー・ダーリン、ジミー・クラントン、ワンダ・ジャクソン、トム・ジョーンズ、トーケンズなど、ソングライターとしてのニール・セダカの魅力がつまった音源がタップリ収録されています。

 今日はその中から1958年、ニール・セダカのデビュー・ヒットとなった「ダイアリー」をリトル・アンソニー&インベリアルズが歌ったものを。

 実はこの曲、こちらがオリジナルだそうです。

 「ティアーズ・オン・マイ・ピロー」をヒットさせた後に、彼等が録音をしていたらしいのですが、発売を見合わせていたので、RCAと歌手契約を結んだニールが歌いヒットになったそうです。今回も充実のライナーノーツにそのいきさつが書いてありました。森 勉

★セダカ&グリーンフィールド・コンビの曲だけでなく、ジャック・ケラー、ヘレン・ミラー、キャロル・キングと組んだハワード・グリーンフィールド作品、セダカ&キャロル・ベイヤー・セイガー作品も含まれています。

2011年9月26日(月) Push feat.Candi Staton 「Where I'm At」

 1988年にアシッド・ジャズ・レーベルよりデビュー、メンバー各々セッションマンとしても幅広く活躍しているUKのジャズ・ファンク・グループ、Push。

 バンドとしては実に15年ぶり、3作目となる新作『Band On A Mission』をリリースしました。(国内CD PCD-93437 2,415円)

 ホーン・セクションを要するグルーヴィーな楽曲群はタワー・オブ・パワーを彷彿とさせるサウンド!

 ファンキーなタイトル曲A、元アヴェレイジ・ホワイト・バンドのハーミッシュ・スチュワートが参加したK「Long Gone」、キャンディ・ステイトン参加C「Where I'm At」などのヴォーカル曲もかっこよくて聴きものです! 

 中心人物の黒人ベーシスト、Ernie Mckoneやサックス奏者Jacko Peakeは、ポール・ウェラーのツアーサポート等を務めていた事でも知られています。

 また、元スタイル・カウンシルのミック・タルボットがキーボードで参加しています。東尾沙紀

2011年9月27日(火) サカナクション 「エンドレス」

今、勢いと進化を一番感じさせてくれる札幌出身バンド、サカナクション。

約1年半ぶり、5作目となる新作『DocumentaLy』が入荷。(初回限定DVD付 VIZL-437 3,500円)

 彼らのサウンドについて語られるとき、エレクトロニカの要素が主になる場合が多いが、リーダーの山口一郎が初めて見たライヴは友部正人だったそうで、フォーク・ミュージックがルーツになっている部分もあるようだ。

(実際、初回盤に付いているDVDに、サイモン&ガーファンクルのジャケットが突然出てきたりもする)

 そんな彼らの新作は、今までの作品で突出していた疾走感だけでなく、叙情感も増してきた印象。

 今日のこの1曲、8曲目「エンドレス」は、制作に8ヶ月近くを要した楽曲だそうだが、変に前衛的&長尺になることなく、4分弱のポップ・ソングに仕上がっているところが素晴らしい。

 付属のDVDにはその4分弱の1曲を作るために苦心しているメンバーの素顔が映し出される。

 音楽配信やyoutubeが一般化した現代、日々無数に溢れ出ている音楽を僕らは何気なく消費してしまっているが、作り手の意志をもっと汲み取れるよう1曲1曲しっかり向き合っていかなければ、と痛感させられる。森 陽馬

2011年9月28日(水)ジョージ・ハリスン 「オール・シングス・マスト・パス」

ジョージ・ハリスンのヒストリー映画、劇場公開&発売が決定しました。

 マーティン・スコセッシ監督による3時間半にも及ぶ長編作品です。
タイトルは、『リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』

 前編がビートルズ時代、後編がソロ時代。
様々な貴重な映像と色々な関係者による証言、そして在りし日の本人のインタビューによって、ジョージの興味深い音楽観と慈愛に富んだ人となりを描き出しています。

 実は先日、この長編を試写会で見せていただくことができました。
なにしろ3時間半ですから、色々なインタビューやシーンが出てきます。

 ビートルズのメンバーはもちろんのこと、エリック・クラプトン、クラウス・フォアマン、ジム・ケルトナー、トム・ペティ、エリック・アイドル、なんと!パティ・ボイド、フィル・スペクター(いつの撮影かわかりませんが金髪のかつら姿)も出てきて、ジョージとのエピソードを話しています。

 印象に残っているシーンとしては、1966年ビートルズの日本公演でジョージがリッケンバッカーの12弦をかかえて歌うシーンや、1974年アメリカ・ツアーでの動くジョージの映像。特に後者は初めて見るものだったので胸が高鳴りました。

 そして全体に言えることは、ミーハーで申し訳ありませんが、ジョージってなんてカッコイイんでしょう!ということです。若い時も年をとっても、男から見てもうっとりです。

 11月19日から劇場ロードショー。12月23日発売のBOXセットに付く未発表音源10曲収録のCDも楽しみです。

 ということで、今日はジョージとフィル・スペクター共同プロデュースによる名作『オール・シングス・マスト・パス』(国内CD TOCP-65547 3,670円)からタイトル曲を。森 勉

2011年9月29日(木) 伊藤 銀次 「Whatever Gets You Thru The Night」

 まずお詫びで申し訳ございませんが、10月5日発売予定の伊藤銀次さんEMI時代再発5タイトルが、10月14日に延期となりました。
 ご予約いただいた方々、お待たせしてしまい申し訳ございません。

 そのお詫びというわけではありませんが、当店のみの特典といたしまして5タイトル中2枚お買い上げの方先着で、“特製GINJIボールペン”を差し上げることになりました。(通販ページに写真公開中)

 本日その特製GINJIボールペンが到着!
重厚感あってこれかなりイイ感じですよ。

 銀次さんお好きな方で、80年代後期の作品はまだ持っていない、という方。是非この機会に!

 ということで今日のこの1曲は、その今回再発される1986年発表アルバム『GET HAPPY』に収録されるボーナス・トラック音源から、ジョン・レノンのカヴァーを。(10/14発売 初回限定盤 VSCD-1725 2,500円)

 1986年11月、小林克也を迎えて発売されたシングルで、オリジナル・アルバムには未収録だった貴重なトラック。

 ジョンの大名曲「IMAGINE」と、ジョンがエルトン・ジョンと共演し1974年にヒットさせた「Whatever Gets You Thru The Night」(邦題:真夜中を突っ走れ)が両方収録されています。

 エルトン・ジョン&ジョン・レノンがやっていたこの曲を、デヴィッド・ボウイ&ミック・ジャガーがやっていた「Dancing In The Street」みたいにやったら面白いだろう、ということでカヴァーしたそうです。森 陽馬

2011年9月30日(金) Jayhawks 「She Walks In So Many Ways」

 正統派アメリカン・ロックの良心を受け継ぐ名バンド、ジェイホークスが遂に新作『Mockingbird Time』を発表しました!
(輸入CD 初回限定DVD付&ボーナス2曲追加 rounder H66191252)

 95年大名盤『Tomorrow The Green Grass』以降脱退していたマーク・オルソンがバンド復帰! 絶頂期のメンバー構成での新作ということで、発売前からすごく楽しみにしていましたが、その期待通りの素晴らしい仕上がり!

 2009年にリリースされたマーク・オルソン&ゲイリー・ルーリスの二人名義による作品(2009年3月10日の今日のこの1曲コーナーで紹介)は、かなり滋味な内容でしたが、今作は往年のジェイホークス・サウンド! 独特なハーモニー&ユニゾン・ヴォーカルも健在です。

 お気に入りは軽快な4曲目「She Walks In So Many Ways」。
これぞジェイホークス!といった感じの心地良いポップ・ナンバー!

 ジェイホークス・ファンはもちろん、アメリカン・ロック好きの方は必聴の1枚ですね。森 陽馬


★ちなみに今作はゲイリー・ルーリスプロデュース。
ジョージ・ドラキュリアスは参加していないようです。






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