PET SOUNDS RECORD
今日のこの1曲 アーカイヴス


  今日のこの1曲 “Achives”

<2012月3月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて、
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2012年3月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。
廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2012年3月1日(木) スペシャルズ 「Rudie,Message To You (ルーディたちへのメッセージ)」

 3月に突入しましたがまだまだ寒い日が続きますね。
東京は15度近く気温が上がるとの事でしたが、曇っていたせいか少し肌寒い一日となりました。

 今日はフジロック'12出演アーティスト第一弾が発表になりましたね。

先に発表された今年の目玉、ストーン・ローゼス、レディオヘッドを筆頭に、エルヴィス・コステロ、スペシャルズ、ビィーディー・アイ、サカナクション、ソロで登場ジャック・ホワイト、今月新作発売ジェイムス・イハ、復活アット・ザ・ドライヴ・インなどなど豪華なメンツ!

 その中から今日はスペシャルズを。

 サマソニ'09、テリー・ホールなどオリジナル・メンバー(ジェリー・ダマーズ不参加)で二十数年ぶりに来日。今夏もお客さんを踊らせてくれる事でしょう。

 今日の一曲「Rudie,Message To You (ルーディたちへのメッセージ)」は、リコ・ロドリゲスとディック・カッセルがホーンで参加したゆったりとしたリズムが心地良い79年のシングル。

現在もテレビ番組のBGMやCMなどで耳にする事の多い曲です。東尾沙

★掲載ジャケットは、スペシャルズ「シングルズ」(TOCP-54197/\1,500)

2012年3月2日(金) ビーチ・ボーイズ 「カリフォルニア・ガールズ」

 再結集ビーチ・ボーイズ、待望の来日が決定しましたね!
(上記リンク先は、招聘元クリエイティヴマンの特設ページ)

8/16(木)千葉QVCマリンフィールド
8/17(金)大阪市中央体育館
8/19(日)名古屋日本ガイシホール

 ちょうどお盆時期ということで、初日千葉は平日ながら15時開場/16時30分スタート!(早い!)

 この日は前座も予定されているそうなので、ちょうど夕暮れ時18時前に、それも野外でビーチ・ボーイズを楽しむことができそうです。(おーーー、楽しみだ!今からてるてる坊主を作っておかねば。)

 会場の広さから集客が懸念されますが、クリエイティヴマン主催の夏フェス、サマー・ソニックがそのQVCマリンフィールドで8/18、19に行われるので、会場は元々押さえていた可能性が高いですし、ステージ・セット/照明などもそのままサマーソニック用となれば経費はそれほどかかっていないのかもしれません。(チケット代も9,000円と思ったより安かったですしね)

 ということで、僕の心はすでに8/16。1曲目が何の曲か?と想像を膨らませています。以下早くも予想してみました。

◎「California Girls」・・・やはりこの曲のイントロから! 最近ではケイティ・ペリーがこの曲を使って全世界大ヒット。村上春樹『風の歌を聴け』に歌詞が掲載されていることでも有名ですね。
○「DO It Again」・・・再結集発表した際最初のアップ画像がこの曲。ちなみに2005年フジロック来日時もこれが1曲目。
▲「Catch A Wave」・・・2010年1月来日時はこれが1曲目。
△「Surfin Safari」・・・1962年発表デビュー作1曲目。デヴィッド・マークスがいた時の曲から始まる?

 個人的希望もあり「カリフォルニア・ガールズ」が本命。
とにかく夏が待ち遠しくなりましたね。森 陽馬

★掲載ジャケットは「カリフォルニア・ガールズ」収録の1965年発表作『サマー・デイズ』。

2012年3月3日(土) Foster The People 「I Would Do Anything For You」

 昨日決定したビーチ・ボーイズ8月来日公演。
8/16千葉と8/19名古屋で予定されている前座も気になるところです。

 今のところ本命は、先月のグラミー賞で再結集ビーチ・ボーイズが出演した際、「Wouldn't it Be Nice」を歌っていたフォスター・ザ・ピープルでしょう。(サマーソニックにも出演が決定)

 フォスター・ザ・ピープルは、ほぼ全曲の作詞・作曲を手掛けているマーク・フォスターを中心としたLA拠点3人組バンド。

 2011年3月発表1stアルバム『トーチズ』国内盤帯に、“シンセポップ新時代到来”という文字がありますが、全体的には80'sNEW WAVEっぽい雰囲気。

 <サカナクションをもっと80'sっぽくしたPOPバンド>という印象も受けました。(サカナクションより演奏・リズム感もユルいのですが、これはこれでいい感じ)

 ビーチ・ボーイズ・ファンに受けるかどうかというとちょっと難しいかもしれませんが、多幸感あるダンス・ポップな楽曲揃いなのでライヴ映えしそう。

 それ以外では、今回の日本ツアーをEMI MUSIC JAPANが協力しているので、EMI所属のミュージシャンが出る可能性もありますね。

 どうせだったら、ワンダーミンツやジェフリー・フォスケットでもいいと思うのですがどうなんでしょうね。まあこういう想像を膨らませることができるだけでも楽しいです。森 陽馬

★掲載ジャケットは、フォスター・ザ・ピープル『トーチズ』。
(国内盤 期間限定 ボーナス・トラック5曲追加 歌詞対訳は室矢憲治さん! SICP-3300 2,100円)

2012年3月4日(日) Janie Grant 「Triangle」

 3月に入り、今年も3月21日の“ナイアガラ・デイ”が近づいてきました。

 2012年の30周年は、1982年に出た『ナイアガラ・トライアングルVOL.2』になります。

 その30周年ものに関してはまた後日、ということで、今日はトライアングルという言葉に関係した曲を。

 この「トライアングル」という曲は1961年にアメリカではそれなりのヒットを記録したガール・ポップスの佳曲です。

 ニュージャージー出身のジェニー・グラントが可愛く清楚に歌っています。

 曲を作ったのは彼女自身。なかなかの才能ですね。
フックの部分、♪アッハッハァー♪が印象に残ります。

 あれ?こういうフレーズ、どこかで聴いたことがある!、と思ったナイアガラ・ファンの方は、アルバム『GO GO NIAGARA』を隅々まで聴いてみてください。森 勉

★掲載ジャケットはこの曲が収録されたコンピ『EARLY GIRLS Vol.1』。(国内仕様CD CDSOL-7421 2,625円)

2012年3月5日(月) リンカーン・ブライニー 「雨にぬれても」

 冷たい雨が降り続く1日。
音楽をかけていても外の雨音が聴こえるくらいの優しいメロウな音作りの作品を聴きたくなります。

 今日紹介する1枚は、まさにそんな日のBGMにオススメ。
(国内CD 『リンカーン・ブライニーズ・パーティー!』 MZCF-1242 2,415円)

 リンカーン・ブライニーは1964年生まれカリフォルニア出身の男性ジャズ・シンガー。

 歌声はチェット・ベイカーとケニー・ランキンを足して2で割ったようなジェントル・ヴォイス。バックもガット・ギターを中心に音間を穏やかに聴かせる演奏。

 ライヴ録音ながらアットホームな雰囲気で、静かに寛げます。

 チェット・ベイカーに捧げた「My Funny Valentine」や、クイ・リー作ハワイ名曲「I'll Remember You」、ボッサアレンジのスタンダード・ナンバー「Any Place I Hang My Hat Is Home」など聴きものですが、本日はB.Jトーマスでお馴染みのバカラック作「Raindrops Keep Fallin On My Head」(雨にぬれても)で。森 陽馬

2012年3月6日(火) Kathleen Edwards 「Change The Sheets」 

 久々に個人的なツボにはまった快心の1枚!

 “女ニール・ヤング”、“女トム・ペティ”、と勝手に評しているカナダ出身女性シンガー・ソングライター、キャスリン・エドワーズ。

 待望の新作『Voyageur』は、なんと!グラミー新人賞も受賞し今一番注目されているロック・ミュージシャン、ボン・イヴェールのジャスティン・ヴァーノンとの共同プロデュース!(輸入CD ZOE 011431145-2)

 これが本当に素晴らしい!

 彼女の持ち味である正統派アメリカン・ロックなメロディーと武骨な演奏に、ジャスティン・ヴァーノンの叙情的な世界観が奇跡的にマッチ。

 シンセから始まる今までになかった出だしから、彼女らしいアメリカン・ロックなサビへの展開がグッとくる4曲目「Change The Sheets」。

 静かなイントロと歌い出しから徐々に音が重なっていき、激情溢れるエレキ・ギターが炸裂するラストが痛快な9曲目「Going To Hell」。

 この2曲は何度リピートしても鳥肌が立ちますね。

 2012年のベスト・アルバム候補! 森 陽馬

2012年3月7日(水) Curly Giraffe 「Just Barely」

 元GREAT3のベーシスト、現在は様々なセッションやプロデューサーとしても活躍する高桑圭のソロ・プロジェクト、カーリー・ジラフ。約2年ぶりの新作『FLEHMEN』が今週発売になりました。(VICL-63852 3,045円)

 5作目で初めてメジャーからのリリースとなりましたが、今作も変わらず全曲英語詞、一人での自宅スタジオ録音。

 穏やかな歌声とハーモニー。使用楽器などの掲載はありませんが、ウーリッツァー、鉄琴など様々な楽器が溶け込んだサウンドは、あたたかく優しい空気に満ちています。

 アルバムの中でも気になったのが9曲目の「Just Barely」。
タンッタタンッというイントロのリズムと鈴の音...カーリー・ジラフ流ウォール・オブ・サウンドに仕上がっています♪

 心弾むメロディに、気持ちはすっかり春色です。
普段洋楽しか聴かないという方にもオススメの一枚です。東尾沙紀

2012年3月8日(木) EPO 「SOMEDAY (いつか)」

 昨年末12月7日、品川キリスト教会グローリアチャペルで行われたEPOのコンサート、“ザ・ヒットパレードパラダイス with センチメンタル・シティ・ロマンス”。

 この日は懐かしの名曲オンパレード!で、「Down Town」、「私について」、「12月のエイプリール」、「土曜の夜はパラダイス」、「擬似恋人達の夜」他珍しいカヴァーも披露。

 センチをバックに心温まる一夜となりましたが、その貴重なライヴ音源が発売になりました。(2枚組CDR D10130 3,000円)

 当日見に行けなかった方は、これを聴くと次回は絶対観に行かなきゃ!と感じるでしょう。
 伸びやかな歌声は健在。優しく心に響きます。

 「SOMEDAY」(いつか)は、山下達郎作曲(吉田美奈子作詞)。

アンコール前に「Down Town」と並んで歌われており、とても感動的なライヴ・ヴァージョンです。森 陽馬


★こちらのCD、一般流通しておりませんが、当店店舗・及び通販でお買い求めいただけます。

2012年3月9日(金) Brian Wilson 「Kiss The Girl」

 ブライアン・ウィルソン新作の国内盤がやっと発売決定しました。

 2011年発表ディズニー映画のカヴァー・アルバム『In The Key Of Disney』と、2010年発表ジョージ・ガーシュイン作カヴァー『Reimagines Gershwin』、5月9日2タイトル同時発売。(国内盤 AVCW-12890 AVCW-12891 各2,625円)

 どちらもボーナス・トラックが追加収録予定!

 ガーシュインの方は「Let's Call The Whole Thing Off」が追加され、初回限定盤にサイン入りリトグラフ・ポスター(28cm×43cm)が封入。

 ディズニー映画カヴァーの方は、「Peace On Earth」(『わんわん物語』)と「A Dream Is A Wish Your Heart Makes」(『シンデレラ』)の2曲が追加。

 「Peace On Earth」は米国でMP3ダウンロード購入した際に付いていたボーナス曲。「A Dream Is A Wish Your Heart Makes」は米国amazon限定盤に収録されていたボーナス曲で、国内盤にはそれが両方入ることになります。

 輸入盤をすでに購入された方は複雑な面持ちでしょうし、私たち売る側にとっても申し訳ない気持ちでいっぱいですが、まずは再結集ビーチ・ボーイズの来日決定と共に素直に国内盤化を喜びたいと思います。

 今日の1曲は一番のお気に入りナンバー「Kiss The Girl」。
サビのめくるめくコーラスが超ポップなのに泣けます。森 陽馬

2012年3月10日(土) クリス・モンテス 「ビコーズ・オブ・ユー」

 A&Mレコードはハーブ・アルパートとジェリー・モスの名前の頭文字を取って名付けられ、1962年に創設されました。

 今年はその創立50周年にあたり、いわゆるひとつの“A&Mサウンド”と言われる60'sソフト・サウンディングで特徴を出したアーティストのCDが最新リマスター&紙ジャケット限定仕様国内盤で発売されています。

 3月はニック・デカロ、ジュリアス・ウェクター&バハ・マリンバ・バンド、クリス・モンテスの3アーティスト。その中からクリス・モンテスを取り上げたいと思います。

 『モア・アイ・シー・ユー〜コール・ミー』、『タイム・アフター・タイム』、『フーリン・アラウンド』、『愛の聖書』の4枚がモノラル・ヴァージョンをボーナス曲として追加した形で再CD化されました。

 「ビコーズ・オブ・ユー」は1967年発表、A&Mレーベルでの3rdアルバム『フーリン・アラウンド』に収録されています。(国内CD 完全限定 UICY-75143 2,800円)

 プロデュースはハーブ・アルパート、アレンジはニック・デカロが担当し、ライヴ仕立ての録音です。

 A&Mらしい耳ざわりの良い演奏と、男ならもっと腹から声を出せと言われそうなクリス・モンテスのソフトで甘いマシュマロ・ヴォイスがいい雰囲気を運んでくれます。森 勉

2012年3月11日(日) Jun Miyake 「The Here And After」 (『pina』より)

 映画『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』を鑑賞。

 2009年急逝したドイツ人舞踏家ピナ・バウシュ、彼女が率いていたヴッパタール舞踏団のコンテポラリー・ダンスを3Dで捉えた映像作品。
 監督は『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』や『パリ、テキサス』を手掛けたことでも有名なヴィム・ヴェンダース。

 映画が始まってからの数十分は、付け慣れない3D用眼鏡&ストーリーがない映像展開に正直言って戸惑いました。

 怖さ・狂気を感じるほどの圧倒的なダンスの数々。
背筋が強張るほど緊張感伝わるダンサーの表情。

 しかしながら不思議と次第に引き込まれ、その世界観に感動を覚えました。

 映画のプログラム(1,600円!)に、
“これはダンスか?演劇か?否。生きる、そのもの。”
と書いてありますが、まさにその通り!

 喜怒哀楽・人間として生きている全ての感情が込められた魂の踊りは、画面を通しても伝わってきました。

 なお、ヴィム・ヴェンダース監督は昨年10月来日、福島で今作の無料上映を開催。更には飯館村へも訪れたそうです。

 脱原発を宣言した国・ドイツの名匠に、福島の景色はどのように映ったのでしょうか。森 陽馬

★掲載ジャケットは映画『pina』サントラ盤。国内盤は発売されていません。

2012年3月12日(月) Bleu 「Can't Be That Bad (If It Feels This Good)」

 2011年1月17日に今日のこの1曲で紹介したアメリカの男性シンガーソングライター、Bleu(ブルウ)の来日公演が決定しました。

 5月19日下北沢の音楽フェス出演を皮切りに、21、23、24日東名阪を回るツアー。単独としては8年ぶりなのだそうです。ポップ・ロック・ファンはお見逃しの無いよう!

 そのBleuの2010年発表最新作『Four』がカップリング集『BESIDES』付き2CD国内盤で発売になりました。(『フォー+ビサイズ(ジャパン・デラックス・エディション)』 XQER-1027 2,200円 日本語解説・『Four』のみ歌詞対訳付)

 『BESIDES』は本国ではアナログ/ダウンロードのみの販売(2012年1月)。
CD化されているのはこの日本盤のみ!今回はこの「BSIDES」から一曲。

 彼の楽曲の中で唯一ペダル・スティールが使われているというこの曲。
彼が作曲するミドルテンポの哀愁漂うメロディーはどれもグッときてしまいます。

 ロジャー・ジョセフ・マニングJr.との共作も。
マイケル・ジャクソンを意識したような80's風のつくりで、二人の遊び心溢れる2曲が収録されています。東尾沙紀

2012年3月13日(火) James Iha 「4th Of July」

 スマッシング・パンプキンズのギタリスト、ジェームス・イハ。

 1998年に発表したソロ1st『Let It Come Down』は、アコースティック・ギターを基調にしたメロディーが心地良いシンガー・ソングライター作で、個人的にもアナログLPまで購入し気に入っていたアルバムでした。

 その彼が14年ぶりとなる新作『ルック・トゥ・ザ・スカイ』をリリース!
(国内CDボーナス2曲追加 解説・歌詞・対訳付 2,500円)

 ジェームス・イハは、ファウンテインズ・オブ・ウェインのアダム・シュレンジャー等と共に自身のスタジオをニューヨーク/チェルシーに構えているそうで、そこで他アーティストのプロデュースなどを手掛けながら今作を制作していったとのこと。

 カーディガンズの女性シンガー、ニーナ・パーション(共同プロデューサーであるネイサン・ラーソンのパートナーらしい)、元テレヴィジョンのトム・ヴァーレイン、アダム・シュレンジャー、ニール・カサール等も参加。

アコギ中心のシンプルな前作に比べ、シンセ&エレクトリックな音が入っている楽曲もありますが、彼らしいソングライティングは変わらず魅了的です。

 11曲目「4th Of July」(7月4日)は、アメリカ独立記念日に行われる花火を舞台にしたメランコリックなナンバー。じんわり沁みます。森 陽馬

2012年3月14日(水) ダニー・ウィリアムス 「ホワイト・オン・ホワイト」

 以前は50's、60'sのオールディーズ・コンピレーションCDが日本のレコード会社各社から色々なものが出て、昔のファンを楽しませ、そして新しいオールディーズ・ファンを増やしていました。

 しかし近年オールディーズ・コンピはほとんど発売されない状態になってしまって残念でなりません。

 そうすると、シングル・レコード時代の一発ヒット的な曲がなかなか聴けなくなってしまうのです。

 この「ホワイト・オン・ホワイト」は店でも時々問い合わせがある曲でしたが、これからはこのコンピCDで対応できそうです。(国内2枚組CD 『懐かしのポピュラー・ヒット・パレードVOL.2』 全30曲 TOCP-19533 2,000円)

 ダニー・ウィリアムスは南アフリカ生まれの黒人歌手。
 18歳でイギリスに渡り、「ムーン・リヴァー」をはじめ数曲がイギリスのヒット・チャートを賑わし、1964年22歳の時この曲がアメリカで大ヒットしました。

 日本でも当時のラジオ・ヒットパレード番組でバンバンかかっていた、きれいなメロディーを持った曲です。

 黒人ながらジョニー・マティスやレニー・ウェルチのようなソフトなヴォーカルを売りにしていたダニー、会心のヴォーカルが冴えています。
 なおアレンジをドン・コスタが担当しています。森 勉

2012年3月15日(木) フィフス・アヴェニュー・バンド 「EDEN ROCK」

 この新店舗に移ってきてちょうど5年となりました。

 これもお客様皆々様のおかげです。ありがとうございます。

 ということで、今日は“5”にちなんだナンバーを。
大好きな1枚、フィフス・アヴェニュー・バンドの名作アルバムからこの1曲。

 フィフス・アヴェニュー・バンドは、名シンガー・ソングライターのピーター・ゴールウェイ、ハウディ・ムーンやホワイトホースでも知られるジョン・リンド、山下達郎『サーカス・タウン』にも参加しているケニー・アルトマン等を中心としたバンド。

 1969年発表作ながら70年代ロック/ウエスト・コースト・サウンドの香りを感じさせます。

 現在ワーナーから国内盤で発売されているCDのブックレットには、メンバー各々のライナーノーツが掲載。(国内CD WPCR-75399 1,800円)

 アルバム・クレジットにはなかった名スティール奏者バディ・エモンズ、名ジャズ・ベーシストのレイ・ブラウンが参加していたことが語られており、この名作が偶然生まれたものではなく、素晴らしいミュージシャン達のバックアップによって出来上がったことを実感させてくれます。森 陽馬

2012年3月16日(金) T・ボーンズ 「ビートでOK」

 一昨日紹介したオールディーズ・コンピ(ダニー・ウィリアムス「ホワイト・オン・ホワイト」収録)に続いて、<EMIプレミアム・ツイン・ベスト・シリーズ>で発表されたコンピレーションからの1曲です。

アルバム・タイトルは『エレキ・ヒッツ』。前回と同様に2CD全30曲です。
(国内盤2枚組CD TOCP-19531 2,000円)

 有名曲としてはヴェンチャーズ「パイプライン」、「ダイアモンド・ヘッド」、「10番街の殺人」、シャドウズ「春がいっぱい」、「紅の翼」、「エンドレス・サマーのテーマ」等が収録。

 珍しい曲としては、ダコタス「クルーエル・シー」、エディ&ショウメン「走れパトカー」、エリミネイターズ「ロンリー・サーフ・ギター」等が収録。

 T・ボーンズはヴェンチャーズ、ルーターズなどのグループをプロデュースしていた60'sインスト界の立役者、ジョー・サラセーノが手掛けたグループ。

 このCDには「ビートでOK (No Matter What Shape)」の他、「真っ赤な太陽」(モチロン美空ひばり「真っ赤な太陽」とは別曲)、「心は青空」の3曲が入ってます。

 3曲ともイイ曲で60'sインストの名曲ですが、日本ではあまり紹介されていないのが残念です。

 このT・ボーンズはインスト・グループでしたが、その後解散してそのメンバーで結成されたのが純粋なヴォーカル・グループ、ハミルトン,ジョー・フランク&レイノルズです。
 1971年に「恋のかけひき」(Don't Pull Your Love)を大ヒットさせた人達が1966年頃はこんな演奏ものをやっていたのですね。森 勉

2012年3月17日(土) サンドパイパーズ 「To Put Up With You」

 最近うちの店で一番売れている大好評コンピCD!
『ニック・デカロ・ワークス』(国内CD UICZ-1433 2,625円)。

 名アレンジャー/プロデューサー/シンガー、ニック・デカロの仕事を集めた日本オリジナル企画による好編集盤。

 ロジャニコ、クリス・モンテス、ルビー&ザ・ロマンティックのシングル・オンリー曲などA&M音源を中心に、ジェイムス・テイラーやアンディ・ウィリアムスまで全23曲。

 60'sから80'sの曲も混在していますが、全体的に統一感ある仕上がりで、ニック・デカロの心地良いアレンジ力を存分に楽しむことができるオススメ盤です。

 今日のこの1曲はサンドパイパーズによる「To Put Up With You」。

 ロジャー・ニコルス&ポール・ウィリアムス作で、オリジナルはポール・ウィリアムスが在籍していたことで知られるThe Holy Mackerel(ホリー・マッケラル)というグループのシングルB面曲ですが、ドリーミーな仕上がりのこのサンドパイパーズ・ヴァージョンは最高!

 なお4月18日には、そのサンドパイパーズのオリジナル・アルバム6タイトルが限定紙ジャケット&SHM-CD仕様で再発されます。

 サンドパイパーズのアルバムが各々CD化されるなんてそう滅多に無いので、この曲が気に入った方はこの機会に是非! 森 陽馬

2012年3月18日(日) ベン・シドラン 「チャンセズ・アー」

 ベン・シドランという人は、昔から実にスマートでセンスの良いサウンドを作る人だと思います。

 1971年にレコード・デビューして現在に至るまで、ジャズ/ロック/ポップス/ソウルなど多様なテイストを含んだサウンドで聴き手を気持ち良くしてくれるアルバムをたくさん発表しています。

 今日は数ある彼のアルバムから、初期1972年に発売された『アイ・リード・ア・ライフ』からの1曲を選んでみました。(国内CD UICY-93414 限定盤 2,800円)

 ギターの軽やかなカッティング、ゆったりグルーヴするベースとドラムス、そしてベンのエレクトリック・ピアノとヴォーカルが流れるようなメロディを乗せていくアルバム・トップの「チャンセズ・アー」(Chances Are)。

 本当に素敵な曲です。

 後半出てくるストリングスの美しい調べは、ニック・デカロのアレンジによるものです。

 レッド・ツェッペリン、ディープ・パープル、グランド・ファンク・レイルロードなどハード・ロック全盛期の時代に、片やこんなにおしゃれなサウンドがありました。

 ですから、様々な方向から音楽を楽しむと面白くなるんですね。

 昨日紹介されたオススメ・コンピ『ニック・デカロ・ワークス』にも収録されています。森 勉

2012年3月19日(月) ナイアガラ・トライアングル 「A面で恋をして」

 佐野元春・杉真理・大滝詠一の3人によって作られた『ナイアガラ・トライアングルVOL.2』は1982年に発売されました。

 あれから30年。ナイアガラ・レーベル恒例の30周年記念エディションが今年も出ました。(国内2CD SRCL-8002 2,625円)

 シングル・ヴァージョンなど6曲がプラスされた20周年盤から出て早10年。
今年の30周年記念エディションはそのボーナス・トラックがなくなったかわりに、全曲の純カラオケCDが付いた2枚組CD仕様での発売です。

 今日のこの1曲「A面で恋をして」は、コーラスありとなしの2種類の純カラオケが付いています。

 そして今年も応募ハガキが封入されています。
3人のサイン入りポスター、Tシャツ、エコバックが抽選で当たるそうです。

 それからペット・サウンズ・レコードでは、例によって特製(ここが重要!)ナイアガラ・リーフレットを作りました。もちろん当店のみ! がんばって作りました。

 特集は1982年ナイアガラ10大ニュース、それから裏10大ニュース、そして、ナイアガラ・トライアングルがもしVOL.30まで出たとしたら・・・、の3本立になっています。

 更に、“世界に2つしかない”という3人のサイン入りパネル。
当店が1982年から所蔵し店内に長年展示してますが、それを基にしたオマケもご用意しております。森 勉

2012年3月20日(火) 須藤薫&杉真理 「恋愛同盟」

 大滝詠一作名曲「あなただけI LOVE YOU」を歌っていたことでも知られる女性シンガー、須藤薫さん。

 杉真理さんと組んで、久々となる新作『恋愛同盟』を発表しました。(TECG-30062 3,000円)

 これが本当に素晴らしい仕上がり!

 ドリーミー&エヴァー・グリーンなポップスのマジカルな魅力がたっぷり詰まった全10曲。「涙のステップ」や「心の中のプラネタリウム」等のセルフ・カヴァー曲も含みますが、なんといっても前半5曲の新曲が最高!

 特に杉真理&松尾清憲のペンによる1曲目「恋愛同盟」。
ナイアガラ/60'sスペクター的なアレンジに魅了されること間違いなし!

 田口俊が手掛けた作詞が沁みる5曲目「My Favorite Song」含め、新しいのに懐かしい想いが心に溢れてきますね。

 そして、サウンドもさることながら、やはり須藤薫さんの変わらぬ歌声。
伸びやかでイノセントな輝きに満ちています。森 陽馬


★なお、お二人の独占インタビューをまとめた当店特製リーフレットも作成しました。

2012年3月21日(水) ブルース・スプリングスティーン 「Land Of Hope And Dream」

 リリース前から“傑作!”と話題だったブルース・スプリングスティーンの新作『レッキング・ボール』。国内盤が発売されました。(初回限定盤ボーナス2曲追加 SICP-3460 2,800円)

 天辰保文さん、五十嵐正さん、湯川れい子さん、3人のライナーノーツと、更に訳詞を担当した三浦久さんによる歌詞解説まで付き、スプリングスティーン同様気合の入った国内盤です。(ジャケット・サイズが大きすぎるのが唯一の難か)

 ボーナス曲2曲を入れて全13曲。全体的に彼らしいサウンド&楽曲ながら、その1曲1曲に様々なアメリカン・ルーツが織り込まれており、歌詞面から見ても“アメリカ”を舞台にした壮大なコンセプト・アルバムと言えるでしょう。(これは今作に限ったことではなく全ての作品に言えることかもしれません)

 一番のハイライトは10曲目「Land Of Hope And Dream」。

 1999〜2000年のツアーのために書き下ろされ、『ライヴ・イン・ニューヨーク・シティ』にも収録されていたナンバーのスタジオ録音ヴァージョン。

 アメリカで古くから歌われているゴスペル曲「This Train」を下敷きに、昨年急逝したEストリート・バンドのサックス奏者クラレンス・クレモンズの豪放なサックス・ソロが轟き、ラストにはカーティス・メイフィールド作「People Get Ready」が織り込まれる、という入魂の1曲。

 この“希望と夢”を乗せた列車は何処へ。森 陽馬

2012年3月22日(木) 大橋トリオ 「Brick」

 昨年12月にリリースされたオリジナル・アルバム『L』『R』2作品も好評発売中♪の大橋トリオ、カバー・アルバム第3弾『FAKE BOOK V』が今週発売になりました。(RZCD-59082 2,415円)

 今作では他アーティストの楽曲だけではなく、大橋トリオが音楽を担当したドラマ『ハングリー』劇中歌や、安田奈央さんに提供したドラマ挿入歌「真夜中のひだまり」(english version)などセルフ・カバーも収録されています。

 他には、MIKA「Grace Kelly」、小沢健二「ラブリー」、久保田利伸「LA・LA・LA LOVE SONG」、フォーク・クルセイダーズ「あの素晴らしい愛をもう一度」など洋邦交えた全8曲。

ジャンルも年代も様々ですが、すべて大橋トリオ色に染められていてすごいですね!

今日の一曲は、アルバムの最後を飾るベン・フォールズ・ファイヴの「Brick」。

97年発表2ndに収録されている彼等の人気曲を、同じくピアノを基調としたシンプルなアレンジでカバーしています。切ない歌詞ですが、美しいメロディを持つ名バラード、大橋さんの優しい歌声にぴったりです。

当店のみの特典として、ジャケット・デザインの携帯ストラップを先着で差し上げています。東尾沙紀

2012年3月23日(金) 遠藤 響子 「一人が好き」

 先日須藤薫さん&杉真理さんへのインタビューで、「最近よく聴いているCD、好きな曲は?」という質問をしたところ、お二人とも挙げられていたのがこの1枚、この1曲でした。

 遠藤響子さん(旧・遠藤京子)、2011年発表デビュー30周年記念アルバム『月の光 〜Clasir De Luna〜』。(Pure Music Record PMR-6 3,500円)

 これが素晴らしいアルバム!
落ち着いた雰囲気の大人のためのヴォーカル・アルバルで、聴いているとゆったりと時間が過ぎていきます。

 井上鑑プロデュース、小倉博和、三沢またろう、菅野よう子、山木秀夫他参加。

 薫さんが「ひとりで静かな気持ちで聴きたい」とおっしゃっている5曲目「一人が好き」。心に沁みます。森 陽馬


★一般流通していないCDですが、当店で取扱開始いたしました。
店頭及び通販でご購入いただけます。

2012年3月24日(土) 告井延隆 「I Saw Her Standing There」

 センチメンタル・シティ・ロマンスのリーダー、告井延隆のソロ・プロジェクト『サージャント・ツゲイズ・オンリー・ワン・クラブ・バンド』。待望の新作が出ました。

 ビートルズの楽曲をダビングなしのアコースティック・ギター1本勝負、第3弾です。(『SGT.TSUGEI'S ONLY ONE CLUB BAND V』 TSCS-13 2,800円)

 今回は初期の曲を中心に全20曲収録されています。

 ギター1本でもビート感が伝わってくる「抱きしめたい」、「シー・ラヴズ・ユー」、「プリーズ・プリーズ・ミー」、「ヘルプ」、原曲瑞々しさを再現しているバラード「イフ・アイ・フェル」、「ティル・ゼア・ウォズ・ユー」、「アスク・ミー・ホワイ」、マニアックな「ドント・バザー・ミー」、「ノー・リプライ」、「ザ・ナイト・ビフォア」などなどビートルズ・ファンはニヤリとしてしまう選曲であり、充実した内容なのです。

 今日はその中でも超絶ギター・テクニックがいかんなく発揮された躍動感あふれるこの曲を。

 何回聞いてもお見事!とうなってしまいます。森 勉

★当店にてお買い上げの方には、SGT.TSUGEI特製黒ピックを先着でプレゼントしています。

2012年3月25日(日) ムーンライダーズ 「蒸気でできたプレイグランド劇場で」

 CD・レコード店の文化を支えるために数年前から全米で行なわれるようになったイベント、“RECORD STORE DAY”。

 今年は日本人アーティストの限定盤も発売されます。

 鈴木祥子さんの貴重音源がEP+2CD豪華仕様含め3アイテム発売他、ムーンライダーズの限定ピクチャー・レコード、キノコホテル1stアルバムの限定LP、カーネーション限定EPが4月21日発売予定です。

 どのアイテムも限定盤なので売切必至ですが、特にムーンライダーズのアイテムは豪華ピクチャー・レコードで、更にライヴ会場及び通販限定商品にも関わらず即完売したアナログ盤のみに収録されていた「Ciao!組曲」が再び収録されるとのこと!

 ムーンライダーズ・ファン及びアナログ好きの方も要チェックですね。

 今日のこの1曲は、昨年12月に発売された最新オリジナル・アルバム『Ciao!』(XPCA-1015 3,200円)のラストに収録されている作詞・鈴木慶一、作曲・岡田徹によるナンバー。
 無期限活動休止の発表後に行われた12月17日中野サンプラザでのコンサートでもラストに歌われました。森 陽馬

2012年3月26日(月) ニック・デカロ&オーケストラ 「エイミーのテーマ」

 ニック・デカロのアルバム『ハッピー・ハート』(1969年発表)は昔から大好きなアルバムでレコードを持っているのですが、2曲追加されたシングル・ヴァージョンのボーナス・トラックと美女ジャケ(このモデルさんはなんという名前なのでしょう?)に誘われて、せっかくの紙ジャケCDですしまた購入しました。

 ニックのヴォーカルが聴けるジェリー・ロス&ケニー・ギャンブル作「I'm Gonna Make You Love Me」とブライアン・ウィルソンの名曲「Caroline, No」もフェイヴァリットな曲ですからね。

 今日紹介するのは、そのヴォーカル入りの曲ではなく、なんともいい雰囲気を伝えてくれるインスト曲です。

 9曲目に入っている「Amy's Theme」は、オリジナルであるラヴィン・スプーンフルのヴァージョンもハーモニカをフィーチャーしたインストでした。

 ちょっと寂しげだけれども、美しいメロディーで心が暖まるような演奏は、ニックのこのヴァージョンにもうまく引き継がれています。

 フィル・スペクターのセッションでも活躍したトミー・テデスコによると思われるギターのタッチが、ビートルズ映画『A Hard Days Night』内で使われた「リンゴのテーマ」(This Boy)を思い出させてくれました。森 勉

2012年3月27日(火) クラムボン 「便箋歌」 (LIVE AT 熊本 JANG JANG GO)

 2006年11月にリリースされたクラムボン初のライブ・アルバム『3peace〜live at 百年蔵』から約5年半ぶり。ライブ第2弾『3peace2』が発売になりました。(COCP-37264 3,150円)

 今作も2枚組で、2011年に行われた“ドコガイイデスカツアー”の九州/沖縄地方の音源を中心に厳選した全21曲を収録。

 「サラウンド」、「シカゴ」、「はなれ ばなれ」、「バイタルサイン」などベスト的な選曲です♪

 ポップでパワフルなステージ、3人とお客さんの距離の近さを感じさせる和やかな雰囲気も楽しく、自分もその場に居るような気分に浸れます。

 今日の一曲は、原田郁子さんの柔らかい歌声があたたかい気持ちにさせてくれる「便箋歌」。

♪あなたはほんとにダメダメなひとね〜♪の、お客さんとのやりとりがまた楽しい一曲です。東尾沙紀

2012年3月28日(水) マイクロスター 「drive」

 当店の大・大・大ロングセラー!、マイクロスター2008年発表名作アルバム『microstar album』が限定アナログ盤で5月16日発売決定いたしました。

 発売当初から「アナログは出ないんですか?」と問い合わせも多かったこの1枚。レコード針を落としてこのドリーミー・ポップ・サウンドがスピーカーから流れてくるのが本当に楽しみ!

 ということで、春めいてきたこの季節にピッタリの今作から1曲。

 2001年発表マキシ・シングル『lovey dovey plus』3曲目に収録されていた心弾むキラー・ポップ・チューン。

 昔から大好きな1曲でしたが、このアルバム・ヴァージョンはストリングスが更に深みを増した印象。

 ちなみにこの「drive」。元々は某アーティストへの提供曲ながらボツになってしまった曲なのだとか。こんな名曲をボツにするとは・・・もったいない。森 陽馬

2012年3月29日(木) BOBBY VEE 「Come Back When You Grow Up」

 この曲がヒットしたのは1967年。ボビー・ヴィーとしては後期のヒット曲と言っていいかもしれませんが、僕個人としてはこの曲でボビー・ヴィーという人を知った重要曲なのです。

 彼の最盛期は1960〜63年前半ぐらいまで。
僕が洋楽を聴くようになったのは1963年後半なので、「ラバー・ボール」、「さよならベイビー」、「ラン・トゥ・ヒム」、「燃ゆる瞳」などのヒットには残念ながらリアルタイムでは接することができませんでした。

 しかし、この素敵なカムバックによってボビー・ヴィーという人に興味を持ってさかのぼることができて、またイイ曲にめぐり逢えたわけです。

 60's後半は意外と、“ボビー・ヴィーのように50〜60's前半にとても人気があったけれど一時低迷していた歌手”が復活を果たしているんですね。

 ボビー・ダーリンが「イフ・アイ・ワー・カーペンター」で、ディオンが「アブラハム、マーティン&ジョン」で・・・。70'sになると、ニール・セダカ、ポール・アンカも大復活しますしね。森 勉


★掲載ジャケットはお買得3CD『The Single Collection』。(輸入CD EMI 094636737928)

2012年3月30日(金) HONK 「All My Time Is Free」

 先週3月23日、吉祥寺スターパインズカフェで見た東京ローカル・ホンクのライヴにはシビれましたね。
 サポート・メンバー含めた9人編成による「泥男」も凄かったけれど、純正メンバー4人での「お散歩人生」が良かったなあ。

 今日紹介するのはその日本のホンクではなく、1970年代初頭にカリフォルニア南部で結成されたアメリカの“ホンク”です。

 1974年発表3作目となる今作『HONK』は、70'sウエスト・コースト・サウンド特有の温もりあるバンド・アンサンブルと、メロウ&ファンキーなホーンが絡む超ゴキゲンな1枚。(国内CD VSCD-5036 2,625円)

 今回のCD化で初めて聴きましたが期待以上に良くて、70'sロック好きの僕はすっかり気に入ってしまいました。

 特に3曲目「All My Time Is Free」。

 この曲のリード・ヴォーカルは紅一点ベス・フィチェットが担当しており、歌声がヴァレリー・カーター似!

 ポコ、ジョーママ、シカゴ、ハウディムーンを足して割ったような感じでしょうか。とにかくも70'sアメリカン/ウエスト・コースト・ロック好きの方にオススメです。森 陽馬

2012年3月31日(土) Libby Titus 「Coconut Grove」

 昨日に続き、最近再発されたもので気に入っているこの1枚。

 ボニー・レイット、リンダ・ロンシュタットで有名な「Love Has No Pride」(これホントいい曲ですよね!)をエリック・カズと共作したリビー・タイタス。

 現在はドナルド・フェイゲンの奥方としても知られる彼女のアルバムといえば、1977年発表2nd(2007年7月18日の今日のこの1曲で取り上げてました)が、「Love Has No Pride」のセルフ・カヴァーも収録されているのでよく知られていますが、この度1968年に発表していた1stアルバムがCD化されました。(国内CD VSCD-5035 2,625円)

 ブリル・ビルディングのスタッフ・ライターであったゲイリー・クラインによるプロデュース。その彼と繋がりのあったミュージシャンの曲を取り上げたカヴァー・アルバムで、派手さはないもののその時代の雰囲気が伝わってくるシンプルな好盤です。

 ビートルズ「Strawberry Fields Forever」、「Here,There,And Everywhere」、ビージーズ「Holiday」、ジョニ・ミッチェル作、ティム・ハーディン作など全11曲。

今日のこの1曲は、ラヴィン・スプーンフル「Coconut Grove」カヴァーを。

彼女のファンシーな歌声がこのドリーミーな楽曲にピッタリ合っています。森 陽馬






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