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  今日のこの1曲 “Archives”

<2013月3月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて、
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2013年3月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。
廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>

2013年3月1日(金) 星野源 「Lucky Strike」 (『レイモンド・スコット・ソングブック』より)

2013年リイシュー大賞、早くも確定!?

細野晴臣/デイジー・ワールド関連のデザインを多く手掛けている岡田崇さん(昨年のビーチ・ボーイズ来日公演プログラム制作にも関わっています)による入魂の作品! レイモンド・スコット・ソングブックが遂に発売されました。(国内CD LI'L DAISY LDCD-001~2  5,250円)

 これが本当に素晴らしい!

 こだわりぬいた装丁、超・超充実のブックレット解説、そして古き貴重音源と新しい今の音が組まれた2CD仕様。

 真に岡田さんのレイモンド・スコット愛が溢れたBOXですね。

 なお、レイモンド・スコットは1930年代から活動していたアメリカ人作曲家/ミュージシャン/孤高の電子楽器発明家。
 サウンドの雰囲気は、言葉ではうまく伝わりにくいのですが、まさに“デイジー・ワールドな音”です。

 単なる懐古趣味的な再発ではなく、現代のミュージシャンによる新録カヴァーも収められているのが絶妙で、細野晴臣さん、コシミハルさん、徳武弘文さん、星野源くん他海外ミュージシャンも含めた全18曲収録のディスクも聴きもの。

 レイスコ・ワールドをレスポール・マナーなギターで表現した徳武さんの楽曲などもオススメですが、今日のこの1曲は快気祝いも込めて星野源くんによるDisc2⑦「Lucky Strike」。
 口笛だけでも源くんらしさが伝わってきますね。

 とにかくもネット上の画像や解説をご覧になるより、実際に中をご覧になっていただきたい! 手に取って、ブックレットを読んで、手触りを楽しんで、そして音を聴いて。
 ダウンロードや配信では味わえない、CD/レコードを買う喜びを改めて実感させてくれる作品です。森 陽馬

2013年3月2日(土) ペギー・リー 「ユー・メイク・ミー・フィール・ブラン・ニュー」

 ペギー・リーがポール・マッカートニーの書き下ろし曲「レッツ・ラヴ」を歌ったのは1974年のことでした。

 その曲をフィーチャーしたアルバムも同年発売されましたが、ポールが関係している曲は「レッツ・ラヴ」1曲のみ・・・。
 ちょっとガッカリ、と思いきや、このアルバム全体が素晴らしくイイ出来なのです。

 プロデュースはデイヴ・グルーシンとペギー・リー。
バックには、ハーヴィー・メイスン、チャック・レイニー、リー・リトナー等腕利きが名を連ねています。

 今日紹介するのは、デヴィッド・T・ウォーカーのギターが冴えるスタイリスティックス名曲カヴァー「ユー・メイク・ミー・フィール・ブラン・ニュー」(誓い)。

 ペギー・リーは1920年生まれと言われてますのでこの当時54歳。
いい感じで年齢を重ねたヴォーカルは絶品!

 至福の5分50秒が味わえる1曲です。

 現在、<アトランティック・ジャズ1000>シリーズで日本初CD化。
ボーナス・トラック5曲追加、1,000円で出ています。(国内CD 解説付 WPCR-27300 1,000円) 森 勉

2013年3月3日(日) Connie Francis 「Hold Me, Thrill Me, Kiss Me」 

 ガール・ポップ・ファンの間で来日を渇望されている女性シンガー、ズーイー・デシャネル。

 彼女がM・ウォードと組んで活動しているユニット、シー&ヒムの新作アルバムが5月2日日本先行発売されることになりました。

 クリスマス・アルバムを挟み、オリジナル・アルバムとしては3作目。
エリー・グリニッチや意外?なブロンディカヴァー、ジョーイ・スパンピナート(NRBQ)やマイク・ワットのゲスト参加など楽しみな要素が盛りだくさん! 期待して待ちましょう!

なお、その新作では「Hold Me, Thrill Me, Kiss Me」もカヴァーしているようです。

グロリア・エステファンが90年代にカヴァーヒットさせたことでも有名なハリー・ノーブルという人のペンによる1曲。

 コニー・フランシスも1959年作『The Exciting Connie Francis』で歌っているので、ズーイーはコニーのヴァージョンを元にしているのかな? 森 陽馬

★掲載ジャケットは『The Exciting Connie Francis』も全曲収録! コニー・フランシスのアルバム8作品が入ったお買得4枚組CDセット。(輸入CD Connie Francis 『Eight Classic Albums』 RGMCD24)

2013年3月4日(月) The Skyliners 「Since I Don't Have You」

 スカイライナーズはアメリカ/ピッツバーグ出身の女性1人を含む白人5人組コーラス・グループ。

 1950年代後半から60年代にかけては、ドゥワップと呼ばれるコーラス・グループの名曲がたくさん生まれましたが、この「シンス・アイ・ドント・ハヴ・ユー」はその中でもとりわけ人気のある曲。

 1959年にヒットして以来、どんな時代においても聴く者の胸をギュッと締め付けてくれるメロディーと歌詞をもった曲です。

 積極的に音楽を聴きはじめた1963年以前にヒットしたオールディーズ名曲の多くを、『アメリカン・グラフィティ』のサントラ盤で知りましたが、この曲もそんな1曲です。1974年頃だったでしょうか。

 スカイライナーズのリード・ヴォーカリスト、ジミー・バーモントって本当にいい声をしてますね。森 勉

★掲載ジャケットはACEレーベルから再発された1枚。(ACE CDCH78)

2013年3月5日(火) ジャンクフジヤマ 「誘惑」

 山下達郎似の歌声で話題のジャンクフジヤマ。

 このコーナーで彼を初めて取り上げたのは
2009年8月31日。それから3年半の間にメジャー・レーベルへ移籍、遂に本日メジャー1stアルバムがリリースされました。(『JUNK SCAPE』 初回限定ボーナスCD付 先着ポストカード付 3,600円)

 シティ・ポップ・ファンへ向けて狙いすぎ!?な部分も多少あるので、否定的な見解の方もいらっしゃるかもしれませんが、彼のようなミュージシャンが出てくることはとても良いことだと僕は思います。

 なにより彼のルーツ(好きな音楽)がわかりやすい。
もっとこういうミュージシャンに出てきてもらいたいですね。(例えば、サザン/桑田フォロワー的な新世代アーティストとか聴いてみたいです。)

 さて、今回のジャンクフジヤマ新作。
インディーズ時最後の方はやや力み過ぎな歌唱が気になってましたが、今作ではそれも矯正され素晴らしいバック演奏とうまく融合。楽曲アレンジやメロディーもとてもいいです。

 今日のこの1曲は3曲目「誘惑」。
この曲に関しては久保田利伸を絶対意識していますね。

 イントロのアレンジ、歌い方、「TIMEシャワーに射たれて」を彷彿とさせるサビの雰囲気。
 『Shake It Paradise』や『Such A Funky Thang!』を当時擦り切れるほど聴いていた僕は、思わずニヤリとさせられました。

 ちなみにボーナスCDには2012年12月22日のライヴ音源が収録。
ジノ・ヴァネリ「I Just Wanna Stop」カヴァーもやってます。森 陽馬

2013年3月6日(水) シャーリー・スコット&ソウル・サックシーズ 「モア・トゥデイ・ザン・イエスタデイ」

 ソウルフルでゴキゲンなオルガン・ジャズはいかがでしょうか。

 1960年代に活躍した女性オルガン奏者、シャーリー・スコットが1969年アトランティック・レコードに残した隠れ名盤です。(国内CD 完全限定盤 WPCR-27228 1,000円)

 1曲目アイズレー・ブラザーズのカヴァー「イッツ・ユア・シング」では、キング・カーティスのファンキーなテナー・サックスが炸裂して、まるでソウル・インストのアルバムのような感じ。

 【アトランティック1000R&B】シリーズで出たキング・カーティス『インスタント・グルーヴ』が気に入った方には、無条件でおすすめできるCDです。

 バックを固めているのは、1968~9年当時はまだ若者だったバーナード・パーディ、チャック・レイニー、エリック・ゲイル、リチャード・ティーなど腕達者な面々。

 今日のこの1曲に選んだのは、ラストに入っている「モア・トゥデイ・ザン・イエスタデイ」。

 シャーリー・スコットのオルガンの音色がなんとも60'sを感じさせてくれます。森 勉

2013年3月7日(木) naomi & goro 「blue cafe」

 プロデューサー、作曲家としても活躍されている伊藤ゴローさんと布施尚美さんのボサノヴァ・ユニット “naomi & goro”が、10枚目となる新作『CAFE BLEU SOLID BOND』をリリースしました。(RZCM-59262 3,000円)

 ポップス、ジャズ、ファンク...など雑多に取り込んだ若きポール・ウェラーの意欲作、スタイル・カウンシル84年発表1st『CAFE BLEU』を曲順そのままに、まるごとカバーした作品!

 マシュ・ケ・ナダ風コーラスを取り入れた「Me Ship Came In!」、naomiさんラップ初挑戦「A Gospel」、コトリンゴがピアノで参加「My Ever Changing Moods」、SOIL&THE PIMP SESSIONSの秋田ゴールドマン(b)、みどりん(dr)が参加したクールなインスト「Dropping Bomb On The Whitehouse」など、新しい解釈を交えながら、洗練されたボッサ/ジャズ・アレンジに生まれ変わっています。

今日の一曲は、優雅なストリングスとギターが心地良い「Blue Cafe」。

 ボーナス・トラックとして、「My Ever Changing Moods」(band ver)、ザ・ジャムのバラード「English Rose」も収録。スタカンを聴いた事無いという方も楽しめる一枚です。東尾沙紀

2013年3月8日(金) MADFINGER 「Another Chapter」

 “チェコのインコグニート”!?

 スティーヴィー・ワンダーを彷彿とさせる盲目の男性シンガー、マーティンを中心に2001年にチェコで結成されたスムース・ソウル・バンド、マッドフィンガー。

 彼らのアルバム『アナザー・チャプター』がクールでかっこいい!
(国内CD PCD-93678 2,415円)

 チェコ出身バンドながら歌詞は全曲英語。
スムースなサウンド、かつグルーヴ感もある極上UKソウル♪

 インコグニートやブランニューヘヴィーズなどのアシッド・ジャズ好きの方なら気に入ること間違いなしの1枚ですね。

 ボーナス・トラックでラストにスティーヴィー・ワンダー名曲「As」カヴァーが入ってますが、オリジナルがどの曲もNICE!

 特にタイトル曲「Another Chapter」は聴きもの!
超ポップなサビのメロディーが最高なキラーチューンです。森 陽馬

2013年3月9日(土) ボズ・スキャッグス 「Gone Baby Gone」

 ボズ・スキャッグスというとAORのイメージが日本では付いてしまってますが、デビューした60年代当時は南部ソウルに根ざした作品をリリースしていたBOZ。(デュアン・オールマンとも交流がありましたね)

 ソウル/ブルースのルーツを持つ彼が、原点回帰とも言える新作『メンフィス』を発売しました。(国内CD ボーナス・トラック2曲追加 COCB-54060 2,415円)

 タイトル通り、メンフィスにあるロイヤル・スタジオにて録音。

 スティーヴ・ジョーダン(Dr)をプロデューサーに迎え、レイ・パーカーJr(G)、ウィリー・ウィークス(B)による演奏をバックに、味わい深いいぶし銀のソウルを聴かせます。

 なお、ロイヤル・スタジオといえば、ハイ・レコードの名作が多くレコーディングされた名スタジオ。

 それもあってか、1曲目に収録されているオリジナル楽曲「Gone Baby Gone」から、アル・グリーン「レッツ・ステイ・トゥゲザー」を彷彿とさせる雰囲気ですね。

 ・・・と思って聴いていると、2曲目はアル・グリーン「So Good To Be Here」のカヴァー!

 さすが、ボズ・スキャッグス&スティーヴ・ジョーダン。
演奏もアレンジも選曲もちゃんとわかってやってます。森 陽馬

2013年3月10日(日) Paul Carrack 「I Can Hear Ray」

 ACE、マイク&ザ・メカニックス、スクイーズにも一時在籍していた事でも知られるイギリス出身のブルーアイドソウル・シンガー、ポール・キャラック。

 70年代から活動を続け、2000年以降も1~2年に1枚のペースでアルバムを発表していますが、2012年に発表された最新作『GOOD FEELING』は、彼のキャリアの中でも特に素晴らしい一枚!(輸入CD Carrack-UK PCARCD21)

 クリス・ディフォード(スクイーズ)との共作「Marmalade Moon」、ブルース・スプリングスティーンのカバー「If I Should Fall Behind」、ゴフィン&キング作/ドリフターズの「When My Little Girl Is Smiling」、ニック・ロウが過去に提供した曲の新録「From Now On」、しっとりとアルバム最後を飾る、ジャズ・トランペット奏者サド・ジョーンズ作のスタンダード「A Child Is Born」など、味わい深い歌声を聴かせてくれます。

 今日の一曲は、曲中にも出てくるレイ・チャールズへの想いを馳せ歌うオリジナル曲「I Can Hear Ray」。

サックス・ソロも良い感じのソウル・バラード。聴きものです。東尾沙紀

2013年3月11日(月) 須藤薫&杉真理 「My Favorite Songs」

 音楽好きならば、誰しも“好きな曲”というのがあると思います。

 原点となる曲、小さい頃よく歌っていた曲、想い出と共に寄り添っている曲、etc...。

 大人になって色々なことがあると自らを失いがちになるけれど、でもその曲を聴くと、自分に戻れるそんな曲。

 須藤薫さんが昨年出したアルバム『恋愛同盟』。(須藤薫&杉真理『恋愛同盟』 TECG-30062 3,000円)

 5曲目に収録されている「My Favorite Songs」(作詞:田口俊 作曲:伊藤銀次)は、音楽の素晴らしさを、そして音楽が好きである自分を取り戻させてくれる1曲です。

 ♪自分の事 変えてくれた曲を 
10曲だけ選んでみて あなたも
Your Favorite Songs ♪ (『My Favorite Songs』歌詞より)

 皆さんも是非、好きな曲を10曲、選んでみてください。森 陽馬

2013年3月12日(火) シャングリラス 「家へは帰れない」(I Can Never Go Home Anymore)

 ジェリー・リーバーとマイク・ストーラーが設立したレッドバード・レーベルの稼ぎ頭ともいえるシャングリラスのベスト盤から今日は紹介したいと思います。(国内仕様CD ATOZ60 2枚組CD 2,500円)

 「リメンバー (渚の想い出)」、「リーダー・オブ・ザ・パック」、「ギヴ・ヒム・ア・グレイト・ビッグ・キス」、「家へは帰れない (アイ・キャン・ネヴァー・ゴー・ホーム・エニモア)」、「ロング・リヴ・アワ・ラヴ」など、1964年からの3年間ヒット・チャートを賑わせてくれましたが、この2枚組CDには、シングル曲はもちろん、別ヴァージョンや当時の貴重なラジオ・スポットも収録されています。

 ロネッツ、クリスタルズ、シュプリームス、クッキーズなど黒人の女の子達によるグループが多い中、このシャングリラスは白人4人組。
 ニューヨーク出身らしい都会的なセンスと不良っぽさを演出した雰囲気を持ったグループでした。

 この「家へは帰れない」は1965年の大ヒット曲。
 歌と言うよりは語りが大半を占める曲ながら、当時日本でもラジオのヒットパレードで上位にランクしていました。

 曲を作りプロデュースしたのは、ジョージ・“シャドウ”・モートン。

 ドラマティックな作風は彼の十八番となり、シャングリラスの後にはあのヴァニラ・ファッジを手掛けることになります。

 シャドウ・モートンの声に興味がある人には、このCDのラストに収録されているデモ録音を聴いてみてください。森 勉

2013年3月13日(水) 大橋トリオ 「サクラ」

 当店が応援し続けている男性シンガー・ソングライター、大橋トリオの新作『plugged』が発売。(RZCD-59207 DVD付 4,200円 通常CDのみ2,940円もあり)

 今回のコンセプトは“ロック”。

 タイトル“プラグド”は、90年代エリック・クラプトンなどの名演で有名となったアコースティック中心のMTVライヴ“アンプラグド”の逆で、エレクトリック楽器を中心に使用したことを表現しているのでしょう。

 しかしながら、全体的には今まで通り大橋トリオらしい温もりあるサウンド・アレンジ♪

 リズムが強調された楽曲もありますが、大橋トリオ・ワールドは不変なので安心して聴くことができます。

 4曲目に収録されている「サクラ」も、大橋トリオらしい美しいメロディーによるミディアム・ナンバー。

 この曲ではジョニー吉長&金子マリの息子、金子ノブアキがロックなドラミングを披露し、高桑圭(Curly Giraffe)のベースが曲全体を引き締めています。

 なお、付属のDVDは2012年カルテット編成ライヴ・ツアー映像が15曲と「マチルダ」PV含め充実の102分。矢野顕子さんとのデュエット「窓」ライヴ映像も必見です。森 陽馬

2013年3月14日(木) 佐野元春 「君と一緒でなけりゃ」

 佐野元春、デビュー30周年を経て6年ぶりとなる新作『Zooey』。
(2CD+DVDデラックス盤 POCE-9387 4,800円  CD+DVD盤3,500円、CDのみ通常盤2,800円も同時発売)

 まさに入魂! 疾走感に溢れ、希望に満ちた快心の1枚ですね。

 コヨーテ・バンド【小松シゲル(g)、深沢元昭(g)、藤田顕(g)、高桑圭(b)、渡辺シュンスケ(key)】を従え、躍動感ある演奏と、元春さんらしいリリックが全開の全12曲。

 佐野元春ファンでこれを聴いて満足できない人はいないのでは?というくらい素晴らしい仕上がりです。

 古くからのファンへ元春さんからの励ましの応援歌、もしくは震災で被災したり傷ついた人々へ捧げた歌にも聴こえる2曲目「虹をつかむ人」。

 ♪人間なんてみんなバカさ♪という歌い出しながら、根底にはやさしい眼差しと愛が込められている8曲目「君と一緒でなけりゃ」他、クールかつ熱い詞世界にグッときます。森 陽馬

2013年3月15日(金) hy4_4yh (ハイパーヨーヨ) 「海の日々。2012」

 3月15日は、ビーチ・ボーイズ、マイク・ラブの誕生日!
なんと72歳! おめでとうマイク!

 元気に末永く頑張ってほしいですね。

 ということで、今日はビーチ・ボーイズ・フォロワー?の珍盤をご紹介。

 hy4_4yh(ハイパーヨーヨ)は、2005年結成日本人女性3人組アイドル・ユニット。

 彼女たちが昨年夏にリリースしたシングル『BEACH POWER』は、ビーチバレーJBVツアー2012オフィシャル・ソングだったこともあり、ジャケットからしてビーチ・ボーイズを意識したような写真ですが、特に3曲目「海の日々。2012」は面白い!

 歌詞にビーチ・ボーイズの曲名が織り込まれていたり、サビがビーチ・ボーイズ的コーラスで構成されていたり、「サーフィンUSA」的サビが変な日本語になっていたり、・・・と突っ込みどころ満載です。

 極めつきは、最後に♪ブライアン、デニス、カール、アル、ブルース♪と歌われるのですが、何故かマイクが入ってない!(笑)

 マイクの誕生日なのに、マイクが聴いたら怒っちゃうような曲を取り上げてしまいました。ゴメンサイ!マイク! 森 陽馬

2013年3月16日(土) Lynsey De Paul 「Ooh I Do」(恋のウー・アイ・ドゥ)

 「恋のウー・アイ・ドゥ」が入っているCDありますか?

 今までこういう質問がある度に、「残念ながら現在は出ていません」とお答えしていました。

 が、しかし、これからは大丈夫です。
このCDにしっかりと収録されています。

 リンジー・ディ・ポールは1970年代に活躍したイギリスの女性シンガー、そしてソングライターでもあり、プロデュースもこなした才媛です。
 当時、ラジオでもいろいろな曲を耳にしましたし、たしか東京音楽祭にも出場のため来日もしたような・・・。

 今回イギリスRPMレーベルより、2枚組アンソロジーCDが2種類発売になりました。

『Anthology 1972-1974 ~ Sugar And Beyond』。
『Anthology 1975-1979 ~ Into My Music』。

 共に彼女の魅惑のウィスパー・ヴォイスが堪能できます。

今日はまず「恋のウー・アイ・ドゥ」が入っている<1972-1974>の方を。
(輸入CD RPM Records Retro923)

 ささやき声から始まり、フィル・スペクター・サウンドのようなドラムスとカスタネットが流れ、リンジーのちょっと危うさを感じさせる妖艶な歌声が魅力の名曲です。森 勉

2013年3月17日(日) デヴィッド・ボウイ 「How Does The Grass Grow?」

 デヴィッド・ボウイ復活! 約10年ぶり新作!!
・・・というニュースが、ボウイ66歳の誕生日(1月8日)に流れましたが、正直言うとあまり期待していませんでした。

病み上がり(約10年前ツアー中に入院)だし、もう66歳だし・・・。

 しかしながら、77年作『ヒーローズ』を白で覆う衝撃のジャケットと共に届いた新作『The Next Day』は、まさに完全復活!な素晴らしい仕上がりでした。(国内CD ボーナス4曲追加全18曲デラックス盤 解説・歌詞・対訳付 2,800円)

 トニー・ヴィスコンティによるプロデュース・ワークは、ベルリン三部作を彷彿とさせるような懐古趣味的な感じでもなく、“今の時代”に呼応した力強いサウンド・アレンジ! ボウイの歌声もとにかく前向きでかっこいいですね。

 アップテンポな3曲目「The Stars」他聴きものですが、今日のこの1曲には11曲目「How Does The Grass Grow?」を取り上げましょう。

 シャドウズ・ファンならこの曲を聴いてピンとくるはず!
サビで名曲「アパッチ」のメロディーを引用し、その部分をボウイが♪ヤーヤーヤーヤー、ヤーヤー、ヤ・ヤ・ヤヤー♪と歌っているのです。

 50年以上前の曲を引用しながら、全く古さを感じさせないボウイのセンス。まだまだ健在です。森 陽馬

2013年3月18日(月) 水原弘 「黄昏のビギン」

 昭和30年代、日本の男性シンガーは低い声を売り物に活躍した人が多かったように思います。

 ウクレレ漫談で有名な牧伸二の持ちネタ「やんなちゃった節」にも、

♪フランク永井は低音の魅力、
水原弘も低音の魅力・・・、
漫談の牧伸二は低脳の魅力・・・♪

という自虐のギャグもありましたし。

 ということで、今日はその低音の魅力を渋く聴かせてくれる水原弘を取り上げたいと思います。

 EMIから2月にリマスター・ベストが出ましたし。
(水原弘 『ゴールデン・ベスト』 TOCT-11288 2,000円)

 「黒い花びら」、「君こそわが命」など名曲がありますが、今日は「黄昏のビギン」。

 中村八大と永六輔の作品で、発売時は「黒い落葉」のシングルB面曲でしたが、近年はいろいろな人にカヴァーされ、カラオケでも人気曲になっているようです。

 ちあきなおみのカヴァーがネスカフェやトヨタのCM曲として使われ、お茶の間にも浸透しましたね。
 この水原弘がオリジナルです。

 このベストCDには、浜口庫之助作品の変てこりんな曲「へんな女」も収録されています。森 勉


3月19日放映予定『若大将のゆうゆう散歩』武蔵小山特集で当店も少し紹介されるかもしれません。お時間ある方はご覧になってみてください。

2013年3月19日(火) ライナス・ブランケット 「Show Me Love」

 2012年1月20日の今日のこの一曲コーナーで取り上げました、ヨンジンとグラスゴーのゆかいな仲間たち『Burt Bucharach Songbook』でも知られる女性シンガー、ヨンジンが在籍する韓国産インディー・ポップ・バンド、ライナス・ブランケット。

 元々はadvantage lucyのカバー・バンドとして2001年から5人組でスタート。現在はヨンジン(vo./key)とイ・サンジュン(g)の2人+サポートで活動しているそうです。

 韓国で2011年にリリースされた『Show Me Love』は、意外にもこれが初めてのフルアルバム! ボーナス・トラックが2曲追加された国内盤が今月リリースされました。(国内CD VSCD-9439 1,995円)

 ジャズ、ボサノヴァ、レゲエを取り入れたギター・ポップにのるヨンジンのかわいらしいウィスパー・ボーカルがとても心地良い一枚です。

 心弾むスウィンギン・ポップなタイトル曲「Show Me Love」が必聴曲♪

 一部韓国語で殆ど英語で歌われています。
ギターポップ、スウェディッシュ・ポップがお好きな方にもオススメの一枚です。東尾沙紀

2013年3月20日(水) エリック・クラプトン 「Every Little Thing」

 エリック・クラプトン、約2年半ぶりとなる新作『Old Sock』が発売。
(国内CD UICP-1153 2,600円)

 レゲエのリズム・アレンジでカヴァーしたタジ・マハール作「Further On Down Road」が冒頭1曲目にあり、5曲目にはピーター・トッシュのカヴァーも収録。

 かと思えば、カントリー界の名ペダル・スティール奏者グレッグ・リーズが全曲に参加し、ハンク・スノウのカヴァー⑦「Born To Lose」を披露。

 更には、ポール・マッカートニーがヴォーカル&アップライト・ベースで参加し、ジャズ・スタンダード「All Of Me」をカヴァー。

 そしていつも通りな雰囲気でブルージーに聴かせるレッド・ベリー「Goodnight Irene」カヴァーや、スティーヴ・ウィンウッドが参加したゲイリー・ムーア・カヴァー「Still Got The Blues」など・・・。

 こう書くと節操ない五目煮カヴァー・アルバムのようですが、通して聴くとそういう悪い印象は全くなく、肩の力が抜けたゴキゲンなクラプトンのアルバム、という感じですね。

 個人的にはカヴァーよりも2曲入っている新曲の方が気に入りました。

 チャカ・カーンが参加し、アルバム中一番アグレッシヴなプレイを聴かせる④「Gotta Get Over」。

 そして、クラプトンの娘3人(子供っぽい声だから孫かも?)、ジュリー・クラプトン、エラ・クラプトン、ソフィー・クラプトンが参加した⑪「Every Little Thing」。

 幅広いクラプトン・ファンが楽しめる1枚に仕上がっていますね。森 陽馬

2013年3月21日(木)Niagara Fall Of Sound Orchestral 「君は天然色」

 今年も3月21日『ナイアガラの日』がやってきました。

 2011年『ロング・バケイション』、2012年『ナイアガラ・トライアングルVol.2』と続いてきた30周年記念エディションですが、2013年は『ナイアガラ・ソング・ブック』となりました。(SRCL-8004 初回三方背ケース仕様 2,100円)

 本来30年前(1983年)には、ナイアガラ・レーベルとしての新譜発表はありませんでしたが、1982年6月発売だった『ナイアガラ・ソング・ブック』を約1年遅れの30周年ということで出してくれました。
 大滝さん、ありがとうございました。

 『ナイアガラ・ソング・ブック』は、大瀧詠一作曲楽曲をインストゥルメンタルで再構築したもの。

 アレンジは井上鑑が担当。流麗なストリングスが複雑に絡み合うクラシカルなテイストとナイアガラ・レッキング・クルーによるリズム隊のグルーヴが見事にブレンドされ、もうひとつのナイアガラ・サウンドを夢見心地で楽しむことができます。

 大音量でその中に身を委ねるもよし、適音量でBGMにするもよし。

 大瀧作品としては、最近(?!)出た2曲「幸せな結末」と「恋するふたり」のインスト・ヴァージョンがボーナス曲として追加されています。

 全12曲どの曲もベストで申し分ないのですが、今日のこの1曲には、スローなアレンジにもたまらない魅力を感じてしまう「君は天然色」を。森 勉

2013年3月22日(金) The Cardinals 「Shouldn't I Know」

 ワーナーからリリースされ大好評“ATLANTIC R&B 1000円シリーズ”。第3弾50タイトルが発売になりました。

 アレサ・フランクリン、ダニー・ハサウェイ、オーティス・レディング、アーチー・ベルなどの定番から、ジミー・キャスター・バンチ初CD化や渋いサム・ディーズ、ちょっと珍しいディスコものなど、今回も充実のラインナップ。
 全タイトル2013年最新デジタル・リマスタリングされ、歌詞・新規解説が付いているので、既に持っている盤でももう1枚欲しくなってしまいますね。

 その盤を紹介する前に、このアルバムを先に取り上げておきましょう。

 The Cardinalsは、1950年代ボルチモアを中心に活動していたソウル・グループ。

 先月のサンデーソングブックで「Come Back My Love」がかかりましたが、その曲含め彼らが1951年から1957年までアトランティック・レーベルからリリースした12枚のシングルAB面全曲と未発表1曲追加の全25曲を収録したCDが先日発売。(輸入CD JASMINE JASCD227)

 一口にドゥワップと括れない魅力を持った楽曲が多く、そのリリース年及び作曲家によって様々なソウル・エッセンスが活かされたイイ曲満載!

 でも個人的には一番最初、1951年リリース「Shouldn't I Know」のような沁みるスロー・ドゥワップが一番好きですね。
 当時R&Bチャートでも7位まで上がったようです。森 陽馬

2013年3月23日(土) キャロル・スティーヴンス 「イン・ア・メロートーン」

 モデル、女優をしていたキャロル・スティーヴンスが、1957年にアトランティック・レーベルから発表したジャズ・ヴォーカル・アルバムです。
(国内CD WPCR-27247 完全限定盤 1,000円)

 この盤に関しては今まで知りませんでしたが、1,000円という安い価格もあり、ジャケ買いしたところ大当たりでした。

 LPでいうとA面にあたる①~⑥曲目は、歌詞のないヴォーカル、つまりスキャットですべてを通すという大胆な試みのアルバムですが、それがイイんです。

 デューク・エリントン作曲「イン・ア・メロートーン」と「サテン・ドール」。

 この最初の2曲で彼女の世界に引き込まれてしまいます。森 勉

2013年3月24日(日) OCEAN COLOUR SCENE 「If God Made Everyone」

 活動歴20年を越すUKのロック・バンド、オーシャン・カラー・シーン。
10枚目となる新作『Painting』の国内盤が今週一般発売されました。(TRCP-104 2,310円 ボーナス・トラック2曲収録)

 ジャケットに写るシタール、実際作品の中では使用していないようですが(代わりに?ダルシマーという楽器が使われています)、このジャケットからも想像できる、フォーキー&サイケな要素が散りばめられたロック・アルバムになっています。

 根っこの部分は変わりませんが、明るく疾走感あるサウンドが印象的だった'10年発表の前作『Saturday』に比べると、地味ながら味わい深い楽曲が並んでいます。

 勿論静かめな曲ばかりでなく、カントリー調のポップ・ソングあり、ザ・ジャムっぽい曲あり、逆再生を駆使したサイケな曲あり...。

 中でも「If God Made Everyone」は、サビで一気に盛り上がる展開がザ・フーを彷彿とさせる1曲。

サイモンのヴォーカルも、ロジャー・ダルトリーみたいでかっこいい!東尾沙紀

2013年3月25日(月) 須藤 薫 「花いちめん春いっぱい」

明日26日は、マイク&ブルースによるビーチ・ボーイズ2013年来日公演初日!

 メンバーは日本に無事着いたでしょうか。
東京では珍しくこの時期で桜が満開になったので、ゆっくりお花見でもしていってほしいですね。

 ということで今日のこの1曲は、須藤薫さん1981年発表2ndアルバム『パラダイス・ツアー』に収録されている「花いちめん春いっぱい」。

 作曲:杉真理、編曲:松任谷正隆で、60'sガール・ポップ好きの方は思わずニヤリ♪のアレンジ。
 伊勢丹キャンペーン・ソングにもなった1曲です。

 2007年再発された紙ジャケ仕様盤には、別ヴァージョンもボーナス・トラックに追加収録されています。(MHCL-1140 2,500円)

 薫さんの各種作品、永らく入手困難になっていましたが、限定再プレスされました。他にもいい曲たくさん入ってます。森 陽馬

2013年3月26日(火) ハプニングス 「Make Your Own Kind Of Music」

 ACEレーベルお馴染みのソングライター・シリーズ、新作が出ました。
バリー・マン&シンシア・ワイル夫妻の作品集第2弾です。(『ボーン・トゥ・ビー・トゥゲザー~ソングス・オブ・バリー・マン&シンシア・ワイル』 国内仕様CD MSIG-843 3,150円)

 1960年代に書かれたマン&ワイルの名曲が、オリジナル及びカヴァーも含めて全25曲収録されています。

 いつものように貴重な写真・資料や秘話満載の充実ブックレット(日本語対訳付)も音を楽しむ相乗効果になっています。

 ライチャス・ブラザーズ「ふられた気持ち」、B.J.トーマス「ロックンロール・ララバイ」、アニマルズ「朝日のない街」、トニー・オーランド「ブレス・ユー」、クリスタルズ「アップタウン」、ジーン・ピットニー「ルッキング・スルー・ジ・アイズ・オブ・ラヴ」などのシングル・ヒット曲はもちろんのこと、スコット・ウォーカー「アンジェリカ」、ボビー・ヘブ「グッド・グッド・ラヴィン」、ドリス・デイ「ラヴ・ヒム」など、アルバムの中から隠れた名曲をナイス・チョイスしているものもあります。

 ハプニングスは60~70's前半に活躍したアメリカのハーモニー・ポップ・グループ。

 1971年Jubileeレーベルからのシングル曲「メイク・ユア・オウン・カインド・オブ・ミュージック」は、あまりCDになる機会がなかった曲だと思うのでうれしい収録ですし、多くの人に知ってもらいたい優れた曲です。ハプニングスらしい味も出ています。森 勉
2013年3月27日(水) ビーチ・ボーイズ 「バーバラ・アン」

 ビーチ・ボーイズ2013年来日公演、at ビルボードライヴ東京。
僕は26日(火)21時半の回を見に行きました。

 2012年夏に見たオールスター・ビーチ・ボーイズと比較すると、演奏面・コーラス面共に劣ってしまうのですが・・・。(最初は音がすごく小さく感じましたね。コーラスがあまり聴こえなかったのもPAの問題かな?)

でも、なんといってもこの近さ!臨場感!そして怒涛のヒット曲メドレー! なんだかんだ言ってもやっぱり楽しかったですね。

 ステージにかなり近い席だったので、マイク・ラヴの高そうな指輪&マニキュアをつけた爪先までよく見えました。
 昨年夏は聴けなかった「Wendy」聴けたし、ブルースは前回よりも声が出ていた方だったと思うし、スコット・トッテンが歌う「Isn't It Time」が聴けたし(「ゴッド・メイド・ザ・ラジオ」はやりませんでしたね)、「バーバラ・アン」でのマイク&ブルースによるライン・ダンスも見れたし。

 マイクは72歳、ブルースも今年71歳ですからね。
来日して元気にライヴをしてくれるだけでも本当にありがたいですよね。

このライン・ダンスをまた見れる機会があるといいな、と感慨深い気持ちになりました。

 7月にはブライアン・ウィルソンがアル・ジャーディン&デヴィッド・マークスをゲストに迎えてアメリカでコンサートを行うことが決定したので、そっちの方のビーチ・ボーイズも是非来日してもらいたいです。森 陽馬

2013年3月28日(木)ティム・クリステンセンwithマイク・ヴァイオラ 、トレイシー・ボーナム 「Uncle Albert」

 先日来日公演を行ったばかりの米ポップ職人マイク・ヴァイオラと、元ディジー・ミズ・リジーのティム・クリステンセンを中心に、二人がポール・マッカートニーのアルバムで最も好きだという『ラム』をカバーしたトリビュート・ライヴ盤がリリースになりました。(『ピュア・マッカートニー』 初回DVD付 SICP-3775 3,360円)

 2012年6月18日、ポール70歳の誕生日にコペンハーゲンで行われた一夜限りのライブを収録。

 ティムのバックを務めるザ・ダム・クリスタルズ、米女性SSWトレイシー・ボーナムら7人で、トランペット、ヴァイオリン、ラムカラーに彩られた木板(?)、カズー、拡声器で電話の呼び出し音や話し声を再現した「Uncle Albert」ほか、細やかなアレンジが光り、遊び心もたっぷり!

 終盤は「Coming Up」、「Live And Let Die」、「Maybe I'm Amazed」、「Band On The Run」などをカバー。
 ポールへの愛と、楽曲の良さを感じられる一枚です。

 初回盤DVDにはCDと同内容の映像+インタビュー(字幕付き)など約85分収録。
 終始楽しそうなメンバーの表情が見られ、ライブの臨場感を味わえるDVD付きがオススメです!

 国内盤は、藤本国彦氏による解説付きです。東尾沙紀

2013年3月29日(金) ジョージ・ベイカー・セレクション 「リトル・グリーン・バック」

 クエンティン・タランティーノ監督の映画には、いつも、「う~ん、なるほど」と感心してしまう曲が使われています。

 現在公開中の『ジャンゴ』にもいきなり「さすらいのジャンゴ」(『続・荒野の用心棒』に使用されていたものとは別ヴァージョン)や、中程でジム・クロウチ「アイ・ガット・ア・ネイム」が流れてきて驚きました。

『パルプ・フィクション』では、ディック・デイル「ミザルー」。
『ジャッキー・ブラウン』では、ボビー・ウーマックとかブラザース・ジョンソン。
『キル・ビル』ではナンシー・シナトラ、梶芽衣子...etc。

 タランティーノのイカした音楽センスには脱帽です。

 今日はそのタランティーノが初監督をした1992年作品『レザボア・ドッグス』のサントラ盤から。(国内CD UICY-3555 1,835円)

 映像は残酷なシーンがあって、僕にとっては刺激が強すぎるものでしたが、音楽は面白いものが使われていました。

 スウェーデンのグループ、ブルー・スウェードによる「フックト・オン・ア・フィーリング」(ウガチャガ)、イギリスのスティーラーズ・ホイール「スタック・オン・ザ・ミドル・ウィズ・ユー」、そしてオランダのジョージ・ベイカー・セレクション「リトル・グリーン・バッグ」。

 この3曲は1970年代前半のヒット曲ですが、どの曲も『レザボア・ドッグス』に使用される前はあまり振り返る人もいなかったように思います。

 今日のこの1曲「リトル・グリーン・バッグ」は、不思議な魅力を持った曲で、その虜になる人も多いらしく、何回も違う企業のCMに使用されたりしていますね。森 勉

2013年3月30日(土) Bob Dylan 「I Feel A Change Comin' On」

 ラジオ局InterFM(76.1)にて、ボブ・ディランがDJを務めるラジオ番組『Bob Dylan's Theme Time Radio Hour』(ボブ・ディランのテーマ・タイム・ラジオ・アワー)が4月から放送されることになりました!

 これは凄い!
ピーター・バラカンさんがInterFMの執行役員に就任したからでしょう。
 高橋幸宏さんのDJ番組も始まるようですし、InterFM大注目ですね。

 そのディランのラジオ番組『Bob Dylan's Theme Time Radio Hour』は、ディランが毎回テーマを決めて選曲&トークするラジオ・プログラム。
 2006年から2009年までアメリカの衛星ラジオ局で全100回放送。ディランらしい絶妙な選曲が面白いのです。

 放送日は毎週木曜日20時~21時15分。
再放送は日曜日22時~23時15分。
 放送の最後に、日本語で簡単な解説も入るそうなので、英語が苦手な方も是非チェックしてみてください。

 ちなみに、ディラン2009年発表作『トゥゲザー・スルー・ライフ』初回限定盤(2CD+DVD 解説・歌詞・対訳付 SICP-2250 4,410円)のボーナスCDに、その『Bob Dylan's Theme Time Radio Hour』の“友人と隣人”をテーマにした回が収録されていましたね。

 今日のこの1曲はその『トゥゲザー・スルー・ライフ』に収録、デヴィッド・イダルゴ(ロス・ロボス)によるアコーディオンの音色と演奏が沁みる「I Feel A Change Comin' On」を。森 陽馬

2013年3月31日(日) ザ・フォーク・クルセイダーズ 「若い加藤和彦のように」

 2013年早くも3ヶ月が過ぎました。

そして、加藤和彦さんが亡くなられてから、3年半が経とうとしています。
 時が過ぎるのは本当に早いですね。

 EMIミュージックは4月からユニバーサルと経営統合することになるそうですが、EMIレーベルとしての最後の作品として、フォーク・クルセイダーズの新作が発売になりました。

 タイトルは『若い加藤和彦のように』。(TOCT-29142 3,000円)

 きたやまおさむ(北山修)と、坂崎幸之助(THE ALFEE、和幸)が中心となって、「イムジン河」、「悲しくてやりきれない」、「あの素晴らしい愛をもう一度」などをリアレンジして新録音。

 未発売だった「手と手 手と手」、遺作となったデモテープを基にきたやまおさむが歌詞を付け新たに制作された「若い加藤和彦のように」など、真に21世紀のフォークルといえる作品に仕上がっています。

 時代は変わり、サウンド・アレンジも変われど、フォークルの音楽に対する信念は不変。現代にこそ響く1枚です。森 陽馬




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■


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