トップページ        今日のこの1曲アーカイヴス



  今日のこの1曲 “Archives”

<2014月6月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー
2014年6月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2014年6月1日(日) Neil Young 「On The Road Again」

ニール・ヤングの新作『A Letter Home』輸入盤が入荷しました。
(輸入CD warner/reprise 9362-49399-9 国内盤は6月25日発売)

ニール自身が昔から好きな歌をカヴァーしたアルバムですが、いやー、これは問題作ですね。

何が問題かというと、作品全体がSPレコードで聴いているような音質なのです。

ジャケットに写っている電話ボックスみたいなブースが今作のレコーディング・スタジオだそうで、ナッシュビルのジャック・ホワイト所有スタジオ、Third Man StudioにあるVoice-O-Graph(ヴォイソグラフ)にて録音。

これはボックス内で演奏&歌った音が、直接レコード盤にカッティングされる年代もののスタジオ・ブースで、おそらくロバート・ジョンソンなどの戦前ブルースもこのようにしてレコーディングされたのでしょう。

「ここ最近のレコーディング作とは全く違うサウンドが出来上がっている」
「まるでタイム・カプセルのような・・・」
と、発売前にニールのコメントを読んでましたが、聴いてやっと理解できましたね。

普通の人が聴いたら、というか音楽好きの人でもほとんどの方が、録音の悪い昔のライヴ音源かデモ音源だと思うでしょう。

でもこれは純然たる新録音作品。
これを新作として出してしまうところが、ニールらしいといえばニールらしい1枚ですね。

と、散々なことを書いてしまいましたが、聴いていくうちにどんどん深みが増して味が出てくるから不思議。

特に9曲目のウィリー・ネルソン「On The Road Again」カヴァー。

曲後半にレコードのキズで出るノイズ(プツ、プツという針音)が随所に入っています。
もしや、これは意図的に入れたノイズなのかも?! 

ちなみに、同時入荷したアナログ・レコードBOXもとんでもない代物でしたが、そのレポートは後日に。森 陽馬


2014年6月2日(月) Neil Young 「Needle Of Death」

ニール・ヤングの新作『A Letter Home』。
この作品の輸入盤アナログBOXがまた凄いことになっています。
(輸入LP BOX warner/reprise 1-541532)

まずBOXの装丁。
LP大の黒いBOXにポラロイド写真がガムテープが貼付。
そのテープにNEIL YOUNG、A LETTER HOMEの文字が直筆で書かれています。
(ニールの直筆? でも他のBOXとは筆跡が違うような・・・?! 写真も何種かあるようです)

そしてBOXの中身。
まずCDとDVD、LP大のブックレット、高音質デジタル・ダウンロード・コード。
本編LPは2種類。片方は普通のレコードで、もう1枚はVoice-O-Graphにて直接カッティングされたオーディオマニア向け重量盤。

更に更に!各曲を6インチ・アナログ(7インチではなく6インチ! 7'EPより一回り小さいサイズのEP)に各々収めたクリア・ヴィニール6'EP7枚セット!(レーベル面のデザインもクール!)

この6'EPの7枚目には本編CDには未収録のボブ・ディラン「Blowin' In The Wind」(風に吹かれて)カヴァーが収録!
・・・と、たった1枚の作品ながら、超充実!?のフォーマットが収められたBOXなのです。

DVDには各曲各々の録音風景がタップリ収録。
狭いBOX内に身体の大きいニールが入って、身を小さくしながらギターを弾き、ハーモニカを吹き、そして口笛吹いている映像はニール・ファン必見! (ジャック・ホワイトも随所に出てきます)
 この作品の意図、録音形態がどのようであったかをわかってもらうために、単体CDにも付けた方が良かったのでは?と思えるくらいの内容です。

今日のこの1曲はバート・ヤンシュ「Needle Of Death」カヴァー。
youtubeにオフィシャルで映像がアップされています。
口笛吹いているニールの表情がいいですね。

ちなみに、アルバム冒頭のニールの言葉は、自身の母への手紙を朗読しているもの。

タイトル『A Letter Home』(我が家への手紙)。
最初聴いた時は、なんじゃこりゃ!?と思いましたが、本当に聴くほどに沁みてくる1枚です。森 陽馬


2014年6月3日(火) 遠藤賢司 「44年目のカレーライス」

ニール・ヤングが新作を出せば、“日本のニール・ヤング”遠藤賢司も負けてられない。
(エンケンさんからすれば、ニール・ヤングが“カナダの遠藤賢司”だ!とおっしゃるかもしれませんが)

ということで、遠藤賢司も新作『恋の歌』を発表しました。
(遠藤賢司 『恋の歌』 FJ087 3,000円+税)

「ド・素人はスッコンデロォ!」等のせいか、<怒>、<激情>のイメージもあるエンケン。

でも彼の作る歌には昔から慈愛が込められているのです。

今作『恋の歌』は特にエンケンのやさしい眼差しが感じられる1枚。

エンケンが奏でる叙情的なピアノの旋律に湯川潮音の歌声が融合した美しい⑩「小さな日傘と大きな日傘」。
約14分にも及ぶ弾き語りのタイトル曲⑪「恋の歌」。
女子フィギュア・スケートの二人をテーマにした⑫「真央ちゃんとヨナちゃん」。
それらとは対照的な激情アコースティック・ギターかき鳴らしインスト楽曲もありますが、全体的に穏やかな風が吹いている全12曲。

今日のこの1曲は、感動的な歌詞が印象的な1曲目「44年目のカレーライス」。

遠藤賢司70年代からの代表曲「カレーライス」はもちろん名曲ですが、更に熟成された味がこの「44年目のカレーライス」にはありますね。

♪悲しんでる暇もないくらい気の好い音楽仲間や友達が次々と死んじゃうよ。
でも次は僕じゃないよ。なおさら命を張って音楽だけは頑張るよ。♪
(「44年目のカレーライス」歌詞より)

郷愁だけでなく、前向きな決意表明をも感じさせる新たなカレーライスの誕生です。森 陽馬



2014年6月4日(水) フェアーグラウンド・アトラクション 「Do You Want To Know A Secret?」

新作アルバム『ヴァガボンド』が当店ペット・サウンズではベストセラーを続けているエディ・リーダー。
6月下旬から日本でライヴ・ツアーが始まります。

そんなこともあり、新作と同時に過去の作品が限定紙ジャケット仕様で再発になっています。

エディ・リーダーがヴォーカリストとして在籍していたフェアーグラウンド・アトラクションは1988年にファースト・アルバム『ファースト・キッス』(原題:The First Of A Million Kisses)を発表し、その中に収録されていた「パーフェクト」がヒットして、多くの人に知られることとなりました。

しかしいろいろあってそのアルバム1枚で解散!
解散後にシングルや未発表曲を収録した『ラスト・キッス』(原題:ay fond kiss)と、1989年来日時のライヴ盤『ライヴ・イン・ジャパン』(原題:KAWASAKI Live In Japan 02.07.89)を発表しています。

今日は『ラスト・キッス』に入っているビートルズ・カヴァー「ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット」を取り上げたいと思います。
(国内CD 限定紙ジャケット仕様 SICP-30603 2,100円+税)

エディ・リーダーの歌声はこの名曲に新たな魅力を加えてくれました。

そういえばニュー・アルバム『ヴァガボンド』5曲目に入っている「エディナ」という曲は、どことなく「ドゥ・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット」の雰囲気を感じさせてくれます。森 勉


2014年6月5日(木) 布谷文夫&ココナツバンクス 「深南部牛追唄~大阪へやってきた」

布谷文夫さんが亡くなってから約2年。

多羅尾伴内(大瀧詠一)プロデュースによる1973年発表名盤『悲しき夏バテ』がデラックス・エディションとして再発売されました。
(UPCY-6862 SHM-CD仕様 解説付 伊藤銀次&土橋一夫監修 2,593円+税)

北海道/函館出身、ブルース・クリエイション/DEWのヴォーカリストであり、希代のブルース・シャウターであった布谷文夫。

大滝詠一ファンの間では、「ナイアガラ音頭」、「レッツ・オンド・アゲン」の歌でよく知られた存在ですが、スタジオ録音によるオリジナル・ソロ・アルバムとしては、これが唯一の作品になります。

今回の再発では、伊藤銀次さんへのインタビューを元にした土橋一夫氏によるライナーノーツ、更にボーナス・トラックを7曲追加収録。

聴きものはラスト17曲目「深南部牛追唄~大阪へやってきた」ライヴ音源。

オリジナルLP『1974ホーボーズ・コンサートⅤ ありがとう ありがとう ありがとう』収録、布谷文夫&ココナツバンクス名義でのライヴ音源で、当時<矢野誠 Keyboards>とクレジットされていましたが、伊藤銀次さんの証言などにより、今回から<山下達郎 Keyboards>と改められました。

つまりこのライヴ音源は、シュガーベイブとしてデビューする前の山下達郎が参加していた貴重音源ということになります。

グルーヴ感溢れる演奏と布谷さんの強烈な歌声。
友部正人「大阪へやってきた」カヴァーへなだれ込んでいく展開も圧巻!

大滝詠一、山下達郎、伊藤銀次ファンはもちろん、様々な音楽ファンに聴いてもらいたい1曲です。森 陽馬


2014年6月6日(金) Roddy Frame 「Postcard」

前作からなんと8年振り!
アズテック・カメラのロディ・フレイム新作『Seven Dials』(輸入CD AEDROD07CD)が発売になりました。

盟友エドウィン・コリンズのレーベル、AED Recordsからリリースされた今作は、ソロ名義になって4作目のオリジナル・アルバム。

前作『ウエスタン・スカイズ』が枯れた感じのとても地味な作品だったので、新作もそういう雰囲気なのかなと勝手に想像していましたが、エドウィン絡みのミュージシャンも参加、バンド・サウンドに立ち返った楽曲はメロディアスで瑞々しいものが多く、聴いていてとても嬉しくなってしまいました。

ボサノバ風、ギター弾き語り、マンドリンを加えたポップなナンバーなど、シンプルで良い曲が詰まってます。

中でも、アズテック・カメラ初期を彷彿とさせる清々しいアコースティック・ギターソロを聴かせる「Postcard」がすごく良いですね!梅雨でジメジメした気分をスッと爽やかにさせてくれる1曲です♪

6月21日には、輸入国内仕様盤(解説:油納将志さん/歌詞対訳:伊藤英嗣さん)も発売される予定です。東尾沙紀

2014年6月7日(土) ビル・ラバウンティ 「ダンシン・トゥナイト」

全国的に梅雨入りしたそうですね。

今年もちょっと鬱陶しい季節がやってきたわけですが、気の持ちようで少しは緩和できるんじゃないでしょうか。

自分にとってのお気に入りのデザイン/色合いの傘や雨靴を買うと雨の日も少し気持ちがウキウキするかもしれませんし、このジャケットのようなあざやかなイエローのレインコートもいいかもしれません。

ということで今日は、ビル・ラバウンティ、1979年発表アルバム『レイン・イン・マイ・ライフ』からの1曲。
(国内CD 日本語解説付 THCD-194 2,400円+税)

このところ復活して良いアルバムを出しているビルですが、1978~82年にかけてカーブ・レーベルから出した3枚のアルバムはどれもAORの名作と言っていいものだと思います。

白人ながら適度にソウルフルなヴォーカルが、メロウな空気を運んできてくれます。森 勉


2014年6月8日(日) Stephen Bishop 「loveless」

<AOR 雨の名曲>といえば、やはりスティーヴン・ビショップ「Save For A Rainy Day」でしょうか。

この曲が収録されている彼の1st『ケアレス』、そして屈指の名作2nd『BISH』は、数多いAOR名盤の中でも特に好きなアルバムです。

そのスティーヴン・ビショップがなんと!新作『be here then』を発表しました。
(輸入CD Stephen Bishop 『be here then』 国内盤は今のところ発売予定なし)

近年はセルフ・カヴァー・アルバムを何枚かリリースしましたが、新録音のオリジナル・アルバムというと、1994年発表『ブルー・ギターズ』以来約20年振り。

彼らしいアコースティックAOR/POPSを聴かせてくれる期待通りの作品に仕上がっています。

今日のこの1曲は、9曲目「loveless」。

BISHらしい切ないメロディー・ライン、変わらぬ歌声がじんわり沁みる大人のバラード・ナンバー。

ちなみにリー・スクラー(B)、デヴィッド・ペイチ(key)、レニー・カストロ(per)等、腕利きの友人も参加しています。森 陽馬


2014年6月9日(月) 星野みちる 「雨の中のドリーマー」

東京は雨が続いています。

最近のJ-POPでは雨ソングが昔より少なくなった感がありますが、先日発売された星野みちるの新曲「雨の中のドリーマー」は雨ジャケ&雨ソング。

大滝詠一/ナイアガラ・サウンドお好きな方にオススメの雨ソングです。
(限定EP+CD 星野みちる 『雨の中のドリーマー』 HCCD-9545 1,500円+税)

サウンド・プロデュースは前作に引き続きはせはじむと、マイクロスターの佐藤清喜が担当。

作曲は星野みちる自身によるものですが、サウンド・アレンジを手掛けた佐藤清喜マジック炸裂♪

イントロのストリングス&ドラミング、そして深いエコーが効いたウォール・オブ・サウンド!
21世紀に生まれた正統派ナイアガラ歌謡な1曲に仕上がっています。

ちなみに星野みちるさんの新たな新曲「恋のファンファーレ」が6月18日発売予定。
フル・アルバムも7月16日発売が決定しました。

マイクロスターファンも要チェックですね。森 陽馬


2014年6月10日(火) 星野源 「Crazy Crazy」

くも膜下出血による2度の手術から完全復活!

星野源、新曲「Crazy Crazy」、「桜の森」含む新録曲4曲を収録したシングルが発売されました。
(初回限定DVD付 VIZL-678 1,800円+税)

サウンドの開放感、弾むような演奏、そして力みのとれた彼の歌声。
今回のシングルはどの曲もいいですね。

歌詞にも遊びがあって面白いです。

「Crazy Crazy」はクレイジーキャッツへのオマージュ・ソング。
歌詞にクレイジーのメンバーの名前が隠されているので歌詞カードをよく読んでチェックしてみてください。

あと、2曲目「桜の森」。
タイトルは“桜”ですが、歌詞には“桜”が出てきません。

♪あそこの森の満開の下♪という歌い出し。
「こう歌った方が官能的だと思った」というエロいセンス。さすがです。

ちなみに、録音ではピエール中野(Dr)、ハマオカモト(B)、ジャズ・ピアニストの小林創が演奏していますが、「Crazy Crazy」PVでは、森は生きているの谷口雄が参加。

若い世代による新しいJ-POP。
これからの展開も楽しみです。森 陽馬


2014年6月11日(水) Bobby Freeman 「Do You Want To Dance」

ビーチ・ボーイズ・ファンならブライアン・ウィルソンが興味を持ったものや好きな曲は気になるところです。

ビーチ・ボーイズ「Do You Wanna Dance?」は1965年2月にまずシングルで出て、3月に名作『トゥデイ』A面1曲目に収められたデニス・ウィルソンがリード・ヴォーカルをとったヒット曲です。

この曲はカヴァーで、オリジナルは今日ご紹介するボビー・フリーマンのヴァージョンです。

1958年全米5位という大ヒットで、ヒットしていた当時ブライアン・ウィルソンは16歳。
きっとこの曲が大好きだったんでしょうね。

軽快なダンス・ナンバーですが、途中少しブレイクがあるなど、アクセントあるアレンジにひきつけられます。

このCDはボビー・フリーマンがJosieレーベルで出した2枚のLPと、それには未収録だったシングル曲をプラスした2枚組。
(輸入CD Bobby Freeman 『Do You Want To Dance? The Best Of 1956-1961』 JASMiNE JASCD732)

ヒットが出る前に在籍していたグループ、Romancersの貴重音源も6曲収録されています。森 勉


2014年6月12日(木) トニーニョ・オルタ 「PRATO FEITO」 feat Pat Metheny

2014FIFAワールドカップ・サッカー・ブラジル大会、明日から開幕ですね。

それに合わせて、ブラジル名盤の数々が1,000円+税という超お買い得価格で80タイトル一挙に再発!

これが単なる廉価なだけでなく、しっかりとした解説、歌詞カードも付いた仕様。
ボサノヴァ大名盤『ゲッツ・ジルベルト』他、内容も素晴らしい作品揃いなのです。

その中からまずはこの1枚。

1948年生まれミナス出身男性シンガー・ソングライター、トニーニョ・オルタ。
1980年発表屈指の名作『TONINHO HORTA』。
(国内盤 生産限定 解説・歌詞・対訳付 UICY-76406 1,000円+税)

注目はやはり、名ジャズ・ギタリスト、パット・メセニーが参加していることでしょうか。

5曲目「PRATO FEITO」(定食料理)で聴けるパット・メセニーの超絶ギター・ソロは聴きもの!

メセニーらしい清涼感あるギターの音色。めくるめくメロディアスなフレーズ連発♪
パット・メセニー好きの方は必聴の1曲です。

あと、ラスト10曲目「Manoel, O Audaz」にもパット・メセニーが参加。
ロー・ボルジェスの歌声とやさしいメロディーが印象的なイイ曲!

なお、他の曲で聴けるトニーニョ・オルタが弾くギターも美しいですね。
ブラジル音楽を普段聴かない方も今作は是非チェックしてみてください。森 陽馬


2014年6月13日(金) パインズマインズ 「Mr.Umbrella Man」

下北沢や吉祥寺を拠点にライブ活動を行なっている2010年結成男女トリオ、パインズマインズ。

2ndフル・アルバムで、初の全国流通盤となる新作『ドア』が発売になりました。
(RBFR-0001 2,000円+税)

和やか&朗らかな三声コーラスと、ソフトロック、カントリー、フォーク、ロックンロール、ファンクetc...とジャンルに捉われない雑多な音楽性、トロピカルなムードも漂うポップな楽曲が魅力♪

メンバー<スパ(Vo,Gt)、紅一点のmammo(Vo,Key,Ba)、いさむ(Vo,Dr)>の3人全員がリード・ヴォーカルをとれる事も強みです。

今日の一曲は、今作のオープニング曲「Mr.Umbrella Man」。

ビーチ・ボーイズ+ラヴィン・スプーンフル...?なジャケットのイメージそのままの多幸感溢れるサイケ・ハーモニー・ポップ♪

アルバム最後を飾る、ブルースハープが沁みるルーツ・ロック・ナンバー「Younger Than Yesterday」もすごく良い曲なので聴きものです。

先着で、未発表曲「波」を収録した特典CD-R付き!

明日14日(土)には、初のワンマン・ライヴが吉祥寺Silver Elephantで行なわれます。東尾沙紀


2014年6月14日(土) ビーチ・ボーイズ 「Girl Don't Tell Me」

来週6月20日はブライアン・ウィルソン72歳となる誕生日。

そろそろビーチ・ボーイズの季節がやってきました。

ということで、1965年夏に発売された『サマー・デイズ』が聴きたくなったので、今日はそこから1曲。
(国内CD モノ&ステレオ 解説・歌詞・対訳付 TOCP-71377 2,476円+税)

このアルバムには大ヒットした「ヘルプ・ミー・ロンダ」(シングル・ヴァージョン)、「カリフォルニア・ガールズ」の他、イギリスでシングル・ヒットした「ゼン・アイ・キスト・ハー」(2012年50周年記念ライヴでも歌ってくれました!)、日本ではシングルで出てラジオでよくかかっていた「アミューズメント・パークスUSA」等が収録されています。

あと、『ペット・サウンズ』への道のひとつ、と言える曲「レット・ヒム・ラン・ワイルド」や、ビーチ・ボーイズらしいアカペラ・ナンバー「アンド・ユア・ドリーム・カムズ・トゥルー」も入っていて充実した内容なのです。

「ガール・ドント・テル・ミー」はアルバム中一番地味な曲(かも?)。

ブライアン・ウィルソンがビートルズを意識して書いたと言われている曲で、演奏はスタジオ・ミュージシャンを使わず自分たちでやっています。

彼らの曲としては珍しくコーラスがなく、リード・ヴォーカルはカール・ウィルソン。

一番年下だった18歳のカール、初のリード・ヴォーカル曲で、ちょっと緊張気味な雰囲気が伝わってきます。

カールはこれを録音した約10か月後に名曲「ゴッド・オンリー・ノウズ」や「グッド・ヴァイブレーションズ」を歌うわけですから、「ガール・ドント・テル・ミー」はその滑走路となった1曲と言えるのかも。森 勉


★6月21日(土)
当店地下アゲインにて、『Brian Wilsonの誕生日(現地時間で)を勝手に祝う会』というライヴ・イベントが開催。ビーチ・ボーイズ・カヴァー・ユニットRio Grande(あきづきかおる&石井健一)、鈴木恵TRIOが出演予定です。


2014年6月15日(日) カエターノ&ガル 「ドミンゴ」(日曜日)

FIFAワールドカップ・サッカーブラジル大会、日本代表リーグ戦初戦。

結果的に気だるい午後を迎えられた方が多かったと思います。

<ブラジル>、<日曜日>、<気だるい>といえばこの1曲。

カエターノ・ヴェローゾ&ガル・コスタ「ドミンゴ」。
(国内CD 『ドミンゴ』 生産限定盤 解説・歌詞・対訳付 UICY-76373 1,000円+税)

ブラジルに軍事政権が敷かれて3年が経った1967年。
“ブラジル文化革新”ともいうべき<トロピカリズモ>の中心人物だったカエターノ・ヴェローゾ(当時25歳)とガル・コスタ(当時22歳)が作り上げた名作。

1分半にも満たない1曲ですが、そのわずかな合間に40ものコードが含まれているそう。
シンプルなようでいて深みがある1曲。

アルバム全体的にも独特な色気というかシュールな味わいがありますね。
例えばマルコス・ヴァリのボッサ作とは違った気だるい雰囲気が漂っています。

ちなみに「ドミンゴ」はポルトガル語で日曜日の意。
来週のドミンゴはスカッとした気分で聴きたいですね。森 陽馬


2014年6月16日(月) ベン&エレン・ハーパー 「Farmer's Daughter」

ベン・ハーパーの新作『Childhood Home』は母エレン・ハーパーとの共演作。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UCCO-1145 2,600円+税)

これが予想以上に味わい深くて沁みる1枚でした。

エレン・ハーパーの一家はカリフォルニア州サクラメントで『The Folk Music Center』というギターやバンジョー等様々な楽器を取り扱っていた店を経営。ライ・クーダーやタジ・マハールなど有名ミュージシャンが来店しその場でよくセッションしていたそうです。
 ベン・ハーパーの音楽ルーツはそういうところから生まれたのですね。

古き良きアメリカの広大な大地へタイムスリップさせられるようなフォーキーな楽曲。
シンプルなアコースティックギターの合間に時折響くワイゼンボーンやバンジョーの響き。

そして何よりシングルマザーであった母エレンの憂いある歌声が素晴らしい。
歌が上手いというのではなく、長い人生を渡り歩いてきた魂が宿った歌声なのでしょう。

地味だけれどここ最近のベン・ハーパーの作品の中では一番長く聴き続けようなアルバムですね。

今日のこの1曲は、労働者(農園者)の気骨を感じさせる歌詞が印象的な⑤「Farmer's Daughter」。

ちなみにベン・ハーパーの妻は女優のローラ・ダーンですが、母エレン・ハーパーに雰囲気がなんとなく似ていますね。
ベンはローラ・ダーンに母の面影&母性愛を感じて結婚したのかな?、とエレンの写真を見て思いました。森 陽馬


2014年6月17日(火) アンドレ・ソロンコ 「Teasing You」(instrumental)

アーバン・メロウAORの正しき継承者。
ウクライナ生まれ、フィンランド/ヘルシンキを拠点に活動しているミュージシャン、アンドレ・ソロンコ。

待望の新作『ポラロイド』が発売されました。
(国内CD クニモンド瀧口による解説付 PCD-93810 2,300円+税)

2013年6月8日に今日のこの1曲コーナーで紹介した前作『ウ・エチュ・マントゥノン?』は、“北欧のマイケル・フランクスorニック・デカロ!?”といった雰囲気で、当店でもロングセラーとなった1枚でした。

今回の新作でも、フェンダーローズ、クラヴィネットのメロウな音色が心地良いですね。

70~80年代AOR/フュージョンお好きな方は要チェックの作品です。

ただ、今作の女性シンガーは個人的には好みではないですね。
ハスキーな高音部分はミニー・リパートンっぽい部分もあるけれど、歌い方がフェイクし過ぎな感が…。

前作ではアンドレ・ソロンコ本人のマイケル・フランクスを彷彿とさせる歌声が魅力でもあったので、今回も彼自身の歌で良かったのでは、と思ってしまいます。(もしくは歌がなくても良かったのかも)

ということで、今日のこの1曲はボーナス・トラックとしてラスト8トラック目に入っている1曲目「Teasing You」のインスト・ヴァージョン。
アナログ録音による演奏の温もりが伝わってきますね。

ちなみに、ライナーノーツは流線形のクニモンド瀧口さんが執筆。
流線形のようなシティ・サウンドお好きな方、是非聴いてみてください。森 陽馬


2014年6月18日(水) Jeff Larson 「Rain Soaked Cloud」

本日は、ウエスト・コースト・ロックの正しき継承者。
サンフランシスコ出身男性シンガーソングライター、ジェフ・ラーソン。

2009年発表作『Heart Of The Valley』は
その年のベストに選出
近作『The World Over』も
2012年4月26日の今日のこの1曲で取り上げましたが、新作『Close Circle』も期待通りの仕上がりでした。
(輸入CD NCompass Music NM140805)

マイク&ブルースのビーチ・ボーイズに最近加入したというジェフリー・フォスケットに加え、ランデル・カーチも今回参加していますね。
あと前作に引き続き、ティモシー・B・シュミットの娘、Jeddrahも参加して美しいコーラスを聴かせてくれています。

今日のこの1曲は、曲名に“Rain”がついた6曲目「Rain Soaked Cloud」。

アコースティック・ギターカッティングによる出だし。切ないメロディーライン。
これぞジェフ・ラーソン!といったウエスト・コーストな1曲ですね。

アルバム中この曲のみアメリカのジェリー・ベックリーとの共作曲。
ジェリーとデューイ・バネルの2人によるアメリカらしいコーラス・ワークも聴きものなナンバーです。森 陽馬


2014年6月19日(木) Colleen Clark 「as it goes」

10年以上のキャリアを持つミュージシャンであると同時に、オーディオ・エンジニアでもあるコリーン・クラークは、アメリカ・メリーランド州を拠点に活動している1984年生まれのシンガーソングライター。

1stアルバム『アズ・ザ・クロウ・フライズ』が、先月サンドフィッシュ・レコーズからリリースされています。
(国内CD SFR-008 解説・歌詞対訳付 2,315円+税)

作詞・作曲、ギター、ベース、シンセ、パーカッション、プログラミング、ミックスなどの殆どを1人でこなすマルチ・プレイヤー。

ジャケットの雰囲気同様、ロック/フォーク/カントリーなどを下地にしたとてもシンプルなサウンドで、落ち着いた低めの歌声も良いですね。

アコーディオンが郷愁を誘う「as it goes」、男性顔負け?な骨太ギターを聴かせる「get up」など、彼女の凛とした佇まいが音からも伝わってきます。

なおボーナス・トラックに「Cruel To Be Kind」という曲が収録されていて、最初に曲目を見てもしかしてあの曲のカバーかな?と思ったのですが、同名異曲でした。

正統派女性シンガーソングライターお好きな方にお薦めです♪東尾沙紀


2014年6月20日(金) 雪村いづみ 「胸の振子」

サトウハチロー作詞、服部良一作曲による「胸の振子」は、戦後昭和22年頃に霧島昇の歌で流行った歌だそうです。

この曲を知ったのは雪村いづみが昭和49年(本体とは何の関係もありませんが、長嶋茂雄選手が現役引退した1974年です)に発表した服部良一楽曲のカヴァー・アルバム『スーパー・ジェネレーション』でした。
(国内CD 解説:湯浅学 ボーナス・トラック「別れのブルース」追加 COCA-71139 2,190円+税)

このアルバムは昭和10~20年代にヒットした服部良一の名曲をその息子服部克久がストリングス&ホーン・アレンジを担当。
 そして、キャラメルママ(アルバム録音当時はメンバー全員がまだ20代半ば)がバンド・アレンジと演奏を担当した企画もの。

次世代に昭和の名曲を残していきたい、という当時としては珍しいアプローチのアルバムでした。

キャラメルママが演奏をしているということで、僕はこのアルバムに喰いついたわけですが、これで服部良一作品への興味が一気に高まり、自分が生まれる前の日本の歌謡曲をいろいろ聴くようになりました。

服部良一楽曲の確かさと雪村いづみのモダンな歌唱、キャラメルママの緩急自在なスマートな演奏が見事に合わさったこの『スーパー・ジェネレーション』は、日本音楽界至宝の名盤と言っていいと思います。森 勉



2014年6月21日(土) Tommy James & The Shondells 「I Think We're Alone Now」

アメリカでは多くのヒット曲を持ち知られた存在なのに、日本では原体験のある同世代派の人にしか知られていないミュージシャンがいます。

それは多くの場合、日本盤のCDが発売されないことが理由だと思われます。

今日紹介するトミー・ジェイムス&ションデルスもそんなミュージシャンです。

1966年から1969年の3年間で「ハンキー・パンキー」、「クリムゾン&クローヴァー」の全米No.1ヒットを含め、14曲ものトップ40ヒットを放っているのにね。

レコードの時代は日本コロンビアからこのアルバムが再発されたことがありましたが、CDの時代になってからは東芝EMIがルーレット・レーベルの権利を持っていた時にベスト盤が1度出たか出ないか、と言った感じです。

ソフト・ロックの範疇にも入らないみたいだし、フリー・ソウルのお仲間にも入れてもらえないグループですが、イイ曲たくさんあるんだけどなぁ。

さて愚痴はこのくらいにして、今日は1967年大ヒット曲「アイ・シンク・ウィアー・アローン・ナウ」。

彼らのプロデューサーであり、多くの名曲を提供したリッチー・コーデルの作品です。森 勉

★掲載ジャケットはTommy James & The Shondells、1967年発表オリジナル・アルバム『I Think We're Alone Now』。(輸入CD Collector's Choice CCM-2097 )


2014年6月22日(日) Oscar Isaac 「The Death Of Queen Jane」

映画『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』を先日新宿武蔵野館にて鑑賞。

2013年カンヌ国際映画祭グランプリを受賞したジョエル&イーサン・コーエン監督・脚本による作品。
1961年ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジを舞台にした物語で、ボブ・ディランが当時敬愛していたフォーク・シンガー、デイヴ・ヴァン・ロンクの回想録が元になった音楽映画です。

お客様から教えていただいた書籍『ボブ・ディラン ロックの精霊』(岩波新書 湯浅学・著)を読んでいたところだったので、フォークブームの時代背景やボブ・ディラン周辺の人間関係・繋がりが理解できて、なかなかに興味深い映画でした。

ストーリー展開にクライマックスがあるわけではなく、流れるように1時間45分が過ぎてしまうのですが、映画全体がフォーク・ソングそのもののようでしたね。

主演オスカー・アイザックの歌声にも求心力があって良かったです。

今日のこの1曲はサントラ盤から、そのオスカー・アイザックが歌う「The Death Of Queen Jane」。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-15439 2,457円+税)

初期ボブ・ディランのマネジメントをやっていた敏腕マネージャー、アルバート・グロスマンを彷彿とさせる人物が出てきて、オスカー演じる主人公が彼の前で歌う場面があるのですが、この歌を聴いてグロスマンが一言、「金の匂いがしないな」・・・。

当時のアルバート・グロスマンは本当にそういうことを話していたのでしょうね。

なお、猫が随所に出てくるので猫好きの方も要チェックの1本です。
(猫の存在は、自分の意志のままに生きる主人公を投影しているかのようでした) 森 陽馬


★6月23日(月)当店地下アゲインにて、山田稔明さんによるイベント『月あかりのナイトリスニング』が開催。
猫好きで知られる山田稔明さんですが、彼の愛猫ポチが6月19日15歳で亡くなったそうです。合掌。


2014年6月23日(月) The Rutles 「恋の乗車券 (I Must Be In Love)」

上半期には、大物、若手...魅力的なライブが色々ありましたね。

一番最近観たライブという事もありますが、今月初旬に来日したビートルズ・パロディの最高峰、ニール・イネス率いるラトルズの公演がとても良かったです。

オリジナル・メンバーのジョン・ハルシー(ds,vo)、ギター、ベース、キーボードの5人で、充実した演奏&コーラスを聴かせてくれました。

「Hold My Hand」、「恋にあきたら(With A Girl Like You)」、「Ouch!」、「Love Life」などなど盛り沢山の内容でした。

アンコールでは、ニールがウクレレを弾きながら歌う「All Things Must Pass」。
ジョージ・ハリスンに敬意を表しての感動的なカバーでした。

私が観に行った日には、オープニング・アクトとして日本のバンド、マウントバッテンズとニートビーツの2組が出演しました。
マウントバッテンズは、初めて観たんですが、なんとラトルズのコピーバンド!
サビの部分を「キャロル・キング×3~シーズ・ルッキング・グッド~♪」に替えて歌う「It’s Looking Good」のカバーがとても楽しかったです。東尾沙紀

★掲載ジャケットは新・名盤探険隊で再発された『ラトルズがやって来た オール・ユー・ニード・イズ・キャッシュ(四人もアイドル)』です。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-15562 1,143+税)


2014年6月24日(火) ビートルズ 「抱きしめたい」~「シー・ラヴズ・ユー」

還暦を過ぎ1964年からビートルズを聴いている僕のようなファンには、懐かしくも定番であり続けているアイテムが遂にCD化されました。

ビートルズ『ミート・ザ・ビートルズ<JAPAN BOX>』5枚組CDがそれなのであります。
(国内CD 初回生産限定盤 日本独自企画 UICY-76429 14,000円+税)

1964年と1965年に日本で発売されたLPをジャケット・曲目そのままに紙ジャケットCDで再現したものです。

『ビートルズ!』、『ビートルズNo.2』、『ビートルズNo.5』は日本独自の選曲によるもので、映画もの2枚『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』、『4人はアイドル(ヘルプ)』は英国盤と同じ曲目ながらもジャケット仕様が違うということで、日本のファンには特別な気持ちを運んでくれるものです。

特に日本でのファースト・アルバム『ビートルズ!』は、イギリスの『ウィズ・ザ・ビートルズ』、アメリカの『ミート・ザ・ビートルズ』とジャケット写真は同じでも、文字のデザインは日本盤ならではのもの。半かけ帯も再現されています。

それになんといっても、この曲目、この曲順!
世界に誇れる史上最高のビートルズのファースト・アルバムです。

「抱きしめたい」、「シー・ラヴズ・ユー」、「フロム・ミー・トゥ・ユー」、「ツイスト&シャウト」...と続き、「ドント・バザー・ミー」が締めるA面。

「プリーズ・プリーズ・ミー」、「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」...と続き、「プリーズ・ミスター・ポストマン」で終わるB面。

小さな電蓄で何度聴いたことでしょう。

1964年4月、ビートルズに対しての知識はまだ未熟なものでしたが、ビートルズが好きだという情熱は満ち溢れていました。

我々世代よりお若いビートルズ・ファンにも、1964年当時のビートルズ・ファンの気持ちがこの『ミート・ザ・ビートルズ <JAPAN BOX>』で味わえるのではないでしょうか。

「フロム・ミー・トゥ・ユー」って1分15秒しかなかったっけ?、えっ?ジョージってポールより年上?、といったミスプリントもそのままに再現され、より当時を感じさせてくれます。森 勉


2014年6月25日(水) Sweet Charles 「Soul Man」

新譜も色々出ていますが、再発で良質なアイテムが最近たくさん出ているので目移りしてしまいますね。

今日は、SOULファン絶対買いっ! 世界初CD化となった大注目リイシューCDをご紹介。

スウィート・チャールズ『For Sweet People From SWEET CHARLES』。
(国内CD 世界初CD化 UICY-15304 解説・歌詞付 UICY-15304 1,800円+税)

本名Charles Emanuel Sherrel、1943年生まれの黒人ミュージシャン、スウィート・チャールズ。

James Brownバンドのベーシストで、この1974年発表ソロ作も親分James Brownがプロデュース!

といっても、JBばりのファンキーなサウンドではなく、カーティス・メイフィールドばりのファルセット・ヴォイスとメロウ・グルーヴなサウンドが心地良い1枚に仕上がっています。

今日のこの1曲は2曲目「Soul Man」。

サム&デイヴによる名曲カヴァーですが、オリジナルと全然アレンジが違う!

この曲のアレンジは、JBバンドのトロンボーン奏者、フレッド・ウェズリーが担当。
流し聴きしていたらカヴァーだと気付かないくらい違いますね。

アラン・トゥーサン作⑥「I Like It Like That」カヴァー、レア・グルーヴ名曲⑧「Yes It's You」も聴きものです。森 陽馬


2014年6月26日(木) Hal Bradbury 「You Send Me」

昨日に引き続き、世界初CD化! 注目の再発盤をご紹介しましょう。

カラパナ等のハワイ産AORお好きの方、シンガー・ソングライター好きの方にもオススメの1枚!

ハル・ブラッドバリー『This Is Love』。
(国内CD 世界初CD化 金澤寿和氏による解説付 BBQ81CD 2,100円+税)

1979年デビューのホノルル発ハワイ・ソウル・バンド、ファビュラス・クラッシュ。
そのリード・ヴォーカリストであったハル・ブラッドバリーが1981年発表したソロ・アルバムです。

当時ハワイでのライヴ会場のみで手売り販売されていた作品だそうで、僕も今回初めて聴きました。

ババドゥほどリズムは跳ねてないものの、セシリオ&カポノやカラパナよりはソウルフルな感じ。
マッキー・フェアリーをもう少しシンガー・ソングライター的にした雰囲気ですね。

今日のこの1曲は、サム・クックで有名な「You Send Me」カヴァー。

メロウかつシティ・サウンド的なアレンジが心地良い仕上がり。

ビートルズ「She's A Wonan」、ピーター・アレン「This Time Around」のカヴァーはもちろん、オリジナル曲もイイ曲です。声はピーター・ゴールウェイに少し似ているかな?

このレーベルの商品はすぐに入荷しなくなってしまうので、ハワイAOR好きの方はお早目に。森 陽馬


2014年6月27日(金) Ellen Mcilwaine 「Ain't No Two Ways To It」

90年代フリーソウルのコンピレーションに収録された事で注目されたカナダの女性シンガー、エレン・マキルウェイン。70年代2作品が再発になりました。

98年にこの2作を纏めたCDが出ていますが、それぞれ単体でCDになるのは国内初のようです。

ジミ・ヘンドリックス、クリーム、ブラインド・フェイスやカントリーのヒット曲などカバーを取り上げ、ライブ/スタジオ音源で構成された72年の『Honky Tonk Angel』と、オリジナルを中心とした73年『We The People』です。

ロック/カントリー/ソウル/ワールド...。
ジャケットの麗しいイメージからは想像もできないグルーヴィー&ソウルフルな楽曲&歌声はとっても衝撃的!

カバーを中心とした(そして何気に猫ジャケ)の『Honky~』もすごく良いですが、『We The People』の始まりを飾るスライド・ギター...痺れます。
(国内CD 解説・歌詞付 UICY-15309 1,800円+税)

彼女のスライドを存分に堪能できる「Sliding」。
ジャック・ブルースのカバー「Never Tell Your Mother She's Out Of Tune」も聴きものです。東尾沙紀

2014年6月28日(土) ベス・ソレンティーノ 「There Is Nothing More To Say」

長門芳郎氏も大推薦!

ソフト・ロック、オールディーズお好きな方、要注目の女性シンガー新譜CDです。

ベス・ソレンティーノ『ウッド・ユー・ライク・トゥ・ゴー ~シングス・カート・ベッチャー』
(国内CD ボーナス・トラック追加収録 日本語解説付 MZCF-1291 2,400円+税)

ベス・ソレンティーノは、アメリカ/ピッツバーグ出身1968年生まれ。
90年代にサドゥンリー・タミーというユニットに在籍していた女性シンガー・ソングライター。

今作は、ミレニウムやサジタリアスで知られるアレンジャー&プロデューサー&名ソングライター、カート・ベッチャーが関わった楽曲をカヴァーしたアルバムです。

彼女の甘い歌声と、カート・ベッチャー作によるドリーミーなメロディーは相性抜群♪
シンプルなアレンジ/バック演奏が楽曲の良さをより引き立てています。

今日のこの1曲は「There Is Nothing More To Say」。

オリジナルはミレニウム『ビギン』(ベス・ソレンティーノが生まれた年と同じ1968年発表作)に収録されていますが、片寄明人によるGREAT3が1997年作『Romance』でカヴァーしていたこともありましたね。

ちなみに、カート・ベッチャーやミレニウムご存じでない方も、もちろん楽しめる女性シンガー作。
逆に、カート・ベッチャーを知らずに今作を聴いて気に入った方は、ミレニウムやアソシエイション1stも聴いてみてくださいね。森 陽馬


2014年6月29日(日) パイレーツ・カヌー 「BLIND IS LOVE」

2014年ベスト・アルバム最有力候補!?

京都発6人組バンド、パイレーツ・カヌー。
待望の新作フル・アルバム『One For The Pain In My Heart』が遂に発売!
(OTCR-007 2,000円+税)

今までの作品も良かったですが、今作は格段にレベルアップしていますね!
文句なしに最高傑作だと思います。

カントリー・ルーツを感じさせるサウンドがどうとかそういう能書きは関係無しに、これぞ“パイレーツ・カヌー・サウンド”という1枚。

今日のこの1曲は8曲目「BLIND IS LOVE」。
パイレーツ・カヌー屈指のキラーチューン!

なお、7月19日(土)パイレーツ・カヌーが東京上陸!
当店地下
アゲインで中井大介を交えスペシャル・ライヴを開催します。(先着40名!)

ライヴがまた素晴らしいので是非生で見てもらいたいですね。
今回の新作CD含め“パイレーツ・カヌー”、チェックしておいてください。 森 陽馬


2014年6月30日(月) Earl Klugh 「Laughter In The Rain」

6月も今日で終わりということで雨の曲を。

ニール・セダカが1974年~1975年にかけて大ヒットさせたあの名曲の好カヴァーを紹介したいと思います。

ギタリストのアール・クルーはデイヴ・グルーシンの後押しもあり、1976年にデビューしました。

そのファースト・アルバムにひっそりと(?)収められていたのが、「ラフター・イン・ザ・レイン」のカヴァーです。

アール・クルーのガット・ギターによる演奏は原曲のメロディーの良さをちゃんと残しつつも、自分の特徴をさりげなく主張していますね。

特に曲の中盤でのアドリブ・パートの展開にはハッとさせられます。

エレクトリック・ギターで参加しているリー・リトナーの地味ながら気のきいたプレイも聴き逃せませんよ。

3枚のアルバムを2枚のCDに収録した再発CDのディスク1に入っています。森 勉
(輸入CD BGO BGOCD-955)





これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■


トップページ