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  今日のこの1曲 “Archives”

<2013月6月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー
2013年6月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2013年6月1日(土) INO hidefumi 「Hello It's Me」~「Cry Me A River」 feat 鈴木茂

 “フェンダー・ローズ/エレピ奏者”といえば、昔はボブ・ジェームス、ジョー・サンプル、デオダートetc...でしたが、現在はなんといってもこの人でしょう。

 INO hidefumi!(イノヒデフミ)

 2006年発表1st『Satisfaction』がインディーズながらロング・ヒット。
以後もコンスタントに作品を発表している彼が新作『NEW MORNING』をリリース。(IRCD-5 2,940円)

 注目はやはり、鈴木茂がギター参加しているこの曲。

 トッド・ラングレン名曲カヴァー③「Hello It's Me」。
そして繋がっているような④「Cry Me A River」“日本語”カヴァー。

 鈴木茂のかっこいいギター・ソロ、聴きものです。

 そして、この2曲でINO hidefumiが歌っていることにも注目!
声はなんとなく、田島貴男(オリジナル・ラブ)に少し似ていますね。

 ちなみに、INO hidefumiのラウンジーなインストが好き!、という方もご安心ください。

 メロトロンも導入した極上のINOサウンドは健在。
メロウかつクールなインスト・トラックも今まで以上にイイ音しています。

凝った5連装紙ジャケット仕様含め、<INO hidefumi入魂の1枚!>をひしひしと感じさせる力作です。森 陽馬


★ちなみにINO hidefumi feat 鈴木茂「Cry Me A River」の限定7インチ・アナログ盤も発売中!
限定ですのでお早めに。(IREP-009 1,260円)

2013年6月2日(日) スモーキー・ロビンソン&ミラクルズ 「ウー・ベイビー・ベイビー」

 「スモーキー・ロビンソン&ミラクルズは何の曲が一番好き?」

という質問は、「トラックス・オブ・マイ・ティアーズ」、「ミッキーズ・モンキー」、「ゴーイング・トゥ・ア・ゴー・ゴー」、「モア・ラヴ」、「アイ・セカンド・ザット・エモーション」、「スペシャル・オケイジョン」、「ユーヴ・リアリー・ゴット・ア・ホールド・オン・ミー」など、いい曲が色々と頭の中をめぐってしまう難問ですが、一応個人的には答えを決めています。

 「ウー・ベイビー・ベイビー」が一番好き!

 1965年ヒットで、リアル・タイムでも聴いていたのですが、ものすごく好きになったのは、1970年代ミラクルズのレコードをきちんと買いじっくり聴けるようになってからでした。

 スモーキー・ロビンソン独特のファルセット、男でもゾクゾクときます。

 ラストの♪ウーウーウー・・・♪というロング・ブレスにためいき・・・。

 ピーター・アッシャープロデュースによるリンダ・ロンシュタットの秀逸なカヴァーも必聴!

 ちなみに、70年代後半、山下達郎がステージでよく歌っていた「ウー・ベイビー・ベイビー」も忘れられないカヴァーです。森 勉


★掲載ジャケットはベスト盤。(国内CD SHM-CD仕様 解説・歌詞・対訳付 UICY-25426 1,800円)

2013年6月3日(月) triosence 「On A Tree」

 武蔵小山駅周辺の再開発に関しては、パルム商店街に隣接した地区に39階建てマンション(!)ができる計画がありますが、更にその横、駅前通り地区に41階建てマンション(!!)ができるそうです。

(武蔵小山 再開発、でネット検索すれば情報が一部掲載されていますね。近い将来、上記含め合計5棟もタワーマンションができるとは・・・)

 10年後、武蔵小山には昭和の風景がほとんど無くなっているかもしれませんね。

 古くから営業していた喫茶店、純喫茶団が先月末閉店。
更に、メインの商店街とは違った通りにある書店も先月末閉店。
その向かいには新しいコンビニエンスストアが開店し・・・。

 再開発地区とは関係ない場所でも、どんどん街は変わっていきます。

 工事はまだ始まっておらず、のんびりとした空気感が残っている武蔵小山周辺ですが、ここ数年が分岐点となるのでしょう。

 今日のこの1曲は、ドイツの若きピアノ・ジャズ・トリオ、“トリオセンス”の5作目『ターニング・ポインツ』から。
(国内CD 国内盤のみボーナス・トラック追加収録 YMCJ-10015 2,625円)

 今までの作品は2008年作『When You Come Home』のジャケットにもある、“田園”をイメージさせましたが、今作は“都会”を感じさせますね。

 12曲目「On A Tree」は、その“田園”と“都会”の魅力が融合した美しい1曲です。森 陽馬

2013年6月4日(火) Dawes 「Just Beneath The Surface」

 ジャクソン・ブラウンそっくり!

 ロサンゼルス出身4人組バンド、Dawes(ドウズ)の新作3rdアルバム『Stories Don't End』。
(輸入CD HUB-001)

 リード・ヴォーカリストでソングライティングもほぼ全曲手掛けているTaylor Goldsmithは、声だけでなく歌い方もジャクソン・ブラウンにホント似ていますね。

 でも単なる70'sウエスト・コースト・サウンドの焼き増しにはならず、現代的な息吹も込めたアレンジになっているのが素晴らしいところ。

 ①「Just Beneath The Surface」。
ジャクソン・ブラウンの色んな曲をミックスし、アップデートさせたような1曲。

 でも前に進んでいる雰囲気があって、古臭さは感じません。

 以前共演したこともあるせいか、ブックレット内のSpecial Thanksに、ジャクソン・ブラウンの名前もちゃんと入っているのが微笑ましいですね。森 陽馬

2013年6月5日(水) ヤング・ホルト・アンリミテッド 「ソウルフル・ストラット」

 ハイ・レーベルに続いてブランズウィック・レーベルもウルトラ・ヴァイヴが販売することになって、1960年代、1970年代ソウル名曲がオリジナル・アルバムの形で聴けるようになりました。

 今日はまず、1968~9年にかけて大ヒットしたソウル・インストの大名曲「ソウルフル・ストラット」を。

 演奏しているのはヤング・ホルト・アンリミテッド。

 ベース担当のエルディー・ヤングと、ドラムス担当のアイザック・ホルトの2人が中心メンバー。

 この2人は以前ラムゼイ・ルイス(ピアノ)と一緒にトリオを形成していましたが、ギャラの取り分の問題があったのでしょう・・・。
 そこを離れて自分たちの自由がきくグループを作ったというわけです。

 ヤングさんとホルトさんのベースとドラムスがグルーヴする中を、ホーンとピアノの音が気持ちよく泳いでいるようなサウンドは、多くの人々に好かれるマジックがあったんでしょうね。

 その後、このインストゥルメンタル曲に歌詞が付けられ、このトラック自体をカラオケのように作って、リード楽器であるピアノの音を抜き、バーバラ・アクリンが「アム・アイ・ザ・セイム・ガール」というタイトルでヒットさせています。

 レーベルは同じブランズウィックということもあり、今回ウルトラ・ヴァイヴからはこの2曲が一緒に入ったオムニバスCD『ベスト・オブ・ブランズウィック~メロウ&ソウル』(国内CD 解説・歌詞付 CDSOL-5721 1,000円)も出ています。森 勉


★掲載ジャケットはヤング・ホルト・アンリミテッド『ソウルフル・ストラット』。
(国内CD 最新リマスター 解説付 CDSOL-5704 1,800円)

2013年6月6日(木) ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース 「If This Is It」(いつも夢みて)

 先月末ですが、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの来日公演が発表になりましたね。

 2013年5月全米ツアーからスタートした『SPORTS』30周年記念ツアーの一環です。

 日本公演は10月7日渋谷公会堂、10日メルパルクホール大阪の2公演。

 『SPORTS』は、「The Heart Of Rock'n'Roll」、「Heart And Soul」、「I Want A New Drug」などのシングル・ヒットがたくさん生まれた大ヒット・アルバム。

 今日のこの1曲はその『SPORTS』から「If This Is It」(邦題いつも夢みて)。

 ♪ウ~ワッ ウ~ウォウ♪サビのコーラス。
 ギターソロ。
 そして、ポップだけれどちょっと切ないメロディーが大好きな1曲です。

 海辺で撮られたシーンが印象的なビデオ・クリップも良いですよね。

 『SPORTS』30周年記念盤<本編と同じ曲順で、1983~2012年ライヴ音源9曲を収めたボーナスCD付2枚組>(国内CD TOCP-95126 3,200円)も先日発売になりました。東尾沙紀


2013年6月7日(金) 相川理沙 「てがみ」

 “人の温もりが伝わる”1枚。

 当店オススメの福岡出身女性シンガー、相川理沙『ただいま』が本日発売。

 渋谷にある伝説のロック喫茶B.Y.Gで、一斉録音された今作。

彼女の包容力ある歌声はもちろん、ブルームーンカルテットの演奏からも、人の生み出す温もりが、音から伝わってきます。

 離れた故郷への郷愁が込められた歌「てがみ」。

 感傷的なスロー・アレンジではなく、ニューオリンズ・ジャズ的アレンジで歌われることによって、前向きな眼差しが感じられますね。

 元ブラック・ボトム・ブラス・バンドのスネア・ドラマーでもあった木村“おうじ”純士さんによるドラミング。
相川理沙さんの美声を引き立てていて絶妙です。森 陽馬



★当店で相川理沙『ただいま』お買い上げの方、
7月3日【相川理沙 発売記念ライヴ・イベント at 当店地下アゲイン】へご招待!

 7月3日(水) Live Cafe AGAIN  開場18時半 開演19時半
 先着40名 CD1枚お買い上げにつき1名ご招待いたします。

(通販の場合でも、招待券お付けできます。)

2013年6月8日(土) アンドレ・ソロンコ 「Afternoon」

 “フェンダー・ローズといえば・・・”、ということで先日INO hidefumiの新作を取り上げましたが、もう1枚、フェンダー・ローズが使われているオススメのアルバムを紹介しましょう。

 アンドレ・ソロンコ『ウ・エチュ・マントゥノン?』。
(国内CD 解説:渡辺亨 PCD-93630 2,415円)

 アンドレ・ソロンコは、ウクライナ生まれで、現在は北欧フィンランドを拠点に活動しているミュージシャン。

 今作『OU ES-TU MAINTENANT?』(英語でWhere are you now?の意)は、おそらく2枚目のアルバムですが、これホント、マイケル・フランクス、ニック・デカロお好きな方に超オススメ!

 マイケル・フランクスを想起させるのは、朴訥な彼の歌声もありますが、サウンドの空気感によるところが大きいでしょう。

 フェンダー・ローズ、クラヴィネット、上品なサックス。
穏やかながらメロウ・グルーヴな楽曲に、さりげなく配置されたサウンド・アレンジが絶妙!

 今日のこの1曲は、ラスト8曲目「Afternoon」。
どちらかというと、秋向けかもしれませんが、心地良い風が吹く初夏にもピッタリな1曲♪

 ちなみにライナーノーツを渡辺亨さんが書かれているというのもオススメ・ポイントです。森 陽馬


2013年6月9日(日) 細野晴臣 「I Love How You Love Me」

 新作『Heavenly Music』を発表しコンサート・ツアーを行っていた細野晴臣のライヴへ行ってきました。

 6月8日(土)日比谷公会堂でのコンサートは、当初買えずに行くことをあきらめていたのですが、店のお客様のチケットが1枚余ったということで、めでたく参加することができました。

 まずは日比谷公会堂のこと。

 このレトロな会場が東京のど真ん中で残っていることに感動しました。

 日比谷公会堂に来たのは、エルヴィス・コステロがブロドスキー・クァルテットという弦楽四重奏のグループをバックに発表したアルバム『ジュリエット・レターズ』が出た時のジャパン・ツアー以来になるでしょうか。
(クラシカルなバックの地味なコンサートでしたが、アンコールで「アメリカの偉大な作曲家の曲を歌うよ」と言って、ビーチ・ボーイズ「God Only Know」をコステロが歌ってくれたのがとても印象に残っています。)

 それから約20年。
外観も、階段を上がった所にあるロビーの雰囲気も、そしてお尻にスプリングを感じる古めかしい椅子も、変わらずにそこにありました。

 古くてヤダとは全く思わず、いまだに現役でコンサート会場として機能している日比谷公会堂に拍手したい気持ちになりました。

 さて、細野晴臣のライヴ。

 そんな歴史ある会場にピッタリのサウンドを堪能することができました。

 2階の一番後ろの端という場所でしたが、音のバランスも良かったです。

 高田漣、伊藤大地、伊賀航、コシミハルによる演奏は、楽器ひとつひとつの音が本当に心地良く、低音が魅力の細野のヴォーカルを的確にサポートしていました。

 青葉市子、岸田繁(ギター弾き語りで「風をあつめて」を歌ってくれました)、そして後半は旧友・林立夫も途中参加して、100分の充実したコンサートでした。

 東京で1回だけのライヴ、というのはちょっともったいない気がしました。

 今日のこの1曲は、そのライヴで歌われなくて残念に思った「アイ・ラヴ・ハウ・ユー・ラヴ・ミー」。
聴きたかったな。森 勉

2013年6月10日(月) Jess Roden Band 「Raise Your Hand」

 3年ほど前からアナウンスされていた、英国ブルー・アイド・ソウル・シンガー、ジェス・ローデンの限定アンソロジーBOXが先月発売されました。
(国内仕様盤 ATOZ086BOX ライナーノーツ対訳付 21,000円)

 60年代モッドなAlan Bown Set。
フォーキーなBronco。
The Doorsのメンバーと組んだButts Band。
白人ファンク・グループを従えたJess Roden Band、etc...。

 他にも60~90年代の音源をほぼ時系列に収録した6枚組CD、全93曲!

 LPサイズのハードカバーブック仕様で、表裏のジャケットに各3枚ずつ収納できるようになっています。

 ライヴ音源を収録したDisc.5も聴きものですが、今回はJess Roden Bandの曲を中心としたディスク3の中からこの1曲。

 「Raise Your Hand」は以前からMyspaceで公開されていた曲なのですが、ファンキー&ソウルですごくかっこいい!

 この曲他、ボックスには大量の初CD化&未発表音源が収録されています。

 スティーヴ・マリオット、スティーヴ・ウィンウッドなど同じ系統の白人シンガーの中でも、知名度が低いのが残念ですが、これを機にまたファンが増えるといいな、と思います。東尾沙紀


2013年6月11日(火) SING LIKE TALKING 「89番目の星座」

 祝デビュー25周年!

 シング・ライク・トーキング、13枚目となる新作オリジナル・アルバム『Befriend』。
(UPCH-1930 3,059円)

 いやー、これはイイ!

「昔は好きだったけど最近は・・・」という往年のファンにも是非聴いてもらいたいポップな仕上がりの1枚!

 躍動感ある1曲目「The Great Escape」。
キレのある演奏&佐藤竹善の歌声♪ 聴いていてワクワクさせられますね。

 ちなみにバックは、山下達郎バンドでもお馴染みのドラマー小笠原拓海、名ベーシスト松原秀樹、職人キーボーディスト森俊之、ホーン隊は村田陽一、山本拓夫、西村浩二、という凄腕布陣。

 でも、今日のこの1曲は、2曲目「89番目の星座」にしましょう。

 1993年作『ENCOUNTER』を彷彿とさせる雰囲気のSLTセツナ・ポップ・ナンバーです。森 陽馬


2013年6月12日(水) ビーチ・ボーイズ 「レット・ヒム・ラン・ワイルド」

 2012年のライヴCD『永遠の夏2012~50周年記念ツアー』が出て3週間経ちましたが、気温も上がってきて、ビーチ・ボーイズ指数は更にどんどん上昇中です。

 今日紹介したいのは、そのライヴCDと同時発売された『エンドレス・サマー~終わりなき夏~』です。

 日本盤のみSHM-CD仕様、USオリジナルLP盤ジャケットを復刻した紙ジャケットでの発売です。
(国内CD 完全限定盤 解説・歌詞・対訳付 TOCP-95114 2,800円)

 1974年に発売されたものなので、今となってはちょっと古風な選曲のベスト盤ですが、アルバム『ペット・サウンズ』発表以降の、夏・浜辺・女の子たち・サーフィン・車etc...などをテーマにした名曲20曲を収録。

 シングル曲はシングル・ヴァージョンで、というのが現在では当たり前なのですが、70年代らしくそこらへんはアバウトな感じです。

 そして今ではステレオ・ミックスがある曲でも、当時はモノラルしかない時代なので、それを電気的にステレオ化した疑似ステレオ・ヴァージョンが5曲含まれているのが、CDとしては珍しいところ。

 我々の世代は疑似ステレオの音で育ってきているので、懐かしい音と言えます。

 この「レット・ヒム・ラン・ワイルド」も、<モノラルじゃないれどちゃんとしたステレオでもない>、
という感じが、なんともオールド・ファンの心を震わせてくれます。森 勉


2013年6月13日(木) ケイト&アンナ・マッガリグル 「Heart Like A Wheel」

 待望のビーチ・ボーイズBOX! 8月28日発売決定しました。(通販コーナーにも掲載)

 6枚組CDにヒット曲&人気曲を網羅しながら、未発表トラックも満載!
(174曲中60曲以上が未発表トラック&ミックス!)

 50周年ツアーから約1年。
ビーチ・ボーイズ・ファンにとっては今夏の楽しみが増えましたね。

 さて、新譜でもう1枚注目なのが、鈴木祥子さん7/14発売新リリース商品。

 なんと! カセット・テープ!

 新曲&新録音をカセット・テープ録音し、カセット・テープのみで発売!

 配信・ストリーミングが主流となりつつある昨今。
・A面・B面を交互にそして順番に傾聴。
・デジタル録音とは違った温かみある音質。
・楽曲を頭出しできないからこその良さ。
 等々、音楽の楽しみ方の原点を改めて感じさせてくれそうです。

 そのカセット・テープB面に収録予定なのが「Heart Like A Wheel」のカヴァー。

 リンダ・ロンシュタットによる歌唱で有名なこの曲は、ケイト&アンナ・マッガリグルのアンナ作。

 ワーナーからの新・名盤探検隊で、この曲が収録されている彼女たちの1975年発表1stがちょうど昨日再発されました。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-15037 1,200円)

 ケイト&アンナ・マッガリグルは、カナダのモントリオール出身女性シンガー・ソングライター姉妹。

 今作1stには、ローウェル・ジョージ、エイモス・ギャレット、ラス・カンケル、スティーヴ・ガッド、アンドリュー・ゴールド、デヴィッド・スピノザ、ニック・デカロ、ボビー・キーズ等も参加しており、フォーキーかつアメリカン・ルーツな演奏も楽しめる味わい深い名作です。

 ちなみに、ケイト・マッガリグルは当時ロウドン・ウェインライトと結婚し息子ルーファスを出産。
つまり、現代活躍しているSSWルーファス・ウェインライトの母がケイト、ということになります。森 陽馬


2013年6月14日(金) David Blue 「House Of Changing Faces」

 昨日のケイト&アンナ・マッガリグルに続いて、ワーナー新・名盤探検隊からこの1枚。

 デヴィッド・ブルーは、1960年代から活動している男性シンガー・ソングライター。

 1972年発表(今回のリイシューには1971年と書いてあるけどどちらかな?)『ストーリーズ』は、シンガー・ソングライターファンには人気の高い名作。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-15032 1,200円)

 僕も長年愛聴してきたアルバムです。

 今回新たにリマスターされ、改めて聴きかえしましたが、やはりいい作品ですね。

 弾き語りに近い地味なバック演奏ながら、ラス・カンケルがドラムを叩いていたり、3曲目「Another One Like Me」ではライ・クーダーが絶妙なスライド・ギターを弾いていたり、ラスト8曲目「The Blues (All Night Long)」ではリタ・クーリッジがコーラスで参加しているなど、聴くほどに味が出てきます。

 6曲目「Fire In The Morning」では、ジャック・ニッチェがストリングス・アレンジで参加。

 1972年というと、ニール・ヤング『ハーヴェスト』が発売された年でもあるので、同じくジャック・ニッチェがストリングスを手掛けたニール「A Man Needs A Maid」とほぼ同時期に録音されたと思われます。

 デヴィッド・ブルーが60年代グリニッジ・ヴィレッジで活動していた際付き合っていたジョニ・ミッチェルのことを歌ったとも言われている5曲目「Marianne」なども良いですが、僕が一番好きなのは4曲目「House Of Changing Faces」。

 彼の性格を表しているような武骨ながらも切ないアコースティック・ギターの響きが沁みますね。森 陽馬


2013年6月15日(土) Karen Peris 「Landscape with Birds」

ラリー・クラインのプロデュースで89年にデビュー、結成から約30年の活動歴を誇る、米ペンシルヴァニア州出身のグループ、イノセンス・ミッション。

これまでに10枚ほど作品を発表、現在新作制作中だそうですが、そのさなかに生まれた、バンドの女性ヴォーカリスト、カレン・ぺリス初めてのソロ・アルバムがリリースになりました。
(『violet』 PCD-18736 1,995円 日本盤ボーナストラック2曲収録)

彼女の無垢な歌声、一音一音が染み入る静かなピアノ、パンプオルガンの音色。

ただ心地良い癒し系、.というものともまた違った、情緒漂う旋律が印象的です。

イノセンス・ミッションのメンバーで彼女の夫でもあるドン・ぺリスのギターで参加。
「Landscape with Birds」という曲では、二人の子ども達による優しい音色のヴァイオリン&ヴィオラが、ほんのりと色を添えています。

今作には、歌入りと、ピアノを中心としたインストが約半分ずつ収録。
アンビエントな雰囲気がお好きな方、夜眠れない時のBGMにもオススメの一枚です。

ジャケットが可愛らしい、子守唄をコンセプトとしたイノセンス・ミッションの2004年作、『おやすみのうた (now the day is over)』(PCD-18015 1,890円)も再発になりました。東尾沙紀


2013年6月16日(日) 村田和人 「渚へ」

 村田和人さん2013年新作発売日が10日後に迫ってきました。
(6/26発売 村田和人『Treasure in the Box』 UICZ-4281 3,059円)

 今作『Treasure in the Box』は全曲新録音によるセルフ・カヴァー・アルバム。

 村田さんがこれまでに様々なアーティストに書き下ろし提供したナンバーから自らセレクト!
そして、リアレンジし新たにレコーディングした11曲入りの作品です。

 いち早く音を聴かせていただいたいのですが、これが村田サウンド全開の1枚!

近年の“夏”シリーズ気に入った方はもちろん、昔の作品お好きな方にも是非聴いてもらいたい1枚ですね。

 今日のこの1曲は、その中から6曲目「渚へ」。

 この曲を歌ったオリジナルはなんと!阿部寛!

 映画『テルマエ・ロマエ』主演で知られる俳優の阿部寛へ、1988年村田さんが書き下ろした1曲なのです。

 更に注目は、作詞:松本隆!
(<作詞:松本隆、作曲:村田和人>という黄金コンビ!)

“愛奴(浜田省吾)「二人の夏」の村田和人ヴァージョン”的なバラード・ナンバー♪
オススメの1曲です。森 陽馬


★なお、当店でお買い上げの方には先着トリプル特典!
①村田和人ロゴ入りミニハンカチタオル
②村田和人ロゴ入りギター・ピック
③最新インタビュー・リーフレット
曲目及び特典イメージ画像など
通販ピックアップ・コーナーにも掲載しました。


2013年6月17日(月) ビーチ・ボーイズ 「スピリッド・オブ・アメリカ」

 先日12日に続いてビーチ・ボーイズ!

 『エンドレス・サマー』と同様、その続編ベスト盤『スピリット・オブ・アメリカ』もSHM-CD仕様、紙ジャケットで発売されています。
(国内CD 完全生産限定盤 解説・歌詞・対訳付 TOCP-95115 2,800円)

 こちらもLP2枚組で1975年に発売された古めかしいベスト盤ですが、ヒット曲以外のアルバム中の隠れた名曲が多数含まれているのがミソです。

 ラストを「Graduation Day」で締める、というのもシャレてますし、アメリカンかつカラフルなイラスト・ジャケットもステキです。

 全23曲の中から、今日はアルバム・タイトルにもなった「スピリット・オブ・アメリカ」。

 グループの美しいハーモニーとブライアンのファルセット・ヴォイスが絶妙にブレンドしたドゥワップ・スタイルの1曲です。森 勉


2013年6月18日(火) RIDDIMATES 「Akatsuki」

 サックス奏者CrossYou(黒須遊)を中心とした6人組ブラス・ファンク・インスト・バンド、RIDDIMATES(リディメイツ)。

 元々はスカ/レゲエ・バンドでしたが、ロック、ソウル、ファンクなど様々な音楽ルーツを吸収。

 昨年リリースした『LOST ONENESS』も、SKA、ファンク、そしてロック的な要素も盛り込んだグルーヴィーなサウンドで、スカパラやスペシャル・アザーズお好きな方にオススメし評判が良かった1枚でした。

 その彼らの新作『ZION RHAPSODY』が本日入荷。(BRR-8 1,890円)

 これがすんごくかっこいい!

 ジャム・バンド的なグルーヴ感が全体にあって、ロック/ファンク色がより強まった感じ。

 1曲目「Akatsuki」はアフロ・ファンクとオールマン・ブラザーズ・バンドが合わさったようで、なおかつ踊れるキラーチューン!

 勢いと深みが同居している演奏も素晴らしいので、生でライヴを観てみたいですね。森 陽馬


2013年6月19日(水) アディティア・ソフィアン 「Rainbows And Starlight」

 インドネシア/ジャカルタ出身男性シンガー・ソングライター、アディティア・ソフィアン。

 前2作はとても気に入って、来日公演も観に行きました。
2011年3月14日2011年6月13日9月23日の今日のこの1曲コーナーでピックアップ)

 その彼の約2年ぶりとなる新作『How To Stop Time』が遂に本日発売!
(国内CD 歌詞・解説付 VSCD-9445 2,100円)

 ほぼ全編ギター弾語りだった前2作に引き続き、今作もアコースティックな雰囲気で統一された全11曲。

 今までよりギター以外の音が足され、多少のサウンド・アレンジが施されてはいますが許容範囲内。

“ベッドルーム・レコーディング”的な雰囲気は崩れてなく、落ち着いて聴ける1枚に仕上がっています。

 ドラムが入ってリズミカルかつポップな5曲目「Rainbows And Starlight」。

 彼本来のスタイルはそのままに、洗練されたポップを聴かせる1曲。
進化を感じさせますね。森 陽馬


2013年6月20日(木) 金佑龍(キム・ウリョン) 「暁の前に」

 “日本のGラヴ/ジャック・ジョンソン”
 “新世代の憂歌団!?”
と評された大阪発のバンド、カットマン・ブーチェ。

 バンドは2011年に解散してしまいましたが、そのフロントマンだった金佑龍(キム・ウリョン)が、ソロとして初のアルバム『Live in Living』をリリースしました。
(JDSRC-0001 2,100円)

 今作も、これまでの流れを汲むサーフ・ミュージックやブルースをベースとした、グル―ヴ感あるサウンドがかっこいい一枚!

 カットマン・ブーチェのセルフカバーなど躍動的な曲も良いですが、今日のこの一曲は、歌詞にも登場する''ウイスキー''を片手に作ったという、味わい深い「暁の前に」。

 お酒と煙の匂いが漂ってきそうな、渋かっこいいブルース・ナンバーです。

 タイトル曲「Live in Living」の生命感に溢れた歌声も聴きもの。

ソロシンガーとしてこれからの活躍も楽しみです。東尾沙紀

2013年6月21日(金) Shannon McNally 「Cowboys and Indians」

 現代アメリカン・ルーツ・ロック界で最も将来への期待を抱かせるバンド、テデスキ・トラックス・バンド。

 待望の新作が8月下旬に決定したようです。
(国内盤のインフォメーションはまだですが、当然出ますよね?!)

 2012年2月の来日公演が本当に素晴らしかったので、新作出たら是非再び来日してもらいたいですね。

 さて、最近リリースされたもので、デレク・トラックスがギター参加しているオススメ盤をご紹介。

 シャノン・マクナリーは1973年生まれのアメリカ人女性シンガー・ソングライター。
シェリル・クロウとボニー・レイットを足したような雰囲気を持つ歌声が持ち味です。

 今作『Small Town Talk』は、タイトル通りボビー・チャールズ作をカヴァーしたアルバム。
(輸入CD Shannon McNally 『Small Town Talk』 SSMX8975)

ドクター・ジョン(Mac Rebenack名義)との共同プロデュースで、全編彼のピアノも楽しめます。

 デレクがギター参加しているのは5曲目「Cowboys And Indians」。

 聴いてすぐそれとわかるデレクらしいスライドの音色とフレーズ連発!

 アクセル踏んだら加速がついてガンガン弾き出す後半のソロ聴きもの!
デレク・ファンならこの1曲だけでも買いですね。

(なお、このアルバムは2007年録音だそう。デレクはエリック・クラプトンのツアーが終わった頃でしょうか)

 ちなみに、「Cowboys and Indians」は、ボブ・ニューワースが1974年に発表したアルバムに収録されている楽曲で、ボビー・チャールズとベン・キースによる共作曲。

 シャノン・マクナリーの今作は、ボビー・チャールズだけでなく、ベン・キースとリヴォン・ヘルムにも捧げられてます。森 陽馬


2013年6月22日(土) Johnny Rivers 「Summer Rain」

 東京は梅雨らしい天気が多くなっています。

 この季節らしい雨の歌を1曲。

 ジョニー・リヴァースは1964年~66年に、「メンフィス」、「メイビリーン」、「マウンテン・オブ・ラヴ」、「シークレット・エージェント・マン」などヒットを放ちました。

 1966年半ば以降はそれまでのゴーゴー男の名を封印して(1970年代になると復活しますが)、「プア・サイド・オブ・タウン」、「青い影」、「ルック・トゥ・ユア・ソウル」などしっとり系の曲を歌い、うまくイメージ・チェンジ。ヒットを更に連発していきました。

 この「サマー・レイン」は、1967年から1968年にかけてのヒット。

 アメリカのシンガー・ソングライター、ジェイムス・ヘンドリックスの作品。

 歌の中に「サージャント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」という歌詞が出てきます。
(ギターのフレーズもらしいものが出てきます)

 典型的な雨の歌らしく、雨の音の効果音から始まり、そしてハル・ブレインのドラムスがかっこよく入ってくる隠れた雨の名曲です。森 勉


掲載ジャケットはジョニー・リヴァースのベスト盤。
(輸入CD 『The Best Of Johnny Rivers』 EMI 8146102)


2013年6月23日(日) 田端義夫 「浜千鳥」

 先日テアトル新宿で、映画『オース!バタヤン』を遅ればせながら鑑賞。

 いやーーー、これは予想以上に面白かったですね!

 2006年大阪・鶴橋の体育館で行われた田端義夫のコンサートの模様と、関係者・著名人のコメントを交えながら展開していく音楽ドキュメンタリー映画。

 上記のように書くととても簡素ですが、バタヤンの人生の濃さはハンパじゃない!
(長年使っているギターの年季の入り方もスゴイ!)

 そしてなんといっても、年老いてもなお盛んな女ったらしぶり!
ここまでのエロじじい(失礼!)だったとは、映画を見るまで知りませんでしたね。

 もちろん、彼の歌&ギターにも感銘を受けましたが、僕が一番印象に残ったのは、バタヤンの子供時代の貧しさの話。

 バタヤンの家族は昔とても貧乏で、拾ったボロを売ってほんの少しのお米を買って生活。でもそのお米にたくさんの虫が入っていたそう。
 その虫を一匹一匹取り払い、残ったお米をおかゆにし家族で分けて食べていたそうです。

 最近の日本は経済成長が、とか、失業率が、とか言われていますが、戦前・戦中の貧しさから思えば、今は本当に裕福な時代なのだ、ということを実感しましたね。

 なお、その貧しい子供時代の代償で、バタヤンは左目が見えなくなったのですが、その左目のおかげで徴兵されず生き残り、歌い続けることができたのもひとつの縁なのでしょう。

 とにかくも多くの人、若い人に是非見てもらいたい映画です。

 今日のこの1曲は劇中で印象に残ったバタヤンが唄う童謡・唱歌で「浜千鳥」。
(掲載ジャケットは、映画サントラCD TECE-3153 3,000円)

 ちなみに、リヴォン・ヘルムやロビー・ロバートソンが在籍していたザ・バンド『ムーンドッグ・マチネー』(1973年作)に収録されている「Ain't Got No Home」が、意外にも効果的に使われています。森 陽馬


2013年6月24日(月) 寺尾紗穂 「あじさいの青」

 今週水曜日6月26日、渋谷クラブクワトロにて、寺尾紗穂さんのコンサートがあります。

 寺尾さんのクワトロコンサート、で思い出すのは2009年5月。
4作目『愛の秘密』をリリース後に行ったコンサートでした。

 ライヴ中盤に星野源くんがゲストで出演し、弾き語りで「老夫婦」他数曲を演奏。

 まだ1stソロ・アルバムを出す前にも関わらず、星野源くん目当ての女性ファンが来ていて、源くんが終わったら寺尾さんを最後まで観ずにささっと帰っていく人がいたことを思い出します。

 あの時のなんとも言えない複雑な気持ち。
僕は、寺尾紗穂さんが音楽を続けている限り応援し続けよう、と思ったのでした。

 あれから4年。
各々の境遇も変わりましたが、彼女の音楽へ向かう姿勢はよりひたむきさを増しているように感じます。

 一本芯の通った歌、凛とした心の歌を是非生で聴いてみてください。森 陽馬


★掲載ジャケットは「あじさいの青」収録、2009年発表4thアルバム『愛の秘密』。


2013年6月25日(火) 村田和人 「最後の夏休み」

 今年の夏も、村田和人です!

 『ずーーっと、夏。』シリーズ3部作に続いて、今年も夏男、村田和人の新録ニュー・アルバムが発売になりました。(『Treasures in the Box』 UICZ-4281 3,059円)

 タイトルは『Treasures in the Box』。

 彼がかつて様々なアーティストのために書き下ろし提供した曲を自分自身が歌ったものです。

 1985年から1993年に作られた曲なので、その時代の村田メロディーを感じることができます。

 アレンジも村田バンドのノリがたっぷり沁み込んでいて、曲目によって山本圭右、友成好宏、湯川トーベンが参加しています。

 この曲「最後の夏休み」は、日本コロンビアに所属していたアイドル(と言っていいのかな?)、田中友紀子ちゃんがオリジナル・シンガー。
 1993年発表7曲入りミニ・アルバム『君たちのくれた夏』に収録されていました。

 このアルバムはなんと全曲村田和人作・編曲!
演奏も村田バンドが担当しているのです。

 カラオケなどのボーナス・トラックを加えて、再発してくれませんかねえ。

 さて、『Treasures in the Box』に話は戻りまして、いわゆるセルフ・カヴァー・アルバムですが、原曲をあまり聴く機会がなかった方には、村田さんの完全な新作と言っていいかもしれません。

 そして曲が作られた時代を考えると懐かしい村田サウンドのテイストがたくさん感れられるアルバムだと思います。

 「最後の夏休み」、とてもいい曲です。

 自身で重ねたコーラスとギターもステキ! 森 勉


2013年6月26日(水) ザ・なつやすみバンド 「サマーゾンビー」

 昨年2012年当店スタッフが選ぶベスト・アルバムにも選出したザ・なつやすみバンド。

 7月3日に待望の新曲が発売されます。
(『サマーゾンビー』 TNBCD-3 735円)

 なんと、8cmシングル! それも懐かしの短冊仕様!

 今更そんな仕様で出されてもPCやカーオーディオに入らないから聴けないよ、
という方のために、ダウンロードコードも封入される予定です。

 楽曲は、キラキラとした多幸感溢れるキラーチューン!

 アルバム聴いて気に入った方は、このシングルも是非買ってくださいね。

 なお!当店のみの特典!
MC.sirafuさんデザインによるオリジナル・カンバッジを先着でプレゼントします!
(←25mmのミニサイズ・カンバッジ)

 これはすごい! sirafuさんありがとうございます! 森 陽馬


★店舗、及び通販コーナーにて予約受け付けております。


2013年6月27日(木) オールマン・ブラザーズ・バンド 「エリザベス・リードの追憶」

 ディッキー・ベッツ&グレート・サザン来日公演 at ビルボードライヴ東京。

 体調を崩し先月アメリカでの公演をキャンセルした、という噂を聞いていたので、正直言って不安の方が大きかったのですが、いやいや、感激!のライヴでしたね。

 狭いステージ上にズラリと並んだマーシャルを見て思わずにんまり。

 ツイン・ドラムに、トリプル・ギター!
(そのうちの一人は、ディッキー・ベッツの息子でその名もデュアン・ベッツ!)
 更にキーボード奏者はグレッグ似の風貌(笑)。

 ビルボードライヴにしては音も大きめで、オールマン・ブラザーズ・バンドの名曲を堪能できました。

 ディッキー・ベッツ本人は、見た目にも中年太りながら、ギターのフレーズやトーンは変わらず。

 息子の方がギターの腕前は上かもしれませんが、ディッキーのギター一音一音にこそ、サザン・ロックの魂が宿っていましたね。

 「エリザベス・リードの追憶」、やはりオリジネイターが弾く音は良かったなあー。

 28日、30日も公演がありますので、オールマン・ファンは見ておいた方がいいと思いますよ。森 陽馬


★今日のこの1曲は「エリザベス・リードの追憶」ですが、掲載ジャケットはディッキー・ベッツ1974年発表1stソロ作。(国内CD 限定紙ジャケ UICY-93514 2,800円) このアルバムの中の曲もやりました。


2013年6月28日(金) KT TUNSTALL 「Invisible Empire」

 映画『プラダを着た悪魔』に使用された「Suddenly I See」のヒットで知られるスコットランド出身、先日38歳の誕生日を迎えた女性シンガー・ソングライター、KT・タンストール。

 約3年ぶり4作目となる新作『見えざる帝国/三日月 (原題:INVISIBLE EMPIRE/CRESCENT MOON)』がリリースされました。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック2曲追加収録 TOCP-71587 2,500円)

 「Suddenly ~」に代表されるポップ/ロックな曲が今作では鳴りを潜め、前作のエレクトロニカ路線からも一転。
 彼女のルーツに立ち返ったフォーク・アルバムとなっています。

 アリゾナに出向き現地を拠点に長年活動するハウ・ゲルヴらジャイアント・サンドのメンバーとセッション&レコーディング。

 静かな味わいある楽曲が並び、彼女の歌声は様々な表情を見せてくれます。

 アルバムの1曲目「Invisible Empire」は、ピアノ、メロトロンによるアレンジがノラ・ジョーンズ~リトル・ウィリーズを彷彿とさせる一曲。

 これまでのジャケット写真やアーティスト・イメージで、自分から遠ざけていた方にもぜひ聴いてもらいたい一枚です。東尾沙紀


2013年6月29日(土) Natalie Maine 「Without You」

 今年は女性ロック・シンガーのアルバムでいい作品が多いですね。

 今日紹介するナタリー・メインズも、シェリル・クロウなどの女性洋楽シンガーお好きな方にオススメの1枚。

 ナタリー・メインズは、アメリカ人女性3人カントリー・ユニット、ディキシー・チックスのリード・シンガー。

 約10年前ブッシュ批判をして話題となった彼女、今作『Mother』が初のソロ作です。(輸入CD Columbia 88883704122)

 ベン・ハーパーとの共同プロデュースということもあり、カントリー色は薄めで全体的にロックなアレンジ。

 カヴァーの選曲が素晴らしく、タイトル曲②「Mother」はピンク・フロイドカヴァー!(ジャケ写のロゴも『The Wall』っぽい!?)

 他にもジェフ・バックリー⑤「Lover You Should've Come Over」!
ジェイホークス⑨「I'd Run Away」!!

 で、今日のこの1曲はエディ・ヴェダー作①「Without You」。

 この曲でのベン・ハーパーが弾くスライド・ギター/アレンジが、もろにジョージ・ハリソン的!

 ジョージの息子ダーニ・ハリスンとフィストフル・オブ・マーシー(
2011年2月8日に取り上げました)をやっていたせいか、ベン・ハーパーにジョージの魂が乗り移ったのでしょうか?

 とにかくディキシー・チックスご存じでない方にも聴いてもらいたいアルバムですね。森 陽馬


2013年6月30日(日) エリック・クラプトン 「アイ・ショット・ザ・シェリフ」

 今日はベタな曲で失礼いたします。

 1974年夏から秋にかけて大ヒットしたエリック・クラプトン「アイ・ショット・ザ・シェリフ」。

 この曲が入っているアルバム『461オーシャン・ブールヴァード』は本当によく聴きました。

 デレク&ドミノス名義の『レイラ』から約3年。
クラプトンにとってはゆったりと休息を取っての再始動は吉と出て、申し分のない出来に仕上がっています。

 力を入れ過ぎない、くつろいだ音作りは、当時“レイドバック”と言われました。

 ミュージシャン、クラプトンのカラダの中から自然と生み出された音が、いい雰囲気を作り出しています。

 1974年といえば私事で恐縮ですが、今の仕事である音楽ソフト販売(レコード/CD店)に携わった最初の年でもありました。

 銀座の某デパートのレコード売場で勤務していた頃、盛んに店頭でこのLPをかけていたことを思い出します。森 勉

★エリック・クラプトン 『461オーシャン・ブールヴァード』
(国内CD SHM-CD仕様 解説・歌詞・対訳付 UICY-25055 1,800円)




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■


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