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  今日のこの1曲 “Archives”

<2015月10月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー
2015年10月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2015年10月1日(木) 山下達郎 「君の声に恋してる」

<山下達郎 PERFORMANCE 2015-2016>ライヴ・ツアーが、10月9日(金)千葉県市川市文化会館を皮切りにいよいよ始まります。

ひと月に約10公演で全国35都市を回り64公演。
来年4月10日まで続く長いツアーです。

近年は毎年のようにライヴ・ツアーを敢行していますが、今年はシュガー・ベイブのメンバーとして『ソングス』を1975年発表してから40周年という節目になるので、なんとなくスペシャル感が漂っていると個人的には感じています。
さて、どんな曲たちが歌われるのか楽しみです。

ということで
10月5日(月)19時半より当店地下アゲインにて、山下達郎について語るイヴェントが開催されます。

主催及び出演はcircusnetスタッフの方々です。
色々な研究発表、レア音源、試聴、そしてツアーへ向けての予習などなど、楽しいD.J.イヴェントになる模様。
僕もゲストとしてシュガー・ベイブの事などをおしゃべりさせていただく予定です。

今日のこの1曲は2001年の作品「君の声に恋してる」。
ベスト・アルバム『OPUS』にも入っています。(山下達郎『OPUS』 3枚組CD WPCL-11205 3,790円+税)

まだステージでは歌われたことがない曲ですが、今回のセットリストに加えられるといいなあと思っています。森 勉


2015年10月2日(金) とんちピクルス 「夫婦げんか」

当店で応援している女性シンガー、寺尾紗穂さんが発起人として毎年行っているイベント、りんりんふぇす。

今年2015年は10月4日(日)、例年と同様外苑前・梅窓院 祖師堂にて行われます。(下記リンクが公式サイト)
THE BIG ISSUE Support Live Vol.6 りんりんふぇす

路上生活者が販売員となり売り上げの6割ほどがその人の収入になる仕組の雑誌『THE BIG ISSUE』。
それを多くの方に知ってもらおう、という主旨の音楽イベントです。

入り口でおにぎりを無料配布していたり、手作りの出入証散華など、堅苦しくなくアットホームに楽しめますので、お時間ある方はフラッと寄ってみてください。

今年出演するのは、寺尾紗穂、柴田聡子、とんちピクルス、テニスコーツ、イルリメ、ソケリッサ。
中でも、とんちピクルスは楽しみにしています。

とんちピクルスは福岡在住の男性ミュージシャン松浦浩司によるソロユニット。

東京ローカル・ホンクの木下弦二さんも絶賛しているミュージシャンズ・ミュージシャン。
東京でライヴをやることは多くないので、この機会に是非。

掲載ジャケットは、今年4月発売されたとんちピクルスと太陽バンドによるスプリット・アナログEP盤。
(TSS-01 1,389円+税)
日常のわびさび、どんな夫婦にでもある心の行き違いが温かく綴られる新曲「夫婦げんか」を収録。

久保田麻琴がミックス&マスタリングを担当。
mp3音源+楽曲解説トークが聴けるダウンロード・コードも付いています。森 陽馬


2015年10月3日(土) ドン・ヘンリー feat ミック・ジャガー&ミランダ・ランバート 「Bramble Rose」

今秋じっくり聴きこみたい1枚。

イーグルスのドン・ヘンリー、約15年ぶりソロ・アルバム『カス・カウンティ』。
(国内CD ボーナス・トラック追加収録 解説・歌詞・対訳付 UICC-10025 2,600円+税)

タイトル<Cass County>(カス・カウンティ)は、ドン・ヘンリーの生まれ故郷テキサス州カス郡のことだそうだ。

リンデンという小さな町で育った彼が、自らの南部ルーツへ立ち帰りナッシュビル録音。
スタン・リンチ(元トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ)と共に滋味溢れる新作を完成させた。

ドリー・パートン、アリソン・クラウス、ルシンダ・ウィリアムス、ミシェル・ブランチ他ゲスト参加。

注目は1曲目「Bramble Rose」。

聞き覚えのある曲名、と思ったら、僕が大好きな女性シンガー、ティフト・メリット(
2010年2月12日今日のこの1曲で紹介)の2002年デビュー作楽曲だった。

一緒に歌っているのが、ミック・ジャガー(ローリング・ストーンズ)とミランダ・ランバート。

『スティッキー・フィンガーズ』頃を彷彿とさせるミックの味わい深いハーモニカも聴きものだ。森 陽馬


2015年10月4日(日) The Soul Surfers 「Soul Power (Live)」

ロシア出身アーティストというとT.A.T.uしか思い浮かばないくらい、音楽に対してあまり馴染みのない国ですが、ロシアにこういう音楽をやるバンドがいるんだ!と驚いたのが、このザ・ソウル・サーファーズです。

ザ・ソウル・サーファーズは、2010年結成の男性4人組(ギター/ドラム/ベース/オルガン)ファンク・バンド。

2015年発表1stアルバム『ソウル・ロック!』は、ヴィンテージ感あるサウンドがかっこいい一枚です。
(国内CD 日本語解説付き URCD-350JP 2,700円+税)

マイロン&Eのヴォーカルをフィーチャーした先行シングル曲「You Can Run (But You Can't Hide) From My Love」、ニコル・ウィリスとの共演でも知られるフィンランドのバンド、ソウル・インヴェスティゲイターズのメンバーなど、現代のソウル/ファンクお好きな方も注目のゲストが参加。

2011年7インチで発表された彼らのデビューシングル「Soul Power」のライヴ・バージョンが最後に収録されています。(録音は2014年)

グルーヴィーなオルガンを中心にちょっと荒っぽくて勢いのある演奏、後半の盛り上がりが熱い!
ライヴを観てみたくなりますね。

タイトル「ソウル・ロック」、ロシアでは「ファンク」の代わりの呼び名だそうです。東尾沙紀


2015年10月5日(月) ブルー・マジック 「サイドショウ」

朝晩だいぶ温度も下がり、秋らしい季節になってきました。

秋といえば・・・いろいろありますが、今日はスウィート・ソウル・モードでいってみましょう。

フィラデルフィアの5人組、ブルー・マジックが1974年発表したファースト・アルバム『ブルー・マジック』は、同年にシングルでも大ヒットした「サイドショウ」を収録しています。
(国内CD 完全限定生産 解説・歌詞付 WPCR-27548 952円+税)

この曲だけでなく、「ルック・ミー・アップ」、「ストップ・トゥ・スタート」、「スペル」などR&Bチャートに登場したヒット曲も入っていて、なかなか充実したアルバムなのです。

あと、ロニー・ダイソンやメイン・イングリーディエントでヒットした「ジャスト・ドント・ウォント・トゥ・ビー・ロンリー」もナイス・カヴァーしています。

昔(ここでの昔は約35年ぐらい前のこと)、お気に入りのスウィート・ソウル楽曲をレコードからシコシコとカセットテープに録音していましたねぇ。

「サイドショウ」はもちろん入っていましたし、モーメンツ、シャイライツ、デルフォニックス、フローターズ、ドラマティックスなどの曲が入っていたような気がします。

当たり前の曲ばかりですが、懐かしい想い出です。
あのカセット、今度探してみようかな・・・。森 勉


2015年10月6日(火) なかの綾 「エピソード1」

「ウイスキーが、お好きでしょ」と言えば、サントリーのウイスキーCMソングとして使われ、石川さゆり、竹内まりや、ハナレグミ、田島貴男の歌唱で知られる人気曲。

その名曲を作った杉真理&田口俊ソングライター・コンビによる書き下ろし新曲が出ました。

なかの綾「エピソード1/帰ってくれたら嬉しいわ」
(国内EP+CD 完全限定盤 HCCD-9564 1,500円+税)

歌うのは昭和歌謡カヴァーで人気上昇中の女性シンガー、なかの綾。
楽曲テーマである<ウイスキーが、お好きでしょ前日譚>を艶っぽくのびやかに歌い上げてます。

プロデューサーは星野みちる関連ワークスでお馴染み、はせはじむ。

そしてジャケット写真は、クラッシュ/ジョー・ストラマーのフォトグラファーで有名な菊地昇!

更に更に!ストリングス・アレンジはマイクロスターの佐藤清喜!!

B面「帰ってくれたら嬉しいわ」は、ヘレン・メリルの歌唱で有名な「You'd Be So Nice To Come Home To」日本語カヴァー。こちらもイイですね。

限定アナログEPですがCDも付いてます。
秋の夜長、酒の御伴にこの1枚。森 陽馬


2015年10月7日(水) ブルー・ペパーズ 「6月の夢」 feat 佐々木詩織

ウワノソラ'67、シンリズム、LUCKY TAPES、never young beach、roppen、Awesome City Club、Sachmos、etc...

若い世代による質の高いシティ・ポップ作品が今年はたくさんリリースされましたね。

今日発売されたブルー・ペパーズのデビュー作も、シティ・ポップ・ファン注目の1枚です。

ブルー・ペパーズ『ブルー・ペパーズEP』
(CD VSCD-3144 1,500円+税)

ブルー・ペパーズは福田直木と井上薫、現役大学生男性2人ユニット。

完成度が高い全6曲の中から今日のこの1曲。
女性シンガー、佐々木詩織さんをfeatした1曲目「6月の夢」。

佐々木詩織さんの歌声がとても伸びやかで良いシンガーだなと思ったら、山下達郎のバック・コーラスを長年務めた佐々木久美さんの娘さんだそうです。

新しい世代による、古き良きサウンドを引き継いだ新しいポップス。
TV、ラジオ、雑誌メディアなどで紹介されていくといいですね。森 陽馬


2015年10月8日(木) Young Gun Silver Fox 「Better」

爽やかなハーモニーと、洗練されたサウンド♪
現代に心地良いウエスト・コースト・サウンドを鳴らすユニット、ヤング・ガン・シルヴァー・フォックス。

YGSFは、2008年にデビューしたUK5人組ソウル/ポップ・バンド<ママズ・ガン>のフロントマンであるアンディ・プラッツと、アメリカ出身63年生まれ/ロンドン拠点のプロデューサー/ミュージシャン、ショーン・リーで結成された2人組ユニットです。

先月リリースされた『ウエスト・エンド・コースト』は、タイトルからもわかるようにウエスト・コースト・ロックやAORに影響を受けた作品。
ロンドンで録音された今作の音や楽曲は、70~80年代西海岸にタイムスリップしたような雰囲気!
(国内CD 金澤寿和氏・解説 PCD-93958 2,300円+税)

ふんだんに入れられたハーモニーと、マルチ奏者であるショーンによるAOR風味のメロウなサウンド、アンディの甘めだけどソウルフルな歌声が終始聴いていて気持ち良いです。

今日の一曲は③「Better」という曲。
ネッド・ドヒニーを想起させるメロディーや歌いだし、なんとなく意識している気がします。東尾沙紀


2015年10月9日(金) Neil Young 「Like A Hurricane」

渋谷にある映画館シネマライズの閉館が決まったそうです。

パルコ内のシネクイントも来春パルコ建て替えのため閉館予定。

どちらの映画館にもよく行きました。

ミニシアターならではの音楽映画がやはり印象深いですね。
『イヤー・オブ・ザ・ホース』、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』、『ベンゴ』、『僕のスウィング』、『ベルベット・ゴールドマイン』、『オルフェ』、『ダフトパンク エレクトロマ』、etc...。

中でも『イヤー・オブ・ザ・ホース』。

ジム・ジャームッシュ監督、ニール・ヤングとクレイジー・ホースによる生々しいライヴ映像。
前売り鑑賞券を3枚購入し、気合を入れて見に行った記憶があります。

特にラストの「ライク・ア・ハリケーン」。
昔のライヴと今のニールがシンクロしながら紡がれる映像には何度見ても心打たれましたね。

今の自分が見ても感動できるかな?
未来への不安と昂りを抱えていた昔の自分へ会いに、映画館へ行こうと思っています。森 陽馬


★掲載ジャケットはニール・ヤング「ライク・ア・ハリケーン」収録、1977年発表作『アメリカン・スターズン・バーズ』。(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-75094 1,714円+税)



2015年10月10日(土) Brian Wilson 「Love And Mercy」(Live)

今夏劇場公開され話題となったブライアン・ウィルソンの映画『ラブ&マーシー』
(一部の映画館でまだ上映しています。上記リンク先公式HPのTHEATERS欄をチェック!)

オリジナル・サウンドトラックが遅ればせながら発売されました。
『Music From Love & Mercy』
(輸入CD capitol 602547507976)

ブライアン・ウィルソンの心象風景を表現/音像化したAtticus Rossが手掛けた音楽。
主演ポール・ダノが歌う「God Only Knows」。
そして、感動のラスト!ブライアン・ウィルソン「Love & Mercy」ライヴ・ヴァージョン他全13トラック収録。

「Love To Say Dada」(ビーチ・ボーイズ『SMiLE』収録曲)の如き幻想的なサウンドに、ビーチ・ボーイズの名曲がサンプリング的に組み込まれたAtticus Rossによるスコアは、映画をご覧になっている方でないと伝わりにくいかもしれませんが、映像と見事に合っていましたね。

サントラの国内盤は出ないので、映画『ラブ&マーシー』観た方はこの輸入盤で感動を追体験してください。

今日のこの1曲、ブライアン・ウィルソンが歌う名曲「Love And Mercy」ライヴ・ヴァージョン。
ブックレット内クレジットには2002年と表記されているので、ブライアン『PET SOUNDSツアー』時ライヴ音源のようです。森 陽馬

通販コーナーにも掲載しました。


2015年10月11日(日) HERB ALPERT 「Got A Lot Of Livin' To Do」

店で毎日音楽を聴いていて、良い曲に巡り合うことは多々あるのですが、仕事中にも関わらず「あぁ、気持ちいいな」と感じることはそう多くありません。

今年でいうと、ブライアン・ウィルソン「Half Moon Bay」~「Our Special Love」等でしょうか。

曲や演奏がどうとかそういう理論的なことではなく、心の奥の琴線を優しく愛撫されるような音感なのです。

今日のこの1曲は、久々にその琴線にふれたナンバー。

ハーブ・アルパートの新作『Come Fly With Me』、3曲目に収録されている「Got A Lot Of Livin' To Do」。
(輸入CD Herb Alpert 『Come Fly With Me』 HRB-001)

ハーブ・アルパートは、ラジオ番組『オールナイトニッポン』テーマ曲「ビター・スウィート・サンバ」で有名なトランペッター/ミュージシャン。

楽曲「Got A Lot Of Livin' To Do」は、1963年アメリカ映画『Bye Bye Birdie』の劇中ボビー・ライデル&アン・マーグレットが歌っていることで知られる名曲。

約3分のさりげないインストですが、ハーブ・アルパートらしいトランペットの音色と、キーボード奏者Bill Cantosによる穏やかなアレンジが本当に素晴らしい!

心にグッときてしまい、何度もこの曲をリピートしています。

澄んだ青い空に吸い込まれていくようなそんな1曲。森 陽馬


2015年10月12日(月) ボビー・ヴィー 「More Than I Can Say」

「モア・ザン・アイ・キャン・セイ」(邦題:星影のバラード)は、1980年にレオ・セイヤーの歌で全米2位を5週間も記録した大ヒット曲です。
(ちなみにこの曲を1位にさせてくれなかったのは、ケニー・ロジャース「レイディ」とジョン・レノン「スターティング・オーヴァー」でした。)

その約20年前にこの曲をチャートに送り込んだのはボビー・ヴィー。

1961年に発表したシングル「Stayin' In」のB面でしたが、地味ながらもチャートに入りました。

ひとり二重唱とバディ・ホリーを意識したしゃくりあげる歌い方がボビー・ヴィーらしさを感じさせてくれます。

このCDには、「さよならベイビー」(Take Good Care Of My Baby)、「ラバー・ボール」、「ラン・トゥ・ヒム」、「デヴィル・オア・エンジェル」など初期のヒット曲が収められています。森 勉

★掲載ジャケットはボビー・ヴィー『ゴールデン・グレイツ』。
(国内CD 解説・歌詞付 UICY-77348 1,800円+税)


2015年10月13日(火)ジャイルス・ピーターソンpresentsソンゼイラ feat セウ・ジョルジ「BAM BAM BAM」

10月12日(月・祝)、渋谷アップリンクにて映画『ブラジル・バン・バン・バン』を見てきました。

ロンドン出身の名DJ、ジャイルス・ピーターソンがブラジルへ赴き、現地ミュージシャンとレコーディング。更に、彼が長年探しているジョゼ・プラテスのアナログ盤をレコード店を巡って探索する、という音楽ドキュメンタリー。

日本版映画制作資金をクラウドファンディングで募り、140万円以上が集まってめでたく公開。
10月16日(金)までアップリンク会場で様々なイベントと共に上映されています。
(僕が見に行った回は、映画後にSOIL&"PIMP"SESSIONSの社長と東京アカラジェ&タピオカによるトークがあり、ブラジル屋台料理をいただく、という楽しいイベントがありました)

映画自体も、ブラジル音楽の魅力はもちろん、リオデジャネイロのスラム街の現状、ミュージシャン間の交流、レコード店場面、エヂ・モッタのレコード・コレクション等、テンポ良い編集で面白かったです。

今日のこの1曲は、その映画内でレコーディング/制作されたアルバム『BRASIL BAN BAM BAM』から。
(国内CD 日本盤ボーナス・トラック4曲追加 UCCU-1438 2,500円+税)

歴史的スタジオ<コンパニア・ドス・テクニコス・スタジオス>で結成されたプロジェクト、SONZEIRA(ソンゼイラ)にセウ・ジョルジが加わった1曲「Bam Bam Bam」。
土着的なリズムと洗練された現代の息吹が融合したクール&グルーヴィーなナンバーです。森 陽馬



2015年10月14日(水) Shawn Colvin 「Baker Street」 feat David Crosby

最近店でよくかけている女性シンガーこの1枚。

Shawn Colvin『Uncovered』
(輸入CD Fantasy/Concord 37415-02)

ショーン・コルヴィンは1980年代後半から活動している女性シンガー・ソングライター。

2012年発表『All Fall Down』(
2012年6月18日今日のこの1曲で紹介)以来、約3年ぶり新作はカヴァー・アルバムです。

ザ・バンド「Acadian Friftwood」、CCR「Lodi」、ブルース・スプリングスティーン「Tougher Than The Rest」、ポール・サイモン「American Tune」、グラハム・ナッシュ「I Used To Be A KIng」等シンプルなアレンジで。

今日のこの1曲は、3曲目「Baker Street」。

スコットランド出身男性シンガー・ソングライター、ジェリー・ラファティー作による1978年ヒット曲「Baker Street」(霧のベーカー街)を、デヴィッド・クロスビーと共に芯のある美声でカヴァー。

秋のそよ風に包まれながら、変わりゆく武蔵小山の街で聴くこの曲に郷愁を覚えます。森 陽馬



2015年10月15日(木) 宮里陽太 「JUSANDI」

新鋭ジャズ・サックス奏者、宮里陽太の新しいアルバムが発表されました。

山下達郎ライヴ・ツアー・バンドのサックス奏者として2011年に大抜擢され、それ以来山下達郎及び竹内まりやのライヴには欠かせない存在となっています。

昨年2014年7月に出た初ソロ・アルバム『プレジャー』に続く第2弾ソロがこの『カラーズ』です。
(国内CD 宮里陽太『Colors (with Horn&Strings)』 QYCL-10006 2,700円+税)

前作はコンボ・スタイルのニューヨーク録音でしたが、今回はホーン&ストリングスをバックにしてのL.A録音。
今の季節にピッタリのしっとりとした味わいの曲が並び、ゆったり気分にしてくれるサックスの優しい音色が全編に響き渡り楽しむことができます。

CDの帯には、
<より深化した宮里のプレイと緻密なアレンジ。カヴァーとオリジナルを含むクワイエット&ソウルフルな11曲>
という文章が。

末永く聴ける極上のジャズ・アルバムに仕上がっていると思います。

スタンダードやディアンジェロのカヴァーにもひかれますが、今日は彼のオリジナル・ソングである9曲目「JUSANDI」を。

この曲でもわかるのですが、彼は強弱の付け方や曲後半の聴かせどころへ向かってのテンションの上げ方が本当に上手いですね。
4分40秒過ぎからのアドリブも見事。
山下達郎のライヴでのサックス・ソロをちらっと思い出しました。

余談ですが、宮里くんは山下達郎のライヴ<PERFORMANCE2015~2016>内にて久しぶりに演奏されたアノ曲でバリトン・サックス・ソロも披露してくれました。シビれました。

新譜が出たばかりなのに気が早い話で申し訳ありませんが、次のアルバムでは是非バリトン・サックスの音も聴かせてください。森 勉



2015年10月16日(金) Paul Weller 「White Sky」

10月17日(土)が最終日となりますが、ポール・ウェラーが現在日本ツアー中です。

今年5月にリリースした最新作『サターンズ・パターン』を引っ提げて約3年ぶりの来日。
初日10月14日(Zepp DiverCity Tokyo)の公演を観に行ってきました。

バンドの音もまとまり、以前より痩せて健康的になった事もあってか声がよく出ていました。
「今までで一番最高!」と絶賛されている古くからのファンの方もいらっしゃり、ほどよい緊張感と楽しさが入り混じった熱いライヴでした。

なにより「ちょっと馴染めないかも」.なんて個人的に思っていた新作の曲が生で聴くとどれもかっこよかった!

新作から殆ど演奏されましたし、ジャムやスタイル・カウンシルの楽曲もテンポや歌い回しを若干変え、90年代のソロの楽曲もあり、バランスの良いセット・リストでした。

新作「Saturns Pattern」から、序盤に演奏された「White Sky」。
へヴィなギター、分厚いバンドの音に痺れました。

来日に合わせて、シンコー・ミュージックからポール・ウェラーのムック本が発売されています。
ジャム時代からの現在までのディスコグラフィー、ゲスト参加作品紹介、80年~2015年までの9本のインタビュー再掲などなど。

プロデュース/参加楽曲なども今までに沢山あるので、全てが網羅されているという訳ではありませんが、ポール・ウェラー入門としてオススメの一冊です。東尾沙紀

★掲載ジャケットはポール・ウェラー最新アルバム『サターンズ・パターン』。
(国内CD 初回DVD付 解説・歌詞・対訳付 WPZR-30637 3,124円+税)


2015年10月17日(土) ミッチ・ライダー&デトロイト・ホイールズ 「シェイク・ア・テイル・フェザー」

60'sビート・バンド・ファン待望!

ミッチ・ライダー&デトロイト・ホイールズが1966年発表した2枚のオリジナル・アルバム『テイク・ア・ライド』と『ブレイクアウト』が日本初CD化。

うれしいことに書き下ろし解説・歌詞・対訳が付いて1,143円+税という低価格。
<新・名盤探検隊>シリーズでの発売です。
(国内CD ミッチ・ライダー&デトロイト・ホイールズ『テイク・ア・ライド』 WPCR-16831 1,143円+税)

1945年デトロイト生まれ、ミッチ・ライダーの声をしぼり出すシャウト・ヴォーカルと押しの強い迫力満点のデトロイト・ホイールズの演奏は気持ちをスカッとさせてくれます。

今日はデビュー・アルバム『テイク・ア・ライド』から、ヒット曲ではありませんが1曲目に入っている「シェイク・ア・テイル・フェザー」。

黒人ヴォーカル・グループ、ファイヴ・デュ・トーンズの曲をカヴァーしたものですが、ちゃんとミッチ・ライダー・スタイルになっているのがミソ。

ブルース・スプリングスティーンが十代の少年時代夢中になっていたデトロイト産白人ロック・バンドを是非この機会に。森 勉


2015年10月18日(日) ジェフ・ラーソン 「Once A Day」

ブライアン・ウィルソン・バンドで長年活躍し、現在はマイク・ラブのビーチ・ボーイズに在籍している“ミスター・ファルセット”、ジェフリー・フォスケット。

超久々!約16年ぶりとなる待望の新作ソロ・アルバムが12月6日、日本先行発売決定いたしました。
(12/6発売 ジェフリー・フォスケット『クラシック・ハーモニー』 VSCD-3598 2,315円+税)

1曲目がシルヴァー「Wham Bam」(邦題:恋のバンシャガラン)カヴァー!
2曲目が山下達郎「踊ろよ、フィッシュ」カヴァー!!
他にもビーチ・ボーイズ「The Warmth Of The Sun」、「Little Saint Nick」、MFQ「This Could Be The Night」、バッファロー・スプリングフィールド(ニール・ヤング作)「On The Way Home」など注目のカヴァー楽曲が目白押し。
通販コーナーに収録曲記載してあります)

国内盤はボーナス・トラック追加収録、長門芳郎氏による解説も付きます。楽しみですね。

そのジェフリー・フォスケットも参加しており、ウエストコースト・ロック好きの方に大推薦したいのがこのCD。

ジェフ・ラーソン『ザ・ベスト・オブ・ジェフ・ラーソン』
(国内CD VSCD-3597 2,315円+税)

<70'sウエストコースト・ロックの正しき継承者>ジェフ・ラーソンが2000年から2015年までの間にリリースしたアルバムの中から、彼自身による選曲で19曲収録したベスト盤。

心地良いサウンドと爽やかなハーモニー! 全曲イイ曲!!
イーグルスやアメリカお好きな方は持ってて損なしの1枚です。

今日のこの1曲は、アルバム中唯一の新曲(or未発表曲)⑮「Once A Day」。
ジェリー・ベックリーとの共作で、彼のコーラス・ハーモニーも聴こえるアメリカ的な良曲。

ちなみに、
2009年ベストで選出した『Heart Of The Valley』から「Calling」が収録されているのもうれしいですね。森 陽馬


2015年10月19日(月) Bryan Adams 「You Belong To Me」

ELOとしては前作『ZOOM』以来14年ぶりの新作『アローン・イン・ザ・ユニバース』(国内盤)が11月18日発売になるジェフ・リン。
新作も楽しみですが、ツアーで来日してくれたら嬉しいですねぇ。

そのジェフ・リンがブライアン・アダムスの最新作をプロデュース!

2014年発表カバー・アルバム『Tracks Of My Years』を挟んでの7年ぶりオリジナル・アルバム『GET UP』。
(国内CD UICP-1168 2,600円+税)

①「You Belong To Me」(キャッチーなロックンロール・ナンバー♪)から、まさにジェフ・リン!といったアレンジ。

全体的にその色が濃いサウンドになっていますが、1曲を除いて80年代の作曲パートナー、ジム・ヴァランスとのコンビ復活といえる全楽曲共作も嬉しいところです♪

バラード「We Did It All」、ジェフ・リン×ブライアンの共作曲「Do What Ya Gotta Do」など本編9曲に、アコースティック・ヴァージョン4曲を追加収録。
ブライアン・アダムスのポップでロックな楽曲と、ジェフ・リン・サウンドが融合した一枚です。

ジェフ・リンは、コーラスやベース、ドラム、ギターなども担当。
キース・スコット、ポール・マッカートニーのバックで活躍するラスティ・アンダーソンも参加しています。東尾沙紀


2015年10月20日(火) 山田稔明 「些細なことのように」

10月23日(金)19時半より、当店地下アゲインにてPET SOUNDS RECORD presents 山田稔明<月あかりのナイトリスニング Vol.7>がございます。

テーマを決め、1部はトーク、2部はライヴを山田稔明さんにやっていただくイベント。

山田稔明さん初の小説『猫と五つ目の季節』刊行を記念して、今回のテーマは<小説・本>特集!

小説にまつわる話や想い出の楽曲に関するトーク、そしてこの日限りの選曲が魅力的なライヴ。お楽しみに。
(彼の自伝的“猫”小説『猫と五つ目の季節』、猫好きの方は是非チェックしてみてください)

今日のこの1曲は、今年7月に発売された山田稔明新作『the loved one』から4曲目「些細なことのように」。
(GTHC-0007 2,000円+税)

元々は2010年頃に作られ、2013年発表名作『新しい青の時代』に収録される可能性もあった、というこの曲。

彼がメロディーメーカーとしてだけでなく、ソングライターとしても素晴らしいことを実感できるイイ曲ですね。

2014年6月、彼の愛猫ポチが亡くなった直後のライヴで歌われ印象深かったのですが、新たな猫(ポチ実)との出会いを経て、この歌がどのような想いで歌われこちらに響いてくるか、とても楽しみです。森 陽馬


2015年10月21日(水) ザ・クロマニヨンズ 「夜行性ヒトリ」

2006年7月28日(金)フジ・ロック・フェス、ホワイト・ステージ。

ザ・クロマニヨンズを見たのはこの時が初めてでした。

ハイロウズを解散したヒロトとマーシーが、クロマニヨンズという新バンドを結成。
シングルすらもまだリリースしていない時期のことです。

どんな曲をやるのかな、と期待していたら全曲新曲!
約20分の短いライヴながら最高に楽しかったのが昨日のことのように思い出されます。

あれから早9年。
ザ・クロマニヨンズ9作目となるオリジナル・アルバム『JUNGLE 9』が本日発売になりました。
(CD BVCL-678 2,913円+税)

変わらない真っ直ぐでストレートなロックンロール!

活動期間の短い過去のバンドが“伝説の”という言葉でもてはやされる事例が多い昨今。
1985年ブルー・ハーツ結成から数えると約30年、ヒロトとマーシーが当たり前のように続けているロックには、付け焼刃とは違う深みが感じられます。

今日のこの1曲は3曲目「夜行性ヒトリ」。
♪寄生虫の夜 目黒通りお祭り♪ という歌い出しで始まるナンバーです。森 陽馬

※目黒通りは当店の場所から自転車ならば数分で行ける大きな道路。
目黒通り沿いには目黒寄生虫館が昔からあり、僕も子供の頃行ったことがあります。


2015年10月22日(木) トリプルファイヤー 「SEXはダサい」

日本ロック界のレジェンド、ザ・クロマニヨンズを紹介した次の日がこれかよ!
とツッこまれそうですが、このバンド、何故かクセになってしまうのです。

トリプルファイヤー『エピタフ』
(CD WAVE-03 2,000円+税)

トリプルファイヤーは2006年結成、吉田靖直(Vo)・鳥居真道(g)・山本慶幸(b)・大垣翔(dr)による4人組。

最初聴いた時は、「なんだ?これは・・・」という感じ。
続けて聴いたら「いやはや・・・」とうすら笑い。
そして、歌詞カードを見ながら聴いていくうちに虜になってしまう恐ろしい1枚。

<高田馬場のJOY DIVISION>、<だらしない54-71>とCD帯の文句がありますが、サウンド的には<ヨレヨレになったミーターズ>、<サイケじゃないsuicide>な印象。

更に、歌声も変だけれど、なんといっても歌詞の世界観。
思いの丈をブチまけた歌だからこそ響いてくるのでしょう。

♪ロックはもう終わってる とっくにダサくなってる テクノかヒップホップをやりなさい♪
という歌詞が冒頭に出てくる1曲目「SEXはダサい」。

でも、そうは言っても、彼らのやっている音楽は“ロック”なんだと思うのですよ。

この面白さ、言葉では伝わらないだろうなぁ・・・。森 陽馬


2015年10月23日(金) Squeeze 「Cradle To The Grave」

70年代後半にデビューしたUKポップ・バンド、スクイーズ。
17年ぶり( ! )の新作『Cradle To The Grave』が入荷しました。(輸入CD)

2007年の再結成後、セルフ・カバー集やライヴ盤等はリリースしましたが、スクイーズとしての純粋なオリジナル・アルバムは、98年『DOMINO』以来!

今年の9月から10月中旬までBBCで放送されていたコメディ・ドラマ「Crade To Grave」のサントラでもある本作。

独特すぎるジャケットですが、内容はすご~~く充実したスクイーズ印満点のポップ・アルバムです♪

ソロ活動も精力的なグレン・ティルブルック(今年春先に来日)と、ソングライティングのコンビであるクリス・ディフォードを中心に、グレンのバック・バンドでもあるフラッファーズの3人、初期ベーシストジョン・ベントレーも参加。

パブロック・バンド、Nine Below Zeroのデニス・グレイヴスとマーク・フェルタムがギター/ハーモニカで、Waterboysのメルヴィン・ダフィーはペダル・スティールとダルシマーで3曲ゲスト参加しています。

今日のこの1曲は、オープニングに相応しい元気なナンバー「Cradle To The Grave」。

「ゆりかごから墓場」という意味だそうですが、クリス・ディフォードの詞は独特の世界観があるので、是非対訳付の日本盤が出たらなぁと思います。
いつかこのメンバーでの来日も! 東尾沙紀


2015年10月24日(土) トッド・ラングレン 「ハロー・イッツ・ミー」

トッド・ラングレンの名作2枚組アルバム『サムシング/エニシング』は、アメリカでは1972年に発売されましたが、日本では1年ほど遅れちょっと変わった内容でリリースされました。

高い価格になってしまう2枚組LPに日本のメーカーは難色を示したのではないかと推測されます。
日本盤『サムシング/エニシング』はなんと!全25曲中から10曲を選んだ1枚ものになっていました。

アルバム・タイトルは、シングルが大ヒットしていたこともあって『ハロー・イッツ・ミー』。

そしてジャケットは、あっと驚くトッドの写真をあしらったものでした。

当時初めてこのジャケをレコード屋で見た時は、「グラムロックの人?」と思ってしまいました。

今回そのトッドがメイクを施したジャケットと選曲の日本独自編集盤がCD化されました。
(国内CD SHM-CD仕様 解説・歌詞付 WPCR-16771 1,300円+税)

今日のこの1曲は、LPではB面1曲目だった「ハロー・イッツ・ミー」を。森 勉


2015年10月25日(日)ボブ・クルー・ジェネレーション「Music To Watch Girls By(リズムにのせて)」

ボブ・クルーはフォー・シーズンズをはじめ、様々なミュージシャンの作品を手掛けていますが、僕が初めて彼の名前をはっきりと意識したのは、1960年代ボブ・クルー・ジェネレーション「ミュージック・トゥ・ウォッチ・ガールズ・バイ」がアメリカでヒットしている頃でした。

1967年1~3月にかけてヒットし、全米15位まで上がったこの曲。
ヒットのきっかけはペプシ・コーラ(ダイエット・ペプシ)のコマーシャルで使用され、それが全米テレビ/ラジオで流れたのがきっかけだそうです。

ニューヨークの精鋭スタジオ・ミュージシャンを集めてのボブ・クルー・ジェネレーションの演奏は、L.Aのハーブ・アルパート&ティファナ・ブラスの活躍に刺激された点もあると思います。

しかしそこは大プロデューサーのボブ・クルー。
彼ならではのニューヨーク感覚がこの演奏の中に練り込まれているように感じます。

「レッツ・ハング・オン」、「ラヴァーズ・コンチェルト」、「コンクリート&クレイ」、「ウィンチェスターの鐘」などもオーケストラ演奏で聴くと新鮮です。

なお、この曲「Music To Wach Girls By」の邦題は「リズムにのせて」。
アンディ・ウィリアムスの唄入りヴァージョンになると「恋はリズムにのせて」になります。森 勉

★掲載ジャケットは新・名盤探検隊でCD化されたボブ・クルー・ジェネレーション『リズムにのせて』。
(国内CD 日本語解説付 WPCR-16838 1,143円+税)


★ここで、当店地下アゲインで行われるイベントのご案内です。
ボブ・クルーやフランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズの情報などもよく取り上げてくれた音楽雑誌『POP-SICLE(ポプシクル)』をテーマにしたイベントが11月8日(日)14時(開場は13時30分)に行われます。
出演は『ポプシクル』編集長であった木崎義二氏と、当時レギュラー執筆者だった長門芳郎氏。
このお二人のトークを中心に音楽をかけながらのよもやま話がたっぷり聴けそうです。
僕も楽しみにしています。森 勉


2015年10月26日(月) EPO 「毎日がバカンス」

今夏8月21日&22日東京国際フォーラムで行われた松本隆作詞活動45周年記念イベント『風街レジェンド』。

2015年11月23日(月・祝)21時から2時間、BS朝日で放送が決定しました。
(リンク先はBS朝日公式サイト)

約4時間×2日間のコンサートでしたから、2時間の放送だとカットされている場面も当然あるでしょうが、夢のような名演が映像で再び観ることができるのはうれしいですね。
見に行った方はもちろん、行けなかった方もチェックお忘れなく。

さて、その『風街レジェンド』に出演し、竹内まりや「September」を歌ったEPO。
新作オリジナル・アルバム『愛を ~LOVE IS ON』が先月リリースされています。
(EPO『愛を ~LOVE IS ON』 XQGR-1003 3,000円+税)

<35th Anniversary Yearに贈るEPO15年ぶりのPOPSアルバム>
と、CD帯に書いてある通り、80年代を彷彿とさせるポップな楽曲揃い。

EPO本人が作詞・作曲・プロデュース&アレンジを手掛けた全11曲。
近年のヒーリング的作風とは違った弾むようなPOPSアレンジがゴキゲンな仕上がりです。

今日のこの1曲はナイアガラなアレンジがうれしい11曲目「毎日がバカンス」。

なお、1曲目「もう一度恋をしてみようかな」、4曲目「泣いたプライド」には鈴木茂が参加しています。森 陽馬


2015年10月27日(火) ビル・ワイマン 「What & How & If & When & Why」(おまえに捧げるメッセージ)

先月発売されたキース・リチャーズの新作『クロスアイド・ハート』は素晴らしい出来でしたが、ローリング・ストーンズの元ベーシスト、ビル・ワイマンも新作を発表しました。

ビル・ワイマン『バック・トゥ・ベイシックス』
(国内CD ボーナス・トラック1曲追加 解説・歌詞・対訳付 RES-272 2,500円+税)

厳密にはビル・ワイマンの作品の方が本国イギリスで先に出ており(6月発売)、約4か月遅れて国内盤が発売された、というわけですが、キース新作と同じく味わい深くて良いですね。

ゴキゲンなロックン・ロールを奏でていたリズム・キングス名義作ともまた違った貫禄のロックを聴かせる13曲。
全曲ビル・ワイマンによるオリジナル楽曲で、マーク・ノップラーのバンドでお馴染みのキーボーディスト、ガイ・フレッチャーが共同プロデュース。
ロビー・マッキントッシュ(プリテンダーズ等)が渋いギターを弾いているのも聴きどころ。

彼の歌声は以前より声量が落ちて枯れた印象ながら、歌に寄り添っている温かみを感じます。

今日のこの1曲は、1曲目「What & How & If & When &Why」。

スペンサー・デイヴィス・グループ「I'm A Man」を彷彿とさせるアレンジ!
ブリティッシュ・ロック・ファンは思わずニヤリ♪なナンバーです。森 陽馬


2015年10月28日(水) Tift Merritt 「Bramble Rose」

秋が深まり、冬の足音がコツコツと聞こえてくるようになりましたね。

今月初めに発売され、10月3日今日のこの1曲で取り上げたドン・ヘンリー新作『カス・カウンティ』。
最初は「ちょっと地味すぎるかな」と思いましたが、聴きこむ毎に深みが感じられるようになりました。

そのアルバムに収録されている1曲目「Bramble Rose」。
オリジナル歌手ティフト・メリットのヴァージョンもオススメです。

Tift Merritt『Bramble Rose』
(輸入CD LOST HIGHWAY 0881702732)

イーサン・ジョーンズをプロデューサーに迎え2002年制作されたティフト・メリットのデビュー作。
カリフォルニア/ハリウッドにある有名なサンセット・スタジオでのレコーディング。

当時アメリカではシェリル・クロウがブレイクした後だったので彼女を意識したようなアレンジの楽曲もありますが、可憐ながらも骨のある歌声とカントリー・フレイヴァーなサウンドが心地良くミックスされた好盤。

ドン・ヘンリーのカヴァー・ヴァージョンよりテンポが遅く、グッと噛みしめるような「Bremble Rose」。
女性シンガー・ソングライター好きの方には是非聴いてもらいたいナンバーです。森 陽馬


2015年10月29日(木) コシミハル 「Moonray」

コシミハルの新作『MOONRAY』が本日入荷しました。
(国内CD 7インチ・サイズ見開きジャケット仕様 TNIY-7567 3,704円+税)

細野晴臣関連作品のデザインを手掛け、レイモンド・スコット作品集やナイアガラ・ムーンアナログ復刻盤の装丁仕事も素晴らしかった岡田崇さんによるレーベル、Li'l Daisyからのリリース。

フレッド・アステアのミュージカル曲やトミー・ドーシー、グレン・ミラー、アーティ・ショウ楽団が演奏していた1930~40年代スタンダード・ナンバーを小編成の生バンドでカヴァーした、古いけれど新しい全13曲。

細野晴臣、フェビアン・レザ・パネ、浜口茂外也、エリック・ミヤシロ、渡辺等、今堀恒雄他参加。

さながら、コシミハル版『Heavenly Music』な1枚ですね。

ジャズ評論家・瀬川昌久氏によるアルバム・レビュー、コシミハル本人の楽曲解説、“マダム・クルーナー”コシミハルのポートレイトを配したブックレットを眺めながら聴いていると、とても贅沢で優雅な気持ちに浸れます。

音楽配信では味わえない心豊かな感慨、音楽を聴く楽しみを実感させてくれる作品。

今日のこの1曲はアーティ・ショウ作、コシミハルのスキャットが魅力的なタイトル曲「Moonray」。森 陽馬



2015年10月30日(金) 斉藤和義 「時が経てば」

2年ぶり18枚目となる新作『風の果てまで』が、オリコン・デイリーチャートで初の1位となった斉藤和義。

CMでお馴染み「攻めていこーぜ!」、ドラマ主題歌「傷口」ほか、痛快なロックン・ロールからバラード、ポップなナンバーも収録した充実のアルバム。
(初回A VIZL-1020 2CD+DVD 4,400円+税 / 初回B VIZL-1021 2CD 3,500円+税)

初のLA録音である今作には、以前から親交のあるドラマー、チャーリー・ドレイトンをはじめ、マニー・マーク、ダリル・ジョーンズ、日本での録音には玉田豊夢、高田漣、11月下旬から始まるツアーでギタリストを務める真壁陽平などが参加。

疾走感のあるギターに乗せて、音楽シーンの現状や作り手であるミュージシャンの心境をストレートにぶつけた「さよならキャディラック」、ちょっと女々しい男の心情を歌ったバラード「恋」、ドラムマシンを用いたグルーヴ感のある「アバリヤーリヤ」など、どの曲もいいですね!

ボブ・ディランを意識としたという「時が経てば」は、ビルの屋上から飛び降りようとしている男を取り巻く状況を1人の男の目線で綴った曲。

「がんばれ」「負けるな」と屋上の男を心の中で鼓舞するフレーズが並びますが、巷のよくある応援ソングとは一線を画すドラマチックでロックなこの曲が強く印象に残りました。

初回盤A,Bには、泉谷しげるのカバー他全3曲入りのボーナスCD付き。
初回Aには更に、2007年以降のミュージック・ビデオ16曲を収録したDVDが付いています。東尾沙紀


2015年10月31日(土) ヴァン・マッコイ&ソウル・シティ・シンフォニー 「ハッスル」

『ナンバー・ワン70's ORICONヒッツ』というCDが発売されました。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-4555 2,700円+税)

文字通り1970年代にオリジナル・コンフィデンス(オリコン)の洋楽シングル・チャートで第1位を獲得した曲だけが収められています。

2枚組で全34曲収録されていますが、そこにはアメリカやイギリスのチャートとはちょっと違った傾向も見られ、面白い選曲になっています。

覆面プロレスラー、ミル・マスカラスの入場テーマ曲として話題になったジグソー「スカイ・ハイ」。
田中星児の日本語盤も大ヒットしたそのオリジナル、ダニエル・ブーン「ビューティフル・サンデー」。
チャールズ・ブロンソン出演化粧品CM曲が大評判になったジェリー・ウォレス「マンダム~男の世界」。
大ヒット映画主題歌をカヴァーしたアンディ・ウィリアムス「ある愛の詩」、「ゴッドファーザー~愛のテーマ」等。

あと、1970年代といえばディスコ・ヒット。
ジンギスカン、アラベスク、ドナ・サマー、サンタ・エスメラルダ、スリー・ディグリーズ、ヴィレッジ・ピープル、バカラ、KC&サンシャイン・バンド、そしてホット・ブラッド「ソウル・ドラキュラ」も入っています。

今日のこの1曲もディスコものを選びました。
1975年8月から実に19週間もオリコン誌洋楽シングル・チャート連続1位を続けたヴァン・マッコイ「ハッスル」。

当時、今とは別のレコード店に勤めていましたが、シングルもLPもすごく売れた記憶が残っていますね。

後に知ることですがこの曲の演奏は、1年後一世を風靡したスタッフのメンバーが参加しています。森 勉




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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