PET SOUNDS RECORD
今日のこの1曲 アーカイヴス


  今日のこの1曲 “Achives”

<2012月6月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて、
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2012年6月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。
廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2012年6月1日(金) ルーマー 「A Man Needs A Maid」(男は女が必要)

 昨日紹介した寺尾紗穂6/6発売新作、ビーチ・ボーイズ6/4新作と同じく心待ちにしているのが、ニール・ヤング&クレイジー・ホースの新作『アメリカーナ』。(輸入盤は来週、国内盤は6/13発売予定)

 盟友クレイジー・ホースとの作品は久々ですね。
「Oh Susannah」など“アメリカーナ”な曲をどんなアレンジで料理しているのでしょうか。楽しみです。

 ということで、今日は最近リリースされたニール・ヤングのカヴァーを。

 2010年12月24日のこのコーナーで取り上げたり、森勉が2011年ベストにも挙げていたイギリス人女性シンガー、ルーマー。

 彼女の新作『Boy's Don't Cry』は男性シンガーの70's名曲を取り上げたカヴァー・アルバム。(国内CD WPCR-14370 2,180円)

 1st『シーズンズ・オブ・マイ・ソウル』を引き継ぐ穏やかなサウンド・アレンジ&優しい包容力ある歌声で、心地良く聴ける女性シンガー・アルバムとしてオススメです。

 ニール・ヤング「A Man Needs A Maid」(邦題:男は女が必要)は72年発表名作『ハーヴェスト』に収録されている1曲。
 男性シンガー楽曲のカヴァー・アルバムなので、タイトルに“Man”が入っているこの曲を選んだのかもしれませんが、個人的にはこの曲ではなく、「ロッタ・ラヴ」などの方がルーマーの歌声に合っていたように思います。

 ちなみに他はジミー・ウェッブ作「P.F.スローン」、トッド・ラングレン「Be Nice To Me」、ポール・ウィリアムス「トラヴェリング・ボーイ」(アート・ガーファンクル・ヴァージョンのようにラストにギター・ソロが入るアレンジで聴いてみたかったな)など。

 コーラス&ピアノ・アレンジが美しいホール&オーツ「サラ・スマイル」カヴァーが僕は気に入っています。森 陽馬

2012年6月2日(土) ペギー・リー 「I Don't Want To Play In Your Yard」

 NHK教育テレビ(とは今は言わないのですね。正式名称はわかりませんが、Eテレって言うのが呼び名として使われているようです)で、23時55分から5分間放送されている<2355>。

 実にイイですね。

 ほのぼの度満点の細野晴臣にょる主題歌も和めますし、ジョン・ウッド&ポール・ハリスンなどによるワン・ミニット・ギャラリーも見ていて楽しいし、とびはぜのトビーくんも憎めないキャラクターだし、アレクセイエフ作によるぐだぐだアニメ『ログ・ジャム』もついつい顔の筋力がゆるんでニヤッとさせられてしまいます。

 今日は<2355おやすみソング>の中から、「夢を作る工場」(ファクトリー・オブ・ドリーム)でかかるペギー・リーのゆったりしたヴォーカルが魅力のこの曲を。森 勉

★掲載ジャケットはペギー・リーのベスト盤。(国内CD UICY-1534 1,835円)

2012年6月3日(日) PUGWASH 「Answers On A Postcard」

 日本での知名度はまだまだ低いのですが、これまで4枚の作品をリリースしているアイルランドのポップ・グループ、PUGWASH。

 ビートルズ、ジェフ・リン、XTCなど英国ポップの影響を強く感じさせるメロディーライン。ビーチ・ボーイズも好きだという彼等らしくハーモニーを重視した心地良いポップを奏でるバンドです。

 昨年夏にアイルランドのみでリリースされていた5枚目の新作『The Olympus Sound』。UKのレーベルと契約した事で、日本でも輸入盤が手に入れやすくなりました。(輸入CD LJX038CD)

 今作には、以前から交流のある元XTCのアンディ・パートリッジ(共作&ヴォーカル)、デイヴ・グレゴリー(ストリングス・アレンジ等)がそれぞれ参加。ベン・フォールズもピアノで1曲参加しています。

 今日のこの1曲は、中盤のアレンジがペット・サウンズっぽい「Answers On A Postcard」。

 アルバム1曲目という事と曲のタイトルから、もしかしてアル・ジャーディン「A Postcard From California」を意識したのかな?なんて思ったりもしたのですが...。かなり勝手な憶測ですね。東尾沙紀

2012年6月4日(月)ビーチ・ボーイズ 「あの頃に」〜「ゴッド・メイド・ザ・ラジオ」

 50周年を迎えたビーチ・ボーイズのNEWアルバム『ゴッド・メイド・ザ・ラジオ〜神の創りしラジオ』が6月4日発売されました。(国内CD TOCP-71311 2,500円)

 メンバーはブライアン・ウィルソン、マイク・ラヴ、アル・ジャーディン、ブルース・ジョンストン、デヴィッド・マークス。

 なんと全12曲すべてが新しいオリジナル曲という気合の入った1枚。
プロデュースにブライアン・ウィルソン、エグゼクティヴ・プロディースにマイク・ラヴの名前がクレジットされています。

 曲は12曲中11曲がブライアンとジョー・トーマス(1998年発表ブライアンのソロ『イマジネーション』、及び1996年発表ビーチ・ボーイズ『スターズ&ストライプス』をブライアンと共同プロデュースしたミュージシャン)の共作。(マイク・ラヴやアイズ・オブ・マーチのジム・ピータリック&ラリー・ミラスやジョン・ボンジョヴィなども一緒にクレジットされている曲もあり)
 7曲目「デイブレイク・オーヴァー・ザ・オーシャン〜海に輝く夜明け」だけが、マイク・ラヴの単独作品となっています。

 どの曲もいい曲で、"2010年代ウエスト・コースト・サウンド"とも言うべきアレンジです。

 アラセヴ(アラウンド70)の年季のはいったボーイズたちはまわりの協力もあり、いいアルバムに仕上げてくれましたね。

 コーラスとピアノがフィーチャーされた1分ちょっとのOVERTURE風な1曲目「Think About The Days」(邦題:あの頃に)から続いて、ラジオ讃歌のアルバム・タイトル曲はビーチ・ボーイズらしいヴォーカル・コンビネーションが楽しめる1曲になっています。

なお日本盤にはボーナス曲として、「Do It Again」の2012年ヴァージョンが追加収録されています。森 勉

2012年6月5日(火) ビーチ・ボーイズ 「Pacific Coast Highway」〜「Summer's Gone」

 ビーチ・ボーイズの新作、本当に素晴らしい!

 最初聴いたときは、全体的にちょっと地味かな?とも思いましたが、聴き返すごとに味が出てきて何度聴いても飽きませんね。

 今作は7曲目以外ジョー・トーマスが参加していることもあり、ブライアン・ウィルソン1998年作『イマジネーション』のサウンド・アレンジに近い感じです。

 でもビーチ・ボーイズのメンバーのコーラスが入ると、やっぱり“ビーチ・ボーイズ”! 70歳前後の人達の作品とは思えないぐらいフレッシュな今の音ながら、ビーチ・ボーイズとしての古き良きコーラスも楽しめる傑作に仕上がっています。

 個人的に気に入っているのはめくるめくコーラスと快活なアレンジがゴキゲンな4曲目「Spring Vacation」と、対照的に荘厳な11曲目「Pacific Coast Highway」。

 特に11曲目からラスト12曲目「Summer's Gone」へ繋がる流れは沁みますね。

 デビュー50周年の新作でめでたいのに、このラスト2曲はとても切ない歌詞なのです。

 特に明記されていませんが、今は亡きデニスとカールに捧げられているのかもしれません。森 陽馬

2012年6月6日(水) 寺尾 紗穂 「風のように」 & 「はねたハネタ」

 当店でデビュー時から応援し続けている女性シンガー・ソングライター、寺尾紗穂。約2年ぶり新作『青い夜のさよなら』が本日発売。(MDCL-1525 当店のみの特典カンバッチ型マグネット&独占インタビュー・リーフレット付 3,150円)

 発売前5月31日のこのコーナーでは9曲目「富士山」を取り上げましたが、個人的に同じくらい気に入っているのが5曲目「風のように」。

 紗穂さんがメジャー・デビュー前に在籍していたikanikaレーベルのレーベルメイトであったKenmochi Hidefumiが楽曲アレンジを担当。(2008年11月28日の今日のこの1曲で彼の作品を取り上げたこともありましたね)

 紗穂さんの優しくも切ないピアノの響きと、Kenmochi Hidefumiによるアンビエントなアレンジが絶妙な1曲です。

 なお、今作8曲目に収録されている「はねたハネタ」のPVが本日youtubeにアップされました。

 路上生活者の社会問題をテーマにしながらも面白い歌詞(ダースレイダー作詞)とイルリメによるSE、そして紗穂さんの独創的なピアノ&歌声が交わった痛快なナンバー。是非PVをご覧になってみてください。森 陽馬

2012年6月7日(木) マンソー 「About It」

 先月末、Tahiti 80の来日公演オープニング・アクト&単独公演を行ったフランス出身グループ、Manceau (マンソー)。

 彼らのデビュー作『マンソーの人生讃歌 (原題:Life Traffic Jam)』(VICP-65042 2,100円 ボーナス・トラック5曲追加)のプロデュースを手掛けたのは、Tahiti 80のグザヴィエ・ボワイエとペドロ・ルスンド。

 何も知らずに聴いたらTahiti 80の新作?と思ってしまうほど、楽曲の雰囲気だけでなくヴォーカリストの歌声もそっくりです。

 グザヴィエとの共作「Full Time Job」、MIKAを彷彿とさせる「Lady Killer」、ザ・タヒチ80的なポップ・ソング「Little By Little」、ネオアコ・ナンバー「Take Back」など、軽快で爽やかなサウンドは、初夏の陽気が気持ちのいい、今の時期聴くのにぴったりの一枚です。

 今日のこの1曲は、ソウルの影響も感じられるスロウなナンバー「About It」を。東尾沙紀

2012年6月8日(金) 宮内優里 feat 小山田圭吾 「fida_」

 コーネリアスファンの方、音響インストお好きな方にオススメの1枚!

 高橋幸宏もその才能を認めている(実際に、高橋幸宏+高野寛+権藤知彦とのユニット、TYTYT名義でライヴを行った)ミュージシャン、宮内優里。

 彼が2011年にリリースした前作『ワーキング・ホリデー』(2011年9月5日のこのコーナーでも紹介)は、星野源、原田知世がヴォーカル参加している楽曲も含まれていましたが、新作『トーンアフタートーン』は全曲インスト。(RYECD-130 2,000円)

 なんと、小山田圭吾(コーネリアス)が全面参加しており、エレクトロニカと生音の音色、雰囲気、重なり方は、完全に“コーネリアス”な感じです。

 カヒミ・カリィ、ポート・オブ・ノーツ等を手掛ける神田朋樹がエンジニアを担当。研ぎ澄まされたシャープなサウンドがクール!

 都会の中のオーガニックさを演出するサウンド・スケープ。コーネリアス、pupa好きの方は要チェックですね。森 陽馬

(ちなみに宮内優里の楽曲は全曲、曲名の後に_(アンダーバー)が入っているのです。変換ミスではありませんのでご承知を)

2012年6月9日(土) ビーチ・ボーイズ 「スプリング・ヴァケーション」

 ビーチ・ボーイズのニュー・アルバム『ゴッド・メイド・ザ・ラジオ』が発売され、わがペット・サウンズ・レコードでは好調に売上を伸ばしています。(国内CD TOCP-71311 2,500円)
 当店今週のアルバム・チャート第1位も間違いないでしょう。

 サウンドの方も評判がいいようで、永年のファンとしてはホッと胸をなでおろしています。

 それにしても全曲オリジナルの新曲というのは驚きです。
さすがブライアン・ウィルソン・プロデュース!
作品全体が締まっています。

 店頭で繰り返し聴いていると、この曲が特に気に入ったなぁ、という曲が出てきます。

 現在は4曲目と10曲目がついリピートしたくなってしまう曲になっています。皆さんのお気に入り曲はどの曲でしょうか?

 さて、4曲目「スプリング・ヴァケーション」は、メンバーの再結集を祝うような歌詞が面白いし、なんともビーチ・ボーイズらしいヴォーカルのソロまわしとコーラスが魅力です。

 マイク・ラヴが歌い始め、ブルース・ジョンストンが少し繋いで、アル・ジャーディンが加わり、サビはブライアン・ウィルソンを中心にシング・アロング、という構成。

 こういうマイクの歌い方っていいな、と思って聴いています。森 勉

2012年6月10日(日) ビーチ・ボーイズ 「バック・アゲイン」

 またまたビーチ・ボーイズのNEWアルバムからです。
 ひさしぶりのことですから許してやってください。

 アルバム中で現在特に気に入っている曲の続きです。

 10曲目「バック・アゲイン」(From There To Back Again)。

 この曲はアル・ジャーディンのリード・ヴォーカル。
後半のコーラスは見事で、アルの口笛が絡んでくるエンディングのアレンジが秀逸です。

 演奏もベースやギターの音色にニヤリとしてしまうファンも多いのではないでしょうか。

 この10曲目と11曲目、12曲目は組曲にしても良かったのでは、と思える曲調で並んでおり、アルバムを静かに美しく締めくくってくれます。

 50周年のビーチ・ボーイズ、現在アメリカをツアー中ですが、あと2ヶ月ちょっとで日本にも来てくれます。楽しみですね。

 ちなみに6月2日L.Aハリウッド・ボウルのライヴでは、46曲も披露してくれたそうです。森 勉

2012年6月11日(月) 柴田聡子 「春の小川」

 一度見たら忘れられないインパクトあるジャケットの眼鏡女子は、1986年生まれのシンガーソングライター、柴田聡子。

 高知県四万十に暮らし、都内を拠点にライブ活動を行っている柴田さんの1stアルバム『しばたさとこ島』が6月5日にリリースされました。(TENSAI-002 2,100円)

 今作には三沢洋紀、須藤俊明(ジム・オルーク・バンド/uminekosounds)、山本達久(NATSUMEN)、植野隆司(テニスコーツ)などが参加。

 サビのリフレインが頭から離れない「はだかで踊るのは恥ずかしい」、ポップなメロディながら毒のある詞の「カープファンの子」など独特の雰囲気を放つおもしろい楽曲もあれば、鈴木祥子さんが自身のライブでカバーされている「春の小川」など、アコースティック・ギターを基調とした素朴でかわいらしさもある歌声にも引き込まれます。

 6月25日には吉祥寺キチムでリリースパーティーを開催。
是非彼女のホームページもチェックしてみてください。東尾沙紀

2012年6月12日(火) ニール・ヤング 「Oh Susannah」

 ニール・ヤングの新作『アメリカーナ』が入荷。
(国内CD 大鷹俊一氏による詳細な解説、歌詞・対訳・英文楽曲解説の日本訳付 WPCR-14487 2,580円)

 盟友クレイジー・ホースと組んだオリジナル作品は2003年作『グリーンデイル』以来だから約9年ぶり。アメリカで古くから歌われてきたフォーク/トラディショナルな楽曲をカヴァーしたアルバム、ということで、聴くまでは期待半分不安半分な心持ちでした。

 しかし、CDのプレイボタンを押して聴こえてきたクレイジー・ホースらしいバタバタした音を聴いてビビッときました! 今作はイイですね!

 2010年発表前作『ル・ノイズ』はある意味凄いアルバムながらリピート率は少なめでしたが、今回はニール本人(?)による英文楽曲解説&歌詞の対訳と大鷹さんの解説を熟読しながら聴くほどに味が出てきます。

 単なる懐古趣味的カヴァーではなく、大統領選もある今年、古きアメリカの伝統や歴史の歌を掘り起こすことによって、アメリカ本来の夢や理想を今一度見つめ直そう、という意図が込められているようです。

 1曲目「オー・スザンナ」は、“アメリカ音楽の父”とも称される1800年代の名作曲家、スティーヴン・フォスターが書いたナンバー。

 フォーク・ロックのパイオニアとも言えるティム・ローズがアレンジし、キャス・エリオットが在籍していたザ・ビッグ・スリーが1963年に発表した1曲。ショッキング・ブルーの大ヒット曲「ヴィーナス」の元になったそう。

 いかにもニール&クレイジー・ホースな武骨な演奏がかっこいいですね。森 陽馬

★現在久々にニール・ヤング新聞最新号を製作中。今週末には完成予定です。

2012年6月13日(水) ザ・シルエッツ 「ゲット・ア・ジョブ」

 昨日紹介したニールの新作、かなり気に入ってヘビロテ中です。

 映画『デッドマン』サントラ(1996年ニールが音楽を担当)を一緒にプロデュースしていたジョン・ロンハンというエンジニアが共同プロデュースしており、クレイジー・ホースらしい荒々しい魅力をうまく引き出していますね。

 ニールらしいタイトなロック・アレンジ中心ですが、オールディーズ好きの方にオススメなのがD「Get A Job」のカヴァー。

 オリジナルは4人組ドゥーワップ・グループ、ザ・シルエッツによる1957年ヒット曲。映画『アメリカン・グラフィティ』で使われたことでも有名ですね。

 ♪シャ・ナナナ、シャ・ナナナナ♪のドゥーワップ・コーラス部分。ニール&クレイジー・ホースによる微笑ましいおじさんハーモニーが楽しいナンバーです。森 陽馬


★掲載ジャケットは、ザ・シルエッツ「ゲット・ア・ジョブ」収録、『アメリカン・グラフィティ』のサントラ盤。(国内CD UICY-3558 3,262円)

★ちなみに、ニール・ファンの間で数年前からずっと噂になっていたニール・ヤング自伝本が今秋発売決定! 白夜書房から日本版も発売予定だそうです。

2012年6月14日(木) ザ・なつやすみバンド 「自転車」

 これからの東京インディーズ/J-POPシーンで、新たなムーヴメントを巻き起こしそうな素晴らしいバンド! その名も“ザ・なつやすみバンド”! (『ザ・なつやすみバンド』 TNBCD-1 10曲入 1,600円)

 ナカガワリサ(ヴォーカル、ピアノ)、高木潤(ベース)、ムラノミズキ(ドラムス)、そしてバンドの核とも言えるスティールパンを操るMC sirafuによる4人組バンドです。(MC sirafuはceroのサポートや片想い、うつくしきひかり、というユニットでも活躍中)

 センチメンタルなメロディーラインのピアノ・ポップに、トロピカルかつ清涼感溢れるスティールパンやトランペットが交わるサウンドがとにかく最高!

 原田郁子と山崎ゆかり(空気公団)を足して割ったような女性ヴォーカルも、ほのかに切ない楽曲&詞世界と合っていますね。

 今日のこの1曲は、4曲目「自転車」。
 弾むようなリズム感あるイントロからサビの展開はグッと心を掴まれるはず。一聴しただけで耳から離れなくなるキラー・チューン!

 他の曲も捨て曲なし! 空気公団、ショコラトル、クラムボンなどがお好きな方から、シティ・ポップ好きまで幅広くオススメしたいニューカマーです。森 陽馬

2012年6月15日(金) ビートルズ 「Birthday」

 “ポール・ウェラー来日公演決定!”の嬉しいニュースが舞い込んできました。

 4月にリリースされた最新作『ソニック・キックス』を引っ提げての3年ぶりの来日です。

 日程は、10月22・23・27日Zepp Diver City東京、25日Zepp名古屋、26日Zepp大阪の5日間。今から楽しみですね。

 最近のウェラー関連ニュースは、香川選手移籍で話題の名門チーム、マンチェスター・ユナイテッド58年飛行機事故/チーム復活の実話をもとにした映画『ユナイテッド-ミュンヘンの悲劇-』(日本公開7月7日)で、ウェラーの「Devotion」という曲が主題歌で使われています。

 あともうひとつ、来週18日はポール・マッカートニー70歳の誕生日という事で、ウェラーがお祝いの気持ちを込めてカバーしたビートルズ「Birthday」がitunesのみでリリースされます。
 ちなみに配信は6月18日限定です。東尾沙紀

★掲載ジャケットは「Birthday」収録のビートルズ『ホワイト・アルバム』(国内CD TOCP-71010 3,700円)

2012年6月16日(土) アンダース・オズボーン 「Dancing In The Wind」

 ニール・ヤングの新作『アメリカーナ』が出て、勢いで久々にニール新聞も作成し、今週はすっかりニール・ヤング・モードです。

 カヴァーした楽曲がどうとか、アレンジがこんなだとかというよりも、ニール・ヤング&クレイジー・ホースらしさが全面に出ているのがいいですね。

 さて、今日はニール・ヤングに影響を受けたと思われるこの1曲。

 アンダース・オズボーンはスウェーデン生まれニューオリンズ在住の白人ブルースマン/シンガー・ソングライター。

 彼は以前「OHIO」をカヴァーしたこともあり、元々ニール好きのようですが、先日発売された新作にオリジナル楽曲ながらニールっぽい1曲を発見。(国内CD 『ブラック・アイ・ギャラクシー』 PCD-93549 2,415円)

 9曲目「Dancing In The Wind」。
ニール1994年発表作『スリープス・ウィズ・エンジェル』収録のD「Western Hero」&H「Train Of Love」にそっくりなのです!

 クレジットはアンダース・オズボーン名義ですがサビ部分のメロディーはほとんど同じですね。お持ちの方は是非聴き比べてみてください。森 陽

2012年6月17日(日) フォー・シーズンズ 「サイレンス・イズ・ゴールデン」

 久し振りにフォー・シーズンズのCDが日本で発売されました。(国内CD WPCR-14489 1,980円)

 輸入盤に帯・日本語解説付という形では以前出ていましたが、日本でプレスされたものが出るのは20年ぶりくらい。本当に久し振りです。

 と言っても、新譜とか新しい編集のベストではなく、2001年にライノ・レコードが編集したベスト盤ですが・・・。でも大好きなアーティストの日本盤が出ることはうれしいことです。

 歌詞、そしてその対訳が付いているのも日本盤ならではの良さですね。

 全26曲、グループとしてのヒット曲の他に、フランキー・ヴァリのソロ名義で発売された「君の瞳に恋してる」、「瞳の面影」、「グリース」も収録されています。

 今日は「サイレンス・イズ・ゴールデン」を。

 我々の世代にはイギリスのトレメローズのヴァージョンが有名ですが、このフォー・シーズンズのヴァージョンがオリジナルです。

 1964年の大ヒット「ラグドール」のB面曲でしたが、彼ららしいイイ曲です。森 勉

2012年6月18日(月) Shawn Colvin 「Seven Times The Charm」

 暑くなってきましたね。ちょっと湿っぽい梅雨の店内、個人的に気に入ってよくかけているのがこの1枚。

 アメリカン・ルーツな女性シンガー・ソングライター、ショーン・コルヴィンの新作『All Fall Down』。(輸入CD Nonesuch 7559-79620-7)

 1989年発表遅咲きデビュー作『Steady On』がグラミー受賞した後もマイペースな活動で、寡作ながら毎度味わい深い作品をリリースしている彼女。

 アメリカの良心とも言えるレーベル、Nonesuchから約6年ぶりオリジナル新作となるこのアルバムも、聴くほどに沁みてくる彼女らしい仕上がりでした。

 バディ・ミラーがプロデュースを担当。
ナッシュビル録音ということで、アリソン・クラウス、エミルー・ハリスなどアメリカーナなミュージシャンから、ジェイコブ・ディラン、ブライアン・ブレイド、ビル・フリーゼル等大物ミュージシャンもこぞって参加。決して派手さはないものの、凛とした彼女の歌声を、優しくそして強く支えています。

 特に気に入ったのは4曲目「Seven Times The Charm」。
メロディーが鈴木祥子さんの名曲「忘却」に似てますね。

 とにかくも、2012年アメリカン・ルーツ・アルバムのベスト5には確実に入りそうな傑作です。森 陽馬

2012年6月19日(火) ハンバート・ハンバート×COOL WISE MAN 「ラストダンスは私に」

 梅雨を通り越して、台風直撃となった日本列島。
東京でも19時過ぎから風雨が強くなりどしゃぶりでした。

 窓に付いた水滴を眺めながら、夜は寺尾紗穂『青い月のさよなら』をリピート。聴き込むほどに深みが増してきますね。

 まだ雨が降っていなかった昼間は、紗穂さんと同じミディ・レーベル所属だった(現在はユニバーサル)、ハンバート・ハンバートの今日入荷してきた新作を繰り返しかけていました。

 そのハンバートの新リリースはなんと!日本人スカ・バンド、COOL WISE MANとのコラボ作です。(ハンバート・ハンバート×COOL WISE MAN 『ハンバート・ワイズマン!』 初回DVD付 UPCH-9750 2,415円)

 ハンバートがスカ?、と聴く前は半信半疑でしたがこれは凄い!
ハンバートの音楽観及び佐藤良成&佐野遊穂の歌声と、開放感あるスカのリズムが相性ピッタリ。かっこいいです!

 きっかけは2011年6月に行われた“Shimokitazawa Indie Fanclub”というイベント。一夜限りのスペシャル・コラボのはずがお互いに意気投合しレコーディング決定。
 2005年作『11のみじかい話』に収録されていた「おなじ話」新ヴァージョン、書き下ろし新曲「23時59分」など全5曲。初回DVDにはきっかけとなったShimokitazawa Indie Fanclubのライヴ映像も収録されています。

今日のこの1曲は、ドリフターズで有名な「ラストダンスは私に」カヴァー。
名ソングライター・コンビ、ドク・ポーマス&モート・シューマンによるオールディーズ名曲をゴキゲンなスカ・アレンジで日本語カヴァーしています。森 陽馬

2012年6月20日(水) イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリー 「ラヴ・イズ・ジ・アンサー」

 1970年代に活躍したテキサス出身のデュオ、イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリーのベストCDが発売されました。(国内CD 2012年最新リマスター 解説・歌詞・対訳付 WPCR-14491 1,800円)

 「秋風の恋」(I'd Really Love To See You Tonight)、「眠れぬ夜」(Night Are Forever Without You)、「悲しみのかなたに」(It's Sad To Belong)、 「青春の日々」(Gone To Far)、「愛の旅立ち」(We'll Never Have To Say Goodbye Again)など、1976年以降のヒット曲他、1972年頃日本でヒットした「シーモンの涙」(Simone)も入った全17曲。

 さわやかなAOR風味の歌声と演奏は、エヴァーグリーンな音として現在でも違和感なく聴くことができます。

 「ラヴ・イズ・ジ・アンサー」はトッド・ラングレン(ユートピア)のカヴァーですが、1979年にベスト10ヒットとなった後期の大ヒット曲。

 ちなみにイングランド・ダン(・シールズ)のお兄さんは、シールズ&クロフツのジム・シールズです。森 勉

2012年6月21日(木) 一十三十一 「恋は思いのまま」

 シティ・ポップ、流線形お好きな方は要チェック!

 デビュー10周年になる女性シンガー、一十三十一(ヒトミトイ)の新作『CITY DIVE』が発売になりました。(HBRJ-1004 2,600円)

 プロデュースは流線形のクニモンド瀧口!
(ライナーノーツでは江口寿史とクニモンド瀧口の対談も)

 今までの流線形の作品に比べると、今作は80年代的なシティ・サウンド・アレンジですね。

 3曲目「恋は思いのまま」、イントロのギターやキーボードの音色も80'sなメロウ・グルーヴな雰囲気♪ 週末の夜都会をドライヴしながら聴きたい1枚。

 ノーナリーヴスの新作カヴァー・アルバム等をリリースしているビルボード・レコードからの発売。9月2日にはビルボードライヴ東京にて発売記念ライヴも行われるようです。森 陽馬

2012年6月22日(金) サラ・ガザレク 「The Luckiest」

 先日、ウッディ・アレン監督映画『ミッドナイト・イン・パリ』を鑑賞。

 いやーー、これは面白かった!
さすが、アカデミーで脚本賞を受賞しただけあって、ウッディ・アレン監督映画の中でもベスト3に入るのでは?と思えるくらい満足度が高い作品でした。

 フィッツジェラルドやピカソ、ダリ、はたまたコール・ポーター(映画内では「Let's Do It」が印象的に使われています)などがパリで活動していた時代へタイムスリップする、というストーリー。

 そのエスプリが効いた展開も楽しいのですが、「昔は良かった」と考えるばかりの懐古主義ではなく“今の時代”を生きる、という主旨が描かれていた点に感銘を受けました。

 ウッディ・アレンの映画は苦手、という方も今作はデート・ムービー(?)としてオススメです。

 ということで、本来なら「Let's Do It」を紹介するべきでしょうが、昔の盤ではなくて今のミュージシャンの新しい作品を紹介することにしましょう。

 サラ・ガザレクはアメリカの女性ジャズ・シンガー。
彼女が参加したトリオセンス・ミーツ・サラ・ガザレク名義の2010年作は、個人的にその年のベスト・アルバムに挙げたほど気に入っていた1枚でしたが、今回の久々5年ぶりソロ3rdも素晴らしい仕上がり。(サラ・ガザレク 『花とミツバチ 〜ブロッサムへ』 国内CD YMCJ-10014 2,625円)

 ブロッサム・ディアリーへの想いをスタンダード中心の選曲で表現したジャズ・ヴォーカル作。

 意外なのは4曲目「The Luckiest」。

 あのピアノ・ポップ・ミュージシャン、ベン・フォールズの2001年作『ロッキン・ザ・サバーブス』に収録されていた曲のカヴァー。
 彼女自身の結婚式でこの曲を使用したり、歌詞を自らの腕にタトゥーで彫る(ジャケットにも映っています)くらい、気に入っている曲だそうです。森 陽馬

2012年6月23日(土) ミンディ・グレッドヒル 「California」

 赤い傘を持った女性のジャケットが素敵なこちらのアルバムは、カリフォルニア出身のシンガーソングライター、ミンディ・グレッドヒルの『ANCHOR』(国内CD VSCD-9415 2,100円)。

 マイア・ヒラサワやイナラ・ジョージを連想させるキュートな歌声と、アコースティック・ギターやピアノを基本としたシンプルな演奏で、愛らしいポップ・ソングを聴かせてくれます。

 彼女の故郷がタイトルとなっている@「カリフォルニア」は、歌詞の中にニューヨークやロンドン、パリなど都市の名前が登場。
 のんびりとしたバンジョーから始まり、だんだんとポップさを増してゆくオープニングに相応しい晴れやかなメロディーの一曲です。

 他にもウクレレを使用した楽曲もあり、和ませてくれます。東尾沙紀

2012年6月24日(日) ジョン・ピザレリ 「アイ・フィール・ファイン/サイドワインダー」

 一昨日22日に紹介したサラ・ガザレクの新作にも参加していた名ジャズ・ギタリスト、ジョン・ピザレリ。

 彼の新作『ダブル・エクスポージャー』は、ロック/ポップスの名曲をカヴァーしたアルバム。ジャズ・ファンでない方にもオススメの1枚です。(国内CD UCCT-1237 2,600円)

 ニール・ヤング「ハーヴェスト・ムーン」、エルヴィス・コステロ「アリソン」、ジョニ・ミッチェル「パリの自由人」、リーバー&ストーラー作「ルビー・ベイビー」の他、オールマン・ブラザーズ・バンド「エリザベス・リードの追憶」など、ジャズ・ミュージシャンにカヴァーされたことがないような珍しい曲も取り上げています。

 どれもジョン・ピザレリの小粋なギターと歌声がイイですね。

 面白いのは1曲目「アイ・フィール・ファイン/サイドワインダー」。

 リー・モーガンで有名なジャズ名曲「サイドワインダー」の演奏をバックに、ビートルズ「アイ・フィール・ファイン」を歌う、というオリジナリティあるジャズ・フィーリングを加えたカヴァーです。森 陽馬

2012年6月25日(月) フィフス・アヴェニュー・バンド 「カントリー・タイム・ライムス」

 ワーナー・ミュージック・ジャパンから出ている<フォエヴァー・ヤング・シリーズ>は、メジャーな大物アーティストからマイナーなものまで名盤・名作の宝庫です。

今日はその豊富なラインナップからフィフス・アヴェニュー・バンド。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-75399 1,800円)

 アメリカでは1969年に発売されましたが、知る人ぞ知る東海岸のバンドという感じでした。
 それが1970年代前半、日本人渋好み洋楽ファンに知れ、ロック喫茶などでも少し話題になっていきました。

 山下達郎、大貫妙子が在籍していたシュガーベイブが推薦するレコードとしても、少ないファンの間でクチコミで広がっていました。

 70年代半ば、日本のワーナーが<ロック名盤シリーズ>の1枚としてジョン・サイモン、ジェシ・ウィンチェスターと一緒に再発してくれた時はうれしかったですね。
 それ以来日本では定番として、CDの時代になってからもずっとカタログに残っている隠れ名盤の1枚です。

 後に「ブギー・ワンダーランド」(EW&F)、「クレイジー・フォー・ユー」(マドンナ)を作って大出世することになるジョン・リンドがメンバーにいたり、ピーター・ゴールウェイ、ケニー・アルトマンがいたりで、フィフス・アヴェニュー・バンドの名前はの名はそれなりに知られるようになりました。

 がもっと多くの人に知ってもらいたいので、"今日のこの1曲”再登場。

 今日はピーター・ゴールウェイ作品のD「カントリー・タイム・ライムス」。
なんともいかしたスローな自然派ラヴ・ソングです。森 勉

2012年6月26日(火) ジョン・メイヤー 「Queen Of California」

♪ニール・ヤングが1971年「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」でこだわっていた太陽を探すんだ♪

♪海辺の家で「ブルー」を書いたジョニ。そこには僕を自由にしてくれる別の色があることを僕は信じている♪
(ジョン・メイヤー「Queen Of California」の歌詞より)

 現代3大ギタリストに名を連ねるジョン・メイヤーの新作『Born And Raised』国内盤が本日入荷。(国内ボーナス・トラック1曲追加 解説・歌詞・対訳付 SICP-3528 2,520円)

 スティーヴィー・レイヴォーン似の歌声と豪放かつ的確なギターテクニックが持ち味の彼ですが、今作はブルース色がほとんどなく、70'sシンガー・ソングライター的なレイドバックしたサウンド・アレンジ。

 ライナーノーツによると、前作『バトル・スタディーズ』ツアー中&今作の制作に取り掛かる間、ニール・ヤング「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」などを聴いていたようです。

 その影響もあってか、6曲目「Born And Raised」ではデヴィッド・クロスビー&グラハム・ナッシュがコーラス参加。7曲目「If I Ever Get Around To Living」はCSN「Wooden Ships」に影響を受けて書いた曲だったり、チャック・リーヴェルやグレッグ・リーズ、ジム・ケルトナーなど70'sから活躍している重鎮セッション・ミュージシャンが参加しています。

 70'sシンガー・ソングライターに根ざした作品ながら古臭く感じないのは、共同プロデューサー、ドン・ウォズの手腕もあるのでしょう。
 昨年のテデスキ・トラックス・バンド『レヴェレイター』と並んで、<2010年代アメリカン・ロック名盤>と評されるアルバムとなりそうです。

 現在は喉の病気・手術から音楽活動を休養している彼ですが、喉が治り次第更に新しいアルバム作りと久々のツアーを開始する予定とのこと。また日本にも来て元気な姿を見せてもらいたいですね。森 陽馬

2012年6月27日(水) Sara Watkins 「You're The One I Love」 feat Fiona Apple

 昨日取り上げたジョン・メイヤーの新作にヴォーカル&ヴァイオリンで参加しているサラ・ワトキンス。

 2000年代活躍していたカントリーユニット、ニッケル・クリークのヴォーカリスト&フィドル奏者だった彼女の新作ソロ2ndを今日は紹介しましょう。(輸入CD 『Sun Midnight Sun』 Nonesuch 530684-2)

 2009年発表1stはレッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズがプロデュースを手掛けていましたが、今作は男性シンガー・ソングライター、ブレイク・ミルズが担当。

 シェリル・クロウをかわいくした感じの魅力的な歌声と、彼女のルーツとなっているカントリー&活き活きとした現代アメリカン・ルーツ・ロック・サウンドが見事に調和した快作に仕上がっています。

 なんと、ジャクソン・ブラウンが3曲もコーラス参加。
更にはトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのキーボード奏者であるベンモント・テンチも参加し、一本芯が通ったネオ・カントリー・ロックに彩りを添えてます。

 今日のこの1曲はエヴァリー・ブラザーズで有名な「You're The One I Love」のカヴァー。久々に復活する女性シンガー・ソングライター、フィオナ・アップルの歌声が聴けるのもうれしいですね。森 陽馬

2012年6月28日(木) Chuck Leavell 「Boots And Shoe」

 昨日に続いて、ジョン・メイヤーの新作に参加していたミュージシャンから、チャック・リーヴェル快心の新作をご紹介。

 チャック・リーヴェルは、1970年代にオールマン・ブラザーズ・バンド、80年代以降はローリング・ストーンズのツアー・キーボーディストとして有名。それ以外でもエリック・クラプトンやジョージ・ハリスン等数多くの名ステージを務めてきた名キーボード奏者です。

 今年60歳になった彼がリリースしたのが今作『Back To The Woods』。(国内仕様CD 越谷政義氏による日本語解説付 BSMF-2292 2,300円)

 副題『a tribute to the pioneers of blues piano』とある通り、彼が敬愛する1920〜50年代に活躍していた名ブルースマンのピアノ曲を彼流にカヴァーしたブルース作。

 これがかなりゴキゲン! アーシーなブルース、転がるブルース・ピアノ好きの方は必聴ですね。

 キース・リチャーズ、ジョン・メイヤー、キャンディ・ステイトンも参加!
今日のこの1曲「Boots And Shoe」(オーティス・スパンのカヴァー)では、ジョン・メイヤーとキースが揃い踏み。ブルージーなギター・ソロを聴かせてます。

 そしてなんといっても、チャック・リーヴェルのピアノ・ソロ、渋い歌声がとにかく最高! 夏の夜聴くブルース、オススメの1枚です。森 陽馬

2012年6月29日(金) Counting Crows 「The Ballad Of El Goodo」

 90年代から活動しているアメリカの正統派ロック・バンド、カウンティング・クロウズ。

 2012年に入りリリースされた最新作は全編カバーアルバム。(『Underwater Sunshine (Or What We Did On Our Summer Vacation)』 輸入CD CS013-2)

 バーズ/ボブ・ディラン&ザ・バンドで有名な「You Ain't Goin' Nowhere」、フェアポート・コンベンション「Meet On The Ledge」、フェイセズ「Ooh La La」、グラム・パーソンズ「Return Of The Grievous Angel」等60〜70年代の楽曲から、意外なところではトラヴィスやティーンエイジ・ファンクラブのグラスゴー・ポップ、DawesやKasey Andersonなど新世代ミュージシャンの曲も色々取り上げています。

 中でもアルバム最後を飾るビッグ・スター「The Ballad Of El Goodo」。

 73年発表1st『#1 Record』に収録されていた名曲を、こちらも美しいハーモニーで聴かせ、シンプルにカバーしています。

 ニール・ヤングっぽいギターを聴かせるThe Romany Ryeというバンドの「Untitled (Love Song)」。こちらも注目の一曲です。東尾沙紀

2012年6月30日(土) Santo & Johnny 「Sleepwalk」

 兄サント・ファリーナのスティール・ギターと弟ジョニー・ファリーナのエレキ・ギター(主にリズム・ギターを担当)によるインスト・デュオ、サント&ジョニー。

 彼等は1959年夏に大ヒットしたこの「スリープウォーク」によって音楽史に残る存在となりました。

 なんとも夢見心地のメロディーと揺れる音が魅力のスティール・ギター音が絶妙にブレンドして名曲を作り上げています。

この曲を聴くと、どうしてこんな切ない気持ちになるんでしょうか?

この曲を聴くと、どうして夏の海を想い出すのでしょうか?

この曲を聴くと、どうして静かな波の音も聴こえてくるのでしょうか?

この曲を聴くと、どうして・・・。

 このCDはカナディアン・アメリカ・レーベルから1959年に発売された1枚目と2枚目のアルバムを1枚のCDに収めた全24曲入り。(輸入CD JASMINE JASCD-164)

 「スリープウォーク」の他、「サマータイム」、「ブルー・ムーン」、「テンダリー」、「オーヴァー・ザ・レインボー」、「ユー・ビロング・トゥ・ミー」などスタンダード名曲が彼らならではのスタイルで楽しめます。森 勉






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