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  今日のこの1曲 “Archives”

<2016月7月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2016年7月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2016年7月1日(金) Leyla McCalla 「Fey-O」 (Feuilles-O/木の葉は落ちて)

♪フェイ・オー、ソヴェ・ラ・ヴィ・ヌォ~♪

キャロライナ・チョコレート・ドロップスのツアー・メンバー/チェロ、バンジョー、ギター奏者として活躍するニューオリンズ在住女性フレンチ・クレオール・ミュージシャン、レイラ・マッカラ。

リアノン・ギデンズ、マーク・リーボウも参加している2016年発表2ndアルバム『A Day For The Hunter, A Day For The Prey』が発売。(輸入CD JV570116 / 輸入LP JV33570116)

その11曲目、古くから伝わるハイチ民謡のカヴァー「Fey-O」が収録されています。

冒頭のフレーズはこの楽曲の歌い出し部分なのですが、どこかで聴いたことがある!?、と感じた方も多いはず。

そう、この歌はサイモン&ガーファンクル、そしてアート・ガーファンクルが歌っていたことで知られる「木の葉は落ちて」(原題:Feuilles-O)ですね。

ハイチ黒人奴隷の悲哀が深く伝わってくるこの1曲。
レイラ・マッカラ独自のアメリカーナなアレンジで聴かせます。森 陽馬


2016年7月2日(土) Jake Bugg 「The Love We're Hoping For」

今月末開催のフジロック初日、グリーン・ステージに立つ予定の英国SSW、ジェイク・バグ。

2013年発表『シャングリ・ラ』以来となる新作3rd『オン・マイ・オウン』が先日発売になりました。
(国内CD 日本盤ボーナス・トラック2曲追加 UICR-1123 2,500円+税)

リック・ルービン・プロデュースの前作は直球なロックン・ロール・アルバムでしたが、今作は初セルフ・プロデュースで、デジタル・サウンドあり、ソウルあり、ラップあり...と前2作とはまた違った一面が見られる意欲作!

デジタルなビートで畳み掛ける「Gimme The Love」(リード曲)を最初に聴いた時は、ちょっと違和感もありましたが、従来の彼らしいルーツ・ロック/フォーク・ナンバーもあり、曲のクオリティ、そして歌の表現力が増して、トータル的にとても良いアルバムだと思います。

アメリカ「名前のない馬」を彷彿とさせる「The Love We're Hoping For」、エレキ・ギターが爆発する「Bitter Salt」が個人的にお気に入りです。

日本盤ボーナス・トラックのピアノ・バラード「Waiting」も美しい曲です。

枯れた雰囲気も良いですが、まだ22歳。
様々な試みで聴く者を驚かせていってほしいです。東尾沙紀


2016年7月3日(日) ダニー&ザ・メモリーズ 「Can't Help Lovin' That Girl Of Mine」

今日は『ゴー・アウェイ・リトル・ガール~ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツVol.2』で御機嫌伺いさせていただきたいと思います。(国内CD 日本語解説・歌詞付 WPCR-17099 1,600円+税)

早速恒例のベスト3。

第3位 ストッパーズ「Come Back Baby」
初めて聴きましたが、ナイス・ソフト・スウィート・ソウル・R&Bです。
1966年発表、世界初CD化。

第2位 トニー・オーランド「Think Before You Act」
アトコ・レーベルからのシングル曲。1965年発表。
聴いてすぐわかるテディ・ランダッツォ作品。これも初CD化。

第1位 ダニー&ザ・メモリーズ「Can't Help Lovin' That Girl Of Mine」
1964年ヴァリアントからのシングル曲。
メンバーはダニー・ウィットン、ビリー・タルボット、ラルフ・モリーナの3人。
その後ニール・ヤングと共に轟音を売りにすることとなるクレイジー・ホースの原型なのですね。
素晴らしいホワイト・ドゥーワップに仕上がっています。

その他、日本初CD化のイイ曲めじろ押し全25曲。
CDタイトルになった「ゴー・アウェイ・リトル・ガール」を歌っているハプニングスを単独CD化して欲しいですね。
ベストでもなんでもいいので...、よろしくお願いします。森 勉


2016年7月4日(月) ロマン・アンドレン 「Rain king」

7月に入り真夏の暑さ、そして本日は久々のゲリラ豪雨。

東京では梅雨入り後も雨が少なかったので、このコーナーで“雨”の曲を取り上げていませんでしたね。

ということで、“Rain”が付く新しい曲を今日のこの1曲で。

ロマン・アンドレン(Roman Andren)『Rain King』
(国内CD 解説付 PCD-93799 2,300円+税)

ロマン・アンドレンは“スウェーデンのデオダート”とも評されているキーボーディスト/ミュージシャン。
2008年発表作『ファニータ』(
2008年2月18日今日のこの1曲で紹介)は、00年代に出た全ジャンル作品中でも10本指に入る名盤だと断言したい素晴らしい1枚でした。

その後もコンスタントに作品を発表しており、今作『Rain King』は約3年ぶり通算8作目となるアルバムです。

カカラカ・バンドというスウェーデンの総勢11人アフロ・ビート・バンドを従え、ブラジリアン・フュージョンとアフロ・ファンクの要素をミックスしたサウンドを聴かせる躍動感ある仕上がり。

特に3曲目「It's A Beautiful Day」、5曲目「Rain King」、かっこいい!

ライヴで聴いたらもっと良さそうな予感がします。
2009年来日公演が印象深かったのでまた来てもらいたいなあ。森 陽馬


2016年7月5日(火) 空気公団 「新しい道」

PET SOUNDS RECORD2012年ベストにも選出したお気に入りグループ、ザ・なつやすみバンド。

7月20日発売新作3rdアルバムに当店のみの特典!オリジナル・ジャケット・マグネット付が決定しました。
←31mm丸型ジャケット・デザイン・マグネットです♪

今年はフジ・ロック出演が決まり、じわじわと知名度も上がってきていますね。
待望の新作、期待して待ちたいと思います。

さて、そのザ・なつやすみバンドのリーダーであり、スティール・パンを担当しているMC.Sirafu。
様々なセッションでイイ仕事をしている彼が参加しているこの1曲。

空気公団「新しい道」
(2016年7月6日発売アルバム『ダブル』10曲目に収録 DDCZ-2095 3,056円+税)

山崎ゆかりの優しい歌声と、MC.Sirafuらしいセンチメンタルなスティール・パンの音色は相性抜群。
初夏の爽やかな風を運んでくれます。

なお、空気公団の今作『ダブル』には今までにないくらい多彩なゲストが参加。
中村一義とのデュエット曲③「つながっている」、ノーナ・リーヴス奥田健介参加の空気公団流歌謡曲⑦「マスターの珈琲」、タブラ奏者U-zhaan参加⑧「知らない街へ行こう」など、空気公団の新境地を随所に感じられる内容です。森 陽馬


2016年7月6日(水) Heads Hands & Feet 「Song And Dance」

ユニバーサル名盤発見伝シリーズから、イギリスのギタリスト、アルバート・リー関連作品が再発になりました。

カントリー・ギターの名手、エリック・クラプトンのバックを一時期務めていた事でもギター・ファンの方の間では有名かと思いますが、私が最初に名前を知ったのはヘッズ・ハンズ&フィートのメンバーとしてでした。

軽妙なカントリーから美しいバラード、ブルース、スワンプ、ファンキーなテイストも加味された70年代の英国産ロック・バンド。

1stと2ndが2016年リマスターで再発されたので、今回は日本初CD化となる汽車の絵が印象的な72年発表2nd『Tracks』からこの1曲を。(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-15531 1,800円+税)

今作の中で数少ないアルバート・リー作、リード・ヴォーカルも担当した「Song And Dance」。

5分半ほどの曲の中で、速弾きを交えた軽やかなピッキング/ギター・ソロが堪能できる1曲です。
ギターは勿論のこと、ちょっとハスキーで味のある歌声も魅力的です。

シングル曲「Warming Up The Band」とそのB面曲だった「Silver Mine」もボーナス・トラックとして追加収録されています。東尾沙紀


2016年7月7日(木) 山田稔明 「Qui La Laの夏物語」

「青春」という言葉を外国人に説明しようとしたことが以前ありました。

日本語(漢字)はたった2文字なのに、言葉にするとなんとも表現できず、その時は良い英訳が思いつかなかった記憶があります。

単純に「young days」でも良いのかもしれませんが、日本特有の「青春」には言葉以上の意味が色々と含まれているように感じるのです。

さて、当店が応援している男性シンガー・ソングライター、山田稔明。
2016年発表新作『みずいろの時代』が本日発売されました。(GTHC-0008 2,500円+税)

2013年『新しい青の時代』、2014年『緑の時代』、2015年愛猫へ捧げた『the loved one』を挟み、2016年は『みずいろの時代』。

<山田稔明自身の「音楽的青春期=みずいろの時代」を綴った群像劇>
と自身で銘打っているように、1993年彼が19歳の時に初めて書いたオリジナル曲⑥「スミス」から、深夜コンビニでアルバイトしている頃に書かれたという③「ナイトライフ」など、山田稔明の「青春」が詰まった全10曲。

七夕である今日のこの1曲は、♪織姫と彦星♪という歌詞も出てくる⑩「Qui La Laの夏物語」。

中村佑介のイラストからイメージされ2014年に作られたというこの曲。
一度聴くと何度も脳内でリフレインするような素晴らしい青春讃歌。
彼はまだ「青春」真っ只中なんだな、と実感できます。

そう、「青春」というのは、年令の若さや過去の事象ではなく、
「あるベクトルに向かっている時の心象そのもの」なのかもしれませんね。森 陽馬


2016年7月8日(金) Peter James 「People Say」

『カリフォルニア・サン~ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツ Vol.3』もイイ曲揃ってます。
(国内CD 日本語解説・歌詞付 WPCR-17100 1,600円+税)

それにしても全25曲、楽曲への興味が広がる詳細な解説&歌詞を掲載した28ページほどのブックレット、音の方は最新リマスター、それで1,600円+税というお財布にやさしい価格。うれしいですね。

今日も悩みながら3曲選んでみました。

第3位 トゥーツ・シールマンス「Bluesette」
こんなタイプの曲も楽しめるのがこのシリーズのいいところ。
口笛とギターのユニゾン、オシャレな曲です。1964年発表。

第2位 トビン・マシューズ「Don't Make Faces」
白人無名歌手ですが、曲はボブ・ゴーディオ&サンデー・リンツァー。アレンジはデニー・ランデルと筋金入り。

第1位 ピーター・ジェイムス「People Say」
アンドリュー・オールダム作品。彼のオーケストラのアレンジも担当していたデヴィッド・ウィテカーが指示しただろう木琴の連打が面白い効果をあげています。森 勉


2016年7月9日(土) ジャヴァン 「SAMURAI」

ここ最近、深夜はウィンブルドン・テニス観戦三昧。
つい見入ってしまうんですよね。(フェデラー惜しかったなぁー)

リオ・オリンピックも8月5日開会式まであと1か月を切りました。

今夏はブラジル・ブーム!?ということで、ブラジル音楽の名盤が安い値段で色々再発されています。

今日はソニーからリリースされた<BRASIL COLLECTION 1000>シリーズから、オススメのこの1枚。

ジャヴァン『ルース (光)』
(国内CD 期間生産限定盤 日本語解説付 SICP-4817 1,000円+税)

ブラジルの男性シンガー・ソングライター、ジャヴァン。
1982年発表5thアルバムはアメリカの名キーボーディスト、ロニー・フォスターがプロデュースを担当。

ハーヴィー・メイスン(Ds)、ポール・ジャクソンJr(G)、ホルヘ・ダルト(P)、ヒューバート・ローズ(Flute)、アーニー・ワッツ(sax)、エイブラハム・ラボリエル(B)、ラウル・デ・スーザ他豪華バック・メンツ。
極上のブラジリアン・オーガニック・ポップスを聴かせる名盤です。

中でも、聴きものは1曲目「SAMURAI」!
この曲のハーモニカ・ソロはスティーヴィー・ワンダー!

ブラジルものはあまり持っていない、という方にも推薦の心地良いブラジリアン・ブリージン・ファンク・ポップ♪
これが1,000円ですからね。買っておいて損はないと思います。

ちなみに、発売当時は日本独自の鳥ジャケでしたが、今回はジャヴァンが映っているこのオリジナル・ジャケットで再CD化されました。森 陽馬



2016年7月10日(日) ケニー・リンチ 「The Drifter」

『イエス・アイ・ウィル~ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツ Vol.4』はブリティッシュものに特化した1枚。
(国内CD 日本語解説・歌詞付 WPCR-17101 1,600円+税)

相変わらずイイ曲満載で何回も聴きたくなる曲が目白押しです。

ということで、今回もツボを押さえていこうと思います。

第3位 ダニー・ウィリアムス「Don't Just Stand There」
1964年ヒット「ホワイト・オン・ホワイト」で知られる黒人歌手の1966年シングル曲。
パティ・デュークが放った1965年ヒットのカヴァー。

第3位同率 ノーミー・ロウ「It's Not Easy」
オーストラリアで活躍した歌手のイギリス録音。
バリー・マン作品のウォール・オブ・サウンド・アプローチ。なんとも聴き入ってしまいます。

第2位 リチャード・アンソニー「You Gave Me Somebody To Love」
6月30日『マジック・タウン~ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツVol.1』紹介の際、第2位として取り上げた曲がオリジナル。イギリスのポップ・シンガーによるカヴァーですが、スペクターサウンド・ファンにはたまらない1曲。
歌も含めて全体のオーケストレーションが素晴らしい出来。

第1位 ケニー・リンチ「The Drifter」
ロジャー・ニコルス&ポール・ウィリアムス作品をナイス・カヴァー。
ケニーは60年代イギリスで人気のあったコメディアンで、ポール・マッカートニー&ウィングス「バンド・オン・ザ・ラン」のジャケットにも登場しています。(左から2番目の黒人がケニーです)

この3曲以外にもピーター&ゴードン、ホリーズ、クリフ・リチャードなどが抜群の選曲で、このコンピを聴きやすいものにしてくれています。森 勉


2016年7月11日(月) 地獄図(ヘルズ) 「天国 -Band Version-」

宮藤官九郎監督映画最新作『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』を観ました。

♪トゥーヤング トゥーダイ!トゥーヤング トゥーダイ~♪
鑑賞以降、主題歌「TOO YOUNG TO DIE!」がグルグルと頭の中を巡っています。

クドカン監督が好きなようにやってやった!感たっぷりやりたい放題な内容で、笑いあり、ホロっとさせる場面もあり、終盤は思いがけず胸がギューっと切なくなる映画でした。

監督のロック愛溢れるネタも満載ですし、地獄の世界観、小道具、キラーK(長瀬智也)ほか濃いぃキャラクター陣は勿論、木村充揮、Char、野村義男、ROLLY、マーティン・フリードマン、シシド・カフカ他ミュージシャンの出演も楽しくて♪

映画公開とほぼ同時に発売されたサウンド・トラックも、KYONO(元マッド・カプセル・マーケッツ)、向井秀徳ら作による多彩な楽曲がたっぷり収録されています。
(2WAYジャケ仕様/地獄の歌詞巡りすごろく封入 JACA-5494 2,500円+税)

テンションの高い主題歌も良いですが、向井秀徳・作「天国」もとてもシンプルな歌詞・メロディなのに、グッとくる曲なのです。

サントラにはボーナス・トラックとして、向井さんが歌うバージョンも収録されています。東尾沙紀


2016年7月12日(火) Sing Street 「Drive It Like You Stole It」

昨日に続いて映画の話題。
映画『シング・ストリート 未来へのうた』を渋谷シネクイントにて鑑賞。

『ONCE ダブリンの街角で』、『はじまりのうた』を手掛けたジョン・カーニー監督による自伝的青春音楽映画。

舞台は1985年アイルランド/ダブリン、
主人公は高校生、
女の子の気を引くためにバンドを始める、
という今の自分とは全く同期しないストーリーながら、ワクワクドキドキ胸キュンしちゃいましたね。

特に、「Drive It Like You Stole it」がかかる場面。

主人公の妄想が1985年公開映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に出てくる華やかなアメリカ学生パーティーの如く映像化され、キラキラとした多幸感と切ない現実の狭間がその楽曲と見事シンクロ。

ホント、ココだけでももう1度映画館で観たくなるくらい、涙が出そうなほど感動した場面&1曲でしたね。

なお、高校生たちが演奏するオリジナル楽曲は、80'sスコットランドのバンド、ダニー・ウィルソンに在籍していたGary Clarkが作曲を担当。
映画内ではデュランデュラン、キュアー、スパンダー・バレエ、ジャム等80年代音楽が多く使われ、思春期の新たな一歩に鮮やかな彩りを添えています。森 陽馬


★掲載ジャケットは「Drive It Like You Stole It」他オリジナル曲、及び劇中歌も収録されたサントラ盤。
(国内CD 解説・歌詞対訳付 UCCU-1521 2,500円+税)


2016年7月13日(水) マイクロスター 「She Got The Blues」

マイクロスター7月20日発売待望の新作『SHE GOT THE BLUES』。

PET SOUNDS RECORDのみの3大特典が決定しました!

★特典CDR『microstar unlimited orchestra』
(「私たちは恋をする」、「She Got The Blues」の完全未発表インスト収録)

★ジャケット・デザイン特製マグネット
(高瀬康一氏による素晴らしいジャケット・デザインを使用した4cm四角マグネット)

★当店独占インタビュー・リーフレット
(佐藤清喜さん、飯泉裕子さんに制作秘話をタップリ語っていただきました。これをご覧になれば、新作を絶対により楽しめます!)

特典はさておき、マイクロスターのこの新作自体が本当に素晴らしいアルバムなのですよ!

特にアルバム・タイトル曲「She Got The Blues」。

個人的に「2016年No.1ソング」確定!と断言してしまいましょう!

先日この曲をイヤフォンで聴きながら渋谷の雑踏を歩いたら、涙出そうになってしまいましたね。
ホント、これは名曲!

当店特典CDRでインスト・ヴァージョンも聴けますので、そちらも是非聴いてもらいたいです。森 陽馬

★9月10日(土)当店地下アゲインにて、マイクロスター発売記念イベントも開催決定しました。
詳細は後日発表予定です。


2016年7月14日(木) ダブス 「チャペル・オブ・ドリームス」

<あのレコードの音が聞こえる!!
ワーナー・オールディーズ・ポップ・シングルの名作101曲があの素晴らしいパワフルなアナログ・レコードの音で楽しめます。幾多のオールディーズ・コンピとは一線を画す新型プロダクト>

上記は、帯に記載の文章をそのまま使用させていただきました。

『ワーナー・ゴールデン・シングルズ』4枚組CD 全101曲収録。
カラー・フォトギャラリー、解説・歌詞付 72ページ豪華ブックレット封入!
(国内CD ワーナー・ミュージック WPCR-17136 8,000円+税)

60's音楽ファンには、またまたうれしいCDが出ました。
50's音源も少し含まれていますが、大半は今から50年ほど前のミドル60's極上シングル・ヒット曲が4枚のCDにタップリ収録されています。

ドゥワップ、ロックンロール、ガール・ポップス、ソウル、アメリカン、ビート・グループ、ブリティッシュ・ビート、インストなどなど、安心して聴ける楽曲ばかりです。
音も前述のようにオリジナル・シングル盤をCDで聴けるという仕組みで、迫力あるオリジナル・シングルの良さを存分に感じながら名曲を再認識できます。
原体験派はもちろん、詳しくはないけれど60'sポップスに興味がある方にもオススメです。

詳細な曲目解説とデータ、そしてカラーによるシングル・ジャケット写真がその魅力の核心に誘ってくれます。
(ジャケット&ブックレットのデザインは、マイクロスターを手掛けている高瀬康一さん)

サンデー・ソングブックでオンエアされるオールディーズは気にかかる曲が多い、という方には是非1セット。

ということで今日のこの1曲。
イイ曲が101曲も入っているので目移りしますが、サンソンの話題が出たのでこのドゥワップ名曲を。

ディスク1の9曲目に入っているダブス。
1959年全米チャート74位「チャペル・オブ・ドリームス」! 森 勉


2016年7月15日(金) Bo Cooper (ロン・ダンテ) 「Don't Call It Love」

長門芳郎さん監修・選曲・解説による『ベスト・オブ・パイド・パイパー・デイズ』というコンピレーションCDが発売されました。
(国内CD ソニー SICP-30935 2,000円+税)

年代的には1960年代中期から1970年代中期までの曲が収められ、<時代を越えて聴かれるべきグッド・ミュージック>という『パイド・パイパー・ハウス』の精神にのっとった全24曲収録。
選曲者のセンスが光っています。

アルゾで始まって、フィフス・アヴェニュー・バンド在籍だったジョン・リンドの曲で締めるなんて、なんとも長門さんらしいコンピです。

1969年にバーナード・パーディが出したグルーヴィーなインスト曲や、1967年にジア・マテオという今でも詳細不明な女の子によるナイス・ガールポップ曲、1965年ケニー・ランキンが初期に録音した美しいバラード曲など、シングルでしか発売されなかった滅多に聴けないレアものも収録されています。

今日は19曲目に入っているボ・クーパー「ドント・コール・イット・ラヴ」。

聴き慣れないアーティストですが、実体はアーチーズやカフ・リンクスのリード・ヴォーカルだったロン・ダンテ!
1974年のシングル・オンリー曲、世界初CD化!
なんとも良質なポップスです。

なお、長門さんのペンによる本『パイド・パイパー・デイズ 私的音楽回想録 1972-1989』(リットー・ミュージック 2,400円+税)も発売中。当店にも入荷しています。

長門さん、素敵なコンピCDと書籍をありがとう! 森 勉


2016年7月16日(土) Los Stellarians 「Crystal Blue Persuasion」

メイヤー・ホーソーンなど、新世代ソウルお好きな方にオススメ!

ロス・ステラリアンズは、80年代後半に結成され現在も活動中のミクスチャーバンド311のメンバーでヴォーカルのSAマルティネスと、殆どの楽器を担当するライアン・シーゲルによるカリフォルニア発ソウル・ユニット。

日本デビュー盤となる今作『ロス・ステラリアンズ』は、本国で2014年に発表された1st『Cholo Soul』、2015年の2nd『The Mas Chingon』の2作品を編集、未発表曲もプラスされています。
(国内CD 日本語解説付 BBQ107CD 2,300円+税)

ファルセットも聴かせるSAマルティネスの歌声が爽やか。
アレンジともにコテコテになりすぎず、とてもキャッチーです♪

シティ・ポップ好きな方にもオススメのサウンドです。

ソウルのコレクターだというメンバーらしく、知る人ぞ知るソウルのカバー(ダロンド、チョイス・オブ・カラー、ジョン・バターンetc...)ほか、ザ・スミス「Heaven Knows I'm Miserable Now」、トミー・ジェイムス&ザ・ションデルズ「Crystal Blue Persuasion」なんて曲も軽快な雰囲気でカバーしています。東尾沙紀


2016年7月17日(日) Dee Dee Warwick 「I'm Gonna Make You Love Me」

ワーナーのオールディーズ強力コンピ<ナゲッツ・シリーズ>に気を取られていたら、イギリスACEレーベルお得意の<ソングライター・シリーズ>新コンピの紹介が遅れてしまいました。

待望のジェリー・ロス作品集の登場です。

『The Songs Of Jerry Ross ~Some Kinda Magic』
(輸入CD ACE CDTOP-1475)

さすがACEレーベル、イイ仕事しています。

ジェリー・ロスはプロデューサー/ソングライターであり、レーベル・オーナーでもあった白人の音楽粋人。
この作品集は1964~70年の曲を全24曲収録。
例によってかなりレアなものも含まれていますが、楽曲的には気軽に聴けるイイ曲がズラッと揃っています。

中学や高校の頃好きだったキース、ジェイ&テクニクス、ボビー・ヘブ、スパンキー&アワ・ギャングにジェリー・ロスのプロダクションが絡んでいるなんて当時知りませんでした。

自分が好きだった曲やアーティストの多くに、ジェリー・ロスの息がかかっていることを後から知り驚かされます。
適度にソウルフルで極上のポップスに仕上げる天才でしたね、ジェリー・ロスは。

「I'm Goona Make You Love Me」は1968~69年にかけて大ヒットしたシュプリームス&テンプテーションズのヴォーカルで知りました。

1966年に出たこのディー・ディー・ワーウィック(ディオンヌ・ワーウィックの妹)のヴァージョンがオリジナルです。

ジェリー・ロス、ケニー・ギャンブル、レオン・ハフの共作。
アレンジはジミー・ウィズナー。名曲です。森 勉


2016年7月18日(月) ジョー・ウォルシュ 「ウォーク・アウェイ」

暑い夏には熱いライヴを、ということで、7~8月は僕の好きなライヴ・アルバムの中から何枚か紹介していきたいと思っています。

まず今日は1976年に発表されたこのアルバム。

ジョー・ウォルシュ『ライヴ』
(国内CD UICY-25678 1,714円+税)

1976年と言えば当時2月に初来日を果たしたイーグルス。
『呪われた夜』のジャケットを模したオブジェを背に、グレン・フライ、ドン・ヘンリー、ランディ・マイズナー、ドン・フェルダー、そして前年末に脱退したバーニー・レドンに替わってジョー・ウォルシュが武道館で素晴らしいステージを見せてくれました。

前半・中盤と地味目にプレイしていたジョー・ウォルシュでしたが、後半だんだんと本領を発揮して、アンコールでは「ロッキー・マウンテン・ウェイ」を演奏し、ジョー・ウォルシュ・ショー!のような感じになっていたことを想い出します。

そんなイーグルスの来日公演のすぐ後に発表されたのが、このジョーのソロ名義で出たライヴ盤でした。

録音はイーグルス加入前1975年11月。
バックを固めるのは、ジェイ・ファーガソン(キーボード)、ドン・フェルダー(ギター)、ジョー・ヴァイタル(ドラムス)、そしてこの当時の売れっ子リズム・セクションであったウィリー・ウィークス(ベース)、アンディ・ニューマーク(ドラムス)など。

収録されている6曲すべてがオススメ・チューンですが、今日は1曲目に入っている「ウォーク・アウェイ」。

間奏でのジョー・ウォルシュとドン・フェルダーによるツイン・リードに耳が釘付けになってしまいます。
「ホテル・カリフォルニア」で聴ける二人のギター・バトルの序章がこんな所に・・・。

それにしても爽快なライヴです。
いつもよりちょっとヴォリューム・アップして聴きたくなります。森 勉


2016年7月19日(火) マイクロスター 「私たちは恋をする」

当店大・大・大推薦ユニット、マイクロスター。
8年ぶり新作アルバム『She Got The Blues』が遂に発売されました。

マイクロスター『She Got The Blues』
(国内CD HCCD-9575 2,500円+税)

マイクロスター・インタビュー・リーフレットを作成するため、7月頭から先に音源を聴かせていただき、発売前までに100回は聴きましたが、全く飽きません。というか聴くほどにより好きになっていきますね。

7月13日のこの1曲でも書いたように、タイトル曲「She Got The Blues」は本当に感動的!

Love Unlimited「I Guess I'm Just Another Girl In Love」を彷彿とさせる切なくも美しい名曲。
(もっと聴きたい!と思わせるところでフェイドアウトしてしまうところもニクイ!)

今日のこの1曲は、その「She Got The Blues」の前、7曲目に収録されている「私たちは恋をする」。

サウンドはSylvia「Pillow Talk」、エレキ・ギターの音色は松原正樹さんを想起させる極上メロウ・チューン♪
この「私たちは恋をする」から「She Got The Blues」へのソウルフルな流れが僕は特に大好きです。

当店のみの特典CDRには、この2曲の並びでインスト・ヴァージョンが収録。
(当店にてご購入いただくと、特典CDR&インタビュー・リーフレット、更にジャケット・デザイン・マグネット、更に更に、今なら当店35周年記念夏タオルまで付いてきます!)

高瀬康一氏による美麗ジャケ&ブックレットも素晴らしいの一語!
是非手に取ってじっくりお楽しみください。森 陽馬


2016年7月20日(水) マイクロスター 「月のパレス」

マイクロスター『She Got The Blues』、売れています!

60'sポップスを現代の音で志向した2008年発表1st『microstar album』から約8年。
今作は、1975~1985年のポップスを研究する、という事から始まり制作されたそうですが、マイクロスターらしいポップスの軸はブレず本当に素晴らしい1枚が出来上がりました。

邦楽・洋楽、ジャンル問わず、老若男女全ての方へオススメできる内容です!
幅広い層に聴いていただけたらうれしいなー。

なお、マイクロスターのお二方(佐藤清喜さん&飯泉裕子さん)へインタビューした当店作成リーフレットも是非ご覧いただきたいですね。
(お買い上げでなくても、店頭でフリーペーパーとして配布しております)

そのインタビューによると、今回のアルバムはEPOさんへのオマージュも込められているそうです。

1曲目「Chocolate baby」を最初聴いた時は、エモーションズ「Best Of My Love」的?、と思いましたが、たしかに80年代前半のEPOさんの雰囲気なのだな、と佐藤さんの発言を伺ってから気付きました。

佐藤さんは、EPOさんと編曲家・清水信之さんのコンビがすごくお好きとのことで、今回のアルバムでは清水信之さんが当時よく使用していたシンセProphet-5のソフト版、ArturiaのProphet-Vを多用したとのことです。

今日のこの1曲は、EPOさんを意識して作ったという極上ポップ・キラーチューン3曲目「月のパレス」を。森 陽馬


2016年7月21日(木) ザ・ロイヤレッツ 「It's Gonna Take A Miracle」

マイクロスター「She Got The Blues」の歌詞に、
♪ロマンティックな曲を聴く♪ というフレーズが出てきます。

そこで、マイクロスターへのインタビューにて「お二人にとってのロマンティックな曲は?」という質問をしました。

すると、お二人とも「テディ・ランダッツォのプロデュース作品」とお答えいただいたのです。

テディ・ランダッツォはアメリカ/ニューヨーク出身白人作曲・編曲家。

1950年代は自ら歌い自身名義の作品も出していましたが、1960年代以降はリトル・アンソニー&ザ・インペリアルズやザ・ロイヤレッツ等の作品を手掛けたことで知られています。

中でも、「It's Gonna Take A Miracle」。
ローラ・ニーロがカヴァーしたヴァージョンも素晴らしいですが、ロイヤレッツの方が“ロマンティック”ですね。

テディ・ランダッツォによる煌びやかな美しいアレンジ。
ムーディーなストリングスの音色とメロディーは、何時聴いてもイノセントな夢を見させてくれます。

皆さんにとっての「ロマンティックな曲」は何ですか? 森 陽馬


★掲載ジャケットはロイヤレッツ「It's Gonna Take A Miracle」収録、1965年発表アルバム。
(国内CD ロイヤレッツ『イッツ・ゴナ・テイク・ア・ミラクル』 解説・歌詞付 CMYK-6142 2,500円+税)


2016年7月22日(金) ローラ・ニーロ 「Blackpatch」

ローラ・ニーロの歌声は僕にとって、いつでも浄化装置のような役割をしてくれています。

彼女が『魂の叫び』(Christmas And The Beads Of Sweat)のLPを発表したのは1970年11月。

アルバム全体を聴いたのは数年経ってからでしたが、それから今までずっと事あるごとに聴きたくなる愛聴盤の1枚です。
(ローラ・ニーロ『魂の叫び』 国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-4460 1,300円+税)

プロデュースはアリフ・マーディンとラスカルズのフェリックス・キャヴァリエ。

ローラ・ニーロとフェリックス・キャヴァリエがアルバムを作るために同じスタジオにいるという風景を想像しただけで興奮してしまいますよね。

レコーディング当時、ローラは22歳、フェリックスは26歳!
若いピュアなパッションが感じられるサウンドになっています。

それまでのローラはニューヨークのミュージシャンをバックにレコーディングをすることがほとんどでしたが、このアルバムのA面はなんとアラバマ/マッスルショールズのミュージシャンをバックに録音されています。

しかし、ローラがアラバマに出向いたわけではなく、ミュージシャンをニューヨークに呼び、52ndストリートのCBSスタジオで録音したという珍しいパターンのレコーディングだったようです。

A面3曲目「ブラックパッチ」は、なんとも魅力的なサウンド。
ロジャー・ホーキンス(ドラムス)、デヴィッド・フッド(ベース)、バリー・ベケット(ヴァイヴ)、フェリックス・キャヴァリエ(オルガン)、ローラ・ニーロ(ピアノ)、そして、エディ・ヒントンが印象的なギターフレーズを弾いています。森 勉


2016年7月23日(土) ダン・ペン 「So Many Reasons」

アラバマ/マッスルショールズにあるサザン・ソウル名レーベル、フェイム・レコード。

その専属ライターであったダン・ペンが、1960年代中期楽曲提供するミュージシャンに歌ってもらうため、作った歌を自ら歌った秘蔵音源集! 待望の第2弾が発売されました。

ダン・ペン『クロース・トゥ・ミー ~モア・フェイム・レコーディングズ』
(国内CD 英文解説対訳・歌詞付 PCD-17754 2,500円+税)

2012年暮れに発売された第1弾が大好評(
2012年11月10日今日のこの1曲で紹介)。

ダン・ペンは1941年生まれですから、1964~66年当時は25歳前後。
若くしてこの味わい深いソングライティング、そしてソウルフルな歌声に感動したものですが、今回の第2弾も文句なく素晴らしい!

全24曲中22曲が完全未発表ながら、マッスルショールズの名ミュージシャンによる演奏及びダン・ペン自身の歌もしっかり作り込んだ仕上がり。

ソングライティングに関しても、スプーナー・オールダムとの共作を中心に、ドニー・フリッツ、デヴィッド・ブリッグス、ドン・コヴェイとの共作曲も収録。聴き応えがありますね。

今日のこの1曲は、12曲目に収録されているMarlin Greeneとの共作「So Many Reasons」。

これが凄くイイ曲!
楽曲&歌い方がサム・クックっぽい雰囲気ですね。

マッスルショールズ系ルーツ・ロック、サザン・ソウル・ファンにもオススメの1枚。森 陽馬


2016年7月24日(日) ザ・なつやすみバンド 「ハレルヤ」

中川理沙(ヴォーカル、ピアノ)、MC.sirafu(スティール・パン、トランペット)、村野瑞希(ドラム)、高木潤(ベース)による男女4人組、ザ・なつやすみバンド。

メジャー第2弾となる約1年4か月ぶりの新作3rd『PHANTASIA』が今週リリースになりました。
(VICL-64599 2,500円+税)

ザ・なつやすみバンドらしいノスタルジック&高揚感のあるメロディが詰まった1枚♪

ラップ3人娘、嫁入りランドが参加、詞を担当した「GRAND MASTER MEMORIES」(ワチャワチャ感が楽しい)、英語詞も交えた「summer cut」では音響/エレクトロっぽい要素も取り入れ、新たな一面も。

トランペットに弾むピアノ&スティール・パン、ストリングスも取り入れたアルバム最後の曲「ハレルヤ」。
昨日木道亭、今日ジプシー・アヴァロンと出演したフジロックでこの曲が演奏されていたら、快晴の中きっと気持ち良かっただろうなぁ...。

今作には、フジロックでもサポートを務めた松田''チャーベ''岳二(パーカッション)、NAPPI(トロンボーン/Lucky Tapesサポートetc)等が参加。

当店にてお買い上げの方先着で、惣田紗希さんデザインのジャケット・マグネット(丸型)を差し上げています。東尾沙紀


2016年7月25日(月) Mari Persen 「Sweetheart」

7月21日今日のこの1曲では、マイクロスターのお二人が選ぶ「ロマンティックな曲」として、「テディ・ランダッツォのプロデュース作品」=ロイヤレッツを取り上げました。

インタビュー・リーフレットではもう1曲、飯泉裕子さんに「ロマンティックな曲」を挙げていただいております。
それが今日のこの1曲。

マリ・ペルセン「Sweetheart」
(国内CD マリ・ペルセン『マリ・ペルセン』 日本語解説付 THCD-125 2,400円+税)

マリ・ペルセンはノルウェー出身の女性シンガー。
ブロッサム・ディアリーを彷彿とさせる甘い歌声が魅力です。

彼女が2009年発表したアルバム『Mari Persen』2曲目に収録されている「Sweetheart」。

ジャジーな出だしから徐々にポップになっていく展開。
ドリーミーなメロディーとサウンドがとってもイイ感じ♪

なるほど、これはロマンティックな1曲ですね。
マイクロスター的要素も感じられるナンバー。マイクロスター・ファンは是非チェックしてみてください。森 陽馬


2016年7月26日(火) ジョアン・ジルベルト 「夏のうた」(Estate)

夏の昼下がり、ちょっと冷房のきいた部屋、のんびりした気分でこのレコードを聴くのが好きでした。
(今でも好きです)

1977年発表、ジョアン・ジルベルト『AMOROSO』(イマージュの部屋)がそのアルバムです。
(国内CD WPCR-17252 1,200円+税)

当時買ったレコードはあまりにもよく聴いたので、かなりノイズだらけになってしまいました。
この度、低価格で再発CD化されましたので紹介しておきたいと思います。

1曲目はガーシュウィン「スワンダフル」。
4曲目はスタンダード「ベサメムーチョ」。
5~8曲目にはアントニオ・カルロス・ジョビン作「ウェイブ」、「トリスチ」などボサノヴァ名曲。
実に落ち着いた雰囲気を演出してくれます。

ジョアンのすべてを包み込んでくれる飾り気ないヴォーカルとつま弾きギターに、清流のようなクラウス・オーガーマンのストリングスをマッチングしたのはプロデューサーのトミー・リピューマ。さすがの仕事っぷりです。

今日のこの1曲は、2曲目に入っている「夏のうた」(Estate)を。

このゆったり感、至福の時間です。森 勉


2016年7月27日(水) スピッツ 「コメット」

スピッツで一番好きなアルバムは?と聞かれたら、『フェイクファー』と迷わず答えています。
(『ハヤブサ』も捨てがたいけれど...)

『フェイクファー』が出た1998年頃、僕はディスクユニオン上野店に勤めていました。
アルバム中のどの曲が好きか、ということをアルバイトの人達と休み時間に会話したのを憶えていますね。

でも、ほろ苦い想い出もあるのです。
当時ディスクユニオン上野店では店入り口付近の路上でJ-POPを外売りしており、「近隣のCD・レコード店を全部潰すつもりで売れ!」と店長に檄を飛ばされ、売上を作るためにあまり好きではないヴィジュアル系CDを流しながら必死に売ったものでした。

その外売りしていた通り沿いには、年老いたおばあちゃんが細々と営業している街のCD店がありました。
おそらく、かなりの売上&お客さんを奪ってしまっていたハズ...。
今思い出しても心苦しい気持ちでいっぱいになるんですよね。

そのおばあちゃんの店もディスクユニオン上野店も現在は閉店。
先日久々に御徒町を歩いて、時代の流れを感じました。

でも、スピッツは変わらず、『フェイクファー』から18年経った今でも、心の琴線に触れる曲を作り続けています。

今日発売になったスピッツの新作『醒めない』。
(通常盤CDのみ UPCH-2086 3,000円+税 初回Blu-ray付&DVD付もあり)

スピッツの歌は、楽しい想い出・切ない記憶もセピア色に変えて、僕をセンチメンタルな1998年の夏に引き戻してくれるのです。森 陽馬


2016年7月28日(木) ニール・ヤング 「Western Hero」

ニール・ヤングは2016年6月頭から先週7月23日までヨーロッパ・ツアーを行っていました。

セットリストをチェックすると凄いんですよね。

「After The Gold Rush」、「Heart Of Gold」、「Like A Hurricane」、「Rockin' In The Free World」等有名曲をやりつつ、「Like An Inca」!、「Revolution Blues」!!、「Alabama」!!!、「Change Your Mind」!!!なんて超レア曲も日替わりでガンガンやっていて、曲目眺めるだけで興奮して眠れなくなりそう。

ウィリー・ネルソンの息子たちによるバンド、プロミス・オブ・ザ・リアルの演奏もいい感じで荒々しく良くなっていて、ホント、来日してくれたらうれしいな。

さて、6月27日今日のこの1曲で紹介したニール・ヤング新作『EARTH』の国内盤がやっと発売されました。
(国内CD 大鷹俊一氏による日本語解説・歌詞・対訳付 2,800円+税)

『EARTH=地球』をテーマとして、ライヴ音源に動物・昆虫・鳥・自然音をミックスした2CD。
終わりそうでなかなか終わらず結局26分近くにも及ぶ「Love And Only Love」とかニールらしさ全開!

「Chenge Your Mind」はCDに入っていないけれど、ライヴで聴きたいよなー。
1994年発表作『Sleeps With Angels』は後期ニールの中でも特に好きなアルバムで当時良く聴いたのです。

その『Sleeps With Angels』に入っていた「Western Hero」も最近のツアーで披露されていて、『EARTH』に収録されているので今日のこの1曲に。穏やかだけど沁みますね。

ちなみにヨーロッパ・ツアー2016最終日7月23日には、未発表・新曲「Tumbleweed」も飛び出しました。
止まらずどこまでも突き進むニール! 恐るべし! 森 陽馬



2016年7月29日(金) The Move 「Sunshine Help Me」

店長の<暑い夏には熱いライヴを...>に便乗して、私も一枚。

ザ・ムーヴのライヴ盤『Something Else From The Move』が再発になりました。
(国内仕様CD ATOZ-101 日本語解説付 2,800円+税)

1968年ロンドンのマーキー・クラブでのライヴを収めた元々5曲入りのEPに、曲を追加(全17曲入り)したもので、収録されている曲は以前発売されていたCDやボックス等でも聴けるものですが、今回新たにリマスターされています。

ジェリー・リー・ルイス「It'll Be Me」、エディ・コクラン「Something Else」、アーマ・フランクリン「Piece Of My Heart」、ジャッキー・ウィルソン「Higher And Higher」、エヴァリー・ブラザーズ「The Price Of Love」ほかバーズ、ラヴ等カバーが殆どです。
荒削りながら勢いのある演奏&歌が楽しめます。

中でも、スプーキー・トゥースのカバー「Sunshine Help Me」が特にアツい!
オリジナル.より疾走感があり、トレヴァー・バートンのぶっといベースが特に印象的でかっこいい曲です。

ジェフ・リン加入後の70年発表3rd『ルッキング・オン』デラックス・エディションも同時発売されています。
どちらも若月眞人氏による解説付です。東尾沙紀


2016年7月30日(土) ザ・フー 「サマータイム・ブルース」

暑い夏には熱いライヴ・シリーズ。
本日はザ・フー!

前回はジョー・ウォルシュでしたが、よりハードな音で暑さを吹き飛ばそうということで、1970年発表ザ・フー『ライヴ・アット・リーズ』を選んでみました。

『ライヴ・アット・リーズ』が発売された当時、日本では彼らのライヴに接する機会がほとんどなかったので、かなりの衝撃を受けた1枚のアルバムでした。

映像がなくたって音だけで充分その臨場感は伝わってきましたし、それで満足できた時代でした。

アナログLP時代は6曲入りでしたが、現在出ているCDはなんと14曲入り。
レコードを聴き慣れた者にとって、CDは長すぎる感じがしますが、とにかくザ・フーの魅力ここにあり!のライヴ盤です。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-20006 1,714円+税)

今日のこの1曲はやっぱり夏ですので、「サマータイム・ブルース」。

ちなみに僕の「サマータイム・ブルース」体験順は...、
ビーチ・ボーイズ

ブルー・チアー

ザ・フー

エディ・コクラン
の順です。

昔はオリジナルがなかなか聴けなかったんですよね。森 勉


2016年7月31日(日) 寺尾紗穂 「七草なつな」(茨城 七草の歌)

8月発売新譜で当店推薦の1枚を一足先に紹介しておきましょう。

寺尾紗穂『わたしの好きなわらべうた』
(8月10日発売 CD PCD-28030 2,800円+税)

ペット・サウンズ・レコードで応援し続けている女性シンガー・ソングライター寺尾紗穂が、日本各地で歌い継がれてきたわらべうたをリアレンジしたアルバム。

これが、童謡を変わった編曲でカヴァーしてみた、という安易な企画ではなく、とても意義深い作品なのです。

小澤俊夫採譜の譜面に出会い、わらべうたを調べるきっかけとなった鹿児島徳之島の子守歌「ねんねぐゎせ」。
隠岐島海士町でのコンサートをきっかけに知ることとなったうさぎの子守歌「ねんねこお山の」。
全国のうさぎの耳の子守歌を調べる中、歌詞が心の琴線に触れたという熊本葦北の守子歌。
新潟の風の神様、諏訪の神様にも繋がるという新潟風の歌「風の三郎~風の神様」。

長い年月をかけ全国各地で育まれながら、現在は途絶えてしまいそうな歌を新たな表現で歌い継いだ全16曲。

今昔様々な人の想いで紡がれたわらべうた。
WEB本の雑誌のコラムにて、寺尾紗穂さん自身がその一部を紹介しています。

茨城七草の歌「七草なつな」のMUSIC VIDEOも公開されました。

当店にてインタビューリーフレットも作成予定ですが、発売前に是非チェックしてみてください。森 陽馬




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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