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  今日のこの1曲 “Archives”

<2017月12月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2017年12月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2017年12月1日(金) Neil Young+Promise Of The Real 「Forever」

ニール・ヤング、2017年最新録音オリジナル・アルバムが発売されました。

Neil Young+Promise Of The Real『The Visitor』
(輸入CD Reprise 9362-49088-6 国内盤は12月20日発売予定)

個人的には、もう内容なんてどうでもいい!ってくらいウレシイですねー!

2017年のニールは、2~3月頃予定されていたオーストラリア~アジア・ツアーを急遽キャンセル。
4月Rock&Roll Hall Of Fame 2017授賞式は、パールジャムのプレゼンターとして出演予定も直前辞退。
半年間は表立った活動をほとんどせず、ファンから体調不良を心配されていました。

しかしながら、6月30日に新曲「Chirdren Of Destiny」をネット上で突然発表。
9月に行われたウィリー・ネルソンが中心となった恒例フェスFarm Aid2017に出演。
ベスト選曲なライヴで元気な姿を見せてくれた上、更に今回の新作『The Visitor』発売!

近年活動を共にしているバンド、Promise Of The Realとの歯車もガッチリ合ってきた感じ。
変わらぬニール印な全10曲です。

今日のこの1曲はアコースティック主体に聴かせるラスト10曲目。
♪地球は牧師のいない教会のようだ♪という歌い出しで始まる「Forever」を。森 陽馬


2017年12月2日(土) 村田和人 「雨の日には」

村田和人さんのライヴ音源を収録したCDが12月15日発売されます。

村田和人『雨の日には/ストロベリー・ガール』
(2017年12月15日発売予定 限定CD IMCM-0009 1,500円税込)

今作は湯川トーベンさん及び関係者が中心となって制作した村田和人名義での1枚。
トーベンさんのライヴ会場にて販売されるCDを、トーベンさん及び関係者によるご厚意で当店でも限定枚数取り扱いさせていただけるようになりました。

「雨の日には」は、1990年代初め湯川トーベンさんが書いたオリジナル楽曲に村田和人さんが一部メロディーを付け足したという共作曲。

このCDには1991年11月30日神戸チキンジョージでのライヴ音源に、湯川トーベンさんと永井ルイさんによって音が重ねられたヴァージョンと、“むらべん”(村田和人&湯川トーベン)で行った2011年10月22日岐阜・地球村でのライヴ音源が収録されます。

もう1曲「ストロベリー・ガール」は、湯川トーベンさんと永井ルイさんによる共作曲。
フォークロックス2010年発表アルバム(
2010年5月25日今日のこの1曲で紹介)に収録されたこのナンバーを村田さんがライヴでカヴァーした音源(2010年神戸&2015年大阪)2トラック分収録。

入荷枚数に限りがあるため発売前に予約を締め切らせていただく場合もございます。ご了承くださいませ。森 陽馬

★なお、「雨の日には」はザ・フロント・ロウ(11月7日今日のこの1曲で紹介)も最新作『この空の向こうに』で取り上げています。


2017年12月3日(日) 伊藤銀次、杉真理、村田和人 「ウキウキWATCHING」

2017年でデビュー45周年を迎え、10/25発売オリジナル・アルバム『MAGIC TIME』も好評の伊藤銀次さん。

銀次さん本人監修による集大成4枚組CD BOXがSONYサイト&ライヴ会場限定で発売。

伊藤銀次『POP FILE 1972-2017』
(4CD BOX レーベルの垣根を越えた全69曲 伊藤銀次本人による解説ブックレット付 10,000円+税)

一般流通はされていないこの商品ですが、関係者のご厚意で当店にて購入できることになりました!

DISC1は初オール・シングル・コレクション。12インチを除くソロでのシングル楽曲を全てSingle Versionで収録。
(佐野元春コーラス参加「夜を駆けぬけて」(1985)シングル・ミックス・ヴァージョンは初CD化!)

DISC2とDISC3は、伊藤銀次さんが作詞・作曲・編曲・演奏した楽曲を集めたセレクション。
初のレコーディング参加曲1972年加川良『親愛なるQに捧ぐ』から、ごまのはえ、シュガー・ベイブ、佐野元春、沢田研二アレンジ、アン・ルイス最大のヒット曲「ラ・セゾン」編曲、原田知世、吉川晃司、早見優、ウルフルズ等々。

DISC4は1985年佐野元春『ヴィジターズ・ツアー』ゲスト登場した際の「夜を駆けぬけて」ライヴ音源に始まり、伊藤銀次『WINTER WONDER MEETING2015』からのライヴ音源、ネットラジオ『伊藤銀次のPOP FILE RETURNS』から、杉真理、村田和人とのパフォーマンス音源など初商品化貴重音源が目白押し!

福生で大瀧詠一によって録音された「こぬか雨」プリ・ヴァージョン!
という歴史的発掘とも言える貴重音源も入っているので、ナイアガラファンも要チェックですね。

今日のこの1曲は、村田和人さんの歌声が入っている「ウキウキWATCHING」を。森 陽馬


2017年12月4日(月) 伊藤俊吾 「あたりまえの事だけど」

このジャケットをご覧になってピンときた方、(そうでない方にも)オススメの邦楽アルバムです。

伊藤俊吾『四畳半レコード』
(国内CD YJHR-0001 2,778円+税)

伊藤俊吾は、キンモクセイというバンドのヴォーカリストとして2001年デビュー。
ナイアガラ・サウンドの影響を強く感じさせていたキンモクセイは、「夢で逢えたら」をカヴァーしたり、大瀧詠一トリビュート・アルバムに参加(「熱き心に」をカヴァー)していたので、ナイアガラ・フォロワーとしてご存知の方も多いと思います。

そのキンモクセイは2011年から活動休止中。
今作が彼にとっての初ソロ・アルバム。

四畳半の自宅スタジオにて、生ドラム含め全ての楽器演奏及びマスタリングを自身で手掛けた入魂の1枚。
ジャケット写真はまさにその四畳半スタジオ、大滝詠一『ナイアガラ・ムーン』裏ジャケへのオマージュでもあります。

父の死をきっかけにソロ活動スタートの1曲となった「みんなのそら」他、ポップなメロディーとシンガー・ソングライター的側面が優しく融和した全14トラック。

今日のこの1曲は、以前SMAPのコンペ楽曲として書かれたというナンバーで、<ナイアガラ>を感じさせるアレンジが耳に残る名曲「あたりまえの事だけど」を。森 陽馬


2017年12月5日(火) ALICE CLARK 「Never Did I Stop Loving You」

ファンキー&グルーヴィーなドラム好きは必聴! こんなオムニバスCDが出ました!

V.A『ダチーチーチー』
(国内CD 全16曲収録 PCD-18828 2,111円+税)

「ダチーチーチーって何?」と思われるでしょうが、音を聴けば納得。

名ドラマー、バーナード・パーディが生み出したと言われる特徴的なドラム・フィル。
ハイハットのオープン&クローズとバスドラの組み合わせで♪ダチーチーチー♪と聴こえるのです。
(TBSラジオ『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』でDJ JIN氏が命名したとのこと)

このCDは、その♪ダチーチーチー♪が入っている曲を集めた画期的コンピ。
バーナード・パーディ演奏楽曲だけでなく、他ドラマーがダチーチーチーやっている曲も収録。

今日のこの1曲は、アリス・クラーク「Never Did I Stop Loving You」。
1972年発表アリス・クラーク唯一のアルバムに収録されているナンバー。
クレジットはありませんが、このドラムは明らかにバーナード・パーディですね。

ちなみに僕の好きなダチーチーチーは、定番ですがキング・カーティス「Memphis Soul Stew」かな。
(キング・カーティス『Live At Fillmore West』収録。)
このメンバー紹介におけるバーナード・パーディのダチーチーチーは最高! 森 陽馬


2017年12月6日(水) ラムゼイ・ルイス 「テキーラ・モッキン・バード」

11月29日発売ソニー・ミュージックのフュージョン/クロスオーバー1,000円シリーズから紹介したいと思います。

ラムゼイ・ルイス『テキーラ・モッキン・バード』
(国内CD 期間生産限定盤 日本語解説付 SICJ-305 1,000円+税)

1977年に発表されたフュージョン名作アルバムです。
これが1,000円! いいですね。

このアルバムに収録されている8曲はすべて耳ざわりのいい曲ばかり。
数あるラムゼイ・ルイスの作品中で、最もメロディアスでポップな曲が集まっていると言われますが、それが納得のサウンドです。

今日はその中からメロウな2曲目「ワンダリング・ローズ」にしようかと思ったのですが、やっぱり躍動感あふれる1曲目「テキーラ・モッキン・バード」でいきましょう。

作曲/プロデュース/アレンジはアース・ウィンド&ファイヤーのキーボード奏者、ラリー・ダンが担当しているので、「サン・ゴッデス」同様EW&F色の強い曲になっています。

ラムゼイ・ルイスのアコースティック・ピアノと、ラリー・ダンの電子キーボード群、そしてその影でしっかり音の主張をしているアル・マッケイによるギターのアンサンブルが見事です。森 勉


2017年12月7日(木) ロニー・リストン・スミス 「Speak About It」

昨日に続き、フュージョン/クロスオーバー1,000円シリーズからこの1枚。

ロニー・リストン・スミス『ラヴ・イズ・ジ・アンサー』
(国内CD 期間生産限定盤 日本語解説付 SICJ-311 1,000円+税)

ロニー・リストン・スミスというと、フライング・ダッチマン・レーベルから発表した70年代中期の作品群が人気。
特に1975年発表『エクスパンションズ』は当店でもロングセラーになっています。

今回再発されたのは、1978年から1980年にかけてコロンビア・レーベルからリリースした3作。
中でも1980年発表作『ラヴ・イズ・ジ・アンサー』はヴォーカル入り楽曲も収録され、日本盤帯には<ディスコ・テイストの強いサウンドに仕上げた>という文章も。

スピリチュアルかつ宇宙的な世界観あるブラック・ジャズ・サウンドがフュージョンになったら、、、。
最初はその方向性を危惧していましたが、実際に聴いてみるとこれがなかなかに心地良い快作なのです。

今日のこの1曲は、ラテン風味を塗し洗練された80's版「Expansions」的な雰囲気の③「Speak About It」を。

ちなみに、♪ダチーチー♪好き(12/5今日のこの1曲参照)は5曲目「On The Real Side」も聴きもの!森 陽馬


2017年12月8日(金) MIKE LOVE 「All The Love Is Paris」

ビーチ・ボーイズのマイク・ラヴが新作アルバムを発表しました。

MIKE LOVE『Unleash The Love』
(輸入CD BMG 538337182)

なんと2枚組です。
ディスク1は『NOW』と題され、マイクのオリジナル曲が13曲。
マイクらしいミディアム・テンポの楽曲が並んでおり、思っていたよりいい出来なので安心しました。

プロデュース・アレンジ・ミックス、そしてベーシストと大活躍でマイクを助けているのがマイケル・ロイド。
ミドル・オブ・ザ・ロード的サウンドはお手の物の彼だけに、良いコンビになったと思います。
ディスク2も全曲マイケル・ロイドのプロデュース&アレンジです。

そのディスク2は『Then』と題され、マイクがブライアン・ウィルソンと共作したビーチ・ボーイズの名曲(「カリフォルニア・ガールズ」、「ヘルプ・ミー・ロンダ」、「アイ・ゲット・アラウンド」、「素敵じゃないか」、「グッド・ヴァイブレーションズ」、「ファン・ファン・ファン」等)を新録音した12曲を収録。
「ブライアンズ・バック」のみマイクの単独作品で、故カール・ウィルソンのヴォーカル部分をうまく使った作りになっています。

バックには現在のビーチ・ボーイズのツアー・バンドで活躍中のスコット・トッテン、ジェフリー・フォスケット、ジョン・カウシル等が参加して、ビーチ・ボーイズ・サウンドを再現してくれています。
「ダーリン」ではAJRことアル・ジャーディンがリード・ヴォーカルを担当。
バラードの「ウォーム・オブ・ザ・サン」や「キス・ミー・ベイビー」ではマイクの娘Ambha Loveがきれいな声を聴かせてくれます。あと、リード・ヴォーカルのジョン・カウシルとリード・ギターのスコット・トッテンが活躍するワイルドなヴァージョンになった「ワイルド・ハニー」など、なかなか楽しめるカヴァーになっています。
色々なゲストが参加しても、要所要所はマイクがしっかり締めている感じです。

さて、今日のこの1曲はディスク1の1曲目「All The Love Is Paris」。

さすがに栄えある1曲目に選ばれた曲だと思います。
ビーチ・ボーイズ・テイストたっぷりのコーラスにマイクの声が乗れば、無防備になるしかありませんからね。森 勉



2017年12月9日(土) Nicole Atkins 「Sleepwalking」

デビューして約10年ほどのキャリア中で3枚のアルバムを発表している、78年・ニュージャージー州出身女性シンガー、ニコール・アトキンズ。

ロイ・オービソンやブリル・ビルディング・サウンドなどポップスにも影響を受けつつ、ロック、カントリーと作品、曲毎に印象を変える彼女の4枚目となる2017年最新作『Goodnight Rhonda Lee』は、ヴィンテージ感があり、渋味のあるソウル・アルバムに仕上がっています。

''21世紀のサム・クック''と当店でも評判となったリオン・ブリッジズ『カミング・ホーム』(2016年1月国内盤発売)を手掛けたテキサスの音楽スタジオ、Niles City Soundがプロデュース。
アラバマ・シェイクスのサポートも務めるベン・タナーがミックスを担当していたりと、その人脈だけでも今作の少しざらついた音のイメージが想像しやすいのではないかと思います。

1曲目「A Little Crazy」では、クリス・アイザックと共作。
60年代ポップス風の5曲目「If I Could」には、ルイーズ・ゴフィンの名前がクレジットされています。

今日のこの1曲は、今作中で最もポップで洗練された雰囲気の「Sleepwalking」を。
「What's Going On」を意識した(?)ギターも聴きものの心弾む1曲です♪東尾沙紀


2017年12月10日(日) Dave Koz 「Hallelujah」feat Kenny Lattimore

クリスマス・イヴまで、あと2週間。

その2週間が穏やかな気持ちで過ごせるようになる新緑クリスマス・アルバムをご紹介しましょう。

Dave Koz & Friends『20th Anniversary Christmas』
(輸入CD Concord CRE00567)

12/8今日のこの1曲で紹介したマイク・ラヴ新作にも参加している1963年生まれアメリカ出身サックス奏者Dave Koz(デイヴ・コーズ)が、David Benoit、Rick Braun、Peter Whiteと組んだ新作アルバム。

1曲目「Winter Wonderland」他クリスマス・スタンダード曲をスムース・ジャズ・インスト・アレンジ中心に全11曲。
1997年発表ホリディ・アルバム『December Makes Me Feel This Way』から20年を経て、よりアダルトな雰囲気でゆったりと聴かせるクリスマス作品に仕上がっています。

今日のこの1曲は、黒人男性ヴォーカリスト、ケニー・ラティモアをfeatしたレナード・コーエン名曲カヴァー⑨「Hallelujah」(ハレルヤ)を。森 陽馬


2017年12月11日(月) Lake Street Dive 「I Want A Hippopotamus For Christmas」

昨日に続き、2017年新録音クリスマス・アルバムのオススメ盤をご紹介。

V.A『Christmas Rules Vol.2』
(輸入CD Capitol 00602567042884)

アメリカNBCテレビ番組『The Tonight Show Starring Jimmy Fallon』で披露されたポール・マッカートニー&ジミー・ファロン&ザ・ルーツによる名曲「Wonderful Christmastime」新ヴァージョン他、ノラ・ジョーンズ、グレイス・ポッター、ロザンヌ・キャッシュ、ディセンバリスツ等、様々なアーティストのクリスマス新録音楽曲が収録されたコンピ第2弾。(第1弾は2012年発売)

パッと見、日本では馴染みがないミュージシャンも入っていますが、全16曲どれもナイスなアレンジ♪
ジャンル問わず、クリスマス楽曲好きならば持ってて損なしの1枚ですね。

特に耳に残ったのは、レイク・ストリート・ダイヴ「I Want A Hippopotamus For Christmas」。

2017年1月来日公演も大好評だった2004年結成男女4人組グループ、Lake Street Dive。
カリプソ調アレンジで聴かせるゴキゲンなクリスマス・ナンバーです。森 陽馬


2017年12月12日(火) 山下達郎 「クリスマス・イブ」2017スペシャル・パッケージ

今年もクリスマスが近づいてきました。
ということで、山下達郎「クリスマス・イブ」のシーズンです。

山下達郎『クリスマス・イブ』(2017クリスマス・スペシャル・パッケージ)
(CD WPCL-11665 1,000円+税)

2017年の今年は特にタイアップはないのですが、パッケージが特別です。

『FOR YOU』や『COME ALONG』シリーズでおなじみの鈴木英人氏のイラストがあしらわれた三方背ケースに入っています。

CDは2013年に出た30周年記念エディションが使用されています。
「クリスマス・イブ」が4ヴァージョンに、「ホワイト・クリスマス」が収録された5曲入りのCDです。

鈴木英人氏のイラスト図柄に関しては、ネット上で見たりしていましたが、やはり実物はいいですね。
表側のリース、裏側の冬の海岸とクリスマス・ツリーとシャンパンのボトルとグラス...素敵です。

もちろん曲自体は文句なしの名曲!
英語ヴァージョン、アコースティック・ライヴ・ヴァージョン、オリジナル・カラオケでも楽しめます。森 勉


2017年12月13日(水) ヴァン・モリソン 「Affirmation」

2017年でソロ・デビュー50周年を迎えたヴァン・モリソン。
通算では38枚目、2017年2枚目!となるオリジナル・アルバム『VERSATILE』が発売されました。

ヴァン・モリソン『ヴァーサタイル』
(国内CD 大鷹俊一氏による日本語解説付 HSU-10170 2,490円+税)

2016年発表作『Keep Me Singing』、前作『Roll With The Punches』(
2017年9月28日今日のこの1曲で紹介)は素晴らしい内容でしたが、僅か3か月で届けられた今作も充実の仕上がりです。

ガーシュイン作②「A Foggy Day」(霧深き日)&⑯「They Can't Take That Away From Me」(誰にも奪えぬこの想い)、ライチャス・ブラザーズで有名な⑩「Unchained Melody」、コール・ポーター作「I Get A Kick Out Of You」(君にこそ心ときめく)等の名スタンダード・ナンバーをヴァン・モリソン流にアレンジした楽曲に、1987年発表『Poetic Champions Compose』に収録されていたヴァン自作名曲「I Forget That Love Existed」再演等含む全16曲。

味わい深いジャジーなアレンジも魅力ですが、彼が醸し出す郷愁を誘うメロディーと叙情感に僕は惹かれます。

今日のこの1曲は「Take Me Back」や「Every Time I See A River」に通ずる雰囲気を持つ「Affirmation」。
名フルート奏者Sir James Galwayと、ヴァンのスキャットが織りなす気高い崇高なナンバー。

年末、去来する様々な想いを抱きながら聴きたい珠玉の1曲です。森 陽馬


2017年12月14日(木) 民謡クルセイダーズ 「ホーハイ節」(青森)

今週出た新譜で一番反響が大きいこの1枚!

ジャズ・クルセイダーズではなく、フォーク・クルセイダーズでもなく、<民謡クルセイダーズ>!

民謡クルセイダーズ『エコーズ・オブ・ジャパン』
(国内CD PCD-25239 2,500円+税)

福生在住ギタリスト田中克海と、民謡歌手フレディ塚本を中心に2012年頃結成。

CDリリース前にも関わらず、ピーター・バラカン氏が絶賛し『LIVE MAGIC!』含め各地のフェスへ出演。
ライ・クーダーがツイッターで取り上げたりするなど、業界内外で話題となっていたバンドです。

今作は、日本人ならば誰もが耳にしたことがある日本民謡を、ラテン、カリブ、ジャマイカなどのワールド・ミュージック的要素を融合し、福生米軍ハウスでのセッションを重ね生み出された待望の1stアルバム。
LITTLE TEMPOの内田直之ミックス、カセットコンロスのアンドウケンジロウがゲスト参加。

これが本当にかっこいい!

串本節(和歌山)クンビア・アレンジを筆頭に、ブーガルー風炭坑節(福岡)、おてもやん(熊本)レゲエ・ヴァージョン、秋田荷方節エチオビアン・ファンク等々全10曲聴きもの。

今日のこの1曲は、2曲目「ホーハイ節」(青森)。
矢野顕子「津軽ツアー」の元となったこの曲をアフロ・アレンジで聴かせます。森 陽馬


2017年12月15日(金) THE LAKE MATTHEWS 「星くず」

シンガー・ソングライター杉瀬陽子主催イベントのため結成されたザ・レイク・マシューズ。

ザ・レイク・マシューズは、杉瀬陽子、堀込泰行、伊藤隆博、伊賀航、北山ゆう子の5人による期間限定ユニット。

最初で最後かもしれない(!?)1stミニ・アルバム『Gimme FIve!!』が今月リリースされました。
(国内CD HRBR-006 1,852円+税)

2017年9月に7インチ・レコードで発表されたオリジナル新曲「Pegasus(ペガサス)」と、5人それぞれが選曲した5曲のカヴァー(井上陽水「氷の世界」、久保田麻琴と夕焼け楽団「星くず」、中森明菜「水に挿した花」、高中正義「渚・モデラート」、GARO「地球はメリーゴーランド」)を合わせた全6曲を収録。

時代もジャンルも様々な5曲のカヴァーを、耳心地の良いアレンジ&グルーヴ感ある演奏で聴かせてくれます。
杉瀬さんと堀込さんによるとても相性の良い掛け合い&ハーモニーも聴きどころです。

今日のこの1曲は、エレピを用い都会の夜的な雰囲気を放つ名曲「星くず」のカヴァーを。

ジャケットのイメージもありますが、星がきれいに見える冬の空気にもぴったりの1枚かと思います。

今作のレコ発ライヴが今月上旬に行われ、そこで活動は一旦終了となったようですが、またいつかオリジナル曲の作品も発表してくれれば良いなと密かに期待しています。東尾沙紀


2017年12月16日(土) Minnie Riperton 「Take A Little Trip」 duet with Stevie Wonder

胸の奥が締め付けられるようなミニー・リパートンの神懸った歌声。

スティーヴィー・ワンダーによる“気”に満ちた演奏&サウンド・アレンジ。

1979年若くして逝ったミニー・リパートン。
聴く者の心を躍らせる1974年発表2ndアルバム『Perfect Angel』が2CDデラックス盤で再発されました。

Minnie Riperton『Perfect Angel』Deluxe Edition
(輸入2枚組CD Capitol B0027406-02 国内盤は2018年2月7日発売予定)

プロデュースはScorbu Productions、アレンジはWonderlove、ドラムやピアノなどのミュージシャン・クレジットはEL TORO NEGROとなっていますが、実際はスティーヴィー・ワンダーの手によるもの。

1970年代中盤と言えば、スティーヴィーが3部作~『キー・オブ・ライフ』を手掛けていた充実期ですからね。
音楽への情熱がほとばしる心意気が伝わってきます。

ディスク1には、オリジナル・アルバムの9曲に「Lovin' You」シングル・ヴァージョンを追加した全10曲。
ディスク2には、様々な曲の未発表別ヴァージョンを10曲収録。

今日のこの1曲は、ディスク1のオリジナル版ではミニーがソロで歌っている「Take A Little Trip」を、スティーヴィーとデュエットで歌っている心暖まる新ヴァージョン。デニース・ウィリアムスがコーラスで参加しています。森 陽馬


2017年12月17日(日) イーグルス 「Take It To The Limit」(Live)

グレン・フライが亡くなったのは2016年1月。
イーグルスとしての活動は終わった、とドン・ヘンリーはその時話していました。

しかしながら、2017年夏。
グレンの息子ディーコン・フライとヴィンス・ギルをゲストに迎え、イーグルスとしてコンサートを行ったそうです。

複雑な想いを抱くファンもいるでしょうが、イーグルスの名曲を歌い継ぐ意味でも続けて欲しいなと思いますね。

ベンチャーズやフォーフレッシュメン等、オリジナル・メンバーがいなくなっても続けているバンドはあります。
スピリッツ(魂)があればその名曲は聴く人へ伝わる力を持つ、と僕は信じたいですから。

さて、そのイーグルスが1976年12月発表した名作『ホテル・カリフォルニア』の40周年盤が発売されました。

イーグルス『ホテル・カリフォルニア』40周年記念エクスパンデッド・エディション
(国内2CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-17963 2,600円+税/Blu-ray Audio&グッズ付限定盤は12/20発売)

ディスク1はデジタル・リマスターされたオリジナル・アルバム。
ディスク2には、『ホテル・カリフォルニア』発売前1976年10月にロサンゼルスで行われたライヴ音源が収録。

ライヴ音源の中では、ランディ・マイズナーが歌う「Take It To The Limit」がやはり素晴らしい!
彼の歌声には、グレンやドンにはない温もりが感じられるのです。

ちなみに、イーグルスの近年のライヴでは、グレン・フライがこの曲を歌っていました。
イーグルスが再び復活するのならば、ティモシー・B・シュミットに歌ってもらいたいですね。森 陽馬



2017年12月18日(月) Graham Gouldman 「No Milk Today」

ACEレーベルのソングライター・シリーズ、ニュー・リリースはグラハム・グールドマン作品集です。

V.A『Listen People ~ THE GRAHAM GOULDMAN SONGBOOK 1964~2005』
(輸入CD ACE CDTOP-1487)

グラハム・グールドマンは1946年5月10日生まれ。
彼が書いた「フォー・ユア・ラヴ」、「ハート・フル・オブ・ソウル」が大ヒットした1965年はまだ19歳だったんですね。

そしてホリーズへ提供した「バス・ストップ」!
ホリーズの歌と演奏の素晴らしさも相まって日本でもヒットしました。

このCDはそんな彼が作った曲を24曲収録。
グラハムが十代の時に組んでいたバンド、モッキンバーズや10cc「愛ゆえに」、80年代アンドリュー・ゴールドと一緒にやっていたWAXの音源も入っています。

ケニー・ギャンブルの奥様ディー・ディー・シャープがTSOPレーベルから出した「アイム・ノット・イン・ラヴ」、ゲイリー・ルイス&プレイボーイズ「恋は窓から」、アウトサイダーズ「リッスン・ピープル」等のカヴァーもなかなかの聴きものです。

今日は、ハーマンズ・ハーミッツが歌っていた曲を1968年にセルフ・カヴァーした「ノー・ミルク・トゥデイ」を。森 勉



2017年12月19日(火) Foster Sylvers 「I'm Your Puppet」

ジャクソン・ファイヴ好きは必聴! 世界初CD化!

70'sソウル・ファンに絶対オススメの再発盤です。

フォスター・シルヴァーズ『Foster Sylvers』
(国内CD 完全限定生産 日本語解説付 OTLCD-5408 1,850円+税)

ジャクソン5(マイケル・ジャクソン在籍)フォロワーとして知る人ぞ知るメンフィス出身グループ、シルヴァーズ。
ジャクソン・シスターズと共にキッズ・ソウル/レア・グルーヴ界でコアな人気を誇っています。

そのシルヴァーズメンバー中で一番の末っ子、フォスター・シルヴァーズが1973年発表したソロ作がこの1枚!

歌声もサウンドもまさにジャクソン・ファイヴな感じ♪
多くのHIP HOP/DJにサンプリングされ、『ULTIMATE BREAKS & BEATS』にも収録された1曲目「Misdemeanor」が人気ですが、他の曲もポップ&グルーヴィーでNice♪

今日のこの1曲は、ダン・ペン作の大好きなナンバー「I'm Your Puppet」カヴァーを。

ちなみに1974年発表ソロ2ndも一緒に出ました。こちらも世界初CD化! 森 陽馬



2017年12月20日(水) Jimmy Smith 「Why Can't We Live Together」

ソウル・ジャズ/メロウ・グルーヴ、オルガン好きの方へ推薦!

名オルガン奏者、ジミー・スミスが1974年発表したアルバムが世界初CD化されました。

ジミー・スミス『ブラック・スミス』
(国内CD ボーナス・トラック1曲追加 日本語解説付 OTLCD-5413 1,850円+税)

ジミー・スミスというと、黒猫ジャケで有名な『キャット』やファンキーなライヴ盤『ルート・ダウン』等1960年代の作品が人気ですが、プライド・レーベルへ残した唯一のアルバムである1974年発表今作も凄くかっこよくてオススメ。

バリー・ホワイト「I'm Gonna Love You Just A Little Bit More Baby」(つのりゆく愛)、ヤング・ラスカルズ「Groovin'」カヴァーも聴きものですが、今日のこの1曲はティミー・トーマス名曲カヴァー「Why Can't We Live Together」を。

この曲が作られたのは1972年。
様々な世界で45年前と変わらず分断が進む現代にも通じるメッセージ・ナンバー。

メロウなサウンドに女性コーラス隊がヴォーカルをとるソウルフルなアレンジが、乾いた心へ優しく響きます。森 陽馬



2017年12月21日(木) Tom Petty 「I Won't Back Down」

PET SOUNDS RECORD企画による天辰保文氏トーク・イベント『Talking Man』。
2018年1月22日(月)、第9回目の開催が決定いたしました。

第8回目ジャクソン・ブラウン特集に続き、第9回目はトム・ペティ特集!

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2018年1月22日(月)
PET SOUNDS RECORD presents
天辰保文 Talking Man Vol.9 トム・ペティ特集
ライヴ・カフェ アゲイン(武蔵小山)
18時半開場 19時半開演 入場料1500円
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2017年10月急逝したトム・ペティの魅力を天辰保文氏に語っていただきます。
アメリカン・ロックのルーツに対峙しそれを体現してきた彼の名曲群、感謝を込めて皆で堪能したいですね。

今日のこの1曲は、1989年発表名作『フル・ムーン・フィーヴァー』から、ジョージ・ハリスンもゲスト参加した「I Won't Back Down」を。
(国内CD 天辰保文氏による日本語解説・歌詞・対訳付 UICY-25706 1,714円)

ジェフ・リンがプロデュース参加、武骨なアメリカン・ロックにポップな魅力が加わった快作です。森 陽馬



2017年12月22日(金) The Blow Monkeys 「Crying For The Moon」

今年は、ポール・ウェラー、スクイーズ、ニック・ヘイワード等...<イギリス>・<80's>好きな方には嬉しいリリースが色々ありました。

彼らと同時代から活躍を続ける、Dr.ロバート率いるザ・ブロウ・モンキーズも今年新作を発表。
国内盤も発売になりました。

ザ・ブロウ・モンキーズ 『The Wild River』
(国内CD 金澤寿和氏による解説付 PCD-24688 2,400円+税)

2008年再結成後、コンスタントにアルバムを発表しており、前作から約2年ぶり通算11作目。
2016年にはDr.ロバートのソロ作(国内盤未発売)もリリースされているので、かなり精力的ですよね。

ロックンロールな曲やキャッチーさが目立った前作に比べると、新作はバンドのルーツであるソウル・ミュージックに立ち返った味わい深いメロウなナンバーが並んでいます。

サックス奏者ジャコ・ピーク(PUSH)、ドラムにクリスピン・テイラー(ガリアーノ/PUSH)、②「What In The World」での、ミック・タルボット(元スタイル・カウンシル)の客演も嬉しいところ。
(欲を言えば、ミックのハモンドの音量をもう少し大きくしてほしかったなぁ...)

今日の1曲は、今作のオープニングを飾るミディアム・チューン「Crying For The Moon」を。東尾沙紀



2017年12月23日(土) ダン・フォーゲルバーグ 「Same Old Lang Syne」(懐かしき恋人の歌)

クリスマス・ソング、皆さんはどんな曲がお好きでしょうか?

賑やかで楽しいクリスマス曲もたくさんありますが、ちょっと切ない気持ちになるような曲が僕は好きです。

今日のこの1曲は、そんなセンチメンタルなクリスマス・ソングを。

ダン・フォーゲルバーグ「Same Old Lang Syne」(邦題:懐かしき恋人の歌)
(オリジナルは1981年発表作『Innocent Age』収録。掲載ジャケットは『エッセンシャル』MHCP-451 1,700円+税)

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雪が降るクリスマス・イブの夜、男性がコンビニへ立ち寄ると昔の懐かしい恋人と偶然出会う。
立ち話後、飲みに行こうとしたが近くのBarは開いておらず、ビールを買って彼女の車の中で飲むことになる。
彼女は建築家と結婚、優しくて真面目な夫だ、と話しているけど、夫のことを愛しているとは言わない。
イブの夜に一人で冷凍食品を買っているくらいだから、もしかしたらあまり幸せではないのかもしれない。
かくいう男性は若い頃の夢を追いミュージシャンになったが、過酷なツアーの連続に厳しい現実を感じている。
ビールも話題も尽き彼が別れを告げた時、彼女は彼にキスをしてくれた。
ちょっとの間学生時代に戻った二人。
昔の懐かしい気持ち、でも切ない想いを抱きながら車を降り彼女を見送ると、外は雪から雨へ変わっていた。
(「Same Old Lang Syne」(懐かしき恋人の歌)歌詞要約)
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美しくも切ないピアノの奏とメロディー。
そして最後の最後に、マイケル・ブレッカーによる「蛍の光」サックス・ソロが優しく心を潤してくれる1曲。

実際にダン・フォーゲルバーグがクリスマス・イブ、昔の恋人と出会った話がモチーフになっているそうです。

ちなみに、「雨は夜更け過ぎに雪へと変わるだろう」という山下達郎「クリスマス・イブ」の歌詞は、雪と雨のシチュエーション及び物語こそ違えど、この歌の影響を受けているのでは、と想像しています。森 陽馬



2017年12月24日(日) サニーデイ・サービス 「クリスマス」

2017年発表されたクリスマス・ソング、ベスト・ナンバーはこの曲。

サニーデイ・サービス「クリスマス」
(CD&LP『Popcorn Ballads』収録/国内EP『クリスマス remixed by小西康陽』 ROSE-216 1,500円+税)

2017年6月配信のみでリリースされたサニーデイ・サービス新作アルバム『Popcorn Ballads』。
CDと限定アナログ盤が12月25日発売され、更にその収録曲「クリスマス」がシングルEPカットで発売。

メロウ・グルーヴ/ファンクなサウンドに、曽我部恵一が綴る恋人たちのクリスマス物語。

アナログEPに収録されたヴァージョンには、よりジャジーに聴かせる小西康陽リミックスを収録。

オリジナル及びRemixヴァージョン、両方のMusic Videoがyoutubeにアップされ、恋人カップルの心模様が渋谷やお台場を舞台に映像で描かれています。(赤い少女は恋人の心に潜む怪物か?)
そちらを両方ご覧になれば、この曲をより深く理解できると思いますので是非チェックを。

なお、アナログB面には、曽我部恵一が書き下ろした「Rose for Sally」(クリスマス・ソング)も収録。
穏やかな余韻が残ります。森 陽馬



2017年12月25日(月) ヴァン・モリソン with ポール・ジョーンズ 「フェイム」

今年2枚目のニュー・アルバムを先日発売したヴァン・モリソン。
そのアルバム『ヴァーサタイル』はジャズのスタンダード・カヴァー含め、渋くていい作品でした。

今日はそのニュー・アルバムではなくて、夏頃に出たアルバムの方をとりあげたいと思います。
2017年を振り返って、気に入った作品を考えた時、やはり今日のこの1曲で取り上げておかないといけないな、と思った次第です。

ヴァン・モリソン『ロール・ウィズ・ザ・パンチズ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 HSU-10156 2,490円+税)

R&B/ブルースのカヴァーとヴァンのオリジナル曲が違和感なく同居した全15曲。
T・ボーン・ウォーカー「ストーミー・マンデー」、サム・クック「ブリング・イット・オン・ホーム・トゥ・ミー」(我々の世代はアニマルズのヴァージョンで知りました)、リトル・ウォルター「ミーン・オールド・ワールド」等を気持ち良さそうに歌うヴァンの姿が頭に浮かんできます。

盟友ジョージ・フェイムのハモンド・オルガンとヴォーカルが聴けるカウント・ベイシー&ジミー・ラッシング作「ゴーイン・トゥ・シカゴ」。
元マンフレッド・マンのポール・ジョーンズのヴォーカルとハーモニカが、元ゼムのヴァンのヴォーカルと程よく拮抗するオリジナル曲「フェイム」。
そして、渋いノドを聴かせるクリス・ファーロウ。
ヴァン・モリソン一座の音をきっちり踏まえたジェフ・ベックのギターが何曲もで楽しめます。

ヴァンと同時代にデビューしたブリティッシュ・ビート世代のベテラン達と共演するヴァンのヴォーカルが心地良く耳に残ります。森 勉



2017年12月26日(火) Rusty Young 「My Friend」

PET SOUNDS RECORDスタッフが選ぶ2017年ベスト・アルバム>、選出いたしました。
(上記リンク先、特設ページに掲載)

2017年もたくさんの良い作品に出逢うことができました。
各スタッフのお気に入り盤、ということでよろしければご覧になってみてください。

さて、今日紹介するのはここ最近よく聴いているお気に入り盤。

Rusty Young『Waitin' For The Sun』
(輸入CD Blue Elan Records BER1052)

1969年頃結成しカントリー・ロックの雄として現在も活動しているバンド、POCOのラスティ・ヤング。
音楽活動約50年にして初となるソロ・アルバムです。

ジャケットに貼付されているシールには、<Debut album from Rusty Young of POCO>の文字。

POCO一筋!であった彼のPOCO愛と、今までのバンド活動で培ってきた繋がりを大事にした温もり伝わる1枚。

今日のこの1曲は、リッチー・フューレイ&ティモシー・B・シュミットが参加している2曲目「My Friend」を。森 陽馬



2017年12月27日(水) スーマー 「とんでゆけ」

今年2017年もベスト・アルバムを選ばせていただきました。

バンジョー弾き吟遊詩人スーマー、2ndアルバム『泥水は揺れる』。
哀愁を帯びた歌、詩、乾いた音、エルド吉水が描くジャケットや挿絵ひっくるめて、素晴らしい1枚だと思います。
(国内CD MS-009 2,593円+税)

<音が消えても響きは残る 響いた先で思いが散らばる>

7曲目「とんでゆけ」の一節です。
特にこの曲が好きなのですが、スーマーさんの歌や言葉はこの一節のように聴く者に深い余韻を残します。

中村まりさんがコーラスで参加。
ケルトっぽい雰囲気を醸し出す川口義之さん(栗コーダーカルテット/渋さ知らズ)のリコーダーの、ゆらゆらと風に乗ってどこまでも飛べそうな軽やかなフレーズも聴きものです。

この曲を弾き語りで聴いたこと、歌旅のエピソードを交えた楽しいMCに頬がゆるみっぱなしだった事。
2017年観たスーマーさんのライヴ、印象に残っています。東尾沙紀



2017年12月28日(木) ビーチ・ボーイズ 「It's About Time」

12月28日はデニス・ウィルソン(ビーチ・ボーイズ)の命日でした。

1983年冬、当時39歳、ドラッグ渦に苛まれ冷たい海に沈んだデニス。

ビーチ・ボーイズの光と影を体現していた彼が関わった楽曲には、ブライアンやマイクとは違った引力を感じます。

デニスの代表曲と言えば、1970年発表アルバム『サンフラワー』収録曲「Forever」ですが、今日のこの1曲は、その同じ『サンフラワー』に入っているデニスが作曲で関わった「It's About Time」を。

ビーチ・ボーイズ史上最もハードなロック・ナンバーと言われる、デニスの激情が乗り移ったような1曲。
1970年代前半ビーチ・ボーイズのコンサートではこの曲が最後に演奏されていたそうです。

♪兄弟たち、みんな、今からお互いを助け合おうよ 愛を分かち合うんだ♪

協調を呼びかける歌詞、前にどんどん進んでいくサウンド、カールの歌声とギター。

どんなに寒い風に吹かれたとしても、この曲を聴けば心も身体も熱くなります。森 陽馬

★掲載ジャケットはビーチ・ボーイズ『サンフラワー』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-25600 1,714円+税)



2017年12月29日(金) DJ糸居五郎 黄金のレイディオ・ヒッツ・ゴー・ゴーVol.2より
ポール・バターフィールド・ブルース・バンド 「ウォーキン・ブルース」

「ゴー・ゴー」と言えば、『ゴー・ゴー・ナイアガラ』、大滝詠一D.J.によるラジオ番組。
「ゴー・ゴー・ゴー」と3回続けると、D.J.糸居五郎による名調子の代名詞ではないでしょうか。

糸居五郎は1954年7月ニッポン放送開局時代からのアナウンサー。
いろいろな番組を担当していましたが、1967年10月から始まった『オールナイト・ニッポン』での放送が我々の世代には印象に残っています。

その「オールナイト・ニッポン」初期に放送されたD.J.糸居五郎の録音テープが発見されたということで、このCDが企画されました。

『D.J.糸居五郎 黄金のレイディオ・ヒッツ・ゴー・ゴー・ゴー』Vol.1~Vol.3 3種
(国内CD WPCR-17926、17927、17928 解説・歌詞付 各2,300円+税)

各CD、1960年代中期から1970年代初期ヒット曲が19曲もしくは20曲収録。
その曲間5~6か所に今回発掘された糸居五郎のD.J.テープから抜粋されたナレーションが入る構成のCDです。
ナレーションは曲にかぶることなくトラックが独立しており、ナレーションor曲だけの選曲も可能になっていて親切。

選曲・曲解説は、<日本一のレコード大好き男>を自称する宮治淳一!
定番曲以外にもシャムロックス「ラ・ラ・ラ」、レーン&リー・キングス「ストップ・ザ・ミュージック」、ウィッシュフル・シンキング「ピーナッツ」、デヴィッド・マックウィリアムス「パーリー・スペンサーの日々」、ベッドロックス「オブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダ」等、当時を知る人にはニヤリの曲も収録されています。

今日は「Vol.2」の中から紹介しましょう。
ポール・バターフィールド・ブルース・バンド「ウォーキン・ブルース」。

オールディーズのコンピにはあまり入ることのないホワイト・ブルース。
この曲の前には貴重な糸居五郎ナレーションが入っていて、なんとゴールデン・カップスやハーフ・ブリード・ファンの女の子からのハガキを紹介しています。
そして、カップスもカヴァーしていたこの曲がかかるという仕掛け。素晴らしい!

よくぞ、こんなすてきなナレーションを見つけてくれましたね。
ゴー・ゴー・ゴー・ゴーズ・オン! 森 勉



2017年12月30日(土) スピッツ 「君は太陽」

2017年で結成30周年を迎えたスピッツ。
旧作はもちろん、2017年7月にリリースされたベスト盤もとにかく良く聴いた一年でした。

8月には日本武道館で初めてスピッツのライヴへ。
生の歌声に感動したこと、4人の<ロック・バンド>としての拘り、現在進行形のステージに感激!
今夏の忘れられない思い出となりました。

私が行った8月19日公演は、最後の曲が「君は太陽」でした。
♪斜めった芝生を転がっていくのだ♪
2018年も転がりながら、削れて減りながら、一歩一歩進んでいきたいと思います。

ライヴを観た日はちょうど台風が通り過ぎる頃だったと思いますが、終演後には雨も雷もすっかりやみ、涼しく心地良い風に吹かれながら清々しい気分で駅へ向かったことも、印象深い出来事です。

CD3枚組ベスト・アルバム『CYCLE HIT 1991-2017 -Spitz Complete Single Collection- 30th Anniversary Box』の限定アナログ盤も先日発売になりました。(国内6枚組LP 完全受注限定生産商品 UPJH-9053 15,000円+税)

LP6枚組!
このベストに収録された新曲「ヘビーメロウ」、「1987→」、「歌ウサギ」は、初アナログ化になります。東尾沙紀



2017年12月31日(日) ジョニー・ソマーズ 「ネヴァー・スロウ・ユア・ドリームズ・アウェイ」

世の中にはまだまだ知らない曲があちこちに隠れているんだろうと思います。

2017年初めに発売された『ベスト・オブ・パイド・パイパー・デイズVol.2』はそんなことを思わせてくれるCDでした。
(国内CD 全24曲収録 曲目解説・歌詞・対訳付 SICP-31038 2,000円+税)

ゲイリー・ウィリアムズ、ポール・ヴァリスコ&マイルストーンズ、ロビー・フォーク&バド、アーバーズなど耳馴染みのないアーティストでも聴けばイイ曲ばかり。
またポール・アンカ、コニー・スティーヴンス、ケニー・ランキン、メイン・イングリーディエント、ビリー・ジョー・ロイヤルなどは、ヒット曲以外の隠れた名曲を紹介してくれています。

そして、選曲・監修の長門芳郎さんがお気に入りのバッキンガムス、スパイラル・ステアケース、ユニオン・ギャップのヒット曲や、サークル、イノセンス、アルゾなどの等の楽曲も散りばめられています。

とにかく聴いていて気持ちのいい選曲のCDなのです。

店頭でかけていると、「今、かかっているのなんですか?」と問い合わせの多い1枚です。

今日はその中から個人的に一番のお気に入り曲、ジョニー・ソマーズ「Never Throw Your Dreams Away」を。
アルバム未収録のシングルB面曲! よくぞ収録してくれました。

3年ほど前にジョニー・ソマーズのジャジーな要素を強調した1968年発表アルバムがCD化された時にボーナス・トラックとして収録されていたのを初めて聴いて、こんなポップな曲もあったのか、と感激した曲です。
ジョニー・ソマーズのハスキー・ヴォイスがいいんだなぁ。森 勉





これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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