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  今日のこの1曲 “Archives”

<2017月9月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2017年9月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2017年9月1日(金) Jillette Johnson 「Love Is Blind」

秋風を運んでくるような女性シンガー新譜この1枚。

Jillette Johnson『All I Ever See In You Is Me』
(輸入CD Rounder 1166100260)

ジレット・ジョンソンは1989年生まれニューヨーク育ちの女性シンガー・ソングライター。
ナッシュビルを拠点に現在活動してる彼女、2017年8月発表2ndアルバムが今作です。

良質なナッシュビル産ロックを数々生み出している若きプロデューサーDave Cobbが全面的に関わった編曲は、70'sの香り漂うアコースティックなサウンド。
風通しよい演奏がフェミニンなムード溢れるジレット・ジョンソンの歌声を引き立てています。

今日のこの1曲は2曲目「Love Is Blind」。

フリートウッド・マックを意識したと思われるアレンジが秀逸。
彼女の歌もスティーヴィー・ニックスっぽく聴こえてくるマジカルなキラーチューンです。森 陽馬


2017年9月2日(土) Paul Weller 「Above The Clouds」

1週間ほど前、ポール・ウェラー2018年来日公演が発表になりました。

2017年5月にリリースされた最新作『ア・カインド・レボリューション』を引っ提げての約3年ぶりの来日♪
2018年1月19日の大阪を皮切りに、20日・横浜、22~23日・東京2公演が決定しています。
まだまだ先ですが、新作を聴き込んで楽しみに待ちたいと思います!

ソロとして再スタートし、1stアルバム『ポール・ウェラー』がリリースされて今年で25年。

スタイル・カウンシルがなくなり、ソロ・アーティストとしていちからまた地道にライヴ活動をはじめ、アルバムを制作したものの当初イギリス本国では契約が決まらず、日本で最初にリリースされた本作。

♪あの雲の上には何があるんだろう いつかあそこへ行けるんだろうか♪(「Above The Clouds」)

今作の詞の多くは、先への不安や葛藤など、当時苦悩するウェラーの心情が綴られています。
セットリストに織り込まれることの多い人気曲「Above The Clouds」。
現在行われているツアーでも演奏されているようです。

へこたれそうな時、夏の終わり聴きたくなる曲です。東尾沙紀

★掲載ジャケットは、「Above The Clouds」収録92年発表ソロ1stアルバム『ポール・ウェラー』。
(国内CD 完全限定盤 解説・歌詞・対訳付 UICY-93561 2,667円+税)


2017年9月3日(日) ドリフターズ 「アップ・オン・ザ・ルーフ」

アメリカのR&Bヴォーカル・グループ、ドリフターズは1953年に結成されました。

浮き沈みの激しい50~60'sアメリカン・ヒット・チャートの中で、1966年までシングル・ヒットを出し続けた稀有なグループと言っていいと思います。

しかし、このドリフターズはメンバー変遷が一筋縄ではいかない複雑な歴史を辿っているんですねぇ、これが。
くわしい話をしていると、とてもこのコーナーでは収まらないので今日はひとつまみ程度に・・・。

<その1>リード・ヴォーカリストがよく交代しました。
クライド・マクファター(「ハニー・ラヴ」)→ジョニー・ムーア(「フールズ・フォール・イン・ラヴ」)→ベン・E・キング(「ラスト・ダンスは私に」)→ルディ・ルイス(「オン・ブロードウェイ」)→ジョニー・ムーア(「渚のボードウォーク」)
・・・とメイン・ヴォーカルが変わりつつヒットが出ました。

<その2>1959年にメンバー総入れ替えがありました。
要するにまったく違うグループ(ファイヴ・クラウンズ)がドリフターズを名乗ることに。

なんともメンバーの出入りが激しかったドリフターズですが、いい曲がいっぱいあります。

このCDは1962年に出た全14曲入りのアルバム。
ドリフターズ『アップ・オン・ザ・ルーフ』
(国内CD 歌詞・解説付 WPCR-27629 952円+税)

ベン・E・キングがリードをとっている「ゼア・ゴーズ・マイ・ベイビー」、「ジス・マジック・モーメント」、「ラスト・ダンスは私に」も入っていますが、味のあるルディ・ルイスがリードをとっている1962~3年大ヒット「アップ・オン・ザ・ルーフ」。

作詞をしたジェリー・ゴフィンがドリフターズが歌うことを想定して一番の歌詞に「ドリフト」という単語を使った、というエピソードも残っている名曲です。森 勉


2017年9月4日(月) はっぴいえんど 「さよならアメリカさよならニッポン」

ベルウッド・レコード45周年記念7インチ復刻シリーズ。
7/19第1弾大瀧詠一&細野晴臣、8/9第2弾高田渡&遠藤賢司に続き第3弾はっぴいえんど3種が9/6発売。

  
・はっぴいえんど『12月の雨の日/はいからはくち』(FJEP-1007 1,852円+税)
・はっぴいえんど『花いちもんめ/夏なんです』(FJEP-1008 1,852円+税)
・はっぴいえんど『さよならアメリカさよならニッポン/無風状態』(FJEP-1009 1,852円+税)

オリジナル・マスター・テープからカッティング、ジャケットや内袋も可能な限りオリジナル盤を再現。
オリジナル盤をお持ちでない方だけでなく、持っているという方にも魅力的なこだわりのアナログ盤です。

更に!当店のみの特典として、ジャケット・デザイン・マグネットをお買い上げの方先着でプレゼント!
はっぴいえんどを知らない新しい世代のアナログ・ファンもよろしければ是非。

今日のこの1曲は、ヴァン・ダイク・パークスがレコーディングに参加した「さよならアメリカさよならニッポン」。

1972年アメリカ/ロサンゼルス録音。
大滝詠一が作曲、松本隆が作詞を手掛けた曲(クレジットは<はっぴいえんど作詞/はっぴいえんど&ヴァン・ダイク・パークス作曲>)をヴァン・ダイク・パークスが編曲。

アメリカ西海岸1972年の空気感、独特なリズム感・グルーヴ・浮遊感が、溝から針を通って45年を経た現代へリアルに伝わってきます。森 陽馬


2017年9月5日(火) ごまのはえ 「留子ちゃんたら」

2017年で創立45周年となるベルウッド・レコードと共に、伊藤銀次さんもデビュー45周年を迎えます。

その伊藤銀次さんがデビューした時のバンド、ごまのはえ。
1972年発表唯一のシングル作品が7インチ・アナログ盤で復刻決定!
11月3日発売されることになりました。

ごまのはえ『留子ちゃんたら/のぞきからくり』
(2017年11月3日発売 国内EP FJEP-1010 1,852円+税)

ごまのはえは伊藤銀次、上原裕、末永博嗣、角谷安彦、藤本雄志の5人が大阪で結成したバンド。
1972年9月25日ベルウッド・レコードから今作でレコード・デビューしましたが紆余曲折ありバンドは解体。

その後伊藤銀次さんは大滝詠一氏の元でココナツバンク結成、布谷文夫のバック、シュガー・ベイブのサポート、ナイアガラ・トライアングル、ソロ、佐野元春との交流、ウルフルズ等プロデュース業等で活躍。
現在も精力的に活動していますが、ごまのはえはまさに銀次さんにとって音楽活動の原点。

45年の時を経て甦る「留子ちゃんたら」。
オリジナル・マスター・テープからカッティング、ジャケットや内袋もオリジナル盤を忠実に再現。
ベルウッド及び銀次さん45周年を祝して、是非手にとってみてください。森 陽馬


★なお、11月3日はレコードの日!様々なレコードが発売されます。
鈴木茂、ロジャー・ニコルズEP BOX、キリンジ初アナログ化商品などご予約受付中。

(発売前に予約終了となる可能性ございますのでご入用の方はお早めに)


2017年9月6日(水) ブリジット・バルドー 「ふたりの夏にさよなら」

ひさしぶりにNHK Eテレ『0655』『2355』からのネタです。

このところ以前に比べ熱心に番組を見ていないのですが、先日ひさしぶりに見た時、大好きな曲が『2355』おやすみソングとして流れていたので、つい反応して今日のこの1曲となったわけです。

『2355』では以前から時々オンエアされていますよね。
フランスの女優として有名なブリジット・バルドーが歌っている「La Madrague」。

やはりこの季節が似合っていますね。
夏が終わり、これから本来的な秋を迎えようかという時期・・・。

邦題は「ふたりの夏にさよなら」。
フランス語の空気が抜けるような語感とバルドーのかまととヴォイスがたまらないフレンチ・ポップスに仕上がっています。森 勉

★掲載ジャケットはブリジット・バルドー『ベスト・オブ・BB』。
(国内CD ユニヴァーサル 解説・歌詞・対訳付 UICY-15053 1,714円+税)



2017年9月7日(木) イギー・ポップ&ザ・ストゥージズ 「I Got A Right」

「音楽は人生だ。
だが、人生は商売(ビジネス)ではない。」
(イギー・ポップ 2010年ロックの殿堂授賞式での発言より)

映画『ギミー・デンジャー』を新宿シネマカリテにて鑑賞。

ジム・ジャームッシュ監督、イギー・ポップ&ザ・ストゥージズのドキュメンタリー映画。
イギー・ポップへのインタビューを軸に、昔のライヴ映像や他メンバーの証言で構成された約108分。

イギー・ポップの生き様に感動すら覚えました。
ストゥージズをよく知らない方にこそ見ていただきたい音楽映画です。

今日のこの1曲は、最高に突き抜けててかっこいい「I Got A Right」。
オリジナル・アルバム未収録曲ながら、イギーのPUNK精神を象徴するようなナンバー。

サントラには1973年発表名作『Raw Power』制作初期録音されたレアなアウトテイクが収録されています。森 陽馬

★掲載ジャケットは、映画『ギミー・デンジャー』サントラ盤。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-17711 2,400円+税)



2017年9月8日(金) Barry White 「Never, Never Gonna Give You Up」

昨日に続いて、本日も映画の話題をひとつ。

''カーチェイス版のラ・ラ・ランド!?''とも評されているエドガー・ライト監督
映画『ベイビー・ドライバー』を鑑賞しました。

ミュージカルでもなく、純粋な音楽映画という訳でもなく、ソウル~ロックの名曲とカーアクション、ラヴ・ロマンスが盛り込まれたアクション・エンターテインメント作品。

運転技術を買われ、強盗メンバーを逃がすためのドライバーとして組織に身をおく主人公ベイビー。
幼い頃の交通事故が原因で続く耳鳴りを和らげるのは、気分によって使い分けるipodに入れられた様々な音楽。

序盤で流れるジョン・スペンサー・グループを筆頭に、ザ・ダムド、ベック、クイーン、ビーチ・ボーイズ、T-Rex、コモドアーズ、サム&デイヴ、カーラ・トーマス、マーサ・リーヴス&ヴァンデラス他、劇中に登場する楽曲が、登場人物の心情やセリフ、アクション等にうまくリンクしていて、スピード感のあるストーリーと共に楽しめました!

ある女性との出会いで組織から離れようとする主人公と、行く手を阻む人物とが対峙するヒリヒリとした場面で流れるバリー・ホワイト「Never Never Gonna Give You Up」がとても印象的でした。

レッチリのフリー、ポール・ウィリアムス、スカイ・フェレイラなどミュージシャンがちょっとした役で出ているのも必見。

掲載ジャケットは、「Never,Never Gonna Give You Up」を収録したバリー・ホワイトの20曲入りのベスト盤『ALL-TIME GREATEST HITS』(輸入CD)です。東尾沙紀


2017年9月9日(土) ニール・ヤング 「Give Me Strength」

静寂の闇が深まる夜。
乾いた心に隙間ができた時。
ニール・ヤングを無性に聴きたくなることがあります。

危くて、哀しくて、でも意志は鋭くどこかへ向いている歌声。

そのニール・ヤングが30歳を迎えた夏に録音していた弾き語り秘蔵音源が発売。

ニール・ヤング『ヒッチハイカー (hitchhiker)』
(国内CD SHM-CD仕様 大鷹俊一氏解説・歌詞・対訳付 WPCR-17885 2,457円+税)

名盤『ZUMA』(1975)と『American Stars N'Bars』(1977)の間。
初来日しスティルス・ヤング・バンド『Long May You Run』を発表した1976年の夏。
カリフォルニア州マリブにあるインディゴ・スタジオにて一発録り。

「Human Highway」、「Old Country Waltz」、「Powderfinger」等全10曲中、
4曲目「Hawaii」と5曲目「Give Me Strength」はオフィシャル完全未発表曲。

今日のこの1曲は、消え入りそうな歌と後半のハーモニカが沁みる「Give Me Strength」を。森 陽馬



2017年9月10日(日) グレッグ・オールマン 「My Only True Friend」

2017年5月27日に69歳で逝去したグレッグ・オールマン。
遺作となるオリジナル・アルバムが発売されました。

グレッグ・オールマン『サザン・ブラッド』
(国内CD 解説・歌詞付 UCCO-6017 2,600円+税)

死期を悟っていた彼が最後の作品をレコーディングする場所として選んだのはマッスルショールズ。

兄デュアン・オールマン(1971年逝去)が多くのソウル名盤/セッションに参加したフェイム・スタジオ。
サザン・ロック&ソウルの魂が染みついた聖地と言える名スタジオで今作は録音されています。

プロデュースは名匠ドン・ウォズ。

ジャクソン・ブラウン作でジャクソン自身もヴォーカル参加している本編ラスト「Song For Adam」、リトル・フィート名曲「Willin'」カヴァー等聴きものですが、今日のこの1曲はグレッグのオリジナル曲①「My Only True Friend」。

彼の人生を集約させたお別れのメッセージともとれるサザン・スピリッツ溢れるナンバー。

体中の情念を振り絞るように歌うグレッグのヴォーカルと"オールマン"らしいギターの絡みが、青い空を自由に羽ばたく鳥のように揺らめきながら、僕らの胸を熱くノックします。森 陽馬



2017年9月11日(月) ジャック・ジョンソン 「My Mind Is For Sale」

ジャケット写真でジャック・ジョンソンの周りを囲んでいる様々なプラスチック製品、、、。
これは海で拾ってきたプラスチック・ゴミなのでしょう、、、。

美しい海が汚された現状を伝えるドキュメンタリー短編映画『The Smog Of The Sea』。
その音楽及び制作にも関わった彼が地元ハワイのマンゴー・ツリー・スタジオで録音。
7枚目となるスタジオ・オリジナル・アルバムを発売しました。

ジャック・ジョンソン『All The Light Above It Too』
(国内CD ボーナス・トラック「Seasick Dream」追加収録 解説・歌詞・対訳付 UICU-1292 2,500円+税)

ハートフルかつ心地良いサウンドはそのままに、自然保護・平和を祈る力強いメッセージが伝わる1枚。

ゆるやかなグルーヴ⑥「Big Sur」、心和む⑦「Love Song#16」等、アコースティック&心優しい歌声がいつもながら魅力的ですが、今日のこの1曲は彼のひたむきなメッセージが示された4曲目「My Mind Is For Sale」。

アメリカ大統領/トランプ政権への警鐘を表した歌詞。
穏やかなヴォーカルとは裏腹に鋭く心に迫ります。森 陽馬



2017年9月12日(火) 山下達郎 ・セリ(門脇麦)「REBORN」

東野圭吾原作の小説『ナミヤ雑貨店の奇蹟』が映画化され、9月23日全国ロードショー公開されます。

その映画の主題歌を山下達郎が担当して、シングルCDが9月13日発売。
本日より店に並んでおります。

山下達郎『REBORN』
(CD ワーナー WPCL-12715 1,200円+税)

小説の中に出てくる「再生」という曲を具体化するのは難儀なことだったと思いますが、物語の内容に寄り添ったいい作品に仕上がったのではないでしょうか。さすが、山下達郎。

映画の中で人気歌手になったセリが歌うヴァージョンもCD2曲目に収録。
セリ役の女優:門脇麦のあやうくもナイーヴな歌声が絶品です。
池永正二によるアンプラグドなアレンジも光っていますね。

3曲目には劇中で使用されているハーモニカ演奏ヴァージョンを収録。
これがなかなかの感動ものの演奏です。
実際にハーモニカを吹いているのは、ジャズ/ブルース・ハーピストとしてその筋では有名な続木力。

あと今回のシングルは盛り沢山で、「REBORN」の山下及びセリ各ヴァージョンのオリジナル・カラオケに加え、山下達郎最新ライヴ2曲も収録。
2017年ツアーから「ターナーの汽罐車」、2016年新宿ロフトでの「DRIP DROP」が城北トリオ(難波弘之、伊藤広規、山下達郎)の演奏で楽しめます。

映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の音楽プロデューサーは安井輝(ヤスイシン)。
『そして父になる』、『キツツキと雨』、『君と100回目の恋』など数多くの映画でいい仕事をしていますが、山下達郎とは『陽だまりの彼女』(主題歌「光と君へのレクイエム」)でもタッグを組んでいました。

今回の映画は小説に書いてあるエピソードが全部描かれているわけではなさそうですが公開が待ち遠しいです。
映画が終わった後のエンドロールの歌、どんな気持ちで聴けるのか、楽しみです。森 勉



2017年9月13日(水) Pictured Resort 「Southern Freeway」

ネオアコ・ファンも注目の日本発アーバン・シンセ・シティ・ポップ・バンド、PICTURED RESORT。

約1年ぶりとなる最新作『SOUTHEN FREEWAY』が本日発売になりました。
(国内CD SLYD-006 1,600円+税)

<プリファブ・スプラウトが地中海イビザ島に行ったら、というような曲もあってひたすら清涼感があって気持ちいい。>
(橋本徹氏(SUBURBIA) 帯の推薦コメントより)

全英語詞&プリファブのような儚げなヴォーカル、少しエコーがかったドリーミーなサウンド♪

1曲目「Southern Freeway」のどこまでも続いていきそうな清爽感、2015年発表の1stミニ・アルバム『Now And On』収録曲を2017年版として再録した「Night Drive('17)」の高揚していくギター・ソロも必聴です。

ジャケットは永井博氏描き下ろしイラスト。
そのイラストのような青空が広がる海沿いの道を曲を流しながらドライヴすると気持ち良さそうですね。

今作の全7トラックから4曲を厳選して収録した12インチ・アナログ・シングルも同時発売になりました。
(国内LP SLYD-006EP 2,000円+税)
クリア・ヴァイナル&ダウンロード・コード付き。限定です、お早めに!東尾沙紀



2017年9月14日(木) 秘密のミーニーズ 「ヌマベの踊り」

このジャケットにピン!ときた方、オススメ!

(そう!ニール・ヤング1974年発表隠れた名作『On The Beach』(邦題:渚にて)のジャケットに...!?)
 

秘密のミーニーズ『イッツ・ノー・シークレット』
(国内CD HYCA-3063 2,300円+税)

秘密のミーニーズは、バンジョー&マンドリンやペダル・スティールを操る渡辺たもつ(Vo、G他)、菅野みち子(Vo、G)、淡路遼(Vo、Per、B)、青木利文(G.Violin)、高橋U太(Dr)、相本廉(B)の6人組バンド。
2011年結成の彼らによる記念すべき1stフル・アルバムが今作です。

全編70年代アメリカン・ロックの影響を感じさせる演奏&サウンド・アレンジが素晴らしい!

全14トラック中10曲作曲に関わっている渡辺たもつは、The Byrdsとスティーヴン・スティルスが大好き、とのこと。
ジャケはニールですが、収録曲にはCSNやThe Byrds、ウエスト・コースト・ロックへの愛が伝わってきます。

と、書きつつ今日のこの1曲は、デレク&ドミノス的な9曲目「ヌマベの踊り」を。
曲後半ギターの掛け合いはライヴで実際に聴きたい(見てみたい)ですね。

なお、ミックスはDEWマキノ(毛皮のマリーズ等)、マスタリングは中村宗一郎が担当しています。森 陽馬



2017年9月15日(金) Michael McDonald 「Blessing In Disguise」

ソウルフルな味わい深い歌声健在!

中期ドゥービー・ブラザーズを支えた名シンガー、マイケル・マクドナルド。
スタジオ作として約8年ぶり、オリジナル・アルバムは約17年ぶり!となる2017年発表作が本日入荷。

Michael McDonald『Wide Open』
(輸入CD CHONIN RECORDS 538305292)

近年はTOTOのドラマーとしても活動しているSHANNON FORRESTがプロデュースを担当。
ロベン・フォード、マイケル・ランドウ、マーカス・ミラー、ウィリー・ウィークス、デヴィッド・ペイチ他参加。

じっくりまったりと聴かせる1曲目「Hail Mary」から、ウォーレン・ヘインズとロベン・フォードがブルージーなギターを披露する2曲目「Just Strong Enough」の流れで、落ち着いた仕上がりと思いきや、プログレッシヴでかっこいい12曲目「Free A Man」等スティーリー・ダンを彷彿とさせるナンバーもあったりして、全体的に聴きどころが多い1枚。

今日のこの1曲は、7曲目「Blessing In Disguise」。
ブランフォード・マルサリスのソプラノ・サックスが、マイケル・マクドナルドの歌声に負けない個性を発揮している大人のミディアム・ロック・ナンバーです。森 陽馬



2017年9月16日(土) デヴィッド・ローリングス 「Guitar Man」

アメリカン・ロック界最強のギタリスト夫婦、と言えばデレク・トラックス&スーザン・テデスキ。

その夫婦とはまた違った魅力を放つフォーク/アメリカーナ界随一のカップルと言えばこの二人でしょう。
デヴィッド・ローリングス&ギリアン・ウェルチ。

ギリアン・ウェルチ1996年発表1stアルバム『Revival』からずっとお互いをサポートし合い、寡作ながら素晴らしい作品をリリースし続けています。

その二人がデヴィッド・ローリングス名義で新作オリジナル・アルバムを発表しました。

デヴィッド・ローリングス『Poor David's Almanack』
(国内仕様CD 日本語解説付 BSMF-6117 2,400円+税)

アメリカ合衆国100ドル紙幣の肖像になっているベンジャミン・フランクリン(変名リチャード・ソンダース)。
彼が18世紀出版した日めくりカレンダー『Poor Richard's Almanack』から発想を得て制作された今作。

ナッシュビルの伝統的なスタジオ、ウッドランド・サウンドにてレコーディング。
デヴィッド&ギリアンの他、ウィリー・ワトソン(元オールド・クロウ・メディスン・ショー)、ポール・コワート(パンチ・ブラザーズ)、ドーズのテイラー&グリフィン・ゴールドスミス兄弟等も参加。

ゆったりと、じっくりと、1秒1秒を味わうように奏でられるギターと歌。

持ち味のアコースティックではなくエレキ・ギターでソロを聴かせるデヴィッド&ギリアン共作7曲目「Guitar Man」を今日のこの1曲に。森 陽馬



2017年9月17日(日) Jake Bugg 「Southern Rain」

新世代フォークSSWとして注目を浴びた1st。
エレキ主体のロックンロール作品となった2nd。
ダンス・ミュージックやラップを取り入れた意欲作3rd....
2013年デビューから芯となるものは変わらず、アルバム毎に変化を遂げてきたイギリス出身ジェイク・バグ。

約1年ぶり、4枚目となる新作『ハーツ・ザット・ザ・ストレイン』がリリースになりました。
(国内CD 歌詞・解説・対訳付 ボーナス・トラック1曲収録 UICR-1132 2,500円+税)

2ndにもギターで参加したマット・スウィーニー、ジョニー・キャッシュ作品他エンジニアとして活躍するデヴィッド・ファーガソンの2人をプロデューサーに、ナッシュヴィルで3週間に亘り録音。

コンガの軽やかなリズムに、美しいハーモニーを聴かせる1曲目「How Soon The Dawn」を筆頭に、打ち込み等新しい一面を見せた前作から雰囲気はガラリと変わり、穏やかで叙情的なメロディ、今までになく柔らかい歌声がとても印象的。

ブラック・キーズのダン・オーバックが共作&ギターで、ドラムにフレッド・エルトリンガム(元ウォール・フラワーズ)、ブルージーな曲のデュエットのお相手にマイリー・サイラスの妹ノア・サイラスなどが参加。

今日の1曲には、恋人との別れを惜しむ切なく、美しい「Southern Rain」。
ジェイク作による豊かなメロディと、マンドリンの瑞々しい音色、ダン・ダグモア(RONIN、リンダ・ロンシュタット他)によるスティール・ギターが沁みます。東尾沙紀



2017年9月18日(月) アール・クルー 「キャプテン・カリブ」

1976年にブルーノート・レーベルから発表されたアール・クルーのセカンド・アルバム『リヴィング・インサイド・ユア・ラヴ』は、41年経った現在でも時々引っぱり出して聴きたくなるジャズ/フュージョンの名盤です。

アコースティック・ギター(ガット・ギター)でフュージョンするということは、1976年当時ちょっと驚きでした。

プロデューサーであり、キーボード奏者として参加したデイヴ・グルーシンが実にうまくアール・クルーをサポートし、彼の個性を引き出すのに成功した作品になっています。

どれか1曲を選ぶとすればやはり1曲目でしょうか。
デイヴ・グルーシン作品「キャプテン・カリブ」。

1年後にリー・リトナー&ジェントル・ソウツの演奏でも有名になりますが、こちらが本家ということになります。

スティーヴ・ガッド、ウィル・リー、ラルフ・マクドナルド、デイヴ・グルーシンがバックをがっちり固めて、その中でアール・クルーのガット・ギターが自由にグルーヴする5分20秒!
気分爽快になる1曲です。森 勉



2017年9月19日(火) 大貫妙子 「Summer Connection」

2017年8月7日テレビ東京で放映された番組『Youは何しに日本へ?』

アメリカから来た音楽好きのスティーブさんが、大貫妙子『SUNSHOWER』LPレコードを探す、というドキュメント。
皆さんはご覧になられましたでしょうか?
(上記リンク先、番組公式ページに写真にてダイジェストが掲載)

この番組終了後、大貫妙子『SUNSHOWER』が大人気!
現在出ている再発CDの注文が殺到し、しばらくの間メーカー品切れ。
再生産された分もまたたく間に売れたそうです。

この反響を受け、2014年にHMV渋谷店オープン記念で限定再発され完売していたアナログLPが再発決定!
本日入荷しました。

大貫妙子『SUNSHOWER』
(国内LP CRJ-1011 3,241円+税)

シュガー・ベイブ解散後、1976年1stソロ作『Grey Skies』に続き発表した1977年ソロ2作目。
坂本龍一が実質的にプロデュースを担当。
クリス・パーカー(スタッフの名ドラマー)、山下達郎、細野晴臣、松木恒秀、大村憲司、渡辺香津美、他強力布陣。

瑞々しい大貫さんの感性と素晴らしいバック演奏は、40年を経た現在でも全く色褪せない輝きを放っていますね。

今日のこの1曲は、当時シングル化もされた1曲目「Summer Connection」。

なお、現行CDにはアナログLPには入っていないそのシングル・ヴァージョンも追加収録。
アルバム・ヴァージョンよりスピードアップした超かっこいいシングルverも聴きものです。

ちなみに近年は『SUNSHOWER』ばかり注目されている感がありますが、大貫妙子さんを知らなかった若い世代には、1stアルバム『Grey Skies』も是非聴いてもらいたいですね。森 陽馬



2017年9月20日(水) 吉田美奈子 「時よ」

昨日に続き、1970年代日本女性シンガー名盤のアナログLP限定再発盤から、今日のこの1曲。

吉田美奈子『愛は思うままに』
(国内LP 限定盤 MHJL-12 4,500円+税)

RCAからの1976年名作『FLAPPER』、1977年『TWILIGHT ZONE』を経てアルファ・レコードへ移籍。
ジーン&ビリー・ペイジがプロデュース、アメリカ西海岸/ハリウッドのスタジオで録音された1978年発表作。

デヴィッド・T・ウォーカー、ワー・ワー・ワトソン、エド・グリーン等、LAミュージシャンが多数参加していますが、今作の魅力はなんといっても吉田美奈子の<歌>でしょう。

特にA面3曲目「時よ」。
山下達郎『イッツ・ア・ポッピン・タイム』でも有名なこの曲。
吉田美奈子の切ない情念が聴き手に伝わってくる神懸った歌声は何時聴いても心震わされます。

なお、この再発アナログ盤は名マスタリング・エンジニアBernie Grundmanによるカッティング。
アメリカのレコード・プレス会社Quality Record Pressingで製作。
とことんこだわったアナログ盤、素晴らしい音質ですが、LP1枚で4,860円(税込)はさすがに高いなぁ...。

ちなみに、1980年発表名盤『MONOCHROME』のアナログ盤も10月25日発売予定です。森 陽馬



2017年9月21日(木) ウワノソラ 「夏の客船」

ウワノソラ、2ndアルバム『陽だまり』が10月11日発売決定しました!

ウワノソラは角谷博栄、桶田知道、いえもとめぐみによるユニット。
2014年1stアルバム『ウワノソラ』をリリース。2015年に角谷博栄といえもとめぐみの二人によるウワノソラ'67名義で、ナイアガラ愛溢れたアルバム『Portrait in Rock'n 'Roll』を発表。

2017年に入り桶田知道が脱退したとのことですが、今作はウワノソラ名義でのアルバムになります。

ウワノソラ'67『Portrait in Rock'n 'Roll』は、大滝詠一/ナイアガラへのトリビュート的コンセプト作品でしたが、新生ウワノソラの2ndアルバムでは、彼らの様々なルーツが表現された仕上がりとなっているようです。

2017年邦楽のベスト・アルバム候補な1枚!
乞うご期待!

今日のこの1曲は、その新作2ndアルバム『陽だまり』から、晩夏の叙情感溢れる「夏の客船」を。森 陽馬



2017年9月22日(金) ルルルルズ 「(Something of Life) Place to Be」

メンバーチェンジを経て、本格的再始動-東京発シティ・ポップ・バンド、ルルルルズ。

2014年発表1stアルバム『色即是空』(2014年4月3日今日のこの1曲でご紹介)から、約3年半ぶり2枚目となる新作『ルルルルズ』が今週リリースになりました。
(RURUCD-001 2,000円+税)

ルルルルズの繊細な世界観、女性ヴォーカリスト・モミさんのしなやかな歌声はそのままに、2作目はソウル、ボサノバ、ジャズのエッセンスも散りばめられ、演奏もアレンジもより洗練された雰囲気に♪

ボサノバ調の「沙上のメモリアル」、「あまく危険な香り」等を彷彿とさせるカッティングが印象的な「スカイライン」、オルガンがクールなジャズ・ナンバー「Night Owl」など、グルーヴ感ある演奏も新生ルルルルズの持ち味となっていくのでしょうね。

今日の1曲は、英語詞の「(Something of Life)Place to Be」。

スティール・パンを取り入れた、ソウル・テイストのこの曲が個人的にお気に入りです。
ワウワウ(?)ギターと、ヴァイオリンが絡む間奏もかっこいい!東尾沙紀

2017年9月23日(土) ザ・バンド 「イン・ア・ステイション」

ザ・バンド!
なんと潔いグループ名なんでしょう。

1960年代後半、グループ名はどんどん長くなり複雑化していました。

ストロベリー・アラーム・クロック、サーティーンズ・フロア・エレヴェーターズ、クイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィス、クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル等、言うことも、書くことも面倒くさくなるようなグループが登場していた時代を逆手に取ったザ・バンドという名前は目立ちましたね。

レコード・ジャケットがどんどん派手になっていった時代に、真っ白なジャケットで驚かせてくれたビートルズ『ザ・ビートルズ』(通称『ホワイト・アルバム』)にも通じる主張というか、決意を感じるシンプル・イズ・ベストなグループ名だと思います。

ということで、ザ・バンド、1968年発表ファースト・アルバム『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』。
(国内CD 期間限定価格 解説・歌詞・対訳付 UICY-78288 1,380円+税)

「怒りの涙」、「ザ・ウエイト」、「アイ・シャル・ビー・リリースト」など名曲揃いの名盤ですが、今日はリチャード・マニュエル作「イン・ア・ステイション」を。森 勉

2017年9月24日(日) ジャクソン・ブラウン 「For Everyman」

9月25日(月)、PET SOUNDS RECORD企画/天辰保文氏トーク・イベント『Talking Man』Vol.8を行います。

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2017年9月25日(月)
PET SOUNDS RECORD presents“天辰保文 Talking Man Vol.8 ジャクソン・ブラウン特集”
ライヴ・カフェ アゲイン(武蔵小山)
18時半開場 19時半開演 入場料1,500円
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第8回目の特集は、2017年10月来日公演が決定しているジャクソン・ブラウン。

デビュー45周年を迎えた彼の楽曲を聴きながら、天辰保文氏にお話を色々伺いたいと思っております。
ジャクソンのことをあまりご存じでなくても興味ある方は是非お気軽にお立ち寄りください。

さて、今日のこの1曲はジャクソン・ブラウン名作2ndアルバムからタイトル曲「For Everyman」を。

♪ユートピア(理想の国)へ木の舟に乗り漕ぎ出そう♪
という歌であるクロスビー・スティルス&ナッシュ1969年発表曲「Wooden Ships(木の船)」。

それに対し、木の舟に乗れなかった普通の人々へ視線を向けたのが、ジャクソン・ブラウン「For Everyman」。
つまり、「Wooden Ships」へのアンサー・ソングとなっているのです。

なおこの2ndアルバム『For Everyman』は、冒頭の2曲と最後の2曲が途切れず繋がっていて、コンセプト作品のような趣で制作されているのも魅力ですね。森 陽馬

2017年9月25日(月) Bap Kennedy 「The Universe And Me」

9/25天辰保文氏トーク・イベント『Talking Man』Vol.8 ジャクソン・ブラウン特集。
ご来場のお客様、ありがとうございました。

天辰保文さんが語るジャクソン・ブラウンの魅力。
今まで何気なく聴いてきた彼の歌に、新たに気付かされる点が多々ありましたね。

ジャクソンの歌に関して天辰さんは、以下のようにお話しされていました。

<普段生活する上で、特別困ったりしているわけではなく、満足とまではいかなくとも、ある程度人並みだなと思いながら暮らしていても、ふとしか瞬間に、孤独だとか、不安だとか、何かに襲われるようなときがあります。そういう瞬間が人生には存在するということ、そしてその存在が大切だということを語りかけてくれているような気がします>

音楽は聴く人によって様々な解釈や受け取り方がありますが、天辰さんのような音楽の聴き方、楽しみ方ができるように真剣に音楽に向き合わなくては、とも僕は感じました。

さて、その天辰保文さんが今夏気に入ってよく聴いていた、という作品がこの1枚。

Bap Kennedy『Reckless Heart』
(輸入CD Last Chance Records LCR-048)

ヴァン・モリソンと同じ北アイルランド/ベルファスト出身男性シンガー・ソングライター、バップ・ケネディ。
2016年逝去した彼の遺作です。

ジャクソン・ブラウンとボブ・ディランを合わせたような味わい深い歌声が優しく心をノックします。森 陽馬

2017年9月26日(火) キャロル・キング 「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロウ」(ライヴ)

わが最愛のシンガー・ソングライター、キャロル・キングの新しいアイテムが発売になりました。

キャロル・キング『つづれおり:ライヴ・イン・ハイドパーク』
(国内CD+DVD キャロル・キングによる英文ライナーノーツ&ダニー・コーチマーの日本盤のみのインタビュー(共に日本語訳付) 解説・歌詞・対訳付 SICP-31074 4,200円+税)

2016年7月3日、ロンドンのハイド・パークで行われた歴史的名作『つづれおり』全曲再現をメインにしたライヴの模様をCDとDVDで楽しめるものです。

前半は『つづれおり』をオリジナル・アレンジに近い形で曲順通りに進行し、後半はソングライターとして活躍した60's前半のヒット曲をセルフ・カヴァーする構成になっています。本編最後は1974年大ヒット曲「ジャズマン」。ギタリストのダニー・コーチマーが参加。

車の中とか何かやりながらの時はCDで、画面に集中できる時はDVDで、両方楽しめるのがいいですね。
CD80分、DVD91分収録です。
入っている曲は同じですが、オープニングのトム・ハンクスなどのヴィジョン・コメントや曲間のMCが収められている分だけDVDの方が長くなっています。

全部がベスト・シーンと言っていいキャロルのライヴですが、見逃したくないシーンをひとつだけ挙げておきたいと思います。

「地の果てまでも」と「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロウ」、「スマックウォーター・ジャック」で、キャロルの長女ルイーズ・ゴフィン登場。デュエットしたり、テレキャスターでギター・ソロをとったり、とても50代半ばと思えないキュートな姿を見せてくれます。娘との共演で74歳のキャロルの笑顔が一段とすてきです。森 勉

2017年9月27日(水) ブライアン・ウィルソン 「ラン・ジェイムス・ラン」

ブライアン・ウィルソンが初めてソロ・アルバムを発表したのが1988年。
もう、かれこれ30年になるんですね。

その間に発表されたアルバムは2015年『ノー・ピア・プレッシャー』までにライヴ盤なども含めると13枚。
ライヴ・ツアーもずっと継続していることを思えば、かなりいいペースで出し続けてくれているのではないでしょうか。

個人的な意見としては、ブライアンも御年なので、ハード・スケジュールのライヴよりも、スタジオで新しい録音をどんどん出してもらいたいのですが・・・。

さて、そんなブライアンのソロになってからの楽曲を集めたベスト・アルバムが発売されました。

ブライアン・ウィルソン『プレイバック~ザ・ブライアン・ウィルソン・アンソロジー』
(国内CD WPCR-17877 英文ライナー訳・歌詞・対訳付 2,200円+税)

全18曲収録。その内2曲は未発表曲です。
アンディー・ペイリーとの共作「サム・スウィート・デイ」と、ジョー・トーマスとの共作「ラン・ジェイムス・ラン」。

前者はファースト・アルバムの頃の録音と思われるもの。
後者はマット・ジャーディンが参加していることもあり、ここ3年内の録音かな?

アルバム『ペット・サウンズ』が録音された1966年頃、インスト曲「ペット・サウンズ」に「ラン・ジェイムス・ラン」という仮タイトルが付けられていましたが、この曲はそれとは別物でしたね。

2曲の未発表曲だけでなく、「ラヴ&マーシー」、「サーフズ・アップ」(『スマイル』からも入っています)、「レイ・ダウン・バーデン」、「ソウル・サーチン」、「ザ・ライク・イン・アイ・ラヴ・ユー」(ジョージ・ガーシュウィンとの共作)、「ワン・カインド・オブ・ラヴ」などなど、約30年間のブライアンを凝縮!

時の移ろいをしみじみ味わいつつ、ブライアンの衰えることのない創作意欲の結晶に舌鼓をうつ秋です。森 勉

2017年9月28日(木) ヴァン・モリソン 「Transformation」

雨が降って、一気に冷え込んだ今日の東京。

ヴァン・モリソンが聴きたくなる季節になってきましたね。

ということで、ヴァン・モリソン37作目となる2017年発表アルバム『Roll With The Punches』から今日のこの1曲。

ヴァン・モリソン『Roll With The Punches』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 HSU-10156 2,490円+税)

2016年発表作『Keep Me Singing』(
2016年9月30日今日のこの1曲で紹介)は、彼の生涯ベスト3と評してもいいくらい素晴らしいアルバムでしたが、今作もファンならば満足間違いなしの仕上がり。

ボ・ディドリー「I can tell」、サム・クック「Bring it on home to me」等、彼のルーツであるR&Bカヴァーやそのルーツに根差したオリジナル曲が多く、変わらぬヴァン節を楽しむことができます。

僕のお気に入りは、温もりあるスローナンバー②「Transformation」。

クリス・ファーロウのヴォーカルをfeatしたこの曲。
ギターを弾いているのは、なんと!ジェフ・ベック!

ヴァンのヴォーカルに負けない滋味深い余韻を残すギターソロ、聴きものです。森 陽馬

2017年9月29日(金) Lucky Soul 「No Ti Amo」

2007年発表デビュー作『The Great Unwanted(恋はゴージャスに)』で、60'sポップス~ガール・ポップ・ファンを胸キュンさせたイギリスの6人組グループ、ラッキー・ソウル。

2010年発表2nd『A Coming Of Age』からも早7年。
80年代ディスコ・ポップ~ファンキーなサウンドを纏った新作3rd『Hard Lines』を久々にリリース!
(国内仕様CD AW-001 解説付 2,300円+税)

鋭いギター・カッティング、太いベース、シンセ...前2作とはまた異なる音作りの中、ラッキー・ソウルらしいキャッチーなメロディ・センスは変わらず♪

今作の80年代的サウンド+紅一点ヴォーカリスト・アリの甘い歌声を聴いて、初期のマドンナを連想する方も多いのではないでしょうか。

かつての12インチ・バージョンを意識したような6分近くある先行シングル「Ti Amo」のような、ダンサブルだけどどこか切ないメロディ・ラインに乗せて歌われる詞の中には、本国の行く末への不安やフラストレーションも込められているとのこと。
バンドが進化しまた戻ってきてくれて嬉しく思います。東尾沙紀

2017年9月30日(土) プラターズ 「My Prayer」 (『ツイン・ピークス』サントラ盤より)

8~9月は寝不足気味だった、、、という方多いのではないでしょうか。
かくいう僕もそのうちの1人です。

理由は、、、ツイン・ピークス続編!

1990年~91年アメリカで放映されたTVドラマ、1992年公開映画から約25年を経て復活した新シリーズ。
全18話をデヴィッド・リンチ自らが監督、とのことで期待していましたが、いやはや、、、ホント狂ってますね。

リンチの集大成と言えるようなカオスっぷりで、マニアをも置き去りにするような超絶描写。
普通の人が見てもワケわからんというか不快にさせる要素タップリ。
でもリンチファンならば狂喜連発! とにかく凄い!

特に第2~3話と第8話が強烈でしたね。(これを書いている現時点では9話までしか観てません。ご了承のほど)
深夜というか明け方4~5時に観直したら、赤いカーテンの世界へ本当にトリップしてしまいそうな衝撃度。
(今までのツインピークスを経験しある程度理解している"変人"向けではありますが、、、。)

なお、今回の続編は各回最後、バンバンバー(ロードハウス/ライヴハウス的飲食店)へ場面が転換し赤いカーテンをバックに様々なアーティストが演奏するシーンで終わることが多く、音楽的魅力が豊富なのも面白いですね。

『ブルー・ベルベット』でロイ・オービソン、『マルホランド・ドライヴ』でコニー・スティーヴンス、リンダ・スコットが使われたように、今回もパリス・シスターズ「I Love How You Love Me」やプラターズ「My Prayer」等、オールディーズが使われているのも興味深いところ。

今日のこの1曲は、大問題回の第8話にて美しくも不気味に響いたプラターズ「My Prayer」を。森 陽馬


★サントラ盤は歌ものを集めた盤とスコア盤の2種が発売。(「ツイン・ピークス」メインテーマは両方に収録)
掲載ジャケットは、プラターズ収録の歌もの盤『ツイン・ピークス Music From The Limited Event Series』。
(国内CD 日本語解説付 WPCR-17908 2,200円+税)




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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