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  今日のこの1曲 “Archives”

<2018月3月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2018年3月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2018年3月1日(木) 優河 「さよならの声」

深夜降った台風のような雨も朝には止み、東京では日中20度に。

春の訪れを感じさせる3月の始まり。
とても素敵なアルバムが入荷しました。

優河『魔法』
(国内CD PCD-25248 2,500円+税)

1992年東京生まれの女性シンガー・ソングライター、優河。
求心力ある歌声は以前から評判で、牧村憲一氏含め多くの著名人が絶賛。
この度P-VINEへ移籍し、千葉広樹と共同プロデュースで作り上げたのが今作『魔法』です。

森は生きているに在籍していた岡田拓郎、谷口雄、増村和彦。
そして、千葉広樹、haruka nakamura、神谷洵平、林正樹、木下陽輔、田辺玄が参加。

聴く者皆の魂をこがす歌の力。
それを引き立てる演奏と絶妙な音の間。

暗闇から伸びた一筋の光、ほのかな温もりを帯びた手を差し伸べられたよう。
日々垂れ流されるように出てくる音楽に対し、やや不感症になっていた僕が久々に感動した1枚。森 陽馬

★当店ではP-VINE SSWキャンペーンを実施中!
優河、寺尾紗穂などCDをお買い上げの方、特製CD付き卓上カレンダーを先着でプレゼントしています。


2018年3月2日(金) チェン・ビー 「夜の枯れ花」

中国人アーティストとの交流が以前より活発になり、良質な作品やライヴが近年増えてきました。

今日紹介する作品は、注目の中国人女性シンガーを日本人ミュージシャンがバックアップした新譜この1枚。

チェン・ビー『歩いても歩いても』
(国内CD BRANCD003 2,500円+税)

チェン・ビーは中国山東省生まれ、北京大学(外国語学部日本語科、修士号)卒業の女性シンガー。
日本文化に親しみを持ち、谷川俊太郎や金子みすゞの詩を自ら訳して楽曲にしたことも以前あった彼女。

5枚目となるアルバム『歩いても歩いても』は鈴木惣一朗がプロデュースを担当。
演奏はワールド・スタンダード(たなかゆうじ、伊賀航、安宅浩司、中島久美、白佐武史、武嶋聡、三浦千明)。
味わい深い演奏・アレンジ、彼女の美声が心地良く融合しています。

今日のこの1曲は、金子みすゞの詩を中国語訳し曲を付けて歌った⑨「夜の枯れ花」。
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ「Chan Chan」のアレンジを大胆に取り入れています。森 陽馬


2018年3月3日(土) セルジオ・メンデス&ブラジル'77 「寂しい夜」(Don't Let Me Be Lonely Tonight)

セルジオ・メンデスと言えば、ブラジル'66、そしてA&Mでの作品が有名です。

が、今日は1973年にベル・レーベルから発表されたブラジル'77名義の作品を紹介したいと思います。

セルジオ・メンデス&ブラジル'77『ラヴ・ミュージック』
(国内CD 完全限定盤 SICJ-313 1,000円+税)

A&M時代も抜群の聴き心地良さを届けてくれていましたが、この盤でも極上のブラジリアン・テイスト・ポップスを聴かせてくれます。

プロデューサーはボーンズ・ハウ。
アソシエイションやフィフス・ディメンションを手掛けたことでも知られるポップスの極意をわかっている人なので、セルジオ・メンデスの選曲センスの良さと合体して全10曲、すべて素晴らしい出来になっています。

ラニ・ホールはメンバーから離れていますが、二人の女性ヴォーカルは実にいい雰囲気で歌っています。

ロジャー・ニコルス&ポール・ウィリアムス作「愛は夢の中に」、バート・バカラック&ハル・デイヴィッド作「ウォーク・ザ・ウェイ・ユー・トーク」、デニス・ランバート&ブライアン・ポッター作「プット・ア・リトル・ラヴ・アウェイ」や「ラヴ・ミュージック」などイイ曲が並んでいますが、今日はジェイムス・テイラーの名曲をカヴァーした「寂しい夜」を。

間奏でのセルメンのエレクトリック・ピアノの音色、サイコーです。森 勉


2018年3月4日(日) ルエジ・ルナ 「na beira」

ブラジル音楽新世代ミュージシャンによる新譜オススメの1枚。

Luedji Luna(ルエジ・ルナ)『Um Corpo No Mundo』
(国内CD 日本語解説付 RCIP-0270 2,200円+税)

ルエジ・ルナは1987年生まれブラジル/サルヴァドール出身女性シンガー。
現在はサンパウロを拠点に活動している彼女が、スウェーデン出身ドラマー/パーカッショニストのセバスティアン・ノティーニをプロデューサーに迎え、2017年暮れに完成させた1stアルバムです。

アフロ・ブラジリアンなパーカッションのリズム。
バイーアのルーツを感じさせるオーガニックな演奏。
そして、彼女の芯ある奥深い歌声が懐かしくも新しく響く快作に仕上がっています。

今日のこの1曲は南米の清らかな川の流れを想起させる⑨「na beira」(国境)。

アコースティックなブラジリアン・シンガー・ソングライター/女性MPB好きの方も要チェック♪ 森 陽馬


2018年3月5日(月) 小坂忠 「氷雨月のスケッチ」

小坂忠 feat鈴木茂、小原礼、Dr.kyon、屋敷豪太、斎藤有太&Aisa ビルボードライヴ東京公演を見てきました。

2017年8月S字結腸ガン・胃がんで緊急入院、大病を患っていた小坂忠さん。
10時間にも及ぶ大手術、術後も肺に水がたまり息ができなくなるなど、生死を彷徨う日が続いたそうです。

苦難を乗り越え行われた復活コンサート。
忠さんには失礼ながら見る前は期待・心配が半々という心持ちでした。

そして迎えた3月5日、スライ&ザ・ファミリー・ストーン「Everyday People」で入場してきた忠さんは、日中の強風雨とこちらの不安を吹き飛ばすような変わらぬパワフルな歌声!
『ほうろう』全曲+アンコール(ビリー・プレストン「You Are So Beautiful」、「上を向いて歩こう」、ボブ・ディラン「Forever Young」カヴァー)含め約85分。

「みんなの励ましがあって元気になれた。ありがとう。」、と事あるごとにMCでおっしゃっていましたが、いやいや、忠さんの朗らかなお人柄と歌に、こちらが元気付けられた一夜でした。

鈴木茂(この日はいつもよりギターの音が大きかった!)含めバックの演奏も素晴らしかったですね。
新アレンジで聴かせた「機関車」、ファンキーな「夕方ラブ」、素晴らしかった「流星都市」、ライヴではほとんど歌ったことがなかったけれど歌ってみるといい歌だね、と話していた矢野顕子作「つるべ糸」。
どの曲にも忠さんへの温かい愛情が感じられました。

今日のこの1曲は、はっぴいえんど1973年3rd収録でも知られる鈴木茂作曲・松本隆作詞「氷雨月のスケッチ」。
ソウルフルというかまさにソウル(魂)が宿った忠さんのシャウトに、身も心も熱くなった1曲。

終演後、場内でかかったキャロル・キング「You've Got A Friend」も印象に残りました。森 陽馬


★掲載ジャケットは小坂忠『ほうろう 40th Anniversary Package』
(国内CD 1975年オリジナル音源と2010年新緑の2枚組 MHCL-30322 3,241円+税)


2018年3月6日(火) 星野源 「ドラえもん」

星野源の新曲「ドラえもん」シングルCDが発売になりました。

星野源『ドラえもん』
(国内CD DVD付初回限定盤 VIZL-1346 1,800円+税)

2017年8月発売「Family Song」から早6カ月、待望の新曲は3/3公開『映画ドラえもん のび太の宝島』主題歌です。

もちろん、作詞・作曲は星野源自身。アレンジ・プロデュースも彼です。
シングルといっても、今回も盛り沢山です。CDは4曲入り。

1曲目「ドラえもん」は主題歌らしいスピード感のある曲で、河村"カースケ"智康&ハマ・オカモトのリズム・セクションによるグルーヴ感と共に含蓄のある言葉で綴られた詞を歌う源くんの歌も魅力です。
2曲目「ここにいないあなたへ」は映画の中で使われている挿入歌で、いいバラードに仕上がっています。
3曲目「The Shower」はスモーキー・ロビンソン・スタイル(はっぴいえんど「あしたてんきになあれ」クレジット参照)というか裏声で歌われる、源曰く思春期の女の子をイメージした曲。
4曲目はいつものように自宅弾き語り曲。今回はあの♪こんなこといいな できたらいいな♪の「ドラえもんのうた」をカヴァー。ドラえもんも声のゲスト参加を果たしています。

そして、いつものように初回盤には約70分間も収録された山岸聖太監督によるDVD付です。
今回はまたまたニセ明登場! タイトルが「ニセ明をスキーに連れてって」。
平昌オリンピックにあやかったわけではないようですが、ニセ明がスノーボードやスキーに挑戦しています。
ご覧になればわかりますが、大爆笑の連続で顔の筋力が自然にいい運動をしてしまいます。
初登場のチャックにも注目です。

DVDには音楽もちゃんと入っています。
2016年10月に行われた<テレビ朝日ドリームフェスティバル>に出演した際のライヴ4曲。
「化物」、「地獄でなぜ悪い」、「恋」、「SUN」をいつものバンド演奏ではなく、アコースティック・ギター弾き語りで聴かせてくれます。
源くんのギタリストとしての側面も見聞きできる映像です。

もちろん、山岸聖太との息の合った漫才のようなオーディオコメンタリーも聞き逃せませんよ。森 勉


2018年3月7日(水) bice 「How Deep Is Your Love」

<街のレコード店へ足を運び、レコードを聴いて音楽を楽しもう>、という主旨で、
2008年頃米国で始まった中小レコード店&アナログ・ファンのためのイベントRECORD STORE DAY

2018年は4月21日(土)に行われることが決定!(2018年アンバサダーはエゴ・ラッピン!)
リリース・タイトルも公式ページで発表になりました。

数多い注目タイトルの中から1枚ご紹介しておきましょう。

bice『Spotty Syrup』
(10インチ・アナログ盤 JS10S010 2,100円+税)

小西康陽もフェイヴァリットに挙げ、近年再評価されている女性シンガー・ソングライター、bice。
2010年急逝してしまった彼女の1998年発表初期作『Spotty Syrup』が10インチ・アナログ化。

90年代後期サニーデイ・サービスやZEPPET STOREを輩出したインディー・レーベル、アンダー・フラワー。
そのアンダー・フラワー・レコーズ代表田中謙次とbiceによる共同プロデュース作で、当時同レーベルに所属していたNONA REEVESの奥田健介(G)、小松シゲル(Dr)も参加。
アコースティック/ベッドルーム・ポップな全6曲です。

今日のこの1曲は、ビージーズ「How Deep Is Your Love」カヴァーを。森 陽馬


2018年3月8日(木) Pugwash 「What Are You Like」

''ダブリンのジェフ・リン''こと、トーマス・ウォルシュ率いるポップ・バンド、パグウォッシュ。

ジャケットに描かれた丸っこいおじさんがトーマスその人(似てます。)
現在は彼の1人ユニット状態のようですが、まろやかな歌声&ELO、ビートルズ、XTCなどに影響を受けたポップな世界観は変わらず♪

元ジェリーフィッシュ~ソロ、Beckなどサポートでも活躍しているジェイソン・フォークナーをプロデューサーに迎えた約2年ぶりの新作が2017年に発表されています。

Pugwash『Silverlake』
(国内流通仕様CD LJX111CDJ 2,100円+税)

流行に捉われず、毎度良いメロディを届けてくれる彼の7枚目となる新作は、トーマスが全ての曲を書き、ジェイソンと共に多数の楽器を自ら演奏。
参加ミュージシャンも最小限に、ほぼ二人三脚で作り上げたアルバムです。
(見開きジャケには、素敵な笑顔の2ショットが...)

リード・トラックで1曲目「The Perfect Summer」、XTC感のある「Why Do I...」、ストリングスを交えたアコースティック・ナンバー「Sunshine True」、ビートルズ「Tomorrow Never Knows」を彷彿とさせるサイケな「Deeper Deeper」(ボーナス・トラック)で締め括る全12曲。

こちらもリード・トラックで、ちょっとセンチメンタルな「What Are You Like」を今日の1曲に。
MVにはイギリスの俳優/ミュージシャン、Matt Berryが出演しています。東尾沙紀

2018年3月9日(金) Matador! Soul Sounds 「Move Move Move」

アメリカの<ソウライヴ>!
イギリスの<ニュー・マスターサウンズ>!

21世紀に入ったばかりの2000年代前半は、新世代ジャズ・ファンク・ブームでした。
ソウライヴとニュー・マスターサウンズは特に好きで、来日公演も行きましたね。

そのブームの筆頭であったソウライヴのアラン・エヴァンス(Ds)と、ニュー・マスターサウンズのエディ・ロバーツ(G)を中心に結成された新しいバンドが今日紹介する<マタドール!ソウル・サウンズ>です。

マタドール!ソウル・サウンズ『GET READY』
(国内CD 日本盤ボーナス・トラック2曲追加 PCD-24671 2,400円+税)

ヴィンテージ感あるサウンドで、期待通りのかっこいいファンキーな仕上がり。
ヴォーカルをfeatした楽曲もあり、70'sソウルお好きな方にもオススメの1枚!

今日のこの1曲はボーナス・トラックとしてラストに収録されている「Move Move Move」。
ソウライヴのかっこいいオルガン・ジャズと、ニュー・マスターサウンズのクールな魅力が合わさった激グルーヴィー・キラー・チューン! 聴きもの!森 陽馬


2018年3月10日(土) 大津賀八郎/スタンダードジャズバンド 「青空」(My Blue Heaven)

日本のジャズ注目盤として、店頭でお客様が手に取る確率が高いCDを紹介しましょう。
といっても、普通のジャズではありません。

<これは酷い! 昭和初期に夜店で売られていた怪しきインチキレコードたち>
(CD帯文より抜粋)

『へたジャズ!昭和戦前インチキバンド1929-1940』
(国内CD G10035 2,200円+税)

戦前日本のジャズマンによる録音から、<ベスト・オブ・下手>を基準に保利透氏が選曲・監修したSP音源集。
難曲へのチャレンジ故か演奏がヨレヨレの曲、音程がずれた歌など全23トラック。

中でも、この編集盤を制作するきっかけになったというのが、ラスト23曲目大津賀八郎「青空」。
名曲「My Blue Heaven」を見たまま聞いたままと思われる出鱈目のような英語で歌っています。

むむむ、、、これは凄いというかなんというか、、、。
とにかくも、昭和歌謡マニアの方は要チェックの1枚ですね。森 陽馬


2018年3月11日(日) Tracey Thorn 「Queen」

今でも根強い人気を誇る男女ユニット、エヴリシング・バット・ザ・ガール。
女性ヴォーカリスト、トレイシー・ソーンの新作が今月発売になりました。

クリスマス・アルバムや映画のために書き下ろした作品を挟んでの、約8年ぶりオリジナル・アルバム!

トレイシー・ソーン『レコード』
(国内CD 日本盤ボーナス・トラック1曲追加 解説・歌詞・対訳付 HSU-10178 2,490円+税)

裏ジャケにも、ブックレットにもキラキラ輝くミラーボール...。
2010年発表前作『ラヴ・アンド・イッツ・オポジット』がシンプルなアコースティック調の作品だったのに対して、新作は80年代シンセ・ポップ~ディスコ・テイストなアレンジとなっています。

高揚感のあるものが新作のテーマとしてあったようで、1曲目「Queen」はポップでまさに心弾むナンバー♪

10代の頃の恋心を綴った「Guitar」、独り立ちしていく子供に向けた「Go」、別れた夫の行く末をSNSでこっそり探っている「Face」...毒っ気の中にも繊細さ、反骨心が内包された詞、打ち込み主体のサウンドにも埋もれることなく、どっしりと落ち着いていて、低音が魅力の歌声は健在です。

プロデュース&ミックスはお馴染み、イワン・ピアソン。
コリーヌ・ベイリー・レイや、ウォーペイントのメンバー等がゲスト参加しています。東尾沙紀


2018年3月12日(月) 鈴木茂 「レイニー・ステイション」(2018 リミックス)

鈴木茂が1978年1月発表したソロになってからのサード・アルバム『Caution!』が40周年を迎え、スペシャル盤が発売されました。

鈴木茂『Caution! 2018 Special Edition』
(国内CD クラウン CRCP-20551 2,778円+税)

オリジナルに収録されていた全9曲を本人自らリミックスし、今まで未発表だった「涙の糸と銀の針」を加えた全10曲に、更にボーナス・トラックとして全曲のバッキング・トラックが収録されています。

このアルバムはファースト、セカンドに比べると、鈴木茂のヴォーカリスト及びアレンジャーとしての側面を強調した雰囲気があります。

バックには細野晴臣、林立夫、松任谷正隆を中心に腕利きが参加しているので、各曲のバッキング・トラックでその腕前がたっぷり楽しめます。
歌のうしろに隠れていた伴奏の音がとても新鮮に聴こえます。森 勉



2018年3月13日(火) Femi Kuti 「One People One World」

ナイジェリアの雄、フェラ・クティが1970年代確立させた音楽、アフロ・ビート。

伝統的なアフリカ音楽、アメリカのファンク/ジャズを融合し、血湧き躍るグルーヴ感で聴かせるサウンド。
その音楽スタイルには、アフリカ/ナイジェリア政治への不満・怒りが込められていました。

フェラ亡き後の現代、アフロ・ビートのリズムを取り入れたミュージシャンは数多くいますが、真の意味でその精神を継いでいるのは、フェミ・クティ(フェラの長男)でしょう。

父フェラのバンドへ1970年代後半加入した後、自らのバンドポジティヴ・フォースを結成。
精力的に活動し作品を発表してきたフェミ。この度前作から約4年半ぶり新作をリリースしました。

フェミ・クティ『One People One World』
(国内CD 北中正和氏による解説・歌詞対訳付 HSE-4466 2,490円+税)

今作にはフェミの息子オモリンマディ・クティがピアノ/ベースで参加。
より強靭となったアフロ・ビートには聴く者の身体を自然と動かし、高揚させる力が備わっています。

そして、政治的/怒りの感情だけでなく、愛や平和への想いも込められたメッセージ。
♪ひとつの人類 ひとつの世界 いがみ合っている時点で どの国もみんな悪い
今こそ平和のために動くべき それが我々の責任だ♪(「One People One World」歌詞より)

前向きな志が、熱いアフロビートに乗せて伝わってくる1枚。森 陽馬


2018年3月14日(水) 斉藤和義 「オモチャの国」

2018年でデビュー25周年となる斉藤和義。
新作オリジナル・アルバム『Toys Blood Music』が本日発売。

斉藤和義『Toys Blood Music』
(CD 初回限定盤のみタイアップ曲6曲収録ボーナスCD付2CD VIZL-1800 3,800円+税)

今作は従来の1人多重録音に加え、LINN DRUM、TR-808、アナログ・シンセを使用。
ロックンロール軸はそのままに、一味違うサウンド・アレンジで聴かせる1枚に仕上がっています。

彼らしい恋愛観を描いた詞世界が中心の楽曲中、耳を引いたのは2曲目「オモチャの国」。

♪ご主人さまはいつでもちょっとだけ乱暴だけれど
お金をちゃんと払えばここに住んでもOKって言うんだよ

オモチャのテレビに 今日もオモチャの国会議事堂
言葉の通じない人に バンバン土地を売ってあげたりしてる
優しいなご主人様は 太っ腹だなご主人様♪(「オモチャの国」歌詞より)

2011年原発事故の時、「ずっと好きだった」の替え歌で「ずっとウソだった」を歌った彼らしい1曲。

ちなみにボーナスCD収録シングル曲「遺伝」は、細野晴臣(B)、林立夫(Dr)が参加しています。森 陽馬


2018年3月15日(木) Mike Love 「Fun Fun Fun」

PET SOUNDS RECORDは新店舗へ移転して2018年3月15日で11周年を迎えました。
(旧店舗含めると4月で37周年)

夢の中に時折出てくるのは昔の旧店舗で、今の店で働いている夢は不思議と見ないということもあり、新店舗移転からそんなに月日が経っていない印象だったのですが、、、。もう11年か、というのが率直な思いです。

とにかくも、こうして店が続けられているのは、お客様皆さまのおかげです。
本当にありがとうございます。

なお、3月15日はマイク・ラブ(ビーチ・ボーイズ)の誕生日!
2018年で77歳!喜寿!! マイク、おめでとう!

ということで、2017年末に出たマイク・ラブ新作から楽しい定番曲「Fun Fun Fun」を今日のこの1曲に。
(Mike Love『Unleash The Love』 輸入2枚組CD BMG 538337182)

ビーチ・ボーイズ・ファン皆が「思ったより良い!」(期待値が低かったから?)と評判の2枚組。
新録ナンバーを集めたディスク1、ブライアン・ウィルソンとの共作&往年の名曲をセルフ・カヴァーしたディスク2。
どちらも聴いていてゴキゲンな快作です。

公式サイトによると、9月までびっしりツアーが入っているビーチ・ボーイズ。
また来日して楽しいステージを見せてほしいですね。森 陽馬


2018年3月16日(金)The Soultrend Orchestra 「Don't You Ever Loose It」feat Frankie Lovecchio

ディスコ・ブームの火付け役となった映画『サタデー・ナイト・フィーバー』(日本公開1978年)。
2018年はその日本公開から40周年ということで、Soul/Discoの名盤が色々再発予定です。

新譜でも、ソウル/ディスコ/ブギーを取り入れたアレンジの作品・楽曲が増えていますね。

今日紹介するThe Soultrend Orchestraは、イタリア発ソウル/ディスコ・ユニット。
2011年発表『Soultrend』に続く2018年新録音2ndアルバムですが、70~80'sソウルファンに超オススメの1枚です。

The Soultrend Orchestra『84 King Street』
(輸入CD IRMA IRM1638)

イタリアの人気プロデューサー、パピックを中心に総勢36名のミュージシャンが集って制作された全20曲。

クレジットの最後に<In Memory Of Three Giants:Maurice White、Barry White & Bernard Edwards>の文面。
そして、ニューヨークにあるディスコ聖地パラダイス・ガレージの住所を冠したタイトル『84 King Street』通り、様々なソウル・エッセンスがミックスされながら、グルーヴ感溢れるサウンド・アレンジに統一感があって、全曲Nice!

特に13曲目「Don't You Ever Loose It」! バリー・ホワイト/ラヴ・アンリミテッド好きは必聴!
ストリングス・アレンジがジーン・ペイジ的、メロウ・グルーヴが美しくも切ないナンバーです。森 陽馬


2018年3月17日(土) The Family Silver 「It Comes In Waves」

ポール・ウェラーが在籍したスリーピース・バンド、ザ・ジャム。
その元ベーシストであったブルース・フォクストンが、バンドを率いて来日(おそらく約30年ぶりでしょうか?)。
先日ライヴを観に行ってきました。

2007年頃から、ポール・ウェラー似のギター&ヴォーカルと共に、ジャムの楽曲を歌うライヴ活動を行っており、<From The Jam>としては初来日。
当時のようにピョンピョン跳ねながら、バキバキとしたベースを弾く姿を初めて生で観られて感激!
熱いパフォーマンス&大合唱が楽しい夜でした。

本日は、ポール・ウェラー繋がりでこちらの新譜を。

元マザー・アースのマット・デイトン(g,vo)、スタイル・カウンシル~ポール・ウェラーソロを支えたスティーヴ・ホワイト(Drs)、元オーシャン・カラー・シーンのデーモン・ミンチェラ(b)によるバンド、The Family Silver。

2016年2月7日ご紹介した1stアルバム(2015年)から久々となる新作ミニ・アルバム(全6曲)をリリースしました。

The Family Silver 『Blaze Of Light』
(輸入CD 0700461952183)

熱量の高いロックなナンバーで固められ、気迫ある骨太なサウンドを聴かせてくれます。

⑥「It Comes In Waves」は、エルヴィス・コステロのバンドで長年活躍するスティーヴ・ナイーヴがハモンド・オルガンで参加。
終盤のスペイシーな展開に一役買っており、前作にはなかったスケール感で締め括ってくれます。東尾沙紀


2018年3月18日(日) コースターズ 「ヤング・ブラッド」

バングラデシュ・コンサートの中で、レオン・ラッセルが中心となって「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」と「ヤング・ブラッド」のメドレーを演奏するシーンの迫力に圧倒されて、「ヤング・ブラッド」という曲に興味を持ちました。

映画公開時のパンフレットか何かで、この曲は1950年代に活躍したコースターズというR&Bヴォーカル・グループがオリジナルだ、ということを知り、そのレコードを探したりましたが、残念ながらその当時は見つけることができませんでした。

それから数年後、新たに編集されたベスト盤でやっとオリジナル音源が聴けたのですが、今はなんと低価格のCDで聴けるんです。

コースターズ『コースターズ』
(国内CD 解説・歌詞付 WPCR-27628 952円+税)

「ヤング・ブラッド」は1957年に「サーチン」のB面として発売されて両面ヒットを記録しました。

ジェリー・リーバー、マイク・ストーラー、ドク・ポーマスによる共作曲です。森 勉


2018年3月19日(月) T-GROOVE 「Move Your Body」feat B.Thompson

先日3/16、The Soultrend Orchestraを取り上げましたが、同様に新世代ソウル/ブギー推薦盤をもう1枚。

T-GROOVE『Move Your Body』
(輸入CD Diggy Down Recordz DDR-008)

T-GROOVEは、1982年生まれ青森県八戸市出身、東京在住の日本人プロデューサー/トラック・メイカー。
ヨーロッパを中心にリミックス仕事やアレンジャーとして活躍している彼の2017年発表1stアルバムです。

日本人ながら、フランスのディスコ/ブギー名門レーベルDiggy Downからのリリース。
国内盤は出ておらず輸入CDと配信のみですが、これは名盤!と早くも業界内外で話題となっていますね。

70~80'sディスコ/ブギー、シックお好きな方なら絶対オススメの全13曲。
今日のこの1曲は、ダフトパンク「Get Lucky」をも彷彿とさせるタイトル曲「Move Your Body」を。

ちなみにこの曲がアナログ7インチ・カット決定!
4月25日発売予定です。要GET! 森 陽馬


2018年3月20日(火) シリア・ポール 「こんな時」

シリア・ポール『夢で逢えたらVOX』(SRJL-1112 20,000円+税)。
本日入荷いたしました。

やはり、当たり前のことですが、画像で見るより実際に実物を手に取ってみると違いますねぇ。
インパクトあります。

縦32cm、横32cm、厚み2.8cmの美しくコーティングされた三方背BOXで微笑むシリアさんにまずはごあいさつ。
その中にミックス及び曲順の異なる30cmLP盤2枚を収めたジャケットで、また微笑んでいるシリアさんがいます。

更にシリアさんの顔がアップになった白黒写真が表紙になった30cmLP型のアルバムが。
この中にはCDが4枚、アナログ・シングル盤が2枚、LPと同じサイズの40ページ・ブックレットが入っています。

CDは1977オリジナル・シングル(ステレオ&モノ)、音響ハウスミックス、1986吉田保リミックス、ライヴ、カラオケ、アウトテイク、CM曲など、ナイアガラ・レーベルに残されたシリア・ポール音源のすべてが聴ける仕組みになっています。

「夢が逢えたら」オリジナル・シングルとモノラル・ヴァージョンとそのインストを収めたプロモーション・シングル2枚は、ポケットのような凝ったデザインのところに収納されています。

そして、充実のブックレット。
大滝詠一のノートやレコーディング・シート、マスターテープの写真、その他貴重な資料や曲目解説、シリア・ポールへのインタビューなど何回も見たり読み返したくなるものです。
とにかく、サウンドにもヴィジュアルにも圧倒される『夢で逢えたらVOX』です。

今宵、60'sガール・ポップを踏まえたシリア・ポールのキュートな歌声と、フィル・スペクター・サウンドをナイアガラ流に昇華させた大滝詠一のプロデューサー/アレンジャー/エンジニアとしてのこだわりを楽しみ尽くしたいと思います。森 勉


2018年3月21日(水) 吉岡聖恵(いきものがかり) 「夢で逢えたら」

シリア・ポール『夢で逢えたら』40周年記念盤と同時発売で、収録曲全て「夢で逢えたら」の楽曲で構成された4枚組CDが発売されました。

大瀧詠一作品集Vol.3『夢で逢えたら』(1976~2018)
(4枚組CD 全86曲収録 SRCL-9693 3,980円+税)

別のミュージシャンによって録音された同じ曲を40年以上に渡ってこれだけの数集めたCDは、前例がなかったのではないでしょうか。

年代順に集計してみると、
<1970年代3曲、1980年代11曲、1990年代12曲、2000年代19曲、2010年代41曲、
と、近年「夢で逢えたら」をカヴァーする人が飛躍的に増えているのがわかります。

全86曲普通の歌ものだけでなく、オルゴールがあったり、京浜急行電鉄の駅メロディーがあったり、演奏ものが10曲、あのダーレン・ラヴが歌っているものを含めて英語詞が5曲、あとロシア語、フランス語で歌われているのが各1曲、とたった1曲のカヴァー集と言えども、ヴァラエティーに富んだコンピレーションCDになっています。
なんてったって1曲換算46円+税ですからねぇ。

1976年に大滝プロデュースによって吉田美奈子がアルバム『フラッパー』の中で歌った最初のレコーディングで始まり、桜田淳子、石川ひとみ、北原佐和子などのアイドルあり、多岐川裕美、桃井かおりなど女優ものあり、ラッツ&スター、キンモクセイももちろん入っていますし、小西康陽アレンジによる森丘祥子、NHK TV『SONGS』での特別ヴァージョンだった大滝詠一・鈴木雅之・薬師丸ひろ子による夢のコラボ・ヴァージョンにも注目です。

そして、新録音された吉岡聖恵(いきものがかり)と吉田美奈子2018ヴァージョン。
大滝さん、いい歌作ってくれて、ありがとう! 森 勉


2018年3月22日(木) 太田裕美 「夢で逢えたら」

4枚組CD全86曲「夢で逢えたら」コンピ。売れてます!

大瀧詠一作品集Vol.3『夢で逢えたら』(1976~2018)
(4枚組CD 全86曲収録 SRCL-9693 3,980円+税)

オリコンの3月20日付アルバム・デイリー・チャートでは初登場9位を記録。
(シリア・ポール『夢で逢えたら』は初登場8位!)

購入された方からも絶賛の声多数!
内容自体も素晴らしいので大滝詠一ファンでない方にも是非手に取ってもらいたいですね。

正直言うと、同じ曲86曲はさすがに飽きるよな、と思っていたのですよ。
でも、聴いてみたら全然そんなことなくて、かえって「夢で逢えたら」新緑コンピも今後期待!と感じたほど。
(マイクロスター、竹内まりやなどのヴァージョンもいつか聴いてみたい!)

歌い方・サウンド・アレンジは十人十色、好みも人それぞれ。
僕が気に入った「夢で逢えたら」は、太田裕美ヴァージョン♪
1981年大滝詠一ロンバケ・コンサートに太田裕美がゲスト出演した時のライヴ音源です。

なんと、いきなり歌い出しミス!更に歌詞間違い!
でもそれがライヴならではの良さですよね。彼女らしい無垢で美しい歌声が素晴らしいな。

ちなみに大滝詠一MC、歌の後の太田裕美MC「歌詞間違えちゃった~」も収録されています。森 陽馬


2018年3月23日(金) SOLEIL 「恋するギター」

大滝詠一さんがお住まいだった福生在住の方からおみやげをいただきました。

ラトリエ・サクラという洋菓子店の福生銘菓、その名も<ふくうむ>。
「福生行き」ならぬ、「福生はつ」の切符を模した"幸福入場券"が付く包装もうれしいですね。
(大滝詠一「福生ストラット」に、「福生行きの切符買って 福が生まれる町」という歌詞が出てきます。)

上記サイトから通販でも購入できるようですので、大滝詠一ファンは是非チェックしてみてください。

さて、ナイアガラ・ファンにも大評判!の新譜CD、ご紹介しましょう。

SOLEIL『My Name Is SOLEIL』
(国内CD 当店のみの先着特典バッチ付 VICL-64973 2,315円+税)

日本人女性14歳ヴォーカリスト、それいゆを擁するバンド、SOLEIL(ソレイユ)の1stフル・アルバム。
マイクロスター佐藤清喜さんが全曲のミックスを担当。(なんと!mono録音!)
サリー久保田(B)、中森泰弘(G)、白根賢一(Dr)が中心となった演奏/アレンジが最高の1枚です。

オールディーズ/ブリティッシュ/ガール・ポップお好きの方にオススメの全12曲。
その中から、マーシー(真島昌利)が作詞・作曲を手掛けた2曲目「恋するギター」を今日のこの1曲に。

なお、3月25日(日)代々木Zher the Zooにて発売記念ライヴも開催予定。
貴重かつ楽しいライヴとなりそうですね。森 陽馬


2018年3月24日(土) THE BABES 「I Hold You Back」

マレーシア産3人組ガール・グループ秘宝盤!?

THE BABES『Be-Bop Babes!』
(国内CD Mt. River Records MRRC0001 1,000円+税)

THE BABESはNabila Iman、Shasha Nelson、Jay Zainabによる女性3人グループ。
マレーシア/クアラルンプールで1960年代結成、1964年5曲入EP『Be-Bop Babes!』を発表。
アメリカでリリースされるもヒットには至らず1965年解散。
唯一・幻の1枚であった今作のマスターテープが奇跡的に発見されこの度リマスタリングされ復刻。

この5曲がどれも素晴らしい! 特に2曲目「I Hold You Back」!
ポップなアレンジとドリーミーなメロディー・センスが最高です。

と、ここまで書きましたが、完璧なまでの完成度、そして様々な要素を加味した洗練されたサウンド。
このグループ/この音源は本当に1960年代のものなのか?
それとも、、、実は、、、!?

とにもかくにも、内容は保証します。
是非、CDを購入して自分の耳で確かめてみてください。森 陽馬

通販コーナーにも掲載しました。


2018年3月25日(日) Yogee New Waves 「Bluemin' Days」

昨日3月24日、千鳥ヶ淵の方へ桜を見に行ってきました。

咲いていない所もチラホラありましたので、東京では今日~来週が見頃でしょうか。
武道館付近には色とりどりの袴姿の学生さん達が居て、桜と共に華やかな雰囲気を楽しむ事が出来ました。

そんな春のワクワク感、まったり感が詰め込まれたYogee New Waves(ヨギー・ニュー・ウェイヴス)の最新作が昨日は頭の中をぐるぐると流れていました。

Yogee New Waves 『SPRING CAVE e.p.』
(国内CD 初回DVD付 VIZL-1315 2,300円+税)

今作からメジャーへ移籍、現在アジア3か国を含むツアーの真っ最中!

咲くという意味の<Bloom>に、不安で繊細な気持ち<Blue>が掛け合わされた言葉でしょうか...。
「花束をおくろう」というフレーズが耳に残るリード曲「Bluemin' Days」。
女性の背中をそっと押してくれるような詞が印象的な1曲です。

続く、軽やかなイントロに心弾む「Boyish」も春らしいとても気持ち良い1曲。

初回盤には、ドキュメンタリーやミュージック・ビデオ3曲が収録されたDVD(42分)が付いています。東尾沙紀


2018年3月26日(月) デヴィッド・ゲイツ 「スプレイ・カラード・グラシズ」

ソフト・ロックというジャンルもなかなか深いものがあります。

色々な所で掘り起こしが行われていますが、このCDはオーストラリアの再発レーベル、ティーンズヴィルで企画されたマニアックな選曲のソフト・ロック・コンピレーションCDです。

『見せかけの世界 ~あなたの知らないソフト・ロック名曲選 1966~1972』
<原題『My World Of Make Believe ~Sunshine Soft & Studio Pop 1966~1972』>
(国内CD 安田謙一氏による日本語解説付  MSIG-1195 3,100円+税

20ページ英文ブックレットはACEレーベルのブックレットを踏まえた作りで写真も満載。
音を聴きながら想像力を巡らすことができます。

全32曲、一般的にはなじみのない曲ばかりですが、聴いていて心地良い曲ばかり。
選曲者の耳は確かなようです。

ちょっと気になる曲を挙げておきましょう。
バリー・ダーヴェルが歌う1曲目「My World Of Make Believe」はなんと、あの「ミスター・ベイスマン」のヒットを出したジョニー・シンバルの作品。
12曲目The New Establishment「Time For Everything」、29曲目Bob Dileo「Sing To Me」は共にミレニウム人脈の曲。
10曲目Kris Jensen「I Can't Get Nowhere With You」はホリーズ1966年頃の未発表曲(後年、編集CDに収録)。
21曲目Tony Scotti「I Just Haven't Got What It Takes」のロジャニコ作品は、「To Put Up With You」のタイトルでも知られる曲。
The Seagulls1966年のケニー・ヤング作28曲目「Don't Go Out Into The Rain (You're Gonna Melt)」は、翌年ハーマンズ・ハーミッツの歌で大ヒット。
26曲目Peter Courtney「Loving Two」はなかなかいい雰囲気の曲と思って解説を見たら、プロデュースがスナッフ・ギャレット、アレンジがアル・キャップスでした。

今日のこの1曲は、8曲目デヴィッド・ゲイツ1968年の未発表デモ録音「Thru Spray Colored Glasses」。

山下達郎サンデー・ソングブック2002年3月10日デヴィッド・ゲイツのソングライター特集でかかったディノ、デシ&ビリーの元になる貴重音源です。森 勉


2018年3月27日(火) Stills & Collins 「Who Know Where The Time Goes」(時の流れを誰が知る)

クロスビー、スティルス&ナッシュ1969年発表の名曲「組曲:青い眼のジュディ」。
この<ジュディ>は、スティーヴン・スティルスが当時付き合っていたジュディ・コリンズのことを歌っています。

交際期間は1968年から約9カ月と短かったそうですが、友情は50年続きこの度作品を一緒に制作。
それが今日紹介するこのアルバムです。

スティルス&コリンズ『Everybody Knows』
(国内CD 天辰保文氏による解説・歌詞・対訳付 SICP-5681 2,400円+税)

1939年生まれのジュディ・コリンズは2018年で79歳。
年下とはいえ1945年生まれのスティルスも73歳。
70歳を越える二人によるカヴァー中心の作品ではありますが、驚くほどの瑞々しい歌と演奏が素晴らしい!

単なるノスタルジックな作品集とは違い、新たな青春を吹き込んだような1枚です。

レナード・コーエン「Everybody Knows」、トラヴェリング・ウィルベリーズ「Handle With Care」、ボブ・ディラン「Girl From The North Country」、ティム・ハーディン「Reason To Believe」、ジュディ作新曲「River Of Gold」他全10曲。

スティルスとジュディが1968年初めて一緒に録音した「Who Knows Where The Time Goes」(時の流れを誰が知る)。
約50年を経て新録音したナンバーを今日のこの1曲に。森 陽馬


2018年3月28日(水) Seatrain 「I'm Willin'」

アメリカン・ルーツ/カントリー・ロックファン、要チェックの再発盤!

シートレイン『海上列車』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SHM-CD限定紙ジャケット仕様 UICY-78612 2,667円+税)

アル・クーパーが在籍していたことで知られるバンド、ブルース・プロジェクト。
そのメンバーであったアンディ・カルバーグが中心となり、あのジョージ・マーティンがプロデュースを担当。
1970年制作されたのが、シートレインによる今作です。

元ジム・クウェスキン・ジャグ・バンドのフィドル奏者リチャード・グリーン、ブルーグラス出身のピーター・ローワンがメンバーに名を連ねており、カントリー/ブルーグラスを基にしたサウンド。
そこにジョージ・マーティン的エッセンスが加わり、異質かつ上質なカントリー・ロック名盤に仕上がっています。

今日のこの1曲は、ローウェル・ジョージ作「I'm Willin'」。

リトルフィートの代表曲となる「Willin'」と同曲ですが、年代的にこちらの方が先に出たのかも。
<ポコが「ウィリン」をカヴァーしたような雰囲気>と表現したくなるポップなアレンジで聴かせます。森 陽馬


2018年3月29日(木) Bruno Major 「Home」

”憂いのあるヴォーカルにメロウなトラック 叙情的な風景を想起させるナイトクルージング”
最近の夜聴くお気に入りはこれです。

ブルーノ・メジャー『ア・ソング・フォー・エヴリ・ムーン』
(国内CD 歌詞・対訳付 IPM-8089 2,200円+税)

ブルーノ・メジャーは、ロンドンを拠点に活動している男性シンガーソングライター。
無名ながら、ストリーミング・サービス<Spotify>にアップした楽曲が人気に。
2017年末本国でリリースされた1stアルバムが、歌詞・対訳付の国内盤でも発売されました。

『A Song For Every Moon』と名付けられた本作に収録された楽曲は、2016~2017年の間、満月の日毎にアップしてきたものをまとめたもの。(その試みも、アルバム・タイトルも素敵だと思います。)

打ち込みを取り入れたジャジー/ソウルなアレンジ、温かみのあるギターの音色、歌い上げ過ぎない心地良いヴォーカル...夜、物思いに耽りながら聴くのにぴったりなのではないでしょうか。

彼の歌声を例えるのに名が挙げられているサム・スミス他、ベニー・シングス、ジェイソン・ムラーズ等お好きな方にもオススメの1枚です。

ちなみに次の満月は2日後の31日です。東尾沙紀


2018年3月30日(金) ダニー・コーチマー・アンド・イミディエイト・ファミリー 「Honey Don't Leave LA」

東京の桜は満開。
武蔵小山&不動前周辺住民にとって最大の桜名所、かむろ坂は早くも桜吹雪状態です。

心地良い春の訪れと共に、初夏の楽しみな新譜&来日情報が入ってきました。

キャロル・キング、ジェイムス・テイラーとの共演で知られるダニー・コーチマー、久々オリジナル・アルバム!
更に、セクションのメンバー(リー・スクラー&ラス・カンケル)等を連れて6月来日公演決定!

<5月16日発売>
ダニー・コーチマー&イミディエイト・ファミリー『Honey Don't Leave LA』
(国内CD 36Pブックレット 天辰保文氏による解説付 VSCD-3956 2,800円+税)

2017年7月来日公演(
2017年7月31日今日のこの1曲にて記述)でも元気な姿を見せてくれたダニー・クーチ。
そのライヴでも披露していたジャクソン・ブラウン『孤独なランナー』収録のダニー作「Shaky Town」、ジェイムス・テイラー/ジョーママで知られる「Machine Gun Kelly」、彼がドン・ヘンリーと共作した名曲「New York Minute」他、新曲含めた全12曲収録新作。

リー・スクラー、ラス・カンケルに加え、ワディ・ワクテル(!)、ジム・コックス、スティーヴ・ポステルによる強力布陣。
更にジャクソン・ブラウン、ジェイムス・テイラー、デヴィッド・クロスビ-、マイケル・マクドナルドもゲスト参加!

このメンバーを引き連れての来日公演は2018年6月16日&18日
ビルボード・ライヴ東京にて。

数多くの名曲を支えてきた彼らが現役で、昔の仲間と一緒に新しい作品とライヴを届けてくれます。
楽しみですね。森 陽馬


2018年3月31日(土) GQ 「ディスコ・ナイツ」

'DISCO FEVER 40'というキャンペーンが始まり、ソニー・ミュージックより1970年代から1980年代初めにかけてのソウル/ディスコの名曲が入ったCDが50タイトル、3月21日発売されました。
各1,000円+税、新規解説付です。

ヒューズ・コーポレーション、ジミー・キャスター・バンチ、インスタント・ファンク、アンドレア・トゥルー・コネクション、メルバ・ムーア、フランティークなどのマニアックなものから、オージェイズ、MFSB、ワイルドチェリー、エモーションズ、EW&F、シェリル・リンなど人気・有名どころも入っています。

その中から今日は待望の日本初CD化となったGQ『ディスコ・ナイツ』を取り上げたいと思います。

GQ『ディスコ・ナイツ』
(国内CD 限定盤 日本語解説付 SICP-5738 1,000円+税)

GQはニューヨーク/ブロンクスで結成された4人組。
1979年に「ディスコ・ナイツ」が全米R&BチャートNo.1、ポップ・チャートでも12位と大ヒットしました。

キレのいいリズムと小気味良いギターのカッティングが耳に残ります。
ボーナス・トラックとして12インチ及び7インチ・ヴァージョンも入っています。

セカンド・ヒットとなったビリー・スチュワート「アイ・ドゥ・ラヴ・ユー」のナイス・カヴァーも収録。
シュビ・ドゥワ・コーラス最高! うれしい再発です。森 勉




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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