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  今日のこの1曲 “Archives”

<2018月9月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2018年9月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2018年9月1日(土) Alessi Brothers 「Zombie Love」

<ゾンビ>と言えば、今夏の話題はなんといっても映画『カメラを止めるな!』でしょうね。

口コミで観客がどんどん増え、現在は全国100館以上に拡大上映。
僕も観に行きましたが、映画館であんなに楽しく笑えて、爽快な気分で上映館を出れたのは久々でした。

ほとんど無名の俳優陣&監督によるインディー映画での大ヒットというのが痛快ですよね。
ゾンビ映画は苦手、流行に乗るのは好きじゃないというひねくれた方も観れば笑顔になるんじゃないかな。

さて、映画と全く関係ありませんが、ポップで明るい<ゾンビ>・ナンバーで今日のこの1曲。

1970年代から活躍しているニューヨーク/ロングアイランド出身の男性双子デュオ、アレッシー・ブラザーズ。
2018年発表11作目となるオリジナル・アルバムが発売。

Alessi Brothers『Water』
(輸入CD Alessi Music 0798576549923)

8曲目に、美人でセクシーなゾンビを歌ったという謎のポップ・ナンバー「Zombie Love」が収録。
他の楽曲も爽快ですから、アレッシーファン&AOR好きは是非チェックを。

なお、今作の国内仕様盤が、金澤寿和氏による日本語解説が付いて9月19日発売予定です。森 陽馬



2018年9月2日(日) Bird Streets 「Betting On The Sun」

BECKのサポート、ノエル・ギャラガー作品参加、パグウォッシュ最新作『Silverlake』プロデュース等、近年も他アーティストとのセッション/プロデュースで活躍しているジェイソン・フォークナー(ex.ジェリーフィッシュ)。

ソロ名義作が10年近く出ていないのは寂しいですが、ジェイソンが携わった新たな作品がリリースされました。

Bird Streets『Bird Streets』
(輸入CD OMNIVORE OVCD-294)

Bird Streetsはニューヨークを拠点に活動している男性シンガーソングライターJohn Brodeurによるプロジェクト。
殆どの楽器を2人で演奏し、ジェイソンは今作のプロデュース、共作、コーラス、ミックスなどを手掛けています。

ギターをメインにしたシンプルなバンド・サウンド、メロディ重視の楽曲。
90年代の懐かしい雰囲気を漂わせるロック/ポップ・アルバムです。

今日の1曲は、今作からのリード・シングルで最もポップな「Betting On The Sun」を。
歌詞にスティーリー・ダンの名前が登場します。

元Freewheelersのルーサー・ラッセル(2018年10月来日!)が「Stop The Breathe」にギター&ヴォーカルで、女性シンガーミランダ・リー・リチャーズが「Spaceship」にコーラス参加しています。東尾沙紀


2018年9月3日(月) Tower Of Power 「Souled Out」

タワー・オブ・パワー、結成50周年イヤーを飾る2018来日公演atブルーノート東京へ先日行ってきました。

ロッコ(B)は不在ながら、オリジナル・メンバーのエミリオ・カスティーヨ(t.sax)、クプカ(b.sax)は健在。
そして、前回の来日では腰の手術で離脱していた名ドラマー、デヴィッド・ガリバルディが大復活!

毎度のことながら、こちらの想像や期待を軽く超えてくる熱狂のライヴ・パフォーマンス。
更に、結成50周年という記念すべきツアーということもあり、場内が多幸感で包まれていましたね。

強靭なグルーヴ&ファンキーなホーンに身体は自然と躍動。それと同時に、50年もの長い歳月、多くの聴衆を楽しませてきたミュージシャンシップを想い、踊りながら目頭が熱くなるのです。

そんな感動と興奮の2018日本公演は、9月5日名古屋ブルーノート公演を残すのみ。
空きはまだあるようですから、興味ある方&TOPまだご覧になっていない方も是非!

今日のこの1曲は、後期名曲(1995年)、近年ライヴでも定番となっている「Souled Out」を。森 陽馬


★掲載ジャケットは日本独自企画・2018年リマスターによるレーベルを越えたオールタイム・ベスト。
タワー・オブ・パワー『アンソロジー!』
(国内CD 2枚組 解説・歌詞付 WPCR-18045 2,778円+税)


2018年9月4日(火) ザ・なつやすみバンド 「喪のビート」

<夏休み>の楽しさ、儚さ、そして切なさを音像化し体現しているザ・なつやすみバンド。

2018年で結成10周年! 4枚目のオリジナル・アルバム『映像』を本日リリースしました。

ザ・なつやすみバンド『映像』
(国内CD 
当店のみの特典ポストカード付 VBCD-0092 2,593円+税)
←メンバー4人が映った特製ポストカード!お買い上げの方へ先着でプレゼント中。

躍動感溢れる①「風を呼ぶ」、先行アナログカットされた②「蜃気楼」(TNB×mitsume)、「サマーゾンビー」のB面だった隠れた名曲「echo」新ヴァージョン、代表曲「S.S.W」新ヴァージョン、山崎ゆかり(空気公団)をfeatした「なつやすみ」(終)新ヴァージョン等、10年に及ぶ<夏休み>の様々な想いが凝縮された全10曲。

中でも、MC.sirafu作4曲目「喪のビート」。

曲後半ドラマー瑞希さんによって歌われる♪どこにも行けない 8ビートじゃないからね♪が耳に残るこの曲。
そこの部分に至るまでの構成、MC.sirafuによるさりげない切なさ込み上げる歌詞が素晴らしいのです。

<夏休み>は終わったとしても、心の中の<夏休み>は永遠に、、、と思わせてくれる1枚。森 陽馬


2018年9月5日(水) ビーチ・ボーイズ 「アイ・ゲット・アラウンド」(ステレオ・バッキング・トラック)

ビーチ・ボーイズ50周年記念のローテーションとしては、2018年の今年はアルバム『フレンズ』50thアニヴァーサリー盤が発売されるはずなのですが、インフォメーションがまだ出てきませんね。

2016年は『ペット・サウンズ』、2017年は『スマイリー・スマイル』と『ワイルド・ハニー』を含めた2枚組『1967~サンシャイン・トゥモロウ』を出したので、1968年に出たものとしては『フレンズ』だろうと、噂の方が先行しているのかもしれませんが...。

実は1968年に発売されたアルバムで50周年を祝って欲しいものがもうひとつあります。
『Stack-O-Tracks』!!

1968年8月頃アメリカで発表された全15曲入りのカラオケ・アルバムです。
コーラス・ハーモニーが売りのビーチ・ボーイズの歌を抜いたバック・トラック(演奏)だけを入れた作品です。

以前CDで再発されていましたが、現在は入手困難になっているので、50周年というアニヴァーサリーを機にまた再発を考えて欲しいものです。
忘れられがちな『スタック・オー・トラックス』、よろしくお願いいたします。

ということで、今日はビーチ・ボーイズのカラオケが3曲だけですが聴けるBOXセットから「アイ・ゲット・アラウンド」のバッキング・トラックを。

ビーチ・ボーイズ『U.S.シングル・コレクション (1962~1965)』
(国内CD16枚組 解説・歌詞・対訳付 TOCP-70553 19,048円+税)

解説はビーチ・ボーイズ愛に溢れた文章で定評だった佐野邦彦氏です。
CD16枚組、オリジナル・モノ・ヴァージョンの他、レア・トラック満載の全66曲収録。
USオリジナル・シングルのピクチャー・スリーブをCDサイズで再現してあります。森 勉


2018年9月6日(木) レスリー・ダンカン 「We'll Get By」

<英国のキャロル・キング>と評される女性シンガー・ソングライター、レスリー・ダンカン。

彼女の1975年発表4thアルバム『Moon Bathing』は、再発盤ながら
2016年ベストに選出したほど大好きな1枚です。

その『Moon Bathing』リリース前年にあたる1974年。
レスリー・ダンカンが発表した3rdアルバム『Everything Changes』がこの度再発CD化されました。

レスリー・ダンカン『Everything Changes』
(国内CD セレスト CMYK-6337 歌詞付 2,300円+税)

『Moon Bathing』と同じく、ジミー・ホロヴィッツがプロデュース/アレンジを担当。
温もりある音の雰囲気が彼女の歌声と相まって心地良いですね。

今日のこの1曲は、ラスト10曲目に収録されている「We'll Get By」。
切ないメロディーラインが秋の風を運んできてくれます。森 陽馬


2018年9月7日(金) Lesley Duncan 「Don't Cry Anita」

昨日紹介した英国女性シンガー・ソングライター、レスリー・ダンカン。

『Everything Changes』(1974)、『Moon Bathing』(1975)、そして最後のオリジナル・アルバムとなる6th『Maybe It's Lost』(1977)後は、英国ロンドンを離れスコットランド西部の島へ移住。
夫&プロデューサーのトニー・コックスと共に楽曲を録音していたそうです。

彼女がその頃レコーディングした未発表音源集がセレスト・レーベルから発売されました。

レスリー・ダンカン『Love Song: Previous Unreleased 1977-86』
(国内CD セレスト CMYK-6340 歌詞付 2,300円+税)

全15曲中、シングル化されたことがあるボブ・ディランカヴァー「Masters Of War」、「The Magic's Fine」、「Tomorrow」等6曲以外は未発表音源。それも、デモではなくバック演奏や歌もしっかりと録られた楽曲群。
彼女の歌声に魅せられた方には是非聴いてもらいたい1枚です。

今日のこの1曲は、1979年録音曲、アンディ・ロバーツがマンドリンで参加している「Don't Cry Anita」を。

なお、今作お買い上げの方先着で、レスリー・ダンカンCDが4作収納できる紙BOX差し上げています。森 陽馬


2018年9月8日(土) Benny Sings 「Everything I Know」

ヒップホップ、AOR、ポップスなどをベースに心地良いサウンドを作り続けている、オランダの男性シンガー/プロデューサー、ベニー・シングス。
約3年ぶり、6枚目となる最新オリジナル・アルバム『シティ・メロディ』が日本先行でリリースされました。

ベニー・シングス『シティ・メロディ』
(国内CD 歌詞・対訳・本人による楽曲解説付 ボーナス・トラック4曲 VICP-65498 2,500円+税)

「昔の曲作りのスタイルが戻ってきた」と語る原点回帰的な作品。
柔らかで洗練されたビートに溶け込むメロディ...音の気持ち良さはここ数作では群を抜いています♪

近年はメロディよりもトラックに対する試行錯誤に重点を置いている気がしていたので、新作では彼らしい軽やかさが戻ってきた感じがして、発売早々お気に入りの1枚となりました。

女性ヴォーカリストGwen Thomasとデュエットした今作で最もポップなナンバー「Softly」、メイヤー・ホーソーン参加「Not Enough」、レコードを聴いているような感覚になるモッキー参加の「Duplicate」、コーネリアス参加「My World」等、ゲスト陣にも注目です。
本日は、今作のカギとなったというメロウな「Everything I Know」を今日の1曲に。

9月18、19日には、ビルボード・ライヴ大阪/東京で新作を引っ提げての来日公演も行われる予定です。東尾沙紀


2018年9月9日(日) ポール・マッカートニー 「ピープル・ウォント・ピース」

ポール・マッカートニーのニュー・アルバムが予定通り9月7日発売になりました。

ポール・マッカートニー『エジプト・ステーション』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICC-10040 2,600円+税)

タイトルは『エジプト・ステーション』。
「『エジプト・ステーション』は1曲目の駅から出発し、そして次の曲と言う別の駅へ行く。そのアイディアがすべての曲の元になっている。それは音楽が作り出す夢のような場所だ。」と、ポールは語っているそうです。

CD6枚分の大きさに横広がりするジャケットはポール自身によるもので、絵のタイトルも『エジプト・ステーション』。
曲が出来てから絵を描いたのか、絵を描いた後に曲を作ったのかは不明ですが、ポールらしいポップな曲が並んでいます。
76歳でこんなアルバムを作ってしまうのですから、、、やっぱりポールはポールなのです。

個人的には、2013年発表前作『NEW』より好きな曲が多く入っている感じです。
先行シングルとして出たロックしている「カム・オン・トゥ・ミー」とポールの得意パターンのミディアム・バラード「アイ・ドント・ノウ」はやはり心を掴んでくれるし、イントロのアコースティック・ギターの音に魅かれてしまう「コンフィダンテ」と「ドミノズ」、日本人には特にキャッチーに聴こえる♪一番♪を連呼するコーラスが入る「バック・イン・ブラジル」。ポールならではの美しいメロディーでもっと聴き込んでいけば大好きな曲になりそうな「ドゥ・イット・ナウ」など注目曲が目白押しなのです。

今日のこの1曲は、8曲目に入っている「ピープル・ウォント・ピース」。

昨今のきな臭い国際情勢など見るに見かねてポールからの平和を願う祈りの歌です。「ギヴ・ピース・ア・チャンス!」

この曲のイントロのパーカッションは、ブライアン・ウィルソン「キャロライン・ノー」のイントロを想い起させてくれます。森 勉



2018年9月10日(月) ゴンザレス 「October 3rd」

<『Solo PianoⅢ』の音楽的純度の高さは、決して現代に生きる私たちに向けた解毒剤ではなく、
私たちの周りにあるすべての美しさと醜さを表現したものだ。> (ゴンザレスのコメントより)

カナダ/フランス圏ケベック育ちの奇才ミュージシャン、チリー・ゴンザレス。
2004年発表『ソロ・ピアノ』(
2008年6月10日今日のこの曲で紹介)。
2012年発表『ソロ・ピアノⅡ』(
2012年8月29日今日のこの1曲で紹介)に続く『ソロ・ピアノⅢ』が発売。

ゴンザレス『ソロ・ピアノⅢ』
(国内CD ボーナス・トラック「Lo Hi」追加全16曲収録 服部のり子解説付 BRC-577 2,200円+税)

美しく、優しく、そして切ないピアノの奏。
インストながら魂宿った旋律に心動かされる1枚。

なお、今作は収録各曲様々な人物へ捧げられているのも聴きどころ。
例えば⑨「Present Tense」はThomas Bangalter(ダフト・パンク)、②「Pretenderness」はFanny Mendelssohn(19世紀女性作曲家メンデルスゾーン)、⑭「Kopfkino」はNadia Comaneci(ルーマニア元体操選手コマネチ)へ捧げている。

そして13曲目「October 3rd」は、Jason Beck(ゴンザレスの本名ジェイソン・ベック)へ。
つまり、自分自身へ捧げているナンバーだ。

10月3日はゴンザレスにとってプライベートで重要な事象が起こった日とのこと。
この曲へ込めた感情は、愛なのか、それとも狂気なのだろうか? 森 陽馬

★トートバック付限定盤も発売中です。

2018年9月11日(火) ドクター・ジョン 「Tipitina」

天辰保文氏を招き、当店地下カフェアゲインにて行っているトーク・イベント『Talking Man』。
第11回目が2018年10月12日(金)開催決定いたしました。

今回のお題は<ニューオリンズ特集>!
天辰保文さんお気に入りのニューオリンズ・サウンドを聴きながら、楽しい一夜を是非ご一緒に♪

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2018年10月12日(金)
PET SOUNDS RECORD presents
天辰保文 Talking Man Vol.11 ニューオリンズ特集
ライヴ・カフェ アゲイン(武蔵小山)
18時半開場 19時半開演 入場料1500円
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今日は、多くの音楽ファンにとってニューオリンズ・サウンドの入り口になったであろう1972年発表名作を。

ドクター・ジョン『ガンボ』
(国内CD 限定紙ジャケット WPCR-18021 2,500円+税/限定価格盤 WPCR-14834 1,143円+税)

様々な食材をごった煮にし極上のスパイスで味付けされたニューオリンズのソウルフード、<ガンボ>。
このドクター・ジョンのアルバムも、そんな<ガンボ>的な魅力が詰まった1枚!

この中から、ニューオリンズの伝説的名ピアニスト、プロフェッサー・ロングヘアのカヴァー「Tipitina」。
<Tipitinas>(ティピティナス)というニューオリンズのライヴハウスは、この曲名から取られています。森 陽馬


2018年9月12日(水) 大貫妙子 「海と少年」

大貫妙子のRCA移籍第1作、通算ではソロ第3作目の『ミニヨン』は1978年9月に発売されました。
そう、40周年なんですよね。

大貫妙子『ミニヨン』
(国内CD 大貫妙子自身による書下ろし解説付 BVCK-18019 1,800円+税)

でも、御本人的には悪い想い出ばかりがこのアルバムにはあるようで・・・。
移籍第1弾ということもあり、「売れるアルバムを!」というレコード会社の社長自らの号令のもと、曲や歌詞にまで干渉され、書き直しをさせられたりしたそうなのです。
大変だったんですね。そんな裏事情は当時のファンはほとんど知る由もなかったのですが・・・。

後年、そんな話を知ってからは、このアルバム・ジャケットの写真の目力の強さはそんな彼女の反骨心の表れなのかなと思ったりしました。ハイ。

さて、この『ミニヨン』、売れる売れないに関わらず、良い作品であることには変わりがありません。

「大貫妙子の新しいアルバムはいい曲がいろいろ入っているんだぜ!」とまわりの音楽ファンに「横顔」や「突然の贈りもの」や「海と少年」を入れたカセットを聴かせてから40年なんですね。

ということで、今日は1978年で一番の名曲と言っていい「海と少年」を。

大貫妙子、24歳! 曲よし、詞よし、歌よし。
そしてYMO前夜・細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏、プラス鈴木茂、松原正樹、浜口茂外也の演奏も素晴らしい。
伊集加代子、鈴木宏子、和田夏代子のコーラスも印象に残ります。森 勉


2018年9月13日(木) The California Honeydrops 「Call It Home」

カリフォルニア州オークランドの地下鉄構内でのセッションからキャリアをスタートさせたという男性5人組バンド、ザ・カリフォルニア・ハニードロップス。

2018年でデビュー10周年。
サザン・ソウル、ファンク、ニューオリンズ、ブルースをベースにしたヴィンテージ・サウンドを聴かせる本格派ソウル・バンドです。

7枚目にして、日本デビュー盤となる2018年最新作『Call It Home』がリリースされました。

ザ・カリフォルニア・ハニードロップス『コール・イット・ホーム』
(国内CD 解説付 PCD-24756 2,400円+税)

これまでにアラン・トゥーサン、B.B.キング、バディ・ガイ、ドクター・ジョン、ボニー・レイット等のサポート・アクトを務めたこともあるそうで、今作の1曲目「Call It Home」にはボニー・レイットが参加!
バック・ヴォーカルながら存在感ある歌声を聴かせてくれます。

マイク・フィニガンがハモンドで参加したR&Bナンバー「Silicon World」、サム・クック、レイ・チャールズなどをルーツに持つフロントマン、Lech Wierzynskiのファルセットに痺れるバラード「Those Days」、レゲエ調の「Your Sweet Love」など多彩な表情をみせる全16曲。

本国ではダブル・アルバムとして発表され、聴き応えありの1枚となっています。東尾沙紀


2018年9月14日(金) ayU tokiO 「幸せな結末」

ナイアガラ/大滝詠一関連商品の新リリースが本日発表になりました。

タイトルは、『大瀧詠一Cover Book ネクスト・ジェネレーション編 GO! GO! ARAGAIN』
(11月3日発売 クリアカラー限定アナログ盤 TYOLP8-1103 3,000円+税)

ザ・ナイアガラ・エンタープライズ楽曲管理部門ARAGAINが制作協力!
『GO!GO!NIAGARA』などナイアガラ作ジャケットを多くを手掛けた中山泰による新ジャケ・デザイン!
新世代アーティストによる大滝詠一カヴァーを集めた作品集です。

ayU tokiO「幸せな結末」、OLD DAYS TAYLOR「Velvet Motel」、キイチビール&ザ・ホーリーティッツ「指切り」、KEEPON「ロックン・ロール・マーチ」、柴田聡子「風立ちぬ」、シャムキャッツ「夢で逢えたら」、少林兄弟「君は天然色」、Spoonful of Lovin'「それはぼくぢゃないよ」、トリプルファイヤー「朝寝坊」、秘密のミーニーズ「春らんまん」、bjons「雨のウェンズデイ」、やなぎさわまちこ「うれしい予感」が収録予定。

上記参加アーティスト内に、『ロンバケ』をリアルタイムで聴いた人はほとんどいないのではないでしょうか。

でも、というか、だからこそ意義深いカヴァー・アルバムだと思うのです。

今作によって、新世代アーティスト&若いリスナーにもグッド・ミュージックが引き継がれるといいですね。森 陽馬


2018年9月15日(土) Rayland Baxter 「Strange American Dream」

まさに、“目が覚めた”ような快作だ。

Rayland Baxter『Wide Awake』
(輸入CD ATO 0430CD)

レイランド・バクスターは1983年生まれアメリカ/ナッシュビル出身の男性シンガー・ソングライター。
父バッキー・バクスターもミュージシャンであった彼は2012年デビュー。
今作は3枚目となるオリジナル・アルバム。

ブッチ・ウォーカープロデュースによるサウンド・アレンジがとにかく素晴らしい。
バック演奏はEric Slick(ドクター・ドッグ)、Nick Bockrath(ケイジ・ジ・エレファント)、Aaron Embry他。
キレと艶のある音感が、レイランドの勇気ある歌声をより盛り立てている。

今日のこの1曲は、1曲目「Strange American Dream」。

多くの人が夢見た<アメリカン・ドリーム>は、やはり幻想だったのだろうか。

様々な問題に揺れる現代アメリカが産み落とした1枚。森 陽馬


2018年9月16日(日) Paul Weller 「Movin On」

ポール・マッカートニーの新作が話題ですが、こっちのポールさん新作も是非注目していただきたいです。

ポール・ウェラー『トゥルー・ミーニングス』
(国内CD 歌詞・解説・対訳付 WPCR-18080 2,457円+税)

2018年5月25日で還暦を迎えたポール・ウェラー。
前作『ア・カインド・レボリューション』から僅か1年ほどで新作を届けてくれました。

今年1月の来日公演でいち早く披露された「Gravity」、自身の誕生日に公開した「Aspects」をはじめ、優雅なストリングスを加えた、フォーキーで穏やかな作品に。
(帯の''雄大で繊細なサウンド''という表現がしっくりきます。)

ロッド・アージェント、マーティン・カーシー、ダニー・トンプソン、ルーシー・ローズ、バーリー・カドガン(リトル・バーリー)、ノエル・ギャラガーらが多彩なゲストも参加しています。

♪俺から小さな波が生まれて 大きな絵を描いていく そうすればわかる 俺は、俺は先へ進んでいるのだと♪

尽きない創作意欲、みなぎる自信...現在の好調ぶりを表すような「Movin On」の詞、美しいメロディ、優しく力強い歌声にグッときました。(名曲です!) 東尾沙紀


2018年9月17日(月) Donnie Fritts 「Thank God He Came」

アメリカ南部スワンプ・ロックの雄、ドニー・フリッツ。
マッスル・ショールズ録音による新作が発売されました。

ドニー・フリッツ『June (A Tribute To Arthur Alexander)』
(国内仕様CD 日本語解説付 OM-30 2,000円+税)

ビートルズ「Anna」等、名曲を多く輩出したソングライターであり、大滝詠一「恋するカレン」の下敷きとなったバリーマン作「Where Have You Been (All My Life)」を歌っていることでも知られるアーサー・アレクサンダー。

アーサーとドニーは古くから友人で、今作は1993年亡くなった彼へ捧げたトリビュート・アルバムになります。
タイトル『June』は、アーサー・アレクサンダーのニックネームとのこと。

今日のこの1曲は、9曲目「Thank God He Came」。
アーサー・アレクサンダー1972年発表アルバム『Arthur Alexander』のラストに収録されているアーサーとドニー共作曲セルフカヴァー。

この曲、改めて聴くと、小坂忠「機関車」(1975)の雰囲気に似ていますね。
ドニー・フリッツいぶし銀の歌が沁みます。森 陽馬


2018年9月18日(火) Willie Hightower 「I Found You」

昨日に続いて、アメリカ南部マッスル・ショールズ録音の新譜オススメ盤を紹介しましょう。

ウィリー・ハイタワー『Out Of The Blue』
(国内仕様CD 英文解説対訳・歌詞付 PCD-17786 2,700円+税)

ウィリー・ハイタワーは1940年生まれアラバマ州出身の黒人男性ミュージシャン。
サム・クックを彷彿とさせる歌声が魅力のサザン・ソウル・シンガーです。

2018年で御年78歳となる彼が、96歳(!)のメンフィス在住プロデューサー、クイントン・クランチを迎え故郷でありサザン・ソウルの聖地と言えるマッスル・ショールズにてレコーディングしたのがこのアルバム。

包容力に溢れた温もり伝わる魂“ソウル”が伝わってきます。
これぞ、サザン・ソウル!な1枚。

なお、10月下旬にはスティーヴ・クロッパー&ハイ・リズムを従え来日が決定!
(10/25ビルボード大阪、10/27、29、30ビルボード東京)
ディープ・ソウル/サザン・ソウル好きの方には見逃せない公演となりそうですね。森 陽馬


2018年9月19日(水) トニー・ベネット&ダイアナ・クラール 「ラヴ・イズ・ヒア・トゥ・ステイ」

トニー・ベネットは1926年生まれ。2018年で御年92歳! すごいですね。
ニュー・レコーディングのアルバムが発売になりました。

2014年にはレディー・ガガとのデュエット・アルバムを発表して話題になりましたが、2018年の今年はダイアナ・クラールとのデュエット・アルバムです。
ダイアナ・クラールの落ち着いた声と、トニー・ベネットの年を感じさせない艶のある声のブレンドは聴きものです。

今回選ばれた楽曲はアメリカン音楽界の至宝、ジョージ・ガーシュイン作曲の作品。
兄であった作詞家のアイラ・ガーシュインと共作した数多くの名曲があります。

そんなスタンダード名曲をこの二人の歌声でボーナス・トラック含め14曲楽しめるのがこのCDです。
(トニー、ダイアナ、各々のソロが2曲ずつ含まれてます)

今日はその中から、アルバム・タイトルにもなった「ラヴ・イズ・ヒア・トゥ・ステイ」を。

元々は1938年に公開された映画『ゴールドウィン・フォーリーズ』のために作られた曲で、その時歌っていたのはケニー・ベイカーという人だったそうです。
1951年の映画『パリのアメリカ人」でジーン・ケリーが歌ったことによって広く知られるようになり、多くの人にカヴァーされるスタンダードとなったようです。

ピアノ・トリオをバックにトニーとダイアナのなんとも雰囲気あるヴォーカルが心地良く聴き手を包んでくれます。
これからの秋の夜長にぴったりのアルバムだと思います。

トニー・ベネット&ダイアナ・クラール『ラヴ・イズ・ヒア・トゥ・ステイ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UCCV-1173 2,600円+税)

3曲のミュージック・ビデオを収録したDVDが付いた<デラックス・エディション>も出ています。
(国内CD+DVD 完全限定盤 UCCV-9677 3,300円+税)

ダイアナ・クラールファンの僕はもちろんこちらを買いました。森 勉


2018年9月20日(木) ジャネット・サイデル 「You Are There」

ジャケット・サイデルが病気で急逝したのは2017年8月7日。

それから約1年を経て、追悼盤と言える未発表音源集が発売されました。

ジャネット・サイデル『ユー・アー・ゼア ~あなたの面影』
(国内CD 日本語解説付 MZCF-1377 2,400円+税)

オーストラリア出身女性ジャズ・ヴォーカリスト、ジャネット・サイデル。
彼女の温もりある歌声は、故郷へ帰ってホッとするような心持ちにさせてくれます。

今作は、彼女の兄デヴィッド・サイデルが、彼女自身病床でリリースを望んでいた音源や思い入れのある楽曲を選び纏めた12曲。(「Younger Than Springtime」、「I Wish You Love」、「Tenessee Waltz」、「Days Of Wine And Roses」、「Night And Day」他)

ラストに収録されている「You Are There」はデイヴ・フリッシュバーグ作詞、ジョニー・マンデル作曲。
今はいなくなってしまった人を想う切ないナンバー。

♪I often think there's just one thing to do. Pretend the dream is true. And tell myself that. You are there.♪
(ただ一つできること。それは夢は本当だと想うふりをすること。そして、私は自分に言い聞かせる。あなたはそこにいるのだ、と。) <「You Are There」歌詞より> 森 陽馬


2018年9月21日(金) SOLEIL 「Baby Boo」

60'sサウンド炸裂の1stアルバム『My Name Is SOLEIL』から半年。
キュートな歌声で聴く者をキュンとさせる15歳の女性ヴォーカルそれいゆを擁するバンド、SOLEIL(ソレイユ)。
早くも2枚目となる新作が発売になりました。

SOLEIL『SOLEIL is Alright』
(国内CD VICL-65044 2,315円+税)

今作も、サリー久保田(b)、中森泰弘(g)、白根賢一(ds)らによるオールディーズ/ガール・ポップ/ブリティッシュ・ビートな遊び心溢れるアレンジ&演奏がとにかく楽しいです。

マイクロスター、かせきさいだぁ、横山剣(クレイジーケンバンド)、イリア、高浪慶太郎、森若香織、澤部渡(スカート)、原田真二など豪華作家陣による楽曲にも注目です。

前作と同じくこだわりのMONO録音。マイクロスター佐藤清喜さんが全曲ミックスを手掛けています。

ビートルズ「Taxman」とザ・ジャム「Start!」を絶妙に織り交ぜた「太陽がいっぱい」、フィル・スペクター・サウンドに乗せて切ない乙女心を歌うマイクロスター提供曲「Baby Boo」(それいゆちゃんのセリフ入り!)、ヒックスヴィルの曲をリメイク「恋のはじまり」、モンキーズ・テイストを施した一般公募曲「Every Day Every Night」等、甘酸っぱさ全開の名曲揃い。

明日22日からの東名阪ツアー以降、それいゆちゃんは高校受験のため、しばらく活動はお休みとのこと。
次の作品を楽しみに待ってます~。

お買い上げの方先着で、当店のみ特典缶バッチ付です。東尾沙紀



2018年9月22日(土) ロッド・スチュワート 「ソー・ファー・アウェイ」

ちょうど1年前の2017年9月日本発売になった(CD+DVD)キャロル・キング『つづれおり:ライヴ・イン・ハイドパーク』は、本当に素敵なアルバムでした。

あれから1年、キャロル・キング関連の何かが出ればと思っていたのですが、これといったものがないので、1995年発表『つづれおり』カヴァー集を今日は紹介したいと思います。

V.A『つづれおり ~キャロル・キング・トリビュート・アルバム』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-13827 1,905円+税)

キャロル・キングが1971年に発表しその当時から現在までの間、世代を越えて多くの人々に感銘を与え続けている歴史的名盤『TAPESTRY ~つづれおり』を12アーティストがカヴァーし、オリジナルの曲順通りに並べてCD化したのがこのアルバムです。

プロデューサーは曲目によって異なりますが、デヴィッド・フォスターが2曲、アリフ・マーディンが3曲担当しています。
発表されたのが1995年ということもあり、その当時は旬でも、現在ではもう忘れられているミュージシャンも収録されていますが、それもひとつの歴史ということで今聴いても楽しめました。

エターナル、エイイミー・グラント、リチャード・マークス、フェイス・ヒル、オール・フォー・ワン。
80's、90's大活躍した人たちが入っています。

アレサ・フランクリンをフィーチャーしたビービー&シーシー・ワイナンス「ユーヴ・ガット・ア・フレンド」、ビージーズ「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロウ」、マンハッタン・トランスファー「スマックウォーター・ジャック」、セリーヌ・ディオン「ナチュラル・ウーマン」などもいい出来ですが、今日はロッド・スチュワート「ソー・ファー・アウェイ」を。

プロデュース、アレンジ、そしてキーボードはデヴィッド・フォスターです。
ロッドの名唱が光っています。やっぱり曲がいい! 森 勉


2018年9月23日(日) 千紗子と純太 「千紗子と純太」

「これ聴いた!?」とお客様から教わり知った新世代インディーJ-POP新譜この1枚。

千紗子と純太『千紗子と純太と君』
(国内CD FANO-0001 2,130円+税)

テクノ・サンプリング・民謡をミクスチャーした奇天烈グループ<CASIOトルコ温泉>のMTG(千紗子)。
大阪を拠点に活動しているインスト・ダブ/ダンス・ロック・バンド<neco眠る>のBIOMAN(純太)。

異色な二人が組んだ“異空間シティ・ポップ”!
懐かしいようなメロディーに、独特な打ち込み&ポップ・サウンドが絡む摩訶不思議な魅力に満ちた作品です。

cero髙城晶平の母が亡くなったことをモチーフに書かれた歌詞&純太の実兄オオルタイチ作曲が融合「骨拾い」。
アンビエント・ポップ③「馬鹿」、空気公団を想起させる⑩「若光物語」等ヴァラエティな全10曲。

今日のこの1曲は冒頭1曲目「千紗子と純太」。
アーティスト名をそのまま冠した華やかな楽曲ながら、「生きていく上で言いようのない哀しみや寂しさを受け入れていく」という内容の深い詞世界が心にズドーンときました。森 陽馬


2018年9月24日(月) Mime 「Driftin'」

吉田美奈子「Town」的楽曲+ラーバンドのシンセ・スパイス+ソウルフルなシティ・ポップ・サウンド♪

上記の要素を兼ね備えたキラーチューン!「Driftin'」。
この曲を収録したMime(マイム)1stアルバムが発売されました。

Mime『Capricious』
(国内CD PCD-24759 2,400円+税)

Mime(マイム)は森川祐樹(B)を中心に2014年結成し東京拠点に活動中の日本人5人組ユニット。
メロウ&グルーヴィーなソウル・サウンドと女性シンガーひかりによる日本語詞の歌がバランス良くミックス。

冒頭1曲目「Driftin'」以外の曲もクールでかっこいい!
一十三十一、初期UAお好きな方にオススメの都会的アーバン・シティ・ポップな1枚です。

ちなみに、アルバム・ラストには「Driftin'」Kan Sano Remixが収録。
オリジナルVerとこのRemixが入った限定EPも出ています。アナログファンはそちらも要チェック。 森 陽馬


2018年9月25日(火) 松尾清憲 「All The World Is Made Of Stories」

「この世界は原子でできていなくて、世界は物語でできている」
(松尾清憲「All The World Is Made Of Stories」歌詞より)

このタイトル及び歌詞は、アメリカの女流詩人Muriel Rukeyserによる言葉がヒントとなったそう。

その言葉に導かれ、松尾清憲が描く12の物語(曲)が完成。ソロ11作目となる快作が届けられました。

松尾清憲『All The World Is Made Of Stories』
(国内CD CDSOL-1811 2,800円+税)

Language掛川陽介+本澤尚之プロデュースによるサウンドはELO/ジェフ・リン、バグルスのエッセンス。
独特なエコー感はプリファブ・スプラウト、トニー・マンスフィールド等ブリティッシュ・エレポップからの流れ。
そのサウンド・ルーツに、松尾清憲ワールド全開のグッド・メロディーが紡がれた1枚。

今日のこの1曲は、鈴木さえ子ドラムス参加のタイトル曲「All the World Is Made Of Stories」を。森 陽馬

★当店にてお買い上げの方にはダブル特典!
アルバム中でもとびきりかっこいいナンバー「Midnight Train Called Desire」の別アレンジ・ヴァージョンを収録したCDRと、当店のみの特製ジャケット・デザイン・マグネットを先着で差し上げています。


2018年9月26日(水) 南佳孝 「ニュアンス」

1973年9月、松本隆プロデュース作『摩天楼のヒロイン』でデビューした男性シンガー・ソングライター、南佳孝。

2018年でデビュー45周年を迎えた彼のオリジナル作としては7年ぶりとなるアルバムが本日発売。

南佳孝『Dear My Generation』
(国内CD ハイレゾ音源も楽しめるハイブリッドMQA-CD仕様 CVOV-10049 3,000円+税)

近年はジャジー&ボッサなアレンジが多い印象でしたが、今作は大人なロック&ラヴ・ソングで“聴かせる”1枚。

斉藤和義が作詞/ギター/コーラス参加、The Renaissance(小原礼&屋敷豪太)編曲による①「Mystery Train」。
その斉藤和義とのデュエット&Charのギターも炸裂する⑦「はないちもんめ」。(鈴木茂作とは同名異曲)
太田裕美とのデュエット曲⑤「トキメイテ」。森俊之編曲④「Jazzy Night」&⑩「寒い日に」&⑧「恋するAngelina」。
更には、来生えつこが4曲歌詞を書き下ろしている点も見逃せません。

今日のこの1曲は、その来生えつこが作詞、南佳孝作曲、井上鑑が編曲を手掛けているラスト⑫「ニュアンス」を。
情景が浮かんでくる詞世界、ビターな想い出と感慨が伝わってくる歌声が味わい深い逸品。森 陽馬

★当店にてお買い上げの方、先着で特典CD付!
ラヴィン・スプーンフル「You didn't have to be so nice」、ビートルズ「While My Guitar Gentry Weeps」、斉藤和義「歩いて帰ろう」、小沢健二「今夜はブギー・バック」カヴァー収録ラジオCD『レディオソロイズム』

2018年9月27日(木) ポール・サイモン 「Darling Lorraine」(『In The Blue Light』より)

「生まれ育った家の古い壁が新しいペンキで塗り直されたみたいに、
古い曲が新たに生まれ変わった様をリスナーにはぜひ聞いてもらいたい。」(ポール・サイモン)

上記の言葉は、ポール・サイモン2018年作『In The Blue Light』ブックレットに記載されている序文だ。

ポール・サイモン『In The Blue Light』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-31188 2,400円+税)

過去作品の中からヒット曲ではなく隠れた名曲を選りすぐり、新たに構築したセルフ・カヴァー・アルバム。
新進気鋭ニューヨークのクラシカル・ユニットyMusicとのコラボや、スティーヴ・ガッド、ビル・フリーゼル、ジャック・ディジョネット、ウィントン・マルサリスを迎え、創造性豊かなアレンジで聴かせる全10曲。

今日のこの1曲は⑧「Darling Lorraine(愛しのロレイン)」(オリジナルは2000年作『You Are The One』収録)を。

彼がツアー活動から引退する旨を発表したのは、活動を長年共にしてきたカメルーン出身ギタリストVincent Nguini(ヴィンセント・ンギニ)の2017年末急逝が大きく影を落としているのだろう。

この「Darling Lorraine」再演には、Nguiniのギターが今作中唯一クレジットされている。

優しさと哀しさと、ささやかな狂気を含んだポール・サイモンの歌声が、ンギニのギターと共鳴し闇夜に溶けていく。
そしてその音は青い光となって、彷徨う心をほのかに照らしてくれるのだ。森 陽馬


2018年9月28日(金) 奥田民生 「BEAT」

2017年秋からスタートした奥田民生の新プロジェクト<カンタンカンタビレ>

8トラックオープンリールテープレコーダーなど希少なアナログ機材を駆使した宅録&DIYスタイルで、他アーティストへの提供曲などをセルフ・カヴァーしていく企画。
これまでに20曲近くがデジタル配信され、その中から11曲を厳選。
再ミックス&マスタリングを施したものを収録したアルバムが今週発売されました。

奥田民生『カンタンカンタビレ』
(国内CD RCMR-8 3,000円+税)

Youtubeの公式チャンネルには、解説を交えたレコーディングの様子が沢山アップされており、機材に囲まれた一畳ほどのスペースで1人音を重ねていく作業は実に楽しそうです。

曲目は「トキオドライブ」(Char)、「俺の車」(長田進 with GRAPEVINE)、「モグラライフ」(PUFFY)、「悪い月」(ザ・コレクターズ)、「スロウサーフィン」(石川さゆり)、嵐の海(藤井フミヤ)など。

なかでも、ストーンズとAC/DCが合わさったようなギターリフと高揚感が堪らない「BEAT」(木村カエラ2005年のシングル)がめちゃめちゃかっこいいのですが、この曲でドラムの代わりに用いられたのは、折り畳み傘の袋やタオルと厚紙などとても身近なもの!
それでこんなかっこいいビートが刻めるのですから・・・発想力とテクニックが素晴らしい♪東尾沙紀


2018年9月29日(土) ロジャー・ニコルス 「オンリー・ミー」

ロジャー・ニコルス『トレジャリー<エクストラ・トラックス>』が発売されました。
(国内CD VICP-65501 2,800円+税)

これは2016年12月発売されて音楽ファンの間で大評判になったロジャー・ニコルス『トレジャリー<デモ&CMトラックス>の続編になるものです。

ジャケットの写真だけ見ると、「おやっ」と思う方もいると思います。
2016年出たCDにとても似ています、というか写真は同じでタイトル/文字のレイアウトも同じです。
写真の色合いが違うのと、帯の色が黒から白になったという違うだけですので、ご注意ください。

前回は2枚組、今回は1枚ものなので、よく見れば間違うことはないと思いますが、こういうネット上の写真では見間違いやすいかも。

さて、大半の曲が初音盤化。もちろん前回CDとはダブリ曲はありません。
ロジャニコらしい楽曲・アレンジが満載です。

それにしても、埋もれていた中にこれだけ聴き応えのあるものがあって、それをいい形で編纂してくれたこのCDの監修者:濱田高志には感謝・感激です。

デモテープ、CM曲、幻のミュージカル楽曲など全30曲。
普通に完成されたアルバムとして聴いても遜色ないグレードの作品集だと思います。

今日のこの1曲は、10曲目、12曲目、13曲目等の美しい旋律に持ったインスト曲にも心奪われましたが、ロジャー・ニコルス自身の歌が聴ける1曲目「オンリー・ミー」を。

この曲はケニー・ロジャースが在籍していたファースト・エディション1968年発表セカンド・アルバムの中の1曲として取り上げられました。森 勉


2018年9月30日(日) オラン 「Chanson de TAKUBOKU」(望郷そして希望)

女性アコーディオン奏者/シンガー・ソングライター、オラン平賀康子。

7枚目となるアルバム『カンバス』を当店にて取り扱いさせていただけることになりました。

オラン『カンバス』
(国内CD 2018年発表作 MUI-20181 2,800円+税)

フレンチミュゼットを軸に様々な音楽を吸収し、サポートのみならずアコーディオン弾き語りも行うオランさん。

彼女の自作曲にアコーディオンの音色と歌、そして江森孝之によるアコースティック・ギターが調和した全11曲。

今日のこの1曲は、石川啄木の詩(「ふるさとの訛りなつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく」等)にオランさんが曲を付け歌っている6曲目「Chanson de TAKUBOKU」(望郷そして希望)を。

なお、11月30日学芸大学アピア40にて、CDリリース記念ライヴ・バンド編が行われる予定です。森 陽馬

★通販も可能です。




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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