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  今日のこの1曲 “Archives”

<2020月2月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2020年2月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2020年2月1日(土) ブルー・ペパーズ 「マリンスノーの都市」 feat 佐々木詩織

ベースはリー・スクラー!(The Section、James Taylor他)
ドラムが宮崎まさひろ!(東北新幹線、高中正義他)

通好みなリズム隊をゲストに迎えた新録音曲が出ました。

ブルー・ペパーズ『Believe in Love/マリンスノーの都市』
(国内7インチ・アナログ盤 VSEP-850 1,800円+税)

ブルー・ペパーズは福田直木と井上薫による新世代AOR/シティ・ポップ男性2人ユニット。

ジェイ・グレイドンオマージュな雰囲気「Believe In Love」と、冒頭のリズム隊を起用した「マリンスノーの都市」。
アーバン・メロウなこの2曲をカップリングした7インチ・アナログ盤です。

近年活動の幅を広げている佐々木詩織(佐々木久美の娘)による伸びやかな歌声も魅力的ですね。森 陽馬


2020年2月2日(日) 小野リサ 「忘れな草をあなたに」

明日2月3日は立春の前日、節分。
ハロウィン、クリスマスも楽しいイベントですが、日本古来から伝わる行事も大事にしたいですよね。

ということで、情緒あふれる<日本の歌>を今日のこの1曲に。

小野リサ『愛から愛へ ~愛の讃歌~』
(国内CD MUCD-1441 3,000円+税)

ブラジル音楽を馴染みやすいアレンジで1989年から歌い続けてきた日本人女性シンガー、小野リサ。
近年は、日本の歌を穏やかなボサノヴァ/ラテン・アレンジで歌う作品が多くなりました。

今作も1940~60年代に日本で歌われていた楽曲のカヴァーを中心に収めた全12曲。
(11曲目「まだ恋が足りない」のみ宇崎竜童&阿木燿子コンビによる書き下ろし新曲)

今日のこの1曲「忘れな草をあなたに」は、木下龍太郎作詞、江口浩司作曲による1963年楽曲。
女性コーラス・グループのヴォーチェ・アンジェリカ、菅原洋一、倍賞千恵子の歌で知られるナンバー。
Tony Guerreroによるフリューゲルホルンの音色が心地良くも切ないアレンジです。森 陽馬


2020年2月3日(月) チェン・ビー 「そしてぼくはきみを抱いて」

春風のように柔らかく清廉な歌声を持つ中国山東省出身女性シンガー・ソングライター、チェン・ビー。

北京大学で日本文化を専攻。
2012年1stアルバムを発表以降、北京と東京を拠点に活動している彼女の6枚目となる新作が発売されました。

チェン・ビー『そしてぼくはきみを抱いて』
(国内CD 歌詞・対訳付 2,500円+税)

中国の人気男性アーティスト、モーシーやシャオ・インをゲストに迎え、北京と東京でレコーディング。
タイトル曲「そしてぼくはきみを抱いて」は現代詩人:野村喜和夫によるはかない夏の終わりを描写した詞に、モーシーと共作した曲をつけたもの。2人の歌声がマッチしていて、とても素敵なデュエットです。

女の子の可愛い話し声、優しいメロディーにホッとする「毎日書き留める大切な小言」、ドラマティックなストリングスに心打たれる「意味のジャングル旅行のガイド (Meaning Jungle Trip Guide)」など、多彩な楽曲が収められています。

アルバムを締め括るのは、日本語で歌われている幻想的なアレンジの童謡「赤とんぼ」。
彼女の包み込むような美しい歌声で、子どもの頃の懐かしい記憶が色々と呼び覚まされました。東尾沙紀


2020年2月4日(火) 浜田真理子 「ヨコハマ・ホンキー・トンキー・ブルース」

♪ ひとり飲む酒悲しくて 映るグラスはブルースの色
たとえばトム・ウェイツなんて聴きたい夜は 横浜ホンキー・トンク・ブルース ♪
(「ヨコハマ・ホンキー・トンキー・ブルース」歌詞より)

作詞:藤竜也、作曲:エディ藩(ゴールデン・カップス、ソロ他)。
上記作者の他、松田優作、原田芳雄、宇崎竜童の歌唱でも知られる横浜ブルースの名曲。
カラオケのオハコ、という方も多いのではないでしょうか。

哀愁が滲み出るような詞から、男性の歌という印象を僕は持っていました。
しかしながら、浜田真理子によるカヴァーは堂に入っていて見事の一語!

2018年発表昭和歌謡カヴァー・アルバム『LOUNGE ROSES』(
2018年11月19日今日のこの1曲紹介)で歌っていますが、本日発売ライヴCD、地元島根のコンサートで歌われた音源の方を今日のこの1曲に。森 陽馬

浜田真理子『MARIKO HAMADA LIVE 2017-2019 VOL.2』
(国内CD 久保田麻琴プロデュース CAM-002 2,300円+税)


2020年2月5日(水) 安宅浩司 「笑ってみたら」

ほのぼのとして朗らかで、そして、じわじわと味わいが沁みてくる1枚。

安宅浩司(KOJI ATAKA)『THE ACES』
(国内CD WITH-502 2,000円+税)

山田稔明、栗コーダーカルテット、中村まりのサポート・ギタリストとしても知られるシンガー・ソングライター。
『それでいいんじゃないかと』(2007)、『ココニアル』(2010)に続く、ソロ3作目となるアルバムが本日発売。

日々の悲喜交々を友人と語り合っているような、普段着の温もりを感じさせてくれる全9曲。

今日のこの1曲は5曲目「笑ってみたら」。

♪ 笑ってみたら きっとうまくいくんじゃないかな 胸が痛んだり 涙が出たりだけど ♪
(安宅浩司「笑ってみたら」歌詞より)

朴訥で飾らないけれど、音楽・人生へ対する彼の一本芯が通った想いが伝わってきます。森 陽馬


2020年2月6日(木) 吾妻光良&The Swinging Boppers 「齢には勝てないぜ」

今週末2月9日(日)、東京競馬場では東京新聞杯(芝1600メートル GⅢ)が行われます。

過去にはリスグラシュー(2018)、インディチャンプ(2019)、と後にGⅠを勝った馬が優勝。
長い直線の攻防が見所ある好きなレースですが、特に印象深いのは1990年ホクトヘリオスの追い込み!

ホクトヘリオスが繰り出した大外一気の末脚は本当に凄かったなぁー。
4コーナー周って絶望的な位置から大外に進路をとった柴田善騎手!(いまでも現役!)
近年の競馬は内&先行有利の馬場が多いのですが、こういうレースをもっと見たいですよね。

ということで、話題とあまり関係ありませんが、1990年頃に録音(発表は1991年)された今日のこの1曲。
吾妻光良&The Swinging Boppers「齢には勝てないぜ」。

<ジャンプ・ブルース/ジャイヴfromジャパン>のレジェンド、吾妻光良&The Swinging Boppers。
1991年発表アルバム『Stompin' & Bouncin'』1曲目に収録されていたナンバー。

このアルバムが初アナログLP化され限定発売されました。
吾妻さんの他作品も今後アナログ化される予定になっています。森 陽馬

吾妻光良&The Swinging Boppers『Stompin' & Bouncin' The Great Victor Masters 1990-1991』
(国内LP TYOLP-1024 3,800円+税)


2020年2月7日(金) The Viscaynes 「Heavenly Angel」

宮治淳一さんを招いての放送だった2020年お正月の山下達郎さんD.J.によるラジオ番組<サンデー・ソングブック>での新春放談はとても楽しいひとときでした。

世の中にまだまだ自分の知らない興味深い音楽がいっぱいあるんだということを教えてくれるもので、レコード/CDへの執着心がますます膨らんでしまうプログラムでした。

その新春放談の第2週目に達郎さんが紹介してくれたのがThe ViscaynesというDoo Wopグループ。

The Viscaynes & Friends『The Viscaynes & Friends』
(輸入CD ORG Music ORG-2111)

後にスライ&ザ・ファミリー・ストーンを結成するスライ・ストーンことシルヴェスター・スチュワートが在籍していたヴィスケインズ1961年のレア音源を集めた編集盤です。

ヴィスケインズは白人の男女各2人とスライを含む黒人2人の6人組。
西海岸のマイナー・レーベルVPM、Tropoから数枚のシングルを出していたようです。

このCDにはその貴重音源7曲と、&フレンズということでPrecisions2曲とIndividuals1曲の計10曲が収められています。
ドゥワップの奥深い魅力が堪能できる貴重な1枚だと思います。森 勉


2020年2月8日(土) James Brown 「Give It Up Or Trust A Loose」

最高にファンキーでかっこいい!
でも、怖いくらいの緊張感が伝わってくるライヴ盤この1枚。

James Brown『Live At Home With His Bad Self』
(輸入CD Universal B0030192-02)

ジェイムス・ブラウン1970年発表代表作『Sex Machine』は、「Sex Machine」等スタジオ録音に拍手や歓声を重ねた疑似ライヴ収録のディスク1と、故郷ジョージア州1969年ライヴのディスク2で構成されていました。
今作は、そのディスク2に収録されていたジョージア州オーガスタでの1969年ライヴ完全盤の音源です。

当時1969年ライヴ・ツアー後、バックの主要メンバーが大量離脱。(JBのパワハラに耐えかねた?)
「Sex Machine」はその翌年ブーツィ・コリンズ等を招集し録音した楽曲なので、このライヴには入っていません。

でも、というかだからこそ、このライヴ盤に収録曲の熱は尋常じゃないっ!
演奏ミスをしたら罰金、という逸話があるほど厳しかったJBバンドの意地とプライドが伝わってくるのです。

今日のこの1曲は、未発表だった「Give It Up Or Trust A Loose」。森 陽馬


2020年2月9日(日) Young Gun Silver Fox 「Whatcha Gonna Do For Me?」

アンディ・プラッツ(ママズ・ガン)とショーン・リーのAORユニット、ヤング・ガン・シルヴァー・フォックス。
2020年3月4日に彼らの3枚目となる新作『キャニオンズ』(国内盤)が発売されます。

アルバムに先駆け、新録曲を収録したアナログ7インチ・シングルが出ました。

ヤング・ガン・シルヴァー・フォックス「Whatcha Gonna Do For Me?/Private Paradise」
(国内EP 歌詞付 P7-6243 1,800円+税)

A面は、ネッド・ドヒニー&ヘイミッシュ・スチュアート(アヴェレイジ・ホワイト・バンド)共作、チャカ・カーンのヒットで知られる「Whatcha Gonna Do For Me?」のカヴァー♪

Gallianoや近年再始動したMother Earthメンバーでもある黒人ベーシストErnie Mckone、インコグニート作品参加等で知られるNichol Thomson(トロンボーン)他ホーン・セクションをフィーチャーした極上のカヴァーに仕上がっています。

B面は最新3rdからのリード曲「Private Paradise」。
打ち込みをベースに1stの雰囲気を想起させる爽やかな1曲。ショーン・リーのとろけるようなギターソロも必聴です。

新作がとっても楽しみ!YGSFとしての2度目の来日も期待したいですね。東尾沙紀


2020年2月10日(月) ルラル 「クラクション」

PET SOUNDS RECORDレーベル第1弾ルラル発売記念トークイベントが3月28日(土)開催決定しました。

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2020年3月28日(土)
PET SOUNDS RECORD presents ルラル発売記念イベント
ライヴ・カフェ・アゲイン(武蔵小山 当店地下)
14時開場 15時開演 入場料1,500円
出演:中林理香(ルラル)
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中林理香さんに石川県金沢からお越しいただき、当時のライヴ映像や音源を楽しみながらお話を色々伺います。
ライヴへ足を運んだことがあったルラルファンの方々は大集合!
(もちろん、今回のリリースでルラルを知ったという方も是非! 予約受付はアゲインにて)

今日のこの1曲は、ファンからも人気の高いナンバー「クラクション」。
2003年発売シングルCD、店頭にまだ少し在庫ございます。お早めにどうぞ。森 陽馬

ルラル『クラクション』
(CD KJCS-5003 1,100円+税)


2020年2月11日(火) 桑田佳祐&The Pin Boys 「悲しきプロボウラー」

桑田佳祐のボウリング熱、いまだ冷めず、
ということで、ボウリングをテーマにした曲を歌うプロジェクト第2弾が発売されました。

桑田佳祐&The Pin Boys『悲しきプロボウラー』
(国内CD+ピンズ+ポスター+ステッカー付限定盤 先着クリアファイル付 VIZL-2050 1,500円+税)

演奏のパーソナルは、片山敦夫(ピアノ、シンセサイザー&シンセ・ベース)、斎藤誠(エレクトリック・ギター)、角谷仁宣(コンピューター&リズム・プログラミング)、岡野桜子(「ねぇ、ダーリン・・・」の語り)、桑田佳祐(エレクトリック・ギター)となっています。

サザン・オールスターズ/桑田佳祐の新曲が出るたびに思うことですが、やっぱり桑田佳祐って、天才ソングライターだなぁ~。

今回も軽快で気持ちがウキウキしてくるようなポップさを持ったいい曲です。
ボウリングのレーンをボールがストライクのポケットに向かって疾走しているようなワクワク感がある曲ですね。

個人的なことで恐縮ですが、ボウリングは中学・高校・大学時代によくやりました。
昭和40年代は大流行していて、ボウリング場もいっぱいありました。

一番よく行ったのは、五反田ボウリング・センターでした。
割引があることもあり一時期は会員になったりもしました。

二番目によく行ったのは神宮球場の横にあった東京ボウリング・センター。
学校帰りに仲間と行くことが多かったなぁ。カフェで売っていたレオネードの味も最高でした。

ちなみに当時のスコアは150あたりをうろうろ状態でした。
ハイ・スコアとして覚えているのは226と記憶しています。森 勉


2020年2月12日(水) Pat Metheny Group 「Are You Going With Me?」

日本人写真家/プロデューサー、トシ矢嶋による写真集『LONDON RHAPSODY』。
70~80'sロンドンの薫り伝わる写真に加え、アーティストとの逸話を綴ったエッセイがとても興味深い。

特に、178ページ『シャーデーとの甘美なひと時 -トリニダード・トバゴにて』。
シャーデーのオフィシャル・フォトグラファーであった彼が1986年トリニダード・トバゴに呼ばれた時の出来事。

部屋でシャーデーと二人きりになり、BGMはパット・メセニー・グループ1982年発表名作『OFFRAMP』。
「Are You Going With Me?」がかかる極上なムードでカメラのレンズを向けると、彼女は服を脱ぎ捨て...。

シネマティックかつ素敵なエピソードで、美しい写真と共に甘美な夢を魅せてくれます。

なお、「Are You Going With Me?」をパットと共作したLyle Mays(ライル・メイズ)逝去の報が本日入りました。
『OFFRAMP』ラスト収録「The Bat PartⅡ』がレクイエムのように響きます。合掌。森 陽馬

★パット・メセニー・グループ『OFFRAMP』
(国内CD UCCU-5721 1,500円+税)

2020年2月13日(木) Neil Young 「When You Dance I Can Really Love」

レコード・コレクターズ2020年3月号<1970年の音楽地図特集>が本日入荷。
1970年に発表された作品が洋・邦・音楽ジャンル問わず紹介されています。


デレク・アンド・ドミノス『いとしのレイラ』、ピンク・フロイド『原子心母』、ジョージ・ハリソン『オール・シングス・マスト・パス』、ジョン・レノン『ジョンの魂』、サイモン&ガーファンクル『明日に架ける橋』、CSN&Y『デジャヴ』、ビーチ・ボーイズ『サンフラワー』、ジェイムス・テイラー『スウィート・ベイビー・ジェイムス』、ダニー・ハサウェイetc...。

名盤数多い中、僕にとっての1970年はやはりこの1枚!
ニール・ヤング『After The Gold Rush』。

冒頭「Tell Me Why」、かっこいい「Southern Man」、名曲「Only Love Can Break Your Heart」、「Birds」等で語られることが多い名作ですが、○万回(大げさ)聴いたファンとしては断然「When You Dance I Can Really Love」なんだよなぁ。
歌も、演奏も、ギターも、そして詞もこれぞニール・ヤング!

ちなみに、『Year Of The Horse』CDに収録されている「When You Dance~」も最高!大好きですね。森 陽馬

2020年2月14日(金) ブレッド 「If」

デヴィッド・ゲイツを中心に1969年L.A.で結成されたブレッドは、1970年代前半、さわやかで美しいメロディーの曲をたくさん発表してくれました。

ハードなロックが台頭してきた頃なので、ブレッドのサウンドはよりソフトで落ち着いたものに感じました。

「Make It With You」(二人の架け橋)、「Everything I Own」(涙の想い出)、「Baby I'm - A Want You」、「Diary」、「The Guitar Man」、「Sweet Surrender」、「Aubrey」など名曲揃い。

今日のこの1曲は1971年ヒット曲「If」を。

ブレッド『アンソロジー・オブ・ブレッド』
(国内CD 全20曲 解説・歌詞・対訳付 WPCR-26324 1,300円+税)

それにしても、デヴィッド・ゲイツのソングライティング・センス、いいですね。森 勉


2020年2月15日(土) Huey Lewis & The News 「I Am There For You」

ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの新作が発売になりました。

スタックスの名曲をカヴァーした2010年発表前作『Soulsville』から約10年ぶり!
オリジナル中心の作品としては2001年発表『Plan B』から19年ぶりとなります。

Huey Lewis & The News『Weather』
(輸入CD BMG 538543642)

2018年、ヒューイ・ルイスがメニエール病と診断され、その年のツアーをキャンセル。
難聴、聴覚低下により今作のレコーディングにも支障があっただろうと思いますが、そんなことはまったく感じさせないパワフルな歌声を聴かせてくれます。

PVも楽しいエネルギッシュななロックンロール・ナンバー「Her Love Is Killin' Me」、ユージン・チャーチ作/アーサー・アレクサンダーやウォーカー・ブラザーズのバージョンでも知られる「Pretty Girls Everywhere」のカヴァー、カントリーテイストの「One Of The Boys」など全7曲を収録。

「君がどこへ行っても見守っている 君のためにそこにいるよ」と歌われる「I Am There For You」を今日の1曲に。
ヒューイの歌声、オルガン・ソロが沁みるミディアム・バラードです。東尾沙紀


2020年2月16日(日) 寺尾紗穂 「安里屋ユンタ」

2020年2月15日(土)寺尾紗穂、初の山梨公演を甲府 桜座で観てきました。

まず、
桜座が本当に素晴らしいライヴ・ハウス/芝居小屋でしたね。
演者及び観客の汗と涙が沁み込んだステージ&客席。
ここで文化が生まれ継承されてきたのだな、ということを感じられました。

そして、人それぞれの想い出と未来に光を灯すような、寺尾紗穂さんの歌も神々しかったな。

3月4日発売新作『北へ向かう』収録曲「北へ向かう」、「安里屋ユンタ」、「一羽が二羽に」、「そらとうみ」も披露。
「安里屋ユンタ」の時に焚かれたスモーク、「一羽が二羽に」時にそのスモークが照明に当たり、鳥のかたちへ変化!?していったように見えたのが印象に残りましたね。
(あと、伊賀航さんが参加した二部に披露した新曲「光のたましい」が本当に素晴らしかった!)

ちなみに、竹富島古謡「安里屋ユンタ」は鳥取で行った折坂悠太との2マンライヴで一緒にカヴァーしたのをきっかけに一人でも歌うようになったそうです。森 陽馬

★掲載ジャケットは、「安里屋ユンタ」収録、寺尾紗穂『北へ向かう』。
(2020年3月4日発売CD 当店のみの特典&インタビューリーフレット付 PCD-27044 2,700円+税)


2020年2月17日(月) 吉田美奈子 「星の海」

路上生活者が販売員となり売上の約6割がその人の収入になる仕組の雑誌『THE BIG ISSUE』。
それを多くの方へ知ってもらおうと寺尾紗穂が発起人となり行っているりんりんふぇす、2020年開催が決定!

記念すべき10回目となる今回は、2020年3月29日(日)山谷・玉姫公演にて投げ銭制で行われます!
りんりんふぇすVol.10 sing with your neighbors ~The Big Issue Support Live

出演者が超豪華!
吉田美奈子with小島良喜、浜田真理子withMarino、イ・ラン、川村亘平斎、ソケリッサ、寺尾紗穂&望月けん一。
座談会、炊き出し、簡単な食事やコーヒーの販売などもあります。

路上生活者・BIG ISSUEだけでなく、出演者&スタッフ、観客含め皆のための催しであることを実感できるイベント。
桜も開花しているといいですね。てるてる坊主を今から準備して楽しみに待ちましょう!

ということで、今日のこの1曲は出演者の中から、吉田美奈子「星の海」を。

吉田美奈子1995年発表アルバム『EXTREME BEAUTY』のラストに収録されている名曲。
(国内CD 生産限定盤 UPCY-9782 1,000円+税)

1994年逝去した名イラストレーター、ペーター佐藤へ捧げられた美しいナンバーです。森 陽馬


2020年2月18日(火) Black Pumas 「Confines」

ジミ・ヘンが1970年代に生きていて米国南部で録音したソウル・アルバムを出していたら、、、
そんな想像をかきたてられる1枚。

Black Pumas『Black Pumas』(Deluxe)
(国内仕様CD 日本語解説付 デラックス版2CD OTCD-6795 2,500円+税)

Black Pumas(ブラック・ピューマズ)は、白人ギタリスト/プロデューサーAdrian Quesada(エイドリアン・ケサーダ)と、黒人シンガーEric Burton(エリック・バートン)がオースティンで結成したソウル・ユニット。

2019年発表され第62回グラミー賞BEST NEW ARTIST(新人賞)にノミネートされた1stアルバムに、貴重ライヴ音源収録のボーナス・ディスクが付いた2枚組CD仕様。

ジャック・ムーヴス、ケリー・フィニガン等、ヴィンテージ感ある新世代ソウルお好きな方にオススメです。
今日のこの1曲は、ニール・ヤング「Cowgirl In The Sand」的!な⑧「Confines」。森 陽馬


2020年2月19日(水) クリーム 「クロスロード」(ライヴ)

クリームの解散ライヴ・ツアー音源がCD4枚組で2020年3月6日発売予定です。

1968年10~11月にかけて行われたアメリカでの『グッバイ・ツアー』と、イギリスでの『フェアウェル・コンサート』のライヴが収められています。
未聴ですがほとんどが未発表及び初CD化音源なので、聴くのがとても楽しみです。
発表されたら、またレポートしようと思います。

ということで、今日はクリームを。
クリームのライヴを初めて聴くことが出来たのはこのアルバムでした。

クリーム『クリームの素晴らしき世界』(原題:Wheels Of Fire)
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-20017~8 2,286円+税)

イギリス、アメリカでは1968年8月発表、クリームとして第3作目、LP2枚組!
1枚目は「ホワイト・ルーム」等を収録したスタジオ録音。
2枚目は『ライヴ・アット・ザ・フィルモア』と題されたライヴ録音という、それまでにはなかった形態での発売でした。
(日本では秋になってから1枚ものでバラ売りされました。)

前作の『カラフル・クリーム』(Disraeli Gears)もそうでしたが、友達が持っていたアメリカ盤を借りて聴きました。
1960年代中期から後期、新しいサウンドがどんどん発表されている時期。
当時高校生だった自分にとっては、かなり刺激的な音楽でした。

ロバート・ジョンソンやハウリン・ウルフなどブルースのことはまだ何も知りませんでしたが、「クロスロード」、「スプーンフル」のかっこ良さは伝わってきました。
ということで、今日は2枚目のライヴ盤の方から、4分間の最高のノリが感じられる「クロスロード」を。

フィルモアのライヴとなっていますが、実際は1968年3月ウィンターランドと近年はクレジットされています。森 勉


2020年2月20日(木) KEEPON 「終りの季節」

<恐るべし10代! KEEPON初のドーナツ盤登場!>

当店2019年ベストに選出、2003年生まれ現在高校生の男性ミュージシャンKEEPON。
細野晴臣『HOSONO HOUSE』収録曲2曲を15歳時にカヴァーした音源が7インチ+CD付仕様で出ました。

・(7インチ・アナログ+CD)KEEPON『パーティー/終りの季節』
(45回転アナログ盤+同内容CD付 
当店のみの特典バッチ付 LDEP-005 2,000円+税)

細野晴臣、レイモンド・スコット関連のデザインを手掛けている岡田崇さんのレーベル、LI'L DAISYからの発売。
アナログ盤は英国アビーロードスタジオのマイルス・ショーウェルによるハーフスピードカッティング。

「パーティー」は細野晴臣、「終りの季節」は久保田麻琴がミックスを担当!
味わい深い風合いのジャケット写真は、はっぴいえんどで有名な野上眞宏氏!
岡田崇さんがデザイン&ライナーノーツを手掛け、細野晴臣&久保田麻琴によるコメント付。

音はもちろんのこと、付属物ひとつひとつに作り手側の熱意が伝わってきますね。

「パーティー」のビーチ・ボーイズ「英雄と悪漢」的アレンジ聴きものですが、「終りの季節」を今日のこの1曲に。
細野晴臣がトロピカル三部作時期(1975~78)に「終りの季節」を録音していたら、と想像したくなるアレンジ。
久保田麻琴によるエコーが効いたダビーかつトロピカルなミックスが最高です。森 陽馬

★当店のみの先着特典!ジャケット写真のカンバッチ付!

2020年2月21日(金) 遠藤賢司 「猫と僕と君」

書籍『東京バックビート族 林立夫自伝』(リットーミュージック 2,000円+税)が本日入荷。


キャラメルママ~ティンパン時代の話を中心に、1990年代再活動し現在までのワークスに関して。
更に、高橋幸宏、伊藤大地、沼澤尚との対談等、貴重な写真や細かい注釈も付き興味深い話が満載。
<武蔵小山のペットサウンズ>と出てくる箇所もあります。手に取った方探してみてください。

ということで、林立夫のセッション仕事を集めたオムニバスCD『Non Vintage』から今日のこの1曲。
『Non Vintage 林立夫セレクション』(国内2枚組CD MHCL-593 3,000円+税)

遠藤賢司「猫と僕と君」は、1972年発表『嘆きのウクレレ』に収録されている繊細で美しい隠れた名曲。
林立夫さんは自伝の中で、「いまだに好きな曲」としてこの曲をピックアップ。

あと、「特に好きな曲」として「ピンク・シャドウ」を挙げ録音時の回想を。
「雨のウェンズデイ」に関して大滝詠一さんとの録音時やり取りの想い出を語っています。森 陽馬

2020年2月22日(土) John Fogerty 「Up Around The Bend」

「錆びつくより燃え尽きたい」
と言ったのはニール・ヤングですが、この人の場合は燃え広がっている印象の圧巻ライヴ盤!

CCRのジョン・フォガティ。
音楽活動50周年を記念して行った2019年全米ツアー、6月20日レッド・ロックスでのライヴ音源が発売。

John Fogerty『50 Year Trip :Live At Red Rocks』
(輸入CD BMG 5053-853805)

CCR1969年ウッドストック発掘ライヴ音源(
2019年11月8日今日のこの1曲で紹介)が素晴らしかったのですが、74歳を迎えても衰えるどころか強靭さを増している感すらある今作の熱さは、本当に火傷&胸焼け注意!

今日のこの1曲は、前向きで疾走感ある「Up Around The Bend」を。森 陽馬


2020年2月23日(日) Ben Watt 「Irene」

2020年4月21日、22日に来日公演を控えているベン・ワット(エヴリシング・バット・ザ・ガール)。

約4年ぶり、4枚目となるソロ・アルバム『Storm Damage』が発売になりました。

Ben Watt『Storm Damage』
(輸入CD ROAD015CD)

元々繊細な雰囲気を持った人ですが、近年は親族を失った悲しみ、政治への怒りが影響して行き詰まり、しばらく音楽制作からは離れていたそう。

前2作のパートナー的存在だったバーナード・バトラーは今回不参加。
Rex Horan(ex.Mamas Gun)のベース、Evan Jenkinsのドラム以外の殆どの演奏はベン自身によるもので、今作はギターよりもピアノやウーリツァ―、ローズなどキーボード類の音が印象的に耳に残ります。

アメリカ出身ミュージシャンAlan Sparhawkがギターとバック・ヴォーカルで参加した「Irene」では、それらを重ねループさせた音と儚げなメロディが相まってずっと聴いていたいと思う不思議なトラックに仕上がっています。東尾沙紀

2020年2月24日(月) Pat Metheny 「From This Place」 feat Meshell Ndegeocello

「この場所から進まなければならない
愛を信じ 信念に導かれ 貴方と共に歩んでいく 皆の心が自由になるまで」
(Pat Metheny「From This Place」歌詞より)

広く遠いどこかへ、この場所から連れて行ってくれるような。
パット・メセニー、約6年ぶりとなるスタジオ録音オリジナル作品は想いが募る壮大な1枚。

パット・メセニー『From This Place』
(国内CD パット・メセニーによる曲解説を基にした日本語解説付 WPCR-18309 2,500円+税)

長年バックを務めているアントニオ・サンチェス(Ds)と、マレーシア/オーストラリア人ベーシストのリンダ・オー(B)、英国人ピアニストグウィリム・シムコック(P)によるバンド。
ジョエル・マクリーニー率いるハリウッド・スタジオ交響楽団のストリングスが適材適所に加わった全10曲。

『Watercolors』を思い起こさせるような美しさと、深い情愛が合わさった力作。
今日のこの1曲は、ミシェル・ンデゲオチェロがヴォーカル参加した⑧「From This Place」を。森 陽馬


2020年2月25日(火) ミッチ・ライダー&デトロイト・ホイールズ 「Sock It To Me-Baby」

ミッチ・ライダー&デトロイト・ホイールズ!
この名前を聴いただけで身体が熱くなってきます。

1965年から1968年にかけて発表された彼らの音源が3枚組CDに全67曲収録された集大成盤が出ました。

ミッチ・ライダー&デトロイト・ホイールズ『地獄の叫び~コンプリート・ボブ・クルー・プロダクションズ』
(国内仕様CD 日本語解説付 MSIG-1366~8 4,500円+税)

ミッチ・ライダーは1945年生まれとのことなので、ファースト・ヒット「Jenny Take A Ride」(ジェニ・ジェニNo.2)が出た頃はまだ20歳だったんですね。
目一杯にシャウトするヴォーカルと粗削りながら各楽器一丸となったデトロイト・ホイールズの演奏は最高のマッチングでした。

デトロイト・ホイールズの名付け親であるボブ・クルーがプロデュースし、その彼が設立したレコード会社New VoiceとDynovoiceから発売されたミッチ・ライダーソロ名義音源も含め全てが聴けるありがたい3CDです。

今日はアンソロジーCDのタイトルの元になっている1967年大ヒット「Sock It To Me-Baby (地獄の叫び)」を。
もちろん、彼ら最大のヒット曲「Devil With A Blue Dress On & Good Golly Miss Molly」(悪魔とモリー)も入っていますよ。森 勉


2020年2月26日(水) 大橋トリオ 「Ways and scenes」

まずお知らせです。

2020年3月28日(土)当店地下アゲインで行う予定だったルラル発売記念イベント。
新型ウイルス感染拡大を受け、秋頃へ開催延期させていただくことになりました。

ご予約いただいていた方、楽しみにしていた皆様、大変申し訳ございません。
中止ではなく延期ですので、日を改め必ず行いたいと思っております。
新たな日程や詳細に関しては、決定次第告知いたします。ご了承くださいませ。

ということで、イベント中止・延期が続発している昨今ですが、音楽は止まりません。

大橋トリオ2020年新作オリジナル・アルバム『This is music too』。
(国内CD RZCD-87021 3,000円+税/ライヴ映像収録ブルーレイ付 5,500円+税)

今日のこの1曲は、東川亜希子作曲による5曲目「Ways and scenes」を。
大橋トリオ楽曲は一人多重録音の比率が高いのですが、この曲はセッションで生演奏レコーディング。
音楽の温もりを感じます。森 陽馬


2020年2月27日(木) 松任谷由実 「真冬のサーファー」

ユーミンが結婚して松任谷由実名義で発表したオリジナル・アルバム第2作目(通算6作目)が、1978年11月発売『流線形'80』でした。

松任谷由実『流線形'80』
(国内CD TOCT-10639 2,381円+税)

1978年3月発表『紅雀』がユーミンにしては地味なアルバムだなと感じていたので、『流線形'80』は矢吹申彦デザインのジャケット含め個人的にはユーミンのイメージが帰ってきたなぁ、と思った1枚なのです。

「入江の午後3時」、「埠頭を渡る風」の2枚のシングル曲や、来生たかおとのデュエット曲「Corvett1954」、1981年から始まることになる苗場での「サーフ&スノウ・コンサート」を暗示させてくれる「ロッヂで待つクリスマス」など、ユーミン・ワールドが展開される実に・・・らしいアルバムです。

今日はA面3曲目「真冬のサーファー」を。

ユーミンらしい詞の世界に、山下達郎の一人多重録音コーラスが映える1曲。
イントロ、中トロ(?)、コーダとたっぷり、一聴してタツローとわかるコーラスが楽しめます。
間奏のトワンギーなギター・ソロもタツローです。

1991年公開の中山美穂、織田裕二主演映画『波の数だけ抱きしめて』エンドロール・ソングとしても使用されました。森 勉


2020年2月28日(金) Pugwash 「It's Nice To Be Nice」(2019 Strings Version)

ビートルズ、ビーチ・ボーイズ、XTC、ELOなどのエッセンスを散りばめたメロディ&サウンドで、''ダブリンのジェフ・リン''と称されるトーマス・ウォルシュ率いるパグウォッシュ。

2019年でデビュー20周年を迎えた彼らのベスト盤が、ソニー<BEATLEDNA>シリーズから発売になりました。

パグウォッシュ『ザ・ベスト・オブ・パグウォッシュ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICX-150 1,800円+税)

初期のアルバムなど現在は手に入りづらいものも多く、解説・歌詞・対訳が付いた国内盤はおそらく初だと思いますので、これはとっても嬉しい!

1999年発表1st『Almond Tea』から、2017年作『Silverlake』までの7作品から厳選した19曲に加え、ベスト盤のために新録された「It's Nice To Be Nice」(2019 Strings Version)を追加した全20曲を収録。

ビーチ・ボーイズ風コーラス&アレンジが心地良い「It's Nice To Be Nice」に始まり、アンディ・パートリッジ(XTC)が絶賛曲「Apples」、コンピ『パワー・トゥ・ザ・ポップ』にも収録されたアンディとの共作「Anchor」、ジョージ・ハリスンぽい初期曲「Finer Things In Life」など。

岩本晃市郎さんの解説によると、トーマスは近年体調が優れず音楽活動は控えめにしているのだそう。
最後に収録された新録バージョンを聴くと確かに少し声が出しづらそう気も...。
体調がよくなったらまたポップ・ワールド全開の新曲を聴かせてほしいです。東尾沙紀


2020年2月29日(土) The Beach Boys 「This Whole World」

ブライアン・ウィルソン2020年5月来日決定!(5/6東京 5/7大阪)

ビーチ・ボーイズ関連ニュースが最近少なく寂しい思いをしていましたが、突然発表されてビックリ!
こんなご時世なので無事来日できることを祈りたいと思います。

ビーチ・ボーイズ熱が一気に高まったので、50年前の1970年発表名作『サンフラワー』からこの1曲。

ビーチ・ボーイズ『Sunflower』
(国内CD UICY-25600 1,714円+税)

ブライアン・ウィルソン1999年初来日公演。
1曲目「The Little Girl I Once Knew」に続き2曲目で歌われたのが「This Whole World」でした。

この曲の唄とコーラスが流れた瞬間の感動は、20年以上経ったいまでも心に刻まれています。森 陽馬




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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