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  今日のこの1曲 “Archives”

<2021月1月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2021年1月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>

2021年1月1日(金) Cat Stevens 「Maybe You're Right」

PET SOUNDS RECORDは例年通り1月1日14時から営業開始いたしました。

当店は1981年4月22日オープン、2021年4月で40周年を迎えます。
まずは健康に気をつけて、1日1日を大事に過ごし店を続けていきたいですね。
2021年もよろしくお願い申し上げます。

新年今日のこの1曲は、キャット・スティーヴンス1970年発表アルバムから大好きな1曲。

キャット・スティーヴンス『白いバラ』50周年記念エディション
(国内2枚組CD 天辰保文氏解説・英文解説対訳・歌詞・対訳付 UICY-15948 3,600円+税)

彼と組みその後多くの名盤を生み出すこととなるポール・サミュエル=スミスによるプロデュース第1弾作。
キャット・スティーヴンス1970年発表代表作『父と子』のひとつ前にリリースされたアルバムです。

♪もしかすると君は正しくて もしかすると君は間違っているのかも♪
繊細で穏やかで、哀しみを背負うように歌われる2曲目「Maybe You're Right」。

諍いや憎しみはどの時代どの場所にも存在します。
でも、それを引きずるのではなく、愛を持って一歩踏み出そう、という意志。
それが必要だよ、とこの歌は逆説的に諭しているのかもしれません。森 陽馬


2021年1月2日(土) ミシェル・ルグラン&ステファン・グラッペリ 「五月のミル」

ミシェル・ルグランとステファン・グラッペリの二人が共演したアルバムを紹介したいと思います。

ミシェル・ルグラン&ステファン・グラッペリ『おもいでの夏』
(国内CD 限定盤 日本語解説付 UCCU-90401 1,500円+税)

1992年5月パリでの録音。
ミシェル・ルグラン作曲による「おもいでの夏」、「これからの人生」、「シェルブールの雨傘」や、シャンソンの名曲「セ・シ・ボン」、「枯葉」、「聞かせてよ愛の言葉」等、美しいメロディーがステファン・グラッペリのヴァイオリン、ミシェル・ルグランのピアノ及び彼がアレンジしたオーケストラの演奏で聴けるCDです。

今日は全15曲の中から、ステファン・グラッペリが音楽を担当した1990年フランス映画『五月のミル』テーマ曲を。

この映画の監督は、『死刑台のエレベーター』、『地下鉄のザジ』等で有名なルイ・マルでした。
映画も素晴らしいものでしたが、その物語に溶け込んだ音楽も素敵でした。

サントラとは別録音ですが、いい雰囲気が出た演奏だと思います。
おいしい珈琲か紅茶をゆったり飲みたくなる音楽です。森 勉


2021年1月3日(日) PENTHOUSE 「Fireplace」

2021年あっという間に3日が経ってしまいました。
皆さんは年末年始いかがお過ごしでしたでしょうか。

武蔵小山周辺は散歩している方が多いものの、営業を始めている店舗は例年より少ない印象です。
ここ数日、かなり食べ過ぎてしまったので、僕も散歩&運動しなきゃなあ...。

さて、年始に店でよくかけている1枚から今日のこの1曲。

『シティ・ソウル:スパークル~トゥデイズ・ソウル、AOR&ブルー・アイド・ソウル』
(国内CD 小渕晃氏による選曲・解説付 PCD-20433 2,000円+税)

AOR&ブルー・アイド・ソウルの心地良い楽曲を集めた全19曲収録コンピ。
Young Gun Silver Fox、Tim Treffers、Smooth Reunion等新世代アーティスト。
更にRandy Goodman、Ali Thomson等ベテラン勢含め、近年発表された楽曲を中心に選曲されています。

このCDの5曲目に収録されているPENTHOUSE「Fireplace」。
通して聴いていたら気付きませんでしたが、東京発日本人6人組グループでした。

2019年発表1stシングルでこの度初CD化。
歌も演奏もメロディーも凄く良くて、とっても気に入っています。

2021年もこういうイイ曲にたくさん出逢えますように。森 陽馬


2021年1月4日(月) SOLEIL 「Pinky Fluffy (Stereo Mix)」

ザ・フー『セル・アウト』と並べたい♪
約1年ぶりにリリースされたSOLEILのステレオ・リミックス第2弾です。

SOLEIL『SOLEIL in STEREO 2』
(国内CD 歌詞付 VICL-65457 2,500円+税)

2019年7月発表の3rdアルバム『Lollipop Sixteen』全曲、ノーランズ「恋のハッピーデート」、YMO「MULTIPLIES」などシングルB面に収録されていたカヴァー、「魔法を信じる?」や「ファズる心」、「MARINE I LOVE YOU」他オリジナル名曲の貴重なインストゥルメンタル、2019年11月発表のラスト・シングル「Twinkle Heart」などなど、ステレオで初収録。

ミックスはmicrostar佐藤清喜さんが担当。
楽曲にちりばめられた沢山の仕掛けとキュートな歌声はいつ聴いても本当に楽しいですね。

今作の最後には2017年9月発表の記念すべきデビュー曲「Pinky Fluffy」を、こちらもステレオverで初収録♪
可愛らしいシャラララ・コーラスに耳が幸せです。

なお、バンドSOLEILとしての活動は2019年12月で終了しましたが、それいゆ名義で活動再開決定!
彼女の公式サイト(
もあめむレコード)にて、初ソロ作が1月23日発売予定です。こちらも要チェック!東尾沙紀


2021年1月5日(火) 青葉市子 「霧鳴島」

記憶の奥の深い場所、胎内で聴こえているかのような音。
暖かい風と冷たい海の水が交互に肌を撫でる夢の中で漂っていた歌。

1990年生まれ、デビュー10周年を迎えた女性シンガー・ソングライター、青葉市子。
自らのレーベルhermineから2020年12月発表した『アダンの風』には不思議な力が宿っています。

青葉市子『アダンの風』
(国内CD DDCZ-2208 3,000円+税)

沖縄周辺の島での滞在をモチーフに作り上げた<架空の物語・映画のサウンドトラック>というコンセプト。
1980年生まれの作曲&編曲家、梅林太郎との共同で制作された1枚です。

今日のこの1曲は、7曲目「霧鳴島」。
彼女自身が裸で海を漂っているジャケットの印象通り、自然と一体になった音を感じられます。森 陽馬


2021年1月6日(水) ブライアン・ウィルソン 「誰にも奪えぬこの思い」

2021年になってから聴き逃していた村上春樹D.J.によるラジオ番組『村上RADIO年越しスペシャル~牛坂21~』をRADIKOで聴きました。遅ればせながら...。

TOKYO FMで放送された村上春樹の番組はもう何回目になるんでしょうか?
2.3回くらい聴けなかった回もあるかもしれませんが、なるべくは聴くようにしています。

ビーチ・ボーイズ好きの春樹さんはかなりの確率でビーチ・ボーイズ又はブライアン・ウィルソン又はその関連の曲をかけてくれるので、そんな所も注目なのです。個人的にはビーチ・ボーイズ・ファンの同志と勝手に思っています。

2012年ビーチ・ボーイズ来日時のプログラムに、春樹さんの文章と共に私・森勉の文も載せていただいたことがありました。ビーチ・ボーイズのライヴの想い出と共に忘れられない出来事です。

さて、大晦日の放送で2020年かけ納め曲は、ブライアン・ウィルソンがジョージ・ガーシュインの曲をカヴァーした「ラプソディ・イン・ブルー」でした。

うれしいですね。
聴いたのは年の瀬ではなく、新しい年になってからですが、ブライアンの声が胸に沁みました。

今日はその曲が入っている2010年発表アルバムから何か選んでみようと思い、この曲を選びました。
「誰にも奪えぬこの思い」(They Can't Take That Away From Me)。

ブライアン・ウィルソン『リイマジンズ・ガーシュイン』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UWCD-8213 2,500円+税)

ビーチ・ボーイズ「リトル・セイント・ニック」のアレンジを踏襲したイントロが素敵です。森 勉


2021年1月7日(木) Little Creatures 「速報音楽」

<気は長く、心は丸く、腹を立てず、人は大きく、己は小さく。>
「心がけていること」としてどなたかが挙げていて知った言葉です。

これが簡単そうで、なかなか難しい。
落ち着かない状況が続きますが、いい音楽を聴きながら穏やかな気持ちで過ごしたいですね。

さて、今日入荷した新譜アルバムこの1枚。

LITTLE CREATURES『30』
(国内CD ボーナス・ディスク付2CD PCD-18880 3,600円+税)

リトル・クリーチャーズは、青柳拓次、鈴木正人、栗原務で1987年高校在学中に結成した3人組バンド。
1991年1st『VISITA』から30周年を迎え発表された新作は、青柳拓次による日本語詞の歌入り全12曲。

気が長く心も丸い3人が、デビュー後30年を経て奏でるリトル・クリーチャーズ・サウンド。
「またこの響きあえる仲間たちと歩いて 新時代を踏みならし音楽を鳴らせ」
と歌われる①「速報音楽」を今日のこの1曲に。森 陽馬


2021年1月8日(金) Barry Gibb 「Butterfly」 feat Gillian Welch & David Rawlings

「モーリスとロビンもこのアルバムを気に入ってくれただろうと思っている。
これを一緒にやれていたらなあ・・・。いや、一緒にやっていた、そう思う。」(バリー・キブの言葉より抜粋)

バリー、ロビン、モーリスによる英国生まれのギブ3兄弟で結成されたグループ、ビージーズ。
2003年にモーリス、2012年ロビンが逝去。
弟二人を先に失った長兄バリーは、2016年ソロ作『In The Now』等現在も活動を続けています。

そのバリー・ギブが、ビージーズの名曲をナッシュビルRCAスタジオにて再録音した新作を発表しました。

バリー・ギブ『Greenfields:The Gibb Brothers' Songbook Vol.1』
(国内CD ボーナス・トラック2曲計14曲 SHM-CD仕様 解説・歌詞・対訳付 UICY-15962 2,500円+税)

現代アメリカン・ロック/カントリー界の名プロデューサー、デイヴ・コブがプロデュースを担当。
ドリー・パートン、アリソン・クラウス、キース・アーバン、ブランディ・カーライル、ミランダ・ランバート、シェリル・クロウ、ジェイソン・イズベル、リトル・ビッグ・タウン、更にオリビア・ニュートン・ジョンも参加。

穏やかなストリングスを絡め、バリーの歌声とビージーズのグッド・メロディーを活かしたアレンジ。
ビージーズファン、アメリカン・ルーツ音楽お好きな方にもオススメしたい1枚です。

今日のこの1曲はギリアン・ウェルチ&デヴィッド・ローリングス夫妻が参加したラスト⑭「Butterfly」。
バリー、ロビン、モーリス3兄弟が有名になる前、オーストラリアで活動していた頃書かれたナンバー。
3兄弟での懐かしい想い出が聴く者の心にも宿るような美しいハーモニー。感動的に響きます。森 陽馬


2021年1月9日(土) SHUGO TOKUMARU 「Mazume」

音の魔術師トクマルシューゴ新曲7インチ・レコードが発売されました。

トクマルシューゴ「Mazume/Hora」
(国内7インチ・アナログ盤 TONO-10 1,800円+税)

''まずめどき''を表す「Mazume」は3分に満たない楽曲の中で様々な弦楽器が躍動するポップ・ソング。

冬の澄んだ空気のような美しいアコースティック・ギターの音色に乗り、優しい歌声が聴こえてくると切り込んでくるラップ・スティール・ギター。チェロ、エレキ・ギターも加わり、緻密な音の重なりに何度も耳を傾けたくなります。

架空のバンドを想定して作られたという、とってもポップな「Hora」には田中ヤコブ(家主)がエレキ・ギターで参加。
イントロのバンジョー、グロッケン(?)等様々な音が混ざり合い、トラッド・ソングのような間奏からテンポアップしていく展開が楽しい1曲です。東尾沙紀


2021年1月10日(日) バーバラ・ミルズ 「リトル・シングス・テイク・ザット」

お正月の人気番組と言えば、なんと言っても山下達郎D.J.による<サンデー・ソングブック>新春放談ですね。
今年も2020年に続いて宮治淳一さんがゲストで、超レアものというか誰も話題にしない曲のオンパレードと楽しいマニアックなお話で2週間盛り上がりました。
番組でかかった曲は聴いたことがない曲ばかりでしたが、イイ曲ばかりで満足感たっぷりの放送でした。

さて、今日紹介するCDは昨年暮に発売されたもので、知らない曲ばかりなのに充実した時間を与えてくれる編集になっています。ミドル60'sのガール・ポップスものです。

『蒼い口紅~60'sガールズ・ポップ蔵出し名曲選第三集』
(国内仕様CD 解説付 MSIG-1430 3,000円+税)

全34曲約80分収録、タイトルにふさわしい蔵出し音源満載。
貴重な写真や英文解説掲載の28ページ・ブックレット付。
原盤は良質なコンピCDを発売することで知られるオーストラリアのティーンズヴィル・レコードです。

ほとんどが無名なガール・ポップ・シンガーばかりですが、ソングライター、アレンジャー、プロデューサーなど裏方には、トニー・ハッチ、キャロル・キング、バート・バカラック、P.F.スローン、ニルソン、ジャッキー・デシャノン、スナッフ・ギャレット、デニス・ランバート、アドリシ・ブラザーズ等々、ビックネームが名を連ねています。
ガール・ポップ・ファンならよろめいてしまいそうな曲ばかり。

この中から今日は13曲目バーバラ・ミルズ「リトル・シングス・ライク・ザット」を。
あのラス・タイトルマンが書いたなんとも魅力的な曲です。森 勉


2021年1月11日(月) Alan Gordon 「Running Away Like A Child」

店で何気なく音楽をかけていて、あれっ?この曲ってあの曲に似ている?と感じることが時々あります。

今日聴いていてそう感じたのは、アラン・ゴードン「Running Away Like A Child」(1978)。
この曲はスタイリスティックス1971年発表曲「You Are Everything」によく似たメロディーが出てきます。

アラン・ゴードン『Alley & The Soul Sneekers』
(国内仕様CD 日本語解説・歌詞付 VSCD-5920 2,700円+税)

アラン・ゴードンは1960年代ザ・マジシャンズに在籍、タートルズ「Happy Together」を書いたソングライター。
今作はジャック・ニッチェプロデュースで1978年発表したソロ2ndアルバム。
ダニー・コーチマー、ティム・ドラムンド他参加していますが、全体的にソウルフルな仕上がりの1枚です。

今作8曲目(B面3曲目)「Running Away Like A Child」は特にスウィート・ソウルなナンバー。
なお、女性のような美しい歌声と思ったら、リード・ヴォーカルはバック・コーラスのCarl Hallだそうです。
(解説によると、この曲含め計5曲でCarl Hallがリードを取っているとのこと。)
とにかくも、ブルー・アイド・ソウル/AOR好きの方は要チェック♪ 森 陽馬


2021年1月12日(火) 久保田麻琴と夕焼け楽団 「星くず」

「僕らはみんな星くず 陽の光を浴びて輝く」
(久保田麻琴と夕焼け楽団「星くず」歌詞より)

藤田洋麻(現:中央林間パラダイス本舗店主藤田洋介)氏が書いたこの歌詞のフレーズが大好きです。

アン・サリーやTHE LAKE MATTHEWS(
2017年12月15日今日のこの1曲紹介)がカヴァー。
近年シティ・ポップ系からも人気という久保田麻琴と夕焼け楽団の名曲「星くず」。
オリジナルは、久保田麻琴と夕焼け楽団1977年発表作『ディキシー・フィーバー」に収録されています。

久保田麻琴と夕焼け楽団『ディキシー・フィーバー』デラックス・エディション
(リミックス・アルバム『Made In Islands』付2CD 解説・歌詞付 CDSOL-1910 2,500円+税)

細野晴臣との共同プロデュース、1975年作『ハワイ・チャンプルー』に続きハワイ録音。
久保田麻琴による2020年最新リマスタリングで音質も素晴らしく良くなりました。
細野晴臣『泰安洋行』、『トロピカル・ダンディー』お好きな方は是非今作も聴いてみてください。

ちなみに、この曲の7インチ・アナログ盤も再発! アナログファンもそちらも要チェックですね。 森 陽馬



2021年1月13日(水) ビーチ・ボーイズ 「Surf Jam」

レコード・コレクターズ2021年2月最新号入荷しました。
(ミュージック・マガジン社 800円+税)

<2020年リイシューベスト>、<私の収穫2020>等読み応えタップリ。

なお、今号の第1特集は『この曲のドラムを聴け!』。
60~80's洋楽の中から、ドラムの演奏が印象的な楽曲が101曲紹介されているのですが...。
ビーチ・ボーイズ/デニス・ウィルソンが1曲も選ばれていないっ!

この特集で紹介されている他ドラマーに比べたら技術的に劣るのは百も承知だけれど。
でも、僕らの心と体を踊らせ夢見させてくれたデニスのドラミング、取り上げて欲しかったなぁ。

ということで、今日のこの1曲は、デニスの元気なドラム(というか叫び声)が聴ける「Surf Jam」を。

オリジナルは1963年発表『Surfin' USA』収録、カール・ウィルソン作によるインスト・ナンバー。
イントロの「1.2.3.Jam!」の掛け声、曲中に何度も聴ける奇声もデニスによるものだと思われます。森 陽馬

★掲載ジャケットは、ビーチ・ボーイズ『サーフ・ジャム』(インストゥルメンタル・ヒッツ)
(国内CD MQA/UHQCD 限定紙ジャケット仕様 UICY-40326 2,800円+税)



2021年1月14日(木) ミズノマリ 「Strawberry Waltz」

paris match(パリスマッチ)の女性ヴォーカリスト、ミズノマリさんソロ作は最近特にリピート率の高い1枚です。

ミズノマリ『Salon de Mari Platinum Songs ~Special Edition~』
(国内CD VICL-65450 3,000円+税)

今作は2018年にクラウドファウンディングで制作され完売となっていたソロ2作目に未発表ボーナス・トラックを4曲追加、メジャー流通盤として2020年11月にリリースされたものです。

パリスマッチのサポート・キーボーディストでもある堀秀彰、中林薫平(b)、長谷川ガク(ds)のピアノ・トリオをバックに、ミズノさんの艶のある歌声を堪能できるジャズ・アルバム♪

「Waltz for Debby」、「My Favorite Things」、「We've Only Just Begun」などポップス/スタンダード・ナンバーをはじめ、パリスマッチの名曲をジャズ・アレンジしたもの、今回追加となったビートルズ「Here There and Everywhere」、「Alfie」ほか全15曲を収録。

「Saturday」、「ダスト・イン・パリス」、「Shala-la-la」など、パリスマッチの淡くほろ苦い大人のラヴ・ソングの世界により浸れるシンプルなジャズ・アレンジも素敵。
ピアノの演奏のみで歌う「Strawberry Waltz」が今のお気に入りです。

大人の魅力溢れるミズノさんの歌声。聴いているととても落ち着きます。東尾沙紀


2021年1月15日(金) ゴールデン・カップス 「過ぎ去りし恋」

ゴールデン・カップスを初めて見たのは、高校1年生の時だったと思います。

1967年の夏、デビュー・シングル「いとしのジザベル」が出てから少し経ってからのことでした。
所は銀座7丁目にあったガスホール(試写会をよくやっていた場所でした)の地下1階と2階を吹き抜けにしたジャズ喫茶<銀座ACB>(アシベと読みます)。

客席は結構混雑していて、その中で初めて聴いたゴールデン・カップスは他の日本のグループでは感じられなかった「熱さ」がありました。

演奏された曲で憶えているのは「Get Out Of My Life, Woman」、「I Got My Mojo Working」、そしてヤードバーズのレパートリー「Over Under Sideways Down」ぐらいなのですが、なんとも外国のバンドを見ているような感覚だったことを想い出します。
当時は「長い髪の少女」もまだ発売されていませんし、ミッキー吉野加入前でギターのケネス伊東がいた頃でした。

今日はそんなゴールデン・カップスの1曲を。
R&B、ブルース的なものを得意としていた彼らとはまた違う面の魅力を持った曲をいまだ廃盤にならずに残っている良質なベスト盤から「過ぎ去りし恋」(Goodbye, My Love)を。

ゴールデン・カップス『コンプリート・ベスト ~ブルース・オブ・ベスト』
(国内CD 解説・歌詞付 TOCT-25537 2,381円+税)

1968年9月発表セカンド・アルバムに収録され、その後シングル・カットされた彼らには珍しいソフト・ロック・テイストも加味された曲。
ゴールデン・カップスにもこんな曲があったんです。
作詞はケネス伊東、作曲はエディ藩、編曲は村井邦彦。森 勉


2021年1月16日(土) ザ・クロマニヨンズ 「クレーンゲーム」(Live)

映画『エポックのアトリエ 菅谷真一がつくるレコードジャケット』を先日鑑賞。

ザ・クロマニヨンズのジャケット、レコード・コレクターズ表紙デザイン等を手掛けている菅谷晋一氏。
彼のデザイン制作過程と、ザ・クロマニヨンズ、OKAMOTO'S、信藤三雄他の証言を纏めたドキュメンタリー作。

ザ・クロマニヨンズのマスコットキャラクター高橋ヨシオが生まれた経緯の逸話等面白かった!
モノづくりの原点を思い起こさせてくれる菅谷さんのアナログな工程も見所です。
でもそれ以上に、彼の音楽に対するピュアな愛が伝わってきて、とても刺激を受けました。

ザ・クロマニヨンズファンはもちろん、音楽好きの方には是非ご覧になっていただきたい映画ですね。

今日のこの1曲は、菅谷晋一氏デザインによるザ・クロマニヨンズ『PUNCH』のライヴ盤から。
ザ・クロマニヨンズ『ザ・クロマニヨンズ ツアー PUNCH 2019-2020』
(国内CD BVCL-1100 2,913円+税/限定2LP BVJL-44 4,000円+税)

このジャケットのボルト2本。絵ではありません。
大きめなオブジェを手作りし写真で撮影。その画像を取り込み加工したものなのです。
裏ジャケやインナーのさりげないイラストにも意味や気持ちが込められていることを知り感動しました。森 陽馬


2021年1月17日(日) The Jayhawks 「This Forgotten Town」

当店最寄りの武蔵小山といえば、駅前にあるパルム商店街が有名。毎日賑わっていますね。
実は他にも色々な商店街があり、駅から徒歩7~8分の場所にある
平和通り商店街も地元民に愛されています。

その平和通り商店街にて昭和初期から営業していた二葉フードセンターが2021年2月末で閉店するとのこと!
昭和の薫りを残す昔ながらな八百屋は珍しい野菜も多くて好きだったんですけれどね。
コロナ禍が原因ではなく建物の問題だそうですが、あの雰囲気が消えてしまうのは哀しいなあ...。

さて、今日は僕の好きなアメリカン・ロック・バンド、ジェイホークスの2020年発表新作をご紹介。

The Jayhawks『XOXO』
(輸入CD SHAM 66295CD)

ジェイホークスは、ゲイリー・ルーリスを中心に活動を続けているアメリカン・ロックの良心と言えるバンド。
2018年発表『Back Roads And Abandoned Motels』(
2018年7月26日今日のこの1曲紹介)に続くアルバム。

今作はゲイリー以外のメンバーも曲作りに参加し制作されていますが、ジェイホークスらしさは健在。
グッド・メロディー&コーラス・ワークが程好く沁みる1枚です♪

今日のこの1曲は彼とTim O'Reagan(ds)、Mark Perlman(b)による共作曲①「This Forgotten Town」を。
平和通り商店街がForgotten Townとなりませんように。森 陽馬


2021年1月18日(月) ザ・クリスタルズ 「オー・イエー・メイビー・ベイビー」

クリスタルズが初めて発表したLP『ツイスト・アップタウン』は1962年にアメリカPHILLESからの発売でした。

このアルバムはフィル・スペクターがレスター・シルと共に設立したレーベル<フィレス>での初めてのアルバムとなりました。

こういうことを知ったのは、それから15年ぐらい過ぎた頃でした。
実際にこのレコードを見たのは1980年。
大阪のフォーエヴァー・レコード店の壁に一際目立って飾られていた時でした。

それなりのお値段がついていて、残念ながら買うことはできませんでしたが、実際にジャケットを見れただけでも興奮した憶えがあります。

そんな想い出の1枚が今は1,000円+税で聴けるんですね。

ザ・クリスタルズ『ツイスト・アップタウン』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-4520 1,000円+税)

ドリフターズで有名な「オン・ブロードウェイ」、ビーチ・ボーイズがカヴァーした「ゼアズ・ノー・アザー」等も収録されていますが、今日はローラ・ニーロがカヴァーしたこともある「オー・イエー・メイビー・ベイビー」を。
ハンク・ハンターとフィル・スペクターの共作曲です。森 勉

★フィル・スペクターが2021年1月15日禁錮刑服役中に新型コロナで逝去。享年81歳。


2021年1月19日(火) 田原俊彦 「TAHARA DISCO」

「音楽に対する自らの嗜好は一切排除し、発注に対して100%、いやそれ以上に応えていくのがアレンジャーであり、それがプロフェッショナルの仕事なのだと、自分に言い聞かせてやってきた。」(船山基紀氏による序文より)

沢田研二「勝手にしやがれ」、渡辺真知子「かもめが翔んだ日」、田原俊彦「ハッとして!Good」、五輪真弓「恋人よ」、郷ひろみ「お嫁サンバ」、C-C-B「Romanticが止まらない」、少年隊「仮面舞踏会」、Wink「淋しい熱帯魚」等々。

ヒット曲/名曲のアレンジを多数手掛けた名編曲家、船山基紀氏。
彼の仕事を72曲厳選し4CDに纏めたBOXが超オススメです!

『船山基紀サウンド・ストーリー』
(国内4枚組CD 解説・歌詞付 MHCL-30654 10,000円+税)

監修は大村雅朗氏のBOXを手掛けた梶田昌史。
田原俊彦との対談、林立夫&矢嶋マキ&山田秀俊との対談、スージー鈴木による全曲解説等も面白い!
時代順に並べられた名曲群を聴きながら、付属のブックレットを眺めるのが至福の時間となっています。

「私の数多い仕事の中でもベストと言える出来」(船山氏発言より)という田原俊彦「ハッとして!Good」。
それと「悲しみ2ヤング」、「恋=Do!」、「キミに決定!」、「ブギ浮ぎI LOVE YOU」をディスコ調メドレーにした珍しいトラック「TAHARA DISCO」を今日のこの1曲に。森 陽馬


2021年1月20日(水) 榊原郁恵 「ROBOT」

昨日紹介した4CD BOX『船山基紀サウンド・ストーリー』。
付属のブックレットが、独立した1冊の本として確立しているくらい充実しており、音源共々楽しめました。

船山基紀氏と林立夫&矢嶋マキ&山田秀俊の対談は特に面白いエピソード満載ですね。

キーボーディスト矢嶋マキさんが当時流行っている洋楽をいち早く聴くため、原宿にあったレコード店メロディハウスへ行くと、筒美京平さんが購入する予定の取り置き棚があったとのこと。
彼女は「その棚のレコード同じものを頂戴!」と言って購入し、レコーディングに活かしていたそうです。

今日のこの1曲は、筒美京平作曲、松本隆作詞、船山基紀編曲による榊原郁恵1980年発表曲「ROBOT」。

バグルス「ラジオ・スターの悲劇」(1979年ヒット)の流れを汲む煌びやかなテクノ・ポップ・サウンド。
シンセ演奏は全て矢嶋マキさんによる手弾き。
対談で語られている録音時の苦労を読んでから聴くと、当時の制作現場の熱がより伝わってきます。森 陽馬


★掲載ジャケットは榊原郁恵「ROBOT」収録CD『筒美京平自選作品集 アイドル・クラシックス』。
(国内2枚組CD 全40曲収録 VICL-64903 3,241円+税)


2021年1月21日(木) 中原理恵 「東京ららばい」

スポーツニッポン新聞(通称スポニチ)に、松本隆のコラムが現在連載されています。

自らが手掛けた歌の歌詞を紹介しながら様々な出来事を回想。
興味深い話が多いので、いつか1冊の本になるといいですね。

ちなみに今日1月21日のコラムは、中原理恵「東京ららばい」でした。

「東京ららばい」は中原理恵が1978年3月にリリースしたシングル曲。
筒美京平作曲・編曲、松本隆作詞で大ヒットし、1978年日本レコード大賞新人賞&作曲賞を受賞。

コラムでは、筒美京平から「作曲家を辞めてジーンズ店をやる」と当時言われた逸話が面白かったなあ。
松本隆が「ポルシェでも買ったら」と意味不明な励ましをしたら、筒美さんは本当に黄色いポルシェを購入されたそう。
年は離れていますが、二人の親しい関係性が伝わってくるエピソードですね。

あと、歌詞に「タワー」(東京タワー)を入れた経緯も綴られていました。森 陽馬

★掲載ジャケットは中原理恵『ゴールデン・ベスト』。
(国内CD 「東京ららばい」他全19曲収録 MHCL-305 1,886円+税)


2021年1月22日(金) MAMALAID RAG 「D・O・K・I」

ひんやりとした風が吹く日も、ママレイドラグを聴くと春めく空気を感じることができる気がします。

MAMALAID RAG『The Best Of MAMALAID RAG 2009~2018 Vol.1』
(国内CD QACW-2006 3,000円+税)

2020年に結成25周年を迎えた田中拡邦の現・1人ユニット、ママレイドラグのベスト・アルバムがリリースされました。

自身のレーベルALDENTE ENTERPRISE発足後、2009~2018年発表作品の中から選ばれた全15曲を収録。

2012年作『Day And Night Blues』から4曲の再録、新録、未発表あり、その他の曲もリミックス・リマスタリングが施され、ベスト盤ながら新作を聴くような感覚で楽しめる1枚となっています。

さらに1曲目にはカスタネットが鳴るナイアガラ・オマージュな「D・O・K・I」を収録♪

来月2月14日には三軒茶屋Grapefruit Moonでリリース記念&バレンタイン・コンサートを開催予定。
今作収録の「Valentine Day」(田中さんのセリフ入り)も聴けそうですね。東尾沙紀


2021年1月23日(土) DEEN 「夢で逢えたら」 with paris match

大滝詠一『A LONG VACATION』で有名な永井博氏によるジャケット・イラスト。
シュガー・ベイブ「DOWN TOWN」、山下達郎「RIDE ON TIME」、竹内まりや「プラスティック・ラブ」。
更には、大滝詠一「恋するカレン」、吉田美奈子「恋は流星」のカヴァーが収録。

DEENの新作アルバム『POP IN CITY』はシティ・ポップ要素満載な1枚。

DEEN『POP IN CITY ~for covers only~』
(通常盤CD ESCL-5479 3,000円+税)

Tシャツ付完全限定盤と、ライヴ映像収録Blu-ray付初回盤も出ていますが、注目は通常盤!

通常盤のみ、大瀧詠一作「夢で逢えたら」カヴァー(with paris match)が追加収録。
paris match杉山洋介が編曲し、ミズノマリとDEEN池森秀一がデュエットで歌っています。

ちなみに、DEENは「夢で逢えたら」を原田知世とのデュエットで2002年にカヴァーしていました。
今回のwith paris matchヴァージョンは、ジャジーでよりアダルトな雰囲気のアレンジです。森 陽馬


2021年1月24日(日) The Association 「Message Of Our Love」

1960年代中期に活躍したL.A.結成バンド、アソシエイションの音楽がたっぷり聴ける5枚組CDを紹介したいと思います。

The Association『Original Album Series』
(輸入5枚組CD Rhino/Warner 081227944773)

・『And Then...Along Comes The Association』
・『Renaissance』
・『Insight Out』
・『Birthday』
・『The Association』
このオリジナル・アルバム5枚が収められています。

「アロング・カムズ・メアリー」、「チェリッシュ」、「ノー・フェア・アット・オール」、「ウィンディ」、「ネヴァー・マイ・ラヴ」、「エヴリシング・ザット・タッチズ・ユー」、「タイム・フォー・リヴィン」などヒット曲を聴くことができます。

また、シングルにはならなかったアルバムの中の隠れた名曲も聴けます。
今日のこの1曲は、ベスト盤では知ることができない、そんな隠れた名曲を。

ファースト・アルバム『And Then...Along Comes The Association』に収録されている「メッセージ・オブ・アワ・ラヴ」という曲です。

曲を作ったのは、このアルバムのプロデュースもしているカート・ベッチャー。
そして「アロング・カムズ・メアリー」の作者でもあるタンディン・アルマーの二人。

もし僕がソフト・ロックのコンピを作る際は絶対に入れたいアソシエイションらしいコーラスの美しい曲です。
途中、テルミンの音も聴こえてきます。

なお、タンディン・アルマーという人ですが、ビーチ・ボーイズ「セイル・オン・セイラー」でブライアン・ウィルソンなどと一緒に共作者として名を連ねています。どこの部分を書いたんでしょうね。森 勉


2021年1月25日(月) イハラカンタロウ 「GYPSY」

山下達郎/シュガー・ベイブフォロワーを感じさせるこの1曲!

イハラカンタロウ『GYPSY』 c/w RHAPSODY
(国内7インチ・レコード P7-6270 1,800円+税)

イハラカンタロウは1992年生まれ埼玉県川越出身男性ミュージシャン。
月の満ちかけ7インチ(
2020年12月22日今日のこの1曲紹介)のB面「Papa told me」にギター参加しています。
その彼が2020年4月デジタル配信のみでリリースした1stアルバム『C』から7インチ・シングル・カット。

5分55秒に及ぶA面「GYPSY」は、70'sメロウ・グルーヴとシュガー・ベイブをミックスしたようなナンバー。
曲後半は、シュガー・ベイブ「今日はなんだか」のアウトロを彷彿とさせますね。

ちなみに、彼のフェイヴァリット・アーティストは、ビル・ラバウンティだそうです。
日本の新世代が奏でる心地良いグルーヴとグッド・メロディー、これからも期待しましょう。森 陽馬


2021年1月26日(火) ビーチ・ボーイズ 「フィール・フロウズ」

お待たせいたしました!
2020年9月30日発売から何回か延期されていたビーチ・ボーイズのベスト盤CD、残りの1枚も発売になりました。

ビーチ・ボーイズ『テン・イヤーズ・オブ・ハーモニー』
(国内CD MQA/UHQCD 紙ジャケット仕様 解説・歌詞・対訳付 UICY-40330 3,800円+税)

元々は1981年11月にカリブ・レコードから発表されたアナログLP2枚組がオリジナルということになります。
その後CD化された時には、LPとは違うヴァージョンが収録されたり、このベスト盤が制作された当初の意図とは反する形で発売されましたが、今回はアナログ・マスター・テープからのリマスタリングで、1981年に出た時の音を再現したものになっています。もちろん、いい音で。

アルバム・タイトルに表現されているように10年間(1970年~1980年)の曲を集大成したもので、未発表だった「サン・ミゲル」、「シー・クルーズ」の2曲が加えられていたのも当時のファンの間では話題になりました。

オリジナル・アルバムには入っていない映画『Americathon』挿入曲「イッツ・ア・ビューティフル・デイ」や、デニス・ウィルソンのソロLPから「リヴァーソング」など全29曲入っています。

今日はその中から、1971年『サーフズ・アップ』に入っていた作品「フィール・フロウズ」。
ビーチ・ボーイズ・ファンを公言しているキャメロン・クロウが監督をした2000年映画『あの頃ペニーレインと』(Almost Famous)のエンディング・テーマとしても使われました。森 勉


2021年1月27日(水) 冬にわかれて 「君の街」

寺尾紗穂、伊賀航、あだち麗三郎によるバンド・ユニット、冬にわかれて。
2018年発表1st『なんにもいらない』に続く、2ndアルバム『タンデム』が4/14発売決定しました。

寺尾紗穂の凛とした歌声と、深化した3人のバンド・アンサンブル。楽しみですね。

その新作と同時発売で、1st『なんにもいらない』の限定アナログ化も決まりました。
CD発売時からアナログ化の声が大きかった1枚。ご予約受付ております。

今日のこの1曲は、冬にわかれて『なんにもいらない』から1曲目「君の街」。
伊賀航作詞・作曲、独特な寂寥感を覚える切ないナンバー。
想い出にやさしく寄り添ってくれるようなエレピの音色が僕は好きです。

ちなみに、バンド名<冬にわかれて>は、女性作家の尾崎翠による一文「冬にわかれて 私の春を生きなければならない」というフレーズから取られています。森 陽馬

★掲載ジャケットは、冬にわかれて『なんにもいらない』。
(CD PCD-28041 2,800円+税/ 2021年4月14日発売予定 LP PLP-7139 3,500円+税)


2021年1月28日(木) マイク・ヴァイオラ 「That Seems Impossible Now」

アメリカの男性シンガーソングライター/プロデューサー、マイク・ヴァイオラの新作が発売になりました。

マイク・ヴァイオラ『ゴッドマフィン』
(国内CD ボーナスCD付2枚組 解説・歌詞・対訳付 SICX-163 2,500円+税)

2020年ベスト・アルバムにマイクがプロデューサーとして携わった2作品を選びました。
2016年にVerveのA&R部門の重役に就き、裏方としても良い作品を送り出し、若手ミュージシャンのため尽力している彼の約2年ぶりの新作がこの『ゴッドマフィン』です。

今作は2020年2~3月に自宅スタジオでアナログ機材を使い、すべて1人で録音された作品。
10代の頃に亡くなった父親のこと、2020年4月に急逝したアダム・シュレンジャー(ファウンテンズ・オブ・ウェイン)への想い、娘たちに宛てた曲...とびきりポップな曲はないのですが、自分の内面や心につっかえたものをさらけ出した歌は、これまでの彼の作品とはまた違った魅力を感じさせてくれます。

新作に加え、日本盤未発売だった2018年発表前作『アメリカン・エジプト』をまるまる収録したディスク付の2枚組!
さらに各々のディスクに2曲ずつ計4曲のボーナス・トラックを追加。
ブックレットにはマイクへのインタビューや自身による『ゴッドマフィン』楽曲解説が掲載されています。東尾沙紀


2021年1月29日(金) Kellee Patterson 「Turn On The Lights」

ジェイムス・ギャドソンの心地良すぎるグルーヴィーなドラム。
デイヴィッド・シールズの唸りまくりなベース。
そして、デヴィッド・T・ウォーカーのメロウなギター。

これら素晴らしい演奏が聴けるケリー・パターソンの3rdアルバムが世界初正規CD化されました。

ケリー・パターソン『Turn On The Lights : Be Happy』+3
(国内CD 解説・歌詞付 OTLCD-5351 1,950円+税)

ケリー・パターソンは米国インディアナ州出身黒人女性シンガー。
シリータを彷彿とさせる可憐な歌声が魅力です。

彼女が1977年発表した3rdアルバムは、ダンサブルなメロウ・グルーヴを聴かせる1枚。
今日のこの1曲は、今作からタイトル曲「Turn On The Lights」を。

再発盤にはシングル・ヴァージョンが追加収録されていますが、聴きものはアルバム・ヴァージョン!
約7分46秒に及ぶ長尺で、冒頭に挙げたバック陣のグルーヴを存分に堪能できます。

ちなみに、1978年大ヒットしたシェリル・リン「Got To Be Real」も、ジェイムス・ギャドソン&デイヴィッド・シールズによるリズム隊がバックを担っています。森 陽馬


2021年1月30日(土) 沢村みつ子 「シンセアリー」(Sincerely)

<沖縄の美空ひばり>!?

1942年(昭和17年)大阪生まれ、沖縄育ちの女性シンガー、沢村みつ子。
若くして沖縄米軍キャンプ専属歌手として歌っていた彼女の音源を集めた編集盤が初CD化されました。

沢村みつ子『スーパー・ベスト』
(国内2枚組CD 解説・歌詞付 FJSP-415 3,800円+税)

流行歌、オリジナル曲、ポピュラー/スタンダード曲カヴァー等、貴重な未発表音源含む2CD全48曲。
古き良き昭和歌謡お好きな方には是非手に取ってもらいたい1枚。
表現豊かで伸びやかな歌声がとても感動的です。

今日のこの1曲は、「シンセアリー」(Sincerely)を。
ムーングロウズ、マクガイア・シスターズのヒットで知られ、山下達郎も歌っている名曲。
奥山靉による日本語詞も胸に沁みますね。森 陽馬


2021年1月31日(日) ウェス・モンゴメリー 「サニー」

「サニー」という曲は実に多くのカヴァーがある名曲です。

オリジナルは1966年夏に大ヒットさせたボビー・ヘブ。
曲も彼が書いています。
黒人ですがナッシュビル生まれということもあり、カントリー・テイストも感じられる曲になっているのでしょう。

さて、その「サニー」のカヴァーですが、シェール、フォー・シーズンズ、ダスティ・スプリングフィールド、クリス・モンテス、アン・バートン、ボニーM、etc...。
日本人でも、奥田民生、鈴木雅之、原田知世、小野リサなど。
最近では、あのビリー・アイリッシュが歌っているのがYoutubeにアップされていたりしますね。

今日はギター・インストゥルメンタルで「サニー」を。

ウェス・モンゴメリー『夢のカリフォルニア』
(国内CD UCCU-5577 1,500円+税)

このアルバムは1966年9月に録音され、その年にヴァーヴ・レーベルから発表されています。
オーケストラ指揮&編曲はドン・セベスキー。ハービー・ハンコック(ピアノ)、リチャード・デイヴィス(ベース)、グラディ・テイト(ドラムス)、レイ・バレット(パーカッション)がバックを固めています。

ウェスの親指弾きで奏でられる「サニー」。
やっぱりいいメロディーです。
なお、この品番のCDには、別テイクも収録されていて二度楽しめます。森 勉




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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