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  今日のこの1曲 “Archives”

<2022月7月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2022年7月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2022年7月1日(金) Tedeschi Trucks Band 「Rainy Day」

デレク・トラックス&スーザン・テデスキを中心としたテデスキ・トラックス・バンドが現在展開している、4部作に及ぶ壮大なコンセプト・ロック・アルバム『I Am The Moon』。
6/3発売の第1弾"Crescent"(
2022年6月4日今日のこの1曲紹介)に続く、第2弾アルバムが本日発売されました。

テデスキ・トラックス・バンド『I Am The Moon: Ⅱ. Ascension』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UCCO-1236 2,860円税込)

第2弾のタイトルは、"Ascension"(アセンション)。
「上昇」の意がありますが、スピリチュアルな概念では「天国へ行くこと」、「昇天」とも捉えられるようです。
3曲目「All The Love」の3分半過ぎに聴ける、シタールのようなデレクのギターが象徴するように、物語が徐々に深い世界へ入っていくことを感じられる楽曲が並んでいます。

今日のこの1曲は、スーザンの力強い歌声から、デレクらしい昇天していく後半のギター・ソロが痺れる5曲目「Rainy Day」。森 陽馬


2022年7月2日(土) Sugarpie & The Candymen 「Are You Gonna Go My Way」

会食の時などのBGMとして、小粋に楽しめるオススメのこの1枚。

Sugarpie & The Candymen『Something's Cookin'』
(輸入CD IRMA IRM2141)

イタリア発のバンド、シュガーパイ&ザ・キャンディメン。
女性シンガー“シュガーパイ”の快活な歌声と、ジプシー・スウィング&ジャジー・ポップをミックスさせたサウンドが魅力的な2022年新作アルバムです。オリジナルに加え、R・ストーンズ「Honky Tonk Women」、CCR「Proud Mary」のカヴァー等全14曲が収録されています。

今日のこの1曲は、レニー・クラヴィッツ「Are You Gonna Go My Way」のカヴァーを。
イントロがいきなり、ピンクパンサーのテーマからスタート!
斬新なアレンジで面白いですね。森 陽馬


2022年7月3日(日) 神野美伽 「旅立ち朝」

1971年に江利チエミがキング・レコードから出したシングル・レコード「旅立つ朝(あした)」c/w「明日に生きる女」は、仲間内の洋楽好きには結構評判の曲でした。

「旅立つ朝」は作曲・村井邦彦、作詞・保富康午(ほとみこうご)の作品で、ロサンゼルス録音。
現在では、ソフト・ロックと表現される雰囲気を持った曲。
編曲とオーケストラの指揮はジミー・ハスケル。演奏には、ハル・ブレイン、ジョー・オズボーンなど当時L.A.の一級どころが参加。当時出たシングル・ジャケットには、江利チエミとハル・ブレインが一緒に映っている写真も載っていました。

さて、そんな江利チエミの曲を、真正面からカヴァーしてくれる歌手が、シングルCDを発表してくれました。

神野美伽「旅立つ朝」「明日に生きる女」「テネシー・ワルツ」3曲入シングル
(同曲のカラオケ付 KICM-31066 1,500円税込)

近年は新しいことにどんどんチャレンジしている神野美伽(しんのみか)が、敬愛する江利チエミの没後40年になる今年2022年に、彼女の持ち歌3曲をカヴァーするという好企画。

バックの演奏は、オリジナルにほぼ忠実にアレンジされ、好感がもてますし、なによりも神野美伽のヴォーカルにチエミさんへの愛が溢れているのが感じられますね。

いい曲を歌ってくれて、ありがとうと言いたいナイス・カヴァーです。森 勉


2022年7月4日(月) The Pearlfishers 「We'll Be The Summer」

グラスゴーのポップ職人デヴィッド・スコットのユニット、パールフィッシャーズの3作品が初アナログ化されました。

『Young Picnickers』(1999)、『Across The Milky Way』(2001)、『Up With The Larks』(2007)の名作3枚。
いずれも、2LP見開きジャケット/ボーナス・トラック4曲追加/750セット限定となっています。

本日は、''天の川の向こう側へ''...
タイトルもジャケットも素敵な2001年作『Across The Milky Way』から今日の1曲を。

The Pearlfishers『Across The Milky Way』
(輸入2LP Marina MA91)

♪冬の寒さの中、君が恋しかった 見えるのは白い霜が降りた道だけ
でも春が来て 生きている実感が湧いてきた
幸せな季節がやってくることはわかっていたから♪

Happy Season=夏の訪れを心待ちにしている、そんなワクワクした気持ちが表れた「We'll Be The Summer」の一節です。

ストリングス、アコースティック・ギターを用いたイントロ、柔らかな歌声とコーラスが爽やかなソフト・ロック・ナンバー♪
毎日うだるような暑さが続いていますが、この曲を聴くと少しクールダウン&リラックスできるような気がします。

デヴィッド・スコット12歳・夏のポートレートを使用した可愛らしいジャケットもお気に入りです。東尾沙紀


2022年7月5日(火) Elvis Presley 「Suspicious Minds」

エルヴィス・プレスリーの人生を描いた映画『エルヴィス』を日比谷TOHOシネマズにて鑑賞。

バズ・ラーマン監督・脚本・製作による2時間39分(テンポが速く中だるみはなかったけど長い!)。
映画自体はよくできていたと思いますが、切ない思いが募る物語でしたね。

エルヴィスの音楽ルーツを辿った前半はウキウキしてくる場面も多いのです。
(「ザッツ・オール・ライト」を歌ったブルースマン、アーサー・“ビッグ・ボーイ”クルーダップをゲイリー・クラークJrが演じていたり、シスター・ロゼッタ・サープ役がYOLAだったり。)

しかしながら、マネージャーと金の問題が前面に出てくる後半は観ていて辛かったなあ。
実際に本作は、エルヴィスのマネージャー“パーカー大佐”を描いた物語にもなっています。
<ロックンロールの光と陰>とわかってはいるものの、悲哀が伝わり心が重くなりました。

今日のこの1曲は、「罠にかかって抜け出せないんだ」という歌詞が、物語とリンクする「サスピシャス・マインド」を。
マーク・ジェイムス作でエルヴィスがカヴァーし大ヒットしたナンバー。
エルヴィスがラスベガスのステージ上でこの歌を熱演中に、マネージャーの密約しているカットが挿入される場面は、映画らしい演出とはいえ、なんともいえない気分になりましたね。

・・・と、色々不満を書きましたが、映画後はエルヴィスの歌をまた聴きたくなりましたし、エルヴィス役のオースティン・バトラー、悪徳マネージャー役のトム・ハンクスの演技は素晴らしかったです。森 陽馬

★掲載ジャケットは、1973年ハワイ/ホノルルで行ったライヴ盤『アロハ・フロム・ハワイ』。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-4499 1,100円税込


2022年7月6日(水) 佐野元春&ザ・コヨーテバンド 「斜陽」

佐野元春&ザ・コヨーテバンドの『今、何処』は、聴く者の心を揺り動かしつつ、優しく抱き寄せる力を持った1枚だ。

佐野元春&ザ・コヨーテバンド『今、何処』 -WHERE ARE YOU NOW
(デラックス・エディション2CD+DVD DMA-26 7,150円税込/DMA-28 3,300円税込)

本作における佐野元春の歌と楽曲には、凄まじい気概を感じさせる。
ザ・コヨーテ・バンドのエネルギッシュな演奏に引っ張られて、というより、魂を射抜くような彼の眼差しと勢いに、ザ・コヨーテ・バンドの方が必死に付いていっているかのようだ。

「Where Are You Now」(今、何処)と問われて、僕らはなんと答えればいいのだろうか。

その答えが出せず、「どんな時が訪れ、闇に包まれ、妨げにあっても、決して忘れないで」と、彼は続けて語り掛ける。
「すべては君の心のおもむくままに」(「君の宙」歌詞より)。
「君の魂、無駄にしないでくれ。」(「斜陽」歌詞より)と。

なお、本作に収録されている楽曲には、英語の副題が各々付けられている。
「君の宙」は「Love & Justice」、「斜陽」は「Don't Waste Your Tears」だ。森 陽馬


2022年7月7日(木) 竹内まりや 「Forever Friends」

竹内まりやの1992年発表名作『クワイエット・ライフ』が、2022年最新リマスタリングを施され、ボーナス・トラックも追加収録し、30周年記念盤として8月31日に発売決定いたしました。

竹内まりや『QUIET LIFE』 30th Anniversary Edition
(2022年8月31日発売 国内CD WPCL-13404 2,420円税込/アナログLP2枚組 WPJL-10162 4,620円税込)

竹内まりや本人に加え、山下達郎、能地祐子の解説文もブックレットに掲載される予定です。

92年当時は、カセット・テープへダビングして、ウォークマンで楽しんだことが多かった1枚。
あれから早30年が経ちました。
家族や友人に感謝しつつ、改めてじっくりと聴き直したいですね。

「どんなに長くごぶさたをしてても 電話ひとつかけるだけ 学生に戻れる」(「Forever Friends」歌詞より)
この歌を聴けば、学生に戻れるかな? 森 陽馬


2022年7月8日(金) ウワノソラ'67 「雨になる」

2022年夏、楽しみな新譜リリースが本日告知解禁されました。

角谷博栄といえもとめぐみによる当店推薦ユニット、ウワノソラ'67。
大ロングセラー中の2015年発表作『Portrait in Rock'n'Roll』に続く第2弾アルバムが7月30日発売決定!

ウワノソラ'67『Portrait in Rock'n'Roll 2』
(国内CD UWAN-007 3,300円税込)

大滝詠一/ナイアガラ・サウンドへのへのリスペクトに溢れた『Portrait in Rock'n'Roll』から早7年。
本作は、60'sアメリカン・ポップス/ソフト・ロックのエッセンスを存分に効かせた内容になっているそうです。

『ペット・サウンズ・セッションズ』を彷彿とさせる深緑色を基調にしたジャケットも良い感じで楽しみですね。

今日のこの1曲は、1曲目「雨になる」。
前作に収録されていた大好きな1曲「雨降る部屋で」に続く雨ナンバー。乞うご期待! 森 陽馬

★当店にて予約受付中!


2022年7月9日(土) Neil Young with Crazy Horse 「Gateway Of Love」

ニール・ヤングがクレイジー・ホースをバックに、2001年頃録音していた未発表曲が公式発売されました。

Neil Young with Crazy Horse『TOAST』
(輸入CD Reprise 93624985150/輸入2枚組LP 9362488130 国内盤の発売予定はなし)

タイトルは、サンフランシスコにあるTOAST Studiosでレコーディングしたことから付けられ、ジャケットもそのToast Studiosの外観写真が使われています。

2001年のニール・ヤングといえば、僕らにとってはなんといってもフジ・ロック・フェス来日でしょう。
忘れられないあの熱狂の公演でも、本作『TOAST』に収録の「Standing In The Light Of Love」、「Goin' Home」、「Gateway Of Love」を新曲として披露していました。

当時観た時と同様に、本作で特に印象に残ったのは、「Gateway Of Love」です。
全体的に重めな楽曲が多い中、この曲はキャッチーなサビで、後半のギターソロも長~く弾いています。(10分過ぎにフェイドアウトしてしまいますが)

なお、感動の来日公演後、2001年9月11日にアメリカ同時多発テロが起こりました。
追悼番組で「Imagine」をカヴァーした時の、ニールの沈痛な表情が忘れられません。

この後、『TOAST』はお蔵入りとなり、『Are You Passionate?』(2002)を発表。この時期に抱えたアメリカ社会への問題意識と、音楽を作り続ける意義の再確認は、『Greendale』(2003)へ引き継がれることとなります。 森 陽馬


2022年7月10日(日) エミリオ・ペリコーリ 「アル・ディ・ラ」

今日は60'sのイタリアの歌が聴きたい気分。
カンツォーネでいってみましょう。

『愛のカンツォーネ50』
(国内2枚組CD 国内独自編集 BVCM-38088~9 2,420円税込)

1950年代、1960年代のカンツォーネが、オリジナル音源で全50曲収録されています。
昔は単独アーティストでいろいろと出ていた時代がありましたが、残念ながら現在は、このようなオムニバスCDが何枚か出ているだけになっています。

このCDはその中でもカンツォーネの名曲がたくさん入った、なかなかの内容のコンピだと思います。

ドメニコ・モドゥーニョ「ヴォラーレ」、ミーナ「砂に消えた涙」、ボビー・ソロ「ほほにかかる涙」、「君に涙とほほえみを」、イヴァ・ザニッキ「愛のわかれ」、カトリーヌ・スパーク「青春がスパーク」、ウイルマ・ゴイク「花のささやき」、「花咲く丘に涙して」、アリダ・ケッリ「死ぬほど愛して」、オルネラ・ヴァノーニ「カーザ・ビアンカ」等々。

今日はそんな数ある名曲の中から、エミリオ・ペリコーリ「アル・ディ・ラ」を。

1962年、トロイ・ドナヒュー、スザンヌ・プレシェット主演のアメリカ映画『恋愛専科』(Roma Adventure)の中で、印象的なシーンに使われ、イタリア語ながら大ヒットした曲です。森 勉


2022年7月11日(月) Dan Penn 「Out Of The Blue」

26年ぶりのスタジオ録音オリジナル・アルバムとして発表した『リヴィング・オン・マーシー』(2020年8月30日今日のこの1曲紹介)から約2年。
アメリカの名ソングライター、ダン・ペンの最新作が発表されました。

Dan Penn『Prodigal Son』
(輸入CD Dandy Records DND005 国内仕様盤は7月20日発売予定)

デモ・シリーズの第5弾としてリリースされた今作は、ダン・ペンが「凄く良いミュージシャンだ」と信頼を寄せるアラバマのシンガーソングライター/マルチ奏者フランク・キャノンとの共作をメインとしたゴスペル・ソング集。

フランク・キャノンがベースやピアノなど殆どの楽器を担当していますが、サウンド的にはいつものダン・ペン作品と変わらず、アーシーで趣深い演奏&渋い歌声が楽しめる1枚です。

詳しい録音年数は書いていませんが、カーソン・ウィットセット(2007年逝去)のピアノをバックに歌った「Out Of The Blue」がとても感動的。ダン・ペン作品でお馴染みウィットセット、バッキー・リンゼイ(Hoy Linsey)、ダン・ペン3人の共作曲となっています。

本編最後には、2019年10月3日アラバマ州フローレンスで行われたドニー・フリッツの追悼式で歌った「In The Garden」の音源を収録。ギター1本でしみじみと歌い上げ、観客の拍手で今作は幕を閉じます。東尾沙紀


2022年7月12日(火) Chilli Beans. 「It's Me」

僕が、1stアルバムの発売を最も楽しみにしていた日本人バンド!
それが、今日紹介するChilli Beans.(チリ・ビーンズ)!

Chilli Beans.『Chillie Beans.』
(CD+初回限定ブルーレイ付 RZCB-87082 4,950円税込/通常CD RZCB-87083 3,300円税込)

Chilli Beans.は、Moto(ヴォーカル)、Maika(ベース&Vo)、Lily(ギター&Vo)による20代の女性3人組。

Red Hot Chili Peppersがバンド名の由来で、2019年に結成。
洋楽のルーツを感じさせる演奏とアレンジ、青春迸るリズミカルでポップな楽曲が最高に魅力的なのです。

遂に発売された本作は、全14曲がキラーチューンでした。
特に、勢いを感じる③「It's Me」から、強靭なベースラインのイントロ④「This Way」の流れがかっこいい! 森 陽馬


2022年7月13日(水) アストロノウツ 「ホット・ドッギン」

1965年に初来日をしたアストロノウツは、ドラマーの人がハイハットの上にタンバリンを乗せていた、ということで、僕の中には印象付けられています。

効果があったかどうかはわかりませんが、ハイハットのペダルを踏むことによって、タンバリンの音も鳴ると工夫だったのだと思います。

夏真っ盛り、アストロノウツのエレキ・インストが旬の季節です。

アストロノウツ『太陽の彼方に』
(国内CD BVCM-35376 1,980円税込)

このCDは、1990年に大瀧詠一監修による2,300円で発売になり、その後廃盤になりましたが、2008年に復刻され、それが現在でもちゃんと流通しています。
厚家羅漢(大瀧詠一のペンネーム)による解説も読み応えあり。

全22曲入りのそのCDより、今日は「ホット・ドッギン」。
この曲は、メンバー5人による共作。スピード感のあるエレキ・インスト名曲です。森 勉


2022年7月14日(木) ナツ・サマーと流線形 「低気圧ボーイ」

東京は今週ずっと雨模様。
暑さは和らぎましたが、どんよりした雲が空を延々と覆っていました。
落ち着かない世情で気分も沈みがちですが、いい音楽を聴いて心身共に健康でいたいですね。

さて、スカッと晴れた日、海沿いの白い砂浜で何にも考えずのんびり聴いていたい、と思えるこの1枚を。

ナツ・サマーと流線形『サン・キスド・レディ』
(国内CD CMTR-005 2,750円税込)

愛媛出身の女性シンガー、ナツ・サマーが、流線形バンド(北山ゆう子と松木Makkin俊郎のリズム隊が絶妙!)をバックに完成させた2022年作。
クニモンド瀧口プロデュースによるシティ・ポップ風味のレゲエ・サウンドが最高に心地良い全7曲入です。

今日のこの1曲は、「高気圧ガール」ならぬ「低気圧ボーイ」を。
ちなみに、ジャケットの雰囲気が、フィフス・アヴェニュー・バンドっぽく感じるのは気のせいかな。森 陽馬


2022年7月15日(金) Vanessa Paradis 「Sunday Monday」

レコード・コレクターズ2022年8月号『90年代のロック・アルバム200』特集が発売されました。
(ミュージック・マガジン社 880円)

1990年代の洋楽で、僕が一番印象深いのはヴァネッサ・パラディです。

ヴァネッサ・パラディ『ビー・マイ・ベイビー』
(国内CD UICY-20405 1,885円税込)

当時恋人であり、飛ぶ鳥を落とす勢いだったレニー・クラヴィッツが全面プロデュースした1992年発表作。
このアルバムは本当によく聴きましたね。

オーチャード・ホールでの来日公演が決まった時は、学校の授業を休み朝早くから先行予約に並びました。
やっとの思いで良席を確保できたのに、直前で来日中止になってショックだったなぁ...。

ということで、今日のこの1曲は、ポップなメロディーとアレンジが魅力的な「Sunday Monday」を。
後半のバカラック的なトロンボーンもいい感じ♪

ちなみに、ヴァネッサ・パラディの本作は残念ながらベスト200に入っていませんでした。
ブライアン・ウィルソン『イマジネイション』、スティング『テン・サマナーズ・テイルズ』、ジャクソン・ブラウン『ルッキング・イースト』、ニール・ヤング『スリープス・ウィズ・エンジェルズ』、ポール・ウェラー『ワイルド・ウッド』等、僕が愛聴していたアルバムも圏外でした。森 陽馬


2022年7月16日(土) ディック・デイル&ヒズ・デルトーンズ 「ミザルー」

アストロノウツの「ホット・ドッギン」を7月13日に取り上げましたが、エレキ・インストをもう一発。

1994年公開の映画『パルプ・フィクション』に使われたことによって、多くの人に注目を浴びることになったディック・デイル&ヒズ・デルトーンズの「ミザルー」。

『パルプ・フィクション』オリジナル・サウンドトラック
(国内CD 初回限定盤 UICY-79093 1,100円)

この映画のサントラCDに入るまでは、エレキ・インスト・ファンだけが知っている曲だったと思うのですが...。
1962、3年頃、南カリフォルニアでは少し話題になったようですが、全米チャートのHOT100には登場することがなかった曲でした。

個人的には、「ミザルー」という曲に関しては、ビーチ・ボーイズが『サーフィンU.S.A.』のアルバムでカヴァーしていたので、それで知ったわけです。
オリジナルのディック・デイルのヴァージョンを聴いたのは、1970年代の中盤を過ぎてからだったと思います。

とにかく、エレキ・インスト・ファンを喜ばせてくれたサントラ盤でした。
ライヴリー・ワンズやセンチュリオンズなど、マニアックなインスト・グループの曲も入っています。森 勉


2022年7月17日(日) Mary Ann Hawkins 「Viikinsaari Surf」

<フィンランドのサーフ・コースターズ!?>
エレキ・インスト/サーフィン・ロックお好きな方にオススメ! “現代”のバンドです!

Mary Ann Hawkins『Mary Ann Hawkins』
(輸入CD SVART302CD/輸入LP SVART302LP)

1930~40年代に活躍した伝説の女性サーファー、Mary Ann Hawkinsの名前を拝借しているフィンランド/ヘルシンキ出身男性5人組バンド<Mary Ann Hawkins>。本作は彼らの1stアルバムになります。

60'sサーフ・インストをルーツにしながら、カヴァーではなく全12曲がオリジナル。
現代の空気を震わせるサウンドとアレンジがかっこいい!

今日のこの1曲は、レトロなメロディにドライヴ感溢れる1曲目「Viikinsaari Surf」。
ちなみに、Viikinsaariはフィンランドのリゾート地、ヴィーキンサーリ島のこと。
まさに、フィンランド産サーフィン・サウンド♪ 森 陽馬


2022年7月18日(月) Peter Gallway & The Real Band 「Good Trouble」

フィフス・アヴェニュー・バンド、オハイオ・ノックスで知られるニューヨークのシンガー・ソングライター、ピーター・ゴールウェイが、自身のバンドを率いて2022年新作アルバムを発表しました。

Peter Gallway & The Real Band『It's Deliberate』
(輸入CD Gallway Bay Music GBM019)

本作のバンドは、彼とAndrea Re(Vo,Per)、Mark Wainer(G)、Joseph Wainer(Dr)による4人編成。
ラリー・ジョン・マクナリーが1曲目「It's Deliberate」と4曲目「Good Trouble」にコーラスで参加しています。

今日のこの1曲は、武骨なロック・チューン④「Good Trouble」を。
コロナ禍を乗り越え、再び前へと歩み出す決意と、さりげない日常の大切さを実感させてくれる1曲です。

なお、内ジャケットには、ブルース・スプリングスティーンからの推薦文が掲載されていました。
<“The best music is essentially there to provide you something to face the world with“-Bruce Springsteen>
森 陽馬


2022年7月19日(火) Lucy Dacus 「Dancing In The Dark」

興味深い編集盤を多数リリースしている英国ACEレーベルから、新しい企画のコンピCDが出ました。

タイトルは『LADIES SING THE BOSS』!
その名の通り、ブルース・スプリングスティーンの曲を女性シンガーが歌ったヴァージョンで編集した1枚です。

V.A『LADIES SING THE BOSS - The Songs Of Bruce Springsteen』
(輸入CD 全19曲収録 ACE CDTOP-1607)

パティ・スミス「Because The Night」から始まり、ダーレン・ラヴ、ベティ・ラヴェット等黒人シンガー、イーファ・オドノヴァン、エミルー・ハリス含む全19曲。

ブルースの歌は雄々しいイメージでしたが、女性シンガーによるブルース作を続けて聴くと、彼が優れたソングライターであると同時に、楽曲自体は人間的で繊細な一面も持ち合わせていたことに気付かされました。

今日のこの1曲は、1995年生まれアメリカ/ヴァージニア州リッチモンド出身の女性シンガー、ルーシー・ダカスが歌う「Dancing In The Street」。疾走感があってかっこいい!森 陽馬


2022年7月20日(水) Dey & Knight 「Sayin' Something」

フォー・シーズンズのプロデューサー/ソングライターとして知られるボブ・クルーは、いろいろな歌手に多くの作品を残しています。

今回、イギリスのACEレコード内のKENTレーベルから、ボブ・クルーの1960年代の作品集が発売されました。

『Whatever You Want ~ Bob Crew's 60's Soul Sounds』
(輸入CD KENT CDKEND508)

タイトルに、ソウルと入っていますが、そこはヒット曲を量産した名プロデューサー、ボブ・クルーの作品。
ソウルフルでグルーヴィーな曲ながらも、ポップな味付けがされているものが全24曲。充実の63分間です。

今日の1曲、どれにするか目移りするくらいにイイ曲ばかり並んでいますが、17曲目に入っているデイ&ナイトの「セイン・サムシング」を。

1966年Columbiaレーベルから出たシングルで、ヒットはしていませんが、なかなかの曲です。
ボブ・クルーとゲイリー・ナイトの作品で、ちょっと、ライチャス・ブラザーズっぽいアレンジが施されています。

ボブ・クルーの秘蔵っ子ラグ・ドールズのトレイシー・デイと、ボブ・クルーと一緒に曲を書いた相棒ゲイリー・ナイトによる<デイ&ナイト>、知りませんでした。日々勉強ですね。

最後の24曲目のタイム・キーパーズ「スリー・ミニッツ・ヘヴィー」という曲も注目です。
なんと、ミッチ・ライダー&デトロイト・ホイールズ「ジェニー・テイク・ア・ライト」のインストゥルメンタル・トラック!!
いろいろな曲で発見があるコンピCDです。森 勉


2022年7月21日(木) Rusty 「Everybody Knows This Is Nowhere/Dance Dance Dance」

遡ること50年前...エルヴィス・コステロが10代の頃に活動していたバンド<ラスティ>が再結成!
1972年初ライヴから50周年を記念して、新録によるデビューEPがリリースされました。

ラスティ『ザ・レザレクション・オブ・ラスト』
(国内CD ボーナス・トラック1曲追加 解説・歌詞・対訳付 UICY-16089 2,420円税込)

ライヴ活動は精力的に行っていたものの、レコード制作には至らなかったというラスティ。
今作には、コステロを当時バンドに誘った相棒アラン・メイズ、リモートで参加したジ・インポスターズの面々と共に、ラスティがレパートリーとしていたカヴァー4曲、オリジナル2曲が新録で収録されています。

レパートリーの中には嬉しいことに、ブリンズリー・シュウォーツ1972年作より「Surrender To The Rhythm」と、「Don't Lose Your Grip On Love」のニック・ロウ作が2曲も。
今回「Surrender~」の方には元ブリンズリーのボブ・アンドリュースがハモンド・オルガンとピアノで参加しています。

そして意外や意外?ニール・ヤングの楽曲も当時取り上げていたのですね。
「Everybody Knows This Is Nowhere」~「Dance Dance Dance」をメドレー形式でカヴァー。
コステロが演奏するマンドリンとエレクトリック・フィドルも聴くことが出来ます。力強い2人の歌声も良い雰囲気です。

日本盤ボーナス・トラックとして、1972年に録音された貴重なデモテープ音源「Silver Minute」を追加収録。
17~8歳頃の2人のハーモニーがとても瑞々しい♪
他の録音も聴いてみたくなりました。東尾沙紀


2022年7月22日(金) 児島未知瑠 「長い手紙」

村田和人作品が3曲収録されている児島未知瑠(未散)のアルバムがお買得価格で再発されました。

児島未知瑠『MICHILLE』+1
(国内CD 限定盤 UVPR-50040 1,210円税込)

1986年9月にフォー・ライフ・レコードから発売された彼女のセカンド・アルバムに、翌年出たシングル曲を追加したCDです。

村田さんの楽曲の他に、ギタリストの松原正樹やベーシスト長岡道夫の作品も入ったシティ・ポップ・テイストの1枚。
島村英二、長岡道夫、松原正樹、吉川忠英、新川博、国吉良一、斉藤ノブなどのミュージシャンが参加。
村田和人さんもコーラスで参加しています。

あの宝田明さんの娘さんである児島さんの歌声は、透明感のあるさわやかな声で、村田さん楽曲にとてもフィットしていると思います。

「マリンブルーの恋人達」、「A Day In The Summer」、「長い手紙」の3曲が村田和人作曲、安藤芳彦作詞。
さすが、村田さん、全部イイ曲です。

今日はその中から、「長い手紙」を。
この曲は、2008年に発表された村田和人『Now Recording』収録の「I Love You」と同曲です。森 勉


2022年7月23日(土) Richie Furay 「I Hope You Dance」

リッチー・フューレイ(バッファロー・スプリングフィールド、ポコ、他)が新作を発表しました。

Richie Furay『In The Country』
(輸入CD BMG 538766192)

タイトルは『In The Country』。今までもポコやソロ作で、カントリー・ロックの良心を奏でてきたリッチー・フューレイが、他アーティストの新旧カントリー・ナンバーを取り上げたアルバムです。

カントリー色が濃くなりすぎることを懸念していましたが、杞憂でしたね。
2022年で78歳を迎えたリッチーの歌声には張りがあって、高音ヴォーカルも健在。
彼が唄えば、どんな曲もグッド・メロディーのポップ・ソングになってしまうマジックを感じさせてくれます。

今日のこの1曲は、2曲目「I Hope You Dance」。
女性カントリー・シンガーLee Ann Womackが2000年に大ヒットさせ、グラミーのベスト・カントリーソングも受賞したMark Daniel Sanders & Tia M Sillers作による楽曲。リッチーの歌声と女性コーラスが感動的です。森 陽馬


2022年7月24日(日) DAWES 「Someone Else's Cafe/Doomscroller Tries To Relax」

「Doomscrolling」という言葉をご存知でしょうか?
スマホで悲観的な情報やニュースをスクロールし読み続けてしまうことを指すそうです。

そのDoomscrollingを止められない人=Doomscrollerの不幸、と題されたDawesの新作が発売されました。

Dawes(ドーズ)『Misadventures Of Doomscroller』
(国内CD ボーナス・トラック1曲追加 解説・歌詞・対訳付 UICB-10009 2,970円税込)

ジャクソン・ブラウン似の歌声が魅力のTaylor Goldsmith率いるLA4人組バンド、DAWES(ドーズ)。
本作は8作目となるオリジナル・アルバムで、国内盤は今回が初めてのリリースです。

プロデューサーは、『North Hills』(2009)や『Nothing Is Wrong』(2011)も手掛けたジョナサン・ウィルソン。
70'sウエスト・コースト・ロックの良心を引き継ぎながら、組曲的に展開する楽曲も含むコンセプト作品に仕上がっており、まさに<新世代のローレル・キャニオン・サウンド>な1枚!

今日のこの1曲は、10分弱の組曲的ナンバー①「Someone Else's Cafe/Doomscroller Tries To Relax」。
ネガティヴなテーマながら、希望の光を与えてくれる何かが、演奏と歌から伝わってきます。

なお、2022年7月29日(金)フジ・ロック・フェスのフィールド・オブ・ヘヴンで、初来日公演が決定しました!
行かれる方は、その雄姿を是非体感してきてください。森 陽馬


2022年7月25日(月) サニーデイ・サービス 「冷し中華」

夕暮れオレンジに染まる海、蚊取り線香のけむり、冷し中華のタレの少しツンとした匂い...そんな夏の情景が浮かぶ、サニーデイ・サービスの最新EPがリリースされました。

サニーデイ・サービス『冷し中華 ep』
(国内CD 手ぬぐい付き生産限定盤 冷し中華ステッカー封入 ROSE295 2,000円税込)

海風のように柔らかなギターに彩られた①「冷し中華」は、暑さで火照った体と心をクールダウンさせてくれるような心地良い1曲。4分20秒を越えた辺りからエンディングへと続く2分間、熱を帯びていく演奏も聴きものです。

その他の曲は、曽我部さんお気に入りのバンド<茶封筒>のらすてぃーと詞を共作したすき家CMソング「じゃすみん」、中川イサトのカヴァー「その気になれば」、1分ちょっとのパンキッシュなナンバー「夏のにおい」の3曲。

更にボーナス・トラックとしてCDにのみ、「冷し中華」のインスト・ヴァージョン.「冷し中華 -Chill Inst.-」を追加収録。
こちらのバージョンも今夏聴くことが多くなりそうです。東尾沙紀


2022年7月26日(火) Ben Harper 「Where Did We Go Wrong」

レコード・コレクターズ誌2022年8月号『90年代のロック・アルバム200』特集に関して、ヴァネッサ・パラディがベスト200内に入っていない!と7月15日の本コラムで書きましたが、ベン・ハーパーの作品が入っていないのも驚きでしたね。

<黒いライ・クーダー>と評され話題となった『Welcome To The Cruel World』(1994)、『Fight For Your Mind』(1995)、『The Will To Live』(1997)はよく聴きましたし、1995年初来日公演の感動は今でも記憶に強く残っています。

その初来日公演でもバックでベースを弾いていたJuan Nelson(超大柄な黒人でベースが小さく見えましたね)が2021年6月に急逝。盟友の死を受けて制作したのが、今日紹介するベン・ハーパーの2022年作です。

Ben Harper『Bloodline Maintenance』
(国内仕様CD BRC80J 2,750円税込)

2020年発表作『Winter Is For Lovers』(
2020年11月27日今日のこの1曲で紹介)はラップ・スティール・ギターによるインスト・アルバムでしたが、本作は、メッセージ性ある言葉&力強い歌声がソウルフルに響き渡っている1枚。

今日のこの1曲は、ファンキーかつグルーヴィーな③「Where Did We Go Wrong」を。
ベンの変わらぬ熱い魂に心揺さぶられます。

ちなみに、ミュージック・マガジン社では<あなたが選ぶ洋楽ロック・アルバム・ベスト20 1960-1999>を投票募集中。
レココレ誌で選出された計800枚からしか原則的に選べないのですが、1作品のみノミネート外からも選べるそう。
8月号付属の専用ハガキか
WEB、Eメール(vote@musicmagazine.jp)で投票できます。森 陽馬


2022年7月27日(水) She & Him 「Do It Again」

映画『(500)日のサマー』の主演女優ズーイ・デシャネルと、M・ウォードによるユニット、シー・アンド・ヒムの新作が発表されました。

なんと今作は、ブライアン・ウィルソン作品集です。

She & Him『Melt Away : A Tribute To Brian Wilson』
(輸入CD Fantasy 00888072428386/輸入LPもあり)

全14曲収録。タイトルになっているソロになってからの作品「メルト・アウェイ」以外は、ビーチ・ボーイズとしてレコーディングされている曲のカヴァーになります。

先行して映像が公開されていた「ダーリン」をはじめ、「素敵じゃないか」、「ドント・ウォーリー・ベイビー」、「ディードリ」、「ドント・トーク」、「プリーズ・レット・ミー・ワンダー」、「キス・ミー・ベイビー」、「ティル・アイ・ダイ」、「グッド・トゥ・マイ・ベイビー」、「君の勝ち (Heads You Win - Tails I Lose)」、「メント・フォー・ユー」など、有名曲・マニアックな曲が入り乱れて選曲されています。

今日の1曲は、ブライアン・ウィルソン自身がゲスト・ヴォーカルとして参加した「ドゥ・イット・アゲイン」を。

暑い夏をズーイの脱力系ヴォーカルで乗り切りましょう。森 勉

P.S. 20年程前に出たブライアン・ウィルソンのDVDの特典映像で、ズーイにインタビューされ、うれしそうに答えていたブライアンの姿を想い出します。


2022年7月28日(木) Gilbert O'sullivan 「You Can't Say I Didn't Try」

延期となっていた来日公演が今年4月に無事開催され評判となったギルバート・オサリバン。
ほのぼのとして、そして躍動感もある魅力的なメロディが詰まった、4年ぶり20枚目となる新作がリリースされました。

ギルバート・オサリバン『ドリヴン』
(国内CD ボーナス・トラック1曲追加 天辰保文氏による解説・歌詞・対訳付 VICP-65600 2,860円税込)

シンプリー・レッドなどを手掛けるアンディ・ライトをプロデューサーに迎え、バンドで録音。
ストリングスをバックに歌う美しい「If Only Love Had Ears」、声の相性バッチリなミック・ハックネル(シンプリー・レッド)とのデュエット「Let Bygones Be Bygones」や、KTタンストールとの軽快なロックンロール・ナンバー「Take Love」など、意外なコラボレーションでも楽しませてくれます。

本日は、聴いていると胸がワクワクしてくる、とってもポップな「You Can't Say I Didn't Try」を今日の1曲に。
この曲をライヴで聴いてみたいので、また次回も元気に来日してほしいです。

日本盤ボーナス・トラックとして追加収録されている「Our Silverster」締め括りにもほっこり。最後までじっくり聴いてくださいね。東尾沙紀


2022年7月29日(金) Tedeschi Trucks Band 「Somehow」

デレク・トラックス&スーザン・テデスキの夫妻を中心としたバンド、テデスキ・トラックス・バンドが作り上げた4部作に連なる新作『アイ・アム・ザ・ムーン』の第3弾が本日発売されました。

テデスキ・トラックス・バンド『I Am The Moon:Ⅲ・The Fall』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UCCO-1237 2,860円税込)

「いとしのレイラ」の基になったと言われるアラブ/中東の古典悲恋物語『ライラとマジュヌーン』にインスパイアされて制作したコンセプト・アルバム『アイ・アム・ザ・ムーン』。
第1弾Crescent、第2弾Ascensionに続く第3弾は、The Fall(落下・没落)と名付けられています。

この壮大な4部作は、デレク&スーザンの存在はもちろんのこと、コフィ・バーブリッジ(2019年逝去)の後任としてバンドに加わったキーボード奏者、ゲイブ・ディクソンの活躍が大きいですね。

本作の1曲目「Somehow」も、そのゲイブ・ディクソンが作った楽曲で、スーザンのソウルフルな歌声と、デレクの後半のギター・ソロが印象深く響いてきます。森 陽馬

※ラストの第4弾は8月26日に発売。


2022年7月30日(土) ウワノソラ'67 「雨になる」

角谷博栄といえもとめぐみによるPET SOUNDS RECORD推薦のユニット、ウワノソラ'67。
当店の
2015年ベストにも選出した『Portrait in Rock'n'Roll』から早7年。ウワノソラ名義の『陽だまり』(2017)、『夜霧』(2019)、『くらげ』(2020)を挟み、待望の第2弾アルバムが本日発売になりました。

ウワノソラ'67『Portrait in Rock'n'Roll 2』
(国内CD 当店作成発売記念リーフレット付 UWAN-007 3,300円税込)

ポップなメロディーとコーラス・ハーモニーが、心地良く耳に馴染んでくる全10曲入。
60'sアメリカン・ポップスのエッセンスと、様々な音楽要素がブレンドされた素晴らしい1枚に仕上がっています。

今日のこの1曲は、Music Videoも先日公開された1曲目「雨になる」を。
ジョージ・ハリスン『All Things Must Pass』を彷彿とさせるペダル・スティール・ギターは、角谷さんがずっと使っていたアコースティック・ギターを売って新たに購入したものだそうで、自身による見事な演奏を全編で聴くことができます。

ちなみに、「雨になる」という曲名は、ウディ・アレン監督映画『A Rainy Day In New York』の作中に出てくる「君が雨に変わっていく」という言葉からインスパイアされて付けた、とのこと。

なお、角谷博栄さんへの最新インタビューをまとめたオリジナル・リーフレットを作成しました。
ご覧いただければ、本作の楽曲をより楽しめると思います。森 陽馬


2022年7月31日(日) プラチナム900 「ファンタスティック・ジャーニー」

プラチナム900! 祝、再発!

2021年に再発された唯一のフル・アルバム『フリー (アット・ラスト)』(1999年発表)は、そのサウンドの良さに当店でも大評判になった1枚でした。(
2021年ベストにも選出)

今回、7月27日発売で彼らが発表した残りの3作品がリマスターされ再発されました。

・『プラチナム航空900便』 1997年発表7曲入
・『プラチナム交響曲 第900番「白金」』 1998年発表6曲入
・『Missing Star』 1998年発表4曲入

今日はこの中から、セカンド・ミニ・アルバムのこの1枚。
プラチナム900『プラチナム交響曲 第900番「白金」』
(国内CD MHCL-30729 2,200円税込)

出た時には話題になりませんでしたが、2022年の今こそ、聴かれるべきグルーヴィーなサウンドです。
6曲全部、おすすめですが、今日は6曲目「ファンタスティック・ジャーニー」を。

イントロのギター・カッティングから引き込まれてしまう曲です。
ヴォーカルの坂田直子、ギター/ベースの西村一彦、キーボードの飯星裕史がプラチナム900.
この曲には、ブラス・セクションもフィーチャーされていて、村田陽一、荒木敏男の他、1980年代に山下達郎のライヴ・ツアー・メンバーだった中村哲、渕野繁雄も参加しています。森 勉




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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