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  今日のこの1曲 “Archives”

<2020月11月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2020年11月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2020年11月1日(日) エルヴィス・コステロ 「バイライン」

エルヴィス・コステロは以前からまるで冒険家のようなミュージシャンだと思っていましたが、今回の作品はそんな雰囲気が発揮されたものになっています。

一か所に留まらず、絶えず未知なる音を求めて旅をしているコステロの新作です。

エルヴィス・コステロ『ヘイ・クロックフェイス』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UCCO-1224 2,600円+税)

約2年半前に出た『ルックナウ』は
2018年ベスト・アルバムに挙げさせてもらい、当店でもロングセラーを記録したのが記憶に新しい1枚です。
今回のアルバムは前作ほどポップ感はありませんが、冒険し続けるコステロらしい仕上がりになっています。

自分のことを誰も知らない場所へ行って録音したかった、ということで、フィンランドのヘルシンキで一人でマルチ・レコーディングしたものがあったり、コステロの長年の良き協力者スティーヴ・ナイーヴがいるパリで録音したものもあり、はたまたトランペッターでもあり様々な楽器をこなす作曲家マイケル・レオンハートのメロディーにコステロが歌詞を付けたニューヨーク録音もある全15曲。

1曲目がアヴァンギャルドな「リヴォリューション#49」、2曲目がビートが効いた「ノー・フラッグ」と続くので、そのイメージで全体を捉えがちになりますが、コステロのヴォーカルの魅力がタップリなバラードも入っています。
今日はその中から14曲目「バイライン」を。いい節回し、いい声。森 勉


2020年11月2日(月) 細野晴臣 「Tutti Frutti」

2020年11月3日は<レコードの日>。
東洋化成(アナログ・レコードのプレス会社)主催のイベントで、様々なレコードが新発売されます。

細野晴臣5種(+カセット1種)、ニック・デカロ『Love Storm』(山下達郎カヴァー作)、大貫妙子、JADOES、Vaundy等注目の初アナログLP化から、吾妻光良、paris match、藤井隆「ナンダカンダ」、キテレツ大百科「はじめてのチュウ」の初アナログ化7インチ等々、手に取りたくなってしまうアイテム目白押し!

当店にてレコードの日関連アナログ盤3,000円以上お買い上げの方先着でオリジナルエコバックプレゼント!
お探しの商品ございましたらお気軽にお問合せくださいませ。

ということで、レコードの日2020アイテム中から当店オススメのこの1枚。

細野晴臣『Vu Ja De』
(国内10インチ・アナログ2枚組 完全限定盤 VIJL-60235 4,800円+税)

細野晴臣2017年11月発表アルバム『Vu Ja De』(
2017年11月9日今日のこの1曲紹介)。
SPを意識したデザインによる10インチ・アナログ2枚組仕様で初アナログ化。
細野さん本人による解説が、このアナログ盤では日本語&英語で記されブックレット化されているのがうれしい!

今日のこの1曲は、リトル・リチャードで有名な「Tutti Frutti」細野流カヴァーを。
ちなみに、細野晴臣『omni sight seeing』、『MEDICINE COMPILATION』が初アナログ化&久々CD再発。
『Hosonova』、『Heavenly Music』、『vu ja de』LP化、『花に水』カセット・テープが11/3発売されます。森 陽馬


2020年11月3日(火) 大貫妙子 「風の道」

2020年11月3日レコードの日、たくさんのご来店・お買い上げありがとうございました。

アナログ・レコードが100タイトル以上発売された2020年レコードの日。
お目当ての商品は見つかりましたか?

さて、僕がリリースを楽しみにしていたのがこの1枚。

大貫妙子『Pure Acoustic』
(国内LP 180g重量盤 天辰保文氏による解説付 UPJY-9125 3,800円+税)

1987年9月サントリーホールで行われたコンサート『Pure Acoustic Nights』の7曲に、1994年天王洲アートスフィアでの4曲を追加した1996年発表セルフ・カヴァー・ライヴ・アルバム『Pure Acoustic』。
彼女の凛とした歌声と美しいストリングスの音色が心地良く響く大好きな作品です。

この度、2016年リマスター音源をアビー・ロード・スタジオにてハーフ・スピード・カッティング。
音質重視の180g重量盤でうれしいアナログ化!
穏やかで静謐ながら、緊張感ある凛とした空気もレコード針を通して伝わってきますね。

今日のこの1曲は、フェビアン・レザ・パネのピアノと大貫妙子さんの歌声が優しく包んでくれる「風の道」。
美しい波動に心洗われながら、懐かしい想い出に浸れるナンバーです。森 陽馬

2020年11月4日(水) Cindy 「私達を信じていて」

新世代シティ・ポップの中心的存在、クニモンド瀧口(流線形)が選曲を手掛けた編集盤。
その名も『CITY MUSIC TOKYO invitation』が最高!

V.A『CITY MUSIC TOKYO invitation』
(国内CD クニモンド瀧口による解説・歌詞付 MHCL-2862 2,200円+税)

<都会・音楽・東京>をコンセプトに、70's後半~90年代邦楽から独自のセンスでセレクトされた全17曲。
曲順&流れがNice! 今日は5回以上繰り返して聴いたほど、リピードボタンを押したくなる1枚です。

EPO「雨のケンネル通り」から始まり、国分友里恵、野田幹子、マナ、ラジ、PIZZICATO FIVE。
珍しいところではPLATINUM900、KAORU、長谷川みつ美(初CD化!)。
個人的には、SECRET CRUISE(シャムロック高橋一路ソロユニット)「Bitter Sweet」が刺さりましたね。

今日のこの1曲は、山下達郎のバックコーラスをしていたことでも知られるCindy「私達を信じていて」。
1990年発表2ndアルバム『ANGEL TOUCH』収録曲でシングル・カットもされた心躍るナンバー。
山下達郎のバックで活躍した名ギタリスト鳴海寛(東北新幹線)が作曲・編曲を手掛けています。森 陽馬


2020年11月5日(木) ビーチ・ボーイズ 「シャット・ダウン パートⅡ」

11月11日発売予定だったビーチ・ボーイズが1960年代に出した日本企画盤復刻CDは、諸般の事情により12月23日発売へ再度延期になってしまいましたが、案内は続けていきたいと思います。

ビーチ・ボーイズ『サーフ・ジャム』(インストゥルメンタル・ヒッツ)
(国内CD MQA/UHQCD 紙ジャケット仕様 UICY-40326 2,800円+税)

1965年に発売された日本ならではの企画盤です。
この1965年、日本は空前のエレキ・ギター・ブームでした。
ヴェンチャーズを筆頭に、アストロノウツ、サファリーズ、シャンティーズ、スプートニクスなどインスト・グループが大人気を集めていました。

そんなこともあり、ビーチ・ボーイズが所属していた東芝レコードの担当者が考えたことは、初期のアルバムに入っているインスト曲を集めて1枚LPを作ってしまおう、ということでした。
そして発売されたのが、世界的にも珍しいビーチ・ボーイズのインストゥルメンタル集です。

1980年代初めに外国で出版されたビーチ・ボーイズファンのバイブル的なディスコグラフィー・ブック『サーフズ・アップ』にも、世界的に珍しい選曲の企画及び他にあまりないジャケット写真のレコード、ということで掲載されていたくらいですから...。

以前、曲を追加してCD化されたことがありましたが、今回は発売当初のフォーマット、全12曲収録予定です。
このジャケットの紙ジャケ、やっぱり欲しくなります。

今日のこの1曲は、『シャット・ダウンVol.2』に入っていた「シャット・ダウン パートⅡ」を。森 勉


2020年11月6日(金) CHILDISH TONES feat.宇佐蔵べに 「Cruel To Be Kind」

ニック・ロウ全面協力による''ほぼ''自伝本『恋するふたり ニック・ロウの人生と音楽』が発売されました。
(シンコー・ミュージック 3,200円+税)

索引、付録(家系図付ファミリーヒストリー)、ディスコグラフィー、貴重な写真等含め511ページという大ヴォリューム♪

カーサル・フライヤーズ他で活躍、『パブ・ロック革命』の著者ウィル・バーチが、ニック本人への30時間に及ぶインタビュー、エルヴィス・コステロ、デイヴ・エドモンズら周辺人物の証言を交え綴られた初の評伝。訳は丸山京子さんです。
両親が英国空軍で出会うところから始まる長い長い物語。これから読み進めるのが楽しみです。

本日はニック・ロウに絡めまして、''日本のピアノザウルス''<CHILDISH TONES feat.宇佐蔵べに>を。

CHILDISH TONESはネモト・ド・ショボーレ(Deckrecレーベル主宰)率いるトイ楽器ガレージ・ポップ・バンド。
2019年2月、元あヴぁんだんどの宇佐蔵べにをヴォーカルに迎え7インチ・シングルで発表した「恋のホワン・ホワン」(三遊亭円丈によるニック・ロウ日本語カヴァー)のカヴァーが話題に♪

feat.宇佐蔵べにで発表した4枚の7インチ・シングルに新曲3曲を加えたアルバム『GOD BLESS THE GIRLS』が2020年10月にリリースされました。

CHILDISH TONES feat.宇佐蔵べに『GOD BLESS THE GIRLS』
(国内CD KKV-107 2,000円+税)

ラーズ「There She Goes」、ザ・スミス「ASK」、ザ・スパイダース「なればいい」、Hipster Image「Make Her Mine」、ジェーン・バーキン「思い出のロックンロール」など多彩なカヴァーや、ピチカート・ファイヴの楽曲を織り交ぜた新曲「The Beat Goes On」など、トイ楽器による賑やか&ほんわかサウンドで楽しませてくれます。

表記は12曲ですが、実際は18曲入り!収録曲の日本語or英語ver.がひっそりと追加されています♪東尾沙紀


2020年11月7日(土) T字路s 「涙のナポリタン」

1990年代御徒町の某店で働いている時、昭和通り沿いにある上野の店まで時々食べに行きました。
カプリという店だったかな。2000年代に閉店してしまったんですよね。
ミートボールをのっけたスパゲッティ(ナポリタン、インデアンetc)が山盛りで美味しかったなぁ。

あの時期は体力的&精神的にもキツくて嫌な思い出ばかりだけれど、その頃食べた味って忘れない。
当時には絶対戻りたくないのに、あれをまた食べたいな、なんて思ってしまうから不思議。

そんな過去のことを、T字路s「涙のナポリタン」を聴いて回想してしまいました。

T字路s『BRAND NEW CARAVAN』
(国内CD POCS-23008 3,000円+税)

2020年で結成10周年を迎えた伊東妙子と篠田智仁によるユニット、T字路s。
メジャー流通となる新レーベルMix Nuts Recordsからの新作オリジナル・アルバム。

目が覚めるような迫力ある彼女の歌声には、力強さに加え優しさや哀愁も加味されたように感じます。森 陽馬


2020年11月8日(日) 寺尾紗穂 「えぐえぐ節」

当店がデビュー時から応援している女性シンガー、寺尾紗穂さんのアルバムが11月18日発売されます。

寺尾紗穂『わたしの好きなわらべうた2』
(2020年11月18日発売 PCD-27047 2,700円+税)

2020年3月発表オリジナル・アルバム『北へ向かう』(
2020年3月3日今日のこの1曲紹介)から約8カ月。

今作は2016年作『わたしの好きなわらべうた』(
2016年8月9日今日のこの1曲紹介)の第2弾です。

日本各地に伝わるわらべうたを彼女らしいアレンジと歌で紡いだ1作目に続き今回も素晴らしい仕上がり。
サウンドがよりふくよかになって、わらべうたの可能性が更に広がりました。
そして何より、彼女の唄にとても力強さを感じます。

冬にわかれてや「北へ向かう」で彼女を知った方、童歌・民謡お好きな方にも是非聴いてもらいたいですね。

今日のこの1曲は、民謡「縁故節」の元唄という山梨の労作唄「えぐえぐ節」を。
甲府桜座でまた聴きたいな。森 陽馬


2020年11月9日(月) ラヴィン・スプーンフル 「魔法を信じるかい」

ソニー、BMG、ワーナーから数年前に限定で発売され、生産中止・入手困難になっていた紙ジャケット・シリーズがランダムに数十種ほど再プレスされています。

今日はその中から、ミドル60'sミュージック・シーンを彩ってくれたニューヨークのバンド、ラヴィン・スプーンフルを。

ラヴィン・スプーンフル『魔法を信じるかい?』+19
(国内CD 紙ジャケット仕様 長門芳郎解説・歌詞・対訳付 SICP-31007 2,100円+税)

1965年ラジオから流れてきた「魔法を信じるかい」(Do You Believe In Magic)を初めて聴いた時は結構な衝撃でした。
彼らがレコードを出していたカーマ・ストラ・レーベルは60年代当時、日本グラモフォン(ポリドール)が配給していました。

日本でのファースト・アルバムは、ジャケットは同じ写真だったのですが、だいぶ遅れて発売されたので収録内容はセカンド・アルバム『デイドリーム』の曲も含めたものでした。
それをいち早く買った友達がいたので、何回も借りて聴いていました。
(その後このレコードは何かと交換して自分のものになるのですが...)

ラジオから聴こえてくる音はモノラルでしたが、LPはステレオでした。
この紙ジャケはモノ&ステレオ+ボーナス・トラック5曲の全29曲収録。
この名曲がモノ&ステレオ両方で楽しめます。
とにかくうれしい再プレスです。森 勉


2020年11月10日(火) 広瀬愛菜 「17」

富士山ご当地アイドル3776等の活動を経て、2018年ソロ・デビュー作を発表した現在17歳の広瀬愛菜。

リリースされて間もない最新作は、彼女自身も手掛ける等身大の詞と透明感ある歌声、名プレイヤー陣による大人なシティ・ポップ・サウンドがマッチした素敵なポップ・ソング・アルバム♪

広瀬愛菜『17』
(CD NRSD-3092 2,727円+税)

2018年発表前作に引き続き、関美彦がプロデュース/作曲を担当。
バックには、北山ゆう子(ds,per)、伊賀航(b)、長谷泰宏(p/ユメトコスメ)、山之内俊夫(g)が全面参加。
マイクロスター佐藤清喜ミックス、マスタリング。

2020年6月にクローズした入間guzuri recording houseの最後の録音作としても話題です。

イントロのヒリヒリしたギターから曽我部恵一節な書き下ろし曲「晴れた朝、人生の予感」、長谷泰宏作詞・作曲のとびきりキャッチーな「なんだ、ただの青春か」、関美彦作の王道アイドル・ソング「Tiffany Blue」、最後は松任谷由実「ダンデライオン~遅咲きのたんぽぽ」カヴァーでしっとりと。

今日の1曲は、彼女自身によるハーモニーに気持ちがほわっとする青春なタイトル・トラック「17」。
<レコードの日2020>に7インチ・シングルでもリリースされました。そちらも要チェックです。

バラードからソウル・テイストのナンバーまで表情豊かに歌いあげる歌声も良いっ。次作も楽しみです。東尾沙紀


2020年11月11日(水) 流線形/一十三十一 「悲しいくらいダイヤモンド」

2020年10月から始まったNHKドラマ『タリオ 復讐代行の2人』(主演:浜辺美波、岡田将生)。
劇中の音楽が『探偵物語』のような昭和のTVドラマを彷彿とさせるんですよね。

その劇伴及びオープニング&エンディング曲を手掛けているのは、流線形と一十三十一。
現代シティ・ポップ界の中核を担っているこのコンビによるサントラ的アルバムが発売されました。

流線形/一十三十一『タリオ』
(国内CD VICL-65441 2,800円+税)

ドラマ『タリオ』オープニング曲「金曜日のヴィーナス」 feat堀込泰行、エンディング曲「悲しいくらいダイヤモンド」に加え、ソウルフルかつフュージョン的な香りも漂う劇伴インストを中心とした21トラック収録。

昭和な雰囲気なのは、プログラミングで制作されている近年の劇伴と違い、生バンド録音だからでしょう。
演奏は、クニモンド瀧口、北山ゆう子、山之内俊夫、松木俊郎、平畑徹也、平野栄二、シーナアキコ。
ホーン&ストリングスアレンジはシンリズムが担当。KASHIFが手掛けた楽曲も4トラック収録されています。

今日のこの1曲は、一十三十一がヴォーカルをとるエンディング曲「悲しいくらいダイヤモンド」。
「恋のブギウギ・トレインみたいなアッパーな曲を」と、彼女がクニモンド瀧口へ依頼し制作された華やかなナンバー。
ちなみに、ジャケット・イラストは永井博さんが手掛けています。森 陽馬


2020年11月12日(木) 渡辺香津美 「オリーヴス・ステップ」

ギタリスト渡辺香津美が1977年に発表した名作です。

渡辺香津美『Olives's Step』
(国内CD 解説・渡辺香津美インタビュー掲載 COCB-54210 2,000円+税)

1976年ジョージ・ベンソン『ブリージン』、スタッフ『スタッフ』が大ベストセラーとなり、新しいジャズとしてクロスオーヴァーと言葉が使われるようになりました。

クロスオーヴァーはその後、フュージョンという呼び名に変化していくのですが、この『Olive's Step』は1977年に発表された日本製のクロスオーヴァー・アルバムのさきがけ的な作品です。

1977年6月1~3日の3日間で録音されました。
レコード時代のA面は坂本龍一、後藤次利、つのだひろ、B面は一緒にグループを組んでいた松本弘、井野信義、倉田在秀、横山達治が参加しています。

今日はその中からA面1曲目「オリーヴス・ステップ」を。
グルーヴィーな後藤次利のベースのリズムの中を、24歳の渡辺香津美のギターが気持ち良く泳いでいます。森 勉


2020年11月13日(金) 杉林恭雄 「Garden」

自粛疲れのせいでしょうか。
喜怒哀楽の中で言えば<怒>の感情が、最近ネット上で目に付くことが多いような気がします。

ストレスが溜まってイライラすると、どうしても何かのせいにしたくなりますよね。
でも、そんな<怒>の感情に時を費やすのは、時間がもったいないなと思うのです。

何かに感謝する気持ちを忘れず、<喜>や<楽>な時を過ごせるといいですね。

さて、今日紹介する1枚は、落ち着いた心を取り戻させてくれる歌とギターによる作品。

杉林恭雄『一番星のしずくみたいだ』
(国内CD MIW-001 2,000円+税)

1980年代から活動しているミュージシャンズ・ミュージシャンなバンド、くじらの杉林恭雄。
0655/2355でも優しい歌声を聴かせてくれている彼の2020年弾き語りソロ・アルバムが本日発売。

家族への愛情、亡き母への想い、さりげない雨や雷の音。
<日本のヴィニシウス・カントゥアリア>が奏でるギターと温もりある言葉が沁みます。森 陽馬


2020年11月14日(土) Teacher's Edition 「I Wanna Be Loved」

良質なコンピレーションCDを多数発売しているイギリスのACEレコードからは色々なCDが出ています。

今まで出た商品・選曲を全部チェックしているわけではないので、発売されてから何年も経ってやっとその存在に興味が向くことも多々あります。

今日はそんな中からこの1枚を。

『in perfect harmony ~ sweet soul groups 1968-77』
(輸入CD KENT/ACE CDKEND219)

1968年から1977年に発表されたR&Bグループの中から比較的スウィートな曲調のものを全24曲集めたCDです。

フローターズ(ジャケット写真は彼らです)、スミス・コネクション、テンプリーズ、エルドラドス、マスカレーダーズなど多少有名なグループもありますが、ニュー・ホリデイズ、サイレント・マジョリティー、スモールウッド・ブラザース、ニュー・シンバルズ、LTGエクスチェンジ、ゴッズ・ギフト・トゥ・ウーマンなど、耳馴染みのないグループが大半を占めていますが、みんないい曲ばかりです。

目移りする中から、今日は13曲目に入っているティーチャーズ・エディション「アイ・ウォナ・ビー・ラヴド」を。

1973年にハイ・レーベルから出た曲です。
エルヴィス・コステロが1984年にカヴァーした曲のオリジナルということになります。
コステロが日本公演に来た時、東京の某所でレコードをたくさん買っていった中にこの曲があり、気に入ってカヴァーしたらしい、という話を昔聞いたことがあります。森 勉


2020年11月15日(日) Naive Super feat Maki Nomiya 「Memory of Moonage Nightlife」

''大阪のプリファブ・スプラウト''と称されるネオアコ/アーバン・シンセ・ポップ・バンドPictured Resort。
そのキーボーディストYushi Ibukiソロ・プロジェクトであるNaive Superは、80~90'sなニューウェイヴ/シンセ・ポップ・サウンドで国内外から注目を集めています。

2020年4月から月1~2曲のペースで新曲を配信で発表。
今月4日は元Luby SparksのEmilyをゲスト・ヴォーカルに迎えた新曲が配信リリースされ話題に。
その2020年配信曲の中から2曲をカップリングした7インチ・シングルが発売されました。

Naive Super「Memories of Moonage Nightlife feat.Maki Nomiya/Keep Mine No Hidden feat.Sugar me」
(国内7インチEP TBV-0004 1,636円+税)

「月」をテーマにした2曲に、ゲスト・ヴォーカルとして野宮真貴、Sugar meをそれぞれフィーチャー!

Moogやシンクラヴィア・シンセなどを用いた拘りのサウンド、野宮さんによる「Moonage Nightlife~♪」のリフレイン、Naive Super作品の常連であるLuby Sparksのギタリスト、Sunao Hiwatariによる終盤の印象的なギターが聴く者を異空間へと誘います。東尾沙紀



2020年11月16日(月) Dawes 「Between The Zero And The One」

マンディ・ムーア『Silver Landings』(2020年4月29日今日のこの1曲紹介)は、希望の光を感じさせる傑作だ。

元夫ライアン・アダムスのDV被害・離婚・苦難を乗り越え、テイラー・ゴールドスミスと2018年再婚。
彼が全面サポートし制作した楽曲群には陽の気が漲っている。

そして、テイラー・ゴールドスミス率いるDAWES(ドーズ)も2020年作を発表した。

DAWES『Good Luck With Whatever』
(輸入CD Rounder 1166101020)

Dave Cobbがプロデュースを担当。
アメリカン・ロックの良心、優しさ、そして未来への決意を感じさせる全9曲。

今日のこの1曲は3曲目「Between The Zero And The One」を。
ジャクソン・ブラウンの名曲を彷彿とさせる美しいメロディーに、悲哀と覚悟を秘めた力強い歌声。

希望が宿った精神には、音と歌にその希望が乗り移り、聴く者の心に届くものなのだ。森 陽馬



2020年11月17日(火) 竹内まりや 「プラスティック・ラヴ」(ライヴ映像)

遂に竹内まりやの映像作品が発売になりました。

映像作品はゼッタイに!出さないだろうと言われている山下達郎がバックにずっと映っているので、竹内まりやのライヴも映画館はOKだけれども商品化は無理と思われていました。

しかしうれしいことに、映画館で上映され大好評だった『souvenir the movie~MARIYA TAKEUCHI Theater Live~』がそのままブルーレイ/DVDに。
ディスクは2枚組で、1枚目はその映画を全編ノーカット、2枚目は映画では未公開だったライヴ映像を4曲追加し、更に今まで制作された竹内まりやの楽曲を使ったミュージック・ビデオをほぼ全曲収録。更に更に「プラスティック・ラヴ」の2019年製作ビデオも完全版で収録されるというてんこ盛りです。

さて、今日のこの1曲は何にしましょうか。
やはり、昨今のシティ・ポップ・ブームの中、この曲が無難なところではないでしょうか。
「プラスティック・ラヴ」!

「いってみようか」というなんとも粋な姉御肌口調で始まるこの曲では、まりやさんのダンス姿及びエンディングの決めのポーズがまた観れますし、この曲をソングジャックしてしまう達郎さんのハイトーン・ヴォーカルもお茶の間で見放題なんですね。

ちなみに、ディスク2に入っているミュージック・ビデオの中からもオススメを1曲挙げておきたいと思います。
「真夜中のナイチンゲール」。
曲もいいし、ビデオもなかなかの出来だと思います。森 勉


竹内まりや『souvenir the movie ~MARIYA TAKEUCHI Theater Live Special Edition~』
(Blu-ray2枚組 WPXL-90242 9,000円+税/DVD2枚組 WPBL.-90558 8,000円+税)
初回プレスのみ2021年ライヴ・ツアー先行予約を受付できるマジックカード封入!
竹内まりや&山下達郎の対談も収録した80ページブックレット付


2020年11月18日(水) 寺尾紗穂 「岐阜/本巣のてまり唄 鳥になりたや」

今昔様々な人の想いで紡がれ、長い年月をかけ歌い継がれてきたわらべうた/子守唄/労働歌。
しかしながら現在は、全国各地で途絶えてしまいそうになっているのが実状です。

そんな現代人に忘れ去られようとしているわらべうたを、新たな表現・アレンジでカヴァーした1枚。

寺尾紗穂『わたしの好きなわらべうた2』
(国内CD 寺尾紗穂本人による各曲のミニ解説付 PCD-27047 2,700円+税)

2016年発表第1弾(2016年8月9日今日のこの1曲紹介)から更にサウンドがふくよかになった印象。
歌島昌智、冬にわかれて(伊賀航、あだち麗三郎)を中心にした演奏が、わらべうたの可能性をより広げています。

そして寺尾紗穂の唄。
何かが憑依したかのような力強さがありますね。

今日のこの1曲は7曲目、岐阜/本巣のてまり唄「鳥になりたや」。
彼女の神々しい歌声と、やぶくみこによるグンデルの音色が共鳴。
鳥が天国で羽ばたいているような異世界を感じさせてくれる不思議なナンバーです。森 陽馬

★寺尾紗穂『わたしの好きなわらべうた2』、当店のみの3大先着特典!
・ジャケット・イラスト正方形カード
・ジャケット・イラストマグネット
・寺尾紗穂インタビュー・リーフレット


2020年11月19日(木) George Benson 「Cruise Control」

ジョージ・ベンソンのライヴ盤といえば、1978年発表作『WEEKEND IN L.A.』(メローなロスの週末)。
1977年米国L.A.ロキシー・シアターでの臨場感溢れるライヴ音源で、永らく愛聴盤の1枚です。

それと双璧を成すような素晴らしい内容のライヴ・アルバムが新しく発売されました。

George Benson『WEEKEND IN LONDON』
(輸入CD PROVOGUE PRD76152/輸入LP2枚組も発売中)

英国ロンドンの老舗ジャズ・クラブ、ロニー・スコッツにて2019年行ったライヴを収めた全14曲。
ロニー・スコッツと言えば、ジェフ・ベックの名ライヴも記憶に新しいキャパ250名のライヴ・ハウス。
そんな小さい場所でのプレミアムな一夜の興奮が伝わってくる作品です。

ダニー・ハサウェイ「The Ghetto」、ロバータ・フラック等で有名な「Feel Like Makin' Love」カヴァー。
冒頭「Give Me The Night」、名盤『ブリージン』収録曲「Affirmation」他、聴き所満載!
演奏の質もさることながら、音質&ミックスが非常に良く、とっても気持ちいい音感ですね。

今日のこの1曲は、ファンキー&メロウ・グルーヴなラスト14曲目「Cruise Control」を。森 陽馬


2020年11月20日(金) Nick Kurosawa 「What You Won't Do For Love」

金澤寿和氏監修のコンピレーション、Light Mellowシリーズから<ハワイ編>が発売になりました。

『ライトメロウ・ハワイ~ミーツ・アロハ・ゴット・ソウル』
(国内CD 解説付 OTLCD-2510 2,300円+税)

2015年発足ホノルルのレーベルALOHA GOT SOULとのコラボレーションによるファンキー&ブリージンな70~80'sハワイ産AOR~シティ・ポップ・ナンバーを最新リマスタリングで楽しめるコンピレーションです。

近年7インチやLPも再発されるなど再注目のグリーンウッドによる山下達郎「Sparkle」英詞カヴァー(オリジナルの演奏にほぼ忠実)、テンダー・リーフ、リズ・ダモンズ・オリエント・エクスプレス、ノヘラニ・シプリアーノ、テレサ・ブライトが80年代に活動していた男女デュオ、スティーヴ&テレサ、見事なファルセットを聴かせるフェイズ7、踊りだしたくなるミュージック・マジック、ウエスト・コースト・ロックお好きな方も聴きもののレイ・グーリアックなど、聴き所満載の全19曲!

本日は低めの歌声がなんとも魅力的な新世代シンガー、ニック・クロサワによるボビー・コールドウェル名曲カヴァー「What You Won't Do For Love」を今日の1曲に。
このコンピでは唯一近年(2018年)の録音。アコースティック・ギター弾き語りによる切ない歌声が沁みます。東尾沙紀


2020年11月21日(土) Neil Young & Crazy Horse 「Be The Rain」

君は見たか!? ニール・ヤング&クレイジー・ホース2003年『GREENDALE』ツアー!

ステージ上で総勢約50名の出演者による演劇と、ニール・ヤングのライヴが同時進行。
ニールの歌が物語『GREENDALE』のセリフ&進行とリンクし、クレイジー・ホースの演奏が観る者を引き込む。

日本公演は2003年11月大阪、12日福岡、14・15東京。
呆気にとられた方も多かったようだが、僕にとってあの感動は今も忘れないほど大切なものだ。

その『GREENDALE』ツアー・ライヴ音源&映像がこの度オフィシャルリリースされた。

Neil Young & Crazy Horse『RETURN TO GREENDALE』
(輸入2CD+2LP+Blu-ray+DVD BOX reprise 9362489325/国内2枚組CDは11月25日発売)

環境問題、メディア・社会問題、反戦、家族愛、そして若者へのメッセージ。
ニールの伝えたいという想いで弾けた大団円「Be The Rain」が、17年前のイノセントな心に引き戻す。

そして、そのイノセントな心を持った瞳が17年後の自分へ問う。
「We got to wake up. We got to keep goin'.(目を覚まさなくては。進み続けなくては。)」 森 陽馬


2020年11月22日(日) EPO 「センチメンタル・シティロマンス」

エポはシングルになっていない曲でも好きな曲がたくさんあります。

今日はそんな曲を選んでみました。
1987年発表アルバム『GO GO EPO』にひっそりと収めらていた「センチメンタル・シティロマンス」という曲です。

まず、タイトルがいいですよね。
もちろん、こういうタイトルですから、バックの演奏はセンチメンタル・シティ・ロマンスです。

アレンジ、オルガン、エレクトリック・シタール等は告井延隆。
キーボード&ハーモニカは細井豊。ギターは中野督夫。
そしてこの3人が印象的なコーラスを担当しています。

エポが書いた詞も曲も、ちょっと感傷的ながらも彼女らしいポップさがあって、昔から大好きな曲です。

2011年発売RCA~ミディ時代の曲を収録した2枚組CDに収められています。ナイス・チョイス! 森 勉

★EPO『ゴールデン・ベスト~The Best 80's Director's Edition』
(国内2枚組CD 全32曲 MHCL-1994 2,857円+税)


2020年11月23日(月) John Forgerty 「Have You Ever Seen The Rain」

日本ではコロナ感染者が広がり第3波と言われていますが海外はより深刻。
アメリカ及びヨーロッパの一部では再びロックダウンされ、アーティストは皆大変な状況です。

コンサート活動ができない自粛期間中、自宅から配信で音楽を届けてくれるミュージシャンが多くなりました。

CCRのジョン・フォガティも自身のサイト&youtubeで家族と共にライヴ配信を行っています。
そこで公開した7曲に5曲を新たに追加し全12曲入りの2020年新作アルバムを発表しました。

John Fogerty『Fogerty's Factory』
(輸入CD BMG 538633602)

2020年で75歳になったジョン・フォガティと、息子2人(Shane、Tyler)&娘(Kelsy)。
4人で自宅録音したサウンドはシンプルなアレンジですが、ジョンの元気な歌声が際立って聴こえます。

今日のこの1曲は、CCRと言えばこの曲「Have You Ever Seen The Rain」(邦題:雨を見たかい)セルフカヴァーを。
ちなみにジャケットはCCR1969年発表名作『Cosmo's Factory』のセルフ・パロディーですね。森 陽馬


2020年11月24日(火) 山下達郎 「LADY BLUE」(LIVE VERSION)

山下達郎が発表した1980年代傑作アルバム『ポケット・ミュージック』と『僕の中の少年』が最新リマスターされ、ボーナス曲を追加して再発売されました。

今日はまず1986年発売『ポケット・ミュージック』を取り上げたいと思います。

山下達郎『POCKET MUSIC』 2020リマスター
(CD ボーナス・トラック6曲追加 山下達郎による新しく書き下ろしたライナーノーツ付 WPCL-13234 2,200円+税)
(LP 限定アナログ盤2枚組 WPJL-10130 4,000円+税)

『ポケット・ミュージック』はデジタル機器との格闘の末、完成まで手間取りましたが(くわしくは今回のブックレットに語られています)、1986年4月23日にレコードとカセットが、5月10日にCDが発売になっています。

それから30余年経ちましたが、苦労して出来上がったサウンドは全く古びることがなく、2020年の現在でも充分なインパクトを感じさせてくれます。最新リマスターでよりそこらへんを聴きとりつつ楽しみたいと思います。

「ポケット・ミュージック」ではバック・コーラスの村田和人の声が、「十字路」でもバック・コーラスの竹内まりやの声が気持ち大きく聴こえるような気がします。(個人の感想ですが)

今日のこの1曲は、ボーナス曲として入っている「LADY BLUE」ライヴ・ヴァージョンを。
1986年7月31日中野サンプラザホールでの収録で、途中達郎の渋くエモーショナルなギターソロが1分45秒も楽しめる約6分のライヴです。

ペット・サウンズ・レコードでは、新しくリマスターされた『ポケット・ミュージック』、『僕の中の少年』お買い上げの方に、山下達郎1986年ライヴ・ツアー等をレポートした当店作成発売記念リーフレットをプレゼント中です。森 勉


2020年11月25日(水) Kan Sano 「On My Way Home」

TV『関ジャム』で見たことある、という方多いのではないでしょうか。

最近知名度が上がってきた1983年生まれ金沢出身新世代ピアニスト/ミュージシャン、Kan Sano。
2019年作『Ghost Notes』(
2019年5月25日今日のこの1曲紹介)以来の約1年半ぶり新作『Susanna』が発売。

Kan Sano『Susanna』
(初回限定2枚組CD OPCA-1048 3,000円+税/限定LP OPAE-1016 3,000円+税)

同封のインタビュー解説によると、ネオソウルな前作『Ghost Notes』とは違うものにしたかった、とのこと。
低音が効いた四つ打ち楽曲(ビリー・アイリッシュの影響?)やクールなアップナンバーが増えました。

スタイリッシュかつかっこよくて、前に進もうという気概もたしかに感じるんだけれど...。
個人的には前作のネオソウルな雰囲気をより押し進めた楽曲をもっと聴きたかったかな。

彼特有の切なくもメロウで優しいピアノの奏が好きなんですよね。(懐古主義でスミマセン)
ということで、今日のこの1曲はノスタルジックな心持になるインスト曲「On My Way Home」を。

なお、前作に引き続き初回限定盤には、ソロ・ピアノ・アルバムがボーナスCDとして付いています。森 陽馬


2020年11月26日(木) Bill Brandon 「Strangest Feeling」

英ACEレーベル編集のダン・ペン&スプーナー・オールダム作品集第2弾がリリースされました。

『ハッピー・タイムズ~ソングス・オブ・ダン・ペン&スプーナー・オールダムVOL.2』
(国内CD 英文解説の対訳・歌詞付 PCD-17824 2,700円+税)

森勉店長2011年ベストにも選出されたロングセラー第1弾より更に深く掘り下げ、1960~70年代の録音から厳選した24曲を収録。

ダン・ペン2020年作『リヴィング・オン・マーシー』でセルフ・カヴァー「I Do」、ボックス・トップス1967年大ヒット・シングル「The Letter」B面曲「Happy Times」、ウィルソン・ピケットによるサザン・ソウル・バラード「Up Tight Good Woman」、メンフィスの白人ガレージ・バンドTHE YO YO'Sによるモータウン風ナンバー「Destroyed」、デュアン&グレッグ・オールマンが在籍したアワーグラスも取り上げた「The Power Of Love」(Don Varner)、スプーナーのピアノを擁したインスト「Spooner's Crowd」等々、近年陽の目をみたものや今回初CD化曲も含め、興味深い曲ばかり!

今日の1曲はダン&スプーナー共作による、これぞ!な激渋リズム&ブルース「Strangest Feeling」を。東尾沙紀


2020年11月27日(金) Ben Harper 「Inland Empire」

朝晩はだいぶ冷え込んできましたね。昼間でも陽が当たらない日は風がひんやりします。

例年ならば、店のドアを閉め自動ドアで営業する時期ですが、現在感染対策のためドアは開放したまま。
暖房をつけていますが、やっぱり寒いですね。

寒がりの森陽馬は果たしてこの冬を乗り越えられるのだろうか?
、、、というのは少し大げさかもしれませんが、ご来店される方は暖かい服装でお越しくださいませ。

さて、今日紹介するのは、冬を感じさせてくれる新譜この1枚。

Ben Harper『Winter is for Lovers』
(輸入CD ANTI 7777-2/輸入LP 7777-1)

カリフォルニア出身黒人スライド・ギタリスト/シンガー・ソングライター、ベン・ハーパー。
今作は彼の2020年発表新作で、ラップ・スティール・ギターによるインスト・アルバムです。

「Istanbul」、「Manhattan」、「London」、「Tronto」等、都市名が曲タイトルになっている全15曲。
これが、とっても味わい深くて良いですね。

今日のこの1曲は、4曲目「Inland Empire」。
デヴィッド・リンチの映画を想起しましたが、カリフォルニア州南部にInland Empireという地名があるそう。

これから毎年、冬の訪れと共に愛聴することになりそうな傑作。森 陽馬


2020年11月28日(土) Jeff Beck 「Caroline No」

エリック・クラプトンが1998年カリブ海アンティグアに設立した依存症更生施設<クロスロード・センター>。
自身の苦難と経験を活かし作られたこの施設を運営していくためにチャリティー・コンサートを行いました。
それが、<クロスロード・ギター・フェス>です。

1回目は1999年、その後2004年、2007年、2010年、2013年。
そして2019年、テキサス州ダラス、アメリカン・エアラインズ・センターにて6年ぶりに開催。
その模様を収めた音源&映像作品がこの度リリース!

エリック・クラプトン『クロスロード・ギター・フェスティヴァル2019』
(国内3CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-18372 3,900円+税/DVD 5,600円+税、Blu-rayもあり)

バディ・ガイ、ジェフ・ベック、ボニー・レイット、ジミー・ヴォーン、ピーター・フランプトン等ベテラン勢から、テデスキ・トラックス・バンド、ドイル・ブラムホールⅢ、ロバート・ランドルフ、ジョン・メイヤー、シェリル・クロウ等レギュラー陣、そして、トム・ミッシュ、ジェイムス・ベイ、マーカス・キング・バンド、リアン・ラ・ハヴァス等若手まで様々な豪傑が集結。

一番の聴きものはエリック・クラプトン他によるプリンス・カヴァー「Purple Rain」でしょうか。
他にも聴き所満載ですが、ジェフ・ベックによるビーチ・ボーイズカヴァー「Caroline No」を今日のこの1曲に。
ジェフ・ベックのビーチ・ボーイズ愛が伝わってきます。

ちなみにこのCD。紙ジャケでありながら独特な手触りが絶妙なパッケージですね。森 陽馬


2020年11月29日(日) 山下達郎 「僕の中の少年」

先日紹介した山下達郎『ポケット・ミュージック』と共に、『僕の中の少年』もボーナス・トラック入りでリマスター盤が発売になっています。

山下達郎『僕の中の少年』2020リマスター
(CD ボーナス・トラック7曲追加 山下達郎が新しく書き下ろしたライナーノーツ付 WPCL-13261 2,200円+税)
(LP 限定アナログ盤2枚組 WPJL-10132 4,000円+税)

1988年10月19日発売になったこのアルバムは、先行シングルとして発売されヒットした「踊ろよ、フィッシュ」、「ゲット・バック・イン・ラヴ」を含めて全9曲が収録されていました。
収録曲のどれもが質の高いもので発売されて30年以上経った現在でも全く古びない作品になっています。

音楽雑誌『レコード・コレクターズ』1988年12月号誌上でアルバム・レヴューを担当させてもらったり、日本のロック・アルバム<80年代編>特集(2010年9月号)では堂々の第3位に選出したりと、思い出深く大好きなアルバムです。

今日はその中から、アルバム発売前から車のCMで使用されメロディの良さと山下のマルチ・プレイによるサウンド構築の妙に打ちのめされていた「僕の中の少年」を。

なお、「蒼氓」と「踊ろよ、フィッシュ」の新しいミュージック・ビデオが
山下達郎オフィシャル・サイトで現在観れます。
メドレーのようになっていて、「踊ろよ、フィッシュ」に出演している石田ゆり子が少しですが「蒼氓」のラララ・コーラスを歌っているシーンもあります。「蒼氓」は間奏のギター・ソロがカットしてあるスペシャル・エディット・ヴァージョンになっています。是非チェックを。森 勉


2020年11月30日(月) 松任谷由実 「深海の街」

映画『音響ハウス』を渋谷ユーロスペースにて先日鑑賞。

1974年東京・銀座に設立され多くの名作を生み出してきた音楽スタジオ、音響ハウス。
坂本龍一、矢野顕子、松任谷由実、松任谷正隆、佐野元春、鈴木慶一他ミュージシャン達の貴重な話に加え、機材メンテナンスを約45年ずっと続けてきた遠藤誠含む裏方スタッフにもスポットを当てたドキュメンタリー作品。

山下達郎のバック等で有名なギタリスト/プロデューサー佐橋佳幸と、レコーディング・エンジニア飯尾芳史が発起人となり、高橋幸宏、大貫妙子、井上鑑他が参加、映画のために制作された新曲「Melody-Go-Round」。
その1曲が出来上がるまでの録音現場、スタジオならではの空気感が伝わる演奏シーンも描かれています。
(映画のプログラムには「Melody-Go-Round」収録CDが付いています)

約4分半の1曲、さりげないアンサンブル、たった数秒の短いフレーズ。
このために、たくさんの労力、試行錯誤、そして音楽家の閃きが注がれているのだ、と感銘を受けました。
と同時に、音楽が誰でも簡単に聴けて便利な反面、無感動に消費される現状に複雑な感情も沸き起こりましたね。

ともかく、スタジオで音楽が、そして魔法が生まれる瞬間を体感できる素晴らしい記録映像です。
大滝詠一や山下達郎の話も少し出てきます。松任谷正隆による“スタジオのマジック”も興味深い話でした。
機会があれば是非ご覧になってみてください。

さて、今日のこの1曲は、松任谷由実2020年入魂の新作『深海の街』からタイトル曲「深海の街」を。

松任谷由実『深海の街』
(初回限定盤DVD付 先着特典付 UPCH-29379 4,500円+税/通常CDのみ UPCH-20567 3,200円+税)

渡嘉敷祐一(Dr)、高水健司(B)、鳥山雄司(G)、浜口茂外也(Per)、松任谷正隆(Key)によるバック演奏。
ユーミンの歌、森本千絵が手掛けたビジュアルには、愛と夢と幻想と魔法が込められています。森 陽馬




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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