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  今日のこの1曲 “Archives”

<2023月1月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2023年1月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2023年1月1日(日) サニーデイ・サービス 「風船讃歌」

PET SOUNDS RECORDは、例年通り1月1日14時から営業を開始いたしました。

毎年来ていただける方、初めてご来店のお客様もいらっしゃって、とてもうれしい1日でした。
音楽を聴いてドキドキワクワクする気持ちを忘れずに、笑顔で過ごしていきたいですね。

ということで、“ドキドキ”とタイトルが付いたサニーデイ・サービスのアルバムから、1曲目「風船讃歌」を。

サニーデイ・サービス『DOKI DOKI』
(国内CD ROSE-300 2,750円税込/LP重量盤 ROSE-300EX 3,960円税込)

「あなたのそばに行き歌をうたってあげたいな。
世界が終わる日も潮風に乗って、きみの方へぼくは飛ぼう。」(「風船讃歌」歌詞より)

曽我部恵一さんのピュアな心がほとばしる、グッド・メロディーなナンバー♪

2023年もたくさんの良い音楽にめぐり会えますように。森 陽馬



2023年1月2日(月) ブライアン・ウィルソン 「ロング・プロミスト・ロード」

2022年夏に公開されたブライアン・ウィルソンのドキュメンタリー映画『ブライアン・ウィルソン~約束の旅路』が、ブルーレイ/DVD発売されました。

『ブライアン・ウィルソン 約束の旅路』
(国内ブルーレイ GNXF-2805 6,600円税込/国内DVD GNBF-5741 5,500円税込 共に解説付)

ブライアンとは気心の知れた音楽雑誌の元編集者であるジェイソン・ファインが運転する車に同乗しながら、インタビューに答えるという企画のドキュメンタリー93分。
ビーチ・ボーイズ/ブライアン・ウィルソンにとってゆかりのある場所を訪ねたり、レストランへ行ったり、近年のブライアンのありのままを捉えた貴重映像。

ブライアン・バンドをバックにレコーディング・スタジオでの映像もあります。
細やかな音のニュアンスをバンドに伝えるブライアン。60年代もそんな風にやっていたんだろうなぁ~という場面も。

この映画、いつ頃撮影されたんでしょうか?
1970年代前半ブライアンと曲を共作したこともありマネージャーも務めたジャック・ライリーが亡くなった、という話が出てくるので2015年4月以降。
スタジオの場面で2019年8月に亡くなったワンダーミンツのニック・ワルスコがギタリストとして登場しているので、2019年8月より前、ということになると思います。

今日の1曲は、映画の中で流れるブライアンによる「ロング・プロミスト・ロード」の新録音ヴァージョンを。

なお、ピチカート・ファイヴの小西康陽さんが解説を書いています。
タイトルは「またブライアン・ウィルソンが大好きになった」。読み応えのある文章です。森 勉



2023年1月3日(火) WALKING TO THE BEATS 「LOVE TOGETHER」

ひと昔前までは、1月1日発売の新譜が毎年いくつかあったのですが、例年減っている印象です。
(ちなみに、2023年1月1日発売は氣志團の新作がありました。)
CDだけでなくデジタルでの発売が増えましたし、プロモーションの兼ね合いもあるのでしょうね。

さて、2022年最後の週(12月28日)に発売された新譜から、今日のこの1曲を紹介しましょう。

WALKING TO THE BEATS『LOVE TOGETHER』
(国内7インチ・アナログ 完全限定クリア・ヴァイナル仕様 MHKL-70 2,200円税込)

2022年9月18日NHKホールにて行われた高橋幸宏の音楽活動50周年記念ライヴ『LOVE TOGETHER 愛こそはすべて』で、音楽監督を務めた高野寛がイベントのテーマ曲として書き下ろした楽曲です。

高野寛→鈴木慶一→坂本美雨→大貫妙子が順番にメイン・ヴォーカルをとり、細野晴臣がベースを担当。
他に、堀江博久、ゴンドウトモヒコ、大井一彌、Smooth Ace with SOTAROが参加。
A面はスタジオ・ヴァージョン、B面にはそのイベントのライヴ音源が収録されています。

配信のみではなく、このようにカタチとして残るフィジカルで発売されるのはうれしいことですね。森 陽馬



2023年1月4日(水) 矢野誠 「ひとりひとり」

矢野誠さんの新作オリジナル・アルバム、
と聞いて、クラシカルでアーティスティックな作品なのかな、と最初は思っていました。

しかし、PLAYボタンを押したら、ポップなメロディーに生バンド的なサウンド♪
女性シンガーが全曲メイン・ヴォーカルをとっていて、予想以上に親しみやすい1枚でした。

矢野誠『ミライのキオク』
(国内CD MYRD150 3,080円税込/アナログLPは3月発売予定)

今日のこの1曲は、谷川俊太郎の詩に、矢野誠さんが躍動感ある曲を付けた9曲目「ひとりひとり」を。

本作のアルバムには、ひらたよーこ、狩野和世、白神直子の女性シンガー3名が参加していますが、「ひとりひとり」ではその3人が集って順番にリードを歌い大団円な雰囲気に。

「ひとりひとりどんなに違っていても、ひとりひとりふるさとは同じこの地球」
谷川俊太郎によるこの歌詞に、本作への想いが詰まっているようにも感じました。森 陽馬



2023年1月5日(木) 一色萌とザ・ファントム・ギフト 「ハートにRock!」

これまでにデフ・スクール、ビリー・ブレムナー(ex.ロックパイル)、ザ・コーギスらとのスペシャルなコラボで楽しませてくれている、パブロック・アイドル一色萌(ひいろもえ)。

2022年12月にリリースされた彼女のソロ3枚目となる7インチ・シングルは、ネオGS伝説のバンド、ザ・ファントム・ギフトとの共演作です。

一色萌とザ・ファントム・ギフト『ハートにRock!』
(国内7インチ・アナログ NRSP-7106 1,870円税込)

サリー久保田、ナポレオン山岸、チャーリー森田オリジナル・メンバー3人が集結、ザ・ファントム・ギフト名義では35年ぶりのレコーディング作品としても話題のコラボ新曲「ハートにRock!」。

加納エミリ作詞・作曲・コーラス/ザ・ファントム・ギフト編曲による、超キャッチーなロック・ナンバー!
意中の彼を見かけるだけでドキドキが止まらない女の子の気持ちを歌ったこの曲。でも彼って実は...な片想いの結末にも注目です。

B面には2022年にリリースされたザ・コーギス日本独自編集盤『クール・ヒッツ、キュリオシティーズ&コラボレーションズ』にボーナス・トラックとして収録された一色萌「永遠の想い」(ザ・コーギスの日本語カヴァー)をカップリング。初アナログ化です! 東尾沙紀



2023年1月6日(金) The Foundations 「Baby Now That I've Found You」

ファウンデイションズは1960年代の音楽で育った者としては忘れられないグループです。

黒人のリード・ヴォーカリストを中心としたイギリスのグループで、、一般的にはわかりにくい例えで言うなら、アメリカのジェイ&テクニクスのような黒人白人の混合グループです。
ジェイ&テクニクスにはジェリー・ロスという有能なプロデューサー&ソングライターが付いていましたが、ファウンデイションズにはトニー・マコウレイという才能豊かな人がサポートしていました。
そんな所にもこの二つのグループは共通点を感じてしまいます。

さて、そのファウンデイションズの魅力がたっぷり詰め込まれた3枚組のCDを紹介したいと思います。

The Foundations『Am I Groovin' You ~ The PYE Anthology』
(輸入3枚組CD Cherry Red - Strawberry CRJAM011T)

内容はファースト・アルバム『From The Foundations』のモノラル&ステレオ・ヴァージョン両方、セカンド・アルバム『Digging The Foundations』、ライヴ・アルバム『Rocking The Foundations』、そして、初代ヴォーカリストだったクレム・カーティスのソロ音源など、レア音源も入った全75曲収録。

1967年に発売されイギリスではNo.1、アメリカでは第11位のヒットとなった「Baby Now That I've Found You」(星のベイビー)は本当にいい曲です。森 勉



2023年1月7日(土) 山下達郎 「FUTARI」

山下達郎が1976年~1982年の間に、RCA/AIRレーベルからリリースしたアルバム8作品が、180g重量盤アナログ・レコードとカセットテープで再発されることが決定しました。

まずは、1982年発表のロングセラー・アルバム『FOR YOU』が、5月3日発売予定です。

山下達郎『FOR YOU』
(2023年5月3日発売 国内LP 完全生産限定盤 180g重量盤 BVJL-90 4,400円税込)
(2023年5月3日発売 カセットテープ 完全生産限定盤 BVTL-2 3,300円税込)
<先着特典:ジャケット絵柄ポストカード>

中古レコード店の山下達郎コーナーを見れば、一昔前は数百円で複数枚置いてあった『FOR YOU』。
ここ数年で海外での人気もあり、値段が一気に高騰していました。

2023年最新リマスタリングが施され、新たなカッティングでの180g重量盤。
鈴木英人さんによるイラストも映える本作が、新品で手に入るのはうれしいですね。

『FOR YOU』といえば、コンサートでも定番の「SPARKLE」、感動のラスト「YOUR EYES」、後にドラマ主題歌にもなった「LOVELAND, ISLAND」が人気曲ですが、今日のこの1曲は、美しいバラード・ナンバー「FUTARI」を。森 陽馬

★6/7発売『RIDE ON TIME』、7/5発売『MOONGLOW』、『GO AHEAD!』、8/2発売『SPACY』、『CIRCUS TOWN』、9/6発売『IT'S A POPPIN' TIME』、『GREATEST HITS! OF TATSURO YAMASHITA』もご予約受付中です。



2023年1月8日(日) TINY STEP "SOUTHSIDE" TRIO 「On A Sunnyday」

若い世代を中心に人気上昇中のフィンランド出身ヴィンテージ・ソウル・シンガー、Bobby Oroza(ボビー・オローサ)。
大好評だった彼の2022年11月来日公演で、バックを務めていたのがこのバンドです。

TINY STEP "SOUTHSIDE" TRIO『FIRST FLIGHT』
(国内CD FSYY-0014 2,500円税込)

TINY STEP "SOUTHSIDE" TRIOは、ハモンドオルガン奏者の山口ゆきのりを中心としたインスト・トリオ。
<山口ゆきのり(ハモンド・オルガン)、秋廣シンイチロウ(ギター)、森俊也(ドラム)>

山口ゆきのりは、1999年にFULL SWINGのリーダーとして音楽活動を始め、現在はTINY STEP "SOUTHSIDE" TRIOのライヴや、サニーデイ・サービス「風船讃歌」に参加するなどキーボード奏者として活動しています。

そのTINY STEP "SOUTHSIDE" TRIOが2022年に製作したCDを当店でも販売させていただけることになりました。

一般流通していないため、あまり知られていない作品ですが、とってもゴキゲンなインスト・アルバムですね。
ロックステディを軸に、スカ、カリプソ、ポップスをミックスしたオーガニックな演奏が楽しめる全10曲収録。

今日のこの1曲は、2曲目「On A Sunnyday」を。
グット・タイム・ミュージックなBGMお探しの方、ハモンドオルガンの音色がお好きな方にオススメの1枚です。森 陽馬



2023年1月9日(月) ポール・デスモンド 「オールド・フレンズ」

一般のポップ・チャートにもヒット曲として名を連ねたジャズの名曲、デイヴ・ブルーベック・クァルテットの「テイク・ファイヴ」。
この曲でアルト・サックス・ソロを披露していたのが、ポール・デスモンドでした。

今日は、そのポール・デスモンドのソロ・アルバムを。

ポール・デスモンド『明日に架ける橋』
(国内CD UCCU-5941 1,650円税込)

1970年発表のアルバムで、10曲すべてサイモン&ガーファンクルの楽曲を取り上げて演奏しているものです。
「コンドルは飛んでいく」、「フランク・ロイド・ライトに捧げる歌」、「ミセス・ロビンソン」、「アメリカ」、「いとしのセシリア」、etc...。

どの曲もポール・デスモンドのやわらかな音色のアルト・サックスと、ドン・セベスキーのアレンジによるオーケストレーションが見事にブレンドして、心地良いサウンドを届けてくれます。

今日の1曲は、しみじみ感が味わえる「オールド・フレンズ」を。森 勉



2023年1月10日(火) 大橋トリオ 「Long Way Home」 feat Kenta Dedachi

2023年に入って早くも10日が経ちました。
東京ではポカポカ陽気が続いていましたが、今日は冷たい風がぴゅうぴゅうと吹いて、とても寒く感じましたね。

そんな本日は、新譜入荷日でした。
僕の大好きなアーティスト、大橋トリオの新譜でコラボ・ベスト盤が入荷したので早速取り上げましょう。

大橋トリオ『collaboration best : offWhite』
(CD+Blu-ray RZCD-87089 6,160円税込/CDのみ通常盤 RZCD-87090 3,410円税込)

大橋トリオが今までに他ミュージシャンとコラボした楽曲を集めた全12曲入。
新世代のアーティストとコラボした新録音の楽曲も4曲入っています。

中でも、Kenta Dedachiをfeatした11曲目「Long Way Home」という歌に感動しました。

Kenta Dedachiは、L.A.の現役大学生で1999年生まれの男性シンガー・ソングライター。
メジャー1stフル・アルバム『Midnight Sun』を2022年8月にソニーから発表しています。
その彼の澄んだ歌声が素晴らしい!

Kenta Dedachi自ら手掛けた英語の歌詞&歌声は、大橋トリオの曲&アレンジと親和性が高いですね。
特に、曲が始まって25秒過ぎあたりの、二人の声が重なる部分。
やさしい温もりと、さりげない切なさが感じられて、胸が熱くなりました。森 陽馬



2023年1月11日(水) Sofie Royer 「Feeling Bad Forsyth Street」

メランコリックなメロディ、物憂げな歌声、レトロなサウンドに引き込まれる注目の女性アーティスト。

ソフィー・ロイヤー『ハーレクイン』
(国内仕様CD 解説付 STH2476JP 3,080円税込)

オーストリア人の母、イラン人の父を持つエキゾチックなルックスも魅力的な彼女は、所属レーベルでもあるLAのStones Throwでスタッフとしての勤務経験があり、他にもロンドン発祥音楽プラットフォームBoiler Roomメンバー、DJ、ヴァイオリニストなど様々な経歴を持つシンガーソングライター/パフォーマーです。

ソフィー名義での2020年のデビュー作から2年、ソフィー・ロイヤーと名を新たに2022年に2作目『ハーレクイン』を発表。
2022年12月末には日本語解説付き国内仕様盤がリリースされました。

英語をメインにドイツ語(ウィーンの公用語)でも歌い、2022年ベスト・アルバムに選出したマルシと通ずるシンセ・ポップ「Baker Miller Pink」、ジョージ・ハリスンを想起させるギターが印象的な「Feeling Bad Forsyth Street」など70~80'sな雰囲気を醸し出す多彩な楽曲も魅力的です。

ライヴ映像を観るとキーボードをメインにヴァイオリンを弾く凛とした姿も...
是非日本でも生のパフォーマンスを観てみたいものです。東尾沙紀



2023年1月12日(木) David Crosby & The Lighthouse Band 「1974」

どこか遠くの深遠な世界、内なる宇宙へ旅するような感慨。

デヴィッド・クロスビーの歌声には、そんな想いを抱かせる不思議な力があります。

このライヴ盤は、彼がマイケル・リーグ(スナーキー・パピー)、ベッカ・スティーヴンス、ミシェル・ウィリスと組んで、2018年に発表したアルバム『Here If You Listen』を機に、2018年12月8日Capitol Theatreで行ったコンサートの音源&映像が収められています。

David Crosby & The Lighthouse Band『Live At The Capitol Theatre』
(輸入CD+DVD BMG 5053-864029)

The Lighthouse Band(マイケル・リーグ、ベッカ・スティーヴンス、ミシェル・ウィリス)のコーラスと美しい演奏は、クロスビーのその深遠な歌声と見事に調和していますね。
音数が少なくシンプルな編成ながら、音と音の隙間にある聴こえない“音”が心を浄化してくれました。

今日のこの1曲は、『Here If You Listen』収録曲で4人の共作曲「1974」を。森 陽馬



2023年1月13日(金) Rachael & Vilray 「Join Me in a Dream」

2023年ベスト・アルバム候補が早くも出ました!

Rachael & Vilray『I Love A Love Song!』
(輸入CD Nonesuch 075597909746/輸入LP 075597909753)

レイチェル&ヴィルレイは、僕が近年気に入っているバンドLake Street Diveの女性シンガーであるRachael Priceと、ニューイングランド音楽院からの友人男性ギタリストVilrayが組んだ男女デュオ。
2019年発表1st(
2020年5月16日今日のこの1曲紹介)は素晴らしい内容で、今でもよく聴いている1枚です。

コロナ禍を経て制作された本作のプロデュースは、前作と同じくDan Knoblerが担当。
リリース情報を知った昨年末から楽しみにしていましたが、その期待を上回る仕上がりでした。

古き良き時代の温もりを引き継ぐジャジーな演奏と歌に、心地良くゆったりと酔える全12曲入。
その中から7曲目「Join Me in a Dream」を今日のこの1曲に。

チェレスタ(celeste)の音色が美しいイントロからうっとり♪
クラリネット、トランペット、オルガン、そしてレイチェル・プライスの歌声もドリーミーに響いてきます。森 陽馬


2023年1月14日(土) MINA 「CITTA VUOTA」(It's A Lonely Town)

今日紹介するのは、2023年1月8日にサンデー・ソングブックでかかった曲に影響を受けたものです。

番組でかかったのは、イタリア人のミーナが1964年頃にアメリカ進出を考えてアメリカで録音した「Just Let Me Cry」。
レスリー・ゴーアも歌っていますが、英語で歌っていて、ミーナ・ヴァージョンもなかなかいい感じでした。

ということで、今日はミーナを。

Mina『The Queen of ITALIAN POP ~ Classic Ri-Fi Recordings 1963-1967』
(輸入CD ACE CDTOP-1581 16ページ英文ブックレット付)

イタリアの国民的歌手ミーナが、イタリアのレコード会社Ri-Fiレーベルで1963~67年の間に発表した曲から24曲を集めたCDです。
残念ながらサンソンでオンエアされたアメリカ録音の曲は収録されていませんが、「月影のナポリ」、「砂に消えた涙」(この曲は本CDにも収録)、「別離(わかれ)」ぐらいしか知らなかったいいかげんなミーナファンには、とても新鮮な楽曲ばかりでした。(反省!)

多くはイタリアの作曲家の作品ですが、中には、ボブ・クルー&ボブ・ゴーディオ、レノン&マッカートニー、アニー・マレスカ、アントニオ・カルロス・ジョビンの曲も歌っています。
ミーナって本当にうまい歌い手だなと思いました。

今日の1曲は、21曲目「砂に消えた涙」にしようと思ったのですが、それではなく8曲目「CITTA VUOTA」を。
ドク・ポーマス&モート・シューマン作品で、1963年にジーン・マクダニエルズがスマッシュ・ヒットさせた「It's A Lonely Town」をイタリア語にした曲です。

実はこのCD、2年以上前に発売され、店頭にずっとあったのですが、今まで聴いていませんでした。
サンソンのおかげでまた良いCDに出会えました。森 勉



2023年1月15日(日) Belle And Sebastian 「When You're Not With Me」

2022年5月発表の前作『ア・ビット・オブ・プリヴィアス』(2022年5月7日今日のこの1曲で紹介)から1年足らず。
ベル・アンド・セバスチャンの11作目となる新作が発売されました。

ベル・アンド・セバスチャン『レイト・デヴェロッパーズ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック1曲収録 OLE1896CDJP 2,420円税込/輸入LP 限定カラー盤もあり)

1月13日(金)世界同時発売日の直前に告知されてのサプライズ・リリース!

新作の楽曲は、久々に地元グラスゴーでレコーディングされた前作と同時期に録られたものだそうで、彼ららしいポップ・ソングは勿論、またまた新しい一面を見せてくれる新鮮な試みもあり、快活なエネルギーを感じる作品となっています。

彼らが注目するミュージシャン、ピート・ファーガソンが書いた「I Don't Know What You See In Me」は一瞬ベルセバとは気付かなさそうな80年代風のシンセ・ポップだったり、サラ・マーティンがリード・ヴォーカルを担当する「When You're Not With Me」のようなベースラインが耳に残るグルーヴィーでかっこいい曲があったり、1994年に書かれたという「When The Cynics Stare Back The Wall」はトレイシーアン・キャンベル(カメラ・オブスキュラ)とデュエットしていたり...。

ほっとするラヴソングに、ライヴで盛り上がりそうな楽しい曲もあり、聴きどころたっぷりの1枚です。東尾沙紀


2023年1月16日(月) トム・ジョーンズ 「Delilah」

映画『ドリーム・ホース』を新宿ピカデリーにて鑑賞。

『ドリーム・ホース』は実在した競走馬ドリームアライアンスの実話を映画化した作品。
ウェールズの小さな村に住む主婦が馬を育て、村人達が共同馬主となり、その馬が奇跡の活躍を果たす物語です。

競馬好きな僕はとても感動しました!
人間ドラマも描かれているので、馬に興味がなくても楽しめると思います。
また、馬への愛だけでなく、ウェールズ愛もひしひしと感じられる良い映画でしたね。

ちなみに、映画内ではウェールズ出身ミュージシャンの音楽が多く使われています。
マニック・ストリート・プリーチャーズ、スーパー・ファーリー・アニマルズ等の曲がかかり、キャサリン・ジェンキンスが競馬場でウェールズ国歌を熱唱する場面も出てきます。

今日のこの1曲は、トム・ジョーンズ「デライラ」を。
ラスト・シーンで本作のモデルとなったウェールズの村人たちも出演し合唱したのがこの歌でした。

豊かな人生には、お金ではなく、夢や希望、そして仲間と音楽が大切であることを教えてくれました。森 陽馬

★掲載ジャケットは、「デライラ」が収録されているトム・ジョーンズのベスト盤。
トム・ジョーンズ『グレイテスト・ヒッツ』
(国内CD 全23曲収録 UICZ-1133 2,724円税込)



2023年1月17日(火) ザ・クロマニヨンズ 「心配停止ブギウギ」

「ロックンロールは僕らを苦悩から解放してくれないし、逃避させてもくれない。
ただ、悩んだまま踊らせてくれるんだ。」(ピート・タウンゼント)

ピート・タウンゼントのこの名言を実感できる現代のバンド、と言えば、ザ・クロマニヨンズです。

そのザ・クロマニヨンズから、まさにロックンロールな新作アルバムが届きました。

ザ・クロマニヨンズ『マウンテンバナナ』
(CD BVCL-1263 3,204円税込/アナログLP BVJL-58 3,204円税込)

さかなクンが出ているNHKの番組主題歌「イノチノマーチ」含む全12曲収録。
その中から、ラスト12曲目「心配停止ブギウギ」を今日のこの1曲に。

「心配するのはもうやめた。心配したってしょうがない。
心配しても していなくても 時間は過ぎる 同じだけ。心配停止。」(「心配停止ブギウギ」歌詞より)

文字だと伝わりませんが、「心配停止」歌詞部分のブレイク&歌い方! 最高です。森 陽馬


2023年1月18日(水) ナイト・ライターズ 「愛のプレリュード」

ファンキーなソウル・インスト・ファンにおすすめのアルバムです。

ナイト・ライターズ『モーニング、ヌーン&ザ・ナイト・ライターズ』
(国内仕様CD 解説付 VSCD-6112 2,970円税込)

1970年代日本でもLPが発売されてそれなりに知名度があった大所帯のR&Bヴォーカル&インストゥルメンタル・グループ、ニュー・バースの前身がナイト・ライターズです。

トニー・チャーチルのサックスを中心に、ホーン・セクションはぶりぶり、ギターもベースもドラムスも、グルーヴィーな演奏を繰り広げています。
1971年全米ポップ・チャート最高位39位ながら、16週間もチャートインしていた「K-Jee」、サイコー!

あと、カーペンターズのヒットで有名なロジャー・ニコルス&ポール・ウィリアムス作「愛のプレリュード」(We've Only Just Begun)は、少しヴォーカルも入って、どこかで流れていたら、これ誰の演奏?と思ってしまうかっこ良さです。森 勉



2023年1月19日(木) Trashcan Sinatras 「Outside」

2022年、久々に新曲(4曲入りシングル)をリリースしたトラッシュキャン・シナトラズ。
4曲とも凄く良い曲なので、次回作への期待が高まります。(そう遠くないうちに聴けるといいですねぇ...)

トラッシュキャンは、旧作もここ数年で順にCD/レコードなどで再発されています。
昨年は2009年の名作『In The Music』が初LP化!そして先日は1996年発表の3作目『A Happy Pocket』最新リマスター盤が入荷しました。

Trashcan Sinatras『A Happy Pocket』
(輸入2CD PNFG25CD/輸入2LP 限定ブルー・カラー盤 PNFG25)

ルル「To Sir,With Love(いつも心に太陽を)」のドリーミーなカヴァー、名曲「How Can I Apply...?」他リマスターされた本編楽曲に加え、シングルB面曲をプラス!(CD版ディスク2には12曲、LP版ディスク2には6曲収録)

本日は、アルバムのオープニングを飾る「Outside」を今日の1曲に。
カウントから別世界へとつれて行ってくれる煌びやかで美しいインストです。

日本流通盤のLPには日本のギターポップ・バンドb-flowerの八野氏書き下ろしライナーノーツ、メンバーが描かれた素敵なデザインのポストカードが付いています。東尾沙紀



2023年1月20日(金) CSN&Y 「Almost Cut My Hair」

デヴィッド・クロスビー逝去、の報が届き、彼が生前残した音源を今日は繰り返し聴いていました。
ザ・バーズ、CSN、CSN&Y、ソロ作、先日発売されたThe Lighthouse Bandとのライヴ盤、etc...。

数ある作品中から、クロスビーらしい宇宙が感じられる1曲を選ぶならば、「Almost Cut My Hair」でしょう。

♪危うく自分の髪を切ってしまうところだった。ついこの間のことだ。少し長くなりすぎて、ちょっと邪魔になっていたからなんだ。でも僕は髪を切らなかった。僕のフリークの旗を、風になびかせていたいと感じているんだ。♪(「Allmost Cut My Hair」歌詞より)

ここで歌われている「長い髪」は、“アイデンティティ”。
「フリークの旗」は、“カウンター・カルチャー世代による反戦・自由の象徴”。
それを切って(諦めて)しまいそうになったことを歌った1970年発表曲です。

クロスビーは81歳で亡くなるまで、「長い髪」を切りませんでした。合掌。森 陽馬

★掲載ジャケットは、「Almost Cut My Hair」が収録されているCSN&Yの1970年発表名盤『デジャ・ヴ』。
クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング『デジャ・ヴ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-80356 1,650円税込)



2023年1月21日(土) STAN MOSLEY 「BLUES MAN (NO SOUL, NO BLUES)」

ちょうど1か月前、2022年12月21日に発売され、ソウル/ブルースファンから大評判となっている1枚がコレ!

スタン・モズリー『NO SOUL NO BLUES』
(国内CD 日本先行発売 ボーナス・トラック1曲追加 解説・歌詞付 PCD-25354 2,750円税込)

素晴らしい内容の本作は、P-VINEの創業者であった日暮泰文さん&高地明さんによる日本企画盤です。

スタン・モズリーは1952年シカゴ生まれの黒人シンガー。
南部ソウルの名レーベル、マラコから作品をリリースしていたこともある彼の自宅へ、日暮さん&高地さんが直接伺い企画・立案。ダイヤルトーン・レコードのエディ・スタウトがプロデュースを担当し、オースティンで録音されました。

暑苦しいほどにシャウトしまくるスタンの歌声が圧巻!
一昔前にP-VINEから色々出ていた黒汁溢れるソウル/ブルースな雰囲気を感じますね。

今日のこの1曲は、本作のテーマ・ソングとも言える2曲目「BLUES MAN (NO SOUL, NO BLUES」を。
テキサス・ホーンズによるホーンもぶりぶり入っていてかっこいい! 森 陽馬



2023年1月22日(日) デラニー&ボニー&フレンズ 「オンリー・ユー・ノウ・アンド・アイ・ノウ」

こんなライヴ・ツアー、観たかったなぁ~。

デラニー&ボニー&フレンズ『オン・ツアー・ウィズ・エリック・クラプトン』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-15009 1,257円税込)

アメリカ南部の音楽に根ざしたサウンドを信条としていたデラニー&ボニー・ブラムレット夫婦が、1969年に発表した名作ライヴ・アルバム
同年のヨーロッパ・ツアーから、ロンドンでのライヴが収められています。

参加メンバーが凄い。
デレク&ドミノスを結成する直前のエリック・クラプトン、ボビー・ウィットロック、カール・レイドル、ジム・ゴードンの4人に加えて、デイヴ・メイスン、ボビー・キーズ、ジム・プライス、リタ・クーリッジも参加。

今日はその中から、デイヴ・メイスン作品「オンリー・ユー・ノウ・アンド・アイ・ノウ」を。森 勉



2023年1月23日(月) エンニオ・モリコーネ 「ガブリエルのオーボエ」(映画『ミッション』より)

映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』を渋谷Bunkamuraル・シネマにて鑑賞。

『モリコーネ ~』は500作品以上の映画とTVの音楽を手掛けたエンニオ・モリコーネのドキュメンタリー映画。
『ニュー・シネマ・パラダイス』等で知られるジュゼッペ・トルナトーレ監督が手掛けています。

モリコーネは2020年に91歳で亡くなっていますが、生前に行ったインタビューが見応えタップリ。
ベルナルド・ベルトルッチ、クリント・イーストウッド、タランティーノや、ハンス・ジマー、ジョン・ウィリアムス、更にブルース・スプリングスティーン、ジョーン・バエズ、メタリカ等含め、著名人が多数出演。懐かしい映画の名場面も色々出てきます。制作過程や秘話が盛り沢山で、モリコーネが魂込めた映画音楽の奥深さを実感できました。

ただ、上映時間は約2時間40分! 展開も早く、集中して観ていないといつの間にか次の映画の話になっていたりして、僕には情報量が多すぎたかな、、、。モリコーネを勉強し直して、いつか観直したいと思います。

今日のこの1曲は、モリコーネ自身が選曲・指揮を手掛けた2016年発売の新録グレイテスト・ヒッツから、「ガブリエルのオーボエ」(映画『ミッション』より)を。

エンニオ・モリコーネ『モリコーネ60』
(国内CD UCCL-1190 3,300円税込)

『荒野の用心棒』、『夕陽のガンマン』、『ニュー・シネマ・パラダイス』、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』、初のアカデミー音楽賞を受賞した『ヘイトフル・エイト』他有名な楽曲を差し置いて、『ミッション』のこの曲が本作1曲目に収録されている理由が、映画を見れば納得できるハズ。

ちなみに、2023年1月末で閉館となる
渋谷東急百貨店本店は、多くの客で賑わっていました。
渋谷Bunkamura(もうすぐ休館)含め、見慣れた風景が失われてしまうのは寂しいですね。森 陽馬



2023年1月24日(火) 古内東子 「心にしまいましょう」

2023年3月21日発売『大滝詠一Novelty Song Book』2枚組CDの限定アナログ盤が、4月26日発売決定しました。

大滝詠一『大滝詠一 Novelty Song Book』
(4月26日発売 限定アナログLP 先着特典ポストカード付予定 SRJL-1150 4,290円税込)

3/21発売2枚組CDのディスク1(大滝詠一歌唱のノベルティ・ソング収録)がアナログ化される予定です。
どんな曲が収録されるか楽しみですね。

さて、当店では大ロングセラーとなっている『ALDELIGHT』(アルデライト)レーベルのコンピ『ALDELIGHT CITY』(
2021年10月26日今日のこの1曲紹介)に続く、新しいセレクトCDがソニー・ミュージックから本日出ました。

『ALDELIGHT J-R&B -A New Standard For Japanese R&B 1996-2010』
(国内2枚組CD 選曲・監修:矢野利裕 MHCL-2982 3,520円税込)

現代の若い世代やシティ・ポップ好きの方にも呼応する90~00年代日本のR&B人気曲&隠れた名曲を、2枚組CDに28曲集めたコンピレーション盤です。
露崎春女「Ride On Time」、森広隆「BOMBER」といった山下達郎カヴァーから、bird、sugar soul、wyolica、ACO、クリスタル・ケイ等の懐かしいヒット曲、現在も活躍中のJUJU、AI、三浦大知、平井堅の楽曲も収録されています。

今日のこの1曲は、古内東子の1998年シングル曲「心にしまいましょう」を。
Original Love等で知られる名ベーシスト小松秀行が編曲を手掛けています。 森 陽馬



2023年1月25日(水) 離婚伝説 「愛が一層メロウ」

キャッチーなメロディ、気持ち良いサウンドを鳴らす新世代ポップ・ユニット、その名も<離婚伝説>。

軽やかなギターカッティング、サビの「アイガイソメロー♪」のリフレインが耳に残る話題の楽曲「愛が一層メロウ」含む、ユニット初のフィジカル作品がリリースされました。

離婚伝説『愛が一層メロウ』
(国内CD 全3曲入り数量限定盤 RIKONCD-001 1,650円税込)

離婚伝説は、別府純(Gt)、松田歩(Vo)で2022年1月に結成された2人組ユニット。
インパクトのある名前でピンときた方はその通り!マーヴィン・ゲイ1978年作『離婚伝説(原題:Here My Dear)』がユニット名の由来なのだそうです。

2022年8月に配信リリースされた「愛が一層メロウ」、「メルヘンを捨てないで」(夏の終わりに聴きたい名曲)が、自らが手掛けるMV、ラジオ等でもじわじわと人気上昇中♪
初CD化となる前記2曲に、ギターソロもかっこいいグルーヴィーな最新曲「スパンコールの女」をプラスした全3曲が収録されています。

ブラック・ミュージックをはじめ、様々なルーツを持った2人とバンドが奏でる新世代シティ・ポップ・サウンド。
フル・アルバムも早く聴きたいですね。東尾沙紀



2023年1月26日(木) THE BREAKAWAYS 「That's How It Goes」

イギリスのコンポーザー/プロデューサー/アレンジャーであるトニー・ハッチ関連のCDは、1990~2000年代にたくさん出ましたが、ほとんどが廃盤・生産中止で現在は入手困難になっています。
店でも問い合わせが時々ありますが、「以前は出ていたのですが、今は、、、」と、ちょっと歯切れが悪い答えになってしまいます。

しかし、まだ強い味方が1枚残っています。
2014年にACEレコードから出たトニー・ハッチの作品集です。

『COLOUR MY WORLD - The Songs Of TONY HATCH』
(輸入CD ACE CDCHD-1399)

全25曲収録。ペトゥラ・クラーク「恋のダウンタウン」、スコット・ウォーカー「ジョアンナ」、クリス・モンテス「コール・ミー」、ゲイリー・ミルズ「星を求めて」、ボビー・ライデル「フォーゲット・ヒム」、ジャッキー・トレント「ホエア・アー・ユー・ナウ」など、大ヒット曲・有名曲はバッチリ入っています。

今日は、ヒット曲ではありませんが、ものすごくインパクトを持ったこの曲を。
ブレイクアウェイズ「ザッツ・ハウ・イット・ゴーズ」。

アメリカのフィル・スペクターに対する、イギリスからの返答のような力強い女3人組のヴォーカルと大迫力のサウンドです。

そう、この曲、ペット・サウンズ・レコード推しのあのガール・ポップ・バンド、ルラルもライヴでカヴァーしたことがありました。こんな曲をカヴァーするなんて、、、オドロキですね。森 勉



2023年1月27日(金) Incognito 「Still A Friend Of Mine」(LIVE)

「肌の色も思想信条も超えて、グルーヴがあれば僕たちはひとつの共同体になれる」(ブルーイ)

ブルーイによるこの言葉は、1996年12月14日東京・恵比寿ガーデンホールで行われたインコグニートのコンサートにて、ラスト曲「Still A Friend Of Mine」終了後のMCで発せられたものです。

その「Still A Friend Of Mine」とMCも収録された1996年来日公演のライヴ音源が、ブルーイ選曲によるレア・トラック&新録曲「You Are In My System」等を追加した国内盤2CD仕様で発売されました。

インコグニート『TOKYO DREAMS』
(国内CD 日本独自企画 限定盤 歌詞・対訳付 UICY-80228 3,960円税込)

UKソウル/アシッド・ジャズ、とジャンル分けされるインコグニートには、愛の大切さを表した歌が多くあります。

ファンキーな演奏・サウンドの根底には、家族・恋人・友達、様々な対象への“愛”が込められていて、その愛がグルーヴとなり、聴く者の身体を揺らしているのだ、ということを実感できました。森 陽馬



2023年1月28日(土) 小倉博和 「Snowflakes」

昨夜(1月27日)の東京は雪が降って、店の前も少しだけ積もりました。
都会で雪が舞い落ちている時の風景と静けさは、どこか神秘的な雰囲気がありますね。

さて、名ギタリストの小倉博和さんが、新しいアルバム『SNOWFLAKES』を本日発表しました。

小倉博和『SNOWFLAKES』
(国内CD 小倉博和による曲目解説付 GT-1115 2,500円税込)

『SNOWFLAKES』はギタリストにとって憧れの名器<1938年製Martin D-45>の通称で、雪の結晶をかたどった"snowflakes"のマークがインレイなどにデザインされています。

小倉博和さんはロサンゼルスでこの名器に出逢い心奪われたそう。
その1938年製Martin D-45と、D-45のボディを7/8サイズに縮小して2001年に製作された<CUSTOM 7-45>(このモデルにもsnowflakesのインレイあり)を使用し録音したインスト7曲が、本作に収録されています。

今日のこの1曲は、CUSTOM 7-45で演奏された1曲目「Snowflakes」を。
静かに雪が降り積もる様子を2種類のディレイを使って表現しています。森 陽馬



2023年1月29日(日) The Lovelites 「You've Lost That Lovin' Feelin' (ふられた気持)」

当時十代だったとは思えない成熟した歌声とハーモニー♪

作曲にも携わり、主にリード・ヴォーカルを務めたパティ・ハミルトンを中心に70年代に活躍したシカゴの3人組ガール・グループ、ザ・ラヴライツ。

グループ最大のヒット「How Can I Tell My Mom And Dad」、現在も根強い人気を誇るバラード「This Love Is Real」他を収録した1970年発表の唯一作『ラヴライツより愛をこめて (With Love From The Lovelites)』と、その後のシングル&未発表曲を集めた編集盤『ラヴ・ソー・ストロング~ザ・ラヴライト・レコーディングズ』が再発されました。

編集盤の方には、マーサ&ザ・ヴァンデラス「My Baby Loves Me」などモータウン風の軽快なナンバーから、当時未発表であったマイケル・ジャクソン「Got To Be There」、スタイリスティックスのヒット「Betcha By Golly,Wow」、ライチャス・ブラザーズ「ふられた気持(You've Lost That Lovin' Feelin')」(7分を超える大作!)など興味深いカヴァーに、ファンキーなダンス・ナンバー、バラードなど多彩な16曲が収録されています。

掲載ジャケットはザ・ラヴライツの編集盤『ラヴ・ソー・ストロング~ザ・ラヴライト・レコーディングズ』
(国内CD 解説・歌詞付 PCD-94136 2,640円税込)です。東尾沙紀



2023年1月30日(月) 坂本龍一 「Merry Christmas Mr. Lawrence」

映画『戦場のメリークリスマス』(4K修復版)を、ヒューマントラストシネマ渋谷で鑑賞。

大島渚監督による1983年公開映画で、デヴィッド・ボウイ、トム・コンティ、坂本龍一、ビートたけしが主演。
内田裕也、ジョニー大倉なども出演し豪華な顔ぶれですが、笑えるような場面はほぼありません。
舞台は第二次世界大戦、俘虜収容所のジャワ島(撮影はラロトンガ島)で、息を呑むような緊張感がある作品です。

<戦闘シーンのない戦争映画>ながら、日本軍人の切腹シーンや、ビートたけし演じるハラ軍曹の今で言うパワハラには、目を覆いたくなるような怖さがありますね。
原作は英国人のローレンス・ヴァン・デル・ポストで、俘虜収容所での実際の経験が基になっているとのこと。
戦争の愚かさや狂気が、日本人からの視点だけではなく、英国人俘虜の視点でも描かれています。

なお、坂本龍一は大島渚監督から最初に俳優として出演を打診された時、「音楽もやらせてほしい」と答え、彼にとって初のサントラ作曲を手掛けることになったそうです。
主題歌「Merry Christmas Mr. Lawrence」が、結果的に彼の代表曲となったわけで、坂本龍一の人生において重要な転換期となった映画かもしれません。

その映画サントラは、リマスター&未発表テイク等加えた2CD仕様で2013年に30周年盤が出ています。
坂本龍一『戦場のメリークリスマス』30th anniversary edition
(国内2枚組CD 限定盤 オノ・セイゲンによるリマスタリング MDCL-5017 4,180円税込)

ちなみに、大島渚監督作品が国立機関に所蔵される予定のため、今回が最後のロードショー。
2023年に入ってから各地で上映されていて、
こちらの公式ページで上映館を確認できます。
4K修復で、抜けるような青空がクッキリとし、ボウイや坂本龍一の精悍な表情がより美しくなりました。
独特な余韻が残る本作を映画館で観ておきたいという方はチェックしてみてください。森 陽馬


2023年1月31日(火) BOBBY McFERRIN 「Don't Worry, Be Happy」

♪ 生きていれば、トラブルはつきものだよ。その都度心配していたら、余計悩みが膨らんじゃうよ。
心配しないで、楽しくいこう。心配ないさ、楽しく生きていこうよ。♪
(Bobby McFerrin 「Don't Worry, Be Happy」歌詞より)

哀しいことやつらいことがあった時、この歌のイントロの口笛を吹くようにしています。
そうすると、心の重荷が少しだけ軽くなる感じがするのです。

ボビー・マクファーリン「Don't Worry, Be Happy」は、トム・クルーズ主演映画『カクテル』の挿入歌として使われ、アカペラ曲として初めて全米1位に輝きグラミー賞も獲得した楽曲。
彼が1988年に発表したアルバム『Simple Pleasures』に収録されています。

ボビー・マクファーリン『Simple Pleasures』
(国内CD 解説・歌詞付 UCCU-5948 1,650円税込)

1月も今日で終わりですが、皆さんにとってどんな1ヶ月でしたか?
2023年はまだ始まったばかり。笑顔で楽しく過ごしていきたいですね。森 陽馬






これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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