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  今日のこの1曲 “Archives”

<2023月3月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2023年3月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2023年3月1日(水) シュガー・ベイブ 「雨は手のひらにいっぱい」

ペット・サウンズ・レコードの店舗は、東急目黒線の武蔵小山駅(ホームは地下)の地上ロータリーに面したところにあります。

そのロータリーには今まで、五反田駅~世田谷区民会館(東京医療センター、弦巻営業所行きもあり)の1路線のみバスが運行されていましたが、本日3月1日より路線が増えました。
武蔵小山駅~大井町~品川~高輪ゲートウェイ駅、という路線です。

この路線は武蔵小山駅で暮らす我々にとっては待望の運行です。
これで、大井町近くにある品川区役所へ行くのも便利になります。
ですが、この路線は日中のみの運行で、しかも、ほぼ1時間に1本という寂しさ...。
土日は武蔵小山~大井町のみの運行ということです。

店が今の場所へ移転した時から、大井町行きのバスは計画されていたようですが、それから16年。
とりあえずはバス新路線を喜びたいと思います。
そう、武蔵小山~羽田空港、というバスも運行し始めました。(早朝5時10分、7時35分の2本だけですが)

ということで、今日はバスにちなんだ曲を。

直球ならば、ホリーズ「バス・ストップ」で決まり、変化球でザ・フー「マジック・バス」。
はたまた、平浩二「バス・ストップ」と思ったのですが、この曲にしました。
シュガー・ベイブ「雨は手のひらにいっぱい」。
タイトルにはバスがありませんが、歌詞の中にバスが登場します。

今日は40周年記念2枚組エディションより、1976年4月1日荻窪ロフトのライヴ音源で。森 勉

シュガー・ベイブ『ソングス』
(国内2枚組CD 44ページブックレット付 WPCL-12160 3,080円税込)



2023年3月2日(木) benzo 「雨は手のひらにいっぱい」

シュガー・ベイブ「雨は手のひらにいっぱい」を、benzoがカヴァーした音源が限定7インチで出ました。

benzo『雨は手のひらにいっぱい/FLOWER』
(国内7インチ・アナログ CRK1030 2,420円税込)

benzo(ベンゾ)は、平泉光司(COUCH等で活動中)、伊賀航(細野晴臣、寺尾紗穂等のベーシストとして大活躍)、高野勲(GRAPEVINE等のキーボーディストとして活動中)らによって、北海道で90年代に結成したバンドです。

1998年にクラウンよりメジャー・デビューしてから2023年で25周年を記念し、全曲サブスク解禁。
そして、2000年発表曲「FLOWER」と、そのシングル3曲目「雨は手のひら~」がこの度、初7インチ・アナログ化。
平泉光司の澄んだハイトーン・ヴォイスと心地良いバンド・サウンドで、発売当時も話題になった記憶があります。

2001年頃には“喫茶ロック”のムーヴメントがあって、70~80年代日本のロック/ポップスが再評価されたのと同時に、新世代の“喫茶ロック”にも注目が集まりました。
あれから約20年が経ち、現在のシティ・ポップ・ブームによって、当時は新世代だったbenzoのこのカヴァーが、新たな若い世代に聴かれることになるのは、音楽と時代の不思議な巡り合わせを感じますね。森 陽馬



2023年3月3日(金) 須藤薫 「LOVE AGAIN」

3月3日ひなまつりは須藤薫さんの命日です。
2023年で10年が経ちました。

月並みながら、この10年は長いようであっという間でしたね。
薫さんが残した作品を改めて聴いて、その歌声が持つ明るさと切なさに、胸が熱くなりました。

今日のこの1曲は、1980年発表1stアルバム『Chef's Special』に収録、シングルカットもされた「LOVE AGAIN」を。

杉真理さんが薫さんへ初めて書いた曲であり、また杉さんが大滝詠一さんと関わるきっかけにもなった曲です。

というのも、当時デビューしたばかりの松田聖子さんが<「LOVE AGAIN」と「あなただけI Love You」が好き>と何かの雑誌で語り、その記事を大滝さんが読んで、『ナイアガラ・トランアングルVol.2』への布石となったそう。

掲載ジャケットは、須藤薫&杉真理『ライヴ ポップン・ロール TANABATA July 2000』。
(国内CD DQCL-3555 2,750円税込)

温もりを増した薫さんの歌声が素晴らしい2000年のライヴ盤。「LOVE AGAIN」は1曲目に歌われています。森 陽馬



2023年3月4日(土) ジェフ・ベック&ジョニー・デップ 「Caroline, No」

村上春樹がDJを務めるラジオ番組『村上RADIO』。
先週2月26日(日)の特集は、ビーチ・ボーイズ『ペット・サウンズ』の全曲カヴァーでした。

当店名の由来となったビーチ・ボーイズの1966年発表名盤アルバム『ペット・サウンズ』を、収録楽曲順にカヴァー・ヴァージョン(ブライアン・ウィルソン本人のセルフ・カヴァー含む)で紹介してくれました。

最近はクラシック・レコードのジャケット本を出したり、ジャズに関する話題も多かった村上春樹ですが、ビーチ・ボーイズ/ブライアン・ウィルソンを今も変わらず好きなんだ、というのが放送から伝わってきて、うれしかったですね。

さて、『ペット・サウンズ』収録曲のカヴァーといえば、このアルバムに2曲収録されています。

ジェフ・ベック&ジョニー・デップ『18』
(国内CD ジェフ・ベック本人による解説・歌詞・対訳付 WPCR-18536 2,860円税込)

2023年1月に急逝したジェフ・ベックが、ジョニー・デップと組みリリースした2022年作。
ジョニー・デップが歌う色々なカヴァーが入っていますが、「Don't Talk」、「Caroline, No」はジェフによる叙情的なギター・インストで聴かせます。

更に本作には、デニス・ウィルソン「Time」(『Pacific Ocean Blue』収録曲)のカヴァーも収録。
ジェフ・ベック本人による楽曲解説・解説文からも、ビーチ・ボーイズ愛が感じられますね。森 陽馬



2023年3月5日(日) Harmony Grass 「My Little Girl」

キャスタウェイズ、ハーモニー・グラス、サマー・ワイン他裏方としても活躍した、英国ハーモニー・ポップ知る人ぞ知るミュージシャン、トニー・リヴァースの最新コンピレーションが発売されました。

Tony Rivers『Move A Little Closer:The Complete Recordings 1963-1970』
(輸入CD3枚組 CRSEG126T)

60年代に活動したトニー・リヴァース&キャスタウェイズのスタジオ音源を収めたディスク①。
メンバーチェンジを経て改名後、ハーモニー・グラスとして1970年に発表した唯一のアルバム『This Is Us』まるごと+αを収録したディスク②。
そして、今回初出しとなるBBC音源を集めたディスク③のCD3枚組、全88曲の大ヴォリュームです。

ディスク③にはキャスタウェイズによる「All My Loving」、「Roll Over Beethoven」などライヴ音源や、ビーチ・ボーイズ完コピ「I Get Around」、「When I Grow Up To Be A Man」をはじめ、ハーモニー・グラス期の「Walk On By」、「Whichita Lineman」などカヴァーもいろいろ収録されています。

今作のタイトルにもなっているハーモニー・グラス唯一のヒット・シングル「Move In A Little Closer Baby」も良いですが、同じくハーモニー・グラスの楽曲でリヴァース作による初期ビーチ・ボーイズをイメージした軽快なナンバー「My Little Girl」を今日の1曲に。東尾沙紀



2023年3月6日(月) エルヴィス・コステロ&バート・バカラック 「ディス・ハウス・イズ・エンプティ・ナウ」

今日は、僕が1990年代に最も感銘を受けたアルバム『ペインテッド・フロム・メモリー』の紹介です。

ちょうど25周年記念で最新リマスターされた音源とスペシャル・ディスクがセットになったものが出ました。

エルヴィス・コステロ&バート・バカラック『ソングス・オブ・バカラック&コステロ』
(国内2枚組CD 大鷹俊一氏による解説・歌詞・対訳付 UICY-16148 3,960円税込)

1枚目は、1998年発表『ペインテッド・フロム・メモリー』の2023年最新リマスターを収録。
90's最愛のアルバムで、全曲バカラック&コステロの作品。
基本的にはバカラックが作曲・編曲・オーケストラの指揮、コステロが歌詞とヴォーカルを担当、なのですが、ふたりのいろいろなアイディアが曲の中に反映されていることは確かだろうと推測されます。

2枚目は、『ペインテッド・フロム・メモリー』を基にしたブロードウェイ・ミュージカル『テイクン・フロム・ライフ』のためのバカラック&コステロ作品集。残念なことに未だ舞台化はされていないようですが、素晴らしい曲ばかり全16曲収録。
この内9曲が新録及び未発表曲で、このCDで初お目見えとなるものです。
未発表曲「ライ・バック&シンク・オブ・イングランド」はバカラックのソロです。渋い歌とピアノが心に沁みます。

今日の1曲は、『ペインテッド・フロム・メモリー』から、「ディス・ハウス・イズ・エンプティ・ナウ」を。

思慮深いコステロが、ハル・デイヴィッド&バカラック作の名曲「ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム」をトリビュートしたような曲です。
コステロの声のコントロールが特に素晴らしく、バカラックの曲が活きています。
間奏で短いギター・ソロを決めてくれるのは、名手ディーン・パークス。森 勉



2023年3月7日(火) 寺尾紗穂 (新曲 タイトル不明)「拡声器 ? or 検索しても ?」

寺尾紗穂さんが発起人として行っている音楽フェス、りんりんふぇす。
路上生活者が販売員となり、売上の約6割がその人の収入となる仕組みの雑誌『BIG ISSUE』を、多くの人に知ってもらい、ホームレス問題や自分たちの生活・仕事について考えよう、との目的で行ってきたイベントです。

2023年3月5日(日)外苑前・梅窓院にて、その第10回目が行われました。

約5年ぶりの開催でしたが、今までと変わらず、温もりが感じられるフェスでしたね。
その温もりは、出演者&スタッフに加え、観客の優しい眼差しからも伝わってきました。

会場入口で配布していたベトナムのフォーや春巻きも美味しかったですね。
改めて、イベントに関わった皆様ありがとうございました。とても楽しい1日でした。

川村亘平斎による影絵パフォーマンスは大好評でしたし、トリの浜田真理子&Marinoも素晴らしかったのですが、この日に観た中で一番印象に残ったのは、寺尾紗穂さんの新曲でした。

<ウクライナのある少年が1年前、「戦争の止め方」と必死にネット検索していたのが、現在は「武器が欲しい」と語っている>、という記事を読んで書いた歌だそうです。
「検索しても」という歌い出し、「拡声器」という言葉、そして、絶望の先にある希望とそれを求める強い意志が、痛切に心へ焼き付きました。森 陽馬

★新曲のタイトルは不明。(「拡声器」or「検索しても」?)
掲載ジャケットは、寺尾紗穂の2022年発表作『余白のメロディ』。



2023年3月8日(水) 大木トオル 「Sentimental Blues Boy」

ブルースファン、犬を愛する方々は要チェック!
日本ブルース界のレジェンド、大木トオルさんが音楽活動55周年を記念して、約15年ぶりの新作を発表しました。

大木トオル『SENTIMENTAL BLUES BOY』
(国内CD AP-1100 2,750円税込)

新録音4曲に、これまでのアルバムから再録音した楽曲含めた全8曲入。
包容力溢れる歌声が素晴らしいですね。
活気溢れる演奏とそれに負けないソウルフルなヴォーカルを聴いていると、身体も心も熱くなってきます。

今日のこの1曲は、ラスト8曲目に入っている新録曲「Ssntimental Blues Boy」を。
♪サム・クックのバラードで 二人の愛は近づいたのに 今はひとりで口ずさむ Sentimental Blues Boy♪
という歌詞が印象的。

ブルースマンとしての活動と並行して、殺処分寸前の捨て犬たちの救助とセラピードッグの育成に心血を注ぎ、動物愛護法の改正に多大な貢献をしてきた彼の半生を記した同封のブックレットも充実&読み応えタップリ。
なお、このCDの収益は、捨て犬たちの医療費とセラピードッグ育成のために寄付されるそうです。森 陽馬



2023年3月9日(木) サム・クック 「シェイク」

サム・クックの名前を知ったのは、1965年初頭にヒットしていた「シェイク」を聴いた時でした。

ラジオから流れてきた軽快なこの曲、すぐに「いいなぁ」と思ったのですが、曲が終わった後にラジオのパーソナリティの人が「残念ながら、この曲を歌っているサム・クックは昨年12月に亡くなってしまいました。」というコメントを付け加えていました。
そんなこともあり、サム・クックという名は頭の中にとどまりました。

その数か月後、イギリスのビート・グループによって、サム・クックの名がまた呼び戻されることになりました。
・ハーマンズ・ハーミッツ「ワンダフル・ワールド」
・アニマルズ「悲しき叫び」(ブリング・イット・オン・ホーム・トゥ・ミー)
どちらも大好きな曲です。
2曲ともサム・クックのヒット曲のカヴァーでした。

サム・クックって歌もいいし、いい曲を書く人なんだなぁ~と思いました。
1965年の遠い想い出のひとつです。

サム・クック『ポートレイト・オブ・ア・レジェンド』
(国内CD 英文ライナー対訳・歌詞・対訳付 UICY-15185 2,305円税込)

このCDは、サム・クックの名曲を31曲収録。
「シェイク」、「ワンダフル・ワールド」、「ブリング・イット・オン・ホーム・トゥ・ミー」はもちろん、「ユー・センド・ミー」、「キューピッド」、「ツイストで踊りあかそう」、「オンリー・シックスティーン」、「アナザー・サタデイ・ナイト」、「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」等々、名曲目白押し。色々なベストが出ている中でもベストな内容だと思います。森 勉



2023年3月10日(金) Horn House 「Human Synths」 feat Young Gun Silver Fox

ヤング・ガン・シルヴァー・フォックスの作品に欠かせない存在!
管楽器奏者2人によるユニット、ホーン・ハウスがデビュー作を発表しました。

ホーン・ハウス『ヒューマン・シンス』
(国内CD 解説・歌詞付 ボーナス・トラック2曲追加 PCD-26094 2,860円税込)

ホーン・ハウスは、インコグニート、レヴェル42をはじめ数多くのセッション、ショーン・リーとのスーパー・ハイウェイ・バンド(
2022年3月1日今日のこの1曲で紹介)も評判となったトロンボーン奏者ニコル・トムソンと、ジェリー・ヘイ(シーウィンド)に師事し、ジャズ、ポップス界で活躍するトランペット奏者トム・ウォルシュによるプロジェクト。

70~80年代ウエストコーストをインスピレーションの源に、キレッキレで気持ちいい演奏を聴かせてくれます。

ネイト・ウィリアムス、ネイザン・キング(レヴェル42)ら、交流のあるミュージシャンもヴォーカル、共作、演奏等で参加!
ホーン・ハウスの2人も歌声&ハーモニーもなかなか素敵で、そちらも聴きどころのひとつです。

本日はヤング・ガン・シルヴァー・フォックスの2人が参加したバラード「Human Synths」を今日の1曲に。

ボーナス・トラックとして収録されている「Big Bang feat.ネイザン・キング」も凄くかっこいいので是非チェックしてみてください。東尾沙紀



2023年3月11日(土) Eva Cassidy with London Symphony Orchestra 「People Get Ready」

東日本大震災から12年が経ちました。

生きていれば、楽しいだけでなく、哀しいことやつらいこともあります。
でも、そのひとつひとつが、生きることの意味なのかな。

エヴァ・キャシディの歌声を聴きながら、そんなことを考えた1日でした。

EVA CASSIDY『I Can Only Be Me』
(輸入CD Blix Street Records G2-10121/ブックレット仕様デラックス盤輸入CD G2-10221)

昨日発売されたばかりの本作は、1996年に亡くなった女性シンガー、エヴァ・キャシディの歌声と、新たに録音したロンドン・シンフォニー・オーケストラの演奏を融合し制作されたアルバムです。

今日のこの1曲は、カーティス・メイフィールド作「People Get Ready」カヴァーを。
彼女の美しく力強い歌声は、最新の技術でより輝きを放ち、心に響いてきます。森 陽馬



2023年3月12日(日) 南沙織 「春の予感」

春の予感が・・・、なんて思っていたら、なんだか夏の予感のような暖かさが続いていますね。

個人的には、春の予感は、鼻がむずむず、肌がかさかさ、頭がボー、そして目がかゆくなって...。
いわゆる花粉症の始まりによって実感することが多いです。
約2カ月の辛抱です。

音楽の春の予感は、やはりこの曲でしょうか。

南沙織「春の予感 ~I've Been Mellow」
♪春に誘われたわけじゃない~♪の、「春」の強調の仕方が南沙織ならではでいいですね。

作詞・作曲は尾崎亜美。
彼女のセルフ・カヴァーも好きです。森 勉

★掲載ジャケットは、南沙織『ゴールデン・ベスト ~コンプリート・シングル・コレクション』
(2枚組CD 44ページ・オールカラー歌詞ブック付 MHCL-1788 3,143円税込)



2023年3月13日(月) ヴァン・モリソン 「Green Rocky Road」

精力的に作品を出しまくっているヴァン・モリソンが、またまた新しいアルバムを発表しました。

ヴァン・モリソン『Moving On Skiffle』
(国内2枚組CD 天辰保文氏による解説付 UICB-1019 3,960円税込)

スキッフルとは、20世紀前半にアメリカで生まれたルーツ・サウンドの1つで、1950年代半ばにロニー・ドネガンにより生まれ変わり、ビートルズがデビューする前の英国にて多くの人に親しまれた音楽。
本作は、そのスキッフルをヴァン・モリソン流に料理した1枚です。

ヴァン自身が好きだったスキッフル・ソングに、カントリー、ブルース、ジャズ的要素も加味。
実に楽し気に歌って演奏しているのが伝わってきます。
全体的な音質の良さも特筆すべき点ですね。

今日のこの1曲は、2枚組全23曲中ラストに収録されている9分強の長尺「Green Rocky Road」を。
映画『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』の劇中でも使われたトラディショナル曲のカヴァー。
「Cyprus Avenue」や「Take Me Back」の如く、郷愁を誘うヴァン節が沁みますね。森 陽馬



2023年3月14日(火) 寺尾紗穂 「歌の生まれる場所」

寺尾紗穂さんが2021年12月16日にサントリーホールの小ホール(通称ブルーローズ)で行った、ソロコンサートの映像作品DVDを、当店にて販売させていただけることになりました。

寺尾紗穂『サントリーホール ソロコンサート ブルーローズの庭で』
(国内DVD こほろぎ舎 3,000円税込)

ジョー長岡さん企画による年末恒例の寺尾紗穂コンサートは、永福町ソノリウムで長年行っていましたが、コロナ禍の2020年は豊洲シビックセンターホールで開催。そして、2021年はサントリーホールのブルーローズで行われました。

ブルーローズは、寺尾紗穂さんが中学から習っていた声楽の先生が、リサイタルを毎年開いていた場所で、馴染みがあると同時に、自身が演奏できることに感慨深い想いを抱いていたそうです。

今日のこの1曲は、その素晴らしい一夜の19曲中から、当時新曲として披露された「歌の生まれる場所」を。
高貴かつ優しい温もりで包まれたブルーローズの雰囲気が、映像と音から伝わってきますね。森 陽馬


2023年3月15日(水) 小坂忠 「ありがとう」

「ありがとう 君の親切に ありがとう」(小坂忠「ありがとう」歌詞より)

3月15日は、当店の新店舗移転オープン記念日でした。
2007年3月15日に今の場所へ移り、今年で早くも16年目です。(旧店舗含め42周年)

これもひとえに、お客様皆々様のおかげですね。重ねてありがとうございます。

さて、小坂忠さんが1971年に発表した1stアルバム『ありがとう』は、収録曲「どろんこまつり」の歌詞に「つんぼ」という言葉が入っているため、きちんとした形では永らく商品化されていませんでした。

しかし、その「どろんこまつり」をオリジナル・ヴァージョンで収め、更に「ありがとう」の別ミックス・ヴァージョンを追加収録したCDとLPが、4月26日発売決定しました。

小坂忠『ありがとう』
(2023年4月26日発売 国内CD MHCL-30812 2,750円税込/国内グリーン・カラーLP MHJL-246 4,400円税込)

ソウルフルな1975年発表名盤『ほうろう』に比べ、アコースティックで味わい深い1枚です。
はっぴいえんどお好きな方にも是非聴いていただきたいですね。

ということで、今日のこの1曲は「ありがとう」を。
「口から出る言葉は ただありがとうだけ」  森 陽馬



2023年3月16日(木) Dotti Holmberg 「Love Is (Demo)」

ソフト・ロックの名作として根強い人気を誇るミレニウム、サジタリアスをはじめ、ソングライター/プロデューサー.として活躍したカート・ベッチャー関連作♪

ジャケットに写るおさげ髪の女性は、カート・ベッチャーが在籍し1964年に2枚のアルバムを残したフォーク・グループ、ゴールドブライアーズの女性メンバーDotti Holmberg。

今作『Sometimes Happy Times』はグループ解散後、彼女のソロ作のために1966~1969年に録音されていた音源(カート・ベッチャー、キース・オルセン・プロデュース曲、デモなど)を収録した作品で、20年ほど前にSundazedから発売されたものにボーナス5曲追加し、新装ジャケットで再発されました。

Dotti Holmberg『Sometimes Happy Times』
(輸入CD Sundazed SC5638)

可憐な歌声にまったり♪カート・ベッチャーらしいコーラスが凝ったポップなナンバーから、ブルース、カントリー、叙情的なフォーク・ナンバーが並んでいます。

聴き進めると日本人には馴染み深いメロディが流れてきました。
アコースティック・ギターの演奏で歌われる⑩「Love Is (Demo)」は、英語の詞ですが♪さくら~さくら~やよいのそらは~♪のメロディそのものです。

カート・ベッチャーは10代の頃日本に少しだけ住んでいた経験があるそうなので、「さくらさくら」はその頃に出会った曲なのかもしれません。(ちなみにゴールドブライアーズには「Haiku」(俳句)という曲がありますね。 )東尾沙紀



2023年3月17日(金) オリヴィア・ニュートン・ジョン 「サム」

さわやかな歌声に愛らしいルックスで、日本でも大人気だったオリヴィア・ニュートン・ジョン。
彼女の名前を初めて見たのは、1960年代後半、音楽雑誌『ミュージック・ライフ』でした。

クリフ・リチャードのステージで前座を務めたり、バック・コーラスを担当している、という記事だったと思います。
それから数年経った1972年、オリヴィアは初来日を果たしています。
クリフ・リチャードの日本でのコンサートのバック・コーラスとしてでした。

やっぱり、あのクリフの関係者は注目しなければ...、ということで、いろいろと調べてみると、クリフ→シャドウズ→マーヴィン、ウェルチ&ファーラー→オリヴィア、という図式が・・・。(ちなみに、マーヴィン、ウェルチ&ファーラーは、CSNに対抗したようなハーモニーを強調したアルバムを1971年に発表しています。)

オリヴィアのイギリス、アメリカでのファースト・ヒットは、ボブ・ディランの曲をカヴァーした「イフ・ノット・フォー・ユー」、1971年のことでした。そして、その曲のプロデューサーが、シャドウズのブルース・ウェルチと、その後コンポーザー/プロデューサーとして彼女を支えていくジョン・ファーラーだったんです。
ジョンは、1980年代「マジック」、「フィジカル」の時代もオリヴィアをサポートし続けていました。

とにかく、オリヴィアにとっては、クリフ&シャドウズ人脈はなくてはならないものでした。
アメリカでのベスト10ヒット「レット・ミー・ビー・ゼア」('73)、「イフ・ユー・ラヴ・ミー(愛しい貴方)」('74)の2曲は、シャドウズのベーシスト、ジョン・ロスティルの作品。

そして、今日の1曲は、ハンク・マーヴィンが作曲に関与した「サム」を。
日本ではあまり受けませんでしたが、いい曲です。森 勉

★掲載ジャケットは、オリヴィア・ニュートン・ジョン『グレイテスト・ヒッツ~ジャパン・デラックス・エディション』
(国内2枚組CD 解説・歌詞・対訳付 UICB-1016 3,850円税込)



2023年3月18日(土) 古内東子 「Soda」

古内東子がデビュー30周年を記念してリリースした2022年発表作『体温、鼓動』(2022年3月8日今日のこの1曲で紹介)は、素晴らしいアルバムでした。

あれから約1年、その第2弾となる新作『果てしないこと』が出ました。

古内東子『果てしないこと』
(国内CD+初回BD付 MHCL-3020 7,700円税込/通常CD MHCL-3022 3,300円税込)

石成正人を中心に、山本漣、松本圭司、井上薫、Tomo KANNOによるバンドで録音された全8曲。

彼女の歌を聴いていると、歌詞に出てくる人物に起こった出来事や背景が、想像の中で膨らんできて、小説や映画のように物語が展開していく感覚を味わえますね。

今日のこの1曲は、曖昧な季節に、ソーダの如く激しく弾ける想いがとても切ない1曲目「Soda」。
松本圭司による後半のピアノが哀しいほどに美しく響いてきます。森 陽馬



2023年3月19日(日) サニーデイ・サービス 「春の嵐」

かむろ坂上から武蔵小山まで伸びる道の陽光桜が、満開になってきました。

そろそろ見頃となりそうなかむろ坂のソメイヨシノは隠れ名所として人気ですが、一足先に花を咲かせて鮮やかなピンク色が両脇に伸びるこの道の陽光桜も素敵ですね。春を感じて心が華やかな気持ちになります。

さて、“春”という言葉が入った歌で最近気に入っているのが、サニーデイ・サービス「春の嵐」です。

サニーデイ・サービス『いいね!』
(「春の嵐」収録 国内CD ROSE249 2,750円税込/アナログLP ROSE249X 3,300円税込)

ドラマーの丸山晴茂が2018年急逝し、2人になってしまったサニーデイに大工原幹雄が加入。
新たな一歩を踏み出した2020年発表アルバム『いいね!』に、「春の嵐」は収録されています。

青春迸るようなロック・サウンドと歌からは、再びバンドで音を鳴らせる喜びが伝わってきますね。
聴いていると、心が躍動してきて、自分も動きださなきゃ!という気持ちになるのです。森 陽馬



2023年3月20日(月) 大滝詠一トリオ 「うなずきマーチ」

2023年の3・21は、大滝詠一のノヴェルティ・ソング魂をとことん追求した2枚組CDが出ました。

『大滝詠一 NOVELTY SONG BOOK/NIAGARA ONDO BOOK』
(2枚組CD 安田謙一氏による詳細な楽曲解説付 SRCL-12450 3,960円税込)
(ディスク1のアナログ盤は4月26日発売予定 SRJL-1150 4,290円税込)

今日はまずディスク1の中から1曲を。
全11曲、すべて大滝詠一の歌唱によるもので、今までは未発表音源だったものです。

市川美和子へ提供した「ポップスター」、うなずきトリオへの「うなずきマーチ」、松田聖子への「いちご畑でつかまえて」、植木等が歌った「針切じいさんのロケン・ロール」などが、大滝詠一の歌で収録されています。

そして、とんねるずへ2005年に提供するも未発表に終わっていた「ゆうがたフレンド」の大滝ヴァージョン(鈴木慶一もヴォーカル参加)という超目玉の新曲も入っています。

今日の1曲は、大滝詠一トリオ(大橋トリオじゃないよ)「うなずきマーチ」を。

1982年のリリース当時、うなずきトリオのビートきよしがラジオで「俺の歌がヘタとか音程がズレているって言うけど、俺は大滝さんのデモテープ通りに歌ったんだから・・・」と発言していたのを思い出しました。

さぁ、実際のところはどうなんでしょうか?
ディスク1の4曲目です。
あなたの耳でお確かめください。

ディスク2は後日また取り上げたいと思います。
なお、リリース直前までインフォメーションにはなかった、とんねるずの「ゆうがたフレンド」が追加収録されています。森 勉



2023年3月21日(火) 中島雄士 「Awesome Day」

中島雄士というミュージシャンが、大滝詠一「君は天然色」を一人多重録音した演奏に、ビーチ・ボーイズ「Wouldn't It Be Nice」(素敵じゃないか)の歌&コーラスをカヴァーした動画、ご覧になったことはありますでしょうか?

中島雄士は、ブレイク寸前の新世代シティ・フォーク・バンド、グソクムズのドラマーとして活躍する他、マルチな才能でソロ活動も行っているシンガー・ソングライターです。

彼のオリジナル曲を収めた初ソロCD作品となる2nd EP『JUNCTION POP』が本日入荷しました。

中島雄士『JUNCTION POP』
(国内CD 全7曲収録 FCRCD-012 先着でステッカー付 2,200円税込)

心弾むポップなメロディーに、オーガニックなサウンドが心地良い全7曲入。
今日のこの1曲は、<一人"マルーン5">的な雰囲気を持つ1曲目「Awesome Day」を。

彼の音楽を聴いていると、前向きな気持ちになれますね。オススメです。森 陽馬



2023年3月22日(水) 布谷文夫 「ナイアガラ音頭」

大滝詠一も二刀流だぞ!

メロディー路線とノヴェルティ路線の両刀使い。
どちらも聴き応え充分、どちらも大好きです。

今年の3・21は、ノヴェルティ路線のこの盤が出ました。

『大滝詠一 NOVELTY SONG BOOK/NIAGARA ONDO BOOK』
(2枚組CD 安田謙一氏による詳細な解説掲載48ページブックレット付 SRCL-12450 3,960円税込)
(ディスク1のアナログLPは2023年4月26日発売予定 SRJL-1150 4,290円税込)

3月20日は大滝詠一歌唱によるDISC1から紹介しましたので、今日はDISC2から選んでみましょう。

DISC2は、大瀧詠一作品もしくは大瀧詠一プロダクションによる全19曲。
大滝さん、面白い曲たくさん作りましたねぇ。

今日の1曲は、やっぱりこの曲「ナイアガラ音頭」。
今回は、1995リミックス・ヴァージョンが収められています。

WBC優勝おめでとう!! やったぁ~!
大の野球好きだった大滝さんも、天国で大谷翔平の二刀流、見守ってくれていたことでしょう。森 勉



2023年3月23日(木) ラジ 「Hold Me Tight」

シティ・ポップ入門編として最適なコンピレーションCDが発売になりました。

V.A『シティポップ・ストーリー』
(国内2枚組CD 全36曲収録 MHCL-30829 3,520円税込)

『「シティポップの基本」がこの100枚でわかる!』(星海社新書)の著者:栗本斉氏が企画・選曲・解説を担当。

ブームの火付け役となった松原みき「真夜中のドア~Stay With Me」や、ウィークエンドがサンプリングで使用して話題の亜蘭知子「Midnight Pretenders」など人気曲に加え、大滝詠一、鈴木茂、吉田美奈子、大貫妙子、南佳孝、佐藤博、角松敏生、EPO、大橋純子、竹内まりや、杉真理、須藤薫ほか、2枚組CDに36曲が収録されています。

今日のこの1曲は、大滝詠一のロンバケにもコーラスで参加しているラジの「Hold Me Tight」(1977)を。
作曲:高橋幸宏、作詞:竜真知子&高橋幸宏、編曲:後藤次利、荻田光雄がストリングス・アレンジを手掛けています。

ジャケット・デザインは、山下達郎『FOR YOU』やFM STATION表紙でも有名な鈴木英人のイラストを使用。
ラジオを聞くように、ドライヴしながら楽しみたくなるアルバムですね。森 陽馬



2023年3月24日(金) 中原理恵 「ドリーミング・ラヴ」

山下達郎は、中原理恵に5曲を提供しています。
1978年2月発売の中原理恵のアルバム『タッチ・ミー』に3曲、同年12月発売の『キリング・ミー』に2曲と、アルバムに彩りを添えていました。

この5曲を、1982年6月に1枚のLPの片面にまとめて収録したのが、『ドリーミング・ラヴ~リエ・ベスト・セレクション』でした。

当時、「ライド・オン・タイム」でブレイクを果たし、1982年1月に発表したアルバム『フォー・ユー』がロングセラーを記録していた山下達郎。そこに目を付けたソニーの担当者が、山下楽曲をまとめて収めたのが、この編集盤でした。

それが、なんと41年経った今年2023年、CD化されました。

中原理恵『ドリーミング・ラヴ』
(国内CD MHCL-30826 2,200円税込)

5曲すべて山下達郎作曲、吉田美奈子作詞です。
達郎ファンなら5曲全部気に入るはずのイイ曲ばかり。
今日はその中から、このアルバムのタイトルになった「ドリーミング・ラヴ」を。

参加ミュージシャンは、村上ポンタ、岡沢章、松木恒秀、坂本龍一という『イッツ・ア・ポッピン・タイム』のメンバー。
この曲では、山下達郎が弾くエレクトリック・シタールがいい味出してます。
コーラスは山下&吉田のコンビ。渋くて印象深いフレーズ連発の松木恒秀のギターにも注目! 森 勉



2023年3月25日(土) 西寺郷太 「小麦色のマーメイド」

軽やかなアレンジと甘い歌声から漂う春~初夏の薫り♪
NONA REEVESのフロントマン、西寺郷太による3rdソロ・アルバムがリリースされました。

西寺郷太『Sunset Rain』
(国内CD GTDU4 税込3,000円)

本作は、2022年12月より自身が主宰するGOTOWN RECORDSから発表された7インチ・カヴァー・シングル3枚(計6曲)を1枚のCDに収めたもので、更に井の頭レンジャーズ、RYOZO BANDとのコラボで以前リリースしたカヴァー2曲、3曲のインストver.が追加されています。

大貫妙子「都会」、稲垣潤一「夏のクラクション」、郷ひろみ「入江にて」などシティ・ポップ人気の楽曲をはじめ、弦&管楽器の弾むようなアレンジが気持ち良い大滝詠一「Velvet Motel」、西寺さんのファルセット炸裂/マハラージャンをfeat.したオリジナル・ラブ「It's A Wonderful World」などなど。

アレンジ・演奏陣には宮川弾、大樋ゆう大らSANABAGUN.のメンバー4人、岡本啓佑(黒猫チェルシー)等が参加。
歌い手に徹している西寺さんが歌う女性ヴォーカル曲もハマッており、柔らかな雰囲気の松田聖子「小麦色のマーメイド」がお気に入りです。東尾沙紀


2023年3月26日(日) William Bell 「If You Really Love Him」

東京は桜がきれいに咲いたというのに、冷たい風雨が続いています。
春の訪れを感じた3月に入ってからは、心がウキウキするポップ・ソングをよく聴いていましたが、今日はジワッと温もりが伝わってくるソウル・バラードを聴きたい気分ですね。

ということで、ウィリアム・ベルの新しい編集盤を取り上げましょう。

William Bell『The Man In The Street - The Complete Yellow Stax Solo Singles 1968-1974』
(輸入CD KENT SOUL/ACE CDTOP515)

山下達郎が「毎日のように聴いている」とラジオで語り、ロングセラーとなったウィリアム・ベルの60'sシングル集(
2022年10月13日今日のこの1曲で紹介)に続く、KENT SOUL/ACE編集のアルバム第2弾です。

1968年から1974年にかけて、スタックスからソロでリリースしたシングル曲をAB面両方収録した全24曲入。
その中から、1972年発表曲「Save Us」のB面「If You Really Love Him」を今日のこの1曲に。

B面ながら、ウィリアム・ベルらしい味わい深いソウル・バラードで、すごくイイ曲♪
シャウトしたり歌い上げるタイプではないものの、彼の歌声にはハートウォーミングな魅力がありますね。

なお、御年83歳のウィリアム・ベルは今も健在で、新曲「Let's Make Loving Great Again」を先月配信リリース。
CDアルバムも2023年中に発売する予定だそうです。楽しみですね。森 陽馬



2023年3月27日(月) Benny Sings 「Simple Love Songs」

ソロ・デビュー作『Champagne People』発表から、2023年で20周年♪

オランダ・アムステルダムを拠点とするシンガーソングライター/プロデューサー、ベニー・シングス約2年ぶり8作目となる新作がリリースされました。

ベニー・シングス『ヤング・ハーツ』
(国内CD 本人による楽曲解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック1曲追加 VICP-65610 2,860円税込)

お出かけのお供なら足取り軽く、日々のBGMにしても心地良いビートとスウィートな歌声に包まれ良い時間が過ごせそうな1枚です。

アメリカのビートメイカー/プロデューサー、ケニー・ビーツが共同プロデューサーを務め、同じくアメリカ注目の女性シンガー、レミ・ウルフがゲスト・ヴォーカルで参加。

ボッサ風のギターにレミとペニーの個性あるヴォーカルが溶け合う「Pyjamas feat.Remi Wolf」、ポジティヴなメッセージが込められたポップ・ソング「Let's Go」、コロナ隔離期間中に大事な人を思い浮かべ書かれた繊細な「Distance」、アダム・バー・ペレグ(key)と共作によるストレートな愛の歌「Simple Love Song」など、楽しくてホッとするラヴ・ソングが詰まっています。東尾沙紀


2023年3月28日(火) PENTHOUSE 「Live In This Way」

新世代シティ・ソウル・ポップ・バンド、PENTHOUSE(ペントハウス)。
1stフル・アルバムが遂に出ました!

PENTHOUSE『Balcony』
(国内CD 初回限定DVD付 VIZL-2172 5,390円税込/通常CD VICL-65794 3,300円税込)

PENTHOUSEは、東京大学の音楽サークルで出会った6人で2018年に結成した男女混声ヴォーカルの新世代シティ・ソウル・ポップ・バンド。
2021年1月3日の今日のこの1曲で、「Fireplace」を取り上げたことがありましたが、その後大ブレイク!
ライヴでの集客力がどんどんアップする中、待望のリリースとなる1stフルアルバムです。

現代J-POP的なアレンジながら、現在の勢いそのままに、楽曲やサウンドに前向きな力を感じますね。
今日のこの1曲は、グイグイと引き込まれる英語詞の③「Live In This Way」を。

なお、本CDには6月から始まるライヴ・ツアーの先行抽選受付シリアルナンバーが封入されています。森 陽馬


2023年3月29日(水) Ellie Greenwich 「Just Let Me Cry」

60'sガール・ポップ・ファンには、またまたうれしいコンピCDが出ました。

オーストラリアのマニアックなレーベル<ティーンズヴィル>制作によるニュー・リリースで全34曲収録。
たっぷり79分入っています。

V.A.『Can't Play A Playgirl ~ 1960's Girl Goodies Lost & Found』
(輸入CD Teensville TV1058)

今回もティーンズヴィル・レーベルらしく知らない歌手、聴いたことがない楽曲のオンパレードです。
しかし、60'sガール・ポップ好きが聴けば、「この曲、好き!」と思える曲ばかりが並んでいます。

マシュマロズ、ロリポップスといった甘いグループ名の曲や、誕生日をテーマにしたヴィクトリアンズや、ハスキーな声のジュディ・ウィルソンなど、いろいろ気になるところですが、今日は、自作ではありませんが、エリー・グリニッチの未発表音源を。

「Diavolo」と「Just Let Me Cry」の2曲が、今回初めて陽の目を見ました。
1962年頃の録音とのことです。
デモ歌手としてスタジオの裏方をやっていた頃の音源だと思われます。

それにしても、60'sガール・ポップの底なし沼状態-凄いですね。森 勉



2023年3月30日(木) ジャクソン・ブラウン 「Take It Easy」~「Our Lady Of The Well」

ジャクソン・ブラウンの2023年来日ツアー、3月27日東京・渋谷オーチャード・ホール公演へ行ってきました。

とても感動的なコンサートで、帰宅してからも余韻は冷めず、その夜はなかなか寝付けませんでした。
そのくらい、彼の歌が心に響いた一夜でした。

数多くの楽曲を名演で彩った弦楽器奏者デヴィッド・リンドレーと、バック・キーボーディストとして長い間活動を支えたジェフリー・ヤングが、先月相次いでこの世を去り、彼らへの想いが歌に込められていたのかもしれません。

コンサートは、反戦・反核への願いが託された「Before The Deluge」から始まりました。
2部構成で休憩含め約3時間の熱演。

後半は「Doctor My Eyes」から、リンドレーの名フレーズをグレッグ・リーズが奏でた「Late For The Sky」。
当時の妻が自ら命を絶ち、自責の念に駆られて己を偽善者と歌った「Pretender」。
♪走り続ける 理由もなく走り続ける♪「Running On Empty」。
一度袖に下がって、アンコールで「The Lord Out」~「Stay」。

ステージ上に再度出てきて、「グレン・フライ・ソング!」と語り(場内大歓声!)、「Take It Easy」~「Our Lady Of The Well」への流れでコンサートは幕を閉じました。

「ああ、そうだ、彼の盟友グレン・フライも2016年に亡くなったんだ。」
言葉にならない気持ちで、身体も心も揺らされる「Take It Easy」でした。森 陽馬


★掲載ジャケットは、「Take It Easy」~「Our Lady Of The Well」が収録されている1973年発表の2ndアルバム『For Everyone』。今年で50周年ですね。(国内CD WPCR-80297 1,540円税込)
ちなみに、新しいツアーメンバーのMason Stoops(若きギタリスト)、Jason Crosby(キーボード及びヴァイオリンも)が素晴らしかったです。


2023年3月31日(金) MOLINA、TALBOT、LOFGREN、YOUNG 「Look Through The Eyes Of Your Heart」

MOLINA、TALBOT、LOFGREN、そしてYOUNG。略して、MTL&Y!

ニール・ヤングの盟友“クレイジー・ホース”メンバー3人(ラルフ・モリーナ、ビリー・タルボット、ニルス・ロフグレン)が、オリジナル曲を3曲ずつ持ち寄り、ニール・ヤング「Song Of The Seasons」のライヴ・ヴァージョンもプラスして制作したアルバムが本日発売されました。

MOLINA、TALBOT、LOFGREN、YOUNG『All Roads Lead Home』
(輸入CD NYA Records 093624869504/輸入LP 09362486951)

弾き語り的な作品を想像していましたが、各々が自身のバンドで録音(ニルスは一人多重録音)していて、充実した演奏・サウンドの楽曲が収められています。
ニール・ヤング的武骨なアメリカン・ロックがお好きな方なら、是非チェックしてもらいたい1枚ですね。

今日のこの1曲は、ラルフ・モリーナ「Look Through The Eyes Of Your Heart」を。
狂馬ではドラマーの彼が、ドラムを他メンバーに任せ、力強い演奏をバックに雄々しく歌っていてかっこいい!

なお、4月14日には、ニール・ヤングのオフィシャル・ブートレグ・シリーズが2種発売されます。
サンタ・モニカ・フライヤーズをバックに従えた1973年11月ロンドンでのライヴ音源と、ニールがThe Ducksという名義で1977年夏に行った秘蔵ライヴ音源が登場! 楽しみですね。森 陽馬





これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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