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  今日のこの1曲 “Archives”

<2024月11月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2024年11月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2024年11月1日(金) たま 「さよなら人類」

11月3日の<レコードの日>は、2024年で第10回目を迎えます。

レコードのプレス会社である東洋化成が、アナログ盤の魅力を多くの人に知ってもらおう、とのコンセプトで、2015年から行われていますが、2024年はタイトル数が一番多くなりました。
たしかに、この10年間でアナログ・レコードが若い世代に浸透してきたのを感じますね。

さて、その<レコードの日>商品、今年は明日11月2日(土)から店頭販売開始いたします。
当店に入荷する代表的なアイテムは以下になります。
新しい学校のリーダーズ3種、andymori、Cruisic、Folder5、globe、H Jungle with T、J-WALK、MUTE BEAT4種、NAUTILUS、Nujabes、Ovall、PUNPEE、Qujila、the Tiger、TRF、『New Action!』コンピ、相川七瀬、アマイワナ2種、池玲子、石川晶2種、稲垣次郎2種、岡本真夜、鬼束ちひろ、角銅真実、カジヒデキ、グソクムズ2種、クレイジーケンバンド2種、工藤裕次郎、小池玉緒、斉藤由貴、佐野史郎 with SKYE、鈴木亜美、谷村有美、たま、田口久美、デイヴ平尾、当山ひとみ2種、『耳をすませば』、『平成狸合戦ぽんぽこ』、はっぴいえんど3種、ピコ太郎、ビブラストーン、福耳、Pacific、牧瀬里穂、モーニング娘。、矢野顕子2種、etc...。

中でも、今年の目玉!といえばこの1枚でしょう。

たま『さよなら人類/らんちう』
(国内7inchレコード BRIDGE-399 2,200円税込)

1990年5日5日にクラウンから8cmシングルで発売された、たまのメジャー・デビュー曲「さよなら人類」。
レコードからCDへ切り替わったばかりの当時、アナログ盤はプロモーション用で少量作られただけでした。
なので、公式では初のアナログ発売ということになります。

ジャケットもメンバーが映っている写真に新装されました。
1989年11月、伝説の音楽番組イカ天(イカすバンド天国)に出た時のインパクトは凄かったなあ。
ただ、それも約35年前・・・。イカ天を知らない若い世代に、この7インチで名曲が受け継がれるといいですね。森陽馬


2024年11月2日(土) Joni Mitchell 「Traveling」(Hejira)

今日はかなりの雨が1日中降り続きましたね。
天候が悪い中ご来店いただいた皆さま、ありがとうございました。

11月3日発売<レコードの日>商品は、本日から販売開始いたしました。
その入荷処理と店頭展示準備中に聴いていたのは、このアルバムです。

ジョニ・ミッチェル『Joni Mitchell Archives Volume 4 : The Asylum Years(1976-1980)』
(国内仕様6枚組CD キャメロン・クロウによる解説の和訳・歌詞・対訳付 WPCR-18702 14,300円税込)

2023年10月に出た『Archives Vol.3』(
2023年10月28日今日のこの1曲で紹介)に続くVol.4。
1975年作『The Hissing Of Summer Lawns』(夏草の誘い)の後から、1976年名作『Hejira』(逃避行)、1977年作『Don Juan's Reckless Daughter』(ドンファンのじゃじゃ馬娘)、1979年作『Mingus』、1980年作『Shadows And Light』までの貴重ライヴや秘蔵音源を、良質な音質でジョニ自ら纏めた6CD BOXです。

この時期の作品は、『BLUE』や『Court and Spark』よりもジャズ色が強く、難解なイメージがありましたが、今回のアーカイヴ音源を聴いて、ジョニの英気が迸る時期だったことを改めて実感できました。

ハービー・ハンコックやジャコパスとの共演ライヴも注目ですが、聴き応えがあったのはディスク3『Hejira』デモ。
『Hejira』が『Traveling』というタイトルだった1976年3月録音の貴重音源が素晴らしい!
ジョニ独自のオープンチューニングによるギターの奏は、シンプルながらずっと聴き続けることができますね。

今日のこの1曲は、「Traveling」(Hejira)を。
演奏後、「とってもいい感じね」というジョニ本人の言葉も入っています。森陽馬


2024年11月3日(日) Elvis Costello 「Only Daddy That'll Walk The Line」(Live)

2024年4月、スティーヴ・ナイーヴとのコンビで8年ぶりの来日公演を行い、パワフルな歌声を聴かせてくれたエルヴィス・コステロ。

Tボーン・バーネットをプロデューサーに迎えた1986年発表の10作目『キング・オブ・アメリカ』が最新リマスター&ボーナス曲を詰め込んだ拡張盤でリリースされました。

エルヴィス・コステロ『キング・オブ・アメリカ&アザー・レルムズ』
(国内CD2枚組 大鷹俊一氏による解説・歌詞・対訳付 UICY-16253 4,400円税込 / 輸入盤6CDもあり

ジェームズ・バートン、ジム・ケルトナー、ジェリー・シェフ、アール・パーマー、ミッチェル・フルームらアメリカのミュージシャンとのセッションをメインに、カントリー/フォークに接近した名作。

国内盤2CDのディスク2には、6CDデラックス・エディション(輸入盤のみ)から抜粋された未発表ライヴ(1987年ロイヤル・アルバート・ホール)が4曲収録されているのですが、この音源がとっても良いです。
ジェームズ・バートン、ジム・ケルトナー、ベンモント・テンチらバンドの演奏、コステロの歌もかっこいいウェイロン・ジェニングスのカヴァー「Only Daddy That'll Walk The Line」必聴です。

その他、貴重なデモ音源、ルシンダ・ウィリアムズやアラン・トゥーサンら他アーティストとのコラボなど、年代は限定せず、コステロ×アメリカ音楽の歴史/変遷が少し辿れるような内容になっています。

6CDデラックス・エディションで網羅できると思いきや、「Indoor Fireworks」のライヴ音源(上記と同日)は2CD盤にしか収録されていないとのこと!こちらも要チェックです。東尾沙紀


2024年11月4日(月) 鈴木茂 「コーラル・リーフ」

毎年11月3日、文化の日は<レコードの日>として定着してきましたね。

今年もいろいろなレコードが出ていますが、今日紹介するのは『PACIFIC』。
(国内LP バーニー・グランドマンのカッティングによる180g重量盤 MHJL-362 4,620円税込)

最初に世に出たのは1978年。
当時のCBSソニーが企画したもので、まだ知る人ぞ知る存在だった細野晴臣、鈴木茂、山下達郎の3人が、アイランド・ミュージックをイメージした曲を各々持ち寄って、1枚のLPになったのがこの『PACIFIC』です。

すべてインスト曲ですが、ジャケットが示す通りの海を感じさせてくれる心地良いサウンドが満載のアルバムです。

全曲推しのアルバムですが、今日は鈴木茂がメインの「コーラル・リーフ」を。
さわやかで切れのいいギター・サウンドです。
バックには林立夫、高水健司、坂本龍一、浜口茂外也などが参加しています。

浅井慎平撮影によるポスターも付いています。
何回か再発されていますが今回は正統派! 黒の180g重量盤です。森勉


2024年11月5日(火) 山下達郎 「My Gift To You」

山下達郎「クリスマス・イブ」シングルCDの2024年ヴァージョンが、12月11日に発売決定しました。

山下達郎『クリスマス・イブ (2024 version)』
(2024年12月11日発売 2024年限定出荷商品 国内CD WPCL-13619 1,430円税込)
先着特典ステッカー付

「クリスマス・イブ」4ヴァージョン、「ホワイト・クリスマス」に加え、ライヴ音源が3曲追加収録されています。

そのライヴ3曲は、1993年発表アルバム『Season's Greetings』収録曲「My Gift To You」、「Bella Notte」、「Have Yourself A Merry Little Christmas」。2013年12月19日大阪フェスティバルホールにて行われたコンサートからのテイクで初商品化となります。

今日のこの1曲は、「My Gift To You」を。
オリジナルは、黒人シンガーAlexander O'Nealが1988年に発表したクリスマス・アルバムのタイトル曲。
達郎さんのめくるめくアカペラ・コーラスが圧巻です。

ちなみに、歌詞に出てくる「君へ捧げる僕からのプレゼント」は、何かというと・・・。
予想通りではありますが、ロマンティックなクリスマス名曲ですね。森陽馬



2024年11月6日(水) くくく(原田郁子+角銅真実) 「CHOO CHOO ガタゴト」

くくく、という音楽ユニットはご存じでしょうか?

くくくは、原田郁子さん(クラムボン)と角銅真実さんが組んだ2人組。
イベント出演や細野晴臣さんのバックで演奏するなど、ライヴ活動を近年行っています。

その“くくく”による細野晴臣「CHOO CHOO ガタゴト」のカヴァーを収録したレコードが本日発売されました。

V.A.『HOSONO HOUSE COVERS』
(国内LP 完全限定盤 カクバリズム HHKB-001 5,500円税込)

本作は、細野晴臣が1973年に発表した名盤『HOSONO HOUSE』の楽曲をカヴァーした企画盤。
くくくの他、矢野顕子、コーネリアス、テイ・トウワ、安部勇磨(never young beach)、mei ehara、レイ・ハラカミ、SE SO NEON、John Carroll Kirby feat.The Mizuhara Sisters、マック・デマルコ、サム・ゲンデルも参加しています。

くくく「CHOO CHOO ガタゴト」は、2人が演奏する様々な楽器と歌声が縦横無尽に揺れ動くとても不思議なカヴァー。
どこか違う世界へ飛んでいってしまうような感覚にさせられる1曲です。森陽馬


2024年11月7日(木) Tracey Thorn 「Seascape」

トレイシー・ソーン(マリン・ガールズ、エヴリシング・バット・ザ・ガール)の1982年発表ソロ1st『A Distant Shore』(邦題:遠い渚)が、
2024年リマスター&ボーナス・トラック追加で再発されました。

Tracey Thorn『A Distant Shore -Expanded Edition-』
(輸入CD Cherry Red CDBRED875 / 輸入LPもあり)

''曲のすべては、家を出て独りになり、恋に落ちた短くも激しい時期を描いている''
(ブックレットに掲載されたトレイシー自身によるライナーノーツより)

瑞々しくもどこかさびしく、ひんやりと響くギターの音色。
発表当時、大学1年生(19歳)だった彼女の青春が詰まった、シンプルなギター弾き語り作品。

ジャケットに描かれた彼女の装いや、アルバム・タイトルから夏のイメージのある今作から「Seascape」を。
波の音や風、曇り空...今まで悲しく眺めていた景色が、君と居る11月の海は違うものに感じられると歌われています。
情景が浮かぶ素敵な1曲です。

ボーナス・トラックには、今作と同時期に録られたものの本編には収録されなかった「Lucky Day」と、のちにエヴリシング・バット・ザ・ガールの1st『エデン』(1984)に収められる「Another Bridge」、「Even So」、「The Spice of Life」、「Fascination」の貴重なデモ音源が追加されています♪東尾沙紀


2024年11月8日(金) GARFUNKEL & GARFUNKEL 「Let It Be Me」

今から約10年前、2014年12月のアート・ガーファンクル来日公演に、アートの息子がゲスト出演しました。
2014年12月11日今日のこの1曲参照)

その時は、エヴァリー・ブラザーズ「Let It Be Me」カヴァーなど3曲ほどを父アートと一緒に歌いました。
聖歌隊のように清く美しい歌声が、まさに“天使の歌声”だったことを懐かしく想い出します。

その後、アートの息子はArt Garfunkel Jrとして、ドイツを拠点に活動を続けていたようです。
そしてこの度、父と息子の共演が再び実現! スタジオ録音のアルバムが本日発売となりました。

GARFUNKEL & GARFUNKEL『Father And Son』
(輸入CD BMG/Telamo Musik 4099964069068/輸入LPもあり)

スタンダード曲「Blue Moon」、「Nature Boy」、ドン・マクリーン「Vincent」、ビートルズ「Blackbird」、シンディ・ローパー「Time After Time」、タイトルとなったキャット・スティーヴンス「Father And Son」、サイモン&ガーファンクル「Old Friends」含め12曲のカヴァーが収録されています。

83歳を迎えた父アートの歌声は時折かすれており、衰えを感じました。
でも、そのかすれた歌声に人生の憂いが込められているようで、僕はとても感動しました。

今日のこの1曲は、約10年の時を経て再び聴くことができた、エヴァリーへの愛が込められている「Let It Be Me」を。

ちなみに、ブックレットの1ページに映っている父アートは、なんと!日本プロ野球チームの帽子を被っています。
どこのチームの帽子か気になる方は、CDを手に取り確認してみてください。森陽馬


2024年11月9日(土) Steve Cropper & The Midnight Hour 「Hurry Up Sundown」

レコード・コレクターズ誌で連載中の『スティーヴ・クロッパー・リメンバーズ』。
彼が関わったレコーディングやライヴの逸話がとても興味深いですよね。毎月楽しみにしています。

そこで話題に上がっていたスティーヴ・クロッパー自身による新作アルバムが完成しました。

Steve Cropper & The Midnight Hour『FRIENDLYTOWN』
(輸入CD Provogue PRRD773522)

2021年発表作『Fire It Up』(
2021年5月1日今日のこの1曲で紹介)以来、約3年ぶりのオリジナル・アルバム。
その前作で一緒だったNioshi Jackson(Dr)、Jon Tiven(B)、Roger C.Reale(Vo)に、Eddie Gore(organ)とZ.Z.TOPのBilly F.Gibbons(G)が加わって、より一体感あるロッキン・ソウルなバンド・サウンドが前面に出た1枚に仕上がっています。
(ウィルソン・ピケットへ提供した名曲から取られたバンド名゛The Midnight Hour"がそれを表していますね)

ブライアン・メイがヴォーカル&ギターで参加した②「Too Much Stress」も注目ですが、今日のこの1曲は、フェリックス・キャヴァリエがオルガンを弾いている③「Hurry Up Sundown」を。

ブッカー・T&The MG's、ブルース・ブラザーズから連なるソウルフルなサウンドに、ニューオリンズのセカンドラインが加味されたゴキゲンなナンバーです。森陽馬


2024年11月10日(日) スタイル・カウンシル 「My Ever Changing Moods」

今日は、レコードの日2024で発売されたシングル・レコードを紹介したいと思います。

通常、シングル・レコードはA面・B面とも同じミュージシャンの曲が収録されていますが、このシングルは別の人たちの曲が収録されています。
時代も音楽ジャンルも異なるものが入っているのが、ビックリであり斬新な感じです。

スタイル・カウンシル1984年のヒット「マイ・エヴァー・チェンジング・ムーズ」(シングル・ヴァージョン)と、セルジオ・メンデス&ブラジル'66の1968年発表サード・アルバム『ルック・アラウンド』に収録されていた「トリステーザ」を大胆にカップリング。

The Style Counsil「My Ever Changing Moods」 c/w Sergio Mendes & Brasil '66「Tristeza」
(国内7inch FREESOUL-0006 2,640円税込)

このシングルを企画したのはサバービア、カフェ・アプレミディ、フリーソウルなど、コンピレーションCDの選曲でおなじみの橋本徹さんです。さすがの選曲です。森勉


2024年11月11日(月) Warren Haynes 「Lies, Lies, Lies > Monkey dance > Lies, Lies, Lies」

ブルージーな音を想像していましたが、本作はそのイメージと違って凄くイイ!

オールマン・ブラザーズ・バンド、ガヴァメント・ミュールのギタリスト、ウォーレン・ヘインズの新作。
アメリカン・ロックファンはもちろん、ソウル/ファンク好きの方にもオススメしたい快心作です。

Warren Haynes『Million Voices Whisper』
(輸入CD Deluxe EditionはボーナスCD付2枚組仕様 Fantasy 00888072651821)

ニューオリンズ・ファンクの名ドラマーTerence Higgins、メデスキ、マーティン&ウッドで知られるキーボード奏者John Medeskiがとにかくいいですね。
ガヴァメント・ミュールのベーシストKevin Scottを加えたファンキーなロック・サウンド/バック演奏が素晴らしい1枚。

更に、本編3曲にはデレク・トラックスが参加! かっこいいギターを聴かせます。
(①「These Changes」、⑥「Real, Real Love」、⑪「Hall Of Future Saints」の3曲、デレク節全開!)

今日のこの1曲は、8分半を越える長尺⑦「Lies,Lies,Lies > Monkey Dance > Lies,Lies,Lies」を。
ニューオリンズ・ファンクとサザン・ロックとジャム・バンドが渾然一体となったグルーヴィーなキラーチューン!

ちなみに、ボーナス・ディスク3曲目にはCSN&Y「Find The Cost Of Freedom」の一節も出てきました。
なお、本作は2024年4月に亡くなったオールマンのディッキー・ベッツへ捧げられています。森陽馬


2024年11月12日(火) Neil Young 「Sugar Mountain」

11月12日はニール・ヤングの誕生日!
2024年で79歳を迎えました。おめでとう、ニール!

今日のこの1曲は、ちょうど60年前、ニール・ヤングが19歳の誕生日に書いた曲「Sugar Mountain」を。

この歌は、過ぎ去った青春(=Sugar Mountain)への憧憬と、大人になる不安・嘆きが歌われていました。

そして、79歳になったニール・ヤングは、今でも“Sugar Mountain”から離れずにいるのかもしれません。
だからこそ、“Heart Of Gold”をずっと探し求めているのでしょう。

ちなみに、「Sugar Mountain」のアンサー・ソングとして、ジョニ・ミッチェルが1965年に書いたのが「Circle Game」です。
♪昔彼が抱いていた夢は少し色褪せてしまったけれど、また新しい夢が生まれるはず。~季節は巡り巡っていく。サークル・ゲームの中を。♪

ジョニ・ミッチェルは病気を乗り越え、2024年10月19日にハリウッドでコンサートを開催しました。
ニール・ヤングとジョニ・ミッチェルの“Circle Game”が、これからも続いていくことを願って。森陽馬


★掲載ジャケットは、ニール・ヤング『ディケイド~輝ける10年』
(国内CD 「Sugar Mountain」収録 天辰保文氏による解説・歌詞・対訳付 WPCR-17808 3,190円税込)


2024年11月13日(水) 田中ヤコブ 「The Flat」

4人組ロック・バンド家主のメンバーとしても活躍する、田中ヤコブのソロ新作が本日リリースされました。

田中ヤコブ『ただようだけ』
(国内CD2枚組 NFD-016 3,500円税込)

家主最新作『石のような自由』のCDがロングセラーを続けるなか、2年ぶり4作目となるソロ・アルバムが2枚組というヴォリュームで発表されました。

一部ゲスト・ミュージシャンを招いたディスク①、全曲自身が演奏/録音を手掛けたディスク②。
新曲、学生時代に書かれたという曲、『石のような自由』にも収録された「歩き方から」ソロver.など全21曲が収録されています。

<孤独薫るポップ・マエストロ>という表現がしっくりくる彼の楽曲は、鬱屈としたものを抱えながらもとても良い風を感じます。
多重コーラス、上昇していく熱いギターソロに感情を揺さぶられた「The Flat」を今日の1曲に。

CDのみのボーナス・トラックとして、ヤコブさんが敬愛するニューヨークのシンガーソングライターBen Sadockとの共作曲「I won't keep you waiting」を追加収録。

Ben Sadockといえば、9月にリリースしたウワノソラとのコラボ作『Rare Birds』も話題に。
Benとウワノソラを繋ぐきっかけを作ったのはヤコブさんだったそうです。東尾沙紀


2024年11月14日(木) GOOD BYE APRIL 「ポートレイト・ラヴソング」

細野晴臣『泰安洋行』、大貫妙子『SUNSHOWER』他、かぐや姫、イルカ等のフォーク人気盤を輩出したレーベルは?

答えは、“PANAM”(パナム)。
鈴木茂『BAND WAGON』、細野晴臣『トロピカル・ダンディー』もそうですね。

そのPANAMレーベルから、新世代バンドGOOD BYE APRILのアルバムが発売されました。
角松敏生、杉山清貴、林哲司ワークスお好きな方にオススメしたい1枚です。

GOOD BYE APRIL『HEARTDUST』
(国内CD 金澤寿和氏による解説付 CRCP-20607 3,500円税込)

GOOD BYE APRILは、倉品翔、吉田卓史、延本文音、つのけんによる4人組バンド。
2011年に東京で結成し、今までに4枚のアルバムをインディーズからリリースしてきました。

メジャー・デビュー・アルバムとなる5枚目の本作では、林哲司が①「Love Letter」に作曲&編曲で参加。
土岐麻子とのデュエット曲「ふたりのBGM」も素晴らしい!
シティ・ポップという枠だけで収めるにはもったいないくらいに、グッド・メロディーが詰まった傑作です。

今日のこの1曲は、5曲目「ポートレイト・ラヴソング」を。
イントロが松任谷由実「Wanderers」や90'sの曲をイメージさせる雰囲気で、心がざわめきました。森陽馬


2024年11月15日(金) 大橋トリオ 「Lullaby」

11月も中旬になり、少し早いのですが、2024年回顧モードに入ってきました。

2024年に聴いた音楽、行ったライヴ、観た映画、読んだ本、etc...。
僕は、福岡CIRCLE'24、陽射しの下で聴いた大貫妙子さん、大橋トリオのライヴをパッと想い出しました。
4月6日ジェイムス・テイラー来日公演も良かったなぁ。
皆さんの印象に残っている2024年の音楽・場面は何ですか?

さて、大橋トリオの『NEW WORLD』(2021)以来約3年ぶりとなるオリジナル・アルバムが発売されました。

大橋トリオ『GOLD HOUR』
(CD+Blu-ray RZCB-87145 6,380円税込/CDのみ RZCB-87146 3,520円税込)

2023年11月発表ミニ・アルバム『カラタチの夢』の5曲は、哀しく切ない空気感でした。
本作はその雰囲気を引きずりつつも、温かな風が吹いている1枚です。

今日のこの1曲は、ジェイムス・テイラー的なアコースティック・ギターから始まる「Lullaby」を。森陽馬


2024年11月16日(土) The Baker Brothers 「Heartbreaker」

今から20年くらい前のことでしょうか。
その日は何故か落ち込んでいて、行く当てもなく独りで街中をフラフラしていました。

ふと何かの情報で、ベイカー・ブラザーズの来日公演があることを知り、当日券でなんとなくフラッと入場。
オールスタンディングでギッチリ詰まった場内に、最初は来たことを後悔しましたが、、、。

1曲目からステージ上&客席もバカみたいに大盛り上がり!
ダン&リチャードのベイカー兄弟はラストまで楽しそうに演奏していました。
ライヴ後は、沈んでいた気分もどこかへ飛んで、汗びっしょりで帰宅したのが懐かしい想い出です。

”音”を"楽しむ”と書いて<音楽>。
その音楽のマジックに勇気づけられた一夜でした。

時は経て2024年11月。
ベイカー・ブラザーズの新作アルバムが発売されました。

The Baker Brothers『The Next Last Party』
(国内CD PCD-25448 2,750円税込)

名前こそ変わらずベイカー・ブラザーズですが、残念ながら現在は、ベイカー兄弟が2人ともいません。
ダンとリチャードは2011年前後に脱退。ベーシストのクリス・ペドリーが中心の5人組となっています。

1st『Ten Paces』(2003)頃のゴツゴツとした武骨な演奏は鳴りを潜めました。
聴く者を熱くさせる音感もはっきりいってありません。

でも、UK発らしい洗練されたソウルフルかつポップな1枚で、これはこれで僕は気に入っています。
今日のこの1曲は、シック/ナイル・ロジャースっぽい雰囲気で自然と身体が揺れる「Heartbreaker」を。
あの素敵な一夜を想い出させてくれるグッド・ヴァイヴなナンバーです。森陽馬


2024年11月17日(日) センチメンタル・シティ・ロマンス 「うん、と僕は」

1974年に池袋のシアターグリーンで行われた伝説の<ホーボーズ・コンサート>が、なんと50年ぶりに復活します。

日時は2024年12月24日(火)から30日(月)までの7日間。
場所は当時と同じ場所で、新しくなっているシアターグリーンで行われます。
出演者などはネット上に掲載されていますので、<ホーボーズ・コンサート2024>で検索してみてください。

僕が初めてホーボーズ・コンサートを観に行ったのは、忘れもしない1974年6月26日のことでした。

出演者はシュガー・ベイブとセンチメンタル・シティ・ロマンス。
共に初めて見るグループで、レコードもまだ出ていない時期でしたが、日本にもこんなグループが「いるんだ!」という衝撃を受けました。

ということで今日の1曲は、今回のホーボーズ・コンサートにも出演が決まっているセンチメンタル・シティ・ロマンス。
その時初めて聴いた「うん、と僕は」は今でも大好きな曲です。

センチメンタル・シティ・ロマンス『ゴールデン・ベスト』
(国内2枚組CD 1st&2nd全曲にライヴ8曲を追加収録 MHCL-595 3,122円税込)

50年前センチメンタル・シティ・ロマンスにいた細井豊と、50年前はシュガー・ベイブにいた野口明彦が、今回は同じグループでシアターグリーンに登場! このことだけでも今から胸が熱くなってきます。森勉


2024年11月18日(月) Tears For Fears 「Emily Said」

ペット・サウンズ・レコードが選ぶ2022年ベスト・アルバムに選出した、ティアーズ・フォー・フィアーズ約17年ぶりの新作『The Tipping Point』。
彼らの次回作が発表されるのは、まだまだずっと先のことかなと思っていましたが、先頃嬉しいニュー・リリースがありました。

ティアーズ・フォー・フィアーズ『SONGS FOR A NERVOUS PLANET』
(国内CD2枚組 解説・歌詞・対訳付 日本盤ボーナス・トラック1曲収録 UICB-10015 4,400円税込)

今作は、2023年7月11日にテネシー州にあるファーストバンク・アンフィシアター(7,500人収容)で行われたライヴ音源18曲と、新曲5曲(日本盤ボーナス・トラック1曲を含む)を収録した2枚組作品。

ライヴ音源は『The Tipping Point』の楽曲を中心に、「Everybody Wants To Rule The World」、「Sowing The Seeds Of Love」、「Shout」他ヒット曲も盛り込んだキャリアを総括するような内容で、ローランド&カートの歌もバンドの演奏も素晴らしく、現在もこんなにクオリティの高いライヴをやっているんだ!と驚きと感動でいっぱいになりました。

新曲は、彼ららしいメロディアスでスケール感のあるポップ・ソングが並びます。
「Emily Said」の詞に登場するエミリーの言葉は、ローランド・オーザバルが亡くなった奥さんから実際に掛けられた言葉だったのかなと想像させます。
新曲の中でもひと際明るいメロディの曲ながら切なさも漂うこの曲...子供たちの無垢な歌声が印象的です。東尾沙紀


2024年11月19日(火) 吾妻光良 & The Swinging Boppers 「打ち上げで待ってるぜ」

11月新譜の大本命盤!
吾妻光良&The Swinging Boppersの新作アルバムが本日入荷しました。

吾妻光良&The Swinging Boppers『Sustainable Banquet』
(国内CD 先着特典ステッカー付 MHCL-3059 3,300円税込)

2024年で結成45周年!
平均年齢67歳の12人編成による日本ジャンプ・ブルース・バンド、吾妻光良&The Swinging Boppers。
『Scheduled By The Budget』(
2019年5月21日今日のこの1曲紹介)以来、約5年半ぶりの新作です。

⑤「Boogie-Oogie」にエゴ・ラッピン、⑩「L-O-V-E』にはLeyonaもゲスト参加。
年を経ての喜怒哀楽が詰まった楽しい12曲が収録されています。

今日のこの1曲は、1曲目「打ち上げで待ってるぜ」を。
1979年11月学園祭での初舞台から連れ添っているバンド・メンバーへの愛情と感謝が伝わってきます。

ちなみに近作のタイトルを列挙すると...
『Stompin' & Bouncin'』(1991)、『Squeezin' & Blowin'』(2002)、『Sevwn & Bi-decade』(2006)、『Sweatin' Ballroom』(2009)、ライヴDVD『Stage & Backdoor』(2009)、『Senior Bacchanals』(2013)。
全て、Swinging Boppersにちなんで、SとBの頭文字のタイトルになっているんですね。森陽馬


2024年11月20日(水) Jeff Larson 「Raining In My Heart」 feat Jeffrey Foskett

ウエスト・コースト・ロックの新譜が少ない!とお嘆きの皆様、お待たせしました!

ウエスト・コースト・サウンドの正しき継承者、ジェフ・ラーソンのソロ作としては約10年ぶり新作アルバムです。

ジェフ・ラーソン『Adobe Home』
(国内仕様CD 日本盤のみ「Raining In My Heart」ダウンロードQRコード付 VSCD-3242 2,860円税込)

ジェフ・ラーソンは1963年サンフランシスコ生まれの男性シンガー・ソングライター。
ジェリー・ベックリー(今回も参加)やジェフリー・フォスケットと共に多くの良質な楽曲を生み出してきました。

本作ではイーグルス「Peaceful Easy Feeling」等を書いたジャック・テンプチンと2曲共作!(「The Name Of The Song」「You Can Fly」) 更に、シカゴのロバート・ラムとの共作曲「A Matter Of Time」も注目ですね。

ただ、今日のこの1曲は、2023年12月に逝去したジェフリー・フォスケットが参加している「Raining In My Heart」を。

2018年発表ジェフとジェフリー共作『ELUA ALOHA』(
2018年5月24日今日のこの1曲参照)のアウトテイクでしょうか。
アコースティック・サウンドと二人のコーラスが心地良く沁みますね。
日本盤ブックレットに印刷されたQRコードを読み取ると、VIVID SOUNDのページで聴くことができます。森陽馬


2024年11月21日(木) 友部正人 「銀座線を探して」

東京という街は日々変化しています。
特に、渋谷駅周辺は行く度に変わっていて、東京に住んでいる僕らでも戸惑いますね。
(山手線から東急線、井の頭線への乗り換えが現在わかりにくいですよね。)

さて、友部正人さんの約4年ぶりとなるオリジナル・アルバム『銀座線を探して』が発売になりました。

友部正人『銀座線を探して』
(国内CD TM-019 2,860円税込)

本作は2024年6月22日&23日吉祥寺スターパインズカフェでライブレコーディングを行い録音された1枚。
バック・メンバーは、友部正人さんに加え、おおはた雄一、伊賀航、芳垣安洋、吉森信が参加。
中村宗一郎によるマスタリングで、ライヴ感ある演奏ながら、スタジオ録音のようなしっかりした音作りです。

今日のこの1曲は、まさに変化している渋谷や東京の街が舞台となっているタイトル曲「銀座線を探して」。
♪街は勝手に生きている。生きている人を置き去りにして♪というフレーズが印象的です。

友部さんの言葉選びというか“歌”は、さりげない日常のようでいて、実はとても深いものがあります。
本作8曲目に収録されている「クワガタ」という歌も、最後は風刺が効いていてドキッとしました。森陽馬


2024年11月22日(金) The Korgis 「Matala Moon」

元スタックリッジのジェームズ・ウォーレンを中心とした英国のポップ・バンド、ザ・コーギス。
約3年ぶりの新作は、<青>盤、<赤>盤の2枚にわたるポップ超大作です♪

ザ・コーギス『UN -ユナイテッド・ネーションズ ブルー/レッド』
(国内CD 2枚セット+ボーナスCD付 解説・歌詞・対訳付 HYCA-8081S 5,720円税込/ブルー、レッド単体もあり)

とびきり気持ち良いハーモニーとメロディが満載の今作は、''世界のつながり''をテーマとしたコンセプト作品。

ドイツ、ブラジル、オーストラリア、フランス、ニューヨークなど各地/時代を巡るコーギス音楽の旅はとても楽しい♪
冷戦、オッペンハイマー、環境問題を重いテーマを扱った曲もポップ・ソングに仕立てた、バンドのアイデアが結集した1枚となっています。

順番的にVol.1となる<青>盤に収録された、「Matala Moon」はジョニ・ミッチェル『ブルー』制作時のエピソードに着想を得て書かれたのだそうです。美しいストリングス・アレンジ、コーラスが聴きもの!
スコットランドのシンガーソングライターMarley Davidsonのヴォーカルをフィーチャーしています。

その前の曲
「Another Perfect Day In St.Tropez」には、歌詞にビーチ・ボーイズ/ビートルズが登場します。

数量限定の2枚セットには、さらに日本のみ!3曲入りのボーナスCDが付いています。
2022年オーケストラとの共演による「永遠の想い」ライヴ音源などどのトラックも素晴らしい。
こちらもお聴き逃しなく!東尾沙紀


2024年11月23日(土) 大滝詠一 「Bachelor Girl」

祝!ナイアガラ・レコード50周年!
2025年3月21日発売の大滝詠一/ナイアガラ関連商品が発表になりました。

<2025年3月21日発売>
・大滝詠一『B-EACH TIME L-ONG 40th Anniversary Edition』 2CD盤 3,960円税込
・大滝詠一『B-EACH TIME L-ONG 40th Anniversary Edition』 完全生産限定盤 2LP盤 6,100円税込
・NIAGARA FALL OF SOUND ORCHESTRA『Complete NIAGARA SONG BOOK』 3CD盤 5,940円税込

1985年にリリースされた編集アルバム『B-EACH TIME L-ONG』の40周年盤2CDと2LP。
そして、大滝詠一究極のインストゥルメンタル作品集3CDが2025年3月21日に発売決定しました。

2025年最新リマスタリングが施され、CDには貴重な音源も追加収録!
先着特典ステッカーや、初回のみポスター封入などもございます。
ナイアガラ50周年を祝して、是非チェックしてくださいね。

さて、今日のこの1曲は、『B-EACH TIME L-ONG』から「Bachelor Girl」を。
今では『EACH TIME』(1984)に入っていますが、当時は新曲として本作(1985)がアルバム初収録でした。

ちなみに、40周年盤のCDには、プロモーション用に配布されていたカセットテープ『Niagara Memory, Melody, Medley』の音源がボーナス・ディスクに入る予定です。(なお、アナログ盤にはカセット音源が入らないものの、今回が初アナログ化!)

あと『Complete NIAGARA SONG BOOK』3CD盤には、新作となる『NIAGARA SONG BOOK3』が収録!
楽しみですね。森陽馬



2024年11月24日(日) シャイ・ライツ 「オー・ガール」

スウィート・ソウル好きへの道を開いてくれたのは、1968年にヒットしたデルフォニックス「ラ・ラ・ミーンズ・アイ・ラヴ・ユー」でした。

全米のポップ・チャートでも第4位まで上昇し、日本のラジオでも時々かかっていました。
なんといっても、メロディーが良かった。
裏声=ファルセットも、スモーキー・ロビンソン&ミラクルズが好きだったので、ちゃんと免疫ができていましたし、すんなりと受け入れることができました。

さて、今日はファルセットではありませんが、スウィート・ソウルの大ヒット曲を。
1972年、全米No.1ヒットになり、日本でもそれなりにラジオでかかっていたシャイ・ライツの「オー・ガール」。

シャイライツは、ブランズウィック・レーベルに所属していて、当時日本ではビクターから発売していました。
CHI-LITESという読み方が、チ・ライツとかチャイ・ライツという表記で日本盤も発売されていましたね。

リード・ヴォーカルのユージン・レコードが曲を書き、プロデュースもしています。森 勉

シャイ・ライツ『オー・ガール』+1
(国内CD 完全限定価格 UVPR-60170 1,210円税込)


2024年11月25日(月) リー・リトナー&デイヴ・グルーシン「Vitoriosa」 featイヴァン・リンス&タチアナ・パーハ

リー・リトナー&デイヴ・グルーシンfeatイヴァン・リンスのブルー・ノート公演を先週観に行ってきました。

デイヴ・グルーシンは90歳とは思えないほど、瑞々しい感性のピアノを弾いていました。
途中からゲスト参加したイヴァン・リンスとブラジルのミュージシャン達も素晴らしかったです。

デイヴ・グルーシンが作曲しスティーヴン・ビショップが歌ってヒットした映画『トッツィー」の主題歌「It Might Be You」のピアノ・ソロや、クインシー・ジョーンズ追悼の意が込められたイヴァン・リンス「Love Dance」も披露してくれて感動しました。

今日のこの1曲は、イヴァン・リンスによる1980年代愛の名曲「Vitoriosa」を。
ブラジル人女性シンガーのタチアナ・パーハとのデュエットで、場内が温かい空気に包まれました。

本公演で唯一残念だったのは、リー・リトナーの息子ウェスリー・リトナー(ドラムス)。
自己主張が強すぎるドラミングで、彼が演奏に加わった曲では調和が取れていなかったような、、、。
自戒を込めて、息子の至らなさを実感しましたね。森陽馬

★掲載ジャケットは、リー・リトナー&デイヴ・グルーシンによる2024年6月発売新作『BRASIL』。
(国内CD 中原仁氏による解説付 PCCY-1996 3,000円税込)


2024年11月26日(火) UGUISS 「きみは夜の月」

11月24日(日)interFMラジオ『LAZY SUNDAY』に、佐橋佳幸さんとピーター・ゴールウェイがゲスト出演しました。

ローラ・ニーロの曲を歌ったアルバム(2024年10月17日今日のこの1曲で紹介)を発表したばかりのピーター・ゴールウェイですが、先週来日して新しい作品をレコーディングしていたそうです。

佐橋佳幸さんとピーター・ゴールウェイのユニット名は“EN”(エン)。
人と人との”縁”、楽しい"宴”、などの意味が込められています。
超豪華ゲストが多数参加したアルバムを2025年春発表し、5月頃来日公演も行う予定とのことで楽しみですね。

さて、2024年春に再結成ツアーを行った佐橋佳幸さん在籍バンドの新生UGUISS。
40年ぶり!書き下ろし新曲「きみは夜の月」が7インチ・アナログ盤で発売されました。

UGUISS『きみは夜の月/How Are You Doing? 2024 New Version』
(国内7inchアナログ・レコード MHKL-96 2,200円税込)

作詞は新世代作家・詩人マーサ・ナカムラさん。作曲は佐橋佳幸。
女性シンガー冨田麗香さんの清涼感ある歌声と、キャッチーなギターリフ&メロディーが爽快なナンバーです。
佐橋さんのギター・ソロをもっと聴きたい、と思うところでフェイドアウトするのが7インチらしくていいですね。

ちなみに、佐橋さんも加わっていた山下達郎バックバンドによるユニット、Nelson Super ProjectのLP『Nelson Magic ANALOG Edition』も発売。「Let's Dance Baby」カヴァー(ライヴ音源)も追加収録されています。森陽馬


2024年11月27日(水) 原田知世 「winter pupa」

11月28日がお誕生日♪原田知世の最新作が本日発売になりました。

カヴァー・アルバム『恋愛小説4 -音楽紀行-』から約1年ぶりとなるリリースは、秋から冬...ちょうど今頃の季節をテーマにした新曲6曲を収録したミニ・アルバム。
ひんやりとした空気にほわっと暖かな灯をともすような知世さんの歌声に心が安らぎます。

原田知世『カリン』
(国内CD 初回限定盤UHQCD+ミニ・フォトブック UCCJ-9251 3,250円税込 / 通常盤 2,860円税込)

彼女の作品には欠かせないプロデューサー伊藤ゴロー、二度目の曲提供/編曲も手掛ける川谷絵音(ベースは休日課長)、高橋久美子(作詞)、soraya(壷阪健登&石川紅奈)、作詞で初参加の藤原さくら、ツアーメンバーとしても活躍する角銅真実、佐藤浩一、鳥越啓介らが参加。

今日のこの1曲は、高野寛・作詞/伊藤ゴロー作曲による②「winter pupa」(越冬するアゲハチョウのさなぎ)を。
透き通るような歌声、叙情的なメロディと弦のアレンジ、高野さんの詩が美しい秋冬の情景をイメージさせてくれます。東尾沙紀



2024年11月28日(木) ゲイリー・ウィリアムズ 「アイル・クローズ・マイ・アイズ」

23才の時からレコード店で働き始めて、かれこれ50年以上の歳月が過ぎました。

レコード店で仕事をしていますが、他のレコード店へ行くことも昔から好きで現在まで続いています。

1970年代よく行ったレコード店と言えば・・・、
数寄屋橋のハンター、銀座の山野楽器とヤマハ、渋谷のヤマハ、渋谷東急プラザの中にあったコタニ、新宿の帝都無線、原宿のメロディハウス、秋葉原の石丸電気、下北沢のカリフォルニア・ミュージック、自由が丘の東光ソハラ楽器。

そして、もうひとつ、青山のパイド・パイパー・ハウス。
長門さんや浪岡さんともご縁があって親しくさせていただいていたのでよく通いました。

ということで、長門芳郎さん監修のこのCDから1曲。

『ベスト・オブ・パイド・パイパー・ハウス Vol.2』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-31038 2,200円税込)

今日は1曲目に入っているゲイリー・ウィリアムズの「アイル・クローズ・マイ・アイズ」を。
1967年発売のシングルのみの音源。
こんなすてきな曲が気軽にCDで聴けるなんて、さすがパイド・パイパー・ハウスの選曲です。森勉


2024年11月29日(金) 越路吹雪 「愛の讃歌」

東京都江東区森下にある1918年(大正7年!)創業のマエダ楽器店が、2024年12月1日(日)で閉店となります。

今は新品CDを中心に扱い、2018年に100周年を迎えましたが、店主の病気療養で店を閉める決断をしたそうです。

そのマエダ楽器店へ先日行ってきました。
多くの方が音楽という名の夢や希望を求め通った、街のCD・レコード店。
現在一人で店番をしている店主の奥さまともお話できて、とても感慨深い想いになりました。

健やかにお過ごしになれることを祈っております。長い間本当におつかれさまでした。

今日のこの1曲は、大正生まれのシンガー越路吹雪さんが若き日に録音した音源集から。

越路吹雪『アーリーソング・コレクション 1949-1957』
(国内CD 解説・歌詞付 COCP-42321 3,520円税込)

越路吹雪は宝塚歌劇団27期生として1937年に入団後、1949年に「ブギウギ巴里」でレコード・デビュー。
本CDには、日本コロンビアから1957年までに出した音源が2CDに37曲収められています。

ディスク1の1曲目には、彼女の代表曲となる「愛の讃歌」の初レコーディング音源(1954年発売)が収録。
エディット・ピアフの名曲カヴァーで、岩谷時子さんによる日本語訳詩。
古き良き時代のおおらかさが伝わってきます。森陽馬


2024年11月30日(土) 大貫妙子 「四季」

「大貫妙子シンフォニック・コンサート2024」東京・人見記念講堂の公演へ行ってきました。

グランドフィルハーモニック東京による約60人以上の管弦楽に、佐々木新平の指揮。
フェビアン・レザ・パネ、鈴木正人、伏見蛍、林立夫(高橋幸宏氏を思い出させるハット&スーツ姿)が加わったバックの演奏は、とても美しく壮麗で、心身が浄化された一夜でした。

「さようならと さようならと あなたは手をふる」 (大貫妙子「四季」の歌詞より)
編曲:フェビアン・レザ・パネ、作詞・作曲:大貫妙子。
坂本龍一との共作アルバム『UTAU』にも収められていた「四季」は、特に優しく響いてきました。

アンコールで出てきた時、「誕生日おめでとう!」という客席からの声援(2024年11月28日で71歳)に、大貫妙子さんは毅然として「年をとることは避けようがない。時を戻すことはできないから、前を向いて歩んでいきます。」と返答。
彼女の正直で真っ直ぐな生き方に、背筋が伸びる思いになりました。森陽馬

★掲載ジャケットは、「四季」収録アルバムの大貫妙子&坂本龍一2010年発表作『UTAU』。
1999年作『ATTRACTION』、2003年発売『ライブラリー アンソロジー1973-2003』にも収録されています。




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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