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  今日のこの1曲 “Archives”

<2024月7月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2024年7月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2024年7月1日(月) Jasmine Myra 「Glimmers」

ピーター・バラカン氏が監修している音楽フェス<LIVE MAGIC!>の2024年開催が発表されました。
第10回目となる今回は、2024年10月19・20日に行われ、ピーターさんが2023年ベストに挙げていたマシュー・ハルソール(
2024年2月11日今日のこの1曲で紹介)の来日が決定! 7人編成のバンドで来るそうで、とても楽しみです。

ただ、<LIVE MAGIC! FINALE>と銘打たれており、10回目で一区切りになるとのこと。
残念ではありますが、そのFINALEが楽しいイベントになるといいですね。

さて、マシュー・ハルソールがプロデュースしているジャスミン・マイラの新作が、国内盤で発売になりました。

ジャスミン・マイラ『Rising』
(国内CD 解説付  RPOZ-10096 2,640円税込)

ジャスミン・マイラは、イギリス北部リーズ出身の女性サックス/フルート奏者。
本作は2022年発表1st『Horizons』に続く、マシュー主宰Gondwanaレーベルからの2ndアルバムです。
Gondwanaらしい美的センス溢れるスピリチュアルなインストJAZZが全6曲収録されています。

今日のこの1曲は、4曲目「Glimmers」を。
メインのメロディ&フレーズが、マシューの作品に収録されていた「Jewels」に繋がる雰囲気を持っていて、かすかな希望の光(Glimmers)を感じさせてくれる、美しい崇高なナンバーです。森 陽馬



2024年7月2日(火) 砂の壁 「きてしまう夏」

猪爪東風(ayU tokiO)がプロデュースしているインディー・ポップ・バンド、“砂の壁”が新作を発表しました。

砂の壁『都市漂流のために』
(国内CD AICP-41 1,650円税込)

砂の壁は、神戸の同大学出身で現在は東京を拠点に活動している4人組ポップ・バンド。
(オボキョウヘイ(Vo.G)、ヤマザキマオ(B)、青木聖陽(Key)、大見勇人(Dr))
2023年発表1stミニ『GUMBO』(
2023年5月17日今日のこの1曲で紹介)は素晴らしい内容で大評判の作品でした。

本作も、ayU tokiOがプロデュース&コーラス・アレンジ、佐藤清喜さんがマスタリングを担当。
白昼夢を漂いながら都会の街中を闊歩していくような、“砂の壁ミュージック”を響かせる1枚に仕上がっています。

♪コンクリートジャングル 帰りたい場所はどこだろう♪
今日のこの1曲は、そんな歌詞のフレーズが印象に残った3曲目「きてしまう夏」を。
美しいメロディの中に、賑やかなようでいて孤独を募らせる都会の悲哀を感じます。森 陽馬



2024年7月3日(水) LEYLA McCALLA 「Take Me Away」

気温・湿度が上がってきて、夏の到来を感じますね。

太陽の日差しが強くなり、蒸し暑くなってきた最近、気に入って店でよくかけているのがこの1枚。

LEYLA McCALLA『Sun Without The Heat』
(輸入CD Anti 880342)

ハイチにルーツを持つ1985年生まれ、NY出身の女性シンガー/チェロ奏者、レイラ・マッカラ。
Carolina Chocolate DropsやOur Native Daughtersの活動でも知られる彼女が、ハイチの伝統音楽やアフロビート、ブラジルなど様々な音楽要素をミックスし、バンド・サウンドで聴かせる快心のソロ・アルバムです。

オーガニックな演奏と血湧き躍るグルーヴィーさが合わさって、とてもかっこいい1枚!

今日のこの1曲は、独特なリズムとリフが印象的な3曲目「Take Me Away」を。森 陽馬


2024年7月4日(木) 布谷文夫 with ナイアガラ社中 「ナイアガラ音頭」(シングル・ヴァージョン)

今年の夏は、「ナイアガラ音頭」で踊り明かそう!

1976年6月にアナログ・シングルとして発売された「ナイアガラ音頭」が、短冊型ジャケ8cmCDで甦りました。

布谷文夫 wtih ナイアガラ社中『大瀧詠一プロデュース ナイアガラ音頭EP』
(国内8cmCD 完全生産限定盤 SRDL4755 1,500円税込)

発売は七夕の日、7月7日ですが、本日7月4日から店頭販売が始まっています。

この8cmCDに収録されているのは以下の5曲。
①ナイアガラ音頭(シングル・ヴァージョン)
②あなたが唄うナイアガラ音頭(カラオケ)
③Let's Ondo Again(1981 Mix)
④Let's Ondo Again(1981 Mixカラオケ)
⑤夏バテ(熱中症Version)

昔の貴重な資料や音頭手順も歌詞カードに掲載されています。

2024年の夏は、大滝入魂の音頭を聴いて、踊って乗り切りましょう。森 勉


2024年7月5日(金) 安田成美 「風の谷のナウシカ」(2024ver)

宮崎駿原作の映画『風の谷のナウシカ』(1984)は、2024年で劇場公開40周年!
主題歌「風の谷のナウシカ」を歌った安田成美さんもデビュー40周年を迎えました。

それを記念して、作曲を手掛けた細野晴臣氏がプロデュースを担当し40周年ヴァージョンを制作。
2024年1月に配信で発表されましたが、この度限定アナログ盤で7月31日発売が決定しました。

安田成美「風の谷のナウシカ(2024ver)/銀色のハーモニカ(2024ver)
(2024年7月31日発売 国内7inchアナログ カクバリズム KAKU-206 2,420円税込)

細野晴臣さんは、この40周年盤を制作するにあたって、音の調整を何度も何度もやり直しました。
苦労の末、やっとできあがったその新しい「風の谷のナウシカ」を安田成美さんが色々な人に聴かせたところ、ほとんどの人が心を震わせて涙を流したそうです。

アナログ盤に針を落として聴く「風の谷のナウシカ」(2024ver)は、どのように響いてくるでしょうか。森 陽馬


2024年7月6日(土) 平野友里(ゆり丸) 「超ゆり丸音頭」 白井良明プロデュース

7月7日は<短冊CDの日 2024>!
大好評だった2023年第1回に続き、8cmシングルが2024年7月7日に色々発売されます。

<短冊CDの日>は「シングルCD文化の継承と発展」を目的に、1990年代に流行した短冊CDの縦長パッケージを通じて、令和の世の中で活動するアーティストとCDショップを盛り上げていこう、と企画されたイベントです。
CDショップへ足を運んで、短冊CDを手に取っていただけたらうれしいですね。

ということで、7月7日にリリースされるアイテムの中から1枚紹介しましょう。

平野友里(ゆり丸)『超ゆり丸音頭』
(国内8cmシングルCD 先着特典マグネット付 NRSD-3133 1,650円税込)

彼女の出身地である千葉県旭市への愛が詰まった“音頭”新曲。
なんと、ムーンライダーズ白井良明氏が作曲・編曲・ギター・プロデュースを担当しています!

更に、ミックス&マスタリングはマイクロスター佐藤清喜さんが手掛けており、曲中の“合の手”(掛け声)を白井良明氏と佐藤清喜さんのお二人が入れているという珍品!
(録音現場で、白井良明氏が「君も一緒にやろう!」と声をかけて、佐藤清喜さんも参加することになったそう)
ムーンライダーズファン、マイクロスターマニアも要チェック! 森 陽馬


2024年7月7日(日) アン・ルイス 「恋のブギ・ウギ・トレイン」

山下達郎が携わった作品は、相変わらずの人気でいろいろなものが再発されています。

今日は2024年最新リマスターで7月3日に再発されたCDを紹介したいと思います。

アン・ルイス『ピンク・キャット」+5
(国内CD 解説:金澤寿和 VICL-77056 2,420円税込)

1979年に発表された山下達郎によるプロデュース作品のアルバムに、シングル曲を5曲追加したものです。

現在でも山下達郎のライヴでよく演奏される「恋のブギ・ウギ・トレイン」は、最初はアン・ルイスへの提供曲でした。

今回、その「恋のブギ・ウギ・トレイン」が、日本語・英語&ロング・ヴァージョンの3ヴァージョン収録されています。森 勉


2024年7月8日(月) Aaron Frazer 「Thinking Of You」

近年は世界各国で、ヴィンテージ感あるスウィート・ソウルな新譜アルバムが増えています。

今日紹介するアーロン・フレイザーの新作も、レトロな雰囲気ながら現代に響くメロウな1枚でした。

アーロン・フレイザー『Into The Blue』
(国内CD ボーナス・トラック追加収録 解説・歌詞・対訳付 DOC320JCD 2,750円税込/アナログLPもあり)

アーロン・フレイザーはドラン・ジョーンズ&ジ・インディケーションズのドラマー/ヴォーカリスト。
本作『Into The Blue』は、ブラック・キーズのダン・オーバックがプロデュースした2021年発表1stアルバム『introducing...』に続く、約3年ぶりの2ndオリジナル・アルバムです。

日本盤帯の文面には、<ヒップホップ的なメンタリティを核として作り上げた>と記載されていますが、HIP HOPな節回し&サウンドはほとんどなく、彼特有のファルセット・ヴォイスがソウルフルに心地良く伝わってきますね。
70'sスウィート・ソウルお好きな方にもオススメしたい作品です。

今日のこの1曲は、「君のことが忘れられない・・・」と歌われる、甘く切ない①「Thinking Of You」を。
この数年間で、アーロンは交際していた恋人と別れ、ブルックリンからロサンゼルスへ引っ越しました。
そんな彼の哀愁がこの歌には込められています。森 陽馬


2024年7月9日(火) ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース 「Come On Baby Let's Go Downtown」

ニール・ヤングとバンド活動を共にしてきたクレイジー・ホースは、ビリー・タルボット(ベース)とラルフ・モリーナ(ドラムス)が不動のメンバーながら、ギタリストは変化してきました。

一番最初は、ダニー・ウィッテン(1968-1971 1972年にオーバードーズで急逝)。
次に、フランク・“ポンチョ”・サンペドロ(1974-2014)。
近年は、ニルス・ロフグレン(2018-2023)。
今年2024年のツアーは、マイカ・ネルソン(ウィリー・ネルソンの息子)が加わっています。

この度、ダニー・ウィッテンが在籍していた1969年、ニールとクレイジー・ホースが最初に組んだアルバム『Everybody Knows This Is Where』(邦題:ウィズ・クレイジー・ホース)頃の未発表音源集が発売されました。

ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース『EARLY DAZE』
(国内CD SHM-CD仕様 大鷹俊一氏による解説・歌詞・対訳付 WPCR-18672 3,080円税込/輸入LPもあり)

当時のニールはグレッチのギターを弾いていて、その音色と響きが痛快!
狂馬との演奏は、独特な荒々しさが感じられて、何時聴いても刺激的ですね。

今日のこの1曲は、ニールとダニーの共作曲「Come On Baby Let's Go Downtown」未発表スタジオ・ヴァージョン。
リード・ヴォーカルはダニー・ウィッテン。ジャック・ニッチェが加わっているのもこの時期ならではの編成ですね。

約55年を経ても爆走し続けているニールwith狂馬。まさに「Long May You Run」!
(この曲はクレイジー・ホースとの曲ではないけれど) 森 陽馬


2024年7月10日(水) Graham Parker & The Goldtops 「Last Stretch Of The Road」

ニック・ロウの新作『Indoor Safari』が2024年9月に発売されます。
フル・アルバムとしてはホリデー・アルバム『Quality Street』を含めると約11年ぶり!
近年発表されたEP楽曲のリメイクなど既発曲が中心のようですが、ロックンロールな新曲「Went To A Party」がかっこいいので、アルバムが楽しみになりました。

ニック・ロウ縁の人、グレアム・パーカーもコンスタントに作品を発表しています。
海外では2023年に発表されたものですが、日本でも手に取りやすい状況になったようです。

Graham Parker & The Goldtops『Last Chace To Learn The Twist』
(輸入CD Big Stir Records BSR-0099)

最新作でバックを務めているのは、The Goldtops。
先日フェアーグラウンド・アトラクションで来日したばかりのサイモン・エドワーズ(b)、ザ・ルーモアのマーティン・ベルモント(g)、ゲラント・ワトキンス(key)、ジム・ラッセル(ds)に、女性コーラス2人、ホーン・セクションが加わった編成です。

郷愁を誘う「Sun Valley」や、ハーモニカが良い味わいの「Last Stretch Of The Road」など、ほどよく枯れて、ほどよくポップ、レゲエがあったり、サザン・ソウル・テイストがあったり...安定のGP節を聴かせてくれます。東尾沙紀


2024年7月11日(木) 大貫妙子&坂本龍一 「四季」

坂本龍一が音響監修を務めた映画館<109シネマズプレミアム新宿>で、7月5日から3週間特別上映されている大貫妙子&坂本龍一のライヴ映像『UTAU LIVE IN TOKYO 2010』を鑑賞しました。

このライヴ映像は、大貫妙子と坂本龍一が2010年11月10日に発表したアルバム『UTAU』のリリースに合わせて行ったツアー、2010年12月10・11日東京国際フォーラム公演の模様です。

観た後、体中の疲労や邪念がすべて浄化されるような心持ちになりました。
素晴らしい音響はもちろん、当時のツアーの舞台照明や演出がとても美しかったです。
(「鉄道員」、「戦場のメリークリスマス」での照明・映像編集は深く印象に残りました)

そして、このツアーのお二人は、若々しい恋人のように、キラキラしていましたね。
大貫妙子さんの澄んだ歌声は、坂本龍一への恋文のように響いてきました。

今日のこの1曲は、本編ラストに歌われ、特に感動的だった「四季」を。
「つないだ手に夏の匂い 海へと続く道 <中略> さようならとさようならと あなたは手をふる 鈴の音が唄いながら 空を駆けていく」(大貫妙子「四季」歌詞より) 森 陽馬


★このライヴ映像が初ブルーレイ化されました。
大貫妙子&坂本龍一『UTAU LIVE IN TOKYO 2010 A PROJECT OF ONUKI TAEKO & RYUICHI SAKAMOTO』
(国内Blu-ray RZXM-77999 6,600円税込)


2024年7月12日(金) 大滝詠一 「NIAGARA ROCK'N' ROLL ONDO」

明日7月13日(土)は、東京の盆の入り日(迎え火)です。

そして、2024年7月13、14、15日の3日間、
<ナイアガラ盆踊り>が代々木公園イベント広場で開催されます。

ナイアガラ盆踊りは、J-WAVEのイベントINSPIRE TOKYOに合わせて行われる盆踊り祭。
大滝詠一が作った数々の音頭が会場内に流れ、花柳糸之社中と共に盆踊りが楽しめます。

2023年第1回は代々木競技場前で行われましたが、2024年はNHKホール近くに位置する代々木公園イベント広場・ケヤキ並木で18時から開催。(入場無料!)
野宮真貴さんが3日間出演し、更に7月15日には横山剣さん(クレイジーケンバンド)もゲスト参加予定です。

昨年に続き、ナイアガラうちわが無料で配布され、オリジナルのナイアガラTシャツの販売もあり!
渋谷区観光協会が後援となって、出店も色々あるようです。お祭り気分で立ち寄ってみてくださいね。

さてさて、会場ではどんな音頭がかかるでしょうか?!
大好評だった2023年第1回目も多彩な選曲で盛り上がっていましたが、本作で是非予習・復習してください。

『大滝詠一 NOVELTY SONG BOOK/NIAGARA ONDO BOOK』
(国内2枚組CD 安田謙一氏による詳細な解説付 SRCL-12450 3,960円税込/LPもあり)

今日のこの1曲は、「ナイアガラ音頭」をドライヴ感あるロックンロールなアレンジにした「NIAGARA ROCK'N' ROLL ONDO」を。
2023年の盆踊りでもかかり、他の音頭とは異質ながらテンポアップして盛り上がっていましたね。森陽馬


2024年7月13日(土) ナンシー・ウィルソン 「ジョー」

2020年に発売されたトム・ベル作品集『THOM BELL 'ready or not 1965-1978'』(2020年7月12日今日のこの1曲で紹介)は、当店ではいまだにロングセラー続行中の人気コンピCDです。

その続編CDが発売になりました。

『Didn't Blow You Mind? ~ THOM BELL 'The Sound of Philadelphia Soul 1969-1983』
(輸入CD KENT/ACE 16ページ英文ブックレット付 CDTOP522)

全20曲、トム・ベルが手掛けたフィラデルフィア産の名曲たっぷりの選曲です。
プロデュース、アレンジ、オーケストラ指揮、又は作曲に携わった作品が、最新リマスターのいい音で楽しめます。

デルフォニックス、スピナーズ、ロニー・ダイソン、エルトン・ジョン、スタイリスティックス、ルー・ロウルズ、ベル&ジェイムス、オージェイズ、etc...。

今日の1曲は、エレクトリック・シタールなどが入り、トム・ベルらしいアレンジが後半に繰り広げられるジェリー・バトラー「ウォーキング・アラウンド・イン・ティアー・ドロップス」にしようかと思いましたが、ナンシー・ウィルソン「ジョー」にしました。

ナンシーのヴォーカルに、トム・ベルならではのフレンチホルンの響き。
2分20秒ほどの短い曲ですが、シビレました。森勉


2024年7月14日(日) Eric Clapton 「Prayer Of A Child」

21世紀に入り20年以上が経っているにも関わらず、世界各地で戦争が起きています。

「戦争を止めよう」というメッセージは、絵空事に感じてしまう人が多いかもしれません。
でも、「子供たちを守って」という祈りは、世界中の皆が願っていることだと思います。

4歳の息子を不慮の事故で亡くしたことがあるエリック・クラプトンの、「To Save A Child」という想いが込められたコンサート音源&映像が発売になりました。

Eric Clapton『To Save A Child』
(輸入CD+Blu-ray Surfdog Records BUSH153362CD/輸入LPもあり)

本作は、エリック・クラプトンが2023年12月8日ロンドンにあるRDスタジオで行ったライヴ作品。
このライヴは、戦争で被害を受けたパレスチナ/ガザ地区の子供達を支援する目的で行われたものです。

バックは、Doyle Bramhall Ⅱ、Nathan East、Sonny Emory、Tim Carmon、Sharon White、Katie Kissoon。
本編ラスト「Give Me Love」(ジョージ・ハリスン作)には、ジョージの息子Dhani Harrisonが参加。

そして、アルバムの最後には、スタジオ録音の新曲「Prayer Of A Child」が追加収録されています。
2024年で79才を迎えたクラプトンの祈りにも似た歌が、無関心を装った僕らの心を静かにノックします。森陽馬


2024年7月15日(月) Little Feat 「Mellow Down Easy」

リトル・フィートの新作が出ました。

Little Feat『Sam's Place』
(輸入CD LFR001CD/7/17発売 国内仕様盤 帯付・解説なし LFR001CDJ 3,190円)

70年代から在籍している黒人パーカッショニスト、Sam Claytonがヴォーカルを担当。
メンフィスにあるスタジオSam Phillips Recordingsで録音。(だからタイトルがSam's Placeなんですね)
ブルースのカヴァーを中心にした9曲入りのアルバムです。

レイドバックした味わい深い内容?、と思いきや、さすがリトル・フィート!
タイトな演奏にエレキ・ギターもガンガン絡み、サム・クレイトンのソウルフルな歌声もかっこいい!
ビル・ペインのキーボード・プレイも健在でうれしいですね。

今日のこの1曲は、リトル・ウォルターで知られる「Mellow Down Easy」(ウィリー・ディクソン作)を。
フレッド・タケット&スコット・シャラードのギターと、ゲストのマイケル・ロブによるハーモニカとのバトルが痛快!

ちなみに、現メンバーは、Bill Payne、Sam Clayton、Kenny Gradney、Fred Tackett、Scott Sharrard、Tony Leone。(CD内ジャケットに掲載されている6人の写真が激渋!)
なお、ボニー・レイットが3曲目「Long Distance Call」にヴォーカルで参加しています。森陽馬


2024年7月16日(火) Neil Young with Crazy Horse 「Hey Hey My My」(Into The Black)

フジロック・フェスの公式ファンサイトFUJIROCKERS.ORGに、<苗場フジロック・オールタイム・ベストアクト25>の投票結果が掲載されました。

並み居る名アーティストの名ライヴを押しのけ1位になったのは、、、。
なんと!2001年ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホースでした!

このライヴ、僕は現地へ観に行っていました。
今から約23年前ですが、昨日のことのように想い出しますね。

同じグリーン・ステージで、パティ・スミスも昼過ぎに出ていて、それも素晴らしかったこと。
ニールの出番まで、会場内ではジミー・リードの渋いブルースがかかっていたこと。
21時半から23時までの予定が、24時過ぎまで約2時間半も演ったこと。(フジロックでは異例!)等々。

その日に披露された18曲の中から1曲選ぶとしたら、20分以上にも及んだカオスな「Like A Hurricane」も印象深いですが、やはり「Hey Hey My My」でしょうか。

♪ロックン・ロールは絶対に滅びやしない! 目に見えるよりももっと多くのイメージがあるんだ。♪

この曲を聴くと、あの夏の陽射しと夜空、澄んだ山の空気を今でも感じることができるのです。森陽馬


2024年7月17日(水) リンダ・キャリエール 「Love Celebration」

遂に正式発売!
リンダ・キャリエールの日本制作アルバムがCDで2024年7月17日発売されました。

リンダ・・キャリエール『リンダ・キャリエール』
(国内CD 松永良平&長門芳郎氏による解説・歌詞・対訳付 MHCL-3092 3,300円税込)

1977年に細野晴臣プロデュースのもと、完成していたリンダ・キャリエールのアルバムは、残念ながら発表されませんでした。
ワールドワイドな販売戦略がある作品だったそうですが、当時の海外スタッフの反応がイマイチだったためお蔵入りに・・・。もったいない。
当時、少数テストプレスされたラフミックス盤を聴いた方々の「いい作品だ!」といううわさ話は聞こえてきましたが...。
それが、これからは思う存分聴くことができます。

作曲陣は、細野晴臣4曲、山下達郎2曲、吉田美奈子2曲、矢野顕子1曲、佐藤博1曲、の全10曲。
どれも質の高い楽曲揃いです。

1977年当時、日本の音楽のメインストリームではなかったタイプのサウンドですが、今なら全世界のシティ・ポップ好きに受け入れられるのではないでしょうか。
参加ミュージシャンも凄い!
林立夫、村上ポンタ、高水健司、松木恒秀、大村憲司、鈴木茂、坂本龍一、浜口茂外也、etc...。
当時、ボツになるのはあまりにももったいない、と思ったソニーのスタッフが、英語詞を安井かずみの詞にして、笠井紀美子ヴォーカルでアルバム『トーキョー・スペシャル』に「バイブレイション」(Love Celebration)と、「待ってて」(Laid Back Mad Or Mellow)を収録するという早わざもありました。

とにかく、47年越しの発売を喜びたいと思います。
なお、7月17日は、アルファ・ミュージックの創立記念日だそうです。森 勉


2024年7月18日(木) Travis 「Alive」

現在のメンバーで活動を続けて2024年で30周年を迎えるグラスゴー出身バンド、トラヴィス。
50代に突入し、べテランの風格漂う彼らの約4年ぶりの新作がリリースされました。

Travis『L.A. Times』
(輸入CD 限定デラックス・エディション2枚組 964028732)

トニー・ホッファーをプロデューサーに迎えた10作目。

クリス・マーティン(コールドプレイ)、ブランドン・フラワーズ(ザ・キラーズ)がコーラス参加「Raze The Bar」や、ホーンが加わった「Gaslight」等シンガロング出来そうな曲から、フラン・ヒーリー(vo,g)が元妻に宛てたメランコリックな「Live It All Again」、ヒーリーが居を構えるLAの貧富格差への嘆き・怒りをぶつけた「L.A.Times」まで、歌詞もサウンドも様々なアプローチがあり、最初は雑多な感じがしましたが、根底にあるのはやはりトラヴィスらしい憂いのあるメロディ。力作だと思います。

♪ぼくらは生きている 息をしている限り この夢を灯し続けることができる♪
と歌われる「Alive」は、亡くなった彼らの友人に捧げられた曲。
哀しみより希望に満ち、凛としたアコースティック・ギターの美しい音色と共に胸に響いてくる1曲です。

デラックス盤のディスク2には、メンバーの自宅等で録られた本編10曲分のStrippedバージョン(バンドのみのシンプルな演奏のもの)が収録されています。

前売り販売は既に終了していますが、フラン・ヒーリーがソロで急遽来日。
7月24日に渋谷SPACE ODDにてスペシャル・アコースティック・ライヴが行われる予定です。東尾沙紀


2024年7月19日(金) Alice Clark 「Hey Girl」

2024年7月3日から発行が始まった新札の千円札を、本日初めて手に取りました。
これから流通していくのでしょうが、手にするとうれしいですね。

さて、物価高と言われながら、お買得な新品CDが色々出ています。
最近では、ウルトラ・ヴァイヴ社からの<名盤1,100円シリーズ>が大好評!

対象商品を5枚購入&応募で、江口寿史さんデザインのトートバックがもれなくもらえるキャンペーン中です。
1枚のみお買い上げでも、イラストコースター(ペラペラな紙ですが...)を差し上げています。
←江口寿史さんデザインによるレコード少女イラスト

応募締切は2024年10月4日。気になる作品を吟味して是非応募してくださいね。

さて、対象商品の中からオススメのこの1枚。

アリス・クラーク『Alice Clark』
(国内CD 期間限定盤 UVPR-60063 1,210円税込)

黒人女性シンガー、アリス・クラークが1972年に発表した唯一のアルバムです。

ソウルフルな歌声も魅力ですが、バーナード・パーディ他によるファンキーな演奏が聴きもの!
今日のこの1曲は、ダニー・ハサウェイ『LIVE』に収録されていることで有名なナンバー「Hey Girl」を。森 陽馬


2024年7月20日(土) 鈴木祥子 「帰郷」

鈴木祥子さんの新しい作品が本日入荷しました。

鈴木祥子『エクスペリアンス~記憶された言葉、記録された愛』
(国内CD BECD-32 3,500円税込)

本作は、2023年12月3日/2024年1月13日に千駄ヶ谷ビクター・スタジオ302Stで行われたレコーディング・ライヴからベスト・テイクをセレクトした音源で、ワーナー期(1998年作『私小説』、1999年作『あたらしい愛の詩』、2000年作『Love,painful love』)の楽曲が歌われています。

ピアノ/エレピの弾き語りで、歌に刻まれた愛への想いがストレートに伝わってきました。
心に響く言葉、気持ちが込められた歌とメロディーに胸が熱くなります。

今日のこの1曲は、美しくも切ないバラード曲「帰郷」。

なお、ジャケットに掲載されているのは11曲ですが、うれしいボーナス・トラックも入っていました。
その歌の言葉を噛みしめるように繰り返し聴いてください。森 陽馬


2024年7月21日(日) はっぴいえんど 「夏なんです」

暑中御見舞い申し上げます。

東京は例年にも増して暑い日が続いています。

僕は父方も母方も東京で暮らしていたので田舎というものがなく、特に子供時代、夏休みなど同じクラスの子たちが田舎へ行って楽しかったとか、祖父母からお小遣いをもらったという話を聞いたときは、とてもうらやましく思ったものです。

そんな僕だったのですが、小学生の頃、母方の親戚がいるということで、三重県の鳥羽(とば)に二度ほど連れていってもらったことがありました。
寝台夜行列車での旅、ギンギンギラギラの太陽、モンモンモコモコの入道雲。
少し足を延ばして、まさに鎮守の森だった伊勢神宮へ行ったりと、楽しい思い出が残っています。
その時、初めて食べた赤福の味も格別でした。

ということで、今日の1曲は「夏なんです」。
この曲を聴くと、遠い昔の夏の日がよみがえってきます。森 勉

★掲載ジャケットは、はっぴいえんど『風街ろまん』。
(国内CD 初回生産限定盤 60ページブックレット付 MHCL-30916 3,520円)


2024年7月22日(月) 竹内まりや 「The Last In Love」

竹内まりやさんの新曲「歌を贈ろう」のシングルCDが8月28日発売。
そして、その「歌を贈ろう」を収録した新作アルバム『Precious Days』が10月16日発売決定しました。

シングルはいいかな?と思っている方も多いかもしれません。
でも、このシングルの2曲目「The Last In Love」と3曲目「New Kid In Town」を僕はとても楽しみにしています。

②「The Last In Love」は、J.D.サウザー1979年発表名作『You're Only Lonely』に収録の切ないバラード。
③「New Kid In Town」は、イーグルス1976年発表名盤『Hotel California』からのシングル曲。
どちらも、オリジナルは竹内まりやさんが大好きなアメリカ西海岸/ウエスト・コースト・ロックの名曲ですね。

特に、「The Last In Love」はまりやさんにとっても様々な想いが詰まった歌かもしれません。

1990年代に行われたセンチメンタル・シティ・ロマンスのライヴに、竹内まりやさんがスペシャル・ゲストとして出演したことがあり、その時、センチをバックに歌ったのが「The Last In Love」のカヴァーでした。
まりやさんの美しい歌声は約26年経った今でも忘れられません。

今回初CD化される「The Last In Love」は、2018年頃にセンチ&佐橋佳幸さんをバックにスタジオで録音した、サンデー・ソングブックでオンエアされたことがあるヴァージョンでしょうか?
どちらにしても、2021年に亡くなった中野督夫さんへの想いが込められた1曲なのだと思います。森 陽馬

★掲載ジャケットは、2曲目に「The Last In Love」のカヴァーが収録される竹内まりや『歌を贈ろう』。
(2024年8月28日発売 国内CD 完全生産限定盤 WPCL-13604 1,650円税込)


2024年7月23日(火) SKYE 「radio」 feat Raine

鈴木茂、小原礼、林立夫、松任谷正隆による4人バンド、SKYE(スカイ)。

小坂忠のバック・バンド“フォージョーハーフ”での活動から約50年を経て、2021年10月に1stアルバム『SKYE』を発表。2022年には小坂忠さんとの哀しい別れもありながら、SKYEとしてツアーも行いました。

あれから、わずか2年半。SKYEの新しいアルバムが届けられました。
前作同様、大人なロックを聴かせる1枚に仕上がっています。

SKYE『Collage』
(国内CD COCB-54372 3,500円税込)

今日のこの1曲は、ラスト14曲目に収録されている「radio」を。

FM COCOLOのスプリング・キャンペーン・ソングとして書き下ろされた「radio」は、小坂忠のお孫さんRaine(レイン)がメイン・ヴォーカルを務めています。

小坂忠の娘Asiahを母を持つRaineは、L.A.生まれの19歳女性シンガー。
忠さんのDNAを引き継ぐ美しい歌声が、約半世紀の時を越えたSKYEによる演奏で、現代の空気を震わせます。森陽馬


2024年7月24日(水) Kitty Liv 「Keep Your Head Up High」

ロンドン出身3兄弟バンド、キティ・デイジー&ルイスの次女で末っ子キティが、キティ・リヴとしてソロ・アルバムをリリース♪

キティ・リヴ『イージー・タイガー』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 PCD-25402 2,750円税込)

リズム&ブルース、ロカビリーなどロックンロールを追求してきたキティ・デイジー&ルイスとはまた一味違う、ファンキーな面が際立った初ソロ作。クールで堂々とした歌声も相まってとってもかっこいい~!

全曲の作詞・作曲、ドラム、キーボード以外の殆どの楽器は彼女自身が手掛け、.兄ルイスも共同プロデュース&演奏に参加。

兄のベース、彼女のブルースハープが絡む骨太な「Keep Your Head Up High」、シンプルなバラード「Sweet Dreams」、リード・トラック「The Sun And The Rain」、グルーヴィーで気持ち良い「Nothing On My Mind(But You Babe)」など全10曲。
シンセやストリングスなども取り入れながら、ソロだからこそ表現できる彼女の現在が詰まった充実の1枚です。

ちなみに余談...アルバム・ジャケット、MVにはドラムが叩く彼女が登場していますが、今作ではエイドリアン・ミーハン(Young Gun Silver Foxサポート他)がほぼ全曲で叩いています。

彼女は今週末開催のフジ・ロック・フェスティヴァル'24に出演!(ステージはFIELD OF HEAVEN)
2025年1月30、31日には、東京・大阪での単独公演も決定しています。東尾沙紀


2024年7月25日(木) ナツ・サマー 「ORANGE AIRMAIL」

女性シンガー、ナツ・サマーの新作アルバム『オレンジ通信』が発売になりました。

真夏の蒸し暑さに、爽やかな風を感じさせてくれる1枚です。

ナツ・サマー『オレンジ通信』(ORANGE AIRMAIL)
(国内CD CMTR-013 3,000円税込/アナログLPは2024年10月2日発売)

流線形のクニモンド瀧口氏によるプロデュース。
ジャパニーズ・ラヴァーズ・ロックに、シティ・ポップ風味を加えたサウンドが心地良いですね。
今日のこの1曲は、愛媛県(彼女の出身地)の特産でタイトルにも冠された5曲目「ORANGE AIRMAIL」を。

なお、3曲目「神様お願い」のオリジナルは、ハバナエキゾチカ(Baffalo Daughterの前身バンド。1991年発表作『踊ってばかりの国』に収録)で、女優の深津絵里が歌手時代の1992年にカヴァーしていたナンバーです。森陽馬


2024年7月26日(金) First Gear 「Leave My Kitten Alone」

1964年イギリスにおけるR&B/Bluesバンドの層の厚さを思い知らされるコンピレーションCDが出ました。

V.A.『Having A Rave-Up! ~ The British R&B Sounds Of 1964』
(輸入3枚組CD Grapefruit/Cherry Red CRSEG3BOX146 英文ブックレット48ページ付)

CD3枚に全91曲!
1964年に録音・発表された楽曲だけに限定してもこの量と質。
どの曲もこの時期のブリティッシュR&B/Bluesの熱さを伝えてくれるものばかりです。

プリティ・シングス、アート・ウッズ、マンフレッド・マン、ヤードバーズ、ジョン・メイオール&ブルースブレイカーズ、ゾンビーズ、アニマルズ、ナッシュヴィル・ティーンズ、グラハム・ボンド・オーガニゼーション、スペンサー・デイヴィス・グループなど、名前が知られたバンドも入っていますが、半分以上は日本では紹介されなかったバンドで占められています。
さすが、イギリスは違うな、と思わせてくれるカッコイイR&B満載です。

どの曲を聴いても、若さと志、そして初期衝動がほとばしっています。
今日はその中から今回初めて聴いたファースト・ギアの「Leave My Kitten Alone」を。
間奏のギター・ソロが1964年としてはホットでいかしています。森 勉


2024年7月27日(土) NUBIYAN TWIST 「Lights Out」 feat Nile Rodgers

夏に飲む熱い緑茶が美味しいように、暑い時に聴く身体が熱くなるような音楽も良いものです。

今日紹介するこのアルバムも、心も体も自然と揺れてくるゴキゲンな1枚♪

NUBIYAN TWIST『Find Your Flame』
(輸入CD Strut STRUT346CD)

NUBIYAN TWISTは、ロンドンを拠点に活動しているTom Excellを中心とした9人編成ジャズ・ソウルバンド。
ワールド・ミュージック/アフロビートな要素も加味しつつ、英国発らしいステイリッシュなアレンジで楽しめます。

今日のこの1曲は、2曲目「Lights Out」。
シックっぽいな、と思ったら、ナイル・ロジャースがギターを弾いていて、作曲にも参加していました。
さすが、ナイル・ロジャース! カッティング健在ですね。

ちなみに、6曲目「Carry Me」にはシェウン・クティも参加しています。森 陽馬


2024年7月28日(日) KERMIT 「Rainbow Connection」

ロジャー・ニコルスと組んで、数々の名曲を作ったポール・ウィリアムスの単独名義の作品集がACEレーベルから発売されました。

全22曲収録中、14曲がロジャー・ニコルス&ポール・ウィリアムスの楽曲。
あとは、ビフ・ローズやミシェル・コロンビエ等との共作4曲、そして単独作品4曲で構成されています。

どの曲もポール・ウィリアムスの人柄がにじみ出ている、聴く者の気持ちを心地良くほぐしてくれるような楽曲ばかりで、本当にいい選曲だと思います。

「サムデイ・マン」(モンキーズ)、「オールド・ファッションド・ラヴ・ソング」(スリー・ドッグ・ナイト)、「レッツ・ライド」(ロジャー・ニコルス&スモール・サークル・オブ・フレンズ)、「ドリフター」(サンドパイパーズ)、「愛は愛の中に」(ダイアナ・ロス)、「雨の日と月曜日は」(フリーダ・ペイン)など、有名曲はオリジナル・アーティストやナイス・カヴァーで収録。
あまり知られていない曲ですが、スコット・ウォーカー、エルヴィス・プレスリー、アン・マレー、グレン・キャンベルが歌う彼の曲も絶品です。

うれしい選曲としては、フレディ・アレン「愛のプレリュード」、アート・ガーファンクル「トラヴェリング・ボーイ」、フォー・キング・カズンズ「アイ・フェル」・・・よくぞ、選んでくれました。

今日の1曲は、このCDのラストを飾ってくれるカエルのキャラクター、カーミットことジム・ヘンソンが歌う名曲「レインボー・コネクション」を。
『マペット・ショー』や『セサミ・ストリート』でおなじみのあのカエルくんです。

ほのぼのしているのに、ジワーッと胸にくる歌なんです。
ちなみに、カーミットは左利きでバンジョーを弾きます。森 勉

★『We've only just begun ~ The Paul Williams Songbook』
(輸入CD ACE CDTOP-1644 16ページ英文ブックレット付)


2024年7月29日(月) Liana Flores 「Hello Again」

うだるような暑さを束の間忘れさせてくれる涼やかな歌声。
ブリティッシュ・フォークの繊細さと、ブラジリアン・ミュージックの軽やかさを持ち合わせた話題のシンガーソングライターが、Verveからリリースしたメジャーデビュー作。
最近は今作の音に癒やされています。

リアナ・フローレス『フラワー・オブ・ザ・ソウル』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック1曲収録 UCCV-1201 2,860円税込)

リアナ・フローレスは、イギリス人の父とブラジル人の母を持つ1999年生まれ、ロンドンを拠点とするシンガーソングライター。

デヴェンドラ・バンハートとの仕事で知られるアメリカのミュージシャン、ノア・ジョージソンによるプロデュース。
チン・ベルナルデス、ジャキス・モレレンバウムなどブラジルのミュージシャンも参加しています。

70年代フォーク・シンガーと錯覚してしまうような古めかしさの中に、心地良いボサ・ノヴァがうまくブレンドされています。
弦のアレンジは彼女自身が手掛け、聴く者を美しい自然に誘ってくれるような詩の表現も素敵なのでぜひ注目してほしいです。

朝露のようにキラキラとしたピアノ、フルートに彩られた穏やかなオープニング・ナンバー「Hello Again」を今日の1曲に。東尾沙紀


2024年7月30日(火) The Allman Betts Band 「Shinin'」

フジロック・フェスティヴァル2024、7月28日(日)3日目へ行ってきました。

雨が降った時間帯もありましたが、苗場は涼しくて、とても過ごしやすかったです。
越後湯沢駅からのシャトルバスは並ばずに乗れました(行きのシャトルバス運賃が2,000円になった影響?)し、飲食店やトイレも混んでいる場所&時間帯はありましたが、全体的にはストレスを感じませんでした。

タイムテーブルに出ているアーティストのライヴだけでなく、様々なワークショップや催しが多彩にあって、幅広い客層が楽しめる工夫が施されていましたね。

ちなみに僕が今回観ることができたアーティストは以下。
夏川りみ→Cho Co Pa Co Cho Co Quin Quin→大道芸人マサトモジャ→ALI→The Jesus And Mary Chain→URBAN GROOVE FITTERS(臼井ミトン、沼澤尚、中條卓、田中義人)→YIN YIN→Celebration Of The Meters→The Allman Betts Band→Gaz Mayall→kurayamisaka→SAKURA CIRCUS(空中ブランコ)→LOS RIZLAZ、等々。
翌朝5時までフジロックを満喫しました。

個人的ベストは、フィールド・オブ・ヘヴンで観たCelebration Of The Meters!
<Dumpstaphunk(アイヴァン・ネヴィル、イアン・ネヴィル中心のファンク・バンド)に、ジョージ・ポーターJrがゲストで加わって、ミーターズの曲を演奏する>という編成。ジョージ・ポーターJrのベース&存在感は凄かったなあ。

ミーターズの後、フィールド・オブ・ヘヴンのトリを飾ったThe Allman Betts Bandも印象深かったですね。
The Allman Betts Bandは、グレッグ・オールマンの息子デヴォン・オールマンと、ディッキー・ベッツの息子デュアン・ベッツを中心としたサザン・ロック・バンドで日本初見参!
「Blue Sky」「Midnight Rider」「Dreams」と、父のカヴァーも演りましたが、セットリストの基本はオリジナル曲。
自分たちのバンドが今奏でているサザン・ロックを聴け!という気概が伝わってきました。

最後の方では、デヴォン・オールマンの息子(つまり、グレッグ・オールマンの孫)がキーボード奏者として登場。
オールマンのサザン魂は引き継がれていくのだ、と実感できました。森 陽馬

★掲載ジャケットは、The Allman Betts Bandの2019年発表1stアルバム『Down To The River』。


2024年7月31日(水) birch 「Cloudy」

当店最寄りの武蔵小山駅から徒歩10分のところに、林試の森公園があります。

緑が多く広い公園で、散歩で立ち寄ると都会の喧噪から離れることができ、ホッとしますね。
近隣住民にとっては憩いの場所となっています。

さて、1stアルバム『私だけの朝』(
2021年8月26日今日のこの1曲で紹介)が好評だった、松野寬広によるソロ・ユニットbirchの約3年ぶり2ndアルバムが本日発売されました。

birch『光をまたいで』
(国内CD お買い上げの方先着で缶バッチ付 HYCA-8074 2,750円税込)

オーガニックなサウンドにメロウなソングライティングが、疲弊した身体と心に寄り添ってくれる1枚。
竹川悟史(ex.森は生きている)が、アルバム全10曲中9曲でメイン・ヴォーカルを担当しています。

今日のこの1曲は、アルバム中唯一のインスト・ナンバー8曲目「Cloudy」を。
松野寬広が奏でるウーリッツァー&チェレスタの演奏に、林試の森公園で録音された音響が足されているトラック。
よーく聴くと、落ち葉を踏みしめている音が聞こえてきます。森 陽馬




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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