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  今日のこの1曲 “Archives”

<2025月3月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2025年3月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。
<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>

2025年3月1日(土) HOT 8 BRASS BAND 「Let's Stay Together」

ニューオリンズで伝統的に行われているカーニバル(祭)、マルディグラ。
毎年2月中に行われることが多いのですが、2025年は3月4日(火)に行われます。

ニューオリンズの中心街フレンチクォーター、特にバーボン・ストリート周辺は、マルディグラ・インディアンのパレードとそれを観に来た観光客で大賑わいとなるでしょうね。現地にいたら楽しいだろうな~...。

さて、ニューオリンズ発の新譜オススメ盤を紹介しましょう。

HOT 8 BRASS BAND『BIG TUBA』
(国内仕様CD 林剛氏による日本語解説付 BRTRU-462 2,310円税込)

1995年結成のニューオリンズ・ブラス・バンド、HOT 8 BRASS BAND。
フル・アルバムとしては2017年作『On The Spot』以来の新作。UKのレーベルTru Thoughtsからのリリースです。

コロナ渦の2021年に、創設メンバーでリーダーのTUBA奏者Bennie PeteがCOVID19に罹り45歳の若さで他界。
本作『BIG TUBA』は、亡くなったその彼に捧げられています。

といっても暗さはなく、セカンドラインとブラス、HIP HOP的フロウが絡んで、ファンキーな仕上がりの1枚♪
今日のこの1曲は、ラスト10曲目アル・グリーン「Let's Stay Together」のカヴァーを。
生前のベニーが演奏しているTUBAの音も、このトラックに入っています。森陽馬

★PET SOUNDS RECORDが選ぶ2024年ベスト・アルバム、コラム・コーナーにて。

2025年3月2日(日) Niagara Fall of Sound Orchestral 「幸せな結末」

ニューオリンズのカーニバル、マルディグラも魅力ですが、日本のお祭りといえば盆踊り。
2023年、2024年に行われ大盛況だった<ナイアガラ盆踊り>が2025年も開催決定いたしました!

ナイアガラ盆踊りは2025年7月12~13日、会場は代々木公園イベント広場・ケヤキ並木です。
7月12日には『大滝詠一ナイアガラ・レコード50th Anniversary Special Live(仮)』というコンサートが、LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で開催。7月13日には鈴木茂ライヴ『大滝詠一を唄うVol.9』があり、更に7月から<大滝詠一ナイアガラ・レコード50周年記念展>も神保町New Galleryで開催予定だそうです。

2025年はナイアガラ・レコード50周年と同時に、大滝詠一さんの13回忌でもあります。
色々なリリースやイベントを通して、大滝詠一さんが紡いだGOOD MUSICが次世代に引き継がれるといいですね。

ちなみに、3月21日発売『Complete Niagara Song Book』のジャケットが公開されました。
(2025年3月21日発売 国内3枚組CD SRCL-13110 5,940円税込/アナログ盤は7月発売予定)
わたせせいぞう氏によるイラストが素敵ですね。

今日のこの1曲は、インスト集『Complete Niagara Song Book』に収録される「幸せな結末」を。
2023年に発売された8cmシングルに収録のカラオケとは同じ?or違うヴァージョンかな?
発売を楽しみに待ちましょう。森陽馬


2025年3月3日(月) David Guez 「The Wasteland」

「デヴィッドの曲はミックスするのがとても楽しかった!(中略) 彼の2曲のミックスに僕を選んでくれて、とても光栄だった!」
名エンジニア、ボブ・クリアマウンテンが賛辞を贈るシンガーソングライター!

デヴィッド・ゲス『ザ・プライス・オブ・イリュージョン』
(国内CD 解説・歌詞付 PCD-26131 2,860円税込)

デヴィッド・ゲスはフランスを拠点に活動しているイギリス人シンガーソングライター。
2000年代初頭にデビューしたロンドンのバンド、ザ・リアル・チューズデイ・ウェルドにも一時期在籍していたのだそうです。

2019年にソロ1st『An Imperfect Harmony』を発表、今作は彼の2ndアルバムで日本デビュー盤になります。
スティーリー・ダンとの共演で知られるマイケル・レオンハートが2曲参加しています。

AORの洗練された雰囲気、英国らしい親しみやすいメロディ、ウエスト・コースト・ロックの軽やかさが溶け合った1枚。
最初は少し地味に感じたのですが、優しい歌声も心地良くてじわじわと沁みてきます。

本日はピアノのイントロから引き込まれる「The Wasteland」を今日の1曲に。
美しいメロディとアレンジに、10ccのエッセンスを感じました。
この曲のミックスはボブ・クリアマウンテンが手掛けています。東尾沙紀


2025年3月4日(火) ティモシー・シャラメ 「Song To Woody」(ウディに捧げる歌)

映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』を、109シネマズ二子玉川IMAXで鑑賞。

上映時間2時間20分が短く感じるほど、映画の世界へ入り込んで感動しました。
若き日のボブ・ディランを描いた物語ですが、ディランを知らない人にこそ観てもらいたい作品ですね。

主演ティモシー・シャラメがディランの曲を自ら演奏しており、物真似を超えた情熱が溢れ出ていました。
ちょっとした仕草や目つきに、ディランの凄みと危うさが見事に表現されていたと思います。

心に残った曲は、クライマックスでの「ライク・ア・ローリング・ストーン」はもちろんのこと、物語最初の場面、ディランが病院にいるウディ・ガスリーを訪ね、彼の前で歌った「ウディに捧げる歌」にグッときましたね。
地味でフォーキーな印象しかなかったこの歌が、ウディの瞳を覗き込むようなディラン(ティモシー・シャラメ)の目線と共に、深く心に刻まれました。

ウディとピート・シーガー、ジョニー・キャッシュ、そしてスージー・ロトロ(役名:シルヴィ)はこの世にもういません。
ディランは当時のことをどのような感情で想いを馳せているのでしょうか。

なお、監督のインタビューによると、ラストのバイク排気音は、“自由”を表現したものだそう。
自由であることは孤独でもあるのだ、ということも実感しました。森陽馬


★掲載ジャケットは、『名もなき者』映画サウンド・トラックのCD盤。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP6558 2,860円税込)
ジャケット違いのアナログLPも出ていますが、「ウディに捧げる歌」はCD盤に収録されています。


2025年3月5日(水) ビーチ・ボーイズ 「リトル・セイント・ニック」(ステレオ・ミックス シングル・ヴァージョン)

3月に入ったというのに、東京では雪が降ったので、今日はクリスマスの曲です。

入荷が遅れていたこのアナログ・シングル・レコードを。

Beach Boys『Little Saint Nick c/w Auld Lang Syne』
(輸入7inchレコード Capitopl 602468013129)

ビーチ・ボーイズの1963年発表クリスマス・アルバムからの1曲ですが、当時シングル・レコードも発売されました。
LPとは別ヴァージョンで鈴の音が加えられたりしたシングルのみのヴァージョンでした。
シングルなので当時はモノラル・ミックスだったのですが、CDの時代になり、シングル・ヴァージョンもステレオ・ミックスで聴けるようになっていました。

2024年のクリスマス時期にはピクチャー・スリーヴ付でこの7インチ・シングルが出たわけです。
シングル・ヴァージョンのステレオ・ミックスでの発売!

B面は以前とは違う曲で「蛍の光」。
なんと、デニスのナレーションが入ったヴァージョン(ステレオ)。
レコードの色はアイス・ブルー・カラー!森勉


2025年3月6日(木) Gary Louris 「Getting Older」

1990年代初めからずっと聴いている大好きなアメリカン・ロック・バンド、The Jayhawks。
The Jayhawks名義では2020年発表作『XOXO』以来リリースがありませんが、中心人物の男性シンガー・ソングライターGary Lourisの2025年ソロ・アルバムが発売されました。

Gary Louris『Dark Country』
(輸入CD SHAM/Thirty Tigers 11432CD)

2021年発表作『Jump For Joy』(
2021年6月5日今日のこの1曲で紹介)に続く3枚目のソロ作。
前回はバンド的なサウンドでしたが、今作はほぼ彼一人で録音、全体的にアコースティックな仕上がりの1枚。
ラスト12曲目「Perfect Day」(ハリー・ニルソンのカヴァー)以外は彼のオリジナル楽曲が収録されています。
ニール・ヤング的/武骨なアメリカン・ロックに根ざしたソングライティングは健在ですね。

その中から今日のこの1曲は、リード曲①「Getting Older」を。
The Jayhawks時代の名曲「Waiting For The Sun」を彷彿とさせるイントロにグッときました。

ちなみに、ジャケットに映っている女性は、2020年に再婚した妻Steph Louris。
Garyはベタ惚れのようで、本作は彼女へ捧げられており、コーラスで参加もしています。森陽馬


2025年3月7日(金) Neil Young 「Sail Away」

ニール・ヤングは自らの意見・態度・姿勢を音楽で表現してきました。
そしてこの度、ヨーロッパ・ツアー2025の幕開けとしてウクライナでフリー・コンサートを行いたい、と表明。
思いや主張を表明しづらい中でも、ニールは自身の心・音楽と正直に向き合っているのだ、と感じますね。

そのニール・ヤングの新しいアイテムが本日発売されました。

Neil Young『Oceanside Countryside』
(輸入LP REPRISE/Warner 093624858980/輸入CDは4/25発売予定 国内盤の発売予定はなし)

『Oceanside Countryside』は、ニール・ヤング1978年発表名盤『Comes A Time』の前に、当時リリースする予定だった、という1977年フロリダ&ナッシュビル録音のアコースティック・ナンバーを中心としたアルバムです。

2024年9月に発売されたニール・ヤングの17CD BOX『アーカイヴBOX Vol.3』(
2024年9月7日、8日に今日のこの1曲で紹介)の中に、同名のディスクが入っており、収録曲は同じながらそれとは曲順やテイクが多少違っています。ニール本人が本来出したかった曲順は、本作単体の方とのこと。
LP裏ジャケットには、ニール&息子Zeke Youngと、当時ツアーを廻っていたフィドル奏者Rufus Thibodeauxが一緒に映っている珍しい写真が使われています。

今日のこの1曲は、本作の冒頭を飾る1曲目「Sail Away」を。
ランディ・ニューマンの名曲とは同名異曲のアコースティックで穏やかなニール・オリジナル曲。
『Rust Never Sleeps』(1979)収録の同曲とは別ミックスのリズム・トラックが入っていないヴァージョンです。

なお、ニールの新作として、2023年ソロ・ツアーのライヴ音源『COASTAL』が4/18発売予定になっています。森陽馬


2025年3月8日(土) SUNNY WAR 「RISE」

“ナッシュビル”はカントリーのイメージが強いのですが、新しいアメリカン・ロックの新譜も生まれています。

SUNNY WAR『Armageddon In A Summer Dress』
(輸入CD NEW WEST Records NW-6599)

SUNNY WARは、ナッシュビル在住の黒人女性シンガー・ソングライター/ギタリスト。
2025年発表の本作『Armageddon In A Summer Dress』が5枚目となるオリジナル・アルバムです。

アラバマ・シェイクスの1stアルバム『Boys & Girls』を手掛けたAndrija Tokicによるプロデュース。
NEW WESTからのリリースで、アメリカン・ルーツと新世代NEW ROCKが絡み合ったバンド・サウンドな仕上がり。
彼女の歌い方には、クリッシー・ハインド的な雰囲気を時折感じますね。

今日のこの1曲は、全体的にはやや重みのあるアルバム中、最もポップで爽やかな③「RISE」を。森陽馬


2025年3月9日(日) 近藤健太郎 「Find Love」

柔らかなメロディと歌声は春の兆し♪心地良い風が吹きぬけるポップ・アルバム。

近藤健太郎『Strange Village』
(国内CD 歌詞付 VSCF-1780 2,860円税込)

The Bookmarcs、the Sweet Onions、Snow Sheepなどユニットでも活躍するシンガーソングライター、近藤健太郎。
2021年5月発表のソロ・デビュー・シングル「Begin」(7インチ・レコード)以降、待望となるソロ1stアルバムがリリースされました。

幕開けは「Across The Universe」を想起させる「We aren't free(as it is now)」から。
ブリティッシュ・ロック、サンシャイン・ポップ、ネオアコ/ギター・ポップ...管弦楽器を取り入れ丁寧に紡がれたサウンドには、近藤さんのルーツ/フェイヴァリットがぎゅっと詰まっています。
全編英語詞。ブックレットには日本語詞も掲載されています。

プロデュースはソロ・デビュー曲「Begin」(今作にはAlbum Mixで収録)を手掛けた及川雅仁さん。
「She Is Mine」にはコーラス&コーラス・アレンジで杉真理さんが参加!
マスタリングは、microstar/nicely niceの佐藤清喜さんが手掛けています。

本日は当店店長・森勉推し曲、エヴァーグリーンな「Find Love」を今日の1曲に。

先着で特典CD-R『Strange Village Official Bootleg』が付きます!
デモ・トラックなど20分超の音源が楽しめます。東尾沙紀


2025年3月10日(月) スーマー 「人生行きあたりばったり」

テレビ・ドラマ『深夜食堂』は大好きな番組です。

毎回テーマになる料理もおいしそうで食べたくなってしまいますし、本当にあんな食堂があったら毎日でも行きたいですね。
最初に出てくる具だくさんのトン汁も寒い夜に食べると、身も心もあたたまりそう・・・。

ということで、今日はこのCDを。

鈴木常吉、福原希己江、スーマー『深夜食堂のうた』
(国内CD ASCU-6104 1,528円税込)

番組の中で使用されている全8曲入り。
もちろん、あの独特のインパクトを持ったオープニング・テーマ、鈴木常吉の「思ひで」も収録。
(新宿の大ガード下を通って、歌舞伎町の前を通り過ぎて行く、あの印象的な映像のバックにかかっている曲です。)

今日の1曲は、エンディング・テーマに使われている時もあったスーマーさんの「人生行きあたりばったり」を。
作曲スーマー、作詞は『深夜食堂』の原作者でもある安倍夜郎です。森勉


2025年3月11日(火) ヴァン・ダイク・パークス 「英雄と悪漢」(Heroes And Villains)

ヴァン・ダイク・パークスが「英雄と悪漢」を歌い出した瞬間、隣にいたI君は「ウォー!」と驚きの声を上げ、誰よりも早く大きな拍手を送りました。

時は1999年6月、場所は六本木スイートベイジル139でのことです。
僕とI君はかなり前の方で観ることができました。
ライヴの後半、仙人のような姿のリー・スクラーに気を取られていた僕は、I君のその大きな歓声&拍手で「英雄と悪漢」に気づき、つられて拍手をした記憶が残っています。

そう、I君とは色々なライヴへ一緒に行きましたね。ニール・ヤング、デヴィッド・ボウイ、アラン・トゥーサン、etc...。
ローリング・ストーンズのコンサートで、チャーリー・ワッツが投げたスティックを運良く掴むことができたI君は、そのスティックをサランラップで包んで神棚に当時飾っていました。あのスティックはまだあるのかな。

そのI君の葬儀が本日執り行われました。
大好きな音楽を一緒に楽しめて、いい想い出が作れたね。本当にありがとう。

2025年3月26日、27日、4月1日、3日に、ヴァン・ダイク・パークスの来日公演が決まりました。
もし、「英雄と悪漢」が演奏されたら、26年前以上の大きな拍手を送りたいと思っています。森陽馬

★掲載ジャケットは、「英雄と悪漢」が収録されたビーチ・ボーイズ『SMiLE』。


2025年3月12日(水) 佐野元春 & THE COYOTE BAND 「自立主義者たち」

佐野元春の新作アルバム『HAYABUSA JET Ⅰ』が本日入荷しました。
2025年でデビュー45周年を迎えた彼の本作は、今までに発表してきた名曲を<再定義>した1枚です。

佐野元春『HAYABUSA JET Ⅰ』
(国内CD 先着ポストカード付 DMA-44 3,850円税込)

THE COYOTE BANDによるアグレッシヴな演奏とアレンジには、ベスト盤やセルフ・カヴァーにありがちなノスタルジーを超えた新しい息吹を感じさせます。
そして、演奏・歌だけでなく、タイトルもオリジナルとは変わった楽曲がありました。

今日のこの1曲は、そんな本作の<再定義>を象徴するナンバー⑦「自立主義者たち」を。

オリジナルは1986年発表作『Cafe Bohemia』の収録曲「インディビジュアリスト」。
当時のバンドHEARTLANDによる、スタイル・カウンシル「Internationalists」(国際主義者たち)を彷彿とさせたエネルギッシュな演奏から、COYOTE BANDにより再定義された今回の本曲は、2025年の現代でも先鋭的に響きます。
それは、イギリスのエンジニアMatt Coltonがマスタリングを手掛けたことも大きく影響しているのでしょう。

佐野元春は、その時代・その瞬間を生きて、その音を掴まえてきたのだ、ということ。
そして、その旅は今も続いているのだ、ということを実感できました。森陽馬


2025年3月13日(木) スリー・ディグリーズ 「ミッドナイト・トレイン」

<Hidden Gems in 60/70s ~発掘!洋楽隠れ名盤>
というシリーズが、ソニー・ミュージックから各1,430円税込で発売されました。

ローラ・ニーロ、イノセンス、バリー・マン、アリー・ウィリス(2022年『星野源のおんがくこうろん』で取り上げられました)、バーズ、ボックス・トップス、アル・クーパー、ニルソン、トム・ラッシュ、ポコ、ダン・フォーゲルバーグ、スライ&ザ・ファミリー・ストーン、アイズレー・ブラザーズ、ビル・ウィザース、ボズ・スキャッグス、デルフォニックス、他40タイトル。(シティは発売延期)。

今日はその中からこれを。
スリー・ディグリーズ『世界の恋人』
(国内CD 期間生産限定盤 日本語解説付 SICP-6639 1,430円税込)

彼女たちのセカンド・アルバムで、当時出た国内盤はアメリカ盤と違う内容の編集でした。
今回はその1975年に日本で出た当時と同じ形での発売です。

日本で録音された3曲が収録されています。
日本語ヴァージョンの「天使のささやき」、安井かずみ作詞/筒美京平作曲/深町純編曲の「にがい涙」、そして「ミッドナイト・トレイン」。

「ミッドナイト・トレイン」は松本隆作詞(英語詞)、細野晴臣作曲、矢野誠編曲、ティン・パン・アレーの演奏。
スリー・ディグリーズ側の外国人スタッフもビックリしたという程のフィラデルフィア・サウンドに肉薄した音は、47年の時を経ても新鮮です。森勉


2025年3月14日(金) LAGHEADS 「Mr.Mush」

セッション・ミュージシャンなどでも活躍する若手実力派4人組JAMPOPバンド、LAGHEADS(ラグヘッズ)。
KIRINJI、吉田沙良(モノンクル)、長塚健斗(WONK)、HIMI...メンバーと縁のあるゲストが参加した約2年ぶりの3rdアルバム♪

LAGHEADS『Who is ''LAGHEADS''?』
(国内CD LGHS-003 2,970円税込)

LAGHEADS(ラグヘッズ)は、数多くのレコーディング/ライヴ・サポート、ソロ・アーティストとしても活躍している小川翔(g)、山本連(b)、宮川純(key)、伊吹文裕(ds)で結成されたバンド。

ソウライヴ的キレキレ・ジャズ・ファンク・インスト「Who is ''LH''?」、女性には実は不評?な<髭>をテーマにした詞が面白いファンキーな「どうして髭を?」feat.KIRINJI、HIMIのシルキーな歌声をフィーチャーしたメロウ・ソウル「Dance」.ほか、ポップ&グルーヴィーな歌モノ&インストで構成されています。

本日は、「太陽の女神(Sun Goddess)」を想起させるメロディ・ライン、「Feel So Good」のアレンジが合わさったようなインスト・ナンバー「Mr.Mush」を今日の1曲に。

CDのみのボーナス・トラックとして「Dance feat.HIMI -DJ Mitsu the Beats Remix-」も収録されています。東尾沙紀


2025年3月15日(土) 村田和人 「さよなら逗子マリーナ」

PET SOUNDS RECORDは1981年4月22日に開店し、駅前再開発のため2005年1月31日に一度閉店。
仮店舗での営業を経て、2007年3月15日に現在の場所へ移転・再オープンしました。

新店舗へ移って、本日でちょうど18年。
営業を続けてこれたのも、お客さま皆々様のおかげだと思っております。ありがとうございました。

18年間を振り返って、たくさんの色々な思い出が残っています。
特に、PET SOUNDS RECORDにとってこの18年間の前半は、村田和人さんなしでは語れませんね。

2016年2月22日に亡くなるまで、当店の地下アゲインで毎月ライヴを行っていただきました。
終演後、店の前を通って帰る際、「またねー!」と必ず笑顔で声をかけてくれた村田さん。
あの笑顔が今でも忘れられないと共に、励みと支えになっています。

「もう君を思いだしても 悲しくないのに なぜ夏の青い空は 泣きたくなる」
(村田和人「さよなら逗子マリーナ」 歌詞より抜粋 作詞:田口俊)

「さよなら逗子マリーナ」を聴くと、涙が出てきそうになりますね。森陽馬

★村田和人さんのCD『ピーカン』(2014)と自主制作盤『Now Recordings』(2008)が再入荷しました。
村田和人『ピーカン』(国内CD IMCM-0007 3,056円税込)



2025年3月16日(日) ジーン・ハリス with デヴィッド・T・ウォーカー 「ビギニングス」

当店の<2024年ベスト・アルバム>にも選んだファンキーなジャズ・ギター名演集『進撃のジャズファンク』が、それなりに好評なのでうれしい限りです。

そのCDと同様に音楽雑誌『ギター・マガジン』と連動して、日本で企画されたコンピCDを今日は取り上げたいと思います。

『THE GUITAR OF BN-LA ~70年代ブルーノートLAのギタリストたち』
(国内2枚組CD 日本語解説付 UCCQ-1128 2,200円税込)

このCDが発売されたのは、コロナが蔓延していた2020年9月。
そんなこともあって、内容の良さをきちんと紹介できずに4年半が経ってしまいました。
それはもったいないということで、このCDの魅力を改めて・・・。

ブルーノートLAレーベルは、1972~1977年の間に数々の新しい試みのサウンドを提示したアルバムを発表しました。このCDも、クロスオーヴァー/フュージョンの前夜&夜明け時代のサウンドが満載です。

2枚組のうち、今日はディスク2を。
ジャケットにも登場しているデヴィッド・T・ウォーカーをフィーチャーしています。
フィーチャーといっても、ソロをガンガン聴かせるわけではなく、バッキングに徹した絶妙なフレージングを堪能できる10曲が収録されています。

ソロをとるだけがギタリストの仕事ではなく、ヴォーカリストや他の楽器とのアンサンブルの大切さを教えてくれます。
さぁ、デヴィッド・T・ウォーカーならではのプレイに耳をそばだてましょう。

アルフォンス・ムザーン、ドナルド・バード、ボブー・ハンフリー、マリーナ・ショウなどのアルバムに参加した曲が収められていますが、今日はピアニストであるジーン・ハリスが歌っているシカゴの1stアルバムの曲をカヴァーした「ビギニングス」を。森勉


2025年3月17日(月) 中村海斗 「Part4. Memorial Days」

彼岸の入りだった本日。
東京は日本晴れから、初夏のようなにわか雨が降り出し、強風で真冬の寒さになったり、と忙しない1日でした。

暑さ寒さも彼岸まで。
亡き人の想い出に向き合いながら、春を待つ1週間。心穏やかに過ごせるといいですね。

さて、今日紹介するのは、新しい春の風を運んでくる勢いのある1枚。

中村海斗『INVISIBLE DIARY』
(国内CD MV-001 3,300円税込)

新進気鋭のジャズ・ドラマー中村海斗は、2001年アメリカ・ニューヨーク生まれ/栃木&群馬育ち。
高橋陸(ベース)、布施音人(ピアノ)、佐々木梨子(サックス、2004年生まれ!)のカルテット+加藤一平(ギター)が加わった若き仲間と共に自主制作したアルバムをリリースしました。

今日のこの1曲は、後半8曲目、約9分に及ぶ「Part4.Memorial Days」を。
攻撃的かつ躍動感溢れる中村海斗のドラミングと、佐々木梨子のかっこいいサックス、加藤一平の爆発するギター&バンド・サウンドは、想い出を突き抜け、日本ジャズの新しい未来を感じさせます。森陽馬


2025年3月18日(火) NIAGARA FALL OF SOUND ORCHESTRAL 「うれしい予感」

「もういくつ寝ると」、ナイアガラ・レーベルの記念日3月21日が今年もやってきます。

商品配送上の都合により、2025年は本日3月18日火曜日に店着・店頭に並びました。
今年のラインナップは3種類です。
①大滝詠一『B-EACH TIME L-ONG』 40th Anniversary Edition
(2枚組CD SRCL-13100 3,960円税込)

②『COMPLETE NIAGARA SONG BOOK』 インストゥルメンタル 大滝詠一作品集
(3枚組CD B3サイズポスター2枚封入 SRCL-13110 5,940円税込)

③大滝詠一『B-EACH TIME L-ONG』
(2枚組アナログLP 完全限定盤 SRJL-1166 6,100円税込)

今日は②のインスト集から1曲を。
ヴォーカルなしだと、大滝メロディの美しさがより強調されているようで、昔から大好きな『NIAGARA SONG BOOK』です。
3枚組の中のディスク1は、未発表音源をメインに構成した新作ということになります。

「うれしい予感」は、TVアニメ『ちびまる子ちゃん』オープニング・テーマとして、大滝さんが久し振りに仕事をした曲でした。
渡辺満里奈さんのチャーミングな歌声もいいですが、このヴァージョンもすてきです。森勉



2025年3月19日(水) サザンオールスターズ 「神様からの贈り物」

サザンオールスターズの新作アルバム『THANK YOU SO MUCH』が本日発売になりました。
オリジナル・アルバムとしては、2015年発表作『葡萄』以来約10年ぶり、通算16枚目の作品です。

サザンオールスターズ『THANK YOU SO MUCH』
(完全限定盤ブルーレイ付 VIZL-3000 9,680円税込/通常盤CD 3,960円税込/LPもあり)

2023年に配信シングルとして3ヶ月連続リリースされた3部作⑤「盆ギリ恋歌」、⑩「歌えニッポンの空」、⑭「Relay~杜の詩」、2024年発表曲①「恋のブギウギナイト」、②「ジャンヌ・ダルクによろしく」を加えた最新ナンバーから、デビュー前にライヴで披露していた⑪「悲しみはブギの彼方に」まで、サザンらしさに溢れた14曲が収録されています。

この中で一番気に入っているのは、13曲目「神様からの贈り物」です。
NHK放送100年を記念した関連番組のテーマ・ソングで、日本ポップスへの感謝が込められたこの曲。
「また逢う日まで」、「胸の振り子」、「上を向いて歩こう」の言葉が、歌詞に織り込まれているのがいいですね。

ちなみに、ビーチ・ボーイズが2012年に発表した曲「That's Why God Made The Radio」は、「神様が作ってくれたラジオに感謝しよう! とっても素敵な曲に出逢えるラジオにね。」という“ラジオ賛歌”でした。

桑田佳祐が書いた「神様からの贈り物」のテーマとタイトルは、曲調こそ違えど、ビーチ・ボーイズ「That's Why God Made The Radio」が下敷きになっているのかな、と僕は感じました。森陽馬


2025年3月20日(木) 竹内まりや 「Sweetest Music」(LIVE Ver)

本日3月20日は、竹内まりやさんの誕生日♪
2025年で古希(70歳)! まりやさん、おめでとうございます。

「You say it's alright to be 70. And they say still good to be 80. But I'll maybe live over 90」
(竹内まりや「人生の扉」歌詞より)
この歌の通り、90歳以上生きて、これからも歌い続けてくださいね。

その竹内まりやさんの完全限定アナログLP BOXが発売されました。

竹内まりや『Mariya Takeuchi RCA YEARS Vinyl Box Collection』
(国内6枚組アナログ・レコード BVJL-110 19,800円税込)

1978年発表デビュー・アルバム『BEGINNINGS』から1981年発表5thアルバム『PORTRAIT』まで、RCAレーベル時代の5作品を最新リマスター音源で180g重量盤レコードにカッティング。更に、貴重な初アナログ化ライヴ音源など収録のボーナス・ディスクを追加した6枚組レコードBOXです。

今日のこの1曲は、ボーナス・ディスクのB面1曲目に収録されている「Sweetest Music」ライヴversionを。
1981年8月25日中野サンプラザ MARIYA POPPING TOURの音源。勢い溢れる演奏と歌がかっこいい!
スタジオverのスティーヴ・ルカサーとはまた違った、青山徹のドライヴ感あるギター・ソロに痺れます。森陽馬



2025年3月21日(金) Ray & Bob 「Palms Of Paradise」

KENT SOUL/ACEレーベルから、スウィート・ソウルの埋もれていた珍しい曲を収録したCDが出ました。

『SOUL HARMONY ~ Sweet Soul Vocal 1961-1984』
(輸入CD 20ページカラー英文ブックレット付 KENT SOUL CDKEND513)

全24曲、73分39秒収録。
名の知れた所は、マッド・ラッズ、モーメンツぐらいで、一般的にはほとんど知られていない人たちばかり。
でも、いい曲ばかりで、スウィートなハーモニー・ソウルがお好きな方にはおすすめの1枚です。

完全未発表がラモーナ・キングなど6曲。
近年初発表された曲がソウル・インテリアズなど5曲と、発掘音源も充実。

今日の1曲は、R&Bチャートインの実績があるリー・ウィリアムス&シンバルズか、ミラクルズの「ウー・ベイビー・ベイビー」をカヴァーしているサンフランシスコ・TKOズにしようかと思いましたが、ドゥーワップ・テイストがいい雰囲気の1961年作品、レイ&ボブ「Palms Of Paradise」を。森勉



2025年3月22日(土) スターダスト☆レビュー 「KEEP ON ROLLIN'」

本日は、日本でラジオ放送が始まってちょうど100年記念日でした。
(100年前というと1925年!)

今ではスマホ&ネット環境があれば、どこでもラジオを楽しめますが、昔は周波数を合わせるのが大変でしたよね。
同じ部屋でもラジオを置く場所で全然違って、ノイズが入らないところを四苦八苦して探したものです。
(雑音が消えた!のに、近くのものをどかしたり自分が移動したらまた雑音が...というのはよくあったなぁー)
<かじりついてラジオを聴く>という表現は、若い世代にはピンとこないでしょうが、懐かしいですね。

ということで、今日のこの1曲は、歌詞に“ラジオ”が出てくるスタレビの「KEEP ON ROLLIN'」を。

♪真夜中のラジオから聴こえたTwist And Shout。訳も知らず胸がふるえ眠れなかった♪
という歌い出しで始まるかっこいいロック・ナンバー!
作詞は林VOH紀勝&渡辺なつみ、作曲は根本要。

そう、ラジオも、音楽も、スタレビも、そして僕らも、「KEEP ON ROLLIN'」! 森陽馬

★「KEEP ON ROLLIN'」は、スタレビ1995年発表アルバム『艶』に収録。
掲載ジャケットはスタレビのホットな人気曲を集めたベスト盤。
スターダスト☆レビュー『RED STARDUST』
(国内CD 「KEEP ON ROLLIN'」他全16曲入 WPCL-13007 2,200円税込)



2025年3月23日(日) P.P.アーノルド 「Come Home Baby」

イミディエイト60周年を記念したカタログ復刻第2弾♪

第1弾のスモール・フェイセス5作品に続いて、今回再発されたのは以下の6作品です。
P,P,アーノルド1st/2nd、ビリー・ニコルズ(たっぷり2枚組)、フォーク秘蔵盤ダンカン・ブラウン、キース・リチャーズが音楽監督を務めたとされているアランビー・ポップ・シンフォニー・オーケストラ(モノは世界初CD化!)、1967年ドキュメンタリー映画サントラ『愛と幻想の一夜』。
最新リマスター&貴重な音源も含めたボーナス・トラックが追加されています。

2019年に約50年ぶりのソロ名義作をリリースし、変わらぬ歌声を聴かせてくれた''イミディエイトの歌姫''P.P.アーノルド。
ビーチ・ボーイズ「God Only Knows」、ビートルズ「Eleanor Rigby」、マリアンヌ・フェイスフル「As Tears Go By」、ティム・ハーディン「It'll Never Happen Again」、チップ・テイラー作「Angel In The Morning」他、カヴァーを中心とした1968年作『カフンタ』はジャケットも含め人気の高い1枚です。

今日の1曲は本編の楽曲ではなく、ボーナス・トラックとして収録されている「Come Home Baby」を。
ミック・ジャガーのプロデュースにより、録音されたものの当時は未発表となったロッド・スチュワートとのデュエットで、ソウルフルな掛け合いに心が弾む名カヴァー♪
オリジナルはウィルソン・ピケット(with タミー・リン)1965年楽曲。バリー・マン&シンシア・ワイル作です。東尾沙紀

掲載ジャケットは、P.P.アーノルド『カフンタ』+3
(国内CD CDSOL-3907 解説・歌詞付 2,420円税込)


2025年3月24日(月) シャッポ 「スタンダード」

福原音と細野悠太によるユニット、CHAPPO(シャッポ)。
デビュー・シングル「ふきだし」(
2023年12月18日今日のこの1曲で紹介)から約1年4か月を経て、待望の1stアルバム『a one & a two』が2025年4月23日発売決定しました。

CHAPPO(シャッポ)『a one & a two』
(2025年4月23日発売 国内CD 当店のみの先着特典付 DDCK-1081 3,300円税込)

アルバムはインスト中心で、各々ヴォーカルをとった楽曲が1曲ずつ入っている全14曲入。
古いようで新しい、地味なようで豊かな“音楽”で満たされた1枚です。

今日のこの1曲は、細野晴臣さんのラジオ『デイジーホリデー』2025年3月16日深夜の回に、シャッポがゲスト出演した時にオンエアされた「スタンダード」を。

なお、当店のみの先着特典として、ジャケット・デザインのマグネットを差し上げます。
許諾申請しOKをいただきました! 予約受付中! 森陽馬



2025年3月25日(火) 鈴木茂 「夕焼け波止場」

1972年10月、はっぴいえんどのレコーディングでアメリカL.A.を訪れた鈴木茂は、ヴァン・ダイク・パークス、ローウェル・ジョージ&リトル・フィートのメンバーと出会いました。
クローヴァー・スタジオでリトル・フィート『ディキシー・チキン』の録音を体感し衝撃を受けた彼は、自身のソロ・アルバムを制作するなら、このスタジオでレコーディングしたい、と心に決めます。

2年後の1974年10~11月、鈴木茂はアメリカへ再び渡り、リトル・フィートの面々を含めたミュージシャンと共に、ディファレント・ファー・スタジオとクローヴァー・スタジオでオリジナル楽曲を録音しました。
それが、1975年3月25日に発売した鈴木茂の1stアルバム『バンド・ワゴン』です。

50年の時を経て、本日2025年3月25日。
鈴木茂『バンド・ワゴン』の50周年記念盤がリリースされました。

鈴木茂『Band Wagon 50th Anniversary-2025』
(国内CD+Blu-rau Audio+ブックレット CRCP-20614 5,000円税込/国内LP 限定盤 5,500円税込)

鈴木茂本人による最新リマスタリング音源と、Blu-ray Audioにはそのハイレゾと2008年Editionを収録。
50年前アメリカのスタジオで奇跡的に録られた音の結晶が、新たな形で甦りました。

ちなみに、クローヴァー・スタジオはヴァン・ダイク・パークス『ディスカヴァー・アメリカ』制作の場所でもあります。
82歳を迎えたヴァン・ダイク・パークスの来日公演が、明日3月26日から始まるのは、素敵な偶然ですね。森陽馬


2025年3月26日(水) Van Dyke Parks 「Orange Crate Art」

「私は民主主義(democracy)を信じている」
(ヴァン・ダイク・パークス 2025年3月26日ビルボード・ライヴ2nd showでのMCより)

ヴァン・ダイク・パークス、約12年ぶりの来日公演をビルボード・ライヴ東京へ観に行ってきました。

2025年1月で82歳を迎えた彼ですが、ピアノも歌も力強かったですね。
そしてなにより、音楽を届けよう、という情熱が伝わってきて、胸が熱くなりました。

今回のバック演奏は、息子のリチャード・パークス(マンドリン)、カール・シーラヴ(ベース)とのトリオ編成。
3月26日の公演では、イナラ・ジョージ(ローウェル・ジョージの娘)もゲスト参加しました。
更に、26日1st showではゆかりのある日本人ミュージシャンがサプライズ出演!
26日2nd showはイナラの息子(つまり、ローウェルの孫!)がドラムで参加という感動的な場面もありました。

3月27日東京、4月1日横浜、4月3日東京の公演チケットはまだあるようです。
リトル・フィートやビーチ・ボーイズの曲を演奏する回もおそらくあるでしょう。

ヴァン・ダイクの音楽に対する誠実な姿勢へ感謝を込めて。
お時間ある方は是非、足を運んでみてください。森陽馬


★掲載ジャケットは、ブライアン・ウィルソン&ヴァン・ダイク・パークスによる1995年作『Orange Crate Art』。
2020年に発売された25周年2CD盤が再入荷しました。

★ヴァン・ダイク・パークスは、今から12年前の2013年1月26日当店に来店したことがありました。
こちらのページで当時のことが紹介されております。よろしければご覧ください。


2025年3月27日(木) Inara George 「Put A Kiss And A Tear In Yr. Letter」

ヴァン・ダイク・パークスが2013年1月26日当店に来店した時、ドン・ヘフィントン(Don Heffington)が一緒でした。

サポート・ドラマーとして来日した彼は、ヴァン・ダイクに誘われなんとなく付いてきたのだと思います。
近くにいると圧倒されるような長身・大柄ながら、「好きなアーティストや曲は何ですか?」と質問したら、「リンク・レイのランブルは子供の頃から大好きな曲なんだ!」と、少年のようなキラキラした瞳で答えてくれたのが懐かしいですね。



彼がLone Justiceのオリジナル・メンバーであったことや、ソングライターとしても活動していたことは後から知りました。
当時、そういう話もできればよかったんですけれどね。
僕の不勉強で申し訳なかったな、と感じ、またいつか逢えたら、と思っていましたがそれは叶わなくなりました。

そのドン・ヘフィントンが病気で亡くなった、というニュースを聞いたのは2021年3月のことです。

彼は大ヒット曲を出したわけではないのに、ジャクソン・ブラウンを始め交流が深かったミュージシャンによってトリビュート・アルバムが2024年10月にリリースされたのは、彼の人望がいかに厚かったかを象徴していると言えるでしょう。
『A Tribute To DON HEFFINGTON - Tonight I'll Go Down Swingin'』
(輸入CD Nine Mile Records CDNMR590)

今日のこの1曲は、この盤に収録のイナラ・ジョージ「Put A Kiss And A Tear In Yr. Letter」を。

昨夜(2025年3月26日)のヴァン・ダイク・パークス来日公演で、ドラマーがいないのにドラム・セットをステージに置いたのは、彼への追悼の意もあったのかな、と僕は感じていました。(結果的には、イナラ・ジョージの息子がそのドラムを叩いたのですが)
ヴァン・ダイクとイナラが立ったあのステージに、彼の魂も間違いなくそこにいた、と思います。森陽馬


2025年3月28日(金) アート・ファーマー 「クロール・スペース」

キング・レコードから【CTIオールタイム・コレクション】シリーズでCDが60タイトル、3月12日発売で出ました。

CTIというレーベルは、クリード・テイラー・インコーポレイテッドの頭文字を取ったもので、まさにクリード・テイラーという人の中にあった音楽美学がたくさん詰め込まれたレーベルでした。
個人的には特に新しいジャズへの誘いを強く感じました。

今回発売されたものをまず1枚紹介したいと思います。

アート・ファーマー『クロール・スペース』
(国内CD 解説付 KICJ-2661 1,650円税込)

1977年発表、アート・ファーマーはトランペット、フリューゲルホーンを担当。
今日の1曲は、アルバム・タイトルにもなっている1曲目「クロール・スペース」を。

参加メンバー全員のプレイがかたまりとなって、耳に飛び込んでくる感じで、聴く者の気持ちを曲の中に引っ張り込んでくれます。ドラムスのスティーヴ・ガッドとベースのウィル・リーのリズム・セクションが熱く絡み、フルートのジェレミー・スタイグがシャウトするように吹き、ここぞという所でギターのエリック・ゲイルが登場! もちろん、アートのソロもすばらしい。この曲の作曲はキーボードで参加もしているデイヴ・グルーシン。

この『クロール・スペース』は山下達郎バンドの伊藤広規さんの大好きなアルバムの1枚とのことです。
今なら先着でコルク製CTIコースターを進呈中です。森勉


2025年3月29日(土) Japanese Breakfast 「Man In Bars」 with Jeff Bridges

2021年発表の前作『Jubilee』(2022年1月5日今日のこの1曲で紹介)がグラミー賞にノミネート、日本語版も刊行された回顧録『Hマートで泣きながら(Crying in H Mart)』も反響を呼んだ韓国系アメリカ人シンガーソングライター、ミシェル・ザウナー。
彼女のソロ・プロジェクト、ジャパニーズ・ブレックファストの約4年ぶり4作目となる新作がリリースされました。

ジャパニーズ・ブレックファスト『フォー・メランコリー・ブルネッツ(&サッド・ウィメン)』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック1曲追加 DOC425JCD 2,750円税込)

ブレイク・ミルズをプロデューサーに迎え、LAの有名スタジオ<サウンド・シティ>でレコーディングされた本作には、ジム・ケルトナーも参加。シンセを多用した前作とは雰囲気が変わり、アコースティックを基調としたバンド・サウンドに。
幻想的な「Here In Someone」を皮切りに、彼女の甘い歌声とメランコリックな世界観にじわじわと魅了されていく1枚です。

8曲目「Man In Bars」に登場する渋い男性の声...大物俳優ジェフ・ブリッジスがデュエット相手を務めています。
ひとつの過ちから起こる恋人同士の顛末を、男女それぞれの目線で歌ったバラード。
この曲で描かれるのは悲劇なのに、憂いを帯びた2人の歌声とペダル・スティールの音色に安らぎを感じます。

新作をひっさげ、6月に来日公演が決定!
6月11日(火)ZEPP SHINJYUKU、13日(金)大阪CLUB QUATTROでの公演が発表されています。東尾沙紀


2025年3月30日(日) 山下達郎 「Guess I'm Dumb」

桜が咲いたというのに、昨日・本日の東京は冬へ戻ったかのような肌寒い1日でしたね。
そんな中、春を通り越して、夏・秋・初冬にリリースされるアイテムが告知されました。

<山下達郎のMoonレーベル時代6タイトルが、アナログ・レコードとカセットテープで再発決定!>
5/21発売『MELODIES』、6/25発売『BIG WAVE』、7/23発売『POCKET MUSIC』、9/24発売『僕の中の少年』、10/22発売『ARTISAN』、11/26発売『SEASON'S GREETINGS』が、1LPアナログ盤(4,400円税込)とカセットテープ(3,410円税込)でリイシューします。

『MELODIES』(1983)は2013年、『BIG WAVE』(1984)は2014年に30周年盤として、再LP化されたことがありました。
当時は、現在のようなアナログ・ブームではなかったものの、発売後すぐに完売となってしまいましたね。

ということで、今日のこの1曲は『MELODIES』、『BIG WAVE』の両方に収録されている「Guess I'm Dumb」を。
オリジナルはグレン・キャンベルで、ブライアン・ウィルソン作&プロデュースによる隠れた名曲。
達郎さんのこのカヴァーで、日本ではより多くの人に知られることになったと言っても過言ではないでしょう。森陽馬

★掲載ジャケットは、山下達郎『BIG WAVE』
(2025年6月25日発売 国内LP 完全限定盤 先着ポストカード付 WPJL-10259 4,400円税込/カセットテープ WPTL-10008 3,410円税込)


2025年3月31日(月) A.P.J. 「王様の耳はパンの耳」

山下達郎バンドのキーボーディスト難波弘之と、水野正敏(ベース)、池長一美(ドラムス)によるジャズ・バンド、A.P.J.が新作アルバムをリリースしました。

A.P.J.『王様の耳はパンの耳』
(国内CD HLNR004 3,850円税込)

A.P.J.というバンド名は、Acoustic Progressive Jazzの略。
本作は全9曲インストで、メンバー各々が書いたオリジナル曲が3曲ずつ収められています。

そのバンド名通り、一聴するとアコースティックな美しいメロディーを持つジャズ・サウンドながら、実はプログレッシヴで奥が深い演奏のアンサンブルが楽しめる1枚です。

今日のこの1曲は、難波弘之作のアルバム・タイトル曲「王様の耳はパンの耳」を。
難波弘之による上品なピアノの奏が、“王様の耳”の噂が広がるが如く、エレガントに展開していくナンバー。

なお、私立恵比寿中学が「王様の耳はパンの耳」という曲を先日リリースしましたが、これはMHRJ(マハラージャン)作で、A.P.J.とは同名異曲になります。森陽馬



これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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