PET SOUNDS RECORD
今日のこの1曲 アーカイヴス


  今日のこの1曲 “Achives”

<2012月9月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて、
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2012年9月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。
廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2012年9月1日(土) Blur 「This Is A Low」

 今日東京では傘を差しても濡れてしまうほどの豪雨が何度か降りましたが、夜はそのおかげか涼しくて気持ち良い風が吹いてましたね。

 雨にちなんで、今日の一曲は“低気圧(=low)”を意味する、ブラーの「This Is A Low」を。

 ブレイクのきっかけとなった94年発表3rd『Parklife』に収録。
(国内初回限定2CD TOCP-71340 3,000円)
 ライブでは終盤に演奏される事の多い曲です。

♪ これは低気圧です
でもそれはあなたを傷つけたりはせず
あなたが一人で過ごす時間を探している時
寄り添ってくれるでしょう ♪

淋しげ歌詞と曲調ですが、雨の日や眠れないときに聴くと癒される一曲です。

 ブラー21周年(イギリスでは21歳を成人とする伝統があるそうです)を記念し、オリジナル7作がリマスター&ボーナス・ディスク付き2枚組で各種再発。

 それらのアルバムをまとめ、更に3枚のDVD、アナログ・シングルなどをプラスした『BLUR 21 BOX』も発売中です。東尾沙紀

2012年9月2日(日) Bap Kennedy 「Working Man」

 今日は山中湖湖畔で行われたSPACE SHOWER TVの野外フェスに山下達郎さんが出演し、見に行った方も多いと思います。
 竹内まりやさんもゲスト出演し「家へ帰ろう」と「元気を出して」を歌ったそうですね。スペシャルなライヴだったそうで羨ましい!

 武蔵小山では年に一度の大きな祭がありました。
夕方駅前ロータリーに各町会の御神輿が集結。賑わってましたね。

 で、これを書いている現在(夜22時)はまさに“祭のあと”。
 ひっそりと静まりかえっています。

 そんな日曜の夜、1人でじっくりと聴いているのがこの1枚。

 北アイルランドはベルファスト出身の男性シンガー・ソングライター、Bap Kennedyの新作『The Sailor's Revenge』。(輸入CDデラックス・エディション PRPCDX93)

 ヴァン・モリソンと同じ故郷である彼の最新作は、ダイアー・ストレイツのマーク・ノップラープロデュース。(ギターも弾いてます)

 名ドブロ/スティール奏者ジェリー・ダグラスも参加し、アメリカンなルーツ色とヨーロッパのスタイリッシュさがうまくブレンドしたロックを聴かせます。

 “ジャクソン・ブラウンがベルファスト生まれだったら・・・”と想起させるような味わい深いサウンドと歌声が沁みますね。

 ちなみに、通常CD盤と2枚組CDデラックス・エディションの2種が出ており、2CD盤の方にはスティーヴ・アールプロデュース曲やヴァン・モリソンが関わった過去の楽曲が収録。そちらも聴きものです。森 陽馬


★明日9月3日(月)22時から放送されるフジテレビ系列番組『SMAP×SMAP』の音楽コーナーに、ビーチ・ボーイズが出演するようです。SMAPと一緒に何を歌うのかな?

2012年9月3日(月) うつくしきひかり 「針を落とす」

 今夏、僕が一番よく聴いたJ-POP作品は、ザ・なつやすみバンド『TNB!』でした。(6月14日のこのコーナーで取り上げました)

 特に4曲目「自転車」、2曲目「せかいの車窓から」、ラスト10曲目「お誕生日会」はヘビーローテーションでしたね。
 ポップで、多幸感に溢れていて、でもちょっとセンチメンタルなところもあって。まさに“なつやすみ”のキラキラ感が凝縮された奇跡的に素晴らしい1枚だと思います。

 そのザ・なつやすみバンドのヴォーカル&ピアニストであるナカガワリサと、スティールパン奏者MC sirafu、二人だけによるユニットが今日紹介する“うつくしきひかり”。(CN-31 2,100円)

 神戸市塩屋の洋館、旧グッデンハイム邸で録音。
バックの演奏はピアノとスティールパンのみ。深遠かつ幻想的な音の隙間を縫うように歌われる詞世界においても、ザ・なつやすみバンドと比べて、よりスピリチュアルな響きを持って伝わってきます。

 MC sirafuが作詞・作曲を手掛けた6曲目「針を落とす」。
彼が奏でるスティールパンはもちろん、ソングライターとしての才能も心に響く1曲です。森 陽馬

2012年9月4日(火) Earl Klugh 「Dance With Me」

 アール・クルーを初めて聴いた1970年代中期、ガット・ギターでフュージョンしている音が新鮮に響いてとても好きになり、それ以来ずっと愛聴盤になっているアルバムが何枚かあります。

 1977年発表『フィンガー・ペインティング』は本当によく聴きましたし、今でもよく聴いています。

 キーボードでもサポートしているデイヴ・グルーシンのアレンジが絶妙で、ミュージシャンの選択も適材適所。

 オーリアンズの名曲をカヴァーした「ダンス・ウィズ・ミー」では、ブラザース・ジョンソンのベーシストであるルイス・ジョンソンの参加がこの曲に躍動感を与えています。

もちろんアール・クルーのつま弾くガット・ギターの音色もフレーズも最高!

 このCD(輸入CD BGOCD1040)は彼の3枚のアルバムを2枚組CDに収録したもので、『Finger Paintings』の他、1979年『Heart String』、1984年『Wishful Thinking』のアルバム全曲が最新リマスターで聴くことができるお徳用盤です。 森 勉

2012年9月5日(水) アステカ 「Love Is A Stranger」

“血沸き肉踊ル!ブラス・ロック名盤選”シリーズが、ソニーから発売になりました。

 第一回発売はチェイス、ブラッド・スウェット&ティアーズ、アステカの各アルバム計8タイトル。SAX&BRASSマガジンが監修していて、全て2012年最新リマスター、限定紙ジャケット&Blu-spec仕様。日本語解説&歌詞・対訳もしっかり付いてます。

 その中から今日は日本初CD化のこの1枚。
アステカ1973年発表2ndアルバム『月に立つピラミッド』。
(原題:『Pyramid Of The Moon』 国内CD SICP-20415 2,200円)

 LPをお持ちのお客様に、「これはスゴクいいよ!」とオススメされていた1枚で、発売前から個人的に楽しみにしていましたが、期待以上のかっこよさ!

 アステカは、1971年にサンタナ・バンドを脱退したコーク&ピート・エスコヴェード兄弟を中心に結成されたラテン・ファンク・ロック・バンド。
 20人前後の大所帯バンドだったようで、後にジャーニーのギタリストとなるニール・ショーンや名ドラマーのレニー・ホワイトも在籍していたそう。

 ブ厚いホーンが炸裂する1曲目「いつか、よくなる時が」、ラテン・ファンク・キラーチューン!8曲目「ラヴ・イズ・ア・ストレンジャー」他全9曲聴きもの!

 タワー・オブ・パワーお好きな方にもオススメです。(ちなみにジャケット・デザインを手掛けているのは、タワー・オブ・パワー含めベイエリア・ファンク作品を多く手掛けているブルース・スタインバーグ) 森 陽馬

2012年9月6日(木) バート・バカラック 「ア・ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム」

 来日ということもあり、バート・バカラックの様々なアルバムが紙ジャケで再復刻されました。
 今回は新たにボーナス・トラックが追加されているアルバムもあり見逃せません。

 例えば『リーチ・アウト』(1967年発表)には、アルバム全曲のモノラル・ヴァージョンが11曲プラスされていたり、『ウーマン』(1979年発表)には「ニューヨーク・レイディー」の12インチ・ヴァージョンがステレオ&モノ両方収録されていたり、前回買った方も買い逃した方も要チェックです。

 さて10種出たバカラックの紙ジャケですが、その中から『ライヴ・イン・ジャパン』。(国内CD 限定紙ジャケット仕様 解説・歌詞・対訳付 UICY-75215 2,800円)

 1971年初来日した際にライヴ録音され、当時日本とイギリスでしか発売されなかった貴重な音源なのです。

 録音状態もいいですし、メドレーになっているものも含めてバカラックの名曲が18曲聴けるのもうれしい内容です。

 今日のこの1曲は、バカラックの渋い歌声が聴ける「ア・ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム」。

 前半2分間はピアノ弾き語り、後半はピアノを弾きながら中腰になりオーケストラを片手で指揮するバカラックのパフォーマンスが目の前に浮かんできます。

 ジャケットは見開き仕様で、バート・バカラック・ファンなら手元に置いておきたい1枚だと思います。森 勉

2012年9月7日(金) Art Garfunkel 「Long Way Home」

来月発売予定となっているアート・ガーファンクル名作6種限定紙ジャケ。
心待ちにしている気持ちを抑えられず、新ベスト『Singer』の輸入盤を購入してしまいました。(輸入CD Sony/Legacy 88725458162)

 サイモン&ガーファンクル時代の名曲からソロ名曲群、更には未発表の新曲2曲も含む、アート・ガーファンクル自らが選曲した2枚組全34曲収録のベスト盤。

 ブックレットにはアート自身の楽曲解説コメント付。(10/10にその対訳が付く国内盤も出ます。日本盤派の方はお待ちになった方がいいかもしれませんね。)

 1993年再録ヴァージョンが収録されている「All I Know」はオリジナルの1973年版の方が好きだな、とか、アコースティック・ギターのみの伴奏による1964年オリジナル・ヴァージョンで収録の「サウンド・オブ・サイレンス」はやっぱり聴き馴れているバック演奏が入ったシングル・ヴァージョンの方がいいなあ、とか、「Traveling Boy」も入れて欲しかったな、など個人的に思う部分は多少ありますが、これはこれでオススメの1枚。

 2010年に声帯が麻痺し歌えなくなっていたものの無事回復し録音したという新曲2曲は、以前にも関わりがあった女性シンガー・ソングライター、マイア・シャープがプロデュースを担当。
 神々しいまでの高音だったS&G時代と比べるとやや弱々しい歌声ではありますが、それがかえって沁みますね。

 その内の1曲「Long Way Home」は、バックにリー・スクラー、ラス・カンケルが参加。アートを盛り立てるような味わい深い演奏がアクセントになっています。森 陽馬

2012年9月8日(土) 伊集院幸希 「家に帰ろう」

“ネオ・レトロ・ヴィンテージ”ブームに対する日本からの回答!?

 熊本出身女性シンガー・ソングライター、伊集院幸希。
昨年2011年10月4日に彼女の5曲入りデビュー・ミニ・アルバムを紹介しましたが、より深みを増した1stフル・アルバム『憐情のメロディ』がこの度リリース。(HOTWAXCD-1003 2,415円)

 信藤三雄によるアート・ディレクションは一見すると昭和歌謡的ですが、サウンドは60〜70'sソウル/ロックを中心とした洋楽ルーツがあり、日本語詞とのブレンド&バランスが絶妙。

 モータウン・マナーなメロディを現代にアップデートした名曲B「迷子」、ザ・スクーターズのロニー・バリーをfeatした@「あたしのこの路 baby, this my way」他、単なる焼き増しではないソングライティングも魅力十分。
 ボニー・ピンクを更に太く芯のある感じにした歌声もかっこいいですね。

 聴きものはI「家に帰ろう」。

 キャロル・キング&ジェリー・ゴフィン作を彷彿とさせるポップな楽曲!
 ウォール・オブ・サウンド的なアレンジ・センス!
これを現代的解釈で仕上げた素晴らしいキラー・チューン!

60'sガール・ポップ/オールディーズ・ファンにも是非聴いてもらいたい1曲です。森 陽馬

2012年9月9日(日) Chocolat & Akito 「扉」

 今年GREAT3としての活動を再開した片寄明人さんと、奥様ショコラさんの夫婦ユニット、Chocolat & Akito 初のシングル「扉 ep」が先日リリースされました。(完全限定生産盤CD RYECD-142 1,000円)

 シンセとギターカッティングが印象的な80年代ポップ/ロック・テイストのサウンドに乗せ、“閉じた扉に執着せず 開かれた扉を信じて生きていきたい”という想いが込められたポップ・ソング。

 栗原務(Little Creatures)、清水一登(ヒカシュー)、石井マサユキ(TICA,Gabby &Lopez)が参加しています。

 永井聖一(相対性理論)、浜野謙太(SAKEROCK/在日ファンク)、ジョン・マッケンタイア(トータス)が手掛けた同曲のリミックス3曲と、新曲「ジョヴァンニ」の宮内優里リミックスを収録した全5曲。限定1000枚です!

 前作『Tropical』から5年ぶりとなる新作3rdアルバムのレコーディングも無事終了されたそうで、年内にリリースを予定しているとの事。楽しみですね!東尾沙紀

2012年9月10日(月) Million Dollar Quartet 「Brown Eyed Handsome Man」

渋谷ヒカリエの上にできた東急シアターオーブで現在上演されているブロードウェイ・ミュージカル、『ミリオンダラー・カルテット』を先日見てきました。

 いやーーー、これは面白い!

 時は1956年12月4日、エルヴィス・プレスリー、カール・パーキンス、ジョニー・キャッシュ、ジェリー・リー・ルイス、後にロック・レジェンドとなる4人がメンフィスのスタジオ、サン・レコードに集った一夜を描いたミュージカル。

 物語と共に各々の楽曲が生演奏(!)で繰り広げられる舞台はまさに“サン・レコード・コンサート”!
 セリフはもちろん歌詞もステージ両脇に字幕が出るので、英語がわからない方、サン・レコードをご存知でない方でも楽しめると思います。

 ジェリー・リー・ルイスの不良キャラも嫌味なく描かれていて、感動的なラストもGOOD! 個性的なジェリー・リーを演じた実際のブロードウェイ・オリジナル・キャストであるリーヴァイ・クライスの演技&演奏が際立ってましたね。

 今日のこの1曲は、先日国内盤で発売された『コンプリート・ミリオン・ダラー・カルテット』のCDから、「Brown Eyed Handsome Man」。(国内CD SICP-3572 1,890円)

 大滝詠一さんによるラジオ番組『アメリカン・ポップス伝2』でも紹介されたチャック・ベリー・カヴァー。大スターになる4人が、この場では音楽好きの一青年であったことが実感できる1曲です。森 陽馬

★ちなみにミリオンダラー・カルテットのミュージカル、チケットはまだあるようで当日券も全日発売されるそうです。9月17日までやってますので機会があれば是非。

2012年9月11日(火) ムーディー・ブルース 「サテンの夜」

 何故か「サテンの夜」が無性に聴きたい気分になってしまいました。

 ムーディー・ブルースが1968年に発表したトータル・アルバム『デイズ・オブ・フューチャー・パスト』(当時、日本でのタイトルは『サテンの夜』)のラストに収められていたなんとも不思議な魅力を携えたバラード曲。

 ピーター・ナイト指揮によるロンドン・フェスティヴァル管弦楽団の演奏は格調高く、この曲が持つ芸術性を最大限に表現してくれているように思います。

 ハードなロックが流行し始めていた1968年当時に聴いた「サテンの夜」は、とても印象深く残っていますし、40年以上経った現在でも僕の中では永遠の名曲として色褪せない1曲です。

 今日は全17曲収録のベスト盤から。
(国内CD SHM-CD仕様 UICY-25268 1,800円)

 「神秘な世界」、「クエスチョン」、「ドリフトウッド」、そして1986年の大ヒット曲「ユア・ワイルデスト・ドリームス」などのシングル・ヒットも一緒に楽しめます。森 勉

2012年9月12日(水) マイク・ヴァイオラ 「I'm Your Dog」

 今年3月末、ファウンテンズ・オブ・ウェインのオープニング・アクトとして来日し、1人でエレキ/キーボード弾き語りながら楽しいステージをみせてくれたアメリカのポップ・シンガーソングライター、マイク・ヴァイオラ。

 昨年リリースされた前作『エレクトロ・デ・パーフェクト』(2011年10月19日の今日のこの1曲でご紹介しました)から1年足らずで新作がリリースされました。(『アコースト・デ・パーフェクト』 先着で特典シングルCD付! AIRCD-112 2,625円)

国内盤ボーナス・トラックとして、国内未発売だった「エレクトロ〜」がまるまる収録!(2in1全21曲)

 新作はヴィオラ奏者2人を迎え、“マイク・ヴァイオラ&ザ・ヴィオラ”として制作されたアコースティック・アルバム。

 新曲を中心に、ロック色の濃かった『エレクトロ〜』から録り直された3曲もオリジナルと違った味わいに生まれ変わっています。

 優しくて素朴な「Secret Radio」、イナラ・ジョージとの共作でハートフルなポップ・ソング「I'm Your Dog」、合間に挟まれるヴィオラのみのインストも優しい旋律が耳に残ります。東尾沙紀

2012年9月13日(木) ダイナソーJr 「See It On Your Side」

 9月半ばながら真夏日が続き暑いですね。

 その残暑を吹き飛ばす、というより更に暑くなるこの1枚!

 ダイナソーJr、オリジナル・メンバーで再結成してから3作目(通算10作目)となる約3年ぶり新作『I Bet On Sky』。(国内CD ボーナス・トラック1曲追加 日本語解説付 2,490円)

J・マスキスは、ウィッチ、スウィート・アップル、更には自身のソロなど精力的に活動していましたが、これを聴くとやはりダイナソーJrだよな!と実感。

 前々作『ビヨンド』(2007)や前作『ファーム』(2009)に比べると、長尺の曲が減ってコンパクトな印象があるものの、曲のキャッチーさは前作以上! かっこいいですね。

 疾走感あるナンバーも良いですが、今日のこの1曲は長尺の本編ラストI「See it On Your Side」。

 ニール・ヤング&クレイジー・ホース譲りの重たいリズムから、後半炸裂するJのギター・ソロは爆音推奨!聴きものです。森 陽馬

2012年9月14日(金) 山下達郎 「蒼氓」

 雑誌“ぴあ”のSpecial Issue 山下達郎“超”大特集号。
9月26日発売予定(980円)となってますが、当店でも取扱可能になりました。

 達郎さんへのロング・インタビューや100の質問に答える『100Q Part2』、竹内まりやさんへのインタビューも含めかなり充実した内容になりそうです。

 ただこの特集本、9月26日(水)店頭販売厳守、ということなので、<CDは26日発売・25日(火)店頭販売開始>ですが、<ぴあ本は26日(水)店頭販売開始>となりますのでご了承ください。

 さて、このぴあ特集号だけでなく、TOKYO FMタイムテーブル誌今月号の表紙が達郎さんだったりして、ベスト盤発売が近づいてきたのが実感できますね。

 ということで、そのベスト盤収録曲からフェイヴァリットなこの1曲。

 「蒼氓」は1988年発表『僕の中の少年』に収録されている名曲。
桑田佳祐&原由子夫妻が参加したラストのラララ・コーラスは何時聴いても沁みます。

 最近のライヴでは、「希望という名の光」の中間部分に歌われることが多いのですが、『JOY』のようにフルで歌うのをまた聴きたいですね。森 陽馬


★掲載ジャケットは9/26発売ベスト盤。初回限定盤のみ4枚組で3,980円!予約受付中です。

2012年9月15日(土) 猪俣猛とウエスト・ライナーズ 「ヘルプ・ミー・ロンダ」

 この曲が入っているアルバム・タイトルは『モダン・パンチ・フォー・ユー』というもので、1960年代半ば若者文化を先導した雑誌と言われる『平凡パンチ』の協力によって1965年に制作されたものです。(初CD化 KICJ-2252 1,500円)

 今夏、キング・レコードが企画した<キング・ヴィンテージ・ジャズ−コレクターズ・エディション>シリーズの1枚として再発されました。

『平凡パンチ』誌上で読者による曲の人気投票を行い、当時の人気ジャズ・バンドがその曲を演奏し、1枚のLPを作るというのがこのアルバムの主旨。

 1965年といえば、空前のエレキ・ブームの年。
ヴェンチャーズが演奏していた曲に人気が集中し、アルバム全10曲中、「10番街の殺人」、「キャラヴァン」、「ダイヤモンド・ヘッド」、「パイプライン」と4曲も収録されています。

 ビートルズは「涙の乗車券」の1曲。あと「朝日のあたる家」、「かわいい小鳥」、と意外な曲もあり、大人好みの「枯葉」、「イパネマの娘」含め興味深い選曲となっています。

 そして驚きはビーチ・ボーイズの「ヘルプ・ミー・ロンダ」!

 当時の読者にはとても人気があったんですね。

 ビーチ・ボーイズが1964年11月に日本で発売したシングル「When I Grow Up」の邦題が「パンチで行こう」だった恩返しなのかもしれませんが、ファンとしてはうれしい喜ばしいことです。

 当時はこのアルバムのことを全く知りませんでしたので、47年目のうれしい対面となりました。

ジャズ・コンボで聴く「ヘルプ・ミー・ロンダ」も実に趣きがありますね。森 

2012年9月16日(日) ダン・フォーゲルバーグ 「Lessons Learned」

 まだまだ暑い日が続きますが、一足早く秋を感じたく、この一枚を。

 紫がかった暗い青に、うつむく寂しげな表情のジャケットが印象的なダン・フォーゲルバーグ、77年発表の4作目『ネザー・ランド』です。(国内CD 限定紙ジャケ EICP-812 1,890円)

 ジャケットのイメージに違わぬ、内省的で繊細なタッチの作品で、涼しくなってくると聴きたくなるアルバムです。

 収録曲の中では「かかしの夢 (Scarecrow's Dream)」や「スケッチ (Sketches)」が知られているかと思いますが、今日の一曲は「Lessons Learned」という曲です。

 イントロからエレクトリック・ピアノの美しい音色が響き、ラス・カンケルが叩くコンガと、メロウな雰囲気がとても心地良い一曲です。東尾沙紀

2012年9月17日(月) ルドヴィコ・エイナウディ 「翼を広げて」

 フランス国民3人に1人が見た、という映画『最強のふたり』(英題:UNTOUCHABLE)を先日鑑賞。

 障害を持った富豪と、彼を介護することになったスラム黒人青年の友情物語。実話に基づいて作られた映画だそうです。

 介護している場面も出てきますが、映画自体は下品な会話やブラック・ジョーク/ユーモアも多々あって笑えるストーリー展開。ホロッとさせるラストもNICE。人間の温かさが伝わってくる良い映画でした。

 介護人が黒人という設定(実際はアルジェリア系アフリカ人で、黒人ではないそう)だったので、EW&Fの曲がかかったり、クール&ザ・ギャングのことが会話に出てきたりと、フランス映画ながらソウル・ミュージックを効果的に使っていたのが印象に残りましたね。

 ただそれ以上に素晴らしかったのが、劇内及びエンドロールでも流れるルドヴィコ・エイナウディによるピアノの奏。
 叙情的なピアノの音色が余韻をより深いものにしてくれました。森 陽

★ちなみに、この映画のサントラ盤は国内盤が出ていません。輸入盤は現在オーダー中。掲載ジャケットはルドヴィコ・エイナウディの2枚組ベスト盤。(国内2CD TOCE-90206 3,000円)

2012年9月18日(火) 大橋トリオ 「顔」 feat U-zhaan

 大橋トリオの新作オリジナル・アルバム『White』が入荷。
(PV5曲収録DVD付 3,990円 CDのみ 2,940円)

 今作は豪華ゲスト・ミュージシャンとのコラボ曲を中心に収録。
“ひとりでもトリオ”という以前からのキャッチコピーに加え、“みんなと一緒でもトリオ”という文句が帯に記載されているように、ゲストが参加しても彼の世界観は変わらず。軸のブレないトリオ・サウンドを聴かせます。

 平井堅の歌声とトリオ・アレンジが好相性の@「東京ピエロ」、エミ・マイヤーとの英語詞A「Turn Our World Around」、矢野顕子との美しいD「窓」、高田漣のペダル・スティールが沁みるE「日曜の夜に鳴く鶏」。
 更には以前の作品に収録されていた秦基博、ボニー・ピンク、布袋寅秦とのコラボ曲含む全14曲。

 1曲1曲聴き所の多い作品ですが、個人的白眉はタブラ奏者U-zhaan、ドラマー神谷洵平(赤い靴)が参加したI「顔」。

 大橋トリオらしい叙情感ある出だしから後半、ラララ・コーラスが入ってテンポアップする展開は聴きモノです。森 陽馬

★なお当店にてお買い上げの方には、大橋トリオロゴ入り超豪華オリジナル・ペンを先着でプレゼント!

2012年9月19日(水) ブラッド・スウェット&ティアーズ 「ユーヴ・メイド・ミー・ソー・ヴェリー・ハッピー」

 ブラッド・スウェット&ティアーズ1969年発表2ndアルバムが紙ジャケットで再発されました。(国内CD SICP-20412 2,200円)

 通して聴くのは・・・、もしかして40年ぶりぐらい・・・?!
レコードが出た当時は本当によく聴きましたね。

 だから耳の奥の方にあった記憶のかけらが、今回聴いたことによってどっと甦ってきたみたいです。レコードと同じような見開き仕様の紙ジャケもそんな想いに拍車をかけてくれたようです。

 1曲目の「エリック・サティの主題による変奏曲」が流れてくると、「あぁ〜、これこれ」という感じ。当時はまだ高校生だったので、エリック・サティのことは何も知らなかったけれど、なんとも惹かれる旋律だなぁ〜なんて思ったり、ここからどんな展開になるのだろうか?とわくわくしながら聴いていたものでした。

 このアルバムにはヒット曲が3曲収録されています。
「ユーヴ・メイド・ミー・ソー・ヴェリー・ハッピー」、「スピニング・ホイール」、「アンド・ホエン・アイ・ダイ」、この3曲とも1969年に全米チャート第2位まで上昇しています。

 1位になれなかったのはそれぞれ強力な対抗馬がいたんでしょうね。ちょっと調べてみました。
「ユーヴ・メイド・ミー・〜」はフィフス・ディメンション「輝く星座」、「スピニング・ホイール」はゼーガー&エヴァンス「西暦2525年」、「アンド・ホエン・アイ・ダイ」はビートルズの強力カップリング「カム・トゥゲザー/サムシング」に1位への道を阻まれていました。
 同じ年に3曲連続2位止まり(よく言えば2位まで上昇)というのは記録になっているのではないでしょうか。

 それから、このアルバム発売前に脱退していたアル・クーパーですが、クレジットを見るとこの曲を含めて結構アレンジャーとして参加していて、彼のセンスはこの2ndアルバムにも隠されているんだな、と感じました。森 勉

2012年9月20日(木) くるり 「everybody feels the same」

 くるり、10作目となる新作『坩堝の電圧』が発売。
(初回限定盤B DVD付 VIZL-495 3,400円 写真集付き完全限定盤5,250円も同時発売)

 女性トランペッターのファンファン、ギター&チェロを奏でる吉田省念をメンバーに加え、サポート・ドラマーとしてあらきゆうこを招き制作された今作。

 岸田繁が自らのブログで“最高傑作”と称しているように、全19曲サウンド的には多種多様ながら疾走感に満ちた素晴らしいアルバムに仕上がっています。

 世界の国名が連呼されるシングル曲B「everybody feels the same」、ファンファンのトランペットが轟くJ「falling」、かっこいいK「dancing shoes」は特に聴きもの。フレッシュ&ボーダレスな勢いと円熟味が合わさったバンドアンサンブルが痛快!

 ちなみにラスト19曲目「glory days」には、「everybody feels the same」の一節と共に、奥田民生のあの名曲の一節も歌詞に登場します。

 くるりの最高傑作というだけでなく、今年のJ-POP界を代表する1枚となりそうですね。森 陽馬

2012年9月21日(金) リッキー・リー・ジョーンズ 「Only Love Can Break Your Heart」

21日昼、武蔵小山駅前、当店の近辺で飛び降り自殺がありました。

 当店向かいのミスター・ドーナッツが入っているビルの上から車道へ飛び降りた人がいたようで、僕が気付いた時には警察官が交通整理をしていました。
 救急車が来て、ロータリー周辺の歩道及び車道が封鎖されると人が集まり騒然とした雰囲気に。救急隊が心臓マッサージなどを行ってましたが、一命を取りとめたかどうかはわかりません。

 救急車が病院へ向かい、警察官の現場検証が終って1時間後。駅前は本当に何事もなかったかのように普段通りの日常へ戻ったのが、逆に違和感がありましたね。
 ということで、店はいつものように営業したものの、なんともいえない複雑な思いが残った1日でした。

 今日のこの1曲は、リッキー・リー・ジョーンズの新作カヴァー・アルバム『ザ・デヴィル・ユー・ノウ』から。(UCCO-1124 2,600円)

 ベン・ハーパーがプロデュースを担当。
リッキー・リーの声を活かしたシンプルなサウンド・アレンジで、ローリング・ストーンズ「悪魔を憐れむ歌」、ニール・ヤング「Only Love Can Break Your Heart」、ザ・バンド「ザ・ウェイト」などをカヴァーしています。森 陽

2012年9月22日(土) イェンス・レイクマン 「Every Little Hair Knows Your Name」

 アントニー&ザ・ジョンソンズなどの作品をリリースしている米インディ・レーベル、Secret Canadianに所属するスウェーデン出身男性シンガー・ソングライター、イェンス・レイクマン。

 5年ぶり3作目となる新作『I Know What Love Isn't』がリリースされました。(国内CD HSE-60137 2,100円)

 静かなピアノ・インスト「Every Little Hair Knows Your Name」に始まり、ナイロン弦ギターの切ない音色が印象的な「Erica America」ほか、ピアノ、ストリングス、フルート、サックス、グロッケンなど生楽器での温か味のあるサウンドを聴かせてくれます。

 穏やかなメロディーや柔らかな歌い口が、トラッシュ・キャン・シナトラズを彷彿とさせます。

今日の一曲は、ピアノ・インストと同タイトルで本編最後を飾る弾き語り曲。

どことなく、ピーター、ポール&マリー「500マイルも離れて」に似た雰囲気? 優しいアルペジオがじんわりと沁みます。

国内盤は、2011年発表『An Argument With Myself EP』(全5曲)付きのCD2枚組。よりポップな、新作の曲とは違った雰囲気の曲が収められています。

ジャケットは真ん中が円にくり抜かれ、中の写真が入れ替えられる凝った作りになっています。東尾沙紀

2012年9月23日(日) ビーチ・ボーイズ 「409」

 東京では秋雨が降り、一気に涼しくなりました。

 WOWOWで放映されたビーチ・ボーイズ8/16幕張公演の映像を見ながら「この時は楽しかったなあ〜」と感慨に浸って、すっかり“Summer's Gone”モードです。

 改めて映像で見ても、一人一人のコーラス&演奏が素晴らしいですね。
「409」の時、マイク・ラヴが手文字で“409”を作りながら歌っていたのを再確認し、マイクのパフォーマーとしての存在感を実感しました。

 さて、そんな感動の来日公演を振り返りながらビーチ・ボーイズ話で盛り上がろう!というトーク・イベントが当店地下アゲインで行われることになりました。

 10月14日(日)16時30分より、森勉が司会を担当し、1966年初来日時のファンクラブ会長−相原啓二氏や、日本一のBB5蒐集家−辻井清行氏他、初来日をご覧になっている方々を招いてBB5談義に花を咲かせる予定です。
 お時間ございましたら是非お越しください。森 陽馬

★掲載ジャケットは9月26日発売、ビーチ・ボーイズ50周年記念ベスト盤。

2012年9月24日(月) 玲里×ムッシュ 「ヘイボーイ」

 福島復興のため立ち上げられたレーベル、“フクシマ・レコーズ”から、山下達郎バンドの名キーボード奏者としても知られる難波弘之が全面プロデュースしたアルバム・プロジェクト。

 昨年9月15日に第一弾『GOOD DAYS』を紹介しましたが、第2弾『声に出して』、第3弾『Vanilla』、第4弾『明日への扉』も好評発売中です。

 その中から女性アーティストを集めたコンピ『Vanilla』からこの1曲。

 求心力ある美声が魅力の新世代女性シンガー・ソングライター玲里。
ムッシュかまやつをfeatし、スパイダース1966年ヒット「ヘイボーイ」をカヴァー。佐橋佳幸、難波弘之など凄腕ミュージシャンをバック演奏もNICE!

 難波弘之が大の手塚治虫ファンということで、手塚アニメに出ている女性キャラを配したジャケットも魅力の1枚です。ブックレットには、手塚治虫の長女でそのジャケットを手掛けた手塚るみ子さんとのミニ対談も掲載されています。森 陽馬

2012年9月25日(火) 山下達郎 「悲しみのJODY」

 1975年のシュガーベイブから今年2012年の新曲「愛を教えて」まで、山下達郎がレコード・デビューしてからの37年間を主要曲で辿ったベストCDが発売されました。

 『OPUS〜ALL TIME BEST 1975-2012』と題されたCD3枚組全49曲。初回限定盤には、「希望という名の光」アコースティック・ヴァージョンや、Kinki Kidsに提供した「硝子の少年」を達郎自身が歌ったデモ・ヴァージョンなど、レアな6曲を収録したボーナスCD付です。(初回限定盤 4CD全55曲 WPCL-11201 3,980円)

 今日の1曲は、この55曲の中から何を選ぶか迷いましたが、達郎のマルチプレーが楽しめる「悲しみのJODY」を。

 1983年発表、ムーン・レコード移籍第一弾アルバム『メロディーズ』のA面1曲目でした。

 間奏のテナー・サックス以外は全て山下達郎による演奏です。

 ドラムス、ベース、エレクトリック・12弦・アコースティックのギター、ハモンド・オルガン、エレクトリック&アコースティック・ピアノ、ヴィブラフォン、パーカッションと1人10役、ダブルで入れているものもあるでしょうからそれ以上の役割を1人で担っているわけです。

 近年はコンピューターでその役割を果たせてしまうので、この曲のような多数の楽器を達郎が1人で演奏するものがほとんどなくなってしまったのが残念に思っている僕です。

 達郎のドラム・プレー、最高!
フェイドアウト寸前の3連ドラムをお聴き逃しなく。

 ちなみに見事な吹きっぷりのなんともゴキゲンなサックス・ソロは、元ブルーコメッツの井上大輔。森 勉


★なお、RCA時代のアルバムいずれかお買い上げの方に、先着でジャケット・コースター7枚セットを差し上げるセールも行っております。

2012年9月26日(水) BOX 「モノグラム通り」

 杉真理、松尾清憲、小室和幸、田上正和によるバンド、BOX。

22年ぶり!新作『マイティ・ローズ』が発売されました。(UICZ-4270 3,150円)

 1988年『BOX POPS』、1990年『JOURNEY TO YOUR HEART』に続く3作目。22年の間を感じさせない瑞々しいBOXサウンド満載の1枚に仕上がっています。

 今作もFAB4イデオロギーが引き継がれ、そこかしこにビートルズを彷彿とさせるフレーズが出てきますが、単なる模倣ではなく、見事に“BOX POPS”へ昇華。ゴキゲンな日本語詞と共に爽快に楽しめる全13曲です。

 今日のこの1曲は8曲目「モノグラム通り」。

 実は今作、当店がある武蔵小山駅から徒歩数分の場所にあるモノグラム・スタジオで録音されました。
 「モノグラム通り」はまさに武蔵小山駅からそのスタジオへの通り道を冠したロック讃歌な1曲なのです。

 当店から程近い場所で、素晴らしい作品が生み出されたことに感激!

 13曲目「Save Me」には竹内まりやさんもコーラス参加。
幅広い層(特に若い世代)に聴いてもらいたいですね。森 陽馬

2012年9月27日(木) PRESIDENTS 「Triangle Of Love」

 9月も末になり、東京はやっと涼しい風が吹きはじめました。

 そういう季節になると、やはりスウィート・ソウルでしょうか。

 プレジデンツは1970年代前半にアメリカ東海岸をベースに活動していた黒人3人組。1970年に「5-10-15-20 (25-30 Years Of Love)」が大ヒットし、続いて1971年にこの「Triangle Of Love (Hey Diddle Diddle)」がスマッシュ・ヒットを記録しています。

 声質が違う3人のヴォーカルが織り成すハーモニーと、モダンなバック演奏がジャスト・フィットしている「Triangle Of Love」の作曲はあのヴァン・マッコイ。
 プロデュース、アレンジもヴァンが担当しています。

 イントロのドラムの音にたっぷりかけられたエコーが70年代を感じさせてくれます。

 このプレジデンツ、名前が名前だけにプロダクション名が、ホワイト・ハウス・プロダクションズ、というそうです。森 勉

2012年9月28日(金) Mumford & Sons 「Hopeless Wanderer」

 イギリスはウエスト・ロンドン発の4人組ロック・バンド、マムフォード&サンズ。新作2nd『バベル』が発売。(国内CD ボーナス曲4曲追加 解説・歌詞・対訳付 UICO-1239 2,300円)

 前作1stをこのコーナーで紹介(2010年5月12日)した時には、知る人ぞ知る、という存在でしたが、その後グラミー賞にノミネートされボブ・ディランと共演するなど、ここ数年で一気にメジャーな存在に成長。

 ユニバーサルからの発売となった今作ですが、彼ら本来のブルーグラス/カントリー/フォークを独自の解釈で料理したサウンド・アプローチは変わらず。
 躍動感溢れる1曲目「Babel」、1stシングル曲「I Will Wait」他、バンドの勢いを具現化した楽曲が並びます。

 その中でも9曲目「Hopeless Wanderer」。

 ゆっくりした出だしから、後半一気にテンポアップして、マンドリン&バンジョーが疾走する展開は聴きもの!
 彼らの魅力を凝縮した1曲と言えるでしょう。

 ちなみに欧米でのライヴは完売が相次ぎ合唱が起こるほど熱狂的かつ好評とのこと。是非日本にも来日してもらいたいですね。森 陽馬

2012年9月29日(土) ボブ・ディラン 「Roll On John」

 9/26発売山下達郎ベスト盤、売れてます!

 メーカーでは初回限定盤が完売したそうで、あとは店頭在庫のみ。
Tシャツ3種が当たる応募抽選ハガキの締切(10月1日消印有効)も迫ってますので、購入予定の方はお早めに。

 さて、9/26には邦楽だけでなく洋楽新譜も色々とありました。

 ジェフ・リン新作、同じくジェフ・リンのELO新録ベスト盤、グリーン・デイやエイミーマン、昨日紹介したマムフォード&サンズ、そして今日紹介するボブ・ディランの新作『テンペスト』。(国内CD 初回ブックレット付 歌詞の日本語対訳付 SICP-3663 2,800円)

 デビュー50周年! 通算35作目!となる今作。
カントリー、ブルース、フォーク、様々なアメリカン・ルーツに根ざしたサウンドと味わい深い演奏と音の隙間のアンサンブルが楽しめます。
 “古っぽいけれど新しい”、“ヴィンテージ感ある今の音”がゴキゲンなディランらしい作品ですね。

 ソングライティングもディラン節健在で、特にジョン・レノンへ捧げたラスト10曲目「Roll On John」。

 スローなサウンドに乗せて、♪I read the news today oh boy♪(「A Day In The Life」)、♪Come Together Right Now Over Me♪(「Come Together」)と、ジョン・レノン作ビートルズ楽曲の歌詞を織り込み、更に最後の方ではウィリアム・ブレイク「The Tiger」の詩を引用するなど、単なる郷愁ではない独特な言い回しでジョンへの想いを綴ってます。

後期ディランの傑作!と後々も評されることになりそうな1枚ですね。森 陽馬

2012年9月30日(日) ベン・フォールズ・ファイヴ 「Draw A Crowd」

 ベン・フォールズ・ファイヴの3人が再結集し、13年ぶり4枚目となる新作『The Sound Of The Life Of The Mind』をリリース!(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-3654 2,520円)

 解散後、ベン・フォールズはソロシンガーとして作品を発表し続けていますが、“〜・ファイヴ”としての新作発売のニュースに歓喜したファンの方もきっと多いことでしょう。

 99年の前作『ラインホルト・メスナーの肖像』の流れを汲む、少し陰のあるメロディーが印象的な落ち着いた曲が目立ちますが、3人の多重コーラスで始まる「Draw A Crowd」など、1stの頃のような躍動的なポップ・ソングも健在!

 国内盤はボーナストラック3曲を収録。

日本のファンのためにと、本編最後の曲にベン自身が日本語訳をつけた「Thank You For Breaking My Heart」(日本語ヴァージョン)が収録されています。シンプルで美しいバラード曲♪

 バンド内も良い雰囲気らしく、来年以降、来日公演の話もあるとの事です。楽しみですね!東尾沙紀






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