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  今日のこの1曲 “Archives”

<2013月4月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて、
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2013年4月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。
廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>

2013年4月1日(月) ハンク・バラード 「レッツ・ゴー・アゲイン」

先週月~金曜日にNHK-FMで放送された大瀧詠一DJによる『アメリカン・ポップス伝 パート3』は実に楽しい番組でした。

あのヒット曲が生まれるまでにはこんないきさつがあったのかぁ~。
あの歌手は挫折を繰り返した後にやっとヒット曲がでたのかぁ~。
あの人とこの人はこんな所で繋がっていたのかぁ~。
あの曲はこの曲に影響を受けて出来上がり、この曲はそれ以前にあったその曲に・・・、音楽は突然生まれるのではなくて根深い所から受け継がれているものなんだなぁ~。
歌い手はもちろんだけれども、そのバックの演奏者とか編曲者も重要なんだよなぁ~、等など再認識。

 時折ジョークを交えながらの大瀧さんの語り口がいいですね。
 構成の素晴らしさも見事という他ないほどの内容。

 ヒット曲の細かな事項を紡ぎ合わせて、それを的確な言葉と実際の音楽で提示してくれます。放送時間の限られた中では1曲全部をオンエアーするとかかる曲が少なくなってしまいます。たくさんの曲をかけられるように、大瀧さんは手間を惜しまずにその曲のツボを押さえた上で短くエディットしています。どこでエディットしているのかわからないほどの好中継ぎです。

 ロイ・オービソン、ドン・ギブソン、ボビー・ダーリン、コニー・フランシス、ニール・セダカ、フランキー・アヴァロン、コンウェイ・トゥイッティ、ハンク・バラード、チャビー・チェッカー、フレディ・キャノン、ビル・ブラックなど、今回かかった各アーティストの楽曲が、アメリカン・ポップスが、そして音楽全体がより面白く聴こえてくるようになる放送でした。

 パート4が楽しみですが、まずは再放送でまた聴きたいですね。
(4/1夕方18時から再放送が始まります!要チェック♪)

 今日のこの1曲は、ハンク・バラード「レッツ・ゴー・アゲイン」。

 チャビー・チェッカー「レッツ・ツイスト・アゲイン」は、この曲の影響で作られたことを今回の番組で初めて知りました。第4夜の「ザ・ツイスト」ヒットのいきさつは本当に興味深いものでした。森 勉


★掲載ジャケットは、「Let's Go Again」収録ハンク・バラードの編集盤。(国内仕様CD VSCD-8209 2,520円)

2013年4月2日(火) yojikとwanda 「ぼっちゃん」

最近よく店内でかけている日本インディーズお気に入り盤。

東京出身女性シンガーyojikと、大阪出身男性ソングライターwandaによる二人ユニット、“yojikとwanda”最新2ndアルバム『Hey! Sa!』。(CXCA-1296 2,100円)

なつやすみバンド、片想いなどで今飛ぶ鳥を落とす勢いの人気ミュージシャン、MC sirafu(スティールパン、トランペット)や、NRQのメンバー服部将典(コントラバス)と吉田悠樹(二胡・マンドリン)、トクマルシューゴのサポート・ドラマーとして知られるイトケンが参加。

彼らの魅力が渾然一体となった演奏が素晴らしい!
(“ネオ・トーキョー・サウンド”と勝手に名付けてみました)

yojikの表現力豊かな歌声とwandaが書くセンチメンタルなソングライティングも聴くほどに沁みてきます。

5月16日にはなつやすみバンドと対バンで発売記念ライヴを下北沢440で開催予定。

MC sirafu周辺の音楽ムーヴメントは今年更に大きくなりそうな予感がしますね。森 陽馬

2013年4月3日(水) Dave Edmunds 「She's My Baby」

 今月15日で69歳の誕生日を迎えるデイヴ・エドモンズ。

 ここ数年は特に表立ったニュースもなくさみしい限りですが、今年に入り75年発表ソロ2nd『Subtle As A Flying Mallet』(邦題:ひとりぼっちのスタジオ)が、リマスター&ボーナス・トラック入りExpanded Editionで再発になりました。(輸入CD RPM-520)

 ロネッツ「Baby I Love You」、クリスタルズ「Da Doo Ron Ron」、シャンテルズ「Maybe」、エヴァリー・ブラザース「Let It Be Me」、チャック・ベリー「No Money Down」、「Let It Rock」(ライブ with Brinsley Shwartz)など、彼らしい選曲のカバーをほぼ1人で録音された本作。

 特に上記ガールズ・ポップ・ナンバー3曲でのスペクター・サウンド全開のカバーは、音壁ファンの方にもお馴染みのアルバムですね。

 ニック・ロウ作のバラード「She's My Baby」も良い曲です。

 ボーナス・トラックに、シングルB面曲や『スターダスト』という映画に提供した楽曲など全8曲が追加されています。東尾沙紀

2013年4月4日(木) THE SLIDE BROTHERS 「Motherless Children」

 ロバート・ランドルフがプロデュースする、その名も“THE SLIDE BROTHERS”!
・・・と、この売り文句だけで買いっ!な感じでしたが、実際の音も期待通りの内容でした。

 THE SLIDE BROTHERSは、ロバート・ランドルフと同じように教会で演奏した経歴を持つ黒人4人、Calvin Cooke、Aubrey Ghent、Chuck Campbell、Darick Campbellからなるユニット。

 選曲もロック/ブルース寄りで、1曲目がいきなりオールマン「Don't Keep Me Wonderin'」カヴァー!
 スライド/スティール・ギターがギュインギュイン唸ってます。

 ジョージ・ハリスン名曲カヴァーである2曲目「My Sweet Lord」などはややゴスペル的ですが、ほぼ全編ソウルフルなヴォーカル&タイトなリズム隊がfeatされ、スライド・ギターに興味がない方でも、ブルース・ロック・アルバムとして楽しめる1枚。

 今日のこの1曲は、エリック・クラプトンがカヴァーしたことで有名な「Motherless Children」! クラプトンのカヴァーとほぼ同じアレンジですね。

 ロバート・ランドルフもプロデュースだけでなく何曲かでギター参加していますが、そろそろ自身のアルバムでもこういう豪放な作品を発表してもらいたいところです。森 陽馬

2013年4月5日(金) 斎藤誠 「あなたに逢いたい」

 今日はDVDの紹介です。
斎藤誠『30th Anniversary Live "Best Songs!!"』。
(国内DVD ATDV-304 5,040円)

 デビュー30周年を迎える斎藤誠が2013年1月3日渋谷duo MUSIC EXCHANGEで行ったバースデイ・ライヴの模様が収められたものです。

 デビュー当時からのファンであり、応援している身としては感慨深い30周年です。

 胸に暖かいものを優しく運んでくれるヴォーカルとメロディ、そして歌心あふれるギターの音色は30年間ずっと変わっていません。近年は渋味も加えて魅了してくれています。

 約1時間半、全17曲が楽しめるライヴDVD。
会場に行った方も行けなかった方も、マコト・ファン必見の映像です。

 バックメンバーである成田昭彦、深町栄、片山敦夫、角田俊介、柳沢二三男、河村“カースケ”智康の気心知れたマコト・ファミリーが絶妙の演奏を聴かせてくれます。

 それぞれの曲に味わいがあって1曲を選ぶのは難しいのですが、1996年発表名作と言われる8枚目のアルバム『Dinner』に入っていた「あなたに逢いたい」を。

 アル・グリーンを彷彿とさせてくれるメンフィス/Hi サウンド・スタイルの曲調がゴキゲンな1曲です。

 観客のコーラスが自然発生する斎藤誠ならではのフレンドリーな雰囲気が伝わってきます。森 勉

2013年4月6日(土)ジェシー・グリーン、デイヴ・グロール、ジム・ケルトナー他 「If I Were Me」

 CDやアナログ・レコード、そして音楽の素晴らしさをレコード・ショップに行って楽しもう!と、アメリカで数年前から始まった祭典、“RECORD STORE DAY”。

 今年は4月20日(土)に開催されます。

 恒例のレコード・ストア・デイ限定アイテムですが、今年の日本人アーティスト限定盤は、坂本慎太郎、キノコホテル、後藤正文(アジカン)、田端義夫、安藤明子などがラインナップ。
 洋楽アーティストのRSD限定盤も含め年を追うごとにタイトルが増えてきましたね。是非レコード店に来店してチェックしてみてください。

 さて、今年は
RECORD STORE DAYに絡んだイベントも色々と開催。
4月18日青山CAYでは、ピーター・バラカン氏を招いてアナログ盤に関するトーク・イベント&映画『Sound City ~Real To Reel』試写会が行われます。

 『Sound City ~Real To Reel』は、デイヴ・グロール(ニルヴァーナ、フー・ファイターズ)監督によるレコーディング・スタジオ『Sound City』にまつわる音楽ドキュメンタリー映画。

 全曲オリジナル楽曲&新録音のサントラ盤にはなんと!ポール・マッカートニー、スティーヴィー・ニックスも参加。(国内CD SICP-3772 2,520円)

 収録曲はタイトなロック・アレンジ曲が多いのですが、その中で一番渋いスロー・ナンバーなのが、ジェイホークスのジェシー・グリーンが参加している⑩「If I Were Me」。
 この曲ではジム・ケルトナーがドラムを叩いています。森 陽馬

2013年4月7日(日) Rodriguez 「I'll Slip Away」

映画『シュガーマン 奇跡に愛された男』を遅ればせながら先日鑑賞。

60年代後半から70年代前半、アメリカで楽曲を制作&作品を発表するも全く売れず無名のまま消えた実在のミュージシャン、ロドリゲスを追った音楽ドキュメンタリー映画。

雑誌や新聞等にはあらすじや詳細に触れない映画評が多く、なんでだろう?と思っていましたが鑑賞して納得。確かにあらすじを知らないで見た方が、感動がより高まるストーリー展開でしたね。

 編集や映像の見せ方も意外と凝っていて、さりげなく南アフリカの人種問題にも触れるなど、音楽にそれほど興味ない方でも感動を享受できる良質なドキュメンタリー映画に仕上がっています。

 ただ僕は正直言うと、その感動よりも、才能がありながら埋れてしまったミュージシャンは彼に限らずたくさんいるんだろうな、という切ない思いの方が心に残りました。(音楽のタイプや境遇も全然違うけれど、布谷文夫さんのことを映画を見ている間思い出しました。)

 更には、売れた分の印税がミュージシャン側に届かない不可解な金銭の流れ/契約に対する腹立たしさも強く感じましたね。

 まあとにかくも、音楽ドキュメンタリーお好きな方は是非。

ちなみに、南アフリカのレコード屋さんにも行きたくなる映画です。森 陽馬


★掲載ジャケットは幻の3rdアルバムに収録される予定だった未発表曲も収録したサントラ盤。(国内CD SICP-3727 2,520円)
<このサントラ盤売上による印税はロドリゲス本人に支払われます>と但し書きもされてます。

2013年4月8日(月) エレクトリック・ライト・オーケストラ 「Whisper In The Night」

 ジェフ・リンの2012年新作『ロング・ウェイヴ』、当店でもロングセラーとなっております。

 ジェフ・リン関連のニュースでは、4月17日にELOの『ZOOM』('01年)、ZOOMツアー時のライブ盤、ジェフ・リンのソロ1st『アームチェア・シアター』(90年)が、本人による最新リマスタリング&ボーナストラック追加&紙ジャケットで再発されます。

 先月にはハーヴェスト・レコーズの再発シリーズで、ムーヴやELO、ウィザード等の作品が1,200円で再発になりました。

 今日はその中の一枚、ELO71年発表1st『Electric Light Orchestra』(国内CD 解説・歌詞付 TOCP-71557 1,200円)から一曲。

この1作でELOを脱退してしまうロイ・ウッド作による「Whisper In The Night」。
 本編最後を飾るシンプルで美しいバラードです。

 ちなみに、ギター・リフと力強いチェロの音色が印象的なオープニング・ナンバーで全英9位ヒットとなった「10538序曲」は、ポール・ウェラーが自身の「The Changing Man」という曲でイントロのリフをまるまる引用していることでも知られています。東尾沙紀

2013年4月9日(火) レニー・ルブラン 「ラグ・ドール」

 約15年前、ワーナー・ミュージックからリリースされた再発/復刻シリーズ、“名盤探検隊”。

 その当時出た盤のほとんどは現在生産中止となっていましたが、この度“新・名盤探検隊”として復活! 約20タイトルが4月10日発売されました。

“新・名盤探検隊”の売りは、充実なラインナップとその安さ!
 内容文句無しの名盤が2013年最新デジタル・リマスターされ、更に解説・歌詞・対訳がちゃんと付いて1,200円! 海外リリースの廉価盤とは一味も二味も違う丁寧な仕事が施された素晴らしい国内復刻盤シリーズです。

 昔の名盤探検隊を知らない方にも、是非チェックしてもらいたいですね。

 さて、その中でも僕のオススメは世界初CD化のこの1枚。

 ルブラン&カーで知られるレニー・ルブラン、1976年発表ソロ作『レニー・ルブラン』です。(国内CD WPCR-14861 1,200円)

 FAMEスタジオのセッション・ミュージシャンで、今作もアメリカ南部/アラバマ州のスタジオでの録音。
・・・というと、渋いルーツ色あるサウンドかな、と思いきや、南部を感じさせない爽やかなカントリー・ロック・サウンドが中心のアルバム。

 帯には“ソフト・ロックの隠れた好盤”と書いてありますが、ソフト・ロックというのとも違って、イーグルスやロギンス&メッシーナをもうちょっとAORっぽくした感じ。ウエストコースト・ロックお好きの方にオススメな作品ですね。

 今日のこの1曲は、スティーヴ・イートン作「ラグ・ドール」。
(フランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズの曲とは同名異曲)

 アート・ガーファンクルのカヴァーで有名ですが、このレニー・ルブランのヴァージョンもいいですね。

 最後に、金澤寿和氏による詳細なライナーノーツが素晴らしい! 是非購入してご覧ください。森 陽馬

2013年4月10日(水) ドクター・ジョン 「アイコ・アイコ」

 ドクター・ジョン『ガンボ』は多くの音楽ファンにニューオリンズ・ミュージックの素晴らしさを教えてくれた名盤だと思います。

 アメリカで発売されたのは1972年。
日本盤も少し遅れましたがちゃんと見開きジャケットで出ました。

 それ以来レコードからCDの時代になっても入手困難な時期がほとんどない状態で日本盤が出ている隠れたロングセラー・アルバムと言えるかもしれません。

 そんな『ガンボ』がワーナー・ミュージック・ジャパンの新しい目玉シリーズ、“新・名盤探検隊”から2013年最新リマスターで再発されました。解説・歌詞・対訳付でうれしいハッピー・プライス!1,200円です。(国内CD WPCR-14834 1,200円)

 「アイコ・アイコ」は1965年ディキシー・ガップスのヒット曲として知っていましたが、ドクター・ジョン・ヴァージョンの強烈なインパクトにはノックアウトされてしまいました。

 コロがっているピアノの音。
 ドスの効いた声。
世の中の“アイコ”さんという名前の方は、この曲を聴くとドキッとするのでは・・・。

ドクター・ジョンによる“アイコ”というフレーズが何回も出てきますもんね。森 勉

2013年4月11日(木) Khari Simmons 「Never In Your Sun」 feat India Arie

 2013年はアシッド・ジャズ・ブーム再燃!?

 3月8日に取り上げた“チェコのインコグニート”ことMADFINGERを筆頭に、先日はインコグニートのリーダー、ブルーイのソロ作が発売。5月にはブラン・ニュー・ヘヴィーズ来日&新作発売、とその界隈が盛り上がっています。

 それらミュージシャンがお好きな方はもちろん、ちょいオシャレな生音レア・グルーヴ/ジャジー&ブラジリアン・ソウル好きにオススメしたいのがこの1枚。

 カーリ・シモンズ『サンフラワー』。(国内CD MIRA-2 2,300円)

 Julie&Khariの名義で『Moon Bossa』を発表(
2006年8月2日に紹介)した黒人ソングライター/ベーシストのカーリ・シモンズによるソロ最新作で、インコグニートのブルーイがアルバム全体のMIXを担当。

 心地良いUKソウルとオーガニックなブラジリアン風味が絡んだ極上のメロウ・グルーヴ・サウンドが超ゴキゲン!

 スティーヴィー・ワンダー作①「Never In Your Sun」にはインディア・アリー、⑤「Belle Of Byron Bay」にはMONDAY満ちるがヴォーカル参加。爽やか女性シンガー好きの方も必聴のキラー・トラックです。森 陽馬

2013年4月12日(金) エゴ・ラッピン 「水中の光」

 中納良恵&森雅樹による大阪発ユニット、エゴ・ラッピン。

 3年ぶり8作目となる新作『steal a person's heart』が発売。(初回ラッピン CD+DVD+EP+USB TFCC-86431 10,500円、通常盤 TFCC-86432 3,000円)

 なんといっても、中納良恵さんの求心力あるヴォーカル! これに尽きますね。

 優しく包み込むような楽曲も、エッジの効いたロック・ナンバーも、彼女が歌えばエゴ・ラッピンの歌。

 彼女の歌声の説得力は、現代日本女性シンガーの中でもベスト5に入ると僕は思っています。

 現代美術家:大竹伸朗が作詞し、ポエトリー・リーデングと歌謡が合わさったような⑦「女根の月」や、かっこいい②「Future」など、エゴ・ラッピンらしさが詰まった全11曲。

 中でも①「水中の光」の美しさは絶品。
当初彼女がピアノ弾き語りで作った曲だそうなので、そのピアノ弾き語りヴァージョンも聴いてみたいですね。森 陽馬


★完全初回限定BOX(初回ラッピン)は10,500円と高額ですが、メンバー二人自らが手書きしたサイン&ナンバリング入り。店頭在庫も残り僅かですのでお早めに。

2013年4月13日(土) Samantha Crain 「Never Going Back」

 “女性版ニール・ヤング”と、ある音楽誌のアルバム・レビューに書かれていたので、気になって購入してみました。
(輸入CD Samantha Crain 『Kid Face』 Ramseur Records RR2799)

 サマンサ・クレインはオクラホマ出身、今年27歳になる女性シンガー・ソングライター。

 聴いてなるほど。
たしかに曲調や歌いまわしはニール・ヤングっぽい雰囲気がありますね。

 声がレジーナ・スペクターorビョークに似ているので、“ルーツ色濃いレジーナ・スペクター”、もしくは、“フォーキーなビョーク”、という印象も受けました。

 フォーキーといっても、風通しのよい明るい感じとは違って、メロディー&アレンジにやや翳があるのが持ち味。
 アコースティック中心ながら弾き語りではなくリズムも入っているので、意外と聴きやすいです。

 ちなみに1曲目は「Never Going Back」という曲名。
ニール・ヤング76年作『Comes A Time』1曲目に「Goin' Back」という曲がありますから、やっぱりニールを意識しているのかもしれませんね。森 陽馬



全日本CDショップ店員組合の特集ページに当店ペット・サウンズ・レコードが掲載されています。(前編はこちら後編はこちら。)
 狭い店内で至らない点も多々あるのに良いことばかり書いていただき恐縮ですが、店内写真も掲載されておりますので、ご来店されたことがない方はご覧になってみてください。

2013年4月14日(日)  クリスティ 「イエロー・リヴァー」

 1970年ごろに洋楽ポップスを聴いていた方なら、きっと憶えている曲だと思います。「イエロー・リヴァー」。

 親しみやすいメロディ、軽快なリズムを持ったこの曲。
アメリカでも全米23位とそれなりにヒットしていますが、当時の日本では大ヒットの部類。

 ソニーのプッシュも上手かったのでしょうが、シングル盤が20万枚も売れたそうです。

 ヴォーカル&ベース担当のジェフ・クリスティを中心とした3人組“クリスティ”を、僕は長い間アメリカのグループと思っていました。

 この「イエロー・リヴァー」を聴くかぎり、カントリー・フレイヴァーなロックなのでアメリカと思ってしまっていたのですが、イギリスのグループだったんですね。

 「イエロー・リヴァー」の他に、この『ニッポン洋楽ヒッツ!』のコンピCDには、1960年代後半から1970年代中期頃に日本で流行した洋楽ヒット曲がタップリ。(国内CD 2枚組 解説・歌詞・対訳付 UICZ-1362 3,500円)

 マッシュマッカーン「霧の中の少女」、メッセンジャーズ「気になる女の子」、ルー・クリスティ「魔法」、ルーベッツ「シュガー・ベイビー・ラヴ」なども聴けます。森 勉

2013年4月15日(月)  エドウィン・コリンズ 「イエロー・リヴァー」

 前作『Losing Sleep』(2010年)を引っ提げ2011年来日公演を行った元オレンジ・ジュースのフロントマン、エドウィン・コリンズ。

 病気の後遺症が残るためほぼ腰掛けながらでしたが、時折立ち上がり身振り手振りをまじえ、バンドの音に負けないパワフルな歌声を披露してくれました。

 復帰後も精力的に活動を続ける彼の約2年半ぶり新作『Understated』がこの度リリース。
(国内CD HSE-50082 2,200円)

 前作は所縁のミュージシャン達が多数参加しサウンドも賑やかでしたが、新作にはバーリー・カドガン(リトル・バーリー)、ポール・クック(セックス・ピストルズ)、ジェームズ・ウォルボーン(プリテンダーズ)、カーウィン・エリス(くるりのツアーサポート他)等、近年のエドウィンを支えるメンバーが参加。

 ゆったりとした曲が増え、低く味わい深い歌声も聴かせてくれます。

 モータウン・テイストの明るく弾むメロディが印象的な「Too Bad (That's Sad)」など、彼らしいソウル・ポップ・ナンバーも健在♪ カーウィンによるスライド・ギター/コーラスが効いてます。

 イントロのベースが「Tighten Up」を彷彿とさせる「Carry On,Carry On」も注目です。東尾沙紀

2013年4月16日(火) ルルルルズ 「All Things Must Pass」

 2013年東京発シティ・ポップのニューカマー、ルルルルズ。

完全自主制作CDR盤ながら、収録されている3曲はどの曲も魅力的♪

店内試聴機に早速入れましたが、こちらのコーナーでも紹介しましょう。
(ルルルルズ 『点と線ep』 CD-R 735円)

 “東京インディーズ・ポップの登竜門”ともいうべき東京・下北沢にあるmona records。(祝!来年10周年) その店主・行達也さんを中心とした6人組バンドがこのルルルルズ。

 一十三十一をよりハスキーにした感じの歌声が耳に残る女性ヴォーカル(モミ)と、切ない詞世界。そして肌ざわりいい毛布を連想させる温もりあるサウンドが心地良くブレンド。

 流線形やあっぷるぱいのようなシュガーベイブ的/ティンパン系な楽曲ではありませんが、そのサウンドの空気感は“新世代の東京発シティ・ポップ”と言えますね。

 ジョージ・ハリスンの名作と同じタイトル(同名異曲)の1曲目「All Things Must Pass」。

 派手さはないものの、都会の中の寂寥感が美しく表現されていて、聴くほどにじわじわと沁みてきます。森 陽馬

2013年4月17日(水) 大石由梨香×玉城ちはる 「Full Moon Nude」

 2011年2月発表『ここにいること』、2012年5月発表『ひだまり』(2012年5/22今日のこの1曲で紹介)が当店でロングセラー中の玉城ちはるさん。

 以前からジョイント・ライヴを行ったり、アルバム『ここにいること』で共演していた美人ピアニスト/シンガー・ソングライター、大石由梨香さんと組んだアルバムがこの度発売。
(『Full Moon Nude』 VSCF-1745 2,500円)

 二人が2011年から東京と広島で行ってきたライヴ・イベント“Full Moon Nude”を冠した今作は、そのライヴで生まれ披露されてきた楽曲を新たにスタジオで録音し完成したアルバムです。

 大石さんによる流麗なピアノの奏や、アーバンなSAXが入っていることもあって、前作よりもジャジーな仕上がり。
でも玉城さんの力強い歌声が入るとポップな魅力も加わるから不思議ですね。

 当店でお買い上げの方には、二人の直筆サイン(!)が入ったプロモーショナル・フォト2枚セットを先着で差し上げています。お早めに!

 ちなみに、2012年8月に発売された『ロジャー・ニコルズ&ポール・ウィリアムス・ソングブック』(8/30の今日のこの1曲で紹介)、ジャケットに映っているモデルが大石由梨香さんです。
 このジャケ写気になっていた方も要チェック!? 森 陽馬

2013年4月18日(木) Allman Brothers Band 「Dreams」

 今週末4月20日(土)はRECORD STORE DAY!

 CDやアナログ・レコード、そして音楽の素晴らしさをレコード・ショップに行って楽しもう!と、アメリカで数年前から始まったイベントで、日本でもここ何年か前から開催。

 今年は参加店舗も増え、直前で須永辰緒さん関連超限定12インチ、Flying Dutchman12インチなどのリリースも決定し、徐々にですが盛り上がってきてますね。

 当店では4月20日(土)以降ご来店・お買い上げの方に、オリジナル・ギター・ピックを先着でもれなく差し上げる予定です。

 レコード・ストア・デイ関連商品目当てでなくても、是非お店にお立ち寄りください。

 さて、ギター・ピックといえば、こんなBOXも出ました!
デュアン・オールマン7枚組CD BOXセット!
(国内仕様CD 完全限定シリアル・ナンバー入 英文解説対訳付 PCD-17605 18,900円)

 デュアンが使用していたピックのレプリカが入っているだけでなく、中を開けると思わずオオ!と声が出てしまうようなビロード仕立てのBOX内側。更にはCDインナー袋がギター弦が入っている感じのデザインだったり、1万セット限定でBOXごとにナンバリングが施されているなど、マニア心をくすぐる仕様。

 もっと未発表ライヴとかをブチ込んでもらいたかったな、とも感じますが、各曲が時系列に並んでいて、デュアンの遍歴を楽しみながら聴くことができますね。

 今日のこの1曲は、ディスク7最後の方に収録されているオールマンライヴ音源「Dreams」。

 1971年10月オートバイ事故で亡くなる前、9月19日ニューヨークでのライヴ音源。
18分弱に及ぶ演奏、痛快なギター・ソロ。聴きものです。森 陽馬


ディッキー・ベッツの来日公演(ビルボード・ライヴ東京 6/27&28)決まりましたね。楽しみ♪

2013年4月19日(金) トム・ラッシュ 「カラー・オブ・ザ・サン」

 ヒット曲があるわけでもありませんし、名盤と言われるアルバムを出しているわけでもないのに、我々の世代には、トム・ラッシュというシンガー・ソングライターの名はそれなりに知られていたような気がします。

 1960年代初頭フォーク・ソング・ブームの時代から歌い出した彼は、1970年代シンガー・ソングライター・ブームの時代にはCBSコロンビアから発表したアルバムが日本盤としても発売されたので、印象に残っているのだと思います。

 『TOM RUSH』(邦題:トム・ラッシュとニュー・フォークの世界)は、1970年発表コロンビア移籍第一弾アルバム。(国内CD 限定紙ジャケット仕様 SICP-1548 1,890円)

 このアルバムには、トム・ラッシュがこれから有望だと思うアーティストの作品が収められています。
 ジェイムス・テイラー、マレイ・マクロクラン、ジェシ・コリン・ヤング、そしてジャクソン・ブラウン。

 ジャクソン・ブラウン作「ジーズ・デイズ」、「カラー・オブ・ザ・サン」は共に3年後の1973年に、ジャクソン・ブラウン2ndアルバム『フォー・エヴリマン』に収録されることとなる曲。

 ジャクソンの曲をいち早く取り上げるなんて、トムの耳も大したものです。

 初期のジャクソン・ブラウン作らしい情緒ある繊細な詞とメロディが心に残ります。森 勉

2013年4月20日(土) 安藤明子/ねじ梅タッシと思い出ナンセンス 「トゲトゲ」

 本日4月20日レコード・ストア・デイ!(以下RSD)
天候悪い中、多くのお客様にご来店いただき、本当にありがとうございました。
(店頭で何かしらお買い上げの方に、当店オリジナル・ギターピックをプレゼントしておりましたが、明日以降もお買い上げの方に先着で差し上げます!)

 更に更に!16時過ぎには今年のRSDポスターのイラストを手掛けられた永井博さんにわざわざご来店いただき、ポスターにサインまでしていただきました!


 名イラストレーター永井博さんは、大滝詠一『LONG VACATION』のジャケットで有名ですが、最近でもジャンクフジヤマの新作ジャケットなどを手掛けており現役バリバリ!
 ちなみにこの描き下ろしイラスト原画の原寸大レプリカを限定枚数販売するそうです! 詳しくはRSDのHPでご確認ください。

 さて、今日のこの1曲はRSD関連商品を取り上げましょう。
安藤明子/ねじ梅タッシと思い出ナンセンス『トゲトゲ』。(RIOT-114 限定300枚 同内容のCDR付 1,050円)

 安藤明子さんは京都を拠点に活動している女性シンガー・ソングライター。

 「トゲトゲ」はギター弾き語りのシンプルな楽曲ですが、聴いていると胸がキュンとなるような独特な求心力がありますね。雰囲気としては浜田真理子さんに近い感じ。女性シンガー好きな方は是非チェックしてみてください。

 ちなみにB面はその同じ「トゲトゲ」を、本職は板前をしている(!)メンバーによる京都のバンド、ねじ梅タッシと思い出ナンセンスがカヴァー。演奏と歌に朴訥とした味わいがあってこちらもいいですね。友部正人さん的な感じです。森 陽馬

2013年4月21日(日) The Blow Monkeys 「Oh My」

 先日、ケン・ローチ監督の最新映画『天使の分け前』を鑑賞してきました。

 スコットランドを舞台に、クスリ・暴力とワルだった若者が、家族が出来たこと、ウィスキーとの出会いをきっかけに、仲間達と共に新しい道を切り開いていく物語。

 意外な展開に「これでいいのかな?」と思いつつも、爽やかな気持ちで観終えることができました。
 タイトルの“天使の分け前(Angel's Share)とは、ウィスキーが樽で熟成されていくなかで年に2%ほど蒸発していく事をいうのだそうです。(とても素敵な表現ですよね。)

 本編とは関係無いのですが、映画の舞台と同じくスコットランド出身のDr.ロバート率いる4人組バンド、The Blow Monkeysが再結成後3作目となる新作『Feels Like New Morning』をリリースしました。
(国内仕様2枚組CD OTCD-3143 1,990円)

 PVも作られたリード・トラック「Oh My」や味わい深いバラード含む本編全10曲に加え、ボーナス・ディスクにはバンドの代表曲「Digging Your Scene」、「It Doesn't Have To Be This Way」などをセルフ・カヴァーした全10曲を収録。

 Dr.ロバートによるシンプルな弾き語りで、当時とはまた違った渋みを増した歌声を聴かせてくれます。東尾沙紀

2013年4月22日(月) ラザール・ベルマン 「リスト 巡礼の年 全曲」

 村上春樹の新刊『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』。

 小説内に出てくる音楽はこれです!

 ラザール・ベルマン『リスト:巡礼の年 全曲』。
(輸入3CD LAZAR BERMAN 『Annees de pelerinage』 universal 471447-2)

 ラザール・ベルマンはロシア人クラシック・ピアニストで、この巡礼の年は1977年録音。

 比較的穏やかな調べなので、クラシック初心者でも聴きやすいピアノ作品。

深夜これを聴きながら小説を読んでいると、春樹ワールドにどっぷり・・・、という感じですね。
(ちなみに僕はまだ半分くらいしか読んでいません)

 なお、この国内盤も急遽5月15日に発売が決まりました。(国内3CD UCCG-4818 3,000円)

 NHKで特集され話題となった(CD)佐村河内守『HITOSHIMA』はなんと10万枚を突破したとのこと。

それに続いて、この『巡礼の年』もクラシックCDのロングセラーとなるかもしれませんね。森 陽馬

2013年4月23日(火) カート・ヴァイル 「Wakin On A Pretty Day」

 ドラッギーな魅力が中毒になりそうな不思議なロック・アルバム!

 フィラデルフィア出身新世代シンガー・ソングライター、カート・ヴァイルの新作が本日入荷。
(国内CD カート・ヴァイル 『ウェイキン・オン・ア・プリティ・デイズ』 解説・歌詞・対訳付 BGJ-10170 2,200円)

 前作『スモーク・リング・フォー・フロム・ハロー』(
2012年1月30日の今日のこの1曲でピックアップ)は、名音楽評論家:天辰保文さんが2011年ベストに挙げ、当店でもその後ロングセラーとなりました。

 今作はその前作の流れを汲みつつもよりバンド感を出したり、シークエンサーを使った独特なアレンジを施すなど、より前へ踏み込んだ感もある仕上がりです。

“アナログ的のようで今の音”が耳に残る独特な音色。
Jマスキス(ダイナソーJr)似の歌声。
ヘロヘロ、ヨタヨタしているかのような演奏。
 そして不安定で危うい空気感のまま、いつの間にか9分を越えている1曲目「Wakin On A Pretty Day」。

 ダウナーな雰囲気ながら、何故かリピートしてしまう麻薬のような1曲、そして1枚ですね。

 ちなみに、初回仕様限定盤のみボーナス・トラックダウンロード・コード付ステッカーが封入されてますが、ダウンロード期間は4月30日まで。お早めに。森 陽馬


2013年4月24日(水) John Smith 「There Is A Stone」

 2012年10月に行われ、とても好評だったジョー・ヘンリー&リサ・ハニガンの来日ツアーに参加。
2010年には前々作のプロモーションで単独来日もしている英国出身男性シンガーソングライター/ギタリスト、ジョン・スミス。

 ジョン・マーティンなどフォーク界の大御所にギターの腕前を認められ、近年もアイアン&ワインやティナリウェンなど様々なアーティストのサポートアクトを務めてきた、次世代の英国フォーク界を担う存在として期待されるシンガーです。

 彼の今作で4枚目となる新作『GREAT LAKES』(輸入CD JSCD04)が本国で3月リリースされました。

 アコースティック・ギターの弾き語りを中心に、流麗なストリングスやバンジョー、フェンダーローズなどの音色も加わり、以前の作品より広がりを感じます。

 今日のこの一曲は、間奏のスライドのちょっとしたフレーズがかっこいい①「There Is A Stone」


 ギターだけでなく、ハスキーで枯れたかんじの歌声も魅力です。

 ジョー&リサのツアーで共に来日したロス・ターナー(Dr/Per)、リサ・ハニガンもコーラスで参加。

 ①と⑦「She Is My Escape」には共作者としてジョー・ヘンリーの名もクレジットされています。東尾沙紀


2013年4月25日(木) バリー・マン 「I Heard You Singing Your Song」

 バリー・マンが1971年にニュー・デザイン・レーベルから発表した2ndアルバム『レイ・イット・オール・アウト』が紙ジャケット仕様(オリジナルと同じ見開きジャケット)で再発されました。
(国内盤 歌詞・解説付 VSCD-2379 2,625円)

 すでにソングライターとして大成功をおさめていたバリーですが、同門のキャロル・キングが『Tapestry』(つづれおり)でシンガー・ソングライターとして世の中に受け入れられたことに刺激を受けて制作されたアルバム、と言われています。

 ピアノ弾き語りを基調としながらも、メリハリの効いた演奏に力強いヴォーカル、そして確かな楽曲。

 残念ながら発売当時は正当な評価がされませんでしたが、今ではシンガー・ソングライター名盤として多くの音楽ファンが認める作品になっています。

 ライチャス・ブラザーズの大ヒット「ふられた気持ち」や、デルフォニックスのヒット「ホエン・ユー・ゲット・ライト・ダウン・トゥ・イット」のセルフ・カヴァーもいいのですが、今日は「アイ・ハード・ユー・シンギング・ユア・ソング」を。

 バリーのライバルでもあり、友人でもあるキャロル・キングがピアノとハーモニー・ヴォーカルで参加している素敵な1曲です。森 勉

2013年4月26日(金) Dawn McCarthy & Bonnie ‘Prince’Billy 「Just What I Was Looking For」

 最近気に入って、店でよくかけているこの1枚。

 カリフォルニアを拠点に活動している女性シンガー・ソングライター、ドーン・マッカーシーと、DRAG CITYレーベルからWill Oldham及びPalace Music等の名義で活動していた男性シンガー・ソングライター、ボニー・“プリンス”・ビリーが組んだ作品『What The Brothers Sang』。
(輸入CD PALACE RECORDS DC555CD/PR54CD)

 タイトルや収録曲でピンときた方は鋭いっ!
全13曲、エヴァリー・ブラザーズが歌っていた曲をカヴァーしたアルバムなのです。

 Will Oldhamで活動していた頃から、独特なオリジナリティがありながらもフォーキーなルーツを見せていた彼ですが、今作は美声が魅力のドーン・マッカーシーと共に、自身が好きだったエヴァリー・ナンバーを愛情込めたアレンジでカヴァー。

基本的なカントリー・アレンジはそのままに、オリジナルとはまた違ったメロディ&ハーモニーの妙で楽しませてくれます。

「Devoted To You」、「Somebody Help Me」他人気曲だけでなく、渋い名曲を取り上げるセンスもNICE♪

 今日のこの1曲「You're Just What I Was Looking For Today」(このCDの表記は「Just What I Was Looking For」)は、エヴァリー・ブラザーズが1967年に録音しながら、1980年発売された編集盤に収録されるまでエヴァリー・ヴァージョンはお蔵入りとなっていたキャロル・キング&ジェリー・ゴフィン作。

 味わい深い隠れた名曲ですね。森 陽馬

2013年4月27日(土)  アン・マーグレット 「Hey, Little Star」

 デヴィッド・ゲイツはシンガーとしては1970年代ブレッドのリード・ヴォーカリストとして有名になりましたが、1960年代前半はソングライターやアレンジャーとして活躍していました。

 そんな裏方としての彼の仕事ぶりが堪能できるCDが、ACEレーベルから発売されました。

 『恋のドライヴ・イン~デヴィッド・ゲイツ初期作品集 1962-1967』。
(国内仕様盤 英文解説対訳付 全33曲収録 MSIG-849 3,150円)

 様々なタイプの歌手に曲提供をしていますが、彼の楽曲はガール・シンガーが歌ったものが一番だった、と僕は感じます。

 シェリー・フェブレー、コニー・スティーヴンス、マーメイズなど、60'sガール・ポップ・ファンにはグッとくるものばかり。

 今日はそんなガール・ポップ名曲中の名曲として知られるアン・マーグレットが1964年に発表した「ヘイ・リトル・シスター」。

 彼女はスウィンギーなジャズ・タイプの曲を歌うことが多かったのですが、この曲はど真ん中ドリーミー・ポップ!

 流れ星を音で表現するとこんな感じ♪、というようなデヴィッド・ゲイツによるアレンジもいい感じです。森 勉

2013年4月28日(日)  ドリフターズ 「When My Little Girl Is Smiling」

 ドリフターズは1950~60年代に多くのヒットを放ちましたが、途中メンバーが全取替されたり、リード・ヴォーカリストが何人も入れ替わったりと、内部事情はいろいろとあったグループでした。

 しかしそんなことには関係なく、本当にいい曲が多いのです。

 このアルバムの中には、「アップ・オン・ザ・ルーフ」、「ゼア・ゴーズ・マイ・ベイビー」、「スウィーツ・フォー・マイ・スウィート」、「ジス・マジック・モーメント」、「ラスト・ダンスは私に」、「ルビー・ベイビー」など。

 リード・ヴォーカリストであるクライド・マクファター、ベン・E・キング、ルディ・ルイスなどの美声が楽しめます。

 「ホエン・マイ・リトル・ガール・イズ・スマイリング」は、ジェリー・ゴフィン&キャロル・キングの作品。

 ポール・キャラック最新アルバム『グッド・フィーリング』(2013年3月10日このコーナーで取り上げました)の中でナイス・カヴァーされていた曲のオリジナル、ということになります。

 <アトランティック1000R&Bコレクション>から出たドリフターズのベスト盤『アップ・オン・ザ・ルーフ』(1962年編集)の中に入っています。(国内CD 解説・歌詞付 WPCR-27629 1,000円) 森 勉

2013年4月29日(月)  グレン・キャンベル 「Guess I'm Dumb」

 ゴールデン・ウィーク、いかがお過ごしでしょうか?

 のんびり過ごす、というオールディーズ好きの方はこの1冊!

 VANDA 30号!
なんと!10年ぶりの刊行!(980円)

 巻頭からアンディ・ウィリアムス特集、そしてグレン・キャンベル特集!

 ブランディン宮治淳一氏によるバリー・デヴォーゾン&ヴァリアント・レーベル話。
マイクロスターのジャケットを手掛けている高瀬康一氏によるホルスト・ヤンコフスキー特集。

 70年代アイドルによる洋楽カヴァー・コラムなんかも面白かったし、濱田高志氏による宇野誠一郎特集、韓国ソフト・ロック事情も興味深かったですね。

 ちなみに、表紙イラスト。
当店PET SOUNDS RECORDマニアの方(そんな人いないって?)がよーーーく見れば思わずニヤリとするものが写っています。チェックしてみてくださいね。森 陽馬


★今日のこの1曲は山下達郎もカヴァーしているグレン・キャンベル「Guess I'm Dumb」(ブライアン・ウィルソン作)を。
(掲載ジャケットはVANDA30号)

2013年4月30日(火) XAVER FISCHER TRIO 「The Day Before Tomorrow」

 早いもので4月も今日で終わり。

 今年2013年、3分の1がもう過ぎた、ということですよね。
いやはや、光陰矢のごとし。

 5月22日には細野晴臣さんの新作、ビーチ・ボーイズ50周年ライヴCD。
6月には村田和人さん待望の新作発売が決定しましたが、この発売日もあっという間に来そうですね。
(上記商品の詳細や特典などに関してはまた告知したいと思っております。よろしくお願いいたします。)

 さて、最近はオールディーズ関連が多かったので、ちょっと毛色の違うアルバムを取り上げましょう。

XAVER FISCHER TRIOはドイツ人キーボーディスト、ザヴァー・フィッチャーを中心とした3人組ジャズ・トリオ。

 今作『dumdidum』は彼らの2013年発表最新オリジナル・アルバムですが、これが凄い!
(輸入CD UNIQUE RECORDS UNIQ195-2)

 デジタル/エレクトロニクスで作ったCLUB MUSICのようでありながら、全て生演奏!

 それもデジタルエディット無し、シーケンサー無し、クリック音無し、打ち込み一切なし、オーヴァー・ダヴ&3テイク以上の録りなし!で製作された驚異のCLUB JAZZアルバムなのです。

 ウーリッツァーのヴィンテージ感ある温かい音色、プログレッシヴ&クールな演奏が最高にかっこいい!

 フューチャー・ジャズ、CLUB MUSICお好きな方にも超オススメの1枚です。森 陽馬




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■

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