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  今日のこの1曲 “Archives”

<2014月5月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー
2014年5月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>



2014年5月1日(木) Tim Hardin 「Reason To Believe」

ニール・ヤングの新作『A Letter Home』が発売決定しました。
(輸入盤5月下旬 国内盤6月25日発売予定)

気になる内容は、昨年から噂されていたカヴァー・アルバム。

ニールが愛聴していた楽曲を、ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイト所有スタジオにあるVoice-O-Graph(ヴォイソグラフ・・・小さなレコーディングブースから直接レコード盤にカッティングを行う年代物スタジオ)で録音した全12曲。

フィル・オクス、バート・ヤンシュ、ゴードン・ライトフット、ウィリー・ネルソン、ティム・ハーディン、エヴァリー・ブラザーズなど、選曲が渋い!

ニールの歌でティム・ハーディン作「Reason To Believe」、エヴァリー「I Wonder If I Care As Much」を聴けるのが楽しみですね。

ブルース・スプリングスティーン「My Hometown」、ボブ・ディラン「Girl From The North Country(北国の少女)」等、盟友の名曲をどのようにカヴァーしているかも興味深いです。

ということで今日のこの1曲はティム・ハーディン「Reason To Believe」。

ロッド・スチュワート、ウィルソン・フィリップスのカヴァーも有名で僕は好きですが、哀愁あるメロディー・ラインはニールに合ってそう!? 過度の期待はせずに待ちましょう。森 陽馬


★掲載ジャケットは「Reason To Believe」ライヴ・ヴァージョン収録、1968年発表『ティム・ハーディン3 ライヴ・イン・コンサート』。(国内CD 限定紙ジャケット仕様 UICY-93401 2,381円+税)




2014年5月2日(金) ジェリー&ザ・ペイスメイカーズ 「ガール・オン・ア・スウィング」

EMI系のブリティッシュものが相変わらず色々と出ています。

今日はその中から正真正銘リヴァプール・サウンドの雄であるところのジェリー&ザ・ペイスメイカーズを。

ビートルズと同じくブライアン・エプスタインがマネージメントを担当していたこともあり、1964~66年にかけてはアメリカでもかなりの人気を博していました。

残念ながら日本では発売元であった東芝のプッシュが弱かったので、ヒットらしいヒットもほとんどない状態でしたが、「ハウ・ドゥ・ユー・ドゥ・イット?」、「太陽は涙がきらい」、「アイ・ライク・イット」、「マージー河のフェリーボート」、「アイル・ビー・ゼア」など、イイ曲をたくさん歌ってくれたグループです。

この「ガール・オン・ア・スウィング」は1966年のヒット。

アメリカのコーラス・グループ、ハプニングスのボブ・ミランダが作り、彼らのアルバムの中の1曲として世の中に出ましたが、ジェリーたちが取り上げシングルとしてヒットさせたものです。

美しいジャケット・デザインが紙ジャケットでうれしい日本初CD化です。
(国内CD 完全限定紙ジャケット仕様 2014年最新リマスター 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック20曲追加全32曲 WPCR-15550 2,400円+税)  森 勉


2014年5月3日(土) The Pearlfishers 「You Can't Escape The Way You Feel」

 グラスゴーのポップ職人、デヴィッド・スコットの1人ユニット、パールフィッシャーズ。
前作から約7年振りとなる新作『Open Up Your Colouring Book』がリリースになりました。
(輸入CD MA-77)

前作から随分と間が開き、まだしばらく彼のアルバムは出ないのかな?とずっと心配でしたが、新作リリース、嬉しい限りです。

派手さはなくとも丁寧に作り込まれたアレンジ、ジェリー・ベックリーやパディ・マクアルーン(プリファブ・スプラウト)似のスウィートな歌声を堪能できる全16曲。新作も良い曲ばかりです。

デヴィッドが大好きなビーチ・ボーイズ/ブライアン・ウィルソンに影響を受けたコーラス・ワークが、今作でも多くの曲で聴く事が出来ます。

特に「You Can't Escape The Way You Feel」でのハーモニー、ホーン&ストリングスを取り入れた多幸感溢れるサウンドは聴きものです♪

ビーチ・ボーイズ、プリファブ・スプラウト、ジェリー・ベックリーのソロ作、ロディ・フレイムなどお好きな方にもオススメです。東尾沙紀


2014年5月4日(日) ザ・モップス 「アイ・アム・ジャスト・ア・モップス」

 グループ・サウンズの中でも特異な存在を示していたモップスのアルバムがいろいろと再発されました。

 モップスは1967年11月にシングル「朝まで待てない」(作曲:村井邦彦、作詞:阿久悠)でデビュー。
当時のG.S.と同様に自作曲ではなく、職業作曲家&作詞家の曲でシーンに登場してきました。

 サイケデリックという言葉が流行していた時代、モップスのサウンドやファッションはそれを強く意識したものでした。

 1968年4月にビクターから発表したファースト・アルバムのタイトルは、『サイケデリック・サウンド・イン・ジャパン』。(CD ボーナス・トラック2曲追加 VICL-64159 1,800円+税)

 アニマルズ、ジェファーソン・エアプレインやドアーズなどの洋楽カヴァーに交じって、A面3曲目に収録されていたこの「アイ・アム・ジャスト・ア・モップス」はメンバーの星勝&鈴木ヒロミツの楽曲。

 英語詞ですが、ファズ・ギターが印象的に響いてくるジャパニーズ・サイケデリックの名曲。

 十数年前にライノ・レーベルが発売したサイケものを集めたコンピBOX『Nuggets Ⅱ』の中にも日本代表として収められていた曲です。森 勉


2014年5月5日(月) 天才バンド 「ロッケンロールベイベー」

 忌野清志郎さんが亡くなったのは2009年5月2日。

早いものでもう5年が経ってしまったのですね。

「清志郎亡き後の日本音楽界は・・・」と愚痴っている方もいらっしゃるかもしれませんが、良いアーティスト&バンドもたくさん出てきています。

 “清志郎フォロワー”として、特に聴いてもらいたいのが奇妙礼太郎。
そして彼が組んだ新しいバンド、“天才バンド”のアルバムです。
(天才バンド 『アインとシュタイン』 RDCA-1034 2,500円+税)

 天才バンドは、奇妙礼太郎、Sundayカミデ、テシマコージによる3ピース・ロック・バンド。

奇妙礼太郎トラベルスイング楽団よりも、清志郎ばりの歌声がより心に響いてきますね。

今日のこの1曲は、Sundayカミデ作による⑦「ロッケンロールベイベー」。

 8分近くに及ぶ歌詞も熱い1曲。
清志郎の歌魂が引き継がれていることを実感できるナンバーです。森 陽馬


2014年5月6日(火) Ned Doheny 「A Love Of Your Own」(Demo)

 ゴールデン・ウィークも本日で終了。
皆さんは連休いかがお過ごしでしたでしょうか。

 今日は肌寒い1日でしたが、過ごしやすい陽気の日が多くて良かったですね。

 さて、初夏が近づいてくるこれからの季節にピッタリのネッド・ドヒニー。
彼の名曲群にデモ音源もプラスした全19トラック収録の編集盤が発売になりました。
(輸入CD Ned Doheny 『Separate Oceans』 NUMERO 052)

73年発表1st、76年発表名作2nd『Hard Candy』、79年3rd『Prone』(2ndと3rdはスティーヴ・クロッパーがプロデュース)、更に1988年4th『Life After Romance』に収録されているアヴェレイジ・ホワイト・バンドやチャカ・カーンがヒットさせたことで有名な「Whatcha Gonna Do For Me」セルフカヴァー(88年)等を加えたベスト選曲に、デモ音源9曲を追加した全19トラック入。

ベスト選曲の10曲は、メロウ・グルーヴがとにかく心地良いですね。

9曲入っているデモ音源に関しては、ほぼ完成された形でのデモ録音。

 今日のこの1曲は「A Love Of Your Own」デモ・ヴァージョン。
共作者であるHamish Stuart(アヴェレイジ・ホワイト・バンド)のコーラス/歌声が完成形よりもよく聴こえますね。『Hard Candy』聴きこんできた人にはうれしい貴重音源です。

 ただ、音質的には完成音源と比べるとデモ音源はやっぱり劣るので、デモはデモで別のディスクに分けて欲しかったな、というのが正直な感想。

 あと、2nd『Hard Candy』裏ジャケを今回のジャケットに使っているくらいなのだから、名曲「Valentine」のデモもあったら入れて欲しかったな、と。(元々無かったのかもしれませんが・・・)

 まあでも、ジャクソン・ブラウンによる寄稿文が書かれた表シール、貴重な写真が多数掲載されたブックレットも読み応えタップリなので、AOR/シンガー・ソングライターファンは必携でしょう。

 ちなみに、アナログ盤も同時発売。
2枚組LPダブル・ジャケットは手に取ると欲しくなりますね。森 陽馬


2014年5月7日(水) Down To The Bone 「Dig It」

アシッド・ジャズお好きな方に大推薦!

インコグニートやブランニューヘヴィーズなど、アシッド・ジャズ全盛期90年代に結成された英国発ジャズ・ファンク・バンド、ダウン・トゥ・ザ・ボーン。

結成21周年を経て、10作目となる新作『DIG IT』を発売しました。
(国内CD 日本語解説付 PCD-93800 2,300円+税)

前作『ザ・メイン・イングリーディエンツ』(
2011年7月26日の今日のこの1曲で紹介)もグルーヴィーでかっこいい作品でしたが、今回もその流れを引き継いだクール&アーバンな英国ファンクを聴かせます。

今日のこの1曲は、3曲目に収録されているタイトル曲「Dig It」。

キーボード奏者Neil Angilleyが紡ぎ出すヴィヴラフォン的音色のメロディー・ラインが最高にクール!

クラブ・ジャズ、フュージョンファンから、パリスマッチお好きな方にも是非聴いてもらいたい極上トラック!

インコグニートの新作でもヴォーカルを務めている女性シンガー、ケイティ・レオネが2曲参加。(他8曲はインスト)

 都会の夜ドライヴしながら聴きたくなる1枚です。森 陽馬


2014年5月8日(木) Paolo Nutini 「Iron Sky」

甘いマスクと27歳という年齢に似合わない塩辛ソウルフル・ボイスが魅力♪

18歳の時にアトランティックと契約、2007年にデビューしたスコットランド出身の男性SSW、パオロ・ヌティーニ。


前作から約5年振り、3作目となる新作『コースティック・ラヴ』がリリースされました。
(国内CD WPCR-15582 2,457円+税)

 前作『サニー・サイド・アップ』はスカ、フォーク、トラッド等リラックスした雰囲気の曲が多かったですが、新作ではのっけからファンキーな「Scream (Funk My Life Up)」、ベティ・ラヴェットの同名曲をサンプリング、デュエット風に仕上げた「Let Me Down Easy」など、レトロと現代音楽をうまくミックスさせた、前2作ともまた違ったソウル・アルバムになっています。

中でも力強い歌声、世界観に引き込まれる「アイアン・スカイ」が圧倒的!

''憎しみをこえて....恐れをこえて...僕達は立ち上がる...''
チャップリンの映画『独裁者』の演説シーンの一部を取り入れた、メッセージ性の高い一曲です。

この曲を生で聴ける日も近い!と喜びも束の間、5月16日に予定されていた来日公演は残念ながらアーティストの都合でキャンセルに。また来日が実現しますように! 東尾沙紀

2014年5月9日(金) ボブ・ディラン 「Can't Help Falling In Love (好きにならずにいられない)」

 今日はボブ・ディランです。

 ディランに関しては門外漢の僕が、来日公演も終わってしまっているこのタイミングで書くことをお許しいただきたいと思います。

1973年に発表された『ディラン』というアルバムは、彼にしては異色といえる、他の人が書いた作品を取り上げたカヴァー・アルバム。

 トラディショナルなものがあれば、ジェリー・ジェフ・ウォーカーやジョニ・ミッチェルなどのように同業のシンガー・ソングライターものも含まれています。

ディランもこんな曲を歌うんだ!、という驚きが当時はすごくありましたが、今思うと、なるほど...と思う曲が多いですね。

その中からエルヴィス・プレスリーのバラード名曲として知られる「好きにならずにいられない」のカヴァーを。

 ディランはわりとストレートに歌っています。
オルガンはアル・クーパー、間奏で聴けるいい雰囲気のギター・ソロはデヴィッド・ブロムバーグでしょうか。

 1961年制作映画『ブルー・ハワイ』の中で歌われて大ヒットした曲ですが、ディランも『ブルー・ハワイ』の映画を観たのかな、なんて考えると楽しくなります。

 なお、このアルバムはディランが自分の意志で発表したものではなく、契約が残っていたためCBS側が勝手に未発表曲(『セルフ・ポートレイト』と『ニュー・モーニング』のセッションで録音されたもの)を編集して発売したものでした。

 そのため、永らくきちんとした発売がされていませんでしたが(42枚組というボックスに入ったりしましたが)、来日ということもあって日本ではめでたく紙ジャケで単体発売されています。森 勉

★ボブ・ディラン『ディラン』(国内CD 限定盤 解説・歌詞・対訳付 SICP-30488 2,100円+税)


2014年5月10日(土) Benmont Tench 「Duquesne Whisle」

ボブ・ディラン、アメリカン・ルーツ・ロック好きの方にオススメ。

Benmont Tench 『You Should Be So Lucky』。
(輸入CD BLUE NOTE B001985602)

ベンモント・テンチは、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのメンバーとして有名なキーボーディスト。

初のソロ作には豪華メンバーがズラリ集合。

プロデュースはグリン・ジョーンズ。
グリンの息子であるイーサン・ジョーンズ、巨匠ドン・ウォズ、御大トム・ペティ(ベースで参加)、リンゴ・スター(タンバリンで参加)、ギリアン・ウェルチ&デイヴ・ローリング等、職人ミュージシャンが挙って参加。

ジャケット写真から伝わってくる哀愁そのままのピアノの旋律が沁みる<渋い大人のロックこの1枚>です。

ちなみに、ディラン・ファン必聴なのがラスト12曲目「Duquesne Whistle」。

ボブ・ディラン最新オリジナル・アルバム『テンペスト』収録曲のカヴァー。
ギリアン・ウェルチ&デイヴ・ローリングのアコースティック・ギターが素晴らしい!

テンチの歌声もディラン(もしくはトム・ペティ)を意識した感じですね。森 陽馬


2014年5月11日(日) The Strypes 「Still Gonna Drive You Home」

今月に入り、ウィルコ・ジョンソンの腫瘍摘出手術成功!とのニュースが入ってきて、ほっと一安心。
順調に回復し、また元気に来日してほしいです。

そんなウィルコも、「若いのにかっこいい音楽をやっていてすごい」と太鼓判を押しているバンド、アイルランドの4人組、ザ・ストライプス。

本国で今年2月に配信リリースされた新曲4曲入りEP『4 Tracks Mind』に、2013年10月の来日公演音源2曲をプラスしCD化した日本仕様盤『ハード・トゥー・セイ・ノー』が先月発売になりました。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICR-1112 1,500円+税)

4曲の新曲は、アークティック・モンキーズやアデルなどのプロデュースで知られるジム・アビス、クリス・ディフォード(スクイーズ)、ポール・ウェラーが各曲をプロデュース。

どの曲もシャープなギターが印象的ですが、ポール・ウェラーがプロデュースを担当した「Still Gonna Drive You Home」が4曲の中では特に個性があり、かっこいいですね。(贔屓目)

♪ア~ア~ア~アアア♪というコーラスはライヴでも一緒に歌えそう♪

アルバム1枚まるごとポール・ウェラープロデュース、というのも聴いてみたくなりました。

フジロック'14の出演も決定しており、またまた熱いライヴを見せてくれることでしょう。東尾沙紀


★レコード・ストア・デイ2014にリリースされた今作の限定7インチ・アナログ盤も残りわずかですが店頭にて発売中です。


2014年5月12日(月) グレイトフル・デッド 「Goin' Down The Road Feeling Bad」

今月末で閉館してしまう映画館、吉祥寺バウスシアターへ行ってきました。

現在、最後の定期上映作品2作(ウディ・アレン監督最新作『ブルージャスミン』、ジョージ・ハリスンも関わった87年製作映画『ウィズネイルと僕』)と共に、『
THE LAST BAUS』と題しバウスシアターと縁が深い様々な作品を<第7回爆音映画祭>として上映しています。

5月11日(日)はニール・ヤング『ジャーニーズ』が上映されました。

すでにDVD/ブルーレイは発売されていて、僕も購入し何度か観ている作品ですが、やはり劇場で見ると印象が全然違いますね。

『ジャーニーズ』が撮影された2011年は2010年発表問題作『ル・ノイズ』を出した後だったので、映画内のライヴ映像は全て弾き語り。それも『ル・ノイズ』仕様エレキ・ギター弾き語りが主。

正直言って最初DVDで見た時は退屈に感じましたが、爆音でこそ伝わってくるニールの情念ギター。
「Walk With Me」や「Hitchhiker」ってこんなイイ曲だったっけ?とか思ったりもして。

お客さんもたくさん入っていて久々に映画館で熱気を感じましたね。

『ジャーニーズ』観た後、次の回『グレイトフル・デッド・ムーヴィー』を続けて鑑賞。
こちらも強烈でしたね。

グレイトフル・デッド1974年サンフランシスコでのコンサートの映像とサイケデリックなアニメ及びデッドヘッズの熱狂ぶりを追った音楽ドキュメンタリームーヴィー。

長尺の曲も多いので、ジャム・バンドの免疫がある人向けですが(僕の隣の若いカップルは上映後1時間弱で席を立ってしまった)、フジロック2014に初来日するフィル・レッシュ40年前の雄姿も堪能できますから、今年のフジロックで彼のバンドを体感する予定の方は観ておいた方がいいと思います。

今日のこの1曲は映画の中でも披露されている「Goin' Down The Road Feeling Bad」。
(掲載ジャケットは『ヨーロッパ '72 Vol.2』 国内CD WPCR-14284 3,400円+税)

ちなみに『グレイトフル・デッド・ムーヴィー』終演後、客席から拍手が上がったのが印象深かったです。 森 陽馬


2014年5月13日(火) あだち麗三郎 「candy」

『レコスケくん』でお馴染み、イラストレーター本秀康さんがレコード・レーベルを立ち上げました。

その名も<雷音レコード>。
(RHINOをもじって?“RHION”。ライオンレコードと読みます)。

ジャケットはもちろん本さんが描き下ろし!
<7インチ・アナログ・レコードを専門に出していく>というコンセプトにこだわりを感じますね。

その<雷音レコード>の商品、当店でも取扱いできるようになりました。

今日は、その雷音レコードから先月末発売された作品からこの1曲。
(EP あだち麗三郎 『candy / ぷにゃぷにゃトロピカル』 RHION-002 1,000円+税)

あだち麗三郎は、大ブレイク中のインディーズ・バンド、片想いやceroのサポート・ドラマーでも知られる男性シンガー・ソングライター。

「candy」は、とんちレコード周辺ミュージシャンが収録されたオムニバス『とんちこんぴ vol.1』(今年1月1日発売TMCR-15 1,429円+税)に収録されていた楽曲で、今回のアナログ盤には、AKB48「恋するフォーチュンクッキー」を編曲したことで有名な武藤星児によるストリングス・サウンドをオーヴァーダブした別ヴァージョンが収録。

ザ・バンドやヴァン・ダイク・パークスを彷彿とさせるリズム&サウンドに、「第三の男」を彷彿とさせるメロディー、そしてあだち麗三郎さんらしい日本語詞のイントネーションが不思議な魅力を持ったナンバーです。

ジャケットのあだちさんの似顔絵も似ていて、楽曲の雰囲気にもピッタリ合ってますね。森 陽馬

通販コーナーにも掲載しました。
ちなみに、レコードストアデイ限定アナログ(大森靖子、木村カエラ、きゃりー、等)も一部アップしました。


2014年5月14日(水) パーカー・マッギー 「I Just Can't Say No To You」

事あるごとに聴きたくなる密かな愛聴盤が久々にCD化されました。

パーカー・マッギー『PARKER McGEE』。
(国内CD  解説・歌詞・対訳付 WPCR-15652 1,143円+税)

パーカー・マッギーはイングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリー1976年大ヒット曲「秋風の恋」(I'd ready love to see you tonight)の作者としても知られるソングライターで、今作は1976年発表唯一のソロ・アルバム。

これがじんわり心に沁みるアコースティックAORの隠れた名作なのです。

ジェイムス・テイラーとジム・クロウチにちょっとAOR風味を加えた感じの歌声とサウンド。

特に大好きなのが7曲目「I Just Can't Say No To You」。

スティーヴン・ビショップやビル・ラバウンティの切ないトーチ・ソングお好きな方は必聴のナンバーです。

 ちなみに今回の再発は、ワーナーの新・名盤探険隊シリーズ。
値段も安くて最新リマスター、解説・歌詞・対訳付。

70'sシンガー・ソングライター、AOR好きの方は買い!の1枚ですね。森 陽馬


2014年5月15日(木) CRYSTAL CLEAR 「Stay With Me」

『ソウル・ギャラクシー』気に入っていた方にオススメの1枚!

質の高い再発を続けているBEAR FAMILYレーベル傘下から内容の良いコンピが発売されました。

1970年代ソウル・ファンには興味深い選曲の『ステップ・インサイド・マイ・ソウル~レア70's・アンド・モダン・ソウル』です。(国内仕様CD 日本語解説付 MC-96 2,800円+税)

1972年から1980年にポリドール・レーベルからシングル・レコードとして発売されながらも、時代に埋もれてしまった楽曲を発掘してのCD化。

ミディアム・テンポを中心にスローあり、アップあり、の全18曲。

1曲1曲の解説も付いていますので(英文及び日本語訳付)、無名なものでも楽曲をより楽しむための参考になります。

今日はその中から、クリスタル・クリア「ステイ・ウィズ・ミー」。

伸びのあるキューティ・ヴォイスとグルーヴィーな演奏が魅力です。

2008年と2009年にポリドール音源を使って日本独自編集でリリースされた『ソウル・ギャラクシー』シリーズ(
2008年ベストにも選出)がお好きだった方は是非! 森 勉


2014年5月16日(金) UNKNOWN MALE #2(歌い手不明) 「Your Sister's Keeper」

昨日に引き続き、注目のソウル・コンピものから今日のこの1曲。

アレサ・フランクリンやウィルソン・ピケット等を手掛けたプロデューサー、リック・ホールが60年代興したレーベル、フェイム・レコード。

 そのフェイムのスタジオで録音されながら、お蔵入りとなっていた貴重音源をタップリ収録。全24曲中22曲が完全未発表!というサザン・ソウルファン悶絶のコンピがこの1枚。

『ホール・オブ・フェイム VOL.3』。
(国内仕様CD PCD-17670 英文解説・対訳/歌詞付 2,700円+税)

ほぼ未発表とはいえ、歌も演奏も質はシングル級。
ディープ・ソウル好きならば要チェックのアルバムですね。

面白いのは、歌っている人が不明のまま収録されている音源が2曲収録されていること。

 特に23曲目に収録されている「Your Sister's Keeper」という曲。
ライナーノーツを読むと、おそらくウィルソン・ピケットに歌ってもらうことを前提として書かれデモ録音されたものでは?とのこと。

楽曲のリズムやシャウト・ヴォーカルは、たしかにウィルソン・ピケットを意識した感じですね。
うーーーん、この時期のソウルは奥深い!

なお、このコンピはかなりマニアックなので、サザン・ソウル/フェイム・レコード入門編としては、『コンプリート・フェイム・シングルズ Vol.1』(5/21発売予定 国内仕様盤 PCD-17673 3,500円+税)がオススメです。

ちなみに、このフェイム・スタジオがあったアラバマ州マッスル・ショールズを舞台にした
音楽ドキュメンタリー映画『黄金のメロディ ~マッスル・ショールズ』が2014年7月12日日本公開予定。

前述したリック・ホールやアレサ、ウィルソン・ピケットに加え、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ボノ等も出演しているので、ソウル・ファンのみならずロック・ファンも要注目の映画! 楽しみですね。森 陽馬


2014年5月17日(土) Bill Medley 「Hold On, I'm Comin'」

今日は当店地下アゲインにて伊藤銀次さんのトーク・イベント『銀次の部屋』があり、ゲストとして木崎義二さんにお越しいただきました。

僕は店番でイベント拝見できませんでしたが、興味深いお話がたくさん聴けたそうですね。
木崎義二さん、わざわざありがとうございました。

そして今日は、ポール・マッカートニー国立競技場公演も予定されていたのですが・・・。

こういうことは起こりえるのですね。
とにかくもポールの無事をお祈りしましょう。

今日のこの1曲は、ライチャス・ブラザーズのビル・メドレー、久々の新作から。
(輸入CD 『"Your Heart To Mine" Dedicated To The Blues』 FUEL2000 Records 3020619872)

前作『Dawn Near Righteous』(
2008年3月9日の今日のこの1曲で紹介)はブライアン・ウィルソンやフィル・エヴァリーも参加して、亡くなったライチャスの片割れボビー・ハットフィールドへ捧げた作品でしたが、今作はビル・メドレーが敬愛する黒人シンガーへ捧げたカヴァー・アルバム。

演奏も歌声もブルージーで渋いっ!

ブックレットに、Dedicated To My Heroesとして、今回カヴァーした楽曲のオリジナル歌手(Ray Charles、Jerry Butler、Etta James、Sam Cooke、Otis Redding、B.B.King、Bobby Blue Bland、Johnny Ace、Sam and Dave、Jimmy Reed、The Drifters)の名前が列挙されているように、ソウル/ブルースお好きな方にオススメですね。

その中からサム&デイヴのカヴァー「Hold On, I'm Comin'」。

リズム感あるオリジナルとは全然違ったアレンジで、腰の据わったスロー・ブルース調。

ソウルフルな歌声、そしてブルージーなギターが沁みます。森 陽馬


2014年5月18日(日) オアシス 「Live Forever」

ポール・マッカートニー in 国立、本日と明日の振替公演も中止になってしまいましたね。

早く良くなって、残りの公演は元気な姿を見せてほしいですね。

彼らもビートルズ大好き!
90年代のUKを代表するバンドのひとつ、オアシスの1stアルバムが今年でリリース20周年。
それを記念した、CD3枚組の完全限定盤が発売になりました。
(『オアシス(Definitely Maybe)』20周年記念デラックス・エディション SICP-4110 4,000円+税)

ディスク1は1stの最新リマスター音源+日本盤ボーナス2曲。
ディスク2はB面曲など、ディスク3はライブやデモなどレア音源も収録。
ライナーノーツや年表も充実しています。

「ロックンロール・スター」「リヴ・フォーエヴァー」「スーパーソニック」.などノエル兄のソングライティング、弟リアムの存在感のあるヴォーカル。

演奏も曲作りもまだまだ荒削りだけど勢いで押していく!って感じが1作目らしくていいなぁ、と久し振りに聴いてみて思いました。東尾沙紀

2014年5月19日(月) レオン・ラッセル 「Lady Blue」

カーペンターズのヒット曲として知られる「スーパースター」、「ア・ソング・フォー・ユー」、ジョー・コッカー「デルタ・レイディ」、ジョージ・ベンソンがヴォーカリストとして出世作となった「ディス・マスカレード」、ヘレン・レディ「ブルー・バード」などは、すべてレオン・ラッセルの作品です。

1960年代からスタジオ・ミュージシャンやソングライターとして活躍していたレオン・ラッセルは、ポール・マッカートニーと同じ1942年生まれと言いますから今年72歳!

近年はこのベスト・アルバムのジャケット写真のような貫禄ある風貌に拍車をかけた状態になっていると思いますが、1970年代前半から中期にかけてのレオンの勢いは凄いものがありました。

動くレオンで一番印象に残っているものというと、やはりバングラデシュ・コンサートでボブ・ディランやジョージ・ハリスンと共演したシーンでしょうか。

ディランもジョージもそれなりの服装なのに、レオンは1人だけくだけたファッション!
タンクトップでベースを弾きコーラスをする姿、インパクトありました。

さて、今日はレオン・ラッセル自身の歌でヒットしたバラード曲「レイディ・ブルー」。

1975年のヒット。
聞くところによると、この歌はブルーという名前のレオンの娘さんのために書かれた曲とのことです。

なお、レオン・ラッセル待望の新作『ライフ・ジャーニー』国内盤は6月4日発売予定です。森 勉


★掲載ジャケットはレオン・ラッセル『追憶の日々~ベスト・オブ・レオン・ラッセル』。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 TOCP-67766 1,886円+税)


2014年5月20日(火) リン・コリンズ 「Fly Me To The Moon」

近年、各メーカーから様々なジャンルの廉価盤シリーズが出ましたが、今日入荷した<Free Soul Collection 1000>50タイトルはどれもオススメです。

橋本徹氏セレクトで1990年代に流行した人気コンピ・シリーズ、“フリー・ソウル”。
そのコンピに収録されたり、当時再発された人気盤や隠れた名作がこの度1,000円(+税)というお買い得価格で発売されました。

 レア・グルーヴ/フリーソウル大人気盤、ジャクソン・シスターズや、ジョニー・ブリストル、ミニー・リパートン、ジョーンジズ(
2005年4月20日に紹介。バック・メンツも素晴らしい!)のソウル名盤。
 アルゾ&ユーディーン、セヴェリン・ブラウン、ジェス・ローデン、ベン・シドラン等ライト・メロウな作品群など、どれを買っても損なしの50タイトルです。

今日はその中からファンキーな1枚をご紹介。

リン・コリンズ『シンク』。(国内CD 解説・歌詞付 UICY-76200 1,000円+税)

ジェイムス・ブラウン・ショーの絶頂期3大女性シンガーといえば、ヴィッキー・アンダーソン、マーヴァ・ウィットニー、そしてこのリン・コリンズとよく言われています。

その彼女がJBのレーベルPEOPLEから、JB'Sをバックに従え1972年に発表したのが今作。

ジェイムス・ブラウン書き下ろし曲①「Think」、マーヴァ・ウィットニーも歌っていた⑤「Things Got To Get Better」、ビル・ウィザース④「Ain't No Sunshine」、バカラック作⑦「Reach Out For Me」など注目曲多数。
 中でも聴きものはラスト⑨「Fly Me To The Moon」。

多くのジャズ・ミュージシャンが歌っているスタンダード・ナンバーですが、このリン・コリンズによるヴァージョンは他の誰とも比較できないアレンジ!
全く原型を留めていないファンキーな「Fly Me To The Moon」なのです。

ファンキー、というかヤケクソ気味に唄うリン・コリンズの歌がとにかく圧巻!

御大ジェイムス・ブラウンが「こういう風に歌うんだ!」と歌唱指導したようなJB魂溢れる1曲。

日本盤としては久々の再発なのでこの機会に是非聴いてみてください。森 陽馬


2014年5月21日(水) ベン・ワット 「Spring」

 エヴリシング・バット・ザ・ガールのベン・ワット。
31年振り2枚目となるソロ新作『ヘンドラ』の国内盤が発売になりました。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック6曲追加 HSU-10004 2,371円+税)

 1作目『ノース・マリン・ドライヴ』が発表されたのは1983年、彼が19歳の頃。

現在51歳、近影を見るとさすがに年齢を感じさせますが、歌声と楽曲はその分深みを増しています。

静かで切ないメロディー&アレンジが心地良く、ずっと聴いていたい作品です。

今作で最もアグレッシヴなナンバー「The Levels」には、意外な人脈?のデヴィッド・ギルモアがギター/ベース/コーラスで参加。

元スウェードのバーナード・バトラーが殆どの曲に参加し、絶妙なギター・プレイで好サポート。
プロデュースはトレイシー・ソーンのソロ近作にも参加していたイワン・ピアソンが担当しています。

今日のこの一曲は耳に残る③「Spring」。
良い曲です。

日本盤ボーナス・トラックには、本編楽曲のデモやセッションなど6曲が追加収録されています。

3曲のデモは、純粋にベンのピアノ/ギター弾語りヴァージョンとして楽しめますし、バーナード・バトラーとのセッション2曲「Hendra」、「Spring」もまたシンプルで素晴らしい!

サマーソニック'14に、バーナード・バトラーと共に来日が決まっています。東尾沙紀


2014年5月22日(木) 勝新太郎 「イエスタデイ」

ポール・マッカートニー『アウト・ゼアー・ジャパン・ツアー2014』は結局、全公演が中止になってしまいました。

とにかく、ポールの体調が心配です。
今後のこともありますし、早く回復することを祈っています。

心優しいポールのことですから、日本のファンのために、きっとまた日本公演を実現してくれると信じています。

さて、今日はポールの「イエスタデイ」がステージで聴けなかったかわりと言ってはナンですが、日本人が歌ったナイス・カヴァーの「イエスタデイ」を。

貫禄タップリに低音の魅力を披露してくれるのは、勝新太郎!
本気の歌です。
(国内CD 勝新太郎 『夜を歌う+8』 TKCA-72490 1,905円+税)

このCDには他にも、「イエスタデイ」と同じく英語で歌っている「ムーン・リヴァー」、「想い出のサンフランシスコ」、「アイ・リメンバー・ユー」や、日本語詞で歌っている「ラスト・ワルツ」、「サムシング・ステューピッド」、「いそしぎ」、「サニー」など、いいカヴァーがたくさん入っています。森 勉


2014年5月23日(金) 山田稔明 「僕たちの旅 ~ 自己嫌悪'97」

山田稔明さん、2014年発表新アイテム『緑の時代』が入荷しました。
(国内CD 先着ポストカード付 GTHC-0005 2,315円+税)

今年2014年は山田稔明さんにとって、メジャーデビュー15周年、初ソロ・リリースから5周年、というメモリアルな年。

今作『緑の時代』は、彼が小学生の頃書いた詩から生まれた曲や学生時代に書いた曲、ソロ活動を意識するきっかけとなった曲など、今までCDRやコンピなどで発表された楽曲からセレクト/再編集/再録音した作品集です。

“緑”と名付けられた山田稔明の青春が迸る全11曲。
新緑を駆け抜ける風のように軽やかなサウンド&楽曲が心地良い1枚。

聴き進めるごとに彼の青春が自らの青春ともリンクし、甘酸っぱい想い出や音楽を聴いて心疼く気持ちが甦ってきます。

今日のこの1曲は、1997年に書かれたという⑦「僕たちの旅~自己嫌悪'97」。

まっすぐなメロディーに、♪旅に出る♪と繰り返されるサビの歌詞。

1997年、20代で旅に出た青年。
GOMES THE HITMAN~旅路~家路~青の時代、そして色鮮やかな緑の時代を経て、彼は今どんな風景を眺めているのでしょうか。

また新たな旅に出る(であろう)彼の歌を、これからも聴き続けていきたいと思っています。森 陽馬


★6月23日(月)、当店地下
アゲインにて、<山田稔明 月あかりのナイトリスニング VOL.4>イベント開催決定しました。


2014年5月24日(土) Paul Weller 「He's The Keeper」

今日はボブ・ディラン、73歳の誕生日ですね。

ディランと関係ない&1日フライングで書きますが、明日25日はポール・ウェラー56歳の誕生日です。

そのポール・ウェラーの最新ベスト盤『モア・モダン・クラシックス』(国内盤)が6月4日に発売になります。

1998年にリリースされた『モダン・クラシックス』に続くコンピレーション第2弾。
1999年以降から2014年までの楽曲が収められています。

2006年発表の「Wild Blue Yonder」、2011年アナログ/配信でリリースされた「Starlite」、2013年のレコード・ストア・デイ(RSD)でリリースされた「Flame-out!」とカップリングの「The Olde Original」、今年4月のRSDで発表された「Brand New Toy」など、オリジナル・アルバムには未収録のシングル曲も入ってます。

最新曲「Brand New Toy」が特にかっこいいので、ファンの方以外にも是非聴いていただきたいです。

今日のこの1曲は『モア・モダン・クラシックス』の1曲目「He's The Keeper」。
掲載ジャケットは「He's The Keeper」収録2000年作『ヒーリオセントリック』。
(国内CD 限定紙ジャケット仕様 UICY-93565 2,667円+税)

「He's The Keeper」はロニー・レインに捧げられた楽曲です。東尾沙紀

2014年5月25日(日) スタイラス 「Funky Music」

先週20日(火)にも紹介した<Free Soul Collection 1000>シリーズ。

現在、店内中央特設コーナーではそのフリー・ソウル名盤を特集しています。

一番人気はやはりジャクソン・シスターズでしょうか。
コーク・エスコヴェードやゲイリー・バーツなども好評です。

僕も何枚か購入しましたが、気に入って店でよくかけているのがこの作品。

スタイラス『ベスト・ケプト・シークレット』。
(国内CD 限定盤 解説・歌詞付 UICY-76183 1,000円+税)

スタイラスは1975年結成、オーストラリア出身の白人バンド。
今作『The Best Kept Secret』は1978年発表3作目となるオリジナル・アルバムです。

白人ながらソウルフルなサウンドが魅力。
アーバンAOR/ブルーアイド・ソウル、ドゥービー中期お好きな方にオススメの1枚。

今日のこの1曲は6曲目「Funky Music」。

イントロが山下達郎「BOMBER」に似ていますね。

ちなみに、このスタイラス「Funky Music」と山下達郎「BOMBER」はどちらも1978年発表。
国は違えど、同じアイズレー・ブラザーズルーツな1曲ということでしょう。森 陽馬


2014年5月26日(月) スカイライト 「What's Going On」~「The Ghetto」

昨日に引き続き、オーストラリア発の隠れた名盤をご紹介。

スカイライトはオーストラリア出身6人組バンド。
『Skyhigh』は彼らの1974年発表アルバムですが、今作も<Free Soul Collection 1000>シリーズとして再発されました。
(国内CD 限定盤 解説・歌詞付 UICY-76182 1,000円+税)

アコースティック・メロウ・ソウルなサウンドが魅力的。
男性ヴォーカル曲もありますが、爽やかな女性ヴォーカルもNice♪

雰囲気的に<オーストラリアのジョーママ>という感じですね。

フリーソウル・コンピにも収録されたことがあるメロウなエレピの音色がゴキゲンな②「Get It Happening」など、オリジナル曲もイイ曲多いのですが、注目はやはりラストのカヴァー2曲。

マーヴィン・ゲイ「What's Going On」からダニー・ハサウェイ「The Ghetto」への流れは、ダニー・ハサウェイ1972年発表名盤『ライヴ』の1曲目から2曲目をそのまま再現したものなのでしょう。

それを象徴するように、アルバム中この2曲のみライヴ仕様で、「The Ghetto」のアレンジもダニー・ハサウェイ『ライヴ』とほぼ同じ。

キーボード・ソロや後半のパーカッション・ソロ、その合間に入る観客の歓声や手拍子も真似していますね。

ここまで手が込んでいると、実際のライヴではなくスタジオでの疑似ライヴなのでは?、と思ってしまいますが真偽は如何に? 森 陽馬


2014年5月27日(火) ハンバートハンバート 「ぼくのお日さま」

本日は、坂本慎太郎新作、aiko新作、椎名林檎新作、Birthday新作、嵐シングル等が入荷。
(ちなみにニール・ヤング新作輸入盤は当初の予定より延びて今週末か来週頭入荷予定)

取り上げたい作品は色々ありますが、その前に先週発売されたハンバートハンバートの新作を紹介しておかなければいけないでしょう。

佐藤良成と佐野遊穂によるユニット、ハンバートハンバート2014年発表新作『むかしぼくはみじめだった』。(国内CD DDCB-14023 2,700円+税)

今作はカントリー界の重鎮ティム・オブライエンプロデュースによるアメリカ/ナッシュビル録音。

 土着的なカントリーと清いブリティッシュ・トラッドをブレンドしたサウンドに、日本語の情緒を盛り込んだ奥深い歌が魅力のハンバートでしたが、そのハンバートらしさは変わらず、音空間がより広がった感がありますね。

二人の凛とした歌声はよりまっすぐにこちらへ届いてきます。

1曲目「ぼくのお日さま」は吃音の人の苦悩が歌われた楽曲ですが、言いたいことが伝わらないもどかしさ/伝えたいことが言葉に出せない気持ちは、現代の誰しもが感じていることだと思います。

カントリーの聖地ナッシュビル産のサウンドながら、日本人の心、そして日本語の響きが見事に融合した1枚。森 陽馬


2014年5月28日(水) 坂本慎太郎 「ナマで踊ろう」

きのこ雲が広がる背景をバックにスティール・ギターを弾く骸骨。

不穏のジャケットを象徴するように、坂本慎太郎の新作は不条理になりつつある社会を皮肉った問題作でした。(坂本慎太郎 『ナマで踊ろう』 初回限定紙ジャケット仕様 インストCD付 zel-012s 2,600円+税)

サウンド面では、昨年2013年に手に入れたというスティール・ギターが全編に使われてますが、カントリーというよりはムード歌謡のようなアレンジ。

ただ、それが彼特有のサイケデリックなグルーヴ感と相まり、浮遊感漂う<坂本慎太郎流スピリチュアル・ファンク>なサウンドに仕上がっています。

そして、注目の詞世界。
ゆらゆら帝国の作品にも参加していた中村楓子が歌う①「未来の子守唄」、穏やかな曲調とは対照的な歌詞が印象的な②「スーパーカルト誕生」、⑦「あなたもロボットになれる」、⑩「この世はもっと素敵なはず」で歌われる詞は、人類滅亡後の地球/終末を予期する退廃的世界観というよりは、“まともがわからない”若者へ向けた危機感のメッセージに受け取れました。

彼の歌やサウンドに潜む独特な隙間には、聴いた者が感じた思いを埋めてほしい、という意図があるようにも感じさせるコンセプチュアルな1枚。

ちなみに、前作発売時にはピーター・バラカン氏も絶賛しラジオでもオンエアしたインスト・ヴァージョン。
今回は通常盤にもインスト収録ボーナスCDが付いています。こちらも聴きもの。

このアルバムがCDショップ大賞を受賞したら痛快ですね。森 陽馬


2014年5月29日(木) aiko 「恋人 (ROCK ver.)」

 今日は東京も30℃近く気温が上がり、暑かったですね。
そんな中、今週新作をリリースしたaikoの溌剌とした歌声がスカッとさせてくれます。

新作『泡のような恋だった』は、シングル曲「君の隣」、「4月の雨」を収録した11枚目のオリジナル・アルバム。
(初回限定仕様 特典CD付 先着特典クリアファイル PCCA-15011 2,913円+税)

ピアノの音から始まる「明日の歌」、ロック・モードな「染まる夢」&「Loveletter」、KTタンストール「Suddenly I See」のイントロを彷彿とさせる「サイダー」など、しっとりしたバラードも良いですが、ロック&ポップ・モードな楽曲が耳に残ります。

特典CDとして、''aiko's Radio''<Side A>付き♪

48分ほどのaikoのおしゃべり&コーナーの中に、「恋人」の新録ROCKバージョンが収録されています。

「恋人」は、99年のヒット曲「カブトムシ」のカップリングでアルバム未収録曲。
こちらのバージョンも聴きものですよ♪

本日、通常仕様盤も入荷。
通常盤の初回入荷分にも特典CD''aiko's Radio''<Side B>が付いており、初回盤の特典CDとは異なる内容が収録されています。東尾沙紀


2014年5月30日(金) ベンチャーズ 「ザ・ホ-ス」

ベンチャーズ(VENTURESなので近年ではヴェンチャーズと書くべき所ですが、今回は昔ながらのこの表記で)のオリジナル・アルバムが紙ジャケ/最新リマスターで5種類発売になりました。

『ザ・ホース』(1968年)、『アンダーグラウンド・ファイアー』(1969年)、『ハワイ・ファイヴ・オー』(1969年)、『スワンプ・ロック』(1969年)、『10周年記念アルバム』(ベスト盤ではありません。1970年発表)の5タイトル。

この時代はエレキ・ブームも落ち着き、日本での爆発的人気も一段落。

リード・ギタリストのノーキー・エドワーズが競走馬関連の仕事をするため脱退し、新しいギタリスト、ジェリー・マッギーが加入。
全米で『ハワイ・ファイヴ・オー』が大ヒットを記録したりと、ベンチャーズとしてもひとつの分岐点となった時期でした。

一般的にはあまり評価されていない時代ですが、ジェリー・マッギーならではの見事な指さばきのギター・プレイが堪能できます。

今日はジェリーが初加入した記念すべきアルバム『ザ・ホース』からこの1曲。
(国内CD 限定紙ジャケット SHM-CD仕様 2014年リマスター UICY-76209 2,667円+税)

馬の仕事を始めたノーキーへのはなむけなのか、このアルバムには馬がタイトルに付いた曲や馬を連想させるような楽曲が並んでいます。

その中からアルバム・タイトルにもなった「ザ・ホース」を。

クリフ・ノーブルズ&カンパニー、1968年全米2位の大ヒット・インスト曲をすぐさまカヴァーした曲ですが、なかなかスピード感あふれる演奏になっています。森 勉


2014年5月31日(土) ロビン・ワード 「ワンダフル・サマー」

武蔵小山駅前再開発事業、東京都の認可が下りたそうです。
(詳しくは東京都の
こちらのサイト参照

駅前に昔からある飲み屋街は一掃され、40階建てマンションが建設される計画。
予定通りならば平成28年1月着工ですから、この数年で武蔵小山は大きく変わるでしょう。
武蔵小山に約40年住んできた僕としては、少し寂しい思いもありますね。

さて、今日はまだ5月だというのに真夏のような陽気でしたね。
当店も今年初めて冷房を入れました。

一足先に夏気分ということで、オールディーズの夏名曲を。

ロビン・ワードはハワイ生まれネブラスカ育ち、1960年代に活動した美人女性シンガー。

「ワンダフル・サマー」は彼女が1963年に発表した唯一のヒット曲。
オールディーズファン/ガール・ポップの夏ソングといえばこれっ!という名曲です。

(昨年当店地下アゲインで行われた伊藤銀次さんのトーク・イベント<銀次の部屋>にて、大江田信さんがゲスト出演された際、夏ソングで好きな1曲、という質問にこの曲を選ばれていましたね)

ロビン・ワード単独のアルバムCDは現在廃盤ですが、ACEレーベルから出ているガール・ポップ人気コンピ『Early Girls Vol.1』に収録されています。(国内仕様CD 英文ライナー日本語対訳付 CDSOL-7421 2,500円+税) 森 陽馬






これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■


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