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  今日のこの1曲 “Archives”

<2015月8月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー
2015年8月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2015年8月1日(土) ヴェンチャーズ 「京都慕情」

「京都慕情」という曲が昔から大好きです。

今年1月、NHKで放送された「京都人の密かな愉しみ」というドキュメンタリーのようなドラマを見ていたら、エンディング・テーマとしてこの曲が流れてきました。

エンド・クレジットの画面によると、武田カオリが歌っているとのこと。
残念ながらCDにはなっていませんので、ここで取り上げられないな、ということで諦めていました。

しかし「京都慕情」が忘れられず、カヴァーがダメならオリジナルがあるじゃないか、ということでヴェンチャーズ。

彼らのヴァージョンの初出は1970年2月発売LP『ゴールデン・ポップス』でした。
タイトルは「パレスの夜」(Reflections In A Palace Lake)。
このタイトルでシングル『白鳥の湖ロック』B面に収録されたこともありました。
当時まだ「京都慕情」というタイトルは付いていなかったんですね。

その後、渚ゆう子「京都の恋」が大ヒットしたことを受けて、秋にはこの曲が<京都シリーズ第2弾>に決定。
日本語詞がついて渚よう子が歌い、まだ大ヒットとなったわけです。

1970年11月25日にはめでたく「京都慕情」としてヴェンチャーズのシングルも発売されました。
(B面は「別れた人と」)

ヴェンチャーズのヴァージョンは、ジェリー・マッギーのソフト・トーンのエレキ・ギターと、レキントギター風なトーンのガット・ギターの2本立て。
2分10秒ほどでフェイドアウトしてしまうのがもったいないと思える美しいメロディ。いいなぁ~。

作曲はドン・ウィルソン、メル・テイラー、ジェリー・マッギー、ジョン・ダリルの4人連名。(ボブ・ボーグルは入っていないんですね)

このCDは『メモリー・オブ・ジャパン~京都の恋』。(国内CD TOCP-71298 2,381円+税)
日本の地名がタイトルに入っている楽曲を集めたものです。森 勉


2015年8月2日(日) KIRINJI 「真夏のサーガ」

KIRINJI新体制で発表したアルバム『11』から約1年ぶり、新曲「真夏のサーガ」がリリースされました。
(UCCJ-2127 1,800円+税)

キラキラと涼しげなピアノの音色から、徐々に盛り上がっていく高揚感が気持ちいい「真夏のサーガ」。

毎日暑くて溶けそうですが、聴いていると外に飛び出していきたくなる1曲!
ライブで既に披露されているそうですが、夏の野外で大音量で聴いたら気持ち良いでしょうね。

2曲目「水郷」は、マンドリン、バンジョーを取り入れたアイリッシュ・トラッド風のインスト・ナンバー。
ティン・ホイッスルの音色が郷愁を誘い、のどかな田舎の光景が思い浮かびます。

ボーナス・トラックには、2014年11月15日に昭和女子大学人見記念講堂で行われたツアーファイナルの音源4曲(「虹を創ろう」「雲吞ガール」「ジャメヴ デジャヴ」「進水式」)が収録されています。

次のアルバムも楽しみですね!東尾沙紀


2015年8月3日(月) TWIN DANGER 「Coldest Kind Of Heart」

冷房のきいた部屋で、夜中まったりと聴いていたい1枚。

TWIN DANGER『TWIN DENGER』
(輸入CD Decca/Universal 00602547119575)

ツイン・デンジャーは、シャーデーの中心人物であるスチュアート・マシューマンと、女性シンガーのヴァネッサ・ブレイによるジャズ・ユニット。

スチュアート・マシューマン曰く、<セクシー、ダーク、ムーディー>。

シャーデーよりもグッとアダルトかつアーバンなジャズ・ヴォーカル作品、という趣。

ヴァネッサ・ブレイは、フリー・ジャズ・シーンの先駆者とも言えるジャズ・ピアニスト、ポール・ブレイの娘だというからそれも納得ですね。

今日のこの1曲は2曲目「Coldest Kind Of Heart」。

映画『バグダッド・カフェ』の「コーリング・ユー」を彷彿とさせる独特な空気感を持ったスロー・ナンバーです。森 陽馬


2015年8月4日(火) シュガー・ベイブ 「風の世界」(ライヴ)

わが最愛のアルバムの中の1枚、シュガー・ベイブ『ソングス』。
40th Anniversary Ultimate Editionとして再発売されました。
(WPCL-12160 2,800円+税)

1994年と2005年にもリマスター/ボーナス曲追加で出ましたが、今回は更に増量しての2枚組。
オリジナル・フォーマットの11曲2015年リマスターと、2015年リミックス、そして未発表ライヴ9曲、カラオケ5曲、別テイク1曲(今日はなんだか」オリジナル・ピアノ・ヴァージョンという興味深いものです)というラインナップです。

2015年リマスターの音の突き抜け方は凄いし、2015年リミックスは「オリジナル・マスターの特性を忠実に踏襲することを最大目標としました」と山下達郎がライナーノーツに書いてある通り、奇をてらったものではなくオーソドックスでありながら、所々に「アッ、ここが新感覚」と思わせてくれるリミックスになっています。

カラオケは僕にとっては歌うためのものではなく、サウンドをより深く理解するためのものですので、「蜃気楼の街」カラオケの収録は思わず拍手手拍子です。

2枚組になったことで、ライヴが9曲も収録されたのはとてもうれしいことです。
解散ライヴの音源もいいし、仙台での『トロピカル・ムーン』コンサートでの音源もいいけど、今日はディスク2に入っている1975年9月12日中野公会堂での音源を。

大貫妙子作品「風の世界」はスタジオ録音とはちょっと違ったアレンジが魅力。

ターボーの繊細ながらも芯の強さを感じる歌声はライヴでも鮮烈な印象を残してくれます。
山下達郎の弾くハモンド・オルガンもこの曲の聴きどころ。森 勉


2015年8月5日(水) LUCKY TAPES 「揺れるドレス」

8月4日(火)入荷したシュガー・ベイブ『ソングス』40th Anniversary Ultimate Edition。
オリコン・デイリー・チャートCDアルバム・ランキング初登場3位!

1975年発表後40年経っても色褪せない1枚。
今回のリマスターは現代の他のCDと比較しても全く劣らない迫力あるサウンドですね。

そのシュガー・ベイブと同じ発売日に、当店オススメ・バンドの1stアルバムが出ました。

LUCKY TAPES『The SHOW』
(先着でステッカー付 RYECD-250 2,000円+税)

LUCKY TAPESは主な楽曲作りをしている高橋海を中心に、田口恵人、濱田翼、高橋健介が加わった4人組バンド。

賑わっている新世代シティ・ポップ・シーン中、正統派の本命登場!といったところでしょうか。

シュガー・ベイブや70'sソウルをルーツにしたサウンド、ホーンも入ったグルーヴ感ある演奏。
(ホーン隊の中にはMC.sirafu(片想い、ザ・なつやすみバンド)、増田薫(思い出野郎Aチーム)がゲスト参加)
日本語詞と英語詞のバランスも良いですね。

女性シンガーsugar meをfeatした③「Touch」、メロウ・グルーヴ①「All Because Of You」、イックバル気に入った方も聴きもの⑥「Friday Night」など良曲揃い。

その中から今日のこの1曲は②「揺れるドレス」。

歌い出しの歌詞が、♪ネオン街に迷い込む夜は~♪
山下達郎「迷い込んだ街と」(1976年発表『サーカスタウン』収録)を意識したのかな?
(アルバム・タイトルも『The SHOW』ですしね)
RCA時代の山下達郎サウンド/ベースラインを踏襲した雰囲気を持っているキラー・チューンです。森 陽馬


2015年8月6日(木) Rickie Lee Jones 「Blinded By The Hunt」

最近閉店後にリピートしてよく聴いている1枚。

リッキー・リー・ジョーンズ『The Other Side Of Desire』
(輸入CD The Other Side Of Desire Music)

1970年代から活動している女性シンガー・ソングライター、リッキー・リー・ジョーンズ。

2012年発表前作『The Devil You Know』はベン・ハーパープロデュースのカヴァー作で、悪くはないものの個人的にはあまりピンとこないアルバムでした。

今作はニューオリンズ録音で、全曲彼女のオリジナル作。
タイトル『The Other Side Of Desire』は、欲望という名の電車(A Streetcar Of Desire)を意識したものでしょうか。
リッキー・リーらしい世界観が広がっていて、彼女の後期を代表する1枚になりそうな素晴らしい仕上がりです。

プロデュースはジョン・ポーター&マーク・ハワード。
ジョン・クリアリー、ダグ・ベローテ等ニューオリンズの腕利きミュージシャンによるワビサビ効いた演奏もいいですね。

今日のこの1曲④「Blinded By The Hunt」は、リッキー・リー往年の名曲「Last Chance Texaco」とボブ・ディラン「天国への扉」を合わせたような雰囲気のナンバー。

国内盤リリース予定が今のところないのですが、歌詞・対訳付で発売にならないかな。森 陽馬


2015年8月7日(金) Simply Red 「Daydreaming」

ミック・ハックネル率いるシンプリー・レッド、結成30周年のアニバーサリー・イヤーに再始動!

新作『ビッグ・ラヴ』をリリース、国内盤が先日発売になりました。
(国内CD WPCR-16641 2,400円+税)

2010年の解散後、ソロや再結成フェイセズのヴォーカリスト参加等の活動もありましたが、シンプリー・レッドとしては8年ぶりの新作。全曲ミック作によるオリジナル曲です。

グルーヴィーな先行シングル①「Shine On」(かっこいい♪)や、鈴木賢司さんのデヴィッド・T・ウォーカー風ギター&カッティングが印象的な②「Daydreaming」のような都会的なナンバー、ミックの柔らかな歌声が心地良いバラード「Big Love」など、程よく肩の力が抜けた良質なソウル・アルバム♪

国内盤ボーナス・トラックには、ニール・ヤング「Heart Of Gold」のカバーが収録されています。
フィドル、ペダル・スティールをフィーチャーした味わいのあるカバーです。東尾沙紀


2015年8月8日(土) Venice 「When I Come Back (The Hummingbird Song)」

来週あたりからお盆休みという方が多いようですね。

ということもあってか、レコード・コレクターズ2015年9月号<山下達郎が語る1975年のナイアガラ特集>がいつもより早く入荷してきました。

レコード・コレクターズ誌に久々登場の山下達郎氏ロング・インタビュー。
シュガー・ベイブ40周年記念盤と一緒にお楽しみください。

さて、今日のこの1曲は、お盆の青空の下、ドライヴしながら聴きたい1枚から。

ヴェニス『ホワット・サマー・ブリングス』(ジャパン・エディション)
(国内CD 金澤寿和氏監修・解説・歌詞・対訳付PCD-93930 2,300円+税)

ヴェニスは1977年結成、レノン兄弟&従兄弟による4人組、知る人ぞ知るアメリカン・ロック・バンド。

2013年発表2枚組全20曲だったオリジナル・アルバムを金澤寿和さんが1CD14曲に厳選したのが今作。

アコースティックかつ美しいハーモニー♪ これぞ正統派ウエスト・コースト・サウンド!
ジャクソン・ブラウンやイーグルス、CSNお好きな方に大推薦の1枚です。

今日のこの1曲は①「When I Come Back (The Hummingbird Song)」。
ジェリー・ベックリー在籍のアメリカと、ジャクソン・ブラウン的雰囲気を持つゴキゲンなナンバー。
兄弟&従兄弟によるコーラス・ワークもNice♪ ライヴも見てみたいですね。森 陽馬


2015年8月9日(日) ディオンヌ・ワーウィック 「I Say A Little Prayer」

『ベスト・フレンド・ウェディング』という映画を先日テレビでやっていたので録画をし昨日見ました。

ジュリア・ロバーツ、キャメロン・ディアス共演の1997年作品。
18年も前のいわゆるラブコメなのですが、音楽の使われ方が素晴らしくて感激してしまいました。
(すでにご存じの方も多いかもしれませんが、「何を今ごろ・・・」と言わずお付き合いください。)

バート・バカラック&ハル・デヴィッドの楽曲が実に有効に物語を彩っているのです。

まずタイトルバックでこれからのストーリーを暗示させるような詞を持った「ウィシン・アンド・ホーピン」(アーニー・ディフランコのヴァージョン)が流れます。

途中、歌が苦手という設定のキャメロン・ディアスがオンチに使う曲が「恋のとまどい(I Just Don't Know What To Do With Myself)」。

そして、なんとも素敵なシーンは出演者が大きなレストランで食事をしているシーンで、そこにいるみんなの大合唱となる「I Say A Little Prayer」(邦題「あなたに祈りをこめて」、「小さな願い」)。

バート・バカラックのメロディーはもちろん、日常の生活に溶け込んだ歌詞を巧みに作り上げているハル・デヴィッドも凄いですね。

劇中では役者さんが歌っているので、今日はディオンヌ・ワーウィックのヴァージョンで。
(国内CD 『ザ・ウィンドウズ・オブ・ザ・ワールド』 WPCR-15079 2,381円+税)

なお、この『ベスト・フレンド・ウェディング』、どうして気に入ってしまったかにはもう一つ理由がありまして、ブライアン・ウィルソンの知られざる真実を描いた映画『ラヴ&マーシー~終わらないメロディー』とのちょっとした共通点を見つけてしまったからです。

『ラヴ&マーシー』で悪役的なユージン・ランディを演じたポール・ジアマッティが人の良いホテルのベルボーイ役でちょっとだけ出てきます。

あと、字幕を担当したのが共に栗原とみ子さんでした。

小さな共通点ですが、なんとなくうれしくなった次第です。森 勉


2015年8月10日(月) MOCKY 「Whistlin」

猛暑日が続いて、久々の雨。
少しは涼しくなるかと思いきや、モアモアと蒸し暑い一日でしたね。
そんな暑い夜にオススメの一枚です。

2000年頃から活動しているカナダ出身・ロス在住男性ミュージシャン、モッキー(本名・ドミニク・ジャンカルロ・サロレ)。

ゴンザレス、ファイスト、ジェイミー・リデル等アーティストのプロデュースも多数手掛けてきたマルチ・ミュージシャンである彼の約6年ぶり新作『KEY CHANGE』。(国内CD 2枚組 FOUR130 2,400円+税)

ジャズ、クラシック、ソウルなどジャンルに形容しづらいですが、優雅なストリングス、軽やかなフルートの音色、さりげない女性コーラス...ゆったりとしたメロディ&生音中心のサウンドが心地よい作品です。

インスト中心ですが、歌ものもあり、音に溶け込むようなソフトな歌声を聴かせてくれます。

「Whistlin」はミュージック・ビデオも公開されているリード・トラック。
景観の良いスタジオを映したモノクロ(セピア色?)の映像がまた素敵です。
ベニー・シングスなどお好きな方にもオススメの1曲。

前作と同じく、今作にもゴンザレス、ファイストなどが参加しています。

国内盤のデラックス・エディションは、未発表、未音源化だった2枚のEPの楽曲(10トラック)を収録したボーナス・ディスク付き2枚組です。東尾沙紀



2015年8月11日(火) 大村憲司 「Breezin'」 feat 渡辺香津美

1998年逝去した名ギタリスト、大村憲司。
亡くなる1年半前、1997年4月六本木ピットインで行われた大村憲司デビュー25周年ライヴが初CD化されました。

大村憲司『ベスト・ライヴ・トラックスⅤ 25周年ライヴ』
(2枚組CD STPR-003 4,400円+税)

村上"PONTA"秀一(Dr)、青木智仁(B)、小林信吾(Key)、大村憲司(G)。
このバンドに、鈴木茂、渡辺香津美、近藤房之助、永井隆、寺田創一、遊佐未森、大貫妙子、高橋幸宏がゲスト参加していく未発表ライヴ全17曲。

大貫妙子が歌う「都会」、鈴木茂「スノー・エクスプレス」も良いが、聴きものは「ブリージン」。

ジョージ・ベンソンで有名なフュージョン・インスト名曲、渡辺香津美をfeatしてタップリと。

二人で会話しているようなツイン・ギター。
オリジナルとは違った味わいを感じさせる名演。森 陽馬



2015年8月12日(水) DAWES 「I Can't Think Anout It Now」

ジャクソン・ブラウン似の歌声が魅力のTaylor Goldsmith率いるLA出身4人組バンド、DAWES(ドウズ)。

2013年発表前作『Stories Don't End』(
2013年6月4日の今日のこの1曲で紹介)は好評で、当店でもロングセラーとなっています。

彼らの約2年ぶり4thアルバム『All Your Favorite Bands』が発売されました。
(輸入CD HUB RECORDS HUB004-2)

今作のプロデュースは、Gillian Welchの相方としても知られるDavid Rawlings。

アコースティック/フォーキーな感じかな、と思いきやそんなことはなくて、前作に引き続き70'sアメリカン・ロック/シンガー・ソングライターの良心を引き継ぐような仕上がり。

全体的な印象としては、<DAWES版レイト・フォー・ザ・スカイ>といった感じでしょうか。
聴きこむほどに味わいが出てきそうな全9曲。

今日のこの1曲は5曲目「I Can't Think About It Now」。

哀愁漂う楽曲、Taylor Goldsmithの憂いに満ちた歌声、沁みる長尺エレキ・ギター・ソロ。
Gillian Welchのコーラス参加も聴きものです。森 陽馬



2015年8月13日(木) アルゾ 「ユー・ノウ・ミー、アイ・ノウ・ユー」

横浜赤レンガ倉庫1号館で現在行われている<70'sバイブレーション横浜>というイヴェントに、南青山骨董通りにあった伝説のレコード・ショップ『パイド・パイパー・ハウス』が復活しています。

9月13日まで開催されているので、みなさんも是非足を運んでみてください。

その『パイド・パイパー・ハウス』店長だった長門芳郎さんによる監修で<パイド・パイパー・デイズ・リヴィジテッド2015>というシリーズのCDが10種類発売されました。

解説・歌詞・対訳が付き、Blu-specCD仕様で1,600円+税と価格が安いのもうれしいところです。

今日はその中から隠れ名盤として名高いアルゾ1971年作『アルゾ』から「ユー・ノウ・ミー、アイ・ノウ・ユー」を。
(国内CD Blu-spec CD仕様 解説・歌詞・対訳付 SICP-30801 1,600円+税)

プロデュース&アレンジはジャズ畑で有名なボブ・ドロー。
彼が弾くキーボードとアルゾによる12弦ギターの音色のアンサンブルが全編にわたって聴き手を夢見心地にしてくれます。

なお、アルゾ幻のセカンド・アルバム『テイキン・ソー・ロング』も同時発売されています。森 勉



2015年8月14日(金) ビーチ・ボーイズ 「'TIL I DIE」

映画『ラヴ&マーシー』、2回目を先日鑑賞。

見るほどに切ない思いは強くなりましたが、その分感動が深まりました。

暗い/悲しいという感想もあるかとは思いますが、ブライアンの物語を描くにあたって、光と影(とりわけ影の部分)を抜きには語れないですからね。
それを享受してのビーチ・ボーイズ/ブライアンの音楽、ということでご理解いただきたいな、と。

見どころはやはり『PET SOUNDS』/『SMiLE』レコーディング場面でしょう。
様々なエピソードを再現させていて、ここの部分だけでも単体の映画として成り立ちそうなディテール。
ビーチ・ボーイズに関して詳しくご存知でない方にこそ見てもらいたいですね。

個人的に好きなのは、「ティル・アイ・ダイ」がかかっている場面。
過去、現在、幻想が入り混じったアーティスティックな映像がブライアンの人生を走馬灯のように振り返っているようで、心にグッとくるのです。

そして、ラストの場面。
何故、ブライアンはあの場所へ戻ろうとしたのか?

改めて見て思ったのは、「Caroline No」や「I Just Wasn't Made For These Times」の歌でも表現されているような<無垢な精神の喪失>、<純粋な心を探し求める気持ち>の表れだったのかな、と。

ブライアンが昔持っていたイノセンス(純粋な心)は以前あったその場所にはもうなかった。
でも、そのイノセンスを今一度探し求める意思が見出せるからこそ、あのラストは観る者を感動させるのかもしれません。森 陽馬


★掲載ジャケットは「ティル・アイ・ダイ」収録、1971年発表アルバム『サーフズ・アップ』。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 TOCP-71382 2,476円+税)



2015年8月15日(土) Gonzales 「80's And Gentleman」

お盆時期の武蔵小山は、意外にも静かな雰囲気です。

商店街も通常よりゆるやかな空気が流れているように感じますね。

閉店間際の静寂の中、店内でかけていた1枚。

ゴンザレス『リイントロダクション・エチュード』
(BRC-462 2,000円+税)

2004年発表作『ソロ・ピアノ』(
2008年6月10日今日のこの1曲で紹介)。
2012年発表作『ソロ・ピアノⅡ』(
2012年8月29日今日のこの1曲で紹介)。
大好きな上記2枚に引き続くソロ・ピアノ作品の今作。

今までと違うのは<ソロ・ピアノ番外編>と帯に書いてあるように、<習得しやすく、弾いて楽しい>をコンセプトに作られたソロ・ピアノ練習曲用の24曲であるということ。

ポップなメロディーの楽曲が増えましたが、以前のピアノ作お好きな方にもオススメできる仕上がりです。

今日のこの1曲は22曲目。
Ladies And Gentlemanならぬ「80's And Gentleman」。
35秒過ぎに出てくるフレーズがYMOっぽいですね。

楽譜のダウンロード・コード付。
チリー・ゴンザレス本人による解説文は興味深い記述が多く、ピアノを弾けない人でも読む価値があると思います。森 陽馬


2015年8月16日(日) ボビー・ブルーム 「ラヴ・ドント・レット・ミー・ダウン」

8/13紹介した<パイド・パイパー・デイズ・リヴィジテッド2015>シリーズからもう1枚紹介したいと思います。

ポップス・ファンの間ではトミー・ジェイムス&ションデルズ「モニー・モニー」、1910フルーツガム・カンパニー「インディアン・ギヴァー」の作者として。
そして1970年自身で歌った「モンティゴ・ベイ」が全米ベスト10ヒットになったことで知られているボビー・ブルーム。

彼が1970年にカーマストラ・レーベルから出したアルバムが『ホエア・アー・ウィ・ゴーイング』です。
(国内CD ボビー・ブルーム『ホエア・アー・ウィ・ゴーイング』 解説・歌詞・対訳付 SICP-30806 1,600円+税)

「ラヴ・ドント・レット・ミー・ダウン」は1967年に出たファースト・シングル。
ボビー・ブルーム、ジョン・リンド、ピーター・アンダース、ヴィニー・ポンシアによる共作曲。

ウォール・オブ・サウンド風アレンジに低音のボビーの声が映えています。
ボビーの声はライチャス・ブラザーズのビル・メドレーをちょっとマイルドにしたような雰囲気を持っています。森 勉


2015年8月17日(月) おおはた雄一 「おだやかな暮らし (with tico moon)」

ライヴ会場/ネット通販のみで販売されている、おおはた雄一さん2015年発表の最新作『夜の歌が聴こえる』
当店でも先日から店頭販売させていただいています。
(SONG X 026 2,300円+税)

前作『ストレンジ・フルーツ』から約2年半ぶりの7作目。
全編シンプルなアコースティック・ギターによる弾き語りなので、詞とメロディーがよりダイレクトに伝わってきます。

今作ではいろんなアーティストにカバーされている名曲「おだやかな暮らし」を、tico moonをゲストに迎え、10年ぶりに再録。
おおはたさんの歌にそっと寄り添うような美しいアイリッシュ・ハープとギターの音色が心地良く、10年前の歌声とはまた違った深みが加わった素敵なセルフカバーです。

1分ちょっとと短い曲ながら、♪生きた証なんてくそっくらえ♪というフレーズが印象的な70年代フォークを彷彿とさせる「存在」も耳に残りました。東尾沙紀



2015年8月18日(火) 荒井由実 「瞳を閉じて」

ユーミンの荒井由実時代のアルバム4枚は、40年経った現在でもしばしば聴きたくなる作品です。

1974年10月発表セカンド・アルバム『ミスリム』は本当によく聴きましたね。

最初に買ったアナログLPは擦り切れるほど何回も何回もかけたせいで、文字通り擦り切れた状態になってしまっています。

「生まれた街で」、「やさしさに包まれたなら」、「12月の雨」、「海を見ていた午後」、「私のフランソワーズ」、「たぶんあなたはむかえに来ない」など名曲だらけのアルバムですが、今日は2曲目「瞳を閉じて」。

キャラメル・ママによる抑制の効いた演奏に、青くも個性を主張したユーミンの歌が溶け込んだ初期名曲です。

初々しいコーラスはシュガー・ベイブ。

裏ジャケットの参加メンバーの所々にシュガー・ベイブの名を初めて見た時は、彼らのファンとしてこの上ない喜びを感じたことを思い出しました。
1974年のことです。森 勉


★荒井由実『ミスリム』(国内CD TOCT-10712 2,381円+税)



2015年8月19日(水) Larry Campbell & Teresa Williams 「Another One More Time」

アメリカン・ルーツ・ロック系で良い新譜が色々と出ています。

特に気に入っているのがこの1枚。

Larry Campbell & Teresa Williams 『Larry Campbell & Teresa Williams』
(輸入CD Red House Records RHR CD285)

ボブ・ディランのバック等で知られるいぶし銀ギタリスト、ラリー・キャンベル。
自らがプロデュースし、奥方でシンガーのテレサ・ウィリアムスと一緒に作ったアルバムです。

グレイトフル・デッド「Attics Of My Life」カヴァーもありますが、楽曲はオリジナル曲中心。
そのオリジナル曲がどれも素晴らしい!

僕は今まで彼のことを裏方的なイメージで捉えていましたが、優れたソングライターでもあると考えを改めないといけませんね。

今日のこの1曲はそのラリー・キャンベル作③「Another One More Time」。
味わい深いイイ曲です。

ちなみにレヴォン・ヘルムの娘、エイミー・ヘルム(ソロ1st国内盤が9月16日発売予定)、リトル・フィートのビル・ペインがゲスト参加。故レヴォン・ヘルムも5曲目「You're Running Wild」でドラムを叩いています。森 陽馬


2015年8月20日(木) Bonnie 「Close Your Eyes」

高校野球が終わると、夏ももうすぐ終わりだなぁ、と感じますね。
来年のカレンダーや年末発売商品のオーダー書もきて、2015年も残すところあと4か月、という気分です。

1年を振り返るのはまだ早いかもしれませんが、今年も色々なCD、LPが出ました。

新譜商品はさておき再発部門では、来週ワーナーから発売されるCDコンピ・シリーズがリイシュー・ベスト候補といえるでしょう。

ブランディンの宮治淳一氏が魂込めて監修したガール・ポップ・コンピ『ワーナー・ガール・グループ・ナゲッツ』5種とサーフィン・ホット・ロッド・コンピ。

これは凄いです!
日本初CD化、世界初CD化、ガール・ポップ・ファン垂涎のレア音源がタップリ収録!
2015年最新デジタル・リマスタリング。
詳細な日本語解説、歌詞カードもしっかり付き、各22曲で1,600円+税というお買い得価格!!

今後の日本盤リリースのためにも、オールディーズ・ファンは是非購入してもらいたいですね。

今日はその中からこの1曲。

『ピクシー・ガール・グループ・ナゲッツ Vol.1』より、Bonnie「Close Your Eyes」。
(国内CD 日本語解説・歌詞付 WPCR-16655 1,600円+税)

フィル・スペクター門下生ジェリー・・リオペルプロデュース曲。
ウォール・オブ・サウンド/ガール・ポップ・マニアからソフト・ロックファンも必聴のキラーチューン!
日本初CD化音源です。森 陽馬


2015年8月21日(金) ハナレグミ 「祝福」

ハナレグミ新作『What are you looking for』が今週リリースされました。
(VICL-64398 3,000円+税)

2013年発表のカバー・アルバム『だれそかれそ』を挟んでの4年ぶり6作目となるオリジナル・アルバム。

自身の作詞・曲のほか、池田貴史(レキシ)、YO-KING(真心ブラザーズ)、野田洋次郎(RADWIMPS)、大宮エリー、辻村豪文(キセル)、堀込泰行が作詞/作曲で、レコーディングには原田郁子(クラムボン)、伊賀航、伊藤大地、YOSSY、icchie、菅沼雄太、真船勝博らが参加。

高田漣参加インスト「Overnight trip to Chaing Mai」、スカのリズムが心地良い「旅に出ると」、ファンキーな「フリーダムライダー」、野田洋次郎が作・プロデュースも手掛けたリード・トラック「おあいこ」、ナイジェリアの女性SSW、ASA(アシャ)のオリジナル曲に日本語詞をつけた「360°」など、ほぼ半分が提供/共作曲ながら、ひろがるのはシンプルな歌とメロディーのぶれないハナレグミ・ワールド♪

笹倉慎介さんが運営するguzuri recoding studioで録られた音の雰囲気が良いですね。
今日のこの一曲は宅録っぽさも感じさせる静かな弾き語り「祝福」(YO-KING作詞・作曲)。東尾沙紀



2015年8月22日(土) 大滝詠一 「君は天然色」

松本隆作詞活動四十五周年記念オフィシャル・プロジェクト<風街レジェンド2015>

2015年8月21日(金)東京国際フォーラム公演。

19時開演から23時閉演まで、休憩なし約4時間!
中だるみも無く、時間を忘れるほど素晴らしいライヴ・イベントでした。

風街バンド、各出演者、皆良かったのでベストアクトは選べませんが、はっぴいえんどの3人(細野晴臣、松本隆、鈴木茂)はやはり別格。
3人がただ単に集まったのではなく、<はっぴいえんどというバンドの音>になっていたのが印象深いです。

個人的には、子供の頃テレビでよく見ていたイモ欽トリオ「ハイスクール・ララバイ」を、この年になって生で楽しめたのが嬉しかったですね。

そして、大滝詠一追悼の想いが伝わってきた『ロング・バケイション』収録曲の数々。

伊藤銀次&杉真理による「君は天然色」の後、杉真理さんがMCで「元々は須藤薫への提供曲の予定が大滝さん本人が歌うことになった」エピソードを語り、大滝詠一さんだけでなく須藤薫さんへも追悼を込められていたのが感慨深かったな。

松本隆さんが書く詞の素晴らしさはもちろんのこと、一期一会を改めて実感できた一夜でした。森 陽馬


PS 8月22日(土)の公演ではユーミンが最後に出てきて、松本隆へ花束を渡したそうですね。
両日ご覧になられた方、是非感想をお聞かせください。



2015年8月23日(日) THE BLACK BOX 「Happy Lovin' Time」

ソフト・ロック・マニア、ミレニウムなどカート・ベッチャー・ワークスお好きな方は要チェックの1枚!

Vanda佐野邦彦氏も絶賛しているコンピ『Happy Lovin' Time ~ Sunshine Pop From The Garpax Vaults』。
(輸入国内仕様CD CDSOL-8372 2,500円+税)

アソシエイションやエタニティーズ・チルドレンを手掛けたことで知られるゲイリー・パクストンが関わった1960年代後半の音源を集めた全24曲。

完全未発表曲、レア音源タップリ!
はっきり言ってほとんどの曲を知りませんでしたが、隠れた名曲ってまだあるんですね。
ソフト・ロック/サンシャイン・ポップ、奥が深いです。

カート・ベッチャー名義の未発表曲「Christina, In My Dream」は1967年録音。
ザ・バーズ『昨日よりも若く』を手掛けている頃でしょうか。(ミレニウム『ビギン』が出る前ですね)

他にも注目曲たくさんあるのですが、一番の聴きものはこのコンピCDのタイトルにもなっている5曲目!
THE BLACK BOX「Happy Lovin' Time」。

The Black Boxはルイジアナ出身白人男性6人組グループ。
彼らがカリフォルニアで1960年代後半に録音した「Happy Lovin' Time」が最高にポップ♪

スパイラル・ステアケースやアソシエイションを彷彿とさせるキラー・チューンです。 森 陽馬



2015年8月24日(月) Dan Penn & Spooner Oldham 「A Woman Left Lonely」

ダン・ペン&スプーナー・オールダム、1998年イギリス~アイルランドでのライヴを収めた『モーメンツ・フロム・ザ・シアター』がDVD付で再発になりました。
(『ザ・コンプリート・デュオ・レコーディングス』  安田謙一氏による解説付 MSIG-1024 3,200円+税)

このコンビが送り出したサザン・ソウルの名曲を歌う名ライヴ盤♪

個人的な話ですが、2007年現店舗の新規開店準備中に初めてCDを聴いて、ダン・ペンの味わい深い歌声と、スプーナー・オールダムのウーリッツァー/エレピの音色に感激!
その頃はとにかくこればかり聴いていたような気がします。

以前から出てるものとCD内容(&デジパック仕様)は同じですが、DVDには2006年ロンドン/セント・ジェームス教会でのライヴ映像を収録。
CDには未収録のボーナス・トラック7曲(各々のソロ楽曲やカバーなど)が追加されています。(全22曲)

今日の1曲は、涼しい夜に沁みる「A Woman Left Lonely (寂しく待つ私)」。

飾り気のない広い舞台に2人、ただ音を奏でるシンプルなステージ。
求心力ある変わらぬ歌声と、絶妙な演奏に改めて引き込まれます。東尾沙紀



2015年8月25日(火) トニ・ワイン 「ア・ボーイ・ライク・ユー」

なんともいやはや、凄いコンピレーションCDがワーナー・ミュージック・ジャパンから出ました。

すべてのガール・ポップス・ファン、及びすべてのオールディーズ・ファンにおすすめできる好内容です。

ガール・ポップスのコンピと言えば、イギリスACEレーベルの『Where The Girls Are』や『Early Girls』シリーズが有名ですが、それに勝るとも劣らないグレードの高さだと思います。
無名の曲でもとにかくイイ曲ばかりなのです。

<ワーナー・ガール・グループ・ナゲッツ>と題された日本編集のコンピが5種。
どれも全20曲以上収録され、1曲ごとの詳細な解説と歌詞も付き、1,600円+税といううれしい低価格。
たこうえじゃなくて、いかしたデザインのジャケットも目を楽しませてくれます。
(音楽雑誌VANDAのデザインでもお馴染み、酒冨デザインが担当しています)

『ア・ボーイ・ライク・ユー ~ワーナー・ガール・グループ・ナゲッツ Vol.5』
(国内CD 日本語解説・歌詞付 WPCR-16659 1,600円+税)

シェリー・フェブレーのアルバムには収録されていないシングル曲や、一般的には知られていませんが60'sガール・ポップス・ファンの胸をときめかせてくれるバリー・シスターズ、バーナデッド・カストロなどコルピックス・レーベルの珍しどころがズラリ。

中でも僕のお目当ては、わが最愛の楽曲の1曲であるところの「ア・グルーヴィ・カインド・オブ・ラヴ」作曲者トニ・ワインが歌手として発表した作品です。

うれしいことに3曲も入っています。

彼女が17歳の時に出した「ア・ボーイ・ライク・ユー」はとてもキュートな曲です。
この曲をコンピのタイトルにしてくれてありがとう! 森 勉



2015年8月26日(水) フェリス・テイラー 「イット・メイビー・ウィンター・アウトサイド」

ワーナー・ガール・グループ・ナゲッツのコンピはVol.1、Vol.5と2回取り上げていますが、今日は『ハンキー・パンキー ~ワーナー・ガール・グループ・ナゲッツ Vol.2』の紹介です。
(国内CD 日本語解説・歌詞付 WPCR-16656 1,600円+税)

「ナウ・ザット・ユーヴ・ゴーン」(コニー・スティーヴンス)、「ラヴァーズ・コンチェルト」(トーイズ)、「グルーヴィー・カインド・オブ・ラヴ」(パティ・ラベル&ブルーベルズ)、「キャント・ユア・フェイト・トゥ・ザ・ウインド」(シェルビー・フリント)など僕好みの有名曲がうまくまぶしてあるので、今回の5種類の中では一番親しみがわく選曲と言えるかもしれません。
といっても、レアものもたっぷり入ってますよ。

19曲目フェリス・テイラー「イット・メイビー・ウィンター・アウトサイド」は世界初CD化。

1966年にMustangレーベルから出たこの曲、翌年1月には全米チャートに登場し42位まで上昇するスマッシュ・ヒットを記録しています。

曲を書いたのはバリー・ホワイト。
6年後の1973年、そのバリーがプロデュースした女性3人組ラヴ・アンリミテッドがカヴァーして再ヒットしますが、このフェリス・テイラーがオリジナル・ヴァージョンということになります。

モータウン・サウンド全盛のミドル60'sらしい音作りが、バリー・ホワイトが修行中だったんだな、と感じます。

この曲の他にも、バリー・マン&シンシア・ワイル作品を歌っているロリ・マーティン、ジーン・ペイジのアレンジが冴えているレオラ・ジャイルズ「キープ・イット・カミング」、ラストを飾るキャロラインズ「ユーアー・マイ・ベイビー」など、無名の名曲多し。

『ワーナー・ガール・グループ・ナゲッツ』シリーズ5種類全部が買い!ですが、とりあえずます1枚という方には、このVol.2をオススメしたいと思います。森 勉



2015年8月27日(木) yojikとwanda 「ワンルーム・ダンシン」

当店が応援している男女2人組ユニット、yojikとwanda。

待望の新作となる3rdアルバム『フィロカリア』が9月4日発売決定しました。
(compare notes cn-0041 2,000円+税)

音資料を先に聴かせていただきましたが、コレは素晴らしい!

<当店が選ぶ2013年ベスト>選出の前作『Hey! Sa!』にも増して、二人の個性と世界観が見事に表現された全10曲。

MC sirafu(片想い、ザ・なつやすみバンド)、吉田悠樹(NRQ)、服部将典(NRQ)、itoken、岡野勇仁、によるサポート・バック・メンバーの演奏。そしてwandaさんの絶妙なアレンジ。

楽しさと切なさが同居した<フィロカリア・ポップ・サウンド>!
彼らをご存知でない方も、是非体感してみてください。

今日のこの1曲は、
公式HPにPVがアップされている「ワンルーム・ダンシン」。

猫の人形が踊っているこのPV、かわいいですね。
当店のみの特典として、このPVの猫人形デザインを元にした丸マグネットを先着でプレゼント!

yojikとwandaお二人への最新インタビューを掲載した発売記念リーフレットも作成予定です。森 陽馬



2015年8月28日(金) Neil Young with Crazy Horse 「Don't Cry No Tears」

1か月後の9月28日(月)。
当店地下アゲインにて天辰保文さんによるトーク・イベント第2弾、開催決定いたしました。

2015年9月28日(月)
PET SOUNDS RECORD presents
<天辰保文 Talking Man Vol.2>
ライヴ・カフェ アゲイン(武蔵小山)
18時半開場 19時半開演 入場料1,500円

PET SOUNDS RECORD企画による新トーク・イベント。
天辰保文さんをお迎えしてミュージシャンの魅力を存分に語っていただきます。

6月22日に行った第1回目はジェイムス・テイラー特集でしたが、第2回目はニール・ヤング特集!

天辰保文さんのニール・ヤング愛が伝わる音楽話。
そして、天辰さん自身のハート・オブ・ゴールドを探し求める旅路話。お楽しみください。

今日のこの1曲は、ニール・ヤングが1975年に発表した名作『ZUMA』より。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-75092 1,714円+税)

2001年フジ・ロックでの来日公演では、「Don't Cry No Tears」が1曲目でしたね。
40年前の楽曲ですが、僕の場合はこの曲を聴くと約14年前の夏を想い出します。森 陽馬



2015年8月29日(土) Iron And Wine & Ben Bridwell 「Am I a Good Man?」

USインディー・フォーク・ロック・シーンで人気の二組によるコラボ・カバー・アルバム。

共にSUB POPから2000年代デビューし長年の友人同士だという、アイアン&ワインことサム・ビームと、バンド・オブ・ホーセズのヴォーカリスト、ベン・ブリッドウェル。

2人が影響を受けたという楽曲をカバーしたアルバム『シング・イントゥ・マイ・マウス』は、これからの季節にも合いそうな1枚。
(HSU-10040 2,100円+税)

トーキング・ヘッズ「This Must Be the Place」、JJ・ケイル「Magnolia」ほか、ロニー・レイン、ボニー・レイット、シャーデー、ピート・シーガー、スピリチュアライズド、ジョン・ケイル、マーシャル・タッカー・バンドなど。

ジャンル、年代も様々ながら、2人のアレンジにより、オリジナルのような統一感ある作品に仕上がっています。

ちょっとマニアック(?)なところだと、ユニコーン(70年代のUKバンド)、スウェーデンの女性シンガー、エル・ペロ・デル・マール、ゼム・トゥーなどでしょうか。

ゼム・トゥーの「Am I a Good Man?」は、バンド・オブ・ホーセズのライヴでの定番カバー曲でもあるそうです。
ほとんどが初めて聴く曲でしたが、オリジナルと聴き比べてみたくなりました。東尾沙紀



2015年8月30日(日) ディーン・キャノン 「ホエン・ラヴ・ホーズ・ロング」

ワーナーのガール・ポップ・コンピ、まだまだいいものあります!
ということで、今日は『ホワット・ア・ガイ ~ワーナー・ガール・グループ・ナゲッツ VOL.3』の紹介です。
(残りのVOL.4もいつか取り上げたいと思っております)

Reprise、Valiant、Roulette、Jubileeなど、Warner Brothers所属のレーベルから選ばれた全22曲。
『ホワット・ア・ガイ ~ワーナー・ガール・グループ・ナゲッツ VOL.3』。
(国内CD 解説・歌詞付 WPCR-16657 1,600円+税)

レインドロップス、ジョニー・ソマーズ、コニー・スティーヴンス、ブロッサムズなど有名どころを押さえつつ、ティアラズ、レヴ・ロンズ、エメラルズ、ボイド・シスターズなど魅惑的なグループ名の音源が散りばめられています。

6曲目に入っているディーン・キャノン「ホエン・ラヴ・ゴーズ・ロング」は世界初CD化!

歌っているディーン・キャノンは同じヴァリアント・レーベルに所属していたキャノン・シスターズのメンバーだっただろうと推測されます。

曲を作ったのはバリー・ディヴォーゾン。
アレンジはペリー・ポトキン・ジュニアという黄金のヴァリアント・コンビです。森 勉



2015年8月31日(月) デイヴ・クラーク・ファイヴ 「題名のないメロディ」

デイヴ・クラーク・ファイヴが1964年にイギリスで発表したファースト・アルバムが復刻されました。
(国内CD 日本語解説付 ODR6114 1,500円+税)

彼らの音源は当時契約していたレコード会社が発売権利を持っているわけではなく、リーダーのデイヴ・クラークが全面的に権利を有しているので、なかなか商品化されないのが現状です。

今回は最初の発売から50年経過という裏技を使っての、ファースト・アルバム発売だと思いますが、やっぱりDC5(このように略します)はいいなあ、と感じます。

1960年代ブリティッシュ・ビート・グループの中でも、DC5の作り込んだサウンドはかなり個性的に聴こえましたし、リード・ヴォーカルのマイク・スミスによるちょっとしゃがれたよく通る声は一級品です。

今日はそのマイク・スミスにはお休みをいただいて(ちょっとスキャットが入りますが)、インスト曲の「Theme Without A Name」(邦題:題名のないメロディ)。

たった2分間の曲ですが、美しいメロディです。

この曲はアゲイン石川茂樹さんのテーマ曲とも言える曲なのです。
詳しくは石川さんまでどうぞ。

なお、このアルバムはファーストLP全12曲にシングル・ヒット4曲(「Do You Love Me」、「Glad All Over」、「Bits And Pieces」、「Because」)をプラスした全16曲収録。モノラル音源を使用しています。森 勉





これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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