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  今日のこの1曲 “Archives”

<2016月10月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2016年10月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2016年10月1日(土) オッカーヴィル・リヴァー 「Days Spent Floating (In The Halfbetween)」

2016年9月26日天辰保文氏トーク・イベント『Talking Man Vol.5』にて、天辰保文さんが最近気に入っている1枚として紹介した作品。

オッカーヴィル・リヴァー『アウェイ』
(国内CD 初回のみダウンロード・コード・ボーナス・トラック付 解説・歌詞・対訳付 HSE-3612 2,100円+税)

Okkervil River(オッカーヴィル・リヴァー)は、ノラ・ジョーンズへの楽曲提供でも知られる男性シンガー・ソングライター、ウィル・シェフを中心に、1998年頃アメリカ/テキサス州オースティンで結成された5人組バンド。

シンガー・ソングライター的でありながら、ジャケット・イラストのように幻想的な白昼夢で漂うような音世界。
そして、エッセイ・日記とも違う独特なウィル・シェフによる歌詞には不思議な力を感じるのです。

映画『オー・ブラザー』出演俳優ティム・ブレイク・ネルソンがPVに出演していたり、歌詞にジュディ・シルが出てくる①「Okkervil River R.I.P.」等個性的な楽曲中から、今日のこの1曲はラスト9曲目「Days Spent Floating (In The Halfbetween)」を。

何故でしょうか、この曲を聴いていると無性に哀しくなってくるのです。森 陽馬


2016年10月2日(日) 二階堂和美 「女はつらいよ」

路上生活者が販売員となり売り上げの6割ほどがその人の収入になる仕組の雑誌『THE BIG ISSUE』。
それを多くの方に知ってもらおうと、寺尾紗穂さんが発起人として行っているイベント、りんりんふぇす。

今年で第7回目となる開催が10月2日(日)外苑前・梅窓院 祖師堂にて行われました。
りんりんふぇす Vol.7 The BIG ISSUE Support Live

心の奥がほっこりする素晴らしいイベントでしたね。

最後に出演者全員及び舞踏集団ソケリッサ、そして場内のお子様もステージに上げ<表現すること>を実践。
このイベントが『THE BIG ISSUE』や路上生活者だけでなく、出演者&スタッフ、そして観客含めた皆のための催しであることが実感できました。

来年以降も是非続けて欲しいと思っています。

ちなみに2016年出演者は、寺尾紗穂、マヒトゥ・ザ・ピーポー、ソケリッサ、原田郁子、知久寿焼、二階堂和美。

ラストのトリを飾った二階堂和美さんがやはり圧巻でしたね。

原田郁子さんがピアノでゲスト参加した「女はつらいよ」。最高でした。森 陽馬


★掲載ジャケットは2016年9月7日発売された二階堂和美さん新作『GOTTA-NI』。
(二階堂和美 with Gentle Forest Jazz Band 『GOTTA-NI』 新作CD+ライヴDVD PCD-18816 3,400円+税)


2016年10月3日(月) Sarah Jarosz 「Still Life」

2016年3月13日の今日のこの1曲で紹介したイーファ・オドノヴァン、2016年9月26日に取り上げたサラ・ワトキンスとの女性SSW3人組ユニット、I'm With Her。

その3人中最年少メンバー(91年生まれ)であるサラ・ジャローズ。

前作がグラミーにノミネートされるなど、現在のアメリカーナ・シーンを牽引していく存在として高い評価を受けている彼女も、今年ソロ4作目となる新作『Undercurrent』をリリースしています。
(輸入CD SUGAR HILL 0888072391093)

弾き語りから、フォーク/ブルーグラスに留まらないメロディアスで広がりのあるアレンジのものまで、彼女のペンによるオリジナル曲、歌声ともに求心力があってすばらしい1枚。

バックには、エミルー・ハリスのサポート等も務める男性シンガーJedd Huges(ギター/コーラス)、ニッケル・クリークのライヴやセッションに参加していたMark Schatz(ベース)らを中心とした、ドラムレス編成による絶妙な演奏も聴きものです。

今日のこの1曲は、彼女とイーファ・オドノヴァンとの共作曲「Still Life」。

自身はマンドリンを、イーファがギター、サラ・ワトキンスがフィドルで参加。
深みのあるハーモニーを聴かせるフォーキーな1曲です。東尾沙紀


2016年10月4日(火) スタイル・カウンシル 「カウンシル・ミーティング」

普段はヴォーカル曲をレパートリーの中心にしているロック・グループでも、インストゥルメンタル・ナンバーがアルバムの中に入っていることが時折あります。

それがそのグループの新しい魅力を伝えてくれたりしていることがあるんですね。

古くは、ビートルズ「クライ・フォー・ア・シャドウ」、「フライング」だったり、ビーチ・ボーイズのアルバム『ペット・サウンズ』中のインスト2曲だったり、プロコル・ハルムの「ヴァルプルギスの後悔」だったり、、、。

他にも、ラヴィン・スプーンフル「ロンリー」だったり、スペンサー・デイヴィス・グループ「Fのブルース」だったり。
イイ曲が多いんです。

そんなタイプの曲で今日紹介したいのは、スタイル・カウンシルの1984年発表アルバム『カフェ・ブリュ』のラストに収められていた「カウンシル・ミーティング」です。
(スタイル・カウンシル『カフェ・ブリュ』 国内CD 完全限定盤 UICY-77206 1,000円+税)

ポール・ウェラーのソウル・センスの光る1曲。
ミック・タルボットの弾くオルガンがゴキゲンなサウンドを作り出しています。森 勉


2016年10月5日(水) ノラ・ジョーンズ 「Don't Be Denied」

<名曲「Don't Know Why」から15年、ノラ・ジョーンズがまたジャズに帰ってくる。>(国内盤CD帯文より)

ノラ・ジョーンズ、2016年新作オリジナル・アルバム『Day Breaks』が本日発売。
(国内CD+限定DVD付 解説・歌詞・対訳付 UCCQ-9039 3,200円+税/通常盤 UCCQ-1065 2,500円+税)

ブルーノートのA&Rとしてノラをデビューから手掛けたイーライ・ウルフとノラの共同プロデュース作。
クリス・トーマス、ブライアン・ブレイド、ウェイン・ショーター、ロニー・スミス他が参加。

<ジャズに帰ってくる>という帯文を冒頭記載しましたが、アリフ・マーディンプロデュースによる2002年発表1st『Come Away With Me』とは違って、アメリカン・ルーツ色が増したジャジーな仕上がり、という感じですね。

そのルーツ色を象徴するのが今日のこの1曲、6曲目「Don't Be Denied」。

曲名を見てピン!ときた方はかなりのニール・ヤング通!

ニール・ヤングの中でも数少ない未CD化作である1973年発表アルバム『Time Fades Away』(邦題:時は消え去りて)収録曲のカヴァーです。

ノラ・ジョーンズはプスンブーツ名義2014年発表作でもニール・ヤング「Down By The River」をカヴァーしていましたから(
2014年7月15日の今日のこの1曲で紹介)、本当にニール・ヤング好きなんでしょうね。

ちなみに、名サックス奏者ウェイン・ショーターが参加している楽曲(⑫「Fleurette Africaine」他)はジョニ・ミッチェルっぽい雰囲気を感じました。森 陽馬


2016年10月6日(木) サニーデイ・サービス 「ベン・ワットを聴いてた」

2016年10月8日(土)はCASSETTE STORE DAY JAPAN 2016(カセット・ストア・デイ 2016)!

2013年イギリスでスタート、日本での開催は今年が第1回目となるカセット・ストア・デイ。
カセット・テープ文化を盛り上げよう!というイベントで、この日限定のカセットが色々リリースされます。

当店に入荷する予定のカセットは以下タイトル。
・never young beach『fam fam』
・サニーデイ・サービス『透明 DANCE TO YOU』
・金延幸子『み空』
・大貫妙子『SUNSHOWER』
・シアター・ブルックPray For Kumamoto』
・CAT BOYS『Best Of Cat Boys Vol.1』
・YOUR SONG IS GOOD/DOUBLE

どのタイトルも入荷枚数が限られているため、ご希望商品はお早目に。

掲載ジャケットは、サニーデイ・サービス『透明 DANCE TO YOU』(ROSE200 1,500円+税)。

8月発売サニーデイ・サービス『DANCE TO YOU』のインスト・ヴァージョンを全曲収録したカセット・テープ。
クリアボディのカセット、かっこいいですね。ダウンロード・コードも付いています。
(通販・予約は終了しました。ご了承くださいませ。) 森 陽馬


2016年10月7日(金) 中井大介 「スーフルの歌」

2016年10月8日(土)、当店地下アゲインにて以下イベントがございます。

PET SOUNDS RECORD presents
中井大介&The Pirates (バックはパイレーツ・カヌー! 河野沙羅さんも参加!)
スペシャル・ゲスト:木下弦二(東京ローカル・ホンク)
当店地下カフェ・アゲイン 18時開場 19時開演 予約3,000円 当日3,500円

ご来場のお客様にはもれなく当店ロゴ入りハンカチタオルをプレゼント!


更に、東京ローカル・ホンク木下弦二さんの出演も決定いたしました!
パイレーツ・カヌー、東京ローカル・ホンクファンの方も是非お越しください。

ということで今日のこの1曲は中井大介さん新作『SOMEWHERE』から、ホっとできるナンバー「スーフルの歌」。
(CD 中井大介『SOMEWHERE』 OTCR-011 1,000円+税)

京都に実在する小さな食堂
スーフル(souffle)をテーマにした優しく温かな1曲です。森 陽馬


2016年10月8日(土) 星野源 「恋」

星野源の新曲「恋」、シングルCDが発売になりました。
(初回限定DVD付 VIZL-1006 1,800円+税)

ソロ活動を始めて約6年で9枚目のシングル。アルバムも4枚出していて、いいペースですよね。
ライヴもどんどん会場が大きくなっているのにすぐ売切れ。 ― 凄い人気です。

もうオジサン・ファンの出る幕はないような感じですが、彼の歌が好きなので今回も紹介させていただきたいと思います。

新曲「恋」は星野源と新垣結衣主演の10月11日からTBSテレビで始まる火曜ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の主題歌。

「恋」というタイトルだけを聞いた時はバラードかなと思いましたが、近年の源くんが得意にする彼ならではのスピード感あるダンス・ミュージックになっています。

2曲目には「ウコンの力」のCM曲「Drinking Dance」、3曲目は細野晴臣さんが大好きだという源くんのコメントが付いた、続くことをテーマにした「Continues」、4曲目はいつも完成度の高いハウス・レコーディングもの「雨音」(House Ver)という充実の4曲入。

初回盤は例によってプラス600円ほどで付く特典とは思えないほど手間がかかっているDVD付。
山岸聖太ディレクターとの掛け合い問答が楽しい「ニセ明、石垣島へ行く」(ニセさんの髪形に注目)と、『METROCK2016』から「SUN」、「桜の森」、「時よ」3曲のライヴ映像を収録した63分の大盤振舞な内容です。
今回も星野源によるオーディオ・コメンタリーがフルタイムで入っています。

源くん、忙しいでしょうけど、うまく休養とって、イイ歌作り続けて欲しいなぁ。

ニセ明名義では、石垣島で57曲も頭に浮かんできたらしいけど・・・? 森 勉


2016年10月9日(日) Mark Nevin 「Perfect」

エディ・リーダーの豊かで清々しい歌声、色褪せないメロディが詰まったフェアーグラウンド・アトラクション1988年発表アルバム『ファースト・キッス』。

その名作に収められている代表曲「Perfect」、「Allelujah(ハレルヤ)」他、殆どの作詞・作曲を手掛けたのが、バンドのギタリストだったマーク・ネヴィンです。

1999年からソロ活動を行っている彼の2014年発表4作目『Beautiful Guitars』が日本盤でリリースされました。
(国内CD 解説 ・歌詞・対訳付 HYCA-3057 2,400円+税)

繊細なアコースティック・ナンバーから、生のストリングスやホーンを交えたソウルフルなものまで、アメリカン・ルーツ・ミュージックへの憧憬を感じさせるサウンドと、彼らしい温かで親しみやすいメロディに溢れたシンガーソングライター作品。

フェアーグラウンド時代の「Perfect」、「Dangerous」や、エディ・リーダーソロ作へ提供した「Kiteflyer's Hill」、「The Right Place」など、キャリアを振り返るような興味深いセルフカバーも収録されています。

時折ボブ・ディランを想わせる味のある声で歌う「Perfect」は、アコースティック・ギターとホーン・セクションのみの演奏でニューオリンズ・テイストにアレンジされ、オリジナルとまた違った味わいに♪ 東尾沙紀


2016年10月10日(月) The Isley Brothers 「Say You Will」

だいぶ涼しくなってきましたね。
僕は寒いのが苦手なので、暑い夏が終わってしまいテンションがやや下がり気味です...。

でもこういう季節になると聴きたくなるのがソウル!

熱くて濃厚なソウル再発CDが色々出たので、その中から超オススメの1枚を今日はピックアップしましょう。

The Isley Brothers『Groove With You...Live!』
(輸入CD REAL GONE RGM-495)

名ソウル・ファンク・グループ、アイズレー・ブラザーズが1980年、ニューヨーク郊外ウッドストックにあるベアズヴィル・スタジオにてレコーディングした疑似ライヴ盤。

拍手や観客の声を後からオーバーダブしたスタジオ録音ですが、本当のライヴのようにオリジナルよりも速いテンポで繰り出されるファンキー&グルーヴィーな演奏が最高にかっこいい!

2015年夏に輸入盤で発売されたアイズレー23CD BOXセット中の1枚『WILD IN WOODSTOCK:The Isley Brothers Live At Beasville Studio 1980』は拍手&歓声を入れてない音源でしたが、今回単体で再発された盤には全編に歓声が入っています。(疑似でもこちらの方が臨場感があって良く感じるなー。)

とにかくもソウル/ファンク好きならば絶対に熱く楽しめる激必聴盤ですね。

今日のこの1曲は、山下達郎サンデーソングブックでもかかったダンサブルかつ疾走感あるキラーチューン!「Say You Will」。
アーニー・アイズレーのギター・ソロ最高! 森 陽馬


2016年10月11日(火) Syreeta 「Love Child」

昨日に続いて、最近リリースされたソウル再発CD、超オススメの1枚!

Syreeta『The Rita Wright Years : Rare Motown 1967-1970』
(輸入CD KENT CDTOP-455)

スティーヴィー・ワンダーの元奥方、そして1974年発表名盤『スティーヴィー・ワンダー・プレゼンツ・シリータ』(
2014年10月23日今日のこの1曲で取り上げました)で知られる女性シンガー、シリータ。

彼女がシリータ名義となる前、1967~1970年の間に本名であるRita Wrightとしてレコーディングしていた音源を集めた24曲入り編集盤です。

この手の再発では絶対の信頼を得ている英国ACEレーベル/KENT SOULからのリイシュー。

24曲中18曲が未発表!それ以外の楽曲もほとんどが当時は発売されなかった貴重音源!
なのに全曲最高! シリータの歌声が好きな方なら迷わず買いっ!の1枚ですね。

ローラ・ニーロ作「Save The Country」(シリータ・ヴァージョンも素晴らしい!)や、アシュフォード&シンプソン作「Beware Of A Stranger」、完成度高い「Where Is The Love」他聴きもの揃いの中から今日のこの1曲は、ダイアナ・ロス&シュープリームスで有名な「Love Child」。

1968年9月30日ダイアナ・ロス&シュープリームス名義でリリースされビルボード・チャート1位となったこの曲。

ブックレットに記載されているクレジットによると、1968年9月17日トラック録音、9月18日ストリングスを加え、9月19日リタ・ライス(シリータ)がデモ・ヴォーカルを録音、そしてダイアナ・ロスが9月19~20日にリード・ヴォーカルをレコーディングし完成→9月30日リリースとのこと。

ダイアナ・ロス歌唱の元となったことが頷けるこのシリータ・ヴァージョン、お聴き逃しなく。森 陽馬


2016年10月12日(水) Johnny Adams 「South Side Of Soul Street」

一昨日、昨日に続き、ソウル再発CDオススメの1枚!
今日はより濃くてディープな編集盤を紹介しましょう。

『ソウル・トレジャーズVol.2 ~ホール・ロット・オブ・ソウル』
(国内CD 英文歌詞付 選曲・解説:鈴木啓志 CDSOL-5169 2,600円+税)

鈴木啓志氏監修・選曲によるヴィンテージ・ソウル・コレクション・シリーズ。
60~70年代に良質なサザン・ソウル楽曲を多数輩出したSSS(スリーS)インターナショナル、シルヴァー・ホックス等のレーベルから貴重なシングル音源を集めたソウル・コンピです。

黒汁タップリ!ディープなサザン・ソウル・バラードを中心にしたVol.1は、ソウル・マニアにとってこれから寒くなる季節ピッタリな濃厚さですが、女性シンガーやファンキーな楽曲も入ったVol.2も魅力的な選曲です。

今日のこの1曲はそのVol.2から、ジョニー・アダムス「South Side Of Soul Street」。

ニューオリンズを拠点に活動していたサングラスがトレードマークの男性シンガー、ジョニー・アダムス。
<黒いカナリア (The Tan Canary)>と呼ばれたファルセット・ヴォイスでバラードが評判の彼ですが、ニューオリンズ産らしいゴキゲンなサウンドの楽曲が僕は好きですね。

特にこの1970年発表シングル曲「South Side Of Soul Street」は最高にFunky&Happyなキラー・チューン!
ビギニング・オブ・ジ・エンド「ファンキー・ナッソー」を彷彿とさせる、というかこちらの方が先なのかな。

サザン/ディープ・ソウルというと重いイメージがあるという方、是非この曲聴いて踊ってください♪ 森 陽馬


2016年10月13日(木) 難波弘之 (SENSE OF WONDER) 「浮遊」

約1か月前の9月10日、六本木EXシアターで難波弘之鍵盤生活40周年ライヴ~一生鍵命~が行われました。

残念ながらライヴには行けなかったのですが、当日行かれた方のお話しを色々伺うと、うらやましい限りの内容だったそうで、、、。これからもみなさんのおみやげ話で疑似体験させてください。

さて、その難波弘之、1976年金子マリ&バックスバニーのメンバーとしてデビューしてから、鍵盤一筋40年!を記念してのCD『一生鍵命』も発売になっています。(キング KICS-3416 3,000円+税)

SENSE OF WONDER、ExhiVision、野獣王国、THE HITS!?、A.P.J.、EDENなど一緒に演奏するメンバーが異なる毎に別ユニットを作っている彼。このアルバムには各々のグループの音が聴けるようになっています。

その中から今日は、SENSE OF WONDER名義で入っている1曲目「浮遊」を。

旧友織田哲郎の書き下ろし曲ながら、雰囲気は難波色に染められています。

プログレというと小難しい音楽と思われがちですが、この曲のようにメロディーの美しい曲が多いんですよね。
作り手の優しさが伝わってくるアルバムです。森 勉


2016年10月14日(金) デヴィッド・ボウイ 「Song For Bob Dylan」(ボブ・ディランに捧げる歌)

ボブ・ディランがノーベル文学賞受賞!

テレビ、新聞などメディアでもトップニュースで伝えられましたね。

今回の受賞に関しては賛否あり、「音楽家がノーベル文学賞を取るのは意外」という意見もあるようです。

そのような見解を聞くと、<音楽>は<文学>と見なされていないのだな、と感じますね。

近年の音楽はエンターテイメント化し、ビジネス化し、聴き手に想いを伝える/投げかける、という原点を失いかけていたのかもしれません。

ディランがノーベル文学賞を受賞したことは、多くの音楽家にとって大きな励みになると同時に、音楽の原点を見つめ直す良いきっかけになると願っています。

今日のこの1曲は、デヴィッド・ボウイが歌った「Song For Bob Dylan」(ボブ・ディランに捧げる歌)。

1971年発表『ハンキー・ドリー』収録。(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-16706 1,600円+税)
ボブ・ディランへの想い・様々な考え方を歌詞に表し、ボウイがディランの唱法を真似て歌っている1曲。

2016年1月逝去したデヴィッド・ボウイも、天国の扉を叩いて祝福していることでしょう。森 陽馬


2016年10月15日(土) John Sebastian 「Welcome Back」

ジョン・セバスチャンの歌声と彼の作る楽曲は、どんなに時が移り変わろうと僕らに心安らぐぬくもりを届けてくれます。

そのジョン・セバスチャンがリーダーだったバンド、ラヴィン・スプーンフル。
新編集ベストCDが11月9日発売決定いたしました。

タイトルはシンプルに『ベスト・オブ・ラヴィン・スプーンフル』。
長門芳郎氏監修、<パイド・パイパー・デイズ>シリーズとして出ます。
(国内CD 完全限定盤 紙ジャケット Blu-spec CD2仕様 ソニー SICP-31006 2,100円+税)

60年代にアメリカで発売されたベスト・アルバム『The Best Of The Lovin' Spoonful』のVol.1とVol.2に、ボーナス・トラック6曲を加えた全30曲。

全米ヒット・チャートに登場した14曲の他、アルバムの中の隠れた名曲も収録した充実の日本編集企画です。

完全生産限定盤なので11月9日発売とまだ少し先ですが、御予約受付中です。

さて、今日はラヴィン・スプーンフルベストCD発売記念ということで、ジョン・セバスチャン1976年全米No.1となった大ヒット曲「ウェルカム・バック」が聴きたい気分。

彼が70年代にリプリーズ・レーベルから発表した5枚のアルバムとシングル曲が3枚のCDにまとめられているうれしいCDより。(輸入CD 3枚組CD Wounded Bird WOU6379) 森 勉


2016年10月16日(日) Amos Lee 「Running Out Of Time」

10月5日発売されたノラ・ジョーンズ『デイ・ブレイクス』、売れています。

彼女の歌声、そしてピアノの旋律はやはり唯一無二の魅力がありますね。

そのノラの新作も素晴らしいのですが、男性シンガー・ソングライター作品で僕がオススメしたいのがこの1枚!

Amos Lee『Spirit』
(輸入CD John Varvatos Records B0025335-02 IN02)

エイモス・リーは1978年生まれアメリカ/フィラデルフィア出身男性シンガー/ギタリスト。

2005年にブルーノートからデビューした時には、<男性版ノラ・ジョーンズ>という売り文句でしたが、徐々にオリジナリティも備わってきて、6作目となる3年ぶり新作はセルフ・プロデュースによる入魂の仕上がり!

元々定評があったソウルフルな歌声に、素晴らしいソングライティング、そしてルーツ的サウンドから一歩も二歩も前へ進んだグルーヴ感ある演奏がとにかく素晴らしい。

何故にこんなにも強靭かつ斬新なサウンドなのか?と思ってクレジットを見ると、13曲中7曲ドラマーはMark Colenburg!(ロバート・グラスパー・エクスペリメントで知られる新世代黒人男性ドラマー)
更にベースはAdam Blackstone!(アリシア・キーズ、リアーナ等に関わる黒人ベーシスト)

アメリカン・ロックに新風を巻き込んているこのグルーヴは、黒人リズム隊に依るところが大きいと思いますね。

とはいえ、エイモス・リーの魂(Spirit)が宿っているからこその『Spirit』全13曲。
ベン・ハーパー、ジョン・メイヤー、ジェイソン・ムラーズお好きな方にも聴いてもらいたい快作です。森 陽馬


2016年10月17日(月) Doyle Bramhall Ⅱ 「New Faith」feat Norah Jones

ドイル・ブラムホールⅡ 約15年ぶりオリジナル・アルバムが発売されました。

Doyle Bramhall Ⅱ『Rich Man』
(輸入CD CONCORD RECORDS CRE00208)

1968年生まれアメリカ/テキサス出身ギタリスト、ドイル・ブラムホールⅡ。
近年はエリック・クラプトン関連ワークス、親交が深いテデスキ・トラックス・バンドとの交流や、シェリル・クロウ作品のプロデュース等で活動。

テデスキ・トラックス・バンド2014年来日公演にゲスト参加し、日本のファンへ雄姿を見せてくれた(彼は背が高くサウスポー、ステージ映えしてかっこいいですよね)こともあり、久々の新作が15年ぶりというのは意外な感じもしますが、充実したこの15年間で蓄積された素養やパーソナルな想いが凝縮された1枚に仕上がっています。

今日のこの1曲は、ノラ・ジョーンズがヴォーカル参加した5曲目「New Faith」。

今までの彼のアルバムは全体的にブルース・ロックな作風でしたが、今作はこの曲のようなシンガー・ソングライター的楽曲から、彼が影響を受けたクラシックなロックをプロデューサー的視点で表現したナンバーが中心。

ちなみに、ギタリストの作品としてはギターが地味だな、と思っていたら、ラスト13曲目にジミ・ヘンドリックス幻のブルース名曲「Hear My Train A Comin'」カヴァーが登場。ドイルによる情念のギター、聴きものです。森 陽馬


2016年10月18日(火) Suzanne Vega 「Harper Lee」

スザンヌ・ヴェガ、約2年半ぶりとなる新作がリリースになりました。

『ラヴァー、ビラヴド  ソングス・フロム・アン・イヴニング・ウィズ・カーソン・マッカラーズ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 OTCD-5811 2,300円+税)

1940年代ニューヨークを拠点に人権、孤独、愛や憎しみ、性などに切り込んだ著書を残したアメリカの女流作家カーソン・マッカラーズにインスパイアされた作品です。

2011年には彼女がマッカラーズの半生を実際に演じたミュージカルも上演。
近年ミュージカル音楽を多数手掛けるアメリカの男性シンガーソングライター、ダンカン・シークとタッグを組み全10曲中8曲を共作しています。(日本盤はボーナス・トラック1曲追加)

著書を引用しながら人物像が描かれていますが、ダンカン・シークによる耳に残るメロディ・ライン、今作のプロデュースを手掛けるライヴのジェリー・レオナルドのエレキ・ギターほか弦を中心とした豊かなアレンジと、演じるように様々な表情をみせる彼女の歌声は、オリジナル・アルバムとして楽しめる1枚になっています。

2012年の来日公演では、今作から3曲(「New York Is My Destination」「Annemarie」「Harper Lee」)を披露。
煙草を手に、カーソン・マッカラーズが乗り移ったかの如く、身振り手振り歌う姿がとてもかっこよくて印象的でした。東尾沙紀


2016年10月19日(水) 山岸潤史 「グルーヴィン」 ゲスト山下達郎

たまには気持ち良く弾きまくっているギターを聴きたくなります。

そんな時にはこれ!
『ギター・ワークショップ Vol.1 ~大村憲司、渡辺香津美、森園勝敏&山岸潤史』
(CD VICJ-77018 2,300円+税)

1977年に録音され発表された企画アルバム。
4人のギタリストがそれぞれ気の合う仲間を集めて、ひとり2曲担当で腕を競った好企画。
ラストの9曲目は4人の競演が聴けます。

どの曲も4人の個性が出ていて、これぞギター・アルバム!というギター・ソロたっぷりの内容です。

その中から今日のこの1曲は、山岸潤史「グルーヴィン」。

ヤング・ラスカルズ1967年全米No.1ヒットのカヴァーです。

縦横無尽に弾きまくる後半のソロは圧巻。
ちょっぴりですが、24歳の山下達郎がコーラスで参加しています。

1977年頃、下北沢ロフトで行われていた山岸潤史セッションに、山下達郎もよく出演していました。
ゆったりとした雰囲気の中、濃密なセッション・バトルはとても刺激的でした。

このCDを聴いていたら、そんな昔のことを想い出しました。森 勉


2016年10月20日(木) コシミハル 「The Way You Look Tonight」(今宵の君は)

PET SOUNDS RECORDが選ぶ2015年ベストに選出。
現在もロングセラー中のコシミハル最新オリジナル・アルバム『MOONRAY』。

今作のアナログ盤化が決定しました。
(11/9発売予定 3,704円+税)

それを記念して、コシミハルアナログ盤を当店にて10/27までにご予約の方から抽選で2組4名様、コシミハル11月1日(火)ビルボード・ライヴ公演2ndステージ自由席(開場20:45 開演21:30)へご招待いたします!

当店通販ページ、直接メールorお電話、もしくは店頭でご予約でも構いません。
ご予約者の中から2組選ばせていただき、当選者には10月28日にご連絡いたします。
(11月1日ライヴへは、お名前とお電話番号を当日受付でおっしゃっていただければご入場できる予定です)

コシミハルさんのアナログ盤購入しようかな、と思案されていた方は是非この機会にご予約くださいね。

今日のこの1曲は、コシミハル『MOONRAY』から「The Way You Look Tonight」(今宵の君は)。

1936年公開アメリカ映画『有頂天時代』(原題:Swing Time)にて、主演のフレッド・アステアが歌っている名曲。

コシミハルさんの魅惑的な歌声、素敵ですね。
なお、温かみあるこの曲のミックスは細野晴臣さんが担当しています。森 陽馬

(公演詳細に関してはビルボードライヴ以下サイトを参照)
★コシミハル Madame Crooner au Billboard
『マダム・クルーナー6』 Special Guest:村井邦彦

11月1日(火)ビルボード・ライヴ東京
1stステージ開場17:30 開演19:00
2ndステージ開場20:45 開演21:30
(10月31日にはビルボード・ライヴ大阪公演もございます)


2016年10月21日(金) The Jayhawks 「I'd Run Away」

『夢街POP DAYS 音楽とショップのカタチ』という本が発売されました。
(書籍 編・著:土橋一夫&鷲尾剛 出版:ラトルズ 2,000円+税)


レコード店に携わってきた店員・店主・関係者が、音楽/店の思い出&裏話を語った対話集。
当店店長:森勉のインタビューも149~189ページに計40ページ掲載されています。
(旧店舗の写真も懐かしいですね。)

長門芳郎さん&岩永正敏さん(パイド・パイパー・ハウス)、井上修一さん(すみや渋谷店)、小林万左志さん(銀座山野楽器)、石山佐和子さん(クアトロWAVE)、土田義周さん(downtown records)、保木哲也さん(レコファン)へのインタビューも興味深い話満載です。70~90年代レコード店巡りされていた方は是非ご覧になってみて下さい。

当店にて書籍『夢街POP DAYS』お買い上げの方には、PET SOUNDS RECORDオリジナルEP紙袋(約30年前に当店で配布していたEP内袋。倉庫に残っていた当時のものです)を先着で差し上げます♪


さて、今日のこの1曲は、僕がレコード店で購入した作品で印象に残っているこの1枚から。

The Jayhawks『Tommorrow The Green Grass』
(輸入CD American/Universal 0602537351084)

1995年頃、僕は懐古主義で60~70年代の音楽ばかり聴き、希少性高いレコードしか追いかけていませんでした。

音楽の良さというか本質を忘れかけていたそんな時期、渋谷CISCOにて当時店員として勤めていらっしゃった除川哲朗氏に、「最近の音楽でも良い作品はたくさんありますよ」と教えていただいたのがジェイホークス。

美しいメロディー、泣きのギター、切ないコーラス・ワーク♪
このアルバムを購入して、レコード盤に針を落としたときの爽快感は今でも忘れられませんね。
(一緒に購入したロン・セクスミスも印象深いな) 森 陽馬


2016年10月22日(土) リンゴ・スター 「明日への願い」(It Don't Come Easy)

先日、とあるチェーン店のカレー屋に入ったら、ジョージ・ハリスンの「ギヴ・ミー・ラヴ」がかかっていて、なんとなく幸せな気分になりました。

その次にポール・マッカートニー「心のラヴ・ソング」、続いてジョン・レノン「真夜中を突っ走れ」がかかったところで、これって有線のビートルズ・ソロ・チャンネルなんだろうな、と理解しました。

ジョージ→ポール→ジョン、とくれば、次はリンゴ・スターと思っていましたが、なんとその後もポール→ジョンと続きました。

結局カレーを食べている間に5曲かかりましたが、リンゴの曲は流れず。
もう少し粘っていればかかっていたのかもしれませんが、ちょっと残念な気持ちで店を出ました。

ということで、今日は
10月24日から来日公演がスタートするリンゴ・スターの曲を。

2007年に編集・発表されたベスト・アルバム『フォトグラフ:ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・リンゴ・スター』も再発されましたので、その中から「明日への願い」(原題:It Don't Come Easy)。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-15582 2,037円+税)

1971年発表、リンゴの自作でプロデュースはジョージ・ハリスン。
リンゴのソロとしては初の大ヒットを記録(全米4位)。
そのヒットしている最中に行われたバングラデシュ・コンサートで歌われたシーンも印象深いものでした。

このベスト盤には「フォトグラフ」、「ユーアー・シックスティーン」、「オー・マイ・マイ」、「オンリー・ユー」等ヒットに加えて、ビートルズ時代にもカヴァーした「アクト・ナチュラリー」をバック・オーエンスをゲストに再演したヴァージョンやジョージ・ハリスンを追悼した隠れた名曲「ネヴァー・ウィズアウト・ユー」も収録されています。森 勉


2016年10月23日(日) Michael Buble 「God Only Knows」

カナダ出身男性シンガー、マイケル・ブーブレの新作が発売になりました。

約3年ぶり、オリジナル・アルバムとしては6作目となる『ノーバディ・バット・ミー』。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック3曲追加 WPCR-17516 2,500円+税)

これまでデヴィッド・フォスターやボブ・ロック等と組んで作品を発表してきましたが、今作では仲間のミュージシャンと共に自身初となるプロデュースを手掛けています。

ザ・ルーツのブラック・ソートのラップをフィーチャーしたタイトル曲、メーガン・トレイナーの楽曲を本人参加で歌った「サムデイ」や、ビッグ・バンド・ジャズ・スタイルで歌うスタンダード(「The Very Thought Of You」、「My Baby Just Cares For Me」他)など、近年ポップ路線をいくオリジナル曲と従来の彼のイメージであるジャジーなサウンドが混在。

そんな中、今作では意外なカバー♪
ビーチ・ボーイズ「God Only Knows」が取り上げられています。

ピアノでしっとりと、ストリングスが絡む美しいアレンジ。
切ない歌声がグッとくるこのカバーで、アルバムを締め括っています。

10月24日(月)から名古屋先行で、前作のツアードキュメンタリーの上映も始まるそうです。
(東京・大阪は、11月7日(月)から)
http://liveviewing.jp/contents/michaelbuble/

いずれも10日間ほどの公開なので、お好きな方は是非チェックしてみてください。東尾沙紀

2016年10月24日(月) J.R.ベイリー 「Love Love Love」

ダニー・ハサウェイが歌っている名曲「Love Love Love」を書いたのはこの人!

キャデラックスにも在籍していた1934年ノースカロライナ生まれジェイムス・ラルフ・ベイリーことJ.R.ベイリー。

60年代はソングライターとして活躍していた彼が1974年に発表した初ソロ・アルバム『Just Me 'N You』。
当時の貴重シングル音源「I Can't See Me Without You」を追加して久々に再発CD化されました。

J.R.ベイリー『Just Me 'N You』
(国内CD 完全限定紙ジャケット仕様 解説付 PCD-24560 2,400円+税)

マーヴィン・ゲイ『What's Going On』をよりメロウ&スウィートにした感じのサウンドがNice♪
70年代ニュー・ソウル/フリーソウル好きは必聴盤と言っても過言ではないでしょう。

今日のこの1曲は、冒頭にも記載したダニー・ハサウェイで有名な「Love Love Love」セルフ・カヴァー。

メロウ・グルーヴな①「After Hours」など、他の曲もスロー&ミディアム・ナンバー中心。
温もりあるソウルを聴きたい、という方には本当にオススメの1枚ですね。森 陽馬


2016年10月25日(火) リチャード・ハリス 「マッカーサー・パーク」

7分21秒もある「マッカーサー・パーク」は、ヒットしていた1968年当時にラジオで全編オンエアされたことがあったのでしょうか?

可能性としてはFENか石田豊アナウンサーがやっていたNHK「リクエスト・アワー」かなぁ。
3分も越えたら長い曲と言われていた時代、おそらく民放ラジオでは完パケしたことはなかったでしょうね。

でもこの曲の持つ魅力は当時高校生の僕にも伝わってきました。
なんとなくセンチメンタルな気持ちになるんですね、聴いていると...。

「マッカーサー・パーク」が収録されているアルバム『ア・トランプ・シャイニング』は、昔から大好きな作品。
自分自身のフェイヴァリットに挙げることが多かったのですが、ビーチ・ボーイズ『ペット・サウンズ』同様、一般のロック・ファンからはあまり評価されない1枚でした。

日本盤として発売されるのは、ダンヒル・レーベルを東芝が出していたLPレコード以来じゃないかな。

アイルランド出身リチャード・ハリスが俳優らしい独特の表現力で歌うこのアルバムは、まだ21歳の若者であったジミー・ウェッブが全ての作詞・作曲を手掛け、プロデュースやアレンジまでも1人でこなした作品です。

ハル・ブレイン、トミー・テデスコ等のレッキング・クルーによる的を射た演奏とストリング・オーケストレーションが見事に調和してヴォーカルをサポートしています。

ユニヴァーサル・ミュージック<名盤発見伝>シリーズからの発売です。森 勉

(国内CD リチャード・ハリス『ア・トランプ・シャイニング』 解説・歌詞・対訳付 UICY-15573 2016年最新リマスター 1,800円+税)


2016年10月26日(水) ロビン・ワード 「ワンダフル・サマー」

60'sガール・ポップの名曲「ワンダフル・サマー」をフィーチャーしたロビン・ワードのアルバムが、ユニヴァーサルの<名盤発見伝>シリーズで発売になりました。

ロビン・ワード『ワンダフル・サマー』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-15572 2016年最新リマスター 1,800円+税)

これは決定盤だと思います。

ステレオ・ヴァージョンに加えてモノラル・ヴァージョンも収録。
更にボーナス曲プラス5曲!

そのボーナス5曲の内訳は、
・「ワンダフル・サマー」シングル・ヴァージョン。
・アルバム未収録だった2枚のシングルAB面「ウインターズ・ヒア」、C/W「ボビー」。
・ビーチ・ボーイズ「イン・マイ・ルーム」アンサー・ソングと言われる「イン・ヒズ・カー」、C/W「ウィッシング」。
かゆい所に手が届くラインナップになっています。

最高にキュートな彼女の歌声にはある秘密があったことや、ロビン・ワードというアーティスト名が誕生するいきさつ、1985年に彼女に劇的に逢えたこと等が記載されている長門芳郎氏による解説付。
そして宮治ひろみさんによる歌詞対訳もブックレットに記載されています。森 勉


2016年10月27日(木) Capiozzo & Mecco 「Back To The Future」

書籍『夢街POP DAYS』を読むと、2000年代前半(2000~2004年頃)の当店旧店舗を思い出します。

当時はヒット・チャートやシングル盤が一般的にもまだ浸透していたなあ、とかあんな音楽が流行っていたな等々。

21世紀に入ったばかりのその頃、新世代ミュージシャンの良作がジャンル問わずたくさんリリースされました。
中でも新世代ジャズ/ファンクは、ソウライヴ人気と共に様々なバンドが出て、ムーヴメントになりましたよね。

イタリアの名レーベル、IRMAからデビューしたCapiozzo&Mecco。
2003年発表1stアルバム『Whisky A Go Go』はその当時よく聴いた1枚でした。

あれから約13年、capiozzo&Mecco待望の2ndアルバム『Movie Soundtrack Experience』が先日発売。
(輸入CD IRMA 1472)

2003年発表1stは若々しくノリノリなサウンドに遊び心も溢れた仕上がりでしたが、13年を経た今作は全体的にクールかつアダルトな雰囲気。グルーヴィー&モンドなオルガン・ジャズを聴かせてくれます。

今日のこの1曲はラスト10曲目「Back To The Future」。

ソウライヴ的オルガン・ジャズとスペイシーなレア・グルーヴ感が合わさったキラーチューン♪
IRMAレーベルファンも要チェック!オススメです。森 陽馬


2016年10月28日(金) The Marcus King Band 「Self-Hatred」 feat Derek Trucks

デレク・トラックス、オールマン・ブラザーズ・バンドお好きな方に大・大推薦!

1996年生まれ、サウスカロライナ州育ちの新世代ギタリスト/シンガー、マーカス・キングを中心としたバンド、マーカス・キング・バンド。

ウォーレン・ヘインズ(オールマン/GOV'T MULE)をプロデューサーに迎えた今作が実に素晴らしい!

The Marcus King Band『The Marcus King Band』
(輸入CD Concord/Fantasy FAN00047 アルバム未収録4曲をダウンロードできるカード封入)

ウォーレン・ヘインズが<デレク・トラックス以来の衝撃!>と絶賛しているギターの腕前だけでなく、ソウルフルな歌声も魅力。
ソングライターとしても20歳とは思えないような求心力あるブルージーなロック・ナンバー全12曲捨て曲無し!
サザン・ロックの魂とグルーヴ感を合わせ持ったバックの演奏も最高!

テデスキ・トラックス・バンド気に入っている方には是非聴いてもらいたいニューカマーですね。

今日のこの1曲は、デレク・トラックスが参加しギターバトルを聴かせる④「Self-Hatred」。

11曲目「Virginia」でのウォーレン・ヘインズとのツイン・ギター共々聴きものです。森 陽馬


2016年10月29日(土) ラーセン=フェイトン・バンド 「訪問者」(The Visitor)

ラーセン=フェイトン・バンドのファースト・アルバムを2016年9月25日今日のこの1曲にて紹介しましたが、今日はそのセカンド・アルバムがワーナー・ミュージック・ジャパン<AOR1300ベスト・セレクション>シリーズで再発売されましたので取り上げたいと思います。

ラーセン=フェイトン・バンド『フルムーン』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-17482 1,300円+税)

ファースト・アルバムから約2年後の1982年にこのアルバムは発売されましたが、原題の名義は『フルムーン・フィーチャリング・ニール・ラーセン&バジー・フェイトン』という表記に変わっていました。

メンバーは同じなのにややこしいということで、日本ではわかりやすく前作同様の名義で当時発売され、現在に至るという感じです。

プロデュースは引き続きトミー・リピューマ。
サウンド的にもタイトでファンキーな音作りは変わらずに爽快感たっぷりです。

前作と違うところは、ニール・ラーセンが歌わなくなってしまったことでしょうか。
ちょっと残念な気もしますが、8曲中4曲がニール作品のインストで、彼自身が奏でるオルガンを始めとした独特なキーボードの音色は前作より多めに堪能できます。

2曲目に入っている「訪問者」(原題:The Visitor)は、全編高テンションのニール・ラーセン作品。

ニール→ゲストのデヴィッド・サンボーン→バジー、と順番にソロを回していくなんともスリリングな1曲。
4分40秒があっという間です。

最近この曲を目覚めの1曲に聴くようにしています。
心なしか体調もすこぶる快調です。森 勉


2016年10月30日(日) Barbra Lica 「Who Knows?」

今晩は冷えるので、気持ちがホワッと温かくなるスウィートな歌声の女性シンガーをご紹介します。

バーブラ・リカは、ルーマニアとウクライナの血を引くカナダ・トロント出身シンガー・ソングライター。

東京ジャズ2015に来日するなど主にジャズ・シーンで活躍する彼女ですが、朗らかな歌声と自身で紡ぎ出すポップで親しみやすい楽曲が詰まった3作目『フー・ノウズ?』は、是非ポップス/ロックお好きな方にも聴いていただきたい1枚です。
(国内CD 解説・歌詞付 MZCF-1339 2,400円+税)

多くのアーティストが取り上げている「I Wish You Love」などスタンダードも良いですが、ウクレレをフィーチャーした愛らしい「The Food Song」、優しく澄んだメロディに癒される「Who Knows?」、雄大な雰囲気に包まれた「Kissing You」、''All Together Now!''のひと声が楽しい「Canoe」など、オリジナル曲がどれも秀逸!

ジャンルに捉われない多彩なアレンジからも、色んな音楽が好きという気持ちが伝わってきますし、聴いていると気持ちがパーッと晴れるような明るい気分にさせてくれます。

UK/北欧ポップお好きな方にもオススメです。東尾沙紀


2016年10月31日(月) ジェイムス・テイラー 「That's Why I'm Here ~変わりゆく人々へ」

先日店に、小・中学校時の同級生がご来店。

約27年ぶりの再会!
学生当時は読書・落語好き、スポーツは大の苦手だったOくんが、今は趣味:マラソン。
電車を使わず約17km走ってわざわざ僕に逢いに来てくれました。

武蔵小山へ来たのも本当に久々とのことだったので、昔住んでいた団地/林試の森周辺を2人で散歩。
たわいもない会話でしたが、なんというか僕にとってはかけがえのない時間でしたね。

ネットや携帯電話が普及した昨今。
実際に逢わなくても何かをわかった気になっている僕らは、本当の何かを失いつつあるのかもしれません。

昔は学校帰り毎日のように歩いた道を27年ぶりの友人と会話しながら散策していると、心の片隅に追いやっていた想い出が氷解し、忘れていた様々な気持ちが蘇ってくるようでした。

今日のこの1曲は、ジェイムス・テイラー「That's Why I'm Here ~変わりゆく人々へ」。
(ジェイムス・テイラー1985年発表作『ザッツ・ホワイ・アイム・ヒア』収録 国内CD MHCP-1192 1,800円+税)

♪人から人へ 男から男へ 僕はなつかしい友人に会いに行く
話しを聞いて思いを察し あの頃の自分を思い出す♪
(ジェイムス・テイラー「That's Why I'm Here」歌い出しの歌詞より)

この歌の途中に、「友達のジョンが死んだ」という歌詞が出てくるのですが、このジョンとは当時ジェイムス・テイラーの親友で急逝したジョン・ベルーシのことだそうです。

出逢いと別れ、喜びと哀しみ、そして各々が歩む人生と死。
この1曲にはそういう様々な想いが詰まっているように感じます。森 陽馬




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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