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  今日のこの1曲 “Archives”

<2018月2月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2018年2月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2018年2月1日(木) Jamison Ross 「A Mellow Good Time」

長く聴き続けられるソウル新譜アルバムが最近少ない、とお嘆きのあなたへ。
これは本当に是非聴いてもらいたいソウル大推薦盤!

Jamison Ross(ジェイムソン・ロス)『All For One』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 日本盤ボーナス・トラック1曲追加 UCCO-1195 2,500円+税)

ジェイムソン・ロスは1987年アメリカ/フロリダ州ジャクソンヴィル生まれの黒人ドラマー&シンガー。

2012年セロニアスモンク国際ジャズ・コンペティションにドラマーとしてエントリーし最優秀賞を受賞。
コンコード・ジャズからデビューする権利を獲得し、2015年1stアルバム『Jamison』をリリース。
グラミーのベスト・ジャズ・ヴォーカルにノミネートされ、期待が高まっていた中での2018年発表2ndです。

ダニー・ハサウェイやマーヴィン・ゲイにも通ずる魂伝わるヴォーカル。
そのソウルフルな歌声を引き立たせるオーガニックなサウンド・センスが素晴らしい全14曲。

テクニックが前に出過ぎているドラマーが近年多い中、彼のような歌に寄り添うドラミングは新鮮に響きます。
ソウル・ミュージックの奥深さを改めて感じられる1枚。

アラン・トゥーサン作、リー・ドーシーのカヴァー①「A Mellow Good Time」を今日のこの1曲に。森 陽馬



2018年2月2日(金) Larry Campbell & Teresa Williams 「Turn Around」

ボブ・ディラン2001年冬来日公演。
ディランの雄姿もさることながら、殊に目を引かれ耳を奪われたのはラリー・キャンベルの演奏でした。

彼が響かせていたペダル・スティールの音色は、ディラン楽曲の深味をより際立たせていました。
心に温かな明かりを灯してくれた印象が残っています。

ラリー・キャンベルは2004年までボブ・ディランのバンドに在籍。そしてレヴォン・ヘルムのバンドで活躍。
2015年には奥方テレサ・ウィリアムスとのアルバムもリリースしています。(
2015年8月19日今日のこの1曲で紹介)

その作品から約2年半ぶり、テレサとのデュオ第2弾アルバムが発売されました。

ラリー・キャンベル&テレサ・ウィリアムス『Contraband Love』
(国内仕様CD 日本語解説付 BSMF-6129 2,400円+税)

アメリカン・ルーツに根差したオリジナル曲を中心にカヴァーも織り交ぜた全11曲。
今日のこの1曲はカール・パーキンス1955年作⑥「Turn Around」を。

レヴォン・ヘルムが2012年亡くなる直前、最後のセッションでの録音とのこと。
泣きのペダル・スティールが、冷えた身体と心を優しく包んでくれます。森 陽馬



2018年2月3日(土) Mamas Gun  「London Girls」

2018年2月1日ビルボード・ライヴ東京で行われたママズ・ガンの公演へ行ってきました。

生で観るのは初めてだったのですが、バンドの演奏もアンディ・プラッツの伸びのある歌声も素晴らしく、メロディの良さも再認識でき、よりいっそうファンになってしまいました。

2017年12月リリースの最新作『Golden Days』の楽曲を中心に、キャッチーな人気曲「Red Casette」(2014年3rd収録)、長めのギターソロに胸が熱くなったアンコール前ラストのバラード「Sending You a Message」、メンバーが中央に集まりギター1本でハーモニーを聴かせる「On A String」(共に2011年2nd収録)など交えた充実の90分でした。

中でも新作のリード曲である「London Girls」♪

キレのある演奏、お客さんとのコール&レスポンス、最後バシッと決まった時の気持ち良さ...
また味わいたくてウズウズしています。

次回来日公演があれば、少しでも興味のある方に観ていただきたいなと思いました。東尾沙紀

掲載ジャケットは、「London Girls」収録の最新作4th『Golden Days』です。
(国内CD PCD-24685 2,400円+税)



2018年2月4日(日)  BURNIER & CARTIER 「Deixa Mudar」

今日は昼過ぎに太陽が顔を出して、久々に心地良い陽射しを感じました。

そんな温かな陽を浴びながら聴きたい、ブラジリアン・ソフト・ロックなこの1枚。

ブルニエール&カルリエール『BURNIER & CARTIER』
(国内CD 限定紙ジャケット仕様 中原仁氏による解説付 PCD-17774 2,700円+税)

Octavio Burnier(オクタヴィオ・ブルニエール)とClaudio Cartier(クラウヂオ・カルチエール)による二人ユニット。
ブラジル音楽本に隠れた名盤として紹介されたこともあるポップな魅力が詰まった1974年発表1stアルバムです。

アジムスのアレックス・マリュイロス、ママォン、タンバ・トリオのベベート&エミリオ・ミリートが参加。
イヴァン・リンスやアクアリウスの作品も手掛けているハイムンド・ビッテンクールがアレンジを担当。

多幸感溢れる1970年代ブラジル産メロウ・サウンド&メロディーが素晴らしい全12曲。

今日のこの1曲は温かいホーンの音色がゴキゲンな5曲目「Deixa Mudar」。
A&Mサウンドお好きな方にも是非聴いてもらいたいナンバーです。森 陽馬



2018年2月5日(月) America 「Ventura Highway」

2018年1月25日の今日のこの1曲でアメリカのファースト・アルバムを紹介しましたが、彼らの未発表曲やデモ録音を収めたCDが2017年に出ていますので、そちらも取り上げておきたいと思います。
現在のところ、残念ながら国内盤が出る予定はなさそうです。

America『Heritage:Home Recordings/Demo 1970-1973』
(輸入CD OMNIVORE RECORDINGS OVCD240)

1970~1973年の間に録音されたデモ音源やアーリーテイクを集めた編集盤です。
全15曲中6曲は2000年と2015年に発表されたアメリカのアーカイヴCDに収録されていましたが、あとの9曲は今回が初お目見えになるものです。

レコード・デビュー頃の初々しいヴォーカルと小気味よいアコースティック・ギターのサウンドがたっぷり味わえます。

CSN&Yのサウンドに影響を受けながらも、アメリカ=デューイ・バーネル、ジェリー・ベックリー、ダン・ピークの3人が醸し出すハーモニーやリズムは音楽の新しい扉を開いてくれました。

今日の1曲は、2ndアルバムに収録されていた名曲「ヴェンチュラ・ハイウェイ」の1972年録音アーリーテイクを。
3人のアコースティック・ギター・アンサンブルに、ハル・ブレインのドラムス(ハイハット・ワークにも注目)とジョー・オズボーンのベースが絶妙な合いの手を加えています。

なお、ジャケットに表記はありませんが、16曲目に「名前のない馬」のアカペラ・ヴァージョンがおまけとして追加されています。うれしいサプライズですね。森 勉



2018年2月6日(火) SOFT GLAS 「Oceanic Dawn」

<新時代のノース・マリン・ドライヴ>!?

MOCKY、RHYE、はたまたベン・ワット『ノース・マリン・ドライヴ』お好きな方へオススメの1枚。

ソフト・グラス(SOFT GLAS)『Orange Earth』
(国内CD アーティストへのインタビュー対訳付 PCD-24676 2,400円+税)

ゴンサロ・ルバルカバ(ジャズ・ピアニスト)の息子、ジョアン・ゴンザレスによるソロ・ユニット、ソフト・グラス。
ブルックリン在住の彼が配信のみでリリースした作品にボーナス・トラックを追加、日本独自CD化。

生音とエレクトロニカを絶妙に織り交ぜた浮遊感あるドリーミーなラウンジ・ミュージック。
オーガニックなサウンドと歌が調和、不思議な魅力を持った郷愁誘う全14曲。

今日のこの1曲は波の音とギターをミックスした導入部的インスト・ナンバー①「Oceanic Dawn」を。森 陽馬



2018年2月7日(水) Kakkmaddafakka 「Neighbourhood」

Kakkmaddafakka(カックマダファッカ)というバンド名。
特別意味はないようですが、ちょっと変わっていますよね。

Kakkmaddafakkaは、ノルウェーのベルゲン出身の男性6人組バンド。
メンバーがまだ若く新人っぽい雰囲気もありますが、バンド結成は2004年、1作目をリリースしたのが2007年と意外とキャリアが長いバンドです。

2011年発表2ndと、2013年発表3rdは、バンドと同郷のアーランド・オイエ(キングス・オブ・コンビニエンス)がプロデュースを手掛けており、5枚目となる最新作『HUS(フース)』は、バンド初のセルフ・プロデュース作となります。
(国内CD 日本盤ボーナストラック1曲追加 RIMO-042 1,852円+税)

軽快なギター・カッティングで始まる①「Neighbourhood」を筆頭に、リズミカルで残響感あるギターが印象的。
細かなアンサンブルも気持ち良く、飄々としたヴォーカルも聴いていて楽しい気分にさせてくれます。

ヴァンパイア・ウィークエンド、タヒチ80などお好きな方にもオススメの1枚です。東尾沙紀



2018年2月8日(木) エラ・フィッツジェラルド 「In A Mellow Tone」

レコード・コレクターズ誌2018年2月号掲載<リイシュー・ベスト2017>。
ジャズ・ヴォーカル部門1位に選出されたこの1枚。

エラ・フィッツジェラルド『ELLA AT ZARDIS』(ライヴ・アット・ザルディーズ)
(国内CD 日本語解説付 全21曲 UCCV-1171 2,600円+税)

エラ・フィッツジェラルドのライヴ盤は1960年『Mack The Knife - Ella In Berlin』が有名ですが、その4年前1956年2月2日アメリカ/ロサンゼルスにあったジャズ・クラブZARDISでのライヴを収めた未発表音源です。

約60年以上前の秘蔵音源ながら、音質が素晴らしい!
エラの息遣いや観客とのやりとり&会話から、気心が知れた小さい会場での熱気・臨場感が伝わってきます。

Don Abney(P)、Vernon Alley(B)、Frank Capp(Ds)による演奏もとても良い雰囲気♪

今日のこの1曲は、エラ流スキャットが堪能できる「In A Mellow Tone」を。森 陽馬



2018年2月9日(金) 雀斑Freckles 「Silly Girl」

2月なのにクリスマスのアナログ?!
という感じかもしれませんが、珍しい盤が当店で取り扱いできるようになったのでご紹介しましょう。

雀斑Frecklesは、作詞・作曲及びボーカル&ギターを担当している林以樂(benben)と、実の兄弟である偉博(ウェイボー)、ボーカル&ギター偉安(ウェイアン)、ドラマー菜圃(ツァイプー)による台湾出身4人組バンド。

2017年発表アルバム『Imperfect Lover』(
2017年7月20日今日のこの1曲で紹介)は当店で大ロングセラー中!
シュガー・ベイブ、土岐麻子など、日本のシティ・ポップ好きの方にも是非聴いてもらいたい1枚です。

その雀斑が2017年12月末、クリスマス直前にリリースした新曲収録の限定アナログ盤がこの1枚。

雀斑Freckles『楓港的小孩 We wish you a Merry Xmas/Silly Girl』
(国内EP 限定アナログ ダウンロード・コード付 BRRCD-019 1,852円+税)

生楽器による演奏とサウンド・アレンジ、音感に温もりがあって良いですよね。
今日のこの1曲は、B面に収録されているアルバム未収録曲「Silly Girl」を。

ちなみにダウンロード・コードも入っていますので、アナログ聴けない方も要チェックです。森 陽馬



2018年2月10日(土) くるり 「春を待つ」

日本レコード協会によると、2017年日本でのアナログ・レコード生産枚数は106万枚だったそうです。

2009年が約10万枚でしたから、8年で10倍に!
2018年はソニーでの自社生産がスタートするので、更に増えるかもしれませんね。

これからのアナログ・リリース情報が色々入ってきている中から、楽しみな1枚をご紹介しておきましょう。

<3月21日発売>
くるり『春を待つ/その線は水平線』
(国内EP HR7S088 1,800円+税)

2月21日に1万枚限定シングルCD『その線は水平線』を発売するくるり。
そのCDには収録されていない完全未発表新曲「春を待つ」を3/21アナログ・リリース。
初回限定生産、追加プレス予定はないとのこと。ご予約・ご購入はお早めに。

なお、このアナログ盤にも収録される「その線は水平線」。
公式サイトに
岸田繁本人によるセルフ・ライナーノーツが掲載されています。

2/21発売1万枚限定シングルCDには、異なるアレンジが施された2バージョンが収録予定。
通常verは屋敷豪太、ver.2はクリフ・アーモンドがドラムを叩いているそう。こちらも要チェックですね。森 陽馬


2018年2月11日(日) Electric Empire 「Have You Around」

最近リリースされたアナログ・レコードのオススメ盤!

エレクトリック・エンパイア『Electric Empire』
(国内LP HRLP106 3,300円+税 /国内CD BBQ38CD 2,100円+税)

Electric Empireはオーストラリア/メルボルン出身男性3人組バンド。
Dennis Dowlut(G)、Aaron Mendoza(Key)、Jason Heerah(Dr)によるメンバー皆が作詞・作曲・歌を担当。

<ダニー・ハサウェイ+スティーヴィー・ワンダー+アル・グリーン的な新世代ヴィンテージ・ソウル>
とも評された2011年発表1stアルバム。
CDは今でもロングセラー中ですが、当時出なかったアナログLPがこの度日本企画で発売されました。

楽曲やサウンド・アレンジだけでなく、音の質感も1970年代ソウルの温もりを感じる1枚。
アナログ・レコードで聴いてみたかった作品なのでうれしいLP化ですね。

今日のこの1曲は、最もグルーヴィーでかっこいいナンバー「Have You Around」を。

なお、国内CDと輸入CDでは収録曲順が違っており、今回のLPはオリジナル輸入CDに準拠しています。森 陽馬

2018年2月12日(月) カランツバターサブレ 「溶け始めた君を」

レコード・コレクターズ誌2018年3月号は、70年代シティ・ポップ特集。
海外でも人気が高まり再評価されている日本シティ・ポップを多角的な視点で取り上げています。

<70年代の日本で作られるようになった、都市で生きることを歌った新しい音楽>
<米英のロックやソウルの当時の動きとも呼応して生まれた音楽>
レコード・コレクターズ誌では日本シティ・ポップについて上記のように書かれていました。

現代のミュージシャンへも影響を与え続けていますが、90年代は今ほど語られることはなかったと思います。
2000年代前半<喫茶ロック>というムーヴメントが一部であり、そこから新たな脚光が当たった感もありますね。

当時『喫茶ロックNow』というCDも出て、70年代ルーツを引き継ぐ新世代が紹介されたこともありました。
キリンジ、くるり、空気公団、クラムボン、ママレイド・ラグ、キセル、東京ローカル・ホンク、ヨシンバ、etc...

そのヨシンバのヴォーカリスト吉井功を中心にしたバンド、カランツバターサブレが待望の1stアルバムを発表。

カランツバターサブレ『べいくあっぷ』
(国内CD PR-001 2,500円+税)

現在は、吉井功、藤田厚史(G)、福島ピート幹夫(B)、藤原マヒト(Key)、SACHI-A(Dr)による5人組。
<カンタベリーな雰囲気を持ちつつ、ラヴィンスプーンフルの緩さとフェイセズの精神でロックを奏でる>
<ひとことで言うならばフォークロック> (公式ページBiographyより)

アメリカン・ルーツに根差したフォークロックなサウンドと歌声。
はっぴいえんどからシティ・ポップ、喫茶ロックから今の日本ロックの流れも感じられる1枚です。森 陽馬

2018年2月13日(火) 大橋トリオ 「鳥のように」

2015年1月28日『PARODY』、2016年2月3日『10』、2017年2月15日『Blue』。

大橋トリオの近作は冬発売が定番になっていますね。

例年より寒い日が続いている2018年。
温もりある歌声&サウンドと共に今冬も素敵な作品を届けてくれました。

大橋トリオ『STEREO』
(国内CD+Blu-ray RZCD-86480 5,000円+税 /CDのみ RZCD-86481 3,000円+税)

ブリティッシュ風味なかっこいいアップ・チューン①「VENUS」。
キリン淡麗グリーンラベルCM曲⑤「SHE」。
布袋寅泰がギター・ソロを披露している②「Embark」。
新味も織り交ぜながら、大橋トリオらしさはそのままに、暖かい心持ちにさせられる全10曲(+remix1曲)。

今日のこの1曲は、THE CHARM PARKがギター&コーラスで参加している⑩「鳥のように」。
後半の♪トゥ~ルラ♪コーラス、鳥のように羽ばたきたくなります。森 陽馬


2018年2月14日(水) 高野寛 「みじかい歌」

高野寛2017年10月発表作『Everything is good』は、ミニ・アルバムながらバラエティ豊かでポップな魅力が凝縮された1枚でした。

本日2月14日発売の約4ヶ月ぶり最新作『A-UN』は、Dr.kyOnと佐橋佳幸のユニットDarjeeling(ダージリン)のレーベル<GEAEG RECORDS(ソミラミソ・レコーズ)>からのリリース作です。
(ダージリンの新作2nd『8芯二葉~梅鶯Blend』も同じく本日発売!)

高野寛 『A-UN』
(国内CD CRCP-40543 2,315円+税)

以前から親交のあるダージリンの2人がプロデュース&全面サポートし、リズム隊には屋敷豪太、高桑圭、コーラスで坂本美雨、野宮真貴が参加。

書き下ろし新曲2曲、田島貴男とのシングル「Winter's Tale」(92年)カップリング曲「Affair」や提供曲のセルフ・カヴァー、自身が訳詞を手掛けたボブ・ディラン「時代は変わる」カヴァー、6分を超えるロックなギターインストなど全9曲。
バンドと、''A-UN''の呼吸で作り上げた味わいのある楽曲が並んでいます。

今日の1曲は、ウーリッツァーの温かな音色に誘われて...書き下ろし新曲から「みじかい歌」を。

♪100年後の今も 陽はまた昇るだろう 君も僕もいないこの場所に 
  そんなこと考えて 愛おしくて こんな平凡な毎日が ♪

普遍的な詞も、優しい歌声にもどこか切なさが滲んでいて、聴いていて心がキュッとなる1曲です。東尾沙紀


2018年2月15日(木) ペニー・シスターズ 「ディン・ドン」

60'sガール・グループのレアものコンピ『GIRLS ON 45』シリーズで有名なオーストラリアのTeensvillレコードから、新しいガール・ポップ・コンピが出ました。

『Lookin' For Boys!~Girl Pop & Girl Group Gems In Stereo 1962~1967』(Teensvill TV1024)です。
この輸入盤に帯と英文解説の和訳を付けたCDがMSIから発売されました。

『ユッキン・フォー・ボーイズ~60's ガール・ポップ蔵出し名曲選』
(国内仕様CD 英文解説対訳付 MSIG-1188 3,100円+税)

このCDの売りは収録32曲中29曲がステレオ・ミックスになっているということでしょうか。
(それ以前にモノラルだとしても珍しい曲がいっぱい入っているんですけどね)

エンジェルズのNo.1ヒット「マイ・ボーイ・フレンズ・バック」を手掛けたプロデューサー&ソングライター・チーム、ボブ・フェルドマン、ジェリー・ゴールドスタイン、リチャード・ゴッテラーの楽曲が数多く収録されていますが、なんとその当人のボブ・フェルドマンが所蔵しているマルチトラック・マスターを使用しているからこそ、この貴重なステレオ・ミックスや別ミックスを収めることが出来たとのことです。

マルリナ・マーズ、タウニー・ウォン、ジュディ・ワセンダ、シェリー・デニング、エレクトラズ、シック・レッツなど耳慣れない歌手が多いですが、60'sガール・ポップスの良さはバッチリ味わえました。

今日は、B.T.パピー・レーベルから出たペニー・シスターズ「ディン・ドン」を。
ニール・セダカの作品です。森 勉

2018年2月16日(金) I'm With Her 「See You Around」

2018年アメリカーナ/フォーク ベスト・アルバム候補、と評判の作品が遂に発売!

I'm With Her『See You Around』
(輸入CD rounder 00888072040724)

I'm With Herは、Sara Watkins(サラ・ワトキンス)、Sarah Jarosz(サラ・ジャローズ)、Aoife O'donovan(イーファ・オドノヴァン)による女性3人組フォーク・コーラス・ユニット。

ピータ・バラカン氏主催イベント、LIVE MAGIC 2015に来日し、多くの観客を魅了した彼女たち。
待望の1stアルバムは、イーサン・ジョーンズとの共同プロデュース作。

ピーター・ガブリエルが所有する英国Real World Studiosにてほぼ一発録りで制作された全12曲。

今日のこの1曲は、冒頭のタイトル曲「See You Around」を。

贅肉を削ぎ落とすかの如くシンプルに研ぎ澄まされた3人の歌と演奏。
静かで穏やかな透き通った清流を連想させます。森 陽馬


2018年2月17日(土) Brandi Carlile 「Fulton Country Jane Doe」

引き続き、アメリカーナ/フォーク系女性シンガーの新譜をご紹介。
といっても、昨日紹介したI'm with herに比べ、本日のはかなり気合の入った骨太な仕上がりの作品。

Brandi Carlile『by the way, I forgive you』
(輸入CD low Country Sound/Electra 7507-80501-8)

ブランディ・カーライルはアメリカ/ワシントン州レーベンズデール出身女性シンガー・ソングライター。
2005年メジャー・デビュー後、コンスタントに作品を発表。
プロデューサーとして関わったSecret Sisters2017年発表作『You Don't Own Me Anymore』(
2017年8月19日今日のこの1曲で紹介)がグラミーにノミネートされるなど、着実にキャリアを重ねているミュージシャンです。

2018年発表6枚目となるオリジナル・アルバム『by the way,I forgive you』はDave Cobbプロデュース。
ナッシュビル録音ながら、ガッツある歌と演奏で聴かせる全10曲。

全体的にやや力み過ぎな感があるものの、⑥「Fulton Country Jane Doe」含め良曲多し。
メリッサ・エスリッジ、シェリル・クロウお好きな方にオススメですね。

なお今作は、2017年逝去した英国人コンポーザーPaul Buckmasterへ捧げられています。森 陽馬


2018年2月18日(日) Darjeeling 「J・Tea」

Dr.kyOnと佐橋佳幸によるインスト・ユニット、Darjeeling(ダージリン)。

2017年発足の自身のレーベル、GEAEG RECORDS(ソミラミソ・レコーズ)から2nd『8芯二葉~梅鶯Blend』が、2月14日今日のこの1曲でご紹介した高野寛新作と同日にリリースされました。
(国内CD CRCP-40530 2,315円+税)

ジェイムス・テイラーの歌が聴こえてきそうなインスト…その名も「J・Tea」から始まる今作。
ダニー・コーチマー、エイモス・ギャレットを意識したというギターソロも披露する佐橋さんのJT愛が伝わる1曲です。

今回、作詞も担当するゲスト・ヴォーカルは4名。(歌もの4曲+インスト4曲の全8曲)

キンモクセイの伊藤俊吾Vo.によるポップな「泣き虫ケトル」(「ハートに火をつけて」のフレーズが?)、石橋凌Vo.による重厚感があり男臭い「タフ ラブ」、''日本のマリア・マルダー''中村まりVo.によるアメリカン・ルーツなナンバー「Funky Tea Race」、デーモン閣下のシャウトも炸裂「巳年のペリカン」など...ゲスト陣の個性と、ダージリンによる遊び心が詰まった1枚♪

演奏陣には、屋敷豪太、高桑圭、三沢またろう、小原礼、島村英二、河合徹三、納浩一、古田たかし、MONKEYが参加しています。東尾沙紀


2018年2月19日(月) 高中正義 「アイ・リメンバー・ユー」

高中正義は現在でもライヴ活動を続け、コンスタントに新しいアルバムを出し続けている稀有なミュージシャンだと思います。

1972年、まだ10代の時に成毛滋のフライド・エッグというグループで初レコーディングを経験し(この時はベーシスト)、1973年に加藤和彦率いるサディスティック・ミカ・バンドで弾けるギタリストとして名を知られるようになりました。
そして、1976年にソロ・アルバム『シェイシェルズ』を発表して以来、歌を歌わないギタリストとしては最多ではないかと思える30枚以上のアルバムを発表しています。

彼の場合、ギタリストとしての腕前はもちろんなのですが、作曲家としても秀でた才能があったからこそ、これだけ長い間第一線での活躍ができているのだと思います。

ということで、今日は彼の作曲家としてのセンスが発揮されているこの1曲を。

マンボの曲があったり、高中の初シングルにもなった「スウィート・アグネス」が収録されている1977年発表セカンド・アルバム『TAKANAKA』(UPCY-6710 1,886円+税)より、美しいメロディーを持った「アイ・リメンバー・ユー」。森 勉


2018年2月20日(火) Jimmy Webb 「Adios」

同じ作品のCD・レコードはできるだけ買わない!
と、2018年に入ってから決めていたのに、早くもその禁を破ってしまいました...。

Jimmy Webb『Angel Heart』35th Anniversary Expanded Edition
(輸入CD Real Gone RGM-656)

名シンガー・ソングライター、ジミー・ウェッブ1982年発表(1978年録音)名作『Angel Heart』。
アート・ガーファンクルへ提供した「Scissors Cut」、「In Cars」等を収録した大好きな1枚です。

今作の35周年盤は、ビーチ・ボーイズ関連のエンジニア仕事で知られるマーク・リネットがオリジナル・マスター・テープからリマスター。更にプロデューサーのフレッド・モーリンが所有していた未発表音源を6曲追加!

その6曲の中でも特に聴きものは13曲目「Adios」。

リンダ・ロンシュタットの歌(1989年発表作『Cry Like A Rainstorm』収録)で知られる感動の名曲。
この「Adios」をジミー・ウェッブ本人が、リンダより10年以上前に録音していたとは!
それも弾き語りではなく、スティーヴ・ルカサー、ジェフ・ポーカロ、デヴィッド・ペイチ、リー・スクラー、ヴィクター・フェルドマン、フレッド・タケットという『Angel Heart』収録曲と同じ布陣!

スーザン・ウェッブがコーラス参加⑫「High Rent Ghetto」含め、この2曲だけでも購入して良かったかな。

ただ、2010年リマスター盤とこの35周年盤を聴き比べたら、2010年盤の方が音が良く聴こえるんですよね。
今回の35周年盤より2010年盤の方が音圧が高くて、低音やヴォーカルも前に出ている印象。
音質は35周年盤の方がすっきりして整った感もあるので、音マニアの方、チェックしてみてください。森 陽馬

2018年2月21日(水) サイモン&ガーファンクル「The Only Living Boy In New York」(ニューヨークの少年)

武蔵小山駅前開発&41階タワーマンション建設が進んできました。

日に日に高くなっていく建物と共に、店内から見える空がどんどん小さくなっていきます。
まさに山下達郎「俺の空」状態ですね。(富士山は元々見えませんが...)

駅前開発の横(不動前側)にも40階タワマン建設予定で、そこにあった既存の建物も解体工事中。
あっという間に更地となり、飲み屋街や飲食店が並んでいた面影はほとんど残っていません。

生まれ育ってきた街・慣れ親しんだ風景が無くなっていくのは、やはり寂しい気持ちになりますね。
新しい店ができる期待ももちろんありますが、、、都会・東京という街に住む宿命でしょうか。

さて、舞台は東京ではなくニューヨークですが、このような映画が2018年4月公開予定になっています。
『さよなら、僕のマンハッタン』

『(500)日のサマー』のマーク・ウェブ監督最新作青春ドラマ映画。
<サイモン&ガーファンクルが流れると思い出す 今甦る、あの頃の青春物語>というキャッチ・コピー。

「The Only Living Boy In New York」(邦題:ニューヨークの少年)が映画内でかかるようです。
『(500)日のサマー』でもサイモン&ガーファンクルが印象的に使われていましたが、今回もどのような場面でかかるのか楽しみですね。森 陽馬


★掲載ジャケットは、サイモン&ガーファンクル「ニューヨークの少年」収録、1970年発表オリジナル・アルバム『明日に架ける橋』。ベスト盤にも収録されています。

2018年2月22日(木) Petra Van Nuis & Andy Brown 「Try To Remember」

女性ジャズ・ヴォーカルもの、今月の新譜この1枚。

ペトラ・ヴァン・ナウス&アンディ・ブラウン『トライ・トゥ・リメンバー』
(国内CD MZCF-1367 2,400円+税)

シカゴを拠点に活動している女性シンガー、ペトラ・ヴァン・ナウス。

ビヴァリー・ケニーとブロッサム・ディアリーを合わせたような彼女の歌声。
そして、アンディ・ブラウンによるエレキ・ギター伴奏がシンプルながらもセンチメンタルに響く作品です。

①「Speak Low」から、ビル・エヴァンスで有名なミシェル・ルグラン作「You Must Believe In Spring」まで全17曲。

今日のこの1曲は、過ぎ去った古き良き想い出を回想する⑬「Try To Remember」を。
温かいギターの音色と歌の隙間から、郷愁が滲み出てきます。森 陽馬


2018年2月23日(金) Graham Parker & The Rumour 「Discovering Japan」

ニック・ロウが2018年の間に新作を出す予定があると聞き、いつ頃なのかまだ何の詳細も出ていないのでわかりませんが、.新譜の楽しみがまた一つ増えました。

さて本日は、ニック・ロウに関連付けまして、この人の再発ものを。

現在も現役バリバリ!サングラスがトレードマークのグレアム・パーカー。
ザ・ルーモアとの4作目(通算5作目)となる、1979年発表の『スクイージング・アウト・スパークス』です。
(国内仕様CD 本人によるライナーノーツの対訳付 MSIG-1194 2,600円+税)

ホーンなども取り入れていたそれまでの作品とはまた違うものをと、ジャック・ニッチェをプロデューサーに迎えて制作された本作。
グレアム本人によるライナーには、制作時のジャック・ニッチェとのエピソードが少しですが綴られています。

2013年の来日公演でも、ひと際盛り上がったと記憶している「Discovering Japan」を筆頭に、痛快でストレートなロックを聴かせる、ファンの方の間でも人気の高い1枚です。

今回の再発では、新たにリマスターされた本編10曲のほか、79年6月24日シアトルのパラマウント・シアターでのライヴ音源11曲(未発表)が追加収録されています。東尾沙紀


2018年2月24日(土) SOLEIL (ソレイユ) 「MARINE I LOVE YOU」

2018年3月21日は、ナイアガラ関連アイテム(シリア・ポール、『夢で逢えたら』コンピ、『夢で逢えたら』アナログ盤)の他に、The Pen Friend Club新作、PIPER再発4タイトル、竹内まりや『リクエスト』30周年アナログ盤、ディスコ1,000円シリーズ等、色々な商品が発売予定となっています。

中でも、フレッシュな新譜!ということで当店が大プッシュしたい1枚がこれっ!

SOLEIL『My Name Is SOLEIL』
(国内CD 当店のみの先着特典付! VICL-64973 2,315円+税)

日本人女性14歳(!)のボーカリスト、それいゆを擁するバンド、SOLEIL(ソレイユ)。
待望のファースト・アルバムです。

サリー久保田(B)、中森泰弘(G)、白根賢一(Dr)による演奏。
真島昌利、カジヒデキ、高浪慶太郎、かせきさいだぁ、近田春夫等が楽曲提供!
更に、マイクロスター佐藤清喜さんがミックスを担当!(全曲モノラル録音!)

こんな豪華メンツで作られたサウンド&アレンジは、オールディーズ/ポップ・ロック好きの方にオススメ!
それいゆちゃんのキュートな歌声はガール・ポップ・ファンにも是非聴いてもらいたいですね。

今日のこの1曲は、マイクロスター佐藤清喜&飯泉裕子さんが作曲・作詞を手掛けた「MARINE I LOVE YOU」。

なお、3月25日には代々木Zher the Zooにて発売記念ライヴも決定!
4月から中学3年生となる彼女の貴重なライヴ、お見逃しなく! 森 陽馬



2018年2月25日(日) 加山雄三 「アイ・ライト・ザ・ソングス」

今から5年前の2013年2月25日、午前11時30分頃だったでしょうか。

散歩番組の撮影であの加山雄三さんがペット・サウンズ・レコードへ来てくれました。

永遠の若大将はやはりオーラ排出量が半端ない量で圧倒されました。
特に我々の世代にとっては、真のスーパースターでしたから。

自分で作った曲を歌って、かっこよくギターを弾いて、映画の中でハツラツと演技をして。
そして、星由里子演じるきれいなスミちゃんといつも恋仲になってしまうんですから・・・。
憧れましたね。

さて、今日はあの日から5周年記念ということで、若大将の歌を聴きましょう。
オリジナルもいいのですが、今日は洋楽をカヴァーした曲を集めたアルバムでいってみましょう。

加山雄三『ポピュラー・ソング・コレクション』
(2枚組CD 曲目解説・歌詞付 MUCD-81012 2,857円+税)

1983年発表アルバム『フォー・ザ・グッド・タイムズ』と1986年『イエスタデイ』に収録されていた楽曲を中心に、1996年『鯛取る』、2005年『ナチュラル』などのアルバムから選曲された2枚組全30曲。

フランク・シナトラ「マイ・ウェイ」、「レット・ミー・トライ・アゲイン」、エルヴィス・プレスリー「ラヴ・ミー・テンダー」、「好きにならずにいられない」、ビートルズ「ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア」、「サムシング」他、スタンダードの「想い出のサンフランシスコ」、「スターダスト」、「スマイル」、「虹の彼方に」、「魅惑のワルツ」などを歌心を大切にした若大将節で聴かせてくれます。

1曲だけ選ぶのは難しいのですが、今日の気分でこの曲。
ビーチ・ボーイズのブルース・ジョンストンが作って、バリー・マニロウの歌で大ヒット、グラミー賞も獲得した「アイ・ライト・ザ・ソング」のカヴァーを。

ペリー・コモの音楽監督をしていたこともあるニック・ペリートのドラマティックなアレンジに応えるような、加山雄三さんの見事な歌唱に注目です。1986年録音。森 勉


2018年2月26日(月) George Jackson 「A Man And A Half」

今月のソウル再発盤、一番のオススメがこの1枚!

ジョージ・ジャクソン『リーヴィング・ユア・ホームワーク・アンダン~イン・ザ・スタジオ1968-71』
(国内仕様CD 原盤Kent Soul 英文解説対訳付 PCD-17776 2,700円+税)

秘蔵音源が多数発掘され、近年再評価著しいサザン・ソウルのシンガー/ソングライター、ジョージ・ジャクソン。
彼がフェイム/マッスル・ショールズ期に録音していながら未発表になっていた音源集第4弾です。

今まで出た3枚の未発表音源集は素晴らしい内容だったけれど、さすがに4枚目になると...と思いきや。
いやいや、今までで一番完成度が高い演奏・楽曲が並んだ全24曲。

1968~71年マッスル・ショールズ・スタジオでの録音、ということですから、バックはスワンパーズ(Swampers)!
Jimmy Johnson(G)、David Hood(B)、Barry Beckett(Key)、Roger Hawkins(Dr)による演奏も聴きどころです。

今日のこの1曲はウィルソン・ピケット「A Man And A Half」のジョージ・ジャクソン・ヴァージョンを。

スワンパーズの演奏がオリジナルよりもラフでグルーヴィーかつかっこいい!
ウィルソン・ピケットを意識してか、ジョージ・ジャクソンがラストに高い声で吠えているのも印象的ですね。森 陽馬


2018年2月27日(火) Jules Shear 「Painkiller」

痛み、哀しみを伴った歌。

聴き手にとってはそれが癒しとなることもあります。

自らの心を代弁しているからか。
それとも、言葉にならない想いを歌に投影させてくれるからか。

今日紹介するアルバムは、そんな感慨に浸れる1枚。

ジュールズ・シアー『One More Crooked Dance』
(国内CD 長門芳郎氏による日本語解説・歌詞・対訳付 HYCA-3068 2,400円+税)

ジュールズ・シアーは1952年生まれアメリカ/ペンシルヴァニア州ピッツバーグ出身。
ファンキー・キングスのメンバーとして1976年デビュー。ジュールズ&ザ・ポーラー・ベアーズとして活動後、1983年トッド・ラングレンプロデュース『ウォッチドッグ』でソロ作をリリース。その後もコンスタントに作品を発表している男性シンガー・ソングライターです。

14作目となる今作のバック演奏は、ピアノ伴奏とMolly Farleyのコーラス、そして、ジョン・セバスチャン(ラヴィン・スプーンフル)によるハーモニカのみ。
ジャクソン・ブラウン似のジュールズの歌声が、苦悩を綴った詩と共にじんわり響いてきます。

今日のこの1曲は、「どんな万能な痛み止めでもこの心の痛みを止めることはできない」と歌われる深遠な②「Painkiller」を。森 陽馬


2018年2月28日(水) Graham Gouldman 「Play Nicely and Share」

現在も10ccを率いてライヴ活動を行っているグレアム・グールドマン。

2017年12月18日の今日の1曲で店長がご紹介した、ACEのソングライター・シリーズ<グレアム・グールドマン編>は当店でも好評となっています。
ソングライターとして活躍した時代から50年を超える長いキャリアの中で、10ccやWAXなどは除いてソロ名義のアルバムはほんの3枚ほど。
ソロとしてはとても寡作な人ですが、2012年発表の前作『Love and Work』(アンドリュー・ゴールドに捧げられた名作♪)から約5年ぶりとなる新作ミニ・アルバムが出ました。

本国では2017年9月頃にリリースの『プレイ・ナイスリー・アンド・シェア』。
2018年1月に、MSIから歌詞対訳付きの国内仕様盤が発売になっています。
(国内仕様 歌詞対訳付 MSIG-1184 2,500円+税)

バディ・ホリーで有名な「Rave On」のカヴァーを含む6曲入り。
親しみやすくて、牧歌的で、でもちょっぴり切ないグールドマンらしいメロディが凝縮されています。

現10ccのメンバーであるミック・ウィルソンが共同プロデュース/演奏で、アメリカの女性シンガー、ベス・ニールセン・チャップマンが共作&デュエットで参加しています。

今日の1曲は、タイトルにもなっている「Play Nicely and Share」。
仕事に出かけるとき、夫人が掛けてくれる「気持ちよくやって 皆でわかち合ってね」という言葉が元になっているそう。
何気ない一言から生まれた、愛と優しさが込められた1曲。
落ち着いた歌声も相まって、聴くとなんだかホッと心がほぐれる気がします。東尾沙紀




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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