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  今日のこの1曲 “Archives”

<2018月6月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2018年6月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2018年6月1日(金) 有賀啓雄 「Rain Dolphin」

クリス松村さんがセレクトしたコンピCD『クリス・ミュージック・プロマイド』が発売。

これが最高に素晴らしい選曲!
日本シティ・ポップお好きな方に大推薦したい1枚です。

V.A『クリス・ミュージック・プロマイド』
(国内CD クリス松村選曲・解説 歌詞カード付 MHCL-30515 2,000円+税)

クリス松村さん本人の解説によると、今までにも企画盤の依頼はあったものの、定番曲を入れなければいけないなど選曲の縛りがあって実を結ばなかったとのこと。

それが今回、<ひとりの少年が作ったあの夏のカセット>というコンセプトでこだわりの選曲が実現。
曲順通りに聴いていると、その少年の甘酸っぱい青春や想い出が歌を通して伝わってきます。

山下達郎がコーラスで参加しているラジ「ジャスト・イン・ザ・レイン」、初再発となる羽根田征子「ENCORE」(ドラマ『抱きしめたい!』挿入歌)、杉真理「青い楽園」、伊藤銀次「Destination」など、物語を読むように楽しめる全17曲。

中でも、4曲目に収録されている有賀啓雄1992年発表シングル曲「RAIN DOLPHIN」がすごくイイ曲!

バックは青山純(Ds)、佐橋佳幸(G)、浜口茂外也(Per)、中西康晴(P)。
初夏雨の中、跳び上がるイルカへ夢を託す情景が目に浮かぶような素晴らしいアレンジ。

恥ずかしながら僕は知りませんでしたが、90's雨の名曲として多くの人に聴いてもらいたいナンバー。
ちなみにこの次5曲目に収録されている吉田美奈子「LOVE SHOWER」との繋がりも見事ですね。森 陽馬


2018年6月2日(土) Andre Solomlko 「SUMMER 79」

青い空を自由に飛んでみたい。

そんな誰しもが想像したことがある情景が描かれた印象的なジャケット。
収録されている楽曲&サウンドも、そのイメージ通り逃避行したくなる心地良い内容の1枚でした。

Andre Solomko『Le Deltaplane』
(輸入CD FVR142CD/輸入LP FVR142LP)

アンドレ・ソロンコは1965年ウクライナ生まれ、フィンランド拠点に活動している男性SAX奏者&プロデューサー。

2012年発表『Ou Es-Tu Maintenant?』(
2013年6月8日今日のこの1曲で紹介)、2014年発表『Le Polaroid』(2014年6月17日今日のこの1曲で紹介)に続く、ソロ3作目となる2018年発表アルバム。

今作のメインヴォーカル及び作詞を4曲手掛けているヘルシンキの女性シンガー・ソングライター、Charlotta Kerbsの歌声はレスリー・ダンカンを彷彿とさせる雰囲気があって、前作の女性シンガーより僕は好み。

研ぎ澄まされたアレンジも美しい仕上がり。
5曲目「SUMMER 79」での浮遊感漂うシンセ・イントロは佐藤博『アウェイクニング』を彷彿とさせます。森 陽馬


2018年6月3日(日) マリア・マルダー 「真夜中のオアシス」

ワーナー・ミュージック・ジャパンより『新・名盤探検隊』紙ジャケ編として、魅力的なCDが18枚再発売されました。
全種SHM-CDで、紙ジャケはオリジナル・アートワークや当時出た国内盤帯も可能な限り再現されています。

アラン・トゥーサン、エリック・カズ、ジュディ・シル、デラニー&ボニー、ドクター・ジョン、ネッド・ドヒニー、ハース・マルティネス、フィフス・アヴェニュー・バンド、ヴァン・モリソンなど。
レコードやCDで持っていても、こんな紙ジャケを見せられるとまた欲しくなってしまいますね。

今日はその中から、マリア・マルダー『オールド・タイム・レイディ』を選んでみました。
(国内CD 完全限定紙ジャケット SHM-CD仕様 解説・歌詞・対訳付 WPCR-18016 2,500円+税)
見開きジャケット! いいですね。

1973年に発表されたファースト・ソロ・アルバム。
発売当初一般的にはあまり話題になりませんでしたが、アメリカン・ミュージックのコアなファンの支持が徐々に高まり、「真夜中のオアシス」がシングル・カットされた以降はアルバムの評判もグーンと上がり、アメリカではアルバム・チャート最高位3位を記録するまでになっています。

なんと言っても「真夜中のオアシス」の大ヒットが大きかったですね。
1974年2月シングル・チャートに登場して半年近くTOP100以内に留まり、最高位6位。
グランド・ファンク、ジャクソン5、ウィングス、スリー・ドッグ・ナイト、スタイリスティックスなどと順位を競っていたんですから。

当時ちょっと背伸びをして渋めの音楽を好んで聴いていた身としては、こんなマニアックな曲がチャートの上位にくい込んでくれて痛快な気分を味わうことができました。

この曲でのリード・ギターはエイモス・ギャレット!
絶品なソロは今や伝説になっています。
マリア・マルダー29歳の可憐ながら、艶めかしい歌声と共に永遠に残る名曲と言っていいでしょう。

ジミー・ロジャース、ケイト・マッガリグル、ダン・ヒックス、ウェンディ・ウォルドマンなどが作者としてクレジットされていて、その人たちを知るきっかけにもなったアルバムでもあります。森 勉


2018年6月4日(月) Brad Mehldau Trio 「Friends」 (ビーチ・ボーイズカヴァー)

♪友達でいよう 僕らはしあわせも涙も共に味わってきた♪
(ビーチ・ボーイズ「Friends」歌詞より)

ブライアン・ウィルソンに光と影が折り重なっていた1968年、ビーチ・ボーイズが発表した作品『Friends』。
2018年はその『Friends』発売から50周年になります。

それを祝するかのように、珍しいカヴァーが出たので紹介しましょう。

ブラッド・メルドー『Seymour reads The Constitution!』
(国内CD 日本のみボーナス・トラック追加収録 WPCR-17959 2,400円+税)

現代ジャズ・ピアニストの中で、人気・実力共最も秀でた存在と言えるブラッド・メルドー。
ラリー・グレナディア(B)、ジェフ・バラード(Ds)とのトリオでリリースした2018年発表新作アルバム。
オリジナル曲やジャズナンバーに混じって、ビーチ・ボーイズ「Friends」をインストカヴァーしています。

ワルツ部分のメロディーはそのままに、後半はソロを取り合う斬新なアレンジが聴きもの。

ポール・マッカートニー「Great Day」(1997年発表『フレイミング・パイ』収録曲)カヴァーも収録されているので、ロック・ファンも是非チェックしてみてください。森 陽馬



2018年6月5日(火) 浜田真理子 「忘れ音」

哀しい愛、苦しい愛、切ない愛。
浜田真理子が描く愛の歌は、一見すると悲観的ながら、暖かさや優しさを感じるのです。

まさに、<胸の小箱>へ大事にしまっていた密かな記憶を懐かしい想いで紐解くかのように。

本日入荷した2018年最新アルバム『NEXT YEARDROP』も、そのような温もりに満ちた1枚でした。

浜田真理子『NEXT TEARDROP』
(CD VSCD-9733 2,700円+税)

2017年発表作『Town Girl Blue』(
2017年2月17日今日のこの1曲で紹介)に続き、久保田麻琴プロデュース。
加瀬達、檜山学、池村真理野、瀬戸龍介、伊藤大地がバック・メンバーで参加。
彼女の歌声とピアノの魅力はそのままに、絶妙な味付けをさりげなく加えています。

金延幸子の名曲「あなたから遠くへ」カヴァー、とんちピクルス作「夢の中で泣いた」、フレディ・フェンダー「Before The Next Teardrop Falls」カヴァー等も良いですが、やはり彼女自身の言葉で書かれた歌にハッとさせられます。

特に9曲目「忘れ音」。

心の琴線に響く、文字だけでは表現できないような想いや気持ち。
♪どうしてかしら、~ 涙が出る♪のは、哀しいからだけではないのだ、と気付かされました。森 陽馬


2018年6月6日(水)David Mhyr 「Jealous Sun」

90年代スウェディッシュ・ポップ人気バンド、ザ・メリーメイカーズで活躍したデヴィッド・マイアー。
2枚目となるソロ新作がリリースされました。

デヴィッド・マイアー『ラッキー・デイ』
(国内CD 歌詞・対訳付 TTPC-0008 2,200円+税)

ナッシュヴィルのプロデューサー/SSW、ブラッド・ジョーンズを共同プロデューサーに迎えた約7年ぶりアルバム。
朗らかなメロディ&サウンドで聴く者をいつも楽しい気分にさせてくれる彼のポップ・センスが発揮された1枚!

まず、1曲目「Jealous Sun」が良いです。
同じくポップ系の男性SSW、Bleu(ブルウ)との共作曲で、梅雨のジメジメを一掃してくれるよう晴れやかなハーモニーがとても爽やか♪

ポール・マッカートニーを彷彿とさせるタイトル曲「Lucky Day」、フォーキーな「Lovebug」など、前作より落ち着いた雰囲気の曲も増え、彼の温かみのある歌声がより楽しめます。
マンドリンやスライドギターを用いたアレンジもGood!

国内盤ボーナス・トラックには、グラハム・ナッシュ「Military Madness」、ブラッド・ジョーンズ「My Messed Up Friend」、アズテック・カメラ「Somewhere In My Heart」のカヴァーと、本国スウェーデンで2016年公開の映画用に書かれたELO風の「Spellbound」の4曲を追加収録。

スクイーズ、ニック・ヘイワードの2017年作気に入れらた方にも是非聴いていただきたいです。東尾沙紀


2018年6月7日(木) The Beau Hunks Sextette 「The Penguin」

<レイモンド・スコット、そしてボー・ハンクスがCD化されていつでも聴けるなんて、
有り難いというのはこういうことですね。
ボー・ハンクスの業績、それはレイモンド・スコットの神髄を現代に蘇らせたことです。
廃盤になっていた名盤がこの日本でリリースされるとは、
(失われた秘伝のレシピが公開されるような、)秘密めいた快挙です。細野晴臣>

細野晴臣氏大推薦! 岡田崇さんのイイ仕事!

オランダのジャズ・コンボ、ボー・ハンクス・セクステットによるレイモンド・スコット集が2種再CD化されました。

The Beau Hunks Sextette(ボー・ハンクス・セクステット)
『Celebration On The Planet Mars』(国内CD LDCD-003 2,700円+税)
『Manhattan Minuet』(国内CD LDCD-004 2,700円+税)

2013年発売され大好評だったレイモンド・スコット・ソングブックと同じくリル・デイジーからのリリース。
世界一のレイモンド・スコット研究家、岡田崇氏によるこだわりの装丁、ブックレットが素晴らしい!

配信やストリーミングではなく、パッケージとして持っていたいレイモンド・スコット愛溢れる作品です。

今日のこの1曲は、レイモンド・スコットBOXで細野晴臣氏がカヴァーしていた楽曲「The Penguin」を。森 陽馬

★一般流通していない商品です。当店にて絶賛販売中!


2018年6月8日(金)ビーチ・ボーイズ・ウィズ・ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団「Fun Fun Fun」

ビーチ・ボーイズ『ビーチ・ボーイズ・ウィズ・ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団』
(国内CD ユニヴァーサル 解説・英文ブックレット翻訳・歌詞・対訳付 UICY-15747 2,500円+税)
当店のみの特典!先着でジャケット・デザイン・マグネット付!

エルヴィス・プレスリー、アレサ・フランクリン、ロイ・オービソンと続いてきたロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団とのコラボ企画。夏も近づいてきていることもあり、遂に我らがビーチ・ボーイズの登場となりました。

この企画は元々あるそのアーティストのレコーディング音源の主要部分を残しつつ、ロイヤル・フィルの演奏+αを加えたもの。
今まであった音がなくなったり、なかった音があったり、オリジナルを聴いた事がある者にはちょっと心配になってしまう作品なのですが、今回のビーチ・ボーイズもいい感じに仕上がっていたので一安心です。

プロデューサーのドン・リードマンとニック・パトリックは二人ともビーチ・ボーイズのハーモニーとサウンドで育ったそうです。その二人がCDのブックレットに<プロデューサー・ノーツ>として文章を寄せていますので、その一部をここで紹介しておこうと思います。

「ビーチ・ボーイズが作り上げてきたヴォーカル、そしてオリジナルのサウンドの圧倒的な素晴らしさを再発見しながら、我々の作り出すオーケストラのサウンドをこれらの名曲に重ねていく作業は本当に光栄な仕事であり、心からの喜びでもありました。」

ファンとしてはうれしいコメントですね。
ビーチ・ボーイズ楽曲16曲中10曲分のオーケストラのアレンジ&指揮を担当したサリー・ハーバードがオーヴァチュアとして書いた「カリフォルニア・スイート」含む全17曲を収録。

ベックの父、デヴィッド・キャンベルがアレンジ&指揮を担当し、新しく付け加えたスリリングなイントロの「素敵じゃないか」、「英雄と悪漢」に興味津々だったり、最高にロマンティックな気分にしてくれるサリー・ハーバードによる前奏が付いたブルース・ジョンストン作「ディズニー・ガール」も気になるところですが、今日はこの曲「ファン・ファン・ファン」にしましょう。
ノリノリのロックンロールにかぶさってくるオーケストラが新鮮です。森 勉



2018年6月9日(土) OLD DAYS TAILOR 「恋の汽車ポッポ」(大瀧詠一カヴァー)

入間在住男性シンガー・ソングライター、笹倉慎介を中心としたバンドOLD DAYS TAILOR。

6月20日発売アルバムに当店のみの2大特典が決定しました!

OLD DAYS TAILOR『OLD DAYS TAILOR』(国内CD PCD-25258 2,500円+税)
<特典①>OLD DAYS TAILORロゴ入り巾着バック
<特典②>「風にあわせてver2」特典CDR


巾着バックはOLD DAYS TAILORのロゴ入り、17cm×26cmのかわいいミニサイズ巾着です。
「風にあわせてver2」CDRは、アルバム収録曲とはメロディー&歌詞が異なる貴重な別ヴァージョン音源!
どちらもお買い上げの方先着順となります。ご希望の方はお早めにご予約くださいね。

なお、このOLD DAYS TAILOR、笹倉慎介さん以外のメンバーも素晴らしいミュージシャン揃い。
森は生きているに在籍していた岡田拓郎、谷口雄、増村和彦。
細野晴臣、星野源、寺尾紗穂のバックなどで大活躍中のベーシスト伊賀航。
更に女性シンガー、優河、濱口ちなが加わった7人グループ。


アルバムには大瀧詠一「恋の汽車ポッポ」カヴァーも収録予定。

「在りし日を紡ぎ、仕立てることで生まれる音や言葉、そんなことを大切にしたい」
という思いを込め名付けられたOLD DAYS TAILOR初アルバム、乞うご期待ください。森 陽馬



2018年6月10日(日) Andrew Gold 「Lonely Boy」

先日、下北沢へ久々に行きました。

1995~96年頃、僕はディスク・ユニオン下北沢店でアルバイトをしていたので、懐かしい想いで少し散策。

アルバイトしていた当時は休憩中昼食を早めに切り上げ、フラッシュ・ディスクランチ、レコファン、BEST SOUND RECORDS、フィルモア・レコード、イエローポップなど様々なレコード店を巡回。更に仕事後、昼行けなかった店へ立ち寄るというレコード三昧の日々でした。(ホント、少ない給料の中よくあんなに買ったよなぁ...。)

現在、駅周辺は再開発が進んでおり街並も様変わりしましたが、フラッシュ・ディスクランチは昔と変わらず!
<1枚300円><1枚800円、3枚で2,000円>コーナーも変わらずあって、ついついたくさん買ってしまいます。
「レコードを掘る」って感じ・雰囲気が楽しいんですよね。
椿さんにはお会いできませんでしたが、下北沢周辺へまた来たら立ち寄りたいな。

ちなみに、アンドリュー・ゴールドのレコードを見つけて、CDもLPも持っているのにまた買ってしまいました。

間違い探し(だまし絵)になっているジャケットも面白いですし、内容も素晴らしい1976年発表名作2nd。
僕にとっては、ウエスト・コーストから更なるロック音楽への扉を開いてくれた懐かしい1枚でもあります。

B面1曲目(CDでは7曲目)「Lonely Boy」を聴くと、1人でこつこつとレコードを集めて聴いていた頃を思い出すのです。森 陽馬

★アンドリュー・ゴールド『What's Wrong With This Picture?』(邦題:自画像)
(国内CD WPCR-17401 1,300円+税)



2018年6月11日(月) ロジャー・ダルトリー 「As Long As I Have You」

1曲目からアツい!
衰え知らずのパワフル・ヴォーカリスト、ザ・フーのロジャー・ダルトリー。
2018年発表ソロ新作『As Long As I Have You』が今月リリースされました。

ロジャー・ダルトリー『アズ・ロング・アズ・アイ・ハヴ・ユー』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICP-1181 2,600円+税)

<ロジャーのヴォーカリストとしての力が頂点に達していることを示す作品だ。>
ピート・タウンゼント(帯掲載コメントより)

ソロ名義のオリジナル・アルバムとしては1992年発表『Rocks In The Head』以来26年ぶり。
病気やザ・フーのツアー等で頓挫しかけた今作の制作をピートが後押ししたのだとか。
ピートは日本盤ボーナス・トラック1曲を含め全12曲中8曲にギターで参加しています。

アルバム・タイトルでシングル曲である1曲目は、ガーネット・ミムズ「As Long As I Have You」(ジェリー・ラゴヴォイ作)のカヴァー。
米女性ヴォーカル・グループ、マクナリー・シスターズのコーラスを従えたテンション高めのヴォーカル&サウンドは圧倒的!

その他、マナサス、ボズ・スキャッグス、ニック・ケイヴ、スティーヴィー・ワンダー、ジョー・テックス等の曲を取り上げ、オリジナルのバラードでも往年のサザン・ソウル・シンガーのような味わい深い歌声を聴かせてくれます。

プロデュースはウィルコ・ジョンソンとの共演作『ゴーイング・バック・ホーム』(2014)でも組んだデイヴ・エリンガ。

『ゴーイング~』に続き、ミック・タルボット(元スタイル・カウンシル)の全面参加、ゲラント・ワトキンス(ニック・ロウ、ヴァン・モリソン等との共演で知られるキーボーディスト/SSW)が1曲参加しているのも個人的に嬉しいところです。東尾沙紀


2018年6月12日(火) ビートルズ 「イエロー・サブマリン」

1968年にアニメ映画『イエロー・サブマリン』が公開されてから2018年で50周年。
アメリカでは劇場での再上映が決定したそうです。
日本では未定の状態ですが、全国にいっぱいシネコンがあるので、大画面の音響のいい所で是非上映してもらいたいものです。

その50周年に合わせて、「イエロー・サブマリン」の7インチ・シングル・アナログ・レコードが限定復刻盤として7月6日発売決定いたしました。なんと、潜水艦図柄のピクチャー・レコードです。

リード・ヴォーカルを担当したリンゴ・スターの78歳誕生日1日前ということで憶えておいてください。
リンゴ・スターの誕生日は日本では七夕の日です。

ちなみにカップリング(両A面だったためにB面とは書けないので)は、1966年8月にシングルとして発売されたのと同じ「エリナー・リグビー」です。

(7インチ・アナログ)ビートルズ『イエロー・サブマリン』 c/w「エリナー・リグビー」
(国内仕様EP 歌詞・対訳付 UIKY-75055 2,300円+税)
ダイカット・スリーヴ&ピクチャー・ディスク仕様
(ダイカット・スリーヴというのは、ピクチャーの絵柄が見えるようにくり抜かれているジャケットのことだそうです。)

なお、国内盤には当時日本で発売されたあの写真のジャケが復刻され付くことになっています。うれしい!
あの写真とは日本公演のもので、ジョージ・ハリスンがリッケンバッカーの12弦ギターを持って「If I Needed Someone」を歌っているショットです。

「イエロー・サブマリン」、「エリナー・リグビー」のシングルに何故この写真を選んだのかは謎ですが、僕はファインプレーだと思っています。当時の発売元である東芝は、来日アーティスト写真を来日後のジャケットに最新フォトということで使用することが多かったですね。
あと1ヶ月弱、発売をお楽しみに。予約受付中です。森 勉


2018年6月13日(水) bjons 「そろりっそわ」

ジョン・セバスチャンがフェイヴァリットというフロントマン今泉雄貴(ex.kodomonokodomo)を中心に2017年に結成された男性3人組バンド、bjons(ビョーンズ)。

60~70年代アメリカン・ポップス/ロック、日本のシティ・ポップの洗練された雰囲気も漂わせる8曲入りの1stアルバムが5月30日にリリースされました。

bjons『SILLY POPS』
(国内CD HYCA-3070 2,000円+税)

メンバーの渡瀬賢吾(g/roppen、クララズ他)、橋本大輔(b/roppen他)に加え、レコーディングには谷口雄(p,org/ex.森は生きている)、岡田梨沙(drs/ex.D.W.ニコルズ)、アダチヨウスケ(banjo)が参加。

ジャケット写真のような曇りのない青空、夕暮れ時、星が見える夜..
いろんな情景が見えてくる独特の詞の世界観、肩の力がほどよく抜けた歌声、よどみのないメロディ&バンド・サウンドが心地良いです。

今日の1曲は、アルバムのラスト・ナンバー「そろりっそわ」を。
この曲に限らず、随所で良いギターソロを聴かせる渡瀬さんの郷愁を誘う音色にも注目です。

イントロからシュガーベイブを連想させる今作の中で一番ポップな「ハンバーガー」もオススメの1曲!東尾沙紀


2018年6月14日(木) 赤い夕陽 「男一代ラプソディ」

待ってました!赤い夕陽!!
待望のフル・アルバム発売です。

赤い夕陽『赤い夕陽』
(国内CD AOGO-001 2,200円+税)

このバンド凄いんですよー。

僕が初めて彼らのライヴを見たのは約3年前でしょうか。
高円寺JIROKICHIへ東京ローカル・ホンクを見に行った時、対バンがこの赤い夕陽でした。

玉川裕高(Vo&G コモンビル、スインギン・ドアーズ)、テリー嶋村(G)、ウガンダ(Ds)、東晃(B)による4人組。
<演歌meetsロックンロール>と評される通り、日本語ロック歌謡なのですが、その弾けっぷりが半端じゃない!

様々な洋楽ロック・サウンド+玉川さんの絶妙なカントリー・ピッキング。
そして、男の人生ワビサビな歌詞がとにかく最高!
『男はつらいよ』シリーズが全世界を舞台に行われている感じですかね。(余計わかりづらいかな)

ビーチ・ボーイズ的「はてはアラスカ、マダガスカル」、フー的な「無用の世界」もいいけれど、1曲選ぶならコレ!
ライヴでも印象的だった「赤い夕陽」という歌詞が出てくる哀愁のクイーンネタ「男一代ラプソディ」を。森 陽馬


2018年6月15日(金) 渡辺美里 「10 years」

車で出かける時、車内で最近よく聴いているこの1枚。

渡辺美里『ribbon 30th Anniversary Edition』
(国内CD 田家秀樹氏によるライナーノーツ付 ボーナス・トラック3曲追加 ESCL-30032 2,963円+税)

1988年5月発表、渡辺美里21歳の情熱がほとばしる名作『ribbon』30周年盤です。

当時アルバム未収録だったシングルB面曲3曲追加も魅力ですが、なんといっても音質が素晴らしい!

アメリカ/ニューヨークのエンジニア巨匠、Ted Jensenによる最新マスタリング。
小さい音で聴いても違いがわかるくらい、断然クリアになった音像は本当に聴きもの!

佐橋佳幸、清水信之、青山純、江口信夫、山木秀夫、西本明、柴田俊文、有賀啓雄、そして岡村靖幸など、凄腕ミュージシャンの演奏&サウンド・アレンジが30年を経てより輝きを増し、耳と心に響いてきます。

今日のこの1曲は、大好きだった11曲目「10 years」。
アレンジ&シンセ&ベースは有賀啓雄が担当していたことを今回の再発盤で初めて知りました。

そう、クリス松村選曲コンピ『クリス・ミュージック・プロマイド』(2018年6月1日今日のこの1曲で紹介)にも収録されていた「Rain Dolphin」で知られる有賀啓雄が手掛けていたんですね。

昔聴いていた懐かしい歌が、現在の好みとリンクする喜び。
<音楽を聴く楽しみ>を改めて実感できました。森 陽馬


2018年6月16日(土) 吉田美奈子 「SCENARIO」

日々様々な音楽を聴いていますが、個人的には同じ曲を繰り返し聴くことが好きだったりします。

ここ最近、夜閉店前後に何度もリピートして聴き入っているのがこの1曲。
吉田美奈子「SCENARIO」。

吉田美奈子1995年発表13作目(BELLSを含めると14枚目)となるアルバム『EXTREME BEAUTY』。
山下達郎がコーラス参加している2曲目「BEAUTY」&5曲目「LIBERTY」も素晴らしいのですが、イントロから深遠な世界観に引き込まれる7曲目「SCENARIO」には、何時聴いても心打たれます。

「時よ」を彷彿とさせるゆったりした曲調、中西康晴によるピアノの奏、そして神懸った彼女の歌声。
約7分、まさに<呼吸を呑む>想いにさせられる名曲です。

なお、今作『EXTREME BEAUTY』と、1996年作『KEY』、1997年作『SPELL』が、<ニッポンの名作1000>シリーズとして1,000円+税という破格値で再CD化されました。

吉田美奈子『EXTREME BEAUTY』
(国内CD 生産限定盤 UPCY-9782 1,000円+税)

この
<ニッポンの名作1000>シリーズ、伊藤銀次1980年代作品や、りりぃ、橋本一子、深町純、大橋純子、NORIKI、あがた森魚など、他にも魅力的なアルバムが出ています。是非チェックしてみてください。森 陽馬


2018年6月17日(日) タワー・オブ・パワー 「Let It Go」

2018年ベスト・ソウル/ファンク・アルバム確定!

タワー・オブ・パワー『Soul Side Of Town』
(国内仕様CD 日本語解説付 KKP-1045 2,315円+税)

2018年で結成50周年を迎えたファンク・バンド、タワー・オブ・パワー。
2003年『オークランド・ゾーン』以来約15年ぶりとなる新曲入りオリジナル・アルバムを発表しました。

エミリオ・カスティーヨ(tsax)、スティーヴン・"ドク"・クプカ(bsax)、ロッコ(B)、デヴィッド・ガリバルディ(Ds)による鉄壁組はそのままに、2015年新たに加入したヴォーカリスト、マーカス・スコット(今作中には2013~15年在籍していたレイ・グリーンによるヴォーカル曲も収録)等他メンバーとの結束もバッチリ!

ジノ・ヴァネリの兄ジョー・ヴァネリとエミリオ・カスティーヨの共同プロデュースで実際には28曲を録音。
その中から選りすぐりの14曲を纏め上げたのが今作です。

これが、楽曲も演奏も素晴らしい!
キラーチューン①「East Bay! All Day!」で幕を開け、ラスト14曲目に同じメロディーを持つ「East Bay! Oakland Style!」で幕を閉じる1974年発表名作『Back To Oakland』のようなコンセプト的な流れ。
更に痛快ファンク・ナンバー連発から随所にバラード曲を配す、これぞTOPスタイルな1枚に仕上がっています。

今日のこの1曲は、エレクトリック・シタール使い!泣きのバラード⑨「Let It Go」を。

なお、この新作を携え2018年8~9月ブルーノート東京&名古屋での来日公演も決定しました。
ファンへの愛情&信頼関係は世界一(と僕は思っている)TOPのライヴをこの機会に是非! 森 陽馬


2018年6月18日(月) Corduroy 「Saturday Club」

90年代ACID JAZZレーベルから作品を発表し人気を博した、双子のベン&スコット・アディソン兄弟を中心とした男性4人組バンド、コーデュロイ。

現在もテレビ等で彼らの曲を耳にする事がありますが、長~い活動休止を経て、なんと約18年ぶりとなる新作をリリースしました。

コーデュロイ『リターン・オブ・ザ・ファブリック・フォー』
(国内CD HSE-4552 歌詞・対訳・解説付 2,100円+税)

新作もオルガンを主軸としたグルーヴィーなインストが中心のアルバム。
90年代の押せ押せなイメージとはまた違った洗練された演奏を聴かせてくれます。

掃除屋レオンがイメージだという「The Cleaner」、タランティーノ作品でブレイクした俳優クリストフ・ヴァルツ(Christoph Waltz)に捧げられたヴィブラフォンの音色が印象的な「Waltz For Christoph」など、バンドに密接な映画音楽の要素もふんだんに盛り込まれています。

今作中歌ものは「Saturday Club」の1曲のみ。
ザ・フー「I Can't Explain」を連想させ、イギリスのバンドらしいポップなメロディ、ウ~ラ・ラ♪コーラスが楽しい1曲です。東尾沙紀


2018年6月19日(火) OLD DAYS TAILOR 「風にあわせて ver2」

<音は、どこか、衣のようにも思えます。
大切な一着のように、肌に触れ、心に纏う。>
(『OLD DAYS TAILOR』CDブックレット序文より)

入間在住男性シンガー・ソングライター笹倉慎介を中心に、森は生きているに在籍していた岡田拓郎、谷口雄、増村和彦と、伊賀航(B)、優河、濱口ちなが加わった7人バンド、OLD DAYS TAILOR。
待望の1stアルバムが本日入荷しました。

OLD DAYS TAILOR『OLD DAYS TAILOR』
(国内CD 当店のみの2大先着特典付! PCD-25258 2,500円+税)

まさに、ジェイムス・テイラー『ワン・マン・ドッグ』と細野晴臣『HOSONO HOUSE』を合わせて、2018年の現代にアップデートしたような1枚。

ジャケット写真に映っているguzuri recording house(入間市ジョンソン・タウンにある笹倉さん運営スタジオ)の穏やかな空気感が、歌と演奏から伝わってきます。

今日のこの1曲には、特典音源「風にあわせてver2」を。
「最後のミックスまでこっちにしようか迷った」(笹倉慎介)というメロディーや歌詞が異なる別ヴァージョン音源。

谷口雄によるウーリッツァの音色は、ヤングブラッズ「Ride The Wind」を想起させます。森 陽馬


★PET SOUNDS RECORDのみの2大先着特典!
<特典①>OLD DAYS TAILORロゴ入り巾着バック(17cm×26cmミニサイズ巾着)
<特典②>「風にあわせてver2」特典CDR(アルバムとはメロディ&歌詞が異なる別ヴァージョン音源)



2018年6月20日(水) ベック・ボガート&アピス 「アイム・ソー・プラウド」(LIVE)

今年も梅雨の時期がやってきました。
ジメジメした天気なんかどこかへ飛んで行け~ということで、今日はこんなものを選んでみました。
人によっては、逆に暑苦しくなってしまうかもしれませんがご了承ください。

ベック・ボガート&アピス『ベック・ボガート&アピス・ライヴ・イン・ジャパン』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 MHCP-963 2,500円+税)

ジェフ・ベックが、ヴァニラ・ファッジ~カクタスのティム・ボガート(ベース)とカーマインアピス(ドラム)をバックに、ベック・ボガート&アピスを結成して、スタジオ録音のアルバムを出したのは1973年2月頃でした。
それから3か月後の5月に来日し、その模様が録音され日本だけでLP2枚組ライヴ・アルバムが発売されました。
(1973年5月18、19日大阪厚生年金ホールでのライヴを収録)

3人のバトルのような演奏のぶつかり合いはやはりライヴならではの熱さを感じます。

トーキング・モジュレーターを使った「迷信」、「黒猫の叫び」、ドン・ニックス作「ゴーイング・ダウン」、「スウィート・スウィート・サレンダー」、ヤードバーズ時代の「ジェフズ・ブギー」、『ベック・オラ』に入っていた「プリンス」など、どの曲も梅雨をぶっ飛ばすパワーを持っていますが、今日はインプレッションズのカヴァー、カーティス・メイフィールド作品「アイム・ソー・プラウド」を。(ジェフ・ベックは後にカーティス作「ピープル・ゲット・レディ」もカヴァー)

強力リズム・セクション、ティム&カーマインのヴォーカルのハモリと、ジェフのリード&リズムと大忙しプレーが聴きものです。

ちなみにジェフのギターは、ライヴ写真を見ると、黒のギブソン・レスポールを使っていたようですね。森 勉


2018年6月21日(木) ウォーレン・ジヴォン 「Desperados Under The Eaves」

今週6/18、6/20、ダニー・コーチマー&イミディエイト・ファミリーのコンサートへ行ってきました。

ダニー・コーチマー、リー・スクラー、ラス・カンケル、ワディ・ワクテル、スティーヴ・ポステルという強力布陣。
リー・スクラーのベースがとにかく凄かった! 8ビートが別物なくらいスケールアップ!
熱い男たちの大人のロックを堪能しました。

ワディ・ワクテルが何曲かヴォーカルをとり、ギターをたくさん弾いてくれたのもうれしかったですね。

中でも、ウォーレン・ジヴォンの歌を歌ってくれたのは感動しました。
披露してくれたのは、「Lawye,r Guns & Money」と「Werewolves Of London」(ロンドンの狼男)!
今は亡きウォーレンの魂が宿ったような歌声とワディらしいロック・ギターがズンと胸に響きました。

今日のこの1曲は、ウォーレン・ジヴォン1976年発表アルバムから「Desperados Under The Eaves」(命知らず)。
ウォーレン・ジヴォン『さすらい』
(国内CD 完全限定盤 解説・歌詞・対訳付 WPCR-17734 1,300円+税)

ジャクソン・ブラウンプロデュース。ビーチ・ボーイズのカール・ウィルソンがコーラス参加しています。

ちなみに、会場で販売していたパンフレットに、ツアーメンバー5人各々が選んだ<無人島へ持って行きたい5枚>が紹介されていて、ワディ・ワクテルが選ぶ5枚の中には、ビーチ・ボーイズ『スマイリー・スマイル』が!
ビルボード・ライヴ東京公演後のサイン会で、「僕はペット・サウンズ・レコードという店で働いているんだ」とワディへ話したら、「ペット・サウンズも同じくらい好きだよ」と気さくに話してくれてうれしかったです。森 陽馬


2018年6月22日(金) 村田和人&竹内まりや 「SUMMER VACATION」

2018年11月にデビュー40周年を迎える竹内まりやさんの映画が公開決定しました。

映画のタイトルは
『souvenir the movie~Mariya Takeuchi Theater Live~』
2018年11月23日から12月7日まで全国の映画館で期間限定ロードショー予定。

過去の貴重なライヴ映像+αとのことで、これは見逃せませんね。
(以前公開された山下達郎シアター・ライヴも、再上映してくれたらうれしいな)

今日のこの1曲は竹内まりやと村田和人が夏の訪れを実感させてくれるナンバー「SUMMER VACATION」を。

村田和人1984年発表3rdアルバム『MY CREW』収録。
(CD ボーナス・トラック8曲追加 VSCD-1736 2,600円+税)
永らくメーカー品切れしていましたが、現在は再入荷して好評発売中です。

ちなみに、2018年7月2日発売、村田和人&HIS FRIENDSによるアルバム『ド・ピーカン』。
6月29日(金)店頭入荷することが確定いたしました。来週の今頃には店頭に並んでいる予定です。森 陽馬


2018年6月23日(土) Love Unlimited Orchestra 「My Sweet Summer Suite」

胸がキュンと締め付けられる流麗なストリングス。
その美しい音色に浸りながらも、心と身体が躍動してくるグルーヴィーなサウンド。

バリー・ホワイト率いるLove Unlimited Orchestraが奏でる音楽には、琴線へ響かせる魅力があります。

そのLove Unlimited Orchestraが1973~1979年の間に20Century RecordsからリリースしたシングルA面&B面曲と、8曲分の長尺12インチ・シングル・ディスコ・ヴァージョンも追加した2CD全32トラックの編集盤が発売されました。

Love Unlimited Orchestra『The 20Century Singles(1973-1979)』
(輸入2枚組CD 0602567410744)

ニューヨークのUniversal Mastering Studioにて、Kevin Reevesによりマスタリングされた素晴らしい音質。
時代を越え更に輝きを増したストリングスの音色を新しい世代にも是非聴いてもらいたいですね。

今日のこの1曲は、1976年ビルボード・シングル・チャート最高位48位となったグルーヴィー・チューン「My Sweet Summer Suite」を。森 陽馬


2018年6月24日(日) Tracyanne & Danny 「The Honeymooners」

She & Himがお好きな方にもオススメの男女ポップ・ユニット!

グラスゴーの人気ポップ・バンド、カメラ・オブスキュラの女性ヴォーカリスト、トレイシーアン・キャンベルが新ユニット
<Tracyanne & Danny>を結成、1stとなるセルフタイトル作をリリースしました。

Tracyanne & Danny『Tracyanne & Danny』
(輸入CD MRG627)

生の弦&管楽器、ペダル・スティール、アコーディオンなどを取り入れ、60'sポップスのエッセンスが散りばめられたホワッと和めるサウンド♪

今作のプロデュースを、エドウィン・コリンズとショーン・リード(デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズ)が務めています。

相棒は、クライベイビーという名で活動する英ブリストル出身の男性SSW、ダニー・コクラン。
お互いにメイン・ヴォーカルをとりつつ、二人の柔らかい歌声から生まれるハーモニーも聴きどころです。
コーラスの一つ一つにも細やかなこだわりを感じます。

今日の1曲は、T&D版ウォール・オブ・サウンド「The Honeymooners」を。

今作は、2015年に亡くなったカメラ・オブスキュラの女性メンバー、キャリー・ランバーへ捧げられています。東尾沙紀


2018年6月25日(月) Olivia Chaney 「Shelter」

生きていれば楽しいことがあるけれど、辛くて苦しいこともある。

そんな時、どこかへ逃げ込みたい、と思うが、現実的にそんな場所はないもの。

忘れたふりをして、ただひたすら日々を過ごす。
そして、心の中に<Shelter>(避難所)を作り、そこへ哀しみを追いやる。

人は皆そうやって生きているのだろうか。
普段は意識していないけれど、ふと、そんなことを考えさせられた1枚。

Olivia Chaney 『Shelter』
(輸入CD nonsuch 7559-79305-2)

1982年イタリア生まれ英国オックスフォード育ちの女性シンガー・ソングライター、オリヴィア・チェイニー。
2015年発表『The Longest River』(
2015年7月8日今日のこの1曲で紹介)、2017年The Decemberistsと組んだユニットOFFA REXを経て、Thomas Bartlettをプロデューサーに迎え制作された2018年発表作『Shelter』。

歌に力がある、というのはこういう作品のことを言うのだろう。
英国の古き伝統を受け継ぎつつ、新たな現代の息吹を込めた歌と音楽。

聴く人にとっての<Shelter>となりうる強さと優しさに満ちた傑作。森 陽馬


2018年6月26日(火) Swing Out Sister 「All In A Heartbeat」

好きになった子から声をかけられてドキドキしたり、ちょっとしたことで切なくなったり。

若い頃に味わった甘く苦い想い出、青春時代の心のうつろい。

スウィング・アウト・シスターの新譜は、そういう気持ちを呼び覚ましてくれるような素敵な1枚でした。

スウィング・アウト・シスター『Almost Persuaded』
(国内CD ボーナス・トラック2曲追加 解説・歌詞・対訳付 SICX-100 2,400円+税)

オリジナル・スタジオ・アルバムとしては2008年発表『Beautiful Mess』以来10年ぶり10作目。
セルフ・カヴァー作(2012)、ベスト盤(2014)を挟みリリースされた今作は、クラウドファンディング<プレッジ・ミュージック>を利用し制作された1枚とのこと。

名曲を多く発表し活動を続けているミュージシャンでも、クラウドファンディングを利用しなければ作品を制作しづらくなっている音楽業界の現状には複雑な思いもあるのですが、彼らがこのような素晴らしい新作を出してくれたことを素直に喜びたいですね。

スタイリッシュでエレガントな全14曲の中から、今日のこの1曲は9曲目「All In A Heartbeat」を。
まさに、胸の鼓動が高鳴るようなサビの歌とサウンド・アレンジが印象に残りました。森 陽馬


2018年6月27日(水) ビリー・J・クレイマー・ウィズ・ザ・ダコタス「フロム・ア・ウィンドウ」

ひさしぶりに、60'sブリティッシュ・ビートいってみましょう。

ビリー・J・クレイマー・ウィズ・ザ・ダコタス『アイル・キープ・ユー・サティスファイド +22』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ワーナー WPCR-16844 1,800円+税)

2015年11月発売になっているCDですが、そろそろ入手困難になる時期なので紹介しておこうと思います。

ビリー・J・クレイマーはほぼリヴァプール出身(リヴァプールのちょっと北にあたるマージ―サイド州ブートル)。
バッキングを担当したダコタスはマンチェスター出身で、プロデューサーのジョージ・マーティンの助言もあって、ビリーと行動を共にし1963~65年にヒットを連発。イギリス、アメリカではかなりの人気を博しました。

日本ではラジオのヒットパレードでもベスト10になかなか入ってこなかったような気がします。
イイ曲が多かったんですけれどね。ビリーの7:3分けの髪形がいけなかったんでしょうか?

このCDは実に34曲入り。アメリカで1964年に出たセカンド・アルバム12曲に貴重なライヴ録音12曲、ダコタス名義の音源7曲なども収録されています。

「フロム・ア・ウィンドウ」は1964年夏シングルで発売されヒットしたレノン=マッカートニー作品(ジョン・レノン主動)。
たった1分53秒の曲ですが、イントロからエンディングまで最高のビート・ポップスに仕上がっています。

メロディーの良さもさることながら、個人的にはドラミングのおもしろさも昔から気になっています。
ダコタスのドラマーは、トニー・マンスフィールドという人です。
1980年代前半、New Musikというバンドをやっていたトニー・マンスフィールドとは同名異人のようです。森 勉


2018年6月28日(木) CAETANO MORENO ZECA TOM VELOSO 「O SEU AMOR」

サッカーロシアW杯、日本決勝ラウンド進出おめでとうございます。

ベスト8まで上がればブラジルとの対戦もあるかもしれませんね。

ということで、今月リリースされたばかりのブラジル新譜オススメ盤をご紹介しておきましょう。

CAETANO MORENO ZECA TOM VELOSO『OFERTORIO』
(輸入CD UNIVERSAL BRASIL 060256745907)

ブラジル名音楽家カエターノ・ヴェローゾとその息子達3人(モレーノ、ゼカ、トン)による極上ライヴ音源。

アコースティック・ギターを基調にしたシンプルで美しいサウンド・アレンジと、滋味溢れるカエターノの歌声。
そして息子達のコーラス&サポートが心地良い空間を作り出しています。

今日のこの1曲は、冒頭1曲目ジルベルト・ジル作「O SEU AMOR」を。

ブラジル音楽好きの方は是非チェックしてみてください。 森 陽馬


2018年6月29日(金) 村田和人&HIS FRIENDS 「ONE AND ONLY」(Vocal:村田彼方)

澄み渡る青空とジリジリする陽射し。梅雨明けが発表されまさにピーカンとなった6月29日。

村田和人&His Friends名義となるオリジナル・アルバム『ド・ピーカン』が入荷しました。

村田和人&ヒズ・フレンズ『ド・ピーカン』
(国内CD UICZ-4428 3,000円+税)

2016年2月22日急逝した村田和人さんが次のアルバム用に録音してあったデモ曲から厳選。
村田バンド(山本圭右、湯川トーベン、小板橋博司、向山テツ、友成好宏)、杉真理、根本要、山田稔明などミュージシャン仲間が村田さんの遺志を継ぎ、楽曲を仕上げて1枚のアルバムにしたのが今作です。

そのため、村田さんがヴォーカルをとっているのは2曲のみ。(①「昭和の夏」と⑪「君という海」別ヴァージョン)
全曲村田和人書き下ろし新曲ではありますが、11曲中9曲は他アーティストがメイン・ヴォーカルをとっておりますのでご了承ください。

村田メロディー全開な中で、僕が一番グッときたのは5曲目「One And Only」(Vocal:村田彼方)。

村田和人の息子、彼方さんの雄々しい歌声には、村田イズムが確かに息づいていますね。
過去でも現在でもなく、未来を感じさせてくれたナンバー。

なお、PET SOUNDS RECORDにてお買い上げの方には、村田さんの笑顔が素敵な写真が使われたジャケット・デザイン・マグネットと、森勉が村田和人さんとの想い出を綴ったリーフレットを差し上げております。森 陽馬


2018年6月30日(土) 荒牧リョウ 「君と僕のカンケイ」

村田和人さんは、音楽専門学校の講師として音楽を教えていたことがありました。

その生徒さん達<村田チルドレン>は、プロ/アマ問わず、村田さんの遺志を継ぎ音楽を続けています。
(当店地下
アゲインにて毎月、『村田の実験室アーカイブ』として村田さん過去のライヴ映像と村田チルドレンのミニ・ライヴを行っています。村田さんファンの方はお時間合う時によろしければお越しください。)

その村田チルドレンの中でも、音楽愛と優しさを強く引き継いでいる女性シンガー、荒牧リョウさん。
通称“シャケちゃん”が2018年新作アルバムを発表!
「頑張っている女性に聴いてもらいたい!」(シャケちゃん談)という力強いメッセージに溢れた1枚。

荒牧リョウ『HEARTFULL』
(国内CD ARMK-0011 2,315円+税)

そんな彼女ですが2011年『COLORFULL』でデビューしたものの、音楽活動を一時期休止していました。

「せっかく色々教えてあげたのに、シャケちゃん音楽やめちゃったらしいんだよう」
当時、村田さんが寂しそうな顔で話していたのを想い出します。

現在は魂に火が付いたように動き出し、日本各地をツアーしている荒牧“シャケ”リョウさん。
村田さんも天国から応援していることでしょう。森 陽馬




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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