トップページ        今日のこの1曲アーカイヴス



  今日のこの1曲 “Archives”

<2019月2月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2019年2月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2019年2月1日(金) リンダ・ロンシュタット 「Hurt So Bad」

昨日からうって変わり、アメリカ西海岸のような青い空が広がった月替わりの本日。

ウエスト・コースト永遠の歌姫、リンダ・ロンシュタットの1980年ライヴ音源が公式発売されました。
彼女はパーキンソン病を患い歌手活動を引退したため、ファンにとってはうれしい新リリースです。

リンダ・ロンシュタット『ライヴ・イン・ハリウッド』
(国内CD ジョン・ボイランによる解説日本語訳・歌詞・対訳付 WPCR-18147 2,400円+税)

1980年4月24日HBOテレビ番組のためのコンサート、ハリウッドのテレビジョン・センター・スタジオでの録音。
Dan Dugmore、Bob Glaub、Russell Kunkel、Danny Kortchmar、Kenny Edwards、Billy Payne、Wendy Waldman、更にPeter Asherも参加。

「Blue Bayou」、「Desperado」等スローも好きですが、パンチの効いた「Hurt So Bad」を今日のこの1曲に。

「Hurt So Bad」(邦題:涙がいっぱい)は1980年発表『MAD LOVE』(激愛)に収録のテディ・ランダッツォ作。
リンダのシャウトに呼応し、泣き叫びたい心情を表現したようなダニー・コーチマーによる激情ギター聴きもの!

なお、今回の商品化は彼女のマネジメントをしていたジョン・ボイランがリンダの海賊盤を手にしたのがきっかけ。
様々な縁でそのマスターテープを発掘できた経緯がライナーノーツに記されています。森 陽馬


2019年2月2日(土) ビートルズ 「ドント・レット・ミー・ダウン」

先日2019年1月30日は、50年前の1969年ロンドンのアップル・ビル屋上でビートルズが人前で久し振りにライヴを行った日なんです。

人前と言っても屋上ですから、アップル・ビルの近くにいた人でも音はすれども姿は見えずといった状態で、映画『レット・イット・ビー』を見る限り、極少数の人が近隣ビル屋上からビートルズの姿を確認できたくらいだったようです。
しかしビートルズと同じ空間というか音が良く聴こえなかったとしても、近くにビートルズのメンバーがいて今演奏しているという興奮は味わってみたかったものです。50年も経った今ではもう夢の中で体験するか妄想するしかありませんが...。

とにかくこの屋上での演奏が初めて映画を観た時から好きで好きで大好きなんです。

寒風吹くロンドンの1月30日ビル屋上、寒かったと思います。
条件が悪い中での演奏は、メンバーにとって満足のいくものでなかったと思いますが、ファンとしてはそんな所も含めていとおしくて、いとおしくて...。

ということで、ペット・サウンズ・レコード店内では1月30日午後9時から1時間ほど、ビートルズ屋上ライヴ50周年記念ということで、その関連音源を店内で流していました。
どうして午後9時かというと、東京とロンドンは時差があり、東京の方が9時間進んでいるということなんですね。
屋上ライヴはランチタイムを狙って始まったらしいので、東京の午後9時はロンドンの昼12時頃だったわけです。

今日のこの1曲は、その屋上ライヴ・シーンが観れる『ビートルズ1+』から「ドント・レット・ミー・ダウン」を。
(デラックス・エディション 国内1CD+2ブルーレイ UICY-77527 9,800円+税)

なんと、映画『ロード・オブ・ザ・リング』を監督したピーター・ジャクソンが映画『レット・イット・ビー』のために撮影された長時間に渡る映像を再編集するというニュースが伝わってきました。これに関しては後日またここで。森 勉


2019年2月3日(日) ポール・ウェラー 「May Love Travel With You」

ポール・ウェラーが2018年1月に来日公演を行って気付けば1年が経ちました。
5月に還暦を迎え、新作『True Meanings』を9月発売と、2018年は嬉しい&おめでたい話題の多かった年でした。

そしてまたまた嬉しいリリースのニュースが♪

新作発表後の2018年10月11日、12日に、ロンドンにあるロイヤル・フェスティバル・ホールで行われたライヴ音源&映像が2019年3月発売になります。

タイトルは『アザー・アスペクツ -ライヴ・アット・ザ・ロイヤル・フェスティバル・ホール』。
(国内盤は3月27日発売 2CD+DVD 4,800円+税)

2900人が収容できるホールでの、いつものバンド・メンバーとオーケストラを従えた豪華なコンサートです。

最新作の楽曲を中心に、「Wild Wood」、「You Do Something To Me」、ザ・ジャムの「Boy About Town」や「Private Hell」、スタイル・カウンシルの「A Man Of Great Promise」などが盛り込まれた全25曲。

最新作はストリングスを取り入れた美しいアレンジが印象的だったので、久々のライヴ盤とても楽しみです。
DVDにはコンサートのフル映像に加え、リハーサル風景やインタビューなどが収録予定とのことです。東尾沙紀


2019年2月4日(月) カーティス・メイフィールド 「Move On Up」

自宅のCD棚を久々に整理したら、同じCDが色々出てきました。

意図して買っている場合はいいのですが、気付かぬうちに同じCDがダブっているのはショックですよね。

まあでも、自分にとってその作品がそれだけの魅力・求心力がある、ってことですから。
棚に入れたままにしておくのではなく、頻繁に出して聴いてあげないといけませんね。

ということで、僕のCD棚にダブってあったこの1枚。
カーティス・メイフィールド『CURTIS』
(国内CD 解説・歌詞付 WPCR-27702 952円+税)

名コーラス・グループ、インプレッションズを脱退し、ニュー・ソウルの旗手となったカーティス・メイフィールド。
公民権運動・様々な社会問題を背景に、愛と団結をテーマにした1970年発表ソロ1stアルバム。

R&Bアルバム・チャート1位となった今作にはポール・ウェラー他多くの人がカヴァーした「Move On Up」が収録。
シングル・カットもされていますが、9分に迫るこの長尺アルバム・ヴァージョンが最高にかっこいい!!

彼のメッセージが込められた「Move On Up」はベスト盤とかではなく、このアルバムで聴きましょう。森 陽馬


2019年2月5日(火) Orleans 「Dance With Me」(オムニバスCD『本日のおすすめ』より)

『本日のおすすめ』という言葉&このジャケット、ですが料理レシピではありません。

<本日のおすすめ>は、スターダスト・レビュー根本要と名ギタリスト佐橋佳幸によるユニット名なのです。

逗子海岸の海の家兼ライヴハウス音霊(OTODAMA)でのイベントを機に2010年結成。
多忙な2人ですが、影響を受けた洋楽&邦楽の名曲をカヴァーするコンセプトでライヴを行っています。

このCDは、2人が影響を受けカヴァーした楽曲のオリジナルを収録した洋楽コンピレーション。

根本要&佐橋佳幸プレゼンツ『本日のおすすめ』
(国内CD 根本&佐橋による対談付 解説:天辰保文 WPCR-18153 2,315円+税)

オーリアンズ「Dance With Me」、スリー・ドッグ・ナイト「Joy To The World」、モンキーズ「Daydream Believer」、ラズベリーズ「Let's Pretend」、モーリス・ホワイト「I Need You」、ボストン「More Than A Feeling」、イエス「Roundabout」、グランド・ファンク・レイルロード「Footstompin' Music」、シールズ&クロフツ「Summer Breeze」、マリア・マルダー「Midnight At The Oasis」、ザ・バンド「Ophelia」、ジェイムス・ブラウン「I Got You」、パーシー・スレッジ「When A Man Loves A Woman」、ジミー・クリフ「Many Rivers To Cross」、という2人の青春を彩った全14曲。

今日のこの1曲は、1975年ビルボード・シングル・チャート6位のヒット曲、オーリアンズ「Dance With Me」を。
ハイトーンなヴォーカル、そして楽曲最後で聴けるアコースティック・ギターの奏も美しい名曲。
村田和人さんもこの歌をカヴァーしていましたね。森 陽馬


2019年2月6日(水) ローウェル・ジョージ 「Find A River」

天辰保文氏を迎え、当店地下アゲインにて不定期に行っているトーク・イベント、Talking Man。
2月18日に行う第12回目の特集がリトル・フィートに決まり、その関連作品を最近よく聴いています。

リトル・フィート(Little Feat・・・小さな偉業)というバンドが結成されて2019年で50年。
そして、中心人物だったローウェル・ジョージが1979年急逝してから40年。

聴き込むにつれ奥深い不思議な魅力に改めて気付かされますね。

今日のこの1曲は、ローウェル・ジョージが1979年発表した唯一のソロ作から。
ローウェル・ジョージ『Thanks I'll Eat It Here』(イート・イット・ヒア 特別料理)
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-17435 1,143円+税)

アラン・トゥーサン作「What Do You Want The Girl To Do」、リトル・フィート名作3rd『Dixie Chicken』にも収録されている「Two Trains」等、ニューオリンズ色濃い楽曲が楽しめる1枚。

その中にあって、フレッド・タケットが提供した「Find A River」。
ローウェルのイノセントな心が乗り移ったような神聖な心持ちにさせられる美しいナンバー。

ヴァレリー・カーターも1998年カヴァー作(現在『The Way It Is』CDに追加収録)で取り上げています。森 陽馬

-------------------
2019年2月18日(月)
PET SOUNDS RECORD presents
天辰保文 Talking Man Vol.12 リトル・フィート特集
ライヴ・カフェ アゲイン(武蔵小山)
18時半開場 19時半開演 入場料1,500円
-------------------



2019年2月7日(木) THE LOCH NESS MOUSE 「By Piccadilly Station I Sat Down And Wept」

ノルウェーのプリファブ・スプラウト!?と2016年2月3日の今日のこの1曲コーナーで紹介して約3年。

プリファブをはじめ、エヴリシング・バット・ザ・ガール、ブルー・ナイルなど80'sUKポップやネオアコに影響を受けたサウンドを奏でる男女ヴォーカル中心6人組、ザ・ロッホ・ネス・マウス。
最新作『THE LOCH NESS MOUSE Ⅱ』がリリースになりました。

ザ・ロッホ・ネス・マウス『THE LOCH NESS MOUSE Ⅱ』
(国内CD セルフ・ライナーノーツ・歌詞・対訳付 PCD-24804 2,400円+税)

活動歴は意外にも長く、2019年でデビュー20周年。
今作は新曲と日本未発売の過去作品から選ばれた楽曲の再録で構成されたアルバムとなっています。

スタイル・カウンシルのメンバーでポール・ウェラーの元奥様の名前がタイトルにつけられた新曲「Dee C.Lee」。
日本語の台詞が入るプリファブ風ナンバー「A Name For 2002 (Komorebi)」。
ボーナス・トラックとして「The Sound Of Crying (with Tenant From Zero)」(プリファブ・スプラウト)、「Overnite」(スクリッティ・ポリッティ)のカヴァー2曲が収録されています。

そして、本編にもカヴァーが1曲。
彼らのライヴ・レパートリーだったという、トレイシー・ソーン「By Piccadilly Station I Sat Down And Wept」。

オリジナルは2007年発表ソロ2nd『Out Of The Woods』収録のバラードを良いアレンジでカヴァーしています。
素敵なギター・ソロを披露しているロードリ・マースデン(スクリッティ・ポリッティのキーボーディスト)のゲスト参加も嬉しいところです。東尾沙紀


2019年2月8日(金) Leyona 「I Know」

はっぴいえんど「風をあつめて」カヴァーで話題を集めたのは2001年。
その後も活動を続け、2019年でデビュー20周年を迎えた実力派女性シンガーLeyona。

<レイドバックしたサウンド・アレンジにパンチの効いたソウルフルな歌声>
というイメージが強かったのですが、2018年12月発表最新作『SMMR』は今までと雰囲気がちょっと違います。

Leyona『SMMR』
(国内CD DDCZ-2225 2,500円+税)

モダン・ディスコ/ハウスDJプロデューサーとして活動しているTAAR(ター)がプロデュースを担当。
ペトロールズのベーシスト三浦淳悟が楽曲共作等で参加し、アーバンなシンセ入りソウル・ポップな仕上がり。
Leyonaのヴォーカルも全体的にスムースな印象です。

今日のこの1曲はディスコ・ブギーなグルーヴィー・ポップ・チューン⑥「I Know」を。
彼女の個性的な歌声がグルーヴ感あるサウンド&曲調に合っていますね。森 陽馬



2019年2月9日(土) Jimmy Webb 「All I Know」

「In 1995, when I sat down at the piano at McClear Studio in Toronto I was a little damaged.
I was going through a trying divorce and probably drinking too much.」 Jimmy Webb 2018
(ジミー・ウェッブ『Ten Easy Pieces - The Deluxe Edition』ブックレット記載文章の冒頭部分より抜粋)

Jimmy Webb『Ten Easy Pieaces - The Deluxe Edition』
(輸入CD Friday Music FRM-52826)

「Wichita Lineman」、「Galveston」、「By The Time I Get To Phoenix」、「Macarthur Park」、「Didn't We」、etc...。
ジミー・ウェッブが自作曲を弾き語り軸にセルフ・カヴァー、Fred Mollinプロデュースによる1996年発表名作。

2010年にも再発されていますが、その盤とは違うボーナス・トラック(「Galveston」、「Worst Thet Could Happen」、「Up Up And Away」、「I Was Too Busy Loving You」のデモ)を追加収録し2018年末再CD化されました。

何故に今作は、悲哀と慈愛が入り混じったようにかくも切なくそして美しいのか?
その答えが、彼の言葉(録音当時、離婚問題に苦悩していたのでしょう)にあるのかもしれません。

今日のこの1曲は聴く度に感動が増している、1973年アート・ガーファンクルへ書き下ろした「All I Know」を。
ジミーの深味ある歌声、Pat Perezによるソプラノ・サックスが入るこのセルフ・カヴァーも僕は大好きです。森 陽馬


2019年2月10日(日) 大滝詠一 「オリーヴの午后」(ライヴ)

2019年3月21日発売される大滝詠一『NIAGARA CONCERT '83』の先行試聴会&試写会が先週行われました。
ありがたいことにお声をかけていただき、いち早く貴重な音源と映像を見聴きしてまいりました。

所は東京市ヶ谷ソニー・ミュージック六番町ビルの一室。
約1時間ほどの間、ナイアガラ・ワールドに酔いしれることができました。

まず前半はCD音源。
1983年7月24日西武ライオンズ球場で行われた<LIVE JAM>での大滝詠一のパフォーマンスを30分程堪能。
大滝のヴォーカルと大滝組レッキング・クルーのリズム・セクション、そして新日本フィルハーモニー・オーケストラの共演は臨場感たっぷりの音で残されており、聴いているだけで感動ものの音でした。

ちなみにこの日のバック・ミュージシャンはドラムスに島村英二、ベースに長岡道夫、エレクトリック・ギターは徳武弘文(鈴木茂、村松邦男は珍しく欠席)、アコースティック・ギターに吉川忠英、石川鷹彦、安田裕美、加藤達雄、キーボードに中西康晴、難波弘之、国吉良一、パーカッションに川瀬正人、鳴島英治、浜口茂外也、斉藤ノブ、コーラスに伊集加代子、鈴木宏子、和田夏代子、コンピューター・プログラムに松武秀樹という布陣でした。

それから初回盤のみに付いている『EACH Sings Oldies from NIAGARA CONCERT』というCDから2曲を聴くことができました。このCDは大滝詠一が1976年から1981年にかけて行ったコンサートで歌った洋楽オールディーズ曲を集めたというなんともナイアガラチックな選曲の1枚なのです。試聴会では聴けませんでしたが、1966年大滝17歳時の「イエスタデイ」も収録されています。

そして、ラストは大きめのスクリーンで、初回盤に付いている『THE FIRST NIAGARA TOUR 1977/6/20渋谷公会堂』DVD映像を約30分全部試写。

衝撃の動く大滝詠一(28歳11カ月)!
日本コロンビア・レコードで当時制作されたナイアガラ・レーベルプロモーションのためのこの映像がお茶の間のテレビで見れるようになるとは・・・。
大滝ファンでステージを観たことがない方はもちろんのこと、観たことがある方も必見です。
シリア・ポールも布谷文夫も出演しています。

特典CDとDVDは初回限定盤にしか付いていませんので、くれぐれもお買い漏らしのないように。森 勉

★掲載ジャケットは「オリーヴの午后」収録『NIAGARA TRIANGLE VOL.2』。


2019年2月11日(月) ミンディ・グレッドヒル 「Icarus」

東京では早朝、雪が舞うように降りました。
明け方の雪は幻想的で、寒いながらも美しい光景でしたね。

そんなドリーミーな雰囲気にピッタリな女性シンガー新譜オススメ盤。

ミンディ・グレッドヒル『Rabbit Hole』
(国内CD 歌詞付 VSCD-9833 2,300円+税)

アメリカ/カリフォルニア出身1981年生まれの女性シンガー・ソングライター、Mindy Gledhill。
2012年発表『ANCHOR』(アンカー)は当店でもロングセラーを記録。
今作『Rabbit Hall』は通算6枚目となる2019年発表オリジナル・アルバムです。

心地良いメロディー&サウンドで奏でられるアコースティックなファンタジー・ポップ♪
可憐な彼女の歌声がとってもステキな1枚。

心が躍る②「Boo Hoo」、⑤「Lines」もGoodですが、今日のこの1曲はセンチメンタルな⑩「Icarus」を。森 陽馬


2019年2月12日(火) ORIGINAL LOVE 「ゼロセット」

よくぞこれだけの素晴らしいアルバムを作ってくれた!と歓喜したくなる傑作。

ORIGINAL LOVE、ビクター移籍第1弾(メジャー・リリースは約12年ぶり!)。
約4年ぶりとなる18枚目のオリジナル・アルバム『bless you!』が本日入荷しました。

ORIGINAL LOVE『bless you!』
(初回5000セット限定フォトブック付 VIZL-1527 4,000円+税/通常CDのみVICL-65123 3,000円+税)

木暮晋也、真城めぐみ、小松シゲル、村田シゲ、冨田謙のライヴ・メンバーに加え、小松秀行、佐野康夫、村田陽一といった過去名作に参加していた名ミュージシャン、そして現在飛ぶ鳥を落とす勢いのPUNPEE、長岡亮介、角銅真実など新世代ミュージシャンも参加。

新たな挑戦と冒険をブレンドしながら、ORIGINAL LOVEとしての軸は全くブレず。
現代の空気にもビンビン響くフレッシュな楽曲に感動すら覚えます。

いつの日よりも今、現在を肯定する前向きな人生讃歌「ゼロセット」。
長岡亮介によるギター・ソロ、弦一徹のストリングスは、『RAINBOW RACE』ジャケットで舞う鳥の如く、聴く者の心を開放し羽ばたかせる力を感じます。森 陽馬


2019年2月13日(水) イ・ランと柴田聡子 「Run Away」

シンガー・ソングライター、文筆家、イラストレーター等マルチな顔を持つ韓国の女性アーティスト、イ・ラン。
最新作『がんばれ!メロディー』の発売を3月に控える柴田聡子。

共に1986年生まれで、声や楽曲の雰囲気もどことなく近く、毒っ気がチラチラと見え隠れするお二人のコラボ作が発売されました。

イ・ランと柴田聡子『ランナウェイ』
(国内CD 全6曲入 歌詞対訳付 初回生産限定盤 SDCD-041 1,600円+税)

2016年11月、2人で7か所をまわる日本ツアーを敢行。
今作はそのツアーで披露した共作曲「Run Away」をはじめ、ツアー翌月に録音したセッション音源を収録。

アコースティック・ギターでのごくシンプルな演奏に、日本語、韓国語、英語を交えた詞、素朴なメロディ、相性の良いハーモニー...仲の良い友達同士がじゃれ合いながら作ったようなリラックスした空気が漂います。
最後に収録された「Run Away」ピアノ・インストverもあったかな雰囲気で良い感じです。

ブックレットには、ツアーの事、友人の事、お互いの事などが綴られた、それぞれのエッセイも掲載。
エッセイといえば、イ・ランさん2018年著書『悲しくてかっこいい人』が日本メディアにも取り上げられ話題ですね。
(2019年2月2日朝日新聞には寺尾紗穂さんによる書評が掲載されました。来週には韓国のイベントで共演も。)

角度で画がかわるレンチキュラーカードもオマケ(?)で付いています。東尾沙紀


2019年2月14日(木) 大橋トリオ 「Fragments」

2007年デビュー時から、良質な作品を作り続けている男性シンガー・ソングライター、大橋トリオ。
2018年2月発売『STEREO』から1年、新作オリジナル・アルバム『THUNDERBIRD』をリリースしました。

大橋トリオ『THUNDERBIRD』
(CD DVD付 RZCD-86735 4,700円+税/Blu-ray付 RZCD-86736/CDのみRZCD-86737 3,000円+税)

2018年はアナログ盤にハマり、ツアー先のレコード店を廻って中古レコードを色々聴いたそうです。
その影響もあり、アナログ的な質感に回帰しながら、新味もミックスさせた仕上がりの1枚。

Tik Tok『グランピング編』CMソング④「S・M・I・L・E・S」、メナード企業CMソング⑧「Natural Woman」他、70年代的な温もりが伝わってくる全10曲。

今日のこの1曲は、CHARM PARKが英語詞を担当している⑤「Fragments」を。

2018年12月にはメジャーデビューも果たしたCHARM PARK。(
2018年12月5日今日のこの1曲にて紹介)
彼が手掛けたこの曲の歌詞には、大橋トリオの過去楽曲タイトルがたくさん散りばめられています。
大橋トリオの現ツアー・メンバーでもある彼の大橋トリオ愛が伝わってくる美しい1曲ですね。森 陽馬


2019年2月15日(金) イーヴィ・サンズ 「Any Way That You Want Me」

チップ・テイラーが作り、トロッグスが1966~1967年にかけてイギリスのヒット・チャートへ送り込んだヒット曲「Any Way That You Want Me」は当時から好きで、今でも久し振りに聴くと、やっぱりいいね、と思ってしまう曲です。

その曲をアメリカでヒットさせたのは今日紹介するイーヴィ・サンズです。
(エヴィー・サンズ、と昔は表記されていました。)

1969年全米チャートでは最高位53位でしたが、17週間もチャートインし、しぶといスマッシュ・ヒットとなりました。
日本のラジオ局ではほとんど耳にすることはなかったように思いますが、FENでは時々流れていました。
その時は、「あっ、これってトロッグスが歌っていたあの曲だ!」という程度の興味しかなかったので、レコードを探したりはしませんでした。

その後1970年代半ば、銀座・数寄屋橋のハンターで、イーヴィ・サンズのアメリカ盤を見つけ、タイトルもズバリだったので即買いした想い出がある盤です。

1970年に発表されたそのアルバムが2018年3月に最新リマスターされ紙ジャケット仕様で発売されていますので、忘れないうちに紹介しておきたいと思います。

イーヴィ・サンズ『エニー・ウェイ・ザット・ユー・ウォント・ミー』
(国内CD ボーナス・トラック1曲追加 解説・歌詞・対訳付 UICY-78605 2,667円+税)

プロデュースはチップ・テイラー&アル・ゴルゴーニ。
イーヴィの声は顔に似合わず低めのけだるい雰囲気を醸し出していて、なんともいい感じなんです。森 勉


2019年2月16日(土) テデスキ・トラックス・バンド 「I'm Gonna Be There」

デレク・トラックスとスーザン・テデスキによる最強ギタリスト夫婦中心のバンド、テデスキ・トラックス・バンド。

2016年発表作『Let Me Get By』(
2016年1月31日今日のこの1曲で紹介)から約3年。
ライヴ盤『live From The Fox Oakland』を挟み、4作目となるスタジオ録音アルバム『Signs』が発売されました。

テデスキ・トラックス・バンド『Signs』
(国内CD ボーナス・トラック1曲追加 解説・歌詞・対訳付 UCCO-1203 2,500円+税)

12人編成バンド・メンバーの個性を活かしながら、デレク自身も持ち味のギター・ソロを随所に発揮。
今までの路線はそのままに、程好くまとまった1枚に仕上がっています。

今日のこの1曲はドイル・ブラムホールⅡが共作&ギター参加した2曲目「I'm Gonna Be There」。

スティーヴィー・ワンダー「He's Misstra Know It All」(邦題「いつわり」。『Innervisions』収録曲)を彷彿とさせる後半のコーラスが印象的。

なお、今作のCDは他アーティストの近作に比べ音圧が低く、同じヴォリュームでかけると音が小さく感じます。
それだけ音域の幅を持たせた作りになっているので、ヴォリューム・レベルを各々の好みで調整し、サウンドの奥行きを楽しみたい作品ですね。森 陽馬


2019年2月17日(日) Little Feat 「Long Distance Love」

天辰保文氏にミュージシャンの魅力を語っていただくトーク・イベント<Talking Man>。
2月18日(月)行うVol.12はリトル・フィート特集です。

------------------
2019年2月18日(月)
PET SOUNDS RECORD presents
天辰保文 Talking Man Vol.12 リトル・フィート特集
ライヴ・カフェ アゲイン(武蔵小山 当店地下)
18時半開場 19時半開演 入場料1,500円
------------------

2019年で結成50年、ローウェル・ジョージが1979年急逝して40年となるロック・バンド、リトル・フィート。
天辰氏がセレクトする楽曲を聴きながら、奥深い魅力を存分に楽しみたいと思っております。
よろしければ武蔵小山へふらりとお越しくださいませ。

さて、リトル・フィート楽曲中から、味わい深い沁みるナンバーを今日のこの1曲に。
1976年発表5thアルバム『ラスト・レコード・アルバム』から、ローウェル・ジョージ作「Long Distance Love」。

リトル・フィート『ラスト・レコード・アルバム』
(国内CD 限定紙ジャケット仕様 解説・歌詞・対訳付 WPCR-12617 2,095円+税)

豪放のようでいてナイーヴなローウェルの心情を表したミディアム・バラード。
ローウェル・ジョージトリビュート・アルバム『ROCK AND ROLL DOCTOR』(1997)では、サザンオールスターズ桑田佳祐がこの曲をカヴァーしています。森 陽馬


2019年2月18日(月) Tobi Legend 「Time Will Pass You By」

映画『ノーザン・ソウル』を鑑賞してきました。

1970年代イギリス北部、労働者階級の若者たちが熱狂し、その後の英国ミュージシャンに影響を与えた音楽ムーヴメント、“ノーザン・ソウル”。

退屈な日常を吹き飛ばすかのように週末クラブへ出掛けては、DJが回す1960年代のレアなソウル・ナンバーに合わせ夜通し踊り明かす...。
友情、恋、ドラッグ、レコード収集、ダンスに明け暮れる若者たちを描いた音楽青春映画です。
海外では2014年に公開された作品が、2019年2月から日本の劇場で上映されています。

劇中で流れるのは殆ど知らないレアな曲ばかり!
でも主人公たちと一緒にダンス&手拍子したくなってしまう軽快で気持ち良いナンバーばかりでした。
ポップスにしても、ソウルにしてもこんな良い曲が埋もれているとは...奥が深い世界ですね。

当時ティーンネイジャーだったエレイン・コンスタンティン監督の原体験を反映させつつ、当時のクラブの空気感やレコードショップの雰囲気(試聴機コーナーが新鮮でした!)、ファッション、ノーザン・ソウルがどういうムーヴメントだったのか、がこの映画を観て感じとることができました。

掲載ジャケットは、CD2枚にレアなノーザン・ソウル・クラシックをたっぷり52曲収録した『キープ・ザ・フェイス・ザ・ベスト・オブ・ノーザン・ソウル』。
(国内CD 解説・全曲の歌詞・対訳付 SICP-4071 2,700円+税)

物語の大事なシーンで印象的に使われるTobi Legend「Time Will Pass You By」をはじめ、♪2・4・6・8・10♪のカウントが耳に残るShirley Ellis「Soul Time」、Billy Butler「Right Track」、Larry Williams&Johnny Watson「Too Late」など、劇中で流れるナンバーがいくつか収録されています。東尾沙紀


2019年2月19日(火) Jackson Browne 「Your Bright Baby Blues」

2月18日天辰保文トーク・イベントTalking Manリトル・フィート特集。
たくさんのご来場ありがとうございました。

リトル・フィート『セイリン・シューズ』は1972年発売当時国内盤はリリースされていなかったため、天辰保文さんは海外から船便で取り寄せたそうです。
その届いたレコードの封を切った時に感じた異国の香り。
針を落として感じた乾いた熱風のような印象を語っていただいたのがとても心に残りましたね。

なお、リトル・フィートのメンバー/ローウェル・ジョージが参加した曲も色々紹介していただきました。
その中から今日のこの1曲、ジャクソン・ブラウン「Your Bright Baby Blues」
(国内CD ジャクソン・ブラウン『プリテンダー』(1976) 解説・歌詞・対訳付 WPCR-80299 1,400円+税)

僕は『プリテンダー』を大好きなアルバムと公言していましたが、この曲のギター・ソロがローウェル・ジョージだったということを恥ずかしながら知りませんでした。(不勉強で申し訳ございません!)

ハイウェイを行ったり来たりし現実逃避をしながら、いつまでたっても自分自身からは逃げ出せず苦悩する一人の男が、心を許せる人へ助けを求めるこの歌「Your Bright Baby Blues」。
妻の自殺を経て当時心に傷を負っていたジャクソンの歌であると同時に、ローウェルの心の歌でもあったのかも、と感じました。森 陽馬


2019年2月20日(水) John Hiatt 「All The Way To The River」

アメリカの大地、力強さ、おおらかさ、そして自由な心。

この人の歌を聴くとそれを感じることができるのです。

1952年生まれ、2019年でソロ・デビュー45年目を迎えるアメリカン・ロック・シンガー、ジョン・ハイアット。
2018年末に発売されたオリジナル・アルバム『The Eclipse Sessions』も心に響く作品でした。
(輸入CD NEW WEST RECORDS NW6452)

以前の作品にも関わっていたピアニスト、Kevin McKendreeがプロデュースを担当。
Yates McKendreeが弾くギター含め、ジョン・ハイアットの慈愛に満ちた武骨な魅力をうまく引き出しています。

今日のこの1曲は②「All The Way To The River」を。
ブルース・スプリングスティーン1980年名曲「River」を想起させるアレンジとフレーズにグッときました。森 陽馬


2019年2月21日(木) Cecile McLorin Salvant 「Visions」

第61回グラミー賞、ベスト・ジャズ・ヴォーカル・アルバムを受賞した1枚。

Cecile McLorin Salvant(セシル・マクロリン・サルヴァント)『The Window』
(国内仕様CD 日本語解説付 KKE-83 2,315円+税)

セシル・マクロリン・サルヴァントはハイチ人の父とフランス人の母を持つ1989年米国マイアミ生まれの女性シンガー。
2010年デビューし、『The Window』が5作目のオリジナル・アルバム。
今回の受賞で、なんと3作連続グラミー受賞という快挙を成し遂げました。

今作はポール・サイモン2018年作『In The Blue Light』にも参加しているピアニスト、Sullivan Fortnerとのデュオ。
彼のピアノはプログレッシヴで、セシルの表現力溢れる歌声と共にいかにもジャズらしい熱を感じさせます。

ただ、曲によっては歌唱の抑揚が激しくアクの強さも感じるので、好みは分かれるかもしれませんね。

今日のこの1曲は、スティーヴィー・ワンダーのカヴァー①「Visons」を。森 陽馬


2019年2月22日(金) ジョエル・クリスティー 「シー・ザット・ガール」(トミー・リピューマ・プロデュース作)

日本独自企画の聴き応えあるコンピレーションが2月27日に発売されます。

『トミー・リピューマ・ワークス』
(国内3枚組CD 全45曲 解説・歌詞付 WPCR-18138 4,500円+税)

1960年代から活動を始め、2017年3月に亡くなるまで名プロデューサーとして数々の名作を生みだしたトミー・リピューマの足跡を振り返る大変意義のあるコンピレーションだと思います。

ジョージ・ベンソン『ブリージン』、マイケル・フランクス『スリーピング・ジプシー』、スタッフのファースト・アルバム、デオダート『ラヴ・アイランド』、ラーセン・フェイトン・バンドの1st、2ndアルバムなど、AOR/フュージョンのベストセラーを次々と生み出したワーナー時代中心にたっぷり全45曲。

その他、サンドパイパーズ、クリス・モンテス、クロディーヌ・ロンジェ、ロジャー・ニコルス&スモール・サークル・オブ・フレンズでソフト・ロック・テイストをうまく表現したA&Mレーベル時代、シーウインド、マーク=アーモンド、マイルス・デイヴィス、ドクター・ジョン、エヴリシング・バット・ザ・ガール、アズテック・カメラをプロデュースした作品も本CDに収録されています。また近年のポール・マッカートニー、ダイアナ・クラールもきちんと押さえてあります。

あと、レアものとしては1965年インペリアル・レーベルからシングルとして発売されていたオージェイズ「リップスティック・トレイセス」と、ジョエル・クリスティー「シー・ザット・ガール」の2曲。
トミー・リピューマって、この頃からいい曲をプロデュースする才能があったんですね。

今日のこの1曲は、世界初CD化「シー・ザット・ガール」を。
バリー・マン&シンシア・ワイル作品、うれしいCD化です。

このCDは、トミー・リピューマの奥様ジル・リピューマ公認の日本企画CDです。
発売は2月27日。もうしばらくお待ちください。森 勉


2019年2月23日(土) Reality Club 「Elastic Hearts」

爽やか&キャッチーなインディー・ポップ from インドネシア♪

紅一点ヴォーカル、ファティア・イザッティを中心としたジャカルタ拠点の5人組バンド、リアリティ・クラブ。
2017年に発表された1stが日本デビュー盤として今週リリースされました。

リアリティ・クラブ『ネヴァー・ゲット・ベター』
(国内CD 歌詞付 LIIP-1535 2,300円+税)

全編英語詞によるポップな楽曲は、何も知らずに聴くとインドネシアから出てきたバンドだとは想像できません。

彼等がどんな音楽が好きなのかわからないのですが、UKやUSのインディー・ポップやギター・ポップがお好きな方は、1曲目の「Elastic Hearts」を聴いただけでビビッと反応してしまうのではないのでしょうか。

男女ツイン・ヴォーカルと、メロディの雰囲気は、個人的にマジック・ナンバーズを想起させます。

当店でも人気の同郷ミュージシャン、イックバル、モンド・ガスカロに続いて注目したいバンドです。東尾沙紀

2019年2月24日(日) John Mellencamp 「Eyes On The Prize」

2019年2月24日(日本時間25日)は第91回アカデミー賞授賞式。

作品賞は『ローマ』、『グリーンブック』、『ボヘミアン・ラプソディ』の争いと評されているようです。
Netflix発メキシコが舞台の『ローマ』、黒人ピアニスト実話『グリーンブック』、日本でも大ヒット『ボヘミアン~』。
世相が反映されることの多いアカデミー、どうなるでしょうかね。

さて、映画関連ニュースで2018年末僕がビックリしたのは、メグ・ライアン婚約の報でした。
青春時代に甘い想い出を作ってくれた女優さんが56歳にして再婚、ということで驚いていたら、その相手がなんと、ジョン・クーガーことジョン・メレンキャンプ(67歳)だということで2度ビックリ!
(ちなみにメグ・ライアンは2回目、ジョン・メレンキャンプは3回目の結婚だそう)

そのジョン・メレンキャンプ、近年カバーした楽曲等編集したアルバムを2018年末リリースしています。

John Mellencamp『Other People's Stuff』
(輸入CD Republic Records/Universal 602567995548)

ジャニス・イアン作「To The River」(1993)から始まり、スティーヴィー・ワンダー作「I Don't Know Why I Love You」(2003)まで、彼らしいアメリカン・ロックな歌&アレンジで楽しめる全10曲収録。

今日のこの1曲は、オバマ政権時の2010年ホワイトハウスにて歌われた「Eyes On The Prize」。
トラディショナル・ソング「Gospel Plow」、「Hold On」、「Keep Your Hand On The Plow」等楽曲を基に派生し、様々なミュージシャンによって1950~60年代公民権運動時から歌われているフォーク・ナンバーです。

このCDに収められているのは、2010年ホワイトハウスでのライヴではなく新録音ヴァージョン。
アメリカの様々な社会問題への想いがこの新緑に込められています。森 陽馬


2019年2月25日(月) The SEARCHERS 「It's In Her Kiss」

サーチャーズは1960年代中期にヒット曲を量産し、その後も長く活動を続けたリヴァプール出身グループです。

ビートルズ同様、人気が出る前はドイツ/ハンブルグのスタークラブなどで武者修行をしていました。
1963年に「スウィーツ・フォー・マイ・スウィート」がイギリスでNo.1を獲得。
1964年「ピンと針」、「ドント・スロー・ユア・ラヴ・アウェイ」(心がわりはやめてくれ)もNo.1。
その他「シュガー&スパイス」、「ホエン・ユー・ウォーク・イン・ザ・ルーム」、「グッバイ・マイ・ラヴ」、そしてアメリカで大ヒットとなった「ラヴ・ポーションNo.9」(恋の特効薬)など、ビートルズに次ぐリヴァプール出身の人気者でした。

当時彼らのレコードを発売していたのは、イギリスのパイ・レコード。
そこにいたトニー・ハッチが初期の彼らをうまくプロデュースし、いいサウンドを作っていました。
サーチャーズは自分達では曲を作らなかったのですが、選曲が良かったですね。
そんな所にもトニー・ハッチが貢献していると思います。

現在、彼らはイギリスで2019年1月から3月31日までの予定で『フェアウェル・ツアー』を敢行中。
そんなこともあり、最新編集の2枚組ベストCDが発売されました。

The SEARCHERS『The Farewell Album ~the Greatest Hits & More』
(輸入2枚組CD BMG UK BMGCAT302DCD 12ページブックレット付)

全50曲収録、チャート・ヒットはもちろん、アルバムの中の佳曲も収められています。

今日のこの1曲はディスク2の8曲目にひっそりと入っている「イッツ・イン・ハー・キス」を。
この曲は別名が「シュープ・シュープ・ソング」。1964年ベティ・エヴェレットのベスト10ヒットのカヴァーです。

サーチャーズは1964年『エド・サリバン・ショー』出演時、この曲を歌い、それは1965年になってから日本でも放送されました。
クリス・カーティス(ジャケット写真の一番左の人)がドラムスを叩きながら、ファルセットで歌う姿とこの曲のカッコ良さが忘れられません。森 勉


2019年2月26日(火) 寺尾紗穂 「心のままに」

当店がデビュー時から応援している女性シンガー・ソングライター、寺尾紗穂。
2019年2月中旬韓国のライヴ会場で販売した自主制作盤CDを当店でも販売させていただくことになりました。

寺尾紗穂『君は僕の友達』
(2,000円+税)

自身のコーラスを重ね再録音された1曲目「楕円の夢」。
神々しいまでの素晴らしい仕上がりです。聴きもの!

宮城のわらべうた③「こけしぼっこ」、大阪の手毬唄④「一でよいのは」、沖縄民謡⑤「安里屋ユンタ」。
そして、オリジナル曲②「君は私の友達」、⑥「心のままに」含めた全6曲収録。

今日のこの1曲は、ラスト6曲目「心のままに」を。

<深い愛、名付けられない愛を鼻歌のように歌えたなら>
毅然としながらも揺れる心が表れた歌と、それに寄り添う伊賀航のベースラインに胸が締め付けられる1曲。

冬にわかれての2人(伊賀航、あだち麗三郎)も参加しています。森 陽馬


2019年2月27日(水) 竹内まりや 「Heart To Heart」

竹内まりやデビュー40周年記念企画、RVC時代のリマスター&ボーナス・トラック追加での再発第4弾です。

竹内まりや『Miss M』
(国内CD ライナーノーツ:能地祐子 BVCL-943 1,852円+税)

このアルバムは1980年12月5日にLPレコードとして発売されました。
A面はデヴィッド・フォスター&ジェイ・グレイドン(彼らも1980年に日本では大評判となったアルバム『エアプレイ』を発表していました)をはじめ、TOTOのメンバーであるジェフ・ポーカロ、デヴィッド・ハンゲイト、スティーヴ・ルカサーが参加したL.A録音サイド。
B面は鈴木茂、岡沢章、高水健司、島村英二、そして当時のライヴではバックを務めていた青山徹、清水信之、中西康晴、野口明彦が参加した東京サイド、という構成でした。

収録全9曲中4曲が英語詞という攻めた内容。
「SEPTEMBER」、「不思議なピーチパイ」とヒットを続けた女性シンガーの新しいアルバムとしては、彼女自身もスタッフも冒険心だけではない音楽的資質があったからこその聴き応えを感じる作品になったのだろうと思います。

今日はL.A録音からの1曲。
ロジャー・ニコルスの曲に竹内まりやが日本語詞をのせた美しいバラード「Heart To Heart」。

なお、ボーナス・トラックは『Miss M』に入っている「二人のバカンス」、「Secret Love」、「Sweetest Music」、「Farewell Call」のライヴ録音が収められています。4曲とも1981年8月25日中野サンプラザでの音源です。森 勉


2019年2月28日(木) Bob Dylan 「Make You Feel My Love」

河津桜を先日観に行きました。

TVや新聞などでは毎年見ていましたが、現地で実際に見るのは初めて。
想像よりも長い区間に渡って川沿いに花開いており、菜の花も一部で咲いていて壮観でした。

その桜の下では露店もたくさん出ていて多くの人で賑わっています。
観光客、近隣の学生達や車いすのお年寄りまで朗らかな笑顔で桜を眺めていました。

その情景を見渡していたら、昔一緒に桜を見た友人や亡くなった祖母の顔を想い出しました。
桜が美しいのはもちろんですが、見て何かを心に感じること、それが大切なのかな、と気付かされましたね。

音楽も同じで、歌や演奏、ジャンルで選別し楽しむだけでなく、その音楽を聴いて感じることが大事だと思うのです。

家族や友人の懐かしい表情、あの日見た景色、喜びや哀しみ、心に揺れる想い。
人それぞれの想い出があるのと同様、様々な音楽があり、各々好みの音を見つけてもらいたいと願っています。

終日雨が降った今日のこの1曲は「雨が君の顔に~」という歌い出しのボブ・ディラン「Make You Feel My Love」を。

1997年発表アルバム『Time Out Of Mind』収録曲。
2019年2月公開映画『七つの会議』主題歌として使われ、日本のみの限定アナログ盤も発売中です。森 陽馬

ボブ・ディラン『メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ』
(国内EP 完全限定ブルーカラー盤 解説・歌詞・対訳付 SIKP-6 1,852円+税)




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



トップページ