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  今日のこの1曲 “Archives”

<2022月11月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2022年11月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>

2022年11月1日(火) 寺尾紗穂 「燕の帰る晴れた朝」

デビュー時から応援している寺尾紗穂さんが、2022年でメジャー・デビュー15周年を迎えました。
おめでとう、紗穂さん!

それを記念して、彼女の初期アルバムをアナログ・レコード化してBOXに収めた限定盤が発売。
本日入荷いたしました。

寺尾紗穂『寺尾紗穂 EARLY YEARS LP BOX 2006-2012』
(国内6枚組LP BOX 完全限定盤 MDJL-1012 27,500円税込)

『愛し、日々』、『御身』、『風はびゅうびゅう』、『愛の秘密』、『残照』、『青い夜のさよなら』。
全て初アナログ化です。
未発表音源をWEBで聴くことができる特典パスワードも付いています。

そして注目は、付属されている<関係者による証言集60ページの本>!
手前味噌ですが、この本に森勉と森陽馬の証言を掲載していただきました。
よろしければ楽しんでご覧いただければ幸いです。

今日のこの1曲は、2007年発表『御身』から、都守美世が手掛けた歌詞が心に深く刻まれる「燕の帰る晴れた朝」を。

なお、当店にてお買い上げの方には、寺尾紗穂さん独占インタビュー掲載のリーフレット付!
更に、当店ロゴ入りトート・バックと、『御身』発売時の販促チラシを先着で差し上げています。森 陽馬



2022年11月2日(水) 吉田美奈子 「星の海」

11月3日&12月3日は、東洋化成主催のイベント<レコードの日>。
注目の新譜や入手困難だった作品の再発盤など、様々なアナログ・レコードが発売されます。

11月3日発売分は、吉田美奈子3種、ナツサマー&流線形、ボニー・ピンク3種、PLATINUM900、芳野藤丸、ロニー・バロン、エレファントカシマシ、佐藤博、Presents、Debbie's Ally、tofubeats、UA、中森明菜、トラディション、大橋純子、筒美京平、林立夫、ソウル・フラワーユニオン、NRBQ、高野寛&田島貴男、広瀬香美、TAHITI80「風をあつめて」、フジファブリック、BOO、Kick A Show(小沢健二カヴァー)、akiko、滝ともはる、OCHA∞ME、細川ふみえ、etc...。

その中から、当店オススメのこの1枚!

吉田美奈子『EXTREME BEAUTY』
(国内2枚組LP 完全限定盤 PROT-7207 4,950円税込)
(国内CD 生産限定盤 UPCY-9782 1,100円税込)

吉田美奈子の代表作というと『FLAPPER』、『愛は思うまま』が有名ですが、1995年発表の本作は、90年代以降の彼女の活動を語る上で欠かせない入魂のアルバムで、今回が初アナログ化となります。

山下達郎がコーラスで参加した「BEAUTY」、「LIBERTY」、大好きな「SCENARIO」他、深みのある彼女の歌声に、心が震えるほどの感動と安らぎを与えてくれる傑作です。

今日のこの1曲は、1994年に急逝したイラストレーター、ペーター佐藤へ捧げた名曲「星の海」を。
この歌を聴くと、亡くなった誰かを想い、夜の空をつい眺めてしまうのです。森 陽馬



2022年11月3日(木) PRESENTS 「Dim」

11月3日は<レコードの日>で、色々なアナログ・レコードが発売されました。
天気は快晴♪ 穏やかな陽気でレコード日和な1日でしたね。たくさんのご来店ありがとうございました。
やさしい陽射しが入ってくる店内では、このアルバムをよくかけていました。

PRESENTS『Feeling Like A Child』
(国内CD ボーナス・トラック3曲追加 4TRR-10001 2,530円税込)
(国内LP 完全限定盤 HRLP-260 4,180円税込)

まさに、シティ・ポップ秘宝盤!
本作は、1980年頃、東京在住の幼馴染が集まったメンバーで、宅録的に作られた自主制作盤だそうです。
そのマルチテープを中心人物の三浦文夫がハイレゾ音源化&リミックスを施し、更に、ロンバケでお馴染みの永井博氏によるイラストを使用したジャケットへ変更して、CDとアナログLPで復刻されました。

とても風通しの良いサウンド&演奏で、聴いていて心地良い1枚ですね。
メイン・ヴォーカルは、男性&女性シンガーが曲によって違うのですが、どちらも爽やか♪
東北新幹線のようなAOR/シティ・ポップお好きな方にオススメしたい作品です。

今日のこの1曲は、エレピの音色がメロウで気持ちいい「Dim」。
この歌は女性ヴォーカルですが、マイケル・フランクスの影響を感じさせるナンバーです。森 陽馬



2022年11月4日(金) The New Mastersounds 「Georgie Famous」

ギタリストのエディ・ロバーツ率いる英国発ジャズ・ファンク・バンド、ニュー・マスターサウンズ。

結成/デビュー作から20年を超え、コンスタントに作品を発表し続けて今作で17作目!
2023年2月に東京・大阪で行われる待望の日本公演も発表された彼らの約3年ぶりとなる新作がリリースされました。

ニュー・マスターサウンズ『ザ・デプラー・エフェクト』
(国内CD STCD-0007 解説・歌詞・対訳付 )

眺めているだけでひんやりとした風が吹いてきそうなジャケットの風景。
今回アイスランドのスタジオでレコーディングが行われたそうで、先行公開された「Gonna Get In My Way」のMVでは雪道を馬に跨り移動するメンバーが見られたりと現地の寒そうな様子が窺い知れますが、中身はやはり濃ゆくて熱々!

サザン・ロックのテイストも感じられる上記の「Gonna Get In My Way」、オルガン・ソロが堪らない疾走感溢れる「Let Me In From The Cold」、本編ラストを飾るバラード「Before」など、アルバムの約半数7曲でヴォーカルを務めているのはラマー・ウィリアムズ・ジュニア。
2019年発表の前作『Shake It』に引き続き、彼のソウルフルな歌声にも注目です。

本日は、オルガンが主役、その名も「Georgie Famous」を今日の1曲に。
「Let Me In From The Cold」のインスト版??同じギターフレーズで切り込んでいくグルーヴィーなインストです。東尾沙紀



2022年11月5日(土) Debbie's Ally 「In The Starlight」

レコードの日(11月3日)に発売された商品の中で、一番よく聴いているお気に入り盤がこの1枚!

Debbie's Ally『夜明けのドリーミング』
(国内CD ボーナス・トラック7曲追加 CDSOL-1985 2,530円税込)
(国内LP 完全限定盤 HRLP-269 4,180円税込)

Debbie's Ally(デビーズ・アリー)は、沖縄出身の女性シンガー、デビーこと児玉伊津子を中心にしたバンド。
本作は1980年頃に自主製作され、都内レコード店で数十枚のみ流通した、という唯一のアルバムです。
(現在、そのオリジナルLPは○万円で取引されている超レア盤!)

バックは、矢部昭夫(ギター)、PIPERへ参加する大島宏(ベース)、嶋村隆(キーボード)、後にペドロ&カプリシャスへ参加する柳勝啓(ドラム)で、グルーヴ感溢れるしなやかな演奏が素晴らしい!
1曲目「夜明けのドリーミング」には、山本圭右(村田和人バンド、PIPER)もコーラスで参加しています。

今日のこの1曲は、2曲目「In The Starlight」を。
作詞:児玉伊津子、作曲:矢部昭夫による楽曲ですが、聴いてびっくり!
スピナーズ「It's A Shame」(スティーヴィー・ワンダー作)の日本語カヴァー!?な編曲なのです。
イントロのメロディーや曲の流れもほぼ同じ感じですね。

なお、このアルバムには、スティーヴィー・ワンダー「You Are The Sunshine Of My Love」のカヴァーも後半に収録されていますから、メンバー皆、スティーヴィーが大好きだったのかもしれません。
他にオリジナル曲の中では、シティ・ポップな3曲目「なつかしいシーブリーズ」にグッときました。森 陽馬


2022年11月6日(日) 六角精児バンド 「ディーゼル」

六角精児出演のNHK鉄道番組『六角精児の呑み鉄本線・日本旅』が大好きで、毎回楽しみに見ています。

下戸の僕でさえも、ビールや日本酒を美味しそうに呑む六角さんを見ていると呑みたくなってしまいますし、自分では乗りに行けない遠い土地の鉄道に少しは乗った気分にさせてくれる、とてもいい番組だと思います。

そして、列車が走っているシーンに流れる音楽もいいんですよね。

六角精児のオススメ曲として、かまやつひろし、下田逸郎、ライ・クーダー、ニッティ・グリッティ・ダート・バンドなどが、ほのぼのとした雰囲気の中、かかるんです。
そして、もちろん六角さん自身が歌った曲「ディーゼル」もかかります。

『人は人を救えない』というカヴァー・アルバムを今年発表しましたが、この曲「ディーゼル」は2014年に発表されたCDに収録されています。

六角精児バンド『石ころ人生』
(国内CD 全7曲入 HW-029 1,980円税込)

「ディーゼル」の他、番組でもよく流れる島倉千代子の曲をナイス・カヴァーした「愛のさざなみ」、“尿酸値が異常に高い”という歌詞も出てくる「お父さんが嘘をついた」も入っています。森 勉



2022年11月7日(月) 山下達郎 「REBORN」

山下達郎2022年作『SOFTLY』の期間限定ウィンター・パッケージと、大ロングセラー曲「クリスマス・イブ」の2022年クリスマス・パッケージ盤が発売決定しました。
 

どちらも、『SOFTLY』のジャケット・デザインを手掛けたヤマザキマリさんによる描き下ろしジャケットです。
山下達郎のシュガーベイブ頃のあだ名が“クマ”。(考え事があるとウロウロとすることが多かったため)
そのエピソードにちなんだ達郎クマがかわいいイラストですね。

『SOFTLY』ウィンター・パッケージ(3,300円税込)は11月15日頃。
『クリスマス・イブ』(1,100円税込)は12月13日頃、店頭に入荷予定です。
2022年冬のみの三方背ジャケット・ケースで在庫が無くなり次第終了。ご予約も受け付けております。

今日のこの1曲は、山下達郎『SOFTLY』から「REBORN」を、天国へ旅立ったあなたへ捧げたいと思います。

♪たましいは決して 滅びることはない いつかまたきっとまた めぐり会う時まで 少しだけのさよなら たくさんのありがとう 少しだけのさよなら♪(「REBORN」歌詞より) 森 陽馬



2022年11月8日(火) Jackie Gleason 「The Song Is Ended」

今日は1950年代イージー・リスニング界の巨匠、ジャッキー・グリースンを。

彼の名前を知ったのは、まず俳優としてでした。
アメリカ映画『ハスラー』(1961年)で、主役のポール・ニューマンとビリヤード勝負をする相手役として出演していたのが、ジャッキー・グリースンでした。
貫禄があり老獪なビリヤート・プレイヤー役は、なんとも存在感がありました。

『ハスラー』を初めて見たのは中学生の時、それから十余年・・・ジャッキー・グリースン・オーケストラのことが気になり調べていたら、なんと『ハスラー』に俳優として出ていたことを知りました。
あのミネソタ・ファッツ役がこんな流麗なストリングス・オーケストラのバンマスだなんて・・・。
かなり、ビックリした記憶があります。

Jackie Gleason with Bobby Hackett『The Complete Sessions』
(輸入4枚組CD Essential Jazz Classics EJC55769)

さて、この4枚組CDは、トランペットのボビー・ハケットをフィーチャーした、ジャッキー・グリースン・オーケストラのアルバム7枚分を収録した102曲入り。
豊潤で優しく美しい演奏は、これからの秋から冬にかけての季節にピッタリのバック・グラウンド・ミュージックになると思います。

今日の1曲は、細野晴臣D.J.のラジオ『Daisy Holiday!』のエンディング・テーマにもなっている「ザ・ソング・イズ・エンディド」を。森 勉



2022年11月9日(水) Andy Partridge 「Let There Be Snow」

アンディ・パートリッジ(XTC)が他アーティストへの提供曲として書いたものの世に出ることがなかった楽曲をピックアップし、セルフ・レコーディングするシリーズ『成功しなかった私の作曲キャリア』の第3弾が発売されました。

今回は<クリスマス・ソング編>です。

Andy Partridge『My Failed Christmas Career Vol.1』
(輸入CD APEEP905CD 12インチ・レコードもあり)

モンキーズ2018年発表のクリスマス作品『Christmas Party』の1曲目を飾った「Unwrap You At Christmas」、
Three Wise Men(XTCの変名バンド)と同時期に書かれたという「Cool Yule」、マンドリンを取り入れた牧歌的な「Through This Winter World」、あるグループのため愛着を持って作ったが採用ならず「Let There Be Snow」の計4曲が収録されています。

モンキーズに歌ってもらい、とても嬉しかったと語る「Unwrap You At Christmas」は元々女性アーティストのためにフィル・スペクター風の曲をとの依頼で書かれた曲だそう。アンディの娘ホリーがメインで歌っています。素敵な歌声です。

「Let There Be Snow」はスレイベルを用いたクリスマスらしいほんわかポップな1曲♪
6弦のギターで12弦を再現する方法、スレイベル録音の苦労など、ジャケット内側に掲載されたアンディのミニ解説も毎回楽しませてくれます。東尾沙紀



2022年11月10日(木) 浮 「あかるいくらい」

アーティスト名は、<浮>と書いてBUOY、<ブイ>と読ませる。

浮は、茅ヶ崎出身の女性シンガー、米山ミサによるソロ・ユニット。
彼女の歌声は、揺れる心を落ち着かせて、優しくさすってくれている温かな手のひらのようだ。

浮『あかるいくらい』
(国内CD+ブックレット 全12曲収録 SDCD-053 3,080円税込)

本作『あかるいくらい』は、浮の2019年発表1stアルバム『三度見る』に続く、2ndフル・アルバム。
藤巻鉄郎(ドラムス)、服部将典(コントラバス)とのトリオ編成“浮と港”による演奏は、音数少なくシンプルでありながら、とても大事に録られた印象。音の隙間に様々な想いを込めているのが伝わってきた。
なお、本のように装丁された作品で、音だけでなく是非CDを手にとって楽しんでいただきたい。

ちなみに、彼女が最も敬愛するミュージシャンは、寺尾紗穂さんとのこと。
浜田真理子、寺尾紗穂、青葉市子、そして浮へと、静かな希望は今後も繋がっていくだろう。森 陽馬



2022年11月11日(金) ブルース・スプリングスティーン 「太陽はもう輝かない」

2022年10月10日の今日のこの1曲コーナーで、11月11日に発売とお知らせしたブルース・スプリングスティーンの新しいアルバムが本日入荷しました。なんと、全15曲、すべてカヴァーです。

ブルース・スプリングスティーン『オンリー・ザ・ストロング・サヴァイヴ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-6497 2,640円税込)

プロデュースをブルースと一緒に担当したのは、近年行動を共にしているロン・アニエット。
このロンさんがドラムス、ベース、ピアノ、オルガン、ギター、パーカッション、それにヴィブラフォン、ティンパニ、グロッケンと、様々な楽器を多重録音してサウンド作りを行っています。
打ち込みとは一味も二味も違う人力による良質なサウンドを感じられると思います。

1962年から1970年までのR&B楽曲が中心ですが、そこはボス。
マニア心をくすぐる仕掛けがあちこちにあります。
当時は発売されなかったレア曲や80's、90'sに発表された曲のカヴァーも。

アルバムのラスト3曲、フォー・トップス、ジミー・ラフィン、ダイアナ・ロス&シュープリームスをカヴァーしたモータウン楽曲の流れも最高ですが、今日のところは、唯一の白人アーティストのカヴァーを。
5曲目に入っている「太陽はもう輝かない」。

ボブ・クルー&ボブ・ゴーディオ作品で、オリジナルはフランキー・ヴァリですが、ヒットさせたのはウォーカー・ブラザーズでした。
スコット・ウォーカーの名唱をふまえたボスのヴォーカルとバックのサウンド、見事です。森 勉



2022年11月12日(土) ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース 「Break The Chain」

11月12日はニール・ヤングの誕生日!
2022年で77歳(喜寿)! おめでとう、ニール!!

ニール・ヤング唯一の全米1位となった名盤『ハーヴェスト』(1972)から50年目、ということで、『ハーヴェスト』50周年盤が2022年12月に発売予定となっていますが、その前に!新作オリジナル・アルバムが11月18日(国内盤は11月23日)にリリースされます。

ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース『World Record』
(2022年11月23日発売 国内2枚組CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-18574 3,300円税込)

2021年発表『バーン』(
2021年12月12日今日のこの1曲で紹介)以来、約1年ぶりとなるアルバムは、リック・ルービンとの共同プロデュース作。
レッチリ他多数のロック名作を生み出したリック・ルービンのシャングリラ・スタジオにて、ヴィンテージ楽器&機材を使用し、盟友クレイジー・ホースと共にレコーディングした作品です。

6曲目「Break The Chain」がアルバム発売に先駆けて公開されましたが、武骨なロック魂溢れるニールらしいナンバーでかっこいい! ニルス・ロフグレンが弾くスライド・ギターも痛快!アルバムは2枚組とのことで楽しみですね。

77歳にして不惑。アーカイヴで過去を振り返りながらも、新作も出し続け前へと進んでいくニール。
50年前に探し求めていた“Heart Of Gold”は見つかったのでしょうか? 森 陽馬


2022年11月13日(日) ダリアン・サハナジャ 「アイ・ウォナ・ピック・ユー・アップ」

ACEレーベルより、ブライアン・ウィルソンの作品集が新しく発売になりました。

『Do It Again! ~ The Songs Of Brian Wilson』
(輸入CD 28ページブックレット付 ACE CDTOP-1619)

全24曲のブライアン・ウィルソン作品に包まれて幸せな気分。
とりあえず、通しでこのCDを聴いた感想です。

それなりに知られているところだと、ジャン&ディーン「ヴェジタブルズ」、ブルース&テリー「ハワイ」、パパ・ドゥ・ラン・ラン「レット・ヒム・ラン・ワイルド」、フリートウッド・マック「ファーマーズ・ドーター」、ブルース・ジョンストン「ディードリ」、KGB(レイ・ケネディも在籍)の「セイル・オン・セイラー」など。

そんな曲に混じって、1990年代以降の新世代アーティストによるマニアックなカヴァーも入っています。
リサ・ローブ「イン・マイ・ルーム」、リベラ「ラヴ・アンド・マーシー」、パールフィッシャーズ「レッツ・プット・アワ・ハーツ・トゥゲザー」、ルビナーズのアカペラによる「英雄と悪漢」、そして、2019年にこんな曲もカヴァーしてくれたサマンサ・シドリー「ビジー・ドゥイング・ナッシング」etc...。
どの曲もブライアンに敬意を払いながら、各ミュージシャンの特徴が出ていて好感が持てます。

今日の1曲は、ブライアンが復活してからの音楽秘書と言っていいダリアン・サハナジャが『ラヴ・ユー』収録曲を歌った「アイ・ウォナ・ピック・ユー・アップ」を。
なお、ジャケットの素敵なシャツを着たブライアンの写真は裏焼きですね。森 勉



2022年11月14日(月) Ezra Collective 「Smile」

ナット・キング・コールで有名なチャールズ・チャップリン作のスタンダード名曲「Smile」。
エズラ・コレクティヴによるこの曲のインスト・カヴァーを気に入り、最近よく聴いています。

Ezra Collective『Where I'm Meant To Be』
(国内仕様CD PTKF-3020-2J 2,640円税込/輸入LPもあり)

エズラ・コレクティヴは、南ロンドン発の5人組新世代UKジャズ・バンド。
本作は2019年発表1st『You Can't Steel My Joy』から約3年ぶりとなる2ndアルバムで、ワールド・ミュージックやソウルの要素を組み込んだハイブリッドなサウンドが、新しい波を感じさせてくれる1枚です。

今日のこの1曲は、ジャズ本来が持つ自由な精神を解放させた演奏が最高にクールな「Smile」。
次の曲「Live Strong」へ繋がっていく流れもかっこいいですね。森 陽馬



2022年11月15日(火) STR4TA 「To Be As One」 feat Theo Croker

昨日のエズラ・コレクティヴに続き、UKジャズの新譜推薦盤をもう1枚ご紹介しましょう。

STR4TA(ストラータ)『STR4TASFEAR』
(国内CD ボーナス・トラック追加収録 解説・歌詞・対訳付 BRC-716 2,420円税込/輸入LPもあり)

ストラータは、ジャイルス・ピーターソンとインコグニートのブルーイが組んだスペシャル・ユニット。
2021年発表1stアルバム『Aspects』(
2021年4月14日の今日のこの1曲紹介)はCLUB JAZZファンに大好評!
この度発売された第2弾アルバムも、スタイリッシュかつダンサブルな英国ブリット・ファンクを楽しめる1枚です。

今日のこの1曲はアメリカ/マイアミ出身の新世代トランペッター、セオ・クローカーをfeatした「To Be As One」。
アシッド・ジャズをお好きだった方にもオススメしたいリズミカルなトラックに、セオ・クローカーのトランペットがグルーヴィーに鳴り響くファンキー・チューン! 森 陽馬



2022年11月16日(水) Paul Weller 「Alone」

ポール・ウェラーの新しいコンピレーションが発売になりました。

Paul Weller『Will Of The People』
(輸入CD3枚組 universal 4572076/輸入3LPもあり)

今作は2002~2021年の間に発表された音源の中からウェラー自身が選曲したシングルB面曲、リミックス、アルバム未収録曲などをCD3枚にまとめたものです。(このような編集盤は2003年リリース『Fly On The Wall』以来。)

ポール・マッカートニー70歳の誕生日を記念しカヴァー、その日だけダウンロードが可能だったビートルズ「Birthday」のカヴァー(2012年)は今回初CD化♪
レコード・ストア・デイ2013で発売された7インチ・シングル収録「The Olde Original」、キャリア初の映画サントラ『Jawbone』(2017年/日本未公開)の楽曲、「悲しき願い」ぽく大胆にメロディをアレンジした「How Sweet It Is (To Be Loved By You)」カヴァー、2021年作『Fat Pop』収録曲「Cosmic Fringes」の10分を超えるペット・ショップ・ボーイズRemixほか全31曲。

本日はディスク2より、ソロ初期作(90年代前半)を想起させる風通しの良いロック・ナンバー「Alone」を今日の1曲に。

ブックレットには本人による各曲コメントが掲載されており、「Alone」は元々友人スティーヴ・エリス(ラヴ・アフェアー)のために書いた曲だったとのこと。
2005年作『As Is Now』楽曲のシングルB面としてリリース、2006年発売の日本独自企画盤にも収録されましたが、「こんなに良い曲だったかな!?」と、このコンピのおかげで再発見できました。東尾沙紀



2022年11月17日(木) Everly Brothers 「Gone Gone Gone」

エヴァリー・ブラザーズを初めて聴いたのは、今から58年前の今頃の季節でした。

1964年の秋から冬にかけてのある日、ラジオから軽快なリズムでハーモニーに特徴のある曲が流れ始めました。
それが「ゴーン・ゴーン・ゴーン」でした。

彼らのヒット曲はまだ1曲も知らない時期で、ビートルズやビーチ・ボーイズがエヴァリー・ブラザーズのことを大好きだったことも、まだ知りませんでした。
しかし、「ゴーン、ゴーン、ゴーン」は大好きになりました。

そんな想い出の曲が入っているエヴァリー・ブラザーズのCDが本年発売になりました。

The Everly Brothers『Hey Doll Baby』
(輸入CD Warner 603497842643)

ケイデンス・レーベルからワーナーへ移籍してからの音源17曲を収録。
エヴァリー・フリークのエイドリア・ペティ(トム・ペティの娘)さんが選曲し、ライナーも書いています。

いい音楽が親から子へ、きちんと伝承されていることがこのCDは証明してくれています。すばらしい! 森 勉



2022年11月18日(金) Jeb Loy Nichols 「I've Enjoyed As Much Of This Good Life (As I Can Take)」

2022年も11月下旬に差し掛かり、なんだか忙しない感じになってきましたね。
例年のことながら、「あれもこれもやらなきゃ...」と考えているうちに、年が明けてしまうのでしょうか...。

時間に追い詰められて焦ってしまう。
そんな時は、今日入荷したこの1枚を聴いて、心を落ち着かせたいと思っています。

ジェブ・ロイ・ニコルズ『The United States Of The Broken Hearted』
(国内仕様CD 大鷹俊一氏による解説付  BRONU161 2,035円税込/輸入LPもあり)

ジェブ・ロイ・ニコルズは、米国ワイオミング生まれミズーリ州育ち。1980年代にロンドンへ移り現在はウェールズ在住の男性シンガー・ソングライター/画家。本作はエイドリアン・シャーウッドをプロデューサーに迎えた2022年作。

プライマル・スクリームのマーティン・ダフィや、ホレス・アンディの作品にも参加しているチェロのイヴァン・ハシーが加わり、エイドリアン・シャーウッドが手掛けたOn-Uサウンドながら、ジェブ・ロイらしい朴訥とした歌い方は変わらず。
全体的にほのぼのとした雰囲気で、ジェブ・ロイに「急がなくていいんだよ」と語りかけられているようです。

全12曲中、渋いカヴァー3曲もありますが、やはり彼のオリジナル曲が良いですね。
今日のこの1曲は、さりげない生きる喜びを教えてくれるような9曲目「I've Enjoyed As Much Of This Good Life (As I Can Take)」を。森 陽馬



2022年11月19日(土) Original Love 「ソウルがある」

生半可な気持ちで聴くと、火傷してしまうほど熱い、ソウルフルでロックな1枚だ。

Original Love『MUSIC, DANCE & LOVE』
(国内CD 初回限定盤DVD付 VIZL-2103 5,500円税込/通常盤 VICL-65731 3,300円税込)

「何度でもはっきり大声でアピールしよう。この侵略戦争をストップしろと。
何度でも繰り返し諦めずアピールしよう。この侵略戦争に反対であると。」
と繰り返される「侵略」を1曲目へ据えたところに、田島貴男の覚悟を感じさせる。

そして、「接吻」新ヴァージョンやファンキーな「ソングライン」等が続き、ラスト11曲目が「ソウルがある」だ。

「お前達の事情でそのスイッチをゲームをするように押すな。
ミサイルを撃つな。ミサイルが落ちたそこには、
ソウルがある。ソウルが血を流している。愛が生きている。愛が叫び声を上げている。」
何かが乗り移り泣き叫ぶようにシャウトする田島貴男の情念を、是非受け止めて欲しい。

なお、この「ソウルがある」は、最後にこう歌われている。
「愛がある。愛がやさしくあなたを包む。」

タイトル『MUSIC, DANCE & LOVE』通り、人生には、音楽がありダンスがあり、そして愛があるのだ。森 陽馬


2022年11月20日(日) Barry Mann 「It Couldn't Happen To A Nice Guy」(demo)

オーストラリアのマニアックなレーベル、ティーンズヴィルより、60'sポップス・ファンをまた喜ばせてくれるコンピCDが出ました。

V.A『It's Wonderful Being Young! ~Precious Pop Obscurities & Rarities 1962-1967』
(輸入CD 24ページブックレット付 Teensville TV1057)

今回のテーマは男性シンガー&グループものです。
全34曲、約79分収録。

このレーベルのコンピらしく、相変わらず無名なアーティストとヒットしなかった曲が満載ですが、これまた相変わらず、すてきな曲ばかりなのです。何曲かご紹介しましょう。

まずは、フィラデルフィアのHeritageレーベルから出たU.S.フォーというコーラス・グループ。
全く知らない人たちですが、ここに入っている2曲が共にピート・アンダース&ヴィニ・ポンシアの作品。
オリジナル・シングル欲しくなってしまいます。

1966年発表のヒット曲「98.6」で有名になったキースが、その前年に発表していたキース&アドミレイションズ名義の「ドリーム」という曲は、ジェリー・ロス&ジョー・レンゼッティの作品。

名の知られた所だと、ジョニー・ティロットソン1966年のシングル・オンリー曲「ハロー・エネミー」。
12弦が入ったフォーク・ロック調の曲で、アレンジはチャーリー・カレロ。

今日の1曲は、バリー・マンの未発表デモ音源「It Couldn't Happen To A Nice Guy」を。
ボビー・ヴィーのアルバムの中の1曲として発表された曲ですが、作者の歌で聴けるなんて・・・。
至福の2分間、ありがとう。森 勉



2022年11月21日(月) The Jack Moves 「Lionel Richie」

今月のソウル新譜、オススメのこの1枚!

ザ・ジャック・ムーヴス『Cruiserweight』
(国内仕様CD 日本語解説付 REDN-40 2,750円税込)

ジャック・ムーヴスは、アメリカ/ニュージャージー州を拠点に活動している白人シンガーZee Desmondesと、黒人ミュージシャンTeddy Powellによるソウル・ユニット。

1stアルバム『The Jack Moves』(
2016年1月23日今日のこの1曲で紹介)、2ndアルバム『Free Money』(2019年1月4日今日のこの1曲で紹介)は当店でも大好評でした。
本作『Cruiserweight』は約4年ぶりとなる3枚目のオリジナル・アルバムです。

ヴィンテージ感溢れるメロウなスウィート・ソウル・マナーに、グルーヴィーな80's的要素も加味された全10曲。
今日のこの1曲は、名シンガーのライオネル・リッチーを曲名にした80'sファンクな①「Lionel Richie」を。
イントロを聴いて、久保田利伸「Dance If You Want It」を個人的には想い出しました。森 陽馬



2022年11月22日(火) 朝比奈マリア 「ディスコ・ギャル」

今日の1曲は、山下達郎コーラス・ワークスの中でも、あまり知られていないものです。
1979年に発売され、埋もれたままになっていたアルバムが再発されました。

朝比奈マリア『MARIA』+2
(国内CD MHCL-30781 2,200円税込)

1970年代の後半、モデル&タレントとして活動していた彼女が、1979年6月21日にアルファ・レコードから発表した唯一のアルバムです。
今回の再発盤には、1979年4月に先行発表されたシングル・ヴァージョンもうれしいことにボーナス・トラックとして追加収録されています。

さて、山下達郎のコーラスですが、シングルA面&アルバムA面1曲目に収められている「ディスコ・ギャル」に入っています。
コーラス・アレンジ&実際のコーラスにも、吉田美奈子と共に参加しています。(吉田美奈子さんの声の方が、7:3でよく聴こえます。)

この曲の他にも、多くのミュージシャンが参加して、当時17歳のマリアちゃんを盛り上げています。
細野晴臣、坂本龍一、松任谷正隆、林立夫、高橋幸宏、松原正樹、吉川忠英、斉藤ノブ、浜口茂外也、etc...。
ちなみに、朝比奈マリアは、雪村いづみの娘さんです。

このCDは、ソニーのAldelight City Pop Collectionの1枚として発売になりました。
他には、伊藤銀次『ベイビー・ブルー』、国分友里恵『Do You Love Me?』、高田みち子『TOKYO GIRLS TALK』(松木恒秀ギター&プロデュース!)、比屋定篤子『ささやかれた夢の話』、楠瀬誠志郎『冒険者たち』等、全10種が出ました。森 勉



2022年11月23日(水) Paris Match 「真昼の別れ」

ミズノマリと杉山洋介のユニット、Paris March(パリス・マッチ)が15年ぶりとなるカヴァー・アルバムをリリース♪

Paris Match『Our Favourite PopⅡ~Tokyo Style~』
(国内CD VICL-65745 3,300円税込)

2007年1月に発表された洋楽カヴァー・アルバム『Our Favourite Pop』以来となる第2弾は<邦楽編>です。
(2007年作も最新リマスター&ボーナス・トラック追加で再発されました!)

ボッサ・アレンジが爽やかな山下達郎「あまく危険な香り」に始まり、濱田金吾「夜風のインフォメーション」、尾崎亜美「マイ・ピュア・レディ」、郷ひろみ「入江にて」、唯一の既発曲サーカス「Mr.サマータイム」(2008年『Flight 7』収録)他、有名どころから隠れた名曲まで...どの楽曲も見事にParis Matchカラーに染められた耳がとろけるカヴァー・アルバムです。

♪そう 私は今 貴方の中の古びたアナログ♪
のフレーズが耳に残る高橋真梨子「真昼の別れ」(2003年)は、当時からParis Matchの世界観と近いものを感じていたそう。
ミズノさんの艶っぽい歌声にもぴったりの大人の恋の終わりと切ない女心を歌った名曲です。

9月に先行配信もされ、杉山さんが大好きな曲だという松原正樹「Pale Moon」のカヴァーはご本人の音源からギターパートを抜き出し再構築したもの。お二人とも縁深い松原さんとの時空を越えた共演も話題となっています。東尾沙紀



2022年11月24日(木) 高田みち子 「Doesn't Mean Much」

2022年11月22日今日のこの1曲で紹介した朝比奈マリアと同様に、ソニーのALDELIGHT CITY POP COLLECTIONシリーズとして発売された中から、絶対にオススメしたいのがこの1枚です。

高田みち子『TOKYO GIRLS TALK』
(国内CD 2022年リマスタリング MHCL-30788 2,200円税込)

2002年に『MICHIKO SONGS』をインディーズからリリース後、ソニー・ジャズから2004年にメジャー・デビューし、現在も地道に活動を続けている実力派女性シンガー、高田みち子さん。
2008年に発表した『TOKYO GIRLS TALK』は、名盤ながら永らく入手困難となっていました。

プロデュースは松木恒秀氏、バック・バンドがWhat Is Hip!(松木恒秀、岡沢章、渡嘉敷祐一、野力奏一)&ゲスト日野皓正という強力布陣で、シティ・ポップ好きの若い世代にも聴いてもらいたい素晴らしいサウンド♪

今日のこの1曲は、しっとりと聴かせる「Doesn't Mean Much」を。
高田みち子さんの表現力豊かな歌声が魅力的なバラード・ナンバーです。

ちなみに、タイトル曲「Tokyo Girls Talk」とこの曲がカップリングされた高田みち子さんの初7インチ・アナログ盤が、ソニー公式サイトのオーダーメイドファクトリー/オーダーメイド・ヴァイナルに掲載されています。
期間中の予約が規定数に達すればプレスされるというシステムで現在89%!(
こちらのサイト参照)
達成されることを祈り、また、本秀康さんがジャケット・イラストを手掛けたメジャー1st『Night Buzz』(2004)、2nd『TALEA DREAM』(2005)がいつかLP化されることも期待したいですね。森 陽馬



2022年11月25日(金) 大瀧詠一 「あつさのせい」(フルサイズ・ヴァージョン)

大滝詠一のファースト・アルバム『大瀧詠一』がベルウッド・レコードから出たのは、1972年11月25日のことでした。

それから半世紀・・・。
50周年記念盤がCD2枚組で本日発売されました。

大瀧詠一『乗合馬車 (Omnibus)』
(国内2枚組CD 64ページブックレットにインタビュー、解説、歌詞付 SRCL-12345 4,290円税込)

1995年にソニー内のダブル・オー/Yoo-Looレーベルから出た『大瀧詠一』では聴けなかったヴァージョンも収められていますので、やはり手に入れておかないとね。

今回の目玉は、個人的に「あつさのせい」です。

<フルサイズ・ヴァージョン> 3分12秒
<インスト・ヴァージョン> 3分20秒
<リハーサル・ヴァージョン> 3分21秒

この3つのヴァージョンが今回初お目見得です。
ちなみに、通常ヴァージョンは2分43秒。

大滝詠一のいろいろなアイディアが詰め込まれた熱いヴォーカル。
そして録音当時はまだ21歳だった林立夫のスカッとするドラミング。
特に、間奏に入るところのスティックさばきが最高。森 勉



2022年11月26日(土) Neil Young with Crazy Horse 「Chevrolet」(シボレー)

「古いコルベットで走っていると、俺たちの赤ん坊ができた、と新しい女が言った。
そのうち音沙汰が無くなり・・・。お互い若くて愚かだったが、それも過ぎたことだ。
過去に一度だけ道を誤ったが、それはもう引き返せない道。既に曲がってしまった道だ。」
(「ニール・ヤング「シボレー」歌詞より)

ニール・ヤングの新作『ワールド・レコード』は2枚組で、ディスク1は地球環境をテーマにした歌が中心の9曲入。
ディスク2は2曲しか入っておらず、そのうちの1曲が15分に及ぶ「シボレー」です。

ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース『World Record』
(国内CD 解説・歌詞・対訳 WPCR-18574 3,300円税込)

クレイジー・ホースの骨太な演奏とニールのギターが炸裂する、“これぞニール・ヤング!”な「シボレー」は、サウンドだけ聴くと、シボレー(車)讃歌かと思いきや、センチメンタルな想い出も込められた歌詞が印象的な1曲でした。

特に、上記歌詞の最後の行「もう引き返せない道。既に曲がってしまった道だ。」という一節がいいですね。
道を誤りながらも、曲がりくねりながら進んでいく。まさに、人生を象徴している歌なのかもしれません。

リック・ルービンのシャングリラ・スタジオにてヴィンテージ楽器を使いレコーディングしたアナログ・サウンドも、ニールの半生を踏まえた上で聴き込めば、より奥深く感じられると思います。森 陽馬


2022年11月27日(日) Molly Lewis 「Miracle Fruit」

ロサンゼルスを拠点に世界で活躍している女性ホイッスラー(口笛奏者)、Molly Lewis。
美しいジャケット・アートワークが目を引く、幻想的な口笛×ブラジリアン・テイストの2022年発表2nd EP♪

Molly Lewis『Mirage』
(輸入CD JAGJAGUWAR JAG431/輸入LPもあり)

誰もいない砂浜、穏やかな波音、美しい夕日...
彼女の流麗な口笛を聴きながら目を瞑っているとそんな夢の島に居るような気分に浸れます。

今作のプロデュースを手掛けたのは、2021年のデビューEPと同じくSharon Jones & The Dap-tonesなどで知られるThomas Brenneck。
彼女と殆どの曲を共作&ギターにブラジルの人気ミュージシャンRosê、ブラジル人パーカッショニストGibi Dos Santos、意外なところではロジャー・ジョセフ・マニングJr.(ex.ジェリーフィッシュ)がキーボードで参加しています。

ウエスタン映画のワンシーンのような「The Green Ray」、ナット・キング・コールの歌唱で知られる「Nature Boy」のカヴァーなど全6曲。Rosêの心地良いギターにも注目の「Miracle Fruit」を今日の1曲に。東尾沙紀



2022年11月28日(月) ジョアン・ジルベルト 「ウェイヴ」

今日は、トミー・リピューマがプロデュースしたボサノヴァのアルバムを。

ジョアン・ジルベルト『AMOROSO』(イマージュの部屋)
(国内CD 解説・歌詞付 WPCR-17252 1,320円税込)

1976年11月にニューヨークで録音され、1977年に発表されました。
レコーディング・エンジニアはアル・シュミット。
素晴らしい音に仕上がっています。

ジョアン・ジルベルトの歌とギターを中心に、シンプルなリズム・セクションと美しいストリングスが心地良さを運んできてくれます。

オーケストラを指揮しているのは、フランク・デカロ。
トミー・リピューマとは幼馴染のニック・デカロの弟!
これまた、いい仕事をしています。

ジョアンは本作の中では、英語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語と、いろいろな言語で歌っています。
今日の1曲は、ポルトガル語で歌っているアントニオ・カルロス・ジョビン作の「ウェイヴ」を。森 勉



2022年11月29日(火) The Bee Gees 「Stayin' Alive」

映画『ビージーズ 栄光の軌跡』をヒューマントラストシネマ渋谷で観てきました。

ギブ3兄弟(バリー、ロビン、モーリス)によるビージーズの人生を描いた音楽ドキュメンタリー映画。
音楽的な成功や功績だけでなく、兄弟の絆・繋がり、そして光と影が素晴らしい音楽と共に映像化されていて、とても面白かったです。ビージーズのことをよくご存知でない方にこそ観ていただきたい作品ですね。

英国出身のビージーズに、エリック・クラプトンが米国行きを進言したことや、オーティス・レディングに向けて「Love Somebody」を書いたもののオーティスが事故死し彼のレコーディングが実現しなかったこと、映画『サタデー・ナイト・フィーヴァー』の大ヒットにより当時アメリカでは反ディスコの波があったことなど、新しい発見も多数ありました。

特に、映画『サタデー・ナイト・フィーヴァー』の主題歌として有名な「Stayin' Alive」(ステイン・アライヴ)が、恋やディスコのことを歌っているのではなく、「苦難があっても今を生きるんだ」というメッセージ・ソングだったことを、今更ながら実感しました。

ロビン、モーリスが亡くなり、残されたバリー・ギブが「Stayin' Alive」を歌う場面が、最後の方で流れます。
兄弟の想い出とこの歌詞が合わさって、グッときましたね。

ちなみに本作を監督したフランク・マーシャルは、音楽ドキュメンタリーの次作として『Carole King & James Taylor : Just Call Out My Name』も監督したそうで、そちらもいつか日本公開されるといいですね。森 陽馬

★掲載ジャケットは、ビー・ジーズ『アルティメイト・ベスト』。
(国内2枚組CD 「Syain' Alive」他全40曲収録 UICY-15769 3,080円税込)



2022年11月30日(水) スカート 「私が夢からさめたら」

スカートの澤部渡によるレギュラーラジオ番組は2つあります。
『GOODYEAR MUSIC AIRSHIP~シティポップレディオ~』(TOKYO FM 毎週土曜日11時~)と、『NICE POP RADIO』(FM京都 毎週金曜日20時~)。
どちらも、選曲や造詣が深いだけでなく、彼の音楽愛が伝わってくるんですよね。
ゴキゲンなプログラムで毎週聴いています。

そのスカートがメジャー4作目となる久々のオリジナル・フルアルバム『SONGS』を発表しました。

スカート『SONGS』
(初回限定アルバム全編弾き語りCD付 先着特典クリア・ファイル PCCA-6170 3,850円税込)

コロナ禍の影響で曲作りができずスランプ状態だった、とのことですが、それを全く感じさせないグッド・メロディー&ナイス・ポップなサウンドが楽しめる仕上がりです。

稲垣吾郎主演/今泉力哉監督映画『窓辺にて』主題歌の「窓辺にて」、テレビ東京ドラマ『絶メシロード』主題歌の「標識の影・鉄塔の影」、「架空の帰り道」他、全13曲収録。

今日のこの1曲は、9曲目「私が夢からさめたら」を。
3分弱の間に、この3年間で積み重なった様々な悲喜交々が感じられるナンバーです。森 陽馬





これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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