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  今日のこの1曲 “Archives”

<2019月1月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2019年1月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>

2019年1月1日(火) ステファン・グラッペリ 「I'm Confessin'」(Alternative Take)

PET SOUNDS RECORDは1月1日14時から営業開始いたしました。
2019年もよろしくお願い申し上げます。

新年1,000円以上お買い上げの方先着で、ロゴ入りお年賀タオルを差し上げております。


よろしければ、お気に入りの音楽を是非探しに来てくださいね。

さて、ゆったりした空気が流れている年始の雰囲気にピッタリの1枚を。

ステファン・グラッペリ『ジャズ・グラッペリ ~ボストン・スウィング』
(国内CD 解説付 MZCS-1380 2,400円+税)

ヨーロッパの名ヴァイオリン奏者ステファン・グラッペリが、米国ジャズメンのケニー・バレル(g)、バッキー・ピザレリ(g)、ロン・カーター(b)、グラディ・テイト(ds)と1992年ボストンにてレコーディングしたインスト・ジャズ作品。

1993年『So Easy To Remember』、日本でもビデオアーツ社から『スタンダード・ソングブック』というタイトルで発売されたアルバムが、発掘マスターテープからリマスター&ボーナス・トラック追加収録し再発されました。

「Smoke Gets In Your Eyes」、「In A Sentimental Mood」、「Night And Day」、「Love For Sale」、「How High The Moon」等アメリカン・スタンダード全13トラック中から、本編収録ヴァージョンよりもテンポを落としじっくり聴かせるボーナス・トラック⑫「I'm Confessin'」(Alternative Take)を今日のこの1曲に。森 陽馬


2019年1月2日(水) 二名敦子 「真夏のスーパースター」(村田和人作曲)

二名敦子が1987年にビクターより発表した『フルアレスント・ランプ』がリマスターされ再発されました。

二名敦子『フルアレスント・ランプ』
(国内CD NCS-10210 2,300円+税)

このアルバムは全曲彼女の作詞作曲で、収録曲全てを自作で占めたのは初めてのことでした。
それまでのアルバムにも自作曲は収められていましたが、どちらかと言えば他のソングライターに曲を提供してもらうことが多かった彼女にしては、この『フルアレスント・ランプ』はかなりの意欲作だったと想像できるのではないでしょうか。

プロデュースはパラシュートやAB'sでキーボードを担当し、作詞家としても多くのシンガーに作品を提供していた安藤芳彦。(「一本の音楽」、「ボーイズ・ライフ」など村田和人の一連の作詞でもおなじみですね。)

参加ミュージシャンは島村英二、山木秀夫、高水健司、芳野藤丸、今剛、松原正樹、倉田信雄、中西康晴、浜口茂外也など、そしてアレンジは船山基紀、萩田光雄など、錚々たるメンバーが集まっています。

彼女のヴォーカルはそんなバックの音にあまり気負わず、自然体で歌っているところがこのアルバムの聴きやすさにも繋がっていると思います。

さて、このCDにはボーナス・トラックが2曲追加収録されています。
なんと、未発表曲を新録したものです。

2曲とも作曲:村田和人、作詞:二名敦子。
8年ほど前、二名さんがライヴ活動を復活するきっかけを作った村田和人が、4年半ほど前に彼女へプレゼントした16ビート曲とバラードです。
まさに村田メロディーと言えるイイ曲で、CD化に感謝。

軽快なリズムの「真夏のスーパースター」を今日のこの1曲に。
在りし日の村田さんを想い出さずにはいられない言葉があちこちに登場する村田愛に溢れた1曲です。

このCDはタワー・レコード限定商品なのですが、二名敦子さんのご厚意により、当店でも販売させていただいております。森 勉



2019年1月3日(木) 桑田佳祐&The Pin Boys 「レッツゴーボウリング」

正月三が日もあっという間に過ぎてしまいました。
皆さんはいかがお過ごしでしたでしょうか。

武蔵小山商店街は例年以上に人出が多かったです。
平常の賑わいと違って、この時期歩いている人々皆、華やかで幸せそうなのが伝わってきますよね。

普段は閑古鳥が鳴いている当店にもお正月から多くのお客様にお立ち寄りいただきました。
というのも、昔は多かった1月1日新譜が年々少なくなる中、2019年はこの人の新曲が出たおかげもあります。

桑田佳祐『レッツゴーボウリング』
(CD 限定ピンバッチ&先着ステッカー付 VIZL-2000 1,111円+税)

桑田佳祐&The Pin Boysが主催するボウリング大会<KUWATA CUP>公式ソング。
♪ボウリングをしませんか ボウリング場に来ませんか♪という歌詞に、中山律子や岩上太郎他ボウリング界レジェンドの名前が織り込まれるなど、まさに“ストライク”なボウリング讃歌な1曲。

桑田佳祐が近年書く歌は、哀しみや辛さではなく、生きていく上での楽しさや感謝が伝わってきて良いですよね。

なお、2曲目にはインスト・ヴァージョンが収録。
このインストを聴いて、曲中2分過ぎ、ボーリングのピンを倒す音が入っているのに気付きました。森 陽馬



2019年1月4日(金) The Jack Moves 「Free Money」

2016年1月23日今日のこの1曲で紹介した新世代ソウル・ユニット、ジャック・ムーヴス。

当店でも大好評だったアメリカ/ニュージャージー拠点に活動中のZee Desmondes&Teddy Powell2人組。
約3年ぶりとなる新作2ndアルバム『Free Money』を2018年末発表しました。

ザ・ジャック・ムーヴス『Free Money』
(国内仕様CD 日本語解説付 REDN-0007 2,400円+税)

ベン・ハーパーの初期作を手掛け、ジャック・ジョンソンを世に送り出したJPプルニエとの共同プロデュース作。

1stアルバム『The Jack Moves』に引き続き、スウィート・ソウルマナーな歌声とメロディー。
そして、ヴィンテージ感あるサウンドに、現代的スタイリッシュな雰囲気の楽曲も加味した仕上がりの全13曲です。

今日のこの1曲は、ベン・ハーパーが参加し、独特な浮遊感と美しさを併せ持った不思議な魅力を放つスローナンバー13曲目「Free Money」を。森 陽馬



2019年1月5日(土) Pegi Young 「Don't Let Me Be Lonely」 feat Neil Young

年始早々、ニール・ヤングファンにはショッキングなニュースが飛び込んできました。

<ニール・ヤングの元奥方、Pegi Youngが2019年1月1日癌のため逝去。享年66歳。>

1978年から36年間ニールと連れ添うも、2014年衝撃の離婚。
ニールはダリル・ハンナと2018年再婚し元気いっぱいですが、ペギさんはどうしてるのかな、と思った矢先...。

ニールを責める方もいらっしゃるかもしれませんが、彼自身が一番悲しい想いをしていると思うんですよね。
だから、切ないけれどあんまりニールを責めないでほしいな。長い夫婦生活、色々あったでしょうし、、、。

(2018年ブリッジ・スクール・ベネフィットを行わなかった際、ニールは「パーソナルな理由」と声明を出し、離婚が原因だろうなんて言われていましたが、実際はペギさんが病気だったため行わなかったのでしょう。)

ということで、今日は哀悼の意を込めペギ・ヤング2014年発表作から、ニール・ヤングがギター参加した曲を。

Pegi Young『Lonely In A Crowded Room』
(輸入CD NEW WEST RECORDS NW6322 「Don't Let Me Be Lonely」収録)

なお、ニール・ヤングは1月下旬から米国でソロ・ライヴを6本。
2月3、4日にカナダでクレイジー・ホースを引き連れコンサートを行う予定になっています。森 陽馬



2019年1月6日(日) 西田佐知子 「くれないホテル」

年始に、NHKで『うたテクネ』という番組が放送されていました。
60~70年代の''まだミュージックビデオが一般的ではなかった時代の名曲''に、現代のクリエイターが新たな感覚で映像をつけるというものでした。

ニューオリンズのセカンドラインをCGアニメで表現した大滝詠一「ロックンロール・マーチ」、水中を揺らめく女性の柔らかな曲線を描いたアニメーションがアダルトな曲の雰囲気にぴったりだった来生たかお「マイ・ラグジュアリー・ナイト」、赤・青・黄の衣装の女性ダンサー27名が踊りまくる青山ミチ「ミッチー音頭」など。
30分ほどの番組でしたが、作家さん達の個性が光る映像の面白さは勿論、楽曲を改めて知るきっかけになりました。

中でも、最初に流れた西田佐知子さんの「くれないホテル」は、ゆったりとしたワルツのイントロから心を鷲掴みにされ、うっとり聴き入ってしまいました。

作詞:橋本淳、作曲/編曲:筒美京平による69年発表のシングル。
恋に破れた女性の心情を歌った切ない失恋ソング...当時ヒットしなかったとのことですが、ミュージシャンでフェイバリットに挙げている方も多く、長く愛されている曲だということを知りました。

色っぽさのなかに可愛らしさが滲む歌声と、素晴らしいアレンジ。何度聴いても胸がときめきます。

2019年早々、自分が今まで知らなかった素敵な名曲に出会えました。東尾沙紀

★掲載ジャケットは、「くれないホテル」収録の『ゴールデン☆ベスト』
(国内CD UPCY-9269 期間限定価格 951円+税)



2019年1月7日(月) ビョーンズ 「そろりっそわ」

2018年5月発売されたビョーンズのファースト・アルバム『シリー・ポップス』は、聴いていてとても気持ちの良いアルバムなので、いまだに店でよく流れています。

そんなこともあり、
<2018年ベスト・アルバム>の1枚に選ばせていただきました。
東京インディーズ・シーンから登場した期待のグループです。

bjons(ビョーンズ)『シリー・ポップス』
(国内CD HAYABUSA LANDINGS HYCA-3070 2,000円+税)

メンバーはこのアルバムの曲をすべて作詞作曲しているヴォーカル&ギターの今泉雄貴、リード・ギターの渡瀬賢吾、ベースの橋本大輔による3人。
サポートとしてキーボードに谷口雄、ドラムスに岡田梨沙が参加しています。

直球勝負のような清々しさがあるサウンド、朴訥としたヴォーカルと魅力的なギターの音色が耳に残ります。

今日のこの1曲はいい曲ばかりでどれにするか迷いますが、ラストに入っている「そろりっそわ」を。

もうちょっとギター・ソロを聴きたいのに、というところでフェイドアウトしてしまうニクイ演出もなかなかのセンスと感じました。

ライヴを是非見たいと思っているので、ライヴ活動の再開を首を長くして待っています。森 勉



2019年1月8日(火) DJAVAN 「Cedo Ou Trade」

ナスDではありません。(ちと古いか)

ブラジルの男性シンガー・ソングライター、ジャヴァン。
2018年末に新作『VESUVIO』を発表しました。

DJAVAN『VESUVIO』
(輸入CD ブラジル・プレス SONY 19075900732)

ジャケットはこんなですが、朗らかで穏やかな歌声は健在。
青い広々とした空が目に浮かぶようなオーガニック・サウンドも変わらずゴキゲンですね。

今日のこの1曲は5曲目「Cedo Ou Tarde」。

1982年発表1st『ルース』の頃を彷彿とさせるポップセンスとグルーヴ感を併せ持ったナンバーです。
一足早い春をも感じさせてくれる1枚。森 陽馬



2019年1月9日(水) SILVA 「Milhoes De Vozes」

破壊王ヴァンダレイ・シウバではありません。(かなり古いな)

1988年生まれ2012年デビュー、ブラジルの若き男性シンガー・ソングライター、シルヴァ(Lucio Silva Souza)。

2018年末に発売されたアルバム『Brasileiro』がとにかく素晴らしい!

シルヴァ(SILVA)『BRASILEIRO』
(国内CD 歌詞・対訳付 THCD-546 2,300円+税)

デビュー初期はエレクトロニカなサウンドでしたが、今作はアコースティック&オーガニックな音作り。
シンセが入った曲も数曲ありますが、生音と融合して全体的に心地良い空気が流れています。

特にシンプルなギターと共に歌われる10曲目「Milhoes De Vozes」。

カエターノ・ヴェローゾの温もりと、ジョアン・ジルベルトのミニマリズムを合わせたような肌触り。
社会情勢やSNSの雑音と距離を置き、自らの音楽を志す決意が表れた今作。それを象徴する詞も良いですね。

乾ききった砂漠の中で、希望という名のオアシスを見つけたような、そんな1枚。森 陽馬


2019年1月10日(木) Angelique Kidjo 「Once In A Lifetime」

アンジェリーナ・ジョリーではありません。(古いとかじゃなく全然違うし)

1960年ベナン共和国生まれ、アフリカ発女性シンガー、アンジェリーク・キジョー。
2018年末に発表したアルバムがすんごくカッコイイのです。

アンジェリーク・キジョー『Remain In Light』
(国内仕様CD 日本語解説付 UNCD018 2,300円+税)

タイトルでピンときた方はその通り!
トーキング・ヘッズ1980年発表ロック名盤『リメイン・イン・ライト』をカヴァーした作品。

ジェフ・バスカーによるプロデュースで、リオネル・ルエケやトニー・アレン他アフリカ系ミュージシャンに加え、ピノ・パラディーノ、エイブラハム・ラボリエル、クエストラヴ、チャールズ・ヘインズ、更にはアリシア・キーズ等も参加。

トーキング・ヘッズ『リメイン・イン・ライト』はアフリカ音楽に影響を受けたデヴィッド・バーンとブライアン・イーノ(プロデューサー)がNEW WAVE的感覚で仕上げた1枚でしたが、それを現代アフロ・ビートでアップデート。
全9曲、ビックリするくらいグルーヴ感溢れるアレンジでとにかく最高!

今日のこの1曲は、彼女がトーキング・ヘッズを知るきっかけになったという④「Once In A Lifetime」を。森 陽馬



2019年1月11日(金) The Who 「My Generation」

映画『マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!』を先日鑑賞してきました。

イギリスの名優マイケル・ケインがプロデューサー/ナビゲーターを務め、自身の生い立ちと共に、 音楽、ファッション、アート、ドラッグと、カラフルな若者文化が花開いた60年代イギリスに焦点を当てたドキュメンタリーです。

ビートルズ、ローリング・ストーンズ、マリアンヌ・フェイスフル、マリー・クヮント、ヴィダル・サスーン、デイヴィッド・ベイリー、ツィギー...など当時の貴重映像や、音声のみですが今作のために録られたポール・マッカートニー、ロジャー・ダルトリー他様々な人物のインタビューも盛り込まれています。

階級社会の中、自身で道を切り開いてきたマイケル・ケインだからこその力強い言葉にも最後グッときました。

今日の1曲は、映画のタイトルとなり、オープニング映像でも印象的に使われているザ・フー「My Generation」を。
あのイントロとオープニング映像だけでもご飯10杯はいけそうです。


今作の字幕監修を担当したピーター・バラカンさんによると、本編を彩るブリティッシュ・ロックの数々は、映像と詞がリンクするように使われているとのことです。東尾沙紀

★掲載ジャケットはザ・フー「My Generation」収録2枚組ベスト『アルティメイト・コレクション』。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-76293 限定価格 1,667円+税)



2019年1月12日(土) Mac DeMarco /Haruomi Hosono 「HONEY MOON」

2019年3月は大滝詠一ライヴ盤発売が楽しみですが、細野晴臣氏の新作も発売決定しました!


細野晴臣『HOCHONO HOUSE』
(2019年3月6日発売 国内CD VICL-65086 3,000円+税)

1973年発表、狭山/アメリカ村に当時あった細野さんの自宅でレコーディングされた名盤『HOSONO HOUSE』。
その収録曲を今の細野さんが新たにレコーディングしたアルバムです。

『HOSONO HOUSE』(1973)に参加していた松任谷正隆、鈴木茂、林立夫も参加。
どんな再構築がされているのか楽しみですね。

さて、今日のこの1曲では、細野さん関連で新年リリースされた盤を紹介しておきましょう。

Mac DeMarco/Haruomi Hosono『HONEY MOON』
(輸入アナログEP Light In The Attic LITA45-038)

1990年生まれカナダ出身男性シンガー・ソングライター、マック・デマルコ。
彼が細野晴臣「HONEY MOON」(1975年発表『トロピカル・ダンディー』収録曲)を日本語でカヴァーしたEP盤!

細野晴臣へのリスペクトが伝わってくる浮遊感漂うハニームーン♪
B面には細野さんのオリジナル・ヴァージョンも収録されています。森 陽馬



2019年1月13日(日) T-GROOVE 「Groove For Free」 feat Jovan Benson

cero、Suchmos、Nulbarich、wonk、そして星野源。
近年の日本ポップスは、ソウルフルなサウンド志向の作品が多く輩出されています。

中でも、T-GROOVEは2018年影のMVPと言える存在でしょう。

2017年発表1st『Move You Body』(
2018年3月19日今日のこの1曲で紹介)、フランス発ユニットTWO JAZZ PROJECTと組んだ2018年作『NU SOUL NATION』(2018年5月19日紹介)がロングセラー&大好評でした。

更に2018年末リリースしたアルバムが、これまたソウル/ディスコファン必聴の素晴らしい1枚!

T-GROOVE『Get On The Floor』
(輸入CD Diggy Down DDR013)

T-GROOVEは1982年生まれ青森県八戸市出身日本人ミュージシャン/トラック・メイカー。
彼が生まれた頃のDISCO/ブギーな要素を前面に押し出し、ダンサブルかつメロウなSOULを楽しめる快作です。

今日のこの1曲は、ベースがブリブリ鳴っててタイトル通りグルーヴ全開な⑪「Groove For Free」を。森 陽馬


2019年1月14日(月) ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ 「Snow Queen」

1月中旬になり、東京もかなり冷え込んできました。
日中は10℃近くあっても、夜になると1~2℃しかない日が続いています
北国の方にとっては1℃あれば暖かい、と言われそうですが、...。

さて、空気が冷たく感じる季節になると聴きたくなる曲があります。

ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ「スノウ・クイーン」です。
(『コンプリート・ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ』収録)
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-25710 1,714円+税)

ジェリー・ゴフィン&キャロル・キング作品。
歌詞の中の冬イメージをプロデューサー、トミー・リピューマとアレンジャーのニック・デカロがうまく引き出してサウンドに反映させていると思います。

そんなスノウ・クイーンの凍てついた雰囲気を表した歌詞や音作りなのに、曲全体としてはなんとも言えない温もりを感じるのは、紅一点メンバーであるメリンダ・マクリオードによる清流のようなリード・ヴォーカルが影響しているんでしょうね。

「スノウ・クイーン」はアルバムに収録される前は、ロジャー・ニコルズ・トリオ名義のシングル「ラヴ・ソング、ラヴ・ソング」のB面として1967年に発表されています。

なお、10枚のシングル・レコードをモノラル・ヴァージョンでBOXに収めた『ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ 7インチ10枚組ボックス・セット』(国内EP UIKY-75031 10,000円+税)も発売中です。森 勉



2019年1月15日(火) Blue Rose Code 「Over The Fields」

天辰保文氏を招き、当店地下カフェアゲインにて行っているトーク・イベント『Talking Man』。
第12回目が2019年2月18日(月)開催決定いたしました。

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2019年2月18日(月)
PET SOUNDS RECORD presents
天辰保文 Talking Man Vol.12 リトル・フィート特集
ライヴ・カフェ アゲイン(武蔵小山)
18時半開場 19時半開演 入場料1,500円
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今回のお題は<リトル・フィート特集>の予定です。
2019年で結成50周年となるリトル・フィートの魅力を、レコードを聴きながら天辰保文氏に語っていただきます。
よろしければ是非お立ち寄りください。

今日は、2018年10月のイベントにて天辰保文氏が最近気に入っている作品として紹介してくれた1枚を。

Blue Rose Code『The Water Of Leith』
(輸入CD NAVIGATOR RECORDS 103)

エジンバラ生まれイースト・ロンドン育ち、現在はスコットランドを拠点に活動しているROSS WILSONによるユニット、Blue Rose Code。2017年発表アルバム。

慈愛に満ちたシンガー・ソングライター的側面に、ポップな楽曲と叙情的なサウンドが合わさった傑作。
なお、このユニット名は、デヴィッド・リンチ監督映像作『ツイン・ピークス』に出てくる謎の1つ<Blue Rose事件>から取られていると思われます。森 陽馬


2019年1月16日(水) THE TEETH 「Dream In The Countryside」

マイクロスター/佐藤清喜ワークスお好きな方、要チェックの1枚が発売決定!

THE TEETH『THE TEETH』
(2019年1月25日入荷予定 国内CD 1,800円+税)

THE TEETHは水野直希とまっちゃんによる2人ユニット。(バンド名はBMXバンディッツのダグラスが命名)
マイクロスター佐藤清喜共同プロデュースで1990年代録音されながらお蔵入りしていた作の初音源化CDです。

当時20代だった2人と佐藤清喜が作り上げたイノセンスなギターポップ作品。
フリッパーズ・ギターから連なる渋谷系の残り香を感じさせる全8トラック♪

佐藤清喜さんが手掛けたことを随所に感じられるサウンド・アレンジはマイクロスターファン必聴!

今日のこの1曲には、マイクロスター・マジックが施された極上ネオアコ・キラー・チューン④「Dream In The Countryside」を。森 陽馬



2019年1月17日(木) アルトン・マクレイン&デスティニー 「It Must be Love」

先日、渋谷を久々にゆっくり散歩しました。

昔ここにタワレコがあったな(今はサイゼリア)とか、CISCOで除川さんから教えてもらってジェイホークスとロン・セクスミスのアナログ買ったな、ハンターで100円レコード買ってウルトラの店舗を回って新譜チェックしてたな(あれ、レコード店のことばかりだ...)とか思い出しますね。

その日渋谷では、ミニシアターで映画見て、百軒店のとりかつ食べ、喫茶ライオンで一服。
渋谷の街はどんどん変化していますが、昭和な空気を感じられる店もまだ残っています。
大きくて便利な新店も良いけれど、たまには長くやっている古き良きお店に立ち寄りたいものですね。

さて、90's渋谷の音楽というと渋谷系をまずは連想しますが、フリー・ソウル・ムーヴメントも印象深いです。
橋本徹選曲・監修で良質な70~80's洋楽が再評価され隠れた名盤が再発、当時渋谷のLP店を彩っていました。

その中から、フリー・ソウルのコンピにもよく収録されていた大好きな1枚を。

アルトン・マクレイン&デスティニー『クレイジー・ラヴ』(原題:It Must Be Love)
(国内CD 完全限定盤 UICY-76177 1,000円+税)

Alton McClainと、D'Marie Warren、Robyrda Stigerによる女性3人ユニット、1978年発表名盤1stアルバム。
エモーションズ直系の華やかなソウル・サウンドとコーラス・アレンジに自然と心が躍ります。森 陽馬


2019年1月18日(金) Eric Andersen 「Blue River」

書籍『小さな呼び屋 トムス・キャビンの全仕事』(麻田浩、奥和弘共著)が本日発売。
(リットー・ミュージック 2,200円+税)

トムス・キャビンは麻田浩さんによる音楽ライヴ興行会社、俗に言う呼び屋さん。

麻田浩さんの生い立ちからトムス・キャビンができるまで。
トム・ウェイツ来日時の逸話やエルヴィス・コステロ銀座事件。
ローリング・ココナツ・レビュー、ハイドパーク・フェスの苦労話、チケット&グッズ写真資料含めとても面白い!

トムス・キャビンが関わったライヴへ行ったことがある方には是非手に取ってもらいたい1冊ですね。

マリア・マルダー、ダン・ヒックス、エイモス・ギャレット、アサイラム・ストリート・スパンカーズ、エリック・カズ、デヴィッド・リンドレー、MFQ...etc、観に行った公演色々ありますが、印象深いのはハイドパーク・フェスでしょうか。

2005年9月4日狭山・稲荷山公園、ハイドパーク・フェス2日目のあの雨はホント凄かったなぁ。
尋常じゃない豪雨で脱落者がどんどん出る中、客席前方が水たまりで湖のようになってましたからね。

それを眺めながら聴いたエリック・アンダーセン「Blue River」。
味わい深いを通り越し、修行僧の境地で響きましたよ。
(でもその後雨も止み、佐野元春→感動の細野晴臣があったんですよね)

ということで、今日のこの1曲にはエリック・アンダーセン「Blue River」を。
ちなみに、トム・ウェイツ来日前年の1976年、トムス・キャビンはエリック・アンダーセンを招聘し、シンガー・ソングライター系呼び屋の足がかりとなったそうです。森 陽馬

★掲載ジャケットはエリック・アンダーセン「Blue River」収録ベスト盤。
(『The Essential Eric Andersen』 輸入2枚組CD Real Gone RGM-695)



2019年1月19日(土) アン・マレー 「辛い別れ」

2018年12月30日今日のこの1曲で相川理沙さんについて書かせていただきました。

2018年10月からスタートし、月に一度データ配信されている
月刊誌『Rinto』
素敵なイラストが添えられた相川さんによるコラム、他アーティストへのインタビュー、ライヴ・スケジュール等掲載されており、毎月送られてくるのを楽しみにしています。

Rintoの中には、今日の1曲というコーナーがあり、相川さんが日本語詞をつけライヴでカヴァーしている洋楽曲などがコメント付きで紹介されています。
第1回目はアン・マレー「辛い別れ」(原題:You Needed Me)でした。

カナダの国民的女性シンガー、1978年発表ヒット・シングル。優々たる歌声が沁みる美しいバラードです。
邦題のイメージもあって哀しい曲だと思っていましたが、深い愛情で包み込んでくれる大事な人への感謝、その人の下を離れたとしても前へと進んでいける希望の歌でもあるのだと、相川さんのおかげで知ることができました。

2018年12月末、「つらい別れ」日本語カヴァー他弾き語り音源が収録されたCD-Rが届きました。
幸せから離れ、敢えて厳しい道をいくこともあるかもしれない...相川さんの解釈で丁寧に歌われる繊細な「つらい別れ」も素敵です。
音源は不定期だそうですが、定期購読を途中から申し込んだ方も頂けるそうなので是非チェックしてみてください。

掲載ジャケットは、「辛い別れ」の他、「スノーバード」、「ダニーの歌」、「月影のふたり」、「すてきなダンス」等全16曲を収録した『アン・マレー~ベスト・セレクション』(国内CD 解説・歌詞・対訳付 TOCP-95143 1,905円+税)です。東尾沙紀



2019年1月20日(日) Glen Campbell 「Southern Nights」

グレン・キャンベルは日本ではなかなか正当な評価をされづらい歌手の一人です。

レコードの時代はオリジナル・アルバムやベストも出ていましたが、CDの時代になってからはベストが日本盤ではほとんど発売されない状態になってしまっています。
2016年ユニヴァーサル・レコード<名盤発見伝>シリーズで1960年代後半のアルバムが3種類CD化されましたが、それだけといった感じでさびしい限りです。

今日はアメリカCapitolが2009年編集した全16曲収録ベストCDから紹介したいと思います。

Glen Campbell『Greatest Hits』
(輸入CD Capitol/EMI 68931-29)

1967~69年大ヒットしたジミー・ウェッブ作のアメリカご当地ソング3部作「By The Time I Get To Phoenix」、「Wichita Lineman」、「Galveston」、カントリー・チャートでは1968年No.1になった「I Wanna Live」、ジョン・ウェインと共演した1969年映画『勇気ある追跡』主題歌「True Grit」、1970年のヒットでこれもジミー・ウェッブ作品「Honey, Come Back」、1975年全米No.1ヒット「Rhinstone Cowboy」等、1967~77年までのヒット曲がコンパクトにまとまった内容です。

「Southern Nights」は1977年全米No.1大ヒットを記録。
当時のヒットチャートでイーグルス「ホテル・カリフォルニア」やスティーヴィー・ワンダー「サー・デューク」と競っていたのを思い出します。

作者アラン・トゥーサンのヴァージョンとは違った味わいあるグレン・キャンベルの「サザン・ナイツ」です。森 勉


2019年1月21日(月) 鈴木祥子 「ただの恋だから」

2018年12月12日発売された鈴木祥子30周年記念ライヴCD。
その発売を記念して作成していた鈴木祥子最新インタビュー・リーフレットがやっと完成しました。
すでにお買い上げいただいた方々、お待たせして申し訳ございませんでした。

今回は30周年ということで、約30の質問にアンケート形式で鈴木祥子さんにお答えいただきました。
・一番好きな自身の曲は?
・祥子さんにとって、ロックン・ロールとは?
・共演してみたいアーティストは?
・座右の銘は?、好きなプロレスラーは?等々。

その中で、<「恋」と「愛」の違いとは?>という質問に対する返答に感銘を受けましたね。
さすが、恋と愛の歌をたくさん書いてきた祥子さん!
(発売記念リーフレットはお買い上げの方に差し上げております。ご返答はそちらでご確認を。)

今日のこの1曲は、30周年記念ライヴでも歌われた恋の歌。
1998年ワーナー・ミュージック移籍第1弾アルバム『私小説』に収録されていた「ただの恋だから」を。森 陽馬

★掲載ジャケットは鈴木祥子『SYOKO SUZUKI THE COMPLETE WARNER RECORDINGS 1998→2000』
(CD4枚組 ライヴ会場及び一部店舗のみの販売 BECD-020 12,000円+税)
『私小説』(1998)、『あたらしい愛の詩』(1999)、『Love, painful love』(2000)。
入手困難だったワーナー期3作に、未発表含めデモ音源集を追加した4CD BOXです。



2019年1月22日(火) Eric Clapton 「Old Love」(『Unplugged』より)

音楽関係者と話すと「洋楽が売れなくなった」という声をよく聞きます。

実際に、タワー・レコード渋谷店は先週リニューアルされ、洋楽フロアが大幅に縮小。
ディスク・ユニオン新宿本館1F洋楽ロック・フロアも先週閉まり現在改装中とのこと。

要因として、Spotify等ストリーミング・サービスやyoutube等無料動画の影響もあるでしょう。
「最近は音楽を聴かなくなった」とおっしゃる方も多いですね。

でも、映画『ボヘミアン・ラプソディ』の熱狂ぶりを見ると、それが本当の要因なのかな、と感じるんですよね。

音楽を聴く側は、良い音楽を聴きたい、との欲求を持ち続けているけれど、提供する側・売る側がそのニーズに応えられていない現状。(これは今に限ったことではありませんが、、、)
自戒含めCD・レコード店はもっと頑張らないとなあ。(まあ、要因がどうとかではなく、これが時代なのかも。)

と、結局ボヤキになってしまいましたが、昔売れた洋楽ということで思いついた1枚。
エリック・クラプトン2019年4月来日も決まったので、1992年発表名ライヴ盤『アンプラグド』。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-80267 1,500円+税)

グラミー受賞しクラプトンの名を改めて広めた作品であると共に、『アンプラグド』ブームを作った傑作。
「Tears In Heaven」、「Layla」に混じって、渋いブルースを多くのリスナーに聴かせた功績も大きいと思います。

今日のこの1曲は、クラプトンの過去の恋愛が切なく刻まれた沁みる1曲「Old Love」を。森 陽馬


2019年1月23日(水) 竹内まりや 「さよならの夜明け」

竹内まりやデビュー40周年記念企画のひとつ、RCA時代作品をリマスターしボーナス曲を追加して再発!
その第3弾『LOVE SONGS』が発売になりました。

竹内まりや『LOVE SONGS』
(国内CD ライナーノーツ:能地祐子 BVCL-942 1,852円+税)

オリジナルLP時の発売は1980年3月5日、価格は2,500円でした。

1979年8月に出たシングル「SEPTEMBER」がオリコン39位。
その年の後半はテレビ出演も多くなり、年末のレコード大賞では最優秀新人賞は桑江和子「あなたのハートはストップモーション」になりましたが、新人賞を受賞。
1980年2月に出た「不思議なピーチパイ」はオリコン3位。
そしてこのアルバム『LOVE SONGS』は、YMO『パブリック・プレッシャー(公的抑圧)』と入れ替わり3月17日付でNo.1になり、サザン・オールスターズ『タイニイ・バブルス』に譲り渡すまで3週連続第1位を獲得しました。

「SEPTEMBER」、「不思議なピーチパイ」2曲のヒットが収録されているアルバムなので、派手というかそういうヒット曲ファンに媚びた内容になっていると思いきや、意外と渋めで、彼女のアーティスト個性(洋楽志向で自分で曲を書くシンガー・ソングライターを目指しているetc...)を活かした内容でした。
当時びっくりしつつ、感心した記憶が残っています。

さて、『LOVE SONGS』11曲中5曲がL.A.録音で、今日はその中から選んでみました。
2曲目に入っている「さよならの夜明け」は作詞:竹内まりや、作曲:山下達郎というコンビの初作品。
バックには、ジム・ゴードン、ジェリー・シェフ、ラリー・ネクテル、チャック・フィンドレー等が参加。
ジーン・ペイジならではのストリングス・アレンジも聴きものです。

そして今回もライヴ・ヴァージョンが5曲ボーナス・トラックとして収録されています。
今まで未発表だった1981年貴重なライヴ音源です。森 勉


2019年1月24日(木) The Whispers 「A Song For Donny」

ソウル・シンガー、ダニー・ハサウェイがニューヨークのホテルから投身したのは1979年1月。
当時、彼は鬱状態だったと言われています。

40年経った現在、様々な病気の特効薬が開発され医療も進歩してきました。
人間の心というのはとても難しいものだけれど、今だったら心の病に救いの手を差し伸べることができたのかな。

さて、そのダニーへ捧げた歌を今日のこの1曲に。

ザ・ウィスパーズ『The Whispers』
(国内CD 解説・歌詞付 OTLCD-5605 1,850円+税)

ウォルター・スコットとウェレス“スコッティ”・スコットによる双子の兄弟を中心に1960年代結成したウィスパーズ。
ダニー逝去1979年の年末12月に発表したSOLAR RECORDSからのアルバム。
全米R&Bチャート5週連続1位(ポップでは19位)となったファンキー・ダンス・チューン「And The Beat Goes On」。
極上スローバラード「I Love You」、メロウな「Lady」等良曲多い名作です。

その冒頭に収録されている「A Song For Donny」。
ダニー・ハサウェイによるクリスマス名曲「This Christmas」のメロディーに、新しい歌詞を付けて歌われた1曲。
聴く人の心へ、ダニーへの愛が優しく包み込んできます。森 陽馬


2019年1月25日(金) THE TEETH 「Don't Take Too Long」

マイクロスター佐藤清喜プロデュース! 幻の作品が初音源化・CD化され本日入荷しました。

THE TEETH『THE TEETH』
(国内CD TEETH-1901 1,800円+税)

THE TEETHは水野直希とまっちゃんによる2人ユニット。(バンド名はBMX BANDITSのダグラスが命名)
佐藤清喜共同プロデュースで1990年代録音されながらお蔵入り、世に出ないままになっていた音源。
2018年初夏、水野直希急逝の報を受け、佐藤清喜がCD化に尽力し作品として陽の目を見ることとなりました。

イノセントなネオアコに、マイクロスター・マジックが施されたゴキゲン・ギター・ポップ全8トラック。
佐藤清喜曰く、マイクロスター『Lovey Dovey』収録曲制作の頃行っていたワークス、とのこと。

P-chanこと飯泉裕子もピアノ参加。
マイクロスター・サウンドお好きな方なら思わずニヤリなアレンジ満載の仕上がりです。

今日のこの1曲には、マイクロスタースパイスたっぷりのギター・ポップ・チューン⑧「Don't Take Too Long」を。

ちなみに、初回プレス分のみデモ音源10トラック(本編より多い!)収録CD付!お早めにどうぞ。森 陽馬


2019年1月26日(土) Joe Jackson 「Fool」

『ナイト・アンド・デイ』等のヒットで知られるイギリスのミュージシャン、ジョー・ジャクソン。

現在64歳、2019年でデビュー40周年を迎えました。
先日、ちょうど20枚目となる新作『フール』がリリースされました。

ジョー・ジャクソン『フール』
(国内CD 日本盤限定ボーナスCD付 解説・歌詞・対訳付 GQCS-90668 3,000円+税)

フール=道化師のユーモアや悲哀を詞に込め、人生の喜劇や悲劇を描いたという今作。
2018年夏のツアー終了後、すぐスタジオ入りしレコーディング。
1st『Look Sharp!』の頃からの盟友グラハム・メイビー(b)ら、ジョーを含むバンド4人の熱気や勢いをそのままパッケージしたようなソリッドなサウンドに仕上がっています。
エキゾチックなサウンドも取り入れたタイトル曲「Fool」、リード曲「Fabulously Absolute」のキレキレな歌に痺れます。

ボーナス・ディスクには、国内盤未発売の2015年発表前作『Fast Foward』から抜粋された6曲と、ボーナス・トラックとしてスティーリー・ダン「Night By Night」、「Peter Gunn」のカヴァーが収録されています。

来日はとんとご無沙汰のようで(いつから来ていないのでしょう?)、久々に国内盤も発売されたので、来日ももしや実現するのでは!?と淡い期待を抱いています。東尾沙紀


2019年1月27日(日) 小林旭 「恋の山手線」

大瀧詠一監修により2002年2月日本コロンビアより発売された小林旭の初期作品集CD3種が再発になりました。
ずっと入手困難になっていたものなので、うれしいリリースです。

小林旭『アキラ1 民謡&俗謡集』(CD COCP-40683 2,000円+税)
小林旭『アキラ2 ポップス&カヴァー集』(CD COCP-40684 2,000円+税)
小林旭『アキラ3 主題歌&ヒット集』(CD COCP-40685 2,000円+税)

それぞれ普通の『全曲集』『ベスト』とは視点の違う大瀧詠一ならではのこだわりの選曲で楽しめます。

今日の1曲は『アキラ1』から「恋の山手線」を。

シングル・レコードとしては1964年3月発売されたものです。
作曲は浜口庫之助、作詞は当時演芸評論家でありプロレス、相撲にも造詣が深かった小島卓二。
小島さんは昭和の時代、テレビにもよく出演されていて、素敵なベレー帽姿が記憶に残っています。

山手線の駅名をダジャレを織り込みながら展開される歌詞は落語・演芸に秀でた方が作った面白さがありますね。
何故か新大久保と浜松町が抜けていたのはご愛嬌ですが...。
(西日暮里も入っていませんが、駅が作られたのがこの歌が作られた7年後1971年でしたので)

今年はこの歌が作られて55周年。
「高輪ゲイトウェイ」(この駅名どうにかならないんでしょうか?)を含めて、カヴァーしてくれる人は出てこないのでしょうか? 森 勉


2019年1月28日(月) 宮川泰 「JRA重賞レースファンファーレ」

祝!大坂なおみ全豪オープンテニス優勝! シングルス・ランキング1位!
長年のテニスファンとして本当にうれしいですね。

感動の余韻に浸りながら競馬新聞を見たら、1/27京都競馬重賞11レースにダノンスマッシュという馬を発見!
(スマッシュ・・・テニス用語では叩きつけるように打つショットのこと)

これだ!と思い、ダノンスマッシュから流して買いましたが、、、。
ダノンスマッシュは見事優勝したものの、2着&3着を買っておらず外れ、、、。
スマッシュは来たのになあ~~。なかなかうまくいかないものです。

さて、JRA競馬レース発走前ファンファーレが流れますが、その音楽は有名作曲家の方が作っています。
関東(東京・中山)はすぎやまこういちさん、関西(阪神・京都)は宮川泰さんが担当。

このCDのボーナス・トラックに「JRA重賞レースファンファーレ」が収録されていたので今日のこの1曲に。

『宮川泰 テレビテーマ・ワールド』
(国内CD COCX-40353 2,800円+税)

「シャボン玉ホリデー」(ピーナッツ)から始まり、「ゲバゲバ90分!テーマ」、「宇宙戦艦ヤマト」、「午後は○○おもいっきりテレビ テーマ」、「ズームイン!朝」など懐かしいTV音楽が38トラック収録されています。森 陽馬


2019年1月29日(火) イナラ・ジョージ 「Release Me」

♪ My Love, I will always love you. But never will I forgive you. For being gone for so long.
My heart, forever a little broken.<中略>
So won't you please, please, please... Release Me.♪ (「Release me」歌詞より)

<愛しいひと、どんな時も想っているわ。でもあなたのことを決して許さない。とっくに手遅れだから。
私の心はずっと小さな傷を負っている。ねえ、お願い、お願いだから私を解放して。>

ローウェル・ジョージの娘であり、The Bird And The Bee、Living Sistersのシンガーであるイナラ・ジョージ。
配信と限定アナログ盤のみで2018年発売されたソロ4thアルバムが日本盤でCD化されました。

イナラ・ジョージ『Dearest Everybody』
(国内CD ボーナス・トラック2曲追加 解説・歌詞・対訳付 HYCA-3078 2,400円+税)
(ボーナス・トラックは「Something Stupid」カヴァーとプリンス「Condition Of The Heart」カヴァー)

エレポップ的なThe Bird And The Beeと比べ、音数少ないアコースティック・サウンド。
オールディーズ寄り/コーラス主体だったLiving Sisterより、シンガー・ソングライター的な肌触りの楽曲。

そして、山奥に流れる澄み切った川のように、凛とした自然の力強さを感じさせる歌声。

今日のこの1曲は、今作の発売元/彼女の自主レーベル名(Release Me Records)と同じ「Release Me」を。

1979年逝去した父ローウェルへ捧げているナンバー。
感謝と敬意を抱きながらも、言葉にできない複雑な心の内を真っ直ぐな視線で歌い綴っています。森 陽馬


2019年1月30日(水) Nick Lowe 「Tokyo Bay」

ニック・ロウ2018年発表最新作『Tokyo Bay』が日本限定500枚で再発売されました。

ニック・ロウ『トキオ・ベイ』
(国内仕様CD 歌詞対訳付 MSIG-1255 2,200円+税)

トゥワンギーなギターがかっこいい軽快なロックンロール・ナンバー「Tokyo Bay」♪
日本に来た際に書かれ、数年前からライヴではお馴染みとなっている曲が初めて音源化されました。
約30年前「geisha Girl」という曲がありましたが、この曲にも“芸者”が登場します。(芸者さん好き?)

2018年来日公演でも披露されたオリジナル曲「Crying Inside」、ビージーズ「Heartbreaker」、クリフ・リチャード「Travellin' light」カヴァーも収録。

近年のライヴでサポートを務めている覆面バンド、ロス・ストレイトジャケッツが参加。
6月から彼らを引き連れツアーへ出ることが発表され、それに合わせてまた新曲発売の予定があるとのこと。
ソロの弾き語りでも来てくれたら勿論嬉しいですが、バンドを従えたニックさんも久々に観たい! 東尾沙紀


2019年1月31日(木) 細野晴臣 「ただいま」

「失われて初めて気づくことがある。
東京から失われたものの本質は情緒だと気がつき、自分はその失われた情緒に憧れるのだ。」(細野晴臣)

東京新聞に『私の東京物語』という連載があり、2019年1月21~28日の間、細野晴臣氏が寄稿。
古き良き東京の想い出と共に記されていたのが上記の言葉だ。

武蔵小山駅前も再開発で情緒が失わつつある。
本日1月31日で、地元民に長く愛されてきた中華井門が閉店。
何年後になるかわからないが、その場所にも40階建てマンションが建築されるらしい。

今日のこの1曲には、変わりゆく東京の街を横目に見るジャケットが印象的な名作『HOSONOVA』から。
(細野晴臣『HOSONOVA』 2011年発表国内CD VICL-63777 3,000円+税)

星野源2010年発表1stアルバム『ばかのうた』へ、細野晴臣が楽曲提供した「ただいま」。(作詞は星野源)
細野氏の情緒溢れる歌声と演奏が楽しめるセルフ・カヴァーを。

なお、『私の東京物語』記事には、冒頭の言葉に続き以下文面も記されている。

「そして今、時とともに再び忘れ去られた情緒は、自分にとってはとても大事なこととして、音楽表現の核心になりつつあるのだ。」(細野晴臣)
森 陽馬




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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