トップページ        今日のこの1曲アーカイヴス



  今日のこの1曲 “Archives”

<2025月1月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2025年1月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。
<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>

2025年1月1日(水) 吾妻光良&The Swinging Boppers 「正月はワンダフル・タイム」

PET SOUNDS RECORDは、2025年1月1日14時から営業を開始いたしました。

東京はすっきりとした青空の1日。
晴れやかな気分で新年を迎え、店をオープンすることができました。
ご来店・ご連絡いただいたお客様皆様、重ねてありがとうございました。

さて、1月1日に紹介する1曲は、2024年末から“この曲!”と決めていました。

吾妻光良&ザ・スウィンギン・パッパーズの2024年発表新作『Sustainable Banquet』(
2024年11月19日今日のこの1曲で紹介)、9曲目に収録されている「正月はワンダフル・タイム」!
(国内CD MHCL-3059 3,300円税込)

神社、福引、門松、破魔矢、お屠蘇、お賽銭、鏡開き、紅白の餅、小吉、末吉、中吉、大吉、賀正、etc...。
元旦・正月の定番ワードが歌詞に織り込まれている、とっても楽しい正月ソングです。

これから毎年、1月1日にはこの歌を店でかけようと思っています♪

2025年の1年間、悲しいこと・辛いこともあるかもしれませんが、この歌のように楽しく笑顔で過ごしたいですね。森陽馬

★PET SOUNDS RECORDが選ぶ2024年ベスト・アルバム、更新しました。


2025年1月2日(木) シュガー・ベイブ 「DOWN TOWN」

新年あけましておめでとうございます。
2025年、令和7年になりました。
本年もペット・サウンズ・レコードをよろしくお願いいたします。

今年もいろいろな○○周年が予定されていますが、まずはこれでしょうか。

<山下達郎、シュガー・ベイブ『SONGS』でレコード・デビューして50周年!>

どんなものが発売されるかは、まだ決定していませんが、期待して待ちたいと思います。

さて、昨年12月というか1週間ほど前に、池袋シアターグリーン(普段はお芝居を演っている所です)で、50年ぶりに<ホーボーズ・コンサート>が行われました。

12月26日に会場へ足を運びました。
ナスポンズ→いとうたかお→センチメンタル・シティ・ロマンスという順の出演で、それぞれ素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。

センチメンタル・シティ・ロマンスのステージでは、村松邦男がゲスト参加し、「DOWN TOWN」が演奏されました。
センチのドラムスは元シュガー・ベイブの野口明彦!
その隣には、この曲だけナスポンズのドラマー上原'YUKARI'裕がバス・ドラムを担当。
シュガー・ベイブの新旧ドラマー2人が並んで「DOWN TOWN」を・・・。

50周年を前に、いい場面を観ることができました。森勉

★掲載ジャケットは、シュガー・ベイブ『SONGS』
(国内2枚組CD WPCL-12160 3,080円税込)


2025年1月3日(金) The Courettes 「California」 feat La La Brooks(The Crystals)

寒い時は、厚着したり温かいものを飲んだりしますが、かっこいいロックを聴くのも良いですね。
2024年末に出たこのアルバムを聴くと、体温が上がり、身体の中から熱くなってきてオススメです。

ザ・コーレッツ『The Soul Of The Fabulous Courettes』
(国内CD 全13曲収録 解説・歌詞・対訳付 2,750円税込)

ザ・コーレッツは、ブラジル人女性シンガーのフラヴィアと、デンマーク人のマーティンによる夫婦バンド。
2021年発表作『Back In Mono』(
2022年2月19日今日のこの1曲で紹介)は、マイクロスター佐藤清喜さんがミックスを手掛けたこともあり好評で、後に行われた日本公演も大盛況でした。
本作は2024年発表の新作オリジナル・アルバムです。

今回のミックスは共同プロデューサーでもあるセレン・クリステンセンが手掛けていますが、ウォール・オブ・サウンドな60'sポップスに、ノーザン・ソウル+ブリティッシュ・ロックな要素も加わり、ガッツな音圧で楽しめる1枚ですね。

今日のこの1曲は、2曲目「California」を。
エルヴィス・コステロっぽいイントロから、ガール・ポップスなサビが最高にゴキゲンなロック・ナンバー♪
なんと!ザ・クリスタルズのシンガーであったラ・ラ・ブルックスがゲスト参加!
更に、ダリアン・サハナジャがヴォーカル・プロデュース&ミックスを手掛けています。

散歩しながら聴いたら、心も身体も温まって、気持ちもウキウキしてきますよ。森陽馬


2025年1月4日(土) 冬にわかれて 「可愛い栗毛」

年末年始は、あの本を読んで、あのレコードを聴いて、あの映画を観よう!
、、、と思っていたのに、三が日があっという間に過ぎてしまいました。

何事も気がついたときに、色々と実行しなければいけませんね。(2025年最初の教訓)

でも、冬にわかれてのこのDVDは年始に観ました。

冬にわかれて『冬にわかれて Live 豊秋の夕べ 於あんざい果樹園』
(国内DVD 3,500円税込)

寺尾紗穂、伊賀航、あだち麗三郎によるバンド“冬にわかれて”が、2021年11月3日福島市あんざい果樹園で行った野外ワンマン・ライヴの模様を、当日の雰囲気が伝わるようなカット割りで、MC含め収めた映像作品です。

木漏れ日が美しい第1部から、次第に陽が陰って暗くなっていく第2部。
強風で肌寒そうな時もありますが、あの日あの時の大切な一瞬が記録されたライヴ映像でした。

今日のこの1曲は、このライヴ映像の中から、モンゴル民謡「可愛い栗毛」を。
寺尾紗穂さんはモンゴル語を習っていて、「可愛い栗毛」は2020年頃からライヴで歌っています。
異世界へ誘うような歌い回し、あだち麗三郎によるサックス、伊賀航の低音ベースが印象深いですね。

なお、本作はライヴ会場で販売されており一般流通していない商品ですが、紗穂さんのご厚意により当店で販売させていただけることになりました。通販も可能です。ご希望の方はお気軽にお問い合わせくださいませ。森陽馬



2025年1月5日(日) Nick Lowe 「Different Kind Of Blue」

ヘビがニョロリと顔を出しそうなジャケット...ニック・ロウ作品ではお馴染みとなったナターシャさんがにらみをきかせています。
2024年の作品になりますが、まだ取り上げてなかった1枚を。

Nick Lowe『Indoor Safari』
(輸入LPレコード YEP ROC YEP-3085)

ツアーバンドとしても活躍するロス・ストレイトジャケッツと制作した、ニック・ロウ約11年ぶりの最新作♪

パーティーで踊っていたらあるミュージシャンに間違られた、実話っぽいエピソードが面白い新曲「Went To A Party」ほか、
2018~2020年の間に発表したEP3作品に収録されていた「Tokyo Bay」「Lay It On Me Baby」など既発曲が中心ですが、一部再録/新たにミックスされているので侮れません。

名作『The Convincer』(2001)の頃の楽曲で、本編未収録/ボーナス曲(弾き語り)として発表された「Different Kind Of Blue」が今作で取り上げられているのが嬉しいですね。

愛する人が去ってしまった後の男の孤独、悲哀を歌ったニック・ロウ節全開の1曲。
さみしい歌なのに、ニックの柔らかな息づかいとゆったりとしたバンドの演奏に心が落ち着く隠れた名曲です。東尾沙紀


2025年1月6日(月) 石川瑠華 「それはぼくぢゃないよ」

究極のナイアガラ本『All About Niagara』が、ナイアガラ・レーベル設立50周年を祝し全面改訂され発売決定しました。


『All About Niagara 1973-2024』 (2025年3月18日発売 リットー・ミュージック 5,940円税込)

白夜書房から増補版が出たのは2005年。
もう20年が経つのですね。時が経つのは早いものです。
この20年間に出た作品群に加え、希少なプロモ、テスト盤、自作カセット&DATなどの写真もオールカラーで追加掲載。
大滝詠一ファンは要チェックの1冊ですね。

なお、この書籍に大滝詠一「朝からゴキゲン」7インチ・レコードと、ナイアガラ・ロゴTシャツが付いた限定セットは、
リットー・ミュージックの通販サイトのみの販売となります。2月11日予約締切、上限に達し次第終了です。
当店や他店舗には入荷せず、一般流通はしないとのこと。ご了承くださいませ。

さて、今日のこの1曲は、2024年末に出た大瀧詠一作のカヴァーを。

石川瑠華『それはぼくぢゃないよ』 c/w「ゆうれい」
(国内7inchレコード 完全限定盤 P7-6617 2,420円税込)

映画『うみべの女の子』、『市子』、『三日月とネコ』等に出演し注目されている女優、石川瑠華が、山本精一によるプロデュースで、大瀧詠一「それはぼくぢゃないよ」をカヴァー♪

彼女の無垢な歌声には、昭和の時代にあったおおらかな雰囲気が感じられますね。
なお、イントロや曲中に聞こえるカラスの鳴き声は、彼女自身がフィールド・レコーディングした音源を使用。
ギター、ウクレレ、ドラム、ベース等のバック演奏は、山本精一が手掛けています。森陽馬


2025年1月7日(火) 日髙麻鈴 「True Colors」

山本精一プロデュースで新世代の女優が名曲をカヴァーするP-VINE社のプロジェクト、Magico(マジコ)。

第1弾は中野有紗「青い魚/MOON RIVER」(
2024年8月20日今日のこの1曲で紹介)。
第2弾は石川瑠華「それはぼくぢゃないよ/ゆうれい」(昨日紹介)でした。

そして、第3弾となる日髙麻鈴「12月の雨の日/True Colors」が本日入荷しました。

日髙麻鈴『12月の雨の日/True Colors』
(国内7inchレコード 完全限定盤 P7-6623 2,750円税込)

A面「12月の雨の日」は、はっぴいえんど(松本隆作詞、大瀧詠一作曲)のカヴァー。
山本精一(ギター、ベース)とsenoo ricky(ドラムス)による演奏でほぼ完コピながら、女性ヴォーカルによるカヴァーは新鮮に響きますね。

B面「True Colors」は、彼女のフェイヴァリットというシンディ・ローパーのカヴァー。
雰囲気が良くて、僕はこちらのB面の方が気に入りました。
なお、印象的なシンセ&リズムトラックはMoooting(むうとん)が手掛けています。森陽馬


2025年1月8日(水) Gillian Welch & David Rawlings 「What We Had」

瞬間湯沸かし器は便利ですが、鉄瓶でゆっくり沸かした湯はまろやかで味わい深いお茶になる感じがします。
加えて、時間をかけ沸かした鉄瓶の湯はなかなか冷めません。

ギリアン・ウェルチ&デヴィッド・ローリングスの2024年作『WOODLAND』は、そのお湯の如く、じっくりと聴き込む毎にじわじわと沁みてくる1枚でした。

Gillian Welch & David Rawlings『WOODLAND』
(輸入CD ACONY ACNY-2416/輸入LP ACNY-2416LP)

ナッシュビル発の傑作を多数生み、現在はギリアンとデヴィッドが所有しているスタジオ、WOODLAND STUDIOS。
2020年にハリケーンの被害で大打撃を受け、コロナ渦もありしばらくは運営できない状態が続きましたが、この度、2人の努力で再建した本スタジオでレコーディングを重ね、素晴らしいアルバムが完成しました。

ポップ寄りなアレンジになっていくアメリカーナ系のアーティストが多い中、この2人は変わらないですね。
シンプルながら深みがあって、フォーキーながらメロディーが美しい全10曲が収録されています。

「あなたや私は亡くなった時にだけ、ハッシュタグが付けられニュースになる」と、友人の死を機に皮肉的に書かれた「Hashtag」も注目ですが、今日のこの1曲は、Russ Pahlのペダルスティールが切なく響く②「What We Had」を。森陽馬


2025年1月9日(木) JD Souther 「Bad News Travels Fast」(Alternate Take)

JDサウザーの1979年発表名作『You're Only Lonely』は、国内CDが1,100円税込で発売中ですが、彼が亡くなった2024年9月直前に、アメリカのレーベルOmnivore Recordingsから最新リマスター&ボーナス・トラック2曲追加で新たにリリースされました。

JD Souther『You're Only Lonely』
(輸入CD ボーナス・トラック2曲追加全11曲収録 OVCD-552)

まずは、最新リマスターの音質が素晴らしい!
ロイ・オービソンへのオマージュが込められたタイトル曲「You're Only Lonely」が、新録音のように光り輝いて響きます。

そして、ボーナス・トラックの2曲は、デモ音源とかではなく完成された未発表音源でした。
特に、「Bad News Travels Fast」(Alternate Take)は聴きもの!

1984年発表作『Home By Dawn』に収録されている同曲とは、アレンジや歌詞も全く違う別ヴァージョンで、本作『You're Only Lonely』と同時期に録音された約6分40秒にも及ぶ初期テイクでした。
デヴィッド・サンボーンの哀愁伝わるサックスが沁みますね。僕はこちらのヴァージョンの方が断然好きです。

なお、ブックレットには、JDのインタビューを基にした読み応えのあるライナーノーツ(英文)と共に、当時の日本盤シングル・ジャケット写真等も掲載されています。森陽馬


2025年1月10日(金) キャロル・キング 「ミュージック」

当店の<今日のこの1曲>コーナーは、いつから始まったのでしょう?

ペット・サウンズ・レコードは1981年4月22日にオープンしたのですが、もちろんその頃はインターネットというものは存在していませんでした。

初めて当店のホームページが出来て、<今日のこの1曲>がネット上に登場したのは
2004年12月12日
武蔵小山駅前再開発により、旧店舗の立ち退きが決定し、あと1ヶ月半ほどで旧店舗ともお別れという時期でした。

今後のこと-いつまで旧店舗で営業できるのか?とか、仮店舗はいつからできそう、とか、新店舗の場所などを発信していかなければ・・・、ということを考えていた頃です。
それだけでなく、ページを開く方々に楽しんでもらいましょう、ということで、<今日のこの1曲>は始まりました。

仮店舗準備期間は家で聴いていた曲をアップしたりしていましたが、店舗がある時は店でかかった曲をその日に紹介することを基本に続け、なんと、2025年で20年目に入ります。
今まで約7,000曲を紹介してきました。
今後ともよろしくお願いします。

今日のこの1曲は、キャロル・キングの「ミュージック」を選んでみました。森勉

★掲載ジャケットは、キャロル・キング『ミュージック』。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-30071 1,980円税込)


2025年1月11日(土) Franz Ferdinand 「Tell Me I Should Stay」

グラスゴー発人気ロック・バンド、フランツ・フェルディナンドの6枚目のアルバムが発売になりました。

1stから約20年、メンバーの脱退/加入を経て現在のラインナップになってからは初、約6年ぶりとなる新作です。

フランツ・フェルディナンド『ザ・ヒューマン・フィアー』
(国内CD 日本先行発売 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック1曲追加 BRC769 2,860円税込 / LPもあり)

何かが崩れおちていくような感覚、恐怖、不安などをテーマにした今作。
キャッチーなリード・シングル「Audacious」、エレクトロなビートがクセになる!?「Hooked」、新宿ゴールデン街に実在するバーが登場する「Bar Lonley」ほか、一筋縄ではいかないフランツらしいポップ・センスが詰まっています。

中でも、厳かなイントロのピアノから、リズムはレゲエに、サビで一気にポップになる展開が面白い「Tell Me I Should Stay」が気に入りました。
ティンパニー的な音がドドンと響くサビのアレンジ、メロディにどこかビーチ・ボーイズのエッセンスを感じました。東尾沙紀


2025年1月12日(日) Ringo Starr 「Thankful」 feat Alison Krauss

2025年7月で85歳を迎えるリンゴ・スター。
2019年作『What's My Name』以来、ソロ21作目となるオリジナル・アルバム『Look Up』が出ました。

リンゴ・スター『Look Up』
(国内CD エルヴィス・コステロによる英文解説の翻訳・解説・歌詞・対訳付 UICY-16264 3,300円税込)

本作は、T・ボーン・バーネットがプロデュース&9曲作曲したカントリー・アルバム。
といっても、カントリー・スタンダードの焼き増しとかではなく、カントリー/ブルーグラス界の新世代ミュージシャン(ビリー・ストリングス、モリー・タトル等)をfeatし、主にナッシュビルで録音した全11曲が収録されています。

これが、和やかな雰囲気ながら、現代の新鮮な空気を感じさせてくれる素晴らしい1枚でした。
リンゴらしいドラミングも健在で、うれしいですね。

今日のこの1曲は、リンゴ自らがブルース・シュガーと共に書き下ろしたラスト11曲目「Thankful」を。

♪空の星に感謝。ピース&ラヴを願って、輝いている太陽に感謝。日々努力しているこの瞬間に感謝。君がここにいることに感謝♪
ビートルズ他3人のメンバーを想起させる歌詞も出てきます。アリソン・クラウスによるハーモニーも沁みますね。

なお、日本盤CDには、エルヴィス・コステロによる愛情溢れるライナーノーツの日本語翻訳と、ザ・ビートルズ・クラブ代表斉藤早苗氏が手掛けた詳細な解説が付いています。森陽馬


2025年1月13日(月) シンガーズ・スリー 「愛を歌おう、セイコーで!」

レコード・コレクターズ誌2025年2月号が発売中です。
(ミュージック・マガジン社 930円税込)

第1特集は『この曲のドラムを聴け! ジャズ/フュージョン編』。
そして、新年恒例の『リイシュー・ベスト』、『私の収穫』も掲載されています。

年々マニアックになっていく『私の収穫』コーナーは、コレクター魂が伝わって面白いですね。
『リイシュー・ベスト』に関しては、こんな作品も出ていたんだな、と改めて知ることが多く勉強になります。

今日のこの1曲は、リイシュー・ベストの「歌謡曲/芸能」部門で1位に選出された『山上路夫ソングブック』から。

『山上路夫ソングブック-翼をください』
(国内5CD BOX 監修・選曲・解説:濱田髙志氏 MHCL-30853 14,850円税込)

1960年代から多くの名曲に携わった作詞家:山上路夫さんが手掛けた楽曲を、ヒット中心にレア曲含め全120曲収録。濱田髙志氏による信頼の仕事に、山上路夫氏本人の協力で纏められた5枚組CD BOXです。

特に、CMソング/外国曲を集めたDISC5は、珍しい曲がたくさん入っていて興味深いですね。
DISC5の15曲目シンガーズ・スリー「愛を歌おう、セイコーで!」は市川秀夫作曲/山上路夫作詞、1970年代初期SEIKO(服部時計店)の販促用非売品EPに収録されていたノベルティ・ソング。
ロジャー・ニコルスとバート・バカラックを合わせたような多幸感溢れるソフト・ロック・チューン♪聴きもの!森陽馬


2025年1月14日(火) 青柳拓次 「六弦の音楽」

一般的には連休明けとなる本日は、とても静かな1日でした。
お休みしている店が多く、歩行者も心なしか少なかったですね。

そんな落ち着いた雰囲気の昼下がり、店でかけていたのがこのアルバムです。

青柳拓次『海の中の湖』
(2枚組CD 収録曲と同タイトルの短編小説付 NAGALU-007 4,950円税込)

リトル・クリーチャーズ、ダブル・フェイマス、カマアイナ、そしてソロでも長く活動を続けている青柳拓次。
本作は彼が2024年にリリースしたアコースティック・ギター・インスト作品です。

スペイン発のアコースティック・ギター名器<イグナシオ・フレタ>を使用してのモノラル録音。
一音一音に深みがあり、聴いていてとても気持ち良い音感でした。
今日のこの1曲は、このギターの物語とも想起できるDisc2のラスト曲「六弦の音楽」を。

なお、各曲と同タイトルの書き下ろし短編小説が記された36ページブックレット付。
海や森の生き物・自然の中に生きている人が紡ぐささやかな物語を読みながら、ゆっくりした時間を過ごすことができます。
このブックと2CDを収めた深緑色の紙製ケースがアートな装丁で、手元に置いておきたくなりますね。森陽馬


2025年1月15日(水) ベン・ワット 「ノース・マリン・ドライヴ」

1月10日に、ペット・サウンズ・レコードの<今日のこの1曲>の起源について書きました。
このコーナーも20周年になり、“千里の道も一歩から”という言葉があるように、積み重ねていく事の大切さを感じる毎日です。

御承知のように、<今日のこの1曲>は、森勉、森陽馬、東尾沙紀の当店スタッフ3名で毎日更新しています。
さて、ペット・サウンズ・レコードの紅一点スタッフ東尾沙紀は、彼女独特の感性で、いつも興味深い曲を紹介しています。

ここでクイズです。
東尾沙紀が<今日のこの1曲>に初めて登場したのは、いつ、何の曲だったでしょうか?

お時間がある方は、当店ホームページの
<今日のこの1曲アーカイヴス>で探してみてください。

今日のこの1曲は、今日書いたテーマとつながりはありませんが、ベン・ワットの曲を選んでみました。

エヴリシング・バット・ザ・ガールのアルバムが出る前、1983年発表のベン・ワットのソロ・アルバムからタイトル曲を。森勉

★掲載ジャケットは、ベン・ワット『ノース・マリン・ドライヴ』。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 TRPD2 2,750円税込)


2025年1月16日(木) 「シャボン玉」(作曲:中山晋平作曲、作詞:野口雨情)

映画『シンペイ ~歌こそすべて』(神山征二郎監督・中村橋之助主演)をTOHOシネマズ日比谷にて鑑賞。
日本の正統派音楽映画として、多くの方に観ていただきたいと感じた1本でした。

明治に生まれ大正・昭和の時代に数多くの名曲を残した名作曲家、中山晋平の物語。
彼が生涯に書いた曲は、「カチューシャの唄」、「ゴンドラの唄」、「東京行進曲」、「東京音頭」など2,000曲!
童謡「シャボン玉」、「てるてる坊主」も彼が手掛けています。

わかりやすい朝ドラ的なストーリー展開で、彼のことを知らない方がご覧になっても、老若男女が口ずさめるメロディーメイカーだったことが伝わると思います。

今日のこの1曲は、日本人皆の心の奥に刻まれている「シャボン玉」を。

♪しゃぼん玉とんだ 屋根までとんだ 屋根までとんで こわれて消えた
しゃぼん玉消えた とばずに消えた うまれてすぐに こわれて消えた♪

この歌詞を書いた野口雨情は、子供を生後7日で亡くした経験があったそうです。
その子を想い書いた「シャボン玉」に、中山晋平が儚くも美しいメロディーを乗せたことを本作で初めて知りました。

今も日本でたくさんの音楽が生まれ、僕らがそれを楽しめる環境にあるのは、戦前に中山晋平のような音楽家が情熱を持って音楽と向き合っていたからだ、ということを実感できました。

なお、映画の最後には、エンディング・テーマとして上條恒彦が歌う「ゴンドラの唄」(新録音)が流れます。森陽馬

★掲載ジャケットは、『中山晋平の童謡』(VDR-5170 3,300円税込)


2025年1月17日(金) Roy Orbison 「In Dreams」

♪夢の中では君と歩き、夢の中では君と話し、夢の中では君は僕のもの。
夢の中ではいつも僕らは一緒さ。夢の中では。でも、夜が明けて目が覚めると君はいなくなっているんだ♪
(ロイ・オービソン「In Dreams」歌詞より)

昨夜眠る前に、デヴィッド・リンチが逝去したことを知りました。

2017年の『ツイン・ピークス』シーズン3は、一部で評判が悪かったようですが、僕は熱狂して観ていました。
それだけに、『インランド・エンパイア』(2006)以降、彼が監督する劇場映画作品はなかったのが残念でしたね。

光と影、表と裏、虚像と真実、暗黒と光明、そして、夢と現実。
デヴィッド・リンチは、相反している事象が、実は隣り合わせにあることを教えてくれました。

今日のこの1曲は、映画『ブルー・ベルベット』で使われたロイ・オービソン「In Dreams」。森陽馬

★掲載ジャケットは、2022年レコード・ストア・デイに発売された『Blue Velvet』(Deluxe Edition)。
(輸入3枚組LP 「In Dreams」収録 Concord 72265546)


2025年1月18日(土) OCTOBER LONDON 「Mulholland Drive」

新世代メロウR&B/スウィート・ソウル大推薦の1枚!

OCTOBER LONDON『The Rebirth Of Marvin』
(輸入CD Death Row Records DRR949CD/輸入LP DRR949CV他カラー盤3種あり)

OCTOBER LONDONは、1986年生まれアメリカ/インディアナ州サウスベンド出身の黒人男性シンガー。
本作はSnoop Dogg主宰レーベルのDeath Row Recordsから2023年に配信で発表していた1stアルバムです。
この度CD、LP、カセットでフィジカル・リリースされました。

タイトルが<The Rebirth Of Marvin>(マーヴィンの生まれ変わり)!
まさに、マーヴィン・ゲイへのオマージュが全編に感じられる作品ですね。

今日のこの1曲は、マーヴィン・ゲイ「You Are The Way You Are」をサンプリングしている⑤「Mulholland Drive」。
マーヴィンそっくりな彼の歌声&女性シンガーLatoiya Williamsとの掛け合いが甘くムーディーに夜を彩ります。森陽馬


2025年1月19日(日) シュガー・ベイブ 「今日はなんだか」

祝!ナイアガラ・レコード設立50周年&山下達郎デビュー50周年!

シュガー・・ベイブが1975年に発表した名盤『SONGS』の50周年記念盤が、4月23日発売決定いたしました。

<4月23日発売>
シュガー・ベイブ『SONGS 50th Anniversary Edition』
(2枚組CD 4,180円/LP 4,400円/カセット・テープ 3,300円)

50周年盤の目玉は、1994年に行われた伝説のコンサート『山下達郎 Sings SUGAR BABE Live!』の音源が、CD版のディスク2に収録されることですね。

大貫妙子さんのライヴ盤『LIVE'93 Shooting Star In The Blue Sky』(1996年発売)のボーナス・トラックに、『Sings SUGAR BABE Live!』で彼女がゲスト出演した際の3曲(「蜃気楼の街」「約束」「いつも通り」)が収録されました。
しかし、山下達郎ヴォーカルによるシュガー・ベイブ楽曲の1994年ライヴ音源は、今回が初商品化になります。

今日のこの1曲は、山下達郎2024年ツアーでも披露された「今日はなんだか」を。
50周年へ向けての気概溢れるアグレッシヴなアレンジでしたよね。森陽馬


2025年1月20日(月) Roomies 「甘い夢 -Retake」

東京発の新世代ソウル/R&Bバンド、新作オススメ盤♪

Roomies『ECHO』
(国内CD 歌詞付 PCD-25452 2,750円税込)

2019年に結成、都内の一軒家<Roomies House>を拠点に、現在は及川創介(syn/ex.CICADA)、Kevin(vo)、斎藤渉(p)、高橋柚一郎(g)の4人組で活動中のRoomies(ルーミーズ)。

2021年に1作目『The Roomies』を配信で発表、2作目となる『ECHO』は、バンド初のCDリリース作品となります。

ソウル/R&B、AOR、フュージョンなどメンバーのルーツをおとし込んだポップ&メロウな楽曲はいずれもキャッチーで、マイケル・ジャクソンに影響を受け歌い始めたというKevinの甘く伸びやかな歌声もとても魅力的。

キラキラとしたイントロのシンセが印象的な「When We'll Be Toghther」、切ない歌声が沁みる「Close To Being In Lovg」、
シティ・ポップ・ファンの方も必聴のミディアム・ナンバー「甘い夢 -Retake」(2023年発表シングルの再録)など、とろけそうなほど甘いバラードから爽やかなポップ・ソングまで、洗練された演奏&アレンジで聴かせてくれます。

全9曲中6曲が英語詞(ブックレットには日本語の詞も掲載)。
洋楽しか聴かないという方にも是非チェックしていただきたい1枚です。東尾沙紀


2025年1月21日(火) 友部正人 「グッドモーニングブルース」

友部正人のベスト・アルバムが、メジャーレーベル流通で2024年12月11日に発売予定でした。
しかし、収録曲の歌詞が原因で発売中止!
インディーズ流通&品番が変わって、年を越した1月15日にやっと発売されました。

友部正人『シングル・コレクション』
(国内CD 全15曲収録 CXCA-1325 3,080円税込)

発売中止の原因となったのは、「グッドモーニングブルース」という歌です。

<『ライオンのいる場所』に入れるつもりで録音された歌。歌詞のことで急遽アルバムから外され、その音源は自主製作のシングル盤として発売された。このたび、またこの歌にクレームがついて、急遽販売会社を変更して発売することになった。同じ歌詞なのに前回とクレームの箇所は違い、自主規制の基準は曖昧で無責任なことを示している。>
(友部正人さん本人による楽曲解説より)

『ライオンのいる場所』は1991年2月発表作なので、1990年頃に録音された歌でしょうか。
「ヒットラー」という言葉が出てきたり、「君が代無理やり歌わせる」、「日の丸無理やり掲げさせる」、「レコード会社、ミュージシャンの口ふさぐ」など強烈な歌詞が出てくる痛快なナンバーです。森陽馬


2025年1月22日(水) ? 「My Whole World」

ティーンズヴィル・レーベルから新しいCDが出ました。

V.A.『Nothin' Succeeds Like Success ~ Unreleased 1960's Pop gems Record From Acetates』
<ナッシン・サクシーズ・ライク・サクセス 60年代ポップシーンの舞台裏で眠り続けたヒットの原石>
(国内仕様CD 日本語解説付 TV1065CDJ 2,750円税込)

副題にあるように、アセテート盤として残されたものからのコンピレーション。
マニアックなレーベル“ティーンズヴィル”も遂にここまできたか、という感じ。
しかし、よくこれだけのアセテート盤を集めたなぁ~。

アセテート盤とは、テスト・プレス盤のようなもので、少量枚数生産が可能だったために、このCDに収録されているような楽曲をプロモーションするために用いられることも多かったようです。

全34曲。歌っている人がわかっているのは、ラリー・ウェス、エリー・グリニッチ、ロン・ダンテ、ポール・アンカ、ケニー・チャンドラーなど18曲。あとの残り16曲は、歌っている人不明というものですが、結構イイ曲ありました。完成途上作品もありますが、注目曲を挙げておきましょう。
・2曲目、32曲目・・・エリー・グリニッチによるデモ
・6曲目・・・60'sガール・ポップス、シャングリラスあたりに似合いそう。
・8曲目・・・ビリー・J・クレイマー&ダコタスによるジーン・ピットニー作品。
・11曲目・・・ラグドールズのマイキィー・ハリスのナイス・ガールポップ。
・28曲目・・・若き日のヴァン・マッコイ

今日の1曲は、22曲目「My Whole World」。
歌手名のクレジットはありませんが、なかなかいい曲です。
この声、どっかで聴いたように思われるのですが・・・。森勉


2025年1月23日(木) America 「Horse With No Name」 with Orchestra

1月7日頃に発生したロサンゼルスの山火事は、現在も延焼中で鎮火の目処が立っていません。
ハリウッド・ボウル(有名なコンサート・ホール)にも火の手が迫る可能性があるようで心配ですね。

そのハリウッド・ボウルで、今から50年前(1975年)に行われたコンサートが発売されました。

America with George Martin conducting The Symphony Orchestra『Live From The Hollywood Bowl 1975』
(輸入CD Primary Wave 015047806324/輸入LPは2024年4月Record Store Dayで発売)

ジェリー・ベックリー、デューイ・バネル、ダン・ピークの3人グループであった時期のアメリカが、ジョージ・マーティン指揮によるシンフォニー・オーケストラをバックに、1975年8月3日ハリウッド・ボウルで行ったライヴ音源です。

プロデュースとミックスは、ジェリー・ベックリーとも親交が深いジェフ・ラーソンが担当。
オーケストラの参加は全編ではなく一部の楽曲ながら、アメリカのかっこいいバンド演奏と見事に融合しています。

今日のこの1曲は、ラストに披露されている彼らの代表曲「Horse With No Name」(名前のない馬)を。
イントロのメロディーがストリングスで奏でられており、ハリウッド・ボウルの熱狂が伝わってきます。森陽馬


2025年1月24日(金) Small Faces 「The Hungry Intruder」

スモール・フェイセス結成から60周年♪

移籍第一弾『スモール・フェイセス』(1967)、バンド最高傑作と言われる『オグデンズ・ナット・ゴーン・フレイク』(1968)、「Itchcoo Park」、「Tin Soldier」等を収録したUS編集盤『ゼア・アー・バット・フォー・スモール・フェイセス』(1968)ほか、イミディエイト期の作品が、2025年リマスターで再発されました。
各々ボーナス・トラックとしてオリジナル・モノ・バージョンも追加収録されています。

『オグデンズ~』を初めて聴いた時は、コンセプト作ということもありデッカ期のキャッチーな楽曲群に比べると、「Lazy Sunday」以外の曲は少しとっつきづらい印象がありました。(今はもちろん好きです)

インスト「Ogdens' Nut Gone Flake」からのスタートはしびれますね。
マリオット/レインのソングライティング、歌・演奏の爆発力、デビューからほんの数年でここまで進化し、今作をちゃんとヒットさせた彼らは凄いなと改めて感じます。

久々にじっくりと聴いていて、Bサイド収録曲「The Hungry Intruder」間奏のフレーズが、ポール・ウェラー「Peacock Suit」のある部分と似ているなと思いました。(双方詳しい方、そういう記述があればぜひ教えてください) 東尾沙紀

★スモール・フェイセス『オグデンズ・ナット・ゴーン・フレイク+12』
(国内CD 犬伏功氏による解説・歌詞付 ボーナス・トラック追加 2,420円税込)


2025年1月25日(土) ビーチ・ボーイズ 「夢のハワイ」

毎年、ものすごく楽しみにしている<サンデー・ソングブック>の山下達郎VS宮治淳一による新春放談放送が、今年も2週間があっという間に過ぎてしまいました。
とても楽しい放送だったので、終わってみるとロス感が結構ありますね。

そのロス感を埋めてくれたのが、1月12日(日)ラジオ日本の<名盤アワー>でした。
特集は、洋楽・日本だけのヒット。
英米ではではヒットしていないのに、日本では大ヒットとなった曲がいろいろありますが、オンエア曲は、まさにポップスを聴き始めた頃のド真ん中の曲ばかり。radikoを駆使して何回も聴いています。

ロイ・オービソン「カム・バック・トゥ・ミー」、ヴェルヴェッツ「愛しのラナ」、ジョニー・シンバル「僕のマショマロちゃん」、ジョニー・ティロットソン「プリンセス・プリンセス」、クリフ・リチャード「レッツ・メイク・ア・メモリー」、etc...。1963年12月~1964年前半に日本のみで大ヒットとなった曲たちです。

そういえば、ビーチ・ボーイズのレコードを初めて買ったのも、アメリカではシングル化されなかった「ハワイ」でした。
日本ではシングル・カットされ、ラジオでもよくかかっていました。

日本タイトルは「夢のハワイ」。
B面はバラードの「サーファー・ムーン」。
このシングルがビーチ・ボーイズにのめり込むきっかけになったことは間違いありません。森勉

★掲載ジャケットは、ビーチ・ボーイズ『サーファー・ガール』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-25589 1,885円税込)


2025年1月26日(日) レッド・ツェッペリン 「幻惑されて」(ライヴ)

映画『MR JIMMY レッド・ツェッペリンに全てを捧げた男』を、新宿シネマカリテで鑑賞。
レッド・ツェッペリンに魅せられた日本人ギタリスト、ジミー桜井の半生を追ったドキュメンタリー映画です。

ジミー桜井の出演するライヴハウスに、来日中のジミー・ペイジ本人が観客として訪れる興奮の場面があるのですが、それはまだまだ前半。アメリカへ渡り、レッド・ツェッペリンのコピーバンドを結成、日本へ凱旋するところで感動のフィナーレ、と思いきや...。実際のドキュメンタリー映像ながら、脚本がある物語のように感じられるくらい、劇的な展開ですね。

ジミー桜井のツェッペリンへのこだわりはとにかく凄くて、ギタープレイだけでなく、ジミー・ペイジの当時の衣装や他メンバーの歌・演奏・細かいディテールまでとことん追求している姿に圧倒されました。音楽に関わる仕事をしている立場から見て、彼の音楽への情熱には、初心を思い出すきっかけをもらえて、とてもよかったです。

なお、この映画の監督は、まだ40代のボストン出身アメリカ人、ピーター・マイケル・ダウド。
ジミー桜井の出身地、雪深い新潟・十日町の情景も描いていたのが印象的でした。

その映画監督ピーターとジミー桜井の熱意が通じて、レッド・ツェッペリン楽曲使用が奇跡的に格安で許可されたそうです。
ツェッペリン初心者はもちろん、マニアの方がご覧になっても、新しい発見や気付きが見つかると思います。森陽馬

★掲載ジャケットは、1972年LAフォーラムとロングビーチ・アリーナでのライヴ盤。
ジミーがバイオリンの弓でギターを弾く長尺「幻惑されて」収録。
Led Zeppelin『伝説のライヴ-How The West Was Won』(国内3枚組CD WPCR-17986 3,630円税込)


2025年1月27日(月) Neil Young And The Chrome Hearts 「Big Change」

1月20日にトランプ新大統領が就任して、様々な報道が連日ありますね。
うんざりだ、と嘆き、海外へ逃げ出したいというアメリカ在住の方も多いようです。

そんな世情の中、ニール・ヤングが「Big Change」という新曲を発表しました。

「大きな変化の時が来ている」
「良いことも悪いことも起こりえるだろう」
「あなたはやるべきことをわかっているはずだ」

オールドブラックをかき鳴らしながら歌われるこの曲には、どんな想いが込められているのでしょうか。

ニールはブッシュ政権だった2006年に、「大統領を弾劾せよ」なんて歌を発表したこともありました。
2006年5月5日今日のこの1曲コーナーで紹介)

今作は、逃げたいと考えているアメリカ人聴衆へ向けて、今こそ向き合おう、と鼓舞している歌なのかもしれません。

Chrome Heartsという新バンド(メンバーはMicah Nelson、Corey McCormick、Anthony Logerfo、Spooner Oldham。若手に混じりスプーナー・オールダムが入っているのがジワる!)と共に、2025年は新アルバムを発表予定だそう。
2025年11月で80歳を迎えるニールの眼光は、まだ前を向いています。森陽馬

★「Big Change」は2025年1月27日時点では配信のみのリリースです。
掲載ジャケットは、「Rockin' In The Free World」収録の1989年発表作『Freedom』。


2025年1月28日(火) Momiji & The Bluestones 「Give Me A Break」

骨太で、ブルージーで、グルーヴィーな新譜が聴きたい!

そんな方にオススメの1枚です。

Momiji & The Bluestones『Flowin'』
(国内CD MRCD-006 2,750円税込)

Momiji & The Bluestonesは、女性シンガー&ハーピストの大久保紅葉を中心に、竹内朋康(SUPER BUTTER DOG)、前田サラ、大神田智彦、白根佳尚で2019年に結成された日本人5人組バンド。

本盤『Flowin'』は、2021年作『TIME MACHINE』以来となる2枚目のアルバム。
前回はカヴァー中心でしたが、今回は気骨あるオリジナル曲8曲で固めた渾身の傑作です。

今日のこの1曲は、迫力満点な2曲目「Give Me A Break」を。
ブルースをルーツにしたファンキーな演奏、ロック魂感じる彼女の歌声&ハープが最高にかっこいい!森陽馬


2025年1月29日(水) マグネ・フルホルメン 「Living With Ourselves」

「Take On Me」の大ヒットから今年で40年になるのだそうです。

a-haと聞いて多くの方が思い浮かべるのは、あの革新的なビデオ・クリップとキャッチーなサウンドではないでしょうか。
そのa-haが2022年に発表したアルバム『トゥルー・ノース』と、続編とも言える叙情的なメロディに満ちた本作を聴いて、イメージがガラリと変わりました。

マグネ・フルホルメン『リヴィング・ウィズ・アワセルヴス』
(国内CD ボーナス・トラック追加収録 解説・歌詞・対訳付 SICX-206 2,860円税込)

マグネ・フルホルメンは、a-haのキーボーディスト/ギタリスト/ソングライター。
繊細な歌声、ドラマチックなアレンジで聴かせるソロ最新作『リヴィング・ウィズ・アワセルヴス』は、新曲はもちろん、メンバーとの意見の相違で『トゥルー・ノース』には収録されなかった楽曲も取り上げています。

美しいメロディのタイトル曲「Living With Ourselves」、彼のライヴや作品に参加している女性シンガーTini Flaatとのデュエット「This Is On Your Side」、映画音楽のようなインストゥルメンタル「Teo's Theme」、フォーキーで穏やかな「Giving In To Christmas」。
本編最後にはわかった上で聴いてもわからないTOTO「Hold The Line」のとても儚いカヴァーに加え、ボーナス・トラックとして『トゥルー・ノース』収録曲「I'm In」のフルホルメンによるデモ・ヴァージョンが収録されています。東尾沙紀


2025年1月30日(木) 鈴木実貴子ズ 「ファッキンミュージック」

2025年もあっという間に1ヶ月が過ぎようとしている1月末、ロックの初期衝動を感じさせてくれる1枚が出ました!

鈴木実貴子ズ『あばら』
(国内CD CRCP-20613 3,300円税込)

鈴木実貴子ズは、愛知県名古屋を拠点に活動している、女性ヴォーカル&ギターの鈴木美貴子と、ドラマーのズ(高橋イサミ)による2人組ロック・バンド。2012年頃結成しインディーズから作品をリリースし続けていましたが、本作『あばら』がメジャー・レーベルからの1stフル・アルバムになります。

日々の喜び・悲しみ・怒り、言葉にできないような感情が詰まった、鈴木実貴子の歌がとにかくかっこいい!
その歌をグイグイと引っ張るキャッチーなメロディーとバンドの演奏にも勢いがありますね。

今日のこの1曲は、業界の不条理の中で、音楽の力を信じ続ける決意表明のナンバー「ファッキンミュージック」を。

「夢見た所はこんな所かウジ虫みたいな奴らがのさばる」
「ファッキンミュージック誰にも届かなくても くだらない奴の集まりでも この体ひとつ分を隅から隅まで余す事無く燃やし尽くしてしまいたいのさ」(「ファッキンミュージック」歌詞より)

本作を聴いて、僕は小谷美紗子Trioを想い出しました。
なお、2曲目「暁」には、田渕ひさ子がギターで参加しています。森陽馬


2025年1月31日(金) Billy Strings 「Turmoil & Tinfoil」(Live)

2025年1月新譜の中では、リンゴ・スターのアルバム『Look Up』が好評でロングセラーとなりました。
(2025年1月12日今日のこの1曲で紹介)

リンゴの朗らかな歌声には癒やされましたね。
T・ボーン・バーネットによるプロデュースも良かったと思います。

それに加え、現代のカントリー界を担うミュージシャンが参加し、色彩豊かなサウンドになっていました。
特に、ビリー・ストリングスとモリー・タトルは老雄の傑作に、新風の華を添えていましたね。

そのビリー・ストリングスが、2024年にリリースしたライヴ盤から熱い1曲を取り上げましょう。

Billy Strings『LIVE Vol.1』
(輸入2枚組CD Warner/Reprise 093624844778)

ビリー・ストリングスはアメリカ/ミシガン州出身1992年生まれのシンガー・ソングライター/ギタリスト。
2019年発表作『Home』が、2020年グラミー賞最優秀ブルーグラス・アルバムを獲得して大ブレイク。
アメリカ本国では若い世代からも大人気で、このライヴ盤からその熱狂ぶりが伝わってきます。

本作には10分以上の曲が4曲入っており、まさに“ブルーグラス・ジャム・バンド”でかっこいいですね。
今日のこの1曲は一番長尺で20分以上に及ぶ「Turmoil & Tinfoil」を。
バンジョーBilly Failing、マンドリンJarrod Walker、フィドルAlex Hargreaves、ベースRoyal Masatも凄い!森陽馬



これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



トップページ