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  今日のこの1曲 “Archives”

<2025月5月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2025年5月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。
<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2025年5月1日(木) CHAPPO 「You Came A Long Way From St.Louis」

Cho Co Pa Co Cho Co Quin Quin(通称チョコパ)でも活躍中の細野悠太と、細野晴臣50周年記念イベントに出演したこともあった福原音が2019年に組んだユニット、CHAPPO(シャッポ)。
待望の1stフル・アルバム『a one & a two』が発売されました。

CHAPPO『a one & a two』
(国内CD 全14曲入 
当店のみの先着特典マグネット付 DDCK-1081 3,300円)

ユニット名のCHAPPO(シャッポ)は細野晴臣さんが名付け親。
タイトル『a one & a two』は、エドワード・ヤン監督2000年公開映画『ヤンヤン 夏の想い出』の英題から命名。
カクバリズムからの発売で、小山田米呂(コーネリアス小山田圭吾の息子)も参加、...等々。
注目点が多々ありながらも、肩の力が抜けたような独特な空気感で統一されている作品でした。
インスト楽曲に加え、歌、セリフ、朗読、ムシ声まで入っている不思議な1枚です。

今日のこの1曲は、細野悠太が歌っている「You Came A Long Way From St.Louis」カヴァーを。
後半のムシ声(早回しした高い歌声)は、ムシ声マニアであり本作のジャケット・デザインも手掛けた岡田崇さんが所有している、ムシ声専用テープ・レコーダーを使用して録音したそうです。森陽馬


2025年5月2日(金) デイヴィッド・リー・ロス 「カリフォルニア・ガールズ」

新しいミュージシャンに興味を持つ時、僕の場合、今も昔も<60's>がキーワードになっていることが多いようです。

1978年レコード・デビューしたヴァン・ヘイレンに注目した時もそんな理由からでした。
彼らのデビュー曲はキンクスのカヴァー「ユー・リアリ・ガット・ミー」で、プロデューサーは60'sに活躍したグループ、ハーパース・ビザールのメンバーだったテッド・テンプルマン。60'sファンとしては放っておけないファクターです。

今日の1曲は、ヴァン・ヘイレンのリード・ヴォーカリスト、デイヴィッド・リー・ロスがグループを離れて出した大ヒット・シングルを。

1985年、デイヴィッド・リー・ロスがソロ・シングルとして出した曲は、なんと、ビーチ・ボーイズ1965年のヒット「カリフォルニア・ガールズ」のカヴァーでした。
この曲はあれよあれよという間にチャートを駆け上がり、全米チャート第3位を記録する大ヒットとなりました。

ビーチ・ボーイズのファンの中には、曲を冒涜しているという意見も当時ありましたが、僕は意外と気に入っています。
デイヴィッド・リー・ロスの猥雑な歌い方が、この曲に合っていると思いますし、なんと言ってもバック・コーラスにビーチ・ボーイズのカール・ウィルソンと、ファルセット部分ではクリストファー・クロスが参加していて素晴らしい。森勉

★デイヴィッド・リー・ロス『ザ・ベスト』
(国内CD 解説・歌詞付 WPCR-26310 1,430円税込)


2025年5月3日(土) Galactic and Irma Thomas 「Where I Belong」

ジョン・クリアリーの新作(2025年4月28日今日のこの1曲で紹介)は大好評!
店でかけていると、店内にいる方からの問い合わせがとても多いんですよね。9月の来日も楽しみ♪

それに続いて、ニューオリンズ・サウンドの新譜オススメ盤を紹介しましょう。

Galactic And Irma Thomas『Audience With The Queen』
(輸入CD TZR-003CD)

2025年で84歳を迎えた“ニューオリンズの女王”アーマ・トーマスと、ニューオリンズ発ジャズ・ファンク・バンドのギャラクティクが組んだ2025年新作アルバムです。

ローリング・ストーンズがカヴァーしたことで有名な「Time Is On My Side」や、名曲「It's Raining」で知られるアーマ・トーマスですが今も現役バリバリ! ギャラクティクによる楽曲&演奏も、ルーツに根ざした味わい深いサウンドで、彼女の元気な歌声を引き立てています。スタントン・ムーアのドラミングもタイトかつグルーヴ感があってかっこいいですね。

今日のこの1曲は2曲目「Where I Belong」を。
オルガン&ホーンもファンキーに響いて、スタックス・サウンド的でゴキゲンなナンバーです♪ 森陽馬



2025年5月4日(日) ROSETTES 「Green Ray」

ゴールデンウィーク真っ只中の本日5月4日は、みどりの日。
当店がある武蔵小山は、普段の日曜日よりまったりとした空気が流れています。

そんな雰囲気の昼下がり~休日の夜に合いそうな新譜この1枚。

ROSETTES『LIFESTYLES』
(輸入CD TIMMION RECORDS TRCD-12018)

ROSETTES(ロゼッツ)は、フィンランド/ヘルシンキを拠点に活動している8人組ソウル・グループ。
<北欧のクルアンビン>!?な浮遊感あるソウル・サウンドに、女性シンガー/ピアニストTytti Rotoによるヴォーカルが合わさり、ラウンジーに楽しめる1枚に仕上がっています。

今日のこの1曲は、Green Day(みどりの日)ならぬ3曲目「Green Ray」(みどりの光)を。
ゆったり漂うような曲が多いアルバム中、最もグルーヴィー&ファンキーなナンバーです。 森陽馬


2025年5月5日(月) JIMI TENOR 「Summer Of Synesthesia」

昨日紹介したROSETTESに続き、フィンランド出身ミュージシャンによるまったりとした雰囲気の時に聴きたいこの1枚。

JIMI TENOR『July Blue Skies』
(輸入CD TIMMION RECORDS TRCD-12015)

JIMI TENORは1965年フィンランド生まれのテナー・サックス/フルート奏者。
2024年発表アルバム『Is There Love In Outer Space?』(
2024年6月24日今日のこの1曲参照)と同様に、TIMMION RECORDSのスタジオ・バンドCold Diamond & Milkと組み、独特なメロウ・グルーヴ/コズミック・ソウルを聴かせる作品です。

生バンドとシンセが融合したソウル・サウンドは、ゆらゆらと漂うような浮遊感があります。
熱くファンキーなソウルとはまた違った、ゆったりと身体が揺れるグルーヴを感じさせますね。

今日のこの1曲は5曲目「Summer Of Synesthesia」(夏の共感覚)を。
4月の桜から5月の藤、そして、色鮮やかなツツジから夏の向日葵。
季節の花と同じく、変化していく心の移ろいを描いたサウンドトラックのようなナンバーです。森陽馬


2025年5月6日(火) Toni Wine 「Only Fools」

オールディーズ/ポップス・ファン、お待たせいたしました。
ティーンズヴィル・レーベルの新しい編集盤が出ました。

V.A.『All Dressed Up ~1960's Girl Goodies Lost & Found』
(輸入CD Teensville TV1067/国内仕様CDは5月28日発売予定)

今回はみなさんお待ちかねの60'sガール・ポップスものです。
未発表曲2曲を含めて全36曲、約80分収録。
ほとんどが無名アーティストのヒットしなかった曲なのにイイ曲ばかり。
いつも言っていますが、いったいどれだけの曲が埋蔵されているんでしょうか。本当に驚きです。

24ページ・カラー・ブックレットに、シングル盤のレーベルや女性シンガーの写真、詳細な英文解説が付いていますが、よく調べてくれたものです。頭が下がります。

注目曲はいろいろありますが、ブックレットの写真が気になったレスリー・ミラーや、ジェシー・ポールは曲も良かったし、ボブ・クルー&エディ・ランボウ作を歌ったロニー・ウォリス、バリー・デヴォーゾンが関係するスウィーツや、ダイアン・エモンドも素敵な曲でした。本当に目移りするイイ曲が並んでいます。

今日の1曲は、女性シンガー・ソングライターのトニ・ワインが、コルピックスから1964年に出したシングルのB面曲「オンリー・フールズ」を。いいバラードです。森勉


2025年5月7日(水) Young Gun Silver Fox 「The Greatest Loser」

アンディ・プラッツ(ママズ・ガン)、ショーン・リーによるAOR/ブルー・アイド・ソウル・ユニット、ヤング・ガン・シルヴァー・フォックス。
1stアルバム『ウェスト・エンド・コースト』から2025年でちょうど10年。一貫してグッド・メロディ&洗練されたサウンドを届けてくれる彼らの約3年ぶり5枚目となる新作がリリースされました。

ヤング・ガン・シルヴァー・フォックス『プレジャー』
(国内CD 解説・歌詞付 PCD-25472 2,750円税込)

♪スティーヴィー(・ワンダー)&スライ(・ストーン)の時代に 1975年に連れてって そこが僕の行きたいところ♪と歌うファンキーなリード曲「Stevie&Sly」から伸びやかな歌声、アレンジの気持ちよさは格別♪
今作ではホーンは最小限に、ハーモニーは増し増しという印象で、音の良さは今まで一番かも!と感じています。

初めて聴いた時からグッと心を掴まれた「The Greatest Loser」は、サビのハーモニーがとても美しい曲。
この曲で描かれる''最大の敗者''とはデヴィッド・キャメロン元首相のこと。
イギリスのEU離脱がもたらしたものは何か...アンディによる皮肉めいた詞には呆れ、強い憤りが表われています。
郷愁を誘う穏やかなメロディながら、気概を感じさせるナンバーです。東尾沙紀


2025年5月8日(木) The Derek Trucks Band 「I Wish I Knew」(How It Would Feel To Be Free)

時は約21年前の2004年5月20日。場所は渋谷CLUB QUATTRO。
デレク・トラックス・バンド初来日ツアーを観た衝撃は、今でも胸に焼き付いています。

会場はあまり混んでいなくて、スタンディングながら隣の人とは余裕があるくらいの客入りでした。
しかしながら、演奏が始まるとデレクのギターに圧倒され場内は大熱狂!
終演後にサイン会もあって、CD『Joyful Noise』にサインをしてもらったこともいい想い出です。

そのデレク・トラックス・バンド『Joyful Noise』に、ライヴ音源4曲を追加した新エディションがリリースされました。

The Derek Trucks Band『Joyful Noise/Backyard Trucks』
(輸入CD FLOATD6470/国内仕様盤 BSMF7748 2,970円税込)

『Joyful Noise』は2002年に発表された初期の名盤で、名ソウル・シンガーのソロモン・バークや、後にデレクの奥方となるスーザン・テデスキもゲスト・ヴォーカルで参加しています。近年は入手困難となっていたのでうれしい再発ですね。
今日のこの1曲は、今回追加収録されたライヴ音源「I Wish I Knew」(How It Would Feel To Be Free)。森陽馬


2025年5月9日(金) シュガー・ベイブ 「ダウンタウン」

5月5日に放送された【JFNスペシャル2025 山下達郎50thアニバーサリー シュガー・ベイブ『SONGS』~50年後の僕たちは】、お聴きになりましたでしょうか?

シュガー・ベイブの51年目のファンとしては、とても感慨深い番組でした。

JFN全国38局ネットでシュガー・ベイブをテーマにして、こんなラジオ・ドラマが作られるなんて…。
そこに、パーソナリティとして山下達郎さん、そして大貫妙子さんもナレーションで参加しているなんて。
時を戻せるなら、51年前の自分のまわりにいる人たちに、こっそりこのことを教えてあげたくなります。

僕が初めて“おっかけ”をしたバンド、シュガー・ベイブ。
当時のミュージック・シーンではとってもマイナーな存在でしたが、そんなシュガー・ベイブがレコード発売から50周年を迎え、こんな形で多くの方々に受け入れられるなんて本当にうれしい。
アルバム『SONGS』&シングル『ダウンタウン c/wいつも通り』発売50周年おめでとうございます。

今日はシングル・レコード押しということで、「ダウンタウン」を。

シュガー・ベイブ『ダウンタウン』
(7インチ・アナログ・シングル SRKL-3053 2,200円税込)

番組を聴いた多くの方々は、大貫妙子さんが店主を務める<喫茶ソングス>へ行ってみたくなったのでは。森勉


2025年5月10日(土) I'M WITH HER 「Mother Eagle (Sing Me Alive)」

忙しなく進んでいく日常に、穏やかで澄んだ風を運んでくれる1枚。

I'M WITH HER『Wild And Clear And Blue』
(輸入CD ROUNDER 00888072659216/輸入LP 00888072659230)

I'M WITH HERは、サラ・ワトキンス、サラ・ジャローズ、イーファ・オドノヴァンによる女性3人組ユニット。
2018年発表1stアルバム『See You Around』(
2018年2月16日今日のこの1曲で紹介)以降、各々のソロ活動を経て約7年ぶりとなる2ndアルバムがこの度リリースされました。

近年はテイラー・スウィフトの作品にも参加しているジョシュ・カウフマンによるプロデュース。
サラ・ワトキンスのフィドル、サラ・ジャローズのマンドリン、イーファ・オドノヴァンのギターを基にしたアコースティック・サウンドと、3人のコーラス・ワークが心地良く融和した美しい作品に仕上がっています。

今日のこの1曲は、やさしさを携えながら勇敢に歌い生きていく決意が伝わる「Mother Eagle (Sing Me Alive)」。森陽馬


2025年5月11日(日) Darrell Banks 「Beautiful Feeling」

<ソウルは幼少期のサウンドトラックだった。友達とテープを交換したり、女の子に好かれようと作ったミックステープにもソウルが溢れていた。なぜならソウル・ミュージックは僕らが感じていることを、自分よりもずっとうまく表現してくれていたからだ。>
(ポール・ウェラーによる序文より)

ポール・ウェラーお気に入りのソウル・ミュージックを、自身の選曲でまとめたコンピレーションがaceからリリースされました。

V.A.『Paul Weller presents That Sweet Sweet Music』
(輸入CD ace CDTOP1655)

ジャムの時代から作品やライヴで様々な曲をカヴァーしたり、憧れのミュージシャンと共演したり、ソウル愛を体現したきたキャリアの中で意外とありそうでなかった編集盤です。

ノーザン・ソウル人気曲The Dells「Run For Cover」、男女デュオPeggy Scott&JoJo Bensonのキャッチーな69年ヒット「Soulshake」、謎多きバンドBlackrockのファンク・インスト「Blackrock''Yeah,Yeah''」、アシュフォード&シンプソン作・Collins&Collinsの秀逸なバージョン「Top Of The Stairs」('80)など気になる曲が盛り沢山♪

スピナーズ、ジョン・ルシアン、ジェームズ・カー、ビリー・スチュワート、ベティ・デイヴィス、ベイビー・ヒューイなど有名どころからレアなものまで全26曲が収録されています。

本日は本コンピを締めくくる、ダレル・バンクスの感動的な名曲「Beautiful Feeling」を今日の1曲に。東尾沙紀


2025年5月12日(月) Jesse Ed Davis 「Every Night Is Saturday Night」(Unissued Alternate Version)

Black Friday2024/レコード・ストア・デイ秋版で出て話題となったジェシ・エド・デイヴィスの貴重音源集LP(2025年2月6日今日のこの1曲で紹介)が、この度CDで発売されました。

JESSE ED DAVIS『tomorrow May Not Be Your Day-The Unissued ATCO Recordings 1970-1971』
(輸入CD REAL GONE MUSIC RGM-1815 3,300円+税)

2枚組LPは値段が高く、現在は入手困難となっていたので、うれしい再発ですね。
彼が1stと2nd『ULULU』を録音していた1970~1971年頃の未発表音源なので、ジェシ・エドのギタープレイはもちろん、エリック・クラプトン、レオン・ラッセル、ジム・ケルトナー等々、名ミュージシャンの素晴らしい演奏が全17トラック楽しめます。

今日のこの1曲は、6曲目「Every Night Is Saturday Night」(Unissued Alternate Version)を。
ロンドンOlympic Sound Studioでの1970年録音で、1stに入っているオリジナルより約30秒長い別ヴァージョン!
後半に延々と続くエリック・クラプトンのギター・ソロが、更に長くなり聴きもの!

クラプトンは『レイラ』を制作していた時期でしょうか。その頃らしいキレキレなギターがかっこいいですね。森陽馬


2025年5月13日(火) 星野源 「Sayonara」

星野源が2018年12月発表作『POP VIRUS』以来、約6年半ぶりの新作アルバム『Gen』をリリースしました。

星野源『Gen』
(限定CD+Blu-ray VIZL-2436 8,910円税込/通常CD VICL-66033 3,410円税込)
(初回生産分のみMAD HOPE追加公演チケット先行抽選シリアルナンバー封入)

この6年半の間に、コロナ禍があり、彼にとっては結婚もあり、出逢いや別れ等色々なことが皆あったと思います。

本作にはシングル曲「創造」、「喜劇」、「不思議」、「生命体」、「Eureka」他全16曲を収録。
日常の喜怒哀楽が様々な形で表現されていますが、14曲目「Sayonara」を聴いて、言葉には表せない感情を抱きました。

SAKEROCKが解散を発表し、最後に出した2015年作『SAYONARA』のラストが「Sayonara」という曲でした。
今回の「Sayonara」は、同じ曲目ながら10年前の「Sayonara」とは曲調も雰囲気も全く違っています。

これ以上ない程低い歌声で始まるこの「Sayonara」という歌に、彼はどんな想いを込めたのでしょうか? 森陽馬


2025年5月14日(水) 高木正勝 「まだ生まれてもいない大地から」 feat.寺尾紗穂

アン・サリー、角銅真実、クレモンティーヌ、寺尾紗穂、Hana Hope。
この女性シンガー達が参加しているアルバムは何でしょうか?

答えは、高木正勝の2025年新作『スタジオ地図 Music Journey Vol.2 うたの時間』です。

高木正勝『スタジオ地図 Music Journey Vol.2 うたの時間』
(国内CD SICL-30070 3,300円税込/限定アナログは2025年10月1日発売予定 4,950円)

高木正勝が音楽を手掛けた細田守監督劇場作品『おおかみこどもの雨と雪』、『バケモノの子』、『未来のミライ』の中から厳選した楽曲に、歌い手が歌詞をつけ、新たに編曲された13曲が収められています。

生と死の境界線で鳴っているような、静謐で奥深い高木正勝が紡ぐ音と、各シンガーの歌が共鳴した1枚。
今日のこの1曲は、寺尾紗穂が歌う「まだ生まれてもいない大地から」(映画『バケモノの子』より)。森陽馬



2025年5月15日(木) ウェザー・リポート 「バードランド」

昔、六本木に【ウェザー・リポート】という雨の日は休みになる小さな洋服屋さんがありました。

ジョー・ザヴィヌル、ウェイン・ショーターがいたジャズ・グループのウェザー・リポートを聴くと、1960年代後半から1970年代前半の六本木の街の風景、その【ウェザー・リポート】という店があったあたりを思い出します。(バイト先が六本木だったので)

ということで、今日はウェザー・リポートの曲を。

ジャコ・パストリアス、アレックス・アクーニャが参加し鉄壁の布陣で録音、1977年に発表された名盤『ヘヴィー・ウェザー』から「バードランド」。

曲を書いたのは、メンバーのジョー・ザヴィヌル。
彼は印象に残るフレーズ/リフを作るのがうまいですね。
彼がキャノンボール・アダレイのグループに在籍していた時にも、「マーシー・マーシー・マーシー」というポップ・チャートの上位にランクされるヒット曲を作っていましたし。

なお、「バードランド」は後にマンハッタン・トランスファーが歌詞を付けてカヴァーし、話題になりました。森勉

★ウェザー・リポート『ヘヴィー・ウェザー』
(国内CD 解説付 SICJ-121 1,100円税込)


2025年5月16日(金) The Freedom Affair 「Picking Up The Pieces」

タフに、ときにスウィートに歌い上げる3人の女性ヴォーカリスト''freedom threedom''を擁する、アメリカ・カンザスシティ発のソウル・バンド、The Freedom Affair。

2020年発表の1st『Freedom Is Love』から約5年ぶり、セルフタイトルを冠した2ndアルバムがリリースされました。

The Freedom Affair『The Freedom Affair』
(輸入CD TFA-01 / 輸入カラーLPもあり)

The Freedom Affairは鍵盤奏者Chris Hazelton(Boogaloo7他)を中心に2017年に結成されたホーン含む9人組バンド。
新作はメンフィスの伝説的スタジオ<Royal Srudios>でのレコーディング!(エンジニアはLaurence''Boo''Mitchell)

ヴィンテージ感のあるサウンド&アレンジにもますます磨きがかかり、サザン・ソウルへと迫った今作でも、<Paula、Seyko、Shon>シンガー3人のパワフルで変幻自在なヴォーカル&ハーモニーが炸裂しています。

心地良いスロー・ナンバー「Tell Me I'll Be Yours」、ガツンと聴かせる「The Water」、感動的なゴスペル・バラード「Anchor」、ポップで高揚感のある「Coming Home」などなど。

気になる曲がたくさんですが、本日はどことなくアーロン・ネヴィル「Hercules」のフレーズを想起させる「Picking Up The Pieces」を今日の1曲に。ユニゾンで歌うサビもクールでかっこいいのです。東尾沙紀


2025年5月17日(土) ボックス・トップス 「ネオン・レインボウ」

1966年頃メンフィスで結成されたボックス・トップスは、1967~70年の間に10曲のチャート・ヒットを放ちました。

しかし、日本では1967年に全米No.1を記録した「あの娘のレター」(The Letter)が少し話題になった程度で、その後はほとんどレコードが出ない状態になってしまいました。
原盤のMALA/BELLレーベルが、日本では東芝から新設されたCBSソニーに移る時期だったのが禍してしまったのだと思います。

そんな彼らの1967年発表ファースト・アルバムが、日本のみで最近CD化されました。
うれしいことに、シングルのモノラル・ヴァージョンなど4曲のボーナス・トラックも収録されています。

グループには若き日のアレックス・チルトンが在籍していたり、ダン・ペンが楽曲提供したりしてサポートしていたことを1970年代に入ってから知り、このボックス・トップスというグループの重要性を再認識したわけです。

今日の1曲は、アレックス・チルトンのハスキー・ヴォイスが魅力のセカンド・ヒット「ネオン・レインボウ」を。森勉

★ボックス・トップス『ザ・レター/ネオン・レインボウ』
(国内CD 山田順一氏による日本語解説付 SICP-6662 1,430円税込)


2025年5月18日(日) リトル・フィート 「4 Days Of Heaven 3 Days Of Work」

リトル・フィートの2025年新作『STRIKE UP THE BAND』が入荷しました。

LITTLE FEAT『Strike Up The Band』
(輸入CD HOT TOMATO PRODUCTIONS LFR002CD)

前作『SAM'S PLACE』(
2024年7月15日今日のこの1曲で紹介)は、黒人パーカショニストのサム・クレイトンが歌うブルース・カヴァー・アルバムでしたが、本作は約13年ぶりのオリジナル曲を中心とした作品です。

これが凄く!素晴らしい!!
まさに、リトル・フィート・サウンド!な1枚に仕上がっています。

現バンドは、Bill Payne、Fred Tackett、Kenny Gradney、Sam Clayton、Scott Sharrard、Tony Leoneの6人体制。
グルーヴ感あるフィートらしい独特なリズムはもちろんのこと、ポール・バレアが2019年に亡くなった後(2020年頃)に加入したスコット・シャラード(元グレッグ・オールマン・バンドのギタリスト)が、ローウェル・ジョージ的なスライド・ギターを弾いていてグッときますね。

今日のこの1曲は、スコット・シャラードのギターが大活躍する1曲目「4 Days Of Heaven 3 Days Of Work」。
なお、他曲にモリー・タトル、ラリー・キャンベル&テレサ・ウィリアムス、ラーキン・ポーが参加しています。森陽馬


2025年5月19日(月) 高橋優 「はなうた pray for Akita」

先週、所用で秋田へ行った際、秋田市土崎の細川レコード店に立ち寄りました。


細川レコード店は大正14年創業、2025年で100周年!を迎えた街のCD店です。
正式名称は<細川蓄音機店>。歴史を感じますね。

新品商品のみながら、ジャンル問わず幅広く扱っていて在庫が充実。
ご当地CDや土崎港曳山祭のDVD、一般的に入手困難になっているCD・LPも色々ありました。
滞在中にもお客様がいらっしゃっていて、地元に根付き音楽を届けているのだな、と実感しました。
末永く営業を続けてほしいですね。

さて、現在活躍している秋田出身ミュージシャンと言えば、高橋優でしょう。
今日のこの1曲は、高橋優の最新作『HAPPY』(WPCL-13617 3,520円)から「はなうた pray for Akita」。
まっすぐで気骨ある歌声に心打たれます。

ちなみに、細川レコード店から徒歩10分ほどの「道の駅あきた港セリオン」には、無料で楽しめる展望台や、NHKの番組『ドキュメント72時間』で取り上げられ話題となった
うどん自販機が設置してありました。秋田市へ来る機会がありましたら、是非立ち寄ってみてください。森陽馬


2025年5月20日(火) 小坂忠 「夢を聞かせて」

書籍『佐橋佳幸の仕事 1983-2025』が本日発売されました。

(リットー・ミュージック 著:能地祐子 全304ページ 2,750円税込)

名ギタリスト/編曲家であり、心優しきミュージシャンである佐橋佳幸さんの仕事を纏めた1冊。
ギターテクニックだけでなく、佐橋佳幸さんが築き上げてきた“人”との繋がりや、温和な性格の内に秘めた音楽への情熱が、名曲をたくさん作り出してきたということを実感できる素晴らしい1冊です。

彼が深く関わった40曲を佐橋さんの証言を基に解説した項は特に面白いですね。
渡辺美里「センチメンタルカンガルー」(1988)は、移動中にイントロのギターリフが浮かび、忘れないうちに!と、公衆電話から自宅の留守番電話へそのメロディーを歌った思い出(元ネタはアンドリュー・ゴールド「ロンリー・ボーイ」だったそう)や、小田和正「ラブ・ストーリーは突然に」イントロの有名なギター・リフが生まれた瞬間の話。藤井フミヤ「True Love」編曲時の逸話や、鈴木祥子さんを手掛けていた頃の話、山下達郎、竹内まりや、佐野元春、松たか子さんとの出逢い等々、興味深いエピソードが満載です。

今日のこの1曲は、佐橋さんが作曲・編曲を手掛けた小坂忠の2001年発表曲「夢を聞かせて」。
プロデューサーの細野晴臣さんから、「ジェイムス・テイラー・ミーツ・ビル・ウィザースの感じでお願いします。いい曲待っています。」との連絡をもらい、一気に書き上げたナンバーだそうです。森陽馬

★掲載ジャケットは、小坂忠『People』
(国内CD 「夢を聞かせて」収録 MHCL-30630 2,750円/国内LP MHJL-140 4,070円)


2025年5月21日(水) ロッテン・ハッツ 「Always」

ロッテン・ハッツが1992年に発表したメジャー1stアルバム『Sunshine』。
大好きなこの名盤が、アナログ・レコードで再発売されました。

ロッテン・ハッツ『Sunshine』
(国内LP 完全限定盤 MHJL-386 4,620円税込)

ロッテン・ハッツは、後にGREAT3を結成する片寄明人、高桑圭、白根賢一と、ヒックスヴィルとなる木暮晋也、中森泰弘、真城めぐみが組んでいた6人組バンド。
佐橋佳幸をプロデューサーに迎え制作された1992年発表の本作は、エヴァー・グリーンな魅力に溢れたグッド・タイム・ミュージックな1枚で、ドラマ『ホームワーク』挿入歌「STAY」含めイイ曲揃い!本当に何度も繰り返し聴きましたね。

今日のこの1曲は、A面3曲目「Always」を。
シュガー・ベイブ「パレード」の90年代版を目指そう、との意図で、元々は作られたナンバーだそうです。
フィフス・アヴェニュー・バンドを甘く爽やかに味付けしたようなサウンドと、片寄さんのヴォーカルにキュンときますね。

ちなみに、昨日紹介した書籍『佐橋佳幸の仕事』に、ロッテン・ハッツのことも紹介されていました。
佐橋佳幸さんは自身のバンドでの苦い経験から、バンドをプロデュースするのは当時断っていましたが、ロッテン・ハッツに関しては、「俺がプロデュースしなかったら誰がやるんだ」との強い想いで引き受けたとのこと。(残念ながら、本作に続く1993年発表2ndアルバム『スマイル』の後、ロッテン・ハッツは解散してしまいます。) 森陽馬


2025年5月22日(木) スカート 「スペシャル」

2025年でCDデビュー15周年。
通算10作目(メジャー5作目)となる澤部渡ソロ・プロジェクト<スカート>の新作がリリースされました。

スカート『スペシャル』
(国内CD ブルーレイ付 PCCA-06380 4,950円税込 / 通常盤もあり)

ライヴでもサポートを務める佐藤優介(カメラ=万年筆etc)、シマダボーイ(per)、岩崎なおみ(b)、佐久間裕太(dr)らバンドを軸に、重住ひろこ(smooth ace/コーラス・アレンジ)、柴田聡子、畳野彩加(Homecomings)がゲスト参加♪

「今日もまたバスに乗れてしまったんだ スペシャルな予感は思い違いだった!」

''バスに乗れたから、スペシャルな一日になりそう''...とはいかない、印象的なフレーズからはじまる「スペシャル」。
跳ねるリズム、キャッチーなギターソロ、アウトロのウーリッツァー、軽やかな女性コーラス(♪ウ~バッバッ♪)
詞は切ないけれど、メロディはとびきりポップ!バンドの一体感も感じられる必聴曲です。

付属のブルーレイには、2024年9月13日に代官山UNITで行われた『スカート presents 炎のフリーライヴ2024』のライヴ映像(51分)を収録。
先着特典として、澤部さんの似顔絵が入った''優勝記念タオル''が付きます。東尾沙紀


2025年5月23日(金) Smokey Robinson 「You've Got A Friend」

唯一無二の優しいベルベット・ヴォイスは健在!
2025年で85歳を迎えたスモーキ・ロビンソンの新作が発売されました。

Smokey Robinson『What The World Needs Now』
(輸入CD Gaither Music SHD9586)

バート・バカラック作曲「What The World Needs Now』(世界は愛を求めている)をタイトルに冠した本作は、ボブ・マーリィ「Three Little Birds」、ビル・ウィザース「Lean On Me」、ステイプル・シンガーズ「I'll Take You There」等々、名曲のカヴァーを中心とした10曲入りのアルバムです。

テンプテーションズを招き再演した「Be Kind To The Growing Mind」、ルイ・アームストロングで有名な「What A Wonderful World」カヴァーなど、聴きどころは多々ありますが、今日のこの1曲は「You've Got A Friend」(キャロル・キング作)のカヴァーを。
この大好きな曲を、スモーキーの包容力ある歌声で聴くことができて、幸せな気持ちになりますね。森陽馬


2025年5月24日(土) Taj Mahal & Keb' Mo' 「Room On The Porch」 feat. Ruby Amanfu

昨日のスモーキー・ロビンソンに続き、音楽界の重鎮による新作を紹介しましょう。
先週5月17日で83歳を迎えたタジ・マハールが、ケヴ・モと組んだ2025年発表作です。

TAJ MAHAL & KEB' MO' 『Room On The Porch』
(輸入CD Concord 00888072678002)

グラミーのコンテポラリー・ブルース賞を受賞した2017年発表作『TAJMO』以来となる2人のコラボ・アルバム。
渋~いブルース作品?、と思いきや、リラックスして聴けるグッド・タイム・ミュージックな1枚でした。

テネシー州フランクリンにあるStu Stu Studioと、ナッシュビルAddiction Sound Studiosでの録音で、アコースティック・ギター&スライド・ギター&フィドルが絡む穏やかな演奏に、味わい深いタジとケヴ・モの歌声がゴキゲンな仕上がりです。

今日のこの1曲は1曲目「Room On The Porch」 feat. Ruby Amanfu。

♪Come On Up. There's Room On The Porch For Everyone♪
(さあ、上がりなよ。ポーチにはみんなのための部屋があるんだ。)

ナッシュビルを拠点に活動している黒人女性シンガーRuby Amanfuのゲスト・ヴォーカルもイイ感じ。
ポーチに腰かけてゆったりしたくなるナンバーですね。森陽馬


2025年5月25日(日) Kelyn & Keite 「Back Against The Wall」

ムーディな雰囲気を演出してくれるメロウ・グルーヴな新世代ソウル・オススメ盤♪

V.A.『LUXURY SOUL 2025』
(輸入3枚組CD EXPANSION RECORDS CDBEXP-25)

良質なソウル作品をリリースし続けているEXPANSION RECORDSが編集した3CDコンピレーションです。

有名ではないアーティストでもイイ歌が多くて、全35曲捨て曲なし!
さりげないスムースなソウルBGMとしても楽しめますが、オッ!と思わせる曲も多々あるんですよね。

その中から、今日のこの1曲はKelyn&Keite「Back Against The Wall」を。

黒人男性シンガーのKelyn CrappとKeite Youngによるユニットが、2024年6月に配信のみでリリースしたカーティス・メイフィールドのカヴァー・アルバム『Curtis』に収録されていた楽曲。
フィジカルは出ていなかったので、本作の存在自体をこのコンピで聴いて初めて知りました。

歌もバックのトラックも上品な感じで凄くいいですね。
カーティス好きはもちろん、R&B好きの方も要チェックです。森陽馬


2025年5月26日(月) Flower Pot Men「Let's Go To San Francisco」

フラワー・ムーヴメントという言葉が流行した時代がありました。
1967年がまさにそんな年でした。

そんな時代にデビューしたのが、フラワー・ポット・メンというバンドです。

1967年夏に「Let's Go To San Francisco」(邦題:花咲くサンフランシスコ)という曲が、イギリスで大ヒットしました。
当時日本盤も発売され、日本のラジオでも結構よく流れていました。
アメリカでもヒットしたのかと思っていたのですが、アメリカのチャートには登場していないのですね。

そのフラワー・ポット・メンのアンソロジー3枚組CDが発売されました。

The Flower Pot Men『Mid Summer Dreaming - An Anthology 1967-1970』
(輸入3枚組CD Grapefruit/Cherry Red CRSEG157T)

作曲家コンビとして活動していたジョン・カーター&ケン・ルイスが中心のグループで、当時は発表されなかったアルバム音源、未発表デモ、BBCセッションなど、盛りだくさんの全64曲収録。ポップでサイケなサウンドが楽しめます。森勉


2025年5月27日(火) STREOLAB 「Melodie Is A Wound」

ステレオラブの15年ぶりとなる新作アルバムが発売されました。

STEREOLAB『Instant Holograms On Metal Film』
(国内CD 先着ステッカー付 解説・歌詞・対訳付 BRC784 2,860円税込/輸入LPもあり)

1990年頃ロンドンで結成したステレオラブは2025年で約35周年。
本作は2010年発表作『NOT MUSIC』以来となるオリジナル・アルバムです。

無機質なようで有機的。
無関心のようで政治的。
アンビエントなようでグルーヴかつロックなサウンド。
そして、ポップ・ワールド全開な、ステレオラブらしさに溢れた傑作。

今日のこの1曲は、3曲目「Melodie Is A Wound」を。
めくるめく“ステレオラブ・ビート”に、戦争経済や言論統制への批判をテーマにした歌詞。
長いイントロ&アウトロ。浮遊し揺れながらも前に進んでいきます。森陽馬


2025年5月28日(水) 「楽しい夜更かし」 (Daiki Chiba from Kroi Remix)

1975年に設立した大滝詠一ナイアガラ・レコードの50周年記念新アイテムが発表されました。

『Eiichi Ohtaki's NIAGARA 50th Odyssey Remix EP』
(2025年7月7日発売 8cmCD 完全生産限定盤 SRDL-4770 2,200円税込)

短冊の日2025が行われる7月7日に、『Niagara Song Book3』アナログ盤とイラスト・ブックに加え、ナイアガラ8cmCDが完全限定盤で発売決定!
ナイアガラ・レーベル50年間で初!となるリミックス企画です。
Cornelius、スチャダラパー、Night Tempo、原口沙輔、千葉大樹(Kroi)、Mega Shinnosukeの6組が、大滝詠一の名曲に新たな息吹を吹き込んだリミックスになっているそうです。

更に、7月11日からは
東京・神保町New Galleryにてナイアガラ企画展も開催決定しました。
<もしも今、東京・神保町に「ナイアガラ・レコード」の事務所があったら>をコンセプトに、貴重アイテム等が展示。
河村康輔が手掛けたオリジナル作品の展示や、50周年記念グッズも発売されるそうで楽しみですね。

7月12日・13日代々木公園イベント広場ケヤキ並木で開催されるナイアガラ盆踊り。
そして、7月12日LINE CUBE SHIBUYAでのナイアガラ・コンサート等々、7月はイベント盛りだくさん!
七夕~お盆はナイアガラ三昧な楽しい夜更かしが続きそうですね。森陽馬


2025年5月29日(木) Candy Opera 「Wide Open Spaces」

1982年にリヴァプールで結成され、活動期間10年間に作品を残さぬまま解散してしまったバンド、キャンディ・オペラ。

2018年にベルリンのレーベルからリリースされ、ネオアコ~ギター・ポップ・ファンの間で話題となった彼らの発掘音源集2作品『45レヴォリューション・パー・ミニット』&『レアリティーズ』が2枚組で再発!
さらに国内盤としては初登場となる、再始動後2020年発表の1stアルバムも同時発売されました。

キャンディ・オペラ『ザ・パトロン・セイント・オブ・ハートレイク』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック3曲追加収録 先着特典マグネット付 2,750円税込)

ペイル・ファウンテンズ、アズテック・カメラ等が引き合いに出される当時の瑞々しさを残しつつ、成熟したサウンドを聴かせてくれる1stアルバムは、ブリティッシュらしいグッド・メロディが満載です。

フロントマンPaul Maloneの歌声も相まって、プリファブ・スプラウトっぽい「Real Life」、牧歌的な「Five Senses, Four Seasons」、「Move On Up」風の疾走感ある「Rise (If That's What People Want)」など、ちょっと懐かしさも感じさせます。

今日のこの1曲は、国内盤ボーナス・トラックの中から近年作られた楽曲?「Wide Open Spaces」を。
ポール・ウェラー『Wild Wood』~『Heavy Soul』あたりを彷彿とさせる骨太なロック・ナンバーです。

なお、キャンディ・オペラは新作を現在制作中とのこと! そちらも楽しみです。東尾沙紀


2025年5月30日(金) DOC WALKER 「Girls In Their Summer Clothes」

猫ジャケ、犬ジャケ、車ジャケ、飛行機ジャケ、美女ジャケ、etc...
CD・レコードのジャケットは色々ありますが、僕が集めているのは“馬ジャケ”です。

本日は、最近リリースしたお気に入りの“馬ジャケ”を紹介しましょう。

V.A.『SPRINGSTEEN'S COUNTRY』
(輸入CD ACE CDTOP-1661)

ブルース・スプリングスティーン作の楽曲をカントリー歌手が取り上げたカヴァー全20曲収録。
UKのACEレーベルによるソングライター・シリーズのスピンオフ的なコンピレーションCDです。

1982年発表作『ネブラスカ』を彷彿とさせる色調に、若きBOSSと精悍な馬2頭の写真がいいですね。
初めて聴くカントリー歌手やカヴァー曲がほとんどで、内容的にもBOSSファンなら楽しめる1枚。

今日のこの1曲は、カナダ/マニトバ州出身バンド、DOC WALKERによる「Girls In Their Summer Clothes」。
ブルースのオリジナルは2007年発表快心作『Magic』に収録。
そのかっこよさを引き継ぐナイス・カヴァーです。

ちなみに、6/1日本ダービーは、2015年ダービー馬ながら2021年に若くして急逝したドゥラメンテ産駒による最後の後継馬、マスカレードボール(仮面舞踏会の意)に期待しています。森陽馬


2025年5月31日(土) 吾妻光良&ザ・スウィンギン・バッパーズ 「おいこら、お嬢ちゃん」

今月も新品アナログ・レコードがたくさんリリースされました。

新録音作品では、Kanekoayano、小西康陽、WiNK MUSiC SERViCE、ステレオラブ、大橋トリオ等。
リイシュー作品では、キリンジ1st&2nd、ロッテン・ハッツ『Sunshine』、山下達郎『Melodies』、ミッシェル・ガン・エレファント、Blankey Jet City、Cho Co Pa Co Cho Co Quin Quin再入荷等々、話題盤・人気盤が多数ありました。

今日はその中から、こんなレコードも令和の時代に!?というアイテムを取り上げましょう。

吾妻光良&スウィンギン・パッパーズ『おいこら、お嬢ちゃん』
(国内7inchレコード VSEP863 2,200円税込)

本作は、吾妻光良&ザ・スウィンギン・バッパーズがデビューした1983年シングルの復刻盤。
「おいこら、お嬢ちゃん」は、キャブ・キャロウェイ「Que Pasa Chila」(1949)を日本語でカヴァーした楽曲で、吾妻光良さんによる日本語ジャンプ・ブルースの原点と言えますね。
サビの♪ケ・パ・サ・チ・カ♪を皆で合唱できるラテン調の楽しいナンバーです。

なお、この7インチと一緒に、1983年発表1stと1988年発表2ndがCDとLPで新たに再発。
2024年発表作『Sustainable Banquet』もアナログLPが6/25発売予定になっています。森陽馬




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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