トップページ        今日のこの1曲アーカイヴス



  今日のこの1曲 “Archives”

<2025月8月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2025年8月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。
<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2025年8月1日(金) 大貫妙子 「4:00 A.M.」(2025 Re-edit Version)

8/2発売開始の<CITY POP ON VINYL 2025>アイテムで当店一番人気はコレです!

大貫妙子『4:00 A.M./じゃじゃ馬娘』
(国内7inch 完全生産限定盤 MHKL-102 2,640円税込)

1978年発表作『ミニヨン』収録曲で、サブスク再生が1億回を越す近年の大人気曲「4:00A.M.」。
夜明け前午前4時に目覚めた時の刹那、夢と現実の狭間に行き交う切ない恋心が描かれた名曲。

坂本龍一が編曲とキーボードを担当し、松木恒秀(ギター)、渡嘉敷祐一(ドラムス)、細野晴臣(ベース)、浜口茂外也(パーカッション)、Jake H Conception(フルート)、伊集加代子、和田夏代子、鈴木宏子、梅垣達志、ヒデ・コウタロウ(コーラス)、更にトランペット&トロンボーン等ホーン8名によるバンドで録音されたナンバーです。

元々は5分36秒ありますが、今回のシングル・カット用に4分43秒に縮めた2025 Re-edit Versionで収録。
アウトロの松木恒秀さんによるギター・ソロが、真ん中あたりをうまくeditして短くなっています。
(違和感はありませんが、松木さんが生きていたら怒りそう・・・?!)
このRe-editはGREAT TRACKSプロデューサーの清瀬茂(元音響ハウス)が手掛けています。

なお、本アナログは名エンジニア、バーニー・グランドマンがカッティングを担当。イイ音していますね。森陽馬


2025年8月2日(土) Grateful Dead 「Scarlet Begonias」~「Touch Of Grey」~「Fire On The Mountain」

グレイトフル・デッドは今年2025年に結成60周年を迎えました。

それを記念し、60時間の未発表ライヴ音源を収めたCD60枚組BOXが6,000セット限定で5月30日に発売。
(公式サイトのみの販売ながら、現時点で完売しています)
デッドは好きだけれど、60枚組BOXはちょっと・・・、という方のために出たのが、この3枚組CDです。

Grateful Dead『The Music Never Stopped』
(輸入3枚組CD RHINO 603497815791)

デッドのライヴ音源を多数所有し『Dick's Pick』としてリリースしていた伝説のアーカイヴァーDick Latvala亡き後、音源を管理しているDave Lemieuxが纏めた未発表ライヴ集。1969年フィルモア・ウエストから、1970年代レッドロックス、1980年代マジソン・スクエア・ガーデン、1990年代まで、様々な年代と場所からファン垂涎の名演が選ばれています。

今日のこの1曲は、「Scarlet Begonias」から「Touch Of Grey」、そして「Fire On The Mountain」へ繋がっていくデッドらしい長尺、1984年7月13日カリフォルニア/グリーク・シアターでのライヴを。

「(嫌なことも色々あるけれど)、なんとかなるさ。俺たちみんな生き残っていこうぜ。」
(「Touch Of Grey」歌詞より)

なお、昨日8月1日はジェリー・ガルシアの誕生日。1週間後の8月9日は彼の命日になります。森陽馬


2025年8月3日(日) Madeline Bell 「I'm Gonna Make You Love Me」

フィラデルフィア・ソウルの数々の名曲を作ったソングライター、ケニー・ギャンブルとレオン・ハフの作品集が出ました。

『LOVE TRAIN ~ The GAMBLE AND HUFF SONGBOOK』
(輸入CD KENT/ACE CDTOP534 28ページ英文ブックレット付)

オージェイズ、ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツ、ルウ・ロウルズなどのフィラデルフィア・インターナショナル・レーベルでのヒット曲はもちろん、かなり幅広いレーベルから選ばれています。

1970年代を中心に全24曲。
ギャンブル&ハフの珠玉の名曲を堪能できる内容になっていると思います。

この中から、僕なりのオススメ3曲は、
・マデリン・ベル「I'm Gonna Make You Love Me」
・マーゴ・サンダー「Expressway To Your Heart」
・ボニー・ブラムレット&ドビー・グレイ「Never Gonna Give You Up」 森勉


2025年8月4日(月) Paul Carrack 「Love Will Keep Us Alive」

エース、スクイーズ、マイク&ザ・メカニクス、近年はエリック・クラプトンのバンドなど、70年代から活躍を続けるイギリスのミュージシャン、ポール・キャラック。

<ブルーアイドソウルシンガー>というイメージが強い彼が、2025年の最新作ではカントリー・ミュージックに取り組んでいます。

Paul Carrack『The Country Side Of Paul Carrack Vol.1』
(輸入CD Carrack-UK PCARCD38)

「キャラックさんの曲をカヴァーしてもいいですか?」と、ノースカロライナのカントリー・ミュージシャンSteven Woodからの連絡をきっかけに動き出した今作の制作。Stevenにプロデュースを任せ、彼が集めたナッシュヴィルのプレイヤーが参加しています。

ハンク・ウィリアムズ、マール・ハガード、ジョージ・ジョーンズ...昔から大好きだというカントリーのカヴァーを中心とした作品。スクイーズのクリス・ディフォードが歌詞を手掛けた「In The Cold Light Of Day」、90年代にイーグルスへ提供された「Love Will Keep Us Alive」セルフカヴァー、オリジナル曲も織り交ぜています。

「Love Will Keep Us Alive」は、キャラック、ジム・キャパルディ、ピーター・ヴェイルの共作で、イーグルス1994年作『ヘル・フリーゼズ・オーヴァー』に収録されていた曲。
フィドル、バンジョー、スチール・ギター...カントリーのアレンジもこの曲にとてもマッチ、ナッシュヴィルのバンドの穏やかな演奏が柔らかな歌声を引き立たせています。東尾沙紀



2025年8月5日(火) Yellow Magic Orchestra 「TONG POO」(LIVE)

今から46年前(1979年8月2、3、4日)、YMOは初めて海を渡り、海外でライヴを行いました。

それを記録したアメリカ/ロサンゼルスにあるグリーク・シアターでのライヴ音源が、細野晴臣監修・GOH HOTODAによるマルチトラックからの最新ミックス&マスタリングを施され、再CD化及びアナログ・レコード化となりました。

Yellow Magic Orchestra『YMO LIVE AT THE GREEK THEATRE 08/04/1979』
(国内CD MHCL-31041 3,300円/国内LP MHJL-441 4,950円)

坂本龍一(キーボード)、細野晴臣(ベース)、高橋幸宏(ドラムス)に加え、渡辺香津美(ギター)、矢野顕子(キーボード)、そして松武秀樹(プログラミング)による演奏が、より洗練されたクリアなサウンドになり、46年という時の隙間を感じさせない熱が伝わってきます。

今日のこの1曲は、アンコールで披露されたラスト「TONG POO」。
渡辺香津美のギター・ソロ、坂本龍一キーボード・ソロがキレキレでかっこいい!

ちなみに、フジロック2025でGINGER ROOTが「TONG POO」のカヴァーを披露したそうです。
YMO1979海外公演が起点となり、彼らの音楽が様々な国と人に広がって引き継がれたのだと実感しました。森陽馬



2025年8月6日(水) ニーナ・ショウ 「ラヴ・ソー・ファイン」

2025年6月8日付今日のこの1曲コーナーでお知らせしていた、ロジャー・ニコルス作品集が発売になりました。

『ロジャー・ニコルス・ソングブック』
(国内2枚組CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-31776~7 2,860円税込)

日本独自企画、2枚組のCDに全42曲。
ロジャー・ニコルスが作った数々の名曲を、様々なミュージシャンによって聴くことができる最高の作品集です。
監修の濱田高志さん、こんなすばらしい選曲のCDをありがとうございます。

朝妻一郎さん、ポール・ウィリアムスさんの寄稿文、濱田さんの曲目解説など、ブックレットに掲載された文章はどれもロジャー・ニコルス作品への愛に溢れたもので、読みながら聴くと楽曲の味わいがより深まりますね。

全曲お気に入りですが、今日は8曲だけ挙げておきます。
①ニーナ・ショウ「ラヴ・ソー・ファイン」
②ホセ・フェリシアーノ「シーズ・トゥ・グッド・トゥ・ミー」
③サンダウナーズ「オールウェイズ・ユー」(大・大好きなイントロ・ストリングス入り)
④ニュー・ドゥードゥルタウン・パイパーズ「オンリー・ミー」
⑤スティーヴ・ローレンス「アイム・ゴナ・ファインド・ハー」
⑥カレン・ワイマン「サムバディ・ウェイティング」
⑦森山良子「サムシングス・ネヴァー・チェンジ」
⑧ミシェル・ルグラン「タイムズ・オブ・ユア・ライフ」
<①、④、⑤、⑥は世界初CD化> 森勉


2025年8月7日(木) paris match 「backdoor」

レインボー・ブリッジを渡り、浜崎橋ジャンクションを左折してしばらく走ると、ビルの間から東京タワーが見えてきます。
カーブが続くわりに飛ばしている車も多く、やや緊張感も伴いますが、夜は東京タワーと都会の灯りがきれいで、運転していて心がときめきますね。

paris matchの新曲「Backdoor」Music Videoには、上記のような車中から見える都会の景色が色々出てきます。

その「Backdoor」を収録したparis match13枚目のオリジナル・アルバム『Le 13e』が発売されました。

paris match『Le 13e』(ル・トレズィエム)
(国内CD VICL-66084 3,740円税込)

杉山洋介が手掛けるスタイリッシュながら切なさも感じさせる旋律を含んだサウンド・アレンジと、ミズノマリのクールかつセクシーな歌声が、都会の夜に抱く恋心を高ぶらせるナンバー。

佐々木史郎(トランペット)、山本一(サックス)、佐野聡(トロンボーン)によるホーン隊の演奏も聴き所です。森陽馬



2025年8月8日(金) 村田和人 「So Long, Mrs.」

今日は、永遠の夏男、村田和人の曲を。

村田さんの曲はどんな季節に聴いてもいい気分になれるのですが、やはり夏、暑い季節が一番似合う気がします。
村田さん自身も夏が大好きでしたね。

村田さんのCDは2023年にブリッジ・レーベルからムーン時代の5枚とビクター時代の3枚がリマスターされ、ボーナス・トラックも加えられ、充実したライナーノーツも掲載した形で再発されました。
そう、ムーン時代のプロモーション用カセット音源も初CD化されましたね。
(当店ではこのブリッジからの9種CDに、各ジャケ写絵柄のマグネットをお付けしています。)

さて、今日の1曲は、1983年発表の名作『ひとかけらの夏』から「So Long, Mrs.」を。

後半、山下達郎~村田和人~椎名和夫~竹内まりやのコーラスがいいですね。

そういえば、村田さんがライヴでこの曲を歌う時、エンディングに「ビッグ・ウェイヴのテーマ」を一節入れてくれるのが、たまらなく好きでした。森勉

★村田和人『ひとかけらの夏』
(国内CD BRIDGE381 2,530円税込)



2025年8月9日(土) Autocamper 「Again」

再結成ツアーで大いに盛り上がっているオアシスの故郷マンチェスター発の新人バンド、デビュー作♪

Autocamper『What Do You Do All Day?』
(輸入CD Safe Suburban Home sir294/ssh055)

Autocamperは2022年に結成されたJack(vo,g)、Niamh(key,vo)、Harry(b)、Arthur(drs)による男女4人組インディー・ロック・バンド。彼らの1stアルバムは、グラスゴー出身でCatholic Actionのフロントマンとしても活動するChris McRoryをプロデューサー/エンジニアに迎え、グラスゴーにあるGreen Door Studiosでレコーディングされています。

Autocamperのポップな楽曲&サウンド、男女ヴォーカルのスタイルは、カメラ・オブスキュラ、オレンジ・ジュース、ヴァセリンズ、パステルズなど、引き合いに出されるこれら80~90年代バンドのエッセンスを感じさせます。
疾走感のある曲もかっこよくて、個人的には「音をマイルドにした初期Ash」みたいな印象も受けました。

本日は今作のリード・シングルで、オープニングを飾る「Again」を今日の1曲に。
キャッチーな曲ながら、意中の女性は自分の気持ちにまったく届いていない,,,ナイーヴな心情が歌われています。東尾沙紀



2025年8月10日(日) Caetano Veloso 「If You Hold A Stone」

第97回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した『アイム・スティル・ヒア』を新宿武蔵野館で鑑賞しました。

『セントラル・ステーション』(1998)、『モーター・サイクル・ダイアリーズ』(2004)で知られるブラジル/リオ出身のウォルター・サレス監督が、約12年ぶりに手掛けた長編映画です。

舞台は軍事独裁政権であった1970年代のブラジル。
幸せに暮らしていたパイヴァ家の長であった夫が政府に連行され、そのまま行方不明になった実話を基に、残った妻エウニセと子供たちが歩む人生が描かれています。

政治的背景が反映した悲劇であり、切なく哀しい場面もあります。
しかしながら、妻エウニセの優しく力強い人生に、勇気づけられる方も多いのではないでしょうか。
当たり前のようで奇跡である、家族の幸せな瞬間を、さりげない日常の中で実感できる傑作だと思います。

あと、音楽も印象的に使われていますね。
レコードで音楽をかけて家族で楽しく踊る情景や、LPジャケットが大きく映される場面もありました。

今日のこの1曲は、映画内ではかかりませんが、カエターノ・ヴェローゾがイギリスに亡命していた1971年に発表したアルバム『イン・ロンドン』から、「If You Hold A Stone」を。
とある英国ロックの大名盤と一緒に本作のジャケが登場する場面は、物語の時代背景を如実に表していました。

なお、ウォルター・サレス監督は、カエターノの映像作品『Circuladô Vico』(1992)を手掛けたこともありました。
本作の中で、カエターノ以外にガル・コスタ、トン・ゼー、エラズモ・カルロス等もかかります。
ブラジル音楽ファンも映画『アイム・スティル・ヒア』を是非チェックしてみてください。森陽馬



2025年8月11日(月) Cat Stevens 「Oh Very Young」(Live In Tokyo)

<愛の言葉を抱いて行け>
(Carry the words of love)

キャット・スティーヴンスが1974年6月22日に中野サンプラザで行ったコンサートの音源が初CD化されました。
そのCDの見開きジャケット1ページ目に、上記の言葉が日本語で書かれています。

Cat Stevens『SATURNIGHT (Live In Tokyo)』
(輸入CD A&M 00602468083047)

1974年作『Buddha & The Chocolate Box』(仏陀とチョコレート・ボックス)を発表した時の世界ツアーでの音源。
日本では6/21、22中野サンプラザ、6/26京都会館、6/27大阪厚生年金会館で公演を行いました。

本作は約51年前のライヴ音源ながら、とてもクリアで素晴らしい音質ですね。
ブックレットには、当時のツアーマネージャーだったCarl Millerと、ベーシストとして来日したBruce Lynchによる日本ツアーでの想い出が記されていました。(京都へ行った時のことや、焼肉店へ入って食べたこと等)
想い出は色褪せる、と言われますが、音楽と共に蘇る想い出もあることを教えてくれます。

今日のこの1曲は、「Will you carry the word of love with you?」という歌詞が出てくる「Oh Very Young」。森陽馬



2025年8月12日(火) Rolling Stones and Steve Riley 「Zydeco Sont Pas Salés」

ジョン・クリアリーの2025年9月来日公演チケットがあっという間に売り切れてしまいました。
(特に9月24日東京公演は、早々にSold Outとなりましたね。)
正直いって、油断していたなぁ・・・。観に行かれる方、楽しんできてください!

さて、チケットを取り損ねた方(そうでない方も)、このアルバムを聴いて気分を上げましょう!

『A Tribute To The King Of Zydeco』
(輸入CD Valcour Records VALCD0058)

ニューオリンズ/ルイジアナ南西部の伝統的ダンス音楽、ザディコ。
本作は、ザディコ界を代表するミュージシャンであったクリフトン・シェニエ(1987年逝去)のトリビュート盤です。

これが最高!!!
1曲目がいきなりローリング・ストーンズ&スティーヴ・ライリーで鼻血必至!
ジョン・クリアリー、タジ・マハール、ジミー・ヴォーン、ジョン・ハイアット、スティーヴ・アール、ルシンダ・ウィリアムス、シャノン・マクナリー、モリー・タトル、マーシャ・ボール、サニー・ランドレス、息子のCJシェニエ含め、ルーツに根ざしたミュージシャンが多数参加しています。

今日のこの1曲は、熱狂の①!ローリング・ストーンズ&スティーヴ・ライリー「Zydeco Sont Pas Salés」。
チャーリー・ワッツはメンバーに入っていないので、ここ数年の間に録音した音源と思われます。
(ドラマーのクレジットは、Robert St.JulienとRuss Broussard) アイヴァン・ネヴィル、ザッカリー・リチャードも参加。
聴いていると、気温&体温が大幅アップしてしまう、熱中症危険アラートなナンバーですね。

なお、本作の収益は、ルイジアナ大学のクリフトン・シェニエ記念奨学金基金へ寄付されるそうです。森陽馬


2025年8月13日(水) Lukas Nelson 「Born Runnin' Outta Time」

ウィリー・ネルソンの息子、ルーカス・ネルソンがソロ名義のアルバムを発表しました。

Lukas Nelson『American Romance』
(輸入CD 6 ACE Records/Sony 19802-89450-2)

ルーカスが中心になり率いてきたバンド、プロミス・オブ・ザ・リアルが休止を発表したのは2024年6月。
ニール・ヤングのバック・バンドだけでなく、ルーカス&プロミス・オブ・ザ・リアル名義の作品をリリースしたり、レディー・ガガ主演映画『アリー/スター誕生』音楽担当及び出演など、活動は順風満帆に見えましたが、ルーカス自身は色々と悩んでいたのかもしれませんね。

弟マイカ・ネルソンや、プロミス・オブ・ザ・リアルのアンソニー・ロガーフォとコーリー・マコーミックは、ニール・ヤングと再び組み(The Chrome Hearts)、アルバム『Talkin To The Trees』を発表、ツアーも行いました。
そこにルーカスは合流せず、新たな一歩として発表したのが初ソロとなる本作です。

父ウィリーの盟友でもあったWaylon Jenningsの息子、Shooter Jenningsによるプロデュース。
アメリカン・ロック/70'sシンガー・ソングライターのルーツを下敷きに、父が辿ってきたカントリーの路を引き継ぎ、歩んでいく意気込みを感じられる1枚に仕上がっています。

今日のこの1曲は、トム・ペティ的な雰囲気の⑥「Born Runnin' Outta Time」を。
Stephen Wilson Jrと共作し一緒に歌っている⑤「Disappearing Light」も哀愁深くて気に入っています。森陽馬



2025年8月14日(木) DYGL 「Just Another Day」

フジ・ロック・フェス'25でのパフォーマンスも評判となった日本人男性4人組ロック・バンド、DYGL(デイグロー)。
前作『Thirst』から約3年ぶり、5thアルバム『Who's In The House?』が発売になりました。

DYGL『Who's In The House?』
(国内CD 全編英語詞/日本語詞付 EEC-002 3,300円税込)

サポート・ドラマー鈴木健人を含め、5人での<全曲メトロノームなし、全楽器一発レコーディング!>
前作『Thirst』、前々作『A Daze In The Haze』の90'sオルタナ、アンビエント/音響系を通過した、ちょっとダウナーな雰囲気もよかったですが、今作は体全体で感じろ!といわんばかりのドライヴ感あるガレージ、パンクなサウンドに回帰。
ライヴで培ってきた演奏力、バンド・セッションの勢い・生々しさがギュッと凝縮されていて、めちゃめちゃかっこいいアルバムです。

リード・トラック「Just Another Day」の疾走感、スカの要素も感じられる「Everyday Conversation」、ヘヴィなイントロで切り込んでいく「One O One」ほか全9曲を収録。

いろんな装飾はいったん外して、タイトな演奏でグイグイと突っ走っていく熱量の高い作品!
是非デカイ音で聴いてほしいです。東尾沙紀



2025年8月15日(金) 寺尾紗穂 「しゅー・しゃいん」

「死んだ仲間もいるよ。しゅーしゃいん。ガード下で飢えて。」
「僕も死ねばよかったろうか。爆弾でみんな死んだ日に。」
「僕の生きる意味はどこさ。あの日からずっと探している。」
(寺尾紗穂「しゅー・しゃいん」歌詞より)

寺尾紗穂さんが2024年9月18日に発表したアルバム『しゅー・しゃいん』(国内CD KHGCD-004 3,300円)のタイトル曲は、靴磨きで生計をたてていた戦争孤児のことを歌っています。

紗穂さんは、戦争孤児が孤児院で書いていた作文と出会い、米兵を相手に靴磨きの仕事をしていた子供たちがたくさんいたことを知りました。そして、原爆孤児であった川本さんというおじいさんの話を思い出しました。
川本さん曰く、戦争に生き残った子供でも、飢えで道端に落ちている新聞紙を食べて死んだ子もいたそうです。

「夢に見るよ。あの日の炎を。返しておくれよ。僕の家族を。」
「一人で生きる意味は何さ。あの日からずっと探している。」

「しゅー・しゃいん」の主人公は運良く生き残ることができました。
しかしながら、戦争で亡くなった人だけでなく、生き残った者も苦悩を抱え続けたことをこの歌は伝えています。森陽馬



2025年8月16日(土) Jeffrey Foskett with Brian Wilson 「Mary Honey」

ジェフリー・フォスケットが来店したのは、2015年12月23日のことでした。


同月に発表した新作ソロ・アルバム『クラシック・ハーモニー』のプロモーションで来日し、ラジオ出演などのスケジュールの合間に当店へ立ち寄ってくれました。
ビーチ・ボーイズ、ブライアン・ウィルソン・バンドで活躍した彼は、偉ぶることが全くなく、音楽が大好きな少年のような瞳で、エリック・カルメンの日本企画ベスト盤を店内から目ざとく見つけお買い上げいただきました。
僕が書いた<ジェフリー・フォスケット参加!>のポップも欲しい、とおっしゃって差し上げたのも良い思い出です。

ジェフリー・フォスケットは2023年12月11日に癌で逝去しました。(享年67歳)
来店してから約10年、亡くなってから1年半が経ちました。時の流れを感じますね。

その彼の音楽活動を辿り、讃える目的で制作されたのがこのCDです。

Jeffrey Foskett『Something There』
(輸入CD Omnivore Recordings 810075115338)

ビーチ・ボーイズに加入する前のバンドThe Pranks、Papa Doo Run Runや、ブライアン・ウィルソン、アメリカ、ジェフ・ラーソン、クリストファー・クロス等との共作、ソロ楽曲の未発表音源含め全25曲収録。
ブックレットには、ブライアン、マイク・ラヴ、ジェリー・ベックリー等、縁の深かった方のコメントも記載されています。

今日のこの1曲は、ブライアン・ウィルソンとジェフリーの共作による未発表曲「Mary Honey」を。
プロデュースは、Brian Wilson、Gary Griffin & Jeffrey Foskett。
そのプロデュース・クレジットに(1994)の記載があり、1994年頃に録音された音源と思われます。

優しい微笑みと歌声をありがとう、ジェフリー♪ 森陽馬



2025年8月17日(日) ジョー・ウォルシュ 「ウォーク・アウェイ」(ライヴ)

森勉が大好きな曲をかけて、少しおしゃべりをするD.J.イヴェントのお知らせです。

2025年8月22日金曜日午後7時スタート、恵比寿セイリンシューズにて。
テーマは1970年代のアメリカン・ロックです。

セイリンシューズのオーナー原裕章さんと二人で楽しみながらのんびり音楽をかけていこうと思っています。
予約は必要ありませんので、お気軽にお越しください。夜11時頃までやっています。

1970年代のアメリカン・ロック。
みなさんは、どんなミュージシャン、どんな曲を頭に思い浮かべるでしょうか?

ハード・ロック、カントリー・ロック、AOR、シンガー・ソングライター、etc...。
ロックが多様化していった時代ですね。

いつものように僕はすべてシングル・レコードでかけるつもりです。
現在、選盤中ですが、この曲は是非かけたいと思っています。
・ジョー・ウォルシュ「ウォーク・アウェイ」(ライヴ録音)

1976年ジョー・ウォルシュがイーグルスに加入してすぐに発表されたライヴ・アルバムからの1曲です。

ジョー・ウォルシュ『ジョー・ウォルシュ・ライヴ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-25678 1,885円税込)

ドン・フェルダー、アンディー・ニューマーク、ウィリー・ウィークスなど参加。森勉



2025年8月18日(月) Currant Kraze 「Lady Pearl」

英国ACEからリリースされている、70年代サンシャイン・ポップ/バブルガム・ポップのコンピレーション推薦盤。

V.A.『Bob Stanley Presents Chip Shop Pop -The Sound of Denmark Street 1970-1975』
(輸入CD ACE CDTOP1663)

タイトルにあるデンマーク・ストリートは、出版社・スタジオ・楽器店等が集まる、ロンドン中心部にある''英国版ティン・パン・アレー''と呼ばれる場所。

ジョン・カーター、トニー・マコウレイ、リンジー・ディ・ポール、バリー・ブルー、ロジャー・クック&ロジャー・グリーナウェイ、トニー・リヴァースら、デンマーク・ストリートを拠点としていたミュージシャン/ソングライターたちが1970~1975年に送り出した曲の中から、<ヒットには至らなかった楽曲>を集めたコンピレーションです。

選曲・監修はイギリスのグループ、セイント・エティエンヌのボブ・スタンリー。
ソフト・ロック、バブルガム・ポップ、ディスコ/ソウル・テイストのものまで、彼のコレクションからセレクトされた24曲が収録されています。

トニー・バロウズ「いとしのメラニー(Melanie Makes Me Smile)」、ビルボード・チャートでは上位に昇ったものの、本国ではそこまでだったというザ・フォーチュンズ「Here Comes That Rainy Day Feeling Again」、アラン・クラーク&トニー・マコウレイ共作/トニー・リヴァース・プロデュースによるホリーズ・カヴァー「A Little Thing Like Love」(River名義)など、ポップで良い曲がいろいろ♪

本日は今作で最も収録数が多い、クック&グリーナウェイ作の中から、2人に加えトニー・バロウズらによる匿名バンドCurrant Krazeによる「Lady Pearl」(1970年)を。
ブックレットには、トップ・オブ・ザ・ポップスにまつわる当時の苦いエピソードが掲載されており、もっと上手く立ち回ればヒットに繋がったかも??と思わせるソウルフルなナンバーです。東尾沙紀



2025年8月19日(火) Cory Wong 「Starship Syncopation」

お盆が過ぎて、夏もそろそろ終わり・・・、とは簡単にならなそうな暑さですね。

まあでも、8月後半に差し掛かりました。
皆さんの今夏の想い出は何でしょうか?

僕は、フジロック・フェスティバルへ行ったことが印象深いです。
大雨が止んだ後に観た山下達郎、そして、ヴルフペックのライヴは盛り上がりましたね。

7月26日(土)夜21時過ぎ、グリーン・ステージのトリとして出演したヴルフペックは、バンドとしては初来日でした。
観ていてハッピーになれるパフォーマンスが、楽しい想い出として記憶に残っています。

そのヴルフペックのギタリスト、コリー・ウォンの最新ソロ作品『Starship Syncopation』がCD発売されました。

Cory Wong『Starship Syncopation』
(輸入CD DGGF032)

本作はオランダのジャズ楽団メトロポール・オーケストラと組んだインスト・アルバム。
約50人に及ぶビッグ・バンド・サウンドと、コリー・ウォンの軽快なギターが融合したゴキゲンな1枚です。

今日のこの1曲は、1曲目「Starship Syncopation」。
メロウ・グルーヴなフュージョンお好きな方にもオススメのナンバーです。森陽馬



2025年8月20日(水) Annie & The Caldwells 「Can't Lose My Soul」

フジロック・フェスを主催するスマッシュが手掛ける秋の人気フェス、朝霧ジャムに出演予定で注目しているアーティストが、アニー&ザ・コールドウェルズです。

アニー&コールドウェルズは、1970年代からミシシッピ州ウエスト・ポイントの教会を拠点に活動している黒人女性シンガー、アニー・コールドウェル中心のゴスペル・ソウル・ファミリー・バンド。

この度、彼女たちの2025年発表新作『Can't Lose My (Soul)』が、トーキング・ヘッズのデヴィッド・バーンが主宰するレーベルLUAKA BOPからリリースされました。

Annie & The Caldwells『Can't Lose My (Soul)』
(国内CD 日本盤のみボーナス・トラック2曲追加収録 解説・歌詞・対訳付 BRC791 2,860円税込)

地元の教会にて生演奏一発録りで制作された本作は、ゴスペルをルーツにした土着的な黒人音楽でありながら、親しみやすいファンキーなソウル・サウンドで、重々しさをそこまで感じずに楽しめる1枚です。
特に1曲目「Wrong」はディスコっぽい雰囲気もありますね。

今日のこの1曲は、約10分以上に及ぶゴスペル・ソウルな「Can't Lose My Soul」を。
なお、単独公演も10月20日東京duo MUSIC EXCHANGEで行われる予定です。
ステイプル・シンガーズお好きな方は是非チェックしてみてください。森陽馬



2025年8月21日(木) Eric Clapton 「Tears In Heaven」

ミュージック・マガジン2025年9月号は、『1990年代洋楽ヒット・ソングス・ベスト100』特集です。
(ミュージック・マガジン社 930円税込)

1990年代は様々なジャンルのヒット曲やムーヴメントがあったことを思い出させてくれましたね。
映画やテレビのタイアップ曲で使われた洋楽も一般的にヒットすることが多い時代でした。

あと、『アンプラグド』のシリーズは日本でも大人気でした。
特に、エリック・クラプトン『アンプラグド』のアルバムはよく売れましたね。

しかしながら、1990年代のヒット作が現在CD化されていないものが意外と多いことにも気付かされます。
エリック・クラプトン『アンプラグド』は、ワーナー・ミュージックから以前発売されていましたが、現在はクラプトン自身のレーベルSurfdog Recordsからのリリースで、権利の関係上国内盤が出ていない状況です。

Eric Clapton『Unplugged』(Enhanced Version)
(輸入2枚組CD Bushbranch/Surfdog Records 63187-2)

この『アンプラグド』2CD盤はマニア泣かせな内容で、当時の盤には入っていなかった楽曲も収録。
更に、各楽曲の頭に、クラプトン自身の音声解説が約30秒~1分ずつ入っているという仕様です。
(ミックスも以前のヴァージョンとは少し違う感じ・・・?)

今日のこの1曲は、1991年に不慮の事故で急逝した息子コナーへ捧げられた「Tears In Heaven」を。
映画『ラッシュ』の主題歌として発表され、『アンプラグド』のヴァージョンで広く知られるようになりました。

ちなみに、「Tears In Heaven」は、上記の『90年代洋楽ヒット・ベスト100』には入っていませんでした。森陽馬



2025年8月22日(金) ジョン・フォガティ 「雨を見たかい」(Have You Ever Seen The Rain)

<ジョンにとって、自分の音楽出版権を取り戻すことが、どれだけ大きな意味を持っていたか。
取り戻せてからの彼が、そのことを本当に喜んでいたことを、私はこの目で見ていました。>

<だからこれは、ジョン自身の80歳の誕生日に贈るプレゼント、彼のレガシー。
家族や友人、そして愛に囲まれて、これらの曲は録音されました。(中略)
これは、彼が人生をかけて残してきた作品を讃えるアルバム。>
(ジョン・フォガティの妻、ジェリー・フォガティによるコメントより)

ジョン・フォガティは、50年にも及ぶ法廷闘争の末、CCRで自身が作った楽曲の音楽出版権を取り戻しました。
そして、2025年5月28日で80歳を迎えた彼が、CCRの楽曲を自ら歌うアルバムを発表しました。

ジョン・フォガティ『LEGACY the CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL years』
(国内CD 日本盤のみボーナス・トラック2曲追加 解説・歌詞・対訳付 UCCO-45006 3,300円税込)

全20曲(+日本盤ボーナス・トラックには2024年のライヴ音源2曲追加)がCCRの名曲。
バックは、ジョンの息子兄弟シェーン&タイラー・フォガティを中心としたバンドによるもの。
オリジナルのアレンジに忠実な演奏と歌で、力強さと熱い想いが伝わってきます。

今日のこの1曲は、2010年フジロックでの快演(
2010年8月2日今日のこの1曲参照)を思い出させてくれた「雨を見たかい」(Have You Ever Seen The Rain)を。森陽馬


2025年8月23日(土) ラーセン・フェイトン・バンド 「今夜はきまぐれ」

ワーナー・ミュージック・ジャパンが権利を所有している洋楽の名盤が、いろいろと再発売になっています。

気がつくと生産中止や廃盤になっているCDも多くあったので、小売店としてはこのようなカタログがきちんと出ていてくれると、大変ありがたいのです。
“フォーエヴァー・ヤング”シリーズ、ありがとう!

先月7月には、フリートウッド・マック9W、CSN&Y関連5W、ドアーズ6Wが再発されています。
今日は5月に再発になったラーセン・フェイトン・バンドを。

ラーセン・フェイトン・バンド『ラーセン・フェイトン・バンド』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-85139 1,980円税込)

1980年発表のファンキーでロックでソウルフルな傑作アルバム。
1970年代前半に結成していたバンド=フルムーン時代の仲間であったバジー・フェイトンとニール・ラーセンが再び出会い、すばらしいアルバムを残してくれました。

ラーセンのキーボードと、フェイトンのギターをフィーチャーしたインスト曲も聴きものですが、今日は1980年にシングルとしてもスマッシュ・ヒットした「今夜はきまぐれ」(Who'll Be The Fool Tonight)を。森勉



2025年8月24日(日) 松田聖子 「ガラスの入江」(大瀧詠一作)

お盆も高校野球夏大会も終わりましたが、ナイアガラの夏はまだこれから!?
大滝詠一/ナイアガラ関連リリースが発表になりました。

まずは、『Niagara Song Book』と『Niagara Song Book2』のイラスト・ブックが、新規イラストと共にリニューアル&永井博氏/河田久雄氏がナイアガラ・ワークスに関して語ったミニ・インタビューも追加掲載され、2025 Editionとして9月17日に発売します。
 
(2025年9月17日発売 A4変形判書籍 リットー・ミュージック 40ページ 3,300円税込)

音源に関しては、松田聖子デビュー45周年を記念し、作曲家別企画の編集盤4種が10月15日発売決定。
大瀧詠一、細野晴臣、財津和夫、呉田軽穂(松任谷由実)が松田聖子へ楽曲提供した楽曲を集めた作品集です。

大瀧詠一ワークスの作品集には、シングル曲「風立ちぬ」の他、「いちご畑でつかまえて」と「FUN×4」を1つの楽曲に編集した「いちご畑でFUN×4」や、「風立ちぬ」(デュエット・ヴァージョン)。更には、初出音源として「冬の妖精」(オリジナル・カラオケ)と「四月のラブレター」(オリジナル・カラオケ)が追加収録予定です。

松田聖子『Seiko feelings -Eiichi Ohtaki Works-』
(国内CD SACDハイブリッド仕様 ライナーノーツ掲載 SRCL-10191 3,520円税込)

今日のこの1曲は、『Niagara Song Book 3』に入っていたインストが美しい旋律で印象的だった「ガラスの入江」。
<遠い夏>の夢を見させてくれるナンバーです。森陽馬



2025年8月25日(月) ビートルズ 「フリー・アズ・ア・バード」(2025ミックス)

2025年ビートルズの新しいアイテムは、『アンソロジー』に決定!

『アンソロジー1』は1995年11月。
『アンソロジー2』は1996年3月。
『アンソロジー3』は1996年10月にそれぞれCD2枚組で発売されました。

今回は『1』、『2』、『3』をリマスターした上で、更に『アンソロジー4』を加えてセット販売という仕様です。
CDは8枚組、アナログLPは12枚組というものです。

『4』だけ単品発売して欲しかったけれど・・・。
しかたないです。ビートルズだからね。

さて、注目の『アンソロジー4』ですが、2023年の新曲「ナウ・アンド・ゼン」をはじめ全17曲収録。
気になるのは、『アンソロジー』での目玉曲であった「フリー・アズ・ア・バード」と「リアル・ラヴ」が2025年ミックスでどうなっているか?

現在、ネット上で「フリー・アズ・ア・バード」の新しい2025ミックスが試聴できるので聴いてみました。

これはいいですね。
ひとつひとつの楽器の粒立ちが抜群に良くなり、ジョンのヴォーカルもくっきりして、モコモコ感がなくなりました。
ジョージ・ファンの僕としては、スライド・ギターの間奏に入る前、ジョージのリード・ヴォーカルの所がより彼の泣き節が強調されたミックスでうれしかったなぁ。(2分40秒~あたり)

発売は11月21日金曜日です。待ち遠しいですね。森勉

★ビートルズ『アンソロジー・コレクション』
(国内CD8枚組 英文解説対訳・歌詞・対訳付 UICY-80700 22,000円税込/国内LP12枚組 UIJY-75340 69,300円税込)

予約受付中


2025年8月26日(火) The Cranberries 「I Can't Be With You」

「I can't be with you. 'Cause you're not here. Baby still in love with you.」
(あなたと一緒にいられない。なぜなら、あなたはここにいないから。まだ私はあなたを愛しているというのに)
The Cranberries「I Can't Be With You」歌詞より

1990年代半ば、クランベリーズを聴いた時の胸のざわめきは強く印象に残っています。
ドロレス・オリオーダンの歌声は、儚くて壊れてしまいそうなのに、僕らの心をギュッと力強く抱きしめてくれました。

アイルランドのリムリックから世界へ、1990年代に羽ばたいたクランベリーズの2ndアルバム『No Need To Argue』(1994)が最新リマスターを施され、更に未発表トラックを追加した30周年記念盤として発売されました。

クランベリーズ『No Need To Argue』(30周年記念エディション)
(国内2枚組CD 英文ライナー翻訳・歌詞・対訳付 UICY-16281 4,400円税込)

30年という時の流れは、あっという間のようでいて、様々な変化をもたらしました。
バンドの活動休止、再結成、脱退、離婚を経て、ドロレスは4人の子供を残し2018年に急逝します。
アルコール中毒が原因による溺死でした。

ドロレスの新しい歌声はもう聴くことはできません。
でも彼女の魂の歌は、約30年の時を経ても変わらず、僕らを勇気づけてくれることを実感できました。森陽馬


2025年8月27日(水) TOPS 「ICU2」

2022年8月10日今日のこの1曲で紹介/スタッフが選ぶ2022年ベスト・アルバムにも選出した女性シンガー/キーボード奏者、Marci(マルシ)ことマルタ・シコイェヴィッチが在籍する、カナダ・モントリオールの男女4人組バンド、TOPS(トップス)。

メンバー各々のソロ活動を経て、5年ぶり5枚目となる新作『バリー・ザ・キー』を先日発表しました。
(ジンジャー・ルート、ケイト・ボリンジャーらの作品をリリースしている、アメリカのレーベルGhostly Internationalから♪)

トップス『バリー・ザ・キー』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ARTPL-240 2,420円税込)

従来のドリーミーなシンセ・ポップ・サウンド、女性vo.ジェーン・ペニーの魅惑的なウィスパー・ヴォーカルは健在ながら、本人達が<邪悪なトップス>と評しているのも納得のダークなテイストを盛り込んだ中毒性の高い1枚。

サビのリフレイン、メロディ展開がクセになるリード・トラック「ICU2」(サイケ×レトロなMVも楽しい)、エッジの効いたギター・ロック・ナンバー「Falling on my Sward」、坂本龍一が亡くなった後に書いたという「Annihilation」...
80~90年代風のアレンジ、ビートを強調した曲が増え、今までとはまたひと味違う<かっこいいTOPS>を堪能できます!
東尾沙紀



2025年8月28日(木) Buddy Guy 「How Blues Is That」 feat.Joe Walsh

<今月のブルース 新譜この1枚!>

バディ・ガイ『Ain't Done With The Blues』(終わりなきブルースの旅)
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-6709 2,860円税込)

2025年7月で89歳を迎えたブルース界の重鎮、バディ・ガイ。
2022年作『The Blues Don't Lie』(
2022年10月25日今日のこの1曲で紹介)以来の新作を発表しました。

前作に引き続き、若き白人ソングライターの盟友トム・ハンブリッジがプロデュースを担当。
ブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマ、ジョー・ウォルシュ、ピーター・フランプトン、ジョー・ボナマッサ他参加。
活気ある演奏+バディ・ガイのかっこいいギターと渋い歌声が、心も身体も熱くさせる1枚です。

今日のこの1曲は、ジョー・ウォルシュがスライド・ギター&ヴォーカルで参加した「How Blues Is That」!
アルバム・タイトル<終わりなきブルースの旅>の本質を深く感じ取ることができるナンバーです。森陽馬



2025年8月29日(金) Bryan Adams 「Make Up Your Mind」

エネルギッシュで、ポジティヴなパワーに溢れたロック、新譜この1枚!

ブライアン・アダムス『Roll With The Punches』
(国内盤 ボーナス・トラック3曲追加 初回限定デラックス・エディション2CD仕様 解説・歌詞・対訳付 SICX-30242 3,850円税込/通常盤1CD SICX-30241 2,970円税込)

1980年代から活動し続けているカナダ出身男性ロック・シンガー、ブライアン・アダムス。
通算17作目となるオリジナル・スタジオ・アルバム『Roll With The Punches』が本日発売されました。

本作はブライアン自身によるインディーズ・レーベルBad Recordsからのリリース。
それを日本のみソニー・ミュージックがライセンスを取り、独自で国内盤を制作した1枚です。

彼の名盤を多数手掛けたロバート・ジョン"マット"ラング、ジム・ヴァランスが共同ソングライターとして参加しており、楽曲や音の雰囲気は今までと変わらずながら、自主レーベルからの発売ということもあり、気合を感じますね。

今日のこの1曲は、Bryan節全開でかっこいい「Make Up Your Mind」。
なお、2026年1月26&27日日本武道館、28日Asueアリーナ大阪での来日公演が決定しています。森陽馬



2025年8月30日(土) 坂本九 「上を向いて歩こう」

坂本九のベストCDが新しい編集・選曲で発売になりました。

坂本九『坂本九』
(国内CD3枚組 UPCY-8065 4,950円税込)

今までさまざまなベストCDが出ていますが、今回は一味違う内容です。

代表曲・有名曲はもちろん収録されていますが、1983年に坂本九の名を伏せて出した「ぶっちぎりNO文句」や、昔ソノシートで発売されたライヴでのトークや珍しいライヴ音源も収録されています。

惜しくもラスト・シングルとなってしまった「懐しきlove-song」とc/w「心の瞳」も入っています。
「心の瞳」は<コーラス入り>と<合唱ヴァージョン>の2ヴァージョン入りです。

ライナーノーツは娯楽映画研究家という肩書で有名な佐藤利明氏です。
場所を取らないコンパクトな3枚組CDです。森勉



2025年8月31日(日) 山屋清 「琉球みやび」(四)

京王線・つつじヶ丘駅にある中古レコード店、GARAGEVILLE(ガレージヴィル)へ先日行きました。

GARAGEVILLEは、僕がディスク・ユニオン上野店に勤めていた時(1998年)の同僚・先輩であった大塚康之さんが2018年に始めた店で、中古レコードとクラフトビールを専門に扱っています。
ELLA RECORDSがアップしている中古レコード店の動画に、
GARAGEVILLEも紹介されているのを拝見し、懐かしい気持ちになって大塚さんに会いに行く感覚で店へ立ち寄りました。

ビール片手に談笑しているお客様もいらっしゃって、店内はとてもアットホームな雰囲気。
大塚さんとも約20年ぶりくらいにお話できてうれしかったなぁ。またフラッと伺いたいですね。

さて、大塚さんが最近気に入ってよく聴いているということで、店でかけていたのがこのアルバムでした。

・『琉球レアグルーヴ CROSSOVER -Okinawa Jazz Funk 1964-1984』
(国内CD COCP-42498 2,750円/国内LP COJA-9545 4,620円)
・『琉球レアグルーヴ REVISITED -Okinawa Pops 1957-1978』
(国内CD COCP-42497 2,750円/国内LP COJA-9544 4,620円)

沖縄の民謡や琉球で古くから伝わる楽曲に、独特な洋楽的アレンジやソウル/ジャズ・グルーヴな編曲が施されているナンバーを集めたコンピレーション作品。『CROSSOVER』はインスト、『REVISITED』は歌モノが入っています。
店でかけていると、南国の空間が生まれますね。
民謡が苦手でも洋楽好きの方には是非聴いてもらいたい1枚です。

今日のこの1曲は、『CROSSOVER』の方から、山屋清「琉球みやび」(四)を。
まさに、沖縄産フィリー・ソウル!
1976年録音。演奏やオーケストラもフィリーな雰囲気で、フィラデルフィア・ソウル好きも必聴ですね。森陽馬





これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



トップページ