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  今日のこの1曲 “Archives”

<2013月5月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2013年5月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。
廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2013年5月1日(水) HAPPLE 「カーティス」

 これぞ“ネオ・トーキョー・ポップ・サウンド”!?

 1999年より活動していた“いなかやろう”から進化を遂げたバンド、“HAPPLE”(ハップル)。

 彼らの入魂オリジナル・アルバムが完成しました。
(『ドラマは続く』 MR-20 2,000円)

 HAPPLE(ハップル)は、土岐佳裕(Vo,G,Key)、斎藤麻美(Synth,Bass,Key)、押田千紗代(Vo,Ds,etc)による3人ユニット。

 “いなかやろう”名義の時は、武骨ロック・バンド、なイメージでしたが、“HAPPLE”は土岐くんの稀有なソングライティング・センスに加え、女性ヴォーカル&コーラス曲も増えて、楽しいポップ・ユニット、という感じ。

 東京発・新時代J-POPS“ネオ・トーキョー・ポップ・サウンド”全開な1枚に仕上がっています。

 今日のこの1曲②「カーティス」には、ザ・なつやすみバンドのMC sirafuがゲスト参加!
POPな楽曲にトロピカルかつ解放感ある味付けを加えています。

 ④「涙をみせて」のPVが
HAPPLE公式ページなどから見れるようなので、チェックしてみてください。

 なお、当店PET SOUNDS RECORDでは、HAPPLEを大PUSH!

 なんと、当店のみの特典がこんなにあります!
・「涙をみせて」ライヴ音源収録CDR
・PET SOUNDS RECORD特製HAPPLEカンバッチ
・当店オリジナル作成HAPPLE PAPER (内容充実!)


 HAPPLE PAPERは店内でフリーペーパーとしてお持ちいただけるようにしてありますし、店内試聴機でもお聴きになれます。気になった方は是非チェックしてみてください。森 陽馬

2013年5月2日(木) 星野源 「化物」

 星野源、3枚目となる新作『Stranger』が発売になりました。
(初回限定盤のみスリーヴ・ケース仕様 オリジナル・ステッカー&デラ新聞&日本武道館抽選先行予約シリアルナンバー封入 VICL-63996 2,940円)

 「病からの復帰作という意識はなく、いつも通り全力でつくったのでシンプルにNEWアルバムとして聴いてほしい」、と本人が語る今作。

 いつも通りの星野源らしい歌詞・メロディーが詰まった一枚です。

 マリンバを取り入れ、「奈落の底から次の僕が這い上がるぜ」と歌う躍動感溢れるリード・トラック「化物」。

 スティールパン(本人演奏)の音色が耳に残る「ツアー」ほか、シングル曲「夢の外へ」、「フィルム」、「知らない」含む全12曲。

 12曲目が終わってもすぐ消さないでいると・・・?

 初回限定盤にはインタビュー等を掲載したデラ新聞、ステッカー、7月19日に行われる日本武道館ライヴのチケット抽選先行受付シリアルナンバーを封入。

 6月には初主演映画『箱入り息子の恋」公開、と復帰後も忙しそうですが、これからも良い歌を届けてほしいですね。

 来週8日には、自身も声優を務めるアニメ映画『聖☆おにいさん』主題歌「ギャグ」のシングルCD(アルバム未収録曲)もリリースされます。東尾沙紀

2013年5月3日(金) The Milk Carton Kids 「Years Gone By」

 “新世代のサイモン&ガーファンクル”!?

 “ギリアン・ウェルチの男性版”!?

 カリフォルニア/LAを拠点に活動しているケネス・パットンゲイル&ジョーイ・ライアンによる男性デュオ、THE MILK CARTON KIDS。

 今年発表された最新作『The Ash & Clay』。
サイモン&ガーファンクルをもう少しカントリーっぽくした雰囲気で、オススメの1枚です。(輸入CD ANTI 87235-2)

 アコースティック・ギターの奏と歌声のみながら、心地良く沁みますね。
新世代フォーキー/アメリカン・ルーツ好きの方は、愛聴盤となること間違いなし。

 ジョー・ヘンリーがブックレットにライナーノーツを寄稿しているので、ジョー・ヘンリー好きの方もチェックしてみてください。(2012年10月10日広島で書かれた文章のようです) 森 陽馬


★ちなみに前作『PROLOGUE』は、
彼らの公式HPから無料でダウンロードできます。

2013年5月4日(土) CAROLINA CHOCOLATE DROPS 「Ruby, Are You Mad at Your Man?」

 東京は絶好のゴールデン・ウィーク日和でしたね。

 この時期になると、僕はニューオリンズに行きたくなります!

 約20年前及び14年前に行った
New Orleans Jazz & Heritage Festival
楽しかったなあ~~~。

 もちろん今年も開催中で、タイムテーブルを眺めながら、もし行っていたらこの時間帯は○○を見て・・・、と個人的に妄想して楽しんでいます。

(アーロン・ネヴィルと、トロンボーン・ショーティと、ワイルド・マグノリアスと、タジ・マハールと、メイズfeatフランキー・ビヴァリーが同じ時間帯で重なっていたりして、凄いというかなんだか滅茶苦茶ですね(笑)。実際に見に行っていたら、超迷いそう。)

 さて、近年見に行った方へ「何が一番良かったか?」と聞いたら、返ってきた答えがこのグループでした。

 CAROLINA CHOCOLATE DROPS!
(キャロライナ・チョコレート・ドロップス←これがバンド名です)

 ノースキャロライナで2005年頃に結成された男女3人新世代ブルーグラス・ユニット。

 2012年発表今のところの最新作『Leaving Eden」は、アメリカン・ルーツ・ロック・ファンの間で評価上昇中のバディ・ミラーがプロデュースを担当。(輸入CD NONESUCH 7559-79627-1)

 これが超かっこいい1枚!

 バンジョー、フィードル、ハーモニカなどブルーグラス/ジャグ編成ながら、黒人メンバーもいるせいか黒っぽいブルージーな魅力や、前に進んでいくロックな感じもあって、聴いていて本当にシビれますね。

 FUJI ROCKのような開放感ある場所でいつか見てみたいバンドです。森 陽馬

2013年5月5日(日) SHE&HIM 「Hold Me, Thrill Me, Kiss Me」

 女優としても活躍するズーイー・デシャネルと、M・ウォードの男女ユニット、SHE&HIMの最新アルバム『ヴォリューム3』が発売になりました。
 (国内CD 日本先行発売 解説・歌詞・対訳付 PCD-93696 2,415円)

 2011年末にクリスマス・アルバムをリリースしていますが、オリジナル・アルバムとしては約3年ぶり!

 オリジナル曲はすべてズーイーが作詞・作曲。
マットがプロデュース&演奏&時々デュエット。
そして、ジョーイ・スパンピナート(NRBQ etc)などが客演。

 待望の新作も極上のドリーミー・ポップサウンドに仕上がっています♪

(今回も二人が写ったジャケットが良い感じですね。ブックレット中のズーイーもかわいい!)

 アルバム恒例のカバーは、エリー・グリニッチ「BABY」(エリー/ジェフ・バリー/ジョージ・モートン作)。

 フランス語を交えたブロンディの「Sunday Girl」。

そしてコニー・フランシスやグロリア・エステファン等も後に取り上げている50'sヒット「Hold Me,Thrill Me,Kiss Me」。

「Hold Me ~」での、♪Kiss Me ~♪と歌う部分がちょっと艶かしく、彼女の低音が魅力的な一曲です。

「Snow Queen」というタイトルの曲もありますが、こちらはオリジナル。
この曲のカバーもいつか聴いてみたいですね。東尾沙紀


2013年5月6日(月) CAITLIN ROSE 「Only A Clown」

 「シー&ヒムもいいけれど、もうちょいロック的な女性シンガーものが聴きたい!」
という方にオススメの1枚。

 Caitlin Roseはテネシー州ナッシュビルを拠点に活動している20代女性シンガー・ソングライター。

 彼女の2013年最新作『The Stand-In』は、正統派アメリカン・ロック好きならば気に入ること間違いなし!の仕上がり。

 ナッシュビル録音&ミックスですが、それほどカントリーっぽくなく、程好いポップ・テイストがあっていいですね。
 各曲にスライド・ギターが入っていたりする味付けもNICE♪

 今日のこの1曲④「Only A Crown」は、ゲイリー・ルーリス(ジェイホークス!)との共作で、マーク・オルソンかゲイリー・ルーリスが歌ったら、まんまジェイホークスになりそうな1曲!

 ジェイホークス・ファンも必聴ですね。
(ちなみに、9曲目「Silver Sings」もゲイリー・ルーリスとの共作)

 なお、海外レビューなどを読むと、リンダ・ロンシュタットが引き合いに出されてますが、リンダほど歌は上手くないかも。

 でもキュートな中に芯があって、そういう点ではティフト・メリットに少し似ていますね。
(ティフト・メリットは2010年2月12日にこのコーナーで取り上げたことがありました)

 とにかくも、新世代アメリカン・ロック/女性シンガー好きは要チェックです。森 陽馬

2013年5月7日(火) 友部正人 「ランブリン・ジャック」

 日本語で歌うミュージシャンは他にもたくさんいるのに、何故友部さんの歌はこんなに響いてくるのだろう?

 何度か聴きこんだり歌詞カードを読んだりして、「ああ、いい歌だな」と思うことは多々ありますが、一度聴いただけで、スッと入ってくるのは、友部さんだけかもしれません。

 今回の新作『ぼくの田舎』も友部正人節が全編炸裂!(TM-16 3,000円)

 まさに、<友部正人さんでしか歌えない歌>、なのだと思います。

 今日のこの1曲「ランブリン・ジャック」。

 曲名通り、アメリカン・フォークの重鎮、ランブリン・ジャック・エリオットのことを歌っていて、これが最高!

 ランブリン・ジャック・エリオットといういちミュージシャンのことを、楽曲としてこんな風に表現できるなんて本当に素晴らしい!

 友部さんの武骨な歌声と、東京ローカル・ホンクによる演奏&コーラスがあるからこそ!でしょう。

 友部正人を知らない人にも是非聴いてもらいたい1曲! 森 陽馬


★東京ローカル・ホンクは4曲参加しています!
2曲目「歌は歌えば詩になって行く」にも感動! ホンク・ファン必聴の1枚!

2013年5月8日(水) 星野源 「ギャグ」

 新作アルバム『STRANGER』を発表して間もない星野源。

 新曲シングルが発売になりました。

 アルバムには入っていない「ギャグ」、「ダスト」の2曲入りで630円。
ともにイイ曲です。
(初回限定スリーヴ・ケース&オリジナルステッカー封入 630円)

 1曲目「ギャグ」は源くんにしてはアップ・テンポの曲調。

 バックはおなじみ、伊藤大地、伊賀航、野村卓史に加えて、ギターで椎名林檎の楽曲でもお馴染みの浮雲こと長岡亮介(東京事変の2代目ギタリスト)が参加。

 星野源の楽曲に弾け気味の新しいエッセンスをふりかけています。

 アレンジが亀田誠治ということでの人選なのでしょうね。

 なお、この曲は5月10日から公開のアニメ映画『聖☆おにいさん』の主題歌。

 源くんが声優としてもブッダ役でがんばっているようです。森 勉

2013年5月9日(木)  セロニアス・モンク 「ラウンド・ミッドナイト」

 今更ですが、村上春樹の新刊『色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年』の感想を。

 発売日に購入し読み進めていたのですが、4月中旬にレオス・カラックス監督新作映画『ホーリー・モーターズ』を見てしまったら、そのあまりの強烈さ(この映画についてはいつか言及したいですね)に、それまで読んでいた春樹の内容がブッ飛んでしまい、一から出直し。やや遅れての読了となりました。

 で、個人的な感想としては、<期待していた以上に面白かった!>というのが素直な思いです。

 『ダンス・ダンス・ダンス』、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』、『国境の南、太陽の西』が好きな僕にとって、2004年刊『アフター・ダーク』は正直全然ハマらなくて、村上春樹は自身の青春時代60~70's及び彼の充実期であった80年代を舞台にした物語は書けても、“現代”の日本を舞台にするとダメなのかな、と思ったものでした。
(だから、80年代を舞台にしていた前作『1984』は村上春樹らしさがあって楽しめましたね)

 そういうこともあり、小説内の舞台が“現代”となる新刊はガッカリする可能性大、と危惧していましたが、良い意味で裏切られました。

 村上春樹の小説には、デビュー時から一貫したテーマのようなものがあって、一言で表すと

 <周りがどんなに亡くなったり去っていっても、“ぼく”は生き残らなければならない>

という精神が必ず描かれています。

 つまりは、ブライアン・ウィルソン的人生論、ということでしょうか? (これは勝手なこじつけですね笑。ハイ。)

 まあとにかく新刊でもそのテーマが描かれていて、設定こそ違えど軸のブレていない春樹節が楽しめました。

今日のこの1曲、セロニアス・モンク「ラウンド・ミッドナイト」はその新刊の中で、謎の放浪ピアニスト・緑川が弾いた楽曲。

 セロニアス・モンクは晩年うつ病で、ほとんど人前には出ず他人との接触を避けていたことから、村上春樹はこの場面設定でモンクを選んだのでしょう。森 陽馬


★掲載ジャケットは「ラウンド・ミッドナイト」収録。セロニアス・モンク1957年録音ソロ・ピアノ作品『Thelonious Himself』。(国内盤 初回限定価格 UCCO-9010 1,100円) 森 陽馬

2013年5月10日(金) ダリル・ウェジー 「We Are The Star」

 昼間のポカポカとした陽気の中かけていると、とても気持ちいい“サニー・ポップス”を奏でるシンガー・ソングライターがインドネシアから登場!

 当店でも人気の男性SSW、アディティア・ソフィアンと同じくジャカルタ出身の男性SSW、ダリル・ウェジー。

 彼のデビュー作『MAZE OF FEARS』(国内CD VSCD-9441 2,415円)は全編英語詞で、両親が好きな60年代ポップス/ロックや、カーディガンズなどの北欧ポップス等に影響を受けているそう。

 何もしらずに聴くと、グラスゴーあたりのミュージシャンかな?と、勘違いしてしまいそうな純度100%のギター・ポップ・サウンド♪

 まだ20代前半ながら、自身で手掛けた楽曲はメロディー・センス抜群!

 本編最後を飾る「We Are The Star」の美しいメロディーは必聴です。

 曇りのない清涼感ある歌声も耳に心地良いです。東尾沙紀

2013年5月11日(土) Donny Hathaway 「Never My Love」

 4月20日に行われたレコード・ストア・デイ。

その日限定でリリースされるアナログ盤の一部が、遅ればせながら入荷してきました。

 その中からダニー・ハサウェイのこの1枚!

 アトランティック・レーベルに残されていたダニー・ハサウェイの未発表トラックが2曲収められた2,500枚(?)限定アナログEPです。(RHINO 8122796673)

 A面はアソシエイションのヒット曲として知られる「Never My Love」のカヴァー。

 B面は「Memory Of Our Love」というダニー・ハサウェイのオリジナル曲。

 どちらも未発表ですが、どうやら今年中にダニー・ハサウェイの新しいBOXセットが出るという噂があり、それに収録される予定のようです。
 なので、買い逃した方やアナログ盤は聴けない方はそのBOXを楽しみに待ちましょう。

 ちなみに、レコード・ストア・デイ限定商品で他に店頭在庫ある洋楽タイトルは、デヴィッド・ボウイ、アニマルズ、スライ&ザ・ファミリー・ストーン、マムフォード&サンズ、ザ・バンド『ラスト・ワルツ』、リー・ペリー、BIG STAR、ポール・ウェラーやBlurのメンツ等が参加しているマイケル・ホロヴィッツのEP&LPなど。

 なお、レコード・ストア・デイ商品は店舗でご購入いただくことを目的としてリリースされているので、大変申し訳ないのですが、入荷後しばらくは通販は行わず店舗販売のみとさせていただきます。ご了承ください。森 陽馬

2013年5月12日(日) 赤い靴 「A Way」

 女性シンガー・ソングライター東川亜希子と、大橋トリオのバックでドラムを叩いていたことでも知られる神谷洵平によるユニット、赤い靴

 3枚目となる作品『イノリーマスの森』が発売。(PWSR-1033 1,500円)

 前2作と同様Patch Works Label(大橋トリオがインディーズ時代に所属していたレーベル)からのリリース。

 グロッケンやストリングス等も合わさったアーティスティックなサウンドと、ポップなメロディ、そして東川さんの無垢な歌声が不思議と絡み合っているのが魅力です。

 聴いていると童話の中の世界へ潜り込んでいくような感じの全6曲。

 大橋トリオが参加した②「赤い風船」、ハマ・オカモトが参加している①「ヒルニナルレイン」も良いですが、今日のこの1曲は英語詞の③「A Way」。

ボン・イヴェール、フリート・フォクシーズに影響を受けたと思われるサウンド・アレンジが印象的でいいですね。森 陽馬

2013年5月13日(月) サジタリアス 「マスティ・ダスティ」

 さわやかな季節になってきましたね。

 こういう季節になると聴きたくなるのが、サジタリアス『プレゼント・テンス』です。
(国内CD Blu-specCD2仕様 SICP-30043 1,890円)

 ゲイリー・アッシャーが中心となり、カート・ベッチャーが協力して1967年に制作されたアルバムで、現在ではソフト・ロックの名盤として知られている1枚です。

 LPレコードとして出た11曲に、モノラル・シングル・ヴァージョンなど10曲をボーナス曲として追加した全21曲。

 シングル・ヒットした「マイ・フェル・ダウン」をはじめ、質の高い曲が多いアルバムです。

 その中から僕の一番好きな「マスティ・ダスティ」。

 美しいメロディとハーモニー。
そして、後半出てくるメロトロンのようなキーボードの音が気に入っています。森 勉


2013年5月14日(火) SASAKLA (笹倉慎介) 「二つの風景」

 日本のジェイムス・テイラー!?

 狭山在住男性シンガー・ソングライター、笹倉慎介。

 久々の新作『SPRING HAS COME』が発売されました。(PFNR-1 2,480円)

 自身のレコーディング・スタジオ(guzuri recording house)で録音された全9曲。

林立夫、佐藤克彦、伊賀航、北山ゆうこ、原田芳宏、藤原マヒトなど、ワビサビを心得たミュージシャンが参加。

 温もりあるバック演奏と、優しく語りかけるような笹倉慎介の歌声が心地良く沁みる1枚です。

 ジェイムス・テイラー『スウィート・ベイビー・ジェイムス』、ニール・ヤング『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』が彼のフェイヴァリット・アルバムだそうなので、そのルーツ&エッセンスが感じられますね。

 はっぴいえんど、星野源、ラリー・パパ&カーネギーママなどお好きな方に超オススメ! 森 陽馬


★限定アナログも同時発売中!(PFNR-18 2,980円)


2013年5月15日(水) ヴァン・ダイク・パークス 「Hold Back Time」(邦題:とどまれ時よ)

 ヴァン・ダイク・パークスが来日、そして当店に来店してから早3か月半。
(上記リンクは、ビルボード・ライヴHPに掲載されている当店来店時のレポート)

 ソロ・オリジナル新作としては24年ぶりとなるアルバム『SONGS CYCLED』が遂に発売されました。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 『ソングス・サイクルド』 VFR-1 2,730円)

 今年70歳になったヴァン・ダイク・パークス。
まさに集大成! ヴァン・ダイクによる音楽世界絵巻な1枚です。

 自身のレーベルBANANASTANから2011年よりリリースしてきた7インチEPシングル6種は、コンセプトに従って順番に収録。

 ストリングスやスティールパンを絡めたヴァン・ダイク組曲サウンド。
 様々な想いが込められた歌詞。
そして、その意図を汲んだジャケット・デザイン。

 なんとなく聴くだけでも心地良い1枚ですが、EPのジャケット・デザインとそのアートワークを手掛けたアーティストのコメント、ヴァン・ダイク本人による楽曲解説&歌詞カード、そして小倉エージ氏による日本語解説など、ブックレットを読むと、聴くほどに深みが増してきます。

・ヴァン・ダイクの娘エリザベスの結婚を祝って録音したという①「マダガスカルの結婚式」。
・2003年米軍のイラク侵攻を描きつつ、ノエル・ハリスンの歌声もfeatした②「パリを夢見て」。
・石油の流失事故を題材にその怒りを歌にした⑤「ブラック・ゴールド」。
・エッソ・トリニダード・スティール・バンドの⑥「アクアリウム」
・カリプソ・シンガー、グロウリング・タイガーの曲をイナラ・ジョージとのデュエットで聴かせる⑦「金は王様」。
・ハリケーン・カトリーナに影響を受けて書かれた⑪「悲しきミシッピ」。etc...

 そして今日のこの1曲③「Hold Back Time」は、ブライアン・ウィルソンとの1995年共作アルバム『オレンジ・クレイク・アート』収録曲セルフ・カヴァー。
 元スリー・ドッグ・ナイトのダニー・ハットンとその息子(ダッシュ&ティモシー・ハットン)がコーラス参加しています。

 1968年発表『ソング・サイクル』から45年を経て辿り着いた今作『ソングス・サイクルド』。

 姉妹作とか21世紀の『ソング・サイクル』というのではなく、音楽作品が本来持つアーティスティックな力を改めて感じさせてくれる入魂作です。 森 陽馬


2013年5月16日(木) The Leisure Society 「Tearing The Arches Down」

 レイ・デイヴィスやブライアン・イーノがファンだと公言する、イギリスのポップ/ロック・グループ、レジャー・ソサエティ。

 約2年ぶりの新作『Alone Aboard the Ark』をリリースしました。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 LIIP-1516 2,100円)

 すべての楽曲を手掛けているニック・ヘミングを中心に、女性1人(フルート奏者)を含む6人組。

 日本での知名度は低いかもしれませんが、イギリスの由緒ある音楽賞に連年ノミネートされるなど、本国では注目/評価の高いグループです。

 今作で3作目となる新作は、レイ・デイヴィス所有のコンク・スタジオで録音。

 バンジョーの音から始まる牧歌的なものから、ストリングス/ブラスを取り入れたスケールの大きなものまで。

 特に印象に残ったのが④「Tearing The Arches Down」という曲。

 サビでのコーラスの重ね方がどことなくジェフ・リン・テイスト♪。

 ビートルズ、ビーチ・ボーイズ、キンクスなどをルーツに、英国らしいちょっとひねりのあるメロディー&ハーモニーが聴きどころです。東尾沙紀

2013年5月17日(金) イーグルス 「ハリウッド・ワルツ」

 ちょっと暑い季節になると聴きたくなるのが、70'sアメリカン・ウエスト・コースト・サウンドです。

 今日はイーグルスが1975年に発表した第4作目のアルバム『One Of These Night』(邦題:呪われた夜)から、ベスト盤には入っていないけれど、昔から好きな1曲です。

 サイドAの3曲目に入っていたのが「ハリウッド・ワルツ」。

 曲を作ったのは、バーニー・レドン、トム・レドン、ドン・ヘンリー、グレン・フライ。

 リード・ヴォーカルはドン・ヘンリーですが、カントリー風味のこの曲を引き立たせているのは、バーニー・レドンが弾くスティール・ギターとマンドリンではないでしょうか。

 このアルバム・ジャケットを見ると思い出すのが、1976年2月の初来日公演です。

 ステージ上方にはこのジャケット・イメージが飾られていました。

 初めて見るイーグルスの思ったより強いビート感と、レコードより臨場感あるコーラスは圧巻でした。森 勉


★掲載ジャケットは「ハリウッド・ワルツ」収録4thアルバム『呪われた夜』。
(国内CD 限定紙ジャケット仕様 WPCR-14081 2,400円)
 イーグルスの70年代オリジナル・アルバムが6作入って超お買い得な輸入盤6CDも店頭在庫ございます。

2013年5月18日(土) ジャクソン・ブラウン 「ドクター・マイ・アイズ」

 70'sウエスト・コースト・サウンドが聴きたいということで、昨日イーグルスの地味な曲を取り上げましたがその続きを。

 本日はジャクソン・ブラウンで行ってみたいと思います。

 やはりファースト・アルバムの印象が強烈でした。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-75079 1,800円)

 1972年当時日本では、アサイラム・レーベルは東芝からの発売でした。

 新しく設立されたアサイラム・レーベルには、その後もイーグルス、J.D.サウザー、トム・ウェイツ、リンダ・ロンシュタット、ネッド・ドヒニー、ジュディ・シルなど有望アーティストがどんどんデビューしましたが、ジャクソン・ブラウンはその先駆けになったかたちです。

 この「ドクター・マイ・アイズ」は1972年のベスト10ヒット。

 リード・ギターは意外な人選ですが、あのジェシ・エド・デイヴィスが担当しています。森 勉


★ジャクソン・ブラウンの各アルバム含む、ワーナー・レーベルForever Youngシリーズの一部が、限定価格1,380円で7月24日再発される予定になっています。

2013年5月19日(日) フランキー・ヴァリ&ザ・フォー・シーズンズ 「シェリー」

 なんと!フランキー・ヴァリ&ザ・フォーシーズンズの来日が決定しました!

 9月13日(金)日比谷公会堂!

 フランキー・ヴァリも先日79歳になったばかり。

 生で見るには達郎さんのようにアメリカまで見に行かなきゃだめかな・・・、なんて思ってました。
まさに待望というより奇跡の来日公演ですね。

 オールディーズ・ファンにとっては必見・必聴のライヴになりそうです。

 なお、僕は本日お客様から教えてもらいましたが、早くも先行予約が始まっているようです。
(一般発売は6月1日から)

 約2,000人入るホール公演ですからすぐには売り切れないかもしれませんが、気になる方は要チェック!

 ということで、今日のこの1曲は1962年ビルボード・チャート1位となった彼らの代表曲、「シェリー」を。森 陽馬


★掲載ジャケットは、現在国内盤で唯一流通しているベスト盤。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 26曲収録 WPCR-14489 1,980円)

2013年5月20日(月) The Shouting Matches 「CALLUP,NM」

 もう1か月以上前ですが、映画『君と歩く世界』を鑑賞。

 映画の最初と最後に、ボン・イヴェールの楽曲(1stと2ndから各1曲)が使われていましたね。

 深遠な歌声は、映画内で描かれていた<悲壮感がありながらも前に進んでいこうとする生命力>を見事に表していて、とても印象に残りました。

 そのボン・イヴェールを率いるジャスティン・ヴァーノン。
新しくリリースしたアルバムがこの1枚!

 The Shouting Matches 『Grownass Man』。
(輸入CD MW001)

 ジャスティン・ヴァーノン、ブライアン・モーエン、フィル・クックの3人によるシャウティング・マッチズは、2006年頃から活動しているブルース&サザン・ロックをルーツにした武骨なロック・バンド。

 サウンド面に関してはボン・イヴェールの雰囲気と全然違うので、最初聴いたときは古臭さを感じましたが、聴いているうちにハマってきましたね。

 なんともいえないルーズな音感。
バタバタしたリズムの中にあるグルーヴ感。

 一時期流行ったジョン・スペンサーやベン・ハーパーとも違って、不思議な緩い熱さがあります。

 全然違うかもしれませんが、一番近いのはローリング・ストーンズかもしれませんね。
特に5曲目「Seven Sisters」はそんな感じ。

 今日のこの1曲は2曲目「Callup,NM」。
たどたどしいながらも情念が乗り移った後半のギター・ソロにシビれました。森 陽馬

2013年5月21日(火) 細野晴臣 「ラムはお好き? part.2」

 細野晴臣さん待望の新作『Heavenly Music』が入荷。(国内CD VICL-64031 3,150円)

 2011年発表前作『HOSONOVA』に続いて、とにかく聴いていて心地良い1枚ですね。

 ミュージック・マガジン最新号に掲載されているインタビュー(聴き手は小倉エージさん)を拝見すると、全曲カヴァーとなったのは、「2011年3月の震災以降は自分で曲を作るのではなく、他の人の曲を聴くのが好きになったから」という主旨のことをおっしゃってました。

 そのカヴァーも各々様々な工夫がされていて、聴くほどに味が出てきます。

 さりげない口笛、ちょっとした楽器の音、細野さんの歌声。
ブックレット内の細野さん本人による解説を読むと、より沁みて聴こえてきます。

 今日のこの1曲は、唯一の自作曲となる「ラムはお好き?」新ヴァージョン・セルフ・カヴァー。

 オリジナルは吉田美奈子1976年発表名作『FLAPPER』に収録。

 今回は女性目線であるオリジナルの歌詞から、男性目線のアンサー・ソング的な歌詞へ全面的に変えて、細野さんが味わい深く歌っています。
(ちなみにブックレットには、新しい歌詞の横にオリジナル詞も掲載されています。)

 そして、吉田美奈子さんがヴォーカルでゲスト参加しているのもウレシイですね。森 陽馬


★ちなみに、限定アナログ盤も出ました。(2007年『フライング・ソーサー1947』、2011年『HOSONOVA』、そして今回の『Heavenly Music』の3種。各3,990円)
 なんと、ナンバリング入り! とりあえずCDを購入しましたが、アナログ盤も買っちゃおうかな・・・。

2013年5月22日(水) ビーチ・ボーイズ 「ビー・トゥルー・トゥ・ユア・スクール」(ライヴ)

 2012年、50周年記念コンサート・ツアーを行なったビーチ・ボーイズのライヴCDが発売になりました。
(国内CD 2枚組全41曲 解説・歌詞・対訳付 TOCP-71574 2,800円)

 タイトルは『永遠の夏 2012 ~50周年記念ツアー』。

 録音日・場所は明記されていませんが、おそらく数か所で録音されたものを編集してまとめたものと思われます。

 日本公演では休憩なし約100分のワン・ステージでしたが、海外では休憩をはさんで1部&2部の2ステージ、約140分ぐらいが通常パターンだったようです。
 そのツアーの選曲及び雰囲気を楽しめるのがこのCDです。

 日本では聴けなかった「リトル・ガール・アイ・ワンス・ニュー」、「ディズニー・ガール」、「ウェンディ」、「ペット・サウンズ」、「アド・サム・ミュージック・トゥ・ユア・デイ」などの収録がうれしいです。

 今日のこの1曲「ビー・トゥルー・トゥ・ユア・スクール」も日本では歌われなかった1曲。

 バック・コーラス、完璧です。

 イントロのマイク・ラヴの息の抜けない(?)趣向もなかなかのものです。

 それにしても、何度も繰り返し聴きたくなってしまうCDです。

 2012年のあの暑い夏、幕張・大阪・名古屋を思い出す人も多いのでは。森 勉

2013年5月23日(木) ビーチ・ボーイズ 「Pet Sounds」(ライヴ)

 今週末5月25日(土)、当店地下アゲインにてビーチ・ボーイズ・ファンが集うトーク・イベントが開催されます。

 1966年ビーチ・ボーイズ初来日時のファンクラブ会長、相原氏による「Don't Worry Baby」秘話など、ビーチ・ボーイズに関するマニアックな話題が満載なイベントになりそうです。

 お時間余裕あるビーチ・ボーイズ・コアファンの方は是非チェックしてみてください。

 ということで、今日もビーチ・ボーイズの新しいライヴ盤からこの1曲。
(国内CD 2枚組全41曲 解説・歌詞・対訳付 TOCP-71574 2,800円)

 なんと!ディスク2の1曲目(2部の1曲目)が「Pet Sounds」(インスト)なのです。

 2部構成の海外公演をご覧になられた方から教えていただいたのですが、1部と2部の間の休憩中は席を立ち、2部開演時に自分の席へ戻るお客さんが多かったとのこと。

 そういうこともあり、2部最初のこの「Pet Sounds」は、「2部始まりますよー」という“客入れ音楽”のような意味合いだったのかもしれません。

 なおこの「Pet Sounds」演奏中、ブライアン、マイク、ブルース、アルの主要メンバーはステージ上にまだ出てきておらず、リード・ギターのデヴィッド・マークスとバック・バンドのみ登場。
 (ある意味デヴィッド・マークス一番の見せ場!?)

 この後、ピアノの周りにメンバーが集まって(ブックレット内に写真が掲載)歌われる「Add Some Music To Your Day」への流れも素晴らしいですね!

 日本公演は見に行った、という方もこの2曲は必聴ですよ。

 それにしても「Pet Sounds」が50周年ツアーの客入れ演奏音楽に使われるとは・・・。
『PET SOUNDS』が作られた1966年当時、ブライアンは想像もしていなかったでしょうね。森 陽馬

2013年5月24日(金) Attic Lights 「Gabrielle」

 2009年2月21日に今日のこの1曲コーナーで紹介したグラスゴー5人組バンド、Attic Lights。

 デビュー作から約4年半と間が空いたので、もしや1枚で解散してるパターン?・・・、なんて勝手に思い込んでいましたが、現在在籍するスペインのレーベル“Elefant”から、前作同様とびっきりキャッチーな楽曲が詰まった新作『Super De Lixe』をリリースしました。
(国内仕様CD DE-71 2,200円)

 ジェリー・フィッシュ、ウィーザー、ファウンテンズ・オブ・ウェインなど、90年代USポップ/ロック勢を彷彿とさせます。

 本編最後「Gabrielle」での美しいメロディー/ハーモニーを聴かせるのもバンドの持ち味♪

 コーラスものが今回少ないかな、と感じたので、次回はハーモニーを更に強調した作品を聴いてみたいです。

 前作と同じく、ティーンエイジ・ファンクラブのフランシス・マクドナルドがプロデュースしています。(キーボード/パーカッションでも参加)

 アルバムのアナログLP盤。
そして先行シングル「Say You Love More」の7インチEPも入荷しました。

 7インチ盤はホワイト・ヴァイナル!
アルバム未収録2曲含む全4曲入りで限定500枚! 東尾沙紀

2013年5月25日(土) クレイジー・ケン・バンド 「地球が一回転する間に」

 評判の邦画『舟を編む』を先日見ました。

 三浦しをんによる原作が良いのはもちろんですが、この内容の映画を今年30歳になる石井裕也が監督しているのが素晴らしい!

 映画内で描かれる辞書作り同様、パンフレットもこだわりが感じられ、購入して良かったな、と久々に思える装丁でした。

 モノ作りに携わっている方は必見の映画だと思います。

 ただ、感動以上に将来への不安も正直言って感じましたね。

・辞書を作るこの仕事は、電子書籍が増えていくこれからも続けられるのだろうか?
・同じく音楽業界のこれからは? 店舗はこれからの将来どうするべきなのだろう?
・信念を持って仕事を続けることはもちろん大事だけれど、それだけでいいのだろうか?
・“変わらずに変わっていく”こと。そしてそのバランスとは?

などなど、色々と考えさせられた映画でした。

 映画とは関係ありませんが、今日はクレイジー・ケン・バンド15周年を飾る新作『FLYING SAUCER』からこの1曲。
(限定DVD付 UMCK-9620 3,990円 通常CDのみ UMCK-1446 3,150円)

 ストリングスが入る新味もありながら、横山剣メロディーは不変。
まさに、軸のブレないエンターテイメント・ポップ・ミュージック!

 ♪ 地球はチョンマゲの時代より前から廻りつづける
  泣いて笑って怒ったりする日々を繰り広げながら
 地球が一回転する間に君は何回笑うだろう ♪ (「地球が一回転する間に」歌詞より)

 不安を抱えながらも、踊り楽しませてくれるキラーチューンに拍手! 森 陽馬

2013年5月26日(日) ジョー・バルビエリ 「オールモスト・ブルー」

 今日商店街にある家電量販店前を通ったら、店頭に扇風機が並んでいました。

 もうそんな季節なのですね。
秋は気付かないうちに終わっていることが多いのですが、春もあっという間に過ぎ去ってしまうのかもしれません。

 そんな晩春にピッタリな1枚を見つけました。

 “イタリアのカエターノ・ヴェローゾ”と評されている、ジョー・バルビエリ。
2013年新作『今もチェットがささやいて』。
(国内CD 日本盤ボーナス・トラック追加収録 解説・対訳付 YMCP-10038 2,625円)

 「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」名唱、ジャズ・ヴォーカル名作『シングス』で知られるチェット・ベイカーへ捧げた1枚。

 昨年出た『静かに、息をするように』(
2012年4月29日に取り上げました)も素晴らしいアルバムでしたが、今作も聴くほどに心が洗われるような極上の仕上がり。

 音と音の隙間がやさしく心に沁みてきます。

 今日のこの1曲は、エルヴィス・コステロ作の名曲「オールモスト・ブルー」のカヴァー。
(ちなみにこの曲の作者、P.A.Mac.Manus Declanはコステロの本名)

 チェット・ベイカーはコステロの1983年作『パンチ・ザ・クロック』に参加したことをきっかけに、コステロ82年作『インペリアル・ベッドルーム』に収録されていた「オールモスト・ブルー」を晩年よく演奏していたそうです。

 さて、今年の夏はどんな素晴らしい音楽に出会えるのでしょうか。

この作品を聴きながら、ゆったりした気持ちで初夏を迎えたいと思います。森 陽馬

2013年5月27日(月) ハナレグミ 「プカプカ」

 ハナレグミ新作『だれそかれそ』はカバー・アルバム。
(VICL-64024 3,045円)

 単なるヒット曲カバーではなく、彼が好きだった邦楽曲をチョイス。

 CM曲でもお馴染み「ウイスキーが、お好きでしょ」。
スカパラをfeatした「オリビアを聴きながら」(杏里)。
原田郁子との「ラブリー」(小沢健二)。
5/2忌野清志郎ロックンロールショーでも歌われた「多摩蘭坂」(RCサクセション)。
エレキ・ギター弾き語りでサイケ&アシッド・フォーキーな「エイリアンズ」(キリンジ)、etc...。

 オリジナルとは違うハナレグミらしい自己流アレンジながら楽しめるのは、包容力ある彼の歌声に依るところが大きいのでしょうが、彼自身が聴き&歌い親しんだ唄を選んだことも大きいと思います。

 今日のこの1曲、西岡恭蔵の名曲「プカプカ」も、学生の頃よく歌っていた曲だ、とのこと。

 他全12曲、楽しんで一気に聴けるんだけれど、でもやっぱり、ハナレグミはオリジナル曲の方がしっくりくると個人的には思いましたね。

 次のオリジナル・アルバムに期待。森 陽馬

2013年5月28日(火) Femi Kuti 「The World Is Changing」

 いやー、これはかっこいい!

 ワールドとかアフロ・ファンクとか音楽ジャンル関係なく、オススメしたい1枚!

 アフロ・ビートの神と称されるフェラ・クティ。
彼の長男であるフェミ・クティ最新作『No Place For My Dream』。
(国内CD 日本語解説付 PCD-93720 2,415円)

 強烈なアフロ・ビート。
 激熱なホーン・セクション。
 ナイジェリア含む北西アフリカの社会問題をテーマにした歌詞。

 腹違いの息子、シェウン・クティが2011年に出したアルバムもかっこよかったけれど、フェミの今作はそれ以上の躍動感!

 彼の最高傑作と評しても過言ではないでしょう。
(ちなみに、フェミはもう50歳。シェウンは末っ子だったのでまだ30歳、とのこと。)

 今日のこの1曲は、ギターカッティングから、リズム隊、キーボード、ホーンが加わっていく演奏が痛快な②「The World Is Changing」。

 これこそ“ROCK”! 森 陽馬

2013年5月29日(水) Glen Campbell 「True Grit」

 先日テレビで、『勇気ある追跡』という映画を見ました。

 ジョン・ウェイン主演、1969年公開の西部劇。

 昔見たことがあったのですが、いろいろなことを忘れているものですね。

 この映画にグレン・キャンベルが準主役で出演して、主題歌も歌っていたことや、物語の結末も忘れていました。

 数年前にこの映画はリメイクされ、『トゥルー・グリット』という原題で公開。
結構話題になりました。

 主演は僕の大好きな俳優、ジェフ・ブリッジス。
当時のグレンの役はマット・デイモンがやっていました。

 オリジナルとは違う筋書きの所もありましたが、こちらもいい映画でした。

 さて、グレン・キャンベルが歌う「トゥルー・グリット」は、西部劇にピッタリのカントリー・テイスト。
映画の最初と最後に少し流れます。

 作曲は映画音楽の巨匠、エルマー・バーンスタイン。

 『勇気ある追跡』を見てから、繰り返し聴きたくなる曲になりました。

 出演者の話題をちょっと。
父親の仇を追跡する勝ち気な娘役のキム・ダービーは、その後『いちご白書』にも出演して、この頃、旬な女優さんでした。森 勉

★掲載ジャケットは「True Grit」収録、2枚組CDベスト盤。
(『GLEN CAMPBELL the capitol years 65/77』 EMI 724382183426)

2013年5月30日(木) Nicole Willis & The Soul Investigators 「Light Years Ahead」

 前作『Keep Reaching Up』(2006年3月18日にピックアップ)から7年!

 ニューヨーク出身ソウル女性シンガーと、フィンランドのジャズ・ファンク・バンドが久々にタッグを組んだ新作『TORTURED SOUL』がリリースされました。
(国内CD 日本語解説付 PCD-93717 2,415円)

 前作は“00年代ソウル/ファンクの大名盤!”
と、称したくなるほど捨て曲がなく、更にインパクトあるジャケットも気に入り、2006年本当によく聴いた作品でした。

 今作も期待以上にホーンを擁したヴィンテージ・サウンド!

 より重みのあるディープ・ソウル/ファンクを聴かせてくれる1枚です。

 今日のこの1曲は、ストリングスを配した「Light Years Ahead」。

 なんとなく、カーティス・メイフィールド「Freddie's Dead」を思い起こさせる1曲です。東尾沙紀

2013年5月31日(金) 相川 理沙 「ある朝、ディランが聴こえてきた」

 当店大推薦! 相川理沙さんの新作アルバム『ただいま』が6月7日に発売されます。

 これが、本当に素晴らしい1枚!
(2013年日本人女性シンガー No.1アルバム確定!!!)

 当店にてお買い上げの方には、彼女の生の歌声も多くの方に聴いていただきたい、ということで、7月3日【相川理沙 『ただいま』発売記念ライヴ・イベント at 当店地下アゲイン】へご招待することになりました。

 7月3日(水) Live Cafe AGAIN  開演19時半(予定)
 先着40名、CD1枚お買い上げにつき1名ご招待いたします!

 理沙さんをご存じの方も、そうでない方にも、彼女の感動の歌声を是非聴いていただきたいですね。

 ちなみに、バックはブルームーンカルテット!
(元バンバンバザール富永寛之さんが中心のユニット。)

 オルド・タイミー&グッド・タイミンな演奏がこれまた最高なのです。

 全12曲どれも聴きものですが、今日のこの1曲は②「ある朝、ディランが聴こえてきた」。

渋谷BYGにてレコーディングされたそうで、息遣いが伝わってくるアナログ的質感なサウンドが心地良く響きます。森 陽馬


通販コーナー及び店頭でご予約受付開始いたしました。




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■


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