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  今日のこの1曲 “Archives”

<2016月11月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2016年11月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2016年11月1日(火) 台風クラブ 「ずる休み」

2016年11月3日は<レコードの日>

アナログ・レコードのプレス会社、東洋化成が主催するRECORD DAY!
この日限定のレコードが色々とリリースされます。

いしだあゆみ『アワー・コネクション』、金延幸子『み空』、The Pen Friend Club、テンダー・リーフ、ロス・ステラリアンズ、みうらじゅん&前野健太、QUANTIC、レイ・ハラカミ、3776、LEARNERS、平山みき、BLUE CAFE、アシモフが手品師、ハナレグミ、シンリズム、SOUL FLOWER UNION、GROOVE UNCHANT、AWANE等々。

11/3レコードの日に対象商品を当店店頭にてお買い上げの方ハンカチ・タオルを先着でプレゼント。(1人1枚)

更にレコードの日商品5,400円以上店頭でお買い上げの方には先着でレコスケくんトート・バックもプレゼント!
(こちらは本当に数が少ないのですぐになくなってしまうと思います。ご了承ください)

一部商品はオーダー希望数からかなりショートしての入荷でした。
気になる商品ございましたらお早目にお問合せください。

その11/3レコードの日アイテムから1枚紹介しておきましょう。

台風クラブ『ずる休み/まつりのあと』
(限定EP RHION-13 1,000円+税)

京都発男性3人組バンド、台風クラブ。
本秀康氏による雷音レコードから初アナログ・リリース。

武骨な日本語ロックン・ロール! レコスケくんジャケ、買いです。森 陽馬


2016年11月2日(水) 平山みき 「真夜中のエンジェル・ベイビー」(2016 unchantable version)

昨日に続いて、11月3日<レコードの日>リリース商品をご紹介。

作詞:橋本淳、作曲:筒美京平のコンビによる、平山みき1975年ヒット曲「真夜中のエンジェル・ベイビー」。
約40年を経て新録音されたヴァージョンが、UNCHANTABLE RECORDS(グルーヴあんちゃん主宰レーベル)からアナログ・フォーマットでこの度発売。

平山みき『真夜中のエンジェル・ベイビー』
(限定EP UCT-023 1,500円+税)

プロデュースを担当したのは、星野みちる「ずっと一緒さ」(山下達郎カヴァー)のアレンジを手掛けた新井俊也(冗談伯爵)。
現代の息吹を宿したグルーヴ歌謡なアレンジがNice!

なお、B面には同曲のコモエスタ八重樫REMIX(和モノバmix)が収録。
ペコンボがコーラス参加するなど、こちらのヴァージョンもかなりゴキゲン♪ オススメですね。森 陽馬


2016年11月3日(木) 松任谷由実 「残火」

映画『インターステラー』(クリストファー・ノーラン監督2014年公開映画)で、印象深いシーンがあります。

主人公クーパーが宇宙のブラックホールに吸い込まれた後、4次元の空間内で辿り着いた場所。
見覚えがある忘れもしないその場所で、彼が出逢ったのは、、、。

物語の核心とも言えるシーンなので、そこが何処で何と出逢ったのかは映画をご覧いただきたいと思いますが、その場面と対峙して<とても逢いたいけれどもう逢えない。戻りたいけれど二度と戻れない>という主人公の切ない想いが強烈に同期したことを記憶しています。

松任谷由実2016年発表アルバム『宇宙図書館』は、森本千絵が手掛けたジャケット・アートワーク含め、映画『インターステラー』での切ない想いを思い起こさせる作品でした。

松任谷由実『宇宙図書館』
(初回限定CD+DVD UPCH-29230 3,800円+税/通常盤 UPCH-20431 3,200円+税/アナログ&Blu-ray付完全初回限定盤 12,000円+税)

♪いつか きみに会いたい せめてもう一度 ~ いつか きみに会いたい いつかかならず いつか時を越えて いつか きみと会いたい♪ (松任谷由実「残火」歌詞より)

もう2度と逢えない誰か。どうもがいても戻れない過去。でも、そこから繋がっていく未来。

悲しいけれど前へ進んでいかなければならない。
残火へ託した強い決意を感じさせる名曲。

なお、②「残火」は河村カースケ智康(Dr)、美久月千晴(B)、鳥山雄司(G)、松任谷正隆(Key、g)という布陣。
松任谷正隆がキーボードだけでなく、ギターのクレジットも入っています。森 陽馬

★11/3レコードの日、たくさんのご来店ありがとうございました!


2016年11月4日(金) スペンサー・デイヴィス・グループ 「スティーヴィーズ・グルーヴ」

スペンサー・デイヴィス・グループはイギリス/バーミンガムで1963年に結成されました。

メンバーはスペンサー・デイヴィス、ピート・ヨーク、マフ・ウィンウッド、そして弟のスティーヴ・ウィンウッドによる4人組で、スティーヴは当時15歳という若さでした。

しかし15歳とはいっても凄い15歳で、、リード・ヴォーカル、ピアノ、オルガン、リード・ギター、そして作詞・作曲とグループの中心人物でした。

そのスティーヴ・ウィンウッドを擁した時代のスペンサー・デイヴィス・グループ、オリジナル・アルバム3枚が再発されました。
2006年に世界初CD化され、その後2008年に再発されましたが、その後手に入りにくい状態が続いていたのでうれしい再発です。

『ゼア・ファーストLP』、『セカンド・アルバム』、『オータム'66』。
3枚ともシングルや4曲入りEPで発売されたLP未収録曲や当時アメリカだけで発売されたUSヴァージョンもボーナス・トラックとして各アルバムに8~9曲追加で収められています。

「サムバディ・ヘルプ・ミー」、「ギミ・サム・ラヴィン」、「アイム・ア・マン」等のヒット曲を収録した3枚目のアルバム『オータム'66』(インスト名曲「Fのブルース」も収録)が一番ポピュラーですが、今日は『セカンド・アルバム+8』(国内CD 限定紙ジャケット仕様 解説・歌詞・対訳付 UICY-77894 2,667円+税)から選んでみました。

「Fのブルース」同様、スティーヴ・ウィンウッドのハモンド・オルガンをフィーチャーしたインスト曲「スティーヴィーズ・グルーヴ」を。森 勉


2016年11月5日(土) Sierra Hull 「Black River」

乾いた季節に聴くマンドリンの音色はとても心地良いものです。

シエラ・ハルは、米ブルーグラス界で活躍する現在25歳の女性マンドリン奏者/シンガー・ソングライター。

幼少期から高い注目を浴び、16歳で全米デビュー。(その頃、来日ツアーも行っているそうです。)
前作から5年ぶりとなる最新作『WEIGHTED MIND』が今年発表されました。
(輸入CD ROUNDER 11661-9166-2)

彼女のマンドリンを中心に、ベース、バンジョーによる小編成で、マンドリンのソロ&可憐な歌声をたっぷり聴かせてくれます。

そこに加わるのは、アリソン・クラウス、リアノン・ギデンス、アビゲイル・ウォッシュバーンら、同じシーンで活躍する女性シンガーによるコーラス。

ウッド・ベースの低音が響く、深みのあるリード・トラック「Black River」では、3人の追いかけるように重なる美しいハーモニーも聴きものです。

トラディショナル1曲を除いて、すべて彼女自身によるオリジナル曲。
澄んでいるのにどこか陰のあるメロディも魅力的なオススメの1枚です。東尾沙紀


2016年11月6日(日)SHE & HIM 「All I Want For Christmas Is You」

<2016年ベスト・アルバム>を選考する時期が近づいてきました。
今年も素晴らしい作品がたくさんリリースされましたね。

しかしながら2016年残り2か月弱、楽しみな新譜がまだまだ控えています。

・11/16 フランキー・ヴァリ『クリスマス・アルバム』
・11/16 『ジャージー・ボーイズ・クリスマス』
・11/25 ルーマー『ディス・ガール~バカラック&デヴィッド・ソングブック』
・11/30冨田ラボ『SUPERFINE』
・12/2 ローリング・ストーンズ『ブルー&ロンサム』
・12月中旬予定 ニール・ヤング『ピース・トレイル』 etc...

御年82歳になるフランキー・ヴァリ『クリスマス・アルバム』は、盟友ボブ・ゴーディオプロデュースだそう。
フォー・シーズンズファンにとっては感慨深い作品になることでしょうね。

さて、そのフランキー・ヴァリ『クリスマス・アルバム』発売前に、素敵なクリスマス作品が出ました。

SHE & HIM『Christmas Party』
(輸入CD Columbia 88985380642)

映画『(500)日のサマー』等で知られる女優ズーイー・デシャネルと男性シンガー・ソングライターM・ウォードによるユニット、シー&ヒム。
2011年発表『A Very She & Him Christmas』に続く2枚目のクリスマス・アルバム。

今日のこの1曲は、マライア・キャリー大ヒットクリスマス曲「All I Want For Christmas Is You」カヴァー。
シー&ヒムらしいジャジーかつエコーの効いたポップ・アレンジで聴かせます。

ズーイーの歌声が心なしか哀し気に響くのは気のせいかな? 森 陽馬


2016年11月7日(月) Billy Bragg & Joe Henry 「Rock Island Line」

「列車の音が入っている作品」といえば、ビーチ・ボーイズ『ペット・サウンズ』。
アルバムのラスト「Caroline No」後、ブライアン・ウィルソンが飼っていた犬(バナナとルーイ)の鳴き声と共に、列車音を聴くことができます。

今日紹介するのは、アルバム冒頭に「列車の音が入っている作品」。

Billy Bragg&Joe Henry『Shine A Light』
(国内仕様CD COOKCD623J 2,000円+税)

1980年代から活動しているビリー・ブラッグと、アラン・トゥーサンのプロデュースなどで名を馳せるシンガー・ソングライター、ジョー・ヘンリーの共作は、2016年3月シカゴからロスまで約4日間65時間の列車旅行中に録音した1枚。

サブタイトルに<Field Recordings From The Great American Railroad>とあるように、アメリカ大陸を走る長距離列車での移動中、駅の待合室や線路脇でレコーディングされています。

収録楽曲は鉄道をテーマにしたアメリカン・ルーツ・ナンバーのカヴァーが中心。

列車音が聴ける(短いけどね)今日のこの1曲①「Rock Island Line」は、アーカンソー刑務所で歌われJohn Lomaxによる歌・録音がオリジナルと言われるナンバー。
名カントリー/ブルース・シンガー、レッド・ベリーが1934年レコーディング。後に1956年ロニー・ドネガンが取り上げ全英ヒット。スキッフル・ブームのきっかけとも言われている有名曲。

サウンドは二人のギターと歌、そして時々ハーモニカ。
地味ながらも、ロード・ムーヴィーを見ているような気にさせられる音楽旅行記的アルバムです。森 陽馬


2016年11月8日(火)ラヴィン・スプーンフル「うれしいあの娘」(You Didn't Have To Be So Nice)

ラヴィン・スプーンフルのベスト決定盤と言えるCDが<パイド・パイパー・デイズ>シリーズのひとつとして発売されました。

ラヴィン・スプーンフル『ベスト・オブ・ラヴィン・スプーンフル』
(国内CD SICP-31006 2,100円+税)

1960年代後半に編集されLPとして発売された『ベスト・オブ・ラヴィン・スプーンフル』VOL.1とVOL.2の全曲に、更にボーナス6曲をプラスした全30曲入りです。

見開き式紙ジャケ、解説(もちろん長門芳郎氏)、歌詞・対訳及び、オリジナルLPに付いていたメンバー4人のポートレート&オリジナル内袋を復刻(縮小版)したものも付いています。

音も2016年最新リマスター! これで2,100円+税という良心価格です。

1965年デビューからラヴィン・スプーンフルを愛してやまない長門さんならではのこだわりがうれしい1枚です。

「魔法を信じるかい?」、「デイドリーム」、「心に決めたかい?」、「サマー・イン・ザ・シティ」、「レイン・オン・ザ・ルーフ」、「ナッシュヴィル・キャッツ」、「フル・メジャー」、「ダーリン・ビー・ホーム・スーン」、「シックス・オクロック」などチャートインした曲は全て収録。
ジョン・セバスチャンのハーモニカをフィーチャーしたインスト名曲「ロンリー(エイミーのテーマ)」も入っています。

「うれしいあの娘」(You Didn't Have To Be So Nice)は第2弾シングル。
1965~66年にかけてヒットしたハート・ウォーミングな1曲です。

今宵、ラヴィン・スプーンフルのグッド・タイム・ミュージックにひたりたいと思います。森 勉


2016年11月9日(水) ココナツ・バンク 「日射病」

祝!伊藤銀次デビュー45周年!

伊藤銀次率いるココナツ・バンクの新曲含むアルバムが2016年11月30日発売決定しました。

ココナツ・バンク『THE COMPLETE COCONUT BANK』
(2016年11月30日発売 CD 全13曲収録 BZCS-1148 3,000円+税)

2003年発表1stに新曲を追加した全13曲入。

伊藤銀次、上原“ユカリ”裕、井上富雄、久保田光太郎に、ママレイド・ラグ田中拡邦が加わった5人編成。
作品には佐野元春、杉真理、高田みち子、DrKyon、鈴木雄大、山本英美、浦清英、リクオ等がゲスト参加。

過去ではなく、<現在進行形>のココナツ・バンク、楽しみですね。

今作には『NIAGARA TRIANGLE VOL.1』で知られる伊藤銀次作名曲「日射病」の新緑も収録。
佐野元春がコーラス参加しているようです。

なお、当店のみの特典もお付けできる予定! ご予約お待ちしております。森 陽馬


2016年11月10日(木) Cooking Songs 「Come In Home」

ライヴ・イベントで演奏者が食事を振る舞う。

高橋保行(渋さ知らズ)、伴瀬朝彦(片想い/ホライズン山下宅配便)を中心としたCooking Songsは、音楽と共にメンバー自慢の手料理を味わえるという二度美味しいイベントを行っているのだそうです。

池澤龍作(Dr)、大原巧(Sax)、ケイタイモ(B)、田島拓(G)を迎えた6人編成での1stアルバム『Cooking Song』がリリースされました。(VSP-0015 2,000円+税)

時にシャウトし奔放に歌う高橋保行、2014年発表ソロ作『カリハラ』(
2014年4月24日今日のこの1曲で紹介)収録曲のような味わいある歌を聴かせる伴瀬朝彦、2人それぞれの個性が表れた楽曲に、ファンク、ニューオリンズ、ジャズ、ブルース...スパイスを効かせるかの如く様々なテイストを盛り込んだアレンジが面白い1枚。

先頃、メンバーがキッチンで料理しているPVも公開された「Come In Home」。

ほっこりすると思いきや、中盤でジャム・バンド的な展開に変化する楽しい1曲です。東尾沙紀


2016年11月11日(金) 斉藤和義 「やさしくなりたい」

今年の11月11日は酉の市。(二の酉は11月23日)

11日0時(10日24時)、浅草鷲神社へ。
寒い雨中の深夜にも関わらず多くの人で賑わっていました。

熊手の売り手も買い手も、老若男女皆凛とした良い表情でしたね。
年末年始や年度末と同じように、身が引き締まるような、心新たな気持ちになりました。

今日のこの1曲は、その酉の市へ向かう車中聴いていたアルバムから。

斉藤和義『LIVE TOUR 2015-2016 風の果てまで LIVE AT 日本武道館 2016.5.22』
(初回限定3枚組CD VIZL-1350 3,800円+税)

玉田豊夢(Dr)、山口寛雄(B)、堀江博久(Key)、真壁陽平(G)。
斉藤和義の楽曲の魅力を更に増幅させているバックの演奏が素晴らしいライヴ盤。

特に、2011年TVドラマ『家政婦のミタ』主題歌として使われた「やさしくなりたい」。

真壁陽平による長尺ギター・ソロから、楽曲へなだれ込んでいく瞬間、鳥肌ものです。森 陽馬


2016年11月12日(土) ニール・ヤング 「Blowin' In The Wind」

11月12日はニール・ヤングの誕生日!
1945年生まれですから、今日で71歳!
おめでとう、ニール!!

2015年6月新作『モンサント・イヤーズ』、年末『ブルーノート・カフェ』という1988年頃のライヴ盤、そして2016年6月新作的ライヴ盤『アース』発売、と止まることを知らないニール。

2016年12月にまたまた新作『ピース・トレイル』をリリース予定だそうで、年を経るごとに元気になっていますね。
ジム・ケルトナー(Dr)、ポール・ブッシュネル(B)とのトリオ編成での新録音作、とても楽しみです。

ニール・ヤング来日祈願!ということで、今日のこの1曲は、ニール1991年発表名ライヴ盤『WELD』から。

Neil Young & Crazy Horse『WELD』
(輸入CD REPRISE 7599-26671-2)

このライヴ・ツアーを行っていた1990~91年頃、湾岸戦争が勃発。
ニールは抗議の意を表明し、爆音エレキでボブ・ディラン作「Blowin' In The Wind」を当時演奏していました。

“風に吹かれて”いる答えを、ニール・ヤングはこの25年間で見つけられたでしょうか?

<HEART OF GOLD>、そして<Blowin' In The WInd>へ託された答えを探し求める旅路、まだまだ続きそうです。森 陽馬


2016年11月13日(日) ラヴィン・スプーンフル「フル・メジャー」(ステレオ&インスト・ヴァージョン)

先日11月8日の今日のこの1曲で、ラヴィン・スプーンフルのベスト盤を紹介しましたが、それと同時発売でオリジナル・アルバムも4種紙ジャケで発売されています。

・1stアルバム『魔法を信じるかい?』(1965年発表)
・2ndアルバム『デイドリーム』(1966年発表)
・3rdアルバム『ハムズ・オブ・ザ・ラヴィン・スプーンフル』(1966年発表)
・4thアルバム『エヴリシング・プレイング』(1967年発表)

全てモノラル&ステレオ・ヴァージョンの両方と、デモ、インスト、別ヴァージョンなどのボーナス曲も3~6曲追加され、解説、歌詞、対訳に加えて英文ライナー和訳も付いています。

さすが、長門芳郎氏のパイド・パイパー・ブランド!

『ベスト・オブ・ラヴィン・スプーンフル』はシングル曲を中心に集めてありモノラルでの収録でしたので、オリジナル・アルバムではそのヒット曲をステレオ・ヴァージョンで楽しめる利点もあります。

今日は彼らの曲の中でも、特に大好きな1曲を。

『ハムズ・オブ・~』からジョン・セバスチャンとスティーヴ・ブーンの共作、ドラムスのジョー・バトラーがリード・ヴォーカルで歌っている「フル・メジャー」。

ラヴィン・スプーンフル『ハムズ・オブ・ザ・ラヴィン・スプーンフル』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ステレオ&モノ+ボーナス6曲 計28トラック収録 SICP-31009 2,100円+税)

ヴィブラフォンの音なども入り、シャレたアレンジがステレオ・ヴァージョンで映えています。

インスト・ヴァージョンも収録されているのがウレシイ!
曲の後半で「クリスマス」という歌詞があるのですが、そこの所でクリスマスらしい鈴の音が鳴るのがよくわかります。森 勉


2016年11月14日(月) スティング 「I Can't Stop Thinking About You」

♪That Nothing Comes From Violence And Nothing Ever Could♪(暴力からは何も生まれない)
<Sting「Fragile」歌詞より>

2015年11月13日フランス/パリ中心部6か所で銃乱射・爆発が起き130人が犠牲になったパリ同時多発テロ。

あれから約1年、多くの犠牲者を出したバタクラン劇場が改修され11月12日に営業を再開。
スティングがコンサートを行い、約1分の黙祷後、名曲「Fragile」を歌ったそうです。

そのスティングが新作アルバムを発売しました。

スティング『ニューヨーク9番街57丁目』(原題『57th & 9th』)
(国内CD 初回限定DVD付 UICA-1068 3,400円+税/通常盤 UICA-1067 2,600円+税)

ニューヨーク9番街57丁目は、通称ヘルズキッチンと呼ばれたニューヨーク/マンハッタンの有名な交差点。

今作が録音されたスタジオへ向かう途中にあり、様々な境遇の人種が行き交うそのエリアのように、日々変わっていく風景や自身の心象を描いた全10曲(+ボーナス・トラック3曲)。

近年はクラシカルな作品やミュージカルへ書き下ろしたアルバムが続いていた彼ですが、ヴィニー・カリウタやドミニク・ミラーが参加し久々にロックなアレンジに回帰した快心作に仕上がっています。

今日のこの1曲は、ポリス時代を彷彿とさせる躍動感を持つ1曲目「I Can't Stop Thinking About You」。

心の中に鬱積する哀しみであったり、苦しみ、もしくは切なさを振り払うかのようなスティングらしいナンバー。

なお、この曲をLAにて違うバック・ミュージシャン&別アレンジでレコーディングしたヴァージョンもボーナス・トラックとして収録されています。森 陽馬


2016年11月15日(火) フランキー・ヴァリ 「ジングル・ベル・ロック」

11月も前半が過ぎました。

クリスマス・シーズン突入ということで、いろいろとクリスマス関連CDが入荷しています。

今日はその中からフランキー・ヴァリ『クリスマス・アルバム』を紹介したいと思います。

フランキー・ヴァリ『クリスマス・アルバム』(原題:'Tis The Seasons)
(国内CD 萩原健太氏による解説・歌詞付 WPCR-17535 2,200円+税)

新録です!
いつ録音されたかという詳しい記載はありませんが、今年2016年に初めて発表される音源です。

プロデュース&アレンジは、フォーシーズンズ時代からの同僚であるボブ・ゴーディオが担当。
フランキー・ヴァリのことを知りつくした人物なので、安心してクリスマス気分に浸れるアルバムを作りだしてくれています。

クリスマス・シーズンには欠かせないスタンダード曲が並んでいます。
「ザ・クリスマス・ソング」、「ウインター・ワンダーランド」、「ハヴ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス」、「レット・イット・スノウ」、「ホワイト・クリスマス」...、そしてギターでジェフ・ベックが参加した「メリー・クリスマス・ベイビー」等全13曲。

今日はその中から7曲目に入っている「ジングル・ベル・ロック」。
80歳を過ぎたヴァリがゆったりスウィングするすてきなヴァージョンに仕上がっています。森 勉


2016年11月16日(水) ジョン・ロイド・ヤング「サンタ・メドレー」(『ジャージー・ボーイズ・クリスマス』より)

フランキー・ヴァリ『クリスマス・アルバム』と一緒に、素敵なクリスマス作も国内盤で発売されました。

ジャージー・ボーイズ『ジャージー・ボーイズ・クリスマス』(Seasons Greetings:A Jersey Boys Christmas)
(国内CD 英文ライナー対訳・歌詞付 WPCR-17536 1,700円+税)

フランキー・ヴァリ/フォー・シーズンズの物語を描いた大ヒットミュージカル『ジャージー・ボーイズ』。
そのオリジナル・キャストの面々が歌い、音楽スタッフがサウンドを手掛けたジャージー・ボーイズ/フランキー・ヴァリ&ザ・フォー・シーズンズ流クリスマス・アルバム(2011年制作盤)です。

収録楽曲は定番クリスマス・ソングですが、歌、コーラス、演奏など様々な細かい部分に“ジャージー・ボーイズ”スパイスを効かせています。

今日のこの1曲は映画『ジャージー・ボーイズ』でも主演を務めたジョン・ロイド・ヤングが歌うクリスマス・サンタ・メドレー「SANTA MEDLEY (Santa Claus Is Coming To Town/Here Comes Santa Claus/I Saw Mommy Kissing Santa Claus)」。

「サンタが町にやって来る」(Santa Claus Is Coming)は、フォー・シーズンズ代表曲「シェリー」のリズム・アレンジとファルセット・ヴォイスを元にしたアレンジがゴキゲン♪

「ママがサンタにキッスした」(I Saw Mommy Kissing Santa Claus)部分での、エンジェルズ「My Boyfriend's Back」を想起させるコーラス・アレンジも聴きものです。森 陽馬


2016年11月17日(木) 脇田もなり 「あのね、、、」(インスト・ヴァージョン)

マイクロスターファン注目!

脇田もなり『IN THE CITY/あのね、、、』
(EP+CD HCCD-9579 1,500円+税)

Especia(エスペシア)に在籍していた脇田もなりのソロ・デビュー・シングル盤。

はせはじむプロデュースで、A面(1曲目)「IN THE CITY」は星野みちる「ずっと一緒さ」(山下達郎カヴァー)や平山みき「真夜中のエンジェル・ベイビー」2016年ヴァージョンを手掛けた新井俊也(冗談伯爵)がアレンジを担当。

B面(2曲目)「あのね、、、」はマイクロスター佐藤清喜さんがバック・トラックとアレンジを担当!
そして、両面共佐藤清喜さんミックス!

、、、と、これだけでも魅力的ですが、マイクロスターファンにとって更にうれしいのが、コーラス飯泉裕子さん!
2曲共にちゃんとクレジットされています。

付属のCD3曲目&4曲目に収録されているインスト・ヴァージョンを聴けば、魅惑コーラスが堪能できますよ。

特に4曲目「あのね、、、」インストは、佐藤清喜さんがバック・トラックを手掛けているので、マイクロスターの新曲を聴いているみたい?!

もちろん、Especiaファン、シティ・ポップ好きの方も要チェックです。森 陽馬


2016年11月18日(金) オスカー・ピーターソン・トリオ 「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ」

もしも、ピアノが弾けたなら、、、いいなぁ、、、。

もう40年以上も前のことですが、友人の結婚式に出席した際、あの「明日に架ける橋」をピアノで演奏した方がいました。

なんともすてきな演奏で、その結婚式に花を添えてくれたわけですが、その時自分でもあんな風に弾けたら気持ちいいだろうなぁと思ったわけです。

小学生の時にピアノは習っていたんですがねぇ。
才能もセンスも根気もなかったんです。

「バイエル」じゃなくて好きな曲だったら取り組み方も違っていたかも、と思いますが、何事も物になるまでは大変な道のりがあるんですよね。

ということで、今日はピアノの音色が恋しい感じ。

オスカー・ピーターソン・トリオ1964年録音『プリーズ・リクエスト』(原題:We Get Requests)は、鍵盤の上を軽やかに動く手が見えてくるようなオスカー・ピーターソンのピアノが本当に魅力的です。
(国内CD 完全限定盤 UCCU-99005 1,000円+税/UCCU-5556 1,500円+税)

「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ」は1953年に作られ、フランク・シナトラ、エラ・フィッツジェラルド、ドリス・デイなど多くの歌手に歌われているスタンダード曲。今日は歌なしのピアノ演奏で。森 勉


2016年11月19日(土) Barbra Lica 「Noel A Paris」

2016年10月30日の今日のこの1曲で取り上げたカナダの女性ジャズ・シンガー、バーブラ・リカ。

本国では2015年発表のクリスマス・アルバム『Christmas Present』、日本盤がこの度発売になりました。
(国内CD 解説・歌詞付 MZCF-1342 2,200円+税)

洗練されたバックの演奏に、チャーミングな歌声にほっこり♪

フランク・シナトラ「The Christmas Waltz」、ボサノバ調のワム!の「Last Christmas」、『チャーリー・ブラウンのクリスマス』より「Christmas Time Is Here」、ブギウギ・ピアノが印象的な「Winter Wonderland」、「Marshmallow World」など、カバーを中心に、オリジナル曲も収録されています。

今日のこの1曲は、彼女の滑らかなフランス語が素敵なシャルル・アズナブールのカバー「Noel A Paris」。
ピアノの演奏でしっとりと...。
クレジットに無いので定かではありませんが、鍵盤ハーモニカらしき楽器も印象的なソロを聴かせてくれます。

日本盤ボーナス・トラックには、ブルージーなオリジナル曲「サンタ・クローズ」が1曲追加収録されています。東尾沙紀


2016年11月20日(日) アン・サリー 「I Wish You Love」

アン・サリー『ムーン・ダンス』は2003年に発売されて以来、僕の愛聴盤であり、ペット・サウンズ・レコードの推薦盤であり続けているCDです。(COCB-54187 2,000円+税)

彼女の耳ざわりのいい声とまろやかな歌い方は、センスあふれるアコースティックなバックとうまく溶け合って、最高の音空間を作っています。

日本の名曲「蘇州夜曲」、「星影の小径」、ケニー・ランキン、カエターノ・ヴェローゾ、ニール・ヤング、ハース・マルティネス、スティーヴィー・ワンダーなどのカヴァーが違和感なく同居していて、居心地の良い雰囲気がアルバム全体から伝わってくるのです。

店頭でかけていると「これ、誰ですか?」という問合せが多いのはそんな所を感じてくださる方が多いからでしょう。

1曲目「アイ・ウィッシュ・ユー・ラヴ」は、小沼ようすけのガット・ギターだけをバックに歌うアン・サリーの表現力が素晴らしい。

この曲はスタンダードとしてさまざまな人が歌っていますが、元は1940年代に作られたフランス産シャンソン。
1950年代に英語の詞が付けられ、アメリカで知られるようになったそうです。

ちなみに僕は1967年頃日本で発売されたテンプテーションズのライヴ盤で「アイ・ウィッシュ・ユー・ラヴ」を知りました。
エディ・ケントリックスの美しいファルセットの歌声が大好きでした。

アン・サリーのもそれに匹敵する好みのカヴァーです。森 勉


2016年11月21日(月) ラザルス 「Warmth Of Your Eyes」(あなたの温かいまなざしで)

最近、店をオープンさせる前によく聴いているお気に入りの1枚。

ラザルス『LAZARUS』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 世界初CD化 WPCR-17483 1,300円+税)

ラザルスは、ビル・ヒューズが在籍していた3人組グループ。
ビル・ヒューズというと1979年発表隠れたAOR名盤『ドリーム・マスター』で知られるミュージシャンで、ラザルスの1971年発表1stとなる今作も<AOR1300ベスト・セレクション>中の1枚としてこの度世界初CD化されましたが、AORというよりフォーキーかつ穏やかなアメリカン・ルーツ作として、CSN等お好きな方へオススメしたいアルバムです。

ピーター、ポール&マリーのピーター・ヤーロウが見出し、フィル・ラモーンと共同プロデュース。
当時発足したばかりだったベアズヴィル・レコード(トッド・ラングレン、ボビー・チャールズ等の名盤で知られるウッドストックを拠点にしたレコード・レーベル)からのリリース。

PPM/サイモン&ガーファンクル的なアコースティック・サウンド+CSN的なコーラス・ワーク。
さわやかかつ心地良い音感で、テンションが上がりにくい午前中聴くのに合っていますね。

1曲目「Refugee」(難民の意)、レターメンにカヴァーされた8曲目「Eastward」等良曲揃いですが、今日のこの1曲は当時シングル・カットされたという6曲目「Warmth Of Your Eyes」(邦題:あなたの温かいまなざしで)。
美しいコーラスに癒されます。森 陽馬


2016年11月22日(火) 比屋定篤子 「まわれ まわれ」

近年、若い世代にも大人気の“シティ・ポップ”。
70年代名盤から新しいアーティストの作品まで様々なシティ・ポップが注目されてきています。

そのようなシティ・ポップ・リスナーに是非聴いていただきたい編集盤CDが出ました。

比屋定篤子『昨日と違う今日~比屋定篤子ベスト&レア』
(国内CD 選曲・解説:クニモンド瀧口 MHCL-30424 2,500円+税)

比屋定篤子さんは沖縄県那覇市生まれの女性シンガー。
1997年ソニー・ミュージックからデビューし、約3年間でアルバム3枚&シングル7枚を発表。
<流線形と比屋定篤子>名義でリリースした2009年作『ナチュラル・ウーマン』でご存知の方も多いと思います。

彼女のソニー時代の音源をクニモンド瀧口(流線形)が選曲し解説も書き下ろしたベスト盤がこの1枚。

シングル曲だけでなく、アルバム中の隠れた名曲や南佳孝とのデュエット曲「危険な関係」等全17曲収録。
比屋定篤子さん自身のライナーノーツと、当時作曲やアレンジを担当していた小林治郎氏による「まわれまわれ」&「メビウス」の楽曲解説もブックレットに記載。

新世代シティ・ポップによくある“狙った”感がなく、ひたすらにグッド・ミュージックを求めた編曲と、大貫妙子似の透明感ある歌声は約20年を経ても全く色褪せておらず、今こそ再評価されるべきでしょう。

今日のこの1曲は、<流線形と比屋定篤子>でもセルフ・カヴァーされた人気曲「まわれ まわれ」。
イントロのギター・カッティングからサビの流れがNice♪

なお、「まわれ まわれ」の<流線形と比屋定篤子>セルフ・カヴァー・ヴァージョンが7インチ・アナログ化されることになりました。「ナチュラル・ウーマン」とのカップリングで12/21発売予定です。森 陽馬


2016年11月23日(水) David Crosby 「By The Light Of Common Day」 feat Becca Stevens

現在、店内中央特設コーナーでは<ライヴ盤オススメの1枚!>特集を展開中。
洋邦ジャンル問わず、熱いライヴ名盤をご紹介しております。

何人かのお客様に「一番好きなライヴ盤は?」という質問をしたところ、一番多かった答えは、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング『4ウェイ・ストリート』でした。

そうですよね! これは本当に素晴らしいライヴ盤!
冒頭の「青い眼のジュディ」からニール・ヤングが紹介されて「On The Way Home」を歌うところや、エレクトリック・セット「OHIO」に何度胸焦がしたことか、、、。

1974年ライヴ盤も素晴らしいけれど、繰り返し聴いて印象深いのはやはり『4ウェイ・ストリート』かもしれません。
現在は、LP未収録だった曲も追加された解説・歌詞・対訳付国内盤CDが2,500円+税で出ています。
レコードでよく聴いた、という方も久々に是非聴いてみてください。

さて、そのCSN&YのC、デヴィッド・クロスビーが新作アルバムを発表しました。

David Crosby『Lighthouse』
(輸入CD Verve 602557238686)

息子のジェイムズ・レイモンドが全面バックアップした2014年発表前作『CROZ』(
2014年2月5日今日のこの1曲で紹介)が大傑作だったので、今作は最初地味に感じたのですが、聴くほどに味わいが出てきました。

クロスビー1971年発表1stソロ『If I Could Only Remember My Name』を彷彿とさせるような深遠な歌世界。

今日のこの1曲は、新世代女性シンガー、ベッカ・スティーヴンスがヴォーカル参加しているラスト9曲目「By The Light Of Common Day」を。森 陽馬


2016年11月24日(木) Skinny Lister 「Reunion」

夕方頃まで降り続いた雪を見ていたら、10年ほど前に初めて観たザ・ポーグス来日公演の事をふと思い出しました。

踊れや騒げやな観客の中、もみくちゃになり大変でしたが、終盤で披露された彼等とカースティ・マッコールのクリスマス・ソング「ニューヨークの夢」では、雪に見立てた紙吹雪が舞う中、シェインとメンバーの娘さんによるデュエットする場面が、とっても感動的だった事を憶えています。

今日ご紹介するスキニー・リスターは、ポーグスやクラッシュ他などの流れを汲む男女6人組トラッド・フォーク/パンク・バンド。

<UKで最も忙しいバンド>とも評され、精力的なライヴ活動、フェス出演、活気に溢れたパフォーマンスで観客を魅了してきました。

彼らの3枚目となる新作『The Devil,The Heart & The Fight』は、キャッチーな楽曲とバンドの勢いが感じられる充実作♪(国内CD 解説・歌詞・対訳付 OTCD-5822 2,300円+税)

ティンホイッスルの威勢の良い音色が弾むアイリッシュ・パンク「Hambug Drunk」、もろにデキシーズ・ミッドナイト・ランナーズな「Fair winds & Following Seas」等ポップな楽曲だけでなく、男勝りな紅一点ヴォーカル、ローナがリードをとる「Devil In Me」、男女のヴォーカルが美しいバラード「Reunion」も聴きものです。

彼女のヴォーカルは、どことなくカースティ・マッコールを感じさせるものがあるなぁと思いました。東尾沙紀


2016年11月25日(金) ルーマー 「バランス・オブ・ネイチャー」

ルーマー4作目のアルバム『ディス・ガール ~バカラック&デヴィッド・ソングブック』が発売になりました。

ルーマー『ディス・ガール ~バカラック&デヴィッド・ソングブック』
(国内CD 国内盤ボーナス・トラック1曲追加 解説・歌詞・対訳付 WPCR-17203 2,400円+税)

タイトルでわかるように全13曲バート・バカラック&ハル・デヴィッドの作品を歌ったものになっています。

プロデュース、アレンジ、オーケストラ指揮はロブ・シラクバリが担当。
彼はルーマーの夫であり、バート・バカラックの仕事をサポートしていたこともあったので、いつかはこんなアルバムがと思っていました。
意外と早い実現、うれしいです。

ロブ・シラクバリの音作りはルーマー2014年発表前作『イントゥ・カラー』(
2014年11月13日今日のこの1曲で紹介)で実証済。彼女の低いトーンの歌声をうまく活かしています。

選曲も「ルック・オブ・ラヴ」(恋の面影)、「クロス・トゥ・ユー」(遥かなる影)、「ハウス・イズ・ノット・ホーム」、「ウォーク・オン・バイ」、「ディス・ガール」(なんとこの曲には、イントロにバカラックのピアノ&ヴォーカルをプラス!)、「世界は愛を求めてる」など有名曲の間に、ディオンヌ・ワーウィックが以前歌ったことがある知られざる隠れ名曲を4曲含ませるという、バカラックの近くにいた人ならではのワザと気遣いが感じられます。

今日はそんなあまり知られていないけれどイイ曲の中から「バランス・オブ・ネイチャー」。

ルーマーのスウィート&ソフトなマシュマロ・ヴォイスに、バカラック・メロディーは抜群の相性です。森 勉


2016年11月26日(土) ココナツ・バンク 「じんじんじん」

伊藤銀次率いるココナツ・バンク、待望の新作がもうすぐ発売になります。

11月30日発売
ココナツ・バンク『ザ・コンプリート・ココナツ・バンク』
(国内CD 伊藤銀次氏による曲目解説付 BZCS-1148 3,000円+税)

当店のみの特典も正式決定いたしました!
素敵なジャケット・デザインを使用した4cm四角マグネット!
更に!ココナツ・バンク発売記念伊藤銀次最新インタビュー・オリジナル・リーフレット!!

一足先に聴かせていただきましたが、内容も本当に素晴らしい!
ココナツ・バンク/伊藤銀次さんをご存知でない方にも是非聴いてもらいたい1枚ですね。

今日のこの1曲は、新曲「じんじんじん」。

今作はジャケット・デザイン含め全体的にアメリカンな仕上がりですが、この曲もドゥービー・ブラザーズを彷彿とさせるキラーチューン♪
“じんじんじん”とくる銀次さんのギターフレーズがかっこいいナンバーです。森 陽馬


2016年11月27日(日) ダイアン・リネイ 「ネイビー・ブルー」

初めて洋楽のポップスを聴くようになった頃のヒット曲は、50年以上経った今でもかなり強く記憶の中に刻み込まれています。

ダイアン・リネイ「ネイビー・ブルー」はそんな1曲です。

1964年ビートルズ旋風が吹き荒れ始めた頃、「抱きしめたい」が「プリーズ・プリーズ・ミー」などと一緒にラジオからよく流れていたのを思い出します。

歌詞の中に「東京」が出てくることや、ちょっと大人のお姉さんという感じのシングル・レコードに反応したりしていましたっけ、、、。

そんなダイアン・リネイのアルバム『ネイビー・ブルー』が名盤発見伝シリーズの1枚として発売されました。

ダイアン・リネイ『ネイビー・ブルー』
(国内CD ユニヴァーサル 解説・歌詞・対訳付 UICY-15577 1,800円+税)

ずっと延期になっていましたが、アルバム全12曲のステレオ&モノラルにプラス3曲を加えた全27曲収録という良い形で出ました。もちろん最新リマスター、解説・歌詞・対訳付です。

プロデューサーがボブ・クリュー、アレンジャーがチャーリー・カレロ、というフォー・シーズンズ・スタッフが絡んでいることは、10年以上経ってから知りました。森 勉


2016年11月28日(月) Brinsley Schwarz 「Ju Ju Man」

2016年1月に新・名盤探険隊シリーズから、ブリンズリー・シュウォーツのオリジナル6作品が再発。
2016年1月22日の今日のこの1曲では、74年発表ラスト・アルバム『The New Favourites Of Brinsley Schwarz』を取り上げました。

その『The New Favourites Of~』が当時発売される1か月前、74年6月19日カーディフでのライブが収録されたCD『Live Favourites』がリリースになりました。
(国内仕様CD 大鷹俊一氏による解説付 MSIG-1103 3,000円+税)

イアン・ゴムが所有していた音源だそうで、「Country Girl」、「Hooked On Love」、「(What's So Funny 'bout) Peace Love&Understanding」、「Surrender To The Rhythm」をオリジナルをはじめ、オーティス・クレイ「愛なき世界で」、ウィリアム・ベル「Private Number」、ジュニア・ウォーカー「Hip City」(ギターのブリンズリーがサックスも担当)他、ドゥーワップやリズム&ブルースのカバーも交えた全13曲。
結構良い音で楽しめます。

今日の一曲はライブの最後を飾る「Ju Ju Man」。

72年作『Silver Pistol』で取り上げているアメリカのSSW、ジム・フォードのカバーです。

ニック・ロウによるメンバー紹介で各々音を出しながら曲に入っていき、最後に相応しい疾走感のある演奏で締めくくられています。東尾沙紀

2016年11月29日(火) ナット・キング・コール 「カチート」

今日はラテン音楽で<今日のこの1曲>!
(口調としては「○○でブラタモリ」的な感じでお願いします)

50's、60'sはラテン音楽はとてもポピュラーで、レコード店に行けば必ず<ラテン>という仕切り板がありました。
大学時代には中南米音楽研究会というサークルなどもあったなあ、と今思い出しました。

現在ではラテン音楽が細分化され、メキシコ、キューバ、ハイチ、ドミニカなどワールド・ミュージックというカテゴリーの中に入るのでしょうか?
例えがちょっと突飛かもしれませんが、コーヒー店で<ブレンド>という注文ではなく、豆の種類やアレンジの仕方やカップの大きさなどを指定しないとコーヒーが出てこない小難しい感覚にちょっと似ているような、、、。
(NHKで放送された志村けんのコントにそんなのがありました)

さて、前置きが長くなりましたが、ナット・キング・コールが歌った「カチート」という曲が昔から大好きです。

中学生の時、ビーチ・ボーイズやビートルズなどの曲と共によく聴いていた曲で、スペイン語の語感とラテンのリズムがなんとも心地良く神経を刺激してくれました。

「カチート」はメキシコ生まれの女性ピアニストであり作曲家のコンスエロ・ヴェラスケスの作品。
彼女は多くの人に歌われている「ベサメ・ムーチョ」の作者でもあります。

アルマンド・ロメウ楽団が奏でる♪チャチャチャ♪のリズムをバックに、ナット・キング・コールが軽やかに歌う「カチート」。
忘れられない1曲です。森 勉

★掲載ジャケットは「カチート」収録、ナット・キング・コールベスト盤。(国内CD TOCP-51008 2,427円+税)


2016年11月30日(水) ポリス 「孤独のメッセージ (Message In A Bottle)」

11月29日朝番組『スッキリ』、スティングが出演し「Shape Of My Heart」、そして新曲「I Can't Stop Thinking About You」を生披露。

65歳とは思えない若々しい佇まいはもちろん、ソングライティングの素晴らしさに改めて感銘を受けましたね。

「I Can't Stop Thinking About You」に関しては、曲名だけだと単なるラヴ・ソングのようですが、曲中の歌詞
♪This Heart's A Lonely Hunter ~ この心は孤独なハンター♪という一文。

そして、♪I Can't Stop Thinking About You ~君のことを考えずにいられない♪に続く
♪I Don't Care If You Exist ~君が存在するかどうかは関係ないんだ♪の一節。

この歌詞が入ることによって、“You”が様々な意味合いで捉えることができるのだと思います。
まさに、スティングらしいナンバーですね。

その歌詞に出てくる“Lonely”という言葉からは、「孤独のメッセージ」(Message In A Bottle)を想起させます。

スティングがソロになる前に組んでいたバンド、ポリスによる1979年発表名曲「Message In A Bottle」。

海に浮かぶ孤島へ漂流した人が、孤独に耐えられずSOSのメッセージを瓶に入れ流したところ、ある朝砂浜に大量(1億)の瓶が漂着。それを見て漂流者は「孤独だったのは自分だけではなかったんだ」と気付く、という1曲。

約37年前にSOSのメッセージを瓶に託した孤独な漂流者は、21世紀になった今も孤独なハンターとして、探しているものがわからないままに、何かを求め続けているのかもしれません。森 陽馬


★掲載ジャケットは、ポリス「孤独のメッセージ」収録ベスト盤。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 完全限定盤 UICY-77785 1,389円+税)




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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