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  今日のこの1曲 “Archives”

<2014月11月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー
2014年11月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2014年11月1日(土) 大滝詠一 「ナイアガラ・ムーン」

12月3日発売大滝詠一ベスト盤、ジャケットと収録楽曲が発表になりました。

注目はやはり大滝詠一本人が歌う「夢で逢えたら」でしょうか。
聴きたいような聴きたくないような不思議な心持ちですね。

この曲以外でも、「青空のように」、「ブルー・ヴァレンタイン・デイ」、「君は天然色」、「恋するカレン」、「A面で恋をして」、「さらばシベリア鉄道」はシングル・ヴァージョンが初CD化。

「幸せにさよなら」ナイアガラ・トライアングル 山下達郎 伊藤銀次 大滝詠一(Single Special)NEW MIX、も初CD化だそうでどんなヴァージョンか気になります。

初回限定盤のボーナス・ディスクに収録されている純カラオケも全10曲初出です。
(「ナイアガラ・ムーン」、「幸せにさよなら」、「夢で逢えたら」、「ROCK'N'ROLL退屈男」、「CM Special Vol.2」、「Cider'83」、「夏のリビエラ」、「幸せな結末」、「Happy Endで始めよう」、「恋するふたり」)

なお、今回のベスト盤冒頭を飾るディスク1の1曲目。
これが意外な選曲で初CD化音源。

「ナイアガラ・ムーン」(イン・ザ・プールMix)New Mix

この(イン・ザ・プールMix)というのは、奥田英朗の小説『イン・ザ・プール』が2005年三木聡監督により映画化された際、テーマ曲として使われた「ナイアガラ・ムーン」のことでしょう。

映画公開は『ナイアガラ・ムーン』30周年盤が発売された年なので、制作時Mixし直していたのかな?
映画用のエディット・ヴァージョン? どちらにしてもNew Mixとのこと。

約39年前(1975年発表)の『ナイアガラ・ムーン』。
改めて聴き返し予習しておきたいと思います。森 陽馬


★掲載ジャケットは12/3発売大滝詠一『Best Always』。
(初回限定盤3枚組CD SRCL-8010~12 4,000円+税)
メーカー特典が付くことも決定しました。お買い上げの方先着で差し上げる予定です。


2014年11月2日(日) エンジェルス 「Till」

好評上映中の映画『ジャージー・ボーイズ』。
元となったブロードウェイ・ミュージカルが
2015年6月に日本公演決定したそうです。

生歌のミュージカル版観てみたい!と思っていたのでうれしいですね。
フランキー・ヴァリもまた来日してくれるとうれしいな。

ということで、映画『ジャージー・ボーイズ』にも登場したエンジェルスから今日のこの1曲。

エンジェルスはニュージャージー出身の女性3人グループ。

ブルックリン拠点に活動していたソングライターチーム、ボブ・フェルドマン/リチャード・ゴッテラー/ジェリー・ゴールドスタイン作による「マイ・ボーイフレンズ・バック」が1963年全米No.1ヒット。

この曲のせいかエンジェルスは元気な曲が多い、というイメージがありますが、3人のコーラスが映えるバラードも良いものがあります。

「Till」はエンジェルスの1961年発表デビュー・シングル曲。
スキーター・デイヴィス「The End Of The World」っぽいな、と思ったのですが、この「Till」の方が先に出ているんですね。

OLDAYS RECORDSから再発された今回のCDには、ボーナス・トラックとして「Till」の再レコーディング・ヴァージョンも追加収録。(オリジナルは初期リード・シンガーのリンダ・ジャンセン、リレコはペギー・サンティグリアがヴォーカルを担当)

なお、OLDAYS RECORDSからは他にもレスリー・ゴーア、リトル・ペギー・マーチ、ベルモンツなど一般流通していないオールディーズの名盤オリジナル・アルバムを色々と再発しているのでチェックしてみてください。森 陽馬


2014年11月3日(月) Vic Godard & Subway Sect 「Holiday Hymn」

レコードの大きなジャケットで欲しくなるアートワーク♪

ヴィック・ゴダード&サブウェイ・セクトは、元々パンク・シーンから出てきたバンドですが、その後ポップ路線にシフトしたり、ジャズ・テイストのアルバムを出したり...。
ヴィック・ゴダードは、ネオアコ・ファンの間でも知る人ぞ知る存在のようです。

近年また活動を再開した、彼らの2014年新作『1979ナウ !』
(輸入盤日本語ライナー付 BF-32 2,300円+税)

今作は、彼らのファンだというエドウィン・コリンズがプロデュース。
ノーザン・ソウル・テイストに纏められた、ポップな作品に仕上がっています。

1曲目からちょっとモタッとした演奏と、ヴィックのヘナヘナな歌声が聴こえてきますが、メロディーの良さに引っ張られて、聴けば聴くほどそんなヘナヘナが愛おしく思えてきたり...。
エドウィンの盟友、ポール・クック(Sex Pistols)が4曲、ドラムで参加しています。

今日の一曲は、エドウィンがオレンジ・ジュース時代にカバーしているウィンターソング「Holiday Hymn」。
2014年版もヘナヘナですが、良い曲です♪東尾沙紀


2014年11月4日(火) ボビー・ウーマック 「Is This The Thanks I Get」

今日紹介する曲が収録されているアルバムは、ボビー・ウーマックの『ピーシズ』。
1978年に発表された作品です。

さて、このジャケット写真を見て、みなさんは何を連想するでしょうか?

 僕はといえば、昔からこのジャケットを見て想うことはひとつ。
ザ・デストロイヤーです。
昭和の時代に日本でも人気のあった覆面プロレスラーのデストロイヤーです。

ジャケットの白い部分が覆面に見えてしまうんですね。
なんとなく、目も鼻も口も似ているし・・・。
もしかして、ボビー・ウーマックは覆面かぶってプロレスやっていた?!
そんなわけありませんが、どうもこのジャケを見るとそんなことを連想してしまいます。

 デストロイヤーの得意技は<昔のプロレス必殺技ベスト10>に必ずノミネートされるはず!の4の字固め。
(相手の足が4という字になるように自分の足を絡めて締め付ける足技)
 マットにあおむけになった相手の右足にまずニーパット、そしてその足を取り、ロープにかけてひざから下を圧迫するようにヒップドロップ、そしてその右足を持ってスピニング・トーホールドのように自分が1回転。相手の左足と絡めて最後に自分の右足をフックさせれば4の字固めの完成。

 その一連の動作が華麗でしたね。デストロイヤーは。
締め方によってはかなりというか、本当に足が折れそうな痛みを感じる技です。
 昔中学生の頃、友達と4の字固めのかけ合いをしたことがありましたが、痛かったぁ~。
すぐにギブアップしました。(良い子はくれぐれもマネしないように)

ということで、すっかりデストロイヤー話に終始してしまいましたが、ボビー・ウーマック『ピーシズ』が紙ジャケット仕様で再発されました。(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-30692 2,100円+税)
(今回の解説を書いている出田圭さんも「デストロイヤー」の件について触れています。)

その中から「イズ・ディス・ザ・サンクス・アイ・ゲット」を。
ボビー得意のミディアム・バラード。彼の必殺ヴォーカルが冴えています。森 勉


2014年11月5日(水) 伊豆田洋之 「Tears in the Back Mirror」

発売延期になっていたポール・マッカートニー『ヴィーナス・アンド・マース』と『スピード・オブ・サウンド』再発盤が本日発売。

ボーナス・ディスクにはマニア垂涎の未発表音源も収録。
近年入手困難になっていたのでビートルズ/ポール・ファンには待望のリリースですね。

今日紹介するこの1枚も、日本AOR/シティ・ポップ・ファンには待望の作品です。

“日本のポール・マッカートニー”伊豆田洋之。
デビュー30周年記念となる新作オリジナル・アルバム『ハロー・ユア・スマイル』。
(PEAR-3002 2,500円+税)

サエキけんぞう&鈴木雄大による入魂のプロデュース。

ポールの歌声に似ていることはもちろん魅力ですが、だからといってビートルズ/ポールの焼き増し的なサウンド&アレンジではなく、伊豆田さんの包容力あるヴォーカルが活かされたジャパニーズ・ポップスに昇華されているのが素晴らしい。

胸を締め付けるような伊豆田さんの歌声とさりげなく入るコーラス。
耳に優しいワビサビ効いた演奏と見事に調和しています。

キッズコーラスが入るタイトル曲①「ハロー・ユア・スマイル」、種ともこ参加②「Like Together」、名曲「夢のふるさと」ライヴ音源も魅力ですが、今日のこの1曲は5曲目「Tears in the Back Mirror」。

 田ノ岡三郎によるアコーディオンの音色から始まるヨーロピアンな出だしから、徐々に『アビー・ロード』B面を彷彿とさせるような伊豆田ポップ・ワールドへ展開していく1曲。
 もうちょっと聴いていたい、と思うところでフェイドアウトしてしまうのも良いですね。森 陽馬


★当店にてお買い上げの方、アルバム未収録「ALGO」ライヴ音源が入ったCDRを先着で差し上げてます。


2014年11月6日(木) ポール・マッカートニー 「Let's Love」

昨日の冒頭で触れたポール・マッカートニー&ウィングス『ヴィーナス・アンド・マース』。
(2枚組CD UCCO-3053 3,700円+税)
(2枚組CD+DVD+ハイレゾ・ダウンロード+128Pブック入限定BOX UCCO-90296 14,000円+税)

1975年発表ウィングス名義としては4作目、ニューオリンズとLAで録音された名盤。
昨年DVD化されたポールのライヴ映像『ロックショウ』直近作。

本編も良い曲たくさんありますが、今日は気になるボーナス・ディスクからこの1曲。

ポール・マッカートニーが自身で歌う「レッツ・ラヴ」!

「レッツ・ラヴ」はペギー・リーのためにポールが書き下ろした名曲。

ペギー・リーがロンドンを訪れた際、ポールをディナーに招待。
元々ペギーのファンだったポールが御礼にと捧げた1曲です。
(ペギー・リー1974年発表作『Let's Love」に収録)

ペギーのオリジナルにポールもピアノで参加していますが、このポール・ヴァージョンもピアノ弾き語り。

デモっぽい感じながら、ポールの熱唱に心打たれますね。森 陽馬


2014年11月7日(金) フールズ・ゴールド 「Rain, Oh Rain」

<擦り切れるほど聴いたレコード>
と表現したくなる音楽はいろいろとありますが、このフールズ・ゴールドの1stアルバムもそんな1枚です。

 家にあるレコードはかなりノイズが気になるものになってしまっています。
しかし、最新リマスターを施されたCDが金澤寿和監修<ライト・メロウ・チョイス>シリーズで再発されました。
うれしい!
(国内CD 限定紙ジャケット仕様 日本語解説付 VSCD-2391 2,600円+税)

ダン・フォーゲルバークのバック・バンドをやっていたこともあり、彼が作ったモーニング・スカイ・レーベル(アリスタ・レコード配給)よりデビューしたのが1976年。

イーグルスのサウンドを引き継ぐようなウエスト・コースト・ロック+カントリー・ロックをまぶしたような耳ざわりの良い音&コーラス・ハーモニーは、もっと多くの人に知ってもらいたいと思います。

この「レイン、オー・レイン」は、フールズ・ゴールドとして唯一のシングル・ヒット曲。

1976年全米76位まで上昇(憶えやすい)。
メンバーのデニー・ヘンソンによる作品で、プロデュースはグレン・フライ。
ギターでドン・フェルダーが参加している名曲です。森 勉


2014年11月8日(土) 10cc 「Rubber Bullets」

 10ccが来年の1月来日するというニュースを聞き、今からとてもワクワクしています。

1月21日(水)ビルボードライブ大阪、23日(金)と24日(土)はビルボードライブ東京でライブが行われます。

2010年の5月、グリーンルーム・フェスティバル出演&原宿アストロホールで単独を行って以来の来日。

グリーンルームの方は野外で終日雨で寒かったのですが、演奏もコーラスもすごく良くて、雨も寒さも気にならないくらい楽しいライブだったので、また来てくれて嬉しいです。

オリジナル・メンバーは、グレアム・グールドマンのみですが、ミック・フェン(g)、ポール・バージェス(ds)、マイク・スティーヴンス(key,sax,etc...)、ミック・ウィルソン(vo,g)ら現メンバーの安定感と、特にメインで歌うミック・ウィルソンの歌が素晴らしいので、楽曲を知らずとも絶対楽しめるライブだと思います。

「I’m Not In Love」、「Dreadlock Holiday」、「The Wall Street Shuffle」、「The Things We Do For Love」、「Good Morning Judge」、「Donna」等々、おそらく、このベスト盤に入っている楽曲はほとんど演奏されるでしょう。
(『ベスト・オブ・10cc~ヒストリカル・ヴァージョン』 UICY-76233 限定価格926円+税)

「Rubber Bullets」での大団円を期待♪ 東尾沙紀


2014年11月9日(日) IAN & SYLVIA 「Lovin' Sound」

イアン&シルヴィアはカナダ出身夫婦フォーク・デュオ。

1960年代前半、アメリカのフォーク・ブームで活躍しました。

トラディショナルなフォークを歌っていた彼らですが、60's中期からのフォーク・ロック・ブームによって、ちょっとポップでソフトロック・テイストな作品を発表しています。

1967年に出たこの「ラヴィン・サウンド」という曲は、当時シングルとしても発売されFENで時々流れていました。

チャートには登場しませんでしたが、個人的には60'sの隠れた名曲だと思っている1曲です。

 このCDは1967年発表作『LOVIN' SOUND』と1968年発表作『FULL CIRCLE』というMGMレーベルからの2枚のアルバムを1枚にしたもの。(輸入CD Collector's Choice CCM762-2)
 フォーク・ロック・サウンドを試みていた時代の雰囲気が味わえます。

その後1969年にイアンとシルヴィアは、エイモス・ギャレットなどのメンバーを加えて、グレイト・スペックルド・バードを結成しています。森 勉


2014年11月10日(月) アース・ウインド&ファイアー 「Happy Season」

今年のクリスマスはこれっ!

ソウル好きの方、EW&Fファンはもちろん、X'masアルバム好きの方も必聴ですね。

アース・ウインド&ファイアー『ホリデイ』。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-4318 2,400円+税)

<40年を超えるキャリアで初のクリスマス・アルバム>
ということですが、その40年の間に出たアースの名曲フレーズがX'mas楽曲とミックスされたような1枚!

ヒット曲「September」のメロディーそのままで歌詞違い⑬「December」!
楽しい人気曲「Happy Feeling」の替え歌②「Happy Season」!!
有名曲「Fantasy」を彷彿とさせる⑤「What Child Is This」!!!

もう笑っちゃうくらいベタベタだけれど、正真正銘EW&Fなサウンド&ヴォーカル・アレンジはやっぱり最高!
フィリップ・ベイリー親子の歌声も絶品です。

ちなみに、日本の唱歌「雪」をそのまま日本語で歌っている⑪「Snow」も聴きもの!?
(ちょっと違和感あるけど・・・)

暖かいしクリスマス気分にはまだまだ、という方も楽しめるアルバムだと思いますよ。森 陽馬


2014年11月11日(火) Raul Midon 「Listen To The Rain」

盲目の黒人シンガー・ソングライター、ラウル・ミドン。

彼のライヴを生でご覧になった方は誰しもが度胆を抜かれるハズ。
超絶なギター・テクニック、そしてスティーヴィー・ワンダーを彷彿とさせるソウルフルな歌声。

でもそれがCDでは伝わりにくいのが歯がゆいところ。

その彼の2014年発表新作オリジナル・アルバム『Don't Hesitate』。
(国内仕様CD KKP-1034 2,190円+税)

マーカス・ミラー、リチャード・ボナ、リズ・ライト、ダイアン・リーヴスが参加。
ビル・ウィザーズとの共作も収録。
・・・と書くと重そうなイメージですが、全体的には肩の力が抜けたゴキゲンな仕上がり。

ジャック・ジョンソン路線か?と一瞬思わせるくらい、レイドバック&リラクシンな雰囲気。
ソウル/黒人音楽好きには食い足りないかもしれませんが、穏やかに心地良く聴ける1枚です。

今日のこの1曲は9曲目「Listen To The Rain」。
美しいメロディーと彼の歌声が沁みるイイ曲。

The Who「I Can See For Miles」(邦題:恋のマジックアイ)カヴァーも収録されています。森 陽馬


2014年11月12日(水) Neil Young 「When I Watch You Sleeping」

11月12日はニール・ヤングの誕生日。
1945年生まれなので69歳! おめでとうニール!

今年は衝撃!?の新作『A Letter From』を発売し(
2014年6月1日&2日の今日のこの1曲で紹介)、夏には長年連れ添った奥方ペギ・ヤングとの離婚報道、秋にはクレイジー・ホースとのヨーロッパ・ツアー敢行もビリー・タルボットが脳卒中、更にそのビリーの代役でツアー回ったリック・ローサスが11月7日急逝、とニールにとって色々とありましたが、その波乱の1年を締め括るようにまた新しい新作オリジナル・アルバムをリリースしました!

Neil Young 『Storytone』
(輸入盤 2枚組CD warner/reprise 546105-2 国内盤は12月24日発売予定)

今回の新作は2枚組CDですが曲目は同じ。
ディスク1がソロ弾き語りヴァージョン。
ディスク2にはその同じ楽曲を92人編成オーケストラ&コーラス隊とで一発録り(!)したヴァージョンを収録。

ニールのオーケストラというと、『ハーヴェスト』収録ジャック・ニッチェアレンジによる「A Man Needs A Maid」を想像していましたがそれとはまた違っていましたね。

まず1曲目「Plastic Flowers」、美麗なストリングスに感動!
そうかと思えば『Everybody's Rockin'』に入ってそうなホーンとエレキ・ギターが入ったブルージー・ロックがあったりして、予想以上にちゃんとした1枚。

ディスク1とディスク2を聴き比べて、アレンジによってこうも印象が変わるのだなあ、と感じること必至。

今日のこの1曲は9曲目「When I Watch You Sleeping」。

2000年作愛聴盤『Silver & Gold』1曲目「Good To See You」を彷彿とさせる泣きの1曲。
抑えめなストリングス・アレンジもいいですね。

ちなみにジャケットはニール本人によるペインティング。
環境問題をテーマにした歌詞が多いこともあり、ブックレット内にはアメリカの広大な自然の写真が歌詞と共に掲載されています。(国内盤は12月24日発売決定しました。歌詞・対訳付の予定です) 森 陽馬


2014年11月13日(木) ルーマー 「You Just Don't Know People」

ルーマー、3枚目のアルバムが発売になりました。
(国内CD ルーマー 『イントゥ・カラー』 解説・歌詞・対訳付 WPCR-16125 2,200円+税)

2010年ファースト・アルバム『シーズンズ・オブ・マイ・ソウル』(
2010年12月24日今日のこの1曲で紹介)。
2012年セカンド・アルバム『ボーイズ・ドント・クライ』
(2012年6月1日今日のこの1曲で紹介)。
 どちらも当店ペット・サウンズでは女性シンガーおすすめ盤として好評を博しましたが、今回の『イントゥ・カラー』も素晴らしい内容に仕上がっています。

プロデューサー&アレンジャーであり、ソングライティングにも協力しているのは、ロブ・シラクバリ。

バート・バカラックの仕事をサポートしていた人なので、ルーマーの紡ぎ出す音にはぴったりの人材であることがこのアルバムを聴くとよくわかります。

全11曲、どの曲も気になるイイ曲ですが、今日は4曲目「ユー・ジャスト・ドント・ノウ・ピープル」。

イントロのフェンダーローズの音色に誘われて、ルーマーのマシュマロ・ヴォイスが映える1曲です。

他にもあのスティーヴン・ビショップが共作した楽曲も収録。

今年の冬はいくら寒くてもこのアルバムでほっこりできそうです。

国内盤には思わず耳を傾けてしまうナイス・カヴァーが2曲収録されています。
(バート・バカラック「ハスブルック・ハイツ」と、クリストファー・クロス「セイリング」のカヴァー) 森 勉


2014年11月14日(金) 星野みちる 「川沿いの街」

スクーターズとのコラボシングル発表が話題の星野みちる、最新アルバムが今週リリースされました。
(『A/W COLLECTION あなたと私のコレクション』 HCCD-9550 2,300円+税)

今作のサウンド・プロデュースも引き続き、はせはじむさん&佐藤清喜さん(マイクロスター)。

EP+CDでリリースされた「プラネタリウムで待っててね/ピーベリーを見つけたら with WACK WACK RHYTHM BAND」、「もう一度déjà vu」(「恋のファンフェアー」カップリング曲)の3曲を含む全7曲の秋冬ミニアルバム。

小川貴史(カンバス)ギターで参加の「彼のアイリッシュ・セッター」、佐藤さん作曲の「HALF STEP」もポップなサウンドでとても良いですね。

中でも気になったのが、''ライフ・イン・ア・ノーザン・タウンな叙情ソング''「川沿いの街」。

80年代のイギリスのバンド、ドリーム・アカデミーの楽曲「Life In A Northen Town」をアレンジに取り入れた一曲♪
星野さん作曲のメロディにもマッチし、さらに「Life In~」の中で印象的に繰り返されるコーラスで、更に切なさ倍増です。東尾沙紀

2014年11月15日(土) ジェイソン・ムラーズ 「Quiet」

最初はピンとこなくても、繰り返し聴くごとに味わいが出てくるアルバムが時々あります。

最近ではこの作品がそんな1枚でした。

ジェイソン・ムラーズ『イエス!』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-15813 2,457円+税)

2012年洋楽ベストにも選出した前作『ラヴ・イズ・ア・フォー・レター・ワード』は聴き込むほどに沁みるアルバムだったけれど、今作『イエス!』は更に地味になったなぁ、というのが第一印象でした。
レイニング・ジェーンという女性4人によるバック演奏も、リズム・トラックが弱すぎると最初感じましたし。

でも、聴き続けているうちに、この抑揚あるサウンドこそが最良、と実感。
今ではすっかり愛聴盤です。

そのジェイソン・ムラーズが、レイニング・ジェーン4人を引き連れ来日。
昨日11月14日、東京国際フォーラム公演を見に行ってきました。

あの広い国際フォーラムA(完売!)で全編アコースティック・セット。
これまた地味なコンサートになることを危惧していたのですが、休憩をはさんで約3時間のステージ。
素晴らしいコンサートでしたね。

今作のテーマでもある環境問題を声高にアピールするのではなく、温かい歌声で届けよう、自然保護への思いを音楽で伝えよう、という彼の気概が伝わってきました。

ただひとつ残念だったのは、公演中スマートフォンで撮影している観客がやたら多いこと。
(そのため、静かな曲中に着信音や確認音がよく鳴っていたなあ)
撮影が良い悪いとか、マナー/モラルの問題とかでもなく、そういう時代なのかもしれませんね。
客同士の注意喚起だとトラブルになりがちですから、公演前に携帯電話の電源を切るよう指導するなど、主催者/アーティスト側から呼びかけてもらいたいものです。森 陽馬

(今日のこの1曲「Quiet」、歌詞の最初の部分。皮肉ですね。)


2014年11月16日(日) アル・スチュワート 「Year Of The Cat」

国内盤で久々に出ました!
歌詞・対訳付、リマスターもされてこの値段!

アル・スチュワート『イヤー・オブ・ザ・キャット』。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-15406 1,143円+税)

英国出身シンガー・ソングライター、アル・スチュワート。
1976年発表、永遠の名曲!「イヤー・オブ・ザ・キャット」。

美しいピアノのイントロ、印象的なギター・ソロ、6分半にも及ぶドラマティックな曲展開。
本当に何度聴いてもグッときますね。

輸入盤で持っていたのですが、歌詞が気になっていたのでついつい購入。
対訳を読んでみたのですが・・・、うーーーん不思議な歌詞・・・。
はっきりいってよくわからない詞ですが、色々な解釈ができて面白いです。

なおこのアルバムは、ジョージ・マーティンの門下生であり、ビートルズ『アビイ・ロード』にも関わったアラン・パーソンズによる名プロデュース作。
「イヤー・オブ・ザ・キャット」以外の曲も聴きどころ満載。

矢口清治さんによる詳細でわかりやすい書き下ろし日本語解説も素晴らしいですね。
ロック、ポップス、シンガー・ソングライター好きの方、この機会に是非。森 陽馬


2014年11月17日(月) フランク永井 「枯葉」

11月も中旬となり、秋も深まってきたなぁ、と感じる今日このごろです。

こういう季節に聴きたくなるのは、古い人間としてはやはり「枯葉」(Autumn Leaves)ですね。

この曲は1940年代にフランスで作られたシャンソン。
イヴ・モンタンをはじめ、いろいろな人が歌っています。

1950年代には英語詞も作られ、ビング・クロスビー、ナット・キング・コール、メル・トーメなど多くのミュージシャンが歌い、マイルス・デイヴィスなどジャズメンのインスト名演も多く残されています。

日本でも有名曲で、淡谷のり子、越路吹雪、ペギー葉山、岸洋子など多くの人がカヴァーしています。

今日は僕の大好きな歌手の「枯葉」を選んでみました。

低音の魅力たっぷり。フランク永井です。

いい声ですね。
もっともっと歌っていて欲しかった人です。

君恋し秋、枯葉が散りはじめると、君を想う秋です。森 勉


★掲載ジャケットはフランク永井『ザ・カバーズ(ジャズ・スタンダード)』
(2枚組CD 「枯葉」他全50曲収録 VICL-64230 3,500円+税)


2014年11月18日(火) 竹内まりや 「シェットランドに頬をうずめて」

竹内まりや『ヴァラエティ』が30周年記念盤として最新リマスター&ボーナス曲も追加されて再発されました。
(WPCL-12007 2,200円+税)

1978年11月デビューした竹内まりやは、その時代たまたまアイドル不在の時期だったために、その代わりをしながらの活動をせざるを得ない状況を強いられていました。スケジュールびっしりのアーティストを管理するノウハウが欠けていた部分もありました。

約3年の活動でオリジナル・アルバム5枚にベスト1枚、シングル9枚を発表。
テレビ、ラジオ、雑誌などにも頻繁に登場していました。

途中、精神的にも肉体的にも不調をきたしたことがあったようですが、一般的にはそんな姿を全く見せずに頑張っていた、ということが後でわかり、我々ファンは胸を痛めたりしました。

そんなことがあった彼女が休養、山下達郎との結婚をはさんで1984年4月発表したのが『ヴァラエティ』でした。

以前は他の作曲家の作品を歌うことが多かったのですが、このアルバムは全曲が竹内まりや作詞・作曲。
アルバム・タイトル通り、まさにヴァラエティな曲調が集まった1枚。

1曲1曲が変化に富んでいて、多様性があって、でも無理をした感じがしない(これ大事!)。
ナチュラルに竹内まりやという音楽家の凄さを見せてくれました。

その色々な曲調の楽曲を見事にアレンジしたのが山下達郎。
様々な手法と得意技(1人多重コーラス、ギター・カッティングなど)を駆使しての楽曲をいかすアレンジは見事としか言いようがありません。

この『ヴァラエティ』は1984年の時点で新しい竹内まりやが聴ける作品と同時に、新しい山下達郎を感じられるものとなりました。

さて、今日のこの1曲はベスト盤に入らない曲の中に大好きな歌が多いので「シェットランドに頬をうずめて」。
まりやさんの心優しさがにじみ出た名曲です。

なお、この『ヴァラエティ』は私・森勉が選ぶ1980年代日本ロックのベスト・ワン・アルバムです。
詳しくは、当店オリジナル作成の『ヴァラエティ』30周年記念リーフレットにて。森 勉


2014年11月19日(水) 森は生きている 「煙夜の夢」

1stから1年3か月ぶり、2枚目となる新作をリリースした男性6人組バンド、森は生きている。
(『グッド・ナイト』 PCD-24373 2,400円+税)

はっぴえんど、ティン・パン・アレー等が引き合いに出される事の多いバンドの前作『森は生きている』、当店でもロングセラーとなっています。

今作は音の細部への拘りと進化を更に感じさせる、サイケでロックでフォーキーでポップなアルバム。

新作に先駆けて、カセットテープのみでリリースされたシングル曲「煙夜の夢」。
アルバムにも収録されていますが、<a.香水壜と少女 b.空虚な肖像画 c.煙夜の夢(夜が固まる前)>と、3つのパートにわかれた17分にも及ぶ組曲!

第一印象はとっつきにくさも感じさせましたが、じっくり聴き込みたい作品です。

その他にも、ハイ・ラマズを彷彿とさせる「風の仕業」、ぺダル・スティールのゆったりとした音色が印象的なカントリーロック「青磁色の空」などが個人的におすすめです。

今作を聴いていると。なんだか日本版ウィルコみたいな存在になっていきそうな予感ですね。東尾沙紀

2014年11月20日(木) Stephen Bishop 「Separate Lives」 feat Rumer

今年久々の新作『Be Here Then』を発表したスティーヴン・ビショップ。
2014年6月8日の今日のこの1曲で紹介)

最新ライヴ・アルバムが発売になりました。
(輸入CD Stephen Bishop 『live』 General Records 888295153874)

録音日クレジットはありませんが、ルーマーがゲスト参加しているので最近のライヴのようです。

あまり期待せずに聴いたのですが、予想以上に良いですね。
ライヴとは思えないくらい音質も良く、スタジオ録音のような完成度。

「On And On」、「Never Letting Go」、「Looking for the Right One」、「Little Italy」、「It Might Be You」、「Madge」など往年の名曲もオリジナルに近いアレンジなのがうれしいです。

今日のこの1曲は、ルーマーとデュエットで歌っている「Separate Lives」。

スティーヴン・ビショップ作で、フィル・コリンズ&マリリン・スコットが歌い1985年全米No.1ヒットを記録。
映画『ホワイトナイツ/白夜』に使われたことで有名な1曲です。

ルーマーの歌声はリア・カンケルを彷彿とさせますね。
胸に迫ってきます。森 陽馬


2014年11月21日(金) YUSUF (Cat Stevens) 「Dying To Live」

昨日に続き、僕の大好きなシンガー・ソングライターの新作です。

YUSUF(キャット・スティーヴンス)『TELL 'EM I'M GONE』。
(輸入CD LEGACY 88750170521)

「Wild World」や「Moring Has Broken」で有名な英国出身男性シンガー・ソングライター、キャット・スティーヴンス。
1970年代イスラム教へ改宗し、しばらく音楽活動をしていませんでしたが、最近はYUSUF名義で活動再開。
2009年発表アルバム『roadsinger』も素晴らしい作品だったのが記憶に新しいですね。(
2009年7月4日今日のこの1曲で紹介)

その彼の新作は、リズム&ブルースをルーツにしたカバー5曲、オリジナル5曲という構成。

ブルース!?と最初思いましたが、キャット・スティーヴンらしさは健在。

今日のこの1曲は、エドガー・ウィンターのカヴァー③「Dying To Live」。
心をギュッと鷲掴みにされるような歌声も変わらなくて良いですね。

ジミー・リードやエルヴィス・プレスリーで有名なブルース・ナンバー②「Big Boss Man」も聴きもの。

なお今作はあの名プロデューサー、リック・ルービンが共同プロデュースしており、チャーリー・マッセルホワイト、レニー・カストロ、リチャード・トンプソンも参加しています。森 陽馬


2014年11月22日(土)ペパーミント・レインボー「ウィル・ユー・ビー・ステイング・アフター・サンデー」

ユニヴァーサル・ミュージックから新しい低価格1,000円シリーズが発売になりました。

今回は<ソフト・ロック・ベスト・コレクション1000>と題して、A&M、マーキュリー、ポリドール、EMIなどの音源を使って、ソフト・ロック/ミドル60'sポップ名盤、ヒット盤、レア盤が50枚!

 なかなか思い切ったラインナップだと思います。
これが好セールスを上げれば、ユニヴァーサルはこういう関連の音源の宝庫ですから、まだまだ続きが期待できるのではないでしょうか。

まずは今回の50タイトルが売れてくれるためにも応援よろしくお願いいたします。
(スポーツ選手のインタビューにありがちなコメントで申し訳ございません)

ロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ、バート・バカラック、クロディーヌ・ロンジェ、クリス・モンテス、サンドパイパーズ、ウィ・ファイヴ、パレード、キース、ストロベリー・アラーム・クロック、レフト・バンク、クリッターズ、ジェイ&テクニクス、ニュー・コロニー・シックス、ママ・キャス、カウシルズ、スパンキー&アワ・ギャング、クラシックス・フォー、フォー・キング・カズンズ、ホワイト・プレインズなどなど...。

今日はその中からこの1枚。
ペパーミント・レインボー『ウィル・ユー・ビー・ステイング・アフター・サンデー』。
(国内CD 完全限定盤 解説・歌詞付 UICY-76725 1,000円+税)

ペパーミント・レインボーは、ボルティモア出身男3人女2人による混成グループ。

レモン・パイパーズの大ヒット曲「グリーン・タンバリン」の作者として知られるポール・レカに見い出されて1968年レコード・デビュー。
(このアルバムには「グリーン・タンバリン」のカヴァーが収録されていますが、なんとオケは同じものが使用されています)

1969年ヒットした「ウィル・ユー・ビー・ステイング・アフター・サンデー」(邦題:そよ風の日曜日)は、ハーモニーも演奏も歌も飛びっきりポップなナンバーです。

左右のスピーカーを行き来するドラムの音が60's後期を感じさせます。森 勉


2014年11月23日(日)デイヴ・ペル・シンガーズ「クリスタル・ブルー・パースエイション」

デイヴ・ペルは1940年代後半からジャズ界で活躍していたサックス奏者。

リーダー・アルバムもいろいろと出していたらしいのですが、今日はその彼がコーラス隊を率いて、イージー・リスニング感覚を強調したデイヴ・ペル・シンガーズ名義1969年発表アルバムから。
(デイヴ・ペル・シンガーズ 『マナ・マナ』 国内CD 完全限定盤 解説・歌詞付 UICY-76729 1,000円+税)

タイトルにもなっている「マナ・マナ」がなんといっても有名ですが、その他にもソフト・ロック・テイストで楽しめるいい曲が揃っているこのアルバム。
<ソフト・ロック・ベスト・コレクション1000>シリーズとして再発されました。

「クリスタル・ブルー・パースエイション」は1968年トミー・ジェイムス&シャンンデルズが放ったヒット曲のナイス・カヴァー。

オリジナルは男性ヴォーカルだったのですが、ここでは女性ヴォーカルに変わっています。

オリジナル同様、ボンゴとアコースティック・ギターをうまく使ったアレンジ。
(ほぼ完コピです)

サイケ/サマー・オブ・ラヴの時代をよくあらわしていると思います。森 勉


2014年11月24日(月) DP "Elvis" Costello 「Wave A White Flag」

ピーター・バラカン氏も敬愛しているロンドンの音楽DJ、チャーリー・ギレット。

2010年逝去した彼の名ラジオ番組『ホンキー・トンク』で紹介された楽曲を中心に選曲されたコンピCD『HONKY TONK ~ Charlie Gillett's Radio Picks』は、当店でもロングセラーの1枚です。(
2013年2月22日今日のこの1曲で紹介)

その第2弾が英国ACEレーベルからリリースされました。
(『Charlie Gillett's Radio Picks HONKY TONK volume2』 輸入CD ACE CDCHD-1419)

今回も選曲サイコー!

リズム&ブルースを中心に、ロック、ソウル、カントリー、フォーク、ニューオリンズ、レゲエ(ダブ)など、様々なジャンルがミックス♪ 年代/世代を越えて楽しめる美味しい音楽が詰まったガンボ風味な全25曲。

ジャケットやレコード・レーベルの写真が掲載され、1曲毎の解説(英語)も付いたブックレットを眺めているだけでも幸せな気分になれる1枚です。

今日のこの1曲は、彼のラジオ番組で発掘されたエルヴィス・コステロ、デビュー時のデモ音源。
DP "Elvis" Costello 「Wave A White Flag」。

ギター弾き語りですが、ダイヤの原石を感じさせますね。森 陽馬


2014年11月25日(火) 杉真理&伊藤銀次 「We Are The Band」

今年還暦を迎えた杉真理さん。

新作オリジナル・アルバム『THIS IS POP』をリリースしました。
(杉真理&フレンズ 『THIS IS POP』 TKCA-74159 2,857円+税 当店のみの特典カンバッチ付)

安部恭弘、伊藤銀次、EPO、遠藤響子、黒沢秀樹、坂崎幸之助、須藤薫、根本要、野田幹子、松尾清憲、村田和人、他たくさんのバック・ミュージシャン。

“フレンズ”であり”ファミリー”のような繋がりの音楽仲間に囲まれ、杉ワールド炸裂な1枚に仕上がっています。

今日のこの1曲は10曲目「We Are The Band」。

杉真理&伊藤銀次に加え、クレイジーケンバンドの洞口信也(B)、GOMES THE HITMANなどで知られる高橋結子(Ds)、佐野元春コヨーテ・バンドで活躍中の渡辺シュンスケ(Key)という編成。

ローリング・ストーンズ「ギミーシェルター」を彷彿とさせるロック・ナンバー!
かっこいいですね。
まさにWe Are The Band!な1曲。

そして、その次に収録されている今は亡き須藤薫さんが歌う⑪「I'm Sorry」。
心に沁みます。森 陽馬


★今週末11月29日(土)、当店地下アゲインにて、伊藤銀次さん、本秀康さん、藤本国彦さんによる<ジョージ・ハリソン・トーク・ナイト>がございます。


2014年11月26日(水) Greater Alexander 「Any Way Out Of It」

グレーター・アレクサンダー。

なんだか強そう名前...と響きだけでそんなどうでもいい事はさておき、モノクロのジャケットからも感じ取れる、繊細な歌声とサウンドが魅力の80年ニューヨーク生まれ、ギリシャ育ちの男性シンガーソングライター。(現在はミシガンを拠点に活動。)

2012年に本国アメリカで発表されたデビュー作『POSITIVE LOVE』の国内盤が先日リリースされました。
(国内CD VSCD-9479 2,300円+税)

1曲目の「Any Way Out Of It」のコーラスワーク。
幼少の頃、両親と一緒に聴いていたというサイモン&ガーファンクルの影響がありそうですね。

その他にもフォークに限らず様々なジャンルの音楽に慣れ親しんでいるようですが、穏やかで優しいだけじゃない影のあるメロディは、ブリティッシュの空気も感じさせます。

シンシンと冷えてくるこの季節にぴったりの一枚です。東尾沙紀


2014年11月27日(木) ボブ・ディラン&ザ・バンド 「I Shall Be Released」(テイク1)

遂にでました! ボブ・ディラン&ザ・バンド『ザ・ベースメント・テープス・コンプリート』。
(国内CD 5,000セット完全限定 解説・対訳付 SICP-30721 20,000円+税)

1966年ディランはバイク事故で負傷し、ウッドストックでしばらく療養。
1967年にザ・バンドと共に“ビッグ・ピンク”(及びディラン宅のレッドルーム)で音源を録音。
それがベースメント・テープス(地下室)であり、そのコンプリート音源集が今回の6枚組BOXセットなのです。

10インチ弱の中途半端な箱の大きさ...と思って開けたら、装丁が素晴らしい!

録音テープや資料、『地下室』ジャケット撮影時フォトなど、貴重写真タップリ。
このブックレットを眺めているだけでも楽しいです。(デザイナー必見!)

肝心の音源も今まで全く発表されてなかった音源が多数収録。
26歳のディラン、生々しい肉声が胸に迫ります。

どこかの地下室に籠り、目をつぶってじっくり聴きたいですね。
60~70年代ディラン好きの方ならば、タイムスリップできること間違いなし!

今日のこの1曲は、ザ・バンド1stに入っていることで有名な「アイ・シャル・ビー・リリースト」をディランが歌っている初期ヴァージョン!

ディランの歌い方やバックの演奏が正規ヴァージョンと違っていて、興味深い未発表テイクです。森 陽馬


2014年11月28日(金) ザ・ニュー・ベースメント・テープス 「Lost On The River #12」

11月28日はレコード・ストア・デイ<BLACK FRIDAY>でした。

中小のレコード店にてその日限定の様々なアナログ盤が発売レコード・ストア・デイ。
その秋版。

邦楽のリリースは、Gotchの7インチと、彼がプロデュースした女性シンガー岩崎愛の7インチのみですが、洋楽はビートルズ7インチ、キンクス、デヴィッド・ボウイ、ジョニー・ウィンター、アナ雪サントラからの7インチ、クリッシー・ハインド、ジャック・ジョンソン系、The JB's、JマスキスEP、DECEMBERISTSなど入荷しました。
(しばらく通販はできない規約ですのでご了承くださいませ。)

さて、昨日紹介したボブ・ディラン『ベースメント・テープス』お好きな方、こちらも必聴です。

ザ・ニュー・ベースメント・テープス『ロスト・オン・ザ・リヴァー』。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナス・トラック収録全20曲 2,500円+税)

<ザ・ニュー・ベースメント・テープス>というのがバンド名です!

映画『オー・ブラザー』や『インサイド・ウィーウィン・デイヴィス』の音楽でも有名なアメリカン・ルーツ・ロック界の重鎮、T・ボーン・バーネット中心プロジェクト。

『ベースメント・テープス』録音時(1967年)作られ、最近見つかったディランによる未発表歌詞に、凄腕ミュージシャンが曲を新たに付けた作品がこの1枚。

エルヴィス・コステロ、ジム・ジェームス(マイ・モーニング・ジャケット)、マーカス・マムフォード(マムフォード&サン)、テイラー・ゴールドスミス(ドーズ)、リアノン・ギデンズ(キャロライナ・チョコレイト・ドロップス)、そして何故かジョニー・デップ、そしてTボーン・バーネットワークスの常連ドラマー、ジェイ・ベルローズも参加。

今日のこの1曲は、エルヴィス・コステロが作曲し歌っている「Lost On The River #12」。

ボーナス・トラックとして収録されている「Lost On The River #20」では、同じ曲をリアノン・ギデンズが歌っており、こちらも味わい深いアレンジです。森 陽馬


2014年11月29日(土) U-zhaan × Babui × agraph 「みしゅら・かふぃ」

11月29日はジョージ・ハリスンの命日。

アゲインでは、伊藤銀次さん、本秀康さん、藤本国彦さんによるジョージ・ハリスン・トーク・イベントが開催。
当店ペット・サウンズにも多くの方にお立ち寄りいただきました。ありがとうございました。

そのジョージ命日に合わせて(?)、本秀康さんによる7インチ・アナログ専門レーベル<RHION RECORD(雷音レコード)>から、新しい限定アナログ盤が発売。

タブラ奏者U-zhaan(ユザーン)によるインド古典音楽カヴァー「Raga Mishra Kafi」。
(国内EP U-zhaan×Babui ×agraph 「みしゅら・かふぃ」 RHION-08 1,000円+税)

ユザーンのタブラに、バブイのサロード、そして電子音楽家アガラフによるドローンが加わり、新しく生まれ変わったインド古典「Raga Mishra Kafi」(邦題:みしゅら・かふぃ)。

本秀康さんは、敬愛するジョージが大好きだったインドを体感するためインド旅行を敢行。
タブラ修行中でインドにいたU-zhaanと「All Things Must Pass」を聴きながら、ガンジス川の夕陽を眺めたそうで、そのイメージがジャケットに反映されています。

長尺インストなので、A面にpart1、B面にpart2と分かれて収録。
本秀康さんのジョージ愛、そしてアナログ愛が伝わる1枚ですね。森 陽馬


2014年11月30日(日) ジェイ&ザ・テクニクス 「アップル・パイは恋の味」

先日紹介したユニヴァーサル社の<ソフト・ロック1000>シリーズ。
他にもいいものがあるので、お気に入りの作品を紹介させてもらいます。
(国内CD ジェイ&ザ・テクニークス『アップル・パイは恋の味』 全20曲 解説付 UICY-76769 1,000円+税)

ジェイ&ザ・テクニクスは、ペンシルヴァニアで結成された黒人・白人混成R&Bグループ。

イメージ的には今回のソフト・ロックという括りには合わないような気がしますが、プロデュースはジェリー・ロスという所がミソ。

R&Bでもポップでソフトな耳ざわりの良いサウンド。
そして黒人ヴォーカリスト、ジェイ・プロクターの歌声が魅力。

大好きな「ストロベリー・ショートケーキ」
2009年6月10日今日のこの1曲で取り上げました)。
そして、「アップル・パイは恋の味」は甘党の僕にピッタリの曲名。
60'sの隠れた名曲だと思います。

バック・コーラスとしてヴァレリー・シンプソン、ニック・アシュフォード、メルバ・ムーアが参加。
デニス・ランバートやサンデー・リンツァー&デニー・ランデルが曲を書いていたり、キースのアルバムでもいい仕事をしていたジョー・レンゼッティやジミー・ウィズナーがアレンジを手掛けたりなど、裏方も気になるグループです。森 勉





これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■


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