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  今日のこの1曲 “Archives”

<2014月2月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー
2014年2月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2014年2月1日(土) JUPITER & OKWESS INTERNATIONAL 「BAPASI」

2月に入ったことですし、寒さを吹き飛ばすような熱い今日のこの1曲を。

 ジュピター(ジュピテール・バコンジ)は、コンゴ民主共和国の首都キンシャサにある貧民街を拠点として20年以上に渡り音楽活動を続けている男性ミュージシャン。

 今作『ホテル・ユニヴァース』は2006年に発表されていたアルバム『Man Don't Cry』を新たに録音し直した新作ですが、これが最高にかっこいい!!
(国内仕様CD 解説・ブックレット訳付 VIVO-432 2,400円+税)

 強靭なアフロ・グルーヴはシェウン・クティやフェミ・クティ以上!?

このCDをかけるだけで、店内の温度が上がったように感じるほどの熱いファンクネス!

ワールド・ミュージック好きの方のみならず、近年の柔いファンクに飽き飽きしている方こそ必聴の1枚です。

 冒頭の1曲目「Bapasi」。
マヌ・ディバンゴ「ソウル・マコッサ」を現代的にアップデートしたような激ファンキー・アフロ・チューン!

 ブックレット内に掲載されているメンバーの写真はまるで悪党一派のようですが、漆黒のファンク精神が音だけでなくその写真からも伝わってきますね。

 この国内仕様盤が発売されたのは昨年末12月22日。
でも今年のワールド・ミュージックこの1枚は今作に早くも決定でしょう! 森 陽馬


2014年2月2日(日) Jo Mango 「Evermore」

 昨日の“血湧き踊る熱いアルバム”とは対照的に、“寒い季節に暖かい部屋でしっぽり聴きたいオススメ盤”も紹介しておきましょう。

V.A 『WINDFALL LIGHT ~A Collection of Small Gathering Music』。
(国内CD 解説付 NBCD-45 2,190円+税)

2013年12月29日にピックアップしたbar buenos aires(バー・ブエノスアイレス)のコンピにも関わっている山本勇樹氏が選曲・監修を手掛けたコンピ。

フォーク、ジャズ、クラシック、ワールドなど様々なジャンルから、心地良く耳に馴染む穏やかなアコースティック・サウンドの楽曲を集めた全17曲。


ヴォーカル曲中心ですが優しい歌声なので、インスト派の方でも楽しめると思います。

中でも6曲目、Jo Mango「Evermore」。

 ジョー・マンゴはグラスゴー出身女性シンガー。
英国伝説の女性SSWヴァシュティ・バニヤンのサポート・メンバーとしても知られる彼女が2013年に発表したアルバム『Murmuration』からの1曲です。

幻想的なカリンバの音色と、天使のような彼女の歌声が夢見心地へ誘います。

他にもレジャー・ソサエティのメンバーによる別ユニットShorelineや、サイモン&ガーファンクルをも彷彿とさせるIron&Wine、スフィアン・スティーヴンスがプロデュースを手掛けている二人組The Welcome Wagon、そしてVashti Bunyanの神々しい歌声⑪など、各曲個性的で素晴らしい仕上がり。

 美しいジャケット装丁。
インテリア/雑貨店等でのさりげないBGMとしてもオススメですね。森 陽馬


2014年2月3日(月) Fleetwood Mac 「Oh Well」

 今更ではありますが、約1年前からスタートし次回で11回目を数える“Guitar☆Man”というライブ・プロジェクトはご存じでしょうか?

 被災地への楽器支援や音楽活動支援を目的としたチャリティー・プロジェクトで、これまでに鈴木茂、伊藤広規、村松邦男、今剛、北島健二、土方隆行、難波弘之、村上''ポンタ''秀一、森園勝敏、野呂一生、松下誠、山本恭司、金子マリ...などなど錚々たるメンバーが参加されています。

 各々のオリジナル曲を演奏するのではなく、レッド・ツェッペリンやディープ・パープルほか普段のライブでは聴けないようなロックの名曲を中心にカバー。
 ギター、ロック・クラシック・ファンには堪らないライブです。

 リクエストすれば、もしかしたら自分の好きなミュージシャンが好きな曲を演奏してくれるかも?ということで、自分ならぜひこの曲をリクエストしてみたい!と思い浮かんだのがこの曲でした。

 ピーター・グリーンが在籍していた頃、69年作『Then Play On』に収録。
(WPCR-14579 2,286円+税 SHM-CD/紙ジャケット仕様)

 9分近くある長尺曲ですが、聴く度にゾクゾクするかっこいい名曲。
エレキで爆音で聴いてみたいです。東尾沙紀



2014年2月4日(火) 一十三十一  「Catch Me In The Snow」

天気予報に反して雪は大して降らないだろう、と高を括ってましたが、夕方前は結構降りましたね。

今週末からはソチ・オリンピックも始まることですし、冬アルバムをピックアップしましょう。

北海道出身女性シンガー、一十三十一(ヒトミトイ)、最新アルバム『Snow Bank Social Club』。
(HBRJ-1011 2,700円+税)

 2012年発表作『CITY DIVE』(
2012年6月21日に紹介)。
 昨夏発表作『Surfbank Social Club』。
そして今作『Snowbank Social Club』。

<アーバン・シティ・ポップ三部作>と言える3枚ですが、今作は80'sシティ・サウンドを現代的によりアップデートさせた感もある仕上がり。

 前作にも参加していたクニモンド瀧口(流線形)、Kashif、Avec Avecに加え、今作にはブレイク中のトラックメイカーtofubeats等も参加。

 基本的には前作の流れを引き継ぐ新作ですが、キラキラしたサウンド・アレンジ、ポップ感、楽曲の高揚感は今作の方がありますね。(総体的に80'sシティ・ポップは夏より冬の方が相性いいのかも?)

 2曲目「Catch Me In The Snow」。
シンセの音やリズム・トラックが80年代的だけれど、全然ダサくなくてかっこいいグルーヴィー・チューン!
 ノーナリーヴスお好きな方にもオススメです。森 陽馬



2014年2月5日(水) David Crosby 「Find A Heart」

 CSNY(クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング)というと、やはり元バッファロー・スプリングフィールドのニール・ヤングとスティーヴン・スティルス。
 そして『デジャヴ』の中で印象的な「Teach Your Chirdren」、「Our House」を歌っている元ホリーズのグラハム・ナッシュを挙げる方が多いでしょうが、この人こそが精神的意味合いでも軸になっていると僕は思っています。

 今年73歳となるデヴィッド・クロスビー。

 オリジナル・ソロ・アルバムはかなり久々となる新作『CROZ』をリリースしました。
(輸入CD Blue Castle Records BCR1142-1)

 うーーーん、この深みある作品!素晴らしい!!

 息子James Raymondが作曲、演奏、プロデュース等ほぼ全面で参加。
デヴィッド・クロスビーの昔から変わらぬ深遠な歌声を見事に活かした楽曲&サウンド・アレンジで、CSNYファンの僕としては久々に心からグッとくる作品に出会ったな、という印象です。

 楽曲は全体的に地味めですが、昔からのクロスビーのソロが好きな方なら絶対気に入るはずの1枚。

 マーク・ノップラーが客演している①「What's Broken」、ウィントン・マルサリスのトランペットが沁みる③「Holding On To Nothing」、リー・スクラー参加⑪「Find A Heart」、いいですね。

今のところ国内盤発売予定はないのですが、是非国内盤も出してもらいたいです。森 陽馬



2014年2月6日(木) ビージーズ 「ジョーク」

 少し前ですが、テレビでタイガースのライヴを見ました。

 昨年12月に行なわれたオリジナル・メンバー5人全員が揃っての再結成コンサート。
とても楽しめました。

 特に第1部、洋楽カヴァーのパートが良かったですね。

 「ドゥ・ユー・ラヴ・ミー」(オリジナルはコントゥアーズですが、ドラムの連打で始まるデイヴ・クラーク・ファイヴヴァージョンでカヴァー)からスタート。

 お得意のローリング・ストーンズ・ナンバー「サティスファクション」や「テル・ミー」(サリーこと岸部一徳がリード・ヴォーカル)、森本太郎が歌う「イエロー・リヴァー」、瞳みのるが歌う「ヘンリー8世君」(この曲では沢田研二がドラムスを担当)、現役時代コンサート終了前のお別れ曲として定番だった「アイ・アンダースタンド」(我々の世代はフレディ&ザ・ドリーマーズ、ハーマンズ・ハーミッツのヴァージョンで知りました)など、60年代に戻ったような楽しいカヴァーでした。

 そんな中で個人的に一番良かったのは、加橋かつみが歌った「ジョーク」(原題:I Started A Joke)。

 第2部で歌った「花の首飾り」同様、彼の伸びのある高音が活きた1曲でした。

 「君だけに愛を」などのようにジュリー(沢田研二)がリードの曲でも、加橋かつみの高音コーラスがあるだけで、やっぱりタイガースだなあ、と思ってしまいました。

 ということで今日のこの1曲は「ジョーク」。

 加橋かつみのヴァージョンは現在CDがないので、オリジナルのビージーズを。

 昨年9月、紙ジャケット仕様で出た3rdアルバム『アイディア』に収められています。森 勉



★ビージーズ『アイディア』(国内CD 限定紙ジャケット仕様 解説・歌詞・対訳付 WPCR-15263 2,381円+税)



2014年2月7日(金) ビーチ・ボーイズ 「ティル・アイ・ダイ」

 昨日2月6日はカール・ウィルソン(ビーチ・ボーイズ)の命日でした。

 亡くなったのは1998年。
ブライアン・ウィルソンが『イマジネーション』という素晴らしい新作を出して、そのアルバムにカールへ捧げた「レイ・ダウン・バーデン」という曲が入っていて・・・。

 あれから16年も経ったなんて不思議な感じがします。

 でもその間にブライアンは完全復活! 『スマイル』も出て、ビーチ・ボーイズは再結集し、新作を出し、50周年記念ツアーで来日もして。
 そして、今年3月にはマイク&ブルースのビーチ・ボーイズが再び来日します。

 言葉にすると軽くなってしまうけれど、やっぱり素晴らしい!そして凄いなあ、と。

 バンド活動のみに関わらず全てにおいて、当たり前のように存在し継続していく、というのは、簡単そうに見えてなかなか大変なことです。

 <飽きたら捨てる、壊れたら買い直す>という今の時代。
 あの時・その瞬間が良かった、としても人は皆それを記憶の彼方へ置き去りにしていくもの。

 だから形を多少変えてでも“続けること”が、より重要になっていくと僕は信じています。

 カールの曲ではありませんが、ビーチ・ボーイズ(ブライアン作)から今日のこの1曲。

 1971年発表『サーフズ・アップ』に収録されている美しくも切ない名曲。

♪ 僕は大海に浮かぶ一片のコルク ~ この海はどれほど深いのだろうか? ♪ 森 陽馬



★掲載ジャケットはビーチ・ボーイズ『サーフズ・アップ』。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 TOCP-71382 2,476円+税)


2014年2月8日(土) Terry Callier 「Dancing Girl」

 今日は“大雪”というより“吹雪”でしたね。
雪がたくさん降ることは東京でも時々ありましたが、1日中、それも台風のような強風を伴ってこんなに降ったのはあまり記憶がありません。

こんな日にもお客様にご来店いただいて、本当にありがたい気持ちでいっぱいです。
(わざわざ大阪からいらっしゃっていただいた方まで!)

メールやお電話でも様々な方からご連絡いただき、この場を借りて御礼申し上げます。

さて、昨夜はソチ・オリンピック開会式をTVで見ていました。
(聖火点灯まで生放送で見よう!と思っていたら、明け方4時過ぎに・・・。)

幻想的な演出と活気溢れるダンス。ロシアらしいかっこいい開会式でしたね。

それとはまた違った意味合いで幻想的なナンバーを今日のこの1曲に。

テリー・キャリアーはシカゴ出身の黒人シンガー。

1973年発表作『What Color Is Love』は、先日ユニヴァーサル社から50タイトル発売された<CHESS BEST COLLECTION 1000>の中の1タイトルですが、他の渋いブルース名作と違って、チェス・レーベルの中でもちょっと異色な作品です。
(国内CD 生産限定盤 2013年リマスター 歌詞・解説付 UICY-75985 952円+税)

 “フォーキー・ソウル”と評されることが多い今作。
でもどちらかというと“フォーキー・ジャズ”の方が近いかな?

 独特な浮遊感ある演奏と歌声。
ゆっくりした出だしから、転調してじわじわとテンポアップする「ダンシング・ガール」。
 中盤から後半の展開は何度聴いてもゾクゾクしますね。

熱い黒人音楽好きの方からは敬遠されがちな作品ではありますが、最近人気の若き黒人ジャズ・ヴォーカリスト、ホセ・ジェイムスやグレゴリー・ポーターお好きな方には是非聴いてもらいたいアルバム。

シンプルなようでいて30人以上のミュージシャンが参加したクールなバック演奏も聴きものです。森 陽馬



2014年2月9日(日) The Marcels 「Blue Moon」

 1960年代初頭に活躍したマーセルズは、ピッツバーグ出身5人組コーラス・グループ。

 1961年に大ヒットした「ブルー・ムーン」を皮切りに「サマータイム」、「ハートエイクス」、「マイ・メランコリー・ベイビー」などのスタンダード曲を自分たちのスタイルにアレンジして人気者になりました。

 「ブルー・ムーン」は様々なカヴァーがありますが、エラ・フィッツジェラルド、ジュリー・ロンドン、エルヴィス・プレスリーなど普通に静かに歌っているものと比べると、このマーセルズのヴァージョンは、ドゥーワップ・グループとしての特徴を生かしそして強調したヴァージョンになっています。

 それにしても、当時の音楽ファン及び音楽業界の人々はこの斬新なヴォーカル・スタイルを受け入れる度量があったということなのですね。

 作曲したリチャード・ロジャースはこれを聴いてビックリしたでしょうね。森 勉


★掲載ジャケットは2013年JASMINEレーベルから再発された32曲収録編集盤。
(輸入CD The Marcels 『Blue Moons, Heataches & Melancholy Babes』 JASMINE JASCD-267)


2014年2月10日(月) ポール・ロジャース 「Shake」

 昨年、ボズ・スキャッグスがソウル/ブルースをカバーしたアルバム『メンフィス』を発表しましたが、英国のシンガー、ポール・ロジャースも“メンフィス”を軸にしたソウル名曲をカバーした新作『ザ・ロイアル・セッションズ』をリリース。

 国内盤も先月発売になりました。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 COZY-834 CD+DVD 3,000円+税


 メンフィスにあるロイアル・スタジオで、当時の名プレイヤーと共に、自身のルーツであるサザン・ソウルの名曲等を取り上げています。

 サム&デイヴ「I Thank You」、アン・ピーブルズ「I Can't Stand The Rain」、テンプテーションズ「It's Growing」、スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズも取り上げた「Walk On By」、オーティス・レディング「愛し過ぎて」や「That's How Strong My Love Is」などなど。

 65歳になろうかという年齢をまったく感じさせない伸びやかで瑞々しい歌声も良いですね!

 ボーナス・トラックには、サム・クック「Shake」、名曲「Wonderful World」、自身作の「Walk In My Shadow」の3曲が追加収録。

 スモール・フェイセズ、ロッド・スチュワート等もカバーした
「Shake」。
英国勢には定番ともいえる1曲ですね♪

 付属のDVDには、17分ほどスタジオ・セッションの映像が収録されています。東尾沙紀


2014年2月11日(火) テデスキ・トラックス・バンド 「The Storm」

 昨日2月10日(月)、テデスキ・トラックス・バンド、渋谷AX公演へ行ってきました。

 エリック・クラプトンも見に来ていた、というAX公演。
開演前、場内音楽でローリング・ストーンズ「悪魔を憐れむ歌」がかかると、客席から「フーフー」コーラスが自然と湧き上がったりしてとても盛り上がってましたね。(買わないつもりだったグッズ<トートバック>もついつい購入・・・。)

 11人編成バンド(+ドイル・ブラムホールⅡ)の演奏は相変わらず素晴らしかった!

 個人的には、2012年2月渋谷公会堂公演(
2012年2月10日今日のこの1曲記載)で観たベーシスト、オテイルのプレイが衝撃だったので、それと比べると今回のベーシストはちょっと地味に感じましたね。もちろん上手いんだけれど、もっとグイグイ出てきてもらいたかったな。

 欲を言えば、ゲストのドイルもいらなかったかな、なんて思っちゃうほど、もっともっとデレクとスーザンのギター&歌を聴きたかったです。

 さて、今回のライヴでは1stアルバム『レヴェレイター』からの2曲「Midnight In Harlem」、「Bound For Glory」が盛り上がっていましたが、2ndアルバム『メイド・アップ・マインド』からでは、やはりアンコール前ラストに演奏された「The Storm」!

 この曲でのデレク・トラックスのギターは神懸り的!
音の洪水の中を切り裂くように(実際弦を切りながら)弾き倒してましたね。
 今後新しい作品が出ても、この曲はライヴで定番化しそうな感じ。

 ちなみに本日11日日本公演最終日では、ジョージ・ハリスン「Wah Wah」、デレク&ザ・ドミノス「Anyday」カヴァーもやったとか! うらやましい!!

 このバンドはまだまだこれから成長していくでしょうから、次の新作及びまたの来日を楽しみに待ちましょう。(でも次は日本武道館かな?)
 森 陽馬



★掲載ジャケットは「The Storm」収録2013年発表最新アルバム『メイド・アップ・マインド』。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 SICP-3873 2,400円+税)


2014年2月12日(水) 大滝詠一 「フィヨルドの少女」

レコード・コレクターズ最新号(2014年3月号追悼・大滝詠一 1969-1979)が発売になりました。

レココレは2か月連続大滝詠一特集で、今号ははっぴいえんどから70年代ナイアガラ諸作。
来月号はロンバケ、EACH TIME含め80年代以降の作品に絞った特集です。

更にサウンド&レコーディング・マガジンも2か月連続で大滝詠一特集を掲載。
最新号は14日入荷予定。

 あと、ケトルという雑誌の最新17号も大滝詠一特集。
音楽専門誌とはまた違った観点で興味深い特集が掲載されているようです。
こちらも14日入荷予定。

 オール・アバウト・ナイアガラ増補改訂版も近日入荷してきます。

でも、これだけ様々な書籍で追悼特集がされても、亡くなったなんてまだ信じられませんね。

CDでは3月21日発売される『EACH TIME』30周年記念盤の曲目・曲順が発表になりました。
(大滝詠一『EACH TIME 30th Anniversary Edition』 初回三方背仕様 SRCL-8005 2,500円+税)

1.夏のペーパーバック
2.Bachelor Girl
3.木の葉のスケッチ
4.魔法の鐘
5.銀色のジェット
6.1969年のドラッグレース
7.ガラス壜の中の船
8.ペパーミント・ブルー
9.恋のナックルボール
10.レイクサイドストーリー
11.フィヨルドの少女

 ディスク2には上記曲のオリジナル・純カラオケが初収録。

 本人の手によるリマスタリングは今回が最後。
真に“Final”となる『EACH TIME』。

 ナイアガラ新聞的なEACH TIMESの号外が封入される予定です。森 陽馬


2014年2月13日(木) グレン・ミラー 「パーフィディア」

 「パーフィディア」はヴェンチャーズの演奏で知った曲ですが、その後いろいろな演奏や歌で耳にするたびに、イイ曲だなぁ、と思う“美旋律の壺”と言える楽曲です。

 ラテン名曲「フレネシー」の作曲家としても有名なメキシコのアルベルト・ドミンゲスが作曲したボレロに、ミルトン・リーズが英語詞をつけたものが1941年アメリカで流行し、このグレン・ミラーのヴァージョンが大ヒットしました。

 女性歌手ドロシー・クレアとモダネアーズのコーラスが色を添えています。
(このグレン・ミラーベスト盤のライナーノーツを書いている瀬川昌久氏解説の受け売りです)

 裏切りとか不誠実とかの意味を持つ「パーフィディア」という言葉ですが、その言葉の意味とは裏腹に、本当に美しいメロディーを持った1曲です。森 勉


★掲載ジャケットは瀬川昌久氏監修、『グレン・ミラー・ベスト』 国内2CD BVCJ-38137 2,000円+税)




2014年2月14日(金) GOLDMUND 「Shenandoah」

 今日も雪がたくさん降りましたね。

 夜は吹雪、そして外は銀世界に。

 白く染まっていく街並みを横目に見ながら、このアルバムを聴いています。

SASAKLA(笹倉慎介)が昨年末アゲインでイベントを行った際、最近お気に入りの音楽、として挙げていた1枚。

 ゴールドムンド『ALL WILL PROSPER』。
(国内CD AMIP-10 2,000円+税)

 GOLDMUND(ゴールドムンド)は、アメリカ/ポートランド出身ピアニスト、Keith Kenniff(キース・ケニフ)による1人ユニット。

 静かで穏やかなピアノ・アンビエント/ポスト・クラシカルな作品を出してきた彼の2011年発表作は、南北戦争時代の流行歌をアコースティック・ピアノ&アコースティック・ギターでインスト・カヴァーした作品。

 1人で聴いているとしんみりしてきますが、これが不思議と胸にじんわり沁みるのです。

今日のこの1曲は以前大貫妙子さんもカヴァーしていた「Shenandoah」。

心が洗われるような音空間に包まれる傑作。森 陽馬


2014年2月15日(土) Kan Sano 「Here and Now」 feat Monday Michiru

・レコード・コレクターズ2014年3月号
・サウンド&レコーディング・マガジン2014年3月号
・ケトル17号大滝詠一特集
・日本ロック&ポップス・アルバム名鑑 1979-1989
・オール・アバウト・ナイアガラ増補改訂版第2版

 今週は色々な書籍が入荷しました。

 サウンド&レコーディング・マガジン最新号、大瀧詠一追悼記事に掲載されている坂本龍一、駒沢裕城、齋藤文昭、各氏の追悼コメントが興味深かったです。
(YMO結成は、大滝詠一のスタジオで坂本龍一と細野晴臣が出会ったのがきっかけだったのですね。)

 特に駒沢裕城のコメントにはグッときました。

 さて、そのサウンド&レコーディング・マガジンにインタビューが掲載されている日本人ピアニスト、Kan Sano(佐野観)のアルバムから今日のこの1曲。

 佐藤竹善、Chara、松浦俊夫presentsHEXなどに参加しているキーボーディスト、Kan Sano。

 彼がorigami PRODUCTIONSからリリースした新作『2.0.1.1』。(OPCA-1026 2,190円+税)

 ベニー・シングス、Monday満ちる、Maya Hatch、Marter、長谷川健一、タイプの違うヴォーカリストをfeatしていますが、ジャズでもなく、ソウル/HIP HOPでもなく、かといって単なるJ-POP/洋楽でもない新世紀のクロスオーヴァー・ミュージックを展開した快作。

 3曲目「Here and Now」 feat Monday Michiru。
過去・現代、そして未来の息吹をも感じさせるサウンド・センス、かっこいい!

 ちなみにこの楽曲のドラムは、大橋トリオのバックや赤い靴で知られる神谷洵平が叩いています。森 陽馬


2014年2月16日(日) リンダ・スコット 「I've Told Every Little Star」

2月15日土曜日午前到着予定の商品・荷物が本日16日(日)も届きませんでした。

東京で雪が降ったのは14日金曜日だけだったのですが、今回は関東周辺の高速道路が通行止めになってしまったため物流への影響が大きかったですね。

お客様からのご注文商品も未着なので、明日17日には商品到着するよう“星に願いを”込めてこの1枚から。

リンダ・スコット『スターライト、スターブライト』。
(国内CD 限定紙ジャケット仕様 日本語解説付 ODR-6001 1,500円+税)

 1960年初頭活躍したアメリカン・ポップス/ガール・ポップ人気シンガー、リンダ・スコットが1961年に発表した1stアルバムがオリジナル紙ジャケット仕様でCD化。

全12曲“Star”が入った曲名で統一されており、“星”がコンセプトになったアルバムになっています。

「When You Wish Upon A Star」(星に願いを)や「Stardust」などスタンダード・カヴァーも入っていますが、有名なのは6曲目に収録されている「I've Told Every Little Star」(星に語れば)。

 シングル・チャートでも全米3位となるヒットを記録したこの曲。

 最近では、深夜番組『マツコの知らない世界』や、デヴィッド・リンチ監督映画『マルホランド・ドライヴ』でも印象的に使われていたので、リンダ・スコットや曲名をご存じでなくてもお聴きになったことがある方が多いと思います。

 サント&ジョニーの名曲「Sleep Walk」も手掛けたHUTCH DAVIEという人がアレンジを担当。
当時15歳の伸びやかなリンダの歌声をジャジーになり過ぎないポップな味付けのサウンドで楽しく聴かせます。森 陽馬


2014年2月17日(月) ロッド・スチュワート 「Mandolin Wind」

 乾いたギターの音色と歌声。
ロッド・スチュワートのソロ初期作は、なんとなく秋冬のイメージがあります。

 特にヒット曲「マギー・メイ」が収録された71年作『Every Picture Tells A Story』はこの季節に聴きたくなります。(もちろん、いつ聴いても良いアルバムです!)

「マギー・メイ」のマンドリン・ソロが本当に美しい音で、聴く度に清らかな気持ちになります。

 続く「マンドリン・ウィンド」も、リンディスファーンのメンバーによるマンドリンと、ロン・ウッドの奏でるスライド・ギターが交じり合った時の牧歌的な雰囲気が心地良い一曲

 暗い夜の間も、雪が降り続く厳しい冬の間も、ずっとそばにいてくれた人へのラブソング。

詞とメロディー、歌声共に少し切なくやさしい気持ちに溢れた素敵な一曲です。東尾沙紀


★掲載ジャケットは、「マギー・メイ」、「マンドリン・ウィンド」を収録した2枚組ベスト『スーパー・スター・ストーリー ザ・ベスト・オブ・ロッド・スチュワート』。
(国内CD WPCR-14008 解説・歌詞・対訳付 限定価格 2,381円+税)

2014年2月18日(火) ビル・ラバウンティ 「All This Time」

AORシンガー、ビル・ラバウンティの新作『Into Something Blue』が本日入荷。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 『イントゥ・サムシング・ブルー』 VICP-75129 2,700円+税)

前作『Back To Your Star』は最近のような気がしたのですが、2009年なのでもう5年前!(
2009年5月26日に今日のこの1曲コーナーで紹介) 時が経つのは早いものです。

さて、今回の新作は元クラッキンのRick Chudacoff(リック・チュダコフ)がプロデュースを担当。

前作に引き続きアダルトな仕上がりで、ドナルド・フェイゲン『ナイトフライ』を彷彿とさせる雰囲気ですね。

名ギタリスト、ラリー・カールトンも大体の曲に参加していて、渋いギターを聴かせてます。


(ボブ・ディラン「サブタレニアン・ホームシック・ブルース」を何故かカヴァーしていて、それは異色な感じですが・・・)

 タイトル曲⑪「Into Something Blue」は、ライチャス・ブラザーズのビル・メドレーが2007年リリースしたソロ作『Dawn Near Righteous』(
2008年3月9日のコーナー参照)へビル・ラバウンティが提供していた曲のセルフ・カヴァー。
 彼らしい悲哀の失恋ソングですが、今日のこの1曲は①「All This Time」。

 エレピの音色と、むせび泣くサックス。
隙間を埋めるラリー・カールトンの味わい深いギター。
そして、ビル・ラバウンティの変わらぬソウルフルな歌声。

 これぞビル・ラバウンティ!な1曲ですね。森 陽馬



2014年2月19日(水) 遠藤賢司 「不滅の男」

 吉祥寺バウスシアターが5月末で閉館してしまうそうです。

 4月26日からバウスシアター30年の歴史を振り返るイベントや、バウスで定期的に行ってきた
爆音映画祭も開催されるとのこと。

 映画好きの方はもちろん、バウスシアターの存在を知らなかったという方も是非閉館までに足を運んでみてください。

 僕がバウスシアターで想い出に残っているのは、2006年7月22日深夜に行なわれた『Play it fuckin' loud!!! 爆音サーフ&ロックムーヴィー ニール・ヤングDays』というイベント。

 まずは佐野史郎さんと遠藤賢司さんのトーク。
その後映画館内で遠藤賢司爆音ソロ・ライヴ!
更にオールナイトで、『不滅の男 エンケン対日本武道館』、『グリーンデイル』、『イヤー・オブ・ホース』。濃い音楽映画3本を連続爆音上映!!
という、なんとも凄い一夜でした。(
2006年7月23日の今日のこの1曲でも書いてましたね)

 今までの感謝とバウス復活を祈って、今日のこの1曲はエンケン・バンドから「不滅の男」。

 なお、3月19日に遠藤賢司実況録音大全BOX第3巻が発売予定になっています。森 陽馬


★掲載ジャケットは遠藤賢司バンド1989~90年録音2枚組ライヴ盤『不滅の男』。
(CDSOL-1181 2007年リマスター 2,800円+税)



2014年2月20日(木) ジョニー・ティロットソン 「涙ながらに」(It Keeps Right On A-Hurtin')

 カントリー・テイストの曲が聴きたい気分なので今日はこれ。

 純粋なカントリー歌手ではありませんが、ジョニー・ティロットソンが1962年ケイデンス・レーベルから発表したカントリー・アルバムからの1曲です。
(国内CD 『イット・キープス・ライト・オン・ア・ハーティン』 VICP-64557 2,400円+税)

 ポップ・アイドル歌手と位置付けされていた彼が、それまでのイメージよりちょっと大人っぽい雰囲気の曲を歌ったアルバムと言えるかもしれません。

 当時のアメリカ人にとっては馴染み深いハンク・ウィリアムス、ジム・リーヴス、ファロン・ヤングなどのヒット曲を、ジョニー・ティロットソンらしい素直でさわやかな歌声で披露してくれています。

 今日のこの1曲はカヴァーではなく、彼のオリジナル曲。

 アメリカでは大ヒットとなり、彼のイメージ・チェンジに一役買った曲となりました。

 アニタ・カー・シンガーズによるコーラスがイイ感じ。

 日本でもシングル盤が1962年に出ていたようですが、ジョニー・ティロットソンの名前が日本の一般洋楽ファンに知られるようになるには、1964年「ポエトリー」まで待たないと・・・。森 勉


2014年2月21日(金) クリーム 「Strange Brew」

 先日、『スノーピアサー』という映画を鑑賞しました。

『殺人の追憶』、『母なる証明』で知られる韓国のポン・ジュノ監督による最新SF映画です。

地球温暖化を食い止める実験に失敗し氷に覆われてしまった世界、生存者を乗せて止まる事なく走り続ける列車の中が舞台。その中で暮らす階級の違うもの同士の争いを描いた作品です。

 原作はフランスのコミック。設定等ツッコミどころは多々ありましたが、キャストも個性派揃いで、2時間ほどある映画も長さを感じずに観ることができましたた。

 音楽はほとんど映画のためのスコアでしたが、意外なところで流れ印象に残ったのが、クリームの「ストレンジ・ブルー」。

 特に映画の中で大々的に使われている訳でもないのですが、ちょっと気持ち悪いシーンで流れます(汗)

 クリームといえば、エリック・クラプトンが現在来日公演を行っていますね!

ポール・キャラックが演奏だけでなく、歌でも結構活躍しているというお話を聴き、やはり観に行こうかどうしようか…迷いどころです。東尾沙紀

★掲載ジャケットは、「ストレンジ・ブルー」を収録した『ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・クリーム』(国内CD UICY-6014 1,886円+税)。


2014年2月22日(土) ベイカー・ブラザーズ 「New Way Of Thinking」

大好きで来日公演も観に行ったことがある英国発ジャズ・ファンク・バンド、ベイカー・ブラザーズ。

新作『Hear No Evil』を発表しました。(国内CD PCD-93791 2,300円+税)

ただ残念ながら、オリジナル・メンバーは現在ベーシストのクリス・ペドリーしか残っていません。

つまり、グループ名こそベイカー・ブラザーズですが、ダン・ベイカー(G)とリチャード・ベイカー(Ds)の2人は脱退してもういないのです。(ダンは2010年、リチャードは2011年脱退)

うーーーん、なんとも複雑な思いですが、今作では新たにヴォーカリストを加え新体制ベイカーのサウンド&ヴォーカル・ナンバーを聴かせるアルバムに仕上がっています。

 2008年作『Transition Transmission』をよりポップに洗練させた感もある内容。
特に気に入っているのは2曲目「New Way Of Thinking」。

 この曲のメイン・ヴォーカルは新加入したジェフ・ライですが、作曲はクリス・ペドリー。
彼が手掛ける曲はポップ・センスに程良いグルーヴ感が加味されていてかっこいいですね。

正直言うと、荒々しい魅力を放つ2003年発表1st『テン・ペイシズ』の方がやっぱり名盤だと感じてますが、今作はこれからの新展開に期待を抱かせる1枚だと思います。森 陽馬


2014年2月23日(日) Jessica Mauboy 「I'll Take You There」

ダフトパンクのグラミー受賞に象徴されるように、今年はネオ・ソウル・ブームが起こりそうです。

 デヴィッド・フォスターがverveのチェアマンに就任して初めて契約した(D・フォスターが1年かけて口説いたらしい)スウェーデン発新人バンド、DIRTY LOOPS<ダーティ・ループス>もデビュー・アルバムが4月発売予定。
 ネット上の映像&音を聴くと、ジャミロクワイ×スティーヴィー・ワンダーな雰囲気ですね。

エレクトロニカ/テクノの時代を通過し、生音のグルーヴを基にしたサウンドが再び求められているのかもしれません。

 さて、遅いレポートですが
映画『ソウルガールズ』を先日観に行きました。

 オーストラリア映画ですが、面白かったですね。
ソウル好きの方はもちろん、黒人音楽馴染みがない方にこそオススメの映画。

 オーストラリア先住民アボリジニの歴史に関してもわかりやすく描かれており、劇中でかかるソウル・ミュージックに心踊らされ、最後はほっこり感動できる1作でした。

 主人公のソウルガールズ達(サファイアズ)をベトナム慰問へ連れて行くマネージャー役デイヴのセリフで、
「カントリーの歌は喪失を歌っている。ソウルも喪失を歌っている。ただ違っているのは、カントリーでは喪失のあきらめや嘆きを歌っているのに比べ、ソウルはその喪失したものを求めて必死にそれを探そうと歌っている。その切なさを魂を込めて歌え!」
というニュアンスの言葉があって、オオ!なるほど!と感銘を受けましたね。

 今日のこの1曲は、サントラ盤にも収録されている「I'll Take You There」。
(輸入CD OST『THE SAPPHIRES』 SONY 88725422172)

 映画の舞台設定は1968年なので、ステイプル・シンガーズのオリジナル(1972年)はまだ出ていなかったはずですが、ストーリー展開含め映画の場面にはピッタリ合っていたので、これはこれで良い選曲だったと思います。森 陽馬


2014年2月24日(月) リクオ 「光」

 90年代からシンガー、セッション・キーボーディスト(忌野清志郎、ソウル・フラワー・ユニオン、佐野元春etc...)として長年活躍している1964年生まれのピアノマン、リクオ。

 約5年半ぶりの新作『HOBO HOUSE』がリリースになりました。
(HW-31 2,700円+税)

 今作は、笹倉慎介さん所有の音楽スタジオ<guzuri recording house>で録音された作品。

 椎野恭一、佐藤克彦、坂田学、伊賀航、安宅浩司、寺岡信芳、北山ゆう子、真城めぐみほか、笹倉さんも共同プロデュース/ギター&コーラスで参加しています。

 「とても風通しが良く、居心地の良い空間だった」とリクオさんの言葉が物語るように、アルバム全体のリラックスした雰囲気、音の暖かみが伝わってくる作品になっています。

 ルーツ・ロック色の濃い味わい深いナンバーから、風通しの良いピアノ・ポップまで。

 今日のこの一曲は、佐藤克彦さんのギターも絶品な郷愁を誘う1曲目の「光」。

この曲でのリクオさんの丁寧な歌い回しは(あくまで個人的な意見ですが)、小坂忠さんを彷彿とさせます。東尾沙紀

2014年2月25日(火) オールマン・ブラザーズ・バンド 「Dreams」

デレク・トラックス、ウォーレン・ヘインズ、両ギタリストが年内で脱退することが発表されたオールマン・ブラザーズ・バンド。

ライヴ・ツアーに関しても年内で終了することをグレッグが発言したそうで、なんとも残念ですね。

数年後に昔のメンバーが集まって再結成!みたいなことはあると思いますが、毎年恒例だった3月ニューヨーク/ビーコン・シアターでの連続公演は今年で最後になるのかもしれません。

さて、そのビーコン・シアターでの10日間公演を初めて開催した1992年貴重ライヴ音源がオフィシャル初CD化されました。(国内CD 2枚組CD 解説・歌詞・対訳付 EICP-1602 3,200円+税)

 ウォーレン・ヘインズとアレン・ウディが加わり再結成したのが1989年。
ディッキー・ベッツが脱退&デレク・トラックス加入が1999年前後ですから、ちょうどその間、ディッキーのカントリー・フレイヴァーとウォーレンの豪放なスライドが程良く調和している充実期のライヴです。

 「ステイツボロ・ブルース」、「ジェシカ」、「エリザベス・リードの追憶」、「ウィッピング・ポスト」等代表曲に加え、当時リリースした新作からの楽曲も交えた素晴らしい内容。

 デュアン在籍時とはまた違った意味で熱いライヴ音源ですね。

 今日のこの1曲は、グレッグ作名曲「Dreams」。

 これぞサザン・ロック!な詞世界。
ウォーレン・ヘインズ圧巻のスライド・ソロ! 聴きものです。森 陽馬


2014年2月26日(水) ダン・ペン 「Don't Give Up On Me」

 2月ももうすぐ終わりですが、やっと春の兆しを感じられる陽射しになってきましたね。

 でも陽が陰ると、まだまだ肌寒い夜が続きます。

 そんな夜、心を温めてくれるのがダン・ペンの歌声。

 60~70'sマッスルショールズの名曲を多数生み出した名ソングライター、ダン・ペンによるデモ音源を集めた新作『I Need A Holiday』が発売になりました。
(国内仕様盤 日本語解説付 OM-021 2,500円+税)

 70年代から最近2000年代まで様々な時代にレコーディングされていたダン・ペン自らの歌声による未発表音源が全16曲収録。

 どれもお蔵入りしていたとは思えないほど味わい深い楽曲揃い。

 ダン・ペンのこのデモ音源シリーズは今回が3作目ですが、前2作が気に入った方ならもちろん、アメリカン・ルーツ・ロック/シンガー・ソングライター好きなら必聴の1枚でしょう。

 今日のこの1曲は12曲目「Don't Give Up On Me」。

 名ソウル・シンガー、ソロモン・バークが2002年発表した後期名作『Don't Give Up On Me』(ブライアン・ウィルソン作「ソウル・サーチン」も歌っているアルバムですね)に収録されていたダン・ペンナンバー。

 ダン・ペン本人による歌唱も包容力があって素晴らしいですね。

 自主レーベルからの発売ですから、入手困難となる前にお早目に! 森 陽馬


2014年2月27日(木) ロネッツ 「Why Don't They Let Us Fall In Love」

 もうすぐ3月3日ひなまつりです。

 女の子の節句ということで、今日は60'sガールポップの名曲を1曲。

 王道で行くか、レア物でいくか・・・。
少し迷いましたがレア物は山下達郎氏『サンデー・ソングブック』の<ガール・グループ、ガール・サウンド特集>(3月2日放送予定)にまかせることにして、今日は直球で攻めたいと思います。

 が、コースは内角低めぎりぎりという感じかもしれません。
直球ど真ん中ならロネッツ「ビー・マイ・ベイビー」となるのでしょうが、ロネッツでも渋いところの1曲を。

 1964年にフィレス・レーベルだけでなく、フィル・スペクター・レコーズというレーベルから出たヴェロニカ(ロニー・スペクター)のソロ・シングル「ホワイ・ドント・ゼイ・レット・アス・フォール・イン・ラヴ」。

 ジェフ・バリー&エリー・グリニッチ作品の隠れた名曲です。森 勉


★掲載ジャケットはロネッツのベスト盤。(国内CD 解説・歌詞・対訳付 『ビー・マイ・ベイビー~ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ザ・ロネッツ』 SICP-20312 1,905円+税)


2014年2月28日(金) 岩崎元是&WINDY 「Parking」

 あっという間に2月も今日で終わり。
今月は大滝詠一さん関連の書籍がたくさん発売されましたね。

その中でもサウンドデザイナーという雑誌に掲載された吉田保さんへのインタビュー、杉真理さんへのインタビュー、そして岩崎元是さんのナイアガラ・サウンド研究は興味深い記事でした。

レコーディング・スタジオ及びエンジニアからの観点による専門的な話も多いのですが、改めてロンバケの奥深さを実感しましたね。

これを読んだら、ロンバケ30周年盤の歌入りディスク1と純カラオケ入りディスク2を聴き直したくなること必至です。

今日のこの1曲は、以前からナイアガラ・フォロワーとして名実共に一目置かれているミュージシャン、岩崎元是さんが1986~87年に発表した楽曲を最新リマスターした作品集から。
(『The All Songs Of WINDY』 CD2枚組 MOCA-1842 3,714円+税)

「Parking」は1986年5月発表シングル「夏の翼」のB面曲。
(アルバム『HEART WASH』5曲目にも収録)

大滝詠一「雨のウェンズデイ」へのオマージュを感じさせる1曲です。森 陽馬


★当店にて岩崎元是のこのCDお買い上げの方には、ジャケットと同じデザインのマグネットを先着で差し上げています。





これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■


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