トップページ        今日のこの1曲アーカイヴス



  今日のこの1曲 “Archives”

<2016月6月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2016年6月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2016年6月1日(水) Tamiko 「Don't Laugh If I Cry At Your Party」

6~7月は楽しみなリリースがたくさんありますね。

・6/15大滝詠一『DEBUT AGAIN』アナログ盤
・6/22ワーナー・ガール・グループ・ナゲッツ2W及びポップ・ロック・ナゲッツ4W
・6/24ペット・サウンズ50周年盤限定BOX
・6/29ロビン・ワード、リチャード・ハリス他正規再発・名盤発見伝シリーズ
・7/20マイクロスター新作 等々。

当初の3月発売予定から延期となっていたワーナーのオールディーズ・コンピ、ガール・グループ・ナゲッツ2種とポップ・ロック・ナゲッツ4種は、曲目やジャケットも正式決定し6月22日発売が確定したようです。

収録曲をザッと眺めるだけでも聴いたことがない曲ばかりでワクワクしますが、まず目についたのが『アイ・ウォント・ア・ボーイ~ワーナー・ガール・グループ・ナゲッツVol.7』に収録予定のこの曲!
Tamiko「Don't Laugh If I Cry At Your Party」

レコード・コレクターズ2016年2月号<私の収穫2015>コーナーにて、山下達郎氏が紹介していたEP曲。
もちろん世界初CD化!

1964年発表、ジョージ・カーがシドニー・バーンズと組んでタミコ・ジョーンズへ提供した楽曲。
ソウル・ファンも要チェックのナンバーですね。

他にも注目曲がたっくさんあるのですが、それは発売されてから紹介していきたいと思っています。森 陽馬



2016年6月2日(木) Chocolat & Akito meets The Mattson 2「ONE」

ショコラ&アキトmeetsマットソン2、6月2日原宿アストロ・ホール公演を見てきました。

照明&音響効果、更に多幸感も加わって、今年3月に発売されたアルバム(2016年3月1日今日のこの1曲紹介)にも増して素敵な音空間を体感することができました。

マットソン2による一筋縄ではないグルーヴィーなジャム・バンド的演奏と、ショコラ&アキトが醸し出すNEW WAVEなポップ・センスが見事に融合していましたね。

驚いたのは、新作5曲目に収録されているインスト・ナンバー「EARLAND」。
片寄さんのコールでスペシャル・ゲストが呼び出されベースを持って現れたのはなんと!カーリージラフ!

ロッテンハッツ、GREAT3(現在は脱退)時代から片寄さんの盟友である高桑圭さんを、ショコラ&アキトのステージで観れるとは!
曲終了後、握手を交わす場面もあり、長年のファンとしては泣けましたね。

♪恋が終わり 本当の愛が始まる
ときめきより深い気持ち抱いて また始まる 今日を共に歩こう♪
と歌われる2012年発表前作『Duet』収録曲「One」。

片寄さんとショコラさんご夫妻、そして取り巻く皆の深い絆を感じさせるこの曲。
躍動感溢れるブラッシュアップされたMattson2ヴァージョン、感動的でした。森 陽馬

★掲載ジャケットはショコラ&アキト2012年発表『Duet』。(RYECD-145 1,905円+税)



2016年6月3日(金) ドノヴァン 「ラレーニア」

1965年にデビューした頃、ドノヴァンはイギリスのボブ・ディランと呼ばれていました。

フォーク・ギターの弾き語りで歌われる「キャッチ・ザ・ウィンド」、「カラーズ」などを聴くと、たしかにディラン風です。

ボブ・ディランがエレキを持ってロックにアプローチを見せれば、ドノヴァンもそれに引っ張られるように、ロック/サイケ色の強い「サンシャイン・スーパーマン」、「メロー・イエロー」を1966年に発表して大ヒットさせています。

どちらのドノヴァンも好きでしたが、1966年当時このサイケな2曲の印象は強烈でしたね。

シングル曲ではありませんが、「魔女の季節 (Season Of The Witch)」も独特な雰囲気を持った曲で、ヴァニラ・ファッジ、アル・クーパーらのスーパーセッション、ジェリー・ドリスコール&ブライアン・オーガーなどその時代の先鋭ミュージシャンに好んでカヴァーされていました。

その他「霧のマウンテン」、「ハーディー・ガーディー・マン」、「アトランティス」、「バラバシャガ」など主要曲が入っている『エッセンシャル・ドノヴァン』は時々引っ張り出して聴きたくなるCDです。
(国内CD MHCP-452 1,700円+税)

今日はその中から1968年にシングルで発表された(オリジナル・アルバムには未収録)、切なく美しいバラード曲「ラレーニャ」を。

1970年代初め、テレビの音楽番組でその後“トノヴァン”と呼ばれる加藤和彦がこの曲をビブラートを増量して歌ったことを想い出しました。森 勉


2016年6月4日(土) MUDCRUTCH 「The Other Side Of The Mountain」

これぞアメリカン・ロック!な新譜が出ました。

MUDCRUTCH『2』
(輸入CD Reprise 554371-2)

マッドクラッチはトム・ペティがハートブレイカーズとして活動する前に組んでいたバンドが元になっており、メンバーはTom Petty、Benmont Tench、Mike Campbell、Tom Leadon、Randall Marshという布陣。

ハートブレイカーズとの相違点は、トム・ペティはギターではなくベースを弾いていること。
そして、トム・ペティだけでなく他のメンバーも楽曲を提供し、演奏だけでなく歌っていることでしょうか。

まあでも基本的に、トム・ペティらしいアメリカン・ロック・サウンドは変わらず。
ヴィンテージ感ある武骨なロックが楽しめる快作です。

今日のこの1曲は6曲目「The Other Side Of The Mountain」。

Tom Leadon(イーグルスのメンバーで知られるバーニー・リードンの弟)作によるマッドクラッチ流カントリー・ロック・キラーチューン!

Herb Pedersenがバンジョーで参加。イイ味出しています。森 陽馬


2016年6月5日(日) THE MOVE 「Open My Eyes」

ロイ・ウッドを中心としたロック・グループ、ザ・ムーヴの68年発表1st『THE MOVE』と、70年発表2nd『シャザム』がそれぞれデラックス・エディションで再発になりました。

2007年の再発、2008年の4枚組アンソロジー、95年の『BBC SESSIONS』など、以前発売されたCDに収録されていた曲と多少重なりますが、今回リマスター/未発表曲も新たに追加。
上記の盤は現在出ていませんし、まだお持ちでないという方にオススメです。

本日はポップでサイケで重厚感もあるサウンドが魅力の2nd『シャザム』2枚組デラックス盤から。
(国内仕様CD 日本語解説付 ATOZ-100 3,200円+税)

ディスク1は、本編+シングル曲、ステレオ・ミックスなど全18曲。
ディスク2は、68~69年のBBCセッション集で、全25曲中ほぼ半分が公式では初音源化とのこと。

サイモン&ガーファンクル「Sound Of Silence」、ナッズ「Open My Eyes」(かっこいい!)、エヴァリー・ブラザーズ「Walk Right Back」、ディオン「Abraham,Martin and John」など、カール・ウェインのvo.をメインとした多彩なカバーが楽しめます。(DJの声が入ってるのがまた良い感じですね。)

既発音源ですが、「Carifornia Girls」のカバーもとてもかっこいいのでまだ聴いた事がないという方は是非!

写真やクレジットが掲載されたブックレット、ポスターも封入。
国内仕様盤には、若月眞人氏による日本語解説付きです。東尾沙紀


2016年6月6日(月) クロディーヌ・ロンジェ 「イッツ・ハード・トゥ・セイ・グッバイ」

耳元でささやかれているようなソフトで優しい歌声をウィスパリング・ヴォイスと言ったりしますが、それでまず頭に浮かんでくるのが、クロディーヌ・ロンジェです。

1942年フランス/パリ生まれ。
19歳の時に14歳年上のアンディ・ウィリアムスと結婚。
1966年にA&Mレコードと契約。
1967~1971年の間に5枚のアルバムを発表しています。

どのアルバムでも彼女の脱力感ある歌声(ほめ言葉です)は、ゆったり気分を運んでくれます。

アルバム『恋はみずいろ (Love Is Blue)』は1968年発表の第3作目。
(国内CD 完全限定盤 UICY-77273 1,000円+税)

プロデュースはトミー・リピューマ、アレンジはニック・デカロが担当。
A&Mレーベルらしいオシャレで上品な質の高いサウンドを展開しています。

「イッツ・ハード・トゥ・セイ・グッバイ」はロジャー・ニコルス&ポール・ウィリアムス作品の極上ブロークン・ラブソング。

切なさが倍増しているようなクロディーヌのウィスパリング・ヴォイスが効いています。森 勉


2016年6月7日(火) ハンバート ハンバート 「N.O.」

佐野遊穂と佐藤良成による夫婦ユニット、ハンバートハンバート。

デビュー15周年記念作品『FOLK』が発売されました。
(CD+DVD 初回限定盤 DDCB-94011 3,000円+税)

サポート・ミュージシャンを入れず、ギター、ハーモニカ、歌のみ。
原点回帰とも言える二人だけで録音されたアルバムです。

高田渡「生活の柄」、西岡恭蔵「プカプカ」、吉田拓郎「結婚しようよ」等フォーク名曲から、ハンバート自身の名曲「おなじ話」、「夜明け」、「国語」(この曲の歌詞は何度聴いてもドキッとしますね)のセルフカヴァー、そして新曲「横顔しか知らない」を収録した全12曲。

中でも注目は2曲目「N.O.」。
電気グルーヴ1994年発表楽曲のカヴァー。

ハンバートハンバートが歌うと、
『若者が抱える無力感/ニートのもやもやした心情を描いた<現代のFOLK>』になりますね。

優しく語りかけるようでいて、実は懐に鋭い刀を忍ばせているようなハンバートの歌力。
心にグサリと刺さるような歌の魅力を感じる1枚。森 陽馬


2016年6月8日(水) Never Young Beach 「お別れの歌」

結成から1年程でリリースされた1stアルバム『YASHINOKI HOUSE』が評判となり、じわじわとインディーズ・シーンを賑わせている東京の男性5人組バンド、Never Young Beach。

70年代のフォーク/ロック、サイケ、ギターポップ+トロピカルで浮遊感のある音が印象的で、誰が呼んだか<西海岸のはっぴいえんど>と称された前作から約1年....新作2nd『fam fam』が本日発売になりました。
(ROMAN-5 2,300円+税)

前作の延長線上にありながら、メロディはカラッと明るく、よりポップに♪

1stがアナログ盤で発売された際にボーナストラックとして収録された「Pink Jungle House」、ポップに味付けされた高田渡のカバー「自転車に乗って」、モータウンなベースが印象的な「fam fam」、間奏のホワワン・ギターが心地良いオリジナル曲「夢で逢えたら」他、夏に向けて聴きたい心弾む全9曲。

フロントマン安部勇磨の太く飾りっ気のない歌声がロックンロールしている「お別れの歌」が熱い!

グングン突き進んでいく勢い、音楽を楽しんでいる気持ちみたいなものが伝わってきます。東尾沙紀


2016年6月9日(木) アラン・トゥーサン 「Soul Sister」

昨日6月8日は、僕の妹の誕生日でした。

以前は頼りなく思えた妹も、今では立派な2児の母。
おてんばな姪っ子を優しく叱りつけているのを見ると、尊敬の念を抱きます。

誕生日プレゼントとしてCDをあげた時もありましたが、育児で音楽を聴く余裕もあまりないようなので、今年は何をプレゼントすればよいか迷ってしまいましたね。

実用的なものの方が良いのかな。別にモノでなくてもいいのかもしれないな。
色々考えた末、マッターホーン(学芸大学にあるケーキ屋さん)のバウムクーヘンとハンドクリームに。

最近会っていない弟も招いて、たまには一緒に食事もしたいなと思っています。

ということで、「Sister」が付くフェイヴァリット・ソングから今日のこの1曲。
アラン・トゥーサン「Soul Sister」。

ニューオリンズの名プロデューサー/ソングライター、アラン・トゥーサンが1972年ワーナー/リプリーズへ移籍しリリースしたアルバム『Life,Love And Faith』に収録。当時シングル・カットもされている名曲です。

掲載ジャケットはアラン・トゥーサンの代表作『サザン・ナイツ』含めワーナー時代(1972~78年)全曲が入った2CD。
アラン・トゥーサン『コンプリート・ワーナー・レコーディングス』
(国内CD 解説・歌詞付 WPCR-17094 2,700円+税)

2003年ライノハンドメイド限定として発売後永らく入手困難となっていた盤が正規再発。
RECORD STORE DAY2016で初アナログ・リリースされた1975年フィラデルフィアでのライヴ音源も収録されています。森 陽馬


2016年6月10日(金) ビートルズ 「ノー・ホエア・マン (ひとりぼっちのあいつ)」

今年2016年の6月は、ちょっと特別な6月という感じがします。

あのビートルズ来日公演が行われた1966年6月30日、7月1日、7月2日からもうすぐ50年!!

あの日武道館へ行った中学3年生は、なんと還暦をも越えてしまったのですから、自分でも驚いています。
しかし、あの貴重な瞬間の節々は忘れられない記憶として残っています。

ということもあり、何かとビートルズを聴く機会が個人的には増えている昨今。
普段あまり聴かない棚にしまいっぱなしになっている『MONO BOX』も時々は虫干ししないと...、ということで13枚組をひっぱり出してきました。

やはりモノラルですよ、モノラル!

1960年代日本で出たビートルズのシングル・レコードはほとんどがモノラルでした。
(1969年発売「オブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダ」がシングル盤としては初のステレオ音源だったらしいです。1968年発売「ヘイ・ジュード」まではモノラルだったということですね。)

今日はアルバム『ラバー・ソウル』から、50年前の日本公演でも歌ってくれた「ノー・ホエア・マン (ひとりぼっちのあいつ)」。

モノラル、迫力があってイイです。

なお、この『MONO BOX』。 (国内CD 13CD 解説・歌詞・対訳付 TOCP-71041 37,905円+税)
『ヘルプ』と『ラバー・ソウル』に関しては、バッサリ左右に音を振り分けた<オリジナル・ステレオ・ミックス>もおまけに収録されています。

オールド・ファンには懐かしい、新しいファンには珍しい音です。
オリジナルLP以外では、この『MONO BOX』でしか聴けないミックスなんですね。森 勉


2016年6月11日(土) パイレーツ・カヌー 「Born This Way」

6月10日(金)パイレーツ・カヌー茨城Cafe la famille公演へ行ってきました。

cafe la famille(カフェ・ラ・ファミーユ)は茨城結城市にあるカフェ・レストラン。
2015年パイレーツカヌー日本ツアーの際に初めてこのお店へ来てすっかり惚れ込んでしまい、パイレーツ・カヌーがこの場所でライヴをやる時は絶対にまた来よう!と思っていたので待望の再訪。

住宅街の中から突如現れる古き良き南フランスへタイム・スリップしたような素敵な空間。
「カフェを営業・経営する人は一度は行ってみるべき理想の店」と言われているのも納得の名店で、お食事&店員さんのホスピタリティも本当に素晴らしいのです。
パイレーツ・カヌーのメンバーも楽しんで演奏しているのが伝わってきましたね。

さて、そのパイレーツ・カヌー、最新アイテムが発売されました。

Pirates Canoe『What Do We Have To Prove?』
(OTCR-010 1,000円+税)

オリジナル曲2曲(「Faith In Me」、「The Sweetness」)に加え、2年前からライヴで大人気だったレディー・ガガ「Born This Way」カヴァーもスタジオ録音音源として初収録。

サラさんのマンドリンと岩城一彦さんのドブロ・ギターが縦横無尽に暴れまくる超絶カントリー・アレンジ・カヴァー! 新曲2曲もとってもイイ曲で聴きものです。森 陽馬


★6月12日には
渋谷BYGにて東京ローカル・ホンクとパイレーツ・カヌーのタイバンでライヴがあります。

★レコード・コレクターズ2016年7月号(ビーチ・ボーイズ特集!)入荷しました。
当店店長・森勉も寄稿しています。


2016年6月12日(日) Diane Shaw 「Leave a Little Love」

再発ものかと見紛うようなジャケットの今作は、イギリス・マンチェスター出身62年生まれの黒人女性シンガー、ダイアン・ショウ。2015年発表デビュー作『Love,Life&Strings』。
(国内CD 解説・歌詞付 PCD-17746 2,400円+税)

遅咲きのシンガーと思いきや既に20年程のキャリアがあり、これまでにマーサ・リーヴス、シスター・スレッジ、クレム・カーティス、ブレンダ・ハロウェイ他沢山のアーティストのサポートを務めてきたのだそう。

2015年UKソウル・チャートで2週に渡ってNo.1を獲得した今作は、 ノーザン・ソウル、モータウン...60~70年代ソウルへのリスペクトを直球に表現した1枚♪

生音/アナログ録音にこだわったヴィンテージ感のある楽曲は勿論、彼女のハリのある歌声がかっこいい!

2014年デビュー曲としてリリースされたルルの「Leave a Little Love」、ストリングスとピアノのみで歌われた「Say A Little Prayer」他カバーを中心に、シュプリームスを想起させる「Good Lovin' Man」(今作のプロデューサーで彼女の旦那さん、アンディ・バーキンショウとの共作)などオリジナル曲も聴きものです。東尾沙紀



2016年6月13日(月) インコグニート 「Love Bom In Flames」

イギリス/ロンドン発、ブルーイを中心に1981年結成されたインコグニート。

活動を初めて35周年、17作目となるアルバム『In Seach Of Better Days』をリリースしました。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 PCD-24505 2,400円+税)

90年代全盛だったアシッド・ジャズ・サウンドはそのままに、現代ロンドンのトレンドもしっかり取り入れた1枚。

メイザ、トニー・モムレル、ヴァネッサ・ヘインズ、イマーニも参加。
往年のファンにはお馴染みの歌声を聴かせてくれるのもうれしいですね。

今日のこの1曲は、1曲目「Love Bom In Flames」。

ジャミロクワイのベーシストだったスチュワート・ゼンダーによるグルーヴィーなベースラインがかっこいい!

過去の遺産で食べているようなバンドとは一線を画する近作の充実ぶり。
インコグニートといえば「Don't You Worry 'bout A Thing」、「Still Frend Of Mine」がフェイヴァリット、という方も、今のインコグニートを是非聴いてみてください。森 陽馬


2016年6月14日(火) ポール・サイモン 「Wristband」

御年75歳にして、今なお先鋭的。

ポール・サイモン13作目となるオリジナル・アルバム『ストレンジャー・トゥ・ストレンジャー』。
(国内CD 天辰保文氏による解説 歌詞・対訳付 ボーナス・トラック5曲収録 UCCO-1169 2,600円+税)

インドの一弦楽器ゴピチャントによるワールド・ミュージック的な出だし。
そして、独特なリズム感覚で演奏される民族楽器の数々。

彼ならばギター1本でサイモン&ガーファンクルセルフ・カヴァーをやった方が一般ファンから支持されそうだし、セールス的にも売れそうな感じがするのですが、それを良しとせず、より新たな壁を自ら作って前へ進んでいこうとするその意欲に感服です。

今日のこの1曲は2曲目「リストバンド」。

複雑な音階で聴かせる楽曲が多い中、この曲の歌詞はユーモアがあって面白いですね。
(ロックスターがタバコを吸おうと裏口を使い楽屋から外へ出たらドアが閉まって戻れなくなり、正面口から会場へ入ろうとすると警備員にリストバンドをしていないと入れない、と制止される物語)

児童20人含む26人の死者を出したコネチカット州乱射事件の犠牲となった女性教師の葬儀へ行ったことから生まれた9曲目「The Riverbank」、ボーナス・トラックとして収録されている「Duncan」ライヴ音源も必聴。森 陽馬


2016年6月15日(水) ポール・マッカートニー 「マイ・ラヴ」

6月18日で74歳になるポール・マッカートニー。
ベストCDが発売になりました。

ポール・マッカートニー『ピュア・マッカートニー~オール・タイム・ベスト』
(国内CD 4枚組CD限定盤 UCCO-8003 7,000円+税/2枚組CD UCCO-3062 3,500円+税)

4枚組デラックス・エディション全67曲入り(ハートカヴァーブック仕様)と2枚組通常盤全39曲入りの2種類。

ヒット曲の多いポールなので4枚組の方が無難だと思います。
「ジュニアズ・ファーム」、「エヴリナイト」、「バックシート」、「ハイ・ハイ・ハイ」、「ヴィーナス&マース~ロック・ショー」、「フレイミング・パイ」等が2枚組には入っていません。

音の方はもちろん最新リマスター。
近年のアーカイヴ・シリーズで発売されている曲は、その再発時にリマスターされたものが使用されています。

今日はポールらしさがたっぷり詰め込まれた1973年の大ヒット「マイ・ラヴ」。
名曲です。森 勉


2016年6月16日(木) 大滝詠一 「Tシャツに口紅」

大滝詠一、感動の32年ぶりアルバム『DEBUT AGAIN』。
限定アナログ盤が発売されました。
(国内LP 解説・歌詞付 SRJL-1111 3,000円+税)

近年アナログ・ブームの中、CDからそのままアナログにしただけ、という安易な再発も時々ありますが、今作はさすがナイアガラ! 様々な趣向が凝らされています。

まず、このアナログ化に際し、ビートルズ関連のマスタリングを手掛けたティム・ヤングがカッティングを担当。
通常より高音質で刻まれるハーフスピードカッティングを施し、アナログならではの音世界を堪能できます。

早速店内にある簡易なポータブル・プレイヤーで聴いてみましたが、音の温もりが本当に心地良いですね。

ジャケットは珍しいリバーシブル。
裏返すと違うジャケットになるというユーモアな仕様です。
←ナイアガラ・レーベル帯もNice!

更にレコードが入っているインナースリーヴにはディスコ・グラフィーが掲載。
←オールディーズLPのカンパニー・スリーヴを彷彿とさせますね。

更に更に、このLPのみの特製ステッカー入り!


CDブックレットに記載されていた能地祐子さんによる楽曲解説文&歌詞もちゃんと付いています。

1枚のLPに、レコード&大滝詠一ファンへの細かい配慮が多く為された素晴らしいアナログ化。
CDを購入された方、大滝詠一をまだ持っていないという方にも手に取ってもらいたい1枚です。

今日のこの1曲はナイアガラー間でも大評判、アゲイン石川さんも今作中一番のお気に入り「Tシャツに口紅」。

CDでは5曲目ですが、アナログで聴くとA面のラスト、という感じがしっくりきますね。森 陽馬


2016年6月17日(金) Red Hot Chili Peppers 「The Longest Wave」

レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、約5年ぶりの新作『ザ・ゲッタウェイ』が本日発売になりました。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-17366 2,300円+税)

輸入盤も入荷しまして、国内盤共に発売日初日から売れております。

11作目のプロデュースは、レッチリといえば...のリック・ルービンではなく、デンジャー・マウスが担当。
自身のユニットのナールズ・バークレイ、ブラック・キーズやノラ・ジョーンズ2012年作等のプロデュースでも知られる人物です。ミックス/プログラミングには、ナイジェル・ゴッドリッチ(レディオヘッド他)が参加。

今までとは音がガラッと変わるだろうと想像していましたが、リード曲「Dark Necessities」をはじめ、「The Longest Wave」(良い曲!)ようなメロディアスで耳に残る曲も多いので、意外とすんなり馴染めました。

チャドの力強いドラミング、フリーの唸るベース...レッチリらしいはっちゃけ度は今作では控えめなので、物足りなさも少しありますが、流れも楽曲の雰囲気も1つの作品としてとても纏まっているなと思います。

全体的にピアノの音色もすごく印象的で使われています。
シンセ、女性コーラス、先の読めない曲展開も注目です。

ピアノといえば、意外(?)なゲストに、エルトン・ジョン&バーニー・トーピンが1曲共作&ピアノで参加しています。東尾沙紀

2016年6月18日(土) ビーチ・ボーイズ 「神のみぞ知る」(ライヴ)

ジャケットの画像を見て、またあのアルバムかー、と言わずに少しの間お付き合いください。

ビーチ・ボーイズ『ペット・サウンズ』が発売されてから50年!
『50周年記念デラックス・エディション』2枚組CDが出ました。
(国内CD ビーチ・ボーイズ『ペット・サウンズ50周年記念デラックス・エディション』 UICY-15519 3,600円+税)

内容はディスク1にモノラル&ステレオ、各13曲を収録。
一応2016年最新リマスターと記述があります。

雰囲気的には2012年リマスターなのかな、と思ったのですが、「素敵じゃないか」のモノラルを聴くかぎり、音が非常にクリアーになった感があった2012年盤とはイントロの質感が明らかに違います。

以前のモノラル・ミックスに戻った感じで、オリジナル・アナログに近い音に感じました。

まだ細部まで聴き込んでいないので、まずは1曲目の所感ということで。

ディスク2にはステレオ・ミックスによる歌抜きのインストゥルメンタル・トラックが曲順通りに13曲と、今回の目玉である初発表になるライヴ・ヴァージョン11曲を収録。

その中では「神のみぞ知る」が4ヴァージョンも収録され聴き比べできるのがうれしいところ。

60's、70's、80'sと時代を越えて、カールの美声に酔いしれつつブライアンの作った極上のメロディーを堪能したいと思います。
20曲目に入っている1972年カーネギー・ホールでのライヴでは、エンディングでデニスの声も聴こえます。(レコードではブルースが歌っていたパートです。)

なお、同時発売とインフォメーションされていたCD4枚+ブルーレイ・オーディオがセットになった<スーパー・デラックス・エディション>は1週間発売延期/6月24日発売です。それも後日、ここで紹介したいと思います。森 勉


2016年6月19日(日) ニール・ヤング 「Daddy Went Walkin'」(父の面影)

2016年6月19日は父の日。

先月5月8日母の日と同様、「父」をテーマにした歌で僕の好きな1曲を紹介しましょう。

ニール・ヤング「Daddy Went Walkin'」(父の面影)

ニール・ヤング2000年発表作『シルヴァー&ゴールド』(輸入CD Reprise 9362473052)は、
<『ハーヴェスト』、『ハーヴェスト・ムーン』に続くアコースティック3部作>とも評されるアルバム。

数あるニール作品中でも名盤『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』、『ハーヴェスト』以上に近年愛聴している大好きな1枚です。

「Distant Camera」、「Razor Love」、リンダ・ロンシュタット参加「Red Sun」。
心に沁みる名曲揃いの中、比較的地味ながらもじわじわと郷愁を感じさせる②「Daddy Went Walkin'」。

フラッと散歩へ出ていく父の面影を淡々と綴ったナンバー。

記憶に残る想い出というのは、このようなさりげない一場面なのかもしれませんね。森 陽馬


2016年6月20日(月) Marcus Strickland's Twi-Life 「Celestelude」

フライング・ロータス、サンダーキャット、カマシ・ワシントン、そして、ロバート・グラスパー。

彼らの活躍によって、新世代ブラック・ジャズ/新しい黒人音楽の波が近年広がってきています。

その時代の波を象徴するような傑作が、老舗ジャズ・レーベルであるブルーノートからリリースされました。

Marcus Strickland's Twi-Life 『Nihil Novi』
(輸入CD Blue Note 00602547788535)

マーカス・ストリックランドは1979年生まれフロリダ出身の黒人サックス奏者。
今までにも作品を出していましたが、ブルーノート移籍第1弾の今作はミシェル・ンデゲオチェロプロデュース!

ミシェル自身によるベースに加え、ロバート・グラスパーやピノ・パラディーノ、新世代超絶黒人ドラマーのクリス・デイヴ等が参加。元ジャネイの女性シンガー、ジーン・ベイラーをfeatしたヴォーカルナンバーも3曲収録。
生楽器で聴かせるアーバンなR&Bトラックと、硬派なブラック・ジャズが融合した素晴らしい全14曲です。

今日のこの1曲は11曲目「Celestelude」。
ロバート・グラスパーが弾くローズ・ピアノの妖しい音色。そしてマーカスのサックス。
過去・現在・未来を繋ぐ不思議な魅力を秘めたキラー・ジャズ・チューン!

全曲オリジナル楽曲という潔さもよし。
ディアンジェロや、ロバート・グラスパー『ブラック・レイディオ』気に入っていた方にも大推薦の1枚。森 陽馬


2016年6月21日(火) スリー・ベルズ 「Over And Over Again」

2015年8月にワーナー・ミュージック・ジャパンから発売された『ワーナー・ガール・ポップ・ナゲッツ Vol.1~5』は内容の良さから御好評いただき、60'sガール・ポップの素晴らしさを感じる音楽ファンの裾野が広がる効果を上げたCDとなりました。

きちんとした解説が付いた日本盤として発売されたことが大きかったと思います。
価格も良心的でしたし。

さて、その続編が3月から発売延期となっていましたが、本日6月21日めでたく6種類入荷してきました。

・『ブレイカウェイ~ワーナー・ガール・グループ・ナゲッツVol.6』
・『アイ・ウォント・ア・ボーイ~ワーナー・ガール・グループ・ナゲッツVol.7』
・『マジック・タウン~ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツVol.1』
・『ゴー・アウェイ・リトル・ガール~ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツVol.2』
・『カリフォルニア・サン~ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツVol.3』
・『イエス・アイ・ウィル~ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツVol.4』
(各々全25曲収録 最新リマスター 解説・歌詞付 各1,600円+税)

どの盤も魅力的な楽曲満載ですので、1枚ずつ全て紹介したいと思います。

まず今日は『ブレイカウェイ』と題されたVol.6の中から僕のお気に入りを表明しておきます。
(国内CD 『ブレイカウェイ~ワーナー・ガール・グループ・ナゲッツVol.6』 WPCR-17096 1,600円+税)

★第3位 Emma Rede「I Gotta Be With You」
ドラマティックなヴォーカル力に魅了されました。

★第2位 Ria Bartok「エクート・モン・クール」
フレンチ・ボッサ・テイストの曲調にクールな声が映えてます。

★第1位 The Three Bells「Over And Over Again」
そして第1位は12曲目に収録、リヴァプール出身3姉妹、スリー・ベルズ「オーヴァー&オーヴァー・アゲイン」。

イギリスものらしいリード・ヴォーカルの圧倒的な声量。
そして、それに絡む追っかけコーラス。
これはイイです!

シェイラ、ヘレン・シャピロ、フランソワーズ・アルディ等、知っていたアーティストのイイ曲が、知らなかったアーティストの間に入っているのもコンピCDとしていいアクセントになっていると思います。森 勉



2016年6月22日(水) Carlene Carter 「Baby Ride Easy」 with Dave Edmunds

ワーナー新・名盤探険隊から、ゴールディ・ホーン、ケイト・テイラー、ジュディ・コリンズ、カーレン・カーターのアルバムが再発になりました。

当店ではゴールディ・ホーン『ゴールディ』が好評ですが、本日はカーレン・カーターの80年の3rd『ミュージカル・シェイプス』を。(国内CD WPCR-17236 1,143円+税)

90年代に『ブルー・ナン』(81年作)と2in1で出たくらいで、国内盤はしばらく出ていなかったので、リマスターもされていて嬉しい再発です。

カーター・ファミリーの血筋(義父はジョニー・キャッシュ)であるカーレン・カーター。
79年に結婚(のちに離婚)したニック・ロウが今作のプロデューサーです。
(ニック・ロウ「Cruel To Be Kind」のビデオでは当時のラブラブな2人が見られますね。)

バックはデイヴ・エドモンズ、ビリー・ブレムナー、テリー・ウィリアムズらロックパイルの面々に、ジョン・マクフィ、ショーン・ホッパーなどクローバー(当時)のメンバーも参加しています。

前半は正にロックパイル・サウンド♪ 
女性版ニック・ロウともいえるアレンジと彼女のイキのいい歌声がかっこいいです。

デイヴ・エドモンズとデュエットしたカントリー・ソング「Baby Ride Easy」(ジョニー・キャッシュ&ジューン・カーター夫妻も歌ってます)が息ピッタリで良い感じです。

79年発表1st『純情可憐』(WPCR-17210 1,143円+税)も出ました。東尾沙紀


2016年6月23日(木) ジル・ジャクソン 「Hey Handsome Boy」

一昨日に続いて、<ワーナー・ガール・ポップ・ナゲッツ>シリーズでお付き合いのほどを願っておきます。

『アイ・ウォント・ア・ボーイ~ワーナー・ガール・ポップ・ナゲッツ Vol.7』
(国内CD 解説・歌詞付 WPCR-17097 1,600円+税)

ワーナー・ミュージック・ジャパンが権利を持っているガール・ポップだけで7枚ものコンピレーションCDが出来てしまうのですから凄いとしか言えませんね。

担当の宮治淳一さん、いろいろと御苦労があったと思いますが、みんなが喜ぶものを作っていただき本当にありがとうございます。

さて、『Vol.7』になっても息切れせずにイイ曲が選曲されています。
ワーナー傘下に現在なっているコルピックス、ジュビリー、ディメンション、ロマ、ヴァリアントなどのレーベルからも掘り起こされた全25曲。解説を読みながら聴くと良さが増幅します。

★第3位 リトル・エヴァ「The Trouble With Boys」
シングルB面に収められていたジャック・ケラー&ジェリー・ゴフィン作品。スペクター・ファン必聴!

★第2位 マリアン・エンジェル「It's Gonna Be Alright」
キャロル・キング&ジェリー・ゴフィン作品。マキシン・ブラウン1965年ヒットをイギリス人のマリアンがカヴァー。世界初CD化!

★第1位 ジル・ジャクソン「Hey Handsome Boy」
「ヘイ・ポーラ」で有名なポールとポーラの“ポーラ”ことジル・ジャクソン。1964年発表ソロ・シングル。愛らしい歌声と典型的なアーリー60'sのポップなメロディーが夢見心地にさせてくれます。これも世界初CD化!

なお、先日6月1日に速報でお知らせしたタミコ「Don't Laugh If I Cry At Your Party」は、このVol.7に収録されています。山下達郎が選んだ2015年収穫の1枚です。(レコード・コレクターズ2016年2月号掲載) 森 勉


2016年6月24日(金) ビーチ・ボーイズ 「僕を信じて」(ヴォーカルのみ)

50周年です!

この時期に50周年というと、ビートルズ来日50周年が一般的ですが、今日はビーチ・ボーイズ『ペット・サウンズ』発売50周年記念BOXがテーマです。(国内仕様CD 完全限定盤 UICY-77778 10,000円+税)

先日ご紹介した2枚組デラックス・エディションから1週間遅れて発売になった<50周年記念スーパー・デラックス・エディション>は5枚組。CD4枚にブルーレイ・オーディオが1枚付いています。
縦約32cm×横約25cmのフォト・アルバム仕様のブックレットは48ページ。歌詞・対訳・各曲の参加ミュージシャンなどデータが満載です。ブックレットは輸入盤仕様ですが日本語訳も付いています。

なおCDは4枚ともメイド・イン・ジャパン。
ブルーレイ・オーディオはメイド・イン・EUとなっています。
何故CDだけ日本で作ったんでしょうかね。

さて、スーパー・デラックス盤の聴きどころは色々ありますが、まずは未発表ライヴ音源11曲、そして【スタック・オー・ヴォーカルズ】と題された演奏の無いヴォーカルだけのパートでしょうか。
ビーチ・ボーイズ・ハーモニーの真髄が感じられると思います。

「僕を信じて」(You Still Believe In Me)の後半は寄せては返す波のような幾重にも重なるコーラスが圧巻です。

「素敵じゃないか」も感動のコーラス・ハーモニーが聴けます。
ブリッジ部分のヴォーカル(1分06秒くらいの所)が、オリジナルのマイク・ラブではなくブライアンになっているのは、やはりマイクだけの声を抜き出して作れなかったんでしょうか。ちょっと残念。

1997年発表『ペット・サウンズ・セッションズ』にも収録されていましたが、ディスク3から注目点を3つ。
・11曲目「待ったこの日」はブライアンではなくマイクが、
・12曲目「スループ・ジョン・B」は一番をブライアンではなくカールが、
・23曲目「神のみぞ知る」はカールではなくブライアンが、リード・ヴォーカルを歌っています。森 勉


2016年6月25日(土) The Explorers Club 「Together」

『ペット・サウンズ』50周年記念盤発売に合わせて(?)、ビーチ・ボーイズファンに是非聴いてもらいたいアルバムがリリースされました。

The Explorers Club (エクスプローラーズ・クラブ)『Together』
(国内仕様CD 日本語解説・帯付 BF-50 2,000円+税/輸入盤CD&LPも発売中)

エクスプローラーズ・クラブはサウスキャロライナ出身5人組バンド。
2008年発表1st『Freedom Wind』(
2008年6月5日今日のこの1曲で紹介)、2012年発表2nd『Grand Hotel』(2012年2月19日今日のこの1曲で紹介)は、正統派ビーチ・ボーイズ・フォロワー傑作盤でしたが、約4年ぶり3rdとなる本作も、今まで以上にコーラスを重視して、よりビーチ・ボーイズ愛を感じさせる仕上がり。

『フレンズ』を彷彿とさせるジャケットそのままに、『サーフズ・アップ』や『フレンズ』の頃のような雰囲気+初期ビーチ・ボーイズのポップ・センスを重ね合わせたような全11曲。

カヴァーではなくオリジナル曲、サウンドだけでなくコーラス・ハーモニーへのこだわりもNiceですね。

ブライアン・ウィルソン・バンドのダリアン・サハナジャ、プロヴィン・グレゴリー、ネルソン・ブラッグ等参加。

今日のこの1曲①「Together」で聴けるテルミンのような音は、ブライアン2016年4月来日公演での「Good Vibrations」でテルミン音を出していたプロヴィン・グレゴリーがゲスト参加し鳴らしています。森 陽馬


2016年6月26日(日) モンキーズ 「You Bring The Summer」

モンキーズの2016年新作『グッド・タイムズ!』、国内盤CDが先日発売になりました。
(国内CD 国内盤ボーナス・トラック追加 解説・歌詞・対訳付 WPCR-17267 2,200円+税)

今年でデビュー50周年♪
ミッキー・ドレンツ、ピーター・トーク、マイク・ネスミスが再集結した新作は、楽曲もメンバーの歌声も素晴らしい1枚!

メンバー作による新曲、豪華な作家陣による書き下ろし曲、60年代の録音に新たに手を加えたもの等、盛り沢山な内容です。

アダム・シュレンジャー(ファウンテンズ・オブ・ウェイン)がプロデュース。
アンディ・パートリッジ(XTC)、リヴァース・クオモ(ウィーザー)、ノエル・ギャラガー&ポール・ウェラー、ベンジャミン・ギバート(デス・キャブ・フォー・キューティー)等が個性を出しつつ、それぞれ上質なポップ・ソングを提供。

ボイス&ハート作、ハリー・ニルソンとミッキーによる時を越えたデュエット、ゴフィン&キング作(バックはレッキングクルー)の音源に新たに歌を入れたもの、デイヴィー・ジョーンズの60年代のヴォーカルと新緑コーラスとの共演も聴きどころです。

今日の1曲は、夏も近いという事で、アンディ・パートリッジ作の爽やかな「You Bring The Summer」を。
(演奏陣にはファウンテンズ・オブ・ウェインのメンバーやマイク・ヴァイオラが参加)
国内盤ボーナス・トラックには、アンディ作「Love's What I Want」も追加収録されています。

山田順一さんによる詳細な解説付。
おまけのミニステッカーも入っています。東尾沙紀


2016年6月27日(月) ニール・ヤング 「Seed Justice」

「うわぁ~、やっちゃったなぁー...」

ニール・ヤング2016年発表新作『EARTH』。
最初に聴いて思った正直な感想がコレです。

Neil Young『EARTH』
(輸入CD REPRISE 2-554514/国内盤は7/27発売予定)

『EARTH』というタイトル、そして新譜案内書の<最新ライヴ音源にスタジオでオーヴァーダブを施した作品>という記述からして嫌な予感がしていましたが、実際に聴いたら思わず苦笑してしまいましたね。

ライヴ音源自体は、2015年作『モンサント・イヤーズ』からタッグを組んでいるPROMISE OF THE REAL(ウィリー・ネルソンの息子2人が在籍しているバンド)をバックに従え行っているライヴなので、“今”のニールが知れて良いのです。(名曲「After The Gold Rush」、「Human Highway」や「Hippie Dream」とか懐かしい曲もやっているし)

驚愕すべき点は、鳥&動物の鳴き声、蠅or蜂の飛ぶ音、風が吹く音等、地球(EARTH)の音をライヴ音源中にミックスしていること! 曲間だけでなく曲中・歌の節々含め随所にその自然音を強引にインサート!

良き妻だったペギさんと離婚し、現在は環境運動に熱心な女優ダリル・ハンナと連れ添っている影響でしょう。

「動物が出す音はキーが全て合っていて完璧。動物の音程は今回の録音で全く調整していないんだよ!」
と胸を張って豪語するニール!
自慢するところソコかよ!とツッコミたくなる彼らしい荒技タップリな1枚なのです。

こんな作品ですが冒頭の感想と共になんだかなーと思って真夜中聴いていると、深夜0時まで野外で延々と演っていた伝説のフジロック公演が思い出されて味わい深くなってくるから不思議。(って俺だけか)

更にはディスク1の2曲目「Seed Justice」。

♪I won't Quit!♪「俺は止めねえぞ!」と連呼されるこの新曲! かっこいい!!
(でも、動物の鳴き声&蠅or蜂の飛ぶ音がなぁ...。これ必要?)

なんだかよくわからないレビューになっちゃいましたが、まあとにかく僕が言いたいのはですね、
あれもこれもひっくるめて、やっぱりニール・ヤング最高!! 森 陽馬


2016年6月28日(火) ラスカルズ 「ア・レイ・オブ・ホープ」(希望の光)

ラスカルズのリーダー、フェリックス・キャヴァリエが6年ぶりに来日します。

2016年7月26日
コットンクラブ、7月28日、29日、30日ブルーノート東京です。

チケット代金は8,800円。
全米No.1ヒットを3曲も出したアーティストにしては良心的な価格でうれしいです。

ハモンド・オルガンを弾きながら、これぞブルー・アイド・ソウルというヴォーカルを聴かせてくれたラスカルズ時代と同様に、現在でもライヴ活動を続けているキャヴァリエ。

観た人たち皆が興奮し、シビれ、満足感を味わえた前回(2010年9月ソロ初来日 
2010年9月8日今日のこの1曲参照)以上のライヴが期待できそうです。

ラスカルズのヒット曲オンパレードとR&Bカヴァー、そしてそれらの曲に織り込まれるソウル&ロックのスタンダード名曲をキャヴァリエが巧みに歌ってくれます。
楽しみだなぁ~。

今回は「A Ray Of Hope」(希望の光)、歌って欲しいな。
1969年発表アルバム『フリーダム・スイート』(自由組曲)より。森 勉


2016年6月29日(水) ジョニー・ティロットソン 「涙くんさよなら」

今から50年前の1966年6月29日は、ビートルズが来日した日だったそうです。

この半世紀の間に、音楽を取り巻く環境は大きく変化しました。

音楽の聴き方・接し方もどんどん変わってきていますが、音楽を聴いた時の感動や胸の高鳴りは、時代を経ても人の心に残っているのでは、と思って(願って)おります。

さて、そのビートルズが来日する1年前、1965年に日本で大ヒットしたのがこの曲。
ジョニー・ティロットソン「涙くんさよなら」。

「ポエトリー・イン・モーション」など1960年代前半多くのヒット曲を出したジョニー・ティロットソンが、浜口庫之助氏作詞・作曲、坂本九歌唱のこの曲を英語詞(英題:Goodbye Mr.Tears)及び日本語で歌ってカヴァー。
オリジナル以上にヒットさせました。

ジョニー・ティロットソンが歌う日本語の巧みさもさることながら、この時代のおおらかさ、音楽の純粋さが伝わってきますね。

このような外国人(ハーフ含む)が日本語で歌った楽曲を集めた面白い企画のコンピCDが発売されました。

『昭和カタコト歌謡曲<男声編>』
(国内CD COCP-39524 2,200円+税)

古くは1930年代のバートン・クレーンから、1980年代エマニエル坊やの「シティ・コネクション」、初CD化となるブルース・バウアー「ラ・ラ・ソング」「ブルースのメニュー」、マリオ・ランディ「お市流れ旅」等全20曲収録。

ちなみに、このシリーズの<女声編>も同時発売されました。
そちらもいつか取り上げたいと思っております。森 陽馬


2016年6月30日(木) ハイ・ローズ 「シリー・ボーイ」

『ワーナー・ガール・ポップ・ナゲッツ』シリーズに続いて、『ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツ』シリーズを紹介したいと思います。

Vol.1からVol.4まで今回は4種類出ました。
ドゥワップ、ロックンロール、ティーンポップ、R&B、インストなど色々なジャンルで語られてしまうかもしれない楽曲を『ポップ・ロック』という言葉でまとめ、さりげなく聴かせてくれる監修者の選曲魂が感じられます。
ガール・ポップものに匹敵するイイ曲が各CDに散りばめられています。

今日はまず『マジック・タウン~ワーナー・ポップ・ロック・ナゲッツVol.1』からいってみましょう。
(国内CD 解説・歌詞付 WPCR-17098 1,600円+税)

前回と同じように、収録曲全25曲からファースト・インプレッションで選んだベスト3をご紹介。

第3位 デイヴィッド・ジョーンズ「This Bouquet」
モンキーズ加入前のデイビー・ジョーンズ。1965年全米93位のシングルB面曲。
ゲイリー・ルイス「ディス・ダイアモンド・リング」に影響を受けた歌詞とキラキラ・サウンド。

第3位(同率) ジェイムス・ダーレン「Where Did We Go Wrong」
知られざるシングル曲、世界初CD化!
トニー・ハッチ作、ジーン・ペイジ編曲、ディック・グラッサープロデュースで文句なし!

第2位 ドリームラヴァーズ「You Gave Me Somebody To Love」
グッとくる楽曲。それもそのハズ、アンダース&ポンシアにジェリー・ロスが絡んでいます。

第1位 ハイ・ローズ「Silly Boy」
1950年代から活躍のジャズ・コーラス・グループ、ハイロウズ。
1963年発表シングル・オンリーの珍しいポップ・チューン。女性コーラスは誰? 森 勉




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



トップページ