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  今日のこの1曲 “Archives”

<2018月1月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2018年1月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2018年1月1日(月) Bill Haley and His Comets 「Two Hound Dog」

2018年/平成30年戌年が始まりました。
PET SOUNDS RECORDを今年もよろしくお願い申し上げます。

2017年大晦日東京では雪が散るほど寒い1日でしたが、2018年お正月は雲一つない青い空。
清々しい日和でしたね。

店を開ける前、初詣へ行きましたが、例年よりも犬を連れている人が多かったような。
今年はいつも以上に"ワン"ダフルな1年にしたいですね。

ということで、戌年最初の今日のこの1曲は、犬をテーマにした曲を集めたコンピから"DOG"が付くこの曲を。

Bill Haley and His Comets「Two Hound Dog」
V.A『MAN'S BEST FRIEND ・ A CANINE CORNUCOPIA』(輸入CD Jasmine JASCD-952)より

ロックン・ロールの祖、ビル・ヘイリーが1955年Deccaからリリースしたシングル「Razzle-Dazzle」のB面曲。
バック・メンバーによる掛け声♪Hound Dog♪がゴキゲンなロックン・ロール・ナンバー。

翌年1956年エルヴィス・プレスリーが「Hound Dog」(リーバー&ストーラー作/ビッグ・ママ・ソーントンのカヴァー)を大ヒットさせていますが、ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツによるこちらのハウンド・ドッグもお忘れなく。森 陽馬



2018年1月2日(火) FIRE & RAIN 「Hello Stranger」

FIRE & RAINといえば、「僕は炎も雨もくぐり抜けてきたんだ」の歌詞で知られるジェイムス・テイラー1970年発表名曲「Fire & Rain」が有名ですね。

今日紹介するFIRE & RAINは、The Grodes(ザ・グローデス)というバンドに在籍していたManny Freiser(マニー・フレイザー)とその奥方Patti McCarron(パティ・マカロン)によるユニット名。
今作は彼らの1972年発表1stアルバムになります。

FIRE & RAIN『FIRE & RAIN』
(国内仕様CD 日本語解説付 VSCD-5756 2,700円+税)

ユニット名、発表時期、そしてジャケット・イメージそのままに、1970年代シンガー・ソングライターブームを象徴するような1枚。

バックのサウンドはレッキング・クルーの面々が演奏。
ハル・ブレイン、ジム・ゴードン、アル・ケイシー、ディーン・パークス他、若きジェイ・グレイドン、デヴィッド・フォスター、デヴィッド・ペイチ等による耳ざわりの良い音を70'sアレンジで聴かせます。

オリジナル曲やジェファーソン・エアプレイン「Somebody To Love」カヴァーも収録されていますが、今日のこの1曲は2017年アカデミー受賞映画『ムーンライト』で印象的に使われたバーバラ・ルイス「Hello Stranger」カヴァーを。森 陽馬



2018年1月3日(水) RHEAD BROTHERS 「Love's A Crazy Game」

2017年末は良質な珍しい再発盤が色々出ました。

その中でも気に入ってよく聴いているこの1枚。

RHEAD BROTHERS(リード・ブラザーズ)『Black Shaheen』
(国内CD 完全限定紙ジャケット仕様 金澤寿和氏監修・解説付 PCD-17766 2,700円+税)

英国出身ミュージシャン、ジョン&スティーヴ・リード兄弟によるユニット、リード・ブラザーズ。

1977年発表1stアルバム『Dedicate』が以前CD化されたことがありましたが、今作『Black Shaheen』は1978年制作・完成しながらも市場に出回ることがなかった幻の2ndアルバムになります。

アレサ・フランクリン等ソウルフルな名作を多数輩出したフェイム・スタジオで知られる米国マッスル・ショールズ録音。
しかしながらバック・メンツにはメル・コリンズやマックス・ミドルトン等UKジャズ・ロックのミュージシャンが参加。

どんな作品なのか...と思いきや、これがまさに<ライト・メロウ>な素晴らしい仕上がり!
メロウAORファンは必聴の1枚ですね。

今日のこの1曲はメロウ・グルーヴなB面1曲目(CDは5曲目)「Love's A Crazy Game」を。森 陽馬



2018年1月4日(木) Chris Thile 「Thanks For Listening」

喜び、怒り、哀しみ、そして楽しむ心。

音楽に込められた作り手の感情には様々な想いがあるのだろう。

今日紹介するこのアルバムからは、音楽を届ける喜び、そして感謝する気持ちが伝わってくる。

Chris Thile『Thanks For Listening』
(輸入CD NONESUCH 564711-2)

アメリカーナの今を象徴するバンドPunch Brothers(パンチ・ブラザーズ)に在籍。
素晴らしいマンドリン奏者/男性シンガー・ソングライター、クリス・シーリー。

アメリカ老舗ラジオ番組『A Prairie Home Companion』にて、彼が毎週新曲を発表するというコーナーがあり、その楽曲を新たにレコーディング・編曲したものをまとめたのが2017年12月発表の今作だ。

Sarah Jarosz(サラ・ジャローズ)、Aoife O'Donovan(イーファ・オドノヴァン)、Gaby Moreno(ギャビー・モレノ)がゲスト参加。
伝統的なアメリカン・ルーツに固執することなく、やさしい眼差しで紡ぎあげたポップで美しい全10曲。

憎しみや悲しみからは何も生まれない。
湧き出るような温もりが、乾いた心へ静かに訴える。

窓間から差し込む一筋の陽射し、そんな素敵な1枚だ。森 陽馬



2018年1月5日(金) Mamas Gun 「On The Wire」

2015年発表の1st『West End Coast』が当店でも好評だった、現代のウエスト・コースト・ロック/AOR2人組ユニット、ヤング・ガン・シルヴァー・フォックス。(2015年10月8日今日のこの1曲で紹介)
それ以降ちょこちょこと発表されている新曲がこれまた素敵で、次回作への期待が高まっています。

ヤング・ガン~の動向も気になりますが、今ユニットのメンバー、アンディ・プラッツの母船であるUKソウル・バンド、ママズ・ガンが、2017年12月日本先行で新作をリリースしました。

Mamas Gun 『Golden Days』
(国内CD 解説付 PCD-24685 2,400円+税)

3年ぶり4作目となる新作は、ロックぽさも目立った今までの作風とはまた違い、メロディの良さはそのままに生音を重視したヴィンテージ感ある仕上がりに♪
音や楽曲から今まで以上に60~70年代ソウル・ミュージック/ポップスへのリスペクトがひしひしと伝わってきます。

今日の1曲はバッキンガムズ版「マーシー・マーシー・マーシー」イントロを想起させる「On The Wire」を。

ヤング・ガン~の相方ショーン・リーが、今作のミックスを手掛けています。

宮子和眞氏が今作のライナーノーツの冒頭で、ママズ・ガンのライヴの楽しさについて書かれていますが、新作を引っ提げての来日公演も間近!ビルボードライヴ大阪(1月31日)/東京(2月1日)で行われる予定です。東尾沙紀



2018年1月6日(土) サニー&ザ・サンライナーズ 「Should I Take You Home」

サニー・オズーナを中心にテキサス/サンアントニオで結成されたサニー&ザ・サンライナーズの貴重な音源を集めたCDが出ました。

1966年から1972年にKey-Loc(キーロックなんてプロレスのオールドファンには懐かしいワザのレーベルですね)というレーベルから出た全15曲が収められています。

サニー&ザ・サンライナーズ『Mr.ブラウン・アンド・ソウル』
(国内仕様CD 英文ライナー和訳&日本語解説付 BG-5216 2,400円+税)

チカーノ・ソウルと呼ばれる彼らの音楽は、スウィート・ソウルにラテン風味を加えてポップに仕上げた心地良いサウンドです。

チカーノという言葉はテキサス出身メキシコ系アメリカ人のことを指すそうで、イーストL.A.にコミュニティーが出来上がったことにより、そこから色々な音楽が発信されて60~70'sはエルチカーノのようなその名もズバリなグループが活躍していました。

サニーのハスキーでソウルフルなロマンティック・ヴォイスはミディアム・バラードにぴったりで、そんな曲が大半を占めているこのCDは、目下一番よく聴いているCDになっています。

ルビー&ザ・ロマンティックス「Our Day Will Come」、フラミンゴス「I Only Have Eyes For You」、リトル・アンソニー&インペリアルズ「Outside Looking In」、シャイライツ「Give It Away」、ビリー・スチュワート「Cross My Heart」等カヴァーもいい感じですが、今日はオリジナル曲「Should I Take You Home」を。

サニーのヴォーカルにコーラスが絡み、素朴ながら雰囲気ある演奏が極上のグルーヴ感を届けてくれます。森勉



2018年1月7日(日) BIMBAMBOOM (ビンバンブーン)「Shinzo BakuBaku Ochokochoi」

「この店にあるCDは全部聴いているのですか?」
「発売されている音楽はほとんど知っている?」
とお客様から時々聞かれることがありますが、いやいや、全然そんなことないのです。

全部を聴くことはできないですし、知らないことばかりなのでお客様から教えていただくことが多いですね。

このアーティスト&アルバムも2017年末お客様からの問い合わせで知った1枚。

BIMBAMBOOM(ビンバンブーン)『SHINZO BAKUBAKU』
(国内CD APWA-0021 2,000円+税)

BIMBAMBOOMはドラマー山口美代子(detroit7)を中心とした日本人女性インスト・ファンク・バンド。
2016年6月1st『TIGER ROLL』を発表。FUJI ROCKや中津川THE SOLAR BUDOKAN等にも出演。
今作『SHINZO BAKUBAKU』は2017年10月発売2ndアルバムになります。

ニューオリンズ・ファンク、メンフィス・ソウルのグルーヴを抽出し、よりアグレッシヴに表現したような全9曲。
初期Galacticのような勢いがあって凄くかっこいい!

「Soul Finger」含めた「The Bar-Kays Medley」も聴きものですが、今日のこの1曲はロックでパンクでファンキーな爆走オリジナル・ナンバー「Shinzo BakuBaku Ochokochoi」を。森 陽馬



2018年1月8日(月) Eddie Mottau 「Ballad Of A Traveling Woman」

寒々しいはずの雪景色も、手をつないで歩く親子の姿があるだけでなんだかあたたかな気持ちになります。
素敵なジャケット写真に惹かれ聴いた今作で奏でられる音と素朴な歌声からも同じく、あたたかな空気感が伝わってきます。

エディ・モトウ 『ノー・ターニング・アラウンド』
(国内仕様CD 日本語解説付 VSCD-5737 2,700円+税)

エディ・モトウは、ボストン出身の男性シンガー/ギタリスト。
60年代後半フェリックス・パパラルディのプロデュースの下、2枚のアルバムを残したボ・グランパスほか、70年代はセッション・ミュージシャンとしても活動し、有名なところですとジョン・レノン『心の壁、愛の橋』、『ロックンロール』へのギター参加があるそうです。

73年発表のソロ1作目である今作は、ノエル・ストゥーキー(PP&M)プロデュース、フェリックス・パパラルディ、ジャズのサックス奏者ジェリー・マリガン、ポコのラスティ・ヤングなどが参加。

南部的な武骨さもありつつ、ストリングスやピアノを交えたバラードが耳に残ります。
派手さはありませんが、聴く人の心に火を灯してくれるような美しいメロディが詰まった1枚。

今日の1曲は、ラスティ・ヤングのペダル・スティールがフィーチャーされた「Ballad Of A Traveling Woman」を。東尾沙紀



2018年1月9日(火) Carlos Aguirre Trio 「Hiroshi」

今日から2018年仕事始め、新学期の始まり、という方が多かったようですね。
皆さんは年始いかがお過ごしでしたでしょうか。

武蔵小山の新年は例年以上に開いている店が多く、天気が良かったこともあり賑わっていました。
商店街は新しいチェーン店が増えて、買い物や生活は便利になってきています。

でも、自慢亭やかんだ屋(惣菜店)等のような老舗店が閉店したのは寂しいですね。
年始の独特な静寂が好きだったりしたのですが、最近は平日昼間の方がかえって静かに感じるような。

今日のこの1曲はそんな静寂が似合う1枚から。

カルロス・アギーレ・トリオ『Calma』
(国内CD 日本語解説&本人による各曲コメント付 RCIP-267 2,500円+税)

アルゼンチンのピアニスト/編曲家カルロス・アギーレ。
当店でもロングセラーのコンピCD『バー・ブエノスアイレス』シリーズに収録されていることが多いですね。

その彼の約6年ぶり新作アルバムはフェルナンド・シルヴァ(B)&ルチアーノ・クヴィエージョ(Ds)とのトリオ作。
アルゼンチンの雄大な自然と穏やかな風を感じさせるCalma(平穏・静けさの意)な音楽を聴かせます。

3曲目「Hiroshi」は、アギーレ自身が「もう一つの家族」と呼ぶ日本の友人へ捧げた静かで優しいナンバー。

ちなみに、このカルロス・アギーレが1月12日武蔵小山へ来るのです!
(武蔵小山駅から徒歩10分ほどの場所にあるスクエア荏原ひらつかホールにて19時開演。)

遠路はるばるアルゼンチンから武蔵小山へ。なんだかうれしいですね。森 陽馬



2018年1月10日(水) 大貫妙子 「街」

近年はアナログ・ブームと言われていますね。

実際にここ10年でアナログ・レコードの国内生産が最も低調だった2009年に比べ約8倍になっているとのこと。
当店でも20~30代の若い世代の方が購入される機会が増えてきました。

先月2017年12月には色々なアナログ新譜が出て、個人的にも欲しい盤がたくさんあり目移りしてしまいます。
その中からアナログで持っていたいオススメこの1枚。

大貫妙子『Grey Skies』
(国内LP CRJ-1013 3,500円+税)

2017年夏TV番組『Youは何しに日本へ?』で注目された大貫妙子1977年発表ソロ2nd『SUNSHOWER』。
アナログ盤も再プレスされ大ロングセラーとなりました。(
2017年9月19日今日のこの1曲で紹介)

その『SUNSHOWER』気に入った方には、1976年発表ソロ1st作『Grey Skies』も是非聴いていただきたいですね。

シュガー・ベイブ時代からライヴで歌われていた「愛は幻」や「約束」は山下達郎がアレンジを手掛け、他楽曲にはティン・パン・アレー(細野晴臣、鈴木茂、林立夫、佐藤博)、坂本龍一、中野督夫、かしぶち哲郎他が参加。

「時の始まり」、「街」はシュガー・ベイブの2ndアルバムが出ていれば収録されていたのでは、と言われています。

今日のこの1曲は、ニック・デカロ『イタリアン・グラフィティ』やマイケル・フランクス『アート・オブ・ティー』にも通じる穏やかで暖かな音感が、彼女のピュアな歌声と融合した名曲「街」を。森 陽馬


2018年1月11日(木) 吉田美奈子 「夢で逢えたら」

大瀧詠一がプロデュースを手掛けたシリア・ポール1977年発表名作『夢で逢えたら』が3/21再発されます。


4CD+2LP+2EPの豪華8枚組限定VOXと2枚組CD通常盤の2種類。
限定VOXは内容充実で予約特典も! プレス枚数が限られているのでお早めにどうぞ。

さて、そのシリア・ポールと同時発売されるこちらのコンピレーション・アルバムも大注目です。

EIICHI OHTAKI Song Book Ⅲ 大瀧詠一作品集Vol.3『夢で逢えたら』(1976~2018)
(2018年3月21日発売 SRCL-9693 3,980円+税)

全曲「夢で逢えたら」!
様々なアーティストがカヴァーした大瀧詠一作「夢で逢えたら」を集めたオムニバスCDです。

当初3枚組CDの予定でしたが4枚組CDに!
一番最初に歌われた吉田美奈子さんのヴァージョンから、最新のカヴァーまでまとめた画期的なコンピ!

これは凄いですねー。夢の中でも「夢で逢えたら」が聴けそうな4CDとなりそうです。

このコンピに自分の知らない「夢で逢えたら」がたくさん入っていますが、現時点で一番好きな吉田美奈子さんによるオリジナル・ヴァージョンを今日のこの1曲に。森 陽馬



2018年1月12日(金) ビーチ・ボーイズ 「ガール・ドント・テル・ミー」

2018年のビーチ・ボーイズ始めは何にしようかな...といろいろ物色したところ、この曲にしました。

「ガール・ドント・テル・ミー」。
1965年7月発表『サマー・デイズ(アンド・サマー・ナイツ)』A面5曲目、ブライアン・ウィルソン作詞・作曲による曲です。

この曲はブライアンがビートルズを意識して作った曲と言われていますが、決して本気を出して作ったわけではなく、ほんの軽い気持ちでちょちょいと作り録音したものではないかと思います。練っている時間がなかったのかもしれませんね。

1965年、ビーチ・ボーイズは3枚のアルバムと5枚のシングルを発表し、ブライアンはコンサートには参加しなくても多忙を極めていました。
そんなこともあって、気分転換の1曲とも考えられます。

この「ガール・ドント・テル・ミー」はスタジオ・ミュージシャンを使わずにメンバーだけで演奏をしています。
また、この曲にはビーチ・ボーイズならではのコーラスも入っていません。

ブライアンが誰かに提供しようと思っていた曲で、デモテープとも考えられなくもないという感じ。
ですが、なんとも心惹かれる曲なのです。

リード・ヴォーカルはカール・ウィルソン。
初めてのリード・ヴォーカル曲!

この後、「ガール・ドント・テル・ミー」
→「ゴッド・オンリー・ノウズ」
→「グッド・ヴァイブレーションズ」と、1年ほどでヴォーカリストとして大成長を遂げるカールの初々しいヴォーカルがいとおしいのだなぁ。森 勉



2018年1月13日(土) ザ・ナショナル 「Day I Die」

山田稔明さんが2017年ベストに選出し、<R.E.M.の後継者>と評しているこの1枚。

ザ・ナショナル『Sleep Well Beast』
(国内CD ボーナス・ディスク付2枚組CD 解説・歌詞・対訳付 4AD0020CDJP 2,500円+税)

The Nationalはオハイオ州シンシナティで1999年結成し、ブルックリンを拠点に活動している男性5人組バンド。
今作『Sleep Well Beast』は彼らの7枚目となる2017年発表オリジナル・アルバムです。

現代アメリカが抱える暗部、人々の心に巣食う闇、退廃的な感情を幻想的な音世界で描いたロック作。

ヴェルヴェット・アンダーグラウンドから連なるニューヨークの空気感。
R.E.M.にも通ずるアーティスティックな詩世界とサウンド・センス。

フリート・フォクシーズやボン・イヴェールとはまた違った質感で不思議な夢を見させてくれる作品です。

♪僕が死ぬ日、僕が死ぬ日、僕らはどこにいるんだろう?♪
とサビで連呼される②「Day I Die」を今日のこの1曲に。森 陽馬



2018年1月14日(日) 比屋定篤子 「夫婦善哉」

2017年でデビュー20周年を迎えた女性シンガー、比屋定篤子。

故郷那覇を拠点にライヴ活動を続け、10年ぶりに発表された2017年発表アルバム『風と鱗』。
今冬のリリースながら、一足先に南国の穏やかな風を運んできてくれるような1枚です。
(国内CD HRBR-007 2,315円+税)

流線形とのコラボ作(2009年)、クニモンド瀧口選曲によるソニー時代ベスト盤(
2016年11月22日今日のこの1曲で紹介)など、近年シティ・ポップファンの間でも再評価著しい比屋定さん。

今作はサウンド・プロデュースに千ヶ崎学(KIRINJI、ロンサム・ストリングス)を迎え、彼女のルーツの一つであるブラジル音楽をベースとしたアコースティック中心の作品となっています。

懐かしい東京の風景、沖縄、夫婦、母と子、季節毎の匂い...日々の暮らしからうまれた様々な想いが、まっすぐ丁寧に歌われています。

スタジオver.としては初収録となる金延幸子作曲「カサカサジンジン」、ライヴでは御馴染みというキリンジ名曲「エイリアンズ」カヴァー、子どもを見つめる母の心情を生々しくも優しい視点で描いた堀込高樹(KIRINJI)作詞による「みんなはできた君はできない」など全11曲。

今日の1曲は、今作にギターで参加している笹子重治作曲&アレンジによる「夫婦善哉」を。
軽やかなギター&懐かしいメロディに乗せられる詞には、相容れないでも離れられない妻(女性)のちょっと切ない気持ちが綴られています。(あるドラマからインスパイアされたそう。ちょっと昭和の世界観?)

2月下旬から3月初めにかけて、笹子さんとのデュオで名古屋・関東圏を回るリリース・ツアーも予定されています。
比屋定篤子さんのHPを是非チェックしてみてください。東尾沙紀


2018年1月15日(月) Peggy Lee 「Black Coffee」

日々の小さな楽しみ、ささやかな贅沢。

僕の場合は、郵便局へ行った帰りにコーヒー店Amameria Espresso(アマメリア・エスプレッソ)へ寄り、美味しいコーヒーをテイクアウトすることです。

この店で焙煎され淹れられる珈琲は本当に美味しい!
郵便局へ行った帰り、仕事の合間に温もり伝わる1杯。ホッとしますね。

ということで、今日のこの1曲はコーヒーの定番曲、ペギー・リー「Black Coffee」を。
(掲載ジャケットは「Black Coffee」収録ベスト盤 国内CD UICY-1534 1,748円+税)

「Black Coffee」はPaul Francis Webster作詞、Sonny Burke作曲による1948年作。
♪あなたに逢いたくて、寂しくて、コーヒーを飲み続けている♪というブルージーな失恋ソング。

最初に録音したのはサラ・ヴォーンですが、ペギー・リーが1954年録音したのが一番有名。
ジャズ・スタンダードとしてジュリー・ロンドンやエラ・フィッツジェラルド等多くの人に歌われています。森 陽馬



2018年1月16日(火) 折坂悠太 「口無し」

その佇まい、その言葉、そしてその歌声。
聴く者をハッとさせる1989年鳥取生まれの男性吟遊詩人、折坂悠太。

寺尾紗穂さんと同様に、僕が末永く聴き続けたいと思っている注目のシンガー・ソングライターです。

そんな彼の2018年作『ざわめき』が本日入荷しました。

折坂悠太『ざわめき』
(国内CD ORSK-003 1,500円+税)

絵を描くように書かれた詩世界を、唯一無二の民謡のような声色で表現していく全5曲。

今日のこの1曲は、寺田燿児(B)、青野慧志郎(Clarinet)、飯島はるか(P)、田中久仁彦(Dr)、井手健介(Syn)、葛西敏彦(Syn)によるバック演奏と歌とのアンサンブル・間が印象的な3曲目「口無し」。

聴き重ねていくうちに、歌の奥底から何かしらが訴えかけてくる不思議な魅力を持っています。
まさにそれこそが<ざわめき>なのかも。森 陽馬



2018年1月17日(水) Colin Steele Quartet 「The Umbrellas Of Shibuya」

今日は久々の雨でした。
傘を持って家を出るのは久々だなぁと思いながら、ふとパールフィッシャーズの「The Umbrellas Of Shibuya」という曲が頭に浮かびました。

パールフィッシャーズは、グラスゴー出身デヴィッド・スコットによるギター・ポップ・ユニット。
「The Umbrallas Of Shibuya」は2007年発表5作目『Up With The Larks』に収録されています。
曲名に<渋谷>というのもありますが、センチメンタルなメロディが耳に残る、アルバムの中でも特に好きな1曲です。

この曲をはじめ、パールフィッシャーズの1stから最新作(2014年)までの楽曲を、ジャズ・アレンジでカヴァーした作品が2017年にリリースされています。

コリン・スティール・カルテット『ダイヴィング・フォー・パールズ』
(輸入国内仕様CD MA82CDJ 2,100円+税)

パールフィッシャーズとのセッション経験もあるスコットランド・エジンバラ出身男性トランペット奏者コリン・スティールをリーダーとしたピアノ、ダブル・ベース、ドラムのカルテット。

オリジナルはバカラック風のインスト「The Vampires Of Camelon」、最新作(2014年)からの「You'll Never Steal My Spirit」、ウィンター・アルバムから「Ice Race」と「Snow On The Pines」など全10曲。

ふくよかなトランペットと、ときにドラマチックなピアノ・・・パールフィッシャーズを知ってる方は勿論、シンプルなジャズ・アルバムとしても楽しめる1枚です。東尾沙紀



2018年1月18日(木) レモン・パイパーズ 「グリーン・タンブリン」

2018年から50年前の1968年1月。
今でもとても印象に残っている曲が大ヒットしていました。

レモン・パイパーズ「グリーン・タンブリン」です。

オハイオ州で結成された5人組のレモン・パイパーズというよりは、この曲のソングライターであり、プロデューサーでもあるポール・レカの個性が光っている曲だと思います。

まず、エレクトリック・シタールのなんとも不思議な響き。
当時はどんな形の楽器かもわからなかったのですが、今までになかった感じの音にノックアウトされました。
(初めてエレクトリック・シタールを見たのは、スパイダース「黒ゆりの詩」が歌われていた1968年9月頃テレビでだったと思います。普段はキーボード担当の大野克夫が弾いていました。)

他の楽器のアンサンブルやストリングス、そしてエンディングの皮をゆるめに張ったようなタイコの音も実に効果的に耳に届いてきます。大胆なエコー/ディレイ処理もサイケ色を増幅してくれています。

近年はソフト・サイケのジャンルの名曲中の1曲として取り上げられるようですが、当時は1910フルーツガム・カンパニーでも話題になったブッダ・レーベル所属だったので、<バブルガム・ミュージックの旗手!>というキャッチ・フレーズも付いていました。森 勉


★掲載ジャケットはレモン・パイパーズ『レモン・パイパーズ・ベスト』
(国内CD 日本編集盤 解説・歌詞・対訳付 BVCM-35299 1,800円+税)
2017年12月29日今日のこの1曲で紹介した『DJ糸居五郎 黄金のレイディオ・ヒッツ ゴー・ゴー・ゴー!Vol.2』にも収録されています。



2018年1月19日(金) ERIN BODE 「These Days」(邦題:青春の日々)

1/18、19は近隣の中学校在学生による職場体験実習があり、当店へも中学2年生1名に来ていただきました。

初めての慣れない環境・接客・仕事内容にも関わらず、最後まで笑顔で頑張ってくれてうれしかったですね。
CD・レコード店で仕事をしてみたい、という若い世代の方がいらっしゃるのは本当にありがたいな、と。

自分が中学2年生の時なんて、志も何もなく、ただひたすらファミコンやってたような、、、。

将来の職業はどうあれ、これからも良い音楽をたくさん聴いて、感受性豊かな人になってもらいたいですね。

さて、今日のこの1曲はジャクソン・ブラウン名曲「These Days」(邦題:青春の日々)カヴァーを。

エリン・ボーディー『HERE & NOW』
(国内CD 渡辺享氏による日本語解説付 RPOZ-10033 2,500円+税)

ERIN BODE(エリン・ボーディー)はアメリカ/ミネソタ州出身女性シンガー。
今作は2016年ナッシュビル録音、ヴィクター・クラウス(アリソン・クラウスの兄)によるプロデュース。

ヴァン・ダイク・パークス作ブライアン・ウィルソンが歌っていたことでも有名な「Orange Crate Art」、リッキー・リー・ジョーンズ「On Saturday Afternoons In 1963」、ポール・サイモン「How The Heart Approaches What It Yearns」、ジェリー・ラファティー「Whatever's Written In Your Heart」等も今作でカヴァーしています。森 陽馬



2018年1月20日(土) 荒井由実 「生まれた街で」

ひさしぶりにユーミンが聴きたい気分ということで、1974年10月発売されたセカンド・アルバム『ミスリム』を今日の題材にしたいと思います。

荒井由実『ミスリム』
(国内CD TOCT-10712 2,381円+税)

前年出たファースト・アルバム『ひこうき雲』も大好きになったアルバムでしたが、この『ミスリム』も何回も何回も繰り返し聴いた自分の中での大ベストセラーでした。
(この1974年、ユーミン人気はまだ一般的ではなく知る人ぞ知るという感じでした)

『ひこうき雲』と『ミスリム』は共にバックはキャラメル・ママが担当して、ユーミンの詞曲の世界を最良の形に色付けしてくれています。

ほぼ同じテイストで制作されている2枚のアルバムですが、違う点をあげるとするとコーラスではないでしょうか。

『ミスリム』に収録の10曲中5曲に山下達郎アレンジによるコーラスが配されていて、それが新しいユーミン楽曲の魅力になっていたと思います。
ミュージシャン・クレジットに<background vocals:Sugar Babe>という文字を初めて見た時は、とても感激した憶えがあります。シュガー・ベイブがまだレコード・デビューする前のことです。

もちろん、ユーミン初期ならではの素朴なきらめきも感じられる飾り気のないヴォーカルもすてきです。

「生まれた街で」、「瞳を閉じて」、「12月の雨」、「あなただけのもの」、「たぶんあなたはむかえに来ない」の5曲がコーラス・アレンジを山下達郎が行い、自らも参加しています。森 勉



2018年1月21日(日) トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ 「雨の日の女」

1月22日(月)はアゲインにてPET SOUNDS RECORD企画による天辰保文氏トーク・イベントを開催予定です。
第9回目となる『Talking Man』、今回はトム・ペティ特集!

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2018年1月22日(月)
PET SOUNDS RECORD presents
天辰保文 Talking Man Vol.9 トム・ペティ特集
ライヴ・カフェ アゲイン(武蔵小山)
18時半開場 19時半開演 入場料1500円
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2017年10月急逝したトム・ペティの魅力を天辰保文氏に語っていただきます。
僕自身とても楽しみにしているのですが、雪で交通機関に影響が大きな影響が出る可能性もございます。
不明な点ございましたら当店かアゲインへお電話でご確認くださいませ。

ちなみに、僕がトム・ペティの動く姿を初めて見たのはこのライヴ映像だったと思います。

『ボブ・ディラン30周年記念コンサート』
(国内CD SICP-30550 3,600円+税/国内Blu-ray SIXP-16 5,700円+税)

1992年10月16日ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで行われたディランデビュー30周年記念コンサート。
ジョージ・ハリスン、ニール・ヤング、エリック・クラプトン、そしてディラン本人他、超豪華メンバーの中でも、ブロンドの髪をたなびかせての彼のパフォーマンスには存在感がありましたよね。

トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズとしては「License To Kill」、「雨の日の女」のディラン作2曲を披露。
感動の「My Back Pages」にも参加しています。森 陽馬



2018年1月22日(月) Tom Petty & The Heartbreakers 「Mary Jane's Last Dance」(Live)

天辰保文氏トーク・イベント『Talking Man』。
1月22日、トム・ペティ特集を行いました。

こんな大雪の中、<トム・ペティ愛>溢れる方々に多くお越しいただけて...。本当にありがとうございました。

トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの素晴らしい楽曲群はもちろんのこと、天辰さんの良い話もたくさん聴けて、感動というかなんというか、とても心に残る一夜になりましたね。

今日のこの1曲は、<天辰保文さんが好きなトム・ペティの曲ベスト3+α>のコーナーにて紹介したこの曲を。

1993年発売『Greatest Hits』に収録されたオリジナル・アルバム未収録曲「Mary Jane's Last Dance」。
1994年発表作『Wildflowers』と同じく、リック・ルービンが共同プロデュースしたロック・ナンバー。
(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ2006年発表「Dani California」がこの曲に似ていると当時一部で話題に)

今回のイベントでは、この曲のライヴ盤をかけていただきました。
体が熱くなりましたね!
天辰さん曰く、「ロックンロールのかっこいい要素が全て入っている」のです。

なお、このライヴ・ヴァージョンが入っている盤は、4枚組CDに代表曲含め全48曲!
素晴らしいライヴ音源がタップリ入っているので、トム・ペティ初心者にもオススメです。森 陽馬

★Tom Petty & The Heartbreakers『The Live Anthology』(輸入4枚組CD Reprise S12765-2)



2018年1月23日(火) Bob Seger 「I Knew You When」

天辰保文さんが最近気に入ってよく聴いている曲、として1/22イベントにて紹介してくれたこの1曲。

Bob Seger『I Knew You When』
(「I Knew You When」収録 輸入CD Capitol 6707563)

アメリカ/デトロイト出身ロックシンガー、ボブ・シーガー。
2017年発表アルバム『I Knew You When』は、2016年逝去した同郷のグレン・フライへ捧げた作品です。

特にタイトル曲「I Knew You When」は、グレンへの哀悼の想いが強く込められたナンバー。

この曲のドラムスはリトル・フィートのリッチー・ヘイワード(2010年逝去)。
2003年頃録音していたトラックへ新たに歌詞を付けた楽曲のようです。
同じ時代のアメリカン・ロック道を歩んできた同志へ、ボブ・シーガーの武骨な男気が伝わってきます。

なお、ルー・リード「Busload Of Faith」、レナード・コーエン「Democracy」も彼らしいロック・アレンジでカヴァー。
そして、ラストには「Glenn Song」というオリジナル曲も収録されています。森 陽馬



2018年1月24日(水) Chris Rea 「Road Songs For Lovers」

1980年代にヒットした「オン・ザ・ビーチ」、「ドライヴィング・ホーム・フォー・クリスマス」等で知られるイギリスのシンガーソングライター/ギタリスト、クリス・レア。

自身でコラージュしたというジャケットからもギター愛が伝わる、約6年ぶり新作『Road Songs For Lovers』が2017年にリリースされています。
(輸入CD BMG 538290832)

店頭でかけていると、「ゴキゲンなスライドだねぇ~」と反応して下さった方がおりましたが、仰るとおり今作でも味わいあるスライド・ギターはもちろんのこと、ダンディなハスキー・ボイスも健在♪

病気療養後の2000年代以降、自身の原点であるブルースに重きを置いた活動を行い作品を発表していますが、今作では、ブルージーな中にも80年代の頃の洒落た雰囲気も感じられ、大人の余裕と色気を漂わせたロック・アルバムとなっています。

今日の1曲は、気持ち良いギターソロを聴かせるタイトル曲「Road Songs For Lovers」を。東尾沙紀



2018年1月25日(木) アメリカ 「三本のバラ」(Three Roses)

CSN及びCSNYは1960年代と1970年代の狭間に新しい音楽スタイルを教えてくれたグループでした。

そんな彼らに影響を受けたフォロワーはたくさんいると思いますが、現在でも活動を続けているグループは?

まず思い浮かぶのがアメリカです。

アメリカのファースト・アルバムは1972年1月に発表されました。

アメリカ『名前のない馬』
(国内CD 天辰保文氏による新規解説・歌詞・対訳付 WPCR-17731 1,300円+税)

このアルバムからは2曲の大ヒットが生まれています。
「A Horse With No Name」(名前のない馬)は全米No.1、「I Need You」はベスト10入りしています。

このシングル以外の曲の出来も良く、20歳前後の若者3人組が作詞・作曲・演奏・歌をほとんど自分達だけで作り上げた、と聞いた時はとても驚いたものでした。

6弦と12弦のアコースティック・ギターを駆使し、エレクトリック・ギターとギタリストが弾く独特のテイストがあるベース・ギターで少し味付けした演奏アンサンブルを、3人のヴォーカル・ハーモニーがうまく包み込んでいます。

「Three Roses」はギターのストロークとアコギのリード・ギターに耳が吸い寄せられる1曲です。森 勉



2018年1月26日(金) 大滝詠一 「夢で逢えたら」

ナイアガラ関連商品が毎年リリースされる3月21日。
2018年はシリア・ポール『夢で逢えたら』が遂に再発売されます。

以前出ていた再発CDは廃盤状態で、中古盤はかなりの高値になっていました。
今回の完全限定VOXにはミックス違いやライヴやデモ等のレア音源も多数追加。
シリア・ポールへのインタビューや貴重な資料が掲載されたブックレットにも期待が高まります。

同じ3月21日には『EIICHI OHTAKI Song BookⅢ 大瀧詠一作品集Vol.3「夢で逢えたら」』も発売。
(掲載ジャケット 4枚組CD SRCL-9693 3,980円+税)

こちらのコンピは、なんと!4枚組CD全曲「夢で逢えたら」!!
1976年オリジナルの吉田美奈子さんから歌い継がれてきた様々な「夢で逢えたら」が楽しめる凄い作品です。

当初3CDの予定でしたが、収録予定楽曲がどんどん追加され4枚組CDになり、1月19日時点で71曲!
いきものがかり吉岡聖恵さんによる新緑、そして吉田美奈子さんによる「夢で逢えたら2018」も収録!
こちらも楽しみですね。

更に更に!このコンピから厳選した「夢で逢えたら」5トラックを収録した完全限定アナログ盤も発売決定しました。
『EIICHI OHTAKI Song BookⅢ 大瀧詠一作品集Vol.3「夢で逢えたら」』
(3/21 限定アナログ SRJL-1120 2,300円+税)

A面に大滝詠一、ラッツ&スター、シリア・ポール('87 MIX)。
B面に吉岡聖恵(いきものがかり)、吉田美奈子(夢で逢えたら2018)を収録。

1982年CDが初めて国内生産された時大滝詠一『ロング・バケイション』が最初のリリースでしたが、それと同じく、ソニー・ミュージックによるアナログ自社生産復活第一弾も大滝詠一さんというのも粋でうれしいですね。
各々予約受付中です。森 陽馬



2018年1月27日(土) GENTLE FOREST JAZZ BAND 「いつも心にシャボン玉」 feat二階堂和美

ビッグ・バンド、スウィング・ジャズ好きの方に是非聴いてもらいたい1枚!

ジェントル・フォレスト・ジャズ・バンド『GFJB』
(国内CD WPCL-12851 2,800円+税)

ジェントル久保田(在日ファンクのトロンボーン奏者)率いる20人組ビッグ・バンド、Gentle Forest Jazz Band。

以前
(2015年5月11日今日のこの1曲)取り上げたことがあり、近年は二階堂和美さんとの共演でも活躍中。
地道に活動の幅を広げてきたジェントルが、この度メジャーデビューしました!

メジャーからのリリースになると、煌びやかになってインディーズ時の良さが薄れる作品も多いのですが...。
このジェントルのメジャー第一弾アルバムは、なんと、以前にも増してビッグ・バンドの滋味が深まった1枚。

一般受けを狙うのではなく、あくまでビッグ・バンド/スウィングのルーツに根差したサウンド・アレンジ。
各々の楽器演奏が見事に調和して、ヴィンテージ感ある心地良い音で録音されています。

基本的にインストですが、ヴォーカルが入っている楽曲もゴキゲンですね。
今日のこの1曲は、二階堂和美さんをfeatした素敵なオリジナル曲「いつも心にシャボン玉」を。森 陽馬



2018年1月28日(日) Luby Sparks 「Farewell,Lily」

自ら創造した小説の中の女性が突如目の前に現れ恋に落ちるラヴ・ストーリー『Ruby Sparks(ルビー・スパークス』(2012年公開映画)。

ファンタジーな中にもリアリティ、ちょっとした狂気や儚さを感じさせながら、ポール・ダノとゾーイ・カザンの爽やかなカップルにキュンとした素敵な物語でした。

この映画のタイトルがバンド名の由来なのでしょうか??
''R''ではなく、''L''のLuby Sparksが待望の1stアルバムをリリース♪

Luby Sparks 『Luby Sparks』
(国内CD DDCB-12101 2,200円+税)

2016年3月結成、平均年齢21歳、人気急上昇中の日本人男女5人組インディー・ポップ・バンド。

2017年9月発表の3曲入り限定シングル『Thursday』(2017年10月14日の今日のこの1曲)から、タイトル曲を収録した1stはロンドンで録音され、メンバーが敬愛するYuckのマックス・ブルーム(ex.Cajun Dance Party)が共同プロデュース&ミックスを手掛けた完成度の高いアルバム!

紅一点Emilyを主とした物憂げな男女ツイン・ヴォーカル、ドリーミーでキラキラとした音の中をザクザクと切り込んでいくギター、後引くキャッチーなメロディ...。
疾走感、ワクワク感、儚さ、青さ、20代前半の彼らだからこそ出せるサウンドが詰まっています。

今日の1曲は爽快な「Farewell,Lily」を。

90年代オルタナ/シューゲイザー/ギター・ポップ、洋楽お好きな方にオススメの1枚です!東尾沙紀



2018年1月29日(月) The Fantastic Johnny C 「Boogaloo Down Broadway」

ブーガルー、又はブガルーという音楽リズムの名称は、近年ほとんど聞かれなくなりましたし、話題にする人もいませんでした。

英語の綴りは「Boogaloo」、「Bogaloo」、「Boo-Ga-Loo」、「Bugaloo」、「Bugulu」など、様々あるようですが、なんと、イギリスACEレーベルからこんなすてきなコンピCDが出ていました。

V.A『Let's Do The Boogaloo』
(輸入CD 全24曲収録 ACE CDBGPD307)

サブタイトルというかキャッチコピーとしては、
「Infections American Dance Music That United Soul,Jazz And Latin」
という言葉が添えられています。

ミドル60'sに流行したダンスの一つで、言葉で説明するのは難しいですが端的に言うと、
<ソウル+ラテンにジャズをふりかけたような感じ>でしょうか。

1966~68年あたりに様々なブーガルー曲が発表されましたが、今日はこのCDの15曲目に入っているザ・ファンタスティック・ジョニー・C「ブーガルー・ダウン・ブロードウェイ」を。

ソロ・シンガーなのに「ザ」が付くんですね。
1967年秋から冬にかけて全米で大ヒットして第7位まで上昇したので、日本のラジオでも少しは紹介されていました。

R&B色の強いガッツある歌い方で、ラテン色は薄いのですが、「ブーガルー」という言葉を意識した最初の曲として思い出に残っています。森 勉



2018年1月30日(火) ウエスト・ウィング 「I'm Gonna Love You Just A Little More baby」

新年明けてから、新譜は少なかったものの、再発盤は魅力的なアイテムが色々出ました。

その中でも、ソウルのリイシューでオススメしたいのがこの1枚!

ウエスト・ウィング『West Wing』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-15697 1,800円+税)

アメリカ西海岸発、黒人男性4人組コーラス・グループ、WEST WING。
1975年発表唯一のアルバムが世界初CD化!

バリー・ホワイトがエウゼクティヴ・プロデューサー、ヴァンス・ウィルソンがプロデュースを担当。
鈴木啓志氏の解説によると、このヴァンス・ウィルソンという人が中心の4人組グループだそうです。

1970年代中期バリーホワイト・ワークスお好きな方なら気に入ること間違いなしな全8曲。

特にバリー・ホワイトのカヴァー「I 'm Gonna Love You Just A Little More Baby」(邦題「つのりゆく愛」)。
オリジナルよりコーラス・ワークをきかせて、心地良いメロウ・グルーヴな仕上がり。聴きものです。森 陽馬



2018年1月31日(水) Jimmy Gordon And His Jazznpops Band 「Bluebird」

ソウル/ジャズ・ファンにオススメの再発シリーズ。
<フライング・ダッチマン1000・マスター・コレクション>

1970年代ジャズ・レーベル、フライング・ダッチマンの名盤が2018年リマスター、解説、歌詞付で1,000円!
世界初&日本初CD化作品多数!

バーナード・パーディー、ロニー・リストン・スミス、リチャード・グルーヴ・ホームズ等黒人ジャズ・ファンクお好きな方は要チェック・アイテムが色々ありますが、中にはロック・ファン注目のこんな珍しい1枚も。

ジミー・ゴードン&ヒズ・ジャズンポップス・バンド『ホッグ・ファット』
(国内CD 完全限定生産 原田和典氏による解説付 CDSOL-45758 1,000円+税)

ジミー・ゴードンというのは、「いとしのレイラ」で御馴染み!デレク&ドミノスのドラマー、ジム・ゴードンです。

ビーチ・ボーイズ『ペット・サウンズ』、ジョージ・ハリスン『オール・シングス・マスト・パス』、ジョン・レノン『イマジン』他、1960~70年代ロック名盤の土台を築いた名セッション・ドラマーでした。

その彼が1969年、フライング・ダッチマン・レーベルに残した唯一のアルバムが世界初CD化。
ボビー・ヘブ「サニー」、バッファロー・スプリングフィールド「ブルーバード」、ローリング・ストーンズ「サティスファクション」等全9曲。タメが効いていながらリズミカルかつグルーヴ感溢れるドラミングが楽しめるインスト作品です。

今日のこの1曲は、後半のロック・ジャムな演奏がかっこいいバッファロー・スプリングフィールド・カヴァーを。

ちなみにジム・ゴードンは1980年代に入ってから精神を病み、1983年母親殺害の罪で収監。
現在はカリフォルニア・メディカル・ファシリティ(精神病患者のための刑務所)に収容されているそうです。森 陽馬





これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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