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  今日のこの1曲 “Archives”

<2013月12月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー
2013年12月に更新した“今日のこの1曲”コーナー。


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>

2013年12月1日(日) ダニー・ハサウェイ 「What's Going On」

 先週入荷して、毎日のように聴いているダニー・ハサウェイ4枚組CD BOX。

 ダニー・ハサウェイ『ネヴァー・マイ・ラヴ:ジ・アンソロジー』
(国内CD 英文ライナー訳 歌詞・対訳付 5,880円)

 約2年前フランスのRHINOレーベルからBOXが出た(
2011年10月16日に紹介しました)ことがあったので、またかよー!と思う方もいらっしゃると思いますが今回も内容超充実!

 未発表音源も大量に収録されているので、ダニー・ハサウェイ好きの方は必聴です。

 全13曲すべて未発表!のスタジオ録音集(ディスク2)も聴きものですが、やはりディスク3の完全未発表ライヴ音源は最高ですね!

 ニューヨーク/グリニッジ・ヴィレッジで今も営業を続けているライヴハウス、ビター・エンドでの1971年熱いライヴ!

 コーネル・デュプリーが大活躍していて、彼の“らしい”ギター・リフや音色が全編で聴くことができます。

 何百回も聴いてきたマーヴィン・ゲイ名曲カヴァー「What's Going On」。
後半のダニーのソロも微妙にニュアンスが違っていて、何度聴いても胸が躍ります。森 陽馬


2013年12月2日(月) エドウィン・スター 「War」

 今年で没後10年...というのは後付けになってしまいますが、プロテスト・ソングとして有名なエドウィン・スターの「War (黒い戦争)」。

 オリジナルに勝るとも劣らないブルース・スプリングスティーンによる熱いカバーや、映画『ラッシュ・アワー』のテーマとして使われていたりと、何かと耳にする事の多い曲ですが、私が初めて聴いたのは、ジャムの最後のシングル「Beat Surrender」と共に収められたバージョンでした。

 その12インチ・シングルには「War」の他に、カーティス・メイフィールド「Move On Up」、シャイライツ「Stoned Out Of My Mind」のカバーが入っており、ソウル名曲に触れるきっかけとなりました。

 「War」以外にもテンションの高い楽曲が多数収録された、エドウィン・スター70年発表作、モータウンからの『War & Peace』がリマスター&お買い得価格で再CD化。
(国内CD 解説・歌詞付 UICY-75850 1,000円)

 テンポの早いバカラック作「雨に濡れても」カバー、マーヴィン・ゲイ作「At Last (I Found A Love)」、ギターカッティングがサム&デイヴの「ソウルマン」風の「過ぎ去った恋(I Can't Replace My Old Love)」、洗練された雰囲気の「Running Back And Forth」も良いですね。

パワフルなヴォーカルが爽快な一枚です。東尾沙紀


2013年12月3日(火) 福永恵規・竹内まりや 「夏のイントロ」

 竹内まりやがレコード・デビューしたのは、1978年11月25日のこと。
それから35年が経ちました。

 その35周年企画の第一弾として、竹内まりやがソングライターとして他アーティストへ提供した曲を30曲収録した2枚組CDが出ました。
(『Mariya's Songbook』 WPCL-11618 2,940円)

 選曲・監修は竹内まりや。
ブックレットには彼女本人による全曲の想い出エピソード付。
(これを読みながら聴くと味わいも深まります。)

 どんな曲が入っているかというと、アン・ルイス「リンダ」、河合奈保子「けんかをやめて」、「Invitation」、中山美穂「色・ホワイトブレンド」、薬師丸ひろ子「元気を出して」、中森明菜「駅」、牧瀬里穂「Miracle Love」、広末涼子「Majiでkoiする5秒前」、「とまどい」、岡田有希子「ファースト・デイト」、「リトル・プリンセス」、松田聖子「特別な恋人」などなど。

 これらの曲はすべて、その歌手のために竹内まりやが書き下ろしたもので、カヴァー集ではなくオリジナル曲集と言えるものなのです。

 さて、この中からまず1曲というとこれかなぁ。

 1987年作品、福永恵規「夏のイントロ」。
おニャン子クラブに入れ込んでいたわけではありませんが、昔から大好きな曲です。

 初回限定盤には、竹内まりや本人の歌唱によるデモ・ヴァージョンなど初CD化レア・ヴァージョンが4曲収録されています。

 なんと、なんと、その中に「夏のイントロ」が入っているんですね。Wow! 森 勉


★発売を記念して、竹内まりやデビュー時1978~9年の活動を振り返ったオリジナル・リーフレットを作成しました。お買い上げの方に差し上げています。

2013年12月4日(水) 星野みちる 「Magic Hour」

 当店大推薦ポップ・ユニット、マイクロスター。

 2011年9月発売『夕暮れガール』。
(2011年9/10に紹介)
2012年11月発売『夜間飛行』。
(2012年11/20にB面を紹介)
 そして、2013年は・・・!と期待していましたが今年は新曲出さないそうです。う~ん、残念!

 そのかわり、こんな素敵な7インチEPが出ました!

 星野みちる「Magic Hour」。
(EP+CDR 完全限定盤 HCR-9663 1,575円)

 マイクロスターの佐藤清喜がプロデュース&エンジニアとして参加!
はせはじむ作曲ですが、完全にマイクロスター・ワールドな仕上がりです。

 ノーザン・ソウルに音壁を足したような激キラーなガール・ポップ・チューン!

 サビへ向かうところのストリングス的なサウンドが盛り上がっていく感じとか、ハル・ブレインがモータウン曲を叩いているようなリズム・アレンジとか、マイクロスター・サウンドの多幸感そのまま♪

 シティ・ポップなB面「この道で」含めマイクロスター・ファンは要チェックの1枚!
限定アナログ盤ですがCDRも付いています。(カラオケも収録!うれしい!)

 500枚限定!完売必至!!お早めに。森 陽馬


2013年12月5日(木) 薬師丸ひろ子 「夢で逢えたら」

 あまちゃん効果もあって、2013年再ブレイクした感もある薬師丸ひろ子。

 待望の新録アルバム『時の扉』が発売されました。
(初回限定盤のみボーナス・トラック「ユーレイズミーアップ」カヴァー収録 TYCT-69030 3,000円)

 今作は、彼女が好きな唱歌やスタンダード曲・名曲を自ら選曲して歌ったカヴァー・アルバム。

 吉俣良によるアレンジは、ストリングスを主体にした穏やかなサウンドで、彼女の美声を引き立たせています。

 全13曲中、一番の聴きものはやはりこの曲でしょう!
大瀧詠一作の名曲「夢で逢えたら」。

 全13曲中最もポップこの楽曲を、オリジナルを踏襲したサウンド・アレンジで聴かせます。

 薬師丸ひろ子の愛情込められた中間の語りもイイですねー。

 ナイアガラ・ファンも納得のカヴァーだと思います。

 個人的には、「夢で逢えたら」みたいな曲をもっと入れてほしかったなあ、とか、「潮騒のメモリー」も収録すればもっと売れただろうに、なんて邪心を感じましたが、これはこれで彼女の歌心を純粋に堪能できて良いのかもしれませんね。森 陽馬


2013年12月6日(金)  カースティ・マッコール 「ニューヨークの夢 (with ザ・ポーグス)」

 クリスマス・ソングのデュエットは色々あるかと思いますが、皆さんは何が思い浮かぶでしょうか?

 この季節になると、ポーグスとカースティ・マッコールのクリスマス名曲「ニューヨークの夢 (Fairytale Of Newyork)」が聴きたくなります。

 ポーグスの3rdアルバム『堕ちた天使(If I Should Fall From Grace With God)』に収録されたこの曲。

 歌詞の和訳を初めて読んだ時、男女が口論になる部分など全体的なやさぐれ感に、「こんな歌詞だったんだ!」と驚いたのですが、とても心温まる曲ですよね。

 2006年の来日公演を観に行った際、シェイン・マガウアンとのデュエット(別の女性とでしたが)を生で聴けて、とても感激した事をこの季節になると思い出します。

 掲載ジャケットは、「ニューヨークの夢」を収録したカースティ・マッコールのベスト盤『ア・ニュー・イングランド ~ザ・ベリー・ベスト』です。(国内仕様盤 OTCD-3434 1,575円) 東尾沙紀


2013年12月7日(土) シュガー・ベイブ 「蜃気楼の街」

 大貫妙子がシュガーベイブのメンバーとして活動を始めてから40年が経ちました。

 その40周年を記念して、『大貫妙子トリビュート・アルバム』が12月18日発売になります。

 大貫妙子が今までに作った楽曲を様々なミュージシャンが原曲の良さを残しつつ、それぞれ個性豊かにカヴァーしています。

 2枚組で1枚目は全てこの企画のための新録音。
岡村靖幸+坂本龍一「都会」、奥田民生「突然の贈りもの」、キリンジ「黒のクレール」、松任谷由実withキャラメルママ「色彩都市」、寺尾紗穂「Rain」など全10曲。

 2枚目は過去に大貫妙子楽曲を歌っているもの、竹内まりや「突然の贈りもの」、EPO「横顔」、矢野顕子「海と少年」など全11曲を集めたものになっています。

 とても充実した内容なので、発売日前後にまた詳しく紹介したいと思います。

 さて、今日は僕が初めて大貫妙子の歌声を聴いた曲を。

 1974年6月、池袋シアターグリーンで初めてシュガー・ベイブを見た日に聴いた「蜃気楼の街」。

 キーボードを弾きながら、うつむき加減に心の中に湧き上がってきた詞を静かに朗読するように歌う少女が大貫妙子でした。

 こんなにポップで繊細な曲を書く日本人女性がいるなんて・・・、と当時感じた楽曲。

 40年経っても、大好きな1曲です。森 勉


★掲載ジャケットはシュガー・ベイブ1975年発表名作『ソングス』。(SRCL-5003 2,100円)


2013年12月8日(日) ビーチ・ボーイズ 「フィール・フロウ」

 ユニヴァーサル・ミュージック【永遠のサントラ999ベスト&モア】シリーズ、第2弾が発売されました。

 前回は9月に104タイトル、今回は66タイトルと、店頭のサントラ・コーナーは統一の帯色(洋画は青、邦画は赤)で埋めつくされています。

 まず今日紹介したいのは、キャメロウ・クロウ監督2000年作品(日本公開は2001年3月)、『あの頃ペニー・レインと』(原題:Almost Famous)サントラ盤。
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 限定盤 UICY-76039 999円)

 1960年代、1970年代に青春を過ごしたキャメロン・クロウの自叙伝的なストーリーと音楽の扱い方が最高にCOOLな映画です。

 使われている音楽もマニアックな選曲ながら最高。

 サイモン&ガーファンクル、フー、トッド・ラングレン、イエス、シーズ、レーナード・スキナード、デヴィッド・ボウイ、サンダークラップ・ニューマンなどに加えて、この映画のための新曲も2曲含まれています。

 今日はエンドロールで流れたビーチ・ボーイズ「フィール・フロウ」を。

 ビーチ・ボーイズ1971年発表アルバム『サーフズ・アップ』に収録されていた曲で、一般的には知られていませんが、さすがキャメロウ・クロウ! エグイところを持ってきます。

 それがエンディング・テーマとして見事に映像にハマっていました。

 なお「フィール・フロウ」の作曲とリード・ヴォーカルはカール・ウィルソンです。森 勉


2013年12月9日(月) マージー・ジョセフ 「Christmas Gift」

 例年クリスマス作品のリリースが減少傾向ですが、今年は特に少ないですね。

 実際にクリスマス曲はこの時期しか聴かないので、シングルが売れなくなった現在、通年売れないものに楽曲制作費をかけられない、という現実的な問題が大きいのでしょう。

 セールスも落ちているのでしょうがないかもしれませんが、でも出さないと売れませんからね。(ニール・ヤングのクリスマス作とか出たら絶対買っちゃうな!)
 なんて、どうでもいい話はさておき、最近気に入って店頭でよくかけているお気に入りクリスマス・アルバム。

 『ファンキー・クリスマス ~コティリオン・オールスターズ・フィーチャーリング・ルーサー』(国内仕様盤 DIZA-59 2,520円)

 アトランティック・レーベル傘下のコティリオンから1976年に制作されたクリスマス・アルバムが世界初CD化。

 『モータウンクリスマス』やスタックス系ミュージシャンが集った『クリスマス・イン・ソウルヴィル』などもソウル・クリスマス作品として有名ですが、今作が一番イイですね。

 当時はまだ無名ながら売出し中だったルーサー・ヴァンドロス(LUTHER名義)による極上クリスマス曲①「May Christmas Bring You Happiness」&⑩「At Christmas Time」は聴きもの!

 そしてマージー・ジョセフによるクリスマス・ソング2曲。
これが本当に素晴らしい!

 4曲目「Christmas Gift」、11曲目「Feeling Like Christmas」。
どちらもラモン・ドジャー作曲&プロデュース。

 上品なストリングス・アレンジ。メロウ・ソウルな楽曲。
そして、アレサ・フランクリンのようなマージー・ジョセフの歌声。

 僕が一番好きな70'sメロウ・グルーヴ・ソウルのエッセンスがたっぷり詰まった1枚です。森 陽馬


2013年12月10日(火) Neil Young 「Expecting To Fly」

 ニール・ヤング秘蔵音源をリリースするアーカイヴ・シリーズ。
新アイテムが発売されました。

 『Neil Young Live At The Cellar Door』。
(輸入CD REPRISE 9362494345 国内盤は2014年1月15日発売)

 ニールの代表作『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』発表直後(そして椎間板ヘルニアで入院する直前)、1971年11月30日~12月2日アメリカ/ワシントンにあるライヴ・ハウスCellar Doorで行われた弾き語りライヴの貴重音源。

 これが本当に素晴らしい音質!

 近年もこの前後のライヴ音源は出ているので、正直言ってあまり期待していませんでしたが、一聴してビックリするくらいの40年以上前とは思えないようなクリアな音像!

 店でかけていると、店内でニールがライヴをやってくれているような臨場感があります。

 「Tell Me Why」、「Only Love Can Break Your Heart」、「See The Sky About To Rain」も、もちろん良いけれど、バッファロー時代の名曲「I Am A Child」、「Expecting To Fly」、「Flying On The Ground Is Wrong」がイイですね。

 「Expecting To Fly」は曲中に客席で咳をする人がいるのですが、その咳すらも生々しい音像で、店内の誰かが咳払いしているのかな、と感じるくらい。

 ちなみに、180g重量盤アナログLPも入荷しました。
『After The Gold Rush』と同じモノクロ・イメージ・カラー、ダブル・ジャケットもうれしいですね。森 陽馬


2013年12月11日(水) 宇野ゆう子 「サザエさん」

 今、当店で売れ筋(!?)なのがこの1枚!

 『サザエさん音楽大全』(TYCN-60100 歌詞・解説付 2,625円)

 アニメ『サザエさん』のために書かれた主題歌・挿入歌・劇伴音楽の楽曲は、これまで500曲以上も録音されたそうですが、濱田高志&鈴木啓之監修によりその中から主要曲を57トラック厳選。

 1969年TVアニメ『サザエさん』初回放送から関わっている音響効果担当:柏原満氏へのインタビュー等掲載されたブックレット含め、素晴らしい仕上がり!

 テレビでは気付かなかった見事なサウンド・アレンジに驚かされます。

 有名な主題歌の作曲・編曲は筒美京平だったのですね。

 ライナーノーツ及び歌詞カードも付いているのですが、オープニング主題歌は1番と3番の歌詞が使われており、エンディング「サザエさん一家」は2番の歌詞が使われている、ということも今回初めて知りました。

 他にも様々な細かいトリビアも発見できてとても楽しいアルバム。

ちなみに、タマ(猫)の鳴き声もノーマルから甘え声まで4種収録されています。森 陽馬


2013年12月12日(木) フォー・リアル 「ボーン・トゥ・ラヴ・ザット・ボーイ」

 12月8日に紹介した【永遠のサントラ999ベスト&モア】シリーズからもう1枚。

 1996年製作『グレイス・オブ・マイ・ハート』(日本公開1997年)は、キャロル・キングの半生をモデルに脚色した物語とこの映画のために作られた音楽が、今でも忘れられない作品です。
(国内CD 限定盤 解説・歌詞・対訳付 UICY-76045 999円)

 1950年代後半から1970年代前半のミュージック・シーンが舞台になっているので、その時代の音楽に育てられた僕などは、当時映画館に3度も通ったものです。

 ブライアン・ウィルソンみたいな人物が主人公の恋人だったり、フィル・スペクターのような風貌の人がプロデューサーだったり、ブリルビルディングの内部が垣間見れたり。
 映像的にもなかなかのものがありました。

 楽曲的にも色々興味深いトラックが入っていますが、今日はシフォンズ、クッキーズ、シレルズ、クリスタルズを合体させたようなルミナリーズというグループ名の60's風ガール・グループが劇中で歌う「ボーン・トゥ・ラヴ・ザット・ボーイ」(浮気なマイ・ボーイ)。

 昔のゴフィン&キング作品テイストなこの曲。
作ったのはラリー・クラインと、なんとジェリー・ゴフィン。

実際に歌っているのは、1990年代に活躍したLAのR&Bグループ、フォー・リアル。

 先日紹介した『あの頃ペニー・レインと』と共に、久しぶりに映画も見てみたい気分です。森 勉


2013年12月13日(金) Paul Carrack 「One In A Million」

 2014年2月に行なわれるエリック・クラプトン日本公演のバンド・メンバーとして来日予定のポール・キャラック。(祝・初来日!)

 2012年発表作『Good Feeling』(
2013年3月10日に紹介しました)もとても良いアルバムでしたが、1年ほどで早くも新作『RAIN OR SHINE』をリリース!(輸入CD CARRACK-UK PCARCD22)

 今作でカバーしているのは、レイ・チャールズ「You Don't Know Me」、「Hard Times」、ルーサー・イングラム「(If Loving You Is Wrong) I Don't Want Be Right」、ブレンダ・リーで知られる「I'm Losing You」、エリック・クラプトン&B.B.キングも取り上げたスタンダード「Come Rain Or Come Shine」の5曲。

 オリジナル曲も良く、「People Get Ready」を彷彿とさせるゆったりとした「One In A Million」など、艶のある声で歌うソウル・バラードが絶品です♪

 クラプトンのツアーでは、「How Long」(ACE)、「Tempted」(スクイーズ)などキャラックの代表的な曲も披露しているようなので、日本公演でも歌ってくれると良いですね。

今回は無理かもしれませんが、キャラックの単独公演も熱望!東尾沙紀

2013年12月14日(土) 笹倉慎介 「今夜あの町へ」

 2013年12月27日(金)、“入間のジェイムス・テイラー”ことSASAKLA(笹倉慎介さん)をお迎えして、当店地下アゲインにてトーク&ライヴ・イベントを行います。

<12/27(金) SASAKLA DJ&スペシャル・ライヴ・イベント “今夜アゲインへ”>

 笹倉慎介さんは埼玉入間市在住の男性シンガー・ソングライター。

 入間で自身のスタジオ&カフェを経営しながら音楽活動を続けている彼の音楽ルーツをお気に入りレコードを聴きながら語っていただく1部、普段とはまた違ったセットリストでお届けするライヴの2部構成。

 より多くの音楽ファンに見ていただきたいシンガー・ソングライターです。
彼のことをご存じでなくても楽しめるイベントになると思いますので、年末ですがご興味ある方は是非お越しください。(ご予約は
カフェ・アゲインにて受付中)

 まだ1枚も持っていない方には、今年発売されたSASAKLA『Spring Has Come』(
2013年5月14日に紹介)がオススメですが、今日はイベント・タイトルの元になったこの曲を。

 笹倉慎介名義で2011年に発表したミニ・アルバム『カントリー・メイド』。(PFNR-017 1,200円)

ラスト5曲目に入っている「今夜この町へ」。

 ジェイムス・テイラーの温もりとニール・ヤングの叙情性が合わさったような1曲です。森 陽馬


2013年12月15日(日) U2 「Christmas (Baby Please Come Home)」

 クリスマスも近づいてきたので、フェイヴァリットなクリスマス・アルバム『クリスマス・エイド』(原題:A Very Special Christmas)からこの1曲。(国内CD POCM-1501 2,243円)

 フィル・スペクターの最高傑作であり、世界No.1クリスマス・アルバムと評しても過言ではない名盤『A Christmas Gift For You』に収録されているダーレン・ラヴ「Christmas (Baby Please Come Home)」。

 
この名クリスマス・ナンバーを当時人気絶頂だったU2がカヴァー。

 オリジナルを踏襲しながらも、U2らしいロック風味にアップデイトされたアレンジでかっこいいですね。

 ちなみに先日、山田稔明さんとのトークで、中学生の時にこのU2目当てで『クリスマス・エイド』を購入したら、ブルース・スプリングスティーンやスティング、ブライアン・アダムスも一緒に入っていて、そっちの曲も気に入り音楽の興味や幅が広がった、という話題が出ました。

 昔はそうやってオムニバスを買って新しい発見が色々とありましたよね。

 この『クリスマス・エイド』は1987年発表、<スペシャル・オリンピックス>へのチャリティ企画アルバムとして、U2以外にもホイットニー、マドンナ、ボンジョヴィなどスーパースターが大集合し、収録曲も新録音だったのが魅力的でした。森 陽馬


2013年12月16日(月) 安藤明子 「月のうた」

 京都在住女性シンガー・ソングライター、安藤明子。

 今年のレコード・ストア・デイで限定アナログEP化された人気曲「トゲトゲ」含め、彼女の日本語による歌詞には凛とした強さを感じさせます。

 その安藤明子さんが先日ライヴで東京に来た際、わざわざ当店にも立ち寄り会場限定販売の新曲を持ってきていただきました。

 今回の新曲(「アペタイト」、「月のうた」)はアナログEP+CDRという仕様。
(この作りで1,260円は安い! 限定ですのでお早めに)

 アナログ盤の方はバンド編成で録音されたヴァージョンが収録。
CDRの方は同じ曲を弾き語りで歌っているヴァージョンが入っています。

 弾き語りのイメージが強かったのですが、バンド・アレンジが素晴らしいですね。

 そのバンド・ヴァージョンの方は“yojikとwanda”のwandaがプロデュース。
「アペタイト」には、yojikとwandaの2人はもちろん、NRQの服部将典(コントラバス)、加藤義明(ギター)も参加。

 今日のこの1曲は「月のうた」。
NRQの吉田悠樹(二胡)、トンチ(スティールパン)の演奏が沁みますね。

 浜田真理子、寺尾紗穂などの女性シンガー・ソングライターお好きな方にも是非聴いていただきたいシンガーです。注目してください。森 陽馬



2013年12月17日(火) 松任谷由実 with キャラメル・ママ 「色彩都市」

 2013年にもカヴァー・アルバム/トリビュート作品がたくさん出ましたが、制作者の熱意、アーティストへの敬意、そしてカヴァー楽曲の質において今作が一番でしょう。

 『大貫妙子トリビュート・アルバム』(2枚組 RZCM-59438 3,990円)

 1枚目のディスクには、新録音による大貫妙子カヴァー曲が収録。
2枚目のディスクには、竹内まりや、矢野顕子、EPO、山弦、大橋トリオ、青葉市子など既発のカヴァー曲を厳選。

 特にディスク1、今作のために新録音された楽曲がどの曲も素晴らしい!

 岡村靖幸+坂本龍一によりクールにかっこよくアップデイトされた「都会」を筆頭に、THE BEATNIKS、KIRINJI、ハナレグミ、salyu×小林武史、寺尾紗穂、奥田民生等がオリジナルの良さと自身の音楽性を見事に融合。ナイス・カヴァーしています。

 目玉はやはりラスト、松任谷由実withキャラメル・ママ!
(“withキャラメル・ママ”とクレジットされているのがうれしい!)

 今年1月3日、日本武道館で開催されたユーミン40周年記念コンサートにて共演しましたが、スタジオで一緒にレコーディングしたのは本当に久しぶりなのではないでしょうか。

 ユーミンの歌は自身の歌のように馴染んでいますね。

 細野晴臣(ベース)、鈴木茂(ギター)、林立夫(ドラム)、松任谷正隆(キーボード)。
各々4人の持ち味が出た演奏、何度聴いても飽きません。
(ラストで聴ける鈴木茂らしいギター・ソロも味わい深いですね)

 大貫妙子ファンはもちろん、大貫さんの曲をご存じでない方にも聴いてもらいたい1枚です。森 陽馬


2013年12月18日(水) NIKKI BLU 「(Whoa, Whoa) I Love Him So」

 オールディーズ・ファン、特にガール・ポップス・ファン大喜びのナイス・コンピが届きました。

 お馴染みイギリスACEレーベル人気シリーズ『Where The Girls Are』第8弾が発売。
(輸入CD ACE CDCHD-1376/国内仕様CD 英文解説対訳付 CDSOL-7973 2,940円)

 このシリーズの特徴は、ヒットせず歴史に埋もれてしまったガール・ポップスの楽曲を発掘してCD化していく、というもの。

 毎回25曲前後の人にあまり知られていない60'sガール・ポップスが、詳細な解説とシングル・レコードのレーベル写真など貴重フォトを掲載したブックレットと共に楽しめる趣向になっています。

 4曲目に入っているNIKKI BLUは、実はオーロンズのメンバーであるマリーナ・デイヴィスの別名。

 オーロンズを脱退した後の1964年にこのシングルをParkwayレーベルから発表しました。

 プロデュースはあのチャビー・チェッカー。
曲を書いているのは、この頃まだ有名になっていないトム・ベル。

 イイ曲です。

 バックの♪ランドゥランドゥ♪コーラスも素敵です。森 勉


2013年12月19日(木) クラウディア・リニア 「It Ain't Easy」

映画『バックコーラスの歌姫たち』を渋谷ル・シネマで先日鑑賞。

 バックコーラス・シンガーにスポットを当てた音楽ドキュメンタリー映画。

 ダーレン・ラヴ、リサ・フィッシャー、メリー・クレイトン、タタ・ヴェガ、クラウディア・リニア、ジュディス・ヒル等へのインタビューを中心に構成された90分間でしたが、何から書いていいかわからないくらい見どころ多数!

 60~70年代ロック/ソウル・マニアの方は必見のドキュメンタリーでしょう。
(逆にそれほど詳しくない方には、ミュージシャンの説明等があまりないので、わかりづらい映画かも)

出演するバック・シンガーは黒人中心ですが、どちらかと言うとロック・ファン向けですね。

・メリー・クレイトン&ミック・ジャガー証言によるローリング・ストーンズ「ギミー・シェルター」録音時の逸話
・クラウディア・リニア参加のデヴィッド・ボウイ「ヤング・アメリカンズ」映像
・ジョージ・ハリスン主催『バングラディッシュ・コンサート』(有名な映像ですが)
そしてそして!
・フィル・スペクター、当時のスタジオでの録音映像&ダーレン・ラヴ証言

 やはり、ダーレン・ラヴを語る上で、フィル・スペクターのエピソードは欠かせないのだな、と。
「Christmas (Baby Please Come Home)」もたくさんかかってよかったです。

 他にも色々思うことはありましたが長くなりそうなのでこのへんで。

 今日のこの1曲は、アイク&ティナ・ターナーのバック、アイケッツにも在籍していた黒人シンガー、クラウディア・リニアが1973年発表した唯一のソロ作から。(国内CD 寺田正典氏による解説・歌詞・対訳付 WPCR-15115 1,200円)

 映画内でミック・ジャガーとの蜜月な関係(?)も語った彼女。
アルバム1曲目「It Ain't Easy」はデヴィッド・ボウイ『ジギー・スターダスト』で取り上げられていることでも有名なナンバーですが、クラウディア・リニア・ヴァージョンはかっこいいストーンズ的アレンジ! これ聴きもの!

 ちなみに今作はアラン・トゥーサンプロデュース。
ライ・クーダーやスプーナー・オールダムも参加しているので、その筋お好きな方にもオススメです。森 陽馬


2013年12月20日(金) Matthew Sweet & Susanna Hoffs 「Kid」

 マシュー・スウィート&スザンナ・ホフスの2人が好きな曲をカヴァーするシリーズ『Under The Covers』最新作が、約4年ぶりにリリースされました。
(輸入CD 『Under The Covers Vol.3』 Sjout! Factory 826663-13579)

 2006年リリースのVol.1<60年代編>、2009年リリースのVol.2<70年代編>に続く第3弾は80年代。

トム・ペティ「Free Fallin'」、ロキシー・ミュージック「More Than This」、カースティ・マッコール「They Don't Know」他、リンジー・バッキンガム、XTC、ザ・スミス、ゴーゴーズ、R.E.M.、エコー&ザ・バニーメン、The dB's等々全14曲。

 中でも、スザンナのリード・ヴォーカルによるプリテンダーズ「Kid」。
少しけだるいセクシーな彼女の歌声に絶妙にマッチ!

 オリジナルの良さも再認識させてくれる好カヴァーです。

 デイヴ・エドモンズ(エルヴィス・コステロ作)「Girls Talk」も良いですね♪

 ブックレットには、マシューによる曲毎のミニ解説が書いてあり、楽曲やオリジナルを歌うミュージシャンへの熱い思い入れが伝わってきます。東尾沙紀


2013年12月21日(土) Rickie Lee Jones 「Surfer Girl」

 マイク・ラブ&ブルース・ジョンストン率いるビーチ・ボーイズ。
2014年3月ビルボードライヴ来日公演(3/27大阪、3/28、29、30東京)が決まりましたね。

 マイク・ラブは3月15日誕生日なので来年73歳!
桜が開花する頃にビーチ・ボーイズ♪ 楽しみです。

ということで、今日はこの前お客様から教えてもらったビーチ・ボーイズ・カヴァーでこの1曲。

 難病のミュージシャンを支援するトリビュート企画盤『Sweet Relief』第3弾。
(輸入CD 『Sweet Relief Ⅲ ~Pennies From Heaven』 VANGUARD 78289-2)

 ジャクソン・ブラウン、ベン・ハーパー、ロン・セクスミス、シー&ヒム、k.d.ラング他豪華ミュージシャンが、Sheldon Gombergプロデュースの元、新録音で珍しいカヴァーを披露しています。

 中でもリッキー・リー・ジョーンズによる「サーファー・ガール」!

 リッキー・リーがサーフィンしている画はなかなか想像できませんが、このカヴァーは彼女らしさがちゃんと表現されていて、なかなかイイですね。

Genevieve Toupinという女性シンガーによるニール・ヤング「Heart Of Gold」カヴァーも入っています。森 陽馬



2013年12月22日(日) Paul Carrack with THE SWR BIG BAND 「This Christmas」

 12月13日(金)にも最新作を取り上げたポール・キャラックの2枚組クリスマス・ライブ・アルバムが発売されました。
(輸入盤2枚組CD 『Swinging Christmas Live』 BIG LAKE MUSIC 471150-2)

 2005年発表クリスマス・アルバム『Winter Wonderland』でもコラボレーションしているドイツ発THE SWR BIG BANDとの共演ライブ(2011年12月~2012年録音)を収めた2枚組CD。

  ビッグ・バンドのゴージャスなサウンドとキャラックの歌声がとても素敵です♪

 「サンタが町にやってくる」、「ジングルベル」、「赤鼻のトナカイ」などクリスマス曲を中心に、フランク・シナトラで知られる「I've Got You Under My Skin」、ヴァン・モリソン「Moondance」、ジョン・レノン「Imagine」などのカバー他、マイク&ザ・メカニクスの「Over My Shoulder」も披露している全20曲。

 ライブ音源だけでなく、スタジオ録音も4曲収録。 

 華やかな自作曲「Thinkin' About You (This Christamas)」や、2012年12月に配信リリースされたダニ―・ハサウェイ「This Christmas」カバーがアレンジも良く、ファン必聴の1曲です。東尾沙紀


2013年12月23日(月) ジョニー・コマツ 「ポ・ライ・エー (きよしこの夜)」

 クリスマスは好きだけれど寒いのは嫌い・・・、という方にこの1枚。

 『キーホーアル・クリスマス ~ハワイアン・ギターによる至福のクリスマス~』。
(国内CD 日本語解説付 RES-235 2,200円)

 ハワイのミュージシャンによるゆったり&ほっこりクリスマス・ナンバーが全13曲♪

 ジョージ・ウィンストンプロデュース。
ハワイで生まれたギター奏法“スラック・キー”(ハワイ語でキーホーアル)のインストを中心に、ハワイの暖かい空気が伝わってきます。

 クリスマスの夜中、静かに穏やかに聴きたいオススメ盤です。

 スラック・キー・ギターで聴かせるクリスマス・ナンバーも素晴らしいのですが、今日のこの1曲はジョニー・コマツという女性シンガーによる「ポ・ライ・エー (きよしこの夜)」。

 妹ルース・コマツが演奏するアルト・リコーダーの美しい伴奏と共に、ハワイ語と英語を交え、聖なる夜を夢見心地にしてくれます。森 陽馬



2013年12月24日(火) ヴィンス・ガラルディ 「Christmas Time Is Here」(Instrumental)

 あっという間にクリスマス・イヴが来てしまいましたね。

 毎日店内でクリスマス曲を聴いているにも関わらず、あまり実感がないまま今日になってしまった感じです。
クリスマス、そして年末、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

 当店は年末年始も休まず営業いたします。
12月31日(火) 11時~20時
1月1日(水) 14時~18時
1月2日(木) 14時~18時
1月3日(金) 11時~18時
1月4日(土) 11時~20時
1月5日(日) 11時~20時
1月6日以降は通常通り11時~22時

 今年の1月3日は14時からでしたが、来年は11時からOPEN予定。
(1月1日と2日は14時OPENです)
 お近くいらっしゃいましたら、是非お立ち寄りくださいね。

 さて、今日はクリスマス・ジャズ定番の1枚からこの1曲。

 1965年アメリカでTV放映された『A Charlie Brown Christmas』のサウンド・トラック。
ヴィンス・ガラルディ『スヌーピーのメリークリスマス』。
(国内CD 日本語解説付 UCCO-4076 1,800円)

 ヴィンス・ガラルディ(ピアノ)、フレッド・マーシャル(ベース)、モンティ・バドウィッグ(ベース)、ジェリー・グラネリ(ドラム)他ミュージシャンによるほっこりジャズ・クリスマス。

 しっとりと聴かせる「Christmas Time Is Here」インスト・ヴァージョン。
静かな聖夜にピアノの音色が沁みます。森 陽馬


2013年12月25日(水) アソシエイション 「Rose Petals, Incense And A Kitten」

 今年もあとわずかですが、本当にいろいろなCDが発売されました。

 その中から再発ものに関していえば、うれしかったのはやはりワーナー・ミュージック・ジャパンの【マスターズ・オブ・ポップ1000 ベスト・コレクション】シリーズでしょう。

「こんにちは赤ちゃん」を英語でカヴァーしたノエリーン・バットレイ。(
8月7日に紹介)
山下達郎もカヴァーした「ラヴ・ユー・ソー」収録、ロン・ホールデン。(
8月8日に紹介)
「君の瞳に恋してる」のオリジナル収録、フランキー・ヴァリ。(
8月16日に紹介)
クラッシュで有名な「アイ・フォート・ザ・ロウ」が入っているボブー・フラー・フォー。(
9月4日紹介)
等々、発売された8月9月にいくつかこのコーナーでも取り上げました。

日本初CD化の貴重盤も含めて、解説・歌詞も付いて全て1,000円というところがこのシリーズの売りです。

 今日はそのシリーズの中で、僕の最も好きな1枚から、美しいバラード曲を。

アソシエイション、1968年発表の名作『バースデイ』から「ローズ・ペタルズ、インセンス・アンド・ア・キトゥン」。
(国内CD 解説・歌詞付 限定盤 WPCR-27824 1,000円)

 直訳すると、「バラの花びら、香り、そして仔猫ちゃん」。

 彼らのコーラス、そしてスタジオ・ミュージシャンであるベースのジョー・オズボーンとガット・ギターのトミー・テデスコが絶妙な音空間を作ってくれています。森 勉


2013年12月26日(木) マテオ・ストーンマン 「Tip-Toe Thru The Turips With Me」

 ペット・サウンズ・レコードが選ぶ2013年ベスト・アルバム
コラム・コーナーに更新いたしました。(通販コーナーにも後日掲載予定)

“ベスト・アルバム”というか、“各スタッフが2013年気に入ってよく聴いたアルバム”、ということでお手柔らかに。温かい目でご覧くださいませ。

 さて、その2013年ベストには選出しませんでしたが、この年末気に入ってよく聴いているこの1枚。

 マテオ・ストーンマン 『アンダー・ザ・ムーンライト』。
(国内CD 解説・歌詞付 VSCD-9461 2,300円+税)

 アメリカ/ニューハンプシャー出身のマテオは、窃盗容疑で服役中刑務所で見た『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』によってラテン音楽に目覚め、出所後キューバとLAを行き来し現地のミュージシャンとも交流。キューバ音楽を志向するという異色の経歴を持つ男性シンガー。

 今までの作品はスペイン語で歌っている楽曲が主でしたが、今作は彼の好きなスタンダード曲を英語でゆったりと歌っています。

 ハバナにある自身のスタジオで現地のミュージシャンと共にリラックスした雰囲気で録音されたこともあり、どの曲も温かい空気感が伝わる作品に仕上がっていますが、今日のこの1曲は③「ティップトゥ・スルー・ザ・チューリップス・ウィズ・ミー」。

ミュージカル映画『Gold Diggers Of Broadway』(1929年)でニック・ルーカスが歌ったのがオリジナルのこの曲。

細野晴臣さんが新作『Heavenly Music』で取り上げていましたね。
(日本語で歌っている細野さんのヴァージョンも最高!)

 マテオのヴァージョンもレイドバック感タップリでゴキゲンなナンバーです。森 陽馬


2013年12月27日(金) yojikとwanda 「あなたのせい」

 ペット・サウンズ・レコードが選ぶ2013年ベスト・アルバム
今年も、お気に入りだったアルバムを選ばせていただきました。

 ジェイク・バグ、ザ・ストライプス、海外のイキの良い新人さん達のシンプルでロックな新作が聴けたのが嬉しかったです。

ポールのようなベテラン・アーティストの作品も充実していたなと思います。

邦楽ではyojikとwanda『Hey!Sa!』。
(CXCA-1296 2,100円)

 yojikさんの柔らかな歌声とwandaさんのギターに、スティール・パン、二胡、トランペット、マンドリン、コントラバス…様々な音が合わさったアレンジの面白さや深い詞の世界観を聴けば聴くほどに感じることができます。

 wandaさんの弾くギタレレの音色がとても心地良い「あなたのせい」という曲。

今年特に好きな1曲となりました。東尾沙紀


2013年12月28日(土) Craig Nuttycombe with Piper Heisig 「Tell Laura」

年の瀬、ほっとひと息ついた時に聴きたいシンガー・ソングライター新譜オススメ盤。

 ランバート&ナッティカムのコンビで知られる男性シンガー・ソングライター、クレイグ・ナッティカムが女性シンガーPiper Heisigと組んで制作した新作です。
(輸入CD Craig Nuttycombe with Piper Heisig 『Impermanence』 DEP-003)

 クレイグ・ナッティカムの心温まるほのぼのヴォーカルがとにかくイイですね。

Piper Heisigによるハーモニーを重視した控えめな歌声も、ナッティカムのヴォーカルと見事に調和しています。

 バックの演奏は、アコースティック・ギターとベース、曲によってウクレレ、マンドリン、チェロ、ピアノが入るくらいでとてもシンプルですが、寂寥感はなく終始暖かな空気が流れています。
 ジャケットも素晴らしいですね。

 今日のこの1曲⑧「Tell Laura」。
アコーディオンの音色とナッティカムの歌声、聴いていると心豊かな気分になれます。

 ジェシ・ウィンチェスター、ピーター・ゴールウェイなどのシンガー・ソングライター作、グッド・タイム・ミュージックお好きな方に是非聴いてもらいたい1枚。森 陽馬


2013年12月29日(日) Carlos Aguirre 「Estrella (entre el espacio la luz)」

今年2013年、当店はあと2日間営業が残っていますが、簡潔なCDショップ回顧を。

 率直に言って、一般的な売れ筋商品が本当に売れなくなりましたね。

 ここ数年アイドル・グループ以外の販売枚数は軒並み落ちているのが顕著でしたが、今年は更に売れなくなったな、という実感があります。

 ではアイドル関連CDは売れているか、というとそうでもなく、専門通販サイトで購入する人が増えたせいか店頭販売は伸びていません。更には初回限定盤の入荷枚数が注文を出す前から制限されてしまうなど、売りたくても売れないものもありました。

 来年はより厳しい状況になるでしょうから、覚悟して1日1日営業していかねば、と思っています。

 さて、今日は、『バー・ブエノスアイレス 星の輝き』からこの1曲。
(国内CD RCIP-199 2,300円+税)

 bar buenos aires(バー・ブエノスアイレス)は、吉本宏、山本勇樹、河野洋志によるハイセンスな選曲集団。

 その彼らが選曲した第3弾コンピがこのアルバム。
“星の輝き”をテーマに、穏やかなピアノ・インスト、ギター、しっとりとしたヴォーカルなどをセレクトした17曲。

 閉店後、今作を聴きながらこれを書いていますが、営業中よりも深夜の方がピッタリ合いますね。
 夜遅くまで営業しているオシャレな飲食店のBGMにピッタリかも。

 カルロス・アギーレはアルゼンチンのピアニスト/作曲家。
彼の書下ろし新曲「Estrella」は、まさに“星の輝き”の下、静かに心を落ち着かせてくれる美しいピアノ・インストです。森 陽馬


2013年12月30日(月) Steve Nieve with Elvis Costello 「Tender Moment (Kairos)」

 今月行なわれたエルヴィス・コステロ&ジ・インポスターズの来日公演。
サービス満点&巨大ルーレットを使用した面白い試みのライブだったようですね!

 ジ・インポスターズのメンバーとして共に来日し、アトラクションズの頃からコステロを長年サポートし続けているキーボーディスト、スティーヴ・ナイーヴ。

来日後になってしまいましたが、彼の最新作『トゥギャザー』が今月リリースされたのでそちらをご紹介します。
(国内CD COCB-54082 2,300円+税)

 今作には、スティング、ヴァネッサ・パラディ、ロン・セクスミス、ロバート・ワイアット、グレン・ティルブルック(スクイーズ)、ジョー・サムナー(スティングの息子)、ハーパー・サイモン(ポール・サイモンの息子)など新旧様々なミュージシャンが参加。

 勿論!?エルヴィス・コステロも参加し、クラシカルな雰囲気のバラード「Tender Moment (Kairos)」をしっとりと歌い上げています。
 また、スティングの「You Lie Sweetly」ではコステロが作詞も担当しています。

季節外れですが、グレン・ティルブルックとの「Summer Song (Espionage)」がアルバムの中でも一際ポップで良い曲♪
 グレンは来年2月頃、ソロ新作をリリースする予定でそちらも楽しみです。東尾沙紀


2013年12月31日(火) 小坂忠 「明日になれば」

大滝詠一さんの訃報は店オープン後12時頃に聞きました。

その後、たくさんのお客様からお電話、メール、そしてご来店もいただきましたが、まだ実感がわきません。

店で大滝さんの歌もかけましたが、複雑な気持ちです。

今日のこの1曲は、小坂忠さんの新作『Nobody Knows』から。
(国内CD MCDN-1139 3,000円+税)

メジャーからではなく、自身のインディー・レーベル“ミクタム・レコード”からのリリースということで、ゴスペル色が強い作品かと思っていましたが、サウンド面に関しては穏やかなポップ/ロック・アレンジで、予想よりずっと聴きやすい仕上がりでした。

鈴木茂、西海孝、名ギタリスト2人が随所に渋いギターを聴かせてくれます。

2曲目「明日になれば」。
1975年発表アルバム『ほうろう』収録楽曲を彷彿とさせるような歌い回し。

温かな忠さんの歌声に心癒されます。

2013年、当店でお買い上げ、ご来店、もしくはこのページをご覧になっていただいた方々、ありがとうございました。

2014年、皆様が健康で幸せに過ごせることを祈っております。森 陽馬




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■


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