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  今日のこの1曲 “Archives”

<2019月3月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2019年3月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2019年3月1日(金) エゴ・ラッピン 「裸足の果実」

<レコード店へ足を運び、レコードを聴いて音楽を楽しもう>
2008年頃米国で始まった中小レコード店&アナログ・ファンのためのイベント、
RECORD STORE DAY

2019年4月13日(土)開催、アンバサダーは高橋幸宏さん! 発売予定タイトルも本日発表されました。

スマホやネットで音楽を気軽に楽しめる時代ですが、レコードで聴くからこその良さもありますよね。

例えば、7インチEPに入っている3分の曲。
聴く側は3分で聴き終わりますが、作り手はその3分のために何時間・何日、もしくは何カ月をかけているもの。
レコード針を落として聴くと、その作り手の苦労が伝わってくる感じがするんです。

ふくよかな音質、そして、曲の重みが増すという点が僕にとってのアナログの魅力かな。

さて、RECORD STORE DAY 2018アンバサダーだったエゴ・ラッピンが新曲をアナログEPで発売しました。

EGO-WRAPPIN'『裸足の果実/Shine Shine』
(国内EP 完全限定盤 TFKC-38034 1,200円+税)

テレビ東京系ドラマ『フルーツ宅配便』オープニング・テーマ曲「裸足の果実」。
アフロとカリプソを合わせたようなホーン&リズム・アレンジ、中納良恵の歌声が最高にかっこいい!
この曲が収録されたアルバムもCDとLP5月22日発売が決まっています。森 陽馬


2019年3月2日(土) リトル・ミルトン(ギター:レジー・ヤング) 「Whenever You Come Around」

アメリカという国はとても広大な土地なので、東西南北、国の色々な場所に録音スタジオがあります。

スタジオにそれぞれ座付きのような形でミュージシャンがいて、その人たちが奏でる音がその土地のスタジオの特徴になっていくことが多くあります。

今日はそんなスタジオ・ミュージシャンをフィーチャーしたCDを紹介したいと思います。

レジー・ヤング『セッション・ギター・スター』
(国内仕様CD ACE原盤36ページ写真満載ブックレット 宇田和弘氏の日本語解説付 MSIG-1260 3,100円+税)

メンフィスやナッシュビルのスタジオでセッション・ギタリストをしていたレジー・ヤングが参加した楽曲が全24曲収められています。
彼のギター・プレイは決して派手なものではないのに、その曲を見事にサポートして楽曲の価値を高めているプレイばかりです。

1960~70年代を中心に、1956~2010年までの音源で、ビル・ブラック・コンボ、ボビー・ブライド、ソロモン・バーク、ジェイムス・カー、ダスティ・スプリングフィールド、ジャッキー・デシャノン、J.J.ケイル、マール・ハガード、ウェイロン・ジャニングス、ナタリー・マーチャントなどの楽曲で個性的なギター・プレイを聴くことができます。

今日のこの1曲はどの曲にしようか迷っています。
ジョー・テックス「チキン・クレイジー」ではチキン・ピッキングが聴きものだし、エルヴィス・プレスリーの曲ではエレクトリック・シタールが聴けたり、ドビー・グレイの大ヒット曲「ドリフト・アウェイ」では必殺フレーズのオンパレードだったり、うしろ髪を引かれますが、決めました!

23曲目リトル・ミルトン「「ホエンエヴァー・ユー・カム・アラウンド」。
声良し、歌良し、曲良し、そしてレジーのギター良し。

レジー・ヤングは1936年12月12日生まれ、残念ながら今年2019年1月17日に心不全のため82歳で亡くなってしまいましたが、長い年月に渡って印象的なフレーズを紡ぎ出し続けたギター職人レジー・ヤングよ、永遠に。森 勉


2019年3月3日(日) ブライアン・アダムス 「All Or Nothing」

ブライアン・アダムスの新作が発売になりました。
2017年発売ベスト盤を挟み『ゲット・アップ』(
2015年10月19日今日のこの曲で紹介)から約3年半ぶり。
14作目となるオリジナル・アルバム『Shine A Light』。

ブライアン・アダムス『シャイン・ア・ライト』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICP-1191 2,600円+税)

2014年発表カヴァー・アルバムに携わっていたボブ・ロックが半数以上の曲で共同プロデュースを務めている他、タイトル曲「Shine A Light」をエド・シーランと共作していたり、熱い愛の歌「That's How Storong Our Love Is」をジェニファー・ロペスとのデュエット等話題の共演も交えつつ、今作もポップで爽快でロックンロールなナンバーをたっぷり聴かせてくれます。

「Shine A Light」、「All Or Nothing」、「Don't Look Back」...
ロック・ファンは思わず反応してしまいそうな曲名中から、AC/DC的なギターリフで切り込んでいくオリジナル曲「All Or Nothing」を今日のこの1曲に。

本編最後には、シン・リジィのカヴァーで知られるアイルランド民謡「Whisky In The Jar」に加え、日本盤ボーナス・トラックとして、デイヴ・エドモンズのヴァージョンが有名な「I Hear You Knockin'」カヴァーが収録されています。東尾沙紀


2019年3月4日(月) 杉真理 「平和な人へ」

杉真理、最高傑作!
デビュー40周年(厳密には2019年で42周年)記念作『MUSIC LIFE』は、そんな声も上がるくらい大好評です。

杉真理『MUSIC LIFE』
(国内CD UICZ-4445 3,000円+税 
当店のみの先着特典バッチ付

竹内まりやへの提供曲セルフ・カヴァー「Dear Angie~あなたは負けない」(竹内まりやコーラス参加)、「大丈夫さ」という歌詞が心に残る名曲「コロンブス」他、杉さんらしいポップ・ワールド満載全12曲。
『STARGAZER』(1983)等、80年代名作ジャケットを手掛けた田島照久氏によるアート・ワークもNiceですね。

今日のこの1曲には、2016年急逝した村田和人さんへ捧げた8曲目「平和な人へ」を。

「ありがとう、そしてみんな愛してます」
村田さんがよく口にしていた言葉や曲名等を歌詞に織り込み、村田サウンドの要であった山本圭右によるエレキ・ギターがフィーチャーされた、まさに♪夏を連れてくる♪涙の爽快チューンです。森 陽馬


2019年3月5日(火) 細野晴臣 「僕は一寸・夏編」

「気軽に出来そうだと思ったのは大間違い、これほど難しい作業になるとは・・ (中略)
誰の助けも借りずに「宅録」という手段を選択したのだが、これが大問題だった。」

「70年代の音楽をそのまま現在に置き換えることは困難な作業だ。今の自分ならどうやるか、という命題がスムーズに行ったとは思えない。いくら客観的な視点を持とうとしても、結局自分からは離れられないことを思い知った。」
<細野晴臣『HOCHONO HOUSE』ブックレット 細野晴臣氏自身による解説より>

細野晴臣、待望のアルバムは1973年発表名盤『HOSONO HOUSE』を新レコーディングした作品。
その名も『HOCHONO HOUSE』!

細野晴臣『HOCHONO HOUSE』
(国内CD VICL-65086 3,000円+税 
先着特典ポストカード&当店のみの特典ステッカー

曲順はオリジナルと真逆で、「相合傘」から始まり「ろっか・ばい・まい・べいびい」で終わる流れ。
「パーティー」は1975年10月29日目黒区民センターでのライヴ音源が使われ、「終わりの季節」はインスト。
「CHOO CHOO ガタゴト・アメリカ編」は歌詞を大幅に変更、と随所に創意工夫が散りばめられています。

今日のこの1曲は、マッスルショールズ録音のようにソウルフルな「僕は一寸 夏編」。
2018年9月アレサ・フランクリンが急逝。そのことを想いながらレコーディングしたそうです。森 陽馬


2019年3月6日(水) エヴリシング・バット・ザ・ガール 「ドライヴィング」

発売前2月22日に今日のこの1曲で紹介したトミー・リピューマ作品集が2月27日発売されました。
とても素晴らしい日本編集・独自企画のCDなので、もう一度御案内しておきたいと思います。

『トミー・リピューマ・ワークス』
(国内3枚組CD 解説・歌詞付 WPCR-18138~40 4,500円+税)

トミーの奥様ジルさんのコメントが付いたブックレットには、プロデュースしたアーティストたち<オージェイズ、サンドパイパーズ、クロディーヌ・ロンジェ、ニック・デカロ、ダン・ヒックス、マイルス・デイヴィス、ドクター・ジョン、マイケル・フランクス、ポール・マッカートニー、ダイアナ・クラール、そして良き相棒であったエンジニアのアル・シュミット>との貴重な写真が掲載されています。

解説には各曲毎のミュージシャン・クレジットも記されているので、このドラムスは、このギターは、このサックスは誰?と思った時に見ればわかるようになっているのもうれしいところです。

とにかく選曲がいい、曲の並びがいい、リマスターされた音がいい。
そして、当たり前ですが、トミー・リピューマにプロデュースされた1曲1曲の楽曲が素晴らしい。

3枚組CDに全45曲、1965年の初ヒットとなったプロデュース作品から2017年の遺作となった作品まで、聴き応えのある曲がずらり。

個人的な好みにスパッとはまったのが曲の並びです。
ジョージ・ベンソン「ブリージン」~マイケル・フランクス「淑女の想い」、デオダート「ラヴ・アイランド」~ジョアン・ジルベルト「ス・ワンダフル」、スティーヴン・ビショップ「愛の贈りもの」~ラーセン=フェイトン・バンド「訪問者」、マイルス・デイヴィス「「TUTU」~クラウス・オガーマン&マイケル・ブレッカー「夜の翼」など、曲順の妙も感じられるコンピレーションCDなのです。

今日のこの1曲はディスク3の6曲目に入っているエヴリシング・バット・ザ・ガール「ドライヴィング」。
トレイシー・ソーンの物憂げな声のバックに、オマー・ハキムやマイケル・ブレッカーを配すなんてトミー・リピューマ・マジックです。
この曲の次にアズテック・カメラが入っているのもグッときた流れです。

イギリス人ミュージシャンのプロデュースにも手腕を発揮したトミー・リピューマのセンスに脱帽です。森 勉


2019年3月7日(木) 伴瀬朝彦 「水をぶっかけて」

片想い、ホライズン山下宅配便、cooking songs他、CM音楽をはじめアーティストのプロデュースやサポートでも活躍しているシンガー・ソングライター、伴瀬朝彦(ばんせともひこ)。

ソロとしては5年ぶり、2枚目となる新作『エモノ』がリリースされました。
伴瀬朝彦『エモノ』 (国内CD MYRD-128 2,500円+税)

マルチプレイヤーとしての手腕が活かされた一人多重録音の前作『カリハラのうた』(
2014年4月24日今日のこの1曲で紹介)とは異なり、今作にはNRQ服部将典(ベース/チェロ)、みしませうこ(ドラム)、cooking songsのメンバーでもある田島拓(ギター)が参加。シンプルながら絶妙なアンサンブルを聴かせてくれます。

はっぴいえんど然としたタイトル曲「エモノ」、ブルージーな「針と糸」、「ヘイ・ジュード」を想起させるフレーズが印象的な「パラレルストーリー」、ポップな中にフッと影を落とす「哀愁ロボ」、ピアノやチェロの音色が後引く「夢のあと」。
飾らない歌声と独自の世界観を持った詞・楽曲。聴けば聴くほど味が出る伴瀬ワールドが広がっています。

本日は、アメリカ南部ロックの武骨な雰囲気を纏った「水をぶっかけて」を今日の1曲に。
伴瀬さんのさりげないエレピ(?)の音色にも注目です。

お買い上げの方には先着で伴瀬さんの写真を使用した缶バッチ型栓抜きを差し上げています。東尾沙紀


2019年3月8日(金) Lucas Arruda 「Onda Nova」

待ってました!
ブラジリアン・メロウ・グルーヴの新星、ルーカス・アルーダ。待望の3作目です。

ルーカス・アルーダ『Onda Nova』
(国内CD ボーナス・トラック2曲追加 日本語解説付 PCD-24816 2,400円+税)

ルーカス・アルーダは1983年ブラジル生まれの男性キーボード奏者/ミュージシャン。
2013年発表1st『Sambadi』(
2013年7月18日今日のこの1曲で紹介)、2015年発表2nd『Solar』(2015年6月27日今日のこの1曲で紹介)はどちらも好評で、店内でかけていると「これ何ですか?」とよく聞かれた傑作でした。

約3年半ぶりとなる今作は、今までと同じくアンドレ・ソロンコを輩出したFavorite Recordingsからリリース。
そして、エヂ・モッタのアルバムにも参加していた兄チアゴ・アルーダとの共同プロデュース作。

AOR的になり過ぎ凡庸な仕上がりを危惧していましたが、彼の持ち味であるメロウなエレピ使いは健在。
グルーヴィーかつハイセンスなブラジリアン・フュージョンはそのままに、AOR的アプローチが施された全10曲。

その中から、“新しい波”の意であるタイトル曲「Onda Nova」を今日のこの1曲に。
約7分30秒の長尺ながら、心地良いウェイヴ(波)が続くかっこいいインスト・ナンバーです。森 陽馬


2019年3月9日(土) INITIAL TALK feat MONDAY MICHIRU 「STAR」(T-GROOVE REMIX)

こちらも待望のリリース!

モダン・ディスコ界で今や世界的に一目置かれる存在となった高橋佑貴によるユニット、T-GROOVE。
単独名義としては初の国内盤が遂に発売されました。

T-GROOVE『コズミック・クラッシュ』
(国内CD 林剛&T-GROOVE本人による解説・歌詞付 VICP-65517 2,400円+税)

2017年発表1st『Move Your Body』(
2018年3月19日今日のこの1曲で紹介)と、2018年12月発表2nd『Get On The Floor』(2019年1月13日今日のこの1曲で紹介)から選りすぐりの楽曲をチョイスし、その別ヴァージョンを収録。
更に新曲「Cosmic Crush」と初CD化リミックス音源も加えた入門編としても最適な1枚です。

今日のこの1曲は、ボーナス・トラックのINITIAL TALK feat MONDAY満ちる「STAR」(T-GROOVE REMIX)を。
MONDAY満ちるの歌声が映えるシティ・ソウル的楽曲に、メロウなフェンダー・ローズが絡むナイス・トラック♪

ちなみに、高橋佑貴は1982年12月3日生まれ(マイケル・ジャクソン『スリラー』が発売された3日後)とのこと。
まさに新世代ですが、彼自身の解説文を読むと、ソウル/ディスコへの深い造詣と愛情を感じます。森 陽馬


2019年3月10日(日) 松永希 「かなたへ」

<松永孝義の音を残したいと立ち上げたプレシャスプレシャスレコーズは、私の出発点になりました。そして素晴らしいミュージシャンの音の記録にもなりました。優しく寛大でユーモア溢れる仲間に支えられてこのアルバムは完成しました。遠くまで届きますように。>松永希『声』セルフライナーより

2012年逝去した名ベーシスト松永孝義氏の妻であり、リングリンクスのヴォーカル、小笠原古謡の歌い手としても知られる女性シンガー、松永希(宮武希)。

以前から交流が深かったアーリータイムスストリングスバンドの今井忍をプロデューサーに迎え、気心の知れたミュージシャン(ロケット・マツ、アンドウケンジロウ、楠均、岡嶋善文)と共に制作したアルバムが遂にリリース。

松永希『声』
(国内CD PPRS-0001 松永希セルフライナー&森泉岳士イラストによるステッカー封入 2,800円+税)

魂が宿る歌、というのはこういう作品のことを言うのだろう。

松永孝義の死後、原マスミ氏が彼女のために書き下ろしたタイトル曲「声」他全10曲。
彼女の瞳の奥に潜む哀しさと優しさが歌を伝って感じとれるのです。

今日の1曲はラスト10曲目「かなたへ」。
松本市にある神宮寺の元住職、高橋卓志氏からお寺での法要のために般若心経をテーマに曲を作ってほしい、という依頼で作られた1曲。柔らかいオーラで心を包んでくれるような暖かくも力強さも感じさせるナンバー。森 陽馬


2019年3月11日(月) The Last Detail 「You're Not Mine」

雨や晴れの日を繰り返しながら、新しい季節へと移り変わっていくこの時期。
お天気の良い日もあまり良くない日でも心地良く聴けるフォーキー・ポップなこの作品が最近のお気に入りです。

ザ・ラスト・ディティール『The Last Detail』
(国内CD 日本語解説付 AW-35 2,300円+税)

ラスト・ディティールは、Fugu名義で活動しているフランス人男性ミュージシャン、メディ・ザナドと、ANTIから作品をリリースしているアメリカ/ニュージャージー出身女性シンガーA Girl Called Eddyことエリン・モランによる男女ユニット。
今作はスペインのElefant Recordsから発表された2018年1作目です。

60年代ポップス、70年代シンガー・ソングライター作品、ソフト・ロック、ビートルズなど二人の様々なルーツが垣間見えるメロディアスな楽曲をそれぞれのヴォーカルで聴かせ、美しいハーモニーも披露してくれています。

本日はエイミー・マンを彷彿とさせる歌声と切ないメロディ・ラインがじんわり沁みるエリン作&リード・ヴォーカルの「You're Not Mine」を今日のこの1曲に。
グザヴィエ・ボワイエらタヒチ80のメンバーが参加しています。

メディ作&リード・ヴォーカルの「Places」もポップな名曲!
アルバムの中ではこの1曲がイチオシです。東尾沙紀


2019年3月12日(火) マッコイズ 「嘘はイヤ」(If You Tell A Lie)

マッコイズは60'sアメリカン・ビート・グループの中でも忘れられないグループのひとつです。

1965年「ハング・オン・スルーピー」が大ヒットした頃、メンバー4人中一番年上で、リーダーでありヴォーカルとギターを担当していたリック・デリンジャーはまだ18歳になったばかりでした。

若いバンドらしい勢いが魅力でした。
このCDはそんな彼らのシングル・ヒット8曲を中心に、アルバムの中の佳曲も含めた全22曲収録ベスト盤です。

マッコイズ『ハング・オン・スルーピー ~ベスト・オブ・マッコイズ』
(国内CD 日本語解説:萩原健太 英文ライナー訳・歌詞・対訳付 EICP-837 1,700円+税)

大ヒット「ハング・オン・スルーピー」をはじめ、「フィーヴァー」、「カモン・レッツ・ゴー」等のヒットに加え、ビーチ・ボーイズ風な「ミスター・サマー」、ビートルズ・テイストを感じる「セイ・ドーズ・マジック・ワーズ」、ローリング・ストーンズ「黒くぬれ」風な「ドント・ウォリー・マザー」など、彼らが好きな先輩グループをうまくサウンドに取り入れた楽曲も収録されています。

今日の1曲は、1966年のシングル「アップ・アンド・ダウン」のB面曲だった「嘘はイヤ」(If You tell A Lie)を。
ポップでなんとも言えない良いメロディーの曲です。
この曲を作ったのは、若いマッコイズを支えたプロデューサー・チームでもあったボブ・フェルドマン、ジェリー・ゴールドスタイン、リチャード・コッテラーの3人でした。

12年ほど前、タヒチ80のグザヴィエ・ボワイエが、アックス・リヴァーボーイ名義で出したアルバムの中にこの曲のカヴァーが入っていたことを思い出します。なかなか良いカヴァーでしたよ。森 勉


2019年3月13日(水) ニック・デカロ 「Under The Jamaican Moon」

レコード・コレクターズ2019年4月号が入荷。
今号の第一特集は<大滝詠一 NIAGARA CONCERT '83>。

3月21日発売となるこの大滝詠一初のライヴ盤、3月19日(火)昼過ぎ入荷することになりました。
記事を読んでいて楽しみになってきましたね。

あと、今回のレココレで読み応えあったのが<トミー・リピューマの仕事>特集。
松永良平氏による<トミー・リピューマの仕事 プロデュース・アルバム100選>等、とても勉強になりました。

当店でも大プッシュ中『トミー・リピューマ・ワークス』を手にした方、もしくはトミー・リピューマの名前をご存知でない方も、「この名作もトミー・リピューマが手掛けたんだ!」と目に鱗だと思われます。
よろしければ、是非ご覧ください。

ちなみに、数多いトミー・リピューマプロデュース作の中で、僕が一番好きな1枚はコレ。

ニック・デカロ『イタリアン・グラフィティ』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-15147 1,714円+税)

トミー・リピューマの古くからの盟友であったニック・デカロ。1974年発表名作アルバム。

デヴィッド・T・ウォーカー、ハーヴィー・メイスン、バド・シャンク等の名ミュージシャンによるバック演奏が素晴らしいのはもちろんのこと、アルバム全体の空気感というか、音の雰囲気がとっても心地良いんですよね。

肌触りの良い毛布で包まれているような、そんな多幸感ある全10曲中から、スティーヴン・ビショップとリア・カンケルによる共作曲「Under The Jamaican Moon」(ジャマイカの月の下で)を今日のこの1曲に。森 陽馬


2019年3月14日(木) Le SuperHomard 「Paper Girl」

<フランスの(ステレオラブ+セイント・エティエンヌ)×ハイ・ラマズ!> 日本盤帯より

同じく帯記載の<ポール・ウェラーが昨年(2018年)のベスト・ソングのひとつに選出した「ブラック・ダイヤモンド」も収録!!>というコメントがあっては聴かずにはおれません。

ル・シュペール・オマールは、タヒチ80と昔から交流があるクリストフ・ヴァイヤンを中心としたフランス男女5人組バンド。
スペインのElefant Recordsから2018年に発表した1st『Medow Lane Park』の日本盤が2019年2月リリースされました。

ル・シュペール・オマール『メドウ・レーン・パーク』
(国内CD 日本語解説付 初回盤のみ特製CD封入 AW-043 2,600円+税)

ハイ・ラマズを彷彿とさせる流麗なストリングス・インストを交えたドリーミー&サイケなエレクトロ・ガール・ポップ♪、といった感じでしょうか。

ウェラーがイチオシの「Black Diamond」も良いですが、私は「Paper Girl」という曲を激オシしたいと思います。

ワクワク感を煽るデジタルなビートに、キュートな女性ヴォーカル、明るいメロディーのアレンジにふんわり香る60'sポップス。
エレ・ポップは苦手かもという方にも是非聴いていただきたい1曲です!

初回には、日本オリジナル特製CDが付いています。
タヒチ80のグザヴィエ・ボワイエがヴォーカルで参加した音源など全6曲が収録されています。東尾沙紀


2019年3月15日(金) The Beach Boys 「Caroline No」

3月15日は、2007年当店新店舗オープン日であり、マイク・ラブの誕生日でした。

そんな記念日に、(書籍)『ブライアン・ウィルソン自伝』(日本語版)が遂に発売!
(DU BOOKS 翻訳:松永良平 3,000円+税)

生い立ちや1960年代スタジオ・ワークの話もありますが、2015年公開映画『ラヴ&マーシー』で描かれたメリンダさんとの出逢いとそれ以降の話も多く、2012年再結集ツアーや映画『ラヴ&マーシー』を実際に見た話、ニューヨークでバリー・マン夫妻&キャロル・キングと偶然会った話など、興味深く楽しんで読むことができました。

松永良平さんによる日本語訳も読みやすいですね。
ビーチ・ボーイズ・ファンは是非チェックしてみてください。

<「神のみぞ知る」はあのアルバムの最高の曲かもしれないけど、ぼくがいちばん好きな曲は「キャロライン・ノー」になるだろうね。>『ブライアン・ウィルソン自伝』より

その「Caroline No」を今日のこの曲に。森 陽馬


2019年3月16日(土) Vladimir Cetkar 「Joyride」

ギター・マガジン2019年4月号は<シティ・ポップを彩った、カッティング・ギターの名手たち>特集。
(リットー・ミュージック 907円+税)

松任谷由実、吉田美奈子、山下達郎他シティ・ポップ名盤で聴ける、松原正樹、松木恒秀、鈴木茂、村松邦男、山下達郎のカッティング・ギター・プレイを、作品の背景を掘り下げながら紹介しています。
1970年代鈴木茂の写真を使った表紙もイイですね。

さて、最近リリースされた新譜でギターの鳴りが印象的だった1枚を。

ヴラディミール・チェトカー『Going Home』
(国内CD 日本盤ボーナス・トラック2曲追加 吉岡正晴氏による解説付 PCD-24809 2,400円+税)

1977年マケドニア共和国生まれ、ニューヨーク拠点に活動中の男性ミュージシャン、ヴラディミール・チェトカー。
2013年末発売『Heavenly』(
2014年1月26日今日のこの1曲で紹介)から約5年ぶりとなるスタジオ録音3作目。

ハイセンスで洗練されたグルーヴはそのままに、よりメロディアス、心地良い音感も増した仕上がり。

今日のこの1曲はジョージ・ベンソンを現代流にアレンジしたようなクールなキラー・インスト②「Joyride」を。
カッティング・ギター好きは4曲目「Jagula」も聴きものですよ。 森 陽馬


2019年3月17日(日) トゥーツ・シールマンス 「ベ・ベ・クレオール」

ハーモニカ&ギター奏者のトゥーツ・シールマンスは、様々なレーベルから作品を発表しています。

今日は1974年4月オランダで録音され、キーノート・レコードから発表されたアルバムを紹介したいと思います。
(キーノートはその後、タイムレスのサブ・レーベルであるライムツリーへ権利が移ります。)

トゥーツ・シールマンス『トゥー・ジェネレーションズ』
(国内CD 期間限定価格盤 UVJZ-10196 980円+税)

トゥーツの代名詞的なゆったりソング「ブルーセット」再演ヴァージョンも入っていますが、このアルバムは全体的にアグレッシヴなハーモニカ・プレイを聴くことができます。

ギターのフィリップ・カテリーンをはじめ、このセッションに参加したミュージシャンが50歳を越えたトゥーツを刺激する何かを持っていたんだろうと思います。

2曲目「ベ・ベ・クレオール」は、ジャズ/ロック・テイストの演奏をバックに、トゥーツ・シールマンスがハーモニカを吹きまくるオリジナル曲です。森 勉


2019年3月18日(月) 東京ビートルズ 「プリーズ・プリーズ・ミー」

大滝詠一初のライヴ盤『NIAGARA CONCERT'83』、遂に出ます!

3月21日発売ですが、3月19日(火)昼過ぎ入荷することになりました。
大滝さんのコンサートでの歌声、本当に素晴らしいです!乞うご期待!!

さて、ずっと生産中止になっていたCDが突如再プレスされ入ってくることがあります。
最近では、長らくメーカー在庫切れとなっていた大滝詠一関連のこのCDが再入荷しました。

東京ビートルズ『meet the 東京ビートルズ』
(国内CD 厚家羅漢(大瀧詠一)による解説付 VICL-35870 1,143円+税)

GSブームが爆発する直前、ビートルズ旋風巻き起こる1964年。
漣健児による日本語詞でビートルズをカヴァーしていた4人組、東京ビートルズ。

彼らが当時シングルEP盤でリリースした計4曲収録。
「抱きしめたい」、「プリーズ・プリーズ・ミー」、「キャント・バイ・ミー・ラヴ」、「ツイスト・アンド・シャウト」。
厚家羅漢(大瀧詠一)、高田文夫、野村義男、黒沢進による解説がブックレットに記載されています。

なお、このCDの宣伝文句として<大瀧詠一プロデュース>との文面も見受けられますが、大滝詠一が編曲を担当したのではなく、彼が中心となりビクターから1990年代に初CD化した、という意味合いです。森 陽馬


2019年3月19日(火) 大滝詠一 「FUN×4」(LIVE)

大滝詠一初のライヴ・アルバムが本日入荷しました。
3月21日発売ですが、2日早い店頭出しOKとなっています。

大滝詠一『NIAGARA CONCERT '83』
(国内CD2枚組+DVD 初回生産限定盤 解説:能地祐子 SRCL-11100 6,000円+税)

先行試聴会&試写会の話をこちらで書きましたが、遂に発売になりました。
今回は本当に盛りだくさんの内容で、多角的にナイアガラ・ワールドが楽しめるものだと思います。

まず<ディスク1>のCD。
1983年7月24日西武ライオンズ球場で行われた夏のイヴェント『LIVE JAM』に出演した際のライヴ録音盤です。

バックを担当した新日本フィルハーモニー・オーケストラと、ナイアガラ・レッキング・クルーの演奏が6曲。
そして、大滝詠一のヴォーカル曲が10曲(メドレーもあり)の全16曲。
真夏の夕暮れの夢のようなナイアガラ・サウンドと、大滝詠一のなんともふくよかなヴォーカルが堪能できる約62分。

『ナイアガラ・トライアングルVol.2』の中の曲や薬師丸ひろ子へ提供した「探偵物語」、「すこしだけやさしく」が聴けるのもうれしいところです。

<ディスク2>は『EACH Sings Oldies from NIAGARA CONCERT』。
大滝詠一が行ったライヴにおいて洋楽オールディーズをカヴァーした曲を集めたものです。
伊集加代子らをコーラスに従えたフリートウッズ風のほんわかハーモニーものと、バンドをバックにしたロックンロールものが両方聴けます。

<ディスク3>は大滝詠一の動いている所を見ることができるDVD。
1977年『ファースト・ナイアガラ・ツアー』を記録した貴重な映像です。
28歳11カ月の若き大滝詠一を見て、女性ファンが増えるのではないでしょうか。

それから、初回盤のみのブックレットを眺める楽しみ。
今回はまさに楽しみが4倍です。森 勉


2019年3月20日(水) Inara George & Charlie Wadhams 「Something Stupid」

長門芳郎氏のパイドパイパーハウス企画による限定アナログ盤が本日発売されました。

ヴァレリー・カーターとイナラ・ジョージのスプリットEP盤です。

ヴァレリー・カーター「Baby It's You」/イナラ・ジョージ「Something Stupid」
(国内EP PPH-19304 1,500円+税)


ヴァレリー・カーターサイドは、
2018年12月15日今日のこの1曲でも紹介した「Baby It's You」カヴァー。
ニコレッタ・ラーソン&ローレン・ウッドと一緒に歌っているゴキゲンなトラック。もちろん初アナログ化!

そして、イナラ・ジョージサイドは、「Something Stupid」(邦題:恋のひとこと)カヴァー。
アメリカ/LA出身男性シンガ・ソングライター、チャーリー・ワダムスとのデュエット。
2018年発表アルバム『Dearest Everybody』の国内盤CDにボーナス・トラックとして収録されていた楽曲です。

今日のこの1曲には、フランク・シナトラ&ナンシー・シナトラの大ヒットヴァージョンが有名で、なおかつ大滝詠一&竹内まりやのデュエットも印象深い「Something Stupid」カヴァーの方を。森 陽馬


2019年3月21日(木) Benny Sings 「Nakameguro」

<東京で桜(ソメイヨシノ)開花>、が気象庁より本日発表されました。

武蔵小山近隣、かむろ坂の桜はまだまだこれからですが、暖かくなり春めいてきましたね。
閉店時の外看板を片付ける際、蚊や虫が看板照明に集まっていて、その些細な出来事にも春の訪れを感じます。

東京桜の名所として近年有名になってしまった目黒川沿い、特に中目黒は今後凄い人出となるのでしょうね。

そんな<中目黒>をタイトルに冠した楽曲が、海外アーティストからリリースされたのでご紹介。

Benny Sings『City Pop』
(輸入LP Stones Throw STH2403)

オランダ人男性シンガー・ソングライター/プロデューサー、ベニー・シングス。
2018年9月日本先行発売し、当店でも大ロングセラー中の6thアルバム『CITY MELODY』。
タイトルを『CITY POP』へ変更し、楽曲&曲順も大幅に入替。輸入アナログ盤として再発売されたのが今作。

そのA面4曲目に収録されている日本盤CD未収録「Nakameguro」。

元々は2018年6月配信のみで発表されたデモ音源集『Beat Tape』に収録されていた楽曲。
「ナカメグロ」と歌われる部分はありますがほぼインストで、親日の彼が中目黒をイメージし制作したようです。

ちなみに、A面2曲目「Familiar」、B面2曲目「Summerlude」も日本盤CD未収録曲で聴きもの♪ 森 陽馬


2019年3月22日(金) James Taylor 「Woodstock」

<たった一人で私は旅しているの、旅しているの。自由になるカギを探して...>
ジョニ・ミッチェル「All I Want」歌詞より

1943年カナダ生まれ孤高の女性シンガー・ソングライター、ジョニ・ミッチェル。
生誕75歳を祝ったトリビュート・コンサートが2018年11月6、7日L.AのThe Music Centerで開催。

ジェイムス・テイラー、グラハム・ナッシュ、ノラ・ジョーンズ、チャカ・カーン、ダイアナ・クラール、エミルー・ハリス、ルーファス・ウェインライト、シール等が参加した本イベントのライヴ盤がこの度発売されました。

『JONI 75~A Birthday Celebration』
(輸入CD DECCA B0029724-02 国内盤はボーナス・トラック1曲追加し4/3発売予定)

アーティスト各々の個性で彼女の名曲をカヴァーし、感動的なパフォーマンスも多々あるのですが、「ジョニの歌は、ジョニのようには誰も歌えないのだな」という当たり前のことを改めて実感しましたね。

とは言え、各カヴァー素晴らしい出来ですので是非聴いていただきたい1枚。

なお、モロジェロンズ病を患い、2015年緊急入院するなど近年は表舞台から遠ざかっていた彼女ですが、このイベントでは公の場に出てきて参加ミュージシャンと記念撮影等行いました。(ブックレットに写真掲載。)
その模様がドキュメンタリー映像として全米では配信され、今後DVD発売も予定されているそうです。森 陽馬


2019年3月23日(土) Dan Penn & Spooner Oldham 「Do Right Woman,Do Right Man」

先週ダン・ペン&スプーナー・オールダムの来日公演へ行ってきました。

このコンビで来日するのは1999年以来、20年ぶりとのこと!
遠目からだと当時の写真とそんなに変わらないように見えましたが、現在ダン・ペン77歳、スプーナー75歳。
ダン・ペンの声が苦しそうなところもありましたが、生で観ることが出来て、99年の名ライヴ盤『Moments From The Theatre』を初めて聴いた時のようにとても感激してしまいました。

司会らしき方の紹介で、ゆっくりと登場した2人。
「I'm Your Puppet」からスタートし、「Sweet Inspiration」、続く「Cry Like A Baby」ではお客さんに歌わせる一幕も。
(3月17日がアレックス・チルトンの命日だったこともあり「Cry Like A Baby」前にボックス・トップスの話も少し。)

スプーナー・オールダムのさりげないコーラスとエレピが心地良く、アンコールで演奏した「Raining In Memphis」の軽やかなタッチも素晴らしかったです。

ダン・ペンの深みのある歌声に特にグッときた「Do Right Woman,Do Right Man」を今日の1曲に。
また元気で来日してくれますように!

掲載ジャケットは99年のライヴ盤『Moments From The Theatre』に2006年のライヴDVDをプラスした『ザ・コンプリート・デュオ・レコーディングス』(国内CD MSIG-1024 解説付 3,200円+税)です。東尾沙紀

2019年3月24日(日) Jackie & Gayle 「That's How It Goes」(『Where The Girls Are Vol.10』より)

ひな祭りはとっくに過ぎてしまいましたが、60'sガール・ポップを集めたCDが出ましたので取り上げたいと思います。

『Where The Girls Are Vol.10』
(輸入CD 20ページ英文カラーブックレット付 ACE CDCHD1511)

イギリスのACEレーベル人気シリーズも遂にVol.10まで来ました。
CD『Where The Girls Are』(Vol.1とは表記がありませんでした)が出たのは、1997年のことでした。

1960年代のレアなガール・ポップに特化したシリーズで、<あまり知られていないけれど、イイ曲を集めました>というコンセプトを貫いています。

有名グループのレア曲や、無名グループの人知れず出ていたシングルや、時には蔵出し未発表曲など、ヒット・チャートとは無縁の曲を収録しる方針で22年間。
Vol.10で一応このシリーズは最後になるようですが、凄いシリーズです。
イギリスの音楽好事家ミック・パトリックを中心に、面白い曲を集めてくるスタッフに拍手!

全26曲収録されていますが、注目曲を挙げておきましょう。

ラス・タイトルマンが曲を作り、プロデュースも担当したサンドラ・フランクリン⑦。
ラリー・ウェス(アニマルズ「ヘルプ・ミー・ガール」、アメリカン・ブリード「ベンド・ミー・シェイプ・ミー」、グレン・キャンベル「ラインストーン・カウボーイ」等の作者)が関わったのに未発表のままだったキャロラインズ④。
ジャック・ニッチェがアレンジ&プロデュースした奥様も在籍のサティスファクションズ⑯など、60'sガール・ポップらしい曲がたっぷり入っています。

今日のこの1曲は、15曲目ジャッキー&ゲイル「That's How It Goes」を。
トニー・ハッチ作品、アレンジはジーン・ペイジ。
イギリスではブレイカウェイズが歌っていた曲で、それに負けないパンチのあるヴァージョンに仕上がっています。森 勉


2019年3月25日(月) Charlie Faye & The Fayettes 「1-2-3-4」

60'sガール・ポップなサウンド&楽曲を、現代の音で奏でる新譜も紹介しましょう。

チャーリー・フェイ&ザ・フェイレッツ『The Whole Shebang』
(国内仕様CD 日本語解説付 BBM2008JP 2,400円+税)

2006年ソロ・デビューしている女性シンガー・ソングライター、チャーリー・フェイを中心に、テキサス発黒人女性シンガーBetty Soo、キャノンボール・アダレイを親戚に持つAkina Adderleyによる女性3人ユニット、Charlie Faye & The Fayettes。2016年デビュー作に続く約3年ぶり2ndオリジナル・アルバムです。

オールディーズ/フィル・スペクター・サウンドから、シュープリームス等のモータウン、ヴィンテージ感あるソウルフルな楽曲まで、チャーリー・フェイの可憐な歌声とキャッチーなメロディーでポップに聴かせる全12曲。

ベーシストのエリック・ホールデンがプロデュースを担当し、エルヴィス・コステロとの仕事で御馴染みのピート・トーマス(ドラム)、ジャズ・ギタリストのマーカス・ワトキンスがバック演奏。スワンダイヴのBill Demainと7曲共作しており、なかなかにイナタいジャケットながら、思ったよりゴキゲンで楽しめる1枚です。

今日のこの1曲は、シュープリームスを彷彿とさせる①「1-2-3-4」を。森 陽馬


2019年3月26日(火) シュープリームス 「All I Want」

ソウル名門レーベル<モータウン>が設立60周年ということで、関連作が60タイトル1,000円で発売されました。

シリータ、リオン・ウェア、スピナーズ等、質の高いアルバムがお買い得価格です。
「モータウンはだいたい持っているからな~」という方も、世界初CD化やレア盤があって要チェックですよ。

中でも特にオススメしたいのがこの1枚。

シュープリームス『The Supremes Produced And Arranged By Jimmy Webb』
(国内CD 生産限定盤 世界初CD化 解説・歌詞付 UICY-78869 1,000円+税)

ダイアナ・ロスが脱退し、女性3人組(メアリー・ウィルソン、ジーン・テレル、リンダ・ローレンス)になったシュープリームスが、1972年ジミー・ウェッブをプロデューサー&アレンジャーに迎え制作した5thアルバムです。

ジミー・ウェッブがプロ作曲家として行った初仕事は1965年シュープリームス「My Christmas Tree」だったそう。
その後彼はフィフス・ディメンション「Up Up And Away」、グレン・キャンベル「By The Time I Get To Phoenix」、「Wichita Lineman」、リチャード・ハリス「MacArther Park」等多くのヒットを手掛けました。
そして時は巡り、1972年シュープリームスと再び組んだのが今作。

ジミー・ウェッブらしいストリングス・アレンジやメロディー・ラインが楽しめる全11曲。
ソウルファンのみならず、ジミー・ウェッブ・ワークスお好きな方は必聴ですね。

11曲中6曲がジミー・ウェッブ作ですが、今日のこの1曲はジョニ・ミッチェルカヴァーを。
この「All I Want」(ジョニのオリジナルは『Blue』収録)のアレンジは斬新ですねー。聴きものです。森 陽馬


2019年3月27日(水) 竹内まりや 「Crying All Night Long」

竹内まりやデビュー40周年記念企画、RCA時代のリマスター&ボーナス・トラック追加での再発第5弾『Portrait』が発売になりました。

竹内まりや『Portrait』
(国内CD ライナーノーツ:能地祐子 ボーナス・トラック6曲追加 BVCL-944 1,852円+税)

『Portrait』のLPレコードが発売されたのは1981年10月21日。
竹内まりやが歌手活動を一時休止し休養に入ることが決まっていて制作されたアルバムらしい、安堵感と開放感が感じ取れる作りになっていると思います。
彼女自身の精神状態も余裕が持てるようになったこともあり、その時彼女がやりたかったサウンドや言っておきたかった言葉がこのアルバム中には散りばめられているような感じです。

休養明け1984年に発表された復活第一弾『ヴァラエティ』に繋がるアルバムと言っていいと思います。
12曲中9曲でまりや自身が作詞(詞・曲ともには4曲)、山下達郎アレンジが5曲、曲調やバックを担当したミュージシャンなど、共通項がいろいろと思い当たってきます。

この『Portrait』には1981年に出たシングルが3枚含まれています。
「イチゴの誘惑」c/w「悲しきNight&Day」、「スペシャル・デリヴァリー」c/w「Crying All Night Long」、そしてアルバム発売後の12月に出た「Natalie」c/w「アップル・パップル・プリンセス」。

ちなみに今回のボーナス・トラックに、「アップル・パップル・プリンセス」(当時NHKみんなのうたで放送され、作曲:加瀬邦彦、作詞:柴田陽平、編曲:大村憲司)は残念ながら含まれませんでした。しかし、当時のライヴ録音6曲がプラスされています。

「Crying All Night Long」は作詞:竹内まりや、作曲・アレンジ・デュエット・ヴォーカルが伊藤銀次の隠れた名曲です。森 勉


2019年3月28日(木) 大滝詠一 「すこしだけやさしく」(LIVE)

大滝詠一『NIAGARA CONCERT '83』のアナログ・レコードが7月24日発売決定しました!

大滝詠一『NIAGARA CONCERT '83 LP』
(2019年7月24日発売 国内LP 完全生産限定盤 SRJL-1130 3,500円+税)
予約先着特典ポストカード付

CDは全16曲でしたが、アナログLPは大滝詠一ヴォーカル曲10トラックをセレクトして収録。
臨場感あるサウンドと、大滝さんの素晴らしい歌声はアナログ盤でよりふくよかに響くでしょうね。

『NIAGARA CONCERT'83』中、特に僕が気に入っているのは「すこしだけやさしく」。
ライヴ感ある後半のストリングスとリズム隊のアンサンブルは、癒しと感動が同時に味わえます。

ちなみに、このライヴ盤に収録されている大滝詠一名義最後のコンサートは1983年7月24日に行われました。
36年の時を経て、同じ7月24日にアナログ・レコードで聴ける喜び♪ 皆で享受しましょう! 森 陽馬


★予約受付ています。(通販コーナーでも直接メールでも大丈夫です)

2019年3月29日(金) Attic Lights 「Ruby's Song」

2005年グラスゴーで結成されたポップ・ロック・バンド、アティック・ライツ。

1st、2ndと2作続けてティーンエイジ・ファンクラブのフランシス・マクドナルドがプロデュースを担当したことで、ポップ・ファンの間でも話題となりました。
そして前作から約6年。ThrumのJohnny Smillieを共同プロデュースに迎えた3作目となる最新作『Love In The Time Of Shark Attacks』が2019年に入り届けられました。

Attic Lights『Love In The Time Of Shark Attacks』
(国内仕様CD 解説付 AW039 2,400円+税)

2008年メジャーデビューからその間アルバム3枚とのんびりとした活動を続けている彼ら。
パワー・ポップともカテゴリーされてきた楽曲、サウンドも少し落ち着き、アコースティック・ギターで聴かせる曲やバンジョーやマンドリンを取り入れた牧歌的な曲も収められ、新たな一面をみせてくれています。

ルイルイ~♪と一緒に口ずさみたくなる「Louis」、ファウンテンズ・オブ・ウェインを彷彿とさせる「kings Of Whatever」のようなとびきりキャッチーなナンバーも勿論健在です。

本日は、間奏のギターがどことなくロッド・スチュワート「Maggie May」風のロックンロール・ナンバー「Ruby's Song」を今日の1曲に。東尾沙紀


2019年3月30日(土) スタン・ゲッツ 「ア・ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム」

<ユニヴァーサル・ジャズ・レア盤コレクション>というシリーズが全70タイトル2018年末発売されました。

ユニヴァーサル・ミュージックが現在保持しているマーキュリー、エマーシー、ヴァーヴ、ライムライト、チェス、アーゴ、カデット、フォンタナ、デッカ、ドット等のレーベルから普段あまり再発されない盤が1,200円+税で色々出ました。

今日はその中からロック/ポップス・ファンにも楽しんでもらえるようなCDを選んでみました。

スタン・ゲッツ『プレイズ・バート・バカラック』
(国内CD UCCU-90344 1,200円+税)

タイトル通り、バート・バカラックの名曲をスタン・ゲッツのテナー・サックスで聴かせるアルバムです。
録音は1967年8月シカゴが主体で、バックにはチック・コリア、フィル・アップチャーチ、ロイ・ヘインズ等参加。
ストリングス及びブラス・アレンジはリチャード・エヴァンスが担当。
曲によっては1966年ニュージャージー、1968年ニューヨークの録音もあり、そちらにはハービー・ハンコック、ロン・カーター、ケニー・バレル等も参加しています。

「ルック・オブ・ラヴ」、「アルフィー」、「世界は愛を求めている」、「ウォーク・オン・バイ」等バカラック作品を独特のアドリブが入るスタン・ゲッツのテナー・サックスで楽しめる1枚です。

今日の1曲は「ア・ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム」を。
ハル・デイヴィッドの書いた歌詞はしんみり系ですが、ここはインストということもあり、軽やかにスウィングするようなアレンジになっています。森 勉


2019年3月31日(日) Muddy Waters 「Mannish Boy」

ローリング・ストーンズ展へ先日行ってきました。

3/15から5/6までTOC五反田メッセで行われているローリング・ストーンズ自身のプロデュースによる展示会。
当店から自転車で約10分、隣駅の不動前駅から徒歩約7分の場所でやっています。
(入場料は平日3,500円、土日4,000円。平日17時以降は500円引で3,000円)

ストーンズ結成当初の境遇・状況解説が記され、衣装や楽器も多数展示。ファン以外でも楽しめるでしょうね。
元メンバーのビル・ワイマン、ミック・テイラー等に関して、解説が欠けていた感があるのと、ライヴ映像がもっとあると良かったなあ、とも感じましたが、2時間半以上じっくり堪能してきました。

僕が特にハマッてしまったのが、<体験型ミキシング・コーナー>。
ストーンズの楽曲をヘッドホンで聴きながら、各楽器&ミックの歌声等を実際にミックスできるコーナーです。
例えば、僕はニッキー・ホプキンスが好きなので、「アンジー」におけるピアノ以外の楽器をオフにして、彼のピアノ・ソロをカラオケで聴けたりするわけです。(チューニングがズレたようなキースらしいギターのみ、とかも聴けますよー)
ロック好きの方はチェックしてみてください。

ということで、ローリング・ストーンズのメンバーが選曲・監修したブルース・コンピ2CDから今日のこの1曲。

V.A『Confessin' The Blues』
(輸入CD2枚組 BMGCAT155CD)

マディ・ウォターズ、ハウリン・ウルフ、リトル・ウォーター他、ミック&キースが影響を受けたブルース名曲全42曲。
その中から、ラストに入っているマディ・ウォーターズ「Mannish Boy」を。

ストーンズ2003年来日公演横浜アリーナにて、後半センターステージに移って演奏した「Mannish Boy」。
身体が熱くなり、興奮した記憶が甦ります。森 陽馬




これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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