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  今日のこの1曲 “Archives”

<2016月12月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2016年12月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2016年12月1日(木) ココナツ・バンク 「春待ち顔 人待ち顔」

伊藤銀次さん、上原“ユカリ”裕さんを中心としたココナツ・バンク。
待望のアルバムが発売になりました。

ココナツ・バンク『ザ・コンプリート・ココナツ・バンク』
(国内CD 当店のみの特典付 伊藤銀次氏による曲目解説付 BZCS-1148 3,000円+税)

2003年発表作収録曲6曲+新たに7曲を追加した全13曲。
どれもイイ曲で、聴きかえす毎に好きな楽曲が変わってくる魅力的な作品ですね。

今日のこの1曲は、銀次さんの優しい歌いかけが心に沁みる12曲目「春待ち顔 人待ち顔」。

銀次さんが上京前のごまのはえの頃(1972年)、曲のタイトルがひらめいたらメロディーが一緒に出てきて、その際カセット・テープに録音してあったそうです。
その後牧村憲一さんにごまのはえ時代の秘蔵音源をアーカイヴしてもらったことをきっかけにして、今回その続きを40年以上ぶりに書き足し完成させたのがこの1曲。

松本隆『風街』の影響を感じさせる「・・・待ち」というフレーズ、そして「こぬか雨」と同じように、あえてはっきりとは気持ちを語らず、見た目の風景を描きながらその心象をあぶり出させる詞世界が美しいナンバー。
この冬、いやこれからもずっと、冷えた僕らの心を温めてくれそうな名曲です。

なお、伊藤銀次さんへのインタビューを掲載した発売記念リーフレットも作成いたしました。
ココナツ・バンクのバンド名由来や、最も印象深い提供曲などに関して面白いお話しを伺えました。
お買い上げでなくても店頭でお持ちいただけるようにしてあります。よろしければ是非ご覧ください。森 陽馬


2016年12月2日(金) The Ventures 「Sleigh Ride」(楽しいそりすべり)

クリスマス時期に欠かせないのが、ヴェンチャーズ『クリスマス・アルバム』です。

2012年12月19日今日のこの1曲でもその時に出ていた国内盤で紹介していますが、アメリカ盤で新パターンのCDが発売されたので、また取り上げてみたいと思います。

The Ventures『The Ventures' Christmas Album - Deluxe Expanded Mono & Stereo Edition』
(輸入CD Dolton/Capitol/Real Gone Music RGM-0527)

収録曲は以前と同じですが、今回モノラルとステレオ両方が入っています。
(ジャケットに貼ってあるシールには、モノラルは初CD化と書いてありますが、日本では10年以上前に東芝EMIからモノ&ステレオが出ていました)

1965年に発表されてから51年。
モズライト・ギター時代に突入したヴェンチャーズがクリスマス・スタンダードを(4人で共作したオリジナル曲も2曲あり)見事なアレンジで料理したこのアルバムは全く色褪せていません。

「グリーンスリーヴス」、「ホワット・アイ・セイ」、「メンフィス」、「テキーラ」、「ブルースター」などの過去の有名曲や「ウーリー・ブリー」、「アイ・フィール・ファイン」、「ホエン・ユー・ウォーク・イン・ザ・ルーム」など1964~65年当時の最新ヒットを絶妙なアレンジでイントロに忍ばせる、という遊び心がうれしいアルバムでもあります。

グロッケンもふんだんに使われ、クリスマス気分を盛り上げてくれます。

今日はメル・テイラーならではのドラム連打から始まる1曲目「楽しいそりすべり」を。
「ウォーク・ドント・ラン」がイントロで使われています。森 勉


2016年12月3日(土)松岡直也 feat トゥーツ・シールマンス&松木恒秀 「FALL FOREVER」

山下達郎『SPACY』、『IT'S A POPPIN' TIME』への参加や、PIT INNで行っているライヴ・イベントWhat Is HIP? conclusionで今も健在の名ギタリスト、松木恒秀さん。

豪傑な雰囲気とは対照的な聴く者の胸を締め付けるメロウで優しいギター。
更に、トゥーツ・シールマンスの彩りあるハーモニカが堪能できる1979年録音の名盤が再発されました。

松岡直也 feat トゥーツ・シールマンス&松木恒秀『カレイドスコープ』
(国内CD WPCL-12498 1,500円+税)

1991年に一度CD化されたことがあったものの永らく入手困難。
2016年最新リマスタリングされ、待望のCD化です。

1960年代から2014年に亡くなるまで数多くの作品に関わった名ジャズ・ピアニスト松岡直也による楽曲を、トゥーツ・シールマンス、松木恒秀をフィーチャーし、一発録りでレコーディングした1979年作。

松岡直也、松木恒秀、トゥーツ以外にも、村上"ポンタ"秀一、土岐英史、ペッカー、杉本喜代志、向井滋春、高橋ゲタオ、長岡道夫、安川ひろし、清水靖晃、土方隆行という豪華メンツ。

ダビングとミックスダウンを一切排除した一発録音ではありますが、漆黒のジャケット・イメージとは違い、爽快なフュージョン・サウンドが聴いていてとっても心地良い1枚。

特に、松岡直也の流麗なピアノの奏、トゥーツの伸びやかなハーモニカ・ソロ、松木さんの歌心溢れるギター・ソロが素晴らしい①「FALL FOREVER」と⑤「FANCY PRANCE」。
2014年4月他界した松岡直也、2016年8月逝去したトゥーツ、往年のプレイに想いを馳せながら聴きたい名演です。森 陽馬


2016年12月4日(日) AZYMUTH 「Villa Mariana (Pela Madrugada)」

昨日紹介した作品のように、70~80'sフュージョン名盤が安い値段で色々CD化されています。

あの時代ならではの魅力ある名作が多いので、聴く側はどうしても安い再発盤ばかりになりがちですが、そのようなフュージョン好きの方に是非聴いてもらいたい新譜アルバムがこの1枚。

AZYMUTH『FENIX』
(輸入CD FAROUT RECORDINGS FARO194CD)

マルコス・ヴァーリの名曲がバンド名由来ということでも知られるブラジリアン・フュージョン・バンド、アジムス。
2016年発表、快心のオリジナル・アルバムです。

マルコス・ヴァーリ1973年発表名盤『Previsao Do Tempo』(バック・バンドは当時のアジムス)を彷彿とさせる浮遊感と、現代の音感をミックスしたメロウ・グルーヴの極致とも言える心地良いサウンド・アレンジ。

ミルトン・ナシメントやジャヴァンとの仕事で知られるキーボード奏者Kiko Continentinoが今作から加入。
今日のこの1曲は、彼が美しい音色のフェンダー・ローズを聴かせる「Villa Mariana (Pela Madrugada)」。

なお今作は、2012年に亡くなったアジムスのオリジナル・メンバーであり名キーボード奏者だったJose Roberto Bertramiへ捧げられています。森 陽馬


2016年12月5日(月) エセル・エニス 「Lullaby For Losers」

武蔵小山にあるジャズ喫茶FAT MAMA(ファットママ)が2016年12月31日で閉店するそうです。

2013年1月11日今日のこの1曲で取り上げたことがありましたが、珈琲や食事の味だけでなく、心も豊かにしてくれる大好きな喫茶店でした。

僕にとってはゆったりとした時間が過ごせる癒しの場だったので、無くなってしまうのは本当に残念だなぁ...。
皆さんもお気に入りのお店へは行けるうちに行ってくださいね。

ということで、今日のこの1曲は今夏FAT MAMAへ伺った時、店内でかかっていて教えてもらった1枚から。

エセル・エニス『ララバイズ・フォー・ルーザーズ』
(国内CD 完全限定盤 解説・歌詞付 WPCR-29119 1,200円+税)

1932年生まれの黒人女性ジャズ・シンガー、Ethel Ennis(エセル・エニス)。
失恋、淡い恋心など、哀しい恋のバラード曲で統一された1955年発表1stアルバム『Lullabys For Losers』。

エラ・フィッツジェラルドを彷彿とさせる落ち着いた歌声が素晴らしい名作。
ハンク・ジョーンズ、ケニー・クラーク等による歌に寄り添った演奏も哀愁に満ちています。

FAT MAMAで聴かせてもらった時はCDが出ていませんでしたが、デジタル・リマスターされたSHM-CD仕様&超お買い得価格国内盤で先々月再発されました。

FAT MAMA想い出の1枚となりそうです。森 陽馬


2016年12月6日(火) ローリング・ストーンズ 「アイ・ガッタ・ゴー」

構想50年!、レコーディング3日!!
というローリング・ストーンズの新緑ブルース・カヴァー・アルバムが最高にかっこいい!

ローリング・ストーンズ『ブルー&ロンサム』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-15588 2,500円+税)

新しいオリジナル・アルバム(来年以降に出る?)を制作中、ある1曲で行き詰ってしまい、その時にキース・リチャーズが「Blue And Lonesome」をやろう、と言って演奏したのがきっかけの1枚。

マーク・ノップラーがオーナーを務めるブリティッシュ・グローヴ・スタジオでの録音ですが、隣のスタジオでレコーディング中だったエリック・クラプトンが2曲ギターで参加、というエピソードもストーンズらしいですね。

そして、なんといっても今作はその音質!
アナログ的な質感ながらも艶のあるぶっとい音感が迫力満点!

一発録りだからこその荒々しいアレンジはもちろんのこと、このザラザラした音の波動がとにかく凄まじい!
どうやったらこんな音で録音できるのでしょうか。

ローリング・ストーンズ2003年3月横浜アリーナ公演、アンコールの際センターステージへ移って演奏された「Manish Boy」(マディ・ウォーターズのカヴァー。通常のステージと音が明らかに変わった!)を思い出しましたね。

今日のこの1曲は、ミックのハーモニカが縦横無尽に暴れまくる5曲目「I Gotta Go」(リトル・ウォルターカヴァー)。 森 陽馬


2016年12月7日(水) Kacey Masgraves 「Mele Kalikimaka」

2015年リリースされたブライアン・ウィルソン『No Pier Pressure』。
どの曲も好きですが、中でも「Guess You Had To Be There」が特にお気に入りの1曲となりました。

この曲でゲスト・ヴォーカルとして明るく伸びのある歌声を聴かせてくれたのが、アメリカの女性カントリー・シンガー、ケイシー・マスグレイヴス。

2016年発表『A Very Kacey Christmas』は、リラックス&あったかカントリー・ポップな彼女初のクリスマス・アルバム♪(輸入CD 0602557084221)

「Have Yourself A Merry Christmas」(ラップ・スティールが効いてます)、「Let It Snow」、「赤鼻のトナカイ」などスタンダード・ナンバーに加え、ウィリー・ネルソン参加のゆったりとした「A Willie Nice Christmas」、黒人男性シンガー、リオン・ブリッジスとのソウルフルな「Present Without A Bow」などオリジナルも4曲収録されています。

テキサスの美人フィドラー三姉妹、The Quebe Sistersによるオールドタイミーなコーラスも印象的なハワイアンX'masソング「Mele Kalikimaka」も楽しい1曲♪ 東尾沙紀


2016年12月8日(木) パイレーツ・カヌー 「Spyglass」

2016年12月10日(土)、当店地下アゲインにて以下イベントがございます。

PET SOUNDS RECORD presents
Pirates Canoeワンマン・ライヴ『ほっこりカーニバルVol.2』
カフェ・アゲイン 18時開場 19時開演 予約3,500円 当日4,000円

カントリー、アイリッシュ、アメリカン・ルーツ等様々な音楽ルーツを独自の個性で表現した男3人×女3人による日本屈指のバンド、パイレーツ・カヌー。約2年半ぶりに大阪からアゲイン上陸です。

おめでたいことにキャプテン沙羅さんがご懐妊中ということで、今後しばらくはパイレーツ・カヌーを生で観ることはできなくなると思います。この機会に是非。

そのパイレーツ・カヌー新曲を収録した4曲入りCDが発売されました。

Pirates Canoe『What Are We Fighting For』
(OTCR-12 1,000円+税)

切なくも芯の強さを感じさせる新曲①「What Am I Fighting For」、②「Spyglass」。
そしてマドンナのカヴァー③「Hang Up」、ジェイホークス作「Precious Time」。どの曲も素晴らしい!

今日のこの1曲は、船上から遠くの誰かを想う②「Spyglass」。
岩城一彦による哀愁こもったドブロ・ギターの響きが沁みます。森 陽馬


2016年12月9日(金) 大瀧詠一楽団 「青空のように」(カラオケ)

2017年3月21日発売、大滝詠一『NIAGARA 45RPM VOX』。
4,500セット完全限定盤! リリース決定が本日告知されました。

大滝詠一『NIAGARA 45RPM VOX』
(2017年3月21日発売 9EP+CD SRKL-3041 19,800円+税)

1970年代大滝詠一さんのナイアガラ・レーベルから出た7inchシングルEPを9枚復刻!
更にその音源18曲を全曲収録したCDも付属!

『DEBUT AGAIN』アナログ盤でも大好評だったティム・ヤングによるカッティング。
そしてハーフ・スピードカッティングが施された贅沢な仕様でのアナログ復刻。

4,500セット限定プレスのため入荷枚数が限られます。
予約先着順。ご入用の方はお早目に。

今日のこの1曲は、大滝詠一作の中でも特に大好きなこの名曲。

『NIAGARA 45RPM VOX』は貴重プロモ盤も4枚復刻され、その中の1枚が「青空のように」(mono)。
B面に大瀧詠一楽団名義によるカラオケが収録されています。

後にも先にも、これがアナログ復刻&CD化されるのは今回だけでしょうね。森 陽馬


2016年12月10日(土)イーグルス「ふたりだけのクリスマス」(Please Come Home For Christmas)

12月に入り、街に出ればあちこちでクリスマス・ソングが流れています。

いろいろなクリスマス名曲がありますが、この曲は特に好きな1曲。
どこかで流れていたら足を止めてじっくり聴きたくなってしまいます。

イーグルス「ふたりだけのクリスマス」(原題:Please Come Home For Christmas)。

1978年にシングルのみで発売され、オリジナル・アルバムには未収録の楽曲です。

この曲はカヴァーで、オリジナルは作者でもあるテキサス出身のR&Bアーティストのチャールズ・ブラウン。

イーグルス・ヴァージョンは、リード・ヴォーカルをドン・ヘンリー、間奏のギターはドン・フェルダー(ジョー・ウォルシュ?)。これぞ中期の彼らの音に仕上がっています。

このベスト・アルバムは原題『ザ・コンプリート・グレイテスト・ヒッツ』というもので2枚組全33曲。
1,800円+税という安さで、解説・歌詞・対訳付です。(国内CD WPCR-17150 1,800円+税) 森 勉


2016年12月11日(日) Neil Young 「Peace Trail」

♪ The world is full of change 世界は変化に溢れている
And sometimes all these changes make me sad その変化が俺を悲しませるときもある
But I'll keep plantin' seeds それでも俺は種を蒔き続ける
'Til something new is growin'  新しい何かが育つまで 
I think I'll hit the peace trail.  平和の道を歩いていこう
Caus somethin new is growin'  新しい何かが育っているから ♪
(ニール・ヤング「Peace Trail」歌詞より)

ニール・ヤング2016年録音新作『PEACE TRAIL』が発売されました。
(輸入CD Reprise 2-558314 国内盤は12月14日発売)

ジム・ケルトナー(Dr)、ポール・ブシュネル(B)とのトリオ編成でレコーディングされたオリジナル新曲全10曲。

シンプルなアコースティック・サウンドかと思いきや、ニールの心痛が表現されたようなエレキ・ギターが突如組み込まれたり(②「Can't Stop Workin'」)、美しいハーモニカから始まりながらも歌が進むにつれ電子音やヴォコーダーが登場する楽曲⑩「My New Robot」があるなど、不思議な味わいを残すアルバム。

黒人射殺事件に関する⑤「Texas Rangers」、テロ問題⑥「Terrorist Suicide Hang Gliders」、女性の権利について歌う④「Show Me」など、現代アメリカの社会問題を扱った歌が多く、個人的には2003年作『Greendale』のような印象を受けました。(特に⑦「John Oaks」歌詞はグリーンデイルの物語を彷彿とさせますね)

音を一聴するだけだと伝わり辛いので、日本語訳詞が付いた国内盤で聴いた方がいいかもしれません。

ちなみに、<2017年5月ニール・ヤング来日!?>の噂がありましたが、2017年4月オーストラリアでのフェス出演がキャンセルになったそうで、久々の来日公演は幻に終わってしまいそうです、、、。残念!
キャンセルになった理由が、ニールの体調不良ではなく単なる気まぐれであることを祈っています。森 陽馬


2016年12月12日(月) Anya Hinkle 「AKATONBO」(赤とんぼ)

12月10日当店地下アゲインにて行ったイベント、Pirates Canoeワンマン・ライヴ『ほっこりカーニバルVol.2』。
たくさんのご来場ありがとうございました。

パイレーツ・カヌーはもちろんのこと、ゲスト出演したAnya Hinkleさんのパフォーマンスも良かったですね。

Anya Hinkle(アーニャ・ヒンクル)はヴァージニア州出身女性シンガー・ソングライター/フィドル奏者。

彼女を中心としたバンド、Tellicoのアルバムはルーツ・ミュージック好きの間で大評判ですが、今回のパイレーツ・カヌーのツアー会場で売っていた彼女のソロ作も素晴らしい内容でした。

ANYA HINKLE『Forsaken Winds』
(輸入CD 6曲収録 1,000円+税)

広いアメリカの大地が目の前に広がるような澄んだ歌声。

その美声で歌われる6曲目「AKATONBO」(赤とんぼ)。
僕ら日本人が普段忘れかけているおおらかな心と温かな郷愁を感じさせてくれる感動の1曲。

なお、このCDを当店でも販売させていただけることになりました。
パイレーツ・カヌー、アメリカーナお好きな方は是非。森 陽馬


2016年12月13日(火) MFQ 「クリスマス・イヴ」

今年の流行語大賞は「神ってる」に決定したそうですね。

音楽界ではどんな言葉が流行ったのかなー、と考えると、僕の周りではやはりこれでしょうか。

「パイド・パイパー・ハウス復活!」

長門芳郎さんの本『パイド・パイパー・デイズ~私的音楽回想録1972-1989』や、全24曲収録コンピCD『ベスト・オブ・パイド・パイパー・デイズ』発売は、当店もたくさんの方に支持していただきました。
その他にもパイドの復活があったからこそ再発され話題となった隠れたベストセラーCDが多数ありましたね。

来年1月25日にはコンピCD『ベスト・オブ・パイド・パイパー・デイズ』のアナログ化、及びコンピCDの第2弾発売が決定いたしました。神ってるパイド・パイパー効果です。

さて、今日はそんな長門さんパワーが再発を実現してくれたCDを紹介したいと思います。

1995年ポリスターから発売され、その後入手困難になっていたMFQ『ハイウェイ70』がリマスターされ再発されました。(国内CD UVCA-5000 1,800円+税)

彼らの素敵なハーモニーが活かされたナイス・カヴァー曲がずらっと並んでいますが、季節柄この曲がいいでしょうか。山下達郎の名曲「クリスマス・イヴ」カヴァー。

美しいハーモニーとアコースティック楽器だけで実現したMFQのワザが光る1曲です。
MFQメンバーのジェリー・イエスターは、山下達郎の『サーカス・タウン』にコーラスで参加した縁もあるんですよ。森 勉


2016年12月14日(水) The Lemon Twigs 「These Words」

ニューヨーク州ロングアイランド出身ながら、ブリティッシュな雰囲気漂う若き兄弟ユニット、ザ・レモン・ツイッグス。

スマートな佇まいの兄・ブライアン・ダダリオ(19歳)、やんちゃそうな弟・マイケル(17歳)。

父親がミュージシャンだった事もあってか、幼い頃から音楽に親しんでいた2人。
曲作りは勿論、お互いにリード・ボーカルをとる事ができ、色んな楽器もこなせるようです。

デビュー作『Do Hollywood』は、ポール・マッカートニー、クイーン、トッド・ラングレン、レイ・デイヴィスなどを彷彿とさせるポップなメロディに、ちょっとひねくれたアレンジ&曲展開が面白い1枚♪
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 ボーナストラック2曲 BGJ-1070 2,400円+税)

twig = 小枝 のように線の細そうな2人ですが、ライヴでの演奏とパフォーマンスは意外に骨太な感じ!

SNSやネットでただ流れていくだけの言葉の在り方を皮肉っているのかなと思わせる詞が印象的な「These Words」という曲の映像を見て、さらに彼らの魅力を感じました。

ドタバタとキース・ムーンのような弟マイケルのドラミングも見ものです。

2017年2月にはイベント出演のため、初来日も決定しています。東尾沙紀


2016年12月15日(木) DAVID MARKS 「Surf Jam」

ビーチ・ボーイズの初期メンバーだったデヴィッド・マークスのソロ・アルバムが発売になりました。

David Marks『Back In The Garage』
(輸入CDR Lion&The Pigeon 190394186340)

2012年夏、ビーチ・ボーイズ来日コンサートでは、リード・ギタリストとしてデヴィッド・マークスが大活躍でした。

風貌は『サーフィン・サファリ』や『サーファー・ガール』のジャケットで見られるような少年ではなく、髭面のおじさんになっていましたが、記念すべき結成50周年ツアーに貢献してくれました。

そんなデヴィッドの新録アルバムは全11曲中7曲がヴォーカル入り、4曲がインスト、という爽快な60'sガレージ・サーフ・アルバム風に仕上がっています。

デヴィッドのオリジナル曲も6曲含まれ、今どきこんなサウンドで新作を発表してくれるなんてうれしい限りです。

アルバム『サーフィンUSA』収録の「Stoked」と「サーフ・ジャム」のカヴァーがやはり気になりましたので、今日は後者を。

「サーフ・ジャム」はカール・ウィルソン作のギター・インスト名曲です。森 勉


2016年12月16日(金) Timothy B. Schmit 「This Waltz」

PET SOUNDS RECORD企画による天辰保文氏トーク・イベント『Talking Man』。
第6回目の開催が2017年1月16日(月)決定いたしました。
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2017年1月16日(月)
PET SOUNDS RECORD presents“天辰保文 Talking Man Vol.6 イーグルス特集”
ライヴ・カフェ アゲイン(武蔵小山)
18時半開場 19時半開演 入場料1,500円
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第6回目となる今回はイーグルス特集。
グレン・フライが逝去した2016年1月18日から約1年。
追悼の意も込め、天辰保文氏のお話しを伺いながら、かけがえのないイーグルスの楽曲を皆で聴きたいと思っております。イーグルスファンでない方も是非お越しください。

さて、イーグルス繋がりということで、ティモシー・B・シュミット2016年発表作から今日のこの1曲。

Timothy B. Schmit『Leap Of Faith』
(輸入CD BENOWEN RECORDS BRCD001)

2009年発表作『EXPANDO』(
2009年11月18日今日のこの1曲で紹介)以来、久々7年ぶりソロ6作目となるオリジナル・アルバム。
彼らしいハイトーン・ヴォイス&ソングライティングは健在。
カントリー風味を効かせたアコースティック・サウンド中心の仕上がりで、ポコ/ティモシー好きならば気に入ること間違いなしの1枚ですね。

アル・ジャーディンの息子2人(Adam JardineとMattew Jardine)がコーラス参加し、ビーチ・ボーイズファン大注目の10曲目「The Island」も魅力ですが、僕が気に入ったのはラスト12曲目「This Waltz」。

シンプルなカントリー・ワルツと思いきや、3分あたりからのサビ&後半の展開に大感動必至!の1曲。
ヴァン・ダイク・パークスがアコーディオンで参加しています。森 陽馬


2016年12月17日(土) 寺尾紗穂 「私は知らない」

歌を聴いてハッとし、胸が締め付けられるような気持ちになることが時々ある。

2017年12月17日永福町sonoriumu、寺尾紗穂ワンマンライブ<ソノリウムラヂオ05>。
今日僕がそう感じたのはこんな歌だ。

♪原発の日雇いで 放射能で被爆したおじさんが
虫けらみたいに弱るのを 都会の夜は黙殺する

私は知らない きれいな未来を あるのは泥のように 続いてゆく日々
泥の上に花を 咲かすその術を 私は知らない 私は知りたい ♪
(寺尾紗穂「私は知らない」歌詞より抜粋)

近くの座席にいた男性客は、この歌を聴きながら手を合わせて何かを祈っていた。
斜め前の女性は、ハンカチで涙を拭っていた。

この歌は、寺尾紗穂が2010年頃(震災前)からライヴで弾き語っていた1曲。
震災後2012年ダースレイダーのラップをアレンジし、アルバム『青い夜のさよなら』に収録された。

東日本大震災から5年半。

哀しみ、苦しみ、怒り、そして希望。
人々の様々な渦巻く想いを僕は知らないふりをして過ごしてしまったのだろうか。森 陽馬


★掲載ジャケットは寺尾紗穂『青い夜のさよなら』(MDCL-1525 3,000円+税)。
寺尾紗穂さん、デビュー10周年おめでとう。
これからも人の心を揺さぶる歌を歌い続けてください。


2016年12月18日(日) Dawes 「Roll With The Punches」

2013年6月4日&2015年8月12日の今日のこの1曲で紹介したロサンゼルス出身男性4人組バンド、Dawes(ドーズ)。

約1年ほどで届けられた5枚目となる新作『We're All Gonna Die』は、ジャクソン・ブラウンに雰囲気そっくり!なこれまでの正統派ウエスト・コースト・ロックのイメージから一歩踏み出した意欲作となっています。
(DAWES『We're All Gonna Die』 輸入CD HUB007-2)

今作は、Alabama Shakesの2015年作を手掛けた気鋭のプロデューサー/ミュージシャンBlake Millsをプロデューサーに迎え、Jim James(My Morning Jacket)、Brittany Howard(Alabama Shakes)他がゲスト参加。
(バンドのフロントマン、Taylor GoldsmithとBlake Millsは、高校時代の友人であり、Dawesの前身となるSimon Dawesというバンドで活動を共にしていたのだそうです。)

歪ませたギターに、プログラミング...Blake Millsの色が濃いアレンジやサウンドの好みは分かれそうですが、彼らの持ち味であるメロディの良さは変わらず。

聴き込むほどに味が出てきそうなアルバムです。

今日の一曲は、彼らのハーモニーが活かされた重厚感のある「Roll With The Punches」を。東尾沙紀

2016年12月19日(月) Kan Sano 「Momma Says」feat 島村智才

「良いお年を」という会話が聞こえてくるようになりました。

あっという間に年末ですね。

PET SOUNDS RECORDは年末年始も休まず営業いたします。

PET SOUNDS RECORD 年末年始営業時間
12/30まで通常営業 11時~22時
12/31 11時~20時
1/1 14時~18時
1/2 14時~18時
1/3 12時~18時
1/4以降は通常営業 11時~22時


今週末には恒例の<PET SOUNDS RECORDスタッフが選ぶ2016ベスト>を発表したいと思っております。
皆さんの2016ベストは何でしたか?

さて、
2014年ベストに選出したKan Sanoが約2年ぶりアルバム『k is s』を発表。(CD OPCA-1031 2,300円+税)
最近気に入っている歌があるので紹介したいと思います。

1983年金沢出身キーボーディスト/プロデューサー、佐野観。
全曲打ち込みながら、前作に引き続き温もりを感じさせるスムースなサウンド・アレンジが素晴らしい1枚。

七尾旅人をfeatし7inchカットされた④「C'est la vie」もイイ曲ですが、今日のこの1曲は⑦「Momma Says」。

この曲でfeatされている女性シンガー島村智才(シマムラチサ)の歌声はジョヴァンカに似ていますね。
彼女が書いた英語詞含め素敵なミディアム/スローR&Bナンバーです。森 陽馬

★Kan Sano『k is s』当店にてお買い上げの方先着で新録音源「空蝉」収録特典CDを差し上げています。


2016年12月20日(火) Herb Alpert 「To Wait For Love」

ハーブ・アルパートが60's、70'sにA&Mレーベルから発表した作品の音源は、現在A&M管轄ではなく、ハーブ・アルパート自身のレーベルから発売されています。

今日はその中から1969年発表名作『WARM』から1曲紹介したいと思います。

Herb Alpert & The Tijuana Brass『WARM』
(輸入CD Herb Alpert Presents HRB051)

タイトル通りあったかい気分にしてくれるハーブ・アルパートのトランペット・サウンドが全11曲収録。
その内3曲はヴォーカル入りです。

ニルソン作「ウィズアウト・ユー」もいいですが、今日はバカラック&デヴィッド作「トゥ・ウェイト・フォー・ラヴ」を。

山下達郎がカヴァー(アルバム『RARITIES』に収録)していることでも知られる名曲。

1965年にトム・ジョーンズがシングル「よくあることさ」のB面で発表していますが、この曲はハーブ・アルパートの控えめなヴォーカルの方が相性がいいような気がします。森 勉


2016年12月21日(水) Herb Alpert 「Don't Go Breaking My Heart」

1935年生まれ、2016年で81歳を迎えたハーブ・アルパート。

印象深かった2015年発表アルバム『Come Fly With Me』(
2015年10月11日今日のこの1曲で紹介)に続き、今年も新作を発表しました。

Herb Alpert『Human Nature』
(輸入CD Herb Alpert Presents HRB153)

ジャケット・デザインは、マイルス・デイヴィス1971年発表作『A Tribute To Jack Johnson』(世界ヘビー級王者にもなった黒人ボクサー、ジャック・ジョンソンを描いた映画のサントラ盤)へのオマージュでしょうか。
←Miles Davis『A Tribute To Jack Johnson』

ジャズから革新的なロック・サウンドへ挑戦したマイルスの作品同様、ハーブ・アルパートもダンス・ミュージックの要素を大胆に取り入れたアレンジが目立つ楽曲が収録されています。

マイケル・ジャクソンの大ヒット曲カヴァー「Human Nature」、ハーブ・アルパートオリジナル新曲「Doodles」等魅力なトラックがありますが、昨日に引き続きバカラック&デイヴィッド作カヴァーを今日のこの1曲に。

軽快なイントロで一瞬かけた曲を間違えたか?とも思わせる斬新な「Don't Go Breaking My Heart」。
アレンジャーはBill Cantos。
女性の歌声は、ハーブ・アルパートの奥方ラニ・ホールです。森 陽馬


2016年12月22日(木) Festivals 「Take Your Time」

スウィート・ソウル好きにはたまらないCDを紹介したいと思います。

全22曲収録のコンピレーションです。

V.A『This Time Will Be Different ~The Sweet Soul Of Philadelphia』
(輸入CD Interstate Records IS6801)

レアなシングルを集めることのない根性なしのスウィート・ソウル・ファンの僕ではありますが、中学・高校時代からサウンドは大好きです。
ミラクルズ「ウー・ベイビー・ベイビー」、インプレッションズ「アイム・ソー・プラウド」、デルフォニックス「ラ・ラ・ミーンズ・アイ・ラヴ・ユー」等の名曲で仕込まれたのが、好きになったきっかけでしょうか。

さて、このCD、一般的には名の知れぬグループが並んでいますが、曲は魅力あるものばかりです。
Invitations、Butlers、Broadway Express、Countships、Mellow Moods、etc...

今日は2曲目に入っているフェスティヴァルズ「Take Your Time」。

巨像とか巨大なものを意味するCOLOSSUSというレーベルから出ていたシングル。
ジェリー・ロスのプロダクション所属というお墨付きです。

甘美で切ないメロディーのスウィート・ソウル。
くわしい知識がなくても楽しめる音楽です。森 勉


2016年12月23日(金) Magnetic Force 「Ole Sweet Music」

昨日紹介したスウィート・ソウルのコンピCDと同時発売されたもう1枚も今日のこの1曲に。

V.A『This Love Is For Real ~The Sweet Soul Of Chicago:1968~1981』
(輸入CD Interstate Records IS6802)

昨日のはフィラデルフィア編でしたが、今日はシカゴ編です。

全22曲、すべてイイ曲ばかり。
恐るべしスウィート・ソウルの虎の穴。

Essence、Magnum Force、Hands Of Time、Turks、Eight Minutes、Visitors、Cheers、Harlem Meat Company、etc...。

10曲目のチョコレート・サンデーという甘そうなグループもとっても気に入ったのですが、今日は14曲目マグネティック・フォース「Ole Sweet Music」を。

ドゥワップ・テイストも加味したスウィート・ソウル。
聴き応えあります。

1曲じっくり聴くも良し、アルバム全部をのんびり流して聴くも良し。
いいCDが出てくれました。森 勉


2016年12月24日(土) ロジャー・ニコルス 「イッツ・ハード・トゥ・セイ・グッバイ」

ポップス・ファンにとって2016年も色々な価値ある音源がCD化されましたが、暮れになってそのトリを飾るような凄いCDが登場しました。

カーペンターズなどへの曲提供やスモール・サークル・オブ・フレンズのアルバムで日本のポップス・ファンにはおなじみのコンポーザー、ロジャー・ニコルスの未発表音源集です。

ロジャー・ニコルス『ロジャー・ニコルス・トレジャリー デモ&CMトラックス』
(国内2枚組CD VICP-65430~1 3,500円+税)

まだ一度も音盤化されていない秘蔵音源ばかりを全69曲。
本当は400を越えるほどの音素材があったそうですが、その中からこのCDの企画・監修者である濱田高志さんが厳選した楽曲を収録。
どの曲も未発表にしておくにはもったいなかったと思える作品ばかりです。

資料性の高い未発表音源集ではありますが、単純にその楽曲を楽しめるようにも構成された優れた編集だと思います。

今日のこの1曲は、クロディーヌ・ロンジェが歌った「イッツ・ハード・トゥ・セイ・グッバイ」を作者であるロジャーが自ら歌っているデモ音源。
感動の3分10秒です。

丁寧なライナーノーツも聴く楽しさを増幅してくれます。森 勉


★PET SOUNDS RECORDが選ぶ2016年ベスト・アルバム 選出しました!


2016年12月25日(日) スーマー 「泥水は揺れる」

PET SOUNDS RECORDスタッフが選ぶ2016年ベスト・アルバム、選出いたしました。
(上記リンク先のコラムー・コーナーに掲載)

皆さんの2016年お気に入りの1枚は何でしたか?
こんな作品も良かった、などお声を是非お聞かせください。

ちなみに、アーティスト本人から直接購入し一般流通していない商品のため選から漏れましたが、ここ最近はスーマーさんの新作『泥水は揺れる』を気に入ってよく聴いています。

200枚限定アナログLP、ライヴ会場もしくはスーマーさんのHPのみで販売された2ndアルバム。
そのアナログ盤は完売してしまったそうですが、2017年1月18日にCDでも発売されることになりました。

スーマー『泥水は揺れる』
(2017年1月18日発売 MS-009 2,592円+税)

2014年ベストにも選出した1stアルバム『ミンストレル』にも増して、2nd『泥水は揺れる』は素晴らしい1枚。
スーマーさんの切ない情念が音の波動を通して伝わってくるのです。

CD発売は2017年ですが、2016年発表隠れた名盤として是非チェックしておいてください。森 陽馬



2016年12月26日(月) 山田稔明 「スミス」

今年もベスト・アルバムを選ばせていただきました。

5枚以外でもお気に入りは沢山あり、中でも山田稔明さんの青春が詰まった作品『pale/みずいろの時代』は今夏よく聴いたアルバムでした。
(GTHC-0008 2,500円+税)

自身のシンガーソングライター原点だと語る英語詩曲「スミス」は、The Smithsやギターポップ・サウンドへのオマージュに溢れた1曲。何度も何度も繰り返し聴きました。

「次の土曜日はどう?」好きな女の子をドライブに誘い、「君のために費やす時間がこの上なく嬉しい」毎晩色んなプランを考え、「彼女の誕生日に自分の持っているパティ・スミス(のCD)をプレゼントする」.。

意訳なので間違っているかもしれませんが、詞もなんだか初々しくて、まさに青春...。
山田さんが19歳の頃に書かれた曲です。

青くて、瑞々しくて、海のにおいがフワッと薫ってくるようなイントロを聴くと、フッと自分も十代の頃の空間へ帰るような不思議な感覚を覚えます。東尾沙紀


2016年12月27日(火) エクスプローラーズ・クラブ 「No Strings Attached」

毎年恒例の当店スタッフによる<2016年ベスト・アルバム>が決定いたしました。

今日はその中から、僕が選んだベスト5に入れさせてもらったエクスプローラーズ・クラブを紹介します。

2008年ファースト・アルバム『フリーダム』(
2008年6月5日今日のこの1曲参照)を発表して以来、ビーチ・ボーイズ・ファンや60'sサウンドに興味のある音楽ファンから熱い支持を集めているアメリカの若者による現在活動中のグループです。

中心人物は、ヴォーカル/ギターを担当し、すべての楽曲を作り、プロデュースもしているジェイソン・ブリュワーという人。

何曲かにブライアン・ウィルソン・バンドのダリアン・サハナジャ、プロビン・グレゴリー、ネルソン・ブラックが参加という人脈もあるようです。

このアルバムは今年の夏少し前に発売された3枚目『トゥゲザー』(国内仕様CD BF-50 2,000円)。

とにかくサウンド&コーラスがさわやか。楽曲も皆いい感じ。

夏ごろは、こんな曲ビーチ・ボーイズにもあったんじゃないの?と思ってしまう最高に"らしい"曲「カリフォルニアズ・コーリン・ヤ」が気に入っていましたが、冬になってバラード「ノー・ストリングス・アタッチド」がフィットしてきました。

全曲オススメしたいサウンドとコーラス。見事です。森 勉



2016年12月28日(水) Gillian Welch 「Only One And Only」(Alternate Version)

今から約20年前の1996年。

音楽業界はとても華やかな時代でしたね。
一般的には小室哲哉サウンド(globe、安室奈美恵、華原朋美etc)が大ヒット。
ライヴハウスが多い下北沢ではJ-PUNKが大流行していました。

洋楽ではセリーヌ・ディオンやマライア・キャリー等DIVAと呼ばれるような女性シンガーや、フージーズのヒットでR&B系が売れていたかな。ロック界ではオアシス人気でUKロックが全盛だった印象があります。

ギリアン・ウェルチのデビュー・アルバム『Revival』はそんな1996年にひっそりと発売されました。

シンプルなアコースティック・ギターに凛とした彼女の歌声。
空間を埋めるのではなく、そこにあえて隙間をじっくりと空けるTボーン・バーネットのプロデュース・ワーク。

1967年ニューヨーク生まれのギリアンがナッシュビルへ移り、生き急ぐ世の人々の足を止めさせた名作です。

その『Revival』のDEMO/アウト・テイク/ライヴ音源等を収録した2枚組CDがこの度リリース。

Gillian Welch『Boots No.1:The Official revival Bootleg』
(国内仕様2枚組CD 日本語解説付 BSMF-6095 2,750円+税)

デイヴ・ローリングスのギターと、全てを悟っているかのようなギリアンの歌は時の経過を感じさせませんね。

時代はどんなに移り変わろうと、本当に美しく強いものは色褪せないのだ、ということを実感した1枚。森 陽馬



2016年12月29日(木) ベット・ミドラー 「踊ろよベイビー」(Do You Want To Dance?)

ベット・ミドラーのファースト・アルバム『The Divine Miss M』は1972年に発表されました。

日本盤のタイトルは『アメリカが生んだ最後のシンガー/ベット・ミドラー・デビュー』というものでした。

1972年あたりと言えば、シンガー・ソングライター隆盛の時期。
デビューする新人は自分で作った曲を歌う人が圧倒的に多かった時でした。

それでスタンダードをカヴァーするベット・ミドラーは、<最後のシンガー>という表現になったんでしょうね。

さて、そんなファースト・アルバムが2枚組デラックス・エディションとして再発されました。
ベット・ミドラー『アメリカが生んだ最後のシンガー/ベッド・ミドラー・デビュー』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 WPCR-17544 2,750円+税)

名人ビル・イングロットも絡んでの最新リマスター、そしてディスク2にはシングル・ミックスや未発表デモなどが収録されています。

アンドリューズ・シスターズ「ブギ・ウギ・ビューグル・ボーイ」をひとり3役でハモったり、ディキシー・カップス「チャペル・オブ・ラヴ」、シャングリラス「リーダー・オブ・ザ・パック」の60's名曲を独特な歌いまわしで披露してくれたり、エセル・ウォーターズ、ビリー・ホリデイなどで知られる「アム・アイ・ブルー」をしっとり聴かせてくれたり、、、なんともすてきなアルバムです。

ビーチ・ボーイズでもおなじみ、ボビー・フリーマンがオリジナルのロックン・ロール「踊ろよベイビー」カヴァーは、まさかのスロー・テンポに。

しかしこれがいいんです。
まだヒットを出す前のバリー・マニロウによるピアノ、ロン・カーターのベース、ラルフ・マクドナルドのパーカッションに、ベッドのヴォーカルが重なってくる所がなんともいい雰囲気。
後半トム・ベルのアレンジによるストリングス&ホーンも歌を引き立たせています。森 勉



2016年12月30日(金) The Charm Park 「Rolling On」

2016年も残り僅かとなりましたので、今月リリースになった作品を今年のうちにご紹介したいと思います。

2015年12月3日の今日のこの1曲で取り上げました、男性シンガーソングライターThe Charm Park(ザ・チャーム・パーク)の約1年ぶり新作『A REPLY』が発売になりました。

大橋トリオとのコラボや、他アーティストへの曲提供やサポートなど、活躍の場を広げているThe Charm Park。

新作はインタールードを含めて全8曲。

ほぼ全編英語詞だった前作に比べて、今作では日本語詞も増え、曲の世界観がより身近に感じられます。

今回もアレンジ、ストリングスを除く殆どの演奏、ミックス等を自身で手掛けていますが、1曲目「Rolling On」では神谷洵平(赤い靴/大橋トリオ・サポート他)がドラムで参加。

繊細な歌い出しから、力強いドラムが入り、徐々に熱を帯びていくスケールの大きな1曲。
前作同様、心高まる美しいメロディーが広がっています。

2017年も心揺さぶられるような曲と出会えるよう、いろんなものを吸収していきたいです。
来年も皆様にとって、希望に満ちた1年になりますように。東尾沙紀



2016年12月31日(土) テルマ・ヒューストン 「This Is Your Life」

2016年当店にてお買い上げ、ご来店いただいたお客様皆様、ありがとうございました。

年明け2017年1月1日は14時から18時まで営業いたします。
(1/2は14時~18時、1/3は12時~18時、1/4から通常通り11時~22時)

新年お買い上げの方には当店ロゴ入りお年賀タオルをプレゼント!

お時間ある方は是非お立ち寄りくださいませ。

さて、2016年皆様にとってはどのような1年だったでしょうか。

喜ばしいニュース、怒りたくなるような出来事、哀しい報せ、楽しいこと、色々ありました。

辛いな、と思うときもあったかもしれませんが、そういう時こそ、“思いやり”を持っていたいですね。

2016年最後の今日のこの1曲は、テルマ・ヒューストン「This Is Your Life」。
黒人女性シンガーの彼女がジミー・ウェッブをプロデューサーに迎え、レッキングクルーを中心としたバンドをバックに1969年録音した1stアルバム『Sunshower』。(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-15579 1,800円+税)

ローリング・ストーンズ「Jumpin' Jack Flash」以外は当時まだ23歳だったジミー・ウェッブによる作詞・作曲。
どの曲も素晴らしいアレンジ&楽曲ですが、特に心迫るのが10曲目「This Is Your Life」。

♪あなたの人生はあなたのもの たった一つしかない ~ ゲームや遊園地ではなく人生なのだから、無駄に終わらせちゃいけないわ♪ と愛する人へ語りかけるナンバー。

ところが最後に出てくる歌詞にハッとさせられます。
♪ これはわたしの人生でもあるの 大切なあなた気付いて わたしの人生でもあるの、、、♪

人は一人では生きていけません。

2017年も皆がやさしさと思いやりを胸に抱き、健康で過ごせることを祈っております。森 陽馬





これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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