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  今日のこの1曲 “Archives”

<2020月9月>

当店ペット・サウンズ・レコード店にて
その日に店内でかけていた曲の中から、
店員の独断と偏見で選んだ“今日のこの1曲”コーナー

2020年9月に更新した“今日のこの1曲”コーナー


廃盤・生産中止、規格番号の変更など、
情報が古くなっている商品もございますが、ご了承くださいませ。

<最新の“今日のこの1曲”はこちらのページをご覧ください>


2020年9月1日(火) IKKUBARU(イックバル)「Tik Tok」

2020年ベスト・アルバム候補の1枚!

イックバル『Chords And Melodies』
(国内CD 日本盤ボーナス・トラック6曲追加 解説・歌詞・対訳付 HYCA-8002 2,400円+税)

インドネシア/バンドン出身、Muhammad Iqbalを中心とした4人組バンド、イックバル。
2014年発表1st『Amusement Park』(
2015年2月25日今日のこの1曲紹介)、2015年12月発表ミニ・アルバム『BRIGHTER』(2015年12月25日今日のこの1曲紹介)は当店でも大好評でした。

待望の2ndオリジナル・フルアルバムとなる今作は、シティ・ポップという枠から抜け出し更に進化。
山下達郎他80's邦楽特有の華やかなメロディーと、プリファブ・スプラウトや10cc的ブリティッシュな香り漂うサウンド/アレンジが融合。新たな“イックバル・ポップ・ワールド”が開花した大傑作に仕上がっています。

今日のこの1曲は、2曲目「Tik Tok」。
若者に人気のショートムービーアプリ、ではなく、時計の音/時を刻む音をテーマにしたナンバー。
幻想的なシンセの音色とバンド・サウンドに、刹那的感情を掻き立てられます。森 陽馬


2020年9月2日(水) The Allman Betts Band 「Magnolia Road」

サザン・ロックの灯は消さない!、との想いが伝わったThe Allman Betts Band『Down To The River』。
2019年9月13日今日のこの1曲紹介)
当店でもロングセラーとなった1stアルバムから約1年、早くも2ndアルバムが発売されました。

The Allman Betts Band『Bless Your Heart』
(輸入CD BMG 538625742 初回のみ?Magnolia柄ステッカー封入)

Devon Allman(グレッグ・オールマンの息子)、Duane Betts(ディッキー・ベッツの息子)、Berry Duane Oakley(ベリー・オークリーの息子。彼もデュアン!)の3人を中心とした7人組ロック・バンド、The Allman Betts Band。

オールマン愛&サザン魂は引き継ぎつつ、よりスケールの大きいロックを聴かせる1枚。
ダイナミックな①「Pale Horse Rider」、父譲りのベッツ作⑥「Savannah's Dream」等聴き所満載!

色々盛り沢山な全13曲の中から、今日のこの1曲は⑨「Magnolia Road」を。
デレク&ドミノス「Keep On Growing」、「Anyday」を彷彿とさせるギターの掛け合いが熱い! 森 陽馬


2020年9月3日(木) Tim Bowness 「Hidden Life」

Blue Nile(ブルー・ナイル)お好きな方に大推薦!
空が白じんできて、そろそろ夜も明けそうだ、という時間帯にうってつけの1枚。

Tim Bowness『Late Night Laments』
(輸入CD 限定2CD版 Inside Out Music/Sony 19439783212)

英国男性シンガー・ソングライターTim Bowness(ティム・ボウネス)。
ブルー・ナイル、プリファブ・スプラウトのエンジニアColum Malcolmがマスタリングを手掛けた2020年作。

独特なエコーの効いた音と音の隙間を縫うように紡がれる歌と静謐なバック演奏。
闇夜に吸い込まれ、別世界へトリップできそうな感覚に浸れるアルバムです。

今日のこの1曲は8曲目「Hidden Life」。
コロナ禍のSTAY HOMEを描いた味わい深いジャケットも、是非手に取ってご覧ください。森 陽馬


2020年9月4日(金) Marilyn McCoo & Billy Davis Jr 「You Don't Have To Be A Star」

フィフス・ディメンションは1967年から7年ほどの間全米No.1ヒット2曲を含む多くの曲をヒット・チャートに送り込み、ポップス・ファンを楽しませてくれました。

そのメンバーのマリリン・マックーとビリー・デイヴィス・ジュニアが結婚したのが1969年でした。
結婚後もグループ活動は継続されましたが、1976年二人は独立しデュオ・レコードを発表しました。

Marilyn McCoo & Billy Davis Jr『I Hope We Got To Love In Time』
(輸入CD CDBRR0276)

最初のシングル「I Hope We Got To Love In Time」(愛の誓い)は全米チャート91位という成績でしたが、次のシングル「You Don't Have To Be A Star」(星空のふたり)は全米No.1を獲得しました。

初チャート・インしたのが1976年9月11日で、No.1になったのが1977年1月8日という18週間かかっての栄冠でした。
かなり奥手のNo.1ヒットということになりますね。

日本でも1976~77年にかけて、かなりヒットした記憶があります。
当時原盤のABCレーベルは日本コロンビアに発売権がありました。
残念ながら現在国内盤は発売されていませんのでこの輸入盤で。森 勉


2020年9月5日(土) The Magic Gang 「I Am Sunshine」

2015年結成/英ブライトン出身の男性4人組バンド、ザ・マジック・ギャング。
バンド名を冠した1stアルバム(
2018年10月27日今日のこの1曲紹介)から約2年ぶりとなる2ndをリリースしました。

The Magic Gang『Death Of The Party』
(輸入CD Warner Records UK 0190295259587)

1stリリースの2018年11月に行われた初来日公演では、リード・ヴォーカルや楽器を曲毎にチェンジしたり、コーラスも出来たりと、CDではわからなかった発見もあり、短い時間でしたがエネルギッシュな演奏で楽しませてくれました。

アメリカ出身のベン・H・アレン(アニマル・コレクティヴ、ディアハンター他)をプロデューサーに迎えた本作。

ブラスを取り入れたダンサブルなリード・トラック「Think」が''THE ブリティッシュ''な雰囲気で最高にキャッチー!
サビのコーラス♪Think for a second~♪は一度聴いたらきっとクセになってしまうことでしょう。

タイトル曲「Death Of The Party」や「I Am Sunshine」など、メロディが良い曲が多いのも聴き所です。

前作はウィ―ザーが引き合いに出されることもありましたが、XTCお好きな方にも是非聴いてほしいバンドです。東尾沙紀


2020年9月6日(日) SCHWEY 「ELASTO」 feat Artemis

最近気に入って店でもよくかけているソウルオススメ盤。

SCHWEY(シュウェイ)『SCHWEY』
(国内CD 高橋一(思い出野郎Aチーム)による解説付 12198JP 2,200円+税)

SCHWEYはIsaiah Dobbs、Jacob Schwinghammer、Jarah Dobbs、Christof Bedeによるカナダ発4人組バンド。
今作は2019年CDRでリリースされた1stアルバムで、この度国内盤として正規CD化されました。

①「Can't Stop」のPVを見るとHIP HOPミュージシャンな風貌ですが、楽曲&作風は良質SOULな仕上がり。
エレピの音色やアコースティック・ギター、コーラス等のアレンジがヴィンテージ感溢れて気持ち良いです。

今日のこの1曲は、女性シンガーArtemisをfeatした2曲目「Elasto」を。
メロウなミディアム・ソウルでありながら、静かなグルーヴが最高にかっこいい! 森 陽馬


2020年9月7日(月) 濱田金吾 「Rainy Heart」

今日の東京は、晴れ→突然豪雨→晴れ、を3回ほど繰り返す不思議な空模様でした。

気まぐれな天気が続いていますが、先日朝7時前に起きて何気なく空を見たら大きな虹が!
いくつになっても、虹を見つけるとうれしいものですね。

さて、今日のこの1曲は、最近再発売された濱田金吾の80年代雨楽曲を。

濱田金吾『midnight cruisin'+MUGSHOT』
(国内CD 濱田金吾本人による楽曲解説付 BRIDGE-299 2,000円+税)

alfa Moonレーベルからの1982年発表4th『midnight crusin'』と1983年発表5th『MUGSHOT』を全曲収録。
2020年最新リマスタリングされ、濱田金吾本人による楽曲解説も付けられたオススメの再発盤この1枚。

『MUGSHOT』に収められていた「Rainy Heart」は、あの秋元康が作詞、佐藤博が編曲を担当。
伊藤広規&高水健司による男気あるベース、松下誠&鳥山雄司のギター、林立夫のドラム。
聴き応えあるバック演奏が、これぞ80'sアーバン・グルーヴ!なナンバーです。森 陽馬


2020年9月8日(火) AB'S 「Fill The Sail」

濱田金吾と同様、山下達郎、村田和人で知られるムーン・レコードから1980年代作品を発表していたAB'S。
当時の楽曲に未発表曲「瞳はモノローグ」を加え2020年最新リマスターした全16曲ベスト盤が発売されました。

AB'S『THE BEST 1983-1988』
(国内CD 解説・歌詞付 BRIDGE-298 2,000円+税)

シティ・ポップブームと言われる近年、アナログを聴き始めた若い世代の間では、松下誠『FIRST LIGHT』、芳野藤丸在籍SHOGUNが再評価され注目度も高まっていました。
山田順一氏による丁寧な解説も付いているので、AB'Sをご存知でなかった方にもオススメしたい1枚です。

今日のこの1曲はAB'S1983年発表1stアルバム収録曲「Fill The Sail」を。
カッティング・ギターから安藤芳彦キーボード・ソロ&グルーヴ感あるベース・ラインへ続くクールなイントロ。
そして、真っ青な空と海を想起させる爽やかなAメロが超ゴキゲンなナンバー♪

ちなみに、AB'S通算7作目となる新作アルバム『AB'S-7』も同時発売!
その新作には「Fill The Sail」新録音ヴァージョンも収録されています。森 陽馬


2020年9月9日(水) AB'S 「夏の物語」

昨日紹介したAB'S。
オリジナル・アルバムとして7作目となる新作『AB'S-7』も好評発売中です。

AB'S『AB'S-7』
(国内CD ADOC-001 3,000円+税)

芳野藤丸、松下誠、岡本敦男のオリジナル・メンバー3人に、竹越かずゆき、遠山陽介を加えた新生AB'S。
1st収録曲「Dee-Dee-Phone」、「Fill The Sail」の新録音に、新曲8曲を加えた全10曲。

セルフカヴァーの2曲、井上鑑作詞①「ナザレの夕陽」他、後味爽やかなアレンジ中心。
聴き心地の良い1枚に仕上がっています。

今日のこの1曲は、松下誠作詞・作曲によるラスト10曲目「夏の物語」を。
バンドを長く続けてきたからこそ滲み出る大人の味わいに包まれた哀愁ロック・ナンバー♪ 森 陽馬


2020年9月10日(木) スティーヴン・ビショップ 「オン・アンド・オン」

発売から40年以上、昔から聴いている方の心に残り、また初めて聴く方の琴線をも震わせてくれる名曲が何曲も収録されている名盤です。

スティーヴン・ビショップ『ケアレス』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UICY-15160 1,714円+税)

1976年暮頃に発売。同じ頃に発売されたものとしてイーグルス『ホテル・カリフォルニア』があったことが記憶に残っています。

当時は全くの新人のファースト・アルバムなので、なんの予備知識もありませんでしたが、ジャケットの裏に掲載されていたバック・ミュージシャンのクレジットにまず心を動かされました。
リー・リトナー、ジム・ゴードン、チャカ・カーン、エリック・クラプトン、アート・ガーファンクル、マックス・ベネット、ラリー・カールトン、ラス・カンケル。

A面1曲目に針を落として、聴いてみるとこれがいい曲で、いい声で。
ということで、今日はその1曲目「オン・アンド・オン」を。

その他にも「ネヴァー・レッティング・ゴー」、「マッジ」、「エヴリ・ミニット」、「リトル・イタリー」、「ワン・モア・ナイト」、「セイヴ・イット・フォー・ア・レイニー・デイ」など名曲目白押しの作品です。

このアルバムは村田和人さんのお気に入りの1枚。
『ずーーっと、夏。』が発売された時のインタビューで、<村田和人セレクション“ずーーっと、聴いていたいこの1枚”>に選ばれたアルバムです。
その時のコメントは、「名盤です。曲、演奏とも村田の70年代の甘酸っぱい青春と音楽の中心にあります。」と寄せていただきました。村田さん、あらためてありがとう!
ちなみに、「オン・アンド・オン」という言葉は、対訳では「ずっと、ずっと」と訳されています。森 勉


2020年9月11日(金) Suzanne Vega 「Marlene On The Wall」

1stアルバム・リリースから2020年で35周年を迎えたスザンヌ・ヴェガ。
約4年ぶりとなる最新作が発売になりました。

スザンヌ・ヴェガ『アン・イヴニング・オブ・ニューヨーク・ソングス・アンド・ストーリーズ』
(国内CD 解説付 OTCD-6803 2,400円+税)

代表曲の1つ「マレーネの肖像(Marlene On The Wall)」にのせ、「カーライルへようこそ」の挨拶で幕を開ける今作。

彼女が2歳から長い時間を過ごしてきた<ニューヨーク>をテーマに、ニューヨークの老舗高級ホテル内にあるジャズ・クラブ、カフェ・カーライルにて2019年3月にライヴ・レコーディングされたアルバムです。

今作のプロデューサー/長年彼女を支えるギタリストGerry Leonard、鍵盤奏者Jamie Edwards、アコースティック・ダブル・ベースのJeff Allen(b)の3人をバックに、「Luka」、「Tom's Diner」、「Gypsy」、「Some Journey」、「New York Is A Woman」、「Frank and Ava」、「Ludlow Street」など初期のヒット曲からコアな曲まで16曲が披露されています。

「彼を初めて見たのは19歳の頃...」とMCを交え、2020年2月配信リリースもされたルー・リード「ワイルド・サイドを歩け(Walk On The Wild Side)」のカヴァーも収録。

本日はグランド・ピアノの音色が印象的なオープニング・ナンバー「マレーネの肖像」を今日の1曲に。東尾沙紀


2020年9月12日(土) 友部正人 「1月1日午後1時(高橋さん)」

「スターバックスのコーヒーはおいしくないね。あれじゃ炭とおんなじだ。
君の言葉は風になり、ぼくの心の扉を開く。」
(友部正人「1月1日午後1時(高橋さん)」歌詞より)

盛岡に<クラムボン>という自家焙煎コーヒー店があるのをご存知でしょうか?
店主の高橋正明氏は2020年1月1日逝去されましたが、現在は娘さんが店を引き継いで営業中。
冒頭の歌詞は、高橋氏の言葉を友部正人が追悼の意を込め歌った楽曲に織り込んだものです。

友部正人『あの橋を渡る』
(国内CD 全10曲収録 TM-018 2,600円)

東北で録音する、というコンセプトで制作された友部正人2020年作『あの橋を渡る』。
おおはた雄一、芳垣安洋、伊賀航、澁谷浩次、マヒトゥ・ザ・ピーポーが参加。

仙台パルシティ音楽室、Studio SOLFA、南三陸町・上山八幡宮、そして盛岡クラムボンにて録音。
友部正人の武骨な歌声を通して、場の空気感、息遣いが伝わってきます。森 陽馬


2020年9月13日(日) Kathleen Edwards 「Glenfern」

カナダ出身女性シンガーソングライター、キャスリーン・エドワーズ(Kathleen Edwards)。
2012年作『Voyageur』(
2012年3月6日今日のこの1曲紹介)は、2012年ベストに選出するほどお気に入りでした。

あれから8年。待望の新作アルバム『Total Freedom』がリリース!

Kathleen Edwards『Total Freedom』
(輸入CD DUALTONE 803020199521)

前作『Voyageur』(2012)後は地元カナダで自身のコーヒー店をオープン。
音楽から離れた生活だったそうですが、ブランクを全く感じさせない仕上がり。歌声も変わらないですね。

今日のこの1曲は、<女トム・ペティ>的アメリカン・ロックを聴かせる1曲目「Glenfern」を。
アコースティック、スローな楽曲含め全10曲。今作もお気に入りの1枚となりそうです。森 陽馬


2020年9月14日(月) リンダ・ロンシュタット 「You Tell Me That I'm Falling Down」

リンダ・ロンシュタットは我々の世代にとって紛れもなく最高の歌姫の一人です。

ということで、今日はリンダの声が聴きたくなりました。
色々なアルバム・曲がありますが、僕の大のお気に入り、1976年発表のこの1枚を。

リンダ・ロンシュタット『哀しみのプリズナー』
(国内CD 限定紙ジャケット仕様 解説・歌詞・対訳付 WPCR-13854 2,667円+税)

「Love Is A Rose」(ニール・ヤング作)、「Hey Mister, That's Me Up On The Jukebox」(ジェイムス・テイラー作)、「Roll Um Easy」(ローウェル・ジョージ作)と、仲間内の曲が1曲目から3曲目までを飾り、その他ミラクルズ「トラックス・オブ・マイ・ティアーズ」や、マーサ&ヴァンデラス「ヒート・ウェイヴ」、ジミー・クリフ「メニー・リヴァース・トゥ・クロス」を、リンダならではの歌い回しと声量でナイス・カヴァーしています。

今日の1曲はLPでB面4曲目に収められていた地味ながら味わい深い「アイム・フォーリング・ダウン」(You Tell Me That's I'm Falling Down)を。

カナダ出身姉妹デュオ、ケイト&アンナ・マッガリグルの妹アンナの作です。
ジェイムス・テイラーとアンドリュー・ゴールドによる絶妙なアルペジオ奏法に、リンダの歌声とマリア・マルダーのハーモニーが心に響いてきます。森 勉


2020年9月15日(火) 菅原弘明 「星のメロディー」

近年は、かもめ児童合唱団、吉川晃司等のプロデュースやアレンジ。
1990年代はYMO人脈や鈴木祥子とも関わりが深かったミュージシャン、菅原弘明。

男性シンガー・ソングライターとして自主制作、入魂のフル・アルバムが9月14日発売。
当店にて販売させていただけることになりました。

菅原弘明『DO YOU DREAM ELECTRIC LOTUS?』
(国内CD 全11曲収録 NBCD-01 2,500円+税)

彼自身によるギター、ベース、プログラミングに加え、大木彩乃、ホッピー神山、酒井まろが参加。

1曲目「星のメロディー」の一音目から、温もりある素晴らしい音感。
人間味伝わる歌声、男の色気とこだわりが滲み出た大人のロック・ナンバーです。

一般流通していませんが、是非手に取ってもらいたい1枚。森 陽馬


2020年9月16日(水) Camille Bertault 「Ma Muse」

映画『スペシャルズ!』を日比谷シャンテシネにて先日鑑賞。

大ヒットしたフランス映画『最強のふたり』の監督による、実話を基にした自閉症ケア施設の物語。
『最強のふたり』は障害者が主人公ながら笑えて泣ける映画でしたが、今作はほとんど笑えません。
物語ながら実録に近い内容で、自閉症を抱えた家族や施設スタッフの苦労が痛いほど伝わってきました。

でも観て良かったと思ったのは、現実の厳しさだけでなく、生きる喜びや光を改めて実感できたからでしょうか。
宗教や政治的イデオロギーが一切介在しないその施設では、自閉症の子供だけでなく、施設で働くスタッフ達も苦難を乗り越え成長していく。全てを受け入れ、日々の幸せを望むその眼差しに襟を正された想いがしました。
決して楽しい映画ではありませんが、多くの人に観ていただき何かを感じてほしいな、と感じた力作です。

さて、映画とは関係ありませんが、フランスの新世代女性シンガーオススメ盤を紹介しましょう。

Camille Bertault『Le Tigre』
(輸入CD SONY/Masterworks 19439727602)

1986年パリ生まれ、2016年デビューの女性シンガーCamille Bertault(カミーユ・ベルトー)。
マイケル・レオンハルトプロデュースによる2020年発表新作オリジナル・アルバム『Le Tigre』。

カラフルなジャケット通り、ジャンルにとらわれない鮮やかな色彩を放つ全14曲。
今日のこの1曲は、ジャジーポップでかっこいい⑦「MA MUSE」を。森 陽馬


2020年9月17日(木) The Ballads 「Confessing The Feeling」

7月発売され大好評ながら、長期品切れしていていたトム・ベル作品集がやっと再入荷しました。
2020年7月12日今日のこの1曲にて紹介)
メロウかつ優美なグルーヴ感あるストリングスが秋の空気にピッタリですね。

暑さも多少やわらいできましたから、今日はスウィート・ソウル推薦盤をご紹介。

ザ・バラッズ『Confessing The Feeling』
(国内CD 全16曲 鈴木啓志氏による解説付 PCD-18047 1,800円+税)

The Balladsは1960年代からアメリカ西海岸を拠点に活動していたソウル・グループ。
1980年日本のVIVID SOUNDがリリースしたLPにボーナス曲を追加し2007年世界初CD化された盤を、更に安い値段で新たに再発売したのがこの1枚。

1969年発表作『The Gift Of Love』の方が甘~いジャケットですが、内容的にはこちらがスウィート♪
その中でも特にオススメ曲が「Confessing The Feeling」!

オリジナルはニューオリンズ発Tony Owensの1970年発表ディープ・ソウル・バラード「Confessin' A Feeling」。
The Balladsヴァージョンはイントロでヴァースも入って、甘さ&切なさが5割増しになっています。森 陽馬


2020年9月18日(金) AFEL BOCOUM 「Bambolo Liilo」

「秋の空気に~」と昨日書いたら、今日は夏に逆戻りの暑さでしたね。
汗もかきましたが、この暑さが今年最後だったらちょっと寂しいな。

ということで、夏の陽射し、熱い砂(ビーチではなく砂漠の砂)を感じられるようなアルバムを。

AFEL BOCOUM『LINDE』
(輸入CD BMG WCD095)

アフリカ/マリ音楽を代表する名ギタリスト、アリ・ファルカ・トゥーレ(
2010年5月2日今日のこの1曲にて遺作を紹介)を叔父に持ち、彼のバンドでも活動していたマリ出身男性ミュージシャン、AFEL BOCOUM(アフェル・ボクム)。

ブラー、ゴリラズのDamon Albarnと、Nick Goldがエグゼクティヴ・プロデューサーとして協力し、現地マリでレコーディングされた2020年作。伝統・民族的なマリ音楽に、ポップさとファンキーな味付けも加えられた快心の1枚です。

今日のこの1曲は、名コラ奏者ドゥマニ・ジャバテの弟Madou Sidiki Diabateがコラを弾いている「Bambolo Liilo」。
スカタライツのトロンボーン奏者Vin Godonも参加。ほのぼのかつ多国籍な魅力を放つお気に入り曲♪ 森 陽馬


2020年9月19日(土) Donald Byrd 「Love's So Far Away」

デヴィッド・T・ウォーカーが愛器Gibson Byrdlandを抱え微笑んでいる写真。
このジャケットだけでも手に取りたくなってしまった方は要チェックの1枚!

V.A『THE GUITAR OF BN-LA ~70年代、ブルーノートLAのギタリストたち。』
(国内2枚組CD 日本語解説付 UCCQ-1128~9 2,000円+税)

ギターマガジン2020年10月号ブルーノートLA特集と連動し編集された2枚組CD。
伝説のジャズ・レーベル、ブルーノートが1970年ニューヨークからロサンゼルスへオフィスを移動。
クロスオーヴァーの波が押し寄せたBN-LA時代、活躍していたギタリストにスポットを当てています。

ディスク2はデヴィッド・T・ウォーカー・ワークスで纏めた10曲。
その中から今日のこの1曲、ドナルド・バード1972年発表『Black Byrd』収録曲「Love's So Far Away」。

超絶スリリングなジャズ・ファンクキラーチューン!
、、、とここまで長々書きましたが、この曲の主役はデヴィッド・Tではなくチャック・レイニーですね。
縦横無尽にグイグイと引っ張っていくベースプレイ、最高にかっこいい! 森 陽馬


2020年9月20日(日) Julianna Raye 「Peach Window」

2019年発売英国BIG BEAT発コンピレーション『パワー・ポップ万博70s & 80s』(2019年8月24日今日のこの1曲にて紹介)の続編となる<女性アーティスト編>が発売になりました。

V.A『GIRLS GO POWER POP!』
(輸入CD BIG BEAT CDTOP345)

ジャケットに登場しているバングルスをはじめ、ランナウェイズ、GO-GO's、プリテンダーズ、ニッキー&コルベッツ、ジュリアナ・ハットフィールド、レベル・ぺブルズ、The Muffsなど有名どころから知る人ぞ知るアーティストまで全25組の1976~1999年に発表された楽曲を収録。

他にも...パティ・スマイス(vo.)/ヴィニ・ポンシア・プロデュースによるSCANDAL「Goodbye To You」、ポール・コリンズ・ビートのポール作MuMs「Knock Knock Knock」、ミック・ジョーンズ(ザ・クラッシュ)プロデュースによるTHE ''B'' GIRLS「Boys Are Drinking」、90年代バンドLetters To Cleoによるニック・ロウ名曲「Cruel To Be Kind」、キャシー・ヴァレンタインがGO-GO's以前に在籍したTEXTONESの「Vacation」などなど盛り沢山です!。

本日は、ジェフ・リンお好きな方にはお馴染みでしょうか?
ジェフ・リンが全面プロデュース/アレンジを手掛けたアメリカのSSW、ジュリアンナ・レイ1992年作『Something Peculiar』収録曲「Peach Window」を今日の1曲に♪東尾沙紀


2020年9月21日(月) 星野源 「老夫婦」

NHK『ドキュメント72時間』。毎回1つの場所で72時間取材し様々な人生や視点を放送するドキュメンタリー番組。
先週放送されたのは、『東京・隅田川 花火のない静かな夏に』でした。

「東京で一旗あげてやろうって出てきた人達がくすぶって、大都会の底辺を固めているんだよ」と話す現在無職60代男性の言葉も印象的でしたが、昨年亡くなった妻との想い出に浸りながら夕陽を見に来ていた老人の「もっと優しくしてあげればよかった」という後悔話が切なくも感慨深かったですね。

その場面を観ていて心に鳴ったのがこの曲。星野源「老夫婦」。
星野源2010年発表ソロ1枚目のオリジナル・アルバム『ばかのうた』(VICL-63626 2,800円)に収録。

<ある1人暮らしのおじいさんが、今は亡きおばあさんと一緒に歩いた想い出の場所を歩く>という歌詞。
ただそれだけの歌なのですが、郷愁をおぼえるような、しみじみとした気持ちになる1曲。

シングル化されなかった楽曲ながら、彼は大スターになった今でも折にふれライヴで取り上げています。
地味で、素朴で、言葉少なで、だけれども血が通った温もりがこの歌には流れているのです。森 陽馬


2020年9月22日(火) Brad Mehldau 「Don't Let It Bring You Down」

「落ち込んじゃダメだよ。城が燃え落ちているだけさ。
変えようとしている人を探すんだ。そうすればきっと、道が開けるはずだよ。」
(Neil Young「Don't Let It Bring You Down」歌詞より)

現代屈指の名ジャズ・ピアニスト、ブラッド・メルドー。
コロナ禍により活動拠点のアメリカを離れ、パートナーの実家オランダで家族と共に自粛生活を送ったそうです。
そして、2020年4月23、24日アムステルダムPower Sound Studiosにて録音したのがこのアルバム。

ブラッド・メルドー『Suite:April 2020』(組曲:2020年4月)
(輸入CD nonesuch 075597919288/日本語解説付国内盤CDもあり)

12のオリジナル楽曲の組曲と3曲のカヴァーを収録。
革新的かつ独創性溢れる作品が多かった今までのキャリアにおいて、最も優しさを感じさせるソロ・ピアノ作。

カヴァーはニール・ヤング「Don't Let It Bring You Down」、ビリー・ジョエル「New York State Of Mind」(ニューヨークの想い)、ジェローム・カーン作「Look For The Silver Lining」(幸せを求めて)の3曲。
「自分に助言を与えてくれた」(ブラッド・メルドーのコメント)という「Don't Let It Bring You Down」は、歌なくともピアノの響きにその想いが表現されているようです。

なお、コロナ禍により打撃を受けたアメリカのライヴハウスやミュージシャンへのサポート
<Jazz Foundation Of America's COVID-19 Musician's Emergency Fund>へ今作の売上を寄付することを目的とされています。森 陽馬


2020年9月23日(水) 小坂忠 「好きなんだから」

日本ロックの発掘音源がうれしい初CD化です。

小坂忠とフォー・ジョー・ハーフ『ロック・ソサエティ・ウラワ』
(国内CD 解説・歌詞付 FJ-177 2,273円+税)

フォー・ジョー・ハーフのメンバーは、駒沢裕城(ペダル・スティール・ギター&コーラス)、松任谷正隆(ピアノ、バンジョー&コーラス)、後藤次利(エレクトリック・ベース)、林立夫(ドラムス)、平均年齢21歳の4人。

1972年当時、狭山の米軍ハウスで牧歌的な暮らしをしていた小坂忠がフォー・ジョー・ハーフをバックに1972年3月30日、東京・芝の郵便貯金ホールで収録したライヴ盤『もっともっと』しか、このメンバーでのアルバムはありませんでした。

今回の発掘音源は1972年8月26日、浦和の埼玉会館大ホールで行われた<1972RSU夏の陣>での音源。
RSUはロック・ソサエティ・ウラワの意。
ブックレットにはその時の実行委員の代表者だった松本清氏によるライナーノーツと、当時の貴重なチラシが掲載されています。

前述の『もっともっと』は、ちょっと余所行き感のある演奏でしたが、ここではワイルド感が少しですが感じられる演奏になっています。
忠さんがジェイムス・テイラーに信奉している時期のギターのつま弾きとほんわかしたヴォーカル、そしてフォー・ジョー・ハーフの息がぴったりあったプレイが楽しめます。

全8曲、約30分ほどの収録ですが、音質はかなり良好です。
幻のお宝音源と言っていいでしょう。森 勉


2020年9月24日(木) Roger Joseph Manning Jr. 「Wish I Would Rain」

雨/rainのつく曲「Wish I Would Rain」はずっと大好きな1曲です。

元ジェリーフィッシュのロジャー・ジョセフ・マニングJr.2006年発表の初ソロ作に収録されている名曲。

ロジャーのアルバムが出た2006年はお店で働き始めた年で、店内でこの曲を流した時お客様が気に入ってその場で購入してくださり、とても嬉しかったことを今でもよく覚えています。

長らく廃盤となっていたこのソロ1stが、曲を少し追加したデラックス・エディションで久々に再発されました。

Roger Joseph Manning Jr.『The Land Of Pure Imagination』
(輸入CD 0192641069314)

2006年に『ソリッド・ステイト・ウォリアー』というタイトルで日本先行&日本独自のジャケットで発売された本作。
同年に収録曲とジャケットが異なる輸入盤も発売になりました。

今回の再発は2006年発売時の輸入盤に、『ソリッド・ステイト・ウォリアー』に収録されていた3曲をプラスしたものになります。ジャケットは日本盤の方が好きだったんですけど...「Too Late For Us Now」、「Dragonfly」などなど名曲揃いの色褪せない1枚です。東尾沙紀


2020年9月25日(金) PIZZICATO ONE 「また恋におちてしまった」

<レコード店へ足を運び、レコードを聴いて音楽を楽しもう!>
2008年頃米国にて始まった中小レコード店&アナログ・ファンのためのイベント
Recrord Store Day

例年4月に行われていましたが、2020年はコロナ禍のため8月9月10月と3カ月に分かれて開催。
2020年第2回目のRecord Store Dayアイテムが明日9月26日発売されます。

対象商品のほとんどは1回目8月29日に発売されたため、9月26日発売タイトルは多くありません。
(Rストーンズ10インチ、Pマッカートニー輸入LP、ロジャー・ウォーターズ輸入LP、土岐麻子LP等)
でもその中で、最も問い合わせが多く完売必至なアイテムがこの1枚!

PIZZICATO ONE『前夜 ピチカート・ワン・イン・パースン』
(国内LP+7インチ 完全限定盤 小西康陽直筆サイン入りカード封入 PROZ-7901 4,500円+税)
(CDは2019年6月24日発売 UCCJ-2178 3,000円+税)

小西康陽氏によるPIZZICATO ONE、2019年10月ビルボード・ライヴ東京&大阪公演実況録音盤。
アナログ化にあたり、ライヴ本編は12インチ、アンコール2曲を7インチに収録。

もれなく、小西康陽氏直筆サイン入りカード封入!
小西さんが自らカッティングに立ち会ったこだわりのアナログ盤です。

今日のこの1曲は、アンコールに歌われたPIZZICATO FIVE時代の楽曲「また恋におちてしまった」。森 陽馬


2020年9月26日(土) Yusuf / Cat Stevens 「Father And Son」

50年前の自分と対話するならば、どんな言葉を語りかけるだろうか?
そんなことを考えさせられた1枚。

ユスフ(キャット・スティーヴンス)『父と子2』(Tea for the Tillerman2』
(国内CD 天辰保文氏による解説・歌詞・対訳付 UICY-15921 2,600円+税)

1948年生まれ英国ロンドン生まれの男性シンガー・ソングライター、キャット・スティーヴンス。
1978年イスラム教へ改宗、ユスフ・イスラムと改名。近年も音楽活動を続けている。
(『TELL'EM I'M GONE』を
2014年11月21日、『Laughing Apple』2017年11月19日今日のこの1曲にて紹介)

彼の2020年最新作は、1970年発表名作『父と子』(Tea for the Tillerman)を全曲新録音したアルバム。
当時のプロデューサー、ポール・サミュエル・スミス、当時のギタリスト、アラン・デイヴィスが参加。
現在のバンド・メンバーや家族も加わり、彼特有の温もりや優しさはそのままに新たなアレンジで聴かせる。

今日のこの1曲は、父と子の対話が歌詞となっている⑩「Father And Son」。

今回の新録音、父の部分は現在の彼が歌い、子の箇所は1970年当時彼が歌ったテイクだそうだ。
50年を経て真に自身へ語りかけるこの歌は、継続することの大切さと、人生の深遠さを教えてくれる。森 陽馬


2020年9月27日(日) ダイアナ・クラール 「ニューヨークの秋」

ダイアナ・クラールの新作が発売されました。

ダイアナ・クラール『ディス・ドリーム・オブ・ユー』
(国内CD 解説・歌詞・対訳付 UCCV-1181 2,600円+税)

プロデュースはダイアナ・クラールとトミー・リピューマ。
トミー・リピューマは残念ながら2017年3月13日に亡くなっていますが、その前2016~17年に録音されお蔵入りになっていた音源とのことです。

2017年にダイアナ・クラールが発表したアルバム『ターン・アップ・ザ・クワイエット』の時に録音されていましたが、そのアルバムには収録しきれなかったものが陽の目を見たわけです。
(『ターン・アップ・ザ・クワイエット』国内盤ボーナス・トラックに収録されていた「ハウ・ディープ・イズ・ジ・オーシャン」が今回は正式な収録曲として入っています。)

なんとも心地良いバックの演奏に、ダイアナ・クラールのハスキー・ヴォイスが映えています。
レコーディング・エンジニアはアル・シュミット。
「バット・ビューティフル」、「モア・ザン・ユー・ノウ」、「ニューヨークの秋」、「雨に唄えば」などのスタンダード及びボブ・ディラン作「ディス・ドリーム・オブ・ユー」含む全12曲。

トミー・リピューマが見守りつつダイアナが歌った曲は、このコロナ禍、気持ちを少し楽にしてくれそうです。森 勉


2020年9月28日(月) 山下達郎 「蒼氓」

山下達郎1986年発表『POCKET MUSIC』、1988年発表『僕の中の少年』。
80年代の名盤2作品が2020年最新リマスタリングされ11月25日発売決定しました。

CDはボーナス・トラック追加収録で2,200円+税。
アナログLPは音質重視2枚組LP仕様4,000円+税。
山下達郎本人による解説文もブックレットに掲載予定です。楽しみですね。

今日のこの1曲は、僕が一番好きな山下達郎作品『僕の中の少年』から。

山下達郎アルバムは英語タイトルが多いのですが、唯一の日本語タイトルである『僕の中の少年』。
年を重ねること、その喜びと悲しみ。そして、胸の奥に残っている少年の無垢な心が結晶化された1枚。

「生き続ける事の意味 それだけを待ち望んでいたい」(「蒼氓」歌詞より)
この言葉が重ねて歌われ、最後のラララコーラスで竹内まりや、桑田佳祐・原由子夫妻が参加している「蒼氓」。
何時聴いても、襟を正し、背筋を伸ばし、そして神聖な気持ちになるゴスペル(聖歌)のような1曲。

ライヴ盤『JOY』のヴァージョンは、インプレッションズ「People Get Ready」(カーティス・メイフィールド作)、マーヴィン・ゲイ「What's Going On」、U2「Pride (In The Name Of Love)」(マーティン・ルーサー・キングJrへ捧げられたナンバー)が織り込まれています。
この歌がまたライヴで聴ける日が来ますように。森 陽馬

通販コーナーにて予約受付中。


2020年9月29日(火) Marvin Gaye 「What's Going On」

映画『メイキング・オブ・モータウン』を、ヒューマントラストシネマ渋谷にて先日鑑賞。

多くのヒット曲&名曲を生み出したソウル・レーベル、MOTOWN(モータウン)。
創始者ベリー・ゴーディJrとスモーキー・ロビンソンの会話を軸に、貴重映像と共に描かれるドキュメンタリー作。
しっかりと制作された映像作品でとても面白かったです。

特に「マイ・ガール」録音時(当時の映像残っているのが凄い!)、ジェームス・ジェマーソン他バック・ミュージシャンがリハーサル時弾いていたフレーズがイントロ部分に採用されたエピソード、良かったですね。
ファイルのやり取りだけで楽曲が作れる昨今ですが、セッションしながらのレコーディングだからこそ、マジック(魔法)が生まれるのだな、と実感できました。

今日のこの1曲は、モータウン及びソウル音楽界において最も重要なナンバー。
マーヴィン・ゲイがベリー・ゴーディJrの猛反対を押し切り、1971年リリースした名曲「What's Going On」。

ヴェトナム戦争に従軍していたマーヴィン実弟からの手紙に触発され書かれたという1曲。
「たくさんの人々が涙を流している。そして命を落としている。
僕たちは見つけなければいけないんだ。今愛をもたらしてくれるその道を。」(「What's Going On」歌詞より)

何度も聴いてきたはずのこの歌の重みを、改めて感じとれた気がしました。森 陽馬


2020年9月30日(水) Stone Foundation 「The Light In Us feat.Laville」

UKのソウル・バンド、ストーン・ファンデーション約2年ぶり新作が発売になりました。

ストーン・ファンデーション『イズ・ラヴ・イナフ?』
(国内CD 解説付 PCD-24933 2,400円+税)

2020年6月に自身主催のオンライン・フェスを開催。彼らの過去のライヴや交流のあるゲスト陣による自宅演奏映像など、コロナ禍で活動がままならない中、盛り沢山な内容で楽しませてくれました。

短いインタールード(中には''Love''をテーマにした日本語による詩の朗読も)をいくつか挟み、注目のコラボも収録された充実作!

今作もポール・ウェラーのスタジオで録音。
演奏、コーラスでも参加しているウェラーがヴォーカルをとる「Deeper Love」、ルイジアナ出身Durand Jones&The Indicationsのドゥラン・ジョーンズが渋い歌声を聴かせる「Hold On To Love」、ACID JAZZ新星Laville参加のリード・トラック「The Light In Us」、元ブラン・ニュー・へヴィーズ/現マザー・アースの女性シンガーSulene Fleming参加「83:This Is Our Time」他、前作にも参加していたミック・タルボット、スティーヴ・ホワイトの名も数曲クレジットされています。

ボーナス・トラックには、2019年に7インチ・シングルで発表されたテリー・キャリアー「Ordinary Joe」、グレアム・パーカーが参加したアン・ピーブルズ「I'm Gonna Tear Your Playhouse Down」のカヴァー2曲。嬉しい追加収録です。東尾沙紀



これより以前に掲載した“今日のこの1曲”は、
 “今日のこの1曲 アーカイヴス” コーナーにてご覧になれます。■



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